シリアスで戦車なTVアニメ動画ランキング 5

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67.7 1 シリアスで戦車なアニメランキング1位
トータル・イクリプス(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (814)
4013人が棚に入れました
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡の淵へと追いやった。圧倒的な物量で迫るBETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の抵抗を試みた。しかし、押し寄せるBETAに劣勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大半を失うことになる。以降、30年近くも攻防は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人類は未だ泥沼の中でもがいていた。2001年、極東の最前線を支える日本帝国では、次期主力戦術機の開発が問題となっていた。そこで、国連軍の「プロミネンス計画」における日米共同の戦術機改修計画が提案される。帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画責任者の任を与えられてアラスカへと向かう。それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指していた。その出会いが運命を大きく変えることを、このときのふたりはまだ知らずに――。滅亡の危機に瀕した地球を舞台に、対"BETA"戦の要である人型兵器"戦術機"の新型開発をめぐる、熱き人間たちのドラマを描いたロボット・アクション作品!
ネタバレ

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ては稲垣前監督の思い付きから始まった・・・

【総括】
稲垣前監督の思い付き・・・第1話から武御雷を出したい。
彼は『オルタ』が好きで、武御雷への思い入れもあったようです。
しかし普通に『TE』を始めてしまうとそれは難しい。
そこで考えられたのが『帝都燃ゆ』です。
だからあれは『TE』ではなく『オルタ』のテイストで作られているのです。
しかもアメリカでの試写があったのでかなり力を入れて作られました。
(実際に渡米の直前まで作画の修正作業をしていたらしい)
こうしたことが第3話以降の制作スケジュールをタイトにした原因となったことは明らかです。
また、ストーリー的にも『帝都燃ゆ』と『TE』本編では温度差が大きいので、
初めて観る方に過度の期待とその後の大きな落胆を与えてしまいました。
未完とはいえどこに向かっているのかが分からないストーリーの弱さはもちろん原作の問題です。
私は放送前のレビューで『本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味だから、
うまいアレンジを期待したいところです』と書きましたが、残念ながらそうはなりませんでした。
ストーリーの流れはほぼ原作通り。
ただ日本やソ連内部の主導権争いといった部分をほとんど削ってしまったので、
ますます温くて良く分からないストーリーになってしまいました。
結局のところ、私を含めた『マブラヴ』ファンにとっては『ぬるぬる動く戦術機が見れて良かった』、
その程度の記憶しか残らない作品となってしまったことは非常に残念です。
それでも2期が作られそうな感じはあります。
(根拠は第24話のレビューをご覧ください)
個人的には『TE』の2期よりも『マブラヴ』の本編、
そして同じ外伝でも『TE』より遥かに面白い『シュヴァルツェスマーケン』や、
『THE DAY AFTER』のアニメ化を期待したいところです。
『TE』は『オルタネイティヴ第一計画』と銘打ってますので、今後の展開はこんな感じでしょうか。

第二計画:マブラヴ・エクストラ
第三計画:マブラヴ・アンリミテッド
第四計画:マブラヴ・オルタネイティヴ
第五計画:シュヴァルツェスマーケン
第六計画:THE DAY AFTER

これはあくまで『マブラヴ』オタである私の希望でしかありませんがw
でももし実現出来るなら、その時はきちんとした準備をしてからにして欲しいと願って止みません。

【各話レビュー】
{netabare}
【第24話】《最後まで頑張って観た人の感想「結局何がしたかったの?」・・・だよねw》
最後ヒヤヒヤしながら観てしまいました。
唯依がいつ狙撃されるのかと・・・。
そう、原作では最後に彼女が何者かに狙撃されて終わるのです。
それにしてもBETAとの戦いも戦術機の開発話も中途半端で一体何なの?と思ったはずw
原作だとこれで全体の1/3くらいに当たる第1部が終了したところです。
アニメの終わり方は2種類用意していたようで、
ひとつは完全に完結させる終わり方だったらしいのですが、
放送されたものを見ると2期を作りたそうな感じですね。
実際に出来るかどうかはわかりませんがw
ではこの先、話はどう展開されるのか?
・・・私も知りませんw
続きは2月発売予定のゲームでどうぞw
そうそう、テロの黒幕であるマスターが投げたナイフが地図の日本に刺さりましたが、
あれは『オルタ』のあの事件の黒幕が彼であることを暗示してるのだと思います。
実は他にも『オルタ』との関わりがあるシーンが原作にはあったのですが、
あれは削らないで欲しかった・・・。
とにかく無事に最終回に辿り着けて良かったですw
いろいろと問題点が多かったアニメ版TEですが、その教訓を今後に生かしてもらいたいものです。
何といってもこれは『オルタネイティヴ第一計画』なのですから・・・。

【第23話】《『我々は勝利した!』・・・選挙速報☆当選確実☆》
いや~、予想はしていたとはいえ凄いテロ(ップ)の嵐でしたw
せっかく出来のいい回だったのについてないですね~、本当に。
さて、今回のテロを起こしたのは難民解放戦線とキリスト教恭順派である訳ですが、
恭順派の方が一枚上手だったようで、難民解放戦線のメンバーは悲惨な末路を迎えてしまいました。
一方、戦術機の戦いの方はというと、実に良く動いてました。
演出も良かったし、ストーリーの面白さとは関係なしで楽しめる回だったのでは。
そのストーリーですが、相変わらず原作と同じ流れで進みつつも、違う部分が多くなってきました。
一番の違いはビェールクトが動いていること。
原作ではクリストファーはファルクラムに乗ってるんですよね。
で、最後に登場した変な装置も登場しません。
あれは何なのでしょうね?
次回でちゃんと分かるといいですが・・・。
その次回はもう最終回です。
やっと盛り上がってきたのにw
無駄を省けばもっと面白く出来たはずという思いもありますが、
『終わりよければ全てよし』という言葉もありますから、綺麗に終わらせてもらいたいものです。
もしも原作通りの終わり方をしたら・・・見た人の反応が怖いですw
『えっ、一体何なの?』っていう終わり方なのでw

【第22話】《こんなところにも日中関係悪化の影響が・・・イーフェイの運命は大きく変わったw》
イーフェイは原作では瀕死の重傷を負うのに・・・。
今中国人キャラを酷い扱いにするのは得策でないと判断したのか?w
ここまでの流れは全体としては原作通りですが、細かい部分に違いが出て来ました。
イーフェイが怪我をするのも、イーニァとクリスカが会うのももう少し後。
それと細かい描写が結構省略されていて、ちょっと残念です。
さて、インフィニティ―ズが攻撃していた施設はソ連のG弾研究所なのだそうです。
レオンの口から『G元素』なんて言葉が出てましたが、
『オルタ』をやってない人には何のことだかさっぱり分からない筈。
簡単に言うとBETAが持ち込んだ地球外物質のことで、
そのひとつから作られるのが『G弾』という強力な爆弾です。
『G元素』はハイヴ(BETAの巣)にあるので、
国内に10個ものハイヴを抱えるソ連はこの戦争が終わりさえすれば、
そうしたBETAの置き土産を大量に獲得することが出来るのです。
ちなみにハイヴ内での鹵獲物は国連が管理するとの条約がありますが、
カムチャツカのことを見てもソ連がそんなものを守る訳ないですよねw
BETA大戦後には世界的な資源獲得戦争が起こる。
それがこの世界の未来。
もちろんBETAに勝てれば・・・ですが。

【第21話&BD3巻】《何というか・・・おっぱいでけ~って感じの作画だったw》
中原さん、生天目さん、能登さんの3人によるコメンタリー。
「1巻、2巻、武道館!」はインパクトがあってズルい~というのと、
能登さんが「打ち上げはアラスカで!」と言っていたのが印象に残りました。
あ、BD3巻の感想です。
本編はテレビver.とほとんど変わりませんでした。

では21話。
今回のテロ、難民解放戦線の後ろにキリスト教恭順派がいることが分かりました。
マスターというのがリーダーの模様。
彼らの主張は
『BETAは神がもたらしたもの。だから抵抗(戦争)はやめ、運命(死)を受け入れよ』
というもの。
多くの難民を生み出すBETA戦争を悪とする難民解放戦線と一応利害は一致しているのですね。
そしてさらにその後ろにアメリカがいるというのがサンダークの考えな訳ですが、
確かに今回のインフィニティ―ズの行動は怪しさ満点でしたw
実際はどうなのでしょう。
さて、BETAのいる研究施設のようなところのシーンで『酵素の注入停止』と言ってましたが、
あれはBETAの活動を鈍らせる酵素のことです。
ならばそれを兵器に使えと言われそうですが、
大量生産が難しいという都合のいい設定があるので無理ですw
ということで次回はBETAさん大暴れか?w

【第20話】《また急にシリアスモードに・・・ああ、何というジェットコースター・アニメ》
前回までのことがまるでなかったかのように真面目な話になりましたw
OP、EDも変わって別のアニメのようですw
ということでテロ編スタートです。
いや~、一時はテロ編はやらないのかと思ったくらいに空気が緩んでましたがホッとしました。
ただ原作とは少し話の進行が違いますね。
アニメのオリキャラであるナタリー絡みの話は原作にはありませんし。
ここから先、ほぼ原作通りに進んだとして残り4、5回でちゃんと収まるのかが心配です。
さて、難民解放戦線が出て来ましたので、この世界について少し補足します。
BETAが支配しているのはユーラシア大陸。
ユーラシアを追われた人々はBETAのいない南北アメリカやオーストラリアに逃れ、
難民収容所などで生活しています。
戦争特需で経済的に潤っている国での貧しい生活。
こうしたことが難民解放戦線などの組織を生む背景になっているのです。
しかしこのテロ、サンダークは起こることを十分に予測していた節がありますね。
サンダーク自身がテロ組織と関わりがあるとは考えにくいですが、
これを利用して何かしようとしている可能性は十分にあります。
あとはBETAがどう絡んでくるのか・・・。
その辺が今後の注目ということになるでしょう。

【第19話】《これは今後の悲劇的な展開を際立たせるための演出だ・・・はぁ~、言ってて虚しくなってくる》
はい、温泉回です。ネタ回です。ギャグ回です。
大胸筋回です。激辛回です。百合回です。
も~何なんだ今回は。
今更エロで釣ろうって言うのか。
本当に意味が分からない。
あんまり面白くないと思っていた原作が神に見えてきましたよw
前半の水着回とは違って完全なアニメオリジナルの話でしたが、
何の意味もありませんでしたよね~。
『エウレカセブン』のフットサル回を思い出しましたよw
残りあと6話くらいか・・・。
本当にどういう終わり方にするつもりなのか?
仕方ないから次回に注目・・・と思ったらまた『特別編』という名の小休止w
もう本当にどこまでネタを提供すれば気が済むのかなw
既に私の中では『アニメ版TEなんて最初からなかったんや~』となりつつあります。
まあ最後はそうした気持ちを覆すような締めを期待したいところですが、期待薄かな~。
いや~、今回も愚痴ったな~。
レビューを読み返すと最初のうちはまじめに書いてるな~w
でも最近は愚痴ばっかり。
それがこの作品の現状を端的に示していると思います。
マブラヴシリーズ、初のアニメ化。
どうしてこうなった・・・。
今日は何回『本当に』って言っただろう?
いや、本当に呆れてます・・・。

【第18話】《キレがあるのにコクもある・・・最近飲み屋のシーンばっかりだなw》
あれ、OPが変わってない・・・だと?
11月から新OPだと聞いていたのにどういうこと?
はぁ、前回に引き続き今回も作画が酷い・・・。
EDクレジットにずらりと並ぶ外国人の名前を見て納得w
内容も相変わらず。
元々TEは原作からして微妙な話だったりするんですが、
アニメ版はそれに輪をかけて微妙のような・・・。
原作だともうこの辺から○○編が青旗編と並行して始まってるのに、そんな気配が全くありません。
どうもサンダークが何か企んでるっぽいので、もしかしたらここからはオリジナル展開?
今回もユウヤの過去話を含めて大部分がアニメオリジナルでしたし。
もはや原作を読んでいる私にも話がどこに向かっているのかも分からない状態です。
今更ながらもっと全体の構成をしっかりして欲しいな~。
同じマブラヴシリーズの『シュヴァルツェスマーケン』の爪の垢でも煎じて飲んで欲しいくらい。
あちらはあんなにも面白いのに。
『シュヴァルツェスマーケン』とは1983年頃の東ドイツを舞台にしたラノベで、
最近第4巻が出たばかりです。
こちらは絶望感と緊張感に満ちていますので、ぜひ読んでいただきたい作品です。
さて、TEに話を戻すと、来週は温泉回・・・だと?

【第17話&BD2巻】《マスター、もう一杯・・・ほろ酔いのオレンジジュース》
まずはDB第2巻が届いたので感想を。
作画がかなり修正されていて、クオリティが上がってます。
ただ作画はこの後更に酷くなってくるのでまだまだ安心はできませんがw
4話5話でたくさんあった『湯気』がなくなり、見晴らしがとても良くなってます^^
コメンタリーは3話のみですが、ユウヤ、唯依、クリスカの3人なので、1巻よりも内容があります。
(第1巻のコメンタリーには2話でお亡くなりになった女の子たちが登場。
作品への思い入れがないせいか、殆ど画面無視でガールズトークに終始。
たまに画面見て「あ、私死んでる~」とか言ってるような感じだったのでw)

では17話。
ひとつの話としての構成は悪くない。
しかし内容が大して面白くないし、作画は酷いし、手抜き感はあるし・・・。
何ともコメントのしようがない回ですねw
アバンはオリジナル。
あとは大体原作通りですが、場所が違ったりしてますね。
いや、本当に書くことがないw
個人的には青旗編が一番嫌いなので、早く終われという感じですw
この後の○○編はツッコミどころも多いけど、まあそれなりに面白いとは思います。
取りあえず来週はもっと頑張って欲しいな。
あ、来週からOPが変わります。

【第16話】《ワタシ中国人アルヨ・・・中国人キャラに「アル」とか言わせるなんて昭和時代のアニメじゃあるまいし》
とりあえずサイボーグ006を思い出してしまいましたw
でも今回気になったのはそれくらい。
作画はここ最近では一番安定していたし、戦術機は相変わらず良く動くし。
このくらいのクオリティでずっと作れればいいんですけどね。
さて、対人模擬戦の青旗がスタートした訳ですが、早速それぞれの国の思惑が見えてきました。
日本はXFJ計画の存続を賭けた戦い。
アメリカとソ連は他国を従わせる為に圧倒的な勝利を目指した戦い。
他国を従わせるということは自国主導でBETA大戦を終結させるということ。
それは戦後の世界でどの国が主導権を握るのかということでもあります。
そもそもラプター自体が戦後の対人戦争を睨んで開発された戦術機な訳ですが、
それはまたラプターが動いた回にでも。
今回はイーフェイがいろんな意味で堕ちてしまいましたw
着々と進むユウヤの『ユーコン・ハーレム化計画』。
本人は戦術機LOVEで全く自覚がないのが困ったのもです。
そして次回はとうとう難攻不落と思われたクリスカまでもが・・・。
ところでこの話、どうやって終わらせるつもりなんだろう?
原作は第一部終了で止まっているのですが、
アニメでは流石にあんな終わり方はないと思うんだけど・・・。

【第15話】《美味い、美味いよ、参ったぜ・・・唯依の肉じゃが大作戦》
作品解説・・・のような何かを挟んで再開です。
そしてブルーフラッグ編スタート。
相変わらずヌルヌル動く戦術機、カクカク動く人w
取りあえずひとりだけ作画がやたらといいイーフェイはスタッフから愛されてるに違いないw
今回からはシャロンも登場でますますハーレムのようになってきましたが、ユウヤは戦術機に夢中でw
そのユウヤはアラスカに来てから変わったと本人も自覚し始めたようですが、
そこで彼の米軍時代を知る男・レオンの登場です。
ユウヤが本当に変わったかどうかが試されることになる筈です。
ところで何でアメリカは他国に情報を収集される危険を冒してまで青旗に参戦して来たのか?
アメリカの思惑は一体どこに?
それは次回以降に明かされる・・・と思いますw
思惑と言えばこの期に及んで日本国内の国産に拘る勢力の話が出て来ましたが、
ならばプロミネンス計画への参加や、
レールガンの持ち出しに関するエピソードも描くべきだったのでは?(原作にはある)
その辺の構成がどうも中途半端で気になります。
そして最後にラプター登場!
(レオンさん、そんな所にいたら危ないだろw)
真打みたいな戦術機だけど、あんまり好きじゃないな~・・・。

【第14話&BD1巻】《1巻!2巻!武道館!!・・・光線級大活躍!》
まずはBD1巻を見たのでそのことについて。
作画の修正が数カ所ありました。
また、テレビ放送時に黒く塗り潰されていた所は・・・、
簡単に描写すると『内臓モグモグ』『生首ゴロゴロ』って感じでしょうかw

それでは14話。
Aパートは中々熱かったです。
やっぱり光線級が出てくるだけで状況が大きく変わってしまうんですね。
その光線級(今回はCMにも登場!)。
出来れば前回倒した要塞級の中からワラワラ出てくれば最高だったのにw
そして光線級吶喊(レーザーヤークト)も見たかった。
でもそれは『シュヴァルツェスマーケン』がアニメ化された時の為に取っておくべきか・・・。
熱かったAパートに比べるとBパートはアッサリ気味。
まあ原作でもそんな感じでしたけど。
とにかくこれで『カムチャツカ遠征編』が終了。
相変わらずこの世界の人類は表面上はともかく、心の奥底からの団結はしませんね。
でも実際にこういうことは起こり得ることだと思っているので、
この大戦を『団結しない人類』がどう戦って行くのかが気になります。
さて、この後は特別編とかいうもので一息入れて、その後青旗編~○○編へと進む筈です。
ストーリーが原作とは少し違うものになるかもとの情報もあるので楽しみです。

【第13話】《ええい、帝国軍の戦術機はバケモノか!?・・・不知火弐型頑丈過ぎw》
普通突撃級と壁の間に挟まれたら大破しそうなものですが、
あれだけ頑丈ならそれだけでも戦術機として十分な価値がありますねw
まあ、実際は主人公補正という目に見えない『機能』が働いたんでしょうが・・・。
アバンでは今回も過去話。
で、取りあえずこの人誰?って感じだったのでは?w
あれは崇宰(たかつかさ)恭子様です。
苗字からも分かるように五摂家の方で、青い武御雷に乗ってらっしゃいました。
私もそれ以上のことは分かりませんがw
さて、今回は結構面白かったです。
戦術機もBETAも良く動いてました。
ただ、ユウヤと唯依の会話になると時間が止まってしまうのがな~。
せっかくの緊迫感が台無しです。
でも唯依姫のデレが可愛いので許すw
中原麻衣さん、本当に上手いですね。
そうそう、要塞級BETAが出て来たのにあっけなく倒されて拍子抜けした人もいるのでは?
元々要塞級はただ大きいだけで、それ程脅威度の高い敵ではありません。
ただ十分な武器や弾薬を持たない状況で対峙した時は強敵ですし、
倒した後も注意しないといけないのですが、次回にそのシーンがあるといいな~。
とにかく今回は超・俺得ステラさん大活躍で満足でした!
・・・結局そこに落ち着くのかw

【第12話】《山本伍長・・・君は天才ですか?》
オリキャラ・山本伍長の登場で原作とは少し違った展開になりました。
原作では唯依がひとりで数体の戦車級BETAと戦いながらレールガンの破壊を試みます。
これがなかなかの激闘で、
『ふん、私を喰らいたいのか・・・だがな、私は些か高く付くぞ』
みたいなカッコイイセリフもあったのに・・・。
テレビ版の方も悪くはありませんでしたが、少し疑問も。
まず、足の遅い兵士級BETAが先行してあんなにたくさんいるのはおかしいのでは?
また、そんな状況でユウヤが戦術機から降りたのも疑問です。
原作では唯依をコックピットに収容して応急処置してたのに・・・。
あのシーンのせいで何か緊迫感が薄れてしまったような気がします。
ところで山本伍長がコアモジュールのプロテクトを突破してしまいましたw
『悪名高き横浜のプロテクト』と本人が言っていたようにあれは破られないで欲しかった・・・。
なにせ国連軍横浜基地の天才科学者・香月博士(『マブラヴ』本編の登場人物)が作ったものですから。
ちなみに原作ではコアモジュールと冷却モジュールに挟まれたフレームの隙間に入ろうとします。
さて、レールガンの持ち出しを諦めて次回はどうなりますか。
最後に一言・・・ステラさん可愛い^^

【第11話】《事件は戦場で起きてるんじゃない。基地で起きてるんだ!・・・踊る大謀略戦「軍事機密を死守せよ!」》
とうとう姿を見せたソ連の謀略。
彼らの描くシナリオはこんな感じでしょう。

BETAを基地に導く

国連軍には全てを放棄して退避させる

ミサイルや空爆、戦術機によってBETAを殲滅

基地に戻りレールガンを接収

国連軍には全てBETAに破壊尽くされ、何も残っていなかったと報告

欲しいのはレールガンの技術情報でしょうから、使える状態じゃなくても構わないのでしょう。
だから多少の破損は覚悟したこんな作戦に出た訳です。
しかし本当にこんなにうまくいくかどうか・・・。
BETAの行動を人間が完全に予測するなど不可能だということを忘れていませんか?
さて、今回は派手な戦闘シーンこそなかったもののテンポも良く、なかなか楽しめました。
ほぼ原作通りでしたが、レールガン付きの伍長はオリキャラですね。
しかしこの手のキャラは大体運命が決まっているような・・・w
唯依姫は久々の戦車級BETAとのご対面です。
ここで2話のシーンを活かすのかな~、そうだといいな~。
一方、相変わらずどこか浮いた存在のクリスカとイーニァ。
『突撃砲ってあんまり面白くないよね』ってw
そしてやはり気になるラトロワ中佐。
次回はそれぞれのキャラがどう絡んでくるのか?

【第10話】《同志マブラヴスキー、貴様の父は誰だ?・・・我が偉大な祖国、ソビエト連邦です!ナシュ・ウラー(祖国万歳)!》
今回は興味深いシーンの多い回でした。
まずはレビュータイトルにあるような儀式。
これは中央から派遣されている政治将校向けの一種のショーみたいなもの。
内心ではそうしたエリートロシア人を酷く嫌っている訳ですからね。
それにしてもロシア人でありながら最前線にいるラトロワ中佐がやはり気になります。
次にブリーフィングのシーン。
3者の思惑がぶつかり合って面白かったです。
どうにかして不知火やユウヤを出撃させたいボーニング社のハイネマンやソ連のサンダーク中尉。
そこに何かを感じて思い通りにはさせまいとする唯依やイブラヒム。
そんなこととは関係なしにユウヤの希望を叶えようとするアルゴス試験小隊の面々。
最後は命令という形で決着が付きましたが、果たしてそれがどういう結果を導くのか・・・。
そして久々の登場となった巌谷中佐。
帝国軍内の描写は3話以降では初めてですね。
実は原作ではもっと多いのです。
しかも会話の中身がもっと濃い。
しかしそれは『オルタ』を前提にしていることも多いので、
アニメ版ではその辺のさじ加減が難しいのかもしれませんね。
さて、地中侵攻によりBETAが基地近くに出現。
これはソ連の思惑通り・・・なのか?

【第9話】《とあるツンデレ娘の電磁投射砲・・・唯依姫?いつの時代の方ですの!?》
実戦試験が始まりました。
と同時に護衛部隊は非協力的だし、参謀たちは何やら企んでいたりで直ぐに劣勢に。
いや~、実にソ連らしくていいw
そして今回初登場になるソ連の試験部隊を率いるサンダーク中尉が実に胡散臭くていいw
今後の活躍を期待してますよ!
今回のハイライトはレールガンの発射シーン。
素直に良かったと思います。
ただそこに資金を集中したせいか、他の戦闘シーンで止め絵が使われていましたね。
前回のレビュータイトルじゃないけど、何が起きても変じゃない!
今後もいろんな面でハラハラさせてくれそうですw
今後といえばクリスカとイーニァにはどんな秘密があるのかにも注目したいところです。
さて、今回は原作とは少し違う展開だったんじゃないかと感じて読み直してみましたが、
ほぼ原作通りでした。
違うところといえばレールガンの射線から退避する場面でラトロワ中佐のモノローグが入ったこと。
あれは『まだ』なくても良かったような。
でもないと行動が分かりにくいかな~・・・。
最後に白井黒子さんから一言。
「三下の『背中に気を付けろよ』みたいなセリフは死亡フラグですのよ!」
・・・実に分かり易いフラグ、ありがとうございましたw

【第8話】《何が起きても変じゃない・・・カムチャツカ遠征編始まる》
前回のバカンスムードから一変して最前線へ。
しかもソ連領内。
子供の頃のイメージのせいか、あの国の中では何が起きても変じゃないという気がしてしまいます。
そして早速そんな雰囲気を醸し出している回でした。
さて、せっかくソ連に行ったのならあの国の状態について誰かに説明セリフを言わせて欲しかったです。
国土の殆どを失い、シベリアの東の端で何とか踏ん張っていること。
アラスカの一部をアメリカから借り受けて政治機能はそこに移転したこと。
これらが分かっていると『ロシア人はアラスカに逃げた』という少年兵のセリフも理解しやすいのに。
しかし最前線の少年兵たちは荒んでますな~。
まあ、ロシア人じゃないというだけで最前線に送られてしまっては仕方ないのでしょうか?
あの世界でもソ連の民族問題は健在ということですね。
そしてそんな彼らが恐れている(?)ラトロワ中佐の存在が今後の鍵を握りそうです。
そうそう、今回は戦車隊が登場!
ロボットものはどうしてもロボットだけが戦っているようになりがちですが、
あの世界は総力戦ですから、ああいう描写はちょっと嬉しかったです。
ただ、最初に出てきた戦車級BETA、大き過ぎです。
本当はもうちょっと小さいw

【第7話】《水着美女とキャッキャウフフ♪・・・君も国連軍においでよ!》
水着回終了。
やはりただのサービス回でしかありませんでした。
ユウヤと唯依やクリスカの関係を描きたいなら水着である必要はないですし。
ちなみに最後のシーンは前回言われていたように広報用の素材撮影です。

切りがいいのでここで3話~7話の総括を。
原作を読んでいても物足りない部分でしたが、アニメでもそれは同じでした。
『マブラヴ』に必要不可欠な『絶望感』や『燃え展開』が圧倒的に不足しています。
演習は唯依の言うように所詮『ごっこ』でしかありません。
番外編である2話であれ程のものを見せてしまったので、余計にそう感じてしまいます。
あとサービスカットを入れる余裕があるのなら、
カットしないで欲しいシーンがたくさんあったのですが・・・。
全体的に説明不足が目立ちます。
さて、次回からはまた『マブラヴ』らしい話になります。
原作で一番好きな部分です。
だから余計なサービスカットなど入れずにしっかりと作って欲しいな~と強く思います。
予告で声が聞けた○○○○さんの登場、今から楽しみです。

最後に7話で印象に残ったことを。
唯衣姫のケツがエロ過ぎる!
あの作画に全てを注いだんじゃないかと思うくらい、いい絵でしたw
・・・ああ、真面目に書いた総括が台無しに。

【第6話】《夏だ!海だ!水着だ!・・・無人島ツアーもあるよ》
今回は『環境耐久試験』が行われるカリブ海に浮かぶ島が舞台。
環境耐久試験とは熱帯や極寒の地で戦術機の性能がどの程度落ちるのかを確認するものです。
忙しいのは主にメカニックの人たちでパイロットはそれ程やることがありません。
なので完全にリゾート気分。
いや~、見事に水着回ですねw
これがアニメオリジナルだったりしたら怒りも感じるのだけど、しっかりと原作にある話です。
だからもう仕方ないと諦めるて楽しむしかないw
戦術機がもっと見たいぞ!とか、2話の雰囲気が懐かしいぞ!という人は、
そろそろ切ろうかなと思う頃かもしれませんが、早まってはいけません。
8話からは面白いと思います(原作通りなら)。
なのでもうちょっと辛抱しましょう。
それにしても後方はのどかですねw
最前線の悲惨さが嘘のようです。
BETAは空を飛ばないし、ミサイルのような遠隔地を攻撃する手段もありません。
だから後方が急襲される恐れはないんですよね。
さて、話の方はなんだかんだで無人島に辿り着きました。
美女ふたりに囲まれたユウヤが羨ましいw
この3人、いったいどうなるのでしょう?
次回予告からすると一線を越えてしまうのか!?
・・・って言うか、予告狙い過ぎw

【第5話】《ユウヤの異常な愛情・・・ または彼は如何にして反抗するのを止めて94セカンドを愛するようになったか》
ユウヤの目が怪しい・・・。
『不知火弐型』を見つめる目がw
ハーレムには目もくれず、彼はこのまま戦術機LOVEな男になっていくのでしょうか?
さて、ユウヤVS唯依の第2ラウンド。
今回はユウヤの方に味方したくなります。
だってベースになっている機体が『不知火壱型丙』ですから。
唯依が語ったように現場からの要求に答えて思いつくままに改修を重ねた結果、
とんでもなく反応がピーキーで燃費も悪くなってしまったという曰く付きの機体。
そのせいで100機くらいしか生産されませんでした。
だから『ベテラン衛士しか乗りこなせない』とユウヤが言ったのはほぼ正解。
そういえば第2話で唯依たちを助けに来た教官が乗ってましたね。
さすがにうまく乗りこなしてましたが・・・。
で、これをアメリカの技術でアップグレードしようというのがXFJ計画。
今回登場したのは『不知火弐型フェイズ1』。
外見は壱型丙とまったく同じ。
中身の部品をより性能のいいアメリカ製に変えているだけです。
『フェイズ1』という名が付いていることからも分かるようにこれはまだ完成形ではありません。
『フェイズ2』の登場はもうちょっと先になります。
さて、来週は○○回か・・・。

【第4話】《やっぱりアラスカは寒いね・・・という訳で湯気多め》
さあ、始まりました。
ユウヤと唯依の言い争いがw
知ってはいましたがアニメで見てもいい感じはしませんね、やっぱりw
でも序盤は主人公に共感しにくくするのはアージュ作品では普通のことです。
最初から魅力的な人間であるとこはほとんどない。
そしてここからいろいろな人に出会い、様々な経験をして成長していくことになるのが常道です。
この先ふたりの行く先には何が待ち構えているのか?
とりあえずは観る側も今の状況に辛抱しながら見守ることが重要です。
さて、本編が始まって2話目。
おかしなことに気付きました。
チョビが可愛いw
原作ではただギャーギャーうるさいキャラでしかなかったのにw
何か作画もいいし、もしかしてスタッフに愛されてる?w
ロシアっ娘たちの作画もいい。
他が総じて微妙なだけにこの待遇の差は目立ちます。
そういえば第1,2話で頑張り過ぎた影響は第6話まで出るらしいです。
ということは第7話からはクオリティアップが望めるのか?
ま、期待しないでおきましょうw
今のところ原作から大胆なカットが行われてます。
話の繋がりとしては十分だと思うのですが、
今後の展開を考えると残しておいた方が良かったのでは?と思うところがあり、わたし気になります。

【第3話】《拝啓、大原さやか様・・・僕はあなたの声を聞いているだけで》
本編開始。
舞台はアラスカに。
分かってはいましたが、全く違う話になりましたw
BETAに侵略されていない地域のどこかのんびりとした雰囲気は、
第1話前半の京都の様子と似てますね。
ただこちらは軍事基地。
集まっているのは各国のエース級衛士と敏腕メカニック。
ぬくところではぬいて仕事はキッチリという感じでしょうか。
原作既読者としてはやや緊張感に欠ける展開が続く序盤の出来が心配だったのですが、
活字で読むよりもアニメの方がずっと面白く感じます(ストーリー自体の面白さは別として)。
ということで今後にも大きな期待をしたいところなのですが、
3話にして監督が交代してるんですよね。
アニメスタッフの中では稲垣さんがもっとも『オルタ』の世界に詳しかった為、
いろいろと負担が大きくなり過ぎたというのが表向きの理由らしいです。
現場を離れるわけではなく、脚本や絵コンテに専念するということですが、
序盤でのこうしたゴタゴタはあまりいい感じはしませんね。
さて、主要キャラの声には殆ど違和感がありませんでした。
というか大原さやかさんの声が好き過ぎるw
この人の声を聞いているだけで昇天しそうな私がいる。
何でうちのかみさんはああいう声じゃないんだろう・・・。

【第2話】《いい『オルタ』だった・・・来週からは新番組『トータル・イクリプス』をお送りします》
『帝都燃ゆ』が終了。
最初は1話くらいの分量で作る予定だったこのプロローグ。
しかし出来上がった初稿のシナリオは何故か4話分。
さすがにプロローグとしては長過ぎだろうということで2話に縮めたらしいです。
ちょっとエピソードにブツ切り感があった(特に前編)のは、
この辺に原因の一旦があるのかもしれません。
戦術機のCGは相変わらず低予算の割りには良く頑張っています。
可動兵装担架の展開とか見ていてワクワクしました。
そして武御雷の登場シーンはただただ神々しかった。
BETAの動きは大体思った通りで良かったです。
あの圧倒的な物量で迫ってくる怖さを理解してもらえたはず。
ただ光線級の描写に不満が。
短いインターバルでレーザーを放ち、殆ど外すことがないというのが光線級の脅威。
それなのに演出の都合なのか結構外しまくってました。
こうした設定は兵器の開発が戦闘機から戦術機へシフトするきっかけとなった重要なものなので、
もうちょっとしっかりと描いて欲しかったものです。
さて、いよいよ来週から本編が始まります。
原作通りなら今回のようなグロシーンは今後殆どないはずです。
それを安心と取るか、物足りないと取るかは人それぞれだと思いますがw

【第1話】《始まった・・・けどこれは『オルタ』だよね》
いきなり原作にはないアニメ・オリジナル話。
まあ、原作通りに始めたら話がさっぱりわからないでしょうから、
主人公のひとり『篁唯依』の過去を見せながら世界観の説明をするのは良かったと思います。
それでも『オルタ』初体験の方には疑問だらけだったと思いますがw
とりあえずは30年以上も地球外生命体『BETA』と戦争をしていて、
『戦術機』と呼ばれるロボットが兵力のひとつとして使われている世界だと分かればそれで良いのでは。
・・・と言いつつも、もうちょっとうまいやり方があったのでは?と思わざるを得ないです。
これでは掴みとしては弱すぎますし。
そもそも試写会では2話まで続けて見せているんですよね。
だったら初回は1時間でやった方が良かったのでは?・・・
一方で、動く戦術機がカッコイイ!
もともと戦術機のデザインが凄く好きだったわけですが、
アニメで見て改めてその造形の良さを認識しました。
戦術機見たさに5回も続けて観てしまったw
次回は京都防衛戦!
戦術機大活躍!の回だといいのですが、違うだろうな~きっとw
いずれにしても楽しみです。
最後に一言・・・人物作画、もう少し頑張ろうw
アップの絵はいいんだけど、それ以外がなあ~・・・。
{/netabare}

【放送前レビュー】《戦術機開発をめぐるアラスカでの熱き戦い・・・敵はBETAか人類か》
{netabare}
かつて、アメリカのレーガン大統領は国連でこう演説しました。

『恐らく人類を一致団結させる為には、外的な、宇宙の脅威が必要なのです。
もしこの世界が外からやってくるエイリアンの脅威に直面したならば、
世界的な差異などというものはあっという間に消えてしまうだろうと私は考えています』

あれから25年、エイリアンは現れず、
その間私たちは絶えず人類同士の紛争を目の当たりにしてきました。
もし今、人類の共通の敵… もっと見るである宇宙人が攻めて来たとしたら、
世界は本当にそれぞれの利害を捨てて一致団結することが出来るのでしょうか?

ここは人類に敵対的な地球外起源種・BETAと30年以上も戦い続けている『地球』。
そこには存亡の危機に瀕してもなお、一致団結出来ない人類の姿があります。
この『地球』の姿を見たら、レーガンはいったい何を思うのでしょう?

さて、『トータル・イクリプス』は『マブラヴ・オルタネイティヴ』の世界観を活かした外伝です。
ほぼ独立した話なので本編の内容を知らなくても大丈夫。
(しかしこの世界の歴史を軽く知っておくとより一層楽しめます)
何故外伝を先にアニメ化したのかというと、本編のアニメ化にはいろいろと障害があるのです。
長編である、口うるさい濃いオタがいる、政治や思想が絡んでいる(ように見える)、
エロゲである、避けて通れない強烈なグロがある・・・などなど。
アニメ化の話は8年くらい前からあったようですが、
こうした理由により制作決定とまではいきませんでした。
そこで今回の『トータル・イクリプス』のアニメ化です。
この作品は『マブラヴ』シリーズの中では最もアニメ向きの作品だと言われています。
確かに可愛いキャラが多いし、登場する戦術機の種類も豊富で、
映像ソフトのみならず、フィギュアやプラモといった立体物の展開もし易いかもしれません。
一方、ストーリー面では激戦の連続である最前線の話ではないということもあり、
本編や他の外伝と比べると切迫感や燃える展開がやや不足気味で、
物足りなさを感じるという声が濃いオタの間にあることは事実です。
しかし今回のアニメ化に際しては単に原作をトレースするだけの作品にはせず、
『アニメのトータル・イクリプス』を作りたいと言っているようなので、
その辺でのうまいアレンジを(不安もありますが)期待したいところです。
もっともマブラヴオタとしては、
ぬるぬる動く戦術機やBETAがようやく見られるというだけでも十分幸せなのですが・・・。

物語は国際協調をスローガンに戦術歩行戦闘機(戦術機)開発の
情報・技術交換を目的とした計画(プロミネンス計画)が進められているアラスカが舞台。
それぞれの国がそれぞれの事情を抱えてここに集って来る訳ですが、
徐々に兵器開発をめぐる参加各国の政治的介入や、兵器メーカーの思惑、
更にはこの世界に生きる人々の思想や信条などが絡んでいき、
テストパイロットたちはそれに翻弄され始めることになります。
そんな中テストパイロットとして、衛士(戦術機のパイロット)として、
そして人として成長していく若者たちの姿が原作では描かれています。
はたしてアニメではどういう『トータル・イクリプス』になるのでしょうか、とても楽しみです。
放送はテレビ東京系で7月1日深夜スタート。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

アトランティス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的にはいろいろ楽しめた作

緻密なストーリーと世界設定で多くのゲームファンを魅了した大人気PCゲーム「マブラヴ」

そして数あるマブラヴシリーズの中でもマブラヴ オルタネイティヴの熱き血潮を継いだ作として注目されたのが
本作「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」である(公式サイトより)

このアニメはあるアニメ雑誌で発見してストーリーが面白そうなのと戦術機のかっこよさで視聴することを決めたのですが、最初の2話はメインヒロイン「篁 唯依」の過去編で正直あまりテンションが上がりませんでした
が、面白くなってきたのがその後!

中尉と立場上、毅然とした態度をとっている唯依。
でもたまに彼女が見せる少女らしい一面に私はすっかり虜になってしまい、このアニメが毎週の楽しみの一つとなっていました(^<^)

また、最初から期待していた戦術機ですが、
これがまたカッコ良い!!(・∀・)
細部まで作画が上手く作り込まれていました
私が一番気に入った戦術機は
ソ連のクリスカとイーニァが乗る「チェルミナートル」でしょうか(・。・
双銃の装備で回転しながら戦闘を繰り広げる姿は本当にカッコ良かった
唯一惚れた機体でしたね(^^

そして、敵のベータ
たくさんの種類がいて(ソルジャー級、タンク級、レーザー級etc…)特にレーザー級の強さは異常でした

あいつらのせいで何人の人間と戦術機を失ったのか…(・・;)

2クールあるうち1クール目は主にこんなベータ達との
戦いがメインでした

しかし2クール目は試作機や戦術機同士で演習などをずっと行っていたり、基地内で反乱が起きたりと
「ベータが世界で暴れてるのに人類同士で何やってんだ」とツッコミたくなるような内容。
そして途中(1期最後あたりか)からキャラの作画が崩壊し、笑いが止まらない回もありました笑

でも2クール目の最後は中々面白かったのでオススメですよ


このアニメの失敗した所はキャラの作画崩壊…というところでしょう(1クール目は良かったのに…)

なのでオススメ度は「少しオススメ!」
という事にしておきたいと思います

最後に、このアニメの曲紹介をしたいと思います♪

OP1
「Go to the top」/倖田來未
ED1
「sings ~朔月一夜~」/栗林みな実
OP2
「Doubt the World」/栗林みな実
ED2
「Revise the World」/ayami

ED曲はどちらも言う事なし!
とても良い曲でした

OPは2つ目の「Doubt the World」が中々疾走感があり映像も良くてこのアニメに合った曲だと思いました(^^♪


追記:このアニメのゲームが現在発売中でして、アニメのその後のストーリーとかを体験できる内容になっているようです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

萌え、時々戦闘、そしてラブコメ?

酷評となってしまいました。この作品を好きな方には申し訳ないです。

「貴様は」、「貴様は」、というセリフが多いので昔の戦争映画風な感じがしました。

地球を侵略している異星人ベータとそれを阻止する地球の人達との戦いです。

異星人(ベータ)との戦争、重厚な戦略機、萌え要素、ハーレム要素、ラブコメ要素とたくさんの要素が詰まった作品でした。

余り評判がよくないこの作品、作画もそうですが、展開も少し考えてほしい内容でしたね。

1・2話で導入部分は良かったです。戦闘部分も内容も追いつめられる感じが悲壮感を与えていてドキドキして観てました。(お弁当食べるシーンとかはちょっと違和感はありましたがw)

3話以降、ガラリと展開が変わるのですが、ここでラブコメというかハーレム要素が発生します。少しはあっても良いと思いますが、余りありすぎるとベータとの戦闘は何だったのか?と疑いが出て来て、物語の展開にバランスを欠いた感じがしました。

この作品に関わらず、シリアスな展開の作品なのに過剰な萌え&ハーレム&ラブコメ要素が強い作品がありますね。

後半前にテコ入れのように総集編みたいなものがあって、これから劇的に変わるような前フリがあった後、後半に入るとたんに萌え&ハーレム&ラブコメ要素炸裂!落胆しました…

1・2話の部分をもっと膨らませていただくと、観る方も緊張感もあっていい作品になったと個人的には思います。

話の展開を考えると

バトル  →  萌え&ハーレム&ラブコメ…  →  バトル  →  萌え&ハーレム&ラブコメ…  →  バトル

という感じある意味バランスがいいですが、萌え&ハーレム&ラブコメの部分が長すぎた感じでした。

間に2度の特番を行うアニメって珍しいですね。しかもCMにベータの着ぐるみをいっぱい作ったり…その分作画等にお金をかけてほしかったです。

最後のところで緊迫感あるお話でしたが、あまりにも緊迫感のないお話が長すぎてお腹いっぱいという感じでした。

ロボット(戦術機)が好きな方はいいのではないかと思います。

2クールあって、しかも深く細かい設定があっても台無しなる、そんな作品だと感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

74.9 2 シリアスで戦車なアニメランキング2位
終末のイゼッタ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (797)
3912人が棚に入れました
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

愛が恐れているのは、愛の破滅よりも、むしろ、愛の変化である。終末に咲き乱れる美しき死生観にこそ我々は魅了されるはずだった。

■Staff
{netabare}監督:藤森雅也(代表作品:トライブクルクル)
脚本・構成:吉野弘幸(代表作品:マクロスF、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト、マギ他)
キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
アニメ制作:亜細亜堂{/netabare}

■Cast
{netabare}イゼッタ:茜屋日海夏
フィーネ:早見沙織
ビアンカ:内田彩
ロッテ:東山奈央
エルヴィラ:花澤香菜
ジーク:高橋広樹
ハンス:KENN
トビアス:間島淳司
ヘルマン:置鮎龍太郎
ベルクマン:諏訪部順一
リッケルト:花江夏樹
バスラー:細谷佳正
オットー:山寺宏一
他{/netabare}

グロス請のイメージが強い亜細亜堂制作のWW2を背景とした「魔法+ミリタリー+美少女」のオリジナル作品です。

(設定関係)
軍事関係の設定考証は戦車雑誌で有名な月刊PANZERがクレジットされていましたので、まず間違いないでしょう。
本作の軍事設定詳細は下記の雑誌で特集されています。
興味のある方は御覧になるといいでしょう。
なお、同誌の記事はまとめサイトへも転載されているようです。
『PANZER 2016年11月号/PANZER Nov.2016』

12月22日最終稿
12月22日文字数オーバーの為更に6話、7話メモも削除編集
【総評】
{netabare}美学なき物語は道標を失い、WW2の世界観を使い熟すことなく軽薄なストーリーとなった残念作品。期待倒れでした。
※本作は期待が大きかったばかりに、リアルタイムでの感想で長文が多かったゆえレビュー文字数がとうとうオーバーとなりました。
本来は残したいのですが、遺憾ながら個人的に盛り上がっていた6話までの感想を削除いたします。{/netabare}
(1)作画
{netabare}秀逸な3DCGによる、兵器の精密描写と圧倒的な迫力は認めざるを得ません。
しかし、空母ドラッヘンフェルスを2Dとしたことから、3Dとの繋ぎに違和感を感じてしまったことは少々残念です。
それと、ゲール軍の鉄兜シュタールヘルムの作画はいただけません。
側面の折り込みが分からず、ノペーとした感じとなっていることと、光沢感が表現されていない点が残念です、仕上げがべた塗りではいけません。
8、9話で一部、キャラの崩れもありましたけど、難易度が高い戦闘描写の高クオリティを維持していたことは、評価に値しますし、ミリオタ視点からも十二分に納得がいくものです。{/netabare}
(2)声優
{netabare}声優さんは熱演されていました。概ね満足です。
特に、フィーネ役の早見さん、ゾフィー役の雨宮さんの演技は頭一つ突き抜けていました。
しかし、肝心のイゼッタ役の茜屋さんの感情表現には課題が残りました。
イゼッタは設定そのものにも問題があるので、声優さんが役に成りきるに当たり感情移入へのネックとなっていたのかもしれません。{/netabare}
(3)キャラ
{netabare}ここでは、各キャラの私見を交え物語を振り返ります。
各話でも記述をしている通り、主人公イゼッタの設定が致命的にチープなので、評価は辛めになります。
本作はイゼッタとフィーネに共感が出来ないと、物語として楽しむことは出来ません。
私は10話まで終始イゼッタへはイラつきました。
その理由は各話で述べている通りですので、イゼッタについてはここでは省略します。

次に準主役のフィーネです。
大公の崩御で指導者の地位につきましたが、指導者というものは私情より先に国家、国民がが優先されるものです。
しかし、フィーネの公私混同は国家指導者となっても改るところがなく、私が懸念したようにイゼッタとの友情を超越した愛情関係(以後、百合と表記)が本作のストーリーを歪めてしまったと思います。
百合路線で行くのなら、そう割り切ったキャラ設定や現実を揶揄しないようにファンタジックな世界観の設定が必要です。
いくら国名を架空設定としても、ゲールはドイツ、アトランタは米国、ブリタニアは英国、テルミドールはフランスとWW2の当事国であり実在する国家がモデルとなっているのは一目瞭然。
事実として少なく見積もっても全世界で5千万人以上の死傷者を出したWW2のリアル史実を世界観とした場合、巫山戯た百合とフィーネの愛情ゆえにイゼッタの歪んだ大義との取り合わせは、アニメのみならず文芸作品にも精通し目が肥えている層には当然不評乃至顰蹙を買う取り合わせです。
本作の場合、大義を貫く凛とした君主のフィーネを設定し、その姿に魅せられたイゼッタの成長物語と合わせ、祖母の言い付けを破るだけの信念をイゼッタが自らの意思で構築し、自発的にエイルへの愛国心や忠誠心を抱くに至ったのであれば自然なストーリーでした。
または、大公を崩御をさせず、責任の軽い王女のままの方がよりフィーネらしい役所となり、世間知らずの王女の戯言としてなら、多少の百合展開には目を瞑る事も出来ました。
イゼッタの設定と合わせ、フィーネの設定も稚拙であったことが、本作を救いようがないB級アニメにしてしまったことを、監督の藤森氏、脚本構成の吉野は特に反省をして頂きたいと思います。

ゲール側のキャラを必要以上に邪悪に設定したのもいけません。
設定の都合で、邪悪に描くのはゲールの指導者皇帝オットーだけで十分であり、SSを登場させ、そのキャラでもゲールの邪悪さを強調し、他国のキャラは真っ当に描くことで、相対的にゲールへの敵愾心を煽る手法は、ハリウッド製B級映画と同じ手法で感心いたしません。
戦争というものは、開戦動機の如何に関係なく、ゲールに限らずも交戦国全てを狂気にします。

オットーのモデルは紛れもなくヒトラーですけど、それを皇帝としたことで、特に海外ではヴィルヘルム2世とも解釈できる誤ったメッセージにもなっています。
そも、ゲールを帝政設定にした理由は何だったのでしょう?
帝政であれば、近隣諸国の王家には養子や婚姻で血縁親族が必ずいます。
野望だけで他の王制国家への侵略などは起こせません。
WW1までは欧州王室会議が欧州の安全保障に大きな役割を果たしていた歴史を研究すべきですし、ゲールの隣国であり、同じ言語圏(ドイツ語)であり、かつ、王室があるエイルと王室間の繋がりがないとする方が不自然です。
制作側は欧州王室のことを何も理解をしていないようなので、野望を抱いた軍事大国が小国を侵略する程度の稚拙さで、本作のような設定を考えたのでしょうけれど、その図式を成立させるのであれば、ゲールは11月革命を経た後の共和国として設定し、史実の通りオットーはVerfassung(全権委任法体制)を達成した擬似皇帝"Führer"とすべきです。

さて、ゲール側の人物描写ですが、不足や矛盾はありますけれど、ベルクマン、リッケルト、バスラーを掘り下げていたことは評価いたします。

リッケルトは貴族の家庭でなに不自由なく素直に育てられた国家エリートであり、ウブで女(の恐ろしさ)もよく知らない真面目な人物であり、本来汚れ役の特務に向いている資質ではないでしょう。
貴族の威光に依らず、自らの実力で国家に貢献すべく志願してエールに潜伏した折、あろうことか、エールの近衛指揮官ビアンカに一目惚れをしてしまいました。
この安直な設定を批判する向きもありますけど、私はビアンカとの恋は、無自覚で意図しないハニートラップだったのかとも思い、自分を納得させて、このエピソードを流しました。
総じてサブキャラの掘り下げが少ない中で、リッケルトとビビンカ双方を描きキャラを立てたこのエピソードに一定の評価をします。

最終回でバスラーがベルクマンの言い分に対し怒りに任せてワルサーの引き鉄を引きましたけど、バスラーはベルクマンの自己中心主義をどう思ったのでしょうね。
情けなくなってトドメを刺さなかったというところでしょうか。
戦局が極度に悪化したなか、バスラーがBf109で飛び立つシーンがありますけど、超展開戦史でV1、V2まで登場したのですから、ミリオタサービスも込めてMe262で彼に花を持たせても良かったのではないでしょうか。

ベルクマンに関しては「最終回」メモに記述をいたしましたので省略します。

エイルの近衛兵であるビアンカ、ルイーゼ、アデーレ、クリスタですけど、近衛部隊が全て女性編成というのは非現実的であり、かつ、この中でキャラが立ったのは、リッケルトととの束の間の恋と悲劇的な結末を描いたビアンカ程度で、他のキャラは百合要員にしか思えないような過大設定です。
近衛という大風呂敷よりも、シークレットサービスや、SPのようなフィーネの護衛官程度で設定べきだったでしょう。
それであれば、女性だけの設定でも不自然ではありません。

エルヴィラ・フリードマンですけど、折角花澤さんを起用しながら後半は殆ど空気となっていました。
フィーネが指導者としての自覚が足りない部分をエルヴィラがフォローするなり、フィーネが国政を顧みず百合を満喫できる為の環境要員として、活用すべきだったと思います。

ジークハルト・ミュラー、白き魔女ゾフィーを死に追いやった家系の末裔。
最後はイゼッタの秘密を守る為に射殺した自国の兵士ヨナスと出合い頭のゲール兵が脳裏で重なり、油断した隙に射殺されますけど、ゾフィーに対して責任を取ったとも思えます。
国に殉じた彼の最後と国を裏切りなお生き延びているベルクマンの運命と対照的で、好印象を抱いたキャラの一人です。{/netabare}
(4)音楽
OP曲『cross the line』、ED曲『光ある場所へ』とも良曲です。
私事ですけどDLします。
{netabare}『エイルシュタット国歌』は疑問ですけど、『魔笛』他劇中曲はハイセンスです。
しかし、曲のセンスに物語が追いついていないのが残念です。
でき得れば『ゲール国歌』を原曲『皇帝讃歌』(ハイドン作曲)で聴きたかったものです。{/netabare}
(5)物語
{netabare}「終末」には様々な意味、解釈があるようですけど、本作の舞台ドイツ語圏から考えると、とってつけたようなこじつけかもしれません。
ストーリーから考えて素直にドイツ語タイトルの「最後の魔女イゼッタ」が本作のタイトルとして相応しかったと思います。
内容ですけど、百合と魔法と戦争群像の三兎を追った結果、物語の焦点がばらけて全てが中途半端に終わった感は否めません。
戦略でもそうですけど、焦点の拡散は各個撃破され敗北の道を歩みます。
妙に現実的な設定と百合を含めたファンタジーの接合が悪く、現実とファンタジーの振幅の激しさに多くの視聴者がついて行けなかったという印象です。
視聴者は雑多な福袋よりも一点豪華を求める傾向にありますので、このシナリオの失敗は如何ともしがたいでしょう。
また、1クールの尺であれば、WW2ではなく架空の地域紛争程度のコンパクトな世界観にするべきだったのではと思います。
なお、制作スタッフ(主として監督、脚本、設定制作)は当時の政治や世相の深淵を咀嚼せず、戦史中心でストーリーの時系列を組み立てています。
したがって、本作からは政治的なメッセージは得られません。
本作の詳細な問題点は各話メモに記述をしていますので、ここでは俯瞰的な意見のみとします。

物語本筋だけでしたら「2」が最大限の評価ですけど、本作は本筋以外に圧巻な3DCG戦闘シーンなど傍系の見所がありますので、下記のように項目を細分して評価をしています。
《物語評価の内訳》
・軍事考証4.5(史実に対し、兵器、軍装、軍事付属物のレイアウト設計、描写など主としてハード部分)
・戦史考証3.5(史実に対し、作戦のフローチャート、作戦の時系列的整合性、作戦の背景など主としてソフト部分)
・政治考証1.5(史実に対し、軍事作戦以外の政治、外交、インテリジェンスの設定など)
・物語の基軸2.0(物語独自の設定における脚本・シリーズ構成)
・演出、効果4.0
・Ave.3.1≒3.0{/netabare}
----------------------------------------------------------------
【考察】「ドイツの核兵器について」
もう、本作のレビューを書く機会はありませんので、各話メモで未稿でした「ドイツの核兵器について」に触れたいと思います。※長文なので畳みます。
{netabare}現在、先端科学の中心地は米国ですけど、戦前、先端科学の中心はドイツでした。
これは、自然科学部門のノーベル賞受賞者を御覧頂いても、お分かりを頂けるかと思います。
ドイツの科学研究は19世紀後半に設立された「帝国物理工学研究所」から「カイザー・ヴィルヘルム研究所」、現在は「マックス・プランク物理学研究所」(現在は研究項目ごとに分立している)と変遷をしていますけど、国家を挙げて科学技術の育成に取り組んできた古い歴史があります。
なお、我が国の「理化学研究所(理研)」と「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の設立はほぼ同時期で、後身の「マックス・プランク研究所」と研究連携協定を結んでいます。
特に、戦前期の「カイザー・ヴィルヘルム物理学研究所」の所長にはM.スブランク(前期量子論の父)、A.アインシュタイン(相対論)、F.ハーバー(毒ガス化学兵器の父)、W.ハイゼンベルク(量子力学)など全てノーベル賞受賞者である、そうそうたるメンバーが就任しており、量子論を確立したN.ボーアなどドイツ人外の欧米の一流科学者の多くが本研究所で研究に携わるなど、世界最高の研究機関でした。
当時、戦前ドイツの科学技術はナチス時代で突然開花したものではなく、19世紀から国家を挙げて積み上げてきた成果です。

さて、ドイツにおいて核兵器の開発はどういう状況だったのでしょうか。
まず、核兵器には核分裂エネルギーを利用した「原子爆弾」(*1)と、熱核反応エネルギーを利用した「水素爆弾」(*2)があります。
※1核爆発の爆風には「マッハステム衝撃波」という特性があるが、これは原爆の放射熱で周囲の空気がプラズマ化し生じるもの。
『オカルティックナイン』11話でアヴェリーヌ(稜歌)は電磁波を用いたプラズマ爆発によるマッハステムを暗示しているものと思われる。
※2中性子爆弾は水爆に含まれる。
核分裂エネルギーを効率よく取り出す為には「連鎖核分裂反応」を生じさせる技術が必要です。
「連鎖核分裂」は「原発」でも用いられており、ゆっくりと反応させる制御をしているのが「原発」、制御せず一気に連鎖核分裂をさせるのが「原爆」です。
「核分裂」により、膨大なエネルギーが放出されることは「特殊相対論」で既に示されております。
世界初の核分裂実験は「カイザー・ヴィルヘルム研究所」でO.ハーンにより濃縮ウランを用いて成功しました。
(原爆に必要な「連鎖核分裂反応」は後のマンハッタン計画で成功します。)
O.ハーンによる実験成功の事実が、「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の実力を知り尽くしているアインシュタイン他米国亡命科学者の顎を外したのは、理学者の立場では容易に想像できますし、ナチスによる原爆開発の現実的な脅威と危機感から、ルーズベルトへの原爆開発の提言へと繋がります。
実際、アインシュタイン達の懸念通りドイツにおける核兵器開発は1939年「カイザー・ヴィルヘルム研究所」が中心となって開発に着手、プロジェクトのリーダーは戦中の所長であったハイゼンベルクが就任し、ハイゼンベルクはヒトラーの腹心で後の軍需大臣となるシュペーアに条件が整えば2年以内に兵器化可能と回答します。
しかし、種々陰謀論めいた怪しげな話も存在しますけど、技術的な可能性はあったものの、結果的には以下の理由で完成には至っていません。

1.ユダヤ人の大量追放と科学者の戦時召集で原爆開発に必要な科学者が手薄であったことから計画に遅延が生じた。

2.原爆開発方針を巡り、高濃縮ウランか天然ウランかで意見が割れ、結局、膨大なエネルギーを消費するU235の純度を高める高濃縮は取りやめ、ハイゼンベルクの重水炉案に則り天然ウランを用いることとなり、その為にドイツ国内では製造をされていない重水の確保が急務になった。
しかし、当のハイゼンベルクはこの決定で、兵器化にはウラン濃縮が必要で、重水炉は発電施設として考案したものであり、天然ウランでは小型化し、兵器としての原爆の実用化は困難と判断している。
※重水炉と旧共産圏で使用された黒鉛炉の燃料は天然ウランをそのまま用い、現代の原発の主流である軽水炉は高濃縮ウランを用いる。
なお、当時、高濃縮ウランの製造には膨大なコストがかかることを考えれば、天然ウランの使用もあながち非現実的とは言えない。
※天然ウランの成分の殆どは核分裂を起こさないU238で、核分裂を起こす同位体U235は天然ウランの中に僅か0.7%程度しか存在しない。
また、当時、天然ウランから核分裂物質のU235を抽出する最も効率が良い方法はサイクロトロン技術を応用したローレンツ力を利用する「電磁濃縮法(Y12P)」、ついで手間がかかる「ガス拡散法(K25P)」が主流だったがどちらも膨大な電力消費が課題であった。
マンハッタン計画ではウラン濃縮の為に専用発電所まで建設をしており、潤沢な資金に恵まれた米国以外は選択出来ない方式だろう。
我が国では、理研が「ガス拡散法」、京大が「遠心分離法」でウランの濃縮を試みているが成果が出る前に終戦となる。

3.英国でもドイツの核開発を知るところとなり、原爆の研究に着手をしているが、ドイツが重水を求める理由に二通りの解釈を持っていた。
※原爆の性能向上(小型化)と水爆の可能性
どちらも英国にとっては破滅的な脅威であり、重水製造プラントがあったノルウェーの工場を攻撃し、更に重水を積んだ運搬船を攻撃して沈めドイツ核開発の息の根を止めている。
なお、重水プラントの確保はドイツがノルウェーを占領した大きな理由でもある。

4.ヒトラーは原子物理学をユダヤの科学として忌避しており、原爆開発へは予算や人員などの政治的な支援が行われなかったこと。
結局、軍需大臣シュペーアは1944年2月、原爆は本戦争には間に合わないと判断し正式に開発を中止する。

5.ヒトラー、シュペーアの会談録でヒトラーは核開発について、ハイゼンベルクチーム以外にも研究を指示していると述べている。
これは国防軍のE.シューマングチームのことであるが、この詳細はシュペアーやハイゼンベルクにも知らされていなかった。
E.シューマングの研究については現在もなお不明な点が多く、物証もなく陰謀論的な憶測も多いが、特に以下の二点が注目されている。
★広島に投下された原爆と同様「ガンバレル型起爆装置の開発」
(マンハッタン計画では現代の原爆に採用されているプルトニウム爆縮型起爆装置の開発が主軸であり、世界初の原爆実験も爆縮型で、ガンバレル型起爆装置について米国は一切非公表としている。)
★重水素を用いた水爆理論構築。ただし、水爆を起爆する為には原爆級の膨大なエネルギーが必要であり、原爆の開発を断念したドイツでの完成は不可能。
なお、戦争末期、我が国に向かって出航した潜水艦U-234号は、ウラン鉱石の他「ガンバレル型起爆装置」の設計図も搭載されていたとする証言もあるが証拠はない。
なお、U-234号は大西洋上で米海軍に降伏したが、その際乗艦していた日本海軍士官2名は自決している。{/netabare}
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※第1話から第7話までのメモは文字数制限の為削除。

第8話メモ
{netabare}各論
今回は軍事考証の必要はないので物語のみ。
吉野氏はソラノオト気分で脚本を書いているのか、戦時と平日の区別すらついていないようだ。
それにしても、戦時下の防諜対策とはどういうものかがマトモに考証がなされていない酷い回だなコリャ。
古城→重要機密施設の警備体制にしては甘過ぎるし、近衛兵が女性だけという設定も含めて非現実的。
非現実的に加え、ゲールの特務リッケルトをビアンカ達が偶然に拾い、伏線なしで痴情展開を設定してカタルシスを押しつけるご都合主義にはいい加減辟易する。

まぁ現実と非現実のギャップはあってもいいが、その折り合いのつけ方が子供騙しで既に物語のチープ化は避けられない状況と思う。
この物語の課題点は5話、6話でも散々指摘をしたし、改善の意欲も感じられないので言葉を費やすだけ無駄だろう。

アトランタが都度登場しているが、この国が欧州情勢に関与する動機が描かれていないのは致命的なミスだ。
つまり、アトランタがゲールとエイル両国を排除する「国益」は脅威の排除などという上辺なものではないだろうし、また、その程度で軍を動員出来るほど史実の米国事情は単純ではない。

米国の正義は常に攻撃された被害者の事実から始まるのがお約束。
現に史実では被害者になるように我が国だけではなく、ドイツに対しても策謀していただろう。
なぜ、そうまでして欧州情勢に介入したいのか。
史実を追い、アトランタのドロドロとした野心を見せないと視聴者をジンテーゼに誘導出来ないだろう。
ストーリー構成に参加している戦争屋にとって史実の米英同盟関係は空気のように感じているのか、設定そのものすら考えていないかもだな。

ドイツのポーランド侵攻から大西洋憲章締結に至るまでの両国の外交史を全く調べていないのが見え透いているし、戦史には詳しくても背景の歴史に音痴だと本作のように薄っぺらい脚本になる。{/netabare}

第9話、第10話一括メモ
諸般の都合により第9話のレビュー時期を逃したので一括します。
{netabare}しかし、この作品のレビュー少々書き難くなった。
{netabare}理由は余りの物語の陳腐さに我慢しきれず7話視聴後に制作会社ヘメールを入れた訳です。
他にも似たような意見があったのか、誠意のある回答を頂いた。
端的に言えば「まあ観ていて下さい。期待は裏切りません。」とのこと。
なお、今後のネタバレについては一切返信には含まれていない。{/netabare}
いや、確かに9話でマトモな流れになったが、尺も詰まった段階では少々遅きに逸した感もする。

さて、本作を視聴して戦争を感じさせないとの意見もあるようだが、想像力を欠いているのではないか?
本作を好む層は概ね実写戦争映画や実戦記録フィルムを鑑賞している層も多いと思う。
イゼッタやゾフィーのチート能力で多くのゲール兵やロンデリアン(ロンドン)市民が死んでいることを黙殺出来るとは、平和ボケな我が国の一端を窺わせ、とても憂鬱な気分だ。
一度、実戦の記録フィルムでも鑑賞してみたらよかろう。

本作では『魔法少女育成計画』のように生々しく凄惨な殺人描写がされていないだけで、実質的に多くの戦死者が出ているし、実写記録フィルムと重ね合わせれば死者累々の悲惨な状況は想像出来る。
東京空襲やサイパン、硫黄島、沖縄の玉砕戦、ドレスデンやロンドン空襲などの実写記録フィルムをしっかり鑑賞するのがよかろうが、グロいから見たくないとか言いそうだな。
しかし、それが戦争というものの現実なのだ。

戦争に対して背を向けてきた教育の歪みも問題だが、死体が少ない戦争アニメだから見易いなどと宣えているから、今般、尖閣のみならず、九州でも我が国の領海に堂々と浸入してくるシナの脅威など微塵とも感じない有難い感覚なのだろう。
シナ空軍の挑発で沖縄上空のスクランブルも異常事態だし、命を削りながらも国防に勤しみ我が国の平和を守っている自衛官諸氏の苦労を少しは考えてみたことがあるのだろうか。

某フィギュアアニメを無条件で讃えている層にも言えることだが、戦争が身近に来ているかもしれない現実は逃避して、戦争の悲惨さを感じさでないと本作を讃えながら、シナの良いように国土を蹂躙されてから後悔をしても遅いのだがな。

ガルパンオヤジの怒りはこの程度にして、物語はどうなのかに移ろう。
8話でその存在を暗に知らしめる伏線の通り、9話で白き魔女のクローンゾフィーが登場し、イゼッタに対し圧倒的な力量差で打ち負かす。
この種はイゼッタが魔力を地理的条件に依存していることに対し、ゾフィーは魔石を利用して地理的条件に左右されず魔力を発揮出来る設定だ。

この設定は上手く考えたと思うが、ゾフィーの存在を匂わせたり、古城への浸入目的が魔石の取得であったのも今後に向けての伏線で必要な尺だったのだな。

あと、ゾフィーがクローン技術で生まれた設定に対する批判もあるようだが、遺伝子操作によるクローン技術の思想的な始点はナチスの優生学からであり、実際に「レーベンスボルン」という交配で人為的に優れたヒトを作る実験が行われている。
ユダヤ人絶滅収容所ではその為の基地外じみた実験に囚人が利用されてもおり、その意味では可能性の範囲で荒唐無稽な設定ではないと言える。

次に、10話で登場したV1であるが、これは時系列的に無理があるだろう。
寧ろV2の方が現実的だ。
なぜならば、V2の原型であるA型ミサイルは1940年には既に発射実験が行われている。
フォンブラウンで調べてみるといいだろう。
対し、パルスジェット搭載のV1の開発はバトルオブブリテンの終了後であり、今回の設定はどう考えても可笑しいだろうな。

まぁ戦史を完全に無視をしているのなら、大戦初期でタイガーやパンサー、Me262を登場させてもいい訳だが、大戦初期の定石通りに3号、4号戦車、Bf109を登場させているし、また、本作が戦史準拠である事はPANZER誌でも述べられている。

しかし、設定に細かくイチャモンをつけても「魔女」の設定が荒唐無稽なので目を瞑っているのも必要か。
それでも、あまり無茶な設定をすると全てで陳腐になるので、止めた方がいいのだがな。

8話でも記述したが、アトランタ(米国)がたかが一駐ブリタニア大使の一言で軍の動員を図ったとするのはご都合主義もいいところだ。
アトランタは現実に攻撃されないと軍は動員しないし、ゲールのような独裁国家とは違い、この国は動員が正義となる確固たる理由が必要な国だからな。
でも今回ゲールがロンデニオン攻撃に踏み切ったことで、アトランタ軍動員の正当化を図るのだろうな。
史実では、ロンドン空襲時点でも米国は対独戦線布告はしていないのだけど。

10話の作画だが、2Dの爆発シーン、MS406の墜落爆発シーン、MS406vsBf109の3D空戦シーンは圧巻だった。
航空機と戦車、火砲の作画(3D含む)はパーフェクトなのに、空母の作画に課題を残したのは惜しまれる。

また、捕られたイゼッタ救出の為に、エイルの陸軍部隊と近衛が突撃の準備をしているところ、絶対装備数が少ないMS406が地上部隊との連絡もなく唐突に出現したのは、よくあるご都合主義に思える。

シナリオに厚みを加えるなら、突撃→撃退後退→空軍支援→再突撃の尺を取るべきだろう。
特に名機関銃MG34(WW2最高傑作機関銃MG42の前モデル)の連射で、エイル兵がなぎ倒されるシーンが見たかったが。
この、イゼッタ救出は重大局面で見せ場なのだから、もっと救出に苦労をするよう工夫をするべきだった。

陳腐な設定を残したまま、物語は進んだが、もう本作では誰もハッピーエンドは期待していないだろうし、バッドエンドをどのように迎えるのか焦点はそこだろう。
10話でも十二分に分かることだが、ゲールは帝政に置き換えたナチスそのものだ。
皇帝オットーはヒトラーの置き換えと見た方がいいな。

海外評価サイトでは現実の国家にするべきだとの意見もあったが、もろにヒトラーを出すといろいろと面倒臭いことになるし、この設定は仕方がないだろう。
それと、何故か10話では不可侵条約を反故にし史実通りヴォルガ連邦(ソ連)侵攻を目論んでいるが、局面はヴォルガ連邦との戦いで何か変化があるのかな。
ゲールはゾフィーを使いこなせるのか?不安な一面を見せる描写もあったが、史実通りの予定調和やオレタタ終了は避けて欲しい。{/netabare}
もうクールも残り少ないし、11話は相当詰め込んでくるだろうな。

第11話メモ
{netabare}うーん、どこまでも御都合主義で物語を進めるのかな。
しかし、親衛隊(SS)を登場させてゲールの邪悪なイメージを増幅させ、相対的にエイルへの同情を誘う演出は稚拙過ぎる。

10話で伏線が張られたベルクマンの失脚の理由も暗喩を含めて説明不足である。
一般に重大な国家機密を握っている人物を何かの理由でパージするのなら、国内に軟禁して行動の自由を制限するのではなかろうか?
したがって、寝返る必然性を含めて今話の展開は首を傾げたくなる内容だし、更に輪をかけて核兵器もどきとV2のセットか…

ベルクマンが寝返るにしても、これだけの超兵器を取引に使えば、エイルを降伏させる流れの方が自然だろうな。エイルから情報に見合う膨大な金と身の安全の絶対的な保証でも取らぬ限り。
常識で考えれば裏切り者は裏切った国のみならず、国を売った事実だけで保護国でも信用はされない。
場合によっては保護国側が取引の材料に使うだろうけど、安直に信用して行動の自由を許すなどエイルは子供が運営している国なのか?
ベルクマンをゲールに手渡してはならないだろう。

魔石の持つ裏の現実を突きつけてもイゼッタには全く感情移入をしない。
寧ろ、フェーネの危機に都合良く間に合わせる御都合主義には辟易してきた。
本作のキャラの誰にも感情移入が起こらないのは、ゴルゴ13ほどのシビアさは求めないが、現実とファンタジーの接合が悪い上に振幅が激しいことと、間の悪い百合描写と御都合主義の展開が余りにも多いことに尽きるな。
国家の命運を背負った会議に向かうシーンが、フィーネの緊張感ではなく百合なら誰でも呆れるぞ。

もう、子供なら喜びそうな話にまで劣化してしまったな。

イゼッタの出撃シーンは特攻に飛び立つような雰囲気だが、緊張感も悲壮感も中途半端で全く共感しないな。
イゼッタへ感情移入が起こらないのはストーリーの拙劣さもだが、茜屋さんの演技力にも問題がある。

イゼッタのおっぱいアップのカットはサービスとして捉えておこう。{/netabare}

【最終回】
{netabare}結論から述べる。
最終回も残念賞。
粗を探せば多々あるが、しかし、広げた風呂敷の回収はしっかり成就させている点は認める。
そこに至るプロセスや、設定の甘さは除き、イゼッタは平和への対価としての犠牲とさせたが、あくまで救われない形で幕を引くということは、イゼッタの死か消滅であることを意味する。
戦争という苛酷な現実を世界観に設定したのであれば、一つの使命を果たしたイゼッタの殉死こそ世界観に見合った彼女の最後だろう。
ゲールという国家の滅亡とイゼッタの命の取り引きで物語は醍醐味あるバランスは取れるのだけれど、脚本は本質的に履き違えてしまったようだ。
2期を考慮していないのだから、視聴者に平和の使者イゼッタを印象づける意味でもバッドエンドにすべきだった。

幕引きに至るまでについては、以下の各論でこの作品の課題点を指摘する。

(アトランタについての軍事考証)
アトランタにとってはゾフィーもイゼッタも「戦略兵器」として捉えていた脚本は評価するが、派兵(動員)に関してはモデルとした戦前の米国の政治、とりわけモンロー主義をもっと研究するべきだ。
アトランタを物語の正面へ出す場合、ゲールの潜在的脅威のみならず、具体的な脅威がアトランタにあった事実を描写すべきだろう。
史実のWW2では我が国の真珠湾奇襲後にドイツは米国へ宣戦布告をしている。
つまり、民意が国家運営の土台である米国は、仕掛けられない限りは兵を動かせない、厳密に言えば(当時は)海外派兵のような大規模な陸軍の編成は戦時状態が生じた上での戦時動員が必要な国である。
国家の成立上、地方自治が高度に発達している米国における陸軍の平時編成は州知事に統帥権がある現役州兵が主体であり、ベトナム戦争以前までは、平時における州兵の動員は治安維持等法律の緊急限定事項を除き大統領統帥の範囲外にある。
州兵、予備役の動員は戦時状態が必要十分条件であり、大統領統帥権に基づく戦時動員をする為には「攻撃された」という既成事実と大統領判断のみならず、戦時状態(宣戦布告を含め能動であっても受動であっても)の議会承認が不可欠なのだ。
つまり、当時の米国のシステムでは戦時状態を認識し、陸軍の戦時動員を完成するには1年近くかかるはずだし、動員編成に関しては軍事マニアの基本的な常識。
余談だが、太平洋戦争においてガダルカナルから反攻を開始し、太平洋戦線で終始戦闘を繰り広げたのは海兵隊である。
現在は第4軍として独立した地位にある海兵隊だが、当時の海兵隊は海軍の指揮下にあり、海軍は陸軍とは異なり平時から大統領の統帥下にある。
海兵隊は有事発生の際に速やかに編成動員可能なメリットがあるが、戦術使用は可能でも一国家を軍事的に降伏させるのには戦力不足であり、戦争終盤では陸軍の役割となる。
太平洋戦争も終盤の海軍主導の中部太平洋戦線の硫黄島、沖縄では米陸軍も戦闘に参加しており、陸軍のマッカーサーが率いる南太平洋戦線が膠着気味であったのは、動員編成が複雑な陸軍の特殊性によるものだ。

ノルマンディーにしても、あれだけの大部隊を編成する為に宣戦布告から2年半近くの準備期間を要している。
本作では大使の進言から数ヶ月でブリタニアに派兵をしているが、アトランタの政治システムや軍事常識外の陳腐な設定であったことが窺い知れよう。
各国の政治や、陸軍の性質をもっと研究した脚本でなければダメだな。
特に米国は正当な理由に基づく徴兵拒否を認めている国でもあり、戦前の我が国のように赤紙1枚で簡単に頭数を揃えられない複雑な事情もある。
完全志願制の我が国自衛隊の悩みは予備役の不足であるが、いざ戦争となれば現役の員数ではなく、予備役や後備役の動員がどれだけ可能かで、その国の軍事力が決まる。

登場国家こそパロディではあるが、史的事実関係に沿った脚本を評価していた折に、アトランタ参戦プロセスの端折り方は軍事設定において致命的とも言えるミス。
WW1のように、ゲールのUボートがアトランタの民間船舶を攻撃したシーンでも挿入しておけば、アトランタの派兵には現実味が帯びたのだが、残念だ。

(ベルクマンに見る脚本の底の浅さ)
まず、ベルクマン失脚の動機が曖昧なのは前回にも記したが、単に知りすぎた人物というだけではなく、もっと具体的な説明が必要であっただろう。
結局、ベルクマンはゲールへ引導を渡した物語のキーパーソンなのだが、その描写が雑過ぎたのが頂けない。

フィーネとイゼッタの百合百合しい関係の尺を、ベルクマンという人物の掘り下げに当てればまた違った評価となっただろう。
愛国心より個人の命が優先するとした利己的なベルグマンの人物像の描き方は、倫理的な抵抗はあっても、ある意味では真理だ。
しかし、それをゲールの国民の一人として描いたことに、脚本の政治的な意図が感じられなくもない。

脚本が、史実として祖国敗戦後でもゲールのモデルとなったドイツ人気質とはとのようなものであったかは、シベリア抑留記で記述されているドイツ人捕虜だが、ソ連に屈せず最悪の環境を甘受してドイツ人としての誇りを抱きシベリアの土になった事実を知っていればベルクマンのような描き方ができたのであろうかな。
ドイツ人捕虜の高貴な態度に胸を打たれた著者は、自分可愛いさに次々と祖国日本を裏切りソ連へ忠誠を誓っていく周囲の日本軍捕虜の節操のなさを憂いていた内容だった。
これは、15年程前に『丸』が特集していたシベリア抑留記に書かれてあった。
おそらく、ヒムラーやゲーリングのような往生際が悪かったナチス高官や、連合国に脚色されたドイツ人のイメージでベルクマンの人物像を設定したように思う。
ドイツ人であれ、アメリカ人であれ、日本人であれベルクマンのような人物は確率的に存在するのは認めるが、ネガティブな人物であればこそ、人物描写を掘り下げなければベルクマンがドイツ人代表のような間違ったメッセージを与えかねない。
そう考えるとやはり脚本の底の浅さは拭いきれない。

危険人物として暗殺の対象とされたにも関わらず行動の自由を許したゲールの対応や、売国人物と知りつつエイルがベルクマンを利用した浅はかさは「国家」というものを脚本が理解をしているのか甚だ懐疑するお粗末な展開だった。
ベルクマンとミュラーは同じ情報を扱う者として、国家への忠誠に関しては対極的に描かれている。

ミュラーがエイルへ絶対忠誠を誓う背景には彼が貴族であることが挙げられよう。
爵位は国王から授けられるものであり、国家(というより君主)に対し絶対服従を誓う根拠ともなり得る。
ベルクマン部下のリッケルトも貴族家系ではあるが、彼の国家への忠誠心もミュラーと通じるところがあるだろう。
脚本はミュラーをリッケルトの隠喩としても表現し、ベルクマンとの応酬を通してベルグマンの性格を掘り下げたかったかな。
更に、バスラーの愛国心を強調し、ベルクマンという人物像を確立したかってのかもしれないが、これだけ物語のキーパーソンとして活用した以上、ベルグマンの直接的な掘り下げをしなかったことは脚本の怠慢としか評価が出来ない。
最後は生き延びて、アトランタへ魔女の力で得た核兵器を売却したようだが、この人物の生き様は、百合や他のサブキャラの描写を減らしても尺を取るべきだった。

(ゲールがヨーロッパ征服を試みた動機が意味不明)
さて、本作はWW2を背景とした世界観だが、ヒトラーが何故欧州大陸で戦火を拡大させたかを理解しているのかが甚だ疑問なストーリー展開である。
そも、ヒトラーは全欧州の覇権を握る意図があった訳ではない。
ヒトラーの目的はWW1で喪失した旧帝政時代の失地回復であり、ポーランドを占領したのもWW1の結果でポーランドが独立し、飛び地となった東プロイセンとケーニヒスベルクの回廊復活が目的だ。
ヒトラーの政策の第一目的は「ベルサイユ体制」の破壊であり、当時のドイツ国民が支持したのもこの政策を掲げたナチスに対してである。
ヒトラーとて、それ以上のことはドイツの国力を考えても出来ないことは重々承知をしていた。
したがって、ベルサイユ体制の守護者である英仏と本格的な戦争状態となることはヒトラーの本意ではなく、ポーランド侵攻までには相当の外交努力が行われていることは注視をすべき点である。
当時の英仏もWW1の後遺症から抜け出せてはおらず、可能な限り外交交渉で決着を図る姿勢でドイツの要求を呑んでいた。
ヒトラーはポーランド侵攻にあたり、ソ連と不可侵条約を締結し、モロトフ=リッペントロップ秘密議定書に基づき、西からポーランドに侵攻、東からはソ連が侵攻しポーランドは消滅した。

勿論、ソ連との不可侵条約は後に明らかになるようにドイツ側の欺瞞工作である。
東プロイセン回廊の確保でヒトラーの目的は達したが、ポーランドと軍事同盟を締結していた英仏は「集団的自衛権」に基づきドイツに宣戦布告をする。
ヒトラーはポーランドに関する英仏の感触や、ソ連もポーランド侵攻に同意したことで英仏との対立は避け得ると判断したが、英仏はソ連は黙殺しドイツのみに宣戦布告を行う。
ヒトラーとしては不本意な結果を招いている。
実際宣戦布告をした英仏もポーランドを直接助けることはせず、ドイツとの軍事衝突を避けていたのだが、ヒトラーのタイムスケジュールには第二段階としてソ連侵攻があった。

しかし、フランス侵攻をヒトラーが考えたのは、対独英仏宣戦布告が明確な動機であり、隣国であり大国であるフランスが宣戦布告を放棄しない限りは、常に軍事的な脅威に晒せれることとなり、今でいう「先制的自衛権」という考えから軍事侵攻に踏み切ったものだ。
フランス侵攻と同時に英国のチェンバレンが辞職し、対独強硬派のチャーチルが首班となり、これでヨーロッパでの全面戦争が不可避となった。
つまり、ヒトラーのフランス侵攻はドイツにとっては防衛であり、彼が描いていた大ドイツの図版には含まれてはいない。
中央ヨーロッパや東ヨーロッパには傀儡政府を樹立せず、ドイツ直轄の軍政であったが、フランスには傀儡政府(ビシー政府)を樹立した点、南ヨーロッパにはヒトラーの盟友ムッソリーニがおり、イタリアの勢力圏をドイツが奪う意思はなかった。
スペインは中立国だがフランコ体制の同国も、ポルトガルに対しても領有の意思は見せてはいない。
ただ、イタリアがあまりに軍事的に情け無い戦いを続けムッソリーニがヒトラーに泣きついてきたことから、南ヨーロッパやアフリカへも派兵をせざるを得なくなり、イタリアの降伏で南ヨーロッパ戦線の維持をドイツ一国が背負うこととなったのは、ヒトラーの意図以外の不確定要素から生じた出来事である。

ダンケルクでの詰めの甘さは、ヒトラーがなお英国との和平を切望していた証しでもある。
しかし、チャーチルの強硬姿勢に結局、対英問題解決は軍事的な勝利しかないと悟ったのでろう。

ソ連侵攻の目的は『我が闘争』にもあるように、ユダヤ人の抹殺とスラブ人種の奴隷化と天然資源の確保であり、これは政権に就く以前からの思想であるので、ソ連がどのように下手に出ても戦争は不可避であったと思う。
『我が闘争』を読んでも、また、現実のヒトラー政策を考えても、彼の大ドイツ構想は東方拡大であり、全欧州にまで野心があったものではない。
フランスが対独宣戦布告をしなければ、フランスへの迂回路であるベルギー、オランダの軍事占領が行われたかも疑問だし、フランスを含む、南ヨーロッパは元来、彼の図版の外にある。

本作ではゲールがヨーロッパ征服の野望を如何なる動機で抱いたのかが不明瞭であり、かつ当時のドイツを巡る欧州情勢や史実は上記のとおりであり、ゲール(ドイツ)を無条件に悪者とする姿勢は、ハリウッドB級映画のテンプレや、ニュルンベルク裁判史観や侵略者ゲールを設定したのは、安直かつ幼稚に思えてならない。
WW2の設定を用いるのであれば、ゲールの国家戦略も政治的に詰めて設定すべきであろう。

(フィーネ発言の真意)
アトランタの意見では魔女を抱える国は戦略的に絶対的な優位を誇ることとなるが、それはアトランタが述べるようにゲール亡き跡の安全保障に直結する課題だ。
アトランタがこの会議に参加した経緯には大きな疑問があっても、発言趣旨そのものは妥当だろう。
フィーネはここで、イゼッタ個人の死ではなく、レイラインの魔力を吸い上げた結果は魔法そのものがこの世から消え失せるとした発言をした。
しかし、フィーネの最後の涙はイゼッタは死ぬかもしれないとの絶望のメタファーであり、その死を以ってしてアトランタの懸念は取り除けるとした大義と私情の狭間で大義を取った指導者の意見であると私は考える。
反面、フィーネの本音は魔女イゼッタではなくイゼッタとなっても愛情には些かの変化がないことと、自らの力量不足をカバーしてくれたイゼッタへの感謝の涙でもあろう。
私情と大義の狭間に揺れるフィーネは、指導者としては未熟だが、人としては共感を得るものと思う。
このフィーネを描いた脚本は評価できよう。

(イゼッタとゾフィーの対決)
イゼッタとゾフィーの属性については「(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)」で述べるので、ここではラストの対決に的を絞る。
パリ上空を舞台に繰り広げられた、白熱のバトルシーンの描写に関しては、圧倒的な作画で十分に楽しめる内容だ。
イゼッタがエッフェル塔を折るところは凄い迫力だが、迫力においてはゾフィーも負けてはいなかった。
しかし、命が惜しいゾフィーに対し、イゼッタは自らの死を厭わずに最大魔力で応じている。
イゼッタの気迫勝ちだが、イゼッタが死をも辞さない覚悟を抱くプロセスがお粗末である為に、本来は十二分に感動するべきシーンなのだが、私には50掛けとなってしまった。

(オットーの自殺)
史実でヒトラーは自殺をしたが、その状況に合わせたのかな。
しかし、史実のドイツの末期はとても悲惨であり、ヒトラーはソ連兵が闊歩するベルリンの地下壕で自殺を図っている。
本作のノイエベルリンの描写では末期ベルリンの断末魔の悲鳴が伝わらない。
私は実際、壁崩壊直後のベルリンと壁の緩衝地帯にあった空き地のまま放置されていた、総統大本営地下壕跡を訪れているから、余計に陳腐に思えるのかもしれないが。
ノイエベルリン市民が参加している地上戦を描いた方が、追い詰められたゲールの直喩にもなったろうし、オットー自殺にも説得力があっただろう。
オットーにずっと付き添っていた側近エリオットは架空設定だが、自殺を確認したという意味ではボルマンがモデルだな。

(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)
本作で最も問題となるのは、イゼッタの立ち位置だろう。
本作では執拗にイゼッタとフィーネの過去の出会いを描写し、イゼッタはフィーネへ恩義を感じていることを強調している。
また、フィーネは一国の君主の立場を超えてイゼッタを大切にすべき友人から愛の対象として描いている。
本作も多くの視聴中断者を招いたが、その原因の多くは百合展開である。
世界観と百合のミスマッチが視聴者の嫌悪感を招いたと思うが、それには十分同意を出来る。
脚本の吉野氏には戦時と平時の見境がついていない旨の指摘を散々してきたのだが、平時が背景での百合展開ならば、そうとも割り切れる。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は平時における兵士達の日常を描いた内容であるから、百合要素もエピソードの一つとして受け入れることは出来る。

しかし、国が危機に際している状況で百合でイゼッタの忠誠心として描くのは、戦争という無慈悲で凄惨な現実を余りに茶化してはいないかな。
イゼッタはフィーネの存在がなくても、戦争を終わらせる為にはゲールと対決する心構えがあれば、平和の使者としての彼女に大きな共感が生じただろう。

しかし、フィーネという個人に陶酔する余り、彼女の理想を現実化したいという利己的な理由でゲールと対峙させても何も共感は生じない。
戦争というのは一個人の理想ではどうにも出来ない過酷な現実であり、魔法というチート能力の設定を用いるところを錯誤し、現実とは大きく乖離してしまったことは本作最大の失敗であろう。

魔法と兵器の対決はエンタメ的には間違えてはいない。
『ストパン』もそういうファンタジー設定で人気を博したのだから。
しかし、本作は『ストパン』よりも妙にリアルを追求しているが故に、ファンタジー設定をよく練らずに用いると、世界観との齟齬や乖離が生じるリスクと裏腹の関係となることも指摘済みである。
軍事オタが本作を評価しない点はこれに尽きる。

更に、イゼッタの理想は大義に立脚したものではなく、フィーネの理想の具権化であったこともWW2という大きな器に対しては説得力がないものとなった。
海外評価が辛辣なのは、イゼッタの正義はフィーネの借物の正義であり、百合感情で得た極めてストイックに反する俗物的で許容しがたい点にあることだ。
ゲール討伐という大風呂を広げず、フィーネとの愛情物語に路線展開をすれば、また別の評価を得られたであろう。
最後、イゼッタが生き残る点も、殺したくないスッタフの御都合主義だと思うが、殺した方が殉教者となる訳だし、魔女というキリスト社会においては極めてアグレッシブな存在に対する明確なメッセージとなったはずだ。

逆に、エイルで過去に魔女裁判にかけられ、命を落としたゾフィーに私に共感を抱いた。
だってそうだろう。
ゾフィーは本気で愛したかつてのエイルの国王の遺言によって異端審問の上処刑された。
異端審問が吹き荒れ、魔女狩りが横行していた当時の欧州情勢を考えると、この国王の判断こそ、フィーネが見習わなければならない、私情を捨て大義を守る指導者としての矜持だが、大義には犠牲が生じ、多くの私怨を招く。
その意味でも私怨でエイルを滅ぼしたい気持ちは正直で嘘偽りはないだろうし、イゼッタの偽善よりも遥かに自然な感情だ。
更に、感情移入はゾフィー役に雨宮さんの熱演もあったのだが、対しイゼッタ役の茜屋日さんの演技力には課題を残している。

イゼッタが述べた「みんなの命を預かる人はたった一人に拘ったらダメ」はそのままイゼッタへのブーメランとなり、このセリフを吐かせながら生き延びるのは余りに矛盾が過ぎるのではなかろうか。
更に、回想でフィーネが百合私情を振り切り涙ながらにイゼッタへ戦いを命じた描写を感動として活かし、イゼッタがゾフィーに語った大義(私情に揺さぶられた偽善的な大義だが)を衝突させたのであれば、ジンテーゼは視聴者へ判断を委ねる、双方生死不明のメタファーとして結論付けなかった方が良かったのではないかな。
よって、最終回でイゼッタも消えていれば良作ではあったと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 76
ネタバレ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

戦争+魔女=?(絶賛レベルではないですがまあまあ面白かった)

原作なしのオリジナルTVアニメ作品。

W主人公二人(公女フィーネと魔女イゼッタ)の名前を合わせると、タイトルの『終末のイゼッタ』になる(?)といういきなりのタイトルネタ回収…。
(真面目なドイツ語のタイトル "Izetta, Die Letzte Hexe" は「最後の魔女、イゼッタ」の意味。"fine" はイタリア語での「最後」の意味なので本気にしないでくださいね…。)

話の設定としては、現実に似ているっぽい架空の歴史を舞台とする『GOSICK』方式ですが、年代は『GOSICK』よりも後で第二次世界大戦相当の時代が舞台です。似たような設定の『ストライクウィッチーズ』よりはリアル寄りな感じ。

国の名前はぼかしてあるけど、モデルとしている国はまあ普通にわかる。

エイルシュタット(フィーネの故郷)= リヒテンシュタイン
ゲルマニア帝国 = ドイツ第三帝国(あえて「第三帝国」表記(笑))
ブリタニア = イギリス
テルミドール = フランス
ウェストリア = スイス
リヴォニア = ポーランド

ゲルマニアがリヴォニアに電撃侵攻して同盟国のブリタニアとテルミドールが参戦することで欧州大戦となったという経緯もほぼ史実通り。

ゲルマニアの使用している兵器も当時のドイツ軍が使用していたものがモデルになっているようですね。

そしてエイルシュタットでは、ドイツ語が話されているっぽい。そして史実のリヒテンシュタインとはきっと異なる過程を経て{netabare}ゲルマニアによる占領を免れて{/netabare}終戦を迎えます。

{netabare}ドイツ語タイトルの方がストーリーとマッチしている気がするけど、軽いネタばれ感。{/netabare}

なお、作中登場兵器の実戦投入時期は史実と若干のズレがある模様。それを細かく気にするのか、あるいは戦史自体が異なっているから気にしてもしょうがないと考えるかで視聴者の軍事面の描写に関する評価は別れるかも。

ちなみに私は「戦史自体が異なる」派かなあ。あと、フィーネとイゼッタの関係をあえて性的なものに見えるように演出している感があるのも賛否別れるかなあ…。

音楽については、特に劇中音楽はかなり良かったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 62
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第二次大戦を下地にした魔女と王女の物語…信じ尽くす大切さを問う物語

この秋、ユーフォ二期とともに期待した作品でした。第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフに、小国の皇女が大国に立ち向かう。それに加わる魔女、これは面白そうだし、1話で引き込まれてしまいました。展開しだいではそうとうな作品になる予感がしました。

1話…あっという間に引き込まれてしまいました
{netabare}小国の皇女(モチーフはスイス?…ではなくリヒテンシュタインだったようだ)フィーネが、大国で戦争しかけているゲルマニア(どう見てもドイツ)の脅威から自国を守るために、同盟を求めてイギリスっぽい国にいく話でした。
道中で敵から逃れるために奮闘するフィーネ。従者は倒れ、自国はとうとう戦争に巻き込まれ、自らも囚われとなっても信念を曲げないフィーネがカッコいいです。それからキャラデザインも良いです。最後に主役のイゼッタが登場してフィーネを救う場面で次回へ。箒でなく銃に乗った魔女のイゼッタ、こんな設定もありかと。

1話があっという間に終わった感じです。これは面白そう。最後までこの面白さが持続しますよう祈ります。{/netabare}

2話…二人の絆
{netabare}フィーネのピンチを救ったイゼッタ。国にたどり着いたは良いけど、フィーネは重傷。イゼッタとフィーネの関係が深いものだった事が分かり(1番肝心なところは後回しみたいだが)、イゼッタはフィーネの国を救うことを決意する。

魔女狩りのピンチをフィーネが体を張って救ったのかなと思いますが、イゼッタがどうしてゲルマニアに連れられそうになったのか、興味がありますね。とにかく深そう。まだ2話か、先が楽しみで仕方ないです。{/netabare}

3話…最終兵器魔女
{netabare}大国に攻められる小国、兵士たちのフラグたちまくりのなか、戦闘は圧倒的不利な状況。大国の軍は余裕降りまくり、これフラグだよな?
そこにイゼッタが参戦、なんだこの魔女は?圧倒的ではないか!ランスのファンネル?楯?おいおい、つえぇぇぇぇぇl!
ピンチはたった一人の魔女によって救われた。という展開。それと、フィーネの心の強さと王的資質いったら…惚れます。これは思っていた以上に面白い。つかみはすごく良かったです。でも、鬱な話も有るんだろうな…{/netabare}

4話…魔女の秘密
{netabare}魔法が使えるのは特定の場所のみ。そこから外れると使えないという。
フィーネの父、つまり王が亡くなり、フィーネが王位へ。そこでイゼッタを登場させて白き魔女の再来を告げ、他国への牽制も狙うという。
イゼッタとフィーネの過去が明らかとなり、イゼッタが忠誠を誓う理由が分かりました。それにしてもフィーネがカッコいい。

白き魔女の裏切り、気になります。イゼッタがゲルマニアに捕らえられていたこともあり、再び捕らえられて洗脳させられ…なんてことないよね? あまりにもフィーネとイゼッタの絆が強いから、イヤなフラグに感じます…{/netabare}

5話…探り探られ
{netabare}フィーネの王位継承式でイゼッタを面前に披露。その能力を世界発信して、他国を牽制させる狙いだ。
白き魔女の末裔の存在はやはり影響が大きく、小国を無視できなくなっていた。が、ゲルマニアはその存在を見透かし、イゼッタに弱点が有ることを察知する。
ゲルマニアの侵攻が再びはじまるが、そこは魔法が使えない場所。フィーネ達は策を練り、その侵攻を食い止める。という展開でした。

大国対小国の心理合戦、なかなかの筋書きでした。ただ、ゲルマニアの諜報部員が入り込み、イゼッタの弱点がバレそうな気配、眼鏡君も加わりそうな気配が…眼鏡君、いっぱいフラグ立てているからなぁ…。

ここに来て、ちょっと粗が見えてきた気が…。近衛が全員女子というのはさすがにないかと。しかも、先祖伝来って言うからね。近衛師団の女子団っていうことにしていいのかな? ま、細かいことだけど。{/netabare}

6話…貴重な眼鏡君
{netabare}小休止の日常回…と思ったのは前半だけ。ゲルマニアには何か研究施設があったり、新型戦闘機が製作されていたりと着々と準備始めてます。研究ってまさか核じゃねぇよな?
ブリタニアで会議が行われるためイゼッタ、フィーネが向かうことに。その頃、スパイの報告が入り、ジークが向かい、イゼッタの秘密を知っている眼鏡君を射殺…そうだ、この話は戦争の物語だったね。ジークの決意を聞いたときに、そういう役目を負う人間が必要だよねと思った。

バチバチ戦う以上に緊張感あるストーリーだったように思います。前半の日常も良かったですけどね。フィーネの可愛い部分が見えて。ただ、パイを食べているフィーネがどうしても小鳥ちゃんに重なったのは何故だろうか…。{/netabare}

7話…いっしょにおいで
{netabare}ブリタニアに到着したフィーネとイゼッタ、そこにはゲールに対抗する諸国のお偉いさんが会議をしていた。ゲールは空母を完成させ、さらに強力な力を手にしていたという。フィーネはイゼッタが空母を蹴散らすと告げる。
魚雷を従えて空母に向かうイゼッタ。しかし、空母はすでに出航、敵に動きが読まれていたのだ。待ち構えていた敵兵に狙われるイゼッタ。4発あた魚雷は2発失い、しかも海に墜落。魔法使える地場からずれたのだ。魔力使えるポイントには空母が、そこでイゼッタは空母の隙を狙い、魚雷をぶち込む。見事空母を撃破。しかし、その動きでベルクマンに弱点がばれてしまい、しかも、なぞのカプセル登場で次週。

ゲルマニアはイゼッタのほかにも魔女を捕らえていたようだ。ということは、イゼッタを逃してものうのうとさせていたのは、魔女の力がどんなものか、弱点は何かを探っていたということなのかなと思う。ゲルマニアも実際に魔女の力がどんなものか計りかねていたのではないだろうか。
イゼッタが戦っているシーンは痛快なんだが、服の汚れぐあいとか、一生懸命さとか見ていると、なんか切なくなる。不幸な話にならないでほしいと心から思います。{/netabare}

8話…スパイと近衛の小さな恋物語
{netabare}エイルシュタットに潜入したリッケルト。目指すは旧城、その途中で出会ったのがビアンカとロッテだった。ロッテの実家の宿屋に宿泊し、ビアンカとも仲良くなるが、目的である旧城に潜入。そして発見した白き魔女の秘密。その証拠を持ち帰る途中に近衛に見つかり、ビアンカに撃たれて絶命するリッケルト。ビアンカもまさかの展開に呆然とするしかなかった。リッケルトに証拠を託されたローレンツもまた、近衛に狙撃され死亡する。証拠は謎の住民に引き継がれ…
一方、ブリタニアでは仮面舞踏会が開かれ、フィーネとイゼッタが外で踊ろうとしたところに現れたベルクマン(なぜお前がここにいる?)と謎の少女。謎の少女はイゼッタの唇を奪い、口を切らせて血を吸う。その瞬間、謎の少女は白目を剥き気を失う。
イゼッタの力を知ったアメリカ…アトランタ合衆国ではこの戦争に本格参戦を決定した。それはゲルマニアとともに、脅威となってきたエイルシュタットも撃ち滅ぼすために…

後半の伏線を張った回でした。ゲールの魔女は何なんだろう?人工物?となると、イゼッタを捕まえていたのはイゼッタの魔力を抽出するためだったのか?
アトランタの本悪参戦で戦局ががらりと変わるんだろうな。エイルシュタットはどうなってしまうのか…。
なんだか悲しい結末待っているのではないかとハラハラします。ED物悲しいし…{/netabare}

9話…展開急変、あぁ…ヤバい…
{netabare}ブリタニアの会談から3ヶ月、包囲網が築かれつつあり、ゲールの動きが鈍くなっていました。イゼッタは世界から注目されるようになり、エイルシュタットも束の間の休息感に浸っていました。
そこから一転、ゲールが西を囮に東から攻めてきました。イゼッタは新兵器とともに向かいますが、打ち込んだミサイルが何者かに撃退されてしまいます。なんと、ゲールが送り込んだのは魔女。しかも、伝説の白き魔女(のクローン)なのです。クローン技術使ってきやがった! 伝説の白き魔女はイゼッタに止めよう説得しますが、フィーネのために戦うと言う。イゼッタは白き魔女と戦うけど、魔法使える場所なのに墜落、白き魔女はアンチ魔法の道具使えるものと思われます。敗れたイゼッタは鎖に吊るされ…
イゼッタの敗北により、空ががら空きとなり、ゲールはエイルシュタットに突入。首都がぼろぼろ…

急展開でした。どうなるのか気になって仕方ありません。いちおう、これまでの伏線を回収しつつ、次の展開に入ってきてますが、一気に重い展開になってしまいました。白き魔女の過去に何があったのか、戦争はどうなるのか、イゼッタはどうなってしまうのか…。

これ、一期で終わるのかな? どうせなら丁寧に描いてほしいので、二期までいかないかな? このままだと半端になってしまう気がします。面白いだけに、丁寧にいってほしいです。{/netabare}

10話…絶望か、希望か、どっちに進む?
{netabare}イゼッタが捕らえられ、エイルシュタットは首都が陥落。イゼッタを命がけで救うエイルシュタットの兵士たち。イゼッタはなんとか救われ、首脳陣たちが避難した防空壕兼秘密基地で療養。
そのころ、ゲルマニアはゾフィーの力を使い、ブリタニアに大量のミサイルを撃ち込み、ロンドン…ロンデニアを木っ端微塵に。ゾフィーがゲルマニアの兵器として確立したことにより、ベルクマンがお役ごめん。ほぼ捨てられて状況に。ゾフィーの量産化が図られ、さらにはどう見ても「核爆弾」を開発したゲルマニア。もはや怖いものなしとばかりに各国に講和の条件を突きつけ、さらには東の大国ソ連…ヴォルガ連邦と不可侵条約結んで(当然表面だけ、侵攻する気満々)、最後はアメリカ…アトランタを攻める気でいる。

ジークから白き魔女の秘密が語られ、その力の源になっている魔石の半分を見せられたイゼッタは…で次週。

フィーネがその先をどうするのかを迷い、イゼッタは姫を助ける決意は変わらない。どう転んでも魔石を使うんだろうね…となると、イゼッタの命は…。
ゲルマニアの先も見えてきたようです。二次大戦をトレースしているので、ゲルマニアは連合国から逆襲され、首都陥落、皇帝自殺(もしくは暗殺)という全体の流れなんでしょう。しかし、イゼッタ対ゾフィーの決着はどうなることやら…なんとかイゼッタが生き残れる決着にならないだろうか…イゼッタがあまりにもけなげ過ぎて、見ていると切なくなるんだよね…{/netabare}

11話…そういう展開になるよね…
{netabare}秘密の基地がゲール軍に発見され、急襲される。フィーネは投降を覚悟し、絶体絶命のピンチ。そこに魔法を使って救出するイゼッタ。魔石の片割れを使い、魔法を使えるようになったのだ。それはつまり、命を削ること。フィーネが弱気になっているのを檄するイゼッタ。フィーネも覚悟を決めて最後まで戦うことに。
ゲール軍に付いてきたベルクマン。ベルクマンは自分が生き残るためにゲールの情報を伝えた。その内容は国の終末を意味し、それを阻止する必要があり、フィーネとイゼッタは最後の決戦に向かう。

かなりすっ飛ばしましてつじつま合わせがスゴいのですがが、内容は濃かった回でした。ベルクマンとジークの会話が良かったです。
えっ?もう終わり?…やっぱり一期では短い…イゼッタ、生き残って幸せな結末になってほしい…。{/netabare}

12話(最終回)…「地球のみんな!ちょっとずつ元気を分けてくれ!」
{netabare}ゾフィーとイゼッタの最終決戦はこんな感じでした。
ゲールが主催する会談に向かうフィーネ一行に立ちはだかるバスラー。これを振り切り会場へ向かうが、その途中、ジークが倒れる。彼が最後に観たのは眼鏡君の幻だった…。
一方、ゾフィーとイゼッタの最終決戦は魔石の力を全解放した激しいものとなる。二人は信頼する者のために戦い、一方は裏切られ絶望し、一方は最後まで信じ抜くことで戦った。ゾフィーがイゼッタとの戦いから離れられないことに、ゲールの部隊はミサイルを発射する、クローンの力を使って。
ゲールと諸国の会談に現れたフィーネ。フィーネはイゼッタがゾフィーと戦っていることを伝え、終息させると宣言する。しかし、魔女が残ると同じことになると憂慮する首脳たち。それに対しフィーネは言う、すべての魔力をこの世から無くすと。これはイゼッタからの提案だった。
イゼッタはすべての力を使い、この世にある魔力の全てを吸い上げる。ゾフィーの魔力もゾフィーのクローンの魔力も、ミサイルに搭載された爆弾の魔力も…。
これによってゲールの力は弱まり、大戦の流れも変わり、3年後にはゲールが敗れる。フィーネはとある森にあるコテージを訪ねる。そこには成長したロッテに車イスを押される赤い髪の女性が待っていた。

終わっちゃった…どんな終わり方するかと思ったら、あるあるな感じでした。イゼッタが全てを背負い、最悪をを除去する。よくある。生きていたことを示唆する終わり、あるある。
ゾフィーが救われなかったのは可哀想かな。最後に何かしら笑顔にできるシーンがあってもよかったように感じます。{/netabare}

第二次世界大戦をトレースしたこの物語。キャラは本当に良かったです。イゼッタは最後の最後までブレませんでした。とにかくフィーネのために戦い、やり遂げました。綺麗な衣装着てボロボロになるイゼッタの姿は切なかったです。フィーネは小国ではあるが国王として苦労と悩みを抱えながらも国のために戦いました。エイルシュタットの幹部、ゲールの幹部、それぞれ曲者揃いだけど個性強くてそれが絡んで物語を盛り上げました。

ストーリーは12話でギリギリまとめた感じは否めません。世界観が大きいのに、こじんまりとテンプレのようなまとめ方です。これだけのキャラと内容なら二期とは言いません、せめて5話くらい余裕があったらもっといい作品になったと思います。映像は好きでした。特に戦闘の場面は滑らかで迫力ありました。

魔女と王女の世界を変えるための戦い。戦争をモチーフにしてますが、人間の物語が強くなってます。期待分のものは見れたように思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

63.1 3 シリアスで戦車なアニメランキング3位
COPPELION コッペリオン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (772)
3787人が棚に入れました
西暦2036年、「コッペリオン」と呼ばれる遺伝子操作により生まれた3人の女子高生が無人の東京を歩いていた。彼女達は、お台場原子力発電所で起きたメルトダウンにより、死の街と化した東京から生存者を救援する自衛隊の特殊部隊だった。捜索をする彼女達に、突如銃声が鳴る。そして・・・残留放射能あふれる無人の廃墟であり、緑あふれる野生の王国でもある、異界と化した東京都内が主な舞台となっている。

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

惜しい  (>Д<)ゝ”

原作 漫画 既刊20巻(2013年12月現在)未読

全13話

ジャンル:SFアクションアドベンチャー


「コッペリオン」と呼ばれる特殊能力を持った女子高生3人が、残留放射能に満ち、廃墟と化した東京で、そこに取り残された人々を救う話。

キャラデザは悪くないけど、序盤はキャラの線がメッチャ太いです。
でも、段々普通の太さになって行きましたが・・・
何か言われたのかな? ^^;


なんでだろう? 正直 自分には微妙でした。

好きな人には申し訳ないけど
なんか惹きつけられる物がなくて・・・魅力に欠けました
淡々と話を進め見ていただけでした。

もしかしたら、特殊能力がある為にファンタジー感が強すぎて引き込まれなかったのかも。

昔、28年くらい前に週間少年ジャンプで読んだ
「飛ぶ教室」作者 ひらまつつとむ  全2巻
を、連想しましたが、こちらの方が全然面白かった。
ホントに近未来で起こりそうなリアリティーある設定で、ハラハラドキドキした記憶があります。

ファンタジーの無いこれと比べてしまうのは違うかもですが、
このコッペリオンには、鬼気迫る感じが薄かったのが魅力に欠けた原因かも。


何にしても惜しかった・・・ってのが印象。

原作が続いているので2期があれば観るけど、その為に繰り返し見たいとは思えない作品でした。


戸松さん、花澤さん好きならオススメかな?^^


これは個人的意見ですが・・・
声優の花澤が出てますが、今期の作品に出過ぎてるので、キャラが他の作品のキャラと被って見えてしまう。
もう少し声質を換えるか、(これは難しいだろうけど)他のキャストさんにして欲しかったです。
(決して花澤さんが嫌いではなく、むしろ演技が上手いので好きな声優さんですが、ただ、他にも上手い声優さん多くいるので。。。)


OP:「ANGEL」歌 - angela

ED: 「遠くまで」(第1話 - 第12話)歌 - angela
ED:「バイバイオーライ」(第13話)歌 - angela


angelaの曲は好きです
「ANGEL」と「遠くまで」は、一枚のCDに収録されてるので、お得で購入しまた。
(@´ー`@)  

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

禁未来のサービス精神。なんで争ってたんや〜(全13話)

総評
積極説教応援隊長イバラ先輩のテンションが突っ走って吹っ切れていそうで気弱なときもあり、その抑揚にどこまでのって行けるか試される。opとedの歌にはその感情の激しさがよく表現されていて、特徴のある歌だった。

面白くなりそうな舞台づくりや
皆で工夫をして乗り切ろうと動き出す辺りはドラマチックな部分もあったけれど
人物達の心の動きがだいたい急なテンションで表現されるので突飛な印象を受ける。
そのため、感動に繋げたいんだろうなって所がステレオタイプなドタバタ劇となっていた。感動させるには、もっとズルく綿密にしないといけないんじゃないかな。ある意味、いい人過ぎる話の進め方だった。
あまり深く考えずに自分でいろいろ不毛なツッコミを見つけていれるのは楽しかった。
ラストは、そんなことで仲良くなれるなら争わないでほしいってオチだった。


原発の被害にあわれた方には、どういう要素を足しても引いてもキツイと思う。じゃあ原子力のお話はタブーなのか?というと、はだしのゲンや風が吹くときの例があるよね。
やっぱり、テーマと舞台に対していい人過ぎる軽い進め方だったんじゃないかな。




各話レビュー

********************
初回
カラーだけどセピアに見える色合い。
BGMが無くて、尚更ジリジリ感が出る。
今の時代、だから生きて来るテーマかな。
関西弁…関西人でなくてもたぶん違和感あるのはわかるけど、気にしないようにしよう。髪型とメガネでしかキャラが見分けられないのも、気にしないようにしよう。
次回気になる。

2話
「万能薬エーテルです!」
1話でも言ってた。なんでもオ○ナイン軟膏つけるおばちゃんみたいな。コレ効くから。ええで。うっときー!{netabare}エーテルやでー、エーテル!ちょっこしチクッとするだけやから、な?うごいたらあかんて、がまんしぃ、うごいたらブスッといくでー?いくでー?、とかなんとか

動物が悪者でなくてよかった…凶悪化した犬の惨事かと思うような、一回めの引きだった。でも違った。
二転三転する状況で、今わかっていることと、信じたいことは、どれ?ってスリリングな捜査だった。

「あたしの18年間を否定しないで…」
そうか…18か。学校の制服着られる期間、ギリギリなんだ。放射能よりも、なんでこんな瓦礫だらけの場所に乗り込むのに膝当てもない無防備な姿なんだと思ったら、そういうことか!!君の気持ち、理解した‼
え、違う?

いや、泣き落としにグッときたよ。そんなに素直に心情を吐露しちゃうんだ…とても「人形」とかには見えない。
与えられた任務を頑張れば、たくさんの人を助けられる、そのために造られて生まれて来たのだから。そう信じてきたのだから。
この先も、現場と想定の差にどう動くか試されるのかな?

人形、コッペリアの説明のときの人形の絵が味わいなさ過ぎて驚いた。目がどこみてるのー。腹話術の人が持つ類い?ネジ外れたコロ助みたいやでー。もっとこう…せめてコピーロボットくらいの奥ゆかしさにしといてやー!{/netabare}

***********

3話
毎度出るエーテル。ちょっとツボ。
あんたこれメーカーモンやから。つこうときー!
{netabare}防護服にぷすっとしたあとの穴はどうなってるのか、科学の力で、シールでもペタッと貼っとくのかな。

廃墟に残って暮らす人達にせっせと配給し続けていた配達屋さんを保護。

老人ホームに置き去りされたおばあちゃん。嫌な話じゃー
東京を廃墟にいたらしめた施設の開発者曰く「私があんなものを開発したせいで、(おばあちゃんまで)不幸になった…」
非常時に老人をわざと置き去りにするような家族とは、日常時でも幸せだったのだろうか。
不幸にしたのはまた別の話では…

いばら「みんなが必要としたから、開発されたんでしょう!!」
みんな…経済とか商売とか利害とか…みんな?
「わたしは科学が大好きです!!科学が私のお母さんだから!!」
わあっ
そんなすごいザックリと作文的な事を言っちゃうのか。言い切っちゃうのか。
科学が私のお母さん。頭の中でエコーかかるわー。
廃墟の窓辺で見知らぬ故郷の匂いを探したり、数少なそうな生存者に尽くすことに生きがいを見出そうとしたり…。たどたどしい関西弁とハキハキした言い切りが、明るいような健気なような気もするけど、支えになってる希望がなかなか危ういような。

とりあえず落ち込んだ奴は励ます応援団長、いばら先輩。(ついでに自分の心情も発散してヤル気出す)
「泣いたらスッキリした」的な脳内物質がバシバシ出てそう。
エンディングの歌がミュージカルみたいに早口で謳いあげているのは何だろう。いばら先輩のテンションと重なる。{/netabare}

***********

4話
あかん!エーテル品切れやー!?の巻
もう本当、今んとこエーテル頼みな…。
今回もイバラ先輩のテンションが高い。
{netabare}メモ、メモ!ってくらいののイバラ語録、ダダダダっとすごい勢いで。
色々自己肯定してかなきゃやってられない!
あたしは世界をあきらめない!
OPとEDもそんなノリが反映されてるね。

でっかい武器抱えて「(扱いは)体育で習いましたー!」どんな体育^_^;

高濃度廃棄物投棄地を発見。{netabare} どうせ汚れてるから世界からもってくるの?ヤメテー!!××ものだけを世界から。イエローケーキです。ステルス機で来るって相当儲かってる。
漏れたけど雨水で濃度薄まったから大丈夫って海に流してる現実の汚染水処理のニュースがどうにも思い起こされてハラハラ…。…。{/netabare}

2話の脱獄犯や今回の博士、もう疲れてしまっている大人達に檄を飛ばし続けるイバラ先輩。ひとりで背負い込み過ぎないでって仲間の声。
腹ペコキャラの子の、花澤香菜さんのノンビリ声。(時々わたモテのゆうちゃん風)いばらっちのテンションをなだめるのに丁度良い。

それにしても、人間じゃないという前提で教頭たちが彼女らを「彼女たちこそ、人間らしい。」と認識しなおしたり、本人達も引け目を感じたりしているようなんだけど、防護服いらない以外は、まだあんまり非人間的な点は感じないんだけどなぁ。
次回予告、妊婦や不思議なロボが見えた。SF風味が強くなるのかな?{/netabare}

**************

5話
ついに 今回はエーテル打たなかったん…



気をとりなおせ!
しかし今回は3人娘の表情や動きに差があって、見分けやすかった。
うん、イバラ先輩以外も名前おぼえられた。(え、ようやく?)(ハイ…)
それにしても「荊」「葵」は植物で共通の名づけ価値観を感じるんだが、
「タエ子」って。
どこの昭和な科学のお母さんが名づけたんや!!とイバラ先輩に叫んで欲しい。

{netabare}カメラワークに目を惹きつけるところが色々あったな。
妊婦連れを、攻撃してきた旧自衛隊第一師団から保護。
第一師団の人は、「成長したな」的なことを言ってた…?
コッペリオンに対してなのか、自衛隊全体についてなのか。
第一師団、名前こそ自衛隊を名乗ってるが今は正式連隊ではなく、過去の散々さを知っているドロップアウト愚連隊ってことだよね?
教頭のそばについてる、カジさんみたいな皮肉中年キャラがいい味出してる。声優さんの口調いい。

ちっこい首相。ウルトラマンみたいな防護マスクつけて。
あんなオールドタイプの白髪首相…現代だったら指示されなそうね。この物語の国、人口内の年齢分布が特殊そうだからそんなんなっちゃう?しかしもっとましなお年寄りがいるだろう。

不思議な取り残されたユートピア施設に避難。
「水力だけで安定するもんか…」なにお?!ダムなめんなよ!
まだ何か厄介なもん使ってるんですかー {/netabare}

次回は妊婦イブキさんの手料理とアオイちゃんの食べっぷりがみられるのか?「掃除係」の登場。

*************

6話
アオイちゃんのコミカルさと、ハルトの優雅さがやっぱりコミカルで面白かった。

第一師団に連れ去られたアオイちゃんを奪還すべく、泳がせて誘導作戦に出るが…。
掃除係・ハルトがおいしいとこ持ってったね。
{netabare}
( ̄+ー ̄)「横になって寝ていても構わんよ。寝ている間に身体をくまなく調べさせてもらったんだが…」とか

☆*:.。. ( ´θ`)ノ.。.:*☆「こんなに星が多く美しいのは文明が滅んだから…」とか酔狂なこと言いながら、

射程距離長そうなスコープ付きの銃で狙ってたのに、いきなり飛び出して突っ込んでって、クルッとターンして撃つ、とか…おーまーえ何だ。楽しみになってしまうじゃないか。ピッタリな言葉を思い出した。「キザな奴」。
気障と書いてキザ、イバラ先輩の気に触っちゃうのかな〜ワクワク。

今回はイバラ先輩のウェットな共感浸透テンションが通用せず、ボコられまくり。第一師団、脱ぐとすけきよ。年期入った気のおかしな輩。そんな日もある、不憫なイバラ。

装甲車の中でクロベエ親方が
「救助救助っていうが、今の俺にはわずらわしいしがらみもねェ。ムカシのクソ社会にゃ戻りたくはねェや」てなことをくだまいていたら
源内が「あの子らは、生まれつき重い宿命を背負ってやってきた。その呪縛は、与えられた任務を終えるまで、解けんじゃろう」
時代の負の責務を意識した大人なセリフ。

それにしてもいぶきさんの赤ちゃんは誰の子なんだろう?{/netabare}

***************
7話
今回のハルトは、お留守番役になったので、あんまり面白いことをしてくれませんでした まる
{netabare}
イバラ先輩を人工呼吸するサービスカット?や、第一師団のすけきよへの拷問はしていたか。
サービス…サービスってなんだろうね、この世界にて。
スッカリエーテル打たなくなってしまって。エーテルサービス。
あれやこれやあり得ないシチュエーションでエーテルを打ちまくる話かと思ってたのに!!ある時はウィリアムテル式に。ある時は天井裏から吹き矢で。
イバラ先輩がブルマー?になってるのはサービスの一貫に分類していいのか?
今回、イバラ先輩の顔がかわいかったよ。重箱ツツツ_φ(・_・

第一師団の破滅思考からくる放射性物質の拡散活動を行うにはコッペリオンの体質が必要。それで狙われてた…
それでおにぎりもらって生かされてたんだね。ひきこもり協会入りした葵ちゃん…
ドアから離したところにごはん置いたら出てこないかな…


産気づいた、いぶきさん。
政府からの助けヘリが来ず、旧都市の病院へ行くことに。
おおざっぱでいいから地図を見たい…
どこらへんまで人が住めて機能しているのかイメージがわかない。
{/netabare}
次回へ、なんかまた気のおけない登場人物が出てきましたよ。
シスターズ。

*****************

8話
オズ姉妹は、怪力ギャルとビリビリ高校生。
眉の薄い締まりのない顔が怖いよー
{netabare} コッペリオンは遺伝子操作されたクローン。
犯罪者の遺伝子ご利用は計画的に。
電気うなぎの遺伝子も使っちゃったの。そりゃあ恨みたくもなるかも。マフラーしてカイロ持ってるビリビリは、寒がりなのか。

この不良2人と絡むと、イバラ先輩の優等生ぶりがわかる。
自分の与えられた命と任務に納得と慰めを見出しているイバラに対し、
「あんたは自分が不安だから、言い聞かせようとしてるだけだっ!」吐き捨てるような否定をむき出しにするオズ姉。
「コッペリオンは寿命が短く、いずれ突然死するらしい。使い捨てられるなんて許せない!」と憤るオズ姉に対し
イバラ「動物には、みんな寿命があるでしょう」 {/netabare}

その歳まで生きられない命もある。比べられないけれど。
憤るほどに、欲しているのは?
単に貧乏くじひかされた気分で、全てぶち壊したいだけかな。
「ベッドの中で死ねるわけじゃない」
オズ姉が想像する最期。本当は、どんな人生を欲してるの?
{netabare}
言葉の通じなさそうなオズ妹とイバラ先輩のすったもんだが見せ場ですね。
電柱投げ合ってた…イバラ先輩も、やりますな。戦車乗っ取るの手早いですな。ふとももで乗っ取った。ブルマーこんなとこで役に立った。

また丸腰で優雅に散歩するハルト。そういうの、ほんと似合うね。捕まったらどうするつもりなのか、しかしカナリヤに助けられた。ハルトが一体どうやってオズ姉妹をまとめてたのか(?)気になります。 {/netabare}

***************

9話
取り囲むように危ない濃縮ゾーンの風が迫る。動物たちもバタバタと逃げ出して…
って野生化した動物、いろいろいるのね。

{netabare} あやめ婆さんの保護施設に子供が多少いる。
どれくらい離れたところなんだろう?「ナゴヤのあやめだよ!」→名古屋のこと?名古屋はまだ人の住めるところなのか。
昔取った杵柄でお産の手助けを無線でしてもらうことに。

コロニーはいつまでも持たない。
オズ姉妹を引きつける陽動班と、電車を復旧させて動かす工作班に別れてヘリの着く場所まで脱出の計画。
工作班コジローさん、いやに電圧に詳しく、過去の仕事を聞かれて口ごもる。ダム電力に愚痴ってたし、原子力のお仕事ですか?
ノアの箱舟のように動物たちを乗せて貨物機を準備。
いぶきさん「もう1人助けて欲しい人がいるの」ついに赤ちゃんの父親の存在発覚。
葵ちゃん出てきた。調子取り戻したけどオズ姉妹の名を聞いてへにょへにょ化。いじめられてたのかな。

おまえは味方なのか?とイバラに確かめられて
ハルト「正直なところ、君たちが何故彼らを救うのか、それが何になるのかは分からない。あえていうならば、そうだな…もう少し知りたくなったのかもな。人について。」
宇宙人じみた境地かい…? {/netabare}
ハルト、同じ釜の飯を無理やり食わされてた。まあ、晩餐の席で栄養補助剤チャッとだして d( ̄  ̄)「僕はこれで…」なんてパフォーマンスしてたら突っ込まれるだろう…
「おにぎりは誰が作っても同じ」いやいや、料理漫画「おせん」で違うって言ってたさ!ラップで握っちゃったら同じかもね。

対戦型に改造されたノーセンスは、腕が飛ぶパンチなんかをかましてくれるんでしょうか。

10話
葵ちゃん、あ、やっぱり…^^;
でも今回は葵ちゃんが主役。
{netabare} 陽動部隊としての役割を泣く泣く果たし、能力の片鱗を見せ、白鳥ボートでの逃走劇が楽しい。ノーセンスも期待に応えてくれた。

ハルト面倒見いいな。イバラの考えなしを徹夜で作っといた武器でサポートし、人質になったイバラを助けて電撃を受け…
あれ?イバラさん何してたっけ

いぶきさんのダンナさんをみつけて、なれそめや事情を聞いていた。カウンセリング的保健係になってます。始めからそうだったといえばそうだったね。とにかく励ます‼て人だったね。10話にして初心に帰る。
「なんでイバラが委員長だったのか」と疑問なハルト、それはほれ、まとめるには声の大きい人じゃないと。

やっぱり電力業関連のコジローさんが腕まくりしてくれてるので、きっと電車は動く!のかな。
加えて次回、葵ちゃんの能力がさらに覚醒するのでしょうか?! {/netabare}


11話
葵ちゃんが隠し球っぽく….ビカーン!

{netabare} 第一師団長の言ってることとやってることが今までに増して理解できない。国に絶望した!ので目の前のハルトを撃つ、のはなんでだ??…コッペリオンが国の手先だから気に食わない、かつての自分を思い出させてちゃんちゃらおかしいので目障り、ということ?亡霊だから過去の妄執に囚われてて筋通ってなくてもいいのか…

ハルト〜口の両端から血が垂れてて、初期に出て来たコッペリオンの説明の時の腹話術人形みたいなのは、わざとなのかー
あいつを呼べ…昔流行った腹話術師の名前が…思い出せない…


「イバラ、科学には表と裏の顔がある。おまえはきっと表だ。だからそんな顔をするな。」
いいセリフなのかもよくわからないが…
イバラにキュン…とさせてる?
科学の子的にはロマンチックセリフなのかな。
意訳すると「おまえには明るい未来を目指していて欲しい。おれたちの希望を見出してくれるのは、おまえだ。今、おれがどんなことになっても。」ってこと?科学の子的には「アタシがアイツの未来なんや…」(超訳) {/netabare}


12話
オズ姉妹潰される。うーん。もっと心に迫るやり方あったんじゃないかな…原作はどうかわからないけど、すごく喋るわりには薄い。
{netabare} とくに「痛いのに…なんで終わらないの?」「本当の、痛みが欲しい。」という個人の感覚の苦しみの差を見せる内容は、一言がズンとくる空気感があると思うんだよ。今までギャーギャーつるんでたギャルだけに、こういう時にポツンと静かに感じさせるべきなんじゃないのかな。素人考えだけど。終始ギャーギャー。

タエ子さん頼れる女。きちんと手術の授業受けてたから大丈夫です!てかっこいいぞ。
お産は助産師さんの励ましがすごく心強いからね。よくダンナがそばで励ますとか、邪魔なだけだから。医者は普通分娩だと後からへその緒切りに来るだけだから。しかし帝王切開までしてみせようというタエ子。電車揺れないといいね。

次回最終回。葵ちゃんのビカーンがもう一回みたい。
{/netabare}


13話
ついにこの時が…味わい深いオープニングともオサラバの時がきた。などと書くと感慨深いけども

第一師団同様、オズ姉妹も
そんなことで改心して仲良くなれるならケンカしないで…っていう…

オズ妹がやけにキラキラして目の色素薄くて可愛くなって胸はだけてるしか弱げでお姫様みたいでしたよ。(お姫様ってそんなイメージか?)

ハルトは死亡する意味あったの…?
赤子の描写が繭みたいでオデコ毛が生えとる…父上のことをちゃーん!って呼ぶ子になりそうな。

みんな撤収した後も、コッペリオンは街に残って校外活動。オズ姉妹も加わって。
この後のほうが話が、面白そうな気はするけども。

* 総評は一番上に。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

あなたの流した涙は決して無駄になりません

原作未読 全13話

お話は、陸上自衛隊特殊部隊、遺伝子操作で放射能に耐性を持ち常人より色々強化された「コッペリオン」である女子高生、成瀬 荊(なるせ いばら)、野村 タエ子(のむら タエこ)、深作 葵(ふかさく あおい)の3名は放射能に汚染されている誰もいない殺風景な東京の町を歩き、まだ避難されていない人々を捜し、安全なところまで見送ることを任務としていました。3人を含め色々な人々の葛藤を描いた物語です。

主人公の成瀬 荊(なるせ いばら)役の戸松遥さんの大阪弁が有名な本作品、そして扱っている内容が放射能ということで、地上波での放送がなくBSとCSのみ放送でした。

作画は荒廃した東京の町並みが緻密に描かれていて、放射能の影響なのか色彩がセピア色で、この作品の世界観がよく表されていました。

お話は上記書いているように人助けが主なお話で、助ける方も助けられる方も色々な事情を抱えているためちょっと切なくなくシーンもありました。前半は基本2話ずつで一旦終わり、後半は連続性のあるお話となってます。

作画は、最初キャラの輪郭線が太くて多分背景が緻密に書かれていたためそれに負けないように配慮したと思いますが、指摘があったの細くなりキャラだけが浮いたような感じ(合成写真のような)がして結構違和感がありました。

キャラの性格もそれぞれ違ってバランスは良かったのですが、展開が早くキャラも多いため感情移入が難しかったですね。

大きなところは全然回収されてませんが、切りのいいところで終わったんじゃないでしょうか。感動する場面も、もう一押しあるともっと感動出来たと思います。
泣けそうで泣けなかったそんな作品でした。

OP/ED 同じアーティスト(angela)が歌ってます。出演している声優さんがみんなで歌うOP/ED以外では珍しいですね^^どちらも心に響くいい曲です。

最後に、この作品の深作 葵役は花澤香菜さんですが、今期も色々なキャラ(てーきゅう 3期-板東まりも、東京レイヴンズ-土御門夏目、凪のあすから-向井戸まなか、IS2-シャルロット・デュノア、物語シリーズ-千石撫子、フリージング ヴァイブレーション-ラナ・リンチェンなどの主役級のキャラやその他)を演じていて似たようなキャラはあったものの、キャラ分けできるのはさすがですね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

63.0 4 シリアスで戦車なアニメランキング4位
エガオノダイカ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (203)
702人が棚に入れました
地球より遥かかなたの星にある、笑顔に溢れた王国。王女のユウキは十二歳、そろそろ多感なお年頃。毎日泣き、笑い、時にはときめいたり…?しながら、王宮で楽しく暮らしている。日々を彩るのは、忠実な家臣たち。教育役のレイラ、政治を補佐するイザナ、騎士団長ハロルド、そして……幼馴染の側近、ヨシュア。「ユウキ!気合と根性さえあれば、何だってできる!」「……もうっ。またそれ~!?ヨシュア、もっと貴族らしくしてっ!」ステラは十七歳、有能かつクールな軍人。けれど微笑みはいつも絶やさない……笑顔は生きるためには、欠かせないから。これは、遠い星に生まれた、二人の少女の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、早見沙織、松岡禎丞、佐藤利奈、神奈延年、置鮎龍太郎、小市眞琴、榎木淳弥、松山鷹志、長久友紀、増田俊樹、石谷春貴、白石稔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

笑った私は素敵でしょう・・・ね?どう?どや!素敵でしょ?

タツノコプロ創立55周年企画オリジナルアニメーション、とのこと。


そのまんま『笑顔の代価』となるのでしょう。好物である不穏な展開が待ち受けてそうなタイトルが視聴の決めてでした。鬱展開カモン(^^)

王国と帝国。二つの勢力に別れての戦争もので主力兵器はロボットという世界が舞台です。キービジュアルからは想像つかないですけどね。王国側の王女ユウキ(CV花守ゆみり)と帝国側の一兵卒ステラ(CV早見沙織)のWヒロインになります。
戦争の原因は資源エネルギーに絡んでと妥当な理由でした。
タイトルから“笑顔は何と引き換えなのか?”
OP映像から“ユウキとステラはどう絡むのかなぁ?”
そんなところが気になる序盤です。


観終わって、、、そこそこ期待した通りの“不穏さ”ではありました。
エガオにまつわるオチのつけ方やたぶん監督が描きたいであろうテーマも伝わってきます。ただわかりづらい。

戦争もののくくりで本作を捉えるとして、陣営の違う二人を主人公に据える場合、まずはお互いの関係を決めてくれると楽だったのです。
 ・一番手っ取り早いのは二人をライバルにしちゃうことでしょう。
 ・次に考えられるのは敵味方を超えた友情物語にしちゃうことでしょう。
これがどちらでもなく関係性は不明のまま。
ただそれ自体は悪くないことです。後半に結びついてこればいいだけの話。

次に早い段階で二人が会うなり相手を認識すること。接点を作ってあげないと一つの作品のなかで別個の物語を追うハメになるからです。これもないため、視聴者は二つを追いながらの集約待ち状態が続きました。これもそれほど悪くないことです。
代わりかどうかは知りませんが、同じ事柄を王国視点で次は帝国視点でと交互に見せる演出が何回かあって理解を促してました。
おもしろい演出でしたが、《話の進行速度》を代価として払った感じですね。終盤近づいてももやもやが依然として残ります。
{netabare}9話以降、クラルスとは何ぞや?が解明されたあたりから物語は加速していきますが、{/netabare}どうしても終盤慌てて畳んだような印象です。

 尺不足ではなくこれは脚本が悪いです。

並行で物語を進行させる場合、興味を引き付ける要素を要所で挿れないと置いてけぼりになります。その悪い見本。
最終盤はいろいろ繋がって作品のメッセージも受け取りましたが、それまでの組み立てのしょっぱさから{netabare}ラストカットのユウキとステラの二人に{/netabare}感情移入できた方がどれほどいたでしょうか?私は2週めでやっとおぼろげながら見えてきた感じでした。

 『その笑顔のためにどんな代償を二人は払ったのだろうか?』

ここに注視する必要がありそうです。鬱展開は好物です。ただしそれは人間の根っこ部分を摑まえてこそ。メッセージ性があるものの根っこが弱い、もったいない作品でした。
テロップ挿入ありのOP。「笑った私は素敵でしょう」とストレートなED。OPはムービーがネタバレやんと思いつつ、両曲とも作品世界に合っており肝いりだったことがわかります。


※以下ネタバレ所感
■笑顔の意味
ヒロイン二人の笑顔には別々の意味がありました。
{netabare}ユウキ:幼くして両親を失う不幸に見舞われながら周りの助けもあり、愛情を注がれて育った娘の笑顔。
王女らしく笑顔の対象は自国民だったり『公』に向いている。しかし次々と愛する人(家臣含む)を失っていき、笑顔は消えていく。愛する人を失わずに済む日が訪れた時に笑顔は取り戻せるのだろう。{/netabare}

{netabare}ステラ:幼くして両親を失う不幸に見舞われ里子に出されても厄介者扱いで、愛情を注がれずに育った娘の笑顔。
自己防衛ありきで笑顔の対象は自分『私』に向いている。仮の居場所(軍)を見つけ必要がなくなり、笑顔は消えていく。在りし日のかすかに残る記憶。人と人との繋がりを取り戻せた時に心から笑える日が訪れるのだろう。{/netabare}

{netabare}ユウキは民を統べる者としての自覚が芽生え、その責任を全うしようとすることで。
ステラは戦災孤児や隊の仲間の温もりに触れ、居場所を見つけようともがくことで。
クライマックスに向けて両者の心の変化みたいなものが集積していき、ラストピースをレイラさんが埋める。そして繋ぐ。ここはちゃんと筋が通っているんですよね。{/netabare}


■メッセージ
非戦反戦であることは明確です。王国にも帝国にもそれぞれ兵士たちには愛する者がいて、と。両陣営の視点で描かれているので狙いはある意味分かり易い。戦争なんてろくなもんじゃない。その通り!
なんだけど、物語の収束のさせ方が自分には刺さらない刺さらない。受け取ったメッセージに共感するまでには至りませんでした。

{netabare}作中でも再三指摘されてましたが、動力源(クラルス)を失えば、新たな争い生まれないわけないでしょうに。自覚あるだけマシと言えなくもないが、クラルス停止の正当性の根拠に持ってきたのが住環境の維持、すなわち環境破壊の阻止です。しかも1000年後。
これは問答無用でグレートリセットすればなんとかなる、のテロリストの発想ですよ。クラルス停止してもいいようにエコ手法を周知徹底するロードマップを敷くとか代替エネルギー研究するとかまじめな議論すっ飛ばすやり方はどうも性に合いません。そんな真っ当なツッコミに対しての反論が{/netabare}

{netabare}『気合と根性さえあれば、なんだって出来る…』
ヨシュアの伏線回収です。 ダメだこりゃ (*´▽`*){/netabare}

賢明な皆さんならもうお気づきでしょう。既視感のあるプロパガンダ臭がプンプンで胡散臭いったらありゃしないのです。
エンタメはエンタメで楽しみたいのでこういうのいらんかなぁ。リアリティの欠如した作品は今の時代ウケませんよ、タツノコプロさん。
GO!GO!がコンセプトの55周年企画なそうですが、これが非難轟々にならないことを切に願います。


■オマケ
1.CV花守ゆみり
ユウキが野営のキャンプで食事にありついてるシーン。もうすぐ冬ですね。
※出典:寒い季節にキャンプを楽しむアニメ
2.役名リリィ
仲間が戦死する度にこのフレーズが耳から離れない
「さよならはやってくるけれど ずっと先だって思ってた」
※出典:ゾンビがアイドルするアニメ

お粗末さまでした。



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2019.08.25追記

視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴

ED『この世界に花束を』のフレーズ。「笑った私は素敵でしょう」
これ放送中は気にならなかったのですが、最終話を観終わって、

 「素敵って言えや、ゴルァ!」

と迫られてるかのように感じました。作中のメッセージが押しつけがましかったのが理由です。お姫様は自分は良いことしてる!って信じて疑ってないですよね。だいたいこの手の方って人の話聞かないんですよ。



2019.03.29 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

第一印象はかなり良いです!(搭乗タイプのロボットが出てきますね…。)

== [下記は第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり] ==
第1話を観ました。ユウキ王女は「王女」と呼ばれているということは王位継承者ではあるけどまだ即位していないってことですかね。

そして近衛騎士でユウキ王女の幼馴染みであるところのヨシュア、教育係っぽい感じのレイラ、武官のトップっぽいハロルド、文官のトップっぽいイザナ、辺境警備が担当らしいユニ、ルネという双子の姉弟の騎士がメインキャラとして出てきていました。

ソレイユ王国にとっての「辺境」とは隣国である帝国との国境付近を指すようです。

タイトルのエガオとはおそらくは「ユウキ王女の笑顔」ということであろうと思われますが、それに対して支払われるべきダイカ =「代価」とはいったい何なのか?

テウルギアという一般名詞で呼ばれるパイロット搭乗タイプのロボットが出てきて、王国で「騎士」と呼ばれるのはこのパイロットのようです。

戦闘ロボットが出てくれば連想されるのは武力での係争なわけですが、第1話冒頭では「新型クラルスを開発中」といった話はあるものの、王都とおぼしき都市では平和な感じが漂っています。

今後どうなっていくのか、未視聴の方はまずは第1話をご覧あれ…。

……と、ここまで書いたけど内容的にネタバレなしでの更新が難しそうなので視聴を進めても当分レビューは更新しないかも?
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.3.26追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。なんというか「惜しい」感じの作品でした。最後まで観たこと自体には後悔はありませんが。

初回の感じで一応戦記物っぽい内容を期待していたのですが、その期待からするとユウキ王女がある程度軍略の才の片鱗を見せていたのにそれがいまいち活用されなかった感じがあって、戦記物としての出来はあまり良くなかったですね。

そして次に期待したのが「政治的決断」なのですが、これも下されるのがちょっと遅かったと思いますし、内容的にも私個人には不満な感じでした。兵器が満足に使えないからといって停戦が決まるまでには両陣営なりの葛藤があって然るべきだと思うのですが、その辺りはお茶を濁された感じです。

私個人の好みで言えば、2話前に最終話Bパート辺りにたどり着いて、最終話Cパートの辺りに2話くらい割いて良い物を見せてくれたらより楽しんで観られたんじゃないか思いますが、制作サイドが作りたかった物がそれじゃないならしょうがないですよね。

ということで、ちょっと残念な感じで終わりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

エガオニナルカ?

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
アニオリのロボアニメのダメなパターンの方、って感じですかね。

雰囲気や出だしの感じはかなり良かったんですが、肝心のストーリーでおおこけしました。ロボットアニメ自体は大好物なので、期待はしてたんですけどね。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず一番の問題は、「クラルスの停止=文明の崩壊」みたいな論調で物語を進めてきたのに、最終話Cパートでいきなり、「え? 結構、普通に文明を維持できるんじゃん」となったところ。あれはズルいと思う。話が違う。

という事で、あくまで、「クラルスの停止=文明の崩壊」と考えてレビューを進めていきたいと思う。そうじゃないと、ユウキの行動に是も非も言えないから(兵器だけが停止し、文明が維持できるならば、そりゃ理想的だから)。

ユウキのとった行動は控えめにいっても最悪で、まさかただの箱入りワガママ王女様のままで最終話までいくとは思わなかった。じゃあ、縄文時代や弥生時代は争いが無かったのか? 充分な食料や医療がない中で、幸せに長生きできたのか? など、たくさん疑問が浮かぶ。

もしこういう「ハッピーエンド」を目指すなら、「クラルスの軍事転用だけを止めるウィルスを流す(ナノマシンの改造)」とかにすりゃ良い(勿論葛藤は生まれないが)。

構成的にも、とてもとても疑問が残る。

本作はダブル主人公の形式をとり、相互にそれぞれの陣営を見せていた。その中で、敵味方に分かれた二人の主人公が出会い、どう平和に導くかが見処になる作品だったはずだ。

そんな二人の大切な「邂逅」を、まさか最終話の終盤にもってきて、しかも、一方(ユウキ)の考えに全のっかりとか、マジか?と思った。もう一人の主人公であったステラのとった行動は、「止めない」という消極的なものだけで、だったらなぜ、主人公を二人にしたのか分からない。

ダブル主人公のメリットは、立場や境遇などの違いから、見える風景が変わり、異なる主張をもった者同士がぶつかり合い、それでも互いを認め、異なる二人だからこそ辿り着けるゴールを見つけるところにあると、私は考えている。

例えば、ダブル主人公×戦争 モノの金字塔、「銀河英雄伝説」は、ラインハルトとヤンという二人の天才が、直接顔は見合わせずとも、常に相手を意識し、敵の味方以上に相手のことを深い部分で理解していからこそ、感動が生まれた。

けれど本作は、二人が直接顔を合わすまでは、互いから何かを受けとるのではなく(というかユウキに関しては、ステラを個人として認識すらしてないと思うし)、むしろ、自分の味方から多くを学び、たくさんのものを受けとってきた。だから、最後に敵側についたステラには、裏切り者のような印象をもってしまった。会って数十秒の敵国の姫のありきたりな台詞に感動し、祖国をあっさり裏切った、そんな風に捉えられてしまわないだろうか?

ダブル主人公のデメリットは、片方を深める時間が半分になることだ(だから銀英伝は長大だった)。これだけ、ユウキのやりたいことを100%叶えるなら、普通に王国サイドのエピソードだけで充分だった。また、ダブル主人公の良さを生かすなら、7話くらいで二人を出会わせ、二人がそれぞれに1つのゴール地点に向かっていくような構成の方が良かったと思う。

さらに、普通に考えて「クラルスの全停止」というのは、愚作としか思えない。ナノマシンを使いきり、人が住めない環境になるのが、明日明後日の危機でないのなら、まずはこの情報を全世界に公表し、王国は帝国に即事降伏(敵対勢力がなくなることで、兵器によるナノマシンの浪費は防げる)。日常生活におけるクラルスの使用も最低限に抑えつつ、代替のエネルギー開発か、ナノマシンの発明・生産に全力を尽くす。その上で、全て上手くいかなかった場合は、一次産業の推進(人力での農業指導や農具の生産、家畜を充分に増やすなど)や治安機関などをしっかり整備した上で、今回のユウキのように、クラルスの全停止を行う。そのぐらいのことをやった上で行わないと、限られた食料や文明の遺産を巡り、間違いなく略奪が横行し、戦争以上の被害を生んでしまう可能性もある。マジで、雑だと思う。

これだけの悪さがある作品なので、視聴後の感覚的には☆1でも良いのだが、1~4話くらいまではしっかり楽しめるなど、良さもあったので、まあ、☆2かな。

あと、ネタバレに繋がるようなOPをつくるのは、特にアニオリならやめてほしいと思った。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
クラルスの全停止=文明の崩壊みたいな論調で物語を進めてきたのに、最終回Cパートで、わりと普通に生活出来ているようなので、話が違うと思った。

ダブル主人公の良さを全く生かさず、最終回になってようやく邂逅し、すぐに意気投合する二人がよくわからん。

てか、クラルス全停止、兵器が止まって世界が平和になりましためでたしめでたしとか、頭お花畑かよ(向日葵だけに)w

☆1でも良いが、序盤はまあ楽しめたので、☆2で。
{/netabare}


【1話ごとの感想(視聴時毎回更新)】
{netabare}
1話目「ソレイユの少女」☆3
{netabare}
器の大きさをみせる、主人公。なんか、好きな世界観っぽい。

《今後の展望》
王女が有能且つ良い人なので、彼女の成長を描くというより、理想と現実のギャップに悩みつつも、それを乗り越える様子を描くんだろうな。笑顔の代価、というタイトルが気になるな。ヨシュアかユウキのどちらかが死んだりする?
{/netabare}

2話目「戦乱の真実」☆4
{netabare}
なんか、OPが盛大なネタバレになっているような、、、。ヨシュアの死亡、思ったより早かった。

《今後の展望》
こうなると、王女の闇堕ち、本領発揮で帝国を蹂躙することもありそうだけど、多分、爽やか路線だな。OP観る限り(苦笑)
{/netabare}

3話目「微笑みの戦士」☆4
{netabare}
戦場で親を殺した(かもしれない)兵士が、その子供に桃缶を配る。そして、家を爆破に巻き込み、助け、罵倒される。しっかり「人間」を描いているな。

《今後の展望》
1話ごとに主人公サイドを変えていく、ダブル主人公構成でいくのかな。銀英伝もそないな感じだし、好きな構成ではあるかな。
{/netabare}

4話目「希望の選択」☆4
{netabare}
王女の素人判断で最悪の結果を招く。なかなかちゃんとドラマを作る気があるな。

《今後の展望》
科学力と経済力、地の理は王国にあるが、戦力(物量)と勢いは完全に帝国にある中、やはり逆転の一手は、ユウキの覚醒しかないでしょうね。ただ、最終的には和解、和平だろうから、互角まで戻せば良いわけだけど。帝国に物資は無さそうだし。
{/netabare}

5話目「分隊の一夜」☆3
{netabare}
昔世話になった先輩軍人、、、わっかりやすい、死亡フラグ(笑)

《今後の展望》
リリィもいつか死にそうですね。ユウキにとってのヨシュアの死に釣り合う存在が、ステラにとってのリリィっぽいし。
{/netabare}

6話目「運命の岐路」☆3
{netabare}
総数五万!? かなり大規模なロボット軍団がいるんだな。いくら士気を上げるためとはいえ、戦術を考える人が前線に出るの? ユウキが指揮をとる(覚醒する)きっかけ作りか。

《今後の展望》
やはり、ユウキ無双の展開かな。今回追い討ちをしなかったことが、後々、ステラとの和解、共感の種になるのかな?
{/netabare}

7話目「王宮のひまわり」☆2
{netabare}
退役、メデタイ、メデタクナイは、微妙なところだな。こっちのチームも、かなりキャラは深まったな。ピアーズを殺したか、これはちと残念。なんか、体よく悲劇を背負わせて、ちょいキャラを殺していく。こうなると、ピアーズを殺すために、今回、彼をとってつけたように引き立てたことになる。こういう、キャラの生かし方、殺し方は嫌いです。キャラクターは、ちゃんと生きて、どうしようもなく、死なないと。

《今後の展望》
帝国側、ステラサイドにも死の悲しみは必要で、だとしたら、ヨシュアに釣り合うのは、リリィか隊長かと思っていたら、ピアーズというちょいキャラに悲劇を背負わせて退場させる手段に出たか。今後を、想像したいと思えなくなったな。とりあえず、ユウキ無双ですね。
{/netabare}

8話目「最後の伝言」☆3
{netabare}
イザナ、死亡。最後に一花咲かしたら死んでいく流れを続けるのか?

《今後の展望》
新型クラルスのリスク。世界が滅ぶとか、そんなんでしょ、多分。
{/netabare}

9話目「暁の挽歌」☆3
{netabare}
王国編が続いたね。笑顔の代価とは、人々がクラルスによって笑顔になった代価として、環境が犯されることもあるんだね。う~ん、パタパタ人が死んでいくな~。ハロルドも死に、いよいよ王国は人材不足だな。

《今後の展望》
次は帝国編を2話続けるのかな? 最終的には、世界の全てのクラルスを活動停止にするの? てか、これ、ストーリーまとまるか?
{/netabare}

10話目「魂の発火」☆3
{netabare}
戦争被害者との触れ合い。素直に笑う、ステラ。悲劇の予感しかしない。ここで、隊長の死か。ここで両陣営の物語がひとつにまとまるのね。

《今後の展望》
ステラ、最後は隊長の孤児院を引き継ぐのかな。次はステラとユウキの邂逅だろうね。二人はどんな決意をするのか。やっぱり、新型クラルスを使って、全クラルスの停止かな。でも、それで争いがなくなるほど、世界はシンプルなのかな?
{/netabare}

11話目「二人の決意」☆2
{netabare}
隊長への熱い思いに、なんかこっちがついていけないな。ダブル主人公ものだけに、片側の掘り下げは不十分になるわけだし。ユウキが、父の死というツラい事実を、母親に言わせず、自ら言ったのは、偉いと思った。

《今後の展望》
まさかこれ、クラルス全停止でハッピーエンド、にはしないよね? クラルスを全停止するならするで、現実的な代替案がないと。
{/netabare}

12話目「笑顔の代価」☆1
{netabare}
よく娘だと分かったな。母親の超能力か? なぞの挿入歌(笑) 野菜は元気になるって、ナノマシンは自己増殖するの? じゃないなら、「減らなくなった」だけ(現状維持)で、回復はしないでしょ。

いや、確実に間違いなく、ユウキもステラも刺されると思うんだけど。

ここまでダメな最終回も珍しい。総合評価まで1にしようか悩むレベルです(汗)

《今後の展望》
2期や劇場版はないな。100%。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

60.1 5 シリアスで戦車なアニメランキング5位
FLAG[フラッグ](TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (73)
390人が棚に入れました
20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。それはフラッグの写真―敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿―だった。フラッグは平和の象徴となった。しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、 SDC(Special Development Command)シーダックの投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。この任務を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

チベット問題が知れ渡った今となっては、高橋良輔・野崎透両氏にとって、《黒歴史》では?

『ガサラキ』(高橋良輔(監督)、野崎透(シリーズ構成・脚本))というリアル風ロボットアニメが、1998年制作という古い作品にも拘わらず凄く面白かったので、この両氏が手掛けたもう少し最近の作品である本作も視聴してみました。


◆制作スタッフ

原作:高橋良輔、TEAM FLAG
企画:竹内成和
総監督:高橋良輔
監督:寺田和男
シリーズ構成・脚本:野崎透


◆総評

本作は、2006年6月から2007年3月にかけてネット配信された全13話のWebアニメ作品で、その後CSやTOKYO MX、さらにNHK BSというテレビ媒体でも放送されたそうです。
作品内容としては、中央アジアの架空の国家ウディヤーナ(※どうみても現在、中華人民共和国の占領/統治下にあるチベット地域の文化・宗教・習俗・風物等をモチーフとしています)を舞台とする、ロボット兵器を装備した国連特命部隊とその専属カメラパーソンの活動記録となっています。
ところが、本作の完結(2007年3月)からちょうど一年後の2008年3月にチベット騒擾事件が発生し、同年8月に開催が予定されていた北京オリンピックに向けて、ギリシア(*1)から欧州→アメリカ大陸→日本→中国へと続く聖火リレーの沿道にチベット問題に抗議する人々が世界各地で次々と現れて、時に聖火リレーを妨害しながら抗議活動を続けたので、まず最初に欧米のマスメディアがその様子を大々的に報道し始めた。
そのため、それまで中国に不利なニュースはなるべく報道しないようにしてきた日本のマスコミも欧米メディアに追従して聖火リレーに伴うチベット問題への世界各地の抗議活動を取り上げざるを得なくなり、そして日本の聖火リレー時にも大規模な抗議活動が行われたことで、ようやく我が国でもチベット問題が幅広く周知されるようになりました。

(*1)ギリシアは古代オリンピック発祥の地であり、それを記念して近代オリンピックの聖火はまず最初に同国のオリンピアで採取され、次いで世界中の国々をリレー行進され、最後に開催国に運ばれる慣わしとなっています。

そういったチベット問題の経緯を知ってしまうと、本作って、一言でいえば、「確かにアニメ作品としては高水準かも知れないけど、この内容だと、いかにもダライ・ラマを悪の首魁であるかのようにdisってて、制作者は題材選びのセンスが悪過ぎるんじゃないの?」と思ってしまいました。
(※チベット問題に関連してその当時、中国側が大量に制作してネットにバラ撒いていたダライ・ラマを誹謗中傷するプロパガンダ動画を何となく連想する内容に見えてしまう。)

もはや今となっては、本作は高橋良輔氏や野崎透氏にとって、余りアニメファンに知られたくない《黒歴史》の作品になっているんじゃないですか?

チベット問題に関して言えば、フランスのTV局が制作した下記のドキュメンタリー動画を見た方が遥かに有益と思います(PART1-4まで合計1時間弱です。残念ながら英語ナレーションのみですが、映像・音声だけでも視聴する価値あり)
https://www.youtube.com/watch?v=eAUhB08QjGM
※PART1から見たい方はこちらから↓
https://www.youtube.com/watch?v=RlZX9LO0TRc


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= FLAG (2006年6月-2007年3月) =================
{netabare}第1話 フラッグ ★ ※興味深くはあるが、主人公がプロ市民っぽくて困惑
第2話 ポートレート × SDC(シーダック)最初の戦闘 ※ダライ・ラマをdisる作品?
第3話 同行取材 × ※ゲルト派とアサシン教団をダブらせるのは不見識過ぎるのでは?
第4話 新月の夜 ☆ ※クフラ信仰→ネパールのクマリ(生き神少女)信仰から
第5話 暗闇の双曲線 ☆ 要塞メタゾン寺院への降下作戦
第6話 闇の中の光 × ハービック喪失 ※ゲルト派が自爆攻撃も辞さない狂信者という描写に困惑
第7話 再始動 ★ カメラを向けることの意味
第8話 XR2 ロンクー ☆ チャイナ&ロシア共同開発の二足歩行兵器登場
第9話 ゲルと大地 ☆ 地元医師との対話
第10話 シーダック+1 × SDCへの国連内部監査、ゲルト派の国連本部ホテル襲撃 ※ダライ・ラマをdisる内容
第11話 ファインダーごしの再会 ★ 国連本部ホテル奪還作戦、赤木と白洲の一瞬の再会
第12話 フラッグ奪回 ☆ FLAG奪還、国連軍による白洲拘束 ※「ポタラの戒めを解く」とまで言っておいて制作側が「チベットとは関係がない」と言い訳するのは無理(ポタラ宮はチベットの中心都市ラサに実在するダライ・ラマの宮殿)
第13話 光の中へ ☆ 白洲SDCから隔離、メモリーチップ入手、和平協定調印、白洲死亡{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)6、×(疑問回)4 ※個人評価 × 3.3


主題歌 「Lights」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
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Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ノンフィクションでやっちゃえばよかったのに…(6話まで

これぞ掘り出し物って感じのマイナーアニメです。


基本カメラマンの写真と動画が元にアニメが進んでいきます。
リアリティーは凄いあるんですけどややスローペースな感じが…

こちらは第一シーズンで1話から6話です。
第二シーズンは7話から13話の構成です。
ちゃっかりロボットものでもあったりしますが、
バトルは期待しないほうがいいです。
たまに戦闘シーンが見れる位でグロシーンもありません。
一切の笑いの要素も無く、完全にシリアスアニメです。
前半までは…バトルは後半が面白いです。


このアニメを簡単に説明すると中国のチベット問題と国連の構図を架空の世界にしてジャーナリストが真実を求めて追求する感じですね。

しかし公式サイトでシリーズ構成・脚本担当の野崎透が明言している。ただし、監督高橋良輔は本作にいわゆる「チベット問題」を描く意図は無いと述べているようです。
どっかから圧力がかかったのか…

チベット問題と言うと中国でのオリンピック開催をめぐる時のニュースがありましたね。


このアニメは色々と予備知識が必要なアニメだと思います。
どういう歴史的背景があるかや戦場のカメラマンが何故必要なのか等とてもわかりやすく書かれているのでこちらを参照する事をお勧めします。
アニメを見ながらこちらも平行して読むといいと思います。
公式サイトより↓
http://www.flag20xx.net/sakuhin/world.html

↑はFLAG予備知識集とFLAG外伝小説です。
この文章はSNS「PLAYLOG」の「『FLAG』応援blog FLAG予備知識集」に掲載されたものです。
外伝は面白いので注目です。
ってかこっちの方が物語がわかりやすいのは何故なんだ…
ハッキリと中国と出てくるからなのだろうか…

ストーリー(公式コピペ)
{netabare}20XX年、アジアの小国で勃発した内戦は、国連軍の介入をもってしても拡大し、泥沼化していたが、戦地で偶然撮影された一枚の写真によって、和平への動きが一気に加速した。
それはフラッグの写真——敵同士であるはずの兵士が戦闘中に互いに協力して聖地に旗を掲げる姿——だった。
フラッグは平和の象徴となった。
しかし停戦まであと一歩のところで、妨害を謀る武装勢力過激派にフラッグは奪われてしまった。
国連は極秘裏にフラッグを奪還すべく、SDC(Special Development Command)"シーダック"の投入を決め、さらにその活動の全てを記録するためカメラマンの帯同を命じた。
この任を依頼されたのは、白州冴子。彼女こそ、ことの発端であるフラッグの写真を撮った本人であった。
最新の強化装甲服HAVWC(High Agility Versatile Weapon Carrier)"ハーヴィック"を装備し、容易な作戦と考えていた部隊は、予想もしない反撃に遭い、苦戦を強いられる。
相手はただの武装勢力ではないのか?
部隊に同行する白州のカメラは、戦いの底に隠された真実に迫っていく─。{/netabare}


1話から6話感想
{netabare}ちゃっかりロボット出るのにバトル無いのかーい!とツッコミを入れたくなりました。
まぁ今見ると数年前なのでCGがちょっと気になるかもしれないですね。まぁ良い方ではあるんですけどね。
本当にリアリティー重視な感じでイイ雰囲気出してますね。
NHKとかで良くあるノンフィクション的な感じがよく出てる。
もっと尺取って細かく掘り下げてしっかりやってほしかった。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
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しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

一風変わった視点が魅力 硬派な戦争物ドキュメンタリーチック作品

物語:4.1 作画:3.3 声優:3.0 音楽:4.0 キャラ:4.0 【平均:3.7】                           (75.7)

ジャンル        :戦争
話数          :全13話
原作          :高橋良輔、TEAM FLAG(Webアニメ)
アニメーション製作 :アンサー・スタジオ
総監督         :高橋良輔
監督          :寺田和男
シリーズ構成・脚本 :野崎透
キャラデザイン    :竹内一義
メカニカルデザイン :宮武一貴
音楽          :池頼広
主人公声優      :田中麗奈
主題歌(ED)      :「Lights」歌・作詞:信近エリ/作曲・編曲:大沢伸一

参照元        :Wikipedia「FLAG (アニメ)」

【概要】
 チベットをモデルとする中央アジアの架空の小国ウディヤーナの内戦を、カメラマン白州冴子を主人公として描く。第三者視点を一切廃し、一人称主観のカメラファインダーを示す画面でストーリーが進行する。作品タイトルの「FLAG」は、劇中の白州が撮影して国際的に有名になった写真に付けられたタイトルである。

【特徴】
①一人称主観のカメラファインダー越し視点、又は設置されたカメラファインダー越し視点
②カメラマン、ジャーナリスト
③ドキュメンタリーチック
④リアリティー、硬派
⑤戦争、特殊部隊、国連、ロボット

【長所】
・特徴に上げた5点がそのまま長所

【短所】
①静画の使いまわしが一層低予算感を漂わせてしまっている

【理由】
{netabare}[長所]
①本作最大の特徴である一人称視点ですが、徹底されてました。本作以外のアニメでは演出として一部のシーンで使われていることがありますが、FLAGでは常に一人称視点です。この徹底された演出は他の作品と大きく異なるので普通のアニメ作品に飽きた人にはお勧めできます。 

②主人公の白州冴子は元々自ら戦地に赴く戦場カメラマンではなかったが、行き詰まりを感じていた頃、後に師事することになる赤城の展覧会を訪れる。その後、赤城の勧めで内戦中のウディヤーナに向かい、後に平和の象徴となる一枚の写真「FLAG」を撮影することになる。物語は国連から再び戦地に赴き、写真を撮って欲しいと依頼されるところから始まる。本作は戦争の悲惨さも描かれるが、どちらかと言えば白州冴子のカメラマンとしての活動記録を追うことに重点を置いた物語です。この物語は戦争そのものに対して何かメッセージの様なものは感じませんでしたが、特殊部隊と同行する若手戦場カメラマンとしての経験や苦労が描かれた一連のストーリーとなっており、戦場カメラマンに対しての思い入れを強く感じ取れました。

③白州の師である赤城の昔語りがドキュメンタリー作品らしい演出となっていました。赤城を担当した声優は石塚運昇さん。石塚さんの渋い声は本作の硬派な雰囲気をより硬派に演出していました。

④武装集団の鎮圧など、ありふれたロボット作品のような派手な戦闘シーンはありません。人は銃弾を受ければ大怪我し、浴びてしまえば死にます。また、ロボットに搭載されたカメラ視点では制圧対象を真正面から見る場合もあるので、攻撃の目標にされれば銃弾はカメラに向かって飛んできます。

⑤長所という訳ではありませんが、特徴④と合わせて戦争物が好きという方には楽しめる内容かと思います。

[短所]
①動画はスナップ写真が多く映される為、静画が表示される時間は長めです。スナップ写真が多いのは演出上問題無いのですが、同じ写真が使いまわされているのは作品自体の評価を下げているように思いました。{/netabare}

【総括】
 若手カメラマンの白州が、国連の特殊部隊に同行した時の活動記録を、彼女の師である赤城がドキュメンタリー風に当時を振り返るという内容の作品。雰囲気は真面目で硬派。撮影内容は特殊部隊のインタビュー、日常、戦闘など様々。ロボットは制圧を目的とした戦術的な使われ方をします。また、上述の通り、徹底されたカメラファインダー越し視点、一人称視点が最大の特徴であり長所です。戦争物が好きで尚且つ少し変わった作品を観たいという方にお勧めの作品です。



【思った事・蛇足】

シリーズ構成・脚本担当の野崎透さんによれば
監督高橋良輔は本作にいわゆる「チベット問題」を描く意図はないと述べているそうです。


FLAG公式ページの高橋監督のインタビューにおいて
“アニメーションの場合は、なるべく作り物であったほうがいいと思ってますし、
矛盾しますが「リアリティ」と「らしいな」ということ、
それは作り物を前提にして「らしいな」ということが魅力的になるのであって、
作り物じゃないものは「らしいな」とは言わないような気がするんです。”と答えています。
また、実際の問題を取り上げるのは難しいとも答えています。


なるほど
あくまでも創作物はリアルっぽく見せることが魅力となるということなのでしょう。
それに、事実をドキュメンタリーにするのであればアニメにする必要は無いですね。


白州冴子についての想いのインタビューにおいては
カメラマンの撮った写真が世にどのような影響を与えるか自分でも分からないし
それが良いことなのか悪いことなのかも分からないと答えており
戦地にいるジャーナリスト達というのはすごく魅力的に写るとも答えています。


また、FLAGが監督にとってどんな位置付けの作品かという質問では
“『FLAG』の中で試みている「ドキュメンタリーのような」味わいというものが魅力的であるとすれば、
どなたかがまた「ああいう作品を作ってみたい」と、そう思わせることが出来て、
その中から一つでもヒットが出ればそういう方法論や表現が定着していくと思う”と答え、
“アニメーションの枠がちょっとでも広がればいい”と思ったそうです。


この様に戦場カメラマンやジャーナリストを題材にしたり
ドキュメンタリー風で一味違う視点からのアニメーションということで
本作は監督にとって意欲作であることが伺えます。


これらのインタビューを見て思ったことですが
元々低い予算しか組まれてなかったから少々粗末な作りになったというよりは
新しい試みの作品にする予定だから
リスク低減のために予算を割かれなかったように感じました。





それで
実際に観終えて面白かったのかどうかというのは
かなり面白かったです。


人間模様
武装集団の裏にいる人物
爆撃が起きた時の様子
作戦行動中の様子
国連本部の事情

等々
それに
緊張感高まるシーンもありました。
ロボの砲撃は短く鋭い轟音がまるで実際の戦車の砲撃音のようでした。


●雰囲気
一人称視点は『エースコンバット』のドラマパート。
ロボの作戦行動中の映像は『アーマードコア』。
ドキュメンタリーチックな部分は『メタルギアソリッド』のドラマパート。
この3作品を合わせた様な感じの雰囲気です。


総括にも書きましたが
洋画の戦争物が好きな方も楽しめそうですが
ミリタリー物ゲームのドラマパートが好きという方も楽しめるのではないかと思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10
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