ビアンキ さんの感想・評価
5.0
最高の…
数年前にNHKで視聴。
同名タイトルの絵本のアニメ化作品
1982年製作。
日本では1986年にOVAとして発売された。
本作の魅力を書いてみる。
まず
アニメーション。
原作の絵本をそのままアニメ化したようなアニメーションは、チラチラして少々見づらいものの、
作画クオリティ、色使い、光の表現、
全てが丁寧で繊細で優しい。
作品にあった最高のアニメーションだった。
作品中ほぼずっと出てくる雪や、
ほんの少しだけ出るオーロラ等の描き方は特に目を引いた。
何よりも、これが1982年制作というところが一番の衝撃である。
この凄さは是非ご覧になって確かめていただきたい。
本作にはセリフがない。
その代わりに、常に音楽が流れている。
音楽は作品全体を色付けするとともに、作品中の効果音の役割も同時に果たしている。
どの曲も「音楽」としても「効果音」としても素晴らしかった。
セリフがないというのも、またいいものだとも思った。
そして忘れてはいけない
スノーマンと少年が空を飛ぶシーンで流れる
「ウォーキング・イン・ジ・エアー」
完璧だ 。もう完璧にマッチしている。
最高の演出だった。
シナリオ
単純なシナリオだが、上記のアニメーションや音楽も相まって、
凄まじい感動をもつものになっている。
夢のように見えて、夢ではない。
主人公の少年にとって、そしておそらく視聴者にとっても、最高の思い出。
夜に出会い、夜が明けて朝になり別れを描く。
この単純だが素晴らしいシナリオは、
たった26分で完全に完結する。
この続編など作らず、引き伸ばさない、
26分間に全力投球した当時のクリエーターの情熱。
作品と同じぐらい、この情熱も評価されるべきものだと思う。
(ちなみに最近30周年記念として続編が作られたようだけど、そちらも良かった。
まぁ30年も経てば新作のひとつも… ね?)
誇張抜きで、全ての人に一度は見てほしい名作です。
是非ご覧ください。
できれば冬にね。
下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。