ナノマシンでガンアクションなおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のナノマシンでガンアクションなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.5 1 ナノマシンでガンアクションなアニメランキング1位
カウボーイビバップ 天国の扉-COWBOY BEBOP(アニメ映画)

2001年9月1日
★★★★★ 4.1 (585)
3328人が棚に入れました
時は2071年。一向に減る気配のない犯罪者、太陽系全域にまで拡大した行動範囲に警察組織が対応しきれなくなったため、賞金首制度(通称:カウボーイ法)が制定された。スパイクとジェットの2人は賞金首を捕まえることで生計を立てる賞金稼ぎ、いわゆる「カウボーイ」であり、漁船を改造した宇宙船ビバップ号が彼らの移動手段兼住み処となっている。数百万ウーロンの大物を捕まえることもある一方、その荒っぽいやり方に巻き込んだ一般市民からの賠償請求も多い彼らに余裕はなく、日々賞金首を求めて太陽系を東奔西走していた。

声優・キャラクター
山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ、多田葵、磯部勉、小林愛、ミッキー・カーチス、石橋蓮司

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

どこにも行けない男の物語

懸賞金3ウーロン。フェイが目にしたのを手掛かりにスパイク一同はその男を追うことになった。
彼は夢を見る。終わりのない夢だ。
彼はそれを煉獄と呼ぶ。目に見えないものに焼かれ続ける救いのない場所だ。
彼はそこでたくさんの蝶を見る。蝶はどこにも行かず、どこにも連れて行ってはくれない。
まったく綺麗な蝶さ。

フェイもエドもアインもいるサイドストーリーです。
菅野よう子さんの音楽に乗せて描かれるそのストーリーは本編に勝るとも劣らず非常に良いものでした。
持ち前のハードボイルドな演出と格闘シーンは絶品です。
特に今回は格闘とドッグファイトは数ある映像作品の中でも群を抜く出来でした。
相手をのすために放たれる様々な攻撃が痛々しいまでに肉体を打ち
対峙する2人の身体がせめぎ合いしなやかに動く様は美しくもありました。
ドッグファイトでも戦闘機の動きからは目が離せませんし
遠心力によるGがこっちにも伝わってくるようで自然と体に力が入ってしまいました。
けれど元々ハードボイルド調の演出であるからに一挙手一投足の動きには魅力があるのは作品本来の良さです。
強いて言えばそれらはその誇大化であり、延長線上のものです。
かっこよさを純粋に求めた形としてこれはすごく良いものです。
何が言いたいのかというと、それは今回に限ったことではなかったにしろ
映画作品としてのボリュームが乗っかった分、顕著にその良さが表れていたということです。
もちろん褒め言葉です。
僕が好きなシーンは最初のコンビニでスパイクが銃を向けるところです。
銃を持った手が揺れるときに響く、鈍く重い金属音が彼とそれの存在を引き立てていてすごく好きです。
あまり共感はないと思いますがw

今回の敵は深い悲しみと絶望に囚われ、冷め止まない夢の中に閉じ込められた男でした。
孤独に冷えた煉瓦のような身体をし、細く乾いた目は遠くを見つめ三日月のようにうっすらと笑う。
長くぼさぼさに生えた髪と髭は彼をより不気味に印象づけている。
心の闇は彼を喰い尽くし、さらに彼自身の奥底に眠る際限の無い恐ろしさを感じさせた。
この世のものとは思えぬ蝶は彼の頭の中でその美しさが彼を惹き、また彼に夢を見せ続けます。
そんな彼を見てスパイクは鏡を見ているような気持ちになりました。
その男はなにかの加減でそうなっていたかもしれない自分であると。
スパイクが彼を助けることは彼のためよりかは自分のためなのでしょう。
その男の無限の闇とスパイクの義侠心もとい信念がしっかりと描かれていてとても良かったです。
主旨としては"Are you living in the real world?"よりはこっちだったと僕は思います。
あと僕はこの敵も結構好きです。

素晴らしい作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ブロン・イ・アーの夜にやってくる長い話

2001年公開のカウボーイ・ビバップ劇場版。
内容は基本的に一話完結型のテレビ放映版の一話分を劇場版にあわせて120分にした感じです。
テレビ放映版の最終回後に続くようなストーリーでもなく、テレビ放映版だと最終回前にビバップ号を去ったあのキャラもクルーの一人として登場しているので、テレビ放映版の話中のどこかに挟まる一作なんだなと思われます。
特にキャラクターの過去にまつわる話もなく、ビバップ号の秘密に迫るような内容でもないです。
そのため、カウボーイ・ビバップのコアなファンには物足りないと思われますが、個人的にはカウボーイ・ビバップは硝煙とタバコとジャジーな雰囲気があれば上等、歴史的背景や宇宙航行技術、そしてキャラクターの過去はエッセンスと考えているので、そういう意味で十分に乗れる作品でした。

アルバシティーという火星のクレーター都市でタンクローリーが突如爆発炎上し、事故発生現場周辺に偶然に居合わせた人々が原因不明の症状を訴えて次々倒れ、最終的に死傷者数が400名を上回る大事件が発生します。
操縦者不明のそのタンクローリーに仕込まれた、未知の生物兵器によるテロと考えた政府は、犯人に3億ウーロンという巨額の懸賞金をかけることを発表する。
別件でリー・サムソンという黒人ハッカーを追っていたフェイは、偶然その事件現場に遭遇し、犯人らしき男の写真を撮影する。
3億ウーロンを手に入れるため、ビバップ号の乗組員達が発起するというストーリーです。

いつものメンバーが送金首相手に立ち回る展開ですね。
キャラクター説明などは割愛されていて、スパイク、ジェット、フェイ、エド、アインたちが登場します。
ただ、テレビ放映版でもそれほど丁寧に設定説明を行っていないので、劇場版からの視聴でも問題ないかもしれません。
また、当然ながらテレビ放映版よりもスケールが大きくなっていて、バトルシーンなどのビジュアルも劇場版の本作の方が高品質です。
そのため、話題作ではあるけれど、古い作品で2クールはきついという方には、劇場版で手っ取り早く作品に触れてみるのはありかもと思います。

内容は文句なしに素晴らしい出来でした。
テレビ放映版を視聴済みであればよりスケールアップしたビバップたちの活躍に引き込まれ、初視聴であっても、作品の雰囲気が好みであればわしづかみされることと思います。
あと、Tank!ほどのキャッチーさはないですが、劇場版OPのAsk DNAもしびれます。
とにかくカッコイイに尽きる名作でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

ソラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Ask DNA

いつも通りの私好みなユーモアな脚本、渋い色彩・音楽。モップアクションかっこいい。

しかし、この作品本来の一番の魅力は何かっていうと、人々の生活感だと思われる。
味のあるモノクロのオープニング、街並を俯瞰して見ているような感覚を得られるエンディングや、
スパイクが聴き込み調査を背景に流れてくる人々の生活感っていうのは異文化を覗き見している感じがして楽しい。
暑くて水着姿でペットボトルの水分をイッキ飲みする女、タバコ吸わな生きていけねぇって感じの渋いおばちゃん。
暇そうでアクビしてるタクシーの運転手。欲しいものを買ってもらえなかったか駄々こねて泣いてる女の子。
交通違反でサツに捕まって必死で言い訳をしている男。
ボクサー志望か街中で戯れてくる少年、道を尋ねた報酬に商品を売りつけようとしてくる商人、街で逆立ちダンスしてる少年。
真っ昼間から音楽に合わせてノリノリで絡んでくる自由職(?)のおっさんとか、さり気なくこそこそと歌ってるおじいちゃんとか、音楽の街って感じがして心が踊る。
なんかこう、それぞれにそれぞれドラマがあって人間観察するのが楽しいよね
もう十五年くらい前だけど、あらためてスクリーンでみれて良かったなと。
ありきたりな日常を一から造形するって感覚がおもろいです。
例えるなら写真家のエドヴァン・デル・エルスケンの写真集のような日常の型どりに感服いたしましたわ。

てかまーなんだかんだ言って結局何が言いたいのかというと、

あー旅してえええ…。

ただその一言がいいたかったの…。


そういえば、とあるTさんがこんな名(迷)文を残していた。

『私は旅行が好きである。全く違う文化や風土に、自分の価値観が揺さぶられるのは、
とても刺激的だと思う。特に目的は作らずに、気分次第で進む先を変える。
偶然に立ち寄る町の角っこでボンヤリとその土地の生活を眺めるだけでいいのだ。
予定表と荷物ぎっちりの名所巡りなんて無意味な疲労と記念写真が残るだけだ。
かく言う私は旅以上に家が好きである。故にあまり外に出ないし、旅もしない。』

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

63.5 2 ナノマシンでガンアクションなアニメランキング2位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (274)
1690人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

堅い雰囲気だけど、中身は温かないい話。

見終わった。落ち着いた感じで、好感。面白かったな。
この作品、日常のパートは「イヴの時間」が好きな人にお勧めかも。
堅い雰囲気ながら人情味あるエピソードが語られる。見せ方が控えめで品がある。
女の子のスカートの短さとムッチムチ感は徹底してるけど。男は痩せマッチョ。

ずっとIT関連なお話が続くのかと思ったら、自然環境の要素が入ってきた。海から始まった物語、そこに意味があったようで。

地球律。
災害をもたらすような気象変化は、地球が自らバランスを保とうとして自然の流れを巻き起こす、陰と陽のような影響で起こるのではないかという考え方。人間のもたらした人工的な自然への施術が、より大きなぶり返しを呼んでしまう、という。
怖いですね。実際ある気がする。

主な登場人物
{netabare}電脳空間の捜査を行うハルさんと、ハルさんによって「パートナー」と位置づけられる福々しい女子高生ミナモちゃん、補佐するグラマラスなアンドロイド、クールな顔して世話焼きなミナモ兄・ソウタ、ハルさんと同じくらいの歳のはずなのに、見た目も若いままの怪しい科学者…などが主に動く。 {/netabare}
次第にそれぞれの意外な面や、やはりな…とシミジミさせられる面など性格に説得力のあるエピソードが登場し、どんどん好きになってます。

ソウタとホロンさん、ホロンもどきの健闘シーンの作画がかっこいい。
ソウタ、面白かっこいい。
「精神統一の鍛錬には自信があります!」と明朗に言って、直後に女性のお色気?に仰け反ってしまう。(詳しくは見せないのが、この作品独特の紳士的なところ)
{netabare} 年上愛人とのねんごろ具合 {/netabare} はシティハンター過ぎるところもあるけどねっ!しかも {netabare} 書記長をモデルに作られたホロンさんに思いいれちゃった流れには {/netabare} びっくらこいた…これも純愛…なのか。


{netabare} 久島博士が、何故音楽をやめたのか?音楽に必要なものは…という流れで
「愛だ。」と言い切って、ハルさんが「エッ」ポカーンとする、ちょっと離れたアングルから見せるシーンの距離感、好きだな。

アンドロイドホロンさんの一瞬の涙とか、着なれないメタルスーツで必死になるミナモちゃんとか、冷静な描写の中にグッとくる温かさが潜んでる。

「愛だ」がまさかラストまで関連してくるとは。
最終回の海とメタルとの定義はサッパリ解りませんでしたが…{/netabare}

ナイスガイ過ぎる久島博士からの最期の贈り物で、みなもちゃん、ハルさんとの歳の差が縮まったね。やったね。夢のようなラスト、二人には幸せになってほしかったので、おめでとう…。



ビーフストロガノフの隠し味に梅干し!へ〜、すごい。そんなん作ったことないけど…
{netabare} そういや料理研究家・辰巳芳子のレシピで、{梅干しの種+焦がし玉ねぎ+昆布+醤油} を煮るとコンソメスープが出来るというのがある。これは不思議に、本当に簡単に出来る。お勧め。 {/netabare}





以下初めの頃〜中盤までのレビュー


**********
おすすめレビューを読んで気になったので観ました。今12、3話辺りまで。堅い感じで面白いです。

爺さんが主人公。
頭脳は青年、潜ればマッチョ、陸に上がれば要介護白髪爺さん。
海洋調査の事故で少し寝て起きたら、浦島太郎状態になってしまった…ハル爺さん。
遥かに技術の進んだ「電脳の海」に潜脳捜査に入ることで、事故時の若々しい姿へと戻ることができる。
年の功を漂わせる(実際は歳をとってないわけだけど)ハルさん。案外モテモテ。元々、紳士な性分なんだろうね。変態の付かない正真・紳士です。
失った時間についてあまり深刻な様子は見せないけれど、この先、深い話が出てくるのかな?眠ったことですれ違ってしまった女性との話が切なかった。


男性も女性も、肉体描写の立体的なデッサンが巧い。
アニメのよくあるスレンダー体系が好きな人からみるとちょっとムチムチし過ぎかもしれないけど…。
何かこう、知性を感じさせる豊満かつ的確なデッサンの線質だけでなく、動きに重みがあるんだ。女性のお尻の重みとか、コダワリを感じる。もちろん男性の拳闘シーンも、軸と重みの遠心力?のあるような、観ていて気持ちいい動きだよ。


ミナモちゃんの役割
電脳化していない姿で自然体で物語と関わってくれるので、周囲との差異が視聴者に伝わり易い。慣れない電脳スーツでハルさんを迎えにヨタヨタ来た姿は、グッときちゃったよ…。
ミナモを見る時のハルさんの瞳が何とも言えない。慈愛というか…聖人的な。
対してミナモがハルさんを想う時のポッ…と赤らむ感じは、何というか清楚なのに煩悩を漂わせてますな。スカート、ギリギリだ!頭の上の大きなリボンが外れてる時の方が、かわいい。あのリボンはダサい。

ソウタとお父さんの、食をまじえた話も、よかったなぁ。
研究気質一本に走っていたお父さんが、家族の食卓に戻ってくれる様子が、じんわりといい話だった。無機質な情報が多いだけに、気持ちの動きを大事にしてくれる話が生きてくる。
ソウタ兄は {netabare}お偉い女性と愛人なの?ベッドの事後的なシーンが。 {/netabare}このへんが何か士郎正宗だなぁ。オットナーっていうか、発想オッサンー。うん、士郎正宗って基本おっさんワールドかも。シティハンターと同列かも。


デンノーデンノー書いてみるが、攻殻でも出てくる「体の電脳化」というのが未だよくわからない。アンドロイドとかロボットとかとは別なんでしょ?肉体…神経の受送信面により利便性能を積んだ身体ってことかい。わからないけど。


しかしなんでオープニングはアングラテイストなんだろう。
♪国境は歴史の傷口で〜みえない薬をさがしてるー だっけな?
頭でグルグルまわるよ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人の心に深く深く潜ってゆく

記憶は青年、見た目はおじいさんという非常に珍しい境遇にあるハルという人物が主人公の作品です。

概要としては主にメタル(メタリアル・ネットワークという仮想現実)内で起きた様々な事件をダイバーと呼ばれる調査員が解決していくというものですが、同時にハルの再起、人間と人間、人間とテクノロジー、延いては人間とテクノロジーと地球の関係を壮大な視点から描く試みがなされています。

全体的に見ると派手な演出は極めて少なく、アクションシーンについても少なめで、あっても淡々と描かれる事が殆どなので、外へ向かうよりも、内へ内へと向かう印象を強く受けます。現実及びメタルにおける人物(知的存在)同士の対話が本作品の主役であり、最も重きが置かれている点であります。ほぼ全ての会話シーンは言葉のみならず、人物の表情、間の取り方からも感情を推し量る事が出来る程に極めて緻密に作られており、さらにメタル内のダイバーは人の思考や嗜好、思想や哲学など様々な場所に文字通り潜って行きます。

人によっては気になるであろう「精神的には青年の筈のハルが見た目の通りに老成しているのは何故なのか?」という疑問については、ハルの元来の知性に加え、老いた体に心が付いて行ったものと私は解釈しています。電脳の助けを借りている為とも考えられます。そんなハルおじいさんの青年の部分が垣間見える「無垢な言葉に傷つく人間もまた無垢なんです。」という台詞は非常に印象的でした。

正当に評価されていないと言われる事が多々ある本作ですが、それなりに原因はあります。第2話のにゃもの下着が見えるシーンと最終話のご褒美的な展開の二点がそれで、両者とも作品全体の価値を貶めるものではないのですが、前者は女性の視聴者に対する配慮が足りず、後者についてはSFとしての説明が皆無であり、またご褒美が無くても良いエンディングだったので、やや蛇足気味に見えてしまったという事でしょうか?(前者は結構あからさまな描写なので、あれで切る人がいたら勿体無い。)また私個人としては「RD潜脳調査室」というタイトルから刑事物の様な硬めの印象を受けてしまった為、最後まで違和感を拭い切れませんでした。

以上良い所も、残念な所もいくつか述べてしまいましたが、この作品の全体の価値と比べれば、欠点については些末なものと言い切ってしまっても良いと思います。テクノロジーと自然環境についての問題は、その恩恵にあずかっている全ての人間が責任を負うべき問題ですので、この様なアニメが貴重であるという事は言わずもがな、もっと増えて欲しいなぁと思う次第です。

余談になりますが、作中で描かれている情報の可視化という技術は限定的な用途ではあるものの、既に実用化されており、大学や企業のセキュリティに導入されているそうです。もしこの様な技術がさらに発展し、ネットワーク内の様々な情報を感覚として享受出来る様になり、本作品の15話「食」で描かれた様な弊害が生まれてくるとしたら、人のリアルに対する執着がますます薄らいでいってしまう気がします。「紅殻のパンドラ」でも拓美ちゃんが暇つぶしにぱりぱりやってた電脳ポテトチップがありましたが、この作品を視聴した後ではちょっとだけ危険な感じのモノである様に見えてしまいました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

81歳の老人ダイバーと、15歳の女子中学生がバディを組むって、それだけでもうドラマが生まれそうじゃない?

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
制作に士郎正宗さんが関わっているということで、設定やら雰囲気は「攻殻機動隊」に近い部分があります。もっとも、続編ではなく、設定などを受け継いだ、「攻殻機動隊の先にあるかもしれない未来のひとつ」を描いている作品と言えるかもしれません。

私的に、「THE もっと評価されてほしい」作品。地味ながらも丁寧に作られた世界観にドラマ。心情を深く描く手腕。色々と考えさせられる作品です。(あにこれ基準で)75点は超えてほしいな~と思ってます。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「欲」というのは、人間の行動原理として、かなり純粋なものだと思います。

「食欲」「性欲」「睡眠欲」といった三大欲求は勿論、「支配欲」「自己顕示欲」「物欲」など、「欲」にも様々。

そんな「欲」が、「安易に」「無制限に」叶えられてしまう世界があったら、果たして現実にどこまで興味をもてるのかな? 仮想現実世界を支えるの(運営)は、現実の人間なんだろうけど、そんな運営の人々まで、帰ってこなくなったらどうなるんだろうな、と、思ってみたり。

あとはまあ、「自然」と「科学」の優劣の問題。高度に発達した「科学の力」は、果たして「自然の摂理」に勝るのか。この点は、これまでのアニメではほとんどなかったテーマ性で、色んなことを考えさせられました。

本作の問題提起としては、そんなところかと思います。

他方面の魅力としては、やはり、ハル(老人)とミナモ(女子中学生)の関わり&ソウタ(人間)とホロン(女性型アンドロイド)との人間ドラマでしょうか。

現実世界では、若さ溢れるミナモと、介護されないと厳しいハルとの対比が観られますが、1度、メタルへダイブすれば、30代の頼りがいのあるハルと、やっぱり突っ走っちゃうミナモとのバランスが良く、「相棒」的な感じで面白かったですw ソウタとホロンの絶妙な恋愛模様は見処のひとつであり、こちらの結末には満足です。安易に、ホロンが人間になったりしなくて良かったです。

それだけに、ラストの「ハル」の若返りと、ミナモとの恋愛展開は本当にいらない。ちょっとガッカリです。逆浦島太郎ですか(苦笑)? 二人の関係を「男女」にしなくても、「親子」や「祖父と孫」、あるいは、「相棒」「友達」で、十分にドラマは成り立っていました。ソコは本当にマイナス。ファンタジー→SFの流れはまだ良いですが、SF→ファンタジーの流れは、やはりご都合主義感が強くなりますしね。

あと、よく「ふとももが~」とか言われますが、この漫画家さんのキャラデザの特徴のようですね。個人的には、「どうでも良い」です(笑) プラス査定にもマイナス査定にもなっていません。別にキャラ萌えアニメではないんで。でもまあ、それ(むちむち感)が、一部の層を除きw、概ねマイナスになっているようなので、それは残念だな~と。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
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