nyaro さんの感想・評価
4.1
緻密なストーリーに深いテーマ…それ故に頭を使ってしまう。
2クール目のレビュー
運命論、神、死、魂、世界、恋愛…そういったテーマをかなり緻密な設定で、構成をある程度計算しつつ描いたのだろうな、というのは分かります。SF的な作り込み、若者…少年に対する強烈なメッセージ性を感じました。ただ、それが複雑すぎて「面白さ」の計算を間違えている気がします。
この話は多分文章で読んだほうが頭に入る話です。描きたいことの情報量とアニメが表現できる密度が見合っていません。多分、マンガ版はもう少しましかもしれませんが、似たようなモノでしょう。読み取り手の内容の消化がついてこれなくて、咀嚼・思考する時間が必要になってしまいます。
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映画であればそれをオカズに何日も楽しめるのですが、2クールアニメでしかも完結できない状態では、エンタメとして正直受け取り手に負担を強いることになります。そして、本作の面白さはその負担を引き受けることで初めてわかる深さですから、作品として成立していないのでは?と思います。緻密さ、設定、テーマをもう少しライトにしていれば評価がもう少し違った気がします。
コミック版を読んで何度も咀嚼した人ならアニメを楽しめる要素はあるでしょう。作画は素晴らしかったと思います。ですが、何度も咀嚼しているだけに、すべて見るのは辛いのではないでしょうか。
チェンソーマン(コミック版)と対をなすようなテーマ性でしたが、チェンソーマンがスタイリッシュ、ダークヒーロ―、バトル要素、ファンタジー、青年誌的なものと相性が良かったのに対し、本作は、泥臭い、ヒーロー、考察、ST、少年誌的なものと相性に問題があった気がします。
また、テーマも感心がある人ならもっと深く日頃考えているでしょうし、感心が無い人はストーリーから拾えないということも言えるかもしれません。それと考察の習慣がある人じゃないと、ストーリーが読み取れない可能性すらあります。
レベルが高いだけにエンタメとしての調整をミスった、という印象の作品でした。
評価は1クール目よりさらに話が理屈になってきたので、少し落とします。作画は素晴らしかったです。
ただ、評価は4.1を付けましたが、楽しめたか?と言われると主観的には70点…いかないかも…という感じかな。
1クール目のレビュー
冒頭の「君に伝われ」のクオリティとその如何にも伏線的な安野雲「アンノウン」という作者名。3分ちょっと過ぎから数秒間たっぷり本の背表紙を見せていました。風子の「フー who」に対して「アンノウン unknown」ですからリープものって3分ちょっとでわかるのがすごいなあ…というところに惹かれて見始めた本作。
作画も良いしテーマ的に「不」という「否定」の話で、ループによる世界の改変ですから奥行を感じます。また誰にも触れられない少女というのもいいじゃないですか。それと「星が無い世界」というSF的な仕込みにもかなり痺れました。
話がちょっとゴチャゴチャしていて分かりづらい面もありますが、かなり凝った話だと思います。アニメとして読解力が求められるのがちょっと辛いのかな?と思わなくはないですが、少年マンガということで丁寧に見ればわかるでしょう。そして、ちょっと深掘りすると面白い仕込みがありそうです。
ゾンビ先生の結婚の話も良かったし…話としてもいいですが結婚というものの人生における意味もちょっと感じました。
逆に少年マンガ的すぎて辛いところもなくはないですが、話の続きが気になる作品でした。
アンテッドの胸の1865って解説ありましたっけ?ちょっとなんかありそうですよね。西暦ならリンカーンの奴隷解放が有名ですけど…なんでしょうね?
2期…というより分割2クールなのかな?発表があるのはいいですね。最近増えてきている気がします。
2クール、2期の定義がわかりませんが、1期の時点で発表があって半年程度の間なら2クールでいいんでしょう。
思ったより奥行と仕込みがある作品でした。2クール目も見ると思います。
完結してないので話は低めにつけますが、キャラの作り方は上手かったです。作画はよかったですねえ…特に1話とか4話のジーナの最後の方とか素晴らしかったです。
以下 視聴時のレビューです。
1話 話もいいけど作画の身体性…お〇ぱいがなかなかです。
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8話 チェンソーマン?SF設定と不=力という世界観が面白い。
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11話 「不」「君に伝われ」SFと謎で面白い作品ですが、読み取りづらいのかな?
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