2023年度のジャンプ作品TVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2023年度のジャンプ作品成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の2023年度のジャンプ作品TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.5 1 2023年度のジャンプ作品アニメランキング1位
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (131)
419人が棚に入れました
コミックスがシリーズ累計7,200万部、実写映画はシリーズ累計興行収入193億円と全世界・全世代からの支持を受ける伝説の名作『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』が、2023年に新作TVアニメシリーズとして蘇る。 和月伸宏による原作は1994年「週刊少年ジャンプ」にて連載開始、1996年には初のTVアニメ化。以降もOVAや劇場映画など数々の展開を経て、現在は『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』が「ジャンプSQ.」にて連載中。 満を持しての今作は、最新のアニメーション技術で原作を第1話から再構築し、現在のアニメファンにもアピールしうる、アニメ『るろうに剣心』を目指す。 制作にあたっては監督・山本秀世(『ストライク・ザ・ブラッド』)、シリーズ構成・倉田英之(『メイドインアビス』)ら実力派スタッフが集結。緋村剣心役に斉藤壮馬などキャスト陣も一新して臨む。さらに原作者・和月伸宏が自ら、キャラクターデザインやシナリオなど全編に渡って完全監修する。 連載開始から約30年を経ての新作TVアニメ『るろうに剣心』。色褪せることのない、王道にして普遍的な物語、登場人物たちの苛烈な信念を、今再び鮮烈に映し出す――
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

明治十一年,東京下町――,ここからはじまる浪漫譚

『るろうに剣心』はわたしが子どもの頃ドハマりした作品です。
けど,1996年版本編でアニメオンリーのエピソードが作られるだけでは飽き足らずOVA追憶編や星霜編,新京都編が作られ実写映画化もされました。
オリジナル及び1996年版のアニメ(の原作エピソード)が好きだったわたしからすると擦られすぎた感があって,今作の発表があった時は嬉しい気持ちよりも正直「もうるろ剣のことは放っといてくれ」って思いました。
とってもとっても好きな作品なだけにもう幻滅したくなかったんです。
あまりに好きなので1996年版の方もずっとレビューできていなかったのですが,今作を観終わったのでこちらとの比較レビューをあげました。
こっちのレビューでもこのアニメがリメイク作品である以上比較は避けられないと思うので,そのような性質のレビューとなります。
また,1996年版は前作,新作は今作と表記します。
旧作という表現をあまりしたくないので,新京都編と紛らわしいですが今回はお許しください。

今作は原作者の和月伸宏先生が完全監修するということで,あまり批判的なレビューはどうなのかなと思ったのですが(批判的に思ったとしてもこっちが間違ってる),まぁいつも通りダメなところや好きじゃないところなど言っていこうと思います(笑)。

まずはキャラクターデザインです。
原作者の和月伸宏先生が監修となったら1番はここでした。個人的に。
というのもわたしは前作のキャラデザがとても好きだったからです。
YouTubeでPVを初めて観たときは正直好きになれませんでした。
うまく言葉では言い表せませんがなんか前作よりも面長になってまろ~んとしてる。
前作の方が癖のないキャラデザだったと思います。
でも原作者完全監修と言われたら黙るしかないよなぁなんて思いつつ観ていきました。
正直初めの方はやっぱりPVを観たときと同じ感じで慣れずとても嫌でした。
でも,観ていくうちに慣れたのかそれとも回が進んでいくうちに癖がとれてきたのかむしろとても好きだと思えてきました。
特に剣心。相変わらずめっちゃイケメンだなって(笑)。
最後まで微妙だと思ったのは薫ちゃんです。
薫ちゃんはもっと可愛いキャラクターなのに~って残念でした。
なんかシーンにもよるんですが目がおっきくてキラキラしすぎてる気がします。
あとは鼻が気になる。。

そして…言及せずにはいられませんね。キャストが一新されました。
正直に申し上げてメインキャストは全員前作の方が良いです。
わたしはアニメから入ったので前作の声がオリジナルになってしまっているのは認めます。
でも,それを抜きにしてフラットに(思い出補正なしに)見てもやっぱり前作の声の方が圧倒的に良い・合っていると感じます。
でもね,それはあくまで前作と比べた場合です。
第1話の声優さんの声の出し方は特にですが,キャスティングした側も声優さんも1から新しい『るろうに剣心』を作ろうとしているのではなく,前作を意識したキャスティングなんだなとすぐに理解できました。
最善ではないかもしれないけど善処しているのが伝わってきました。
今でも原作を読むと頭の中で再生されるのは前作の声優さんの声です。
観ていると「うぅ。前の声優さんの声が聴きたい」と思っちゃうのは否定できません。
でも,このキャストはこのキャストでアリだなと思わされました。
1番コメントしなきゃならないのはやっぱり主役の剣心ですよね。
女性→男性になったのは大きな変更だと思います。
前作の第1幕のサブタイトルが「伝説の美剣士…愛ゆえに闘う男」というなんとコメントしていいのかって感じのものなのですが(笑),涼風真世さんの声は「確かに美剣士だわ」と納得せざるを得ません(笑)。
それに最初の「ん~?」がめっちゃ好きなんですよね。
でも,今回は男性の声とあって,「剣心は男性だし,剣心ってこういう声なのかもな」って思いながら観てました。
なので意外と受け入れられました。
ただ演技はやっぱり涼風さんの方が好きだなぁ。
宝塚ならではのきりっとしたメリハリがある演技というか…。
特に「ただできれば語りたくなかったでござるよ」ってところ。
ここは原作でもフォントが変えてあるくらいだし,前作を観ていても心が痛くなるようなセリフなのになんか普通っていうか…。
さらっとしてたなって印象で残念でした。
あと左之助ですね~。彼はもう左之助がうえだゆうじというよりうえだゆうじが左之助。(←その位シンクロ率高いと言いたい。)
なので後を引き継ぐ声優さんは大変だと思いますね。
あとは宗次郎もシンクロ率高いんだよなぁ。
でも前作ほどではないけど,よく男性で宗次郎っぽい声出せる人探し出してきたなってむしろ感心しました。
唯一はっきり違和感を感じるのは斎藤一ですね。
前の声優さんはもう無理なのは分かっているのですが,今作の声は爽やかすぎると思いました。
なんかどうしても“頼りになるかっこいい先輩”ってイメージの声なのよね(^-^;

あとは音楽。
第1クールの主題歌はOP/EDどちらも好きでした。
正直R-指定は要らなかったかな。。
そしてアニメーションがめっちゃ良いですね。
OPの間は別のことしちゃうことも多いんですが,これはきちんと毎回観てました。
原作らしい画があったり,剣心が立ち上がるところなんかは「そばかす」だ♪って嬉しくなりました。
剣に手をかけて立ち上がるところかっこいいよね♡
そういうところからも原作や前作へのリスペクトが感じられました。
EDもアニメーションはとても好きだし曲調もOPでも良いような曲調だし昔の「るろうに剣心」っぽいなって感じました。
第2クールのOPの曲は有り体に言って好みじゃありませんでした。
なので毎回飛ばしちゃってたんですが,EDは今回の4つの曲の中で1番好きでした。
そしてBGM。前作のBGMがとても印象的で合っていたから今回はどうかなと思ったけど「すごく前作っぽい」って思いました。
前のものほどキャッチーではないけれど物語の雰囲気はそのままです。

それで今作で最も良いなと思ったところ…。
それはやっぱり作画です。
前作と比べて良いと思えるのは作画だけかも(^▽^;)
―なんて言ったら凄い酷評しているように聞こえるかもしれませんが,作画が悪かった前作を思えば,そしてアニメを語る上で作画をかなり重要視しているわたしからすると作画が安定してるってそれだけでもうとっても価値があることなのです。
細かいところで言えば完璧ではありませんが,どのシーンを見てもイケメンの剣心を見れるってのは幸せでした。
(髪がほどける剣心が色っぽくて昔から好きなのですが今回は雷十太のとこでほどけてて斎藤のとこでは結ばれたままでしたね。。)

そして物語。
とても人気作なのでもうネタバレタグとか必要ないくらいに履修済みの方がほとんどなんじゃないかなと思っていますし,わたしも前作を何度も観ました。
でも,先が分かっていてもこれだけ面白いって訳が分かりません。
ニヤニヤしながら観てました。
ほんとに名作だよなぁ。。
特にわたしは東京編が1番好きなので改めて楽しめて嬉しかったです。
黒笠編で薫ちゃんが藍色のリボンを渡すところで「薫ちゃん可愛くないか!?可愛いよね!?可愛すぎる!!」ってきゅんきゅんし,「殺してやるからさっさとかかってこい!」のところでは剣心がかっこよすぎて震えました。
戦いのシーンでは剣心が一瞬にして消えるところもかっこよすぎる(⋈◍>◡<◍)。✧♡
時が経っても子どもの頃と男の好み変わってないのかって自分に呆れます(笑)。
でも演出っていうのかな。薫ちゃんとの恋愛っぽいシーンはかなりあっさりめに作ってあると感じました。
そういえばお風呂場のぞいちゃうシーンもなかったし,斎藤と戦うシーンの前に薫ちゃんが剣心の背中におでこをくっつけるシーンもなかったし,{netabare}別れのシーンも前作のようなドラマティックな描き方はされませんでした。

―にも関わらず,わたしはその別れのシーンの剣心(の中の人の演技)にドキリとしてしまったんです。
実はこれがこのレビューで1番書きたいことです。
どういうことかというと…
わたしはずっと剣心はどこで薫ちゃんを好きになったのか分かっていませんでした。
今もそうです。
でも,勝手な解釈ではあるのですが,少なくとも京都に発つとき薫ちゃんに恋はしていないだろうなってずっと思ってきましたし今もそう思っています。
けれど「すごく嬉しかった」って,あの剣心の声を聞いたら「あれじゃーまるで薫ちゃんのことをもうすでに好きみたいじゃん」ってドキリとしたと同時に情動的に泣きそうになってしまいました。
声優さんの演技に関してあまりどうこう思ってこなかったので,演技でこれほど感じ方が変わると思ってなかったんです。
前作の涼風真世さんのときは戦いに行くと決めたって決然とした感じがしました。
でも考えてみれば,涼風さんが同じような声を出したらほんとに女性っぽくなっちゃいますよね。
でも男性なら思いっきり優しい声を出したとしてもフェミニンにはならない。
そう思ったら今作で男性にキャスト変更されたのは良かったのかもなって思いました。
京都に発つときには剣心はもうすでに薫ちゃんのことを好きだったんじゃないかという意見があるのは知っています。
(薫ちゃんの恋を応援している身としてはそうだったらどんなに良いかって思うけど…。)
なので,これが間違いとは言えないし,それは作者しか知りえないわけで…。
公式に発表されない限りは…。
なので正負や好悪を言いたいわけじゃないのですが,どうしてもレビューで書きたいと思っちゃいました。{/netabare}
また時間があるときに見直してレビューも更新できたら良いと思ってますが…するかな(笑)??

取り敢えず京都編今からとっても楽しみです。
早く観たいよ~。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幕末の幻影

旧作アニメも原作漫画も知りませんが、昔人気だったのも納得の面白さですね
話は夏秋アニメ通してトップクラスに面白いしキャラクターの生き方がカッコいいし殺伐とした話の中で剣心を見守る薫殿の可憐さがいい感じに癒しです!
これから大きな戦いがはじまるってところで終わったので早く続きが見たい

まずは悪いところから書きます、悪いところっていうか
魅力的な世界観なので要求値が高いだけですが
BGMや効果音はシリアスシーンの緊張感が出せてなくてあんまりよくないかな?
OPは曲自体はいいけどラップの軽快なリズムが世界観に合ってない気がします
作画は可愛い感じでとても綺麗ですが、音も含めていいのか悪いのかわからないけど「軽い」
剣心の抜刀斎への変化の演出が弱い、侍同士の戦いって「間合いの取り方」とか「静と動の駆け引き」が魅力なのかなって思うけど、大技に注目しがちでどちらも曖昧、動きが硬くてアクションシーンが軽く剣戟シーンが安っぽく見える、ただ止まる・暴れる・かわすだけじゃなくて「刃筋とそれを交わす所作」や「静と動」をしっかり描いて欲しいのと、ただ薄暗くしているだけで不気味さがなく、硬派で重い世界観や陰鬱な時代の空気を表現しきれてないように感じます

一方でシナリオはとても重みがあって面白い
明治維新という大変革の陰で犠牲になったものは大きい、明治政府への恨み、殺された家族の仇、ただ戦場を求める性、遂げられなかった武士の本懐
彼らは未だ、幕末の世を彷徨っている

明治政府は長州藩・薩摩藩を中心とした「武士」が中枢を担っていた、武士の本懐を捨てた者達に「刀を捨てろ」と言われて、侍以外の生き方を知らない者達は従えるでしょうか?
彼らはきっと死に場所を求めている、幕末の戦いで「死ねなかった」のは、彼らにとって不幸なのかもしれません

これは生きることか死ぬことか、侍が「武士道」のけじめをつける物語・・・なのでしょうか?

原作も旧作も知らないので、解釈が間違っていたらごめんなさい・・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

fluid さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

原作のコミカルな表現が意図的にカットされた残念なリメイク作品

るろうに剣心と言えば、鬼滅の刃のようなコミカルでおもしろい表現とデフォルメされたキャラ演出がヒットした大きな理由の一つですが、このリメイク版ではそれが意図的にカットされてます。
全体的になんかカッコいい感じの演出に作り変えられてて、もはや別の作品ですねこれは。原作の魅力的な部分をほとんど捨ててる感じ。
1996年版を未視聴の人はそっちを見た方が何倍も楽しめると思います。

・まず剣心が敵を見下してる感じ、カッコいいナルシストっぽい感じに表現されてるのが絶望的に原作のイメージに合わないです。そもそも自分の強さを見せつけたり、相手を見下すのは弱い人間がすることです。原作ではそれを一切感じさせずに、どうしようもない状況に追い込まれたときだけ剣を手にするイメージ。名前の由来にもなってますが、とても心が優しく精神的な強さを感じられる人物のはずですが、リメイク版ではそこらによくあるバトルアニメの主人公みたいな安っぽいナルシストにしか見えません。声優も絶望的にあってません。声質がまず絶望的にあってないですし、役をまるで理解してない演技。

・かおるの声優さんは感情表現が嘘っぽくて絶望的に合ってないです。腹から声が出てない感じ。ベテラン声優さんなら言葉一つ一つの感情を考えつつ細かく感情の起伏を付けたりしますが、この声優さんはおそらくシーン単位でまとめてそれっぽい感情を割り当ててるだけですね。セリフと感情の起伏のタイミングが絶望的に合ってない。手抜きしてるのか気が付かないだけのか分かりませんが。もっと言うなら発音と言うかイントネーションの付け方も不自然すぎます。かおるはもっと裏表のない地声でずぼらな性格の演技をしてほしいです。地声と高い声を切り替えるような演技は絶望的に合わないです。役をまるで理解してない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

68.2 2 2023年度のジャンプ作品アニメランキング2位
アンデッドアンラック(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (130)
462人が棚に入れました
くるよ、不運が。 いいね!最高だ!! 触れた人々に不幸な事故をもたらす不運“アンラック”な少女・風子。 その特異な体質から一度は死を覚悟した風子の前に、絶対に死ねない不死の体を持つ“アンデッド”のアンディが現れる。 彼は風子の力で“本当の死”を得るため、彼女と行動を共にすることに。 しかし、アンディと風子のような異能の力を持つ【否定者】を狙う謎の組織“ユニオン”が2人の前に現れる。 これは、二人が最高の死を見つけるお話。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緻密なストーリーに深いテーマ…それ故に頭を使ってしまう。

2クール目のレビュー

 運命論、神、死、魂、世界、恋愛…そういったテーマをかなり緻密な設定で、構成をある程度計算しつつ描いたのだろうな、というのは分かります。SF的な作り込み、若者…少年に対する強烈なメッセージ性を感じました。ただ、それが複雑すぎて「面白さ」の計算を間違えている気がします。

 この話は多分文章で読んだほうが頭に入る話です。描きたいことの情報量とアニメが表現できる密度が見合っていません。多分、マンガ版はもう少しましかもしれませんが、似たようなモノでしょう。読み取り手の内容の消化がついてこれなくて、咀嚼・思考する時間が必要になってしまいます。

{netabare} タイムリープとマンガ家要素は1話で予想した通りでしたが、風子=アンノウンは間違いました。ですが、冒頭から作品の構造を仕込んでいたのはわかりました。やはり星を知らないという部分がSF的には痺れましたね。世界観と神をSF的に扱ったのは、原作者の造形の深さも感じます。{/netabare}

 映画であればそれをオカズに何日も楽しめるのですが、2クールアニメでしかも完結できない状態では、エンタメとして正直受け取り手に負担を強いることになります。そして、本作の面白さはその負担を引き受けることで初めてわかる深さですから、作品として成立していないのでは?と思います。緻密さ、設定、テーマをもう少しライトにしていれば評価がもう少し違った気がします。

 コミック版を読んで何度も咀嚼した人ならアニメを楽しめる要素はあるでしょう。作画は素晴らしかったと思います。ですが、何度も咀嚼しているだけに、すべて見るのは辛いのではないでしょうか。

 チェンソーマン(コミック版)と対をなすようなテーマ性でしたが、チェンソーマンがスタイリッシュ、ダークヒーロ―、バトル要素、ファンタジー、青年誌的なものと相性が良かったのに対し、本作は、泥臭い、ヒーロー、考察、ST、少年誌的なものと相性に問題があった気がします。

 また、テーマも感心がある人ならもっと深く日頃考えているでしょうし、感心が無い人はストーリーから拾えないということも言えるかもしれません。それと考察の習慣がある人じゃないと、ストーリーが読み取れない可能性すらあります。

 レベルが高いだけにエンタメとしての調整をミスった、という印象の作品でした。

 評価は1クール目よりさらに話が理屈になってきたので、少し落とします。作画は素晴らしかったです。
 ただ、評価は4.1を付けましたが、楽しめたか?と言われると主観的には70点…いかないかも…という感じかな。



1クール目のレビュー

 冒頭の「君に伝われ」のクオリティとその如何にも伏線的な安野雲「アンノウン」という作者名。3分ちょっと過ぎから数秒間たっぷり本の背表紙を見せていました。風子の「フー who」に対して「アンノウン unknown」ですからリープものって3分ちょっとでわかるのがすごいなあ…というところに惹かれて見始めた本作。

 作画も良いしテーマ的に「不」という「否定」の話で、ループによる世界の改変ですから奥行を感じます。また誰にも触れられない少女というのもいいじゃないですか。それと「星が無い世界」というSF的な仕込みにもかなり痺れました。

 話がちょっとゴチャゴチャしていて分かりづらい面もありますが、かなり凝った話だと思います。アニメとして読解力が求められるのがちょっと辛いのかな?と思わなくはないですが、少年マンガということで丁寧に見ればわかるでしょう。そして、ちょっと深掘りすると面白い仕込みがありそうです。
 ゾンビ先生の結婚の話も良かったし…話としてもいいですが結婚というものの人生における意味もちょっと感じました。

 逆に少年マンガ的すぎて辛いところもなくはないですが、話の続きが気になる作品でした。
 アンテッドの胸の1865って解説ありましたっけ?ちょっとなんかありそうですよね。西暦ならリンカーンの奴隷解放が有名ですけど…なんでしょうね?

 2期…というより分割2クールなのかな?発表があるのはいいですね。最近増えてきている気がします。
 2クール、2期の定義がわかりませんが、1期の時点で発表があって半年程度の間なら2クールでいいんでしょう。

 思ったより奥行と仕込みがある作品でした。2クール目も見ると思います。

 完結してないので話は低めにつけますが、キャラの作り方は上手かったです。作画はよかったですねえ…特に1話とか4話のジーナの最後の方とか素晴らしかったです。





以下 視聴時のレビューです。

1話 話もいいけど作画の身体性…お〇ぱいがなかなかです。

{netabare} 冒頭の作品内作品の「君に伝われ」の作画と雰囲気がものすごく良くて、騙されました。ですが、ジャンプ的少年マンガっぽい雰囲気はあるものの掴みは悪くなかったです。

 で、アンテッドとアンラッキーという2つの人物が…という話ですからテーマ的には既存の何かになるんでしょうけど、感心したのが身体性ですね。別に男の全裸なんて見たくないですが、ヒロインの身体が妙に艶めかしくてデフォルメされた少年マンガ的エロスとは違う何かを感じます(特におっぱいの重量感に注目)。
 動きもいいんですよね。コミカルで荒唐無稽な動きですが、ちゃんと迫力ある動き、構図になっています。結構贅沢な造りなのではないかと思います。

 EDのクレジットを見ると、総作画監督、キーアニメーター、メインアニメーターと作画を管理・主導すると思われる人だけで重複なしで6人いました。作画の水準は相当高いと思われますし、絵に携わるスタッフの分厚さに期待がもてます。

 テーマにも興味がありますが、少年マンガということを忘れずに見ればエンタメとして面白いのでは?と思います。何より、作画がいいのでそれだけでも楽しみそうです。

 なお「君に伝われ」の作者が安野雲で、あんのくも、かと思って見てましたが、考えてみれば「アンノウン」ですね。不明と言う意味です。で「アン」=UNで「ウン」はラッキーですから、アンラッキー、つまりヒロインの事です。ダブルミーニングの意味は?ものすごく大雑把に想像するとひょっとして未来の本人とか?出雲の「雲」の字も重なりますし。風子のふうはフー、つまりWHOで誰?なので、アンノウンに対応しますし。 {/netabare}


8話 チェンソーマン?SF設定と不=力という世界観が面白い。

{netabare} 3話の絵の話で月の周りに描いているキラキラしているもの=「星」でちょっと「ゾクッ」と来ました。これで本作はある種のSF的なものだということがはっきりします。我々の生きている世界とはズレているということですね。そして、やっぱり風子は星を見たことがあって、それを無意識に描いたのでしょう。タイムリープとか世界を跳躍するような能力があるのでは?と推察されます。

 もちろん、そこで出てくるUFOとかあるので、見ている側の世界観は混乱しますが5話くらいになるとかなり輪郭が見えてきます。
 
 全員「不」という力を持っています。つまり、否定ですね。何かを否定する力によって、何かのミッションを行いそしてできなければ罰ゲームでルールを変えられる。

 これって「チェンソーマン」の悪魔の設定とかなり似ている気がします。
 貧困と性欲に喘いでいたデンジと人の恐怖が力になる世界。風子の人と触れ合えない設定と「不」という否定が力という世界。別に類似しているのはいいんです。それが時代の雰囲気です。つまり、本作も理不尽な世の中のアナロジーですね。

 どちらが優れているかはわかりませんが、今期作品の「はめつのおうこく」も現代日本の負の面のアナロジーのような感じがあります。そういう作品は見ていて考えるのがちょっと辛いですが、問題意識を持つのはいいことだと思います。

 しかし、このアニメ、独特というか妙な綺麗さがあります。背景というか小物のCGはそれほど魅力的でもないんですけど、色合いとか人物ですね。これはなかなかのクオリティです。OPEDはその一段上を行きます。レベルの高い作画はアニメを見る喜びなので、その点の評価は高いです。{/netabare}



11話 「不」「君に伝われ」SFと謎で面白い作品ですが、読み取りづらいのかな?


{netabare} 星が生まれましたね。現在の地球に近づいている=今の世界は地獄ということでしょうか。世界観と設定の壮大さはいですね。

 それが「不」という能力と係わってどういうテーマ性が見えるかです。パラレルワールドの変形といってもいいですが、やっぱりチェンソーマン的な意味合いが強い感じです。

 最大の仕掛けであろう「君に伝われ」の素性がまだ全然でてこないのが気になります。SF設定や世界改変があるので1話であれだけ大げさに見せた以上、絶対あとで関わってくると思うのですが…
 風子が過去から来ているのかわかりませんが、風子自身が世界を変えるということになるのでしょう。

 終わるのか?と思ってたら2クールらしいですね。薬屋もそうですけど、こういう深夜帯の作品で2クールが増えるのはうれしいです。
 ただ、本作アニメは話題になってない…みたいですね。本作が何のジャンルだかはっきりしないのが原因なのか、話を追えないのか…原作はそれなりに人気があるみたいですので、アニメはプロモーションが足りてないのでしょうか?

 少年マンガ的なテイストなのは仕方ないですけど、内容とターゲットが合っていない気がします。特に深夜アニメだと誰向け?感があります。{/netabare}

 




 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

こま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

7話まで視聴。主人公全裸問題は解決したが女の子成分が足りない…。

2022年3月時点で全世界累計発行部数は150万部を突破している大人気作品。

物語冒頭、アレ?アニメ間違えたかな?と思ってしばらく観ていたら間違ってなかった良かった!とか思った作品。
言えるのは、アレだけだと何が何やらとしか思えないのもしょうがないと思う。
先を観てみると冒頭の部分の意味が分かった。

触れることが条件なら行き着く先はそれだよね。もしくはそっちは…流石に…無いよね?

そうなるとそれの為に話しが進みそうなんだけど果たして面白くなるのか?
正直言うと1話で終わった感があり先があまり気にならない。

気になってる部分だと能力はそもそも本人に効かない、巻き込まれないのはそれを吸ってるからなのか?
他に理由が?相手とその周りは巻き込まれてるから相手だけでは無いのは確定。
そもそも本人に効いたら話しが終わるw
新しい発動条件、能力の覚醒等はありそうだけど、それだけだといつものやつだよなぁ。

うーん2話観て判断かなぁ。

2話感想。
戦いながら能力分析して弱点を見つける展開は面白いんだけどね。
バトル時は常に全裸、下半身にモザイク付いてるのが気になってしょうがないw
ヒロインも今回好感度下がったかなぁ。
まさか外で敵がいるのに、する為に服脱ごうとするのは引いた…。
まあそのおかげで敵さん提案して来たんだけど。

次回予告見たけど次の戦いどうなるんだろうwちょっと観てみたい。
感想コメで何か出て来てから、面白くなるからとか言われてたけど結局3話次第かな。
面白くなりそうに無いなら切る。

7話までの感想。
女の子?が早々に退場したのがちょっとね。良いキャラだったのに。
物語は面白いと思う。ここまで観てるしね。OPも好みなので毎回飛ばさず聞いてた。

ただ、キャラデザがヒロアカと被る(まあ同じだしね)のと女の子が足りない。
ヒロアカと被るは例えばワンピース、ナルトのキャラデザで他作品は受け付けない感じかな。
同じ作画でマンガの読み切り読んだ時が正にそう。とにかく濃い作品だと違和感の方が勝つ。

それでも物語に惹かれて観ていたが、今やってる部分が2話で終わると思いきや次話以降までかかるのと今回の話しは救いが無さそうなのもまた…。
モドレナイから自爆特効とかもうね…。コレもあって7話切り。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

Supreme

ジャンプアニメ水準の高クオリティ。連続2クール。
オラオラ男子と陰キャ女子の超人バトル。

本領はアンノウン登場から。

壮大な時間軸の中で展開されるラブストーリー。風子の体が妙に生々しいのは生の強調か。トンデモ設定の怒涛の展開が楽しく、ジャンプアニメに相応しい隙のない品質。アンディが漢前すぎて女性ファンが多いのも納得。そのかわり少年誌マナーのバトルごっこの真似しやすさを完全に捨てている。序盤のトンデモロジックバトルも普通に楽しいのだが、後半のオータム編は長年積み上げてきたもののある大人にこそ刺さりそう。今の若い読者も大人になって見返せば何か感じるものがあるのではと思う。

OPEDはタイアップ感が出てきた。初期の方が好みだった。

24
やべえなこれ。

内容的に青年誌でやっても良かったような気もするが重たくなってしまうから少年誌レベルのほうが肌触りがいいのかも。イケメンアニメにしたほうがグッズは売れそうだが、このいかにも少年マンガな画風を押し通したのもまた本作のテーマに沿ってて実にグレイト。少年マンガのご都合ロジックでないとこの疾走感は出せないのだが、見た目で損してると思う気もするトレードオフ。最初はそこまでか?とも思ったがファンがやたらと熱狂的なのも納得。

2期はよ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
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