バンドマンで歌手なおすすめアニメランキング 2

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75.3 1 バンドマンで歌手なアニメランキング1位
空の青さを知る人よ(アニメ映画)

2019年10月11日
★★★★☆ 3.8 (238)
1097人が棚に入れました
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。2人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、2人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。時を同じくして、あおいの前に、突然“彼"が現れた。“彼"は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

声優・キャラクター
吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、松平健、落合福嗣、大地葉、種﨑敦美
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る

世の中は思ったようにならないことのほうが多く、そんなときの悔しさや自分への腹立たしさが身に染みて伝わってくる物語です。

おそらく、順風満帆の人生を送られている方は、この映画の良さが理解しずらいと思います。
でも、失敗や挫折を経験したことのある方が見ると、直ぐにこの映画の登場人物に感情移入でき、感動するでしょう。
最後はハッピーエンドとなる素晴らしい映画でした。

特に若い人たちは、以下のまえおきを読んでいただいたうえで映画を見ると、より一層感動できると思います。

<まえおき>
ガンダーラとはパキスタン北西部にかつてあった古代都市です。
孫悟空で有名な唐の時代に実在した三蔵法師も、ガンダーラに行ったことがあるそうです。
そこに行けばどんな夢もかなう。そんな噂があったかどうかわかりませんが、
約40年前にゴダイゴが歌った『ガンダーラ』は、まさに理想郷でした。

この映画は、まさに理想郷ガンダーラを東京に置き換えて夢を見た若者たちの物語です。


<映画の序章のあらすじ>
※私の思いが含まれています

事故で両親を亡くした二人の姉妹がいた。
姉のあかねは、妹を誰よりも愛していた。
妹のあおいも、姉を誰よりも慕っていた。

だがある日、あおいは、自分のせいで姉が結婚を諦めたことに気づく。
それからは自己嫌悪の日々。
自分さえいなければ姉は幸せになれる…。そんなねじれた考えが日増しに大きくなってゆく。
そしてあおいは、姉を愛するがゆえに{netabare}家を出ることを決意する。{/netabare}

あおいの第一印象は、影と棘とを持ち合わせた少女として映ります。
もし自分が同じ立場だったら、やはりあおいと同じように考え、行動すると思う。
この悔しさを誰にぶつければいいのかと悩むだろう。


姉の元恋人である慎之介は、東京で一旗揚げようと夢を見ていた。
一旗揚げれば、姉妹そろって呼ぶことができる。
そうすればみんなが幸せになれる。彼はそう信じていた。
だが、東京は、そんな夢を見る人がたくさん集う場所。
夢を掴むのは、ほんの一握りの人だった。
さらに、都会で生きていくためには厳しい現実があった。

私も東京に住んでいるので、慎之介の気持ちが良くわかります。
都会で生きていくのは、本当に大変なことです。


そして、ここからこの映画の本編が始まるのです。
ぜひ見てください。


井の中の蛙は大海を知りません。
でも、大海を知らないからこそ、できることもあります。
大海を知ったたがために尻込みして、挑戦せずに諦めるよりも、
大海を知らずに挑戦するほうが断然良い。

たとえ挑戦してその夢がかなわなかったとしても、後悔することはないはず。
挑戦せずに諦めると、一生後悔します。

一度っきりの人生です。
空の青さは誰にでも見ることができ、そして太陽は、誰にでも平等に光を降り注ぐ。
井の中の蛙は、誰にはばかることなく挑戦して良いのです。
挑戦し続けている間は、たとえ何度打ちのめされようとも負けではない。挑戦をあきらめた時が負けなのです。

2019/12/28 一部修正しました。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 55
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

集大成と言えそうな理由

2019年公開のオリジナル劇場版 107分

ここに集う皆さんには“超平和バスターズ秩父三部作の三本目”ですけどなにか?…で紹介は充分かと。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年)』『心が叫びたがってるんだ。(2015年)』の流れを汲む4年に一度の超平和の祭典。密かに2023年でまた何かやらかしてくれないか期待してる私です。
制作はCloverWorks。A-1 Pictures高円寺スタジオが改称しただけのようですので、三部作どれも同じ会社&主要クリエイターでの共同作業ということになるんでしょうか。きちんと集大成であることが伝わってくる力作でした。

ただアニメファンだからこその鬼門もありまして、やや一般層を意識した要素が散見されること。ほらほら「万人受け」って言葉は苦手でしょ?
プロデューサーに川村元気氏。オタ全開な新海監督の作品を垢抜けた装いにしメガヒットを飛ばしたお方ですよね。また、売れ筋アーティストの起用&主人公には人気俳優さんを配置ってのでピクッと反応しちゃうところがあります。

岡田麿里脚本ということは、めんどくさい女子だったり青春こじらせ系な物語なんだろうな。今回はマスマーケティングの香りがするぞ。といった事前評価でしょう。その点については良くも悪くも期待に沿ってたと思います。
悪い点は予想の範疇だったこと。常連客が喜ぶいつもの仕様に本作ならではの要素でプラスに転ぶかマイナスに転ぶかどうか。
良い点は俳優さんの演技が想像以上。相生あかね(CV吉岡里帆)と金室慎之介(CV吉沢亮)両名良かったっす。吉岡さんの声質はやみんぽかったり、吉沢さんほぼ2役のようなものでしたが演じ分け出来てました。あと良い点もう一つ。秩父の風景画が過去2作を凌駕する勢い。遠景もありスポットもありました。秩父の宣材資料として申し分なくいくつか組み合わせるだけでPR動画ができそうなくらいです。


周辺はそれぐらいにして内容です。
あらすじは混み入ってるため省略。主人公相生あおい(CV若山詩音)の幼少期にのどに刺さった小骨。その時高校生だった姉のあかねと彼氏の慎之介(しんの)もそれはそれで一悶着あり、が物語の起点。そして時は流れてあおいは高校3年生。人生の分岐点で小骨にどうけじめをつけるのか。
集大成らしくいつもの“こじらせティーン”はもちろんのこと新たに“こじらせアラサー”も加わってやけにめんどくさいことになってます。ファンタジー設定も健在。トラウマ発生地点の13年前で時がストップしてたのか高校生の慎之介くん(生霊!?)が未来の世界に登場し物語を動かします。「おい○○年後の俺、元気でやってるか?」枠。小学校の頃埋めたタイムカプセルを掘り返しそのピュアっピュアな内容に触れて、やさぐれた自分に羞恥の波が襲い掛かってくる感覚に似てます。

青春ものの良さの一つに過ぎ去りし日々への憧憬があります。あの頃は良かった!ってやつですね。
ただそれは視聴者である我々が感じたいことであるわけですが、本作では登場人物にその気があるのです。おそらくアラサーどストライク。社会に出て清濁合わせ飲んでなんとか折り合いをつけてる今日この頃。理と情であれば前者なければ物事が進まないことを熟知してる大人に「大切なのは気持ちだろ!」を突きつけるお話でございました。普段鬱屈してる分心地よさを感じます(笑)

人間関係はやや混み入ってるんですよね。
思えば『あのはな』は ※のネタバレ
{netabare}仲間の事故死という幼少期のトラウマを高校生になって仲間たちと克服する。{/netabare}

思えば『ここさけ』は ※のネタバレ
{netabare}両親離婚の原因は自分という幼少期のトラウマを高校生になって仲間たちと克服する。{/netabare}

そして『空青』は ※のネタバレ
{netabare}幼少期発生した姉向けの自責の念(あおい)と時が止まって動けないアラサーとのコンボを{/netabare}
{netabare}同世代の仲間というより大人たちや小学生だったり今までにない縦の世代軸を使って克服する。{/netabare}
{netabare}しかも恋愛要素は過去2作品の比ではないくらいマシマシ{/netabare}

“トラウマ”と“解決メンバー”でみるとより複雑になってることが分かります。三部作の最後を飾るにふさわしいとの見立ても可能でしょう。
そんなこんなで“集大成”を楽しみながら、いつもながらのめんどくさい青春といつもに増して多層化した物語に触れたい気分に合いそうな大人向けの佳作です。
なお自分には混み入った恋愛ベクトルへの理解が不足しているのと、あおいちゃんがめんどくさい通り過ぎて駄々っ子に見えたこともあって嵐を呼ぶ感動とまではいきませんでした。



※ネタバレ所感

■されど空の青さを知る

{netabare}「井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る」

~を知らず に続きがあることを知ってなんかよくわからんけどスゲーと思ったのはいつだったか…
本作品のメッセージでしたよね。井=秩父、大海=東京みたいな空間的な意味もありましょうが、解釈の拡がりはありそうです。自分はされどの部分を「置かれた場所で咲きなさい」と受け取りました。{/netabare}

{netabare}首を横に振ってみたら周囲を認知できるけれども井戸で遮られたらそこまで。
首を縦に振ってみたら地面と空の青さは確かにわかる。遮るものがない空は井戸の中でできることとしては最上級となりましょう。{/netabare}

{netabare}この縦と横を人間関係に置き換えてみます。
横は言わずもがな仲間たち。同級生ら横の繋がりです。縦は親・姉兄・弟妹・年上・年下の異なる時間軸同志の関係。年齢が違う者らの縦の繋がりです。

繰り返しにはなりますが『あのはな』『ここさけ』はあくまで横の繋がりで完結しているTHE青春ストーリー。縦はあってもスパイス程度でメインには躍り出てはきませんでした。これらは大海を知らないからこその刹那の耀きを感じ取る作品群です。
翻って本作『空青』について
 

 横にしか振ってなかった首を縦に振ってみて初めて見える世界


先述した通りに理解が不足してる俺氏ということで100%楽しめなかった感はあります。
それでも前作以上の深みとコクや雰囲気の良さはこういうところから感じ取れたかなと思います。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

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2020.10.24 初稿
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/11/30
♥ : 55
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

さよなら少年の夢

制作、超平和バスターズ。

過去と現在をつなぐ切なくて愛しくて、
ちょっと不思議な、二度目の恋の物語。

あいみょんの「葵」が心に響きます。
あの頃の僕たちが、想像した未来は、
きっと希望に満ち溢れた物語だったのだろう。

人生は強大な現実に折り合いを付けて、
どこかもやついたまま、前へと進む。
どこかでケリを付けたいと思いつつも、
時間のベクトルは、巻き戻りはしない。

{netabare}憧れていた音楽生活に打ち込む少女は、
それはよこしまな動機だという。
憧れていた音楽生活を叶えた大人は、
それは望んだ形ではないという。{/netabare}

誰もが過去に置き忘れてきたものがあり、
そこには自分を縛り付ける法則がある。
どんな夢も叶う場所を探すのは青春の代名詞だ。
ありきたりな物語かも知れない。
しかし共感が持てる優しい物語である。

拒絶が僕たちを待ち受けている。
後悔が僕たちの歩みを鈍くさせる。
それでも次へ、次へ。

空の青さを知る人とはそういう人だろう。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 53

66.4 2 バンドマンで歌手なアニメランキング2位
NANA ナナ(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (222)
1376人が棚に入れました
東京に住む彼氏と同居するため上京する小松奈々と、ミュージシャンとして成功するため上京する大崎ナナ。2人のNANAは新幹線の中で出会った。その後、ひょんなことから奈々とナナは同居することとなる。さらに、ナナの所属するBLACK STONESとナナの恋人の本城蓮が所属するTRAPNEST、2つのバンドのメンバーたちを交え物語は進んでいく。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

それぞれの なるべくして開かれた道

主人公の考え方に共感や憧れを持てるか否かって視点で言えばこの作品、
観る人の世代や、誰を主人公にして観るかでだいぶ違ってきそうな気がする。

同じ名前を持ち、対照的な性格の2人の女の子 
ナナと奈々のそれぞれの道の歩み方と2人の友情、
バンド活動をもとに、プロのミュージシャンを目指し、
やがてプロとして成功しながらも数々の葛藤や試練が待ち受ける展開は興味深く、
山あり谷ありでメリハリをつけ、面白く描かれていた。

またナナ以外のバンドメンバーをそれぞれの視点から見ると、
けっこうビターな物語で、ある意味リアルだったなと。

ただ、ファーストシーズンだけで4クールあったにもかかわらず、
意外にスローな展開だったので、少々中だるみを感じてしまった。
が、しかし今思えば、人気コミック作品だったせいもあり、
原作を愛するスタッフさんたちは丁寧に忠実に描きたかったんだろうなとも思う。

ちなみに、実写映画版も2本制作されているけれど、
OP、EDなど音楽はアニメ版のほうが個人的には好みだった。

印象的なシーンはいろいろあったけれど、
なぜか花火のシーンだけが、一番心にやきついている。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 51

めじな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感想

全47話。恋愛もの。

あらすじ
彼氏の元にむかう小松奈々(ハチ)は、東京行きの列車の中で、
ミュージシャンを目指して上京する大崎ナナと隣り合わせる。
同じ「ナナ」という名前を持つことから意気投合した二人は、
その後の住まい探しの中で偶然再会し、共同生活を送ることに。

まず、主人公二人の正反対の性格が面白い。
無邪気で素直な性格の奈々(ハチ)と、何事にもクールなナナ。
一見正反対に見える性格の二人ですが、時には衝突しつつも、絆を深めていきます。
この絆に相手を想う思いやりの大切さなどが描かれています。
それに明るい雰囲気で育ったハチに憧れるナナ、ハチはナナの才能や夢に憧れる。
この二人の生き方の違いも見所で楽しめました。

登場人物のキャラも個性派揃いで良いですね。観てて飽きない。
また、キャラの見た目のギャップもありました。
いつもはクールで強きなナナは心が弱かったり、
タクミも女癖が悪い遊び人風ですが、実はしっかりとしていたりと。

それにシリアスとギャグのバランスが良い。
シリアスはコメディタッチの軽いノリが魅力で、会話のテンポも良いしギャグも面白い。
メロドラマのような本来なら暗い展開などに、
キャラの顔を笑えるようなギャグ顔にしたりと工夫されています。
ハチの行動も世間知らずというか、観てて楽しませてくれました。

この作品最大の見所は
二人の「ナナ」と、彼女らを取り巻く人々の恋や友情などの絆の強さ、夢の行方でしょうか。
人間関係はとてもリアルに描かれていて、
登場人物の揺れ動く気持ちの心情描写を丁寧に表現されています。
私好みのドロドロとした展開もあって楽しめました。
全体的に山あり谷ありで先が読めなかった。

この作品はバンドも売りにしてますが、音楽を扱っている作品にしてはイマイチですね。
曲は中々良いんですが、扱いが軽かった。

OP、ED曲ともなかなか良い曲ですね。
特に最初に使われていたED曲がかなり良い。聴いているとジーンときます。

ストーリーも中々良くて、
恋愛と友情を人間ドラマ化した、面白く見ごたえがある作品でした。
2期あってほしいけど無さそうですね。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

少女漫画の金字塔

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
第48回(平成14年度)小学館漫画賞受賞、累計発行部数は4300万部突破の少女マンが原作。原作も既読。

というか、矢沢あい さんの漫画はほぼ全て読んでますが(笑)

ベスト10作るついでに、レビュー書こうと思って簡単に。レビューでは、おっさんながら、好きなカップルを(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
個人的には、

ハチにはタクミが、

ナナにはヤスが、

お似合いだな~と思っていました。

まあ、ハチとナナが一番お似合いなのですが(笑)

矢沢あいさん、少しずつ仕事もやられているとか。御体が一番大事ですが、ファンとしては、再開を気長に待ちたいですね♪
{/netabare}

投稿 : 2024/11/30
♥ : 16
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