ヒューマンドラマで兄弟なTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のヒューマンドラマで兄弟な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月14日の時点で一番のヒューマンドラマで兄弟なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.4 1 ヒューマンドラマで兄弟なアニメランキング1位
宇宙兄弟(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1081)
5945人が棚に入れました
2006年7月9日、月に飛翔するUFOに遭遇し「2人で宇宙飛行士になろう」と約束した南波六太(なんば むった)、日々人(ひびと)兄弟。時は流れ2025年、その時に交わした約束通り日々人はNASAの宇宙飛行士となって月に向かおうとしていた。その一方、弟の悪口を言った上司に頭突きして自動車開発会社を退職(リストラ)し無職となった六太。再就職もうまく行かず、意気消沈していた六太の元に、事情を聞いた日々人からメールが届く。「あの日のテープを聴け。」メールに書かれているまま、幼い日に録音したテープを聴く六太。するとそこには、六太が置き去りにしていた「約束」が鮮明に刻まれていた。

声優・キャラクター
平田広明、沢城みゆき、池田昌子、KENN
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

やっぱり・・大好きなアニメ (やっと観終わったので追記)

スカパーアニマックスで視聴
平日に毎日一話ずつ観ていたので全99話観るのに半年程掛かった。

観終わるまで長く楽しめたことと、
一人一人掘り下げられた実際本当に居そうなキャラクターと濃いストーリーが心に響いた。
展開やテンポは若干ゆっくりだけど丁寧な印象。
話の中でも細かい伏線があったりして、後になって「そうだったんだ」と、何回か驚かされることがあった。

<キャラクター性>
まず、全話観て嫌いなキャラクターが居なかった。
回想シーンやキャラの成長を描くのが上手くて
どのキャラも生きてる!って感じで人間らしい。
思わず共感し自分のように感じさせるのがさすがだと思った。

好きなキャラ一人一人名前を挙げてたらキリがないので
主なキャラの南波兄弟を例に挙げたい。

「兄とは常に弟の先に行かねばならない」と長男ゆえのプライドで
生き方も不器用で割と繊細。弟の日々人がバカにされたり何かあると
仕事の上司にさえ頭突きをして会社をクビになるほどの熱きハートの持ち主の「南波六太」と
対照的な弟の「南波日々人」は才能に恵まれ人望も熱く
生き方も器用だが肝心の何かが抜けていると言われるほど大雑把だけど兄思い。
見た目も性格も生き方もこんなに違う兄弟がとても仲良しで
お互いを思いやり、お互いを知り尽くし信頼関係が出来てる。
家族だけど、時に友達みたいで助け合ったりするのが素敵
この物語の魅力の殆どはこの兄弟からきている気がする。

<感想>
あまりにも印象的なエピソードが多く
正直文字制限に引っかかりそうで書ききれない。
兄弟が宇宙を目指すキッカケとなったエピソードや
アメリカヒューストン生活や、六太の宇宙飛行士選抜試験、
どれも大好きだけど、今回はつい今日観た「日々人の月面着陸エピソード」の感想を残したい。

<ここから44話までの超絶ネタバレ>
{netabare}月面をバギーで走行する日々人とダミアン。
誤って深い谷底へ落ちてしまう。
朦朧とする意識の中で誰よりも尊敬するブライアンJから言われた言葉を思い出す
「自分が死んだらどうなるか・・天国と地獄はあると思うか?」
その問いに日々人は「ない」と答える。
「天国も地獄も生きているうちに見るものだ」と。この言葉に痺れました。

一緒に落ちたダミアンの宇宙服は音声機能と体温調節機能が故障していた。
ダミアンを抱え谷を登ろうとした時に日々人は落下してしまう。
その際に酸素タンクを破損してしまう。
         のこり・・・80分の命。
救助が来るまでの時間を想定しても助からないかもしれないと不安が頭を過る。
じっとしていられない日々人はダミアンを連れ
太陽光が当たる安全な場所へ移動した。

その時点で残り酸素残量10分。
日々人は重く受け止めて一人で月面を歩くことを選ぶ。
満天の星空を眺めながら死ぬのも良いかと谷底を眺めると
月に着陸した時に見た不思議な光を見つけた
(これが伏線だったと気づいた)
どうせ死ぬなら謎の光の正体を知りたいと光の方へ歩く。

そこにいたのは・・ブライアンだった。
正確に言うと置き土産の「小さなブライアン」だったけど
「兄弟で宇宙へ行く」と南波兄弟と同じ夢を持ってたブライアンJの想いだった。
私はこのシーンでお鼻が痛くなって思わず涙が出た。
だけど、左手を見て口にくわえてるものを見ると
夢中で観てたせいか「柿の種 わさび味」が気づいたら大量に消費してた。
・・これじゃあ涙も出るな・・と・・・!!
実際、胸がいっぱいになった。(わさびのせいで頭も痛かった)

宇宙で「ブライアン」ともう一度出会い
酸素が切れ、死を覚悟した日々人の前に偶然にもブライアンと同じ名の
酸素生成ローバー「BRIANー03」が現れる。
そして、その回の44話の題名が「3人の宇宙飛行士」の理由を視聴者は知る。
一人目は、誰より尊敬する宇宙飛行士で月面に人形を置いてくれたブライアンJ。
二人目は指揮をとって「BRIANー03」を届けてくれた吾妻。
三人目は日々人の兄で一番の理解者でブライアンの行き先を示した六太。
結果、題名の「3人の宇宙飛行士」が日々人を救った。
だけどそれまでに希望を見失わなかった日々人は凄い。

自分自身の不器用な生き方が六太と似ていたので
つい六太にばかり共感していたが、
今回で日々人の人生観や考え方にふれて更に好きになった。
こうして、「兄弟で月面に立つ」という夢がまた一歩近くなり
再度約束を交わすシーンが爽やかだった。{/netabare}

<追記>{netabare}
一度44話まで観て感極まって感想を書いたけれども
44話以降は六太にしっかりとした目標が出来たことと、
宇宙飛行士という役割が出来たからか、話の進みが少し穏やかになった。

後半が原作ストックに追いついたせいか、あらすじやミスターヒビットで本編が短くなったのが少し残念だったけれど、
話の展開も宇宙飛行士になるまでの選抜試験のようなドキドキから変わって
日々人が月面の事故からPDになり、克服するため周りの人達に支えられたり
仲間達との絆をとても感じて後半も良いストーリーだった。 {/netabare}

<まとめ>
このアニメを観るまで私は宇宙に興味がありませんでした。
全く無いと言ったら嘘になりますが、何より「知らなかったから」だと思います。
作中でも野口聡一さんが説いた「3次元蟻」の話がありますが、
一般常識や固定観念にとらわれていては解決策が見つからないのと一緒です。

「宇宙に人間が行くということも、単に遠くの星に行くだけではなく、
今、私たちが地上で抱えている問題を新しい視点で解くことができる」
この言葉に私は今まで固定観念に囚われた「2次元蟻」だったと知りました。
これは私のひとつの考えですが、宇宙に興味がある人も、ない人も
「好奇心がくすぐられる、視野が広がるアニメ」だと思います。

このアニメを観てから、宇宙飛行士の大変さや宇宙の神秘さ不思議さに惹かれ
飛行機に乗ると「宇宙チャンネル」で宇宙飛行士の宇宙生活を楽しんで観るようになりました。

人生、落ち込むことも楽しいこともいっぱいあるからこそ
諦めずに未知へのチャレンジ精神を忘れないようにしたい、と
南波兄弟を見るとまだ知らない宇宙に想いを馳せながらそう思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 71

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

7話まで視聴  弟へのライバル心と絆の深さ

1話からずっと欠かさず観てきて、毎回どこかしらで泣きのツボ。
兄である六太のとぼけたコミカルさは健在だけれど、
弟のほうの魅力も、ここ数回で増してきた。
両親もすごく暖かく物分りが良すぎるほどで、
宇宙飛行士になる夢も加え、僕から見たらこの家族こそが
理想や夢に思えてならなかったりする。

それでも嫌味に映らないのは、脚本のうまさなのかもなぁ。
だって、恵まれすぎてるでしょ?どう考えたって。
でもね、逆に言えば・・ああいった前向きで朗らかな人々だからこそ、
自然と幸運に恵まれるものなんだよなとも思うのだよね。
リアルに、自分の周囲で大成功を修めた人たち見渡すと、
揃いも揃って楽観的でポジティブな面と、内面に少しだけ繊細さを
持ち合わせている人たちがほとんどだから。
そう、まるで六太や日々人のように(笑)

けど、良い部分ばかり描いているわけじゃなく、現実的な
厳しさも、しっかり描かれていることに好感が持てる。

4クール構成ということで、1年間の放送だから
まだまだ先は長いけれど、1兄弟のサクセスストーリーを
今後も楽しみに見守っていきたいと思う。

(以下、2話まで視聴後の感想)
============================================

原作とともに同時進行で視聴中。

まだ2話までしか進んでいないながら、すでに何度も泣かされている。
六太のコミカルさと、彼の弟であり先に宇宙飛行士になった日々人の
兄想いでさわやかな雰囲気、シャロンおばさんの素敵な教えと、
兄弟達を程良い距離感であたたかく見守る両親。

つまらないことでリストラに遭ってしまった六太だけれど、
彼の身近な存在はとにかくみんな、あたたかく、やさしい。

子供の頃のまっすぐで何事にも熱心だった彼と、
今のちょっと自信喪失ぎみな彼を対比させつつ、
夢を叶えていく楽しさと、希望を持つことの重大さを、
子どもにもわかりやすい描き方で表現しながら、
大人にとっては熱いものがこみ上げてくる展開が
本当ににうまいなと思った。

また、JAXAで相当取材を重ねたのか、いろんな面がとてもリアル。
宇宙飛行士になるということが、ただの綺麗ごとばかり並べた夢物語に
ならず、JAXA側、試験を受ける側の両方の事情や厳しさなども
しっかり描き込まれているところが良い。

映画化もされ、ほぼ同時公開のようだけれど、
個人的にはアニメ版のほうがやっぱりいいなぁと
映画を観ないうちから確信しているw

とりあえず今期、僕にとっては『坂道のアポロン』と並んで
1番を争うほどの期待が大きい作品。
なので当然、今後も視聴続行決定。


なお、☆評価とレヴューは最終回終了後に再編集させていただきます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

兄弟の絆、夢を諦めないことの大切さを教えてくれる☆

ある時UFOを目撃した兄(南波六太)と弟(日々人)、そして二人は一緒に宇宙飛行士になろうと約束をする。

弟は月を目指し、
そして「兄とは常に弟の先を行ってなければならない。それが兄としての務め」
兄は弟よりも先、火星に行くことを約束する。

そして十数年後、弟の日々人は夢を叶え宇宙飛行士になった。でも兄、六太は・・・

お話はこのような流れで始まります☆

主人公は兄弟共になのですが、主に兄目線で進んでいきます☆

多分どのような展開かはすぐにお察しになられると思いますが、まさに兄のサクセスストーリーが序盤は続きます。

その後は、二人の夢に関してのお話になっていきます☆

まだ原作も完結していませんのであらすじ紹介はこれぐらいにしておきます。


この作品の良いところですが、一つは設定の忠実さです。
ほぼノンフィクションと言っても良いぐらいの世界観で、本当にリアルに語られているところばかりです☆

宇宙飛行士選抜試験の内容や訓練、月の設定やNASAの設定など、どれもが一部を除いて本当に存在するお話、又は存在したお話です(゜o゜)

二つ目は、兄弟の絆、登場キャラクターたちと主人公たちの関わり、全キャラが相応に重要な設定である点です☆

とくに二つ目はこの作品に面白さ、感動、笑い、涙を与えてくれものです!!

そんなリアルで細かい設定がいっぱいの作品ですが、
全く難しくなく、ギャグも満載で本当に面白いです(*^。^*)☆

そして、「夢」というものがどういう物かを教えてくれます。


私の中では子供に見せたいアニメTOP3には確実に入ります(*^。^*)!!!

実写版も去年公開されていますが、正直あれは別物です...

ですので、映画ではなくアニメを見て下さい!
漫画を読まれても良いのですが、アニメは原作に忠実に作られている上に、ナイスチョイスの声優さんと凄くいいBGMがより一層楽しませてくれます!!

宇宙が好きな方はもちろんですが、サクセス系やリアリティ系、ヒューマン系が好きな人、それに夢や希望を持った方たちにも是非見てもらいたいです(*^。^*)☆☆☆

とりあえず1話を見てください♪それで面白さが伝わる…はずです(笑)

何話か忘れてしまいましたが、宇宙飛行士の野口聡一さんご本人が本人役で出られた時に語られたお話がとても印象深く残っています☆★



余談ですが、兄・六太で一度は声を出して笑ってしまうと思います(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

82.3 2 ヒューマンドラマで兄弟なアニメランキング2位
無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (962)
5812人が棚に入れました
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。このフレアは「ゲドゥルト・フェノメーン」、プラズマ雲は「ゲドゥルトの海」と名付けられた。2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡り少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、火星圏から土星圏、天王星圏へと当てのない逃避行を続けていく。

声優・キャラクター
白鳥哲、保志総一朗、関智一、桑島法子、丹下桜、氷上恭子、檜山修之

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

無限の鬱SF漂流記(93点)

個人的満足点:93/100点
アニメ系統:鬱系SF

サンライズが送り出したテレビオリジナルアニメ。
全26話。
コンセプトモチーフは「SF十五少年漂流記」。

監督は谷口悟朗氏、ルルーシュ、スクライド、プラネテスなど数々の名作を送り出した監督である。
その谷口氏の初監督作品がこの「無限のリヴァイアス」である。

自分がアニメを見て初めて本当の鬱を味わった作品でもある。
とにかく衝撃的な作品だった。
当時、アニメでここまでやっていいのか?とさえ思った。
完全に子供向けじゃないだろうと。
(今でこそ、色々な意味でやりすぎなアニメは沢山あるが)
鬱系を好物としている私だが、このアニメを観た後はかなり鬱な気分にさせられた。

SFの舞台設定で物語りは展開するものの
大筋では少年少女達の人間関係、心理状態が描かれている。
その少年達の心理描写が非常によく物語に引き込まれてしまう。
少年達の閉鎖空間での極限の心理描写がドロドロとしていて秀逸。
いや、至高といってもいい。
是非、少年たちの心の葛藤を観ていただきたい。

正直、鬱系が苦手な方には全くおすすめはできない。
万人向けではないものの、それでもそれでもお勧めしたい。

放送から10年以上たっていて作画等は今に比べれば
見劣りはするものの十分視聴できるレベルであろう。
そういう補正がかかった評点になってはいる。
個人的には歴代5本の指に入る名作。
現在でも鬱系最高峰のアニメと思っている。

できれば皆様にも1度観ていただきたいものである。


とまあ、色々書いてきたが
つまり何が言いたいかというと
 
「例え傷ついても…俺は、
  誰かを傷つけたくなんかないんだ」

 いやいやw是非観て鬱になってくれw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 56

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

リアルな社会構造と心理描写

オリジナルアニメーション。

宇宙開発、宇宙災害が進んだ未来の物語。
何者かの仕業により、リヴァイアスという宇宙船に閉じ込められた、487名の子どもたち。

子どもたちだけの社会。
子どもたちだけの自治。
閉鎖された空間、危機的状況で、どのように社会構造や心理が変化していくかを描いた作品です。


鬱アニメとして挙げられることの多い本作。
たしかに、夕方にやっていたアニメとしてはちょっとヘビーかもしれません。
しかし、「鬱」と付くほどではないと思います。
一般的なシリアスアニメの範囲内かと。
後味も決して悪いものではありません。


見どころは生々しい人間心理の表現。
宇宙空間が舞台ですが、リヴァイアスは言わば巨大な監獄。
閉鎖環境での心情変化を扱っており、SFにしては非常に現実感あふれるものとなっています。
権力争い、集団心理やパニック状態の描写は見事なものです。
映画ではよくありますが、アニメでは珍しいのではないでしょうか。



ジャンルとしては群像劇です。

主人公はいますが、主人公らしくありません。
あくまで悩みに悩むひとりの少年。
特殊な環境に置かれながらも、

・弟との対立
・親友との関係
・恋人の存在
・社会の中での立ち位置

こういった、身近な葛藤が語られています。

しかも、出来事は主人公の思惑とは関係なく、淡々と流れていきます。
主人公は、徹底的に平凡な少年として描かれているんですよね。
何もできずに、周囲の人間から文字通りたたかれることも。
何でもかんでもひとりで解決してしまうキャラとは、対極をなす存在です。

したがって、俺TUEEEを望んでいる人にとっては、拍子抜けするかもしれません。
しかし、芯の強さはしっかりと描かれていますし、心情変化の代表をなす存在。
それに、その他の登場人物も、だれひとりとして完璧な人間が存在していません。
眉目秀麗、才色兼備のキャラクターですら、その弱さをさらけ出しています。

まあ、人によっては「キャラクターに魅力を感じない!」となりそうです。
しかし、私としてはおおいに評価できるポイント。
そういった「弱さ」こそが、少年少女の情緒不安定さ+極限状況という環境をよく表していると思うからです。


最後までハラハラドキドキさせられた展開。
入念な人間心理や社会構造の描写。

古めのアニメですが、もっと評価されて欲しい作品のひとつです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃厚すぎる人間ドラマで描く鬱アニメ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはヒューマンドラマ・SFです。
監督は「コードギアス」「プラネテス」「スクライド」で知られる谷口悟朗氏。
じわじわと首を絞めていくような鬱展開なので視聴には注意が必要です。


航宙士養成所リーベ・デルタが襲撃を受け制御不能となり宇宙に放り投げられる。
それを修正するために大人たちが次々に犠牲となり、リーベ・デルタには子供ばかり478人が残る。
危機的状況の中、リーベ・デルタ内に「黒のリヴァイアス」なる外洋型航宙可潜艦があることが判明し、それに避難し出航することで全員一命を取り留める。
ここから少年少女たちの残酷な旅が始まる…。


一見すると本格SFにロボットが含まれた感じに思われますが全く違います。
この物語は「長期間の閉鎖空間における人間心理と関係性」を中心に描いています。
あまりにも人間の負の感情を臆面もなく描いているため、暗いヒューマンドラマというのが一番正しいでしょう。

群像劇で描かれており、主要人物たちの心情描写が秀逸です。
群像劇では「花咲くいろは」などが有名で良くできた作品ですが、本作も引けを取っていません。
異常なキャラ立ちは凄いの一言。
最初の内はまあまあ平穏に過ごしているわけですがだんだんと雲行きが怪しくなっていきます。
478人もの人が何か月も閉鎖空間の中にいたら、いったいどうなるでしょうか?


以下考察と感想。
{netabare}食料が絡むとやはり人間は大変なことになります。
暴力、実力主義、合理主義。
人権なんてくそ食らえ。
リヴァイアスの中だけでも大変なのに、加えて謎の敵が襲い掛かってきます。
膨らむ船内の不安によって、被害者視点しか持たない多数の子供たちは精神がやつれてきます。
さらなる暴力が起こり、だんだんと無気力になっていく。
特権階級に対する嫉妬、些細なことに対する怒り、ストレスによる破壊衝動。

イクミが「普通にしろ!」と叫ぶシーンがありますが、これが一番難しい。
あれだけの人がいたら「自分はいいだろ」という気持ちになってしまいます。
授業中一人がしゃべりだしたらみんながしゃべりだすような感じです。

あとこのアニメで私が一番きつかったのはなんだかんだでこずえが襲われるところです。
彼女の依存性、わがままっぷりは確かにいらっときますが、だからと言ってあれはあんまりですよ。
事件の後、彼女はイクミと相互補完の形になり、性格も急にしおらしくなります。
ラストではその依存から自分を解き放ちました。{/netabare}


ほとんどの主要人物が物語の最初と最後で印象が変わる、なかなか珍しいアニメです。
また死んだり、グロいことになったりもしません。
でも、凄く暗い気分になりますw

難点としては、やたら同じ声優がいろいろなキャラの声を担当していることです。
恐らくあまり声優に詳しくなくても気になると思います。
ここら辺はちょっと古いアニメだからしょうがないかもね。


総括して、あまりに心情描写が丁寧すぎて、それがために鬱アニメになっちゃったという感じです。
人間は追い込まれたらこんな感じになりますよという縮図を、精神がまだ未熟である子供を使って表しているように見えました。
決して人にはお勧めできない作品です。
でも個人的には好きw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52

82.7 3 ヒューマンドラマで兄弟なアニメランキング3位
フルーツバスケット [スタジオディーン版](TVアニメ動画)

2001年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (884)
4972人が棚に入れました
わけあってテントで一人暮らしをしていた元気な女子高生・主人公「本田透」は、ひょんな事から同級生にして、全女子生徒のアイドル、草摩由希の家に住み込むことになる。
由希と保護者役の草摩紫呉が暮らす、一見なんの変哲も無い普通の家庭の草摩家。実はこの草摩家には隠された重大な秘密があった…。異性に抱きつかれると動物に変身してしまうという十二支の呪いにかかっているという秘密が!?由希は鼠に、紫呉は犬に、転がり込んできた、いとこの夾は猫に…。
一癖も二癖もある草摩の一族の人々に囲まれながら、透のちょっと不思議で刺激的な生活が始まる。次々と現れる十二支の物の怪に取り付かれた個性あふれる草摩家メンバーたちと、透とのふれあい、透のあるがままを受け入れる前向きな性格と、不器用だけど優しい眼差しは固く閉ざされた草摩家の人々の心を少しずつ変えていくのだった…。

声優・キャラクター
堀江由衣、久川綾、関智一、置鮎龍太郎、今井由香、安原麗子、三石琴乃、齋藤彩夏、井上和彦

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたを想ってくれている人が・・・きっといる  【ねこ's満足度:96pts】

名作中の名作☆
わたしにとっての「人生のバイブル」と言ってもいいくらいに大好きな、
ちょっと不思議でとってもステキなハートウォーミングな物語です。

ヒロインの透は心優しい天真爛漫な女子高生。
彼女は、ひょんなことからクラスメイト由希の住む草摩家に同居することになります。
ところがその草摩家には十二支の呪いという哀しい秘密が・・・。
彼らはその秘密により、幼い頃から同族にさえも差別をされ心を閉ざしてきました。
しかし透はそのすべてを知った上で、決して彼らを色眼鏡で見ようとせず、
それどころか彼らをもっと理解しようと積極的に草摩家の人達に接していきます。
果たして透は凍ってしまった彼らの心を溶かすことができるのでしょうか。
1話から涙腺ホロホロ。毎話感動的なお話の連続です。

この作品の最大の魅力は「言葉」。たかが言葉と馬鹿にしてはいけません。
人は欲しい時に欲しい言葉を投げ掛けてくれる人に心から癒されるものです。
草摩家の人達にとってそれをくれたのが透。
透にとってそれをくれたのは親友や草摩家の人達。
そして、透に生きる道筋を示してくれたのも、亡くなった母の言葉だったのです。
作中次々と発せられる言葉の温かさは、観てるわたしの心までも癒してくれました。

音楽はOPEDいずれも岡崎律子さんが担当。
心の琴線に触れるその優しい歌声は、聴けば聴くほど心に染み渡ります。
少女漫画アニメだと敬遠するにはあまりにもったいない。
幸せの価値観を考えさせてくれるとても素晴らしい作品だと、そう思います。

※オマケ※
ちなみに原作はもっとも~っと長く続きますよ~。
気になる方は漫画の方も是非チェックしてみてくださいね☆

投稿 : 2024/11/09
♥ : 71
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やさしくなりたい

制作はスタジオディーンで原作は少女漫画です。
ジャンルはラブコメ・ファンタジーです。


本田透は唯一の家族であった母親を亡くし、一人テントで生活していた。
彼女は土砂災害でテントを失い、それがきっかけで学校中の人気者である草摩由希が住む家に居候することになる。
居候してすぐ、透は草摩一族の秘密を知ることになる。
彼らは異性に抱きつかれると、取りつかれた十二支の獣になってしまうのだった。


「もっとも売れている少女漫画」として有名な作品。
草摩家一人一人のドラマに意外と深みがあり、一話あたりの内容がとても濃いですね。
ギャグ回かと思っていたら、後半で一気にシリアス回になったりするので油断ができないw
ギャグも一級品でそこまで作品の古さは感じませんでした。
でも演出とかはかなりベタだったりします。
男性の顔がキラキラするのは少女漫画仕様。

本作の一番の特徴は、主人公である透の凄まじい優しさ。
こんなに素晴らしい人格者がいるの?と疑問に思ったりもしましたが、終始聖人なので途中から全然気にならなくなりました。
とても魅力的な主人公です。
ニヤニヤが止まらない。

その他友人、草摩家の一族も濃いキャラ揃いです。
個人的には草摩綾女、草摩はとり、草摩紅葉あたりが好きでした。
はとりの回である8話、紅葉の回である15話は普通に泣いた。
綾女は{netabare}「この僕に欲情すればいい!!」{/netabare}のセリフで不覚にもツボってしまいましたw


当初は秘密の設定が大したことでもないなと思っていた自分がいました。
しかし話が進むうちに、秘密がどれほど重いものだったのかひしひしと感じました。

アニメではデフォルメされていてかわいいですけど、その人に近しい人たち(愛情を注ぐ人たち)はいったい秘密をどう思うか?
まあ、だいたいどうなるかは分かりますよねえ。
それに気づかずに見ていた私は大馬鹿野郎です。

「過去の記憶」も重要な要素として関わってきます。
正直、泣けた理由はここにありますね。
「思い出が残っている方がつらい」とはよく言ったものです。


本作の良いところは優しさの輪が広がっているところ。
透は母親・友人から救われ、草摩家を救っていく。
だんだんと広がっていく優しさで、誰もが救われていく。
心に響く名言揃いなのも良いですね。

難点はやはり作画でしょう。
ちょっと絵柄も古いし、少女漫画チックだし、あまり動きもないしで見始めは少々きついかも。
でも男性でも見れるはず。
ちょいちょいBL臭がするのを笑い飛ばせればねw


総括して、まさかここまで感動してしまうとは思いもしませんでした。
原作未完の割に、〆方も違和感なく良かったです。
むしろ感動したくらいです。
人の優しさを感じることができる素敵な作品だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 66
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人に優しくなれる作品です。

異性に抱きつかれると「十二支」+「猫」の13種に変身してしまう草摩家の人達との、学園恋愛ファンタジー。

主人公で、ヒロインの本田透(ほんだ とおる)は女子高生で、両親を亡くし、ビル清掃のアルバイトで自活する直向きで逞しい少女。

明るく真面目で、演技でも誰かを怒ったり罵ったりする事が出来ない。
どんなものでもありのまま受け入れる事の出来る慈悲深さを持っていて、自分のことより他人のことを思う優しい性格で、天然ボケで少々ズレた所もある。

草摩 由希(そうま ゆき)透の同級生。
十二支の鼠(子)の物の怪が憑いている。
十二支の頂点にして神に一番近い特別な存在とされている。
優しげで容姿端麗・成績優秀な王子様タイプ。
他人と壁を作ってしまう所がある。
直ぐに誰とでも仲良くできる夾の事を羨ましく思っている。

草摩 夾(そうま きょう)透の同級生。
十二支に入れなかった猫の物の怪が憑いている。
それにより、十二支の頂点である鼠(子)の由希の事が羨ましく思っている。
性格は男らしくて行動的。
自然と周りに人が集まって来て、友達が出来るタイプ。典型的なツンデレ。
由希とは犬猿の仲で、いつも喧嘩が絶えない。

透ると3角関係に・・・

このTV作品では、原作途中で終わってしまうので、続きが気になって、速攻で原作読みました。
泣けて癒され感動でき、心が洗われました。
人に優しくなれる作品です。
{netabare}
漫画では、幾つか共感できる所があります。
私はですが・・・。
由希が言った言葉に、「人に優しくするのは、嫌われたくないから、自分が優しくされたいから・・・。だから偽善者なのかも・・・」(正確には違うかもでけど、みたいな感じだった)
これは自分と同じだと思い、気づかされました。
だから、自分って偽善者なのか・・・ちっちゃいやつだな・・・って。
由希が、夾の回りに自然と友達が集まるのを羨ましく思う所も自分と同じでした。
何かちょと切なくもなりました。
でも、自分も少しずつでも変われるよう、頑張りたいと思える作品でした。
{/netabare}

是非、原作の漫画も読んで欲しい作品です。

作者 高屋奈月
出版社 白泉社
掲載誌 花とゆめ
巻数 全23巻

オススメです。

参考になれば幸いです。m(_ _)m

投稿 : 2024/11/09
♥ : 64

71.2 4 ヒューマンドラマで兄弟なアニメランキング4位
トライガン [TRIGUN](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (320)
2274人が棚に入れました
砂だらけの荒涼たる大地、容赦無く照りつける二重恒星からの日差し……ここは5つの月を従えた砂漠の星。人々は荒れた大地にしがみつき、血と汗で大地を湿らせながら細々と生きている。そのささやかな暮らしも、荒くれどもが銃をぶっ放して台無しにすることもある……ここはそんな世界。その過酷な世界に1人、赤いコートにトンガった金髪の、トラブルメーカーがいた。名をヴァッシュ・ザ・スタンピードという。彼は荒涼としたこの世界を放浪しながら、何かを探している。分かっているのは彼が凄腕のガンマンで、とてつもなくタフで、そして、筋金入りの平和主義者だということ。気のいい青年だが余りの傍迷惑ぶりに、付いた渾名が「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」。とうとう局地災害指定を受ける羽目になった彼には、保険会社からお目付け役が派遣される始末。しかし、彼には幾つもの秘密と、胸に秘めた決意があった。

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

おおらか晴天活劇

原作・内藤泰弘、監督・西村聡、脚本・黒田洋介

これも楽しいアニメだったなぁ。
ガンアクションだけど主人公がヘラヘラして柔和、お人好しでお調子者で悟られない器用さがあって腕の立つ奴。だけど実は背負ってるものはデカイぜという格好良さげな設定。
人を殺さずも通った街は何故か破壊してしまう「人間台風」ヴァッシュ・ザ・スタンピードの活劇珍道中と、彼を追う保険屋さんの女の子2人組。

女の子がでかいのとちっこいのがいて、ちっこいのが鶴ひろみさんで世話焼きお姉さんぽさがステキ。
でかいのは雪乃五月さんでおっとりマイペースで和ませられます。

全体に漂うB級感がまた応援したい気持ちを促します。
アクションフィギュアのような設定の、ゴテゴテしたギミックの悪者が多く。
90年代テイストで、今観ると荒い…いや当時観ててもザックリした作画やアイキャッチのやっつけ感やエンディングの音階の危うさは何なんだという気持ちはあったっけ。

しかし何というか気性がおおらかで良いんです。
クライマックス部分では少年漫画のような熱さもあり。
「…なら仕切り直せばいいだろ!
未来への切符は、いつも白紙なんだ。」

基本、人の善い話です。
乾いた大地に繰り広げられる人情味あるガンアクション。
晴天ばかりでうらやましい。今の季節特に。

原作は途中からシリアスみが深くなって…そういえば続きの「トライガンマキシマム」最後の方まで読んでいませんでした。
でも心の中にこの作品は住んでるんだ!
うん、原作今更読みたくなってきたぞ(`・_・´)



劇場版は絵がキレイ。
のびのび動くお馴染みのキャラにお馴染みの声。
動きに重心を感じるわ、冒頭の殴られるシーンがちゃんと殴られてるみたいだわ、これがテレビ番から10年後の世界か、と。

ハリウッドアクション映画のようなベタな展開ではありますが

たくさんの人物が入り乱れての、音と動きのアクションの切り替わりが爽快。会話の飄々さも、テレビ版でこなした分上手くなってた気がします。

でも劇場版のキレイなの観た後でも、こちらのテレビ版のザックリした雰囲気も嫌いじゃないです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

極悪人を許す行為と殺す行為 どちらが正義か悩み葛藤する物語

この物語はガンアクションがありますが、とても温かい内容です。

主人公のヴァッシュ・ザ・スタンピードは、最強と噂される凄腕ガンマンです。
だが彼は平和主義者で、どんな時でも人を殺しません。

不殺の信念を貫く彼は、全身のいたるところに生傷が絶えません。
ときには激しい怒りを感じ、悔しい思いもします。
それでも彼は、自分の信念を捨てることはありません。

私だったら、こんなに体が傷つけられて悔しい思いをするのには耐えられません。
きっと不殺の信念を捨てるでしょう。

ところで、どんな極悪人でも決して殺さない彼の判断は、周りの人をも不幸にしていきます。
なぜならば、彼の行く先で、必ず彼に挑戦し名を上げようとするならず者が現れ、
そのあおりを受けて周りの人が傷ついたり死んだりするためです。

だから彼には「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」というあだ名がつき、彼が通った場所は局地災害指定となります。
しかも彼には600億$$の賞金がかけられます。


ヴァッシュは、3人の仲間(?)と一緒に旅をします。
一人は小柄な女性のメリル・ストライフ。もう一人は大柄な女性のミリィ・トンプソン。
彼女ら二人は、保険協会の災害調査員です。ヴァッシュが事件に巻き込まれ「災害」が発生した際の査定をします。
もう一人は牧師のニコラス・D・ウルフウッドです。

みんなとても温かく、ヴァッシュは3人を信頼し、仲間だと思っています。
だがウルフウッドの本当の目的は、{netabare}ヴァッシュを葬ることでした。{/netabare}

ウルフウッドは牧師ですが、極悪人を平気で殺します。
そうすることで、多くの人を救える確信を、彼は持っています。
実際に、その判断のおかげで、ヴァッシュたちが救われたこともあります。
ウルフウッドの強烈な魅力に、私は圧倒されました。


ウルフウッドの信念とヴァッシュの信念とが異なるところが見ものです。
どちらが牧師なのか、疑ってしまいます(^_^;)

まだ見られていない人は、この物語を見て、おおいに心を葛藤させてください。
きっと心に残る物語となるでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

西部劇(ちょっとSF入り)

叩かれ、陥れられ、傷つけられ、不当に濡れ衣を着せられても、やさぐれず己の信じる正義を頑なに貫く主人公。
普段はトボけて優しくお人好し。それでいて、戦闘になるとめっぽう強い主人公というのは手堅い一種のテンプレート。今時は流行らないですが、愛嬌があって感情移入の対象としては抜群です。
そんな主人公を取り巻く、ガンアクション活劇。
SFも入ってます。


メインストーリーは、主人公の過去にまつわる謎解き、そして復讐劇。
十字架を背負わされながらも、人間の善意を信じている主人公ですが、旅から旅への行く先々で、過去のしがらみまつわる事件に関わってしまいます。
大抵、ヒドイ目や悲しい目に遭うのですが、苦笑してその運命を受け容れる。
ひょうきんなキャラクターの裏に漂う哀愁と彼をそうさせる信念の強さが本作の軸。
一見、コメディ風にみえますが、話自体はシリアスで重いです。

90年代の作品なので、キャラデザ、作画の古臭さは否めません。
ガンアクションとしては、多少大げさで荒唐無稽なところはありますがバトルはそれなりに面白い。
SF設定や物語としては、可も無く不可もなく。微妙に恋愛要素もありますが申し訳程度です。
やはり見せ場はヒューマンドラマ部分。
痛々しくもいつか報われる日がくるんじゃないか、と感情移入しながら見るものではないでしょうか?


西部劇風ガンアクション+哀愁物語。
こういうジャンルがお好きな方にはオススメできます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

66.7 5 ヒューマンドラマで兄弟なアニメランキング5位
アルジェントソーマ(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (161)
1398人が棚に入れました
『アルジェントソーマ』は、2000年10月5日 - 2001年3月29日にかけてテレビ東京で放送されたアニメ。
2054年、人類は突如飛来した巨大なエイリアンと交戦状態に陥り、深刻なダメージを被り、飛来を続けるエイリアンに対抗統べく、国連政府は軍を再編、対エイリアン特殊部隊 “フューネラル”を組織した。
学生タクトは、恋人・マキの行方を追う内に、マキが師事するノグチ博士の研究施設へと導かれ、そこで行われていたエイリアンのパーツを繋ぎ合わせ、金属生命体“フランク”を復元する実験に立ち会う事になる。
しかし、突如覚醒したフランクは暴走しマキとノグチ博士の命を奪い逃走してしまうのだった…。

声優・キャラクター
保志総一朗、桑島法子、高田祐司、井上喜久子、子安武人、堀江由衣、紗ゆり、中田譲治、竹村拓

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

オリジナルアニメだけど

シナリオはよく出来てると思います
ジャンルはSFロボ系かと思いきや、SFヒューマンドラマでした
エイリアン絡みの事故で恋人を亡くした主人公の憎悪、かたやエイリアンと心が通じ合える少女
2人を軸にエイリアンの正体に迫っていく・・・

続きが気になる構成でとても楽しめました
切ない物語でした、一見の価値はあります
知名度低いのが残念。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

神撃のニャンコ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

隠れた秀作(レビュー修正版)

2000年10月頃に放送された古い作品ですが、
今でも この作品を一番気に入っております

ジャンルで仕分けすると「SFロボット」になりますが
それはメインであるドラマを引立てるスパイスに思えます

謎のエイリアンに様々な思いが絡み合い面白かったですが
キャラの個性や台詞が特に気に入ってます

特に ノグチ博士の生徒達への言葉が良かったです
「物語には関係ないですが一応 伏せて載せときます」

{netabare}****************************************
「探究心」と「好奇心」と「行動力」
どれか 一つ欠けても真実へは辿り着けない

然るに君達は何~故 当たり前の結論に満足する?
この大学には真面な学生はおらんのか~!!

旧約聖書… 人は何度天罰を与えられながらも
追い求める事を止まない

豊穣なイマジネーションの海
我々はその中に揺蕩う小舟 

知りたいと強く願え~!
先に進みたければ…
**********************************{/netabare}

実は ノグチ博士の台詞を探してDVDを観てたら
ウッカリ8巻迄 夜通しで観てしまったのですよ(^^;)

うぇぇ~い! 此処まで来たら 最後迄観ちゃうぜ~
ウラ~~~! あぁ~ 嘘です 寝ますw

な~んて言って 結局その週末に強行軍を行い
全部見ちゃったのですなw 

久しぶりに観て満足しましたが
今 放送されてるアニメと比較して世代を感じ

最近のアニメは、緩やかにモラルが崩壊してると思いました
アルジェントソーマは、その点で品を感じました

当然DVD全巻購入♪ 全巻購入特典のハガキがございましたが
期限過ぎてるや~ん!  orz…ガッカリ 当然だよね

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

テレ東深夜黄金期の遺産 表は「侵略SF」 裏は「復讐劇」 桑島法子の演技に注目!

98年のガサラキ、99年のリヴァイアスに続いてサンライズ第9スタジオが制作した作品
(ちなみにこの作品の後に同スタジオはガンダムSEEDの制作に入る)


実験中のエイリアンのツギハギが暴走し恋人を失った主人公が、そのツギハギ「フランク」を利用して地球に飛来するエイリアンを撃退する組織に入隊する
表向きには侵略を阻止するために働く主人公ですが、真の目的は恋人を殺したフランクに復讐を果たさんとすること


一貫して暗い題材を扱ってきた第9スタジオらしい作品ですが、今まで地味な仕事をしてきたことが裏目に出たのか
異形の侵略者との戦いというエヴァ辺りの影響をモロに受けた内容の割にちょっと地味すぎるのがタマにキズだったりします


フランクの正体、エイリアンの目的、組織が使うロボ「ザルク」など、かなり謎を散らばめているものの
オチは某特撮ヒーロードラマに詳しい方なら特別に意外性があったとも感じ難いでしょう
そしてなにより中盤の弛みを凌ぐのはちょっと辛い;


そんな今作ではありますが、もっとも注目してもらいたいのは2話以降に登場する「もう一人の主人公」ともいうべき少女「ハティ」の存在とそれを演じる桑島法子さんの熱演です


精神的な疾患で実年齢より幼い少女
という難しい役柄でしたが、これを桑島さんは完璧に演じきって見せました
「後のステラ・ルーシェ」などにも通ずるものがありますよ


また中盤を耐え抜いた方には、ハティやフランクと触れ合ったことで変化や成長を見せていった人物達の心情が昇華されていき味わい深い余韻を生む最終話が待っています
やっぱり最終話って「ココまで見てくれた人ありがとう」って気持ち伝わってくると良いっすよね


音楽はリヴァイアスでの試みを引き継ぎ、オーケストラを得意とする服部克久とダンスミュージックを得意とするKH-Rのダブルコンポーザー

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18
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