ブレインズ・ベースで妖怪なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのブレインズ・ベースで妖怪な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のブレインズ・ベースで妖怪なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.5 1 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング1位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1074)
5216人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

10年分の想いを、今ここに・・(ギン視点で観てみました)

ねえ、蛍。
俺はずっとここに居るよ?
何年、何十年たとうとも。
たとえ、君の瞳に写らない
そんな存在だとしても。

俺が過ごした、途方もない時間。
そんな中で、蛍と過ごした時間は ほんの一瞬だった。
でもね、俺にとってはその一瞬が大切で愛おしくて、仕方がなかった。

蛍は俺に、優しくて、温かい感情をたくさんくれたね。
でも、それは、切なくて、苦しくもあったんだよ?
蛍は気付いてないかもしれないけれど・・
まるで夏の夜に光る、ホタルのヒカリのような、
そんな儚くて脆い、だけど、強くて、美しい。
そんな日々だったね。

蛍は俺に「忘れないで」と言ったよね?
忘れる訳がない。忘れたくない。
でもね、蛍は忘れてしまってもいいんだよ?・・


蛍に出会ったのは、蛍がまだ小さい時だった。

{netabare}

~蝉の詩、笑い声・・~
鳥達の囀り、木々の揺れる音・・
そんな森達の雑談と共に聞こえた、泣き声。
それが蛍だった。
蛍は、俺を見ても少しもこわがらなかったよね。
むしろ、楽しそうに俺に触れようとして来た。
まだ小さい蛍には「消える」という意味さえ理解出来なかったんだろう。
でも、俺には それが素直に嬉しかったよ。
1人の存在として認められているようで。

~夕やけの茜色、帰り道、遠回り~
「何かデートみたいデスネー」「色気のないデートデスネー」
そんな他愛ない会話を繰り返したね。
手をひいてあげる事は出来なかったけれど、
その先から伝わるこの想いは、一体何なんだろう?
何だか、胸の奥が温かくなるような・・

別れる時、蛍は俺の名前を聞いた。
俺の名前は・・無言・・疑問と不安。
そんな時、風が俺の背中を押した気がした。

~約束は「また明日」~
明日も来ると走って行った、蛍。

「ギンだ」

翌日 本当に蛍はやって来た。
そして、約束の場所で、待っていた俺が居た。

~夏はただ、咲き誇り~
冷たい小川に、暑い夏の日差しが差し、キラキラしてる。
全てが美しく、夏が輝いていた。
それは、蛍が側に居るからなんだよ?
蛍と見る全てが、今までとはまるで、違って見えた。

~その命輝かせ~
俺はただ、生かされて、ただそこに存在しているだけだった。
何も意味をもたない、あやふやなモノ。
だけどね、今まで感じた事のない、自分の存在。
俺は自分というものをこんなにも感じる事が出来るんだ。
夏が待ち遠しい、蛍に会える事が、素直に嬉しい。
そう思えた。
そんな夏が何度も何度も訪れた。

ある夏の事だった。
蛍は俺を驚かせようとして、見事に木から落ちて来た。
俺は、そんな蛍を受け止める事が出来なかった。
自分の存在が無くなってしまう事を恐れたのか・・?
そんな気持ちとは裏腹に、蛍は安堵の顔を見せた・・
そして、大粒の涙を流した。
何故泣いてるのかは、分かってた。
涙は止め処なく流れ続ける。
でも、俺は その涙を拭ってあげる事も出来ず、ただ、その泣き顔を見続けた。

出会わなければ、こんな想いをさせなかった?・・
出会わなければ、こんな想いはしなかった?・・

~終わらない、お話のその先に気付いて~
蛍は毎年、会う度に、成長していく。
それは、普通の人間の子なら当たり前の事なのは分かっていた、、つもりだった。
少しづつ、目線が近くなって来る。
それを複雑に感じつつ、俺の感情に違う何かが芽生えはじめた。
いつか感じた想いとは、全く別物。

蛍に・・会いたい。
蛍に・・触れたい。

この胸を締め付ける感覚は・・

~カラス達遠ざかり、どこかへと飛んでゆく~
離れてる時間がこんなにも長く、辛く感じるなんて・・
今まで考えた事も無かったよ。
蛍は今何をして、何を見て、何を考えてる?
いつからか、俺の中は蛍でいっぱになっていた。
いつか、こんな気持ちが届く日が来るのだろうか?

真っ白な雪の上に散る椿が一際紅く見えた。
俺の心の中のように。
真っ白な心の中に、真っ赤に燃える感情が一つ・・
蛍がくれた温もりで、いつもの冬より、身体も心も温かかった。

~夏はただ駆け抜ける、宝物、しまうように~
ある夏、蛍は言った。
春も、秋も、冬も、俺の事を考えていた、
そして、もっと一緒に居たいと。
俺は、自分という存在の全てを打ち明けた。
打ち明けなければならないと思った。
俺は、蛍を幸せにはしてあげられないから、永久に・・
こんな俺の為に犠牲になる事なんてない、もうここには来なくていいよ?
俺はずっとこうして、だだ存在しているだけで、何も変わらない。
“決して忘れられない、かけがえのないモノが一つ増えた事以外は”
だけど、蛍から返って来た言葉は優しく、心が苦しくなった。
そして思った。もう、こんな夏を続けていてはいけないと・・

~いつまでもなつかしい、あの頃は黄金色~
いつか蛍と行きたいと思った、 「妖怪達の夏祭り」。
誘うのは、ちょっと照れ臭かったけど
蛍は喜んで、行きたい!っと言ってくれた。
そして、少し不安な言葉を口にする。
不安な事はないよ、だって蛍は、俺が守るよ?
そう言うと蛍は、少し頬を紅くして
「そういう事を言われると、飛びつきたくなってしまう」と言った。
・・「飛びつけばいい、本望だ」
もし、それで俺が消えても何の後悔もない、今なら全て受け止める事が出来る。

~何気ない毎日の片隅を照らしてる~
手を伸ばせば、届く距離。
一番近くに居るのに、一番遠い存在。
俺は、蛍を抱きしめたかった。
そして、その手に、その髪に、頬に、
一瞬でいい・・その温もりに触れたい。
もう、気持ちが抑えきれなくなっていた。

~夏はまた、やってくる約束を守るように~
祭はいつもの夏と同じようにやって来た。
でも、今年は隣に蛍が居る。
毎年思い描いていた光景。
「デートみたいデスネー」「デートなんデスネー」
10年前、初めて会った日に交わした会話。
10年越しの、始めてのデート。
やはり、あの日のように手はひいてあげられない。
でも、振りなら許されるよね?

息を吹きかけると回る風車。
金魚すくいをする子供は、尻尾を隠しきれてなくて。
偽物の綿あめが空に浮かび上がり、その空に花火が咲き誇る。
蛍はそんな光景に、ずっと笑顔だったね。
その笑顔を見て俺も笑った。

このまま時間が止まってしまえばいい・・。
そんな、叶わぬ願いをそっと胸にしまい込んだ。

楽しい時間は一瞬だった。
蛍と過ごした10年分の夏がそうだったように。
そして、俺は帰り道に全ての想いを蛍に伝えた。
こんな事を言っても困らせてしまう事は分かっていた。
だって2人は決して交わる事はないのだから。
そして、お面越しにくちづけをした。
これが蛍に触れられる精一杯。
蛍に捧げる、精一杯の気持ち。

蛍は今どんな顔をしてる・・?

そんな時、小さな子供が飛び出して転びそうになった。
俺は咄嗟にその腕をつかんだ。

・・刹那、指先から光を放つように消え始めた。
「あの子は、人の子だったのか・・」

もう、何もこわくはなかった。
ただ、願いは一つ。

「来い、蛍!やっとお前に触れられる」


ねぇ?蛍、覚えてる?
初めて会った日の事を。
笑いあった夏の日々を。
俺は忘れた事なんてなかったよ。
春も、秋も、冬も、会えない日々
ずっと蛍の事を考えていた。
蛍としたい事でいっぱいだった。
蛍とみたい物でいっぱいだった。
蛍と感じたい事でいっぱいだった。

でも、もうさよならなんだね。

蛍、こんな俺に気付いてくれてありがとう。
こんな俺を受け入れてくれてありがとう。

蛍の温もりを感じながら、最後に伝えたい事があった。




「好きだよ」



~夏はただ咲き誇り、その命輝かせ・・~






※~〇〇~
ED・おおたか静流『夏を見ていた』

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 58
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

切なく儚い夏の物語

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。


 初見でした。自業自得ですが、短編と知らずに見てしまったため、少々の後悔が残ってしまいました。短編と気付いたのは終盤になってからです。短編と知っていれば、見方も少し変わったと思うのですが、残念です。作風はゆっくりしているのですが、テンポは速く感じました。賛否はあるかもしれませんが、もう少しキレを悪くした方が余韻が残ったかも、とも思います。シナリオ自体はかなり良いものです。セリフ回しに感情の機微が表れてますので、逃さないようにしましょう。短編ですので時間がないときでも見やすいです。


ジャンル:
 ジャンルは、妖怪との恋愛ものです。
テーマ:{netabare}
 テーマとして、子供時代との決別を描いていると思われます。主人公の蛍は、中学生で凧揚げ、高校生で釣りと、およそ年齢に相応しくない遊びをしています。ギンの近くにいるためには、子供でなければならなかったのです。蛍が大人に近づき、ギンとの間で愛情が生まれると同時に、ギンとの生活も終わりを迎えます。蛍の子供時代は遅まきながらも終わりを迎え、大人として歩んでいくことになります。 {/netabare}


エンディングへのフラグ:{netabare}
 この作品は、エンディングに至るために、特殊なフラグ管理を行っています。
 エンディングへのフラグは、大きく分けて二つ立てられます。一つ目は、ギンが蛍を助けるために触れてしまう、というものです。これを補完する水辺のシーンが複数あります。二つ目は、時間が二人を分かつまで一緒にいようという蛍の願い、つまり、蛍が死ぬまで一緒にいるというものです。蛍は作中で、卒業後にギンのいる街で就職すると述べています。触れたいと願いながらもこの二つ目のフラグを期待していました。ですが、いずれのフラグもエンディングとは異なるものでした。
 エンディングは、つまづいた少年を助けるためにギンが少年に触れてしまうというものでした。突然の事故であり、それもかなり小さいものです。視聴者をかなり驚かせます。
 作品におけるどんでん返しとは、構造自体を変えてしまうことが普通です。Aだと思っていたものが、実はBだったという手法です。例は控えますが、多くの作品に使われています。
 しかし、この作品では、構造自体がフラグになっているのです。転んだ少年は、お面の少女を追っています。いずれも年のころは幼少期の蛍に重なります。これは、男女を逆転させてはいますが、お面を受け取る前の蛍とギンの関係性と同じです。転んだ少年は蛍を象徴するキャラクターであり、ギンは蛍に触れたに等しいのです。つまり、蛍とギンという構造自体がフラグとしてエンディングを導いているのです。
 ギンも蛍に触れたいと願います。死別というフラグの否定です。しかし、触れる選択肢はありませんでした。触れるという結末は、ギンのせい・蛍のせい・合意の3種類が考えられますが、いずれにしても蛍が大きく傷付くことをギンは理解していました。だから、蛍との離別を選んだのです。実際には上述の事故が発生し、蛍を模した第三者(蛍のせいではない)をきっかけとして触れ合うことで、蛍の傷は小さいもので済みました。

 ちなみに、蛍が心に傷を負っていたことは確実です。物語の冒頭、蛍はおじいちゃんの家へ「毎年行っていた」と言っています。「毎年行っている」という継続表現ではないことから、1年以上の間が空いていることは明らかです。履歴書をもって出かけていることから、時系列としては、「ギンと分かれた高1の夏」「行けなかった高2・3の夏」「就活のために行く卒業後の夏」となっているのではないでしょうか。
{/netabare}

手つなぎ、木の棒、布:{netabare}
 エンディングと並ぶ見どころの一つです。
 ギンと初めて会ったシーンでは、木の棒を二人で「握り」ます。木の棒越しに伝わるギンをよっぽど気に入ったのでしょう、蛍は山を下りる際に木の枝で草を撫でながら鼻歌まじりに歩き、ギンの存在を手に反芻します。そしておじいちゃんと手をつなぎます。
 二日目には、ギンは木の棒を携えて登場しますが、その木の棒は持っていきません。代わりに蛍からアイスを受け取っています。もう木の棒は必要なくなりました。
 蛍が中学生になると、学友と手をつなぐシーンがあります。しかし、蛍には思春期特有のドキドキ感がありません。ただ「引っ張ってもらっている」だけという描写になっています。
 夏祭りでは布で蛍とギンの手首を「つなぎ」ます。重要なのは、布を「握っている」のではなく、手首で「つながっている」ことです。赤い糸も「握っている」とは言わず「つながっている」といいます。二人の思いが通じ合っていることが表現されています。子供が間を駆け抜けてもほどけることはありませんでした。もう手を「つなぐ」必要はなくなりました。
 その後、ギンに「来い」と言われ、蛍は飛び込むようにギンに抱き付きます。抱き合うのではなく、抱き付くという描写も、初対面の時に繰り返しチャレンジした願望を成就させたものです。
 なお、紐ではなく布であったのは、蛍が送ったマフラーへのギンなりの返答だからでしょう。
{/netabare}

蝶とホタル、天井:{netabare}
 蝶はギンを、ホタルは蛍を象徴していたようですが、使われ方は少し雑に感じました。要所で、すなわち心情が動くシーンで出ていたようですが、その前後であったりと統一感に欠けていたように思われます。理由付けをすることは出来ますが、ややごり押し感があるためここで述べるのは控えます。エンディングでは、蛍の周りがホタルから蝶へと変わり、乗り越えた感は感じられます。
 一方で、3回出てくる天井は分かりやすい表現となっていました。蛍が山に行けなかっただけでなく、おじいちゃんの家にも行けなかったのは、天井の木目にギンを見てしまうからでしょう。就職が決まったら、ギンのいるあの部屋で生活するのかもしれません。
{/netabare}

 短編ですが、エッセンスは十分に盛り込まれていたと思います。唐突に来るエンディングも、切なさと儚さを上手く演出していました。対象年齢としては思春期以上が望ましいでしょう。特に女性に好まれる作品ではないでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

半兵衛♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

【ネタバレ有】『最後に残る最高の“余韻”―。 一つの“掟”に縛られた、切なさ全開の恋物語―。』

 
   
 原作の“緑川ゆき”に加え、“大森貴弘(おおもりたかひろ)”監督をはじめとする「夏目友人帳」のスタッフが製作を手がけた劇場版アニメ作品―。

 上映時間40分余りの、いわゆる“中編作品”なのだが―、そこら辺にある凡百の中編作品とは桁違いの魅力が、この作品には詰まっている―。

 一目見ただけでそれと分かる、「夏目」らしさを感じる“優しい空気感や世界観”―。彼女たちにしか描けないその“澄んだ雰囲気”と“心温まるストーリー”は、「夏目友人帳」ファンなら(いやそうでなくても)必見の一作である―。



 (簡単なあらすじとしては―)、妖怪が住むという“山神(やまがみ)の森”に迷い込んだ人間の少女“蛍(ほたる)”が―、「人に触れられると消えてしまう」という、この森に住む妖怪の青年(正確には人間でも妖怪でもない)“ギン”に助けられ―、それから毎年夏の間だけ、ギンの住むこの森を訪れるようになる…という物語―。


 物語の最初に、最も重要な「人に触れられると消える」というテーマを見せる事で、この作品の“(悲しい)終着点”が垣間見え―、同時に、そこに至るまでの二人の会話ややり取りの中に、(そのテーマが)終始、“触れられないもどかしさ”となって付きまとう―。


 蛍が出逢ったのは6歳で、最後の場面では18歳―。

 40分余りの上映時間であるが故に、粗雑(そざつ)にも感じる作中の時間経過(の早さ)が―、逆に、二人の間には、互いが一緒に過ごせる“夏の一時(ひととき)”しか無い事を余計に感じさせ―、だからこそ、かけがえの無いその時間を楽しそうに過ごす二人の姿が、観ていて余計に切なくなる―。



 たとえどんなに心が通じ合っていても、二人の間には、決して看過出来ない“時の流れ”が存在する―。だからこそギンは、自分の気持ちに向き合い、全てを投げ打つ“覚悟”を持って、蛍を夏祭りに誘ったのだろう―。

 そうして迎える最後の場面―。

 ―― (蛍) 「デートみたいですね~」――

 ――(ギン)「デートなんですね~」――

 出逢った日の事を連想させる蛍のセリフ―。けれども、返ってきたのは以前と“真逆”のギンの言葉―。あの時は、子供をあやすかのような反応だったからこそ、全く同じ軽い調子で、全く逆の事を言うあのシーンには、ギンの、蛍への想いや…覚悟や…寂しさが…全て込められていて―、余計に涙腺を刺激する―。


 いつもと違うギンの態度が、ずっとお互いの事を考えて過ごして来た蛍には、口にしなくても伝わり―、(本当はずっと一緒にいたくても)、彼の覚悟を何も言わずに受け入れる―。

 ギンの気持ちを察し、蛍自身も覚悟したからこそ―、夏祭りの帰り道、偶然、人の子に触れて消えゆく事になったギンとの“突然の別れ”にも、その瞬間、ただ真っ直ぐに、“お互いの本当の気持ちを伝えることだけ”を考える事が出来たのだと思う―。

 ――(ギン)「来い、蛍―。やっとお前に触れられる―」――

 最後の瞬間になるはずなのに、二人は“最高の笑顔”をしていた―。それは、二人が本当にしたかった事はこれだったから…。その後の別れの不安など消え去るほどに、ずっとずっと二人はお互いに触れたかった…。あの一瞬の抱擁で、きっとギンは人間の…“蛍の温かさ”を感じることが出来ただろう―。



 (その後の妖怪たちの優しいセリフも良かったが…)、とにかく終始、涙が止まらず、何度見ても泣いてしまう…。「人に触れられると消えてしまう―」。たった一つのそのテーマで、ここまで心に響かせられる―。

 最後の最高の“切なさ”が来る瞬間を徐々に感じながら、その“一瞬の儚さ”を感じて観終わり―、そうして“圧倒的な余韻”だけが最後に残る―。


 時折、「時間が少し短過ぎる」とか「せめてEDの後にもう少し何かが欲しかった」などという感想を目にするが―、もしもこの作品が、2時間の長編映画だったなら、本作に感じた淡さや儚さは“色褪(あ)せる”だろうし、(最高レベルの)あの余韻を感じる事も無かっただろう―。

 お互いの気持ちやその後の出来事など、描く必要は全くない―。観終わった人達それぞれが、各々で感じる“余地”を残すことで―、この作品の“淡さ”や“儚さ”を、“余韻”として感じられるのである―。


 最近観た劇場版作品の中では、最も感動し泣けた、切なさ全開の“傑作”であった―。



 最後に―、山神さま…もう少し“緩い”掟でも良かったんじゃないですか…(涙)。


  (終)

 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

55.4 2 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング2位
Dororonえん魔くん メ~ラめら(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (76)
412人が棚に入れました
地獄界の権力をにぎる閻魔大王の甥にあたるえん魔くんは、人間界で人間を妖怪から守るよう命ぜられ、日本へと向かう。そこで知り合ったツトムくんの周りで起きる奇っ怪な事件を、仲間たちと共に解決していく。漫画版では全編がギャグで構成されているため、あまり深刻な話はないが、アニメ版では義理人情に訴える涙話があったり、強敵と死に物狂いで戦うなどドラマチックな展開になっている。

声優・キャラクター
山口勝平、能登麻美子、子安武人、稲葉実、川澄綾子、宍戸留美、中村大樹、伊藤舞子、梅津秀行、井上喜久子、若本規夫

米麹米子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

あにこれ閻魔帳

アニメとは一切関係ないです。
プロフの欄をこちらに移動。



10万サンキュー越えを称え賞を贈りたいと思います。

☆デモンハッピーエンド
不死礼賛の猫姫

という二つ名をにゃん姫に❤︎

おめでとうございます
皆さんでお祝いのコメントを送ってください(๑′ᴗ‵๑)
ちなみに、二つ名メーカー
西尾維新のそれっぽいのができるやつで作りましたw







♥︎にゃん姫

あにこれの看板娘というか姫であり妖精です。
最初はわからないことばかりですが
にゃんちゃんに挨拶に行きましょう♪
プロフ欄は初心者用に色々書いてあります。

■ほったっる名言 
ブタルシスマシマシ・・・。結構、エミ嬢をはじめ、
各方面から豚としての自分を求められているんですよね。
趣味でやっていた豚がいつしかプロに・・・。
プロ意識としての葛藤も多いです。

※ブタルシス(英語 butharsis)は、豚畜生における精神の「浄化」を意味する。ほったっる が著書『萌え豚に生まれいづる悩み』中の二次元論に、「二次元が豚の心に萌えの感情を呼 び起こすことで精神を浄化する効果」として書き著して以降、使われるようになったような なってないような気がするが、ほったっる自身は自己満足として使った。

 男の子の心にのみ存在する「ココシキュ」

■disa名言 ヒャッハー!!小学生は最高だぜええええ!!!!!!
  イリヤたんと美遊たんの百合的な絡みぺろぺろ\(^o^)/
  日本は素敵な大和の国いいいいいいいいい!!!!!
  
  風早君の匂いについて語る。
  芳醇なにほひを鼻孔に芳せながら口に一気に流し込み、
  味蕾で鋭敏な風味と喉仏でその越しを楽しむ。
  これが紳士の嗜みです。
  
  「ごちうさ」のモカ姉の姉力ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

■GP名言 マットとローションはノーベル賞モノの発明だ!
     そりゃあ小学生は最高だぜーーッε============ヾ(≧∀≦)ノキャッホゥゥ

----------------------------------------------------------

★タレコミ、( ・ω【◎】パシャッ 情報お待ちしております♡
気分を害されたならご連絡ください。

2014年 あにこれMVP 王子(OZ)
2014年 あにこれ新人賞  GP(PPN)

2015年 あにこれMVP  美桜さん
2015年 あにこれ新人賞  kazunyanzu

2016年 あにこれMVP  どらむろさん・時金さん
2016年 あにこれ新人賞 ココ吉

2017年  あにこれMVP   shino73
2017年  あにこれ新人賞  しお

2018年 あにこれ MVP  匿名希望のDさん
2018年 あにこれ 新人賞 ぺーさん・フィリップさん
2018年 あにこれ アイドル賞 ニャンキチ君さん


*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._

とあるK氏からのオススメの3名さま


①渡辺探偵事務所の所長
バッコリの生みの親にして数々の作品を縦横無尽にバッコリ
ぶった切るバッコリマイスターにしてお茶目な変態探偵。

最近は変態絡みが全然足りないとボヤいております…


②ミークさん
幼女をこよなく愛し自虐ネタ爆発で痛快なメタボマイスター♪
淡々としたレビューの中に随所にネタをぶっこんできます。

お絡みしたことはありませんがw
ずいぶん前から活動されてる隠れ変態紳士発掘でッす★


③戸愚呂(青春)さん
考察とコミカルを巧みにあやつる青春マイスター★
自分の世界を持っていてかなり熱いお方。(ヾノ・∀・`)

変態をひけらかすのではなく
たま~に変態要素がポロッと見え隠れしちゃうレビュが
個人的にツボったりしますw



*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._


★ZU 大魔王・乙女・碇指令・大魔王喫茶(王子酒追加)女子力高い・糞ガキ・顔文字乙女
   忍野メメ・課金野メメ

★おみや 乙女・婚活隊長・糞ガキ

★disa 男の娘・女の子宣言・たまに発作おこす・ブヒリティ・愉悦にはまる
    やぴーと精神的百合・百合本ブコフで立ち読み・disa菜
    前世のdisaさんはergぬきゲの良作?を教えてくれる

★王子 女子力向上・変態の自覚と蒙古斑あり・ツインテール病・太眉と片言喋りの属性追加・OZ美さん
    年に1回くらい王子は発作的にサムネを変えることがあり、これをごましお、又はごましおモードという。

★やぴー ふたなり・文章イケメン・中身メンマ

★PPN ゲス野郎→ゲスP→GPPN→GP・汚れを身に纏う戦士・IWGP(インターナショナルワーストGP)
    風使い・GPにL「Lolita」(ロリータ)に追加でGPL
    『GP満貫全席』→風俗でオプション全部付ける事。・BL活動中・尻軽 
    日本浴場覗き見協会・強化委員長・あにこれのゲスい彗星・ゲス・GPはNTR系が好き
    うさぎちゃん・チマメ隊さん・ロリ好き・熟女好き・EG/エンドレスゲス・バイアグラ男

★buon 居酒屋大将。冷や奴しかないwベトナムあにこれ支店に在籍・嫁募集中
     草食系

★フライ SとM両方いける・中身メンマor揚げち○すこう・ウミガメの産卵ゴッコ
     フライのお尻は10年に1人の名器・あにこれの恥部・金色モザイク

★westkage 俺妹への愛が重い

★ほったっる 夜行性の豚(プロフの最後に注目)・ブタルシス

★智慧ノ輪 キャバクラ帝王・ちっち

★ココ吉  第64代ロリ斗神拳伝承者・去勢して男の娘に・性器末覇者・ニーハイ酒
      フライの尻係・“ロリ王”・ロリゲス

★ワタ   さすが百合師匠。ベスト10が百合セレクトwメリー百合スマス


★ようす  嘆きの丘の豚小屋の錬金術士
      聖なる豚に変えさせてくれます
      豚小屋では一番大手

■米国変態紳士との親善試合 
PPNJAPAN(王子・ココ吉・wastkage)

☆:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:☆


☆:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:☆


3/6 GP記者会見

随分遅れて会見スタート。フラッシュの前にやや前屈みのGP
腰の調子よりも、亜矢子さんという看護婦について語る。
小さくて、可愛くて、ぽちゃっと…(満面の笑み)
昨年はあにこれ新人王として活躍したGPだが、今年の目標は
あにこれ女子を喰らうとの事(喰種)
メイド喫茶にも行きたいと野望を語る。
ロリから熟女まで幅広い年代層も喰えると豪語するGP。
溲瓶を特大サイズにしろなどと難癖をつけながらも
なんとか腰の手術を終え退院したが、最後に

ナースのメイドのそして熟女の王におれはなる✨(`∀´)y-゜゜゜
と言い残し会見は終了。
波乱の幕開けが予感される夜でもあった。

匿名 ちっち

『膝に乗せる』『キャバとメイド喫茶は同じ』発言から…
GPがハマってたのって、セクキャバ?おっぱぶ?って勘ぐっちゃったぞ(笑


♥・。.。*♥*。.。・*♥*・。.。*♥*・。.。*♥*。.。・*♥ ♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。

お顔を拝見致しました(*´∀`*)

■ゅずっち、可愛い系・美人系( 気になる相手がいる模様)
■大魔王はワイルドダンディー(恋人募集中・若い子が(〃∇〃) )
■buonさんは笑顔の素敵な殿方でシュッとしてカッコいいよ
(お友達から始めることを前提に結婚してくれる方募集中・35歳迄)
■ぽんちゃんは癒し系・キレイ目系(彼氏はいないらしい)
■フライは顔見せてくれなかったので、想像上では画太郎のババァ
■おみやさんは、( ー`дー´)キリッって感じの男前でした♪(既婚)
■くしさんはダンディで大人の知的雰囲気プンプンで素敵
■ポロムさん 20歳で和風美人♪化粧すると色っぽかった(〃∇〃)
■ちっち 若かったしお顔も中々イケメンで爽やかw眼鏡はめてて今風のお方。
     凄く優しそう♡
■GP 若いwイジリーを期待してたのにこちらも爽やかイケメンw人柄が顔に出てるよ♪
■茶くん 若いw中性的で、芸術家やアーティストっぽい雰囲気。イケメンより…美人さん?

■美桜ちゃん 清楚なお嬢様系。美人さんです。

■かずにゃん ネットの文字と同一とは思えないほどに爽やかイケメンさんですよw

■ストライクさん すっごく人柄がよくて優しそう。
       顔見てるのでやりとりすると照れますね(;´∀`)

■ato00さん 紳士。若かりし頃は少年と呼ばれ、可愛い系だった模様w

♥・。.。*♥*。.。・*♥*・。.。*♥*・。.。*♥*。.。・*♥ ♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。

★豚共の夜会

1クール終了後に行われる萌豚の夜会
場所は同じ場所で行われる場合もあるけれど
転々としてる場合もある。
おおよそはワタさんdisaさんカゲ君ココちゃんあたりを眺めてればわかるかと。
他にもほたるん、フライ、れんげ師匠と師匠クラスが多い。

★ゲス記者

フライスクープのもと行われる記者会見。
ゲス記者が数人集まり、会見という名の取り調べが行われる。
ただ、記者会見は行われるが
今迄雑誌が発刊された事は一度も無い。


智慧ノ輪 まどマギ編


ヒマだったんで書いてみたwww
(参考資料:ウィキペディア「魔法少女まどか☆マギカのエピソード一覧」)

第一話:めいどりーみんの中で逢った、ような…

智慧ノ輪はあにこれ中学2年生として平凡に過ごしていたが、
ある夜に見た夢の中でメイドちゃんと楽しそうに話している大魔王を目撃し、
メイドに似た生き物から「おかえりなさいませ、ご主人様」と告げられる。
翌朝、その夢で見た大魔王からメッセが飛んでくる。
大魔王はなぜかメイドカフェの事をよく知っており、
「今とは違う自分になれるよ」と、謎めいた警告を残す。

その日の放課後、智慧ノ輪は親友のGPと寄り道した際に、
「萌え萌え~」との謎の声に導かれて迷い込んだビルの一角にて、
夢の中で見た大魔王と楽しそうに話しているメイドちゃんに出くわす。
その状況に戸惑いつつも大魔王と共にビルを抜け出すが、
直後に秋葉原の結界に迷い込んでしまう。
智慧ノ輪とGPは、同じあにこれ中学の先輩にもあたる
おみやさんに助けられ、メイドカフェとの戦いの一端を知る事となる。

第二話:それはとっても楽しいなって

秋葉原の結界からおみやさんに救われた智慧ノ輪とGPは、
メイドちゃんから「おかえりなさいませ、ご主人様☆」と告げられる。
メイドちゃんから2人は、入国すれば
どんな願いでも叶うという夢のような話を聞かされるが、
一方でおみやさんから「メイドカフェでは照れずに『にゃんにゃん語』を
使い続けていかねばならない」厳しい事実も伝えられ、
慎重な判断をするよう忠告される。


……ここまで書いて飽きちゃったwww
続きはタイトルのみでw

第三話:もう(一人で入国しても)何も怖くない

第四話:萌えも、ニーソも、あるんだよ

第五話:(メイドちゃんコスプレ体験しちゃっても)後悔なんて、あるわけない

第六話:こんなの絶対おかしいよ(メイドコスの大魔王を見た感想)

第七話:みはにゃん(嫁)と向き合えますか?

第八話:あたしって、ほんとバカ(通いつめてVIP会員になったとかw)

第九話:そんなの、あたしが許さない(GPのドタキャンについて)

第十話:もう誰にも頼らない

第十一話:最後に残った大量のチェキ(かるた&トランプ作成中←)

第十二話:わたしの、最高の友達(そして定例会は続く…)



十話だけ面白い改変が思い付かなかった。。。




『メイドカフェから出てきたポルナレフさんにインタビューしてみました』







            
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|   あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|    『俺は【まゆしぃ☆にゃんにゃん】が出迎えてくれると
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     思ったら【いかちぃ☆にゃんにゃん】だった』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人      な… 何を言っているのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ     おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ     頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r ー---ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ   そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

ジェロニモ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ガチで高レベルのアニメ!制作費シャレにならないんじゃないか!?

とにかくこのアニメはこだわり過ぎです!


巨匠、永井豪の漫画「ドロロンえん魔くん」のリメイク作品なのですが…

いやはやパロディネタが古過ぎるwwwww

40年代の人でギリギリ分かるレベルのネタが高ペースで作中に挟み込まれています!

毎回アバンで妖怪パトロールの3人がパロネタをやって始まるのが楽しかったです。


豪ちゃんネタも数々見られますね…
デビルマンにマジンガーZ、魔女っ子チックル、ケダマンなどのマニアックなところも攻めていますww

このアニメの監督は米たにヨシトモさんです。

ガオガイガーを監督して一躍有名になった監督さんです。
米たに監督のこだわりがすんげぇーー伝わってきましたねw


・分かる人がどれだけいるのかが不明なパロネタの多さ
・めちゃくちゃ細かい細部まで描き込まれた作画
・大御所声優の使いどころ
・原作の良さを引き出しているところ


パロネタの話は最初にしたんで、作画について話しますね。

すんごいですよ
とりあえずOP、EDが毎回違うんですよ。

この作業かなり面倒らしいのですが、米たに監督は頑張っちゃったんですね。
まぁ間違い探しみたいで面白かったですがね。


本編の作画に関しては
小さく映されているキャラクターが喋る時に、よく観ると口元がちゃんと動いているんですよ。
驚きましたね

後は背景の書き込みの凄さとかも見ごたえアリです。


次は大御所声優についてです。

1話に必ず1人は大御所声優が妖怪役で登場します。
しかし、その使いどころが非常に贅沢なんですよ!

本当に本当に、ほんのちょっとしか出番がないんですよ!


そこには米たに監督のこだわりがあって
そういう役(ちょい役)だからこそ演技力に長けた人にしか任せられない。そういってましたね。


次が原作のよさについてです。


当時連載中だった「ドロロンえん魔くん」は豪ちゃんのエロさ全開のギャグ漫画だったのです。

妖怪退治の話なのに、
妖怪というのを道具として利用し、ヒロインの雪子姫(ノーパン)にエッチなことをしちゃうという内容でした。

で、そのえん魔くんが昔アニメになった時は
エロなんか全く存在しないオドロオドロしさのあるホラー系のアニメになってしまったのです。


その当時に原作ファンだった人たちは
原作通りの内容でアニメになってくれないかな?と、さぞかし思ったことでしょう。

それを実現させたのがこの作品ですwwwww

昭和のエロさなので今の子が観て、どういう具合に興奮するかは分かりませんが…www


しかもガオガイガーの米たに監督のせいなのか、このアニメのテンションが異常に高いですwww

元気があるときに観て下さいね!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

ネフロン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

意外とツボ!

なぜ今になって昭和のアニメをリメイクするのだろうか。たぶん途中で断念になりそ.......おもしろいじゃないか!
ストーリー性はほとんどなく、大きなところから細かいところまでがちりばめられている昭和ネタ、パロ、そしてエロで構成されているテンポのいいギャグアニメです。
私は昭和世代ではないのものの、手塚治虫のマンガ読んだり、TVで色々見たことある影響からか、話によってまちまちでしたが4〜7割ぐらいが知っているネタだったので、結構楽しめました。分からないネタがあるとつまらないというよりなぜかかくやしくなり、解説しているサイトを調べることでネタと1つ1つ検証していきました。その結果もう一度みてみると8〜9割は
「なるほど、あのネタか」
と理解できるようにになりました。
親が子供の頃
『マンガ(アニメも含む表現)なんて下品なものみてたら頭悪くなるからダメ!』
と言われてたそうです。当時の世論はマンガ等に否定的だったと手塚氏もマンガ内で表現していました。もちろん全部が全部そうではないのですが、このアニメを見てると分からんでもない気がします。
エロが大丈夫で、特にあの頃の古き良き昭和が懐かしいという人にはオススメです。ネタが分かる人には今のアニメと互角以上に張り合えるアニメでしょう。
あと能登さん、エロシーンお疲れ様でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

90.1 3 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング3位
夏目友人帳(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (5005)
23709人が棚に入れました
魔妖怪が見える少年、夏目貴志はある日祖母の遺品である「友人帳」を手にする。しかし、その「友人帳」は祖母・レイコが負かし、名を奪った妖怪の名が書いてある契約書だった。
それ以来、名を返してもらおうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで用心棒となった妖怪のニャンコ先生と共に、妖怪達に名を返す日々を送りはじめる─。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やさしく、ゆがんだ夢の国

 夏目友人帳について、人と話すのはなんだか、難しい気分がある。
 視聴した後の感覚は、とても良い。いいものを見た、という気分になる。しかし、冷静に考えてこの内容は、どう評価できるのか。わたしはなんだかよくわからない気分になる。
 この作品は、かなり、ゆがんでいるとも思うのだ。

 夏目友人帳、の最大の発明は、いうまでもなく「さみしさを抱えたやさしい存在」として、妖怪や八百万の神々を描いたことにある。
 『ゲゲゲの鬼太郎』にはじまり『ぬらりひょんの孫』『蟲師』『モモノ怪』『かみちゅ』『千と千尋の神隠し』『うしおとトラ』など、妖怪や八百万の神々の蠢く異世界の想像力を描いた話は数多いが、妖怪のほとんどを寂しさを抱えた存在として、描ききるという立場を徹底した夏目友人帳のやはり、きわだった独創性をもっている。
 そして、このポジションをもとに書かれる物語のパターンはこうだ

1.妖怪の「弱さ」を、悪行の原因として描きつつ
2.一方で、その「弱さ」があるからこそ、そこに対する解決として主人公・夏目が優しさを発揮する経路が与えられる
3.そして、夏目の優しさで妖怪を包み込んで一見落着。

 これが、夏目友人帳、の定型的な物語のパターンだ。
 これは、いったい何なのか、ということを思うのだ。

 単に、見終わった感想だけで言えば、とても優しい物語でした、という話になる。

■「都合のいいように解釈する」ことの是非
 
 ある特殊な設定をもとに、ご都合主義的に、心理描写をワンパターンに行っていく作品というのは、けっこうひっかかりを覚えることもすくなくない。アニメ作法のキャラ描写(たとえば、釘宮ツンデレキャラ)が心理描写がザルでもいいが、明確に心理描写をしようと志向しているにもかかわらず、その水準がザルなものは、見るに耐えない。
 しかし、夏目友人帳には、そういう苛立ちをまったくといっていいほど覚えない。これは、不思議なことだ。夏目友人帳の世界観も、わたしは冷静に考えれば、歪んでいる、と思う。冷静に考えれば、ご都合主義だ、とわたしは思う。心理描写はワンパターンだ、とわたしは思う。
 しかしながら、夏目友人帳には、わたしは、イラつかない。

 夏目友人帳の、主人公「夏目」によって眼差される世界は、歪んでいる。ごく都合がよく歪んでいる。世の中には、もっと素朴に嫌な奴もいるし、10代の少年は、そんなに相手のことをきちんと思いやる能力があるわけではない。夏目の世界は、少年であるにもかかわらず、少女漫画の夢の国――すなわち、誰もが誰かを思いやる夢の国――だ。
 だが、それは極めて優しく歪んでいる。
 解消し得ない敵意というものが、夏目の世界には無い。
 夏目は、人の敵意に対して実質的には強者だ。ほとんどの場合、友人帳とにゃんこ先生を用いれば、ドラえもんの道具よろしく、最終的には妖怪の悪意を包み込んでしまうことができる。
 強者ゆえに、保つことのできる、優しく歪んだ世界なのではないか、とも思う。

■博愛主義、は人をそこまで幸せにしてこなかった

 人の悪意や悲しみに対して、距離をとってよくよく眺めてみると、人の敵意を好意的に解釈してやれることは、少なくない。
 「あいつは馬鹿だ」「あんな奴、死んでしまえばいいのに」
 そういう人をきちんと観察してやると、その人の中のいろいろなものが見えてくる。嫉妬。こだわり。守らなければいけないもの。成し遂げたいこと。
 しかし、そういう愛すべき部分が見えてきたとしても、多くの場合、現実のわたしにはその悪意や悲しみを実質的にどうにかしてやることは、ほとんどできない。どうにかしてやろうと、思っても、わたし自身もまた敵意の対象となり、悲しみをより深めてしまうようなこともある。博愛主義的なことを実行に移そうと努力した人であれば、あるほどに、そういった無力と至らなさを噛み締めることは多いだろう。
 たとえば、長年、福祉職をやっている人などは、そういう無力と日々、たたかう中で、その無力をめぐって悲しみを深めていくような人が多い、と思う。

 博愛主義は、そこまで明瞭に人を幸せにしてこなかった。これは明確な事実だ。
 たとえば、素朴な博愛主義者は、限られた資源を有効活用するような経済合理的な思考をうまく展開することに失敗することがよくある。博愛主義よりも、「で、それで儲かるの?」という思考のほうが人を幸福にしてきたことは数知れない。※1
 たとえば、人間の心理洞察能力を低めることがある。素朴な博愛主義的世界観だけで生きている人は、恨みと悲しみに支配された人の世界観を理解することが難しい。「そんなこと言わないでさ^^」とか軽々しく言ってしまう博愛主義者は腐るほどいるが、そういうタイプの博愛主義は、はっきりと言って「相手のことをわかる」ことに失敗しがちだ。

 ぶっちゃけて、いえば、博愛主義者というのは「うざい」ことが多いのだ。
 「アンタの、その、なんでもわかってますよ。ワタシは、あなたのことを助けられますよ、っていうそのおごりが、わたしにとっては、何よりもムカつくんだよ!あんたはワタシのことを、何っにもわかってない!あんたが、わたしに何をできるって言うのよ!!!」
 という、ことを親に向かって叫んだことのある十代の少年少女は、それこそ、数えきれないほどに、この世にいるだろう。この台詞は、親子ドラマでは、テンプレの一つと言ってもいい。

 ほとんどの、博愛主義の試みは、相手に対して与えてやれる資源の少なさや、相手の心情を忖度する能力の欠如によって、失敗を経験する。成功もするが、失敗のほうが多いだろう。
 こういう優しさが、限界含みである、ということを認識したうえで、多くのひとはまた別の道を探っていくものだろうと思う。
※2

■妖怪だからこそ、うつくしい

 そして、夏目友人帳は、やはり、夢の世界のはなしである、とわたしは思う。
 博愛主義が、実行可能な、夢の世界。
 相手の心理観察能力に優れ、相手の求めているものを与えてやれる、という歴史上の博愛主義者たちが、もとめて決してかなわなかった夢の世界。その理想郷を描いている、ということが夏目友人帳の多幸感の源泉なのではないか、という気がする。うがった見方をすれば、これが妖怪ではなく、人間を対象としていたら、こういう表現はそもそも難しかったかもしれない。
 人間同士の心情のスレ違いを描く少女漫画では、たくさんの醜いいざこざがきちんと描かれることがある。そして、それはぜんぜん美しくなんかない。だけれども、夏目友人帳は、妖怪と人間の話だ。だからこそ、人間同士の話を見ているよりも、フィクションの美しさに塗れることができるのではないか。

 夏目友人帳が、「ウザい」はずの博愛主義でありながら、感動を覚えるのは、夏目の心理洞察が、一度も失敗しないからだ。
 あるいは、たとえ、それが失敗したとしても、おせっかいなうざったさに繋がることがないからだ。
 そして、その世界は、現実ときわめて似ているようでいながら、妖怪の話であるゆえに、そのご都合主義が、実に気持ちよくみられてしまう。

 こんな幸せなことが、あればいい、と思う。

 そんなことを思いながら、毎回楽しみにしている。
 こういうご都合主義を、ご都合主義だと知りながら、観ていられるのは幸せなことだと思う。これが、どうしようもなくご都合主義だとしか思えなくなってしまったら…たぶん、それは、つらいことだ。


 




■脚注

※1 と、いいつつ、これと反対のことを放浪息子、のレビューでは書きました。わかりにくい、ことをわかろうとすることの意味も、あるんだよ、と。

※2 ただ、人のこころを忖度すること要請される商売というものもある。
たとえば、コンサルタントや、臨床心理士(カウンセラー)といった職業がそれにあたる。
ただし、結局コンサルも、カウンセラーも人のこころを完璧に忖度することはできない、ということをよく知っている。
よく知った結果として、「傾聴する」能力を高めたり、相手に対して「あなたはどうしたいの?」と決断をせまるといったような方法論を発達させることになる。結局、人のこころを完全に忖度して博愛主義が実行できないということは明らかなわけだ。
では、どうするか。
相手の意図はわからなくても、相手の「意図」とズレが発生しない状況はある程度つくれる。相手にとって納得性がある状況を作ることはある程度できる。そういうところに落ち着いたわけだ。というか、そのような状況を作れるだけでもすごいことだと思う。
ほとんどの場合、相手の意図との調整は失敗することのほうが多いし、わたしの意図を忖度してもらおうとしてもそれが理解されない場合のほうが多い。基本的に、わからんのである。
わからん。

(あと、完全に余談だが、先日、とある有名なコンサルの方とご同席させていただいたのだけれども、クライアントに対して「で、あなたは何がしたいんですか?僕は意味がわからないですよ。はっきりしてください!」みたいな感じで叱りつけるようにして、コンサルティングをなさっていて、なるほど、クライアントの納得を生む商売のやり方というのは、相手に優しくするばかりではないのだな、と学んだ。しかし、叱りつけるようにして、相手の納得を生むやり方がいいのかどうか、というのも、なかなか何なんだろうな、と複雑な気持ちもしつつ、世の中というのはなかなかすごいことになっているな、と思った。)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目とギンコ

ふと思い立って、「蟲師」と「夏目友人帳」を
一話ずつ、交互に視聴している。(現在は第8話あたり。)
先に観はじめた「蟲師」の幽遠な世界に感嘆しながらも、
極度に稠密なストーリーと、重く張り詰めた空気にやや疲れを感じ、
別作品で中和して気分転換を図ろうというわけだ。

「夏目」を選択したのは、同じ和テイストのファンタジーで、
かつ親しみやすい日常系というイメージがあったからだが、
実際、無機的かつ即物的な感触の「蟲師」と比べると
妖たちまでが何とも人間臭く、ほっこりした気分になれる作品である。
以下、両作について思うところを簡単に書きとめておきたい。



{netabare}「友人帳」をきっかけに始まった、主人公夏目と妖との交流の周辺に
人と妖とが描き出していく心模様には、いくつかのパターンがあるようだ。

一方の心の側には淋しさや人恋しさが募っている。
もう片方の側にはそれを包もうとする温かい心が置かれている。
そして、ずっと残されていた"想い"が最後の瞬間に叶えられ、
片方ないしは双方が満ち足りて消えていく、という結末、など。

そうした心の交差を目の当たりに見た時、夏目が感じる切なさ、愛おしさは
孤独だった彼の心に反響し、増幅されるかたちで視聴者に伝わっていく。



ストーリーの核心となっている、夏目の「孤独」。
それは、彼にとって「友人帳」がもつ意味に結びついており、
妖に名前を返すという、危険なだけで何の得もない行為の動機を説明する。

名前を返すたび、レイコの記憶が思念となって流れ込んでくる、という。

「友人帳」によってレイコの過去を追体験しようとする理由は
早世した祖母の孤独な人生への哀慕の気持ちばかりではなく、おそらくは
レイコの過去がそのまま、彼自身の過去でもあるからなのだろう。

原作コミック第五話の「時雨と少女」(アニメ第四話)に重要なセリフがある。
妖にさらわれた生徒たちを置いて帰ろうとする先生とのやり取りの場面だが、
アニメでは端折られているので、原作の方から引用する。

  おまえ、あまり人間(ヒト)が好きではないだろう
  他人(ヒト)など放っておけばいい

これに対する返答は、原作ではこのような強い意志の表明になっている。

  …おれはそこで逃げてはいけないんだ、先生

  「友人帳」には、人に見切りをつけた
  レイコさんの悲しみがいっぱい詰まっている

  (―それに 人の優しさも 可愛さも
   わかってきたんだ 少しずつだけど)

  だからやれることはやりたい だから先生…

夏目がレイコに自分を重ね合わせていることがはっきりと判る。
また、夏目の人間嫌悪が相当根深いものであったことも。

この世ならぬものが見えてしまうことで孤独を強いられ、
ある意味、運命に翻弄されてきた受動的な過去を清算するための
能動的な手段、それが彼にとっての「友人帳」の意味であり、
レイコの過去を引き受けることは、自分の過去にも決着をつけることなのだ。



例えば、こんな想像をしてみよう。
仮に、すべての名前を返し終えて「友人帳」が空っぽになる時が来たとして
その頃の夏目は一体どんな人間になっているのだろうか―。
少なくとも内面的には、以前とは全く別の人間になっているに違いない。

ごく自然にそう予測できるのは、この物語の構造のためである。
未来に定められているこの終点が、予見的に物語に内在しているために、
日常のエピソードのすべてが、夏目が成長してゆくプロセスとなっているのだ。

過去と向かい合い、未来を模索する。そこに夏目の"現在"がある。



考え過ぎなのだろうが、何となく自分は
ここに一つの生き方が例示されているような気がしてしまう。

前だけを向いて迷わずに突き進む、積極的な人生があるなら、
過去を振り返り、迂回しながら、人よりも緩慢に進んでいく人生もあるはずだ。
勿論、彼は意識してそうしているわけではないのだが、
一般に、彼のような内向型の人に共通する心性はそうした生き方に向かわせる。

もしかすると、この作品が強く響く人の中には
こうした部分に無意識に共鳴しているケースがあるのかも知れない。
「夏目」の"癒し"は、案外に奥が深いのではないかと思う。



折角なので、「蟲師」の場合も見てみよう。

「夏目」では正常に定位している過去・現在・未来が、
こちらでは"蟲"の作用によって根本から秩序が揺らぎ、"現在"は失われている。
(時間の流れの外に取り残される第1話。始原の闇に閉ざされる第2話。
 夢で予知された未来が現実の中に流出する第4話。などといった具合。)

だが、それは何も時間に限らない。現実そのものが揺らぎをはらみ、
境界がぼやけて曖昧になっているのが「蟲師」の世界なのだ。
内部と外部。可視と不可視。ミクロとマクロ。生命と無機物。生と死。
"蟲"はこれらのあわいで、対立するものを弁証法的に媒介しているようだ。

「蟲とは、生と死の間にあるものだ。
 人を指すもののようで、物質を指すものでもある。
 死にながら、生きているようなもの、・・・」(第5話)

そう語るのは主人公の蟲師、ギンコだ。
彼はそんな世界に秩序を回復する存在である。
時間の観点から見れば、"蟲"に取りつかれて遊離した"現在"を取り返す存在。
その意味で彼は時間を超越した、絶対的な"現在"だと言ってよい。
(作中で彼一人だけが洋服であるのは、この事実を記号的に表象するようだ。)

同様に、異形の原始生命体である"蟲"もまた、時間を超越して遍在する。
この両者の絶対的な存在性には「神」のイメージすら仮託できるようだ。
それによって人間のドラマは相対化され、どこか影絵のような"現象"に還元される。



「蟲師」が海外でも評価が高い理由は多々あるだろうが、
このような人間の描き方に、日本的な美学が感じられる点も大きいと思う。
"現象"にも似た人間の存在の儚さを掬い取り、抒情的に描く部分にこそ、
おそらくは本作の真骨頂があるのではなかろうか。

(日本的、という言い方はあるいは不十分かも知れない。
「自然」という広大な生命の宇宙の、ごく微細な一部分でしかない人間。
この原感覚は、東洋的な世界観に根差したものであるし、
あるいはこの、いわば汎生命的でありながら同時に"無"("死"ではなく)を内包する
世界像が"蟲"の原イメージであるとすれば、それは東洋的と呼べるものだろう。)

儚げな印象はまた、「夏目」からも濃厚に感じ取られる。
作中に登場する廃線の駅、ダム湖に沈んだ村などは示唆的だ。
忘れられたものたちが束の間、姿を現し、また忘却の彼方に沈んでいく。
そもそも妖怪とは、人々から忘れられ、零落した古えの神々だとされている。

我々の背後に存在し、消えていった無数の、ささやかな時間の堆積。
そこに思いを馳せ、沈思に誘うような、どこか静謐な世界が両作の持ち味だろう。



とは言え、作風の相異もまた歴然としている。
青年漫画と少女漫画という、出自の違いは隠しようもなく明白だ。

「蟲師」という作品の凄味は他に類のないものであって、
非現実の存在である"蟲"の生態と、人間との関りを異常な現実感で描き、
私見では、広義の「幻想的リアリズム」の系譜に位置づけるべき作品だと思う。

単純に比較すれば「夏目」はやはり、"夢みられた優しい世界"に映る。
そこに少女漫画の限界を見る見方も確かに可能だろう。だが、
この作品の"優しさ"が視聴者に求められ、支持されていることは事実であり、
それは魅力でこそあれ、否定される理由には決してならないのである。{/netabare}



作風は大きく異なるが、視聴後の充足感は両作ともに深い。
「夏目」には心を潤され、「蟲師」には魂の深部を揺さぶられる。
こうした手応えは昨今のアニメにはまず求められないものだろう。
自分が旧作メインにならざるを得ない所以である。

「蟲師」については、よく言われるように、
一話一話が一篇の短編小説に匹敵するほどの濃密な内容を含んでいる。
それで得心がいくまで観返してしまい、完走は先伸ばしになっていくのだが、
いずれ単独で取り上げる際には、上記の着眼点を発展させた
"考察"もどきを試みたいと思う。まあ、需要はなさそうだが…。

2022.12.15 投稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

=には、ならないけれど 【78点】

祖母が作った妖怪の友人帳を通じての、主人公・夏目と妖怪たちとの交流を描く、ハートフル妖怪奇談。

【○良い点】 3つ
①=の入らない想いの美しさ
②各話の安定感:この雰囲気の良さは、マンネリではなく様式美と呼びたい。
③ニャンコ先生:飼いたい、手なずけたい、えびフライあげたい。
 声と動きがついて、より魅力的になったと思う。

【△少し残念な点】 1つ
①感動がお手軽な回も存在:1話完結だから感情移入はしづらい。
②タキが出ねえええ:原作の順番も忘れて勝手に期待してた私が一方的に悪い。

【×悪い点】 1つ
①妖怪にまで拡大した性善説とヒューマニズム


正直、ちょっと評価に困る作品です。
得られる感動がインスタントな場合が多いことは、否定できません。
加えて、ひたすら人間的で優しい妖怪との関わり方には、居心地の悪さを感じます。
でも原作も14巻くらいまで読んでるし、好きなんです。
美しいストーリーの連なりと、穏やかな雰囲気を支える音楽・作画・声優といった技術面は、低評価のしようがありません。
何より、込められる想いと返される熱量の残酷な不等号が切なさを呼んで、一瞬の涙腺への攻撃力は凄まじいものがあります。


■妖怪にまで拡大した性善説とヒューマニズム
{netabare}
そもそも論になるけれど、妖怪という概念って、昔の人々が人知を超えた自然の営みや漠然とした恐れを説明しようとして作り上げたものだという説があるようです。
その来歴が真実であれば、妖怪は人とは根源的に異質なものであるはず。
関わり方によっては共存もできるし、望まなくても互いに害を及ぼしあうこともある、突き詰めれば人とは絶対に相容れないものとして観念される存在ではないかと。

事実、従来のスタンダードな妖怪は、怪談においては言い知れぬ恐怖の対象であり、少年漫画では駆除すべき敵でした。
変化形として、共闘が可能な隣人として扱ったり(ex.うしおととら)、その発生の根源を人間心理に求める(ex.モノノ怪)アプローチはある。
それでも人の論理と妖怪の論理には絶対的な亀裂が存在して、両者が幸福な結末に落ち着くとは限らない。
そうした妖怪の他者性を最も端的に描き出したのが、人と蟲の距離を「ただそれぞれあるようにあるだけ」と定義した蟲師だと思います。

翻って夏目友人帳の妖怪って、行動原理が完全に人間のそれなんですよね。
大切なものがあって、でもそれに届かなくて、傷ついたり嘆いたりする。
夏目に対する敵意も、結局はその弱さの発露の一形態。
だから夏目の、ごく人間的で優しいアプローチで、最終的に問題が解決されます。

このメカニズムを支配しているのは、妖怪の心を重んじて人間愛を実践すれば、本質的に善である妖怪を痛みから解放できる、という発想。
要はヒューマニズムと性善説を、そのまま妖怪に適用しちゃってるのです。
その前提には、人間と妖怪は理解しあえるという、従来とは180度異なる妖怪観があります。
余談として、こう考えると、夏目とちょくちょく比較される(からさっき引き合いに出した)蟲師、方向性は真逆だよね。

で、この妖怪観、自然と親しみつつも「畏れ」という距離感を忘れなかった神道的自然観ではなく、自然は全て理解・改変可能なものという西洋近代的な価値観に基づいたものに思えます。
(西洋東洋の二元論とかステレオタイプ過ぎないかと言われればその通りです、学識無くてすみません)
ついに妖怪まで人間的なものに内包、というか限定しちゃったのか……。
夏目的な妖怪の捉え方に、人間中心主義的な傲慢さと自然観の一極化、あと民話的想像力の減退を見てちょっと寂しくなります。
私が「古き良き日本」の幻想にとらわれ過ぎているのかな?
でもやっぱさ、もう(妖怪である必要)ないじゃん……。{/netabare}


■=の入らない想いの美しさ
{netabare}
なんか酷評気味になっちゃってて自分でも驚いてます。
これはフェアじゃないし好きな点を全く語られていないので、褒めたいです。

……褒めたいんだけど、どう褒めたらいいんだろう?
ニャンコ先生が可愛い、藤原夫婦や友人たちが良い人過ぎて泣ける。
急がずゆったり使う「間」の表現と穏やかな作画、吹き渡る風のような音楽の作り上げる雰囲気に癒される。
夏目や妖怪たちの想いが、少女漫画原作ならではの繊細さで描かれている。

うーん、月並みというか、微妙に届けられない。
私が込めたい熱量と、読んでいただいて伝わる想いに差ができてるはず。
でも実は、こうした届けたいモノと届かないモノの差の美しさを、本作は描いてくれているのではとも思います。

露神さまも燕も蛍も、人間に対する想いはとても深いです。
その逆のベクトルとして、人間から妖怪たちへの想いも確かに存在します。
でも、方向の相互性はあっても、人間には妖怪が見えないのだから、その想いの重さには冷酷なまでに差がある。
では、見えていればいいのかというと、実はそうでもなくて。
柊や、レイコさんに振り回された妖怪たちの想いも、主従関係やレイコの死によって一方通行なまま。
結論として、妖怪と人間の想いの間には、決して=が入りません。

それでも。
それでも、妖怪たちは想いを届けようとします。
例え自分が想うほどに相手に想われなくても、ただひたすらに伝えたいから。
そして、ほんのわずかな反照に満ち足りて、あまつさえ消え去ってしまったり。
こっ恥ずかしいことを書くと、これ、片思いの美しさに通じるものがありますよね。
成就しない想いへの共感というか、滅びの美学というか。
とにかく、面の下の微笑みやパタパタと振る着物の袖の美しさ・切なさには、天を仰いで目からこぼれる汗をこらえることを余儀なくされることしばしでした。

以上、己の筆力不足をいいことに我田引水を試みましたが、果たして伝わったかどうか……。
1話ごとの連作短編なので感動がインスタントに陥る回もあり、優等生的なインパクトの弱さは明らかに欠点ですが、ツボにはまるといきなり泣かせに来やがります。

ということで、若干の不満はあれど、万人に勧められる良作としてしまっていいでしょう。
時間があれば2期以降にもチャレンジしたい作品です。
ヒューマニズム全開でともすれば偽善者にも見える夏目が、友人帳と先生という優位の効かない人間の仄暗さに触れて、妖怪と人の間で揺れ動く姿を、丁寧な演出で観たい。
動くタキにもぜひお会いしてペロペロしたいですしね(・ω・)ブヒ
ただ4期は長いんだよなぁ……。
結局途中で止まってる漫画の方を優先しそう。~ {/netabare}


【個人的指標】 78点

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

89.0 4 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング4位
続 夏目友人帳(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (2369)
13701人が棚に入れました
妖怪が見える少年・夏目貴志は、ある日祖母の遺品の中から「友人帳」を見付ける。この「友人帳」とは彼の祖母・レイコが妖怪をいじめ負かした結果、奪った名を集めた契約書であった。

それ以来、名を取り戻そうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで自称用心棒の妖怪、ニャンコ先生(斑)と共に、妖怪達に名を返す日々を送り始める…。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Aishiteru.

季節は冬へ
辺りが寒さに包まれても作品の持つ暖かさは変わらない。
いや、寒い冬だからこそ、想いの温かさがより強く感じられるようになっている。
基本1話完結式だけど
夏目とにゃんこ先生のやりとり、友達や家族とのつながり
巡る季節とともに少しずつ深まっていく絆がしっかりと描かれていて
見てるこちらも穏やかで暖かな気持ちになる。
1期1話、西村たちに最初は変な奴だと思われていたけど、続ではいっしょに
勉強合宿に行っていてとても嬉しかった。
妖怪に関する理解者と、知らずとも仲良くしてくれる友
どちらとも巡り会えた夏目は幸せだね






以下、印象に残った回の感想。



雛の回と10話
{netabare}
雛の可愛さや
ささっと着物を作ってしまう夏目の器用さと女子力の高さ
だけに目を奪われてはいけない!
一生懸命作ったたい焼きを
夏目に美味しいと褒めてもらったときの塔子さんがそりゃもう可愛くてね
2期になって可愛さが倍増してます!
その代わりに滋さんはぜんぜん出なくなってしまったけど…


と思ってたら10話でがっつり出演なされた。この回はさほど作画を気にしない自分でもその気合いの入りっぷりが伝わってきた。
階段を駆け下りるシーンなどの動き
表情の変化
色づかい
思い出の夏の雰囲気
初代デジモンで太一とコロモンだけが現実世界に戻った回を思い出した

レイコさんは藤原家に来たことがあったんだね。
「暖かくて良い家、こんなところに住めたらきっと幸せね」
切ない…
人間は嫌いだと言っていた彼女も本当は普通の幸せを望んでいたのだろう。

風鈴を見ているところは13話の最後のシーンにつながってるのかな?


しかし
良い家だと感じるのは人も妖もいっしょのようで……カリメに夏目が喰われてるシーンは衝撃だった!
本格的に食べられたのはこれが初めてじゃないか?
にゃんこ先生が駆けつけてくれてよかった

にしても全く同じ手でやられるとは……記憶や感情はあっても学習能力は無いみたいだ。いや、あいつに学習能力なんてあったらたまったものじゃないけど。

{/netabare}


5話{netabare}はお気に入り
ARIAの
謎をときながら小径を探検する話を思い出した。
その他にも
ヒノエとレイコさんの回想
アイキャッチのロデオマシンに乗るにゃんこ先生など見どころ多し!

周囲とは打ち解けてきたけど、夏目はまだ自分から人に頼るのは慣れていないみたい。大切な人たちに心配かけたくない
って気持ちがあるようだけど
大切な人だからこそ心配になるんだよね
{/netabare}



6~8話
{netabare}
にゃんこ先生、すずめ使わなくても空飛べるじゃないですかー!それともにゃんこの姿で飛びたいのかな?
依代だと普通の人にも視えるからすっごい目立ちそうだけど

そして満を時してのサトリナ(多岐)登場
優しい声質はこの作品にぴったりですね!
CVサトリナだし、たしかに多岐は可愛いんだけど
夏目や美しい女性の姿をした妖怪たちを見慣れてしまった立場からすると
いまいち西村みたいに盛り上がれなかった。あとたぶん塔子さんが可愛いのも原因のひとつ。


そしてここにきて初の
1話で完結しないパターン!さてはキーストーリーだな
新キャラ登場や
出てくる妖怪の恐ろしさも印象的ですが
なにより重要なのは

ひと時とはいえ
妖怪が見えなくなること

螢の話でも一度出てきたテーマ
「昔はそれを望んでたはずなのに
今はイヤだなと思ってしまった」

そして今回、実際に見えなくなって寂しいと夏目は感じた。
今まで辛いことも多々あったけど
ここに来て
優しさに触れて
出会いと別れを繰り返して…
いつか夏目にも思う日が来るのだろうか
そんな不思議で暖かな日々が
かけがえのないものだったと

にゃんこ先生が夏目の寝床を護るようにぐるりと囲んで寝ているシーンはたまらなく愛おしい、屈指の名シーン!
EDの曲はこの前後編の話ともつながってたんだね…


次の話

人魚を食べれば不老不死になれたのに惜しかったなと話すにゃんこ先生。
そうしたら友人帳は一生手に入らないぞ?と冗談めかして夏目は答えたけど…

それに対する先生の反応から察するに
にゃんこ先生は夏目とずっと一緒にいたいと思ってる、ってことだよね。
妖怪と人間の生きる時間の違い…
ここまでの話では語られていないけど、きっとレイコと斑は他の妖怪以上に仲がよかったんだろうな
さっさと喰って友人帳を奪うことだってできるだろうに、それでも夏目の側にいるのはレイコに頼まれていたからかな?
最終話のセリフ「遺品を引き取る者など居ないと思っていたから友人帳を預かろうと思っていたが、これで良かったのかもしれん」
預かると言っている。
いつも口ではああ言ってるけど、本当は友人帳を悪用する気はないんだろうな。
{/netabare}


9話
{netabare}
失った人の影を追い求める妖の話
大切な人が亡くなったと考えられない、考えたくない、その思いが作り出した怪異的な絵画
自分の命を吸っている存在を身を呈して守るとは…夏目はどこまでも優しい
 ともに桜を描いているシーンは自然と涙が溢れてきた。

いろいろな場所を絵とともに旅をしたことは忘れない
5話の夏目が言った「見たこと、感じたことはきっと消えはしない、忘れはしない」ってセリフと重なる

塔子さんに春地蔵とのやりとりを見られたときや、カリメを祓ったときの滋さんの対応を見て思ったけど
夏目は隠そうとしていても、藤原夫婦はきっと解ってるよね
だけど夏目が打ち明けないのなら
その気持ちを尊重しよう、みたいな

{/netabare}




11話
{netabare}
夏目が他の術師たちに比べて、強いことが明らかになった
斑も位の高い妖怪なわけだし、普段はのんびりしてても
実際かなり強力なコンビだよね
大きな霊力の持主となんだかんだいっても心強い用心棒

夏目は自分が辛い経験をしてきたぶん、相手の辛さも汲んであげられる。それに加えて
強さが優しさにつながっている部分もあるのかもしれない。
自分勝手で粗野な悪霊たちとは違い
リオウや三つ目の妖怪、ちょび髭の妖怪など強きモノはみな気品がある。


夏目と同じく視える存在であっても
力の弱い術師たちは基本的に妖怪を恐れているのかも
{/netabare}


12、13話
{netabare}
人間も妖怪も神様も
孤独が寂しいのは変わらない。
別に寂しくなんかないと思ってる人はただ強がっているだけか、または真に孤独ではないのだ。
カイを見ていると
ホロを思い出してしまった

科学技術が発達して信心深さが無くなりつつあるのかもしれない。
先日、UFOやUMAの特番をやっていたが
今の時代CGでどうにもできるだろ?と思ってしまったし。
それ以前に、あの番組はすでに偽物だとわかっているものまで不思議な映像として放送してたし、残念なものだったが。
NHKで栗山千明がナビゲーターしてる番組のほうがよっぽどマシだ。その番組で取り上げられていたものにコティングリー妖精事件というのがある。
詳しく知りたい人はググって欲しいが大まかにはこんな感じ。
 
 20世紀の初めころ、イギリスの片田舎に住む二人の少女が撮影した妖精の写真。かの有名なコナン・ドイルが本物だと認めたことから世界中の注目を浴びた。しかし数十年が経ち、ある記者が当時に事件を知って本人に取材したところ、偽装した写真だったと認めた。想像以上に大きな事件となり、真相を語ることが怖くなってしまったのと
ドイルの名誉を守るためにこれまで黙秘していたらしい。(語ったのはドイルの死後)

 真相が語られる前から写真に関する疑問点が挙げられたり
コナン・ドイルが神霊学を熱心に研究する心霊主義者だから、写真を本物だと思いたいだけなのではないか?などと批判されたらしいが
生前、ドイルは娘にこう語っていたらしい。
「二人の少女が嘘をつき続けていることが信じられない」
不可思議な存在を信じたい気持ちがあったのかもしれないが、それ以前に彼は少女たちを信じたかったのだ。
そして少女たちはドイルのことを思い、黙秘を続けた…。

 そもそも彼女たちが偽装した理由は
妖精を見たと言っても周囲の人は信じてくれず、写真に残せば信じてもらえるかもしれないと思ったそうだ。
写真が偽装だと語っても妖精を見たことは真実だという主張は曲げなかった。そして5枚目の写真は本物の妖精が撮れたとも…!
(たしかに見たところ写真の中央に謎の渦巻き状のものが写っている)

 少女が悪戯で撮った妖精の写真も今の時代では信じる人がいないだろう。
いろいろと科学で説明がついてしまい、不思議な存在を信じなくなってしまうのは寂しい…そして不思議な存在を主張する人を信じないことも…。(もちろん、中にはただの構ってちゃんが偽装した紛い物もあるけど)

 なにより神様からしたら信仰心を持ってなくとも、ただ人がお参りに来るだけで嬉しいのかもしれない。
そんなことを思った。

{/netabare}



【感謝するぜ、この曲に出会えたこれまでの全てに!】

「愛してる」はまことに素晴らしい!こんなに優しさを感じた曲は本当に数少ない。
他に知っているのはミスチルの「sign」くらいだ

イントロが流れ出しただけで涙しそうになる程の感動!
できるならば世界中の人々に叫びたい!!
これが夏目だ!!
夏目友人帳という作品を音楽にしたらこうなる!
と…

良い作品は劇伴やテーマソングも良いことが多いと思っていたけれど、作品が気に入れば その世界観を表現しようと奏でられた音楽も好きになって当然なのかもしれない。
 ただOPは少し賑やかすぎるかなと思い、EDほどは気に入らなかった。けど、夏目の周囲にそれだけ仲間が増えたっことでもあるのかな。そう考えると顔が綻ぶ。
どちらにしろ
劇伴は一期と同じく素晴らしいし、なによりEDが最高に響いたので音楽は☆5つです!

【結び】
夏目は恐ろしい妖怪を多く見てきたけれど、心優しい妖怪たちにも多く出会っている
それは妖怪だけでなく人も同じ。
だから彼は人、妖怪に囚われず
しっかりその個と向き合おうとする。
とても危なっかしいけど、にゃんこ先生がいるから大丈夫(たぶん)
この先も優しい彼が紡ぐ
不思議な出会いと別れの物語を観ていきたい
ほんとこの作品好きだ、原作買おうかな…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

あにこれで出会った方々との交流も、とても貴重でかけがえのない時間なのかもしれませんね・・

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも本当の心を知って欲しい人に話したいと思う貴志。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんです。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも貴志は本当の心を知って欲しい人に話したいと思う。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんだと思う。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

88.1 5 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング5位
夏目友人帳 参(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (2151)
12710人が棚に入れました
小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志。彼は、祖母レイコが妖怪を子分とする証にその名を書かせた「友人帳」を継いで以来、妖怪達に追われる日々。自称用心棒の妖怪・ニャンコ先生と共に、妖怪達にその名を返すことを決めた夏目は、さまざまな妖怪と出会い、その心を知っていくのだった。妖との出会いや別れ、そして、心優しい人達の想い―――。夏目はいつしかたくさんの大切なものを手にしていた…。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、木村良平、菅沼久義、諏訪部順一
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

安心の夏目印(73点)

全13話。
漫画原作。原作未読。

個人的満足点:73点
アニメ系統:妖怪との日常系

3期目となる作品。
1、2期に引き続き安定した内容。
大きく2期までと変わる部分はない。
そこが、夏目の良さではあるが、
少々物足りなさを感じる部分でもある。

私のように基本日常系が苦手なものには
いい意味で変化のない展開が退屈に感じる部分もある。
それでも観てしまうのは、話の安定度があるからであろう。

それに、安定部分ばかりではない。
ゆっくりだが夏目の成長が見て取れるのもいい。
3期では人との繋がりが強く描かれている。

非常に安定した作りだった。
まさに、安心の夏目印。

4期も決まっているし、また、夏目に会えることを楽しみにしたい。


と、まあもはやそんなに書くことも無いのではあるが
つまり、何が言いたいかというと

にゃんこ先生、絶対太ったよw


-----------------------------------------------------

以下、毎話後の感想。
ネタバレが含まれる場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

-----------------------------------------------------

{netabare}
1話視聴。
安心の出来。
1,2期ファンには納得の出来だろう。
そして、1,2期と見ていない方にも
観やすいように少しだが冒頭で解説みたいな
始まり方をする。
1,2期見てなくともすんなり入ることができるのではと思う。

しかし、このまま2期同様の展開を続けてもマンネリになりかねない。
2期であったように夏目のさらなる
成長などはあるのかにも期待したいところ。

兎に角まずは安心の滑り出しといったところだろう。


2話視聴。
今週も安心の夏目印。
今回は人とのつながりを強調していくのだろうか。
個人的にはそう感じた。
これは個人的には好物展開の気配。
今週も心の洗濯完了。

3話視聴。
今週は昔の知り合いとの話だった。
夏目がすごく成長してきた気がする。
自分から人に接するようになってきた。
やはり人とのつながりを強調していそう。
今週の洗濯完了。

4話視聴。
ゆったりとしたこの空気。
昔のいやな思い出も受け入れられるようになってきた夏目。
人、あやかし両方とのつながりを大切にしている夏目。
今週も心が洗われた。

5話視聴。
にゃんこ先生食いすぎwww
また太ったんじゃねえの?
そして久しぶりに先生活躍と思ったんだが
ちょっとかっこ悪かったw
しかし、いい妖怪も出てきていい話だった。
今週も心の洗濯完了。

6話視聴。
ちょっと違った展開に。
1話で完結せず来週へ持ち越し。
夏目がピンチだ。
にゃんこ先生の活躍が少ないので
来週あたりに活躍して欲しいものだ。
今週の心の洗濯完了せずw

7話視聴。
先生、あんな矢1本でダウンしてしまうのか?
あいつやっぱり強いのかね。
でかい妖怪も一撃だったし。
なんか今までの夏目とは違う流れ。
この先どうなるんだろう。
心の洗濯も完了せずw

8話視聴。
子狐回。
いつもの夏目展開でした。
ほのぼの心洗われるお話。
今週の心の洗濯も完了。

9話視聴。
夏目らしいゆったりとした話だった。
やはり夏目はこうでなくては。
にゃんこ先生も復活したし、来週も心温まる話に期待したい。
今週も心の洗濯完了。

10話視聴。
ちょっと腐かと思ったw
特質した話でもないが、実に夏目らしい回。
1週で解決せず来週にもちこし。
来週展開で夏目節を期待したい。

11話視聴。
ぐっと友情ものになってきた。
夏目と田沼の友情が深まっていくのがいいねえ。
後2話、安心の夏目を楽しみたいものだ。
しかし、にゃんこ先生、絶対太ったよなw

12話視聴。
夏目がトウコさんの所にくるいきさつが語られた。
トウコさん夫婦なんていい人達なんだろう。
夏目には本当の家族が出来たんだねって感じでよかった。
今週の心の洗濯終了。
来週最終回。
さてどんな終わりかな。

13話視聴。
ちょw
くそワロタw
影踏み鬼のにゃんこ先生鬼畜するぎるw
最終話でのちょっとはめをはずした感じは新鮮でよかった。

しかし、さらに良かったのはラストシーンだ。
夏目のこれまでの成長の縮図と言える。
妖怪の友達と人間の友達。
夏目は両方の友達を手に入れることが出来た。
4期にも期待が高まる。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

名を返す夏目の姿は色っぽくって素敵(=´∇`=)にゃん

■夏目友人帳参の第一印象
レイコが残した夏目友人帳、貴志が引き継いだ夏目友人帳。
夏目が妖に名を返すしぐさは、今も昔も色気を感じます♪
夏目の想いも変わらないですね。レイコの果せなかった、人間との絆を大切にするという気持ちを・・・
前作までの夏目友人帳の良い雰囲気を引き継いでいるようなので、参も安心して堪能できそうです。
心に響くような物語を用意していることを期待したいと思います♪
 
■ニャンコ先生にインタビューすることが出来ました♪
σ(o^_^o):ニャンコ先生お久しぶりです♪
(=^・ω・^):おぉ、元気にしとったか、ひさしぶりだな!せもぽぬめ。
σ(o^_^o):夏目君は元気ですか?
(=^・ω・^):まぁ元気だぞ、相変わらず余計な災いをもってきよるぞ!!
σ(o^_^o):あはは、相変わらずですねw
(=^・ω・^):ほんとにあいつは、いつもわたしの手をわずらわせおってからに~
σ(o^_^o):ところで、あにこれの間でニャンコ先生が太ったと言う噂があるのですが・・・
(=▼ω▼):ばーかものー!!わたしが太るわけないであろうがぁ~(゙ `-´)/ コラッ!!
σ(o^_^o):えぇ~第一話でも食べてばっかりでしたけど・・・・・
(=▼ω▼):そんなところ注目せんでもいいのだぁ~作者がいけないのだぁ~!!
σ(o^_^o):まぁまぁ・・・
σ(o^_^o):ところで、夏目友人帳も参期目ですが、今期もかなり期待できそうですね♪
(=^・ω・^):わたしが出ているのだからな、当然なのだ!
(=^・ω・^):まぁ夏目もそれなりにがんばってはいるのだがな!
(=^・ω・^):いかんせんあいつは軟弱物だからな~
σ(o^_^o):でも、ニャンコ先生が用心棒だから安心ですねw
(=^・ω・^):わたしは、夏目がどうなってもかまわないのだよ、友人帳さえ手に入ればな♪
σ(o^_^o):それ以上の絆があると思うのですけどねぇ~_(^^;)ゞ
(=▼ω▼):うるさーい!!お前も余計なことを言うんじゃない!!(゙ `-´)/ コラッ!!ー
σ(o^_^o):-=≡ヘ(* - -)ノごめんなさーーーい!!
(=^・ω・^):まぁわたしに食われない程度に、楽しむと良いぞ!!
σ(o^_^o):はぃ♪最後までお付き合いしたいと思いますw
σ(o^_^o):今日はありがとうございました♪
 
 
■総評
1期・2期を観てきたらもう何も語らなくっても夏目友人帳の良さはわかってる筈ですね♪
「参」では妖が見える事で卑屈になっていた頃とは違って、必要以上に自分ひとりで抱え込まなくなってきた成長した夏目の姿を見ることが出来ましたね♪
夏目が友達や家族や過去に知り合った妖など、夏目の本当の人柄を知る仲間との絆を感じられるような描写が多かったかなぁって思います♪
なので、学校の描写が結構多かったですね(*^-^)
 
夏目友人帳の温度って、本当に毎回ちょうどいい湯加減なんですよね♪
(´▽`) ホッっと出来て、なんかホンワカ温かくって、優しい気分にさせてくれるのです(*^o^*)
それが夏目だけじゃなくって、ニャンコ先生だったり、藤原夫婦だったり、学校の友人だったり、妖だったりと夏目の人柄に惹かれる様にそんな温かい仲間が増えていてσ(・・*)アタシも仲間に入れて欲しいです♪
早くも、時期作品が決まっているようなのでなんだか嬉しいですね♪
しばらくお別れになっちゃいますけど、またアタシσ(゚-^*)の心を和ませてくれることを期待しちゃいます♪
 
 
■MUSIC
OP曲『僕にできること』
 歌:HOW MERRY MARRY
 夏目友人帳にぴったりな歌詞で心に響くロックナンバーなのです♪
 忘れない~♪ 大切な~♪ ひとつ~♪ アタシσ(゚-^*)たくさん伝わってきましたよ♪
 
ED曲『君ノカケラ feat 宮本笑里』
 歌:中孝介
 1期のED曲も中孝介さんでしたね♪
 優しい歌声でしっとりと歌ってくれてる、心に沁みるナンバーです♪
 
2011.07.10・第一の手記、ニャンコ先生の言葉遣いを訂正
2011.09.29・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「人であろうと、妖であろうと、それはこんなにも温かく、俺の心に灯るのだ。」

夏目友人帳3期。

さすがにここまでくると展開のパターンは
お約束のようになってくるけれど、

それと飽きるとは別の話。

毎回うるっと来るような
優しいエピソードに胸を打たれまくりです(´;ω;`)

全13話です。


● ストーリー
高校生の夏目貴志(なつめ たかし)は
妖を見ることができる。

幼少期はそのせいで辛い思いをしてきたが、

藤原夫妻と共に暮らし、
にゃんこ先生と出会ったことをきっかけに、

夏目は自分も誰かに優しくしたいと思うようになる。


1話ではちょこっと夏目の生い立ちなどが説明されて、
初見でも問題ないように配慮されています。

なので、途中からの視聴でも問題はありませんが、

夏目の積み重ねてきたものを感じるためにも、
1期からの視聴をおすすめします。


雰囲気もストーリーもこれまでと変わりません。

 ・夏目が妖と出会う(もしくは目を付けられる)
   ↓
 ・力を合わせて問題を解決しようとする。
   ↓
 (・レイコさんが過去に絡んだ姿が見えてくる。)
   ↓
 ・夏目が襲われ、守られる。
   ↓
 ・妖や周りの人たちとの絆が深まる

など、展開はどれも似たもの。

これまではレイコさん(夏目の祖母)つながりで関わる妖が多かったけれど、
3期は夏目自身が関わってきた妖とのエピソードも多かったです。

それだけ夏目自身が積み重ねてきたものが大きくなってきた、
ということなのかな。


≪ ぬくもり ≫

妖の持っているぬくもり。

人を襲うような怖い妖もいるけれど、
誰かに寄り添い、大切に想う心を持つ妖もいる。

夏目のことを心配し、寄り添う妖も。
夏目のことが大好きで、まだまだ純真無垢な子狐も。(再登場歓喜!)

生きている環境や世界が違うからこそ、
感じられるぬくもりが妖たちにはある。


人の持っているぬくもり。

藤原夫妻や学校の友達。
夏目の体質のことを知っている友達。

ただ人と一緒に過ごすことが
こんなにも温かくて幸せなことなのかと、

しみじみさせられます。

当たり前なことが、どれだけ幸せなことか。
そばに一緒にいてくれる人の存在がどれだけ温かいものか。

人を包み込む優しさがどんなものかと思うのならば、
12話の藤原夫妻のエピソードを観ればいいよ(´;ω;`)

夏目が藤原家にやってくることになる経緯のお話ですが、
まったくもって藤原夫妻のような人間になれる気がしません。笑

こういう人たちのことを仏様と呼ぶのだ…。


● キャラクター
にゃんこ先生もふもふ(*´ω`*)

3期になって、にゃんこ先生(cv.井上和彦)の演技が完成しているようなw

夏目とにゃんこ先生のコンビは相性抜群ですね♪
観ていてほっこりします(*´ω`*)
もちろん、笑いもしますけどww


個人的に今回ぐっときたのは、
夏目と田沼(たぬま)のコンビ。

別にBL展開を望んでいるわけじゃないんだけど、
なんだか(*´Д`)ハァハァしちゃうコンビだよね(*´Д`)w


● 音楽

【 OP「僕にできること」/ HOW MERRY MARRY 】

曲も歌声も爽やかな感じが夏目の雰囲気とよく合っています♪

アニメーションで1期&2期の妖たちが登場するのは嬉しい演出♪


【 ED「君ノカケラ feat 宮本笑里」/ 中孝介 】
たまらく切なくて、沁みます。

アニメーションは線香花火と藤原夫妻って…
そして中さんの歌声って…
切なさの最強タッグですよ、もう。


● まとめ
自分の心を支えるのがやっとだった時期もあった。
いつ腐っても、いつ壊れてもおかしくなかった。

そんな夏目を救ってくれたのは、
今傍にいる人たち。

夏目はたくさんの人や妖と出会った。
たくさんのかけがえのないものに出会った。

これからも大切にしていきたいもの。
ずっと手放したくないもの。

そんなぬくもりを、
観ている人にもどかーんとぶつけてくれるのが、この作品。

個人的には原作よりもアニメの方がハマりました。

4期も楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32

87.1 6 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング6位
夏目友人帳 肆(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (1869)
10925人が棚に入れました
現在テレビ東京で、TVアニメ第3期『夏目友人帳 参』が放送中の『夏目友人帳』のTVアニメ第4期の放送が決まった。 放送時期は2012年1月から。タイトルは『夏目友人帳 肆』。2008年7月放送のTVアニメ第1期『夏目友人帳』と2009年1月放送の第2期『続 夏目友人帳』は1クール放送、1クール休み、1クール放送の分割2クール制作だったが、今回のTVアニメ第3期と第4期も分割2クール制作だったようだ。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、木村良平、菅沼久義、諏訪部順一
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

にゃんごろうとの記念撮影いいなぁ~(ノ´∀`*)

■夏目友人帳 肆 を見る前に(*^_^*)
いよいよ4期目突入の「夏目友人帳」!!
また夏目くん達やにゃんこ先生に会えると思うと嬉しくなっちゃいます(o^∇^o)ノ
今までの「夏目友人帳」なら特に前回までのストーリーを知らなくっても全然問題なかったんですけど、今回「肆」は「参」を観ていないと理解不能になっちゃうかもしれませんね♪
夏目くんの直感から危険な存在と察知している的場一門当主こと的場静司との因縁を是非知った上で本作品をご視聴することをおすすめ致します。

今回の最大の見所は・・・

「的場一門」 vs 「夏目軍団」(にゃんこ先生、名取さん、他・・・)

といった構図だと思うので今までの癒し重視の内容からストーリー性に富んだ内容になると思うので、今までに無い「夏目友人帳」を見れるかもしれませんね♪


■夏目友人帳 肆 に出逢った日の日記ヽ(^◇^*)/ ワーイ
いきなり何やら不穏な空気が漂う内容の一話でしたね!
的場一門といきなりの接触となったわけですけど・・・
さすがのにゃんこ先生もいきなりゴミ箱に( ´∀`)つ ミポイッってされちゃいましたねw
今までの「夏目友人帳」とはひと味もふた味も違うんだからねって宣言しているかのように思えました
☆-(^ー'*)b
妖怪や人とふれ合うことで成長してきた夏目くんの周りには、いつしか掛け替えの無い仲間や家族が出来ていましたね♪
そんな家族や仲間を守るために戦う夏目くんや、そんな夏目くんをよく知る数少ない仲間達が、的場一門との対立にどんな結末を向かえるのでしょうね(-""-;)ムム・・・
「肆」は今まで以上に楽しみにしながら視聴できそうです(*^_^*)


■総評
予想に反して的場一門との決着は今回もお預けでしたけど、夏目友人帳らしいハートフルな展開が盛りだくさんで「肆」も大満足でした♪
可愛さに磨きがかかったにゃんこ先生と、人や妖怪との絆を深めてきた夏目くん。
シリーズ1作目からずっと見てきているからこそ感じられる事がありました。
夏目くんと周りの友人や家族、妖怪達との間柄の微妙な変化がとっても微笑ましく思えてくるのです♪
はじめの頃の夏目くんの優しさは、自分から遠ざける事で人に迷惑をかけまいとするようなものでしたので、相手に届きづらい優しさだったのかもしれませんね。
でも少しずつ他人の心に触れ、優しさを受け入れることで、本当に他人を思いやるという意味が理解できてきたように思えます。
そんな夏目くんに向けられる仲間達の表情がとっても印象に残りました♪
そんなひと回り成長した夏目くんをそっと見守ってきた藤原夫妻の包み込むような笑顔☆彡
身近な友達で一番苦悩を理解してくれている田沼くんの気遣いやクラスメイト達の楽しげな表情☆彡
「なっつめっさま~」って夏目くんと絡むことがとっても嬉しそうな妖達☆彡
そして夏目くんを一番側で見守ってくれていた頼りになる用心棒のにゃんこ先生(斑)が最期み見せた誇らしげな横顔☆彡
夏目くんは本当に良い仲間を得ることが出来ましたよね♪

そんないつもの仲間とはちょっと違った視点で綴られてとっても新鮮に感じたエピソードもありました♪

的場一門の七瀬さんと、夏目くんの親戚の娘で蒼井三世子ちゃんのエピソードです!
{netabare}
七瀬さんといえば老齢でちょっと地味なキャラってイメージでしたけどだいぶ見る目が変わっちゃいました♪
いつか夏目くんと分かり合えたらいいなぁなんてちょっと思っちゃいますよね(*^_^*)
それと夏目くんと三代子ちゃんとのエピソードでは、夏目くんの成長した姿を見ることが出来ました!
「大丈夫、君の家族を取ったりしないよ」
夏目くんが言ったこの一言で三代子ちゃんもΣ(・o・;) ハッ!と気付かされていましたね♪
この言葉を選択して伝えることが出来た事に成長を感じ、多くを語らない夏目くんらしい優しさを感じた名シーンでした(*^_^*)
{/netabare}

人の温かみに触れ、人を頼っても良いことを知り、妖からも一目置かれる存在になった夏目一門当主夏目さまw
レイコさんとも名取さんとも違う道を歩んでいくであろう夏目くんの物語をもっともっと見ていたいものですね☆彡
次回作がとっても待ち遠しいです(✿ˇ◡ˇ)人(ˇ◡ˇ✿)


■MUSIC♫
OP曲『今、このとき。 』
 【作詞・作曲】恵梨香【編曲】浅田信一【歌】ひいらぎ
 8枚目のシングル。千晶と恵梨香からなる女性フォークデュオ♪
 フォークサウンドにデジタルロックチューンした聴き心地の良いナンバーです!
 等身大の歌詞が心にストレートに刻まれます(^^♪

ED曲『たからもの』
 【作詞】こだまさおり【作曲】神前暁【歌】河野マリナ 
 化物語・偽物語でも作曲を手がけていた神前暁さんといえば分かりやすいかなぁ!
 それと、Aチャンネルの「Morning Arch」から続いて2ndシングルとなった河野マリナさん
 神前暁さんは歌い手の良さを引き出すのが上手ですね♪
 河野さんのほんわり優しい歌声とバラードがC=(^◇^ ; ホッ!とした気分にされてくれました♪


2012.01.21・第一の手記
2012.06.18・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「悲しい日も、辛い日もあった。そしてこれからもそんな日はやってくるかもしれない。それでも忘れられない、宝物の日々。」

夏目友人帳・4期です。

1期から観ずに、
途中からの視聴も可能ですが、

夏目の積み重ねてきた出来事が
より心に感動とぬくもりをくれるので、

時間があるならばぜひ1期からの視聴を。

4期は全13話です。

2016年10月からは5期も放送決定してます!
楽しみすぎて待ちきれない♪


● ストーリー
高校生の夏目貴志(なつめ たかし)。

彼は幼いころから妖の類が見えた。

強い妖力を持っていたとされる祖母・夏目レイコの遺品から
『友人帳(ゆうじんちょう)』を見つけた夏目は、

友人帳に名を記され縛られている妖に、
名を返していくことを決める。


さすがに4期にもなると
夏目は妖の世界に随分踏み込んできたんだなあと感じます。

妖の狩りや祓いを生業としている人たちとの
関わりも多かったし。

そして、
4期は夏目の過去に関わるエピソードも多かったです。

幼い頃に両親をなくし、
親戚の家を転々としていた夏目。

妖が見えることによる行動を周りからは気味悪がられ、
誰にも理解してもらえなかった日々。

これまでにも夏目の幼少期に関わるエピソードはありましたが、
4期ではその過去と向き合う大きな転機が待っていました。


≪ 幼い頃の夏目 ≫

気味が悪いと虐げられる痛み。

自分の苦しみを理解してくれる人がいない痛み。

表面では優しくても、
内面では困惑させてしまっていると気付く痛み。

自分の代わりに
誰かを不幸にしてしまうことによる痛み。

自分だけを包み込んでくれる優しさを求めても、
応える者のいない痛み。

写真の中の両親の笑顔とぬくもりを
もう直接感じることは叶わない、ひどく寂しい痛み。

夏目にとって昔の出来事は心が痛くなることが多すぎて。


夏目が両親について覚えていることは、ほとんどない。

覚えているのは、
お父さんのひざの上で笑っていた記憶。
優しかった父の、大きくて温かな手。

あの夏目が声を出して泣くほど、
温かくて、痛くて、もう届くことのない儚い記憶。


だけど今の夏目にはかけがえのない、大切な人たちがいる。
藤原夫妻、学校の友人、そして妖たち。

自分勝手でめちゃくちゃな妖もいるけれど、
今の夏目は妖を恨んだりはしない。

ただ自分が感じている優しさを
誰かに返したいと願うだけ。

そんな心優しい夏目をにゃんこ先生は「お人よしめ。」と
言うけれど、そんな夏目だからこそみんな放っておけないのだろうね。

昔の痛さがあったから、
今のぬくもりを大切にできる。

夏目の部屋のふすまに隠された秘密。
それもまた泣いた(´;ω;`)夏目可愛い

それを知っても、気持ち悪がったりせず笑って受け止める北本たちも
いいやつらなんだよなあ。

4期はそんな、
“人の優しさとぬくもり”のエピソードが多いかな。

特にラスト3話(夏目の両親の写真や、家を訪ねるエピソード)は、
泣いてばかりでした。


● 音楽
これまでも夏目友人帳の主題歌は大好きでした。
今回もまた格別。

【 OP「今、このとき。」/ ひいらぎ 】

明るい曲調なのに、泣ける。

夏目の姿に歌詞が合いすぎて、
1話のOPだけで泣けましたw

全話観終わってから歌詞を見直すと、
なにこれ、夏目にぴったりすぎてまた泣ける(´;ω;`)


曲もいいんだけど、
アニメーションとの合わせ方がさらに最高。

幼い夏目かわいい。そして今の夏目。
2人を比べると、高校生になった夏目は大人になったな~と思う。

夏目に大人の色気を感じる…(*´Д`)ハァハァ

ひざを抱えて座るちび夏目のところに潜り込むにゃんこ先生と、
にゃんこ先生をもふってするちび夏目が最高!


【 ED「たからもの」/ 河野マリナ 】

このEDが見事だよ!

夏目の最後のナレーション
  ↓
EDのイントロ
  ↓
歌い出し

この流れが神過ぎる…!

特にイントロの破壊力が凄まじい。笑

なんだこの完璧さは。
イントロは作品の一部です(確信)

感動で胸いっぱいなところへ
涙腺崩壊のとどめをさしてくれます。笑

今ではほら、
曲を聴くだけで自然と涙が…(´;ω;`)


● まとめ
1期から大好きな作品ですが、
期を重ねるごとにどんどん好きが強くなる。

この作品への愛おしさが止まらない。

夏目のこれからをずっとずっと見守っていたくなる。
もはや、にゃんこ先生目線な気分です(笑)


今の夏目にはもう、優しい存在がたくさんある。
そしてその愛おしさや大切さを夏目はちゃんと知っている。

互いに想い合う心が重なるから、
夏目の周りは温かい。

これは、与えられるぬくもりではない。

手に入れたいと願い、
人に温もりを与えたいと願い、
そんなたくさんの温もりが混ざり合ってできるもの。

こんな温かい色を感じられるだけで、
とても幸せな気分になれます。


この作品はとても愛されて
アニメ化されているなあと感じます。

作品が持つ愛、そこに制作側の愛が加わって
観る人の涙腺を崩壊させる(´;ω;`)

5期も楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

夏目君の強さと優しさの根源を見た4期だった

ずっと見守り続けてきた夏目君の心模様とその成長振り。
個人的には、妖怪と人間とのせつない恋模様やつながりのエピソードや、
彼を兄のように見守る名取さんの接し方が好きだったりしたけれど、
本作では、今までの中で一番、夏目君自身が描かれていたと思う。

振り返ってみると。

1期では妖怪が見えてしまう彼と、さまざまな事情を持つ妖怪との
出会いや別れを描き、両者の距離感やわだかまりが少しだけ解けて。

2期では妖怪への理解を示せるようになってからの、
夏目君の周囲の人間との接し方と考え方の変化を。

3期では妖怪を祓う祓い屋の存在と主張を色濃く盛り込み、
夏目君の祖母の形見である友人帳の存在意義も少し変化を見せ、
彼の用心棒でもあるにゃんこ先生のほうにも、彼に対する変化が見られ・・

そしてこの4期では、夏目君自身の過去をこれまで以上に克明に描き、
彼の人間的なやわらかさ、穏やかさ、やさしさの根源を見せるとともに、
友人帳がなくても、しっかりと結ばれている妖怪たちとの絆が描かれていた。

こうして整理していくと、
妖怪と人間のバイパスになっているにゃんこ先生の存在は大きく、
先生の存在なくしては、やはり夏目君の今はなかっただろうと思う。
と同時にもうひとつ大きな存在は、夏目君を引き取ってくれている藤原夫妻。
彼らの真の愛情は、夏目君が本来持っていた穏やかな性格を思い切り引き出させた。
そして、その大切な日常を宝物のようにしている夏目君に、
観ているこちらも、何気ない日々のしあわせに気づかされたりする。

「癒し系妖怪アニメ」とよく表現されるこの作品だけれど、
僕はそれだけじゃないと思っている。
そこからもっと踏み込んだ、本当の癒しって何なのか、本当の幸せって何なのか。
最後の連続3話は、特にそれをテーマとし、親戚の女の子の家庭と、
奇跡と言っていいほどに良い子に育った夏目君とを対比させていた。
{netabare}
人の哀しみや憎しみを食べて成長する妖怪に憑依されてしまった彼は、
傷つき過ぎた過去の記憶を最後まで消すことなく、
むしろ「あの痛い記憶があってこその今が大事なんだ」と確信し、
にゃんこ先生の助けを借りずにそこから乗り越えて自力で目覚めた。
そしてそこには、清々しくさらにひとまわり成長した夏目君の姿があった。

夏目君の最初の不幸は、「妖怪が見えてしまう」という、
祖母のレイコさんから受け継いでいるものも確かにあるけれど、
まず、幼いうちに両親が亡くなってしまったこと、
それと妖怪が見えてしまうことで、親戚中をたらい回しにされたことにある。

でも、妖怪にも人間同様にいろいろいるもので、ある意味人間よりも純粋な
妖怪たちと関わるようになったことで成長できた部分も多く、
いまや友人帳など使わなくても妖怪たちとの約束事は守られ、
学校での友人たちとも同じように友情で結ばれ、
それらが夏目君をしっかり支えている、っていうのが嬉しい。
そして、レイコさんが成し得なかったことを、
孫である夏目君が実現させているということも、感慨深い。
{/netabare}

結局は相手が何であろうと、理解と友情があれば道は開かれるのかもしれない。
ただ、理解するとか、友情を育むには、ある程度のリスクや時間は必要で。
だけど、誰のせいにすることもなく、何を憎むこともなく、
目の前のものを真摯に受け入れ、消化していける能力というのは、
何にも代え難い人間の強さとなり、人生を変えていけるのだと思う。

夏目友人帳という作品の最大のテーマはおそらくそういうことであり
僕はいつもそこに深く共感している。

原作もずっと読んでいるので、アニメ版もずっと続いてくれたらと切に思うけれど、
視聴者によっては、マンネリ感を感じたりして、少々刺激が欲しいところかもしれない。
{netabare}原作では 祓い屋の的場一門と名取周一のことをさらに詳しく描き、
夏目君にもう少し踏み込んでくる内容に発展していっているし、{/netabare}
なにしろ友人帳が今後どうなっていくかを見届けないと。
というわけで、やっぱり5期も大いに期待してしまうのだよね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 83

75.5 7 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング7位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (576)
2345人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

真相はマズいのでウソつきに極振りしたいと思います。

アニメ好きの方なら誰しも一本ぐらいは
  『個人的には好きなんだけど、ぱっとしないからおススメし難い』
という作品をお持ちなのではと思います。
(そんなもんねえよ、という方、ごめんしてくださいまし)

本作『虚構推理』は僕にとってまさしくそんな感じのアニメで、
  ほめるべきところは少なく、
  あのねお前ね、とセッキョ-したくなるところがやたらと多い。
  そのくせ、気になる。はっきり言って『好き』。
という、ダメ女にほれるバカ男的立ち位置で見ている作品であります。

まさかの二期開始ということで、
個人的にはとってもウレシイのでありますが、
おそらく、また『ぱっとしない』アニメになることが充分に予想されます。

  というか、
  カントクや制作会社にもモンダイがあるけれど、
  お話の構造的に『ぱっとさせにくい』作品なんですよね、これって。

  ストーリーがどうこうという以前の問題として、
  そもそも作品のタイトルからして、
  いわゆる『タイトル詐欺』みたいなものなんだもの。

  登場人物は誰も『推理』なんかしちゃあいません。

  じゃあ何をしているかというと、
  カンタンに、そして身もふたもない言い方をすると

                     ウソをつく。

  人間界ともののけたちの世界をまたにかけ、
  さまざまな事件を口先八丁で解決して回るという、
  言わば、うそつき『もののけ姫』のお話なのでありますよ。


ただし、ただ性格が悪いからウソをついているとか、
その場をしのぐために出まかせを並べ立てているわけではありません。
そこには、ちゃんとした『理由』みたいなものがあるわけで。


本作の主人公(ヒロイン)の岩永琴子は、
人間ではあるのですが、わけあって、
もののけ・妖怪の類の『知恵の神』みたいなことをしております。

人間界ともののけの間に起こる問題や疑問、
あるいは、もののけ間におこるトラブルなんかを解決する、
いわば『駆け込み寺』みたいな存在と考えていただければ、だいたい合ってます。

なにせ、もののけたちの『知恵の神』ですから、
現実の人間界で何が起こったのかという『真相』はすぐにわかります。
  といっても、
  琴子自身になにかものすごい能力があるというわけではなくて、
  事件現場の地縛霊に聞いたりするだけなんですが。

ただ、その明らかになった『真相』が、
事件解決のためにはいささか都合が悪いものだったりするわけです。

  あ~、これ、絶対アイツ納得しね~だろ~な~、とか、
  うわ、これ、明らかにしたら余計に話がややっこしくなるじゃん、
  みたいな感じですね。
  (まあ、リアルでもよくある話っちゃよくある話です)

というわけで『ウソをつく』。
と言っても、相手もその事件に関する情報をもっているわけですから、
思いつきとか出まかせではダメなわけです。

  きちんと下調べをしたうえで、
  相手に明らかになっている断片をつなぎ合わせ、
  辻褄を合わせつつ、
  相手が納得できるような『真相っぽいもの』を『デッチあげる』。

そういうのが、本作のキモというか、
やってることのほとんど全てなのであります。


新しいっちゃ新しいし、着眼点はすごくいいのと思うのです。
むかし流行ったシドニイ・シェルダン作品のように、
アクションとかではなく『知略』を楽しむタイプのお話ではあるまいかと。

  え? なんかフツーに面白そうじゃん。

なんて感じていただける方もいらっしゃるかと思います。
いや、確かに着想なり設定なり話の運びなりはすごく面白いんです。
ほんと、面白いっちゃ面白いんですが、
そういうお話の構成上、
どうしても『会話劇』が中心で絵面的に『ジミ』になっちゃうんですよね。

そういう原作をアニメ的に面白くするためには、
作画と演出に力を入れて視覚的に惹きつけるしかないんですが、
その作画と演出がブレブレで、
この際だからはっきり言っちゃうと『しょぼい』んです。

いやほんと、しょぼ過ぎて、人さまにおススメするのをためらうぐらい。

制作は、あたりはずれの落差が激しい、ブレインズ・ベース。
やるときはけっこうやる会社なんですが、
こっちはダメな方のブレインズ・ベースさんですね。

  力の入ったカットは、けっこう力が入ってます。  
  妖怪の類はおどろおどろしく描かれ、ちゃんと深夜アニメしているんです。
  ただ、そのテイストが安定しないんですよね。

  できそこないの『ゲゲゲの鬼太郎』や『ぽんぽこ』みたく、
  いやこれ深夜アニメじゃなくてジュニア向けアニメのテイストでしょ、
  とツッコミたくなるカット・演出が散見され、
  どこに焦点を当ててモノ作りをしているのか見当もつきません。

  もう、そこのあたりで世界観がぐりとぐら。

  作品の性質上、会話劇中心でアクションはほとんどないのですが、
  たまに出てくるそれは、
  なんかもう語りたくないな的なアレであり。

  唯一、第一話だけが『けっこう見られる』レベルなんですが、
  それは典型的な『第一話サギ』。
  そのイメージで続きを見ると、見事にうっちゃられてしまいます。


そして致命的なのが『話が長い』ということ。
(これ、他の方のレビュ-拝読してても、ほぼ共通意見かと)

第一期は全部で十二話。
その中で三つの事件を解決しているわけなのですが、
三話Aパ-トの途中から最終話である十二話のラストまで、
ほとんど10話分の尺をまるまる使って
『鋼人七瀬』という一つのお話をやっちゃってるわけです。

一話、二話と、ポンポンとリズムよく話が進んでいくので、
  お、このアニメ、けっこう面白いんじゃね、
なんて思っていた視聴者も、さすがに飽きたりドン引いたりするんですよね。
話そのものはよく練られていて面白いのですが、
いかんせん『長い』、そしてもちろん『テンポが悪い』。

  第七話のサブタイなんて「鋼人攻略戦準備」だもんなあ。
  『準備』で一話まるっとなんて、
  サブタイだけで視聴者が引くと思わんかったんか、おい。

そもそもメインの『鋼人七瀬』事件はそこまで重厚長大なお話でもなく、
話の合間合間に物語の設定解説みたいな話、
  ・琴子のパートナ-である九朗が不死になったヒミツ
  ・事件の裏にいる六花との関連性
みたいなものが差し込まれて、解決が引き延ばされていくわけです。

そういう
  時系列を入れ替え、
  少しずつ情報を出して全貌を明らかにしていく
という演出自体、古臭いし、そもそも意味がない、と拙は思います。

時系列をぐちゃぐちゃ入れ替えるのが『カッコいい』なんて、
いったい、いつの時代の感性なんだよ、とか強めに言ってもみたり。

  原作がどうなってるのかは読んでないのでわかりませんが、
  鋼人七瀬事件以前のできごとは
  アニオリのエピなどを加えて事前に数話かけて流してしまい、
  その分、七瀬をコンパクトでリズムよく進めた方が、
  視聴者も集中できて楽しい作品になったのではと愚考する次第です。


あと「ひどいなあ」と思うのが、OP・EDのカット割り。
曲自体はぜんぜん悪くないのですが、
流れている映像がひどすぎて、作品本編まで薄めちゃってる感じがいたします。

  そもそもOP映像というのは、
  その作品の世界観を簡潔かつ魅力的に語る『招待状』である『はず』なんですよね。
  (OP詐欺もままありますが、それは置いといて)

  ところがこの作品、OPをいくら眺めても、
  バラバラなカットがぐちゃぐちゃに並んでいるだけで、
  なにがやりたいアニメなのか、全然、これっぽっちもわかりんせん。

  EDなんかもっとひどくて、
  琴子と九朗が、ドレスとタキシードで踊っているだけ。

  お話が地味だからEDぐらい明るく華やかに、とでも思ったのでしょうが、
  本編の世界観ぶっちぎっていますし、
  そもそも『華やか』の具現がドレスとタキシードって……あんたは昭和のおっさんか。


というわけで、僕のおすすめ度は残念ながらBランクです。

お話は、ほんと面白いんです。
細部まで設定や伏線がほんとによく練られていますし、
オチも素晴らしいものなのですが、
いかんせん『アニメとしての完成度』はBクラスとしか言いようがなく。
胸を張って万人におすすめできるレベルにはありません。

  萌え成分はほとんどなきに等しく、
  血沸き肉躍るようなアクションなんて別の惑星の話ですし、
  目の覚めるような美しい映像なんて、1カットも存在いたしません。

  え゛、ジュニア向け? とか思ってしまうカットと、
  シリアスなカットが入り乱れて、
  作画や演出のテイストそのものが不安定な神様状態でもありますし。

  そして、一つのお話が長い。
  ムダに長い、あまりにも長い。長すぎて死にそう。


ただ、そういう作画や演出、シリーズ構成の『しょぼさ』も、
見慣れてくると、あまり気にならなくなってきます。
(少なくとも僕はそうでした)
しょぼさも味のうち、なんてモノすごい理屈で割り切ってしまえば、
それなりに楽しめる作品になってきます。
{netabare}
  とりわけ、九朗と六花の『未来決定能力』のアイディアは秀逸。
  この、便利そうで実はそうでもない能力のおかげで、
  作品の絵面にも、物語の構成にも、ぐっと奥行きが生まれています。
{/netabare}

あと、基本『会話劇』が中心の作品なのですが、
その『会話』を成り立たせている役者さんのお芝居が、すごくいいんです。
これは一聴の価値アリではあるまいかと。

  琴子(ヒロイン)役      鬼頭明里さん
  九朗(パートナ―)役     宮野真守さん
  紗季(九朗の元恋人)役    福圓美里さん
  六花(九朗の従姉で黒幕)役  佐古真弓さん

映像がしょぼいので気がつかない方が多いかも知れませんが、
この四人が織りなすドラマ、お芝居としての完成度は『すごい』です。

泣いたり叫んだりわめいたりというシ-ンがほとんどなく、
全体的に抑え気味、適度に『間』をもたせた、淡々としたお芝居なんですね。
ですが、その淡々とした語り口調の中で、
その台詞の奥にある感情や心の『揺れ』『ひだ』みたいなものが、
ものの見事に表現されています。

  特に、紗季役を演じた福圓美里さん。
  作品の主要キャラではほぼ唯一の『一般人枠』であり、
  感情の波が一番大きい役どころなんですね。

  そこのところを、他の役者さんに合わせた抑え気味のお芝居で、
  時にコミカルに、時にシリアスに、そして時にはエモく、
  バランスをとりながらうまく演じきっています。

これぞ役者の真骨頂。叶うことならば舞台劇として謹聴したいレベルかと。

  あと、この四人の中で、佐古さんだけは事前に存じ上げなかったのですが、
  調べてみたところ、文学座に二十年も在籍し、
  外画吹き替えで数えきれないほど主演を張ってきたベテランさんなんですね。

  お父さんは、演劇集団円の設立から参加した、故・佐古正人さん。
  (血統書付きなんだ)

  佐古さんのおかげで、
  ヘタをしたら『アタマおかしい危ない女』にしかならなかった六花が、
  ミステリアスで思慮深い、そしてかなりヤバい、
  素晴らしくかっこいいキャラとして立ち上がりました。

  実を言うと、拙はこの六花さんが大のお気に入りで、
  六花さん目当てで二期を視聴するところが無きにしも非ずかと。
  (いえ、別に萌えちゃいませんが)


ほんと、ほめるところってそのぐらいかなあ……

最初に言ったように、僕的には『好き』な作品なんですが、
その『好きポイント』がけっこうマニアックなところに集中してるし、
欠点がすごくはっきりしているので、
どんなに推したところでダメな方にはまるっきりダメだと思います。
ムリ推しするような作品でもないですしね。

ちなみに、本作監督の後藤佳二さんって、
これまで六本のテレビアニメを監督されている方なんですが、
あにこれでの人気ランキング最高位は、
二十年前の監督デビュ-作『キディ・グレイド』で、3961位です。
それ以降、一度も4000位以内に入ったことがなく、
直近の監督作だった『エンドライド』(2016年)は7076位なんですね。

  もちろん、あにこれランキングがなんぼのもんじゃい、とも言えるし、
  アニメの評価って、監督『だけ』の責任じゃないわけですが、
  さすがに六本もやって、ギリ4000位以内が一本だけってのはなあ……。

  で、本作はなんと841位!(2023/01/09現在)

  これって、すごく申し訳ないんだけど、客観的に言って、
  カントクや制作の手柄じゃなくて、
  純粋に原作が面白いのと役者さんの力だと考えるのが妥当みたいな気がします。

  これはほんとうに100%拙の主観であり、
  誰かを貶めてやろうなんてつもりは全くありませんが、
  もうちょっとマトモにつくれば
  充分に300位以内が狙えるポテンシャルの作品だと思うんですよね。

  惜しい。もったいない。嗚呼口惜しや。


**************************************************************


ちなみに、二期も総作監が変わっただけで、
本作とまったく同じ制作スタッフでお送りすることになっております。

一話見たそす。いや、見たんだけどさあ……

 ・OP、相変わらず、何がしたいアニメなのか皆目わからず。
 ・本編開始から丸々三分、モブがぐだぐだと設定を説明するだけ。
  (番宣じゃなくて本編なんですよ?)
 ・バトル、激しょぼ。
  おまけにバトル中、モブが九朗の能力をぐだぐだ解説。

もちろん、会話にのっけて設定を説明するのは他でもやってますよ。
確かにやってはいるんだけどさ、
ここまで『あからさま』かつ『長い』かつ『つまらない』のは、
さすがにちょっと見たことないかなあ。

  というか、こんなに『これまでのおさらい』をするなら、
  サブタイに13話(一期からの通番)なんてつける意味、なくない?
  ちなみに、コンテも演出も監督本人なんだけど。

まあ、このあと雪女で悠木碧さんが出てくるみたいだから、
続きは2nd seasonのレビュ-にて。
もしも途中で心が折れて描くの挫折したら、ごめんしておくんなまし、

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

観終わった

5話までの感想{netabare}
えっ、監督後藤圭二なのか、何故か自分は勝手に経営側に回って現場は退いたのだと思ってた、トンだ勘違い、ホント何でだろー?
じゃあキャラデザは門之園?と思ったらそうじゃないみたい、けど門之園の雰囲気がする、名前変えて参加してるのか?そこんところよく知らんから参る。

でもって内容。
どうしても自分は「人間がアヤカシの類とおいそれと関わってはマズい」という価値観が染み付いてて、もっと言っちゃえば関わってる間に人間ならざるものに段々と変容してしまうんじゃないか?という思想が根底にありまして。
一体何の影響だろう、ゲゲゲ?
ということで1話見た時点では「そうそう、こうだよこう」と妙に納得。
そういえば“かくりよの宿飯”では幼い頃にアヤカシから食い物の施しを受けて「あれ食ったのはヤバいんじゃないか」とよもつへぐい的な印象を持ったのだけど、全然そうじゃなくて「あれー?」となったのを思い出したりもしたり。
自分はやっぱこっち(なにかリスクがある)の方がシックリ来るなぁ。
と、1話の感触は上々だったものの2話で方向性がよく分からず困惑、そして3話でやーっとこの作品の方向性が分かった気分。
人間から見たらアヤカシの価値観なんて道理が違いすぎて理解し難い、それはアヤカシから人間を見た時もそうだろう、琴子はそれの間を取り持つ──事実はどうあれ納得させる屁理屈をでっち上げる──のがこの作品のテーマかな?と。
ってか3話Aパートまでが2話の続きで構成が変則的だねぇ、2話終わった段階で「え、まだこの件続くの?」と思いかけてたくらいで、Aパートで終わってよかったんだけどさ。

が、4話から再び戸惑うことに。
また続くんかい!ってかアイドルのPVシーン思い切り監督の趣味だろwww
そんなんで時間稼ぎして引っ張って、なんかイヤ~な予感がするんだけど…。
そして5話、予感的中。
人の噂話などの集団心理が具現化してアヤカシになるって…怪奇モノやオカルト系では超メジャーじゃない?それこそよもつへぐいよりも。
題材にするのは構わないのだけどそこまで引っ張るほどのネタかなー?
同期放送の“自縛少年花子くん”なんか第二話の中でサラっと触れてサラっと解決してたし…もうひと捻りあるのかな。
ってかホラ、大蛇の件でも触れてたじゃない?人からの信仰が薄まって弱くなった、みたいなの。
鋼人七瀬も同じじゃん?
大蛇の時点で「この作品世界ではそういう法則なのねー」ってのは出来上がってて、5話は伏線どころか公開した設定を謎のトリックにしただけで…なんだコレ?
なにより大して驚くようなネタでもないのに話が長い、アクションも冗長、あっるぇ~?

…と思ったら、アニメは原作と順序が違うらしい。
あらー、じゃあアニメスタッフが順番入れ替える際に調整ミスしたってことか?
とにかく妙に引き伸ばし感を感じる、ヘタに引っ張らなければ気にしなかったのに…。
「原作のここまでをアニメにする」ってのを決める時、かなり巻数が少なかったとか?{/netabare}

6話感想{netabare}
6話は終始「ああもう分かった、分かったから話進めてくれ」って感じ、朝礼の校長挨拶かな?
噂が力を与えてるので別の噂を流しましょうってだけの話で、「想定される問題」は実際に問題にブチ当たってから説明すればいいよ、もう。
ってか簡単な話を簡単に説明するのと簡単な話を難しく説明するの、どっちが賢いんだろう?
難しい話を簡単に説明できるのが最も賢いと思うので、その正反対は?と考えると…うん。
ところで、単純な事件をゴチャゴチャとかき回してズルズルと時間を引っ張るのをネタに昇華したギャグ作品で、実写だけど“33分探偵”ってのがありまして。
なーんかこれ見てたらそれを思い出して仕方なかった、「なんやかんや」の部分をアヤカシに置き換えてつまらなくした感じ。

ま、まぁこれはね、↑でも書いたけど“自縛少年花子くん”と放送時期が被ってるせいかもしれない。
あっちはあっちでオガメグとツダケンが何喋ってるのか聞き取れなくて困ったことになってるけどw{/netabare}

8話までの感想{netabare}
話は置いといて絵について。
派手なアクションがあるでもなしキャラ数が多いワケでもなし、絵を描く側としてはそれなりに余裕があるのだろうか。
ってことなのか、六花の「痩せギスっぷり」はよく描けてるんじゃない?
自分はそうじゃないけど、世の中には枯れ木のようなガリガリのヒョロヒョロが好みって人も居て、そこら辺のフェチは感じたw
他のアニメでこういうキャラは大体目の下にクマがある程度かもしくは極端にブサイクに描かれて、ここまでガリガリに描いておいて美女ってのは珍しいと思う。
さすが絵描き上がりを監督に就けただけはある、と言っていいのかな?(話は置いといてね)
しかも六花は人魚肉食って不死、見た目ああでも多分健康には問題無くて、痩せギス好きには理想に近いんじゃなかろうか。
そりゃ九郎も惹かれるわw
それと同期放送の“異種族レビュアーズ”が対極的にムチムチした肉感的(時にはデブ)なのが大々大好きなうのまことが大暴れしてて引き立ったせいもあるかも?
(逆に、果たしてレビュアーズは痩せギスを描けるのか?ってところも興味湧いてきたり)
↑で書いた様に“花子くん”とネタ被りしてツイてないなぁと思ってたけど、レビュアーズと被ったのはラッキーかも?{/netabare}

9話感想{netabare}
ネット世界のイメージ映像、ナデシコのルリやキディグレイドのリュミエールを思い出した。
ああ、これで後藤監督を起用だったのか?

ただ…こればっかりはどうしようもないのかなぁ、ディテールが現実に対しチト古い、作中時代は一昔前だっけ?
今だったらネット上の主張合戦は掲示板だけでなく動画投稿が大きなウェイトを占めるんじゃないかな、ゆっくり辺りに喋らせたヤツ。
原作を発表してヒットして、アニメ化が決まって作って、放送されるまでのタイムラグは避けようがないか。

で、もしコンクリブロックで撲殺したなら鑑識でバレるんじゃない?ってツッコミはまぁ、推理モノではまぁ…。
あくまでイメージで、便宜上コンクリなだけで「紐で縛れて重くて固くて直撃したら死ぬ」の条件を満たせば『なんでもいい』のだろうけど…だったらもっとこう、モヤ~っとした物質にはできなかったかな?
↑で挙げた“33分探偵”では「鈍器のようなもので殴打」のイメージ映像は壷のようなボーリング玉なようなモヤっとした物質で、「鈍器のようなものって何?」という突っ込みに「鈍器のようなものは鈍器のようなものです!」と返してたのを思い出した。
というかそういった強引な態度で「でっち上げの推理」を押し通すのがウリの作品だった訳だけど…なんか“虚構推理”を見てると33分探偵を思い出して仕方ない。
しかも33分探偵は33分で事件が解決する一話完結モノ、そもそも5分で解決する事件を33分に引き伸ばす内容で、こっちの数週間に渡って鋼人七瀬の話をしてるのはさすがに「引き伸ばしが過ぎる」と思わずにいられない。
ってかさぁ、パク…パロとは言わないけど、着想の一部に33分探偵があるんじゃない?
「正直そっちを見た方…がゲフンゲフン」なんてことにならない展開には期待してるけど…。{/netabare}

10話感想{netabare}
原作は未読、先の展開は全く知らない。
知らないからこそ素っ頓狂な妄想(願望?)すると、最後は「なんでこんなことに夢中になってたんだろう」と掲示板連中の興味を失わせるオチだったりして?
デマって大抵そうじゃない?
で、その可能性がある限り…感情移入?自己投影?なんていうんだ、掲示板のメンバーになったつもりで話に耳を傾けることができない。
とこか冷めた目で「バカみたいなことゴチャゴチャ言ってんなー」って感じで…。
と思ったら、あ!この感覚ってガッチャマンクラウズだw
クラウズがダメってことじゃなくて、{netabare}暴走した集団心理は説得なんて通じなくてもう冷や水ぶっかけるしか手段が無い{/netabare}って内容で…私は発想がそっち寄りだなぁ。
逆を言っちゃうと、本作は「よく話の通じる連中ばかりなことで」と違和感を拭えない。
当然クダンの力のお陰って説明はあるものの、掲示板であんなやりとりってリアイリティとしてどうなんだろう。
いやホント掲示板の連中よくこんな奴真面目に相手できるなぁ、と。
「長文ウザい、3行で」って言われないのか。
仮説だと断ってたクセして言葉の最後を「~なのである」「~であるからだ」と断定口調で締めてるのもキツい、結構イラっと来るw
「まるで見てきたかのようだな」って突っ込みは入らないのか。
それらもオチに向かっての仕込みなら構わないのだけど、果たしてどうなんかな~?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
鋼人七瀬パートが長すぎ、ってのは私が言わなくても他の方も指摘してるでしょう。
で、冗長なだけでもアレなのに、その内容も…全然共感できないから困りモノ。

ネット上のデマ関係なんて、それこそ最近ではNHKの京アニ報道だとか、ちょっと前ならスマイリーキクチとか色々あって(コロナ関係はノーコメント)。
更には個人的に…そこまで追求はしてないけどボーっと眺める程度には追っかけてる騒動とかもあったりして。
それで感じるのは、現実のネット民ナメ過ぎな気が…。
少なくとも上記の例だけでも、誘導されやすい系って過度な正義感に燃えてる人が多い気がする。
言い方変えれば、被害者でもないのに加害者を設定してそれを叩く自分正しい、みたいなのにすっごい食い付きが良い。
そこら辺考えると“ガッチャマンクラウズ”の方が良くできてたのかな?と思ってしまう…というか“アンパンマン”だってそれをテーマに据えてる訳で(ゲストキャラにバイキンマンが「えーん、アンパンマンに酷いことされたよー」と嘘を吹き込んで「それは酷い、よーしボクが成敗してやる」って話が多い、非常に多い)。
この作品では「人間の興味なんてそんなもの」で片付けようとしてたけど、実際は好奇心より正義感のが勝るんじゃないかな?ネットだと特に。
もし誘導したいのなら正義感をくすぐるような餌をバラ撒けばいいのに…とずっと思ってて、だけどそれはやらず淡々と理屈並べるばかりで、多分それで考えを二転三転する人ってそう多くない気がする。

でもって肝心の理屈が…冗長なうえに説得力を欠くから困ったもので。
これはアニメスタッフの責任になる…のか?
琴子のでっち上げの推理部分、「空想による再現映像」だけど、それが詳細に描(えが)かれ過ぎ。
文章だけならなんとなくボヤーンで済ませるところをハッキリと絵で描いてしまって、そこに更に琴子の断定口調が加わって「まるで見てきたかのよう」と思ってしまう。
立てかけたあった鉄骨を蹴って上手いこと被害者の上に倒すとか、そこは「なんやかんやして鉄骨を落とした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
寺田刑事が懐中電灯で気絶させられるのも、「いい感じに手ごろに鈍器のようなものがあってそれで不意打ちした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
「あの状況で気絶させた」の条件を満たせばいいだけなので、もしかしたら色仕掛けで隙を突いたでもいいワケで(作家によってはそこを頑張って書くだろう)、あそこまで詳細に描く必要は無い。
大雑把でいい部分を事細かに自信満々で断定するものだから、どうしても「なにをもってそうだと断言してるの?」と疑問の範囲がデカくなってしまう。
その結果琴子の推論に賛同できないし、まんまとノセられてる掲示板の参加者がアホに見えて仕方なくなる。
「あくまでイメージ映像です」ってことで参加者は文章で聞かされてるだけなんだと思おうにもそこまで感情移入はなかなか辛いって、原作未読でアニメでしか知らない人は特にそうじゃない?
要は詐欺の手口の話なので「曖昧なまま気付かれないようにしれっと流す部分」があるのは構わないハズ──場合によっては屁理屈よりそっちの方が腕の見せ所かも──なのに、アニメではそれを律儀に詳らかにしてしまって詐欺師の言い分のおかしい箇所を明かしてしまっている。

正直言ってこれ…原作者が一番頭抱えてそう、「なんでそこそう描いちゃうかなぁ」と。
{netabare}と、これも所詮アニメスタッフを加害者・原作者を被害者に設定したロジックで、ここまで読んで「うんうん、アニメスタッフ酷いよね」と思った方は…まぁそういうこと{/netabare}

本編の大半が鋼人七瀬編なのでそっちに関して先に書いてしまったけど、それ以外の部分は良かった。
「人間と怪異は交わるものではない」は何故か私もその価値観で、というかそういう前提でタブーに踏み込む感じこそが妖怪モノの真骨頂かな?とも思ってて。
なのでもし人間が怪異と交流しようとするなら肉体や精神がマトモでいられない(琴子)、ましてや妖怪の肉なんて食べたら只では済まない(九郎)、そこんところちゃんと踏まえてるのは安心する。
(それが普通だと思うのだけど、最近そうじゃないのがあってね…)
果たして想像の上とはいえ七瀬かりんや寺田をオモチャにするような真似はどうなん?ってのも、怪異と係わりすぎて価値観が真っ当な人間とは違っちゃってる、と考えればそこまで酷いとは思わない。
琴子のシモい性格だって、妖怪(土着信仰?)なんてお下劣なのが多い訳で、それに染まってりゃああもなるんじゃない?とも。
だから尚更「七瀬パートなんていいからもっと短編やってよ」みたいな不満が溜まる…参ったねw

それと最終回で出た花、最初ペンタスかな?と思ったけど葉っぱが違う。
じゃあ何かなーと思ったら…あっ、キョウチクトウか?(自信弱め)
植物に興味無くてもミステリー好きな方ならトリカブトと並んで有名なんじゃないかな、最後の最後でそれ出すかw
「これミステリー作品っスよ、忘れないでね」と慌てて念を押してきたみたいで微笑ましいというかなんというか。
もしくは「これ出しときゃミステリーの体になるだろ」という乱暴さというかw

ってことで総評
原作がどうあれアニオリエピソードでいいのでキャラそのままで1話か2話完結話を続けて欲しかった。
“シティハンター”で例えると一つの依頼を解決するまでに何ヶ月もかけられてもちょっと…ねぇ。
鬼太郎とあんま変わらなくなっちゃう?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメである必要性はどこに?

原作は城平京による小説
2012年に第12回本格ミステリ大賞で小説部門を受賞した
虚構推理 鋼人七瀬という作品
アニメはそこに後から作られた短編集のエピソードを
真ん中に挟み込むような形で構成されています

2015年には少年マガジンRにて漫画化され
講談社の漫画アプリマガポケでは
1日1話無料で読めるようになっており
私はこちらで漫画版を読みました
なので短編が先にきたのはちょっとびっくりしました
原作小説は未読です

城平京の作品がアニメ化されるのは2度目
最初にアニメ化されたのは
絶園のテンペスト
前半クール終盤の問答シーンはなかなか面白かったですが
終盤はアニオリ展開だったのもありますが
それ以外は全体的にいまいちというのが私の評価

でもって今回の作品のメインも
屁理屈をこねまわして押し問答するシーン
つまりは絶園のテンペストで一番面白かった部分に近い
ということはアニメにしても結構面白いのでは?と思っていました

しかしそんな期待に反して
アニメでやる必要性を感じないアニメとなってしまいました
その理由をいくつか挙げていきましょう

まず第一の理由は放送時期が悪かったこと
2020年の冬アニメは割と豊作でした
といっても単にその豊作の中に埋もれてしまったという話ではありません
問題は似たような題材のアニメが複数存在していたことです
噂が具現化して現実世界がピンチ!
って内容の作品がこの作品含めて3つもありました

そのうち一つはマギアレコード
分類としてはソシャゲアニメですが
その源流は人気アニメまどかマギカにあるので
アニメそのものの出来はともかく
知名度の段階でかなり不利な戦いです

もう一つが地獄少年花子君
こちらはおそらく知名度的には勝っているものの
主人公の声優が鬼頭明里で
妖怪たちにおひぃさまと呼ばれているとか
{netabare}人魚の肉を食べて人間と妖怪の混じり物になる{/netabare}とか
共通点が多すぎて・・・
まぁあかりんの両作品のヒロインの演じ分けは
なかなかに見事だったので
そこは評価してあげたいところではあります

見る前の予想としては
物理的な(魔法的な?)力で噂と戦う2作品に対して
{netabare}掲示板のレスバトルで戦う{/netabare}この作品は
一線を画しているようにも思ったのですが
結局アニメーションとしては
{netabare}琴子のシーンはほとんど動きがなく
絵面としては九郎先輩の肉弾戦がメインなので
結局は物理で戦ってるんじゃねーか
みたいな話な上に
バトルが売りの作品じゃない分
アクションもいまいち魅力に欠けます
そもそもお互い不死身同士のバトルなんて茶番には{/netabare}
まったく見ごたえを感じません

物語としての魅力はさておき
クライマックスがヴィジュアル的にいまいちというのが
アニメーションでやる必要性を感じない第二の理由
これなら漫画に朗読CDでもつけておけば
無駄にお金と時間をかけてアニメ化しなくてもいいのでは?
というのがアニメ版に対する率直な感想です

そして最後の理由が原作が評価された背景にあります
ミステリ作品における名探偵の役割は
殺人事件の裏に隠された真相を暴くことです
奇しくもこれまた同じクールのアニメであったID:INVADEDでも
それが題材の一つになっていました
しかし虚構推理における名探偵役の岩永琴子は
真実を見つけるのではなく虚構を作り上げることで事件を解決する
つまりはミステリのお約束というやつを逆手に取ることで
ミステリ作品としてのオリジナリティを作り出しています

ほかにも{netabare}事故に見せかけた他殺だろう!
→やっぱりただの事故でした
顔の無い死体?それはきっと本人じゃないな!
→いいえ本人です
オカルトじみた怪異の仕業?さてはトリックが・・・
→普通に怪異の仕業です
という具合に
{/netabare}ノックスの十戒やらヴァン・ダインの二十則やらを
意図的に違反しまくったうえで
それでいてしっかりとミステリとしての面白さを備えていることが
ミステリ界に新しい風を吹き入れた
というような受け止められ方をしています

つまりこの作品の原作は古典ミステリをひたすら味わってきた層にとって
面白い変わり種として評価されてるのですが
アニメというフィールドでは怪異が実在することなんて
ちっとも珍しくもありません
現に噂が実体化して人を襲うという部分だけで
同じクールで3本ネタ被りしてるくらいです

正統派ミステリがたくさんある中に
こういったアニメっぽいテイストの作品があるから面白いのであって
アニメっぽいからと実際にアニメにしてしまったら
それはもはや作品の長所でも何でもなくなってしまい
毎期おびただしい量放送されるアニメの中に埋没してしまうのも必然だったと言えましょう

虚構推理という作品自体は面白いと思います
しかしアニメならではの良さと言える部分が
動いてるおひぃさまの愛らしさとかあかりんの好演とか
そのくらいしか見当たらないのでは
わざわざアニメ化する必要あったのかな?
という評価にならざるを得ませんでした

おまけ:アニメ化で削られたエピソード
{netabare}
漫画版で面白かった部分なのですが
なぜかアニメ版では削られていた
怪異と噂の関係についてのエピソードです

鎌鼬という妖怪がいます
彼らは鎌のような爪をもっていて
道行く人を高速で切りつけます
すると痛みもなく気が付かないうちに
すっぱりと切れた傷が残る
というのが伝承です

しかし近年それは真空によるものだ
という科学的な解釈が広まり
妖怪が実在する作品世界の鎌鼬は
どんどん力を失っていったという話です
確かに私も子供の頃かまいたち現象の
そんな説明を聞いた覚えがあります

しかし、実際のところそれはエセ科学というやつで
自然現象でそんな大きな気圧差が生じるとは考えにくく
もし生じたとしたら人体以外にもその影響がなければおかしいでしょう
つまり真空説はまったくのデタラメながら
多くの人に浸透してしまっているということ
確かに今考えてみればかなりいい加減な仮説で
ちょっと考えればおかしいとすぐわかりそうなものです

つまり実際には真空によるかまいたち現象なんてものは存在しないのに
多くの人がかまいたち現象を信じてしまったがゆえに
鎌鼬たちは力を失ってしまった
したがって鋼人七瀬の噂をコントロールすることができれば
たとえそれがまったくのデタラメであっても
鋼人七瀬を倒せるはずだ

というのが琴子の主張
これがあるかどうかで
鋼人七瀬の弱点が自身の噂である
という部分の信憑性がだいぶ変わってくると思うんですが
尺の都合なのか削られてしまいました
作品世界をうまく肉付けする
面白い話だったと思うんですけどねぇ・・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

61.9 8 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング8位
境界のRINNE(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (361)
1769人が棚に入れました
同じ高校に通う死神少年・六道りんねと、幽霊が見える少女・真宮桜。
りんねは、学校中から寄せられる霊の悩みを解決し、その依頼料のおさい銭で生活するのだが、とある事情でとても貧乏!
除霊グッズも買えずに桜に借金する始末。お互い気になるのに進展しない2人の関係はどうなる!?そしてりんねの宿敵とは?
りんねと桜、契約黒猫の六文など、個性豊かな仲間たちよる、霊界をも巻き込んだ奇想天外な放課後が始まる!

声優・キャラクター
石川界人、井上麻里奈、生天目仁美、木村良平、柿原徹也、徳井青空、洲崎綾、坪井智浩、ゆきのさつき、山口勝平、玄田哲章

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作は2009年から連載を開始してまだ連載中の長寿作品・・・先が楽しみです♪

この作品の原作は未読ですが、高橋留美子先生は良く存じ上げています。
『めぞん一刻』『うる星やつら』『らんま1/2』という作品名は、私と同年代の方は一度は耳にした事があるかと思います。
私にとって久々の「るーみっくわーるど」作品という事で視聴を楽しみにしていました^^

この物語の主人公は、高校1年生の六道 りんね。彼は学業の傍らで黄泉の羽織を纏い死者の魂を輪廻の輪に乗せる死神の仕事をしています。
死神の仕事は文字にすると上記のような感じですが手段は人それぞれで、りんねは魂がこの世の未練をなくし、自らの意志で転生させる事に注力するという、労力の必要な手段ですが誰も傷つける事なく穏便に解決できる方法を模索する心優しい一面を持っています。

そもそも彼が死神の仕事をしているのは、名誉死神である祖母から隔世遺伝で受け継いだ能力がある事も理由の一つだと思いますが、最大の理由は貧乏だから・・・が一番大きなウェイトを占めていると思います。
なにせ貧乏すぎて学校指定の制服も買えないほどなんです^^;
彼がどうしてそこまで貧乏になったか・・・それは是非本編でご確認下さい。

そんなりんねの金銭的サポーターがヒロインでクラスメイトの真宮 桜です。
飄々としていますが、可愛らしくてスタイル抜群なおさげの似合う女の子です。
彼女は幼少の頃の体験で霊が見える体質になってしまい、それがきっかけでりんねをサポートしているのですが、困っている人や霊を放っておけない優しい性格による後押しが功を奏する事も多く、りんねもだいぶ救われていることと思います。

そんな2人ですが、お互いに恋愛面に関してはウブというか鈍感というか・・・^^;
物語の序盤では決して見られなかった表情や言動が、回を重ねるごとに少しずつですが変化しているように感じられます。
これからどのように変化していくのか、先行きがとても楽しみです^^

ですが、物事はそんな都合よく簡単には進みません。
2人の間に割って入ろうとする人物がちゃんと存在するんですよね^^;
りんねに関しては貧乏を除けば外見は悪くありませんし、桜さんだって美人さんです。
普通にライバルが現れてもおかしく無いと思います。

そんな2人のライバルが、お祓い屋の十文字 翼と死神の鳳(あげは)です。
こちらの2人は思い込んだら突っ走る・・・良く言えば積極的なタイプなので、りんねや桜とは真逆の性格なのですが、みんなのアンバランスさが逆に丁度良い関係を保っている理由になっているように思います。

十文字は性格・根性が極めて打算的なのでいかがなものかと思いますが、鳳ちゃんの一途さは嫌いじゃありません。彼女も彼女なりに自分の思い描く幸福像を胸に行動するのですが、打算というレベルには程遠いんですよね^^;
それでも一生懸命さはちゃんと伝わってくるのが彼女の魅力なのかもしれません^^;

レビューでは主要キャラについて触れたのみとなりましたが、他にも味わい深いキャラが沢山登場します。決して大きな風呂敷を広げている訳ではありませんが、物語がしっかりと纏まっているので見易く時にクスッと笑える面白さ有りと、流石高橋留美子先生・・・と思える作品なのではないでしょうか^^

それと高橋先生の作品で一貫しているのが、どこかに飛ばされたり殴られたときに見せる中指と薬指を織り込む手の形を見た時、思わず懐かしさを感じてしまいました^^;

オープニングテーマは、KEYTALKさんの「桜花爛漫」とパスピエさんの「裏の裏」
エンディングテーマは、パスピエさんの「トキノワ」とくるりさんの「ふたつの世界」
パスピエさんの「裏の裏」を練習中です。今度カラオケに行く機会があったら是非チャレンジしてみたい歌です^^;

2クール25話の作品でした。久々に「るーみっくわーるど」を堪能させて貰いました。
25話で見せてくれた桜の笑顔が脳裏に焼き付いて、「えっ。これで終わっちゃうの?」と思ったら百葉箱にNHKから手紙が入っていたのにはビックリでした^^;
内容は第2シリーズが16年春に放送されるとの事・・・百用箱でお知らせなんてNHKも粋な事しますよね^^
来年の春を楽しみにしています^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

コエンマ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

タイトルなし

オープニング:KEYTALK『桜花爛漫』
エンディング:パスピエ『トキノワ』
オープニング2:パスピエ『裏の裏』
エンディング2:くるり『ふたつの世界』

原作:高橋留美子

石川界人:六道りんね
井上麻里奈:真宮桜
生天目仁美:六文
木村良平:十文字翼
村川梨衣:鳳
雪野五月:魂子(りんねの祖母)
玄田哲章:ナレーション

3話
黒猫の六文(ロクモン)気に入った!顔が人間やん。
りんねに空高く蹴られたのに、何気に桜の隣いてる
ww
六文、魂子による笑顔の解雇通告・・笑えない。
それで、りんねの所に来たのね。。。

4話
{netabare}十文字翼という人物登場。
転々と引っ越ししていたらしい。真宮桜とクラスメイトに。桜の友人(ミホ)に臼井(幽霊?)が生きてた時、好きだったみたいで裏返した黄泉の羽織を着て実体化した。それでダブルデートをミホが持ちかけて、なんやかんやで遊園地に6人!臼井君は満足して成仏した感じです。{/netabare}

5話
トイレの花子さん
{netabare}教室の多数の手形の仕業は少女。それはトイレの花子さん。5年前に十文字のせいでトイレを追い出され、仕返しをしようとしている。
力のない花子にバカでかい(10万円賞金の悪霊のトイチ)のが力を与えていた。後からりんねが花子に力をもらい続ければ、花子はトイチに最後は吸収されると伝える。
六文が持って来た死神のカマをりんねが受け取り分裂した悪霊を攻撃。突然悪霊トイチは花子に向かっていき、十文字が本のカドで攻撃、その隙にりんねが全部の悪霊(トイチ)を死神のカマで成仏させた。

十文字は5年前の事を反省し花子に謝る{/netabare}

6話
{netabare}祠の中に子供達の声が!その声を聞いた桜はりんねの所へ。りんねの所には依頼人(猫田タロー)が。小学生の弟(ひろし)が猫のように変わり果てた件。猫田の家まで行き弟に会うが本人ではないと、りんねが見破り、逃げようとする化け猫を死神のカマで狙うが地面に当たり折れる。
猫田母から行方不明の子供の話を聞き、祠の声が結び付くと気付いた。
十文字は家まで行きタイチに会うが、それも本人ではない。その正体は猫田弟が祠の戸を開けたのがキッカケで封印が解けた化け猫達だったのだ!
ネコミミだまし神によって、不意討ちを狙って、六道と化け猫達は祠に入れられる、が、十文字が祠を破壊し、解放!ナイス、サポート!!
実はネコミミだまし神が子供を騙し、祠の扉を開かせたのである。
戦いに戻そう、出前で大トロ寿司(3万円)頼んだ十文字を化け猫達は食い付き、聖灰?にマタタビ入りのを浴びせるように化け猫に当てる。マタタビは猫の好物らしい。それに満足し成仏しました。
ネコミミだまし猫の仲間、社長と秘書登場。
最後の小学生のお礼千円の四人の反応が面白い。他にも面白いとこありましたが{/netabare}

7話
{netabare}バイクで彼女を迎えに行く途中事故して亡くなった話を友人から聞く桜。その時、幽霊のその人らしき人が、その隣にも誰かが。
りんねに手紙の依頼で、屋上に。同じようにきた男女二人。流れで事故にあった男性(レイジ)が入院してる所に4人が来た。
れいじは男女二人(スズとトモヤ)が出来ていると思い、妬いていた。それを裏で利用していたのが魔狭人。小学生の時、りんねにあって邪魔されたことに恨みが。
レイジをなんとかしないと!六文やっと、出てきた。
学校で暴れたれいじは彼女に嫌われ、泣きながら逃げ出す。レイジが無気力になっている間に魂をビンに入れる魔狭人。地獄へ行こうとして、りんねが追いかける{/netabare}

もう何話抜けたか・・・
りんねの父親も登場し、色々あっての『くどい』の話。

『くどい』の次
お化け屋敷と、水着アイドルは霊
りんねはまだ桜に誤解をとけず

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
ネタバレ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

くるくるくる回る輪廻の輪

高橋留美子による漫画を原作とする作品です。全25話

原作未読


女子高生の真宮桜は幼い頃に神隠しに会い、あの世でもこの世

でもない境界に迷い込んでしまう。その時は知らないおばさん

に助けられたのだがその出来事以降霊が見える体質になってし

まう。ずっと登校してないクラスメイトで隣の席の六道りんね

がある日変な格好で登校してきたと思った真宮桜であったが

その姿は他のクラスメイトたちには見えてはおらず、まさかの

幽霊!?と思うのだった・・・


最初から最後まで安定した形を保って第一期を終えたという様

に思いました。勢いとか山あり谷ありというのを強く感じなか

ったので話数がすぎるにつれてなんとなくブレーキがかかって

いるようにだんだん普通になっていく感じでした。

昔のように長い話数で組んでいくのならこの作品のコメディ風

の部分を活かしてこのような展開がいいと思うのですが(あまり

昔の50話とかいうのは見たことはありませんが・・・

私はハチャメチャだろうが多少矛盾してようがもっと上がったり

下がったりしてる方が楽しめるので前述のように感じてしまった

のかなと思います。


でもじゃあ平坦な右肩下がりなのかというとそういうわけでもな

く後半にもいくつか面白い話はありました。それが前半の面白さ

に匹敵するかというとそうでもないという感じです。


そんな風に思うのも私としては主題歌(特にOP)が変わってしま

ったのが結構影響してしまったのだろうと思っています。

NHKの作品だったのでOPは変わらないだろうと思っていましたし

前半クールのOP「桜花爛漫」も自分の中ではかなり高評価だった

のでこれで変わらないなら多少物語の面白さが薄れて来ても・・・

と思っていたわけです。そのタイミングで変わってしまった時の

衝撃は結構なものでしたw どんな作品でも変わってしまった時

は驚くし違和感も感じます。毎回OPED飛ばさずに見ているわけで

すから。それに残り2~3話になれば慣れても来ました。

ですがあらすじを書くのに一話を見返して見たときのOPを聞いた

その瞬間に一気に前クールの感覚に戻されたのでやっぱこっちじゃ

ないとと思いました。

私自身の感覚としてOPEDはかなりの比重を持っていてその上で

今回このように感じてしまった個人的な原因なのかなと思ってい

るという次第です。

あと主題歌が変わった時に映像がほぼ変わっていなかったのも

あるのかなと思います。(お金の所は除いて)

桜さんがお金を貸すところで数話進むにつれて金額が変わっていく

演出は良かったと思います。

{netabare}それを最後まで続けるなら曲も変えるなよと後半で変化した時

には強く思ったものですw{/netabare}


全体として思うのは高橋留美子さん作品が合う人には合っている

のかなぁということです。自分にはあまり合っているとは思わな

かったし、そもそもこの人の他の作品を見たことがないのでどう

なのだろうという感じです。

大きな起伏もなく(設定、作り等から考えてもあまり突拍子もない

のがあるとは思えないが)安定と言えばそうなるし、自身としては

後半飽きが出てきたのか面白さが減少していたように感じました。

◆個人的点数評価 74.013点

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

62.0 9 ブレインズ・ベースで妖怪なアニメランキング9位
鬼公子炎魔(OVA)

2006年8月25日
★★★★☆ 3.7 (22)
127人が棚に入れました
永井豪原作「ドロロんえん魔くん!」の人気キャラクターが繰り広げる妖艶でスタイリッシュなホラーアニメがOVAで登場。炎魔の使命は魔界から逃げ出した“魔”を狩ること。個性的な仲間と共に人間界のさまざまな事件に立ち向かう。
ネタバレ

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

初心者から上級者までお勧めできる、本格的ホラー作品

この作品、鬼公子炎魔はどこか癖になる魅力があります。
現に私は3週しています。
それとOVA作品で、しかもホラーということもあり、レビューが9件しか挙がっておらず
総合点数が計測不能になってて驚きました。笑


私がタイトルで初心者から上級者までお勧めできると言ったのは
理由がいくつかあるのですが
①OVAということで4巻までしかなく、すぐ観終えることができること。
②恐怖度もそこそこなので、本格的ホラーを味わえるところ。
③グロが苦手な人でも耐えられる程度のグロであること。(私基準)
以上の理由かな。


タイトルでお気づきの方もいるかもですが
実は鬼公子炎魔は、1973年にアニメ放送していた、『ドロロンえん魔くん』のその後の物語のようです。
ドロロンえん魔くんはホラーというよりかは、ギャグ色が強くコメディだったようですが
鬼公子炎魔では、登場人物が大人になったという設定で、ギャグ色を排した本格的ホラー作品です。
私自身は『ドロロンえん魔くん』は観ていません。そもそも生まれていないので。笑


楽曲を飾るのは声優アーティストで人気のGRANRODEO
鬼公子炎魔では3rdシングル『DECADENCE』を起用。
怖い雰囲気を醸し出しながらも、とてもロックで格好いい曲になっています。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚


【1巻】
{netabare}吸血鬼(魔)が主体の物語。

娘を異性として溺愛してしまった父親(シュトロハイム)に魔が取り憑き、娘(ローレライ)に近づく物を殺してしまう......{/netabare}


【2巻】
{netabare}日本人形(魔)が主体の物語。

愛する彼氏の為に、やりたくもない水商売のお仕事を続けていた波多七美。
だが波多七美は、紐の彼氏がゲスにも他の女と寝ている現場を見てしまい、魔が取り憑く。
動くはずのない彼氏からもらった日本人形が、彼女に近づく者をひとりでに殺して歩くのだった......{/netabare}


【3巻・4巻】
{netabare}人間界に来たとき、炎魔が最初に倒したはずの魔が、雪姫の中に身を隠し潜んでいた。
そして体を乗っ取られた雪姫が主体の物語。

雪姫により、どこにあるのかもわからない謎の洋館に連れて来られた5人の男女
弁天ユリ(雑誌記者)、網走直次郎(警部)、鮎川アユ(短大2年生)、法印大子(短大2年生)、吉永(高校教師)
5人の男女には皆、トラウマ(心の闇)があった。
出口のない謎の洋館、必死に出ようと慌てふためく5人の男女。
そして魔(雪姫)はトラウマを利用し、ひとりひとり殺していくのだった......{/netabare}


【感想】
{netabare}鮎川アユが滅茶苦茶怖がりなのに、途中で謎の洋館で大子を置いて一人で先に行ってしまうのは違和感を感じました。
そうでもしないと設定上、1人にならないから仕方ないか。

最初(1巻)から廃屋の赤いドレスの女性を追っていた弁天ユリだったけど
結局は弁天ユリ自身が、廃屋の赤いドレスの女性だったっていうオチでしたね。{/netabare}

OVAということもあり、サービスシーンも非常に多かった。
モロですよ。変態さん喜びそう。笑

しっかしホラー作品ってジャンル上、仕方ないのだけどもBAD ENDにしかないよね。
いつも登場人物達が報われない最後だし
私の知ってる中で本格ホラーアニメでBAD END回避してるのは、学校の怪談くらいかなぁ~
一番お勧めのホラーです。(✿╹◡╹)ノ[学校の怪談]


【余談・豆知識】
私はホラー大好きですけど、一つだけ苦手なのが日本人形です。。。
これだけは無理!怖い!人形やめて!
精巧な人の形をした物には魂(霊魂)が宿りやすいので、日本人形やフランス人形などは危ない。
特に日本人形って見た目も不気味だし、可愛くないし、本当に無理です。
京都にある宝鏡寺(人形寺)は絶対近づきたくない名所。
本当に動いたり、笑い声が聞こえるって有名です。
2巻は日本人形が出てくるので、人形苦手な方は注意⚠
アニメだから観れたけど、リアル人形は生理的に受け付けないくらい嫌いです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ドロロンえん魔くんを大人向けにしたホラーOVA

この作品は、永井豪原作の漫画『ドロロンえん魔くん』から
コメディ要素を排し、ホラー色をより一層強めたOVAである。
このアニメを知った後で、『ドロロンえん魔くん』の存在を知ったため、
漫画に関しての詳しいコメントはできない。

基本的なストーリーとしては、普段妖怪パトロール隊として
活動している閻魔、雪姫、カパエルの3人が魔界から逃げ出し、
人間に憑りついた「魔」を狩るというもの。
とてもシンプルだが、人間の業を丁寧に描いているため見応えはある。

これは私の思い違いかもしれないが、ストーリー構成が吸血姫美夕と
かなり近いような気がした。実際に視聴していた際、心の中の
どこかで親近感を覚えていたのかもしれない。
吸血姫美夕の影響を受けている可能性は否定できないが、
炎魔や雪姫が操る炎、氷に関しては吸血姫美夕が影響を受けているので
相殺といった所か。

ちなみに、このOVAは4話で構成されているが、3.4話に関しては
前編と後編というスタンスを取っている。じっくり描きたかったのだろう。
また、サスペンス要素も強い印象を受けた。
私が個人的に好きなエピソードは
禍流魔・炎魔>膿腐吸魔>非躯魔 の順番だ。
それぞれのエピソードについて個人的に感じたことを下記に示す。

膿腐吸魔

ヴァンパイアもの。恐らく一番流血描写が多い回だと思われる。
ホラー物に精通している方なら、間違えることなく犯人を
捜しあてられると思うのだが、上手いことミスリードが
聞いており、私はまんまと騙されてしまった。
それなりに見ていると自負していたが、まだまだ勉強不足だなと
改めて痛感した。
ちなみに冒頭で出てくる魔は後半の話で深く関わっているので
お見逃しのないように。

非躯魔

日本人形もの。要は邦画ホラーにあるタイプの人形ホラーと
いっても差し支えない。犯人は大方予想できていたのだが、
他の人間を巻き込み集団で襲う戦法はかなり恐怖感を抱いた。
視聴していて、こいつ中々のやり手だなと感心した。
後、浮気はみんなを不幸にするだけだなと改めて学んだ回でもある。

禍流魔・炎魔

洋館に閉じ込められた5人の人間を題材とした脱出もの。
他のゲームに無理やり例えるならバイオハザードが一番
イメージしやすいだろうか。5人それぞれが後悔している
過去のトラウマや、彼ら同士の争いを描くことによって
より一層ホラーテイストを強めることに成功している。
最後の落ちもかなり印象に残っている回だ。
一番好きな回である理由だが、密室要素を含む、ただそれだけだ。
(だって密室系のホラー映画が大好きなんだもん、しょうがないじゃん)

想像していたよりも、かなりホラー色が強い良作OVAであった。
但し、尺が短いので、自分としてはもう少し話数を増やしてほしかった。
そうすれば、この作品にかなり没頭できたのに。勿体ない。
ちなみに、エロシーンも少しばかし挿入されているため
興味のある方はそこも踏まえた上で挑戦していただきたい。
吸血姫美夕が好きな方は一度視聴して見ることをお勧めする。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

『ドロロンえん魔くん』の登場人物が大人になって活躍する本格ホラー

永井豪による漫画・アニメ作品『ドロロンえん魔くん』の登場人物達が
大人になったという設定で描かれる、コメディ色を排した本格的ホラー作品。

1話につき40分ほど、全4話の物語なのでサクッと観れるかと思いきや、
内容が濃く、深いので、1クール観たくらいの見応えはあった。

OPの妖しげな旋律も期待感を増幅させ、いろんな意味で昭和的な雰囲気が、
ダークで救いようのないストーリーにぴったり。

ところどころ、井の頭公園とか庭園美術館など、よく知った場所が登場し
個人的には楽しめた部分もあったが、なんせ人の心の闇を食らう魔物を
描いているので、観終えた後のスッキリ感がまるでないのは
観る人によって賛否、好き嫌いなど分かれそうな気がする。

劇中のセリフを引用すると確かに、心に闇のない者などいないのかもしれない。
だからこそ、観ていて辛く感じるのだろうね。

ハッキリ言って、この作品は大人向け。
人格形成がしっかり出来上がってないうちに観てしまうと
何らかのトラウマを植えつけてしまう恐れがありそう。
それだけ生々しい憎悪、愚かさ、グロさが渦巻いているし、
ある意味そういった世界を描き出した作者の心の闇ってどんだけ・・と
つい、憶測してしまうような作品だった。

『ドロロンえん魔くん』のほうを知らない人でも、この作品は
充分理解できると思うけれど、知っているほうが大人になってからの彼らを
よりいっそう楽しめるかもしれない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ページの先頭へ