スキマスイッチで熱いなTVアニメ動画ランキング 3

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91.9 1 スキマスイッチで熱いなアニメランキング1位
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3338)
18114人が棚に入れました
錬金術、それは「等価交換」の原則のもと、物質を理解、分解、そして再構築する、この世界で最先端の学術である。
この錬金術において、最大の“禁忌”とされるもの「人体錬成」。亡き母親を想うがゆえ、禁忌を侵し、全てを失った幼き兄弟。巨大な鎧に魂を定着された弟、アルフォンス・エルリック。機械鎧(オートメイル)をまとい、「鋼の錬金術師」の名を背負った兄、エドワード・エルリック。
二人は失ったものを取り戻すため、「賢者の石」を探す旅に出る。兄弟は「賢者の石」の真実に近づくにつれ、大きな陰謀の渦中へと突き進んでいく…。

声優・キャラクター
朴璐美、釘宮理恵、高本めぐみ、三木眞一郎、折笠富美子、内海賢二、藤原啓治、うえだゆうじ、佐藤美一、柿原徹也、浜田賢二、名塚佳織、柴田秀勝、三宅健太、井上喜久子、白鳥哲、高山みなみ、吉野裕行、沢海陽子、中井和哉、大友龍三郎

スガル72 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

錬金術について考えてみました

【鋼の錬金術師】は魅力的なキャラが多いと思います。
エドワード・エルリック、アルフォンス・エルリック、ロイ・マスタング、マース・ヒューズ、キング・ブラッドレイ、アレックス・ルイ・アームストロング、ヴァン・ホーエンハイム、グリード、リン・ヤオ。
ウィンリィ・ロックベル、イズミ・カーティス、リザ・ホークアイ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング。
女性作家だと、男同士の友情を描くのが苦手な作家さんもいますが、荒川弘は男性キャラも女性キャラも、素晴らしく魅力的な描き方ができる作家さんですよね。

エドとアルは目的のために手段を選び、自分が救われるための他者の犠牲を受け入れません。
ロイ・マスタングは目的のために手段を選ばず、全てを救うために軍での出世を求めます。
ウィンリィはエドとアルが帰って来られる場所であろうとし、ホークアイは依存することなくロイ・マスタングの側にいて彼を助けます。
皆、魅力的ですね。

私が特に好きなのは、グリードとリン・ヤオの関係です。
グリードは創造者により造られたホムンクルスであるという支配関係に囚われず、リン・ヤオは数多くの怨嗟の中に居ても自分を失いません。
二人共、何に対して強欲になればよいのか、それに気づいてるんですね。


最後に、荒川弘に敬意を表して、私も錬金術について少だけ語っておきましょう。
賢者の石が赤い色をしている理由など。

錬金術師達は、賢者の石を追い求めていました。
賢者の石は、不老不死と知恵をもたらすものだと信じられていました。
錬金術には西洋の系統のものと東洋の系統のものが存在しますが、その根は同じです。
賢者の石が赤い色をしているのは、その材料が赤い色をした硫化水銀だからです。
硫化水銀は硫黄と水銀の化合物です。
錬金術では、硫黄は火に例えられ、水銀は水に例えられます。
その化合物は賢者の石と呼ばれ、別名を赤い黄金と呼びます。
錬【金】術と呼ばれる所以です。

古代中国では、錬金術は錬丹術と呼ばれました。
丹とは赤い硫化水銀の異称です。
錬丹を行う技術は仙術や方術と呼ばれ、不老不死薬は金丹と呼ばれました。
金丹は赤い黄金という意味です。
これを服用した者が仙人と呼ばれます。

北欧神話においては、赤い黄金はカワウソの賠償と呼ばれる神話に登場します。
あるときオーディンと旅をしていたロキという神が、カワウソを殺してしまいます。
しかしそのカワウソは、オトという者が魔法で変身した姿だったのです。
オトの父はオーディンの身柄を拘束し、ロキにカワウソの賠償を求めました。
そこでロキは、アールヴ(エルフ)の国に住むドヴェルグ(ドワーフ)のアンドヴァリの持つ赤い黄金を奪い、オーディンの身代金に充てました。
この赤い黄金は、竜に化身したオトの兄弟ファーヴニルによって永い時を守られていましたが、英雄ジークフリート(シグルズ)によって奪われてしまいます。
ジークフリートはこの竜を倒してその心臓を食べ、知恵を手に入れます。
そのとき竜の血を浴びて不死も手に入れたそうです。
伝説ではこの後、ジークフリートはその血を唯一浴びなかった箇所を狙われて、死んでしまいます。
その後赤い黄金はジークフリートの妻の兄弟に渡り、フン族(古代中国の漢と敵対した匈奴の一族)の計略(ジークフリートの元妻と結婚し、その兄弟を祝宴に招く)により、ジークフリートの義理の兄弟は囚えられますが、その兄弟の兄が弟の心臓を要求してこれを殺し、自分も自殺して赤い黄金の秘密を守りました。

このフン族は、考古学的にはアジアからヨーロッパに向かった匈奴族のこととされます。
中国と敵対していた匈奴は、冒頓単于(ぼくとつぜんう)の時全蒙古を支配し、漢の劉邦を降しました。
後漢の時、匈奴は南北に分裂し、五胡十六国の乱に活躍した南匈奴は、北魏の華北統一後に漢人と融合同化し、北匈奴は2世紀の中頃カザフスタンに移住します。
4世紀ヨーロッパを荒したフン族が、この北匈奴の子孫だとされます。

司馬遷の史記、匈奴列伝より
『冒頓単于(前209-前174)の時、匈奴の騎兵隊は、西方の軍がすべて白馬、東方の軍がすべて青ぶちの馬、北方の軍がすべて黒馬、南方の軍がすべて赤みがかった栗毛の馬に乗っていた。』

旧約聖書ゼカリヤ書には、天の四方に向かう風と呼ばれる赤・黒・白・まだらの四種類の馬の引く戦車が登場します。

新約聖書ヨハネ黙示録には、赤・黒・白・青白の、世界の四分の一ずつを支配する馬が登場します。

古代インドには、マハーバーラタにも登場する、王者の行う祭式の中でも最高位のものとされる馬祀祭(アシュヴァメーダ)というものがありました。
それは太陽の象徴である神聖な馬を、東西南北の四方位に導く祭式です。
アシュヴァメーダの祭詞
『汝は天界に三個の親縁を有す。三個それは水中に。ゆえにヴァルナと同一』

エジプトはもともと太陽崇拝の国ですが、ピラミットの四辺は正確に東西南北に面しているそうです。
四辺+頂点で、四角錐を作れますよね。
ちなみに、ピラミッドは中南米にもあります。

マヤ族の神話には、チャクと呼ばれる四方位神が登場します。
東のチャク・シブ・チャク(赤い人)、北のサク・シブ・チャク(白い人)、西のエク・シブ・チャク(黒い人)、南のカン・シブ・チャク(黄色い人)。

中国には東海青竜王・南海紅竜王・西海白竜王・北海黒竜王の、四海竜王の伝説があります。
また玄武、青竜、朱雀、白虎の思想は、中国の戦国時代(前403-前221)頃に現われたそうです。
黒い玄武は北を表し、青い青竜は東を表し、赤い朱雀は南を表し、白い白虎は西を表します。
中国の四方位神の一人である白虎は、金星の化身とされ、艮(ウシトラ)方位の鬼門の魔神とされます。
白虎は別名を金神(こんじん)、太白(金星)、白帝、西海白竜王といいます。

アステカの神話では、四方位神の一人、西を守護する白いテスカトリポカ(人類に文明と火を与えた白蛇神ケツァルコアトルの別名)の心臓が、炎の中で焼け残り、天に登って金星になったといいます。
ちなみに東を守護する赤いテスカトリポカ(別名はトナティウで人身御供を司る神)もいます。
アステカ人は、生きた生贄の心臓を太陽神に捧げていました。
伝説では、トピルツィン・ケツァルコアトルという、ケツァルコアトル神の名を持つ首長は、生贄の風習に反対して敗れ、『黒と赤』の国に去ったそうです。

ジークフリートは竜の心臓を食べて知恵を手に入れ、竜神ケツァルコアトルの心臓は天に昇って金星になります。

金星は、古代インドでは知恵を授ける星とされました。
菩提樹の下にいた釈迦も、明けの明星(金星)を見て悟りを開いたそうです。
仏教では金星は虚空蔵菩薩と呼ばれ、知恵の化身とされます。
漢訳された虚空蔵菩薩の『虚空』とは、サンスクリット語ではアーカーシャといいます。
アーカーシャとは古代インドの思想で、過去・現在・未来の全ての知識が収められた空間のことです。
つまり『過去・現在・未来の全ての知識』を蔵した菩薩が、虚空蔵菩薩というわけです。

日本に真言密教を伝えた空海は、この金星の化身である虚空蔵菩薩の修行法(虚空蔵菩薩求聞持法)を行い、金星が口中に飛び込んだ幻を見て、どんな経典でも一語一句違わずに暗記できるようになったそうです。

日本の陰陽道とは中国の仙道(道教)が伝わったものですが、陰陽道では金星の精を金神(こんじん)と呼び、艮(ウシトラ)方位の悪神として、鬼門の神と呼びます。
陰陽道の金神は、別名を白虎といい、黄帝を頂点にした四方位神の一人です。
この黄帝を頂点にした四方位神は、木火土金水(もくかどごんすい)で表され、五行と呼ばれます。
図にすると五芒星(ペンタグラム)になります。
陰陽師の安倍晴明は、この五行印を好んで使用し、家紋にも用いました。
安倍晴明が使用した五芒星は、晴明桔梗と呼ばれます。

この五芒星は古代バビロニアでは、ギルガメッシュ王が不老不死を求めるきっかけとなった、金星の女神イシュタルの象徴でした。
ギルガメッシュ叙事詩の中でギルガメッシュは、不老不死を求めて太陽の通り道を辿ります。

五芒星は黄金比を持ちます。
円に内接する正五角形の構成要素である、二等辺三角形から作られる二種類の菱形。
この細い菱形と太い菱形の比が黄金比ですが、太い菱形の内角は72° と108°で構成され、細い菱形の内角は36°と144° で構成されます。

ヨハネの黙示録には、144000人の信者・42ヶ月・1260日・3日半・獣の数字666という数字が登場します。
42ヶ月は日数に直すと1260日なので、この二つの数字は同じものです。
3日半を年として考えれば3年6ヶ月です。
3年6ヶ月は日数に直すと1260日なので、この三つの数字は同じものです。
3年6ヶ月の36という数に注目して、1~36までの数字を順番に足してみると(1+2+3+・・・36)、答えは獣の数字と同じ666です。
そして144000が36を四倍した数144を表していると考えれば、
12×3=36
36×1=36
36×2=72
36×3=108
36×4=144

ヒンドゥー教の神話では、世界は生滅を繰り返していて、
その1サイクルは四期に分けられ、それぞれの期間はユガと呼ばれます。
第一期のクリタ・ユガは172万8000年続き
第二期のトレーター・ユガは129万6000年続き
第三期のドヴァーパラ・ユガは86万4000年続き
第四期のカリ・ユガは43万2000年続き
世界の消滅の後、また世界は生成され、同じサイクルを歩みます。
現在の人類は四番目のカリ・ユガに生きているとされます。

この数字が何を表しているかというと、

第四期のカリ・ユガの43万2000年を二倍すれば
第三期のドヴァーパラ・ユガ86万4000年になり

第四期のカリ・ユガの43万2000年を三倍すれば
第二期のトレーター・ユガ129万6000年になり

第四期のカリ・ユガの43万2000年を四倍すれば
第一期のクリタ・ユガ172万8000年になりますよね。

そしてこの四期を一年の4季節、春夏秋冬と考えれば、
一年の12分の1、つまりカリ・ユガ43万2000年の三分の一は
144000年になります。

つまり
144000×3=43万2000
43万2000×1=43万2000
43万2000×2=86万4000
43万2000×3=129万6000
43万2000×4=172万8000

太陽は黄道12星座の上を、右回りに巡行して行きますが、基点とされる春分点における太陽の位置は、72年で1°づつ、背景の黄道12星座に対して、左回りに逆行して行きます。
一周は360°ですね。
25920年で一巡し、この春分点における太陽と、太陽の進行方向と逆方向にスライドして行く背景星座との見かけ上の関係を歳差と呼びます。
25920÷12は2160年です。
2160年毎に天の春分点における太陽の背景12星座の位置は、スライドして隣の星座に移り、古代の神秘主義者はその背景星座を時代の星座と呼びました。

漢初までに作られたと言われる易の解説書、繋辞上伝によれば、
天を表す数は1・3・5・7・9
地を表す数は2・4・6・8・10
天数と地数の合計は55(1+2+3+・・・10)で、この55の数が全ての変化を表すとあります。
さらに易の乾(天)の策数は216本、坤(地)の策数は144本、合計360本で一年を表すとあります。

ヨハネ黙示録ではサタンは赤い竜の姿で現れ、イエスは子羊の白い血に染まった白い衣を着て、明けの明星(金星)と呼ばれます。
イザヤ書では、バビロンの王は天から落ちた明けの明星(金星)と呼ばれます。
西洋の伝説では、光の天使だった堕天使ルシファー(明けの明星を表すラテン語)も、天から落ちた明けの明星(金星)と呼ばれます。

リグ・ヴェーダ
『言語は四個の四分の一と測定せられたり。バラモン達は熟慮してこれを知る。三個は、秘密に隠されて運動せしめられず。言語の四分の一を人間は語る。』

『されどプルシャはさらに強大なり。万有は彼の四分の一にして、彼の四分の三は天界における不死なり。プルシャは四分の三をもって高く昇れり。彼の四分の一は、下界にありて新生せり。』

ブラーフマナ
アグニは始め四つに分かれていた。彼らが最初にホートリ祭官の職に選んだアグニは逃れ去った。第二番目に選んだアグニも逃れ去った。第三番目に選んだアグニも逃れ去った。そこでこの現在のアグニは恐怖のために身をかくした。彼は水の中にはいった。彼を神々は発見して、無理に水から連れ戻した。』

チャーンドーグヤ=ウパニシャッド
『心臓には褐色の微細な脈管がある。白色のもの、青色のもの、黄色のもの、赤色のものなどがある。この太陽も褐色であり、白色であり、青色であり、黄色であり、また赤色である。』

旧約聖書の創世記では、知恵の木の実と命の木の実の生えるエデンの園には、四つの川が流れています。

無量寿経より
『さまざまな宝石よりなる青蓮華、紅蓮華、黄蓮華、白蓮華に満ちた、美しい川や池を見たであろうか』

中国の仙界である崑崙は、四階層に分かれていて、この人間の世界はその最下層にあるとされます。
この崑崙の上層には、玄武・青竜・朱雀・白虎に四方位を守護された、黄帝が住むそうです。

玄武・青竜・朱雀・白虎は別名を黒帝・青帝・赤帝・白帝と呼ばれ、中心の黄帝と合わせて天帝と呼ばれます。

中国には易経に載る、四象(ししょう)というのがあります。
太陰(吸気)・少陽・太陽(呼気)・少陰です。
この四象は太極という一点から生じます。

インドのウパニシャッドによれば、白い心臓には四方位と上方を守る五人の門番がいて、上方の道を辿ると太陽に達し、人は不老不死になるそうです。
この五人の門番は、呼気・吸気・腹気・体気・上気と呼ばれます。
四辺+頂点で、四角錐を作れますね。
この四辺を円=球で表現したものは宝珠と呼ばれます。

ユダヤ教神秘主義思想のカバラによれば、世界は四階層に分かれていて、この人間の世界はその最下層(最外層)にあるそうです。
そしてこの四階層世界は、アイン・ソフという一点から生じます。

仏教では第八識である阿羅耶識(あらや識)を最高の境地とします。
第一識~第五識までは五感の対象世界で、この物質世界のことです。
第六識は意識界で第六感の対象世界です。
第七職はより高次の末那識(まな識)界です。
第八識はさらに高次の阿羅耶識界です。
こうして見ると四階層ですよね。
さらに八識である阿羅耶識の清浄な面を九識として捉える考え方があり、その場合の九識を阿摩羅識(あまら識)と呼びます。
これも螺旋として見れば、四角錐を作れますね。

キリスト教の十字架も、四方に伸びています。
エジプト、南米、ケルト、インドにも、十字架が象徴として存在します。

前ニ世紀の漢初に成立した淮南子より
『天の道を円といい、地の道を方という。方は幽をつかさどり、円は明をつかさどる。円は気を吐くもの、そこで火を外景という。幽は気を含むもの、そこで水を内景という。気を吐くものは万物に施し与え、気を含むものは万物を同化する(淮南子・天文訓)』

カバラの聖典セフェールイエツィラーから
『上には竜座が、下には世界が、そして最後に人間の心臓がある。
  その真中に神があり、万物を支配している。
  第一元素とは、風、水、火である。
  火は上に、水は下にあって、風の息が両者の均衡を保っている。』

創世記のエデンの園におけるアダムの創造神話では、『主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた(創世記2.7)』とあります。
創世記のノアの時代には、『その鼻に命の息と霊のあるものはことごとく死んだ(創世記7.22)』とあります。

詩編
『(神の)御口の火は焼き尽くし、炎となって燃えさかる(詩篇18.9)』
『あなた(神)の怒りの息に世界はその基を示す。主は高い天から御手を遣わしてわたしをとらえ、大水の中から引き上げてくださる(詩篇18.16)』
『御言葉によって天は造られ、主の口の息吹によって天の万象は造られた(詩篇33.6)』
『息吹を取り上げられれば彼らは息絶え、元の塵に返る。あなたはご自分の息を送って彼らを創造し、地の面を新たにされる(詩篇104.29)』
『人間は息にも似たもの(詩篇144.4)』
『御言葉を遣わされれば、それは溶け、息を吹きかけられれば、流れる水となる(147.18)』

エズラ記
『水と火の間には、たった一本の道しかなく、しかもそれは一人の人がやっと通れるくらいの小道である(ラテン・エズラ記7.8)』
『あなた(神)は今、母胎の中に体を形づくってこれに命を与え、器官を与えられると、この被造物は火と水の中で守られます(ラテン・エズラ記8.8)』
『知恵の火をあなたの心にともそう(ラテン・エズラ記14.25)』
『主は人を造って、体の真ん中に心を置き、それに霊と命と知性と全能の神の息吹を送り込まれた(ラテン・エズラ記16.62)』

ヨハネ福音書
『初めに言葉があった。言葉は神と共にあった(ヨハネ福音書1.1)』
『彼らに息を吹きかけて言われた。聖霊を受けなさい(ヨハネ福音書20.22)』
新約聖書の中でイエスはしきりに、『わたしを信じる者には永遠の命を与える』と語っています。

ギリシア語で書かれた新約聖書では、神はアルファでありオメガであるものと表現されます。
そして、神は始めであり終わりであるものと説明されます。
これはギリシア語のアルファベットの最初の文字がアルファで、最後の文字がオメガという所から来ています。
さらにこれは、仏教等のインド哲学で用いられる、阿吽(あ・うん)の思想とよく似ています。
阿吽とはサンスクリット語のアルファベットで、それぞれ最初の文字と最後の文字のことです。
阿吽とはインドの聖音オームを分解した文字で、寺社の門前の狛犬や仁王像が、一方では口を開き、他の一方では口を閉じているのがこれを表しています。
阿吽の阿は真我(アートマン)を表し、吽は梵天(ブラフマン)を表し、個人の真我は世界に遍在する梵天とかわらないという意味で、梵我一如と表現されます。
阿(a音)である真我(アートマン)とは、元々呼気を擬人化したものです。
聖書では、創世記で神の息を吹き込まれて生命を得たアダムや、ヨハネ黙示録で神の息を吹き込まれて復活する二人の証人等があります。

古代中国の思想では、人は魂魄(こんぱく)の融合から生じます。
魂は陽の気で、天に昇るほどに軽くて澄み、魄(はく)は陰の気で、地に下るほどに濁りて重いと説かれます。
呼吸の呼気を火(陽気・魂=こん・円)、吸気を水(陰気・魄=はく・方)として表現する道家の思想です。
東洋思想の『気』とは、ギリシア語での『アウラ』(原義は息や風のそよぎで、人間の身体を包んでいるとされる光彩=オーラ)と同じものを指します。
またギリシアでの魂(プシュケー)は、息という語源を持ちます。

ブラーフマナより(前800年頃成立)
『アグニ(言語と火の神)は始め四つに分かれていた。彼らが最初にホートリ祭官の職に選んだアグニは逃れ去った。第二番目に選んだアグニも逃れ去った。第三番目に選んだアグニも逃れ去った。そこでこの現在のアグニは恐怖のために身をかくした。彼は水の中にはいった。彼を神々は発見して、無理に水から連れ戻した。』
『いかなる人にもあれ、その人が病患なく生存するようにと願うならば、その人に口を開かせて息を吹きかけるべきである。アムリタをもって実に彼に息を吹きかけることとなる。』

ウパニシャッド(前五世紀頃から形成される)

チャーンドーグヤ=ウパニシャッドより
『人はヴァーナ(体気)こそウドギータ(サーマ・ヴェーダの吟誦)と崇むべきである。吸気がプラーナであり、呼気がアパーナであり、そしてプラーナとアパーナの結合がヴャーナである。ヴャーナとは言語である。その故に、人は呼吸することなく、言語を発する。』
『かの(白い)心臓には、神の出口が五つある。
その東の出口とは、プラーナ(吸気)であり、目であり、太陽である。
その南の出口とは、ヴャーナ(体気)であり、耳であり、月である。
その西の出口とは、アパーナ(呼気)であり、言語であり、火である。
その北の出口とは、サマーナ(腹気)であり、意であり、雨である。
その上の出口とは、ウダーナ(上気)であり、風であり、虚空である。
ブラフマンのこれら五人の従者は天国の門番である。』
『かのブラフマンは四足である。
言葉はその一つ足である。
生気はその一つ足である。
眼はその一つ足である。
耳はその一つ足である。』
『(白い)心臓には褐色の微細な脈管がある。白色のもの、青色のもの、黄色のもの、赤色のものなどがある。この太陽も褐色であり、白色であり、青色であり、黄色であり、また赤色である。』
『(白い)心臓には百と一の脈管があり、それらの一つは頭から出ている。
それを通って上昇し、不死に赴く。
他の脈管はあらゆる方向に出口がある。』
『彼(プルシャ)にはヒターと称するそれらの脈管があり、一本の毛髪の千分の一ほどに微細で、白、青、黄、緑、赤色の液で満たされています。』

プラシュナ=ウパニシャッドより
『かのアートマンは実に(白い)心臓の中にある。そこには101本の脈管があり、それらの一本ごとに百本ずつの小脈管があり、この小脈管の一本ごとにそれぞれ72000の毛細管がある。ヴァーナ(体気)はそれらの中を速やかに動きまわるのだ。次に、一本の脈管によってウダーナ(上気)は上昇し、善行によって福徳の世界へ、悪行によって禍悪の世界へ、善悪両行為によって人間の世界に導く。』

リグ・ヴェーダより(もっとも古い部分で、前1200年頃成立とされる)
『十二輻を有する天則の車輪は、天の周囲をたえず回転す、そは老朽におちいることなければ。子らは、アグニよ、対をなしてその上に乗りたり、720。』
『言語は四個の四分の一と測定せられたり。バラモン達は熟慮してこれを知る。三個は、秘密に隠されて運動せしめられず。言語の四分の一を人間は語る。』
『されどプルシャはさらに強大なり。万有は彼の四分の一にして、彼の四分の三は天界における不死なり。プルシャは四分の三をもって高く昇れり。彼の四分の一は、下界にありて新生せり。』

ヘルメスのエメラルドタブレットより
水銀の循環の結果、『黒いねばねばした物質ひき蛙(錬金術用語)が出来るにちがいない。これは完全なる腐敗または化合物の死を意味する。この黒い粘り気のある物質はやがて、必ず白化し、次には赤化するだろう。』

1606年にナポリで作られたヘルメスと錬金術の図より
『彼は、黒そしてその次に赤のために、白い衣服を持つ。』
『この新しく生まれた黒い息子はエリキサーと呼ばれ、純白化されるであろう』
『黒い雲が過ぎ、偉大な白が完成された』
『私を白くするものは私を赤くする』

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

現実(旧作)は厳しいものですが、工夫(本作)すれば、こういう結末もあるんだよ?

結末が素晴らしい....。


http://www.anikore.jp/review/1001599/
の続きみたいなものです。

■少年向けテイストな本作

手塚治虫「子供の夢を無くすことは漫画で絶対にしてはいけないこと」

wikipediaで鋼の錬金術師の項目を調べてみると、旧作と本作でジャンルが違うって知っていましたか?
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」は、ジャンルがファンタジーになっているのですが、旧作の「鋼の錬金術師」はダーク・ファンタジーになっているのですよね。それほど作風が違うということです。

私が、旧作よりもこちらを支持している理由は、手塚治虫の言う通りですね。漫画やアニメの支持層が子供が多かったということもありますがが、「鋼の錬金術師」は少年向けなので、この台詞を引用しても良いはずです。

本作は、少年向けテイストとして作られています。もちろん、あにこれのタグに女性受けが良いと書いているように、様々な層から支持を受けているアニメです。

そのため、旧作に比べると観やすく、様々な年代におすすめできる作品です。

■エンターテイメント性

エンターテイメント性が高く、キャラクターの魅力や驚きの展開を使って、旧作よりも上手くバトルシーンを描いています。ただちょっと冗長なシーンがあったので、そこはマイナスポイントです。
{netabare} 対エンヴィー戦で、エンヴィーがホークアイ中尉に化けてマスタング大佐を襲おうしている風に視聴者に思わせて、実はエンヴィーが化けていたのはマスタング大佐の方で、ホークアイ中尉を襲おうとしていたという展開が上手かったです。トリックが上手で、思わず「あっ」と驚いてしまいました。モブとの戦いは、ただ力を押しの展開が多くて面白くなかったですね。

「マスタング大佐 対 ラスト」が一番面白かった印象があります。マスタング大佐の魅力が存分に発揮されたからという理由もありますが、テンポが良く、まさか手負いのマスタング大佐が、火で体を炙って戻ってくるとは、想像もしませんでした。
ドクターマルコーが、エンヴィーを捕えるために作戦も工夫されていて面白かったです。{/netabare}

ストーリーについては、後半がだらだらとしている印象を受けましたが、ラストの締め方がとても上手かったので、非常に救われた気分になりました。旧作で深く掘り下げていたシーンは、軽く扱われており、あまり違いにびっくりしました。
しかし、中盤にしっかりドラマを描いてくれたので、終盤は心打たれる良い展開が多かったです。{netabare} アルがエドの腕を治そうとするシーンなんて、あまりに胸を打つ展開で、感化されて泣いてしまいました。 {/netabare}

政治的な争いも、少年向けらしくあまりドロドロせずに、エド達の仲間が大円団になって、かつ心理戦が面白い抗争を繰り広げています。誰が大総統になるかという落としどころも良かったです。

サブキャラクターの扱いも凄く良いのですよね。
グリードとリン・{netabare} ヤオの組み合わせは凄く良くて出来ているなと思いました。グリードが最初は仲間のことなんて大切に思っていなかったのに、リン・ヤオの考え方に影響されて、自分は仲間がほしかったことに気づきます。
マスタング大佐が、ひゅーずの仇を打つために必死になっていたのを、エド達が諭したシーン。大総統になる人間が、復讐に染まって道を踏み外してはいけないというエド達の考えに凄く胸が打たれました。
エンヴィーが人間に嫉妬していたというのも、かなり納得がいく展開で、加えて驚きと、感動も得られる良いシーンだと思いました。
序盤のエンヴィーの人間を小ばかにしていたような台詞やシーン。実はそれが嫉妬によるもので、序盤からそういう伏線を張っていたと考えると、遥か先まで見通していて、凄いな、と思います。{/netabare}
そういう所が、旧作よりも優良な作品ということを窺わせます。
{netabare}
ハボックの扱いもそう。
このままリタイアかな、と思いきや、しっかりと最後にフォローされています。

スカーも良く成長したなぁ、と思います。作者は、復讐に対してあまり寛容な考えではないようですね。復讐は新たな復讐を生むだけだ、とか、復讐するのではなくて、内部から変えていく方が、今度のためになるとか、色々と多様的で冷静な意見が好まれています。
スカーはこの国を変えるために、個人的な私怨は捨てて、エド達の計画に協力するわけです。やっぱり、作者は復讐について、私怨は捨てて、目的のために行動するべきだという考えを持っていそうですね。

ウィンリィ・ロックベルとエドの関係についてもしっかり消化。

旧作に比べて、イズミ・カーティスさんの負の部分があまり強く描かれていないな、とは思いました。ホムンクルスのラストもそうですが。
キンブリーもあまり強く描かれていません。旧作よりあっさりご退場してしまいます。グラトリーも然り。

ラースとプライドの過去が強く描かれています。敵キャラクターですが、そういった過去を描くことで、倒される時に深い感情を生み出すことが出来て、さらに鋼の錬金術師を彩ります。あとは、人気稼ぎのために用意したキャラクターや展開をスムーズに進めるために用意されたキャラクターが殆どでした。そこはもうちょっと工夫して欲しかったです。(尺が足りなくなってしまいますか){/netabare}

■結末の巧さ

何と言っても、評価したいのは結末の巧さですね。
本作を最初に観た時に、真理に奪われたアルの体をどうやって取り戻すのだろう、というのをずっと考えていました。賢者の石は、人の命が使われているため、エドとアルは使わないわけですし、そうなると旧作のように、エドとアルのどちらかが犠牲になって、どちらかの幸福を手に入れる結末かな、と思っていました。
{netabare} しかし、良い意味で予想を裏切ってくれましたね。意外なところにあったアルの体と釣り合う通行料。それは自分自身の錬金術の才能でした。本当にそれでいいのか、と真理に問いただされますが、エドは錬金術よりも友情や愛を取ると真理に伝えました。そうすると、真理は笑って、「お前は俺に勝った。持っていけ」というニュアンスのことを言い、アルの体をエドに引き渡します。この問答は、とてもクールで清々しい気分になりました。{/netabare}

「鋼の錬金術師」の伝えたいこと、テーマというのは、ここにあるんじゃないですかね?
{netabare}
エドは、ずっと錬金術で取り戻そうとしていました。そうじゃなくて、錬金術の才能を捧げれば、いつでも手に入れることは出来たんです。何を犠牲にするか、人体錬成をしようとする人間は醜いものです。そのために争って、また不幸になる人間が増える、負の連鎖ですね。何の代償も無しに、何かを得ようとして、本当に人間というのは愚かだと思います。けれど、エドは自分自身の才能を真理に捧げることで、アルを取り戻すことが出来た。それこそが真理。
答えはすぐ傍にありました。{/netabare}

私は、旧作を観て湿っぽくてセンチメンタルなラストに、心を痛めました。
本作を観て、少年向けとして夢も壊さずに、世の中の法則(等価交換の原則)にも逆らわないラストを描いてくれたことに、とても感動しました。現実(旧作)は厳しいものですが、工夫(本作)すれば、こういう結末もあるんだよ、と勝手に解釈しています(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アルフォンスが良い奴すぎて・・・長いけど最後まで見て良かった作品

※旧作(2003年版)の少なくとも前半まで(第25話まで)を事前に視聴しておくと、本作をよりいっそう楽しめるかも。

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======= 鋼の錬金術師 FULL METAL ALCHEMIST (2009年4月-2010年7月) =======

{netabare}- - - - - - - OP「Again」、ED「嘘」 - - - - - - -

第1話 鋼の錬金術師 ☆ ※話は派手で面白いが、作画の雑さが気になる
第2話 はじまりの日 ★ ※エドは意外と英雄気質
第3話 邪教の街 ☆  
第4話 錬金術師の苦悩 ★ 綴命(ていめい)の錬金術師ショウ・タッカー ※ダークで意外な展開 
第5話 哀しみの雨 ★ イシュヴァールの民
第6話 希望の道 ☆ 賢者の石の手掛かり、オートメイルの修理
第7話 隠された真実 ☆ 賢者の石の正体
第8話 第五研究所 ★ エドvs.№48、アルvs.№66

<----- 第8話の途中まで旧作第20話までと同様の展開。以降別展開 ---->

第9話 創られた想い ★★ 兄弟の絆
第10話 それぞれの行く先 ★ ヒューズ中佐の死
第11話 ラッシュバレーの奇跡 ☆ 
第12話 一は全、全は一 ★ エリック&アルの師匠
第13話 ダブリスの獣たち ☆ グリード(強欲)&キメラ登場
第14話 地下にひそむ者たち★★ アルの記憶回復、大総統の正体(憤怒=ラース)、黒幕登場

- - - - - - - OP「ホログラム」、ED「LET IT OUT」 - - - - - - -

第15話 東方の使者 ☆ シン国の練丹術師(メイ)・王子登場
第16話 戦友の足跡 ☆
第17話 冷徹な焔 ☆ マリア・ロス少尉逮捕
第18話 小さな人間の傲慢な掌 ☆ クセルクセス遺跡
第19話 死なざる者の死 ★ 大佐vs.ラスト(色欲)、父親との再会
第20話 墓前の父 ☆ 人体練成の謎、兄弟の新たな決意
第21話 愚者の前進 ☆ 
第22話 遠くの背中 ☆ スカーとウィンディの因縁
第23話 戦場の少女 ☆
第24話 腹の中 ★ エンヴィ(嫉妬)・グラトニー(暴食)戦
第25話 闇の扉 ☆
第26話 再会 ☆ 真理の扉の前でアルと再会 ※話の雑さが気になる

- - - - OP「ゴールデンタイムラバー」、ED「つないだ手」 - - - -

第27話 狭間の宴 × エド&アルの父親の話だが、80%はこれまでの総集編
第28話 おとうさま ☆ 黒幕との邂逅、リンのグルード(強欲)化
第29話 愚者の足掻き ☆ 
第30話 イシュヴァール殲滅戦 ☆
第31話 520センズの約束 ☆ キンブリー出獄
第32話 大総統の息子 ☆
第33話 ブリッグズの北壁 ☆ スカーvs.キンブリー、オリヴィエ少将登場
第34話 氷の女王 ☆ スロウス(怠惰)登場
第35話 この国のかたち ★ 建国以来続く陰謀
第36話 家族の肖像 ☆ レイヴン将軍の最期
第37話 始まりの人造人間(ホムンクルス) ☆ セリムの正体=プライド(傲慢)
第38話 バズクールの激闘 ★ スカーvs.キメラ2人、エドvs.キメラ2人、エドvs.スカー

- - - - - - OP「Period」、ED「瞬間センチメンタル」 - - - - - -

第39話 白昼の夢 ★ キンブリーを欺く策略
第40話 フラスコの中の小人(ホムンクルス) ★ ヴァン・ホーエンハイムの過去(クセルクセス壊滅)、イズミ回復
第41話 奈落 ★★ エドvs.キンブリー、自らの命を賢者の石に
第42話 反撃の兆し ☆ 新たな国土練成陣、ホーエンハイムの宣戦布告、ドラクマ軍来襲
第43話 蟻のひと噛み ★ エンヴィーvs.マルコ、メイ帰国へ
第44話 バリンバリンの全開 ☆ 不死の軍団、アルと父の再会、エド回復
第45話 約束の日 ★ ラース(大総統)vs.グリード(リン)、エドとグリード(リン)再会
第46話 迫る影 ☆ 約束の日前日の様々な策動
第47話 闇の使者 ★ エドと父の再会、プライド(セリム)vs.エド&グリード、グラットニー退治(ランファン再登場)
第48話 地下道の誓い ☆ 対プライド戦(続き)、ブラットニーの最期、大総統婦人誘拐
第49話 親子の情 ★ 対プライド戦(続き)、アルの決断、夜明け
第50話 セントラル動乱 ☆ マスタング大佐の作戦始動

- - - - - - - OP「レイン」、ED「RAY OF LIGHT」 - - - - - - -

第51話 不死の軍団 ★ 続き、プライド&エンヴィー復活、賢者の石を使え
第52話 みんなの力 ★ アルvs.プライド&キンブリー、その他いろいろカオス状態
第53話 復讐の炎 ★ エンヴィーvs.マスタング大佐
第54話 烈火の先に ★★★ エンヴィーの最期(※本作屈指の感動)、アームストロング少佐見せ場
第55話 大人たちの生き様 ☆ スロウスの最期、親玉ホムンクルスvs.ホーエンハイム
第56話 大総統の帰還 ★ 続き、ラースvs.グリード
第57話 永遠の暇 ☆ 続き、対金歯医師戦、真理の扉(第一段階)
第58話 ひとばしら ☆ 続き、バッカニア大尉殉職
第59話 失われた光 ★ マスタング大佐を使った人体練成、スカーvs.ラース、アルの体
第60話 天の瞳、地の扉 × 日食、練成陣(第二段階)、※奇を衒っただけの話だったのか(失望)
第61話 神を呑みこみし者 × ホーエンハイムの大仕掛け、ラースの最期、プライドの最期 
第62話 凄絶なる反撃 ★ アル消滅、エドvs.親玉ホムンクルス、※脚本・演出の雑さは気になる
第63話 扉の向こう側 ☆ 親玉ホムンクルスの最期、アル救出、ホーエンハイムの最期、※同上 
第64話 旅路の涯 ★ それぞれの後日譚(アルの旅立ち、エドの告白etc.){/netabare} 
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)3、★(良回)23、☆(並回)34、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.0


============ 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 (2011年7月) ==========

{netabare}全1話 ☆ アメストリスとクレタの狭間にある小国ミロスの独立の話 評価3.5{/netabare}


◆総評

原作マンガの第4巻までの内容を、旧作(2003年版)は20話かけて丁寧に描き出していたのに対して、この新作(2009年版)は8話に圧縮して描いているので、そこだけは旧作の方が良いと思いました。

旧作では後半のオリジナル展開で散漫となってしまったストーリーラインや作品テーマが、最後まで原作準拠となっている新作では、さすがに確りしていて、その分評価が高くなりました。

やっぱりその作品ならではの感動ポイントがあるアニメは良いですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 45

86.2 2 スキマスイッチで熱いなアニメランキング2位
ハイキュー!!(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1745)
9307人が棚に入れました
ふとしたきっかけでバレーボールに魅せられた少年、日向翔陽。
部員がいない逆風にも負けず、やっとの思いで出場した
中学最初で最後の公式戦で、日向のチームは「コート上の王様」
と異名 を取る天才プレイヤー、影山飛雄に惨敗。

リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩いた日向だが、
何とそこにはにっくきライバル、影山の姿が!?

青春のヒリヒリもイライラワクワクも詰め込んで、
熱血青春バレーボール物語、いざ開幕!

声優・キャラクター
村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、神谷浩史、田中一成、浪川大輔、吉野裕行、中村悠一、梶裕貴、立花慎之介
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

爽やかで程よい熱さ!スポーツに疎い女子でも観やすい、割とリアルなバレーボール部活アニメ!

原作未読。全25話

★最後まで観おわったので、大幅に書き直したいところですが、余裕が無いので、マイナーチェンジです。以下は、22話くらいまで観たときに書いたものプラスαです。


昔みたいな根性ばっかりのスポ根アニメじゃないから、とても観やすいです。
スポーツアニメが苦手な人でも、万人におススメできる良作です。

みんな個性的なキャラで楽しい。
黒子のバスケも面白かったけど、こっちの方が爽やかで雰囲気がいいんです。
さすが、TBSの夕方枠。

嫌なヤツが、全然出てこないところが、とっても好き!
ちょっと憎たらしい奴はいても、ライバル含め、心底やなやつはいません。

マネージャーの清水さんの軽めのツンキャラが可愛いね♡

バレーボールはもとより、スポーツ観戦にあまり興味がない私でも、楽しく見れる。

笑えるところもいっぱいで面白いし、感動できるし、その感動も爽やかな感動!

これを観てて、すぐに思い出したのが、大好きだった、「おおきく振りかぶって」。
メインキャラの二人が、どことなくキャラかぶってる気がする(笑)

最近のスポーツ部活ものでは、「弱虫ペダル」も面白いけど、熱すぎるところと、
ちょっとデフォルメが強すぎて、漫画ちっく過ぎるし、男臭い感じが強すぎますね〜。
(↑いかにも男子が好きそうな感じですが…)
ハイキュー!!の方が、リアルで爽やかなでのでどちらかとゆうと好みです。
単純にカッコイイですしね〜ヾ(´▽`*;)ゝ
女子にとって観やすい反面、男子にとっては、今までの少年マンガ系のスポーツものと違うな〜って、違和感を感じるかもしれません。

「黒子のバスケ」も結構好きでずっと観てた。
これも女子向けって言われてるの知らないで、少年マンガ系のスポーツものにしては観やすいなぁと思って観てた。

でも、黒子とは方向性が違うような気がするし、ハイキュー!!の方が、現実味があり万人向けで、
より明るく健康的で観ていて楽しいので、
真面目なスポーツものの作品としてよく出来ているような気がしてきた。

バレーボールのアニメって、意外にありそうでなかった気がする。
特に男子ものは、初めて観たかも。

バレーって意外と奥が深い。バレーのことがとても真面目に丁寧に描かれているし、ポジションの役割とかその立場の人の気持ちとか、すごく詳しく分かって、こんなのは初めて。

キャラが心情を全部しゃべりすぎ、とゆう意見もありましたが、
そのおかげで、いまままでのアニメでは分からなかったようなことまで、
私のようなバレーボールやスポーツに詳しくない人間でも、小さい子供でも、
勘違いなく理解できるのは、良いことだと思う。

バレーのシーンも迫力があって素直にかっこいいし、作画もとても丁寧でリアルだし、
アングルとかカメラワークとかアニメの良さを存分に活かして表現していて、
ジャンプして空中で一瞬止まるポーズとか…、色々、当然リアルよりカッコイイ!!
特に影山のトスが上がって日向がスパイクするところ。超気持ちいいです。スカッとします。

17話「鉄壁」の試合シーンは、{netabare}特に最後の攻撃は鳥肌ものですごかった!
今までの色々がうまくはまって実を結んだ囮&攻撃で、私までドヤ顔してしまいそうでした(笑)。
BGMもとても良かった。{/netabare}

兎に角、観ていて清々しい。

キャラでは、俺様キャラで頭のキレる影山くんがやっぱり一番好き♡だけど、
日向のまっすぐで前向きな感じは、元気がもらえていいなって思うし、素直で純真で本当にいい子なので、弟にしたいくらい。
他にもたくさん、個性的で、笑わせてくれたり、魅力的なキャラがい〜っぱい。

このアニメ、以上に女子率が低いので、やっと女子バレー部の可愛い女子キャラも出てきて、これからもっと色々って思ったら…。
アレレ、もうすぐ終わっちゃう。

終盤は、たっぷり数話にわたって繰り広げられる青葉城西との試合シーンは、バレーばっかりなのに全然飽きない。本当に見応えありました。
バレーってこんなにかっこ良かったなんて知りませんでした♡

終わっちゃうの寂しい。
でも、たぶん2期ある。だっていい作品だもの!

原作に追いつかない様に少し間あけて、2期ある感じかな?


ちなみにキャラクターデザインは、{netabare}『デュラララ!!』でキャラクターデザインを担当した岸田隆宏さんだって、どこか何かに似た感じって思ってたけど、それでだったんだ〜♪
原作があるので、それを基にしてるにしても、やっぱりどこか雰囲気がでてますね。特にサブキャラたちに…{/netabare}


★誰か教えて→原作読んでる人
{netabare}原作は、12巻まで出てて連載も継続中とのことですが、話数でゆうと現在何話くらいまで描かれてるのでしょうか?
アニメと原作の対応がWikiに載ってたのですが、それが、どのくらいのところにあたるのか分からなかったので、気になりました。{/netabare}

===========================================
■参考情報他
次世代王道スポーツ漫画が早くもTVアニメ化! 制作は、あのProduction I.G! 少年たちの躍動感あふれる激闘を見逃すな!

<ストーリー>
{netabare}バレーボールで「小さな巨人」を目指す日向翔陽は、中学最初で最後の公式戦で、「コート上の王様」と呼ばれる天才・影山飛雄に惨敗する。しかし新たな目標を見つけた日向は、影山にリベンジするべく、烏野高校で引き続きバレー部に入部する。しかし烏野の体育館には、その影山の姿があった。{/netabare}

TBS系 4/6(日) 17:00~
{netabare}「マギ The kingdom of magic」→「本作」→「七つの大罪」{/netabare}

1話「終わりと始まり」
{netabare}2話「烏野高校排球部」
3話「最強の味方」
4話「頂の景色」
5話「小心者の緊張」
6話「面白いチーム」
7話「VS大王様」
8話「“エース”と呼ばれる人」
9話「エースへのトス」
10話「憧れ」
11話「決断」
12話「ネコとカラスの再会」
13話「好敵手」
14話「強敵たち」
15話「復活」
16話「勝者と敗者」
{netabare}インターハイ1回戦目、烏野は常波を相手に優位に試合を進める。
実力差を感じながらも、諦めずにボールを繋ぐ常波。別会場では、劣勢の烏野女子バレー部が、道...{/netabare}{/netabare}
17話「鉄壁」
{netabare}18話「背中の護り」
{netabare}日向と影山の『変人速攻』を軸に、伊達工をリードする烏野。
だが伊達工のブロックも青根を中心に、烏野の攻撃に対応しはじめる。そこで問われるのは、エース...{/netabare}
19話「指揮者」
{netabare}3回戦進出を決めた烏野排球部の相手が、青葉城西に決まった。
及川率いる青城は、練習試合のときよりも格段に滑らかな連係プレーを見せる。一方、繋心は及川の...{/netabare}
20話「及川徹は天才ではない」
21話「先輩の実力」
{netabare}烏野のかみあわないプレーを見て、試合のリズムを変えるためセッター交代を決める烏養。
影山に代わりコートに入った菅原は『コートの外から見ていたからこそ...{/netabare}
22話「進化」
23話「流れを変える一本」{/netabare}
{/netabare}

OPテーマ1:「イマジネーション」SPYAIR
EDテーマ1:「天地ガエシ」NICO Touches the Walls
OPテーマ2:「Ah Yeah!!」スキマスイッチ (第15話〜)
EDテーマ 2:「LEO」tacica (第15話〜第23話)

<CAST>
{netabare}日向翔陽:村瀬歩
影山飛雄:石川界人
澤村大地:日野聡
菅原孝支:入野自由
田中龍之介:林勇
東峰旭:細谷佳正
西谷夕:岡本信彦
月島蛍:内山昂輝
山口忠:斉藤壮馬
縁下力:増田俊樹
清水潔子:名塚佳織
武田一鉄:神谷浩史
烏養繋心:田中一成
及川徹:浪川大輔{/netabare}

<STAFF>
{netabare}原作:古舘春一/集英社「週刊少年ジャンプ」連載
監督:満仲 勧
シリーズ構成:岸本 卓
キャラクターデザイン:岸田隆宏…『魔法少女まどか☆マギカ』、『デュラララ!!』
総作画監督:千葉崇洋、海谷敏久
アクション設定:甲斐泰之
美術設定・美術監督:立田一郎
CGディレクター:田村和弘
色彩設計:佐藤真由美
編集:植松淳一
音楽:林ゆうき、橘 麻美
音楽制作:東宝
アニメーションプロデューサー:松下慶子
アニメーション制作:Production I.G{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

智慧ノ輪 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

個人用メモ

【製作】
Production I.G
【CV】
日向 翔陽 - 村瀬歩
影山 飛雄 - 石川界人
澤村 大地 - 日野聡
菅原 孝支 - 入野自由
東峰 旭 - 細谷佳正
西谷 夕 - 岡本信彦
田中 龍之介 - 林勇
月島 蛍 - 内山昂輝
山口 忠 - 斉藤壮馬
縁下 力 - 増田俊樹
武田 一鉄 - 神谷浩史
清水 潔子 - 名塚佳織
烏養 繋心 - 田中一成
道宮 結 - 瀬戸麻沙美
{netabare}
※タイトルそのまんまバレーボール題材のスポ根もの。
日曜夕方に放送ってのが相応しい爽やか青春ストーリーは、おいらみたいな穢れた人間には眩しいぜw

おいらはバレーボールの経験は体育の授業程度しかなかったけど、結構のめりこんで観れたので、経験有り無しに関わらずオススメできる作品だと思います。

こういった作品は登場人物が多くなりがちだけど、どのキャラも個性あって魅力的なのでお気に入りのキャラが絶対見つかるハズ。
おいらはなんつっても田中さんがツボすぎたw
ムードメーカーな愛すべきおバカキャラ…三枚目な立ち位置なんだろうけど、おいらにとっちゃ一番輝いてたっす!田中先輩!!一生ついて行くっス!!!
{/netabare}
ここから先は、おいらにしては珍しく(笑)真面目に考察(っぽい事)してます。
「似合わない事せずに、いつものネタオンリーで行けよ!」って意見が聞こえてくる気がしますが…たまにはこういうのもいんじゃね?って感じで大目にみてやってくださいな☆
(軽いネタバレも含まれますので未視聴な方は注意してね)
{netabare}
『団体競技における【和】と【個】』

おいらはこういった団体競技のスポーツを扱った漫画(アニメ)の場合、大きく分けて2つの「チームの作り方」があると思っています。
その①「まずチームワークを固めてから、個人練習や合宿等で個人の能力を伸ばして勝ち進む」パターン。
その②「ずば抜けた個人能力を持つ主人公が(チーム内で浮いた存在ながらも)試合で結果を出し続ける事により、徐々に信頼を得てチームが結束して行く」というパターン。
つまり『鶏が先か玉子が先か…』じゃないけど、『【和】が先か、それとも【個】が先か』って事ですねw

このハイキューという作品は、前者の『まずはチームワークを固めてから』というチーム作りになっています。
最初はW主人公の「身体能力は高いがド素人」と「期待のルーキーだが性格に難アリ」な2人をまとめる話から始まり、「過去に問題を起こした2年生」の部への復帰エピソード、そして「新入生にレギュラーを奪われた上級生の葛藤」な話へ。

王道って言っちゃあ王道なんですが、これって日本人向きな(日本人にウケる)話の展開なんですよねw
日本の中学、高校の部活指導者に『まずはチームワークから』っていう考え方な人が多いせいもありますが、上で挙げた【個】重視の場合は、試合で結果を出し続ける事で一致団結→つまりは勝利が絶対条件!になってしまう場合が多く、(序盤の試合で)負けて悔しいから上を目指して頑張るって展開がし難くなっちゃう。
日本には古来から「負けの美学」なんて言葉もある通り、勝利至上主義がウケる国民性じゃないんですよね。
結構有名な漫画でも、主人公のチームが勝利した数より敗戦数の方が実は多い…なんてのもあったりしますしw作品名は伏せておきますがw

このハイキューという作品が人気なのも、もちろんキャラクターの魅力や白熱した試合内容等も大きいですが、チーム作りを【和】から先にしたっていうのもあるのかなーと思ったんですw


ここから先は少し荒れる可能性がある話題なので、一応ネタバレタグで伏せておきます。
{netabare}
チーム烏野のメンバーって、おおまかに言っちゃうと
1年:潜在能力が高い素人、団体競技に不向きな性格の大型新人
2年:過去に乱闘事件を起こして休部中の人
3年:全国大会出場を目標にしている主将、3年間地道に頑張ってきた温厚な性格の先輩
…って感じかな?
それにプラスして、上で述べた序盤のストーリー展開(最初はW主人公の「身体能力は高いがド素人」と「期待のルーキーだが性格に難アリ」な2人をまとめる話から始まり、「過去に問題を起こした2年生」の部への復帰エピソード、そして「新入生にレギュラーを奪われた上級生の葛藤」な話)

纏めてみたらコレって…ある漫画(アニメ)と酷似してるって思いません?おいらだけかな?
おいらは日本を代表する部活動漫画との声も高い『スラムダンク』と似てるって思っちゃったんすよねw

まぁでも似てると言っても、おいらは「パクりだ!」「いや違う。オマージュだ!」とかの議論がしたい訳じゃないんですよw
(個人的には過去の乱闘事件で登場したアイテムが折れたモップってとこから、作者に隠す気がないっぽいので「オマージュ」だとは思ってますが)
それよりも、こんなにも似てる設定なのに登場キャラの『人気投票結果』に違いがあるって事に注目して欲しいんです。

スラムダンクは、人気投票を公式で2回程行っているんですが、どちらも1位を獲得(しかも2位に結構差をつけて)したのが主人公の桜木花道でした。
それとは逆にハイキューでは、第1回人気投票の1位が影山、2位が日向で3位西谷…という結果で、第2回では1位日向、2位菅原、3位が影山…とバラけてるんです。
得票数の差も上位陣は接戦で、次回は誰が1位をとるのか予想し難い状態。

この結果の差は、主人公キャラの魅力の違いっていうのが一番だってのはもちろんなのですが、おいらが思うに『競技の素人枠』の違いっていうのも関係あるんじゃないかなーと。

スポーツが題材な作品に限った事ではないんですが、専門的な知識等が必要な場面で読者にわかり易く説明する為に『解説役』と『解説される役』ってのが出てきます。
ここでおいらが目を付けたのが『解説される役』です。
スラムダンクの場合、競技の素人って設定なのが、主な登場人物では花道だけなんです。
なので必然的に『解説される役』となり、バスケの基本ルールだったり基礎練習の重要性だったり累積ファウルでの退場(ファウルトラブル)だったりを主人公自らが学び、解決していくカタチになります。
比べてハイキューの場合は、同じく素人枠として主人公の日向がいるんですが、それ以上にバレーボールの知識が無い人として顧問の武田先生を登場させ、『解説される役』にしてるんです。
武田先生以外でも、応援席のMOBの女の子達だったりと、徹底して選手以外を『解説される役』にしています。

『解説役』の人は、『解説される役』を通して一般読者に説明してる訳ですから、読者側は自然と『解説される役』の立場に自分を重ねやすくなっちゃうんですよねw
その読者が自分と重ねてしまう役目を選手(主人公)ではなく顧問の先生(脇役)にする事によって客観視させる事になり、好きなキャラをよりフラットな状態で選ばせる事に成功しているんじゃないかな?と。

これをわざと設定したのなら、原作者の古館先生って凄い策士なんじゃないか?って思ったんですよ。
こういう登場人物が多い作品は人気キャラが1強ってよりも、沢山のキャラが人気あるって方が、サブストーリーも盛り上がるし物語に厚みが出ますからね。

原作も続いてますし、2期も2015年秋からの放送も決定…楽しみですなぁw
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

Nagi* さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ちこくーっ ちこくーっ 急いでいたら~♩

『 食パンくわえた潔子さんとドーーーンッ♡ 』
            song by Tanaka(笑) 

これが【ハイキュー】の全て。 以上

ってのは半分冗談ですwww

あ、ちなみにこの名ゼリフ
声優さんのアドリブだそうですよ(゜_゜)驚



ハイキューとは、
高校生がバレーにかける熱すぎる想いを描いたアニメのこと

 以前バレーをやってた人には、懐かしさを
 今まさに頑張ってる学生には、勇気を
 バレーを知らない人たちには、バレーの魅力を…

 全25話中、そのほとんどをギャグが占めており
キャラクターが魅力的なのはもちろん
素晴らしい演技力の声優陣が拍車をかけ
年齢、性別を問わず人気が出ている。

 (私を含め)続編を期待する声もかなり多いが
2クール使って濃密な25話だったため満足感があり
“スポ根アニメ代表”と言っても過言ではない。(断言)

 よって、物足りないから続編を!!…ということでなく
ただ、純粋に、彼らの成長を見届けたいがためである。

 この作品を見ていない人なんていないと思うが
もし、万が一、未視聴だとしたら
是非っ!!!!この感動を味わってほしい



感想はネタバレ込みで後述するとして
ハイキューの魅力を少し紹介します(*^_^*)

*リアル
 とにかくリアルすぎる。
 バレーの練習風景、部の雰囲気、試合
 全ての表現力が素晴らしい…!!
 主人公2人はおいといて、あり得ない設定がない。
 (テニ●リ的、非現実な技がないってことねw)

*表情が豊か
 キャラクターの存在感を、声優さんの技術に頼る
 ってことは結構あると思うけど
 ハイキューのアニメーションは手を抜かない。
 とくに特徴的なのが“目”ですよね

*物語に抜け目がない
 高校生の設定だけど、中学時代の背景や
 他校選手のキャラも手を抜かない…
 なによりビックリしたのが他校キャラの声優!
 え、たった数話しか出ないのに
 この人使っちゃうのー?!ってみんな思ったはず。

*完璧な構成
 “バレーが好き”って気持ちがブレない。
 もっと強くなるために常に進化!!
 アニメは、お遊び回?息抜き回?サービス回?みたいな
 そんな話が一回は入ることが多いけど
 ハイキューは常に、バレー!バレー!バレー!



ではでは、ここからは個人的な感想なので
まじで閲覧注意です\(^o^)/

{netabare}以下、()の中の数字は話数。
気になった人はもう一度アニメcheckしてね☆

【 Ranking▶ 思わず爆笑ww編 】

1 俺の後頭部にサーブ打ち込む以上に怖いことって…何?(6)
2 ガハーーーーッ!教頭、ヅラ事件w (2)
3 今ムリって言った!!コイツ、無理って単語知ってんのか(4)
4 ローリングサンダーーーーーー アゲインッ!!(16)
5 この…くそガキッ(19)
6 日向が打つよりは後頭部が安全だな(23)
7 こらこら。そこの中…小学生かな?少し静かにね(19)
8 いわちゃんは俺のお母ちゃんですか?(19)
9 おい!顔面で受けるのがレシーブじゃねーぞ!!(3)
10 漁業かコラッ(4)


【 Ranking▶ 個別の好きなセリフ♡編 】

日向翔陽:MB
1 時間ないっ!止まってる暇…ないっ!(25)
2 どんなに仲が良くても友達でも本当の
   チームメイトになれる訳じゃなかったから(3)
3 お前何なの?実はバカなの?(2)

影山飛雄:S
1 俺はもう謝んねえ。
   謝んなきゃいけないようなトスはあげねえ!!(25)
2 お前は3年間何やってたんだ!!(1)
3 スパイカーの前の壁を切り開く!(4)

澤村大地:WS、captain
1 気合入れんぞ。一回でも多く勝つ(10)
2 山口っ!次、決めろよ(23)
3 よかった…お前がまだ戦うつもりでいてくれて(18)

菅原孝支:S
1 勝つぞ(21)
2 最強の敵だったならさ、今度は最強の味方じゃん(3)
3 いくぞ、春高(25)

東峰旭:WS
1 すが。次の一本、俺によこせ。絶対決める(21)
2 俺はエースだけど、お前らはヒーローだな(18)
3 俺、逃げないから。後ろには皆いるってわかってる(14)

田中龍之介:WS
1 いいかー!バレーボールってのはなあ!
   ネットのこっち側にいる全員もれなく味方なんだよ(6)
2 潔子さんっ!今日も美しいっす!!(1)
3 後悔は試合が終わってからクソほどするっ!(20)

西谷夕:L
1 前だけ見てけよ!心配する事なんか何もねえ
   みんなっ 背中は俺が守ってやるぜ!!(16)
2 壁に跳ね返されたボールも俺が繋いでみせるから
   だから…もう一回トスを呼んでくれ、エース!!(9)
3 だからよう、ようするによう…
   サッといって スッとやって ボンッだよ。(8)

月島螢:MB
1 考えてるは君だけじゃない(22)
2 イライラすんだよ…無駄に熱い奴って(4)
3 黙ってこのトスを打て庶民
   って言われてるみたいで腹立つ(22)

山口忠:MB
1 自分も戦えるって証明しろ!!(23)
2 これから先も1年で俺だけ試合に出られないのは
   嫌だから(14)
3 おいっ!アホってツッキーの事じゃないだろうな(5)

及川徹:(青葉城西)S
1 安心して飛べ(20)
2 それじゃあ今日も 信じてるよ、お前ら(19)
3 俺はこのクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして
   正々堂々叩き潰したいんだからさっ(7)

清水潔子:マネージャー
1 が…がんばれっ(14)
2 でもお昼はちゃんと食べなさい(25)
3 やめなさいっ(15)

その他、武田先生も烏養監督もいいキャラでしたね☆

むちゃくちゃ厳選して好きなキャラBest3を選ぶなら
1 のやっさん
2 月島
3 及川先輩
…かなあ。めっちゃ悩むけどwww

所々でちゃんと感動する場面もあって
ほんと病み付きになるアニメって感じですかね。
うん。一言で表すなら、大好きってことです(笑)

特に23話。
及川の背中に手が届くか届かないかの表現の仕方が
すっっっっばらしい!!
青葉城西との公式戦は本当に白熱した試合で
何度見てもドキドキします。

続編も、どんなに後になってもいいから
丁寧に作ってほしいですね\(^o^)/{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43

63.6 3 スキマスイッチで熱いなアニメランキング3位
ALL OUT!!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (189)
812人が棚に入れました
神奈川高校、入学式当日。
体格は小さいが負けん気は人一倍、初心者の祇園がラグビー部に入部し、物語は動き出す。
過去のある出来事からラグビーに打ち込めない同級生・石清水、
面倒見がよく部員を気遣う副キャプテン・八王子、
そして、圧倒的迫力と誰よりも熱い闘志を胸に秘めたキャプテン・赤山。
体格も個性もバラバラなメンバーが、青春というグラウンドでぶつかり合いながら成長して行く。
すべて出し切った先にある、最高の舞台を目指して――!

声優・キャラクター
千葉翔也、安達勇人、細谷佳正、逢坂良太、小野賢章、村田太志、庄司将之、小松史法、手塚ヒロミチ、濱野大輝、沢城千春、落合福嗣、酒井広大、河本啓佑、神原大地、永塚拓馬、小林大紀、西山宏太朗、真木駿一、上住谷崇、高塚智人、中尾一貴、深町寿成、浦田わたる、岡井カツノリ、橋本祐樹、太田悠介、佳村はるか、土師孝也、岡本信彦
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガンバれ! ニッポン!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総評】
ラグビーワールドカップ、いよいよキックオフです。にわかながら、血が騒ぐ!!!

熱いスポ根系は大好きなんで、楽しく視聴できました。今期(2016秋)はスポ根多かったですね。卓球娘しかり、競女wしかり。

その中で、最も熱いアニメ。展開は、ど直球の王道ながらも、魅せる力がありました。

自分のこれまでのアニメ人生w でもレアなんですが、結果「ジジイに萌えたアニメ」でした(笑)

やはり、ラグビーワールドカップの影響からなのでしょうか、ラグビーアニメが作られたのは。

個人的には好印象です。剣道もそうだけど、ラグビーのように(日本人的に)そこまで人気のない競技ほど、アニメや漫画で光を当ててほしい♪

※でも9話のみ、超酷評、というかイラッとした気持ちで書いたレビューです。

ラグビーは、好きです。ルールは(基本的なものは)分かりますが、テレビで大学の試合とかやってればたまに見る程度なので、あまり専門的なことは分かりません。

デカイ人が有利な競技(バレー、バスケ、アメフト等)に小さい主人公がぶつかっていく、という筋は王道ですな。ただこれにも2パターンあって、「チビならでは良さを生かす」か「チビだけど正面から挑む」か。前者は、バスケの「あひるの空」、アメフトの「アイシールド21」。後者なら、バレーの「ハイキュー!!」とかが近年の有名どころですかね?

この「ALL OUT!!」はラグビーという競技の特性上、「アイシールド21」のように、「各キャラがそれぞれの身体的・精神的特徴を武器に戦う」展開になるのかな? でも、主人公の祇園はタックル好きだし、ハイブリットな感じにしていくのでしょうか。

ただ、ラグビーアニメの難しさは、やはりキャラの多さでしょう。1チームの人数が11人のサッカー漫画の金字塔「キャプテン翼」の「南葛」ですら、長野君や石見君など、ほぼモブキャラもいましたし。しかもアニメ尺ならなおさら難しい。結局、団体競技なのに、個人の争いみたいになっちゃうんだよね、人数が多い団体競技って(だから戦術面があまり見せられない。アイシールド21はそのへん、頑張った方だと思う)。

個人的には、「ラグビーならではの熱さ」「感情移入できるキャラを何人作れるか」に注目して観たいと思います!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
熱いアニメでした。ぶつかる、繋ぐ、泣く、笑う。

特に良かったのは、「名言」と「監督」。祗園の「俺らのボールだろ!」や岩清水の「でかい僕らで鬱憤を晴らしてるの?」などの名言はラグビーならではのもので熱くなりました。籠コーチは良かったです。淡々と正論を述べつつ、実は熱く優しい。意外とお茶目。監督キャラとしては最上位の渋さだと思いました。自分も、道場で子供たちに教えることもあるから、見習いたいな~と思いましたw

さて、この作品を考察する観点のうち1つ目の「ラグビーならではの熱さ」は当然よく表現されていました。原作者がラグビー経験者というだけあって、かなり細かいところまで描けてました。

「ラグビーの熱さ」とは、「生身のぶつかり」「繋ぎ」「ノーサイド」だと思います。

パスで一気に進めない以上、ランで少しずつゲインを稼ぐか、横パスを繋いで繋いで前に進むしかないラグビー。正に自己犠牲のスポーツ。生身でぶつかる、ほとんど格闘技としか思えない競技だからこそ、試合が終われば、敵味方なく互いを称え合います。

そういうシーンは随所に見られました(祇園の初トライがモールからの流れだった部分は、繋ぎや自己犠牲を表しています。慶常との合同練習や天竺戦終了後の雰囲気はノーサイドを表しています)。

観点の2つ目は、「いかに感情移入できるキャラを増やすか」ですが、ここは「学園青春モノ」としての側面でカバーしていた印象が強いです。

特に2クール目は、それぞれのキャラクターの「部活外」を通し、キャラへの感情移入を促す作りになっていました。だから、試合中にキャラが苦しい場面に陥ると、「頑張れ!」と応援したい気持ちになれます。ただ、その裏返しではあるのですが、ラグビーのプレー(技術的な)面でのキャラ付けが不十分でした。

具体的に言えば、プレー面でキャラが立ってたのは、祇園・岩清水・大原野・江文・松尾・貴船くらいで、実は赤山ですら、プレーの「色」は薄かったです(なんでもやれるだけに)。残りの、睦・賀茂・伊勢・諏訪・広田・春日(他)などは、プレーではなく、日常パートで色を出してた感じかな。

それが悪いわけではないのですが、私はスポーツアニメが好きなんで、もうちょいプレー(技術・戦術)面を見せてほしかったな~と。まあ、そこは原作連載中ゆえに、今後に期待ですね(原作も買おうと思うし)♪

最後に、1期EDの「全力少年」ですが、勿論名曲で、大好きな曲なんですが、だからこそ個人的には、「ある意味では合わない」なと思いました。あの曲は、新社会人とか、「変に利口になってしまった大人」に向かって作られていると思います。だから、視聴者である我々オッサンの心情は表していますが、今、青春真っ盛りの高校生である、登場人物達の心情を表しているわけではないのかなと。もっとも、松尾先輩の心情はよく表していて、そこをメインに考えているのなら、ぴったりな曲だとも思いましたが。
{/netabare}

【各話感想(レビュー)】
{netabare}
5話で籠コーチが来てから、急に面白くなった印象。弱小チームに名コーチが来てから強くなる、王道ですな(そういう意味ではあだち充作品は逆に凄いw)。そういうコーチが横暴なのはテンプレだけど、そこに逆らうよりも、素直に頭を下げられるってのは格好良かった。やる気になるヤンキー。はじめはバカにしてた奴らも認め始める。そしてチームがひとつになっていく。

祗園が、ただチビだからダメだったのではなく、精神的な部分にダメな理由があった。岩清水の「デカい僕らで鬱憤を晴らしたいからタックルしてるの?」って指摘は熱い。祗園の「俺らのボールだろ!」に並ぶ、ラグビーならではの名言。籠コーチは横暴なだけでなく、論理的で、チームを強くするために事実を述べてるだけで、ちゃんと褒めるポイントでは褒めるし、凄く魅力的な人物。これまでの「監督キャラ」の中でも、トップレベルに好きかもしれない(同ランクに、安西先生や田岡監督がいますが、それは言いすぎかなw)。

11話は各キャラの掘り下げが進んだ良回。一気にたくさんのキャラの「プレー」が理解できた。

2期目に関しては、熱さから一変、シリアスな展開が続きます。キツい部活、勉強との兼ね合い、家庭の事情。

14話の日常回は良かった。奥さんに負けている、籠コーチも良いわ~♪ 吉田先生との、大人な付き合いも良い感じ♪

VS天竺戦は、天竺のバラバラさとの対比で神高の良さを出す回。廉平はなぜ、もっと名門に行かなかったのかな?

天竺戦終了後の雰囲気、何より籠コーチの言葉は、「へ~」と思った。「勝ってもあまり喜ぶな。負けた相手のことを考えろ」は、剣道と全く一緒。「トライしてもあまり喜ぶな。皆で繋いだボール。たまたまお前が最後にいただけ」は、ラグビーならではだな~と思った。

20話以降は、再び各キャラを深めていく展開。ラストの嶺蔭2軍戦は、かなり、プレー自体を魅せていて良い感じだった。そして、最後に何の奇跡も起こせず終わるところも良かった。ラグビーって、番狂わせが起きにくい競技だと思うし。
{/netabare}

【余談1 ~ラグビー部に言うと喜ばれる言葉w~】
{netabare}
ラグビーやってる人に「アメフトと違って防具つけてないのに膝に頭から突っ込むって、ある意味アホっすよね」と明るく言うと、大抵は喜ばれますw

そしてその後に、「マジで怖くないんすか?」等を聞くと、生き生きと話してくれますw 大学でもラグビー部の奴等とはよく呑みました。あと喜ばれるのは、「剣道部が呑みで勝てないのは、ラグビー部と相撲部くらいだよ」とかね(笑)

でもその「生身でぶつかる」のがラグビーの魅力のひとつだと思うし、彼らが誇っていることでもあります(いや、アメフトも好きですよ! つか、スポーツには全てそのスポーツなりの魅力がありますし。アメフトの人には、「そんな防具なんて重くて固いもの着けて全力で突っ込むなんて、軽トラに突っ込むみたいなもんすね!」って言いますw)。
{/netabare}

【余談2 ~ラグビー漫画の主人公で多いポジションは?(色々調べてみましたw)~】
{netabare}
過去のラグビー漫画の主人公のポジションを軽く調べてみました(ネットで調べられる範囲ですが)。

・明刹工業高校ラグビー部→フルバック(15番)
・アップセット15→スタンドオフ(10番)多分
・HHORIZON→スクラムハーフ(9番)
・ノーサイド→スタンドオフ(10番)
・フルバック→フルバック(15番)
・IDATEN→不明、多分、ウィング(11番、14番)

と、ここまで書いて分かったこと。

①そもそも人気のあった(長期連載された)ラグビー漫画自体が皆無に等しく、いくらググッてもわからない部分が多かったです。

②そんな中、主人公にはバックス、しかもセンターラインのポジションが選ばれやすいようです。やはり、フォワードの巨漢ではイケメンを書きにくいとか、(読者の大半は普通の体型のため)共感されにくいとか、プレーが地味だとか、センターラインのポジションの方が様々な局面に顔だしやすいとか、色々あるのでしょう。

③意外とナンバー8が主人公として少ないです。やはりエースポジション、スーパースターとの認識が強く、努力や成長を書きにくいのかなと。

④フルバックは、まあ最近のは五郎丸さんの影響かな(笑) 昔のは、サッカーで落ちこぼれたとか、ヤンキーで蹴りが強いとか、最後のディフェンス残る(自分が抜かれたらトライされるポジションだ)とか、描きやすい部分もあるのかもしれません。

※そういった点を踏まえれば、今回の「オールアウト」で「祇園」が務める「フランカー」というのは新しいのかも。

「フランカー」はハイブリッドなポジションで、本来は速く強い人(現日本代表でいうと、リーチマイケル選手)が適正だけど、身体は小さいけど、タックルに特化し、気が強くスタミナのある祇園にはぴったりだとは思います(やっぱり小さいよりは大きい方が、良いけどね、フォワードではあるわけだし)。

まあ祇園の場合は、所謂「オープンサイドフランカー(フェッチャー)」というやつですね、ボール奪取に特化したフランカー。サッカーで言えば、山口螢選手や細貝萌選手、南アフリカW杯の阿部勇樹選手、往年で言うとガットゥーゾ選手やマケレレ選手、カンビアッソ選手のような、守備的ボランチ(日本風に言うとクラッシャー・アンカー)的な役割かな?

「弱虫ペダル」でもそうですが、最近のスポ根ものは、「縁の下の力持ち」的な役割の人が主人公になること、多いですですね。まあ、読者の大多数はスーパースターじゃないわけですし、(日本人)みんな現実的になって(小さくまとまって)きたから、「漫画に求めるもの」も、「憧れ」から「共感」に変わってきたのかもしれませんね。
{/netabare}

【苦言(9話 SLAM DUNKのオマージュについて)】
{netabare}
この作品がSLAM DUNKのオマージュだということは明らかだし、例をあげればきりがないです。キャプテンの名を「赤山」にしてることからも、原作者は隠す気がないんでしょうね。(赤木→赤城山→赤山 なのかな?)。

要素を真似るのは、まあ最悪、良いんです。創作物なんて、かなりやりつくされてますし。完全オリジナルなんて、ムリがあるし。でも、「昔」の「超名作」の「展開」を「あからさま」に真似るのは、どうなんでしょう? オマージュ=尊敬、としとけば、何でもOKなんでしょうか?

特に9話目。流血して「大丈夫だ、すぐ戻る」と言い、その後に「30点とりかえすぞ!」「俺たちは負けてない」という赤山。まんま、海南戦の赤木ですやん。

このアニメ好きなんですが、熱血スポ根ものなのに(もしかしたら今の子供には分からない、つまりはパクリとバレない)パロを入れてくる姿勢、しかもそれが個人的には聖域のSLAM DUNKのもの。SLAM DUNKファンとして、(ちゃんとネタですとしていないので)次第に腹が立ってきました。これは、(笑)無しのマジなやつです。

もしこのまま「熱血モノの中」で、SLAM DUNKのパロ、いや、パクリを平然とやり続けるなら、切ろうかと考えていました。なんなら今期(2016秋)で1~2番に楽しんでたアニメだったけど、SLAM DUNKへの愛はそれ以上です。ギャグアニメなら別に良いんです。「スポ根アニメの熱さをパロに頼る姿勢」なら、それは嫌いです。興ざめです。

10話目以降、あんまりに明らかなものは少なくなり、とりあえず溜飲を下げたので、完走できましたが、やはり気を付けてほしかったです。そこで、☆をひとつ落としましたm(._.)m
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジャケツちぎれて闘へる感あり

原作未読


2019年ラグビーワールドカップ日本大会は大盛り上がりでしたね。
前回大会も五郎丸選手に注目が集まったり、着実に認知度を上げてきてる感がある競技がラグビーです。

ただしアニメに目を移すとラグビーを題材にした作品は、知る限り本作ともう一つくらい。知名度のわりには圧倒的に少ない。
希少価値だけで手を出しづらいとしても、時流を言い訳に乗ってみるのも悪くありません。


作品タイトルでもある 『ALL OUT!!』


 {netabare}ぜんぶ出し切れ!!{/netabare}


タイトル詐欺なんて言葉とは無縁。そのまんま正々堂々 “名は体を表す” 全25話の体育会系スポ根アニメでした。


ラグビーという競技の性質上、味方もライバルもあわせたらものすごい数のキャラが登場します。いくら25話あるといっても全員にキャラ回/キャラパートを振れるわけではありません。
じゃあ光を当てずに放っておくかといえばそうではなく、「表情やリアクション」「試合時のポジショニング」「プレイの選択」「つるむメンツの組み合わせ」あたりで変化をつけることでキャラの成長や心情を表現してたりと丁寧に作られてます。
名前を全員覚えているわけではないのですが、補欠を含めてチームの一体感を作品全体から感じることができたので満足よ。
自チームだけでなく県内ライバル校3校と県外チームいくつか出てきますが、キープレイヤーや学校の特色などすーっと覚えられる不思議。導線が自然でした。

これ重要なことだったと思います。
スポーツものは競技の魅力が伝わってこそ。今は旬なので皆さんも「献身」「犠牲」なるキーワードは記憶に残っているはずです。
仮にですが、突出した能力を持つ主人公が無双したり、ひ弱な主人公が這い上がったりみたいなヒーロー活躍型の設定だったら別の物の見方をしてたと思います。


競技が持つ根っこの部分を捉えていたら次に重要なのがルールや規則です。“やり方”を知れば“観戦の仕方”がわかるってやつです。
主人公を初心者の設定にしてチュートリアルを都度都度はさむ定石の展開でこれもクリア。
オフサイド知らなくてもサッカーは楽しめますが、ルールが複雑なラグビーではルール知ってる知ってないは肝になります。図解でのルール説明あり。ボールを持ってない選手の動きの説明あり。全く競技を知らなくても分かりやすい解説付きでしたので安心してくださいね。

試合中の描写は大写しの局地戦が中心でした。全体を見渡すようなカットは皆無。ここはメリハリが欲しかったところです。
引きの映像にすることでバックスのランの速さが際立つ。ボールを持ってないプレイヤーのオフザボールの動きが見える。といったゲーム戦術の理解に繋がるメリットはもちろん、似たようなカットの重複を避けてメリハリもできますしね。
捨てて得たのは体と体のぶつかり合い。迫力を全面に出す意図だったのかもしれません。それはそれでアリだと思います。


結局のところ、唯一!?のラグビーアニメが競技の本質を捉えたものと感じられるのは幸せなことなんじゃないかしら。
『スクールウォーズ』の時代から脈々と流れる

 “One for all All for one”

今なら『ONE TEAM』それを体感できる泥臭い作品です。なお、イケメンも萌え娘も出てきませんので悪しからず。
神奈川のラグビー弱小高校を舞台にチビの主人公が入学してとか、そこに良い指導者が現れてとか、詳細はあらすじをご参考に。
脚色やツッコミどころは当然あるものの、ラグビーらしいラグビーものに触れられる良作です。



※以下ネタバレ所感

■途中モブ化する主人公

ちびっ子で気の強い新入生が競技を通じて成長していく。主人公とは対照的な大柄で温和な性格の新入生をパートナーにして。
…と初めはそんな王道を匂わせながらこの主軸二人、祇園健次(CV千葉翔也)と石清水澄明(CV安達勇人)は途中から空気と化します。

{netabare}顕著になったのは1クール後半あたりから。部活外で他の部員の日常回や家庭エピソードがメインを占め登場回数が減りました。{/netabare}

{netabare}それでも最後の嶺蔭戦でチームの皆の心が折れそうだった時に怯まぬ勇気を示しチームを鼓舞したのは彼。きちんとおいしいところは持ってきます。

そして気づけば第1話ではクソガキとしか形容できなかった祇園が、これまでにやってきたこと。

・持って生まれたガムシャラさはそのままに
・己の武器を活かす方法を手探りで模索する
・自分中心から徐々に仲間に目を配れるように
・下手でも卑屈にならず努力を重ねる
・教えを乞う謙虚さもある

物語終盤では面構えの良い男に成長してました。

{netabare}人生初トライの時のリアクションが秀逸。小柄ゆえに活躍する期会すら与えられなかった青年が、やっと見つけた、いや見つけたと思いたかった居場所で不安を抱えながら努力を重ねてきたことの一つの結実。どう喜んだらいいかわからないというのがリアルでした。
それにモールからのトライだったというのも良い。チームメイトが「献身」「犠牲」を払わなければ生まれないものだからです。{/netabare}{/netabare}


■赤山のあれ

第1話ではコワモテのボスキャラみたいだった彼。
…某神バスケ漫画のゴ…みたいなキャプテンでしたが、蓋を開けてみれば先輩だってただの高校生でした。もちろん良い意味です。

{netabare}その突出した身体能力の高さゆえに自然に身につけたプレイスタイルがありました。
相手に捕まえられても引きずって敵方のフォローを誘い自分にマークを集めてからパスを出すっていうアレです。

{netabare}嶺蔭戦前半。神高ボールのラインアウトでモールを予想する敵方の裏を突きピールオフからトライを奪った場面。石清水からボールを受けた赤山が相手に捕まるより前に八王子睦に展開したからこそのトライでした。
作画を見てみたら、たしかに早く展開しないと密集からのヘルプに追いつかれるのとバックスが睦のランコースを防げる位置へ移動可能な勢い。コンマ何秒のナイス判断となってました。{/netabare}

視野が広がってきた。状況判断がついてきた。これをもって成長の証としても良いのですが、なにより彼の「上手くなりたい」がための謙虚さ真面目さが表れてたんじゃないかと思えるのです。{/netabare}



※以下は余談

■奥田民生プロデュース『全力少年』

1クールめのED曲です。説明不要の名曲。そして奥田民生が編曲しているという豪華さ。
民生は脱力してる釣り好きなおじさんではないですよ。めちゃくちゃ研究熱心で音楽に対して真面目なんす。
神高にもぱっと見はアレだけど実は真面目…っていうかわいい子たちばかりだったでしょう。曲はもちろん好きなのだが民生起用は「狙ってるんかいな!?」と思う。


■ウケない作品

棚に入れた:737 感想・評価:179 

2019年11月14日時点の数字です。
2016秋は棚入れ5000件超の『ユーフォ2期』を筆頭にそれから離されること31位の位置。レビューの数も30位。
放送本数が違うので単純比較はできかねますが、注目度が低いったらありゃしません。

あにこれ閲覧者マジョリティのニーズには合わないタイプの作品と言うよりも、開始前からふるいに落とされることで見落とされがちな作品です。
観てみたら案外いいものかもしれません!というのが、イケメンと萌え娘を抜いた体育会系スポ根アニメ。
似たようなもんばっか観てるな~、たまには趣向を変えてみようという時にいかがでしょうか。

同系統では2018年秋の『火ノ丸相撲』なんかもそうでした。こちらは

棚に入れた:465 感想・評価:148 

似たようなものです。このへんの数字に興味ある方は「放送時期別ランキング」をご確認いただければよろしいかと。条件に合わせてソートも可能です。



他にも

・籠(こもり)のじいさんマジかっけー
・残波の目の色どう見ても悪魔だから
・リアルの松島選手は桐蔭出身だったな

いろいろありますが長くなったのでこのへんでm(__)m


続きの観たいストーリーだし、みんなのその後も気になるので続編希望しますが気配すら感じません。
この25話で“ALL OUT(全部出し切った)”ということなのかしら。いや違うだろう、と思う自分がいます。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 再放送  

------
2020.02.18

この作品ではないけれど、ラグビーをネタにしてスレンダーマッチョのイケメン揃えると途端に胡散臭くなるのでやめてほしい。そういう方にはステージで歌って踊らせるとか適材適所ってものがあると思います。山下真司程度(失礼!)を男前認定するくらいでラグビーはちょうどよい。※個人の意見です


2019.11.19 初稿
2020.02.18 タイトル修正/追記
2020.06.28 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 45
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

"番狂わせの少ない競技”の本当に……本当に地道な土台作り

原作コミックは未読。

本作で茶色のラグビーボールが出てくると思っていた程、ラグビーに疎かった私w

放送前、本作が“ラグビーを題材にした史上初のTVアニメ!”とアピールして来た時は、
高校ラグビーとか伝統があるのに意外だな……という印象を抱いていました。

実際、視聴してみて、選手の実力を反映しやすいように合理的に進化してきたと言う、
ラグビーの説明がてら、ストーリーが進行していくと、そのルールの合理性故に、
例えば超人主人公がミラクルプレイで試合をひっくり返すような、
どんでん返しで感動演出!というプロットなど、まず成立し得ない。
ラグビーという堅牢なスポーツに舌を巻くことになりました。
これは確かに漫画で連載し続けるのも大変だろうなと思いました。

本作はそこを全員主役で、全員練習で汗を書いて、泥にまみれて貰う。
モールの如くジリジリと押していく、地道なシナリオ展開で、
愚直にラグビーにぶつかっていった点が特徴。

どんなスポ根アニメも、練習したこと以上のものは試合では出ない。
と主張しますが、本作は徹底的。

{netabare}何しろ2クール全部、練習と練習試合と合宿。
公式戦を一試合も行わないまま消化してしまったのです。{/netabare}

よく部活アニメの感想などを見ていると、
たったこれだけの練習で上手くはならないよ~。
と言うコメントをちょくちょく見かけますが、
本作を観て、まだ練習量が足りないと言うなら、
部活アニメなど見ない方がいい。

それくらい土台作りを重視した作品でした。

地道ゆえ、退屈することがあったのも否定はしません。
ルールに基づいたスポーツと、スポ根のキャラ性、ドラマ性の両立の難しさを
痛感することも多々あった作品でもありました。

けれど、それを乗り越えて、成果を示された時は、
底からじっくり暖められた風呂の如く、
芯から熱くなるものを感じることができました。


好きなキャラは籠(こもり)コーチ。
練習も愚直なら、指導も愚直。
だからと言って、根性論には落ちず、
理論的な練習で教え子を明るい方向へ導く……。
それ故に、彼が語る言葉には説得力を感じました。

{netabare} 個人的にコーチ陣が酒席等で指導論などを語るシーンが好き。
「指導者は常に子供を驚かせる張本人でなくてはなきゃならない」
ノミュニケーションでは時に深い言葉が飛び出します。
もっとも酔い潰れて覚えていない方もいらっしゃるでしょうがw{/netabare}

【前半戦1クール感想】「お前ら、オールアウトって知ってるか?」

{netabare}男女構成比が極端な深夜アニメの諸作品。
ちょっと紳士の煩悩に流されるまま作品をチョイスしていると、
たちまち二次元世界で美少女たちに包囲されてしまいがちですw

尊氏の2016年秋もまさにそんな惨状w
何か漢(おとこ)たちが暑苦しくぶつかり合うアニメを投与して、
極端に極端をぶつけて中和せねばw

そんな謎の使命感で徘徊していた所、辿り着いたのが本作。


本作は神奈川県のとある弱小高校ラグビー部の男たちの青春物語。
各校部内に女子マネやイケメンラガーマンの追っかけ等が若干名いる他は、
(他に強いて言うなら、{netabare}作品内二次元世界にて撲殺系魔法少女が登場する以外はw{/netabare})
見事なまでに男しかいない。
筋肉ムキムキな男たちの飛び散る血と汗と涙!
魂のぶつかり合いがあるばかり。

前半戦は練習や紅白戦、合同練習試合等を通じたラグビールール初心者講座も兼ねた、
泥臭い地道な伏線張りが続く展開。
{netabare}GWですら遊びにもナンパにも行かず、校舎内で男たちがすし詰めに寝泊まりして校内合宿!{/netabare}
暑苦しいぜ!!


ただこのまま延々とぶつかり合ってばかりだと、
俺のスタミナはもたないのではないかw

そんな私の懸念が払拭されたのは、
{netabare}にわかに元全日本の老コーチが招聘されて以降。{/netabare}
ガムシャラ一辺倒の弱小ラグビー部に意識改革がもたらされてから。
その後、本作は私の中で単なる萌えアニメ中和剤じゃない。
次回が楽しみなスポーツアニメに昇格しました。


特に第六話の{netabare}「出し切ること」
レビュータイトルにも掲げた、
コーチによるタイトル回収のセリフから始まる教示が心に響きました。

「オールアウト」……全て出し切ること。
要するに死に物狂いでやれば全国大会にも行けるだろう。
だから一生懸命やれ。ってことなのですが、
私には部活にありがちな単なる根性論じゃない、
老獪かつ科学的な言葉の使い方を感じました。

部活に限らず、プロスポーツなんかでも、
低迷しているスポーツチームというのは練習して着実に強くなっていく、
そんな当たり前すら損壊しているもの。

一生懸命取り組むことにすら迷いが生じがち。
狭い練習場で空回りし、頑張る根拠を渇望する彼らに、
「オールアウト」というより広い世界の概念を与える。
その言霊パワーに震えました。{/netabare}

「ALL OUT!!」が実現した時、神奈川県大会にどんな旋風が巻き起こるのか?
成果を確認するのが楽しみでなりません。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
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