ファンタジーでフルCGなアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーでフルCGな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月23日の時点で一番のファンタジーでフルCGなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.4 1 ファンタジーでフルCGなアニメランキング1位
KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV(アニメ映画)

2016年7月9日
★★★★☆ 3.8 (40)
255人が棚に入れました
神聖なるクリスタルを擁する魔法国家ルシス。クリスタルを我が物にしようとするニフルハイム帝国。二国はあまりにも長い戦いの歴史を続けていた。ルシス国王レギス直属の特殊部隊「王の剣」。ニックス・ウリックら「王の剣」は魔法の力を駆使し、進行してくるニフルハイム軍を辛くも退けていた。

しかし、圧倒的な戦力の前に、レギスは苦渋の決断を余儀なくされる。王子ノクティスとニフルハイム支配下のテネブラエ王女ルーナとの結婚、そして、首都インソムニア以外の領地の放棄―。それぞれの思惑が交錯する中、ニフルハイムの策略により人知を超えた戦場へと変貌したインソムニアで、ニックスはルシス王国の存亡をかけた戦いに向かう。全ては“未来の王”のために。

声優・キャラクター
綾野剛、忽那汐里、磯部勉、山寺宏一、かぬか光明、関智一、藤村歩、飯塚昭三、銀河万丈、藤原啓治、中村悠一、小松史法、高木渉

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ルナフレーナの声優がゲームと違っていて残念

FF15の映画作品で
時系列としてはゲームの前半
ノクトたちがインソムニアから出てガス欠を起こして停戦調印式破綻からのインソムニア襲撃のラジオを聴くところですね。

あの時インソムニアでは何が起きていたのかが描かれています。

ゲームより映画のほうが先に出ていたみたいですね。
だからゲームの方でここの展開が一瞬だけの訳のわからない描写になっていたのか…

感想としては
見るタイミングはゲームやってからでも、やる前でも、どちらでも
いいかなって思いました。
ゲームに比べてこちらは2時間程度の内容なので僕の中では
ゲームの補完作品っぽい位置づけです。

アニメでここまで素晴らしい映像の映画はそうそうないですね。。
普通に洋画を見ている感じでした。

ルナフレーナの活躍が光っていたので
ゲームをプレイされた方にはぜひ!
と勧めたいのですが……

この映画のルナフレーナ、
声優がゲームと違っていてこっちの方がちょっと棒っぽい…?

できることならゲームと同じ方でやってほしかったです。

作品としてはキャラクターたちも作品の中で完結した動きを見せていて
ゲームにも上手く繋がっていたので評価は高いです。
ただ、本当にルーナの声優だけが残念でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは実写・・・?

アニメと一緒にしてはいけないものでしょうね。
一種の芸術作品。技術者の意地が詰まった作品になっていると思います。
正直日本でこのクオリティの作品が出来るなんて思ってもみなかったです。見くびり過ぎでした、ごめんなさい。
製作期間10年は伊達では無いのですね。

映像のクオリティは映画アバターよりも凄いと思いました。

まあ、中には物語の辻褄合わせに急遽作ったキャラなのかなあと思ったクオリティが若干他のキャラと比べて劣るキャラも出てきましたが、本当一部だけでしたね。
まさかうぶ毛まで作り込んでいるとは!驚きました。

一つだけ改善してほしい部分があるとすれば、見せ方の問題かなあ、
タコと戦っているとき物量が大くて、スピード感のある迫力な画面が出来ていたのですが、登場人物をちょいちょい見失ってしまったので、人だけもう少し目立たせられれば分かりやすかったかなあと思いました。

キャラ・声優に関しては、一部を除いてはホント素晴らしく、綾野剛さんは声優初挑戦とは思えないくらい馴染んでいましたね。

物語・音楽は言うことなし!
終始安定したクオリティでKINGSGLAIVEの世界観に浸ることができました。
{netabare}王宮は都庁っぽいなとか、道路標識・ナンバープレートは日本式だなとか、街並みも随分日本だなとか、その割に日本人は全く出てこなかったな…とかそんな背景に隠されたヒントから示唆する国家問題を推測するのも面白いです。{/netabare}

フォトリアル系のCGが嫌いじゃなければ是非見てみて下さい!
普段観ているアニメとは一味も二味も違った楽しみが生まれると思いますよ!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界最高の3DCGアニメを作れるスタジオはどこか?ディズニー?イルミネーション?ソニーピクチャーズ?いいえ、スクエニです!

9月発売予定のRPG『FINAL FANTSY XV』の前日譚となる3DCG映画
ゲームのムービースタッフがゲームと全く同じ手法とクオリティで贈る作品です
外国人役者のフェイシャルキャプチャー&モーションキャプチャーによってもはや実写と見間違うほどに鮮明なモデリングとモーション、そして美しい風景を描き出します
ココまで来るともう実写でいいんじゃないかな?w
そう思うほどの映像は【本当の意味で世界最高クオリティのCG】と断言できます


聖なるクリスタルによる保護壁で平和な都市を築き上げた魔法文明、ルシス王国
機械兵器を用いて他国を侵略することで領土を急速に広げてきた軍事国家、ニフルハイム帝国
二国は凄まじい戦いを繰り広げルシス王国領の一つであったテネブラエ国も戦火に巻き込まれた
ニフルハイムの侵略を受けた地から難民として王都にやってきた者達の中には、国王との契約により魔法の力を授かって国王直属の特殊部隊である「王の剣」と呼ばれる戦士として戦う者もいた
主人公ニックスとその仲間達も王の剣の一員として王都出身の者たちから「難民」と蔑まれつつも日々厳しい戦いや任務に従事していたが、戦いは泥沼化していた
しかし突如としてニフルハイムの皇帝から停戦協定が持ち込まれた
唐突な停戦協定には裏があると踏んだルシス国王は、この混乱の隙にテネブラエの令嬢ルナフレーナとルシスの王子ノクティスの婚約を進めるべく使者を送るのだが・・・


ノクティス王子はゲーム本編の主人公なのですが彼の出番はほぼ無く、王子不在のルシス王国の動乱と王の剣の奮闘を描いた物語となっています


前述の通り美しい映像が最大のポイントです
舞台となる王都インソムニアは、摩天楼を縫うような都市高速道路と一緒に古城が立ち並ぶという独特の情景
そこを疾走するアウディR8や空を滑空する飛行艇などメカとファンタジーが同居する構図が面白いです
ロボット兵などを駆使するニフルハイムに対して剣と魔法と体術で戦うルシスという明白に色分けされた世界観も魅力的


戦闘シーンは剣戟、魔法、「シガイ」と呼ばれる召喚獣など『FF』らしいアクションがスケールたっぷりに繰り広げられます
終盤の「光耀の指輪」と呼ばれる王の力が発動する様もカタルシスに溢れていて興奮しました
ただ火花のエフェクトや金属類の反射などで画面がやたらとチカチカする上に、動きが素早い割りにカットがコロコロ変わったりとあまり観易い戦闘シーンとは言えませんでした
この点はスクエニがアニメ屋ではない、映画というものを作りなれていないことが皮肉にも原因なのかなぁ?と思いました
昨今のCGアニメ映画は見得を張るように顔のアップのカットが多すぎですが、本作は逆に動きが早すぎて目で追い切れませんでした


主人公達を窮地に追い込む鎧の敵将軍、グラウカの謎に包まれた正体が最後まで物語を引っ張るなどミステリーの要素は評価したいポイントでした


現地役者のアフレコによる字幕版もあるらしいですがオイラは吹替版を観ました
磯部勉、銀河万丈、山寺宏一、かぬか光明、飯塚昭三、藤原啓治など燻し銀の魅力を放つ、渋い豪華声優陣の演技は聴きどころ
話題作りとしか思えない綾野剛のニックス役への起用については、「これまで声優の仕事を断っていた」と自ら述べる程、綾野自身もプロ声優との実力差は自覚しているようです
かなり無理に、ではありますが綾野と全く体格の違うニックスというキャラクターを、綾野は懸命に演じようという心意気は強く感じました
決して下手とは違います












ヒロイン、ルナフレーナ役に起用された忽那汐里が悲しくなるぐらいヘタクソなんです!
冒頭からあらすじをナレーションするのですが開始数秒でズコーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!って感じですよ!w
本当に酷い!!
本当に勘弁して欲しい!!!
コイツのせいでルナフレーナが喋るたびに物語に没頭していた集中力が削がれる、という地獄のような2時間を味わいました
そもそも忽那汐里といえば杉井キサブロー版『グスコーブドリ』で発狂するかと思うほどヘタクソな芝居をしてくれましたが、4年経っても彼女の声の演技は【1ミリも進歩してませんでした】
忽那汐里の名前はオイラの中で剛力綾芽と共にワースト声優の2TOPとして永遠に記憶されることでしょう
“もう二度と彼女が声優としてクレジットされる日が来ないことを祈るばかりです”
しかもタチが悪いことに、オイラはゲーム版でも同じキャスティングをしてるんだろうな・・・なら仕方ないなぁ・・・と思っていたのに、どうもゲーム版ではルナフレーナ役は北川里奈だそうじゃないですか・・・


どう考えても北川里奈でいいだろオオオオオオオがああああああああああ馬鹿ヤロおおおお!!!!!!!!!!!
余計に憤りを感じてしまいました;


なのでこの映画、声優陣が豪華なのに反して吹替版がオススメが出来ません;
美しい映像、魅力的な世界観、迫力の戦闘、そしてクソ声優忽那汐里・・・
なんなんでしょうか・・・これw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

74.2 2 ファンタジーでフルCGなアニメランキング2位
トイ・ストーリー(アニメ映画)

1996年3月1日
★★★★☆ 3.9 (187)
1700人が棚に入れました
いずれは出現すると思われていた全編フルCGの長編アニメは、やはりディズニーからやって来た。CG工房として有名なピクサー社が、ディズニーのバックアップを受けて、オモチャを主人公に勇気と友情と笑いと感動の小品を作り上げたのだ。 カウボーイ人形のウッディ(声:T・ハンクス)はアンディ少年の大のお気に入り。だがそれも誕生日プレゼントでアクション人形バズ・ライトイヤー(声:T・アレン)を手にするまでの事だった。NO.1の座を奪われたウッディは何とかバズをこらしめようとするが、バズはバズで自分が本物のスペース・レンジャーだと思い込んでいる有り様。そんな二人がふとしたいざこざから外の世界に飛び出してしまう。なんとか我が家へ帰還しようとする二人だが、なんとアンディの隣に住む悪ガキのシドに捕まってしまった……。 ひょんな事で子供部屋から飛び出した二人のオモチャの奮闘が実に愉快に描かれているが、自分がオモチャだという事に気づき愕然とするバズや、シドの部屋に住むいびつな人形たち(まるでフリークス)など、子供向けとは割り切れない描写が多々あり、大人でも、いや大人だからこそ存分に楽しめる作品と言っていいだろう。フルCGアニメという技巧に溺れることなくしっかりとシナリオが練られているのが何より良い。もちろん、その技巧の部分も実に驚異的で、特に屋外の雰囲気など実写と見紛うようなクォリティだ。何度でも見たくなるような作品というのが、この映画の最大の褒め言葉のような気がする。尚、劇場にもかかった日本語吹替版ではウッディを唐沢寿明、バズを所ジョージがアフレコしており、想像以上に良い効果をあげている。

声優・キャラクター
ティム・アレン、トム・ハンクス、ドン・リックルズ、ジム・ヴァーニー、ウォーレス・ショーン、ジョン・ラッツェンバーガー、アニー・ポッツ、ジョン・モリス、所ジョージ、唐沢寿明、名古屋章、永井一郎、三ツ矢雄二、大塚周夫、戸田恵子、市村浩佑

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

初めて好きになったディズニーアニメ

1996年日本公開の劇場アニメーション。
有名な作品なので長々と書くのは避けますが、1から3までどれも面白くて、たまに見たくなります。
最初に見たのは地上波放送だった記憶が。

ストーリーとしては王道でシンプルで、キャラクターの個性が状況を動かして行くところが好きです。ウッディにもバズにも葛藤や挫折があって、どちらにも感情移入しやすいです。

アメリカの生活感がしっかり描かれていたり、子どもの充実した楽しそうな姿が見ていて楽しいです。
子ども達はおもちゃを丁寧に扱っているわけじゃないですが、ある程度は当たり前のことだとおもちゃたちも受け入れているのが凄く良いです。私は見ててヒヤヒヤしちゃうんですけど、それは当たり前のことなんだよなあ、と。

だからシドは見ていてもっと怖い!w
懲らしめ方は確かに反則なんですが、はっきり怖い思いをして、「もう少し思いやりを持ってよ」と言われないとああいう子は理解しない気もする。視聴者の子ども達へのメッセージも強く含まれている感じですよね。


今はそんな事もないんですが、子どもの頃はディズニーあまり好きじゃなかったんですよ。
日本のリミテッドアニメが肌に染み付きすぎていて、海外のフルコマのぬるぬるした動きがどうも苦手でした。全体的に娯楽性に特化しているのも、子どもの頃は好きになれなかった理由だと思います。
製作がピクサーでフル3DCGだったからかもしれませんが、トイ・ストーリーって雰囲気がそれまでに見たディズニーアニメと違っていて印象に残りました。
おかげでディズニーに抵抗が無くなった気がします。
私としてはちょっとした記念みたいな作品かもしれません。(2016.3)

ティン・トイの感想を移動しました。(2018.3.15)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20
ネタバレ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

世界初となるフルCGによる長編アニメーション映画

{netabare}私事として「紅の豚」を最後にアニメ(や漫画)を観ない生活をずっとしていたと記憶してましたが
これは観てます、当時VHSビデオソフトを購入してますw{/netabare}

アニメーション制作の旗手Wディズニー(&ピクサー社)の本気、

題材・主役たちが「オモチャ」という事が項を成し、
3DCG作品のウィークポイントと思われる質感重量感もクリア。

今視聴、考察してもこの時代にこのクオリティは流石です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

三崎鳴 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ディズニーの力

フルCGアニメーションで制作されたディズニー映画。劇場公開された長編映画作品としては、初のフルCGアニメーション作品であり、全世界で約3億6200万ドルの興行収入を上げている。この功績に監督はアカデミー特別業績賞を受賞しており、この映画の名を知らない人は少ないだろう。放映時間は81分と映画としては短いもののその短い時間の中にエンターテイメント性が凝縮されており子供でも大人でも楽しめるというアニメーションとして理想の形を成し遂げている。ジブリ映画さながらのエンターテイメント性の高さは玩具が喋り、騒ぎ、冒険するという設定の面白さにあり、又、この作品の完成度はその部分にある。子供向けと侮る無かれ、本作のテーマ性を見極めるためにはしっかりと続編まで目を通して評価するべきである。ディズニーは子供にも大人にも娯楽を提供できる立派な空間だと感心する。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2

70.1 3 ファンタジーでフルCGなアニメランキング3位
Mr.インクレディブル(アニメ映画)

2004年12月4日
★★★★☆ 3.9 (57)
462人が棚に入れました
「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」「ファイディング・ニモ」など数々のメガ・ヒット作を世に送り出してきたピクサー&ディズニー共同による長編フルCGアニメの第6弾。ピクサー初の人間キャラクターを主人公に据え、引退したスーパー・ヒーローとその愛する家族が世界の命運をかけて立ち上がる姿をユーモラスかつハートフルに描く。監督は「アイアン・ジャイアント」のブラッド・バード。 かつては世界の危機をいくつも救ってきたスーパー・ヒーローたちだったが、15年前にその桁外れの破壊力が問題視されて以来、スーパー・ヒーローとして活動することを禁じられていた。いまでは正体を隠し一般市民として暮らし、その大きな身体を持て余し気味のMr.インクレディブルもそんな元スーパー・ヒーローの一人。そして彼の愛する妻と3人の子どももスーパー・パワーの持ち主。彼らは普通の生活を送りながらも、それぞれに不満や悩みを抱えていた。一方その頃、巷では元ヒーローたちが次々と行方不明になる不穏な事件が続発していた。そんな中、インクレディブル一家にも陰謀の影が迫っていた…。

声優・キャラクター
クレイグ・T・ネルソン、ホリー・ハンター、サラ・ヴァウエル、スペンサー・フォックス、ジェイソン・リー、サミュエル・L・ジャクソン、ブラッド・バード、ウォーレス・ショーン、エリザベス・ペーニャ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ヒロイックファンタジーへの問い掛け

ヒーローは必要か?


ちなみにヒーロー≒ヒロイックファンタジーとするならば

高畑勲氏は監督第一作目「太陽の王子ホルスの大冒険」が(根底ではヒーローを否定してはいるが)唯一のヒロイックファンタジーで以後封印、
宮崎駿氏は「ホルス」後も作製していて「紅の豚」完成時になって漸く「この作品は作るべきでなかった」と後悔したそうですが、、
片渕須直氏は大学在学中既に「ヒーローは必要か」を考察されていて、職赴いてのち自身の作品としてヒロイックファンタジーは手掛けていない(と記憶)

他、アニメーターのみならず多くの小説家、漫画家等も一度は熟考した事があるかもしれません。
そして
この作品はディズニー自身への問い掛けになるのでしょうが、

「居てもいいんじゃない」と締め括るのがディズニーらしい。

まぁ余り気にせず(否定の先となるのは所謂ジュブナイルですから)、
認識ある大人が幼い子供達と一緒に観る娯楽映画として充分充実、
痛快アクションをたっぷり堪能しましょう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これからもどうかスーパーヒーローたちが活躍できる社会であって欲しい。

2004年公開、ピクサー6作目の長編映画は超人的能力を身に付けた一家が主役のヒーロー映画。

しかし社会の異端者でもあるスーパーヒーローの世界観と
何かに付けて訴訟ばかり乱発する、かの国の現実社会との
衝突への着目から入っていく本作は、なかなかに世知辛いムードw


驚異的な対物理防御、怪力が自慢。一家の大黒柱である夫。

四肢がどこまでも伸びたり、膨らんだり。その他、飛行機操縦など多彩なスキルを持つ。伸縮自在な妻。

見えなさ過ぎて自ら自信喪失する程の透過能力や、絶対不可侵のバリア能力を誇る長女。

F1カークラスの超快足が自慢の長男。


表舞台に出れば世界新記録連発も間違いなしの超人一家も、
ヒーロー活動による損害賠償請求の激化からの、
スーパーヒーローを禁止する法律の成立により、
“普通”の家族であることを強いられ燻る日々……。
張り合いがないのか、パパもややメタボ気味w

けれど、やはりヒーローはリミッターなしのフルパワーで悪をとっちめてこそ。
その過程で、ちょっと?被害が出たくらいで、ガミガミとツマラナイことを言うもんじゃありませんw
お堅い現実とぶつかる中で、スーパーヒーローが再誕し、市民権を取り戻していく。
パパを始めとした家族のみんなも自分らしさと威厳を取り戻していく。
夢の再興に嬉しくなる良作CGアニメ映画。


そのCG技術が遺憾なく発揮されているな。と感じるのは、長男の全力疾走シーン。
カッチリと描かれた現実の風景や小物等が、
アニメキャラの干渉を受けることで、あり得ない形にヘコんだり、弾んだり……。
リアルからコミカルゾーンへ突入していく、
古のディズニー以来、連綿と受け継がれて来た米アニメーション作品ならではの躍動感。

それらの表現が、トップスピードに達して、
加速度的にエンターテイメント性が極まっていく。
ピクサーの実力の一端が窺えるワンシーンです。


……おっと、そう言えば、このヒーロー一家には、もう一人、末っ子がいたのでした。
まだ赤ん坊ですけどね……。
ただ、{netabare} 赤ん坊はある種のモンスター。こういう話って大抵、末っ子が一番侮れないもの。
家族の留守中、この子を世話するベビーシッターも決死の覚悟が必要です。
でも大丈夫。モーツァルトでも聴かせて落ち着かせておけば、きっと大人しくなりますよw{/netabare}


ヒーロー一家が現実の壁を突き破り覚醒してからも、
{netabare} 巻き込まれ事故のリスクが伴うマント付コスチュームは断固拒否する {/netabare}など、
シュールなリアリティを決して忘れないw

現代社会にチクリと一刺し二刺しするスパイスも効いている。イカしたヒーロー映画です♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

スーパーヒーローの家族の絆を描いた映画。

引退した元スーパーヒーローが普通の暮らしをして普通の生活を送っている。元スーパーヒーロー・Mr.インクレディブルは、「ロバート・パー」として保険会社に努め、元「イラスティガール」ことヘレンと結婚して息子ダッシュ、娘で長女の「ヴァイオレット」、生まれたばかりの次男「ジャック・ジャック」と平穏な生活を送っていた。

というのが基本設定です。
やはりヒーローの能力を使うシーンはとても観ていて面白いです。
そして普通のサラリーマンのインクレディブルとのギャップも面白いです。
作画もCGをフルに使っておりピクサーの作品は動きが綺麗で素晴らしいですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

62.2 4 ファンタジーでフルCGなアニメランキング4位
カーズ(アニメ映画)

2006年7月1日
★★★★☆ 3.7 (47)
303人が棚に入れました
「ファインディング・ニモ」「Mr.インクレディブル」のピクサー社がクルマの世界を舞台に描く冒険ファンタジー。監督は「トイ・ストーリー2」以来6年ぶりとなるジョン・ラセター。主人公ライトニング・マックィーンの声はオーウェン・ウィルソンが担当、またハリウッドでも指折りのクルマ好きで知られるポール・ニューマンもメインキャラクターの一人、ドック・ハドソン役で登場。 そこは、クルマたちが人間と同じように生活している<クルマの世界>。ピストン・カップの若き天才レーサー、ライトニング・マックイーン。自己中心的な性格が玉にキズの彼は、レース会場への移動中にふとした事故から小さな田舎町“ラジエーター・スプリングス"に迷い込んでしまう。いまや地図からも消えてしまったその町には、オンボロ・レッカー車のメーターをはじめ、見るからに風変わりな住民たちばかり。思いがけずこの町に足止めをくらってしまい、早くレース会場に戻らねばと焦るマックイーン。しかし、のんびりとした時間が流れるこの町で、奇妙なクルマたちと一緒に過ごすうち、マックイーンの心にも少しずつ変化が見え始める。

声優・キャラクター
ラリー・ザ・ケーブル・ガイ、ボニー・ハント、トニー・シャルーブ、パンツェッタ・ジローラモ、ボブ・コスタス、ダレル・ウォルトリップ、オーウェン・ウィルソン、チーチ・マリン、グイド・カローニ、デニーロ・デ・ジローラモ、ポール・ニューマン、山口智充、戸田恵子、赤坂泰彦、福澤朗、土田大、樋浦勉、浦山迅

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジョン・ラセターがセクハラ問題でDisney /Pixarを辞めた件

2018年6月8日にあがったニュースで、PixarAnimationStudioを牽引してきたアニメ監督ジョン・ラセターが
2018年いっぱいで退社すると発表されました。2019年6月21日に封切り予定である「トイ・ストーリー4」の
監督から降板された事を「D23 EXPO 2017」で発表された時も会場はざわつきました。その後休職を経て退職
退職発表のコメントでは活躍の場を変え何かをやるとだけ発言。ファンとしては再び新作が観られることを
期待できるようなコメントにも聞こえます。ジョン・ラセターの動向をこれからも注目していきたいですね。

宮﨑駿を崇拝するラセターは、世界も認める偉大な功績を持つアニメーターとして業界を牽引して来ました
状況は違うものの日本の代表的なアニメ監督、宮﨑駿が指揮を取らなくなったスタジオジブリのことを考え、
今回の出来事に重ねると多少の不安もある。今回の事は不祥事で退職なのが痛いが、世代交代は世の常で、
もしかするとラセターが居なくなり後続の才能が頭角を現すのだろうか? Pixarなので人材は豊富ですからね
彼がいなくなった後のDisney/Pixarが心配でもあり、新しい風の到来を待つ時期とポジティブに考えたい。

監督交代となった「トイ・ストーリー4」が初めてラセターが製作総指揮を取らない作品となっています。
ここが見極めのポイントかもしれません。

そんなラセターの作った世界で子供達に大人気の「カーズ(Cars)」第一作目です\(^^)/(どんな導入だ)
カーズは関係が悪化してきたPixarとディズニーが共同制作をしてきた歴史にピリオドを打つはずの作品であり、
ディズニー側の買収により完全子会社として安定的に制作を継続できたタイミングのタイトルでした。


『子供向け作品の定義』

舞台のモデルは「ルート66」

アメリカ、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結んでいた国道で、現在は国道としては廃道
それを元にした架空の舞台、ハイウェイ沿いにある寂れ忘れ去られた街の名は“ラジエーター・スプリングス”
優勝決定戦を一週間後に控えた期待の大型新人“マックィーン”と、忘れ去られた街の住人たちの偶然の出会い
興奮しすぎてオイルの油圧が上がっちゃう~!なんて台詞があるすべてが車基準の擬人化世界に詰まっている、
夢。恋。友情。バランス良く様々なドラマが詰まった、Pixar作品の中でも人気のあるタイトルですね。

ドラマの作りは丁寧でノスタルジーな後味が秀逸で心を掴まれます。扱った題材や込められたメッセージが
懐かしき青春映画を想起させる分、擬人化を用いたポップなキャラクターで子供が楽しめるようになっている。
一方で子供向け作品に内包した大人向けなテーマの“全年齢”を論理的に構築した作りが引っかかります。

本作品をべた褒めする評論家等はとても多く、プロにカテゴライズされる批評が知識として参考になるでしょう
踏まえた上で個人の意見は“家族が映画館に観に来た時に平均70点をとれる映画”を目指した作品だった。

「技術革新がめざましい」「名作映画を想起させる」「大人も子供も楽しめる」なんて評は上辺にしか過ぎず、
観た時に“面白い”か“面白くない”か?ただそれだけが作品の評価であってそれ以上でもそれ以下でもない。
世間の意見はそれに尽きます。大人からするとマニアックに掘り下げたり複雑な感情の絡み合いや毒気が欲しい
シーンもあるし、ご都合主義で冷めてしまうものもある。子供は懐かしい雰囲気や旧車の知識なんてわからない
子供向けアニメをいくつか観てきた中、カーズに対する腑に落ちなさが何なのかを解決できないままでした。

無理やり答えを出せば、融合ではなく乖離した面白さを目指したこと。前述の大人も子供も楽しめるアニメに
成功したものは子供向けのテーマに大人が感動するもので、あくまでも子供が主体の作品でなければならない。
大人の感動は当たり前で、それは大人が作っているからです。“子供だまし”である事と“子供向け”なのは
全く意味が違ってきます。わかりやすく言えば「はじめてのおつかい」は子供に密着して主人公として撮る番組。
製作するのも子供が頑張る姿や親に感情移入し泣いたり感動するのも子供ではなく大人である。そんな感じw

ここまで言ってなんですが平均70点取るってとんでもない事ですし、大ヒットしてるのでこれは好みの問題。
トイ・ストーリーやモンスターズインクに続く玩具の展開をし易いコンテンツをつくろうとし成功したのでした。

子供向けの根底にあるであろう大人に向けたアプローチを摘んで拾っていくハードルで観ていただけるのなら、
太鼓判を押してオススメできます。それすら洒落臭えんだと、己の業を自覚してる方は合わないと思います。


映画に限ったことじゃないですが琴線に触れるものって難しいですね。万人受けなんて言葉は無いんだな。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13
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