ドラムでノイタミナなTVアニメ動画ランキング 1

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86.4 1 ドラムでノイタミナなアニメランキング1位
坂道のアポロン(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (2173)
10067人が棚に入れました
1966年初夏、船乗りの父親の仕事の都合で、横須賀から長崎県の田舎町へ転校してきた一人のナイーブな少年・薫。
転校初日、バンカラな男・千太郎との出会いのおかげで、薫の高校生活は思わぬ方向へ変化していく。
更に、薫は千太郎の幼なじみ・律子に、律子は千太郎に、千太郎は上級生の百合香にと、それぞれの恋の行方も複雑になっていく。

声優・キャラクター
木村良平、細谷佳正、南里侑香、遠藤綾、諏訪部順一、北島善紀、岡本信彦、村瀬歩、佐藤亜美菜、鈴村健一、櫻井孝宏
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

原作を読まずに待ってた

とうとう終わってしまった。
10話から最終回まで、かなり駆け足ではあったけれども
うまくまとまっていたし、時の流れを早くに見せてくれたほうが
ぼんや千太郎の高校時代の純粋さを残した記憶のまま、
大人になった彼らの姿を観ることになるので、
なおさら感動できたのかもと思う。

心が震えた細かいシーンを挙げればたくさんあるけれど、
最終回を観終えた今思い返すと、くるまった白いシーツを
ぼんがふわっと取り上げるシーンが合計3回出てきたことが印象的。
1回目は学校の屋上で千太郎と初めて会った瞬間。
2回目は病院の屋上で、3回目は教会で。

千太郎=ドラムっていう象徴が、ぼん=ピアノというほどに
2人は言葉で会話する以上の内容と、絆と幸福感を、
演奏を通して分かち合っているのが素晴らしい。

どんなに年月が経っていようが、心のどこかで信じて待っている。
8年経っても使い込まれている千太郎のドラムを見てそう思った。
一方、ぼんのほうは場所が教会だったため、ピアノではなかったものの、
当時流行り始めていたエレクトーンが、時代を象徴していてとても良かった。

そうそう、2人に再会をさせることになるきっかけが
{netabare}
百合香さんだったことも、彼女が淳兄としあわせに暮らしていることも、
なんだか嬉しかった。とにかく、感無量・・・
{/netabare}

原作を既読の方にとっては、想う部分がまた違うかもだけれど
未読の僕としては、爽やかな終わり方で、大満足です。

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<9話の感想>

タイトルとなった曲は・・確か使われてなかったと思うのだけど、
「私を愛すか置いていくか」って意味そのまんまの展開だった。

今回はそれぞれの想いが、ギュギュっと詰め込まれて、
でもそれが全然違和感なく、綺麗にまとまっていたと思う。

思いがけず、自分の中に新たな恋が芽生えていることに気づいて
揺れ動きながらも打ち明けられない想い。
{netabare}
思いがけず、自分が好かれていたことに気づいて戸惑い、
本命の女性を奪っていった淳兄への果たし状として
最後のセッションをする千太郎。

何度も積極的なアプローチをしたのにも関わらず失恋した薫は
律ちゃんの心の変化に気づくはずもなく・・・

そして、百合香を大切に想いながらも、東京へと戻らねばならない淳兄。
ホームでの二人の会話があまりに切なくて、胸がズキズキ。
でも、列車が動き始める瞬間に聞こえたある言葉で、
咄嗟にとった彼の行動には正直、拍手喝采!うるうるきた~

「どうしよう・・・乗せちまった」

「これからどうするの?」と頬を赤らめ
嬉しそうに微笑んだ彼女の顔がとても魅力的だった。

百合香に大胆な行動をさせるきっかけとなったのは、
「何も言わんで終わりを待つのは もうやめようと思って」
という律ちゃんの一言だった。
{/netabare}

しかし、いつ聞いても律ちゃんの長崎弁は癒される。
かわいくて仕方ない!そして次回はついに彼女も?

あ~~~来週が待ちきれないよっ☆

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<8話の感想>

文化祭以来モテモテの薫、人気急上昇。
あみもののテキスト本にある写真を見て、薫をふと想う律っちゃん。
淳兄がアパートの階段に落としたショートピースの箱を拾って
火をつけないままくわえ煙草をしてみる百合香。
百合香の言葉から、大学時代の同志を想う淳兄。

つまらないことで胸をドキドキさせながら誰かを想う
せつない気持ちを歌った「シーズ・フーリッシュ・シングス」が
今回のタイトルだった。

それにしても、淳兄の部屋で
{netabare}押し倒されたときの百合香。
抵抗した手のひらに、彼の胸の激しい鼓動と本心を察知して
即座に冷静な態度をとれちゃうあたり、{/netabare}
只者ではないぞとw
到底、千太郎には手の届かないふたりだね、やっぱり。

でもそんな千太郎が、薫の投げかけた一言から、
{netabare}幼い頃からの律ちゃんの自分への想いに{/netabare}
気づくくだりには、こみ上げるものがあったなぁ・・
そして商店街から見える夕空があまりにも美しかった。

律ちゃんは自分の恋心が揺らぎ始めているようだし
今後もひと波乱ありそうで。
恋愛を諦めて友情を選んだ薫は、果たして・・

まったく、唸るほどに脚本がうまいなぁって思う。

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<7話の感想>

なんだかんだ、この作品に関してだけは毎回感想を書かずにいられなくなる。
そのくらい内容が濃く、毎回胸をアツくさせてくれる物語だ。

今回は文化祭を中心にしたお話。
前回の海辺での気まずさを引きずっている千太郎と薫の
意地の張り方がなんとも、傍から見てると微笑ましいけど
当の本人たちにとっては心がズシンっと重くなるほどなんだろうな。。

そして長崎らしく、また時期的にも7月あたりなので
雨のシーンが多いのも、なかなかリアルだし、薫の心情を表す演出に
すごく役立ってる天気だと思う。

さて文化祭当日。 ちょっとしたアクシデントが。
でもそのおかげで、「雨降って地固まる」ことに。

千太郎のセリフ「大事な相棒 待たせとるけんな」にジーン。。
そして千太郎と薫の息の合った演奏に、またまたジーン・・・
ジャズメドレーでの2人の演奏中、体育館へとまっしぐらな校内での生徒達の足元や
回想シーンにもう我慢できなくなってウルウル。。。(><。

さらには、演奏直後のラストシーンにもジワ~~~っと胸が熱くなり・・
ほんと、たまらないよなぁ・・毎回こう泣かされちゃ(笑)

アニメ版のサントラに入っていた文化祭での曲がノーカットで
流れていたのも感動だった!

百合香さんにとっては、なかなかへヴィーな回であったわけだけど
彼女の恋はどうなっていくのか・・今後はそちらも気になるところ。

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<6話の感想>

薫の不安、嫉妬、傷心・・・痛いほどビンビン伝わってきて
後半は思わず目頭が熱くなった。
わかるよ~めちゃめちゃわかる、感情的になってしまった彼の想い(><。

今回新登場のビートルズファン 松岡くんを、
薫くんが認める時は来るのかな?
恋には鈍感だけど、友情には深いものを示す千太郎の今後次第で
物語はさまざまにカタチを変えていきそう。

印象的だったのは、絵画とジャズは近いところにあるという言葉。
絵画はキャンバス、ジャズは演奏に、その場その時に生きている自分を
刻み込む感じがする・・という淳兄の言葉。
それを想うと、今の薫くんは日々そのものがジャズだよね。

ちなみに今回の表題、「You don't know what love is」
ジャズナンバーの1曲なのだけど、僕はニーナ・シモンの歌で聴くか
ソニー・ロリンズの演奏で聴くのが好きです。
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<5話の感想>

先月28日にリリースされたばかりの24曲入りサントラの中の
大好きな1曲「バードランドの子守唄」
これはいつかかるんだろう?と思っていたら今回だった。
しかもしかも、反則なほど感動してしまうシーンで流れやがった!

ちなみに音楽については、ジャズについてかなり詳しく書かれた
hiroshiさんのレヴューをオススメする。

そして今回は70%涙が溢れて15%クスクスニヤニヤ、
残りの15%はセツナイ思いで胸が痛んだ。

{netabare}まずは薫と律ちゃんの糸電話のシーンが秀逸!
東京にいる母と薫が再会し、食事しながら失恋を笑い飛ばすシーンに号泣。
淳兄のアパートを千太郎と訪ねた時、百合香からの手紙の束がポストに
挟まったままなのをみつけ、慌てて部屋に押し込む薫の思いやり。
薫の東京行きに強引に同行する千太郎の友情・・{/netabare}

もう何もかもが心に響いた今回の5話。
ますます今後が見逃せない。

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<4話まで視聴>

{netabare}律ちゃんに恋をした薫。
律ちゃんは千太郎、千太郎は百合香、百合香は淳兄・・{/netabare}

やはり予測したとおり、恋の輪舞曲という感じ。
でも、みんなすごく純朴なところがあるので、ペースはスロー。
傍から観てるこっちが照れくさくなるほど、初々しすぎて眩しい・・

それだけに、手痛い失恋なんかして欲しくないのだけど。
みんなそうやって成長していくのだよね。
その成長がまた、ジャズの上達ともクロスオーバーしていて
とても好感が持てる。

律ちゃんの前で、度々眼鏡を外して何気にアピールする薫や
好きな子の前では純情剥き出しになってしまう千太郎、
そして律ちゃんの胸のうちのチクンっとした痛み・・
みんながとても純粋で、素敵だ。


<以下は初回を観てすぐの感想>
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まず一言。

「待ち遠しかったーーーっ!!」

ずっとアニメ版の放送を楽しみにしてきたので、ほんと嬉しい。
1話を視聴したが、作画も脚本も演出もキャラデザも音楽も、
どれもこれも予想以上に良かった。

テレビアニメ『COWBOY BEBOP』を手がけた監督 渡辺信一郎氏と
音楽を担当している菅野よう子さんの久々のタッグ。

舞台は1966年の初夏の長崎。
父親の仕事の都合で横須賀から転校してきた高校一年生の西見薫と、
「札付きの悪」と周囲から恐れられている川渕千太郎、
千太郎の幼馴染である迎律子、このクラスメイト3人が主な主人公。
優等生で心を閉ざしがちだった薫が、
千太郎や律子との出会いをきっかけに知ったジャズの魅力をベースに
彼らの友情や恋模様を描いていく物語。

ピアノ、ジャズ、1960年代、港町長崎・・・
どこをとっても個人的にドストライクな作品なので、
これからの毎週が楽しみ。

すでに発売されているコミック版のサントラの収録曲リストは
全12曲で以下の通り。
これらの曲がアニメで演奏されていくのかと思うと
すごくワクワクする。

1.モーニン (アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)
2.ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ (ホレス・シルヴァー)
3.いつか王子様が (quasimode)
4.チュニジアの夜 (アート・ブレイキー)
5.バット・ノット・フォー・ミー (チェット・ベイカー)
6.アス・スリー (ホレス・パーラン)
7.ラヴ・フォー・セール (キャノンボール・アダレイ)
8.イージー・トゥ・ラヴ (サラ・ヴォーン)
9.マイ・フェイヴァリット・シングス (quasimode)
10.バグス・グルーヴ (ミルト・ジャクソン)
11.ブルー・トレイン (ジョン・コルトレーン)
12.マイ・ファニー・ヴァレンタイン (ビル・エヴァンス&ジム・ホール)

あぁ~~普段はクラシック畑が専門なのに、
これでまたしばらくジャズにふけってしまうのだろうなぁ~
ジャズ好きの父のおかげで、けっこう知っている曲は多いものの、
薫と自分が猛スピードでシンクロしていくのが可笑しかった。
アニメが生活の一部になってしまっている今、
つくづく影響受けやすい自分ですw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 127
ネタバレ

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Jazz Standerd

 20世紀に生まれたジャズの初期は「聖者の行進」「A列車で行こう」「SING SING SING」のような決まりきった曲を演奏する音楽だった。40年代に入ると即興を中心とするモダン・ジャズの時代へ突入していく。60年代にはエレキギターが流行し、ジャズも変化の時代を迎える。そんな時代の物語。

 舞台は1966年初夏の佐世保市。クラシック畑のピアニスト カオル(ボン)が、バンカラなドラマー千太郎(セン)に出会いジャズにのめり込んで行く物語。友情あり恋ありですが、その道程はアメリカの南部ニューオーリンズの黒人音楽から生まれたジャズのように厳しい。

 「Jazzって何となく難しそう」なんて入り口で止まってる人には是非見てもらいたい。演奏シーンの作画は圧巻。まるでライブハウスにいるようなセッションの雰囲気を楽しめる作品となっています。

 音楽はカウボーイビバップ等を手掛けた菅野菅野よう子さん。菅野さんの本気が見られる本作となっており、全ての音楽に気合い入ってます。

 私も某ジャズフェスの実行委員会をやってしまう程のジャズ好き。あまりにもジャズが好きすぎて、各話のレビューを書き過ぎてしまいました。

1話目 Moanin'
{netabare}千太郎の枝でのドラムや、ドラムソロはビックバンド系のドラムを思わせる。音楽の部分の描写は流石だが、音楽が古典的でちょっと不安になった(後で聞き返したら、ビバップのドラムもそんな感じでした)。そういや1話目のタイトルはMoanin'アートバークレーだ。各話タイトルはジャズのスタンダード・ナンバーばかり。音楽は30年〜60年代前半が中心っぽい。安心した。

それは置いといて、BL路線ですか〜?{/netabare}

2話目 Summertime
{netabare}タイトルはSummertimeだけど、劇中では出てこない。ボーカル付きだとノラ・ジョーンズが好き。ジャズシンガーの中でもノラ・ジョーンズはポピュラー寄りで取っ付きやすいと思う。

劇中のセッションは、マイルス・デイビスのBag's Groove。これぞジャズ!!というセッション。ゾクゾクしました。原曲とは全く違うアレンジ。何にでも化けるのがJazzですね。流石の菅野よう子さんです。

恋愛要素は2話目にして複雑になってきましたね。{/netabare}

3話目 Some Day My Prince Will Come
{netabare}三角関係も複雑になってまいりまして、ハンカチでひと悶着。

セッション曲は、But not for meでいいのかな。祭りのお囃子ドラムとキレッキレのピアノのセッション。ドンドンタヵッタwwwって笑ってしまいました。音楽で通じ合えるっていいですね。

最後の曲は、Some Day My Prince Will Comeのピアノソロ。ディズニーの白雪姫の挿入歌。ジャズだと、ビル・エバンス、マイルス・デイビス、オスカー・ピーターソン他数多くのアーティストにカバーされてます。個人的にはマイルス・デイビス版が好き。ディズニー曲だとA Dream is a Wish Your Heart Makes(シンデレラ挿入歌)が好きだなぁ。あと、When You Wish Upon a Starは、どうアレンジしても良い曲にしかならない。それと・・・(永遠に続く

「降りてこいマイルス・デイビス!」と言いながら、マイルス・デイビスよりも情緒たっぷりで弾いて告っちゃいましたね。好きな人がいることを知りながら告白するときの気持ちってどうなんでしょう?超気まずい。{/netabare}

4話目 But not for me
{netabare}季節はもう冬!!
1曲目はHorace SilverのBlowin' The Blues Away。いい選曲です。コードをちょちょいと押すだけでいい音楽というのは出来上がるもんです。

気持ちを知りながら初チューを奪うって何事よ!!許せん!!少女漫画の流れがよく理解できない……

初ライブ、Blowin' The Blues Away〜But not for me。
音楽で語り合うっていいですよね。小さなライブハウスだと目線がよくわかるので、目線で語り合ってるのを感じ取れます。しかも、客とも目線が合うんですよね。会場全体でセッションしてる気分になります。今回は……失敗ですね。

恋愛はかなりもつれてきましたね……どうなるんだコレ!!{/netabare}

5話目 Lullaby of Birdland
{netabare}失恋と傷心旅行で母親に会う話。

タイトル曲はLullaby of Birdland母親に渡したレコードの事。ボーカル・ジャズは範囲外なのでよくわからない。バードランドはマンハッタンのジャズクラブ。意味深過ぎる。

そういやテーマはジャズなので、オトナの事情も絡みまくりですね。{/netabare}

6話目 You don't know what love is
{netabare}タイトルが意味深ですね。Loveと恋は違うのか。これは孤悲なんだと(受け売りですんません!!)。全体的なテーマかと思う。

で、坂道のアポロンのタイトルの由来、アポロンとダフネーの話が出てきて腑に落ちる。悲しい話になりそうな予感たっぷりになってきたぞ。

JRのそうだ京都、行こう!のCMで使われてるMy Favorite Thingsは、サウンド・オブ・ミュージックの挿入歌でしたね。玉手箱のような曲でCMとぴったり来ます(気付くの遅!!)しかし、律子は「気がついたら終わっとった」「いつまでも見られると思っとったやろか」と……意味深すぎるよ!!

ビートルズのレコードの話。時代はベンチャーズブーム後、エレキの時代へと突入ですよ〜。ボンは新しい千太郎の友人に嫉妬。BL路線もまだまだ引きずってるよね。女々しすぎる……男はホモ以外そんな事考えないよ〜{/netabare}

7話目 Now's The Time
{netabare}タイトルは、チャーリー・パーカーのNow's The Time。大好きな曲ですが、モヤモヤしてるのに何故明るい曲のタイトルなんだろうとの疑問が湧く。文化祭で電気系統のトラブルからのセッションか〜なるほど〜

曲はメドレーでMy Favorite Things〜Some Day My Prince Will Come〜Moanin'。思い出の曲ばかりで涙腺が崩壊するかと思いきや、アレンジは60年代を通り越して、まるでバックトゥザフューチャーのJohnny B. Goodeの演奏シーンようで呆気に取られた。「君たちにはちょっと早かったかな」というセリフが欲しかった(笑{/netabare}

8話目 These foolish things
{netabare}タイトル曲は恋人との思い出をつらつらと並べた歌。劇中は出て来ない。These foolish things remind me of you。こんなつまらないものが君を思い出させるんだ。ということらしい。オリジナルは古すぎるのでElla Fitzgeraldとか、Frank Sinatraとかいい。

この時代を選んだ理由がわかった気がする。エレキが登場し、学生運動が盛んになった激動の時代。特に抗うこと無く生きてきたのでこういう時代に憧れが強い。

ミステリアスな淳兄はいい感じに擦れてしまいましたね……それに伴いミステリアスな百合香も同じ道へ……嗚呼

セッションは心を表しているかのように乱れてるなぁ。音楽と心がリンクしてるのが本作の特徴ですね。それにしても全然先が読めない。{/netabare}

9話目 Love Me or Leave Me
{netabare}タイトル曲は……愛されないなら孤独を選ぶわ……という内容の歌。そんな展開になりそうな予感が……

クリスマス会の曲は、ザ・スパイダーズのバンバンバン。スパイダーズは初心者の練習曲に良さげ。アレンジ次第では相当化ける。

淳兄とセンのバトル。曲はマイルス・デイビスのFour。ライブアルバムFour & Moreのセッションの再現ですね!!So Whatもやってくれ〜(そういうシーンじゃない)
センが別れのセリフに「おい、一生忘れんけんね。」と言ったが、ロシア人の血が入った博多の友人に言われた事のを思い出してゾクッと来た。そういや長崎弁に違和感が殆ど無いんだよな。

さて、恋愛は佳境ですね。どう締めるんだろう……{/netabare}

10話目 In a sentimental mood
{netabare}タイトル曲は……デューク・エリントン。変化球飛んできましたね。古典です。ってはじめのシーンからおセンチですよ……

ボンは女の心変わりに気づかない鈍い男ですが、男の8割こんなもん。ってか最初の積極性は何処行ったよ?

劇中の雪合戦シーンで流れるのは同じくデューク・エリントンのSatin Doll。ゴキゲンなナンバーですね。デュークは好きじゃないけど、ミシェル・ペトルチアーニのピアノの弾くデュークに惚れた。並んで評されるキース・ジャレットは別格の天才です。

後半は文化祭で盛り上がるかと思いきや、センが出て行ってしまう。最初から最後まで凄い展開だ。{/netabare}

11話目 Left alone
{netabare}タイトル曲は、マル・ウォルドロンのLeft alone。角川映画「キャバレー」の主題歌でもある。「あいつは一人で行(逝)っちまった」とハードボイルド。オシャレでポップなアレンジも多い。曲は杞憂で終わった。良かった・・・

親父さんとのセッションは、マイルス・デイビスのMilestones。ビル・エバンス・トリオのピアノが良い。

それから、飛び込みで、リツコのFavorite Things。段々ノって来る感じがたまらん!!

で、事故!!なにこの展開!!Left aloneは杞憂ではなかった……俺の涙を返せ〜{/netabare}

12話目 All Blues
{netabare}タイトルがぁ〜タイトルがぁ〜マイルス・デイビスですね。曲は超暗いっす。Kind of Blueはモード・ジャズの名盤ですが、アルバムの中ではSo Whatの方が好きだよ!!嫌な予感しかしない。

それぞれの生活が始まり、音楽を忘れる日々。写真をきっかけにボンは九州へと戻り、坂道をかけ登る。その先にはアポロンがいると思うと、ゾワゾワしてしまいました。久しぶりのセッションMoanin'。相変わらずカッコいいっす。

3人は再会を果たすけれど、みんなででまた……という展開は無いだろうなぁ。甘酸っぱい青春ストーリーでしたね。あ〜終わっちゃったなぁ……という感想かな。

おいは、しばらく九州弁が出そうな予感がするとです。{/netabare}

古いジャズって教養として聞くだけで、あんまり好きじゃなかったんですが、坂道のアポロンをきっかけにクラシックなジャズにもどハマりしてしまいました。ジャズってどの時代もいいですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ジャズの旋律に導かれて

転校続きで人と関わり合うのが苦手な本作の主人公「薫」。
それは今回だって相変わらずだった。
物珍しそうにこちらを見る目、何かを期待してくる目、人の気も知らず勝手な妄想で僕がぼくから離れいく。
そしてもう一つが洗礼。小さな丘の上のライオンは惨めなもので、その卑小さに比例して大きく吠える。
彼の身体は奇しくもそういうことを習慣的なものごとのように捉えていてストレスの捌け口として対処法に嘔吐を選択している。
だから彼は頻繁に吐き気を感じていた。いつものことのように彼はその予感を感じ、ある場所を求め教室を飛び出した。
そこはいつどこの建物にだって物理的にも普遍的にも一つの場所にしかなく、独りであることに落ちつき享受できる場所だ。
薫は目指す。腕を振り、足を持ち上げ階段を飛ぶように駆け上がる。どんなときだってこんなに速くは走らない。
階段をすべて上がりきるとその場所がドアのガラス越しに見える。そう、ある場所とは屋上のことだ。
のっぺりとし、なにも語らないコンクリートの床が広がり、自分の役目を忘れたフェンスが周りを取り囲む。
しかし、上を見上げれば無限に広がる空がある。風は自由に通り、雲はそれに合わせてゆっくりと歩く。
薫は早く行きたかったがドアの前に教室で生徒たちが使う椅子が4つ並べられ白い布を全身に被さり誰かが寝ていた。
そのときの彼は不思議なことにゆっくりと、けれど躊躇なしにその布を一度に引っ張った。
薫には何かを引きはがしたかのような感触があった。布は大きく揺れ、バサバサと心地よい音を立てる。
それは晴天の下で干した大きなシーツが風にはためくときに聞く音よりもう少しだけ、神聖な音がした。
何かが起こる前兆だ。そこには大柄で顔に傷だらけの男が眠っていた。
薫はこの男との出会いをきっかけにジャズというものを知り、友達を知り、恋を知り、そしてそれらの尊さと儚さ、
またそれゆえの難しさと大切さをその身をもって知ることになる。


古き良き時代の友情と恋愛のお話。
ジョン・コルトレーンが死んだと言っていたので設定年代は1967年。まあ本編の中のカレンダーにもあったけどw
いささか薫くんの情緒不安定さによる小さな急展開にはびっくりしてしまうけど、その内容については共感できるもので、
作品自体も絵や雰囲気や何を描くかということがはっきりしていてとても見ごたえのある作品に仕上がっています。
これが「坂道のアポロン」なんだ、と謙虚で礼儀正しい誠実さとオリジナリティをそこに見ることができます。
登場人物たちは律ちゃん以外はあまり社会に馴染めない人たちのようでやることがいちいち極端なのですが、
それがただの「若さゆえの過ち」より一つ上のものに感じます。衝動でもあるけれど、むしろそれは「選択」かなと。
悩みに悩み、正しさの見つからぬまま、揺れ動く少年少女を上手く描いていると思います。
何より魅力なのは、彼らの人生のひとコマと関わり合うジャズ。
切っても切り離せないそれは青春そのものとなり、それを突き抜けて人生そのもの、とまでは描かれませんが、
おそらくそうなるでしょう。ジャズの演奏だけは薫と千にとっては特別の中の特別なものです。
ジャズを奏でる2人は絶対不可侵了域を作りながらも聴くもの惹きつけ、感動させます。
演奏者自身は演奏以外では得られぬこころの震えに浸り、一方ではスィングした演奏を貪り喰らう。
相反したそれらから生まれるものはどこに行っても買えないもの。まさに「時を刻んで」いきました。

坂道を転げ回るこどもたちは一体どこに向かっているのでしょうか。
何度転んでも、過ちを犯しても、必ず誰かが手を差し伸べてくれた。
ほろ苦く、甘酸っぱい青春がそこにありました。何を感じるにも、傍には君がいて。楽しかった。
これからも。すべては、ジャズの旋律と共に。






余談
{netabare}
僕もジャズが好きです。演奏はまったくしない、できないのですがw 聴く専門です。
本編では超超有名どころが出てきています。アート・ブレイキーとビル・エヴァンスは特にですね。
律子の家のレコード店でアルバムのジャケットが出てくる度興奮してましたww

観ていて思ったのは、「スウィング」ってなに?ってことですよね。
千が薫の弾くピアノを聴いて言いました。「スウィングしとらんばい!」
でもまずそもそも「ジャズ」ってなに?と思いますよね。それは聴いて感じて下さいとしか僕には言えません。

じゃあ「スウィング」は何なのか。それも聴いて感じ…とは言いませんが、僕は「ジャズ的なノリ」と捉えています。
なんだかすごくバカみたいな言い方でほんとにジャズ聴いてるの?と思われるかもしれませんが、まあいいでしょうw
いろいろネットで検索してみると♪がどうたらと言っていますが僕にはわかりませんw
でも聴けば、うんうんこれがジャズだよね。と納得できます。
あとは1920から1930年代頃まで流行ったジャズは「スウィングジャズ」と呼ばれています。
「Sing Sing Sing」で有名なベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、グレン・ミラーなどなど。
でもそれはすぐに極められてしまいます。やることがなくなってしまったのです。フロンティアの消滅です。
そのあとにきたのが「ビバップ」。仕事の終わったジャズミュージシャンたちは集まって好き放題に楽器を鳴らしていたと言います。
クラシックでは嫌われるような和声も使い、使えるものは何でも使ってみたそうです。
そうして出来上がったのが「ビバップ」。即興演奏、つまり言ってみればアドリブのあるジャズ。
そこでは演奏者の腕の見せ所でもあり、それまでダンスミュージックとして流行ったスウィングジャズとは異なり、
聴衆ではなく、演奏者自身が楽しむための音楽へと変容していきます。とは言っても聴くのがつまらないわけがない!
白熱したセッションは聴く者をどんどんと惹きつけていきました。本編でバーにてお客を前に演奏したときのあの演奏です。
あれは「Blowin' The Blues Away」という曲でホレス・シルバーの曲で、めちゃめちゃ良いですよ!!
この時代、衆目を最も引きつけたのは、チャリ―・パーカーというサックス吹きでした。
他にもマイルズ・デイヴィスやセロニアス・モンク、バド・パウエル、マックス・ローチなどなど。

と、話がだいぶ反れましたがw

まあジャズとスウィングについてほんのちょっと語ったところで、
本編で出来た、アート・ブレイキーとビル・エヴァンスについておすすめしたいです。
アート・ブレイキーはドラマーで、その激しく力強いドラムは「ナイアガラ瀑布」なんて呼ばれもします。
本編で流れた「Moanin’」では激しく叩くところも、ソロもないので、このアニメを観ただけでは伝わっていませんね。
聴けばびっくりすること間違いなしです。「A Night In Tunisia」「Split Kick」「Sincerely Diana」のソロはおすすめです。
他にもドラマーなら、マックス・ローチとバディ・リッチです。叩きまくりのすごい2人。
本編でも薫が千にスティックをプレゼントするはずが突然キレて公園で落ち込んでいると
千がやって来て街灯を叩きながら「よっ、マックス・ローチ。」と言うシーンがありました。
千のドラムを最初聴いたとき、ちょっとマックス・ローチっぽいなあなんて思ったけど、やっぱり意識してたみたい。
そんなマックス・ローチなら「”the Quintet” Jazz At Massey Hall」というアルバムでの演奏はすご過ぎます。
特にとくに4曲目の「Wee」でのソロはとんでもないです!!!
さらにこのアルバム、チャリ―・パーカー、ディジー・ガレスピー、バド・パウエルという超豪華な組み合わせ。
みんな落ち目であってもその演奏にはとてもワクワクさせられます。僕はこのアルバムがちょっと好き過ぎるw


ビル・エヴァンスは僕をジャズの世界に引きずり込んだピアニストです。
初めて聴いたとき(何の曲なのかはまったく思い出せないんだけど)、なんて綺麗なピアノなんだろう!って思いました。
それまでピアノなんてわけのわからないものだったのですが、イメージを直接ひっくり返されました。
その中でもおすすめなのは「Waltz For Debby」というアルバム。表題の曲が本当に素敵。
もう甘美なまでのそのピアノの旋律に溶けてしまいそうになるくらい、美しい曲です。
ベースのスコット・ラファロは天才ベーシストとしてとても有名でしたが、交通事故で早くに亡くなってしまいます。
ビル・エヴァンスと共に録音できたのはたった4枚のアルバムのみ。
ビル・エヴァンスの演奏も彼と組んだときが最高だったと言われています。そう言われるとその4枚しか聴かないw


と、おすすめしてみました。
お気づきの通り僕が聴くジャズは昔のジャズだけです。もう死んでいった人達の音楽。
音の悪い録音もあるけど、そこにはそれでしか得られない感動と慰めと救いがあります。
ジャズはとても良い音楽ですよ。僕が言える資格があるかは疑問ですが、そんなこと関係なく素晴らしい音楽です。
ぜひ、聴いてみて下さい。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
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