Witch さんの感想・評価
2.5
折角「結婚」というお題目を掲げたのならそこにもっと切り込めよと!
【レビューNo.160】(初回登録:2024/12/25)
コミック原作の2024年作品。全12話。
(ストーリー)
主人公の大原拓也と本城寺莉香は、日本のとある旅行代理店の同僚。
人付き合いが苦手な2人は、それぞれ自分たちのペースで独身生活を満喫中。
ところがこの度アラスカ支店が開設、それに伴い独身者が海外に優先して派遣
されることになってしまう。
大原と本城寺はこの事態を回避すべく、嘘の結婚話をでっち上げることにする。
地味な2人の結婚話など誰も気にも留めないだろうと高を括っていたが、2人の
予想に反して周囲は盛り上がってしまい・・・
(評 価)
・結婚について真摯に向き合った展開を期待してたが・・・
原作者若木民喜先生は『神のみぞ知るセカイ』を手掛けており
・そんな若木先生が”結婚ラブコメ”をどう描いていくのか
というところに興味がありましたし
・始まりはアレだが、
「よく知らなかったお互いを知ることで、新たな恋が芽生える」
という着眼点は悪くない
・現在の若者の結婚事情といったところにも踏み込んでくれるのか?
といった期待もあったんですよね。
例えば
・10話位までいろいろなハプニングを乗り越えながら愛を育みプロポーズ
・残り2,3話で現在の若者の結婚事情やいざ結婚となった際のお互いのズレ
やすれ違い、それでも結婚を選択する意味etc
結婚について真摯に向き合った展開とか。
ところが蓋を開けてみれば
・偽装婚約がバレないようにとか実家への事情説明等ドタバタ劇はまあアリ
かなというところだが
・とにかく2人の関係が進まない!
{netabare}・7話で大原が告白するも互いにパニクって関係性が定まらずグダグダ
・10話でキスまでしたのにまだ決め手にならずグダグダ{/netabare}
・そして最終話で
{netabare}・アラスカ行きは後輩に決まりそうという噂が流れ
→ 「自分たちの責任だ!」と嘘を暴露
(これも何を今更って感じだが)
・これで2人の協力関係は解消だ・・・やっぱりプロポーズします!
何や!?この雑な締めくくりは!!{/netabare}
結局結婚どうこうより、不器用な2人がひたすら恋愛の入り口でウロウロして
るのを見せられ、最後に帳尻だけ合わすという何とも残念な作品だったなっと。
このじれったいラブコメに独自の面白さがあればまだ救いもありますが、そこ
も期待外れで「アレ!?若木先生劣化しちゃった?」って感じですし。
穿った見方をすれば
「原作者の技量のなさを『2人は不器用だから』という隠れ蓑で誤魔化した」
という臭いもするんですよね。
(テンパった2人に何か頓珍漢なことさせとけば面白いやろwみたいな)
・他のキャラもイマイチで思い付きでエピソードを創ってる印象
本作は2人のやりとりがメインになりますが、その他もイマイチでしたかね。
例えば登場人物として
{netabare}・実家に帰ったとき幼馴染の海山ナオが登場、しかも彼女も上京してくる!
三角関係に発展か!?
→ 全くの肩透かし
・本城寺さんのバリキャリママが登場!
→ これもその場限り{/netabare}
まあアニメ化による制約の影響もあるんでしょうが、エピソードを創るために
「新キャラ出しては使い捨て」みたいな感じが拭えないんですよね。
またサブキャラ回として
{netabare}・先輩社員が突然妻から離婚を宣告されてしまう
→ 何故か”ゴリラ化”して暴走
イヤイヤこのコメディ、作品から浮いちゃってるでしょ( ノД`)
・後輩がマッチングアプリで知り合った彼女にプロポーズ
→ 実は彼女はシングルマザーだった!(自分には覚悟が足りなかった)
これも単体でみればいい話でしたが、全体像でみると・・・{/netabare}
メインの2人は結婚どころか「恋愛初心者」でグダグダやってるのに、他方で
結婚どうこうの話を突っ込まれても、何だかなあっと。
全体像が練られていないというか、思い付きでエピソード創ってるような印象
を受けましたね。
『神のみぞ知るセカイ』は面白かったですが、若木先生これはちょっといただ
けませんわ。
コメディにキレがなく、いろいろと中途半端で唐突感も拭えないし。
「若者の結婚離れ」(安易にそう決めつけるのは間違いという指摘もあるが)
というタイムリーさもあり、ここら辺を深堀りしたら違った面白さもあったと
思うのですが、そこにはほとんど触れずでしたし。
折角「結婚」というお題目を掲げたのならそこにもっと切り込めよと!
なんか「結婚」というワードだけが独り歩きしてた感じですね。
本城寺さんのキャラ造形は微笑ましかったので、個人的には本城寺さん目当て
で視聴してたって感じですね。
大原君は・・・ドンマイw