シリアスで嫉妬なTVアニメ動画ランキング 12

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のシリアスで嫉妬な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のシリアスで嫉妬なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.4 1 シリアスで嫉妬なアニメランキング1位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (550)
2482人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Walk on the Wild Side

ノイタミナ×MAPPA制作。
原作は吉田秋生の少女漫画の金字塔。

原作表紙のデザインが秀逸だなと興味をひき、
タイトルのフォントも素敵ですよね。
いつか視聴したかった作品です。
タイトルはサリンジャーからでしょうか。
あにこれのメインクラスターには、
吉田秋生と言えば「海街diary」かも知れませんね。

NYのソリッドな空気感とキャラ紹介。
バナナフィッシュの言葉の謎もあり、
初回、ラストの引きは上々だと思います。

13話視聴追記。
{netabare}中盤、盛り上がる演出もあるものの、
粛々と物語が進行し続きが気にならない。{/netabare}
ここからの後半戦に期待しましょう。

最終話視聴追記。
終始、一定基準で安定はしており、
{netabare}これはもう好みの問題ではないでしょうか。
永遠に変わらない2人の透明な絆、
素晴らしい余韻を残す万感の終幕でした。{/netabare}

ED曲は世界観に合っていて素晴らしい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ハードボイルド欠乏性アンダーグラウンド

イタリアのシチリア島を起源とする犯罪組織をマフィアと呼びます。

マフィア映画の面白さは一般人が決して覗き込む事のないアンダーグラウンドを見せること。

人を食い物にするバイオレンスな彼らの世界にも存在するルール…日本で言う義理人情や、ビジネスの駆け引き、
暴力と権力によって誰に縛られること無く社会の強者として君臨する本能的で野心的な欲求を満たすような作品群。
往々にして事実と異なるエンタメ脚色をされるのはファミリー(組織)の絆や男の挟持、自己犠牲を盛り込むことで、
殺人、艶のあるシーン、歪な癖、薬物など、法に触れ倫理観を逸脱する刺激的な描写が多いのも特徴となります。

本作BANANA FISHは面白そうな題材と映像美だけに惜しい。

男性キャラのセックスアピールに集中し過ぎていて、これは少年性愛者で売買を生業にしているパパが元凶。
マフィアの世界やビジネスシーンの面白さを見せること無くBANANA FISHの謎と男性の美しさに頼ってしまいます。
男性のセクシャリティを売りにするのは少女漫画雑誌の女性向け作品なので問題はないがあまりに一辺倒すぎる。

作中で度々見られる中心人物の関係者が組織の暴力に晒されるのは往年のマフィア映画での王道パターン。
ジャンル愛好家なら見知った展開に「何か」物足りないのは過去作と比べ欠乏していた「ハードボイルド成分」。
殺しの呆気無く冷たい余韻や激情と復讐心に駆られた怒りなどマフィア映画で重要な暴力性や渋みは感じられず
酒の旨味もタバコの苦味も香らせない。中国系マフィアの美青年が登場したのも俗っぽさが加速したように思う。

最初から最後まで丁寧な作画が好みだっただけに惜しく、キャラクターや画面作りもジャンルには優等生過ぎた。
尖ったセンスや刺激的な表現をもっとぶつけてみればキラリと光ったかもしれない佳作アニメという印象です。

「マフィアの世界で少年の儚げな友情を描きたかった」と言われれば何も言うことはありませんし成功しています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

70.5 2 シリアスで嫉妬なアニメランキング2位
C3 -シーキューブ-(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (1099)
6344人が棚に入れました
ある日、高校生の夜知春亮のもとに、旅先の父親から謎の黒い立方体が届く。それはヒトになるまで《負の思念》を取り込んだ呪われた道具だった。黒い立方体ことフィアは夜知家に居候しながら、おなじく夜知家の世話になっている村正このはや春亮に教わり、呪いを解くために善行を重ねることとなる。そして彼らは、呪われた道具が関係する事件に次々と巻き込まれていく。

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

もっと深イイ話にしないと・・・(;`O´)o呪うぞ!

■『C3』ってどんなアニメなの…c(゚^ ゚ ;)ウーン
なんでこんなタイトルなのかまず意味不明ですよね(゚-゚*)(。。*)ウンウン
Cube[立方体]×Cursed[呪われた]×Curious[好奇心旺盛な]
だそうです・・・やっぱり最後がいまいち理解できませんねε-(ーдー)ハァ
まぁいっかぁ♪
 
タイトルの事は・⌒ ヾ(*´ー`) ポイっとしておいて、内容はといいますと♪
主人公の夜知 春亮の自宅に突然おっきな立方体の箱が届いたのですけど・・・
どうやらお父さんが呪いの品をよく送ってくるらしいのですが、自宅に届いた不思議な立方体も呪われた品らしいのです!
呪われた道具・禍具(ワース)とは、道具に強い呪いを掛けると、どうやらその道具に特殊な能力が付加されるらしいのです。
さらに呪いを掛け続けると道具が人間の姿にもなるそうです・・・
\(\◇ ̄ )ヘン~(  ̄▽/)ゝシン!!! \(○ `O´ ○)/トゥーー!!
こんな感じの変身シーンは無かったのですけど、立方体から本作品のヒロインの「フィア」ちゃんが出来上がったのでした♪
 
そんな呪われた道具・禍具(ワース)をめぐって様々な思惑を抱く人々が現れてくるのです♪
・禍具を破壊しようとする者
・禍具を信奉しようとする者
・禍具を知ろうとする者
・禍具を象徴とする者
様々な思惑が交差し暗躍する世界を描いた物語なのですね♪
 
 
■『C3』~シーキューブ~と出会った日の日記((φ(~∇~*)カキカキ
ジャンル的にはファンタジーらしいのですけど、1話の印象はキャラ萌えアニメって感じですね♪
おぱんつ丸出しなのはワンパクな証拠よね・・・ってなわけないでしょ(`□´)コラッ!
まぁしょうがないよね、こういう描写の需要があるんだもんね・・・
最近はこのくらいはなんとも思わなくなってきましたε- (´ー`*) フッ
 
でもキャラデザは可愛いと思いますよ(⌒^⌒)b
しかも作画が良い、背景も綺麗に描かれてるし、最近流行り?の髪色のグラデーションも某アニメの○○天魔○○と違って毒々しくなくって色彩センスの良さを感じられます♪
ストーリーの方はまだわかりませんけど、とにかくフィアちゃんが面白いですね(*^o^*)
こういうキャラ好きなんですよぉw
表情豊かな暴走キャラって惹かれちゃうのです(・-・*)ヌフフ♪
心境的には「WORKING!」のぽぷらちゃんを見つめるかたなし君的な感じですw
 
今後の展開で評価がどうなるか分らないですけど、楽しく視聴できそうな予感です♪
 
 
■メインキャラの紹介
夜知 春亮(yachi haruaki)
 <声:梶裕貴>・・・代表作:NO.6(紫苑)、花咲くいろは(種村孝一)
 本作品の主人公で呪いを受けない体質のようですね。
 
フィア
 <声:田村ゆかり>・・・代表作:ひぐらし(古手梨花)、Kanon(川澄舞)、他
 本作品のヒロイン。「呪うぞ!」が口癖・・・まぁいいっかw
 コリコリパリパリッとした煎餅が好物だそうですw
 
村正 このは(muramasa -)
 <声:茅原実里>・・・代表作:涼宮ハルヒの憂鬱(長門有希)、みなみけ(南千秋)
 メガネ&おっぱいの典型キャラ。好物・・・肉。
 
人形原 黒絵(ningyouhara kuroe)
 <声:小倉唯>・・・神様のメモ帳(アリス)、ロウきゅーぶ!(袴田ひなた)
 和人形のような黒絵ちゃんは、能力も見た目のまんまですね♪
 髪の毛が伸びてイカ娘ちゃんの触手みたいですw
 舌っ足らずな喋り方のゆいちゃんにぴったりのお茶目で可愛いキャラでしたね♪
 
上野 錐霞(ueno kirika)
 <声:喜多村英梨>・・・とらドラ!(川嶋亜美)、WORKING(轟八千代)、偽物語(阿良々木火憐)
 まさに学級委員長って感じのツンデレキャラですねw
 この子にかかっている呪いがボンテージ衣装なんですけど、エロ過ぎます・・・Σ(゚∀゚ノ)ノキャ
 えりりんはお姉さん的なキャラが似合いますね♪
 
桜参 白穂(sakuramairi shiraho)
 <声:斎藤千和>・・・ARIA(藍華)、化物語(戦場ヶ原ひたぎ)、他
 サヴェレンティのことを溺愛しているクールビューティーな女の子♪
 とっても人間嫌いなんですよ(ノ≧ロ)ノ<嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌人間嫌・・・

サヴェレンティ
 <声:井口裕香>・・・たまゆら(岡崎のりえ)、僕は友達が少ない(高山マリア)、他
 2011年も大活躍のゆかちの役はのろいを受けたお人形の役でしたねw
 男の子にも女の子にもなれる便利な体で、ボクっ子でドジっ子なのでした(^_^;)

ピーヴィー・バロヲイ
 <声:大原さやか>・・・ARIA(アリシア)、Fate/Zero(アイリスフィール)、他
 まさか・・・さや姉さんの口から「ビッチ」なんて言葉が出てくるなんて!Σ(^∇^;)
 このアニメを観ていてそれが一番ショッキングでしたw


■総評
大沼心監督のTVアニメの監督作品としては3作品目となる本作品も、大沼さんらしい演出が見られていましたね♪
監督初作品の「ef」や2作品目の「バカとテストと召喚獣」での演出技法が随所に光ってた印象です!
演出の中でも特徴的なのはシルエット・アート(影絵)の技法をアニメに取り入れている点でしょうね♪
これを機会にちょっと覚えておくと良いかもしれませんね!

【シルエット・アート(影絵)の特徴】 \_( ・_・)ハイ ココテストニデマスヨー
シルエット・アートの魅力って『心を描く』って表現が分かりやすいかもです(^ー^* )フフ♪
活字で説明するのは難しいのですけど、描いた被写体の本質が浮き彫りになってくるって感じです!
動物や乗り物などをシルエットにしてみると、実物を見るよりも特徴を捉えやすいって言われてるんですよね(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン
道路標識なんかもシルエットを使ったものになってますけど、視認性の高さからとも言われているのですよ♫

例えば、錐霞ちゃんの禍具は「誰かを締め殺さずにはいられない」って呪いが掛けられていましたけど、自らの体を殺傷の対象とするシーンでは、シルエットを使った演出で表現されていましたね(ノ゚ω゚)ノ*.オオォォォォォォォー
通常の描写よりも、錐霞ちゃんの心の風景がより強く表現できていたと思いますし、禍具の呪いから抗えない絶望感や恐怖感を心理的観点から視聴者に与えてましたね♫
とっても痛々しいシーンでした!∑(>д<) ミテラレナイヨッ!!
それと戦闘シーンでもシルエットを使って表現されていたりもしてましたね!
細かいカット割りでスピード感のある戦闘シーンを演出する場合でシルエットを使うのは、瞬間的に緊迫感や恐怖感を出す演出としては個人的に良い演出方法だなぁ~って思ったりもしましたo(*^▽^*)o~♪
シャフトの演出家で第一人者の新房さんの影響を受けてきた大沼監督らしい演出が作品全体通して散りばめられているので、そんなところも見所ではないかなぁって感じました(^^♪

本作品で不満を挙げるとしてたら、ストーリーとエロ描写ですw
呪われた禍具とそれを巡って争いがおこる設定や、萌え擬人化させて特殊能力を持たせたりする設定など、数々あるテンプレートを組み合わせてそこに「呪い」というテーマを掲げた感じなのです!
それが悪かったってわけではないと思うのですけど、まとまりが無い印象を受けてしまいました;;;;(;・・)ゞウーン
禍具を巡って、別々の思想をもった組織がいくつかある訳なのですけど、その組織の思想や活動内容が結構あやふやに表現されている印象だったので、ストーリー自体に深みや面白みをあまり感じなかったのです(^^;)
それと、露骨なエッチなシーンはただのサービスカットなだけでかなり露骨なものでしたのであまり良い印象は受けませんでした♪
エロ描写でも笑いに必要なカットや、愛の表現としてのカットであれば良いのですけどねって個人的には思ってますw

作画や演出はクオリティは高いと思いますし、フィアちゃんや黒絵ちゃんといった可愛くって愛嬌のあるキャラもいて、ギャグパートはとっても好きな感じだったので、後はシリアス展開の部分に力を入れてほしかったなぁって思っちゃいました!
もったいないなぁって印象の作品だけに、2期に期待したいです(^▽^)/


■MUSIC♫
OP曲『Endless Story』
 【歌】田村ゆかり
 ピアノの旋律とロックを融合した疾走感がとっても気持ちいいナンバーです♪
 和の優雅さを併せ持った楽曲に耳抜けの良いゆかりんの声が心地良いですね(^▽^)/

OP曲『紋』
 【作曲】市川淳【歌】喜多村英梨
 こちらは完全に和を意識した楽曲ですね♪
 ロックベースにですけど、ストリングアンサンブル(弦楽器をキーボードで出す機能)で上手にアレンジ
 しているので趣のある雰囲気があります☆彡
 歌詞も古風な言い回しになっていて、マーティ・フリードマンに感想を聞いてみたいです(*´∀`*)

ED曲『雪華』
 【作曲】市川淳【歌】喜多村英梨
 落ち着いたスローテンポの曲をしっとり大人の雰囲気で歌ってくれてます♪
 

ED曲『Sympathy of Love』
 【歌】田村ゆかり
 ピアノの落ち着きのある美しい音色にちょっと切ない恋心を歌ったナンバーですね♪
 

2011.10.03・第一の手記
2011.01.03・第二の手記(追記:■メインキャラの紹介(一部)■総評)
2012.01.13・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

観ないと呪うぞ!?否、聴かないと呪うぞ(66点)

全12話。
ラノベ原作。原作未読。

個人的満足点:66点
アニメ系統:ファンタジーバトル&ラブコメ

最近のラノベ原作ははずれが多いから心配だが
さてさてどんな物かと恐る恐る視聴。

1話は完全なるフィア萌え仕様だと思った。
その路線でもまったく問題ないぐらいにフィアがたっていた。
しかし、2話で一気に別の次元にふっとばされた。
そんな印象で始まったのではあるが、どうにも方向性が定まらない。

物語の進行にぶれがありすぎたように思う。
萌えもしくはバトルのどちらかに振ったほうが良かったのではと思う。

しかしながらキャラはフィアが可愛すぎる。
中の人はゆかり姫。
通常時とバトル時の演じわけもなかなか良かった。
ギャップ萌え。
フィアのちょっとエッチなボイスも見逃せない(`・ω・´)キリ

もう1人、個人的にお気に入りは白穂。
これはもうひたぎさん風の千和さん。
ひたぎさん、ほむほむ好きにはたまらない。

さらに声優ファンとしてみのがせいのが学園長。
池田さん登場。
シャアボイスでボケかましてくれるのが最高だった。

音楽はOPED共に良かった。
前半のOP「Endless Story」はゆかり姫。
個人的には今期NO1。
曲だけでも聞いてほしい所。
いや、OP映像も合わせて観ていただけるとよいと思う。
その他の曲もいい曲ばかりなので是非聞いてみてほしい。

そんな、良素材がふんだんにあった作品ではあるが
色々な調味料を加えた結果、微妙な味わいになってしまった印象。
そして、2期がありそうな終わり方w
これ2期やるのかね?
この辺りも最近のラノベ原作アニメに多い。
原作が終わっていないので仕方ないのかもしれないが。。。

兎にも角にも最近のラノベ原作よろしくな作品かなと思う。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

「Endless Story」聴かないと呪うぞw

そして、淑乳はすばらしいと言っておく(`・ω・´)キリ


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以下、各話後の感想。
ネタバレがあるかもしれないので
未視聴の方はスルー推奨。



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{netabare}
【1話視聴。】
これはレベル高けえwww
1話から腹筋よじれるかと思った。
ぶっ飛んだ話にぶっ飛んだ行動w
そして、無駄にパンツを見せやがるw
そして、チラリと見せるいい話。

ゆかり姫もいい仕事してる。
ヒロイン「フィア」に釘付けになってしまった。
今話のED(本来OP)曲もゆかり姫でいいねえ。

今後にものすごく期待している。

しかし、1話のEDにOP曲もってくるの流行りかね。
今から物語スタートですよ的な使い方。

まあ、皆も観てくれ。
観ないと呪うぞ。


【2話視聴。】
ちょwwwwwwww
シャアwwwwwwwwww
何でこんな所にw
まあそんなことはおいておいて。

2話から一気に超展開。
バトル物&シリアス調になってくるのか?
1話の雰囲気とはまったく別のもだな。
しかしゆかり姫いい仕事しやがるぜ。
ファアの変わりっぷりに痺れる。

OP曲が気に入りすぎた。
CD買おうかなw

【3話視聴。】
前回のつづきのバトル。
フィアのバトルスタイルが今一分からない。
いくつも道具あるのかな?
微グロあるので耐性ない方は注意。

そして、バトルから一転。
フィアの葛藤。
その後のちょっといい話。
オチのフィアのセリフはベタだがいいw

フィアのバトル時の不気味さと
通常時の可愛らしさはヤンデレに属するのかね。
ツンデレでいいのかな?
フィアのジャンルが分からんw

【4話視聴。】
なかなかいい厨二バトル。
意外とグロイ描写。
時折見せる萌え要素。
とりあえず方向性は定まった気がする。

やはり、ゆかり姫の演技がいい。
完全にギャップ萌え。

そんな視点で観れば結構面白い。
個人的にはかなり好み。
特にフィアがw

しかし、これ分割2クールとの話もあるよう。
そうなるとまだまだ色々ありそう。
今後も楽しみ。

そして、OP曲「Endless Story」が個人的に秋NO1。
ちょっと買ってくる。

【5話視聴。】
ようやく一区切りといった感じかな。
そして、新たなる展開へ突入した感じ。
ちょっとぶっ飛び展開だったが、まあいいでしょう。
バトルも結構動いてるし、フィアはかわいいし問題ない。

そして、今週の見所はなんといってもCパート。
ゆかり姫のセリフがやばいw
オチは想像ついていながらも、ドキドキしたわw

【6話視聴。】
新キャラ、サヴェレンティ
ヒャッフー千和さんだぜえ\(^O^)/
ひたぎさん風でいいねえ。
シャアも久しぶりに登場したし。
俺得の声優さんが出てきて満足した。

【7話視聴】
今回OPED曲変わらなかったね。
ということはやはり2クールなのかな。

それはそうと、「このは」のはち切れんばかりの胸がやばいw
どんだけおっぱいで引っ張るんだよw
それよりフィアの胸にクローズを・・・∑(゚o゚C===(__;バキッ

本筋は、サヴェレンティと白穂が???
どうなってるんだ?
何か謎があるのだろうけれども。
来週には謎が明かされるのかな。

【8話視聴】
白穂役の千和さんやっぱいいわ。
こういう影がある役は好きだわ。
今後も出番を要求する。

久しぶりのフィアの冷徹な役も見れたし、
何といってもシャアwwwww
この声で
「美しい女性に罵られるというのは
  ある特殊な趣味の持ち主には幸福なのかもしれない」
クソワロタwww

「愛してる、LAVEだ」
もうダメだwwww

違う楽しみ方してるオレガイル。

まじめな話、池田さんってある意味損してるよね。
あまりにもシャアのイメージが強すぎる。
まあ、シャアは池田さん以外考えられない!
それほどの声優さんではあるけれどね。
なんやかんや言っても、池田さん大好きだわ。

9話視聴。
OP曲が変わった。
これで2クール説は消えたかな。
やはり Endless Story の方が個人的には好きだなあ。
しかし、OPの絵が委員長中心になってたんだが、これから委員長中心の話になるのか?

この9話から新しい展開のようだが、どうなるのか。
というか残り3話でどうするんだろうか?
結構中途半端な感じだよね。
曲の変わり目も変だし、12話以降何かあるのか?

続きは映画とか、ネットとか、とかとかとか・・・


10話視聴。
淑乳\(^O^)/
淑乳\(^O^)/
淑乳\(^O^)/

以上wwwwww
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

萌えとグロのギャップが・・・

呪うぞ!とあんな可愛い感じで言われても^^;

◆この作品の概要は・・・
呪われた道具のお話。
人間の強い負の感情を浴び続けた道具は呪われ、人化します。
そんな道具の一つであるフィアが呪いを解くために主人公のもとに送られてくるとこからストーリーが始まります。
良い事を行えば呪いが解けるといいますがはたしてどうなる事やら・・・。

◆第1話視聴・・・
動物が人化するアニメはたくさんありますが、道具が人化するという設定のアニメは少ないですよね。
タイトルのC3の意味が「立方体」「呪われた」「好奇心旺盛」。
フィアは道具だったので常識という物がなく、やることなす事目を当てられない感じですが、その行動はあまりにも可愛すぎます♪
この先どんなドタバタを見せてくれるか楽しみですね。

◆第2話以降から・・・
この作品の本性?が現れます。
第1話の雰囲気に合わせて、ちゃぶ台でお茶とおせんべいを飲食しながらこのアニメを見ようと思っていたのですが(。・・)_且~~・・・。
まさか、あんなに可愛かったキャラ達が・・・Σ( ̄□ ̄lll))!!
このアニメ、グロだったのですね(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
おパンツがどうのこうのなんてイメージはどっか飛んで行きましたよ。

◆戦闘シーンが・・・
圧巻です^^;
キャラ達が怖い表情をしながら、見るからに恐ろしそうな武器をブンブン振り回す!!
そのグロな姿に(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

◆声優陣は・・・
夜知春亮    : 梶裕貴(ロウきゅーぶ!の長谷川昴)
フィア       : 田村ゆかり(ひぐらしの古手梨花)
村正このは   : 茅原実里(ハルヒの長門有希)
上野錐霞    : 喜多村英梨(まどマギの美樹さやか)
人形原黒絵   : 小倉唯(神様のメモ帳のアリス)
サヴェレンティ : 斎藤千和(化物語の戦場ヶ原ひたぎ)
桜参白穂    : 井口裕香(とある魔術の禁書目録のインデックス)
ピーヴィー・バロヲイ : 大原さやか(ARIAのアリシア・フローレンス)
アリス・ビブオーリオ・バスクリッハ :  田中理恵(ガンダムSEEDのラクス・クライン)
他、池田秀一、折笠愛、三石琴乃、阿澄佳奈など。

◆総評・・・
普段は可愛いキャラ達が恐ろしい姿を見せる、この極端すぎるギャップがすごく、そして自分達の呪いを解きたいと願う苦悩はよく描かれていました。
昔のアニメ「妖怪人間べム」を思いだしましたね。
しかしながら、この内容で1クールは無理がありすぎる。
中途半端な感じで終わり当然ながら2期があるよね?と思いつつ、というより2期作らないと「呪うぞ!」と言いたくなるような物足りない内容でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

74.0 3 シリアスで嫉妬なアニメランキング3位
半分の月がのぼる空(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1069)
6170人が棚に入れました
ある病院を舞台に繰り広げられる、平凡な高校生と心臓病の少女との心の交流を描く。
高校2年の冬、突然の肝炎で入院することになった裕一。病状は回復し、病院を抜け出しては看護師に叱られる毎日。そんなある日、彼は隣の病棟に入院している女の子と出会い、彼女に惹かれていくが…。

声優・キャラクター
鈴村健一、高橋美佳子、小平有希、平田広明、こぶしのぶゆき、松岡由貴、笹沼尭羅

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

熱過ぎず 甘過ぎず 乾きすぎないところがいい

橋本紡のライトノベルを原作とした全6話。

心臓の病気に侵された17歳の少女と、
同じ病院に入院している17歳の少年が出逢い、
事実を前向きに受け入れつつ生きる姿を描いた物語。

設定からして切ないストーリーが予想され、
涙を誘うこと必至の王道的展開なのか?と思っていたら、
この作品では、そういうシーンを露骨に描くことなく、
目の前にある状況を受け入れてなおかつ、愛し合おうするスタイルが新鮮だった。

主人公は、少し回復するとすぐ病院を抜け出し、ナースに叱られてばかりの裕一。
でも根は優しくて、頼まれると「No」となかなか言わなさそうなタイプ。
ヒロインは芥川龍之介や宮沢賢治の作品が大好きな、少々ツンデレ風味の文学少女。
わがままでキツイ性格のように描かれるけれど、本当は病の重さゆえなのかも。 

そんなふたりが、病院を主な舞台にして恋をし、覚悟し、
生きている時間の喜びとその価値をも見い出していく様子は清々しく、
熱過ぎず、甘過ぎず、乾き過ぎない彼らを客観的な視点で観ていくと
なかなかこれはリアルだよなぁと思った。

同じ病院に入院している患者の脇役たちも、けっこうな役者ぞろいで、
担当医の渋い感じも良かった。
がしかし、患者を相手にかなり乱暴な言動をするナースや、
主治医の医療的立場を逸した部分にだけは、
ここまでやる必要あったんだろうか、と少々顔をしかめてしまった。
まぁ善意的に受け取れば、それもストーリーを重くしすぎないよう、
コミカルな部分で緩和させようという狙いがあったのかもしれない。

結果的にはうまくまとまっていたし、一生忘れられないような、
ほろ苦い恋愛のひとつのカタチを、久しぶりに観た気がした。

作中に、いろいろな文学小説が登場するのも良かった。
自分も度々入院することを強いられてきた今までなので、すごく身近に感じ
懐かしい想い出と重なるシーンもあったりで、
個人的には最近特によく思い出す作品の1つだ。

ただ、全6話なのでサクッと観れるものの、
もう少しじっくり描いても良かったのかなと思う部分もあった。
そのあたりは観る人の好み次第かもしれない。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

サクッと見られたけどちょっと微妙

原作未読。

主人公は肝炎で入院中の裕一(ゆういち)。
彼は病院で、不治の病と戦う里香(りか)と出会う。
そんなふたりの交流を描いた物語。

月が半分なら長さも半分。
全6話と短いです。
1本の映画を見ている感覚でした。
実際に映画にもなっています。

舞台は三重県の伊勢市。
ですが、ほとんどが病院内のできごとです。


見どころは里香との距離の取り方。
恋愛とは少し違います。
「終わるとわかっているもの」に対するアプローチが特徴的です。
命に対する向き合い方、裕一の里香に対するひたむきさが主軸。

ただし、起承転結があまりはっきりしていません。
病院生活をながめているうちに、いつの間にか終わっていたという感覚です。
また、話の進め方が強引です。
例をあげるとネタバレになってしまうのですが、「そんな展開ありかよ」という場面が多々。
{netabare}
・大事な本を投げつける
・遺品をあっさりと焼く
・一度会っただけの女性と寝る
・肝炎は感染するのに女性と寝る
・わざわざ窓から侵入する
{/netabare}
キーアイテムの「本」「カメラ」などもあまり意味をなしていません。
唐突に入るギャグも効果的ではないと思います。
エロシーンもいらなかったかな。
そういうものはばっさりと捨てて、ふたりの歩み寄る姿をじっくり描いてほしかったです。

短いからこそ余計なものが目立ってしまうんですよね。
削りに削れば3話くらいでいけそうです。

ただ、内容はわかりやすいです。
テンポもよく、一気に見られるので、時間のない人でも大丈夫です。

でも、心に残るものはなかったかなぁ。
見方が悪いのかもしれませんが、微妙な作品に感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

命をかけてきみのものになる・・。

1話30分の全6話。
ちょっと短時間で観たかったのでみなさんのレヴューを参考に
この作品を選びました。
このあにこれの画像、ひぐらしの梨花ちゃんに似てる。


主人公祐一が肝炎で入院した病院で出会う重い病気の女の子 里香。
そんな2人のお話です。

全6話だったのでとても観やすかったです。

内容はやはり病気ということもありちょっと悲しくありましたが、
2人の純愛にとても切なく暖かい気持ちになれましたヽ(*´∪`*)ノ"
2人で抜け出したりとそんな微笑ましくもあるシーンもありました。

病院についてはちょっと問題だろ!!って突っ込みたくなるとこが多かったけどっw

病気に対してや2人についてはとてもリアルな内容だったと思います。
簡単に事が進む甘く軽い内容ではなく
病気と向き合い、生きたいと願い祐一と一緒にいたい里香と
同じくずっと一緒にいたいと思う祐一の2人の行く末が現実的に予測できました。

なかなかよかったと思います。
EDの作画がすごく幸せそうで好きでした♡
あまり時間かからないで観れるのでそういった点でもオススメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

88.4 4 シリアスで嫉妬なアニメランキング4位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1176)
5534人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

デブチョコボが全てを救う

キネマシトラス制作。

次元の渦・亀裂から大量に魔物が湧き出し、
世界は「波」と呼ばれる現象で破滅の道を辿る。

図書館で1冊の古書と出会った主人公尚文は、
世界を救う盾の勇者として異世界に召喚された。
召喚された勇者は彼を含め4人である。

労働の対価として報酬を要求する勇者たち、
英雄譚としての勇者像からは乖離した設定である。
この設定も、物語後半で効果を上げる。
{netabare}地道に任務をこなし民の信頼を得る主人公と、
どこかゲーム感覚で勇者ごっこをする、
他の勇者との対比が顕著な形で表される。{/netabare}

ハーレム展開も少しずらされている。
根拠のない愛情が、先行するのではなく、
信頼が先行しているため過度な嫌味とならない。
{netabare}身寄りのないものたちの疑似家族なのだ。{/netabare}
デブチョコボのフィーロが全てを救う。
なんて愛嬌のあるキャラクターでしょう。
ニコニコと荷馬車を引く姿がとても可愛い。

地道に戦闘し、レベルを上げ、
その対価で食料と武具を購入し旅を続ける。
気が付けば民の信頼を集め仲間を得る。
このこともまた物語後半で効果を上げる。

主人公尚文は、物語終盤になり、
{netabare}壊滅した仲間の故郷の再建を願い町を作る。
それは彼にとっても新たな旅の拠点である。{/netabare}
様々な旅での出会いが彼を成長させたのだ。
生き方を見つけ、ここからまた始める。

新たな冒険の始まりに期待するばかりだ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人間の醜い心に嫌気がし、人狼や神鳥の美しい心に癒される物語

この物語はドラゴンクエストのような立派な勇者が登場する素晴らしい物語ではありません。
人間の醜い心が思いっきり表現されています。
このアニメで美しいバトルを期待されている方は、見ない方が良いでしょう。
でも、人間でない人狼のラフタリアや神鳥のフィーロが私たちを癒してくれるので、この物語は何とか見ることができます。


この物語では、顔も見たくないほどの嫌な人間たちが登場します。
その嫌な人間たちから盾の勇者である尚文(なおふみ)は、何度も何度も濡れ衣を着せられて酷い目にあいます。

そんな嫌な奴らからの迫害をバネにして、尚文は少しずつ成長します。しぶとく、たくましく生き抜きます。
そんな尚文の生き方に、思わず感情移入してしまいます。
ドロドロして美しくないけど、大好きです。共感が持てます。

そして、尚文の仲間である人狼のラフタリアや神鳥のフィーロは、この物語では天使のように純粋です。いつも尚文を守ってくれます。

人間の心が醜く、獣や鳥の心が美しい、それが嫌というほどわかってしまう物語です。


この物語は、まさに人生の縮図のようなものです。
嫌な奴に屈服して日陰のような人生を送るか、それとも嫌がらせを跳ね返してしぶとく生き抜くか、その選択を迫られることが人生には割とあります。
私たちも盾の勇者のように、しぶとく生き抜きましょう。

エンディングは 藤川千愛さんの「きみの名前」 と 
               「あたしが隣にいるうちに」
2曲ともこの物語にふさわしく、心の叫びが聞こえてきます。魂の叫びと言っても良いかもしれません。
決して美しくないですが、心に響く名曲です。
       

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

憎しみの連鎖

アニメーション制作:キネマシトラス
監督:阿保孝雄、シリーズ構成:小柳啓伍
総作画監督:鈴木 豪、山本由美子
キャラクターデザイン、総作画監督:諏訪真弘
原作:アネコユサギ

異世界系アニメは嫌いではない。
パーティーを組んでモンスターを倒すという
今では誰もが知っている物語自体に
不思議と惹きつけられるからだろう。
しかし、物語の骨格が共通のため
誰もがストーリーを作りやすいこともあり、
作者の嗜好が分かりやすく伝わってくる。
そのため、私にとっては好みがはっきり
分かれるジャンルの作品でもある。
物語が目指しているものが見えたときに
感じたのは、『盾の勇者の成り上がり』は、
私が好きな異世界ものだということだった。

20歳の大学生、岩谷尚文は「四聖武器書」という
本を読んでいるときに異世界に召喚されてしまう。
そこには、剣、槍、弓、盾の4人の勇者が揃い、
尚文は盾の勇者として召喚されていた。
4人の勇者は定期的に訪れる「災厄の波」に
対抗するために呼ばれた存在。
しかし、なぜか盾の勇者である尚文だけが
召喚したオルトクレイ王やその娘・マインから
迫害されてしまうのだった。

序盤を乗り切れるかどうかが
いちばんのカギになるかもしれない。
主人公の尚文が周りの人々から騙され、
迫害され続けるため、観ていてストレスが溜まるからだ。
個人的にはフィーロとドラゴンのレースでの
マインのやり方があまりにも滑稽で笑ってしまい、
そこから、安心して観られるようになった。
尚文が迫害されることが、この物語の核心の
部分なのだろうと思ったからだ。
おそらく盾の勇者についての本当の秘密は、
物語の最終段階にまで来なければ、
明かされないのではないだろうか。
そもそも尚文だけが「盾」の勇者ということで、
武器ではなく防具だというのは変な話で、
攻撃を受け続けることを示している。
それによって、憎悪の炎が蓄積されていき、
強大な力を持つ話になっている。

結局、何千年も続く人類の歴史で
戦争が終わることのないのは、
憎しみが連鎖するからだろう。
これを断ち切らない限りは、
私たちはいつまでも破滅の危機と
直面し続けなければならない。

マチュー・カソビッツ監督の『憎しみ』という
映画があるのだが、フランスでの
有色人種たちが差別を受け続け、
悲劇を生んでしまう様をモノクロの映像で
スタイリッシュに描いている。
フランスというとサッカーの
ジダンやアンリなど有色人種のスター選手が
多いイメージだが、反面、差別が根強いと聞く。
国粋主義者が一定数以上いて、
スラム街のような場所も存在する。
フランス国内の暗部が描かれた、
とても心に残った作品だった。

『盾の勇者の成り上がり』を観ていて、
そんなことを思い出したのだが、
この作品は、テーマや教訓を込めた童話。
明らかに西洋の童話がバックボーンにある。
だいたい、マインや教皇、ほかの勇者の行動が
あまりにも常軌を逸しているわけで、
明確な目的をもって物語が紡がれていく。
そのため些か、極端な展開になっていて
好みが大きく分かれるだろう。
例えば、先述したように盾の勇者は、
攻撃を受け続け、憎悪の炎で自らと
世界を滅ぼすほどの力を備えているように見える。
それを助けるのが奴隷商で売られていた
タヌキの亜人のラフタリアと
神鳥と呼ばれるフィーロである。
本心から信じてくれる大切な人が近くにいることが、
人を憎悪の念に縛られることから救ってくれる。

また、「災厄の波」に際して、
モンスターを退治していくのと同時に
一般の村々が被害を被り、
モンスターの死骸が周辺地域に
災害をもたらす話もある。
勇者たちがモンスターを倒すことで
後始末をしないと被害が拡大していく発想は面白い。
そんなときに尚文が人々を助けるのだが、
必ず報酬を要求する。
つまりは「ギブ&テイク」の精神だ。
人と人との関係というのは、いくら親しい間柄でも
「ギブ&テイク」を忘れてしまうと、
簡単に関係性が崩れてしまうことがある。
一方が与え続けているだけの関係性は、
いくら口では「気にしないでいい」と
言われたとしても、長続きすることはない。
これは親子であっても同様だ。
誰もが頭では分かっている、人と人との関係性の常識を
物語でしっかり伝えているのは好感だった。
この常識は最近の社会では忘れかけられていると思う。

そして、物語に一貫して流れているのは、
「信じる」とは、どういうことかということ。
盾の勇者は、ほかの使い物にならない勇者たちと
共闘しなければならないことをフィロリアルの王から
課される。人を信じたり、託すことによって、
初めて未来が拓けることを示す。
{netabare}勇者たちには、それぞれ特殊能力が設定されており、
他の勇者のことを信じることで、
その能力を全員が使えるようになっている。{/netabare}
おそらく、この物語では、人が持たなければならない
いくつもの大切なものを身につけなければ、
「災厄の波」に対抗することができないのだろう。

物語全体としては「なろう系」らしく、
設定や物語の粗が散見され、
主人公以外の頭が悪すぎてイライラする。
タイトルもこの作品が内包するテーマとは
かけ離れていると思うし、失敗だと感じる。
おそらく編集者がつけたのだろう。
しかし、キャラが魅力的で、
やりたいことがはっきりしている。
最後に仲間に加わるのも、樹のチームから
追い出されたキャラということで徹底している。
作画は安定していて、顎のとがった造形が特徴。
美術面もなかなか興味深く、
ローマやマヤ文明の遺跡を参考にした
絵作りが好感だった。

別の異世界から訪れたグラスやラルク、
そして、勇者たち全員が
それぞれ別の世界の現代から召喚されたこと、
盾が抱える暗い秘密など、
気になる点はたくさんある。
2期と3期の制作が決定したということで、
続編を楽しみに待ちたい。
(2019年11月10日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

69.7 5 シリアスで嫉妬なアニメランキング5位
selector infected WIXOSS(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (898)
4465人が棚に入れました
都会に引っ越してきてから、友人もなくただ日々を特に不満もなく過ごしていた女子中学生「小湊るう子」。そんなるう子を気遣う祖母をみかねて、兄がるう子に買い与えたものは、中高生の男女を中心に人気のWIXOSS(ウィクロス)というカードゲームであった。渡されたカードゲームを開け、中に入っていたある1枚のカードを見ると、カードの中に描かれた少女が突然動き出した。不思議に思うるう子をよそに、その少女はるう子にバトルがしたいと言い続ける。その少女の事をタマと名付けつつ、不思議な事態に困惑している彼女の前に、るう子の事をセレクターと呼ぶ、同級生の紅林遊月からカードバトルを挑まれる。タマは一体何者なのか?セレクターとは?希望、願望、欲望。それぞれの想いを胸に少女たちは危険なゲームの渦に飲み込まれていく──

声優・キャラクター
加隈亜衣、久野美咲、佐倉綾音、茅野愛衣、赤﨑千夏、瀬戸麻沙美、小林裕介、川澄綾子、釘宮理恵
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

カードアニメですか?いいえ鬱アニメです!

あらすじ

巷ではカードゲーム「WIXOSS」が
女子中高生の間で人気となっていた。

しかし、実はその中でも特別な「ルリグカード」を持つ者は
「セレクター」と呼ばれ、普通の人間には気づかれないフィールドで
カードバトルを繰り広げている。
そのバトルに勝ち続ければその胸に秘めた願いを叶えることが出来る
「夢限少女」になれるという都市伝説が信じられていた。

転校して以降、なかなか友達ができなかった中学生・小湊るう子は
友達作りのきっかけにしようと
「WIXOSS」のカードデッキを兄からもらうが、
その中にあったカードの中のルリグが動き、
声を発したことに彼女は驚く。

直後、るう子は同期生の紅林遊月から
いきなりセレクターバトルを挑まれる。
るう子は「タマ」と名づけたルリグとともに、
セレクターとして戦いに身を投じることになる



感想

僕は最初友達にカードの方を
薦められて買って遊んでから
アニメを見始めました。

最初はカードアニメだと思い
見始めたんですが
どうやら違うようですw

カードでバトルするシーンは
ほぼカットでダイジェストでお送りされますしね


最初の方から
なんか怖い雰囲気出してましたが
途中から鬱展開来ましたね
どこか、まどマギみたいな雰囲気ですね

謎の核心に近づくにつれ
どんどん暗くなっていきますね・・・
ネタバレになるんで詳しく書きませんが
どんどん鬱になっていく・・・
しかし回を重ねる毎にシリアス展開になって面白い。
ストーリー展開は予想外の連続で、久しぶりに続きが気になる。

でもマジでこの戦いは
何の救いも無いですよね・・・
やるメリットが何も無いですし

そして可愛いキャラがどんどん
黒い方向へ進んでいくのも個人的には好み。
OPを見ればわかる通り、カードバトルの作画は悪くないし、
そこで行われる心理的な揺さぶりも楽しい。

今後半に入ってるが、
ラストに向けて期待は高まる一方。
分割2クールって聞きましたが
もう終わりそうだし
どうなるのか期待したいと思います

ストーリー・キャラ・作画・声優、どれも文句の付けようがない。
(特に敵役のイカれた女の子とか、佐倉綾音のキャラは良かった)
内容が内容だけにマイナー作品で終わりそうだが・・・
僕は個人的には好みですね!



そして最終話まで見ましたが
なんていう終わり方ですか!
ちょっと続きが気になりますよ!

分割2クールって聞いていたので
決着つかないかもと思ってたんですが
あんなことになるとは…

早く2期を見てみたいですね
予告ではあきらっきーも
映っていたみたいなので
出番に期待したいです
楽しみです

これからどうゆう風に
展開していくのか楽しみですね

でもこれは2期と
1セットっぽいですから
ちょっと評価しずらいですね・・・
まぁこれ単体でも充分面白かったので
良かったです




ここからは本編のアニメでは
まったく紹介されていない
WIXOSSのゲームルールを
説明してみようと思います

隠しておくので
見たい人だけ見てください

{netabare}
ルールを簡単にいうと
デュエルマスターズ7割と
ヴァンガード3割といった感じかな?
詳しくは下に記してあります

【WIXOSSの一番の特長】
カードの裏面が2種類!これが一番の特長ですね。


白い背面を持つのは【ルリグデッキ】
⇒ルリグ、またはアーツです。
 枠も白いです。

黒い背面を持つのは【メインデッキ】
⇒シグニ、またはスペルです。
 枠も黒いです。

 ルリグデッキは最大10枚で構築されます。
 デッキとは呼んでいますがこちらはドローをするものではなく、
「相手に見せず、自分だけがいつでも見ることができるカード」です。

メインデッキは丁度40枚
(うちライフバーストは必ず20枚)で
構築されます。
「ランダムでドローしていくデッキ」です。
ルリグデッキによる自由度と、メインデッキによる運要素を使いこなし、
勝利を目指しましょう。

【勝利条件】
相手のライフクロス7枚を削り、とどめをさせば勝利!

簡単に言うと、8回攻撃を通せば勝利ということですね。
ルリグやシグニで攻撃していく度に、ライフクロスは削られていきます。
無防備になったルリグに、直接攻撃を与えれば勝利となります。
削られた(クラッシュされた)ライフクロスのカードは
一度チェックゾーンでチェックし、
エナゾーンに置かれるのもポイントです。
チェックゾーンに置かれたカードにバーストマークがあれば、
その効果を発揮することができます。逆転要素がここに!



【ターンの進行でのポイント】
詳しいターンの流れは、クイックスタートガイドをぜひ見てください!
ここではポイントを絞ってご紹介いたします!

<アップフェイズ>
カードをすべて縦にします!WIXOSSではカードの縦をアップ、
横をダウンと呼びます。

<エナフェイズ>
カードを表向きにして、“手札”か“場に居るシグニ”をエナゾーンに置きます。 スキップすることも出来ます。



<グロウフェイズ>
このフェイズが、WIXOSSならではのフェイズです!
自分のルリグデッキから、次のレベルのルリグに重ねることが出来ます。
ただし、レベルが大きくなるにつれ、
グロウにはグロウコストと呼ばれるコストが必要になってきます。
ここで必要なのが先ほど置いたエナですね!
コストは対応する色のカードをエナから
トラッシュに置くことで支払えます。
現状ルリグはレベル4までを用意しています。


<メインフェイズ>
いろんなことが出来ます!特殊な動作を除けば基本は、
「シグニの配置(いわゆる召喚)」「スペル使用」「アーツ使用」です。

■シグニの配置
シグニ配置にはコストは要りません。
ルリグのレベル以下であれば色も関係なく3体まで場に出せます。
ただし、場のレベル上限がルリグのレベル下に書かれている
”リミット“以下でなくてはいけません!

レベル4のルリグでも、リミットは11なので、
最大4、4、3という出し方しか出来ないということですね。
ルリグ自身の能力が強いほど、リミットが低くなっています。

■スペル使用
手札からスペルを唱えられます。スペルは使い切りの呪文で、
書いてある通りの効果を実行できます。
コストは左上に記されており、払い方はグロウと同じです。

■アーツ使用
ルリグデッキから“メインフェイズ”と
書かれたアーツを使用することができます。
こちらも使いきりで、コストの支払い方もスペルと同様です。
アーツには現状3種のタイミング“メインフェイズ”と
“アタックフェイズ”と、“スペルカットイン”があります。
メインフェイズは自分のメインフェイズのみ、
アタックフェイズ、スペルカットインは
相手のターンにも使えるタイミングがあります。

ルリグとアーツが合計最大10枚なので、
グロウ先とアーツの組み合わせが重要となってきますね。
戦略によっては、ルリグはレベル2までにし、
アーツを7枚入れるなども可能です!


<アタックフェイズ>
このフェイズはシグニ、ルリグのアタックができます。
順番はシグニ(最大3体)、その後ルリグです。
なので、4回のアタックが基本可能ということです!
WIXOSSにおいて、アタックに損はありません!
(※プレイングによります!)

■シグニのアタック
シグニのアタックはルリグに対して行います。
目の前に相手のシグニが居なければ、
ダメージを与えられます(クラッシュ)。

相手のシグニがいた場合、そのシグニにアタックをします。
その際、パワーが相手以上なら勝利し、
相手をバニッシュ(エナゾーンに送る)できます。
パワーが低くても、自身がバニッシュされることはありません。
破壊じゃないですよ、バニッシュ(エナゾーンに送る)です!


■ルリグのアタック
ルリグのアタックは、相手のシグニの有無にかかわらず通ります。
ただし、その際アタックされた側が手札から“ガード”と書かれたカードをトラッシュにおけば、そのアタックを無効化されます。
シグニのアタックはガードで無効化できないので注意です!



■クラッシュについて(ライフクロスへのダメージ)
シグニの直接アタックや、ルリグからのアタックが
ガードが出来なかったらライフクロスがクラッシュされますが、
それらはチェックゾーンを経てエナゾーンに置かれます。

チェックゾーンに置いたときに先ほど説明していた
“ライフバースト”があれば、
そのバーストのテキストを使うことが出来ます!


エナゾーンに山札から1枚置く効果や
カードを引いたり、相手シグニをダウンしたり、
手札に戻させたりするものもあります!逆転要素もたっぷりです。
バニッシュされたシグニや、クラッシュされたライフクロスによって、
エナがどんどんたまっていきます!

<ターンエンド>
アタックフェイズで勝利条件である、
ライフクロス0の状態でのアタックを通すことがなければ、
相手のターンに移ります。

以上がWIXOSSのルールの概要です!
どのグロウ先を用意すればよいのか、アーツの使い方や、
どんなライフバーストを入れるのか、何枚ガードを入れればよいのか。
多色にするならどんな構築がよいのか。
 
WIXOSSには無限のデッキの組み方とプレイングが存在しますが、
まだ始まったばかりでカードもそこまで出ていない
(というか基本人気で売ってないです)のでこれから
是非、自分のお気に入りのルリグやシグニを見つけて
楽しんでもらえれば幸いです!
~ {/netabare}

どうですか?
これを読んでWIXOSSに
興味を持ってくれる人が
増えてくれると嬉しいのですが

僕はカードの方を先に知り
アニメを見始めましたが
カードもアニメもどちらも面白いと思います♪

片方しか知らないとしたら
もう片方にも興味を持っていただきたいですね!
カードもアニメもどちらも
もっと有名になってほしいですね~!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 98
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タイトルなし

ただのカードゲームアニメかと思いきや・・・^^

■第1話~第12話
{netabare}
カードバトルに勝ち続けると願いを叶えられる一方で
3回負けると・・・ってのがありましたが、
3回って結構キビシイですね。

その割に叶えられる願いも、ルリグによっては
イマイチだったり^^;

秋から2期始まるみたいですが、途中退場した
アキラッキーは再登場するんでしょうか。

ひっとえーも一時退場しましたが、復活したので
2期で活躍してくれるといいですね^^

OPの曲がかっこいいです♪
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 64
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

泥沼メソッド式「闇のゲーム」

制作はJ.C.STAFFのオリジナルアニメです。
ジャンルはダークファンタジー・TCGです。
全編シリアスなので、暗い話が苦手な方は注意です。


転校してから友達がいなかった中学生の小湊るう子は、友達作りのきっかけにと「WIXOSS」のカードデッキを兄からもらう。
「WIXOSS」は女子中高生の間で人気のカードゲーム。
「ルリグカード」を持つ「セレクター」は自分の願いをかけて戦い、勝てば「夢幻少女」になれる都市伝説が信じられていた。
るう子の貰ったデッキに「ルリグカード」が存在していたことで、彼女は「セレクター」として戦いに身を投じることになる…。


番宣CMの時点で物騒な雰囲気を醸し出していた一作。
個人的には今期で一番楽しめました。
暗い話が大好物っていうのも、影響していますがw
完全に販促のことを忘れているような作品でした。
でも、カードは売れているようなので不思議だね。


概要としては「少女が願いを叶えるために“大事なもの”を賭けて戦う、くら―いTCGファンタジー」。
いろいろと既存作品を複合した感は強いです。

美少女ダークファンタジー・契約の点は「魔法少女まどか☆マギカ」。
パートナーの存在・敗北の代償の点は「C - The Money of Soul and Possibility Control」。
TCGの点では「遊戯王」。
私が知る限りだとこのような感じ。

これらの作品と一線を画す点は「全編シリアス」ということでしょう。
「まどマギ」のような騙し討ちはない。
ギャグもほぼ皆無。
救いようがないほどの鬱展開で笑っちゃうレベル。
悪趣味といわれても何の反論もできないのですが、こういう作品が好きな層は一定層いるからね。(私です)


作画は萌え風のキャラデザと、やたらに写実的な背景の不思議なマッチング。
音楽はおどろおどろしさMAXのBGMと、エッジの効いたOP・ED。
雰囲気の作り方は抜群に上手く、ドロッとした空気感がたまらなく気持ちよかったですねw
話の引っ張り方も上手くて、ついつい見ちゃう。

俗にいう鬱アニメの醍醐味といえばキャラの葛藤。
願いを叶えるために戦うわけですが、人によっては「頑張れば何とかなる」という願いもあります。
ここら辺が悲劇を生むわけですが、ネタバレになっちゃうから言えませんねえ。
気になる方は視聴して確認してくださいw
二期も秋からやるのでね。


いろいろと伏線を引っ張る本作なので、メモ書き程度に気になった点を書いておきます。
オリジナルだから勝手に予想もしますw

○一話冒頭
{netabare}喋り方から考えて、るう子とタマが入れ替わっているっぽい。
これは「過去」の話なのか、それとも「未来」の話なのか。
「幼少期と性格が変わった」っていうのはチェンジしたからかと思ったけど、時系列が合いませんよね。
WIXOSSが流行り出したのは最近だと作中で明言していますし。
そうすると「未来」ってことになるけど、幼少期云々の伏線が放り投げられますねw{/netabare}

○花代(CV.川澄さん)
{netabare}彼女のみがWIXOSSの説明をしていますよね?
これが非常に厄介なんですよ。
だって、彼女は嘘ついている可能性が濃厚ですからw
ルールの全貌がわからん。
「記憶が消える」っていうのも多分嘘でしょ?
いや消えてはいますが、これは絶対条件ではないはず。
あきらっきーの記憶が消えてないもんね。{/netabare}

○植村一衣(CV.茅野さん)
{netabare}一度敗北し、友達が「出来なくなる」体になったはず。
でも「なぜ、同じ願いで戦っているの?」という疑問。
これも花代さんが言っていたことだから真偽不明だけど、どうにも一衣の願いは変わったようです。
つまり、記憶を取り戻し、「遊月と入れ替わる」という願いになったということですね。
だから問題なくバトル出来たと。{/netabare}

○浦添伊緒奈(CV.瀬戸さん)
{netabare}彼女は意味が分からないですねw
サイコレズってこと?
「戦闘狂のるう子と組んで“一生ばとるぅー”したい」ってこと?
それとも、元々るう子の体の宿主は伊緒奈ってこと?
ここは二期を見ないとわからんです。{/netabare}

○謎の少女(CV.種田さん)
{netabare}どう考えても話の核になってくる人物。
結局、彼女の目的はなんぞ?
あの空間はなんぞ?
ここら辺はちゃんと理由考えてなさそうだけどw{/netabare}


総括して、二期次第ですが現時点では十分に楽しめた作品でした。
とにかく、ただの販促アニメじゃないことは確か。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

66.7 6 シリアスで嫉妬なアニメランキング6位
selector spread WIXOSS(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (584)
2988人が棚に入れました
都会に引っ越してきてから、友人もなくただ日々を特に不満もなく過ごしていた女子中学生「小湊るう子」。
そんな「るう子」を気遣う祖母をみかねて、兄がるう子に買い与えたものは、中高生の男女を中心に人気のWIXOSS(ウィクロス)というカードゲームであった。
渡されたカードゲームを開け、中に入っていたある1枚のカードを見ると、カードの中に描かれた少女が突然動き出した。
不思議に思う「るう子」をよそに、その少女は「るう子」にバトルがしたいと言い続ける。その少女の事をタマと名付けつつ、
不思議な事態に困惑している彼女の前に、るう子の事をセレクターと呼ぶ、同級生の紅林遊月からカードバトルを挑まれる。
タマは一体何者なのか?セレクターとは?
希望、願望、欲望。それぞれの想いを胸に少女たちは危険なゲームの渦に飲み込まれていく──

声優・キャラクター
加隈亜衣、久野美咲、瀬戸麻沙美、佐倉綾音、茅野愛衣、赤﨑千夏、釘宮理恵、杜野まこ、新井里美、川澄綾子、小林裕介、石谷春貴、久保田民絵
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その結末は…

制作はJ.C.STAFFのオリジナルアニメです。
ジャンルはダークファンタジー・TCGです。
全編シリアスなので、暗い話が苦手な方は注意です。


一期「selector infected WIXOSS」のレビュー。
http://www.anikore.jp/review/896050/


販促する気が全くないTCGアニメの分割二期。
一期では少女たちの残酷な戦い、そして絶望するような終焉で幕を下ろしましたw
二期では全体的に漂う雰囲気はそのまま、セレクターバトルの真相と黒幕に迫っていきます。
終わり方に関してはかなり綺麗に終わっているので、その点では安心を。
「終わり良ければ全て良し」です。
でも途中はMPが削られるかもねw


相変わらず上手いと思ったのは「引き」と「BGM」。
とにかく吸引力のあるストーリー展開でぐいぐい引き込まれ、不気味な音楽が盛り上げる。
キャラクターの狂気性も一期でお腹いっぱいかと思いきや、ぶっ壊れ具合がヤバい方が何人かいらっしゃいましたw

みんな大好き、あきらっきー。
前半は彼女の挙動を見ているだけで楽しかったですねw
ヤンデレの処理には注意を払わないといけませんよ…。
あと、たま。
彼女の曇った表情は、こう、加虐心をね、うんw



本作に苦言を呈するならば二点です。

一点目はストーリー構成。
本作は見ればわかりますけれど「点」では予想以上に面白い。
一話一話の面白さは素晴らしいと思うのですよ。
でも、「線」として見るとどうか、ということ。
徐々に設定が明らかになってストーリー自体が面白い、という感じではないのですよね。
本筋と関係ない所の方が面白い。
そういう回が多いから、終盤に怒涛の超展開になる。
でも、超展開になった割に最終回は綺麗にまとめていますからね。
{netabare}ご都合気味だけれども「みんな復活してよかったなあ~」って思えましたし。
るうるう・たま・ユキ、三人の百合感も当方は大満足ですよw{/netabare}

二点目は伏線。
{netabare}一番気になったのは「幼少期のるう子」ですね。
「何考えているか分からない」とかいうやつです。
この伏線はるう子が実は特別な存在だったことを表すのに、大変有用な伏線だったと思うのですが…。
放り投げられましたw
るう子はちょっと内気で優しい、普通の女の子でしたw{/netabare}


総括して、私は今期の主軸として十分に楽しめました。
物語面ではそこまで高評価は出来ないのですけれどもw

どうでもいいですが、やっぱりカードはバカ売れみたいです。
なにが販促になるか、全く分からんな。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

シリアスな雰囲気を醸し出しただけで終わった作品

作画や演出はずっと良かったと思います。
しかし肝心のストーリーが色々と破綻していたのと、登場キャラクターひとりひとりへの感情移入が余り出来なかった(何気ない日常シーンの描写などが少なかったから?)のとで、当初の期待よりもだいぶ低い個人的評価となってしまいました。

決して面白くない作品ではなかったんですけどね(第1期の第8話まではかなり面白かった記憶がある・・・)。
ただ、シリアスな雰囲気をひたすら漂わせたものの、結局終わってみると中身が空っぽだった印象だけが残ってしまい、ちょっと残念。

心優しい少女たちが徐々に精神的に追い詰められていってしまう「まどマギ」的な作風のアニメだと本作と同時期に放送中の『結城友奈は勇者である』の方がずっとお勧めです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

selector spread WIXOSSの雑感。

そもそも本作を観始めた当初、本作に期待していたことは、
物語の全容が明らかになったときに
「なるほど!そういうことだったのか!」という謎解きのカタルシス
だったんですけど、これはもう1期終了時点で諦めていました。

なんでかというと脚本が岡田麿里さんだからですw
この理由だと最初から期待してなかったみたいに聞こえますけど、
最初の方は期待していましたよ!w
けれども、設定の整合性だったりは1期の頃から破綻気味でしたし、
私がいくつか抱いた「何故?」という問いに対しても
「想いの力がなせる技」とかそんな答えが返ってくるんだろうなと
たかをくくっていました。

岡田麿里さんは「男子が本当の女子のことを知ったら多分引くと思うよ」
というようなドロっとした生々しい女性の感情だったり、
その感情的なやり取りだったりの描写はすごく上手いと思いますが、
理屈の構築についてはまるで期待できないという
イメージがすでに私の中で定着しておりまして・・・
なので私は2期である本作は、
伊緒奈の体を持ったウリスに対するアキラブリーの百合っぷりを楽しんだり、
アキラブリーの病みっぷりに期待したり、
ルリグとなったイオナの「こんなはずじゃなかった」感を堪能したりと
そういう楽しみ方をしていましたw
あとは「私の中に入ってくるぅぅ」みたいな狙ったようなエロい台詞とかねw

1期、2期と通して言えるのはアキラブリーを眺めているのが
一番楽しいということですw

ストーリーの本筋に関しては
なんとなく予想した通りになんとなく進行していっただけなんですけど、
すでに考察する気力もやる気もない状態だったので、なんとなく楽しんでいました。

なんか酷評みたいになってますけど、普通におもしろかったですよ。
ラストも良かったですし、終わりよければ的な感じでいいんじゃないですかね。
まぁおススメですと言うつもりは毛頭ないですけどね。

「魔法少女まどか★マギカ」の幻影を追って
期待値を上げ過ぎた方にとっては少々残念な出来だったかもしれませんが、
「WIXOSS -ウィクロス-」の販売促進という点で言えば100点の出来だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

79.8 7 シリアスで嫉妬なアニメランキング7位
荒ぶる季節の乙女どもよ。(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (606)
2265人が棚に入れました
あなたの“はじめて"を、わたしにください――。高校の文芸部に所属する小野寺和紗たち女子5人。「死ぬ前にしたいこと」という話題で沸いたある日、部員の一人が投じたある一言……。その瞬間から、彼女たちは“性"に振り回され始める。

声優・キャラクター
河野ひより、安済知佳、麻倉もも、黒沢ともよ、上坂すみれ、土屋神葉、福山潤、広瀬裕也、咲野俊介、戸松遥、花江夏樹
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

純潔の染まる色

アニメーション制作:Lay-duce
監督:安藤真裕、塚田拓郎、
原作・脚本:岡田麿里、音楽:櫻井美希
キャラクターデザイン・総作画監督:石井かおり、

少年少女たちの心をざわつかせる季節。
思春期特有の性的な悩みや思考を、
文芸部に所属する5人の女子高生の視点を通して
鮮やかに切り取ってみせた岡田麿里作品。

一人ひとりのキャラクターの心情を
女性脚本家らしい視点で論理的に解き明かしていく。
繊細な心理描写のリアリティは、
真似のできないオリジナリティがある。

昔は岡田麿里作品といっても、どこかぼんやりとした
「キャラに寄り添った作風」くらいに考えている人が
私も含めて多かったと思うが、自叙伝の出版によって、
作風の裏にある独自性の由来が明らかになったことで、
より作品が理解しやすくなったかもしれない。

岡田麿里の脚本は、徹底的な「他者に対する視線」と
でも言うべきものから成り立っている。
言わば、最近ブームの「なろう系」とは対極にある。
「他者」を客観視しながらも、集団のなかにあるときの
思考や交わりを丁寧に描くことで、アニメの世界にあっても
圧倒的なリアリティを感じさせる。
それは、小学生時代に「他者」になろうとした
経験によって形作られたもので、脚本家としての彼女の
原点のひとつなのだろう。

前置きが長くなったが、この作品もそういう岡田麿里の
視線が随所に感じられる。
しかも、アニメのためというよりは、
漫画原作がスタートだったため、最初から最後まで
しっかりと構成された物語となっており、
完成度は抜群に高い。
私にとっての岡田麿里作品は、細部はとても面白いのだが、
最後の締めになると、いつも何か物足りなさを感じさせたが、
今作は、ラストまでとても上手くまとめられている。

いちばんの特徴は女子高生5人全員が大人に向かって
変化する心の動きをつぶさに見せている点だろうか。
ストーリーの中心は小野寺和沙が「男子」を
受け入れられないと感じつつ苦悩し、最後にはその感情が
変化するというもの。そんななかで5人全員の
心の動きを追いながら、感情の変化を視聴者に
しっかり見せている。

例えば、文芸部部長の曽根崎り香が恋をしたことで、
眼鏡を外して、男に対する考え方が大きく変わるところや、
菅原新菜が大人ぶりながらも徐々に本心を表現していく
過程をコミカルにしかも丁寧に見せてくれる。
心の変化の機微をしっかりと描いている。

{netabare}キャンプファイヤーの影踏み、
り香に対する天城のレポート、
百々子の男を嫌いになる過程、
新菜の歪んだ感情と素直な感情、
ひと葉の野望から生まれた恋、
和沙の恋と友情の間で揺れる思い。{/netabare}
女子高生たちの心模様を実に上手く表現している。

{netabare}り香の退学を撤回させるために起こした
文芸部たちの人質立てこもり事件。{/netabare}
和沙たちは、自分たちが「青」の世界に
いることに気づく。
そこは、心地良いものだった。
「青」の中にいる少女たちは、大人になるために
自らの色を求めて必死に生きる。
時が過ぎ、環境が大きく変化したとしても、
彼女たちがこの季節を忘れることはないだろう。
(2019年11月3日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 81
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人生で最もへたくそな時期に捧ぐ

岡田麿里氏が原作から絡んで脚本やって、な作品。原作は未読です。

タイトルからして生々しく、しかも思春期男女(特に女)の心理描写には定評のある岡田氏の作品。

「岡田作品は苦手だけど荒乙は面白い」との推薦を複数いただいてて、楽しみにしてました。


作品自体は思春期の“性”をテーマに、右往左往する文芸部の女子高生5名が各々の答えらしきものを見つけるまでを追った青春群像劇です。

 吾輩は○○である 名前はまだない

整理しきれぬ名付けもできぬ感情は存在し、その多くは経験の蓄積によって落とし所が見つかるもの。

青春群像劇では私たちがかつて通過してきたであろう感情や衝動なりを作品の中に見つけて、自分の思考パターンや嗜好のルーツとなった立ち位置を確認する作業でもあります。
高校を卒業すれば進路はバラバラ。得られる経験も分岐して汎用性に乏しいことが、高校卒業以降を追った作品が少ない理由なのかもしれません。

そして汎用性があるようなないような題材が今回のテーマ。
“性”に対する考え方は個人によって差が相当あるもの。

そんな本人にしかわかり得ぬ感情。いや本人でさえわからない感情について同じようにバラバラだろう相手の感情とを擦り合わせる難儀なことを人生で初めてする作業が思春期世代の恋なんだと思います。

個人差があるのは当然で、ひとつの事象とっても男女で考え方も捉え方も違うことを想像できなかったり、違いはあると自覚しても何がなんなのか袋小路に迷い込んだり。
例えばこの連載は別冊マガジンですが『別マ』と言われて男子は『マガジン』を女子は『マーガレット』を想像し、お互いの前提がずれてる中言葉のキャッチボールを交わしてるうちに悶々としてしまう。
ほんの少し先になれば『マガジン』も『マーガレット』もあるって気づくものです。それがなかなかそうはならないもどかしさを作品で表現することは難儀なことでしょう。


前置き長くなりましたが、つまり、

 これまで数多語られてきたけどまとめられんのかいな?

好きだ惚れたから一層も二層も踏み込んで、本来同じカテゴリーなのにあえて切り離すことで物語を作りやすくしていた“性”なるものに焦点を当てちゃった本作。
個人差が激しいネタについて、きっとそんな時期を通過したであろう私たちにリアルな質感をもって届けてくれるかに着目したわけであります。

結果、文芸部員5名それぞれに異なる立ち位置を与え、かつそれぞれに対となるパートナーをあてがい、パズルのピースをはめていくようなストーリーに仕上がっていました。男はあくまで彼女たちを輝かせるための舞台装置。主役はあくまで乙女たちです。
よくパズル組めたな~。率直な感想です。一覧は以下。当然1対1とは限らないのですが詳細は本編参照。


【文芸部員】
小野寺和紗(CV河野ひより)
菅原新菜(CV安済知佳)
曾根崎り香(CV上坂すみれ)
須藤百々子(CV麻倉もも)
本郷ひと葉(CV黒沢ともよ)

【パートナー(仮)】
典元泉(CV土屋神葉):{netabare}対和沙要員{/netabare}
天城駿(CV広瀬裕也):{netabare}対曾根崎先輩要員{/netabare}
山岸知明(CV福山潤):{netabare}対本郷先輩要員{/netabare}
三枝久(CV 咲野俊介):{netabare}対菅原氏要員{/netabare}
杉本悟(CV花江夏樹):{netabare}対もーちん要員{/netabare}


実のところパズルが組み立てられた時点でおおむね満足しています。いいもの見せてもらいました。
リアルな質感があったかどうかは個人差によるものはあるでしょう。具体的にはこんなところが良かったなぁと私が思ったところは以下、


■OPを飛ばしちゃダメ

曲中に文芸部員たちの独白みたいな合いの手が入るわけですが、全OP一定ではなく変わっていきます。
作品世界をよく表したOPなので飛ばすのももったいないのもありーの、その回冒頭から集中を促す効果がありました。


■結局全員荒ぶる

キャラの掘り下げが全員できてたという意味ではなく、5名ともきちんと荒ぶってました。


■ざわつく

岡田脚本の特色なのか、円満にしときゃいーのにそれ要るかな?ってネタを挟んでおり、またそれがリアルな質感がありました。
安心安全なピュアピュアな恋愛を期待するのも野暮というほどさらりと毒を盛り込んできます。

{netabare}・部長の彼氏がちゃっかり前カノのおっぱい揉んでる事実
 ⇒経験者じゃないと曾根崎先輩を攻略する前に心が折れてたかもしれないという仮説
・あの杉本が女を連れている(最終話ED)
 ⇒地獄へ落ちろ!との視聴者の期待を嘲笑うかのようにしっかりキープ。なんだかんだ動く奴は強い
・本郷ちゃんが報われない
 ⇒いい子なのにね{/netabare}



最初はインパクトのある下ネタという飛び道具を織り交ぜながら、「おいおい大丈夫かよ」とくぎ付けになり、適度に乙女たちが荒ぶりながら最後の最後でぶつかり合ってという青春ど真ん中をいく良作でした。
端的に言えば序盤から終盤{netabare}10話{/netabare}までのわりと緻密な展開と打って変わっての後半の勢い。
慌てて畳んだ感が無くもないと言えますが、ここは『荒ぶる』感が出ていたと好意的に解釈してます。
{netabare}もう2話時点で和沙が自分の気持ちに気づくとか、5話で最も縁遠そうな部長がくっつくとか、その後どうするの?を長めに取る構成は良かったです。{/netabare}

個人差ありまくりの“性”の捉え方に関して、本作でのそれについてはノーコメント。
ただしきっと、登場キャラのうちに「あ、これ私だ!僕だ!」な子だったり言動行動が見つかるのではないか?と思えるほど網羅性は高いように見えますね。
現在進行形の方はがっつり共感して。はるか彼方の御仁は軽くキュン死しながら悶え狂いましょう。私も悶えました。おすすめです。




※ネタバレ所感

■パズルのピースについて
ほうぼう荒ぶっておきながらしっかり着地できたのって、主演女優5名と対になった野郎どもとが似たもの同士だったからではないかと思います。

・和沙VS泉
 {netabare}上半身と下半身が別の生き物同士

最終回でお互い似たもの同士だよねと分かり易く描かれてました。典型的な思春期のアンバランスさを体現した二人で主役にふさわしかったと思います。

{netabare}「泉。私ね。これからも不安になると思う。でも泉と同じ気持ちと同じ言葉、私はちゃんと持ってるんだって!分かったから…不安になっても、それを思い出せば…きっと大丈夫」{/netabare}
このセリフを言えたからこその主役でしょう。不安になると言葉に出せた時に大きな成長を感じました。{/netabare}


・曾根崎先輩VS天城
 {netabare}素直な者同士

お互い耐性ないので基本ちょろいです。考えてるようで実はそうではありません。よく言えば真面目で一途といったところでしょうか。浮気は絶対許しません。{/netabare}


・本郷ちゃんVSミロ
 {netabare}言葉先行で行動に移れない者同士

若さゆえに本郷ちゃん頑張りますが失敗重ねてるうちにそのうち諦観しそう。ミロ(三枝先生)がそのなれの果てかしら。言い訳先行でまたそれがもっともらしく聞こえるタイプ。
そんな本郷ちゃんが最も荒ぶってるように見えるというのが“荒ぶる季節”のアンバランスさを表わしてるようで心地よいです。{/netabare}


・菅原氏VS三枝
 {netabare}持てる者かつ特殊フェチ同士

周囲から羨ましがられてます。周囲からの見られ方と自身の嗜好にギャップがあるのが悩みどころ。医者や高級官僚がSMにハマるみたいな倒錯性を感じます。ちがう?{/netabare}


・もーちんVS杉本
 {netabare}相手が見えてないもの同士

自己中とも言います。杉本は言うに及ばず、もーちんもなかなかの猛者です。「なんで自分の思うとおり動いてくれないんだろう?」が先にあると恨みつらみが積み重なっちゃいますよね。{/netabare}



合ってるかどうかは知りませぬ。それは違うさーというのも笑いながらツッコんでみてください。



最後に、、、
なんだかんだ本郷先輩の今後が気になるところです。

{netabare}「止まらない電車に乗っちゃったんですよ我々は!」
ブルーハーツの伏線回収お疲れ様でした。{/netabare}

{netabare}あと真っ白になったと言い残して燃え尽きてましたが息してますよね?
自分で蒔いて自ら回収とはさすがです。

ぜったい素敵な女性になっておくれよー(^_^)/~{/netabare}



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.09.28 初稿
2020.04.10 タイトル修正/修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

揺れる思い、荒ぶる乙女心

原作 岡田麿里・漫画 絵本奈央。

文芸部に所属する女子高生が、
思春期特有の「性」の悩みに振り回される。
お年頃な乙女たちの青春群像コメディ。

大胆で繊細なテーマですが、
コメディタッチで描かれているため嫌味がない。
小さな共感とクスッと笑える展開が、
どこかにきっとあるだろうと思います。

4話視聴追記。
時代錯誤的に誇張された表現が微笑ましいと、
お気楽に見ていたのですが、
少女たちのあるべき葛藤が群像的に顕在化し、
ちょっと待てと…襟を正し始める。
{netabare}通過儀礼により失くしたものを問いただし、
失ったものの賞味期限を確かめているようだ。{/netabare}

これはただのコメディではなかった。

11話視聴追記。
揺れる思い、荒ぶる乙女心。
終幕に向け大きく動き始める青春群像。
{netabare}現状を維持するための行為が、
むしろ現状を理想から遠ざけてしまう。{/netabare}
青春のもどかしさが上手く表現されている。

最終話視聴追記。
新しく芽生える感情、
まだ名前も知らないその感情に、
振り回されては抗する乙女たちの純情。
全てに不器用だった私たちの青春と共鳴し、
様々な素敵な色を見せてくれる。
最後の台詞までセンスがあり楽しめました。

素敵な恋の季節の物語でしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 71

75.3 8 シリアスで嫉妬なアニメランキング8位
ドメスティックな彼女(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (473)
2044人が棚に入れました
幼いころに母を亡くした高校生・藤井夏生は、高校の教師・橘陽菜へ密かに想いを寄せていた。叶わぬ想いと心の中へ押し込み、ふと誘われた合コンに参加した夏生は、そこで出会った橘瑠衣と、なりゆきで初体験をしてしまう。そんなとき、父が再婚することに。父の再婚相手と一緒に夏生の目の前に現れたのは、なんと陽菜と瑠衣だった……。ひとつ屋根の下で暮らすことになった3人の、ピュアで禁断過激な三角関係がスタートする。

声優・キャラクター
内田真礼、日笠陽子、八代拓、佳村はるか、小原好美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

昼ドラ好きでしょ?ほらほら認めちゃいなさいよ

原作既読


実は今期(2019年冬クール)で一番の期待株。ドロドロした恋愛ものを安定供給する週刊少年マガジンから旬な作品が届きました。
原作は20巻超え(2019年4月現在)で完結してませんので、区切りいいところで切り上げてくれりゃいいやと広い心で待機です。

高校生ナツオ♂くんは同じ学校の新任教師ヒナ♀先生に密かに恋心を抱いてる。
高校生ナツオ♂くんがその日合ったばかりの子ルイ♀と成り行きでヤっちゃう。
高校生ナツオ♂くんの父親が再婚相手として連れてきた相方さんの連れ子姉妹がヒナ♀とルイ♀でした。
かくして家族になった3人が平穏無事なわけもなく・・・ 

家庭内(ドメスティック)の彼女さんということで、どう転んでもドロドロの愛憎劇待ったなしの状況です。
恋愛ものは心情描写が肝だったりしますが、そこらへんはどうなんですかね。ある程度リアリティを担保しとけば残りは、

 荒唐無稽な設定に全力で踊るキャラ達

を堪能する。身も蓋もない言い方すれば、

 {netabare}昼ドラ act by 高校生{/netabare}

を満喫する。の心持ちで臨めばイケると思います。殺人なしの火サスと置き換えてもいいかもしれません。船越英〇郎氏の出番です。そこに元妻共演するくらいにとろみのある仕上がりでした。
渋谷・恵比寿を背景に椎名林檎リスペクト系と勝手に私が思い込んでいるOPが昼ドラ感に拍車をかけます。
{netabare}あのスクランブル交差点の真ん中でピアノを弾いてる唇が色っぽい女性はいったい誰だったんでしょう?{/netabare}


原作の一巻からわりと忠実に作られてたのは好感でした。
出合う女性けっこうな確率で主人公♂に好意を寄せる展開をハーレムと捉えるかはご自由に。繰り返しになりますが、昼ドラを高校舞台にやっちゃうところが面白い作品です。
ただし視聴者ウケはどうなんでしょうか?
{netabare}・主人公がどっちつかずで優柔なだけじゃん
・ヒナ生徒に手を出しちゃだめでしょ
・ルイ一緒に風呂入るとかエロ見せたいだけじゃね?
・シュウさん不倫野郎がなにいい人ぶってんだよ
・モモただのヤリ〇ンじゃねーか{/netabare}
一人くらいは「こいつダメ」と自分に合わないキャラ・不快なキャラを見つけられるのではないかと思います。
リアタイでのそこそこボロクソなつぶやきも肴にしながら全12話完走しました。私は満足してます。

不満があるとすれば、もっと“内面のドロドロとした心情描写”を期待してたこと。そこは原作よりパワーダウンしたかしら。
そのくらいで、『ただのエロ』ではない “どうしようもできない自己矛盾の言動” は描かれてたと思います。恋って愚かで素敵です。


■評価する理由
処女性を尊ぶアニメが多いのでたまにはこういうのもいいよね、が一点。
行動の不整合は「だってリアルだとそんなもんじゃん」を評価する、が一点。
設定は荒唐無稽な感じがしますのでフィクションと俯瞰して見ることができます。コッテコテの修羅場はノゾキ趣味に最適。艶っぽい描写もあるので下世話な視線で視聴するのも悪くないですが、描かれている人間は等身大です。

あり得ない行動にも背景がある
なんでそんなこと言っちゃうの?には心情が見える

「はあ?なんでそうなっちゃうわけ?」
キャラがおかしい言動をした時にその前後関係や人物相関で見えてくる部分はけっこうありました。こう見えて「惹かれる」「抑制する」「嫉妬する」「我慢できない」「傷つく」が丁寧に描かれた良作だと思います。



■ウケないキャラ造形
主要キャラだと、文芸部長の葦原美雨(CV小原好美)と夏生幼馴染の栗本文哉(CV江口拓也)くらいじゃないでしょうか。
藤井夏生(CV八代拓)、橘瑠衣(CV内田真礼)、橘陽菜(CV日笠陽子)、柏原もも(CV佳村はるか)らは済ませるものは済ませてます。

{netabare}「知ってる人は知らない人を見下すようなこと言うじゃん?」1話ルイ{/netabare}
{netabare}ルイが誘ったのもナツオが受けたのも元はと言えばヒナの煽りでした。二人が背伸びする気持ちわかるでしょう。{/netabare}

スタートラインに立ってからの物語です。済ませるもん済ませてるからこそ理性と欲望の揺れ動きに説得力が出てくる。
表面上のエロい部分は童〇ホイホイの側面があるし、一方で〇貞は直視できない男女のどうしようもなさの側面もあったり、パラドックスを抱えてたんじゃないかと思います。そういう背景もあって葦原さん、文哉、アレックスが安パイの憩い役として貴重な存在でした。


■ご都合展開カモン
気になったのはこれくらい
{netabare}・墓石に「南無阿弥陀仏」(笑) 原作では「藤井家」だったような気がするが。
・ヒナが一人ナニしてるのを目撃した翌朝。ヒナの左手のズームに顔を赤らめるナツオだが、そこは右手でだったような。
・修学旅行中なんだしカーテン閉めようよ。いや花火見ながらの魅力には敵わなかったか、無念。{/netabare}


■ラストはけっこう好き
ありきたりですが。
{netabare}絶望を創作に繋げ、魂削って小説を仕上げるのっていいですね。やっとナツオがひと皮むけた気がする。{/netabare}
{netabare}振り返ると最初の小説読んだヒナはナツオの想いに触れナツオに傾いてくし、ルイはナツオのヒナへの想いに打ちひしがれる。作品の重要箇所に小説あり。{/netabare}


愛憎劇昼ドラ系アニメって他にあるのかな?
ピュアっピュアなものの合間に箸休めで鑑賞したくなる作品でした。



※オマケ
その1 流されない男子は素直に尊敬します
{netabare}ナツオの理性の防波堤。モモの家で踏みとどまったのは偉いというか凄いな。{/netabare}

その2 脚本に渡航さん
{netabare}5.7.9話を担当されてたようです。回毎どうこうというよりもキャストに江口拓也さんがいる時点でもうねww 
祝!俺ガイル3期決定!{/netabare}



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2019.09.16追記


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


2019.04.06 初稿
2019.09.16 追記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「少年漫画誌掲載でそこまでやりますか」的な、流石の流石景原作アニメ。

略称:「ドメカノ」。原作は「週刊少年マガジン」掲載で、2019年1月現在だとコミック単行本は21巻まで出ています。

原作未読で第1話冒頭をみると「???」な疑問符だらけの流れで本作品は始まります。少年漫画誌掲載作品では暗黙の禁忌とされているっぽい、現役高校生と現役教師の恋愛も扱う異色作品となっています。

本作品のポイントのひとつは主人公の藤井夏生(ふじい なつお)とヒロインである姉妹の橘陽菜(たちばな ひな)、橘瑠衣(たちばな るい)の一般的に見れば非常識な行動、そして夏生の父親である昭人(あきひと)や姉妹の母親である都樹子(つきこ)の倫理観とのギャップでありましょう。
(親世代目線で子供たちの行動を考えると、いろいろと頭おかしい作品です。)

おそらく今回のアニメ化範囲には含まれないであろう21巻の半ばくらいで、主人公の藤井夏生(ふじい なつお)はある女の子から「そんなの… そんなの不潔よー!!」と言い放たれていますが、実際夏生くんの行動遍歴をかいつまんで考えるとそう言われても仕方がない主人公なのであります(笑)。

本作品は、一応は「ハーレムラブコメ」になるんでしょうか。でも場面としてのコミカルな要素はあっても、ストーリー的にあまり「コメディ」要素は無いような気もするんですよね。

ナツオ視点で視ると特に序盤は少年漫画、中盤以降あるいはヒナ姉視点で視ると青年漫画っぽくもあり、ルイ視点で視ると少女漫画っぽくもあるハイブリッド作品と言えるかもしれません。

このレビューを書いている時点(第3話まで放送)では、原作コミックスでいうと2巻の冒頭1/5くらいのところまで進んでいる感じですね。ストーリーはこの第3話までほぼ原作準拠と考えて良いと思います。このアニメ化で原作をどこまで消化するかは不明ですが、おそらくは原作8巻あたりの区切りがよさそうなところで適当に終わるのではないかと思います。

なお、巷ではクズだのゲスいだの言われている気がする主人公の夏生くんですが、実は私は嫌いではないです。

というか、ストーリー自体を俯瞰してみるとそのように言われても仕方がないとは思うのですが、彼自身はきちんとモテ要素を備えているとは思います。

余談:
原作者の流石景先生は、同じく週刊少年マガジン連載作品を描いている瀬尾公治先生と並んで「少年漫画誌であるマガジンでメロドラマ的なドロドロの恋愛マンガを描く」という流れを担っておられる漫画家であります。

奇しくもお二人ともマガジン本誌で「袋とじ企画」として本編コミックス単行本には含まれないエロシーンを含む漫画を複数回掲載したという共通点がありますね。

余談その2:
原作は序盤が終わると以降は意外と「出版業界マンガ」でもあったりしますが、アニメの尺ではその辺はあまり描かれずにスルーされるような気もします。

2019.2.2追記:
第4話にて、原作でも笑ってしまった「あんパンと牛乳」がアニメでも再現されました。当事者が直接対面してしまうという意味では、実は意外にもドメカノ初の修羅場回。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。

原作でいうと7巻までのエピソードを消化して、アニメの最終回をうまくまとめるために8巻からエピソードを拾ったという感じでしょうか。

たぶん続編は作られないとは思うのですが、この終わり方なら作ることになっても今回出さなかったキャラについて適当な登場エピソードを設けて、うまく軌道修正はできると思います。1クール作品としてはうまく纏めたのではないでしょうか。

ちなみに私は瑠衣派か陽菜派かでいうと、陽菜派です。(← たぶん少数派)
もしかしたら、私はけっこうダメ人間が好きかもしれません…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

そのままゴール!!!ゴラッソォォォ!!!アニメ化も決まったぁぁ!!!

事前情報ほとんどなしで視聴

お話のざっくり概要
合コンで中抜け誘われてほいほいついてったら
「ここで私とHしてくんない」
いきなりの事後から始まる物語。そして二人は家族になる…
そんな感じ

開幕から飛ばしてる作品っすねw ブラつける所、妙にリアルでエロかった
タイトル名から察するに義姉、義妹と
すったもんだの末、最終的にどちらかと付き合う流れなのかなー。

ひなちゃんの方が好み。日笠のくせにかわいいとは生意気だ(ビクンビクン)
でも{netabare}あんなに大量にビール飲んでたら将来絶対デ…おっとこれ以上いけない、"わがままボディ"になってしまうと思うから{/netabare}将来性は、るいちゃんの方が良いかと。

登場人物について一話時点での感想
{netabare}
なつお…なんか小説書いてるのかな?なろう系なんかな?
ひな……泣いてたし、絶対付き合ってる彼氏に何かトラブルが出てるんだろうと思った。
るい……大人になりたいって言ってたのは、母親かひなに関連してるんじゃないかな
父親……いや相談の来週に中古家買うって、ちょっと息子の事ないがしろにしすぎなんじゃ…
母親……なんか元夫の文句ばかり言ってたってフラグ立ててたから、元夫が登場する流れかな?
メガネ…名前わかんないけど、たぶん説明役だね。ご愁傷様。君は一生女性に縁がないよw

性描写あるくせになんか淡泊な表現なのよね。
まぁその方が逆にエロく感じる不思議w
{/netabare}

2話感想
{netabare}
なつお…意外にめんどう見は良いっぽい。天パが悩みらしい。
ひな……なんかこじれてるっぽいね。相手の浮気とかかな?
るい……ぼったくりバーのキャバ嬢。お風呂一緒ってどんだけ自分の体に自信あるんだw
父母……なんでチャイム鳴らしてんの?23時なんだし鍵開けて入って来いよwおかしいでしょw

合コン抜けてヤってたのは友人連中にそのうちバレるんじゃないかなー
一緒に暮らしてるのもそのうちバレそうw
{/netabare}
3話感想
{netabare}
なつお…先週も思ったけど、ショートコントの才能あるよ。小説家やめて俳優なろうw
ひな……やっぱ不倫だったか。なんかそんな気はしてた。なんかその内、なつおとヤりそう…
るい……先週気づかなかった、玄関ではスリッパ脱いで。パジャマ姿かわいいけどくつろぎ過ぎぃw
メガネ…すげーいい奴。こんな出来た友達いないぞ。妄想では美化しすぎだけど、中身は確かに良い。
父母……あんたらギャグ要員なん?
津田……味のあるオカマ?インパクトあるw なんかオカルティックナイン思い出したw

メガネ家族すげー遺伝子だな。家族全員いい人。
あんなうざい友達の悩み相談に真剣に付き合ってやって、且つ家にも泊めてやるなんて
おいらだったら、女連れ込んだ時点で叩き帰すけどなーw
{/netabare}
4話感想
{netabare}
なつお…小説家ってやっぱなろうなのかな?問いただす時の言葉がかなり稚拙に感じた。
ひな……るいなつおの行動に感化されたんじゃなく、流れで別れてそうだからもう一波乱ありそ
るい……ナニコレ昼ドラみたいw 普段は表に出さないだけで感情の起伏が激しい娘なのね
しゅう…ゲスの極み的なすっごいクズ男。頑張って卒論書くからヨリ戻そうとか言ってきそう
津田……修羅場の見れる喫茶店www 商魂たくましすぎぃ! いくら払えば行けますか?
それにしてもナポリタンうまそうね。
{/netabare}
5話感想
{netabare}
なつお…あの状態から我慢するなんて、やるやん。もっと流されるダメ男かと思ってたから見直した。
るい……誰と付き合うかは私が決めるってスタイルかっこいい。なつおにも見習って欲しい
もも……すごい人数www 肉食系にもほどがある。ただかなり不安定な精神なのかも?

看病部分で理解不能な出来事が起こりました。
{netabare}
ヒロインが風邪で倒れる →ごく普通のイベント
それを主人公が看病する →定番だよね
なぜかその日に限って他の家族の帰りが遅い →よくあるよね
着替え&体拭くから手伝って →まぁここまでは良くあるパターンなので理解できる
{netabare}
座薬入れる → 理解不能wwwww 予想の斜め上どころか遥か上空の大気圏レベル
{/netabare}

なんだろう…んーと、とりあえず普通の予想は超えてくる作品だとはわかりました。
{/netabare}
{/netabare}

ギャグとしては面白いけど、恋愛ものとしてはまだいまいちわかんない。
まぁメインの3人も、今自分の気持ちが見えてない状態で、
新キャラのももが気づかせてくれる存在になるのかなと
細かい感情の動きよりは、インパクト重視な点が週刊連載物っぽいですね。
多分、次のページめくった時のインパクトとかを重視してるのかなと…
これが少年誌って事に戦慄を覚えますけどw

~8話まで
{netabare}
予想が外れて、ももはあんまり絡んでこない…

くずお…こんなやつもう名前で呼ぶ価値無し。絶対コイツ二股するよ!(断言)
るい……掌クルックルしちゃうけど、かわいいっすw正直ひなより好きになったw
ひな……ちょっと素直なった。一人暮らし始めたら、くずおとズブズブな関係なる
津田……キャーふんどし!サイコー!素敵☆ このアニメのメガネとの双璧の良心♪
{/netabare}
やっぱマスター出てくるとギャグとして面白いわぁー マスター観たいから観てるまであるw

~10話まで
{netabare}
浮気現場抑えられるの図
やっぱ、くずおだった。るいを泣かせるんじゃねー!グーパンものですぞ。

くずお…嘘ばれた際にさらにさらっと嘘重ねるこれぞくずおの鏡。そもそも嘘つくなら根回ししとこ。
るい……やっべ超かわいいです。メガネが「くずおなんかやめてさっさと俺と付き合えって」行くしか
ひな……食事の合間にキスするってどんだけー。なんか学校でもしてるし。バレる予感しかしない…

んー、そうだなぁ、るい、ひなは男を見る目が無い。
(母親も元夫はひどいやつだったらしいし、遺伝なのか?)
メガネにしとこ。絶対、大事にしてくれるよ。
くずおもすぐバレるような嘘つくんじゃないよ。あれ、ももにも根回ししてないでしょ?

自分だったらもう少しマシな嘘をつくよー
{netabare}
くず「実は今ヒナ姉の料理の味見に付き合わされてるんだ」
くず「ヒナ姉からは特にルイと月子さんに内緒にしといてって言われたんだけど、」
るい「どうして内緒なの?」
くず「隠れて練習して二人を驚かせたいんだとよ。だから俺から聞いたって事は内緒な」
るい「そっか…それなら仕方ないね。ヒナ姉の料理じゃ大変。胃腸薬用意しとこうか?」
くず「そこまではいらないよ。だからまぁちょくちょくそっちで食べるよ」
{/netabare}
ってな感じで嘘と真実を少しずつ織り交ぜた上で内緒にする事を相手にも同意させるんだよー
ん?くずお感がマシマシになったって? 大丈夫、どっちにしろくずおだからw
{/netabare}
るいちゃん、すごい可愛い…

最終話まで
{netabare}
え?これで終わり??2期こないの?
んー、原作買えって事なのかなぁ…でもこれをレジに持っていくのはへたなエロ本よりも恥ずかしいかもw

ラマンのマスターもこれが見納めかぁそれにしても入れ墨すごw 銭湯入れちゃうのかよ!
やっぱメガネすげーいいやつ。こんな親友なかなかいない…

くずお…受賞おめでとー(棒読み)
るい……嫌いになる言ってたのに、今度はそっちがずぶずぶなるんかぁぁい!(でもるい可愛いw)
ひな……やっぱりバレたね。フラグ立てまくってたし…、多分くずおが粘着ストーカーになりそう
父母……んーあんたら最後までギャグ要員の域を出なかったね。

ラマンのマスターが超お気に入りっす。今期1位のお気に入りキャラですw
おっさんのふんどし姿でテンション爆上げしたのは初めてかも?

座薬とか、女性のもなぴーとか中々無い所に突っ込んできている作品で
原作は少年誌だけど袋とじらしいっすw 一体どこにいくつもりだマガジンwww
でもこのチャレンジ精神は嫌いじゃない!
{/netabare}

OPの曲めっちゃ好きです。はよ買わないと…
それにしてもCMのインパクトが強すぎて大爆笑してしまったw

見終わっての感想としては明らかに物語は途中なので
2期欲しいなーと思った次第。もっと見たかった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39

72.0 9 シリアスで嫉妬なアニメランキング9位
ファンタジックチルドレン(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (308)
1971人が棚に入れました
南の島で両親と暮らす11歳の少年・トーマは、ある日島の遺跡で一人の少女と出会う。少女の名前はヘルガ。無口で、どことも知れぬ場所の絵を描いては、そこに行きたいと言う不思議な少女。トーマは、ヘルガを慕う少年・チットと共に、ヘルガを“行きたい場所”へ連れていこうとする。
何十年かおきに現れる、謎の黒衣の子供たち。“ベフォールの子供たち”と呼ばれる彼らは、長い長い年月をかけて、ある一人の人物を追いかけ続けていた。繰り返される年月に疲弊し、また謎の少年・デュマの妨害によって仲間を減らしながらも、彼らはただ、ひたすらに“彼女”を追い求め続ける。
少年少女の連続失踪事件を追う刑事・クックスは、捜査の中で“ベフォールの子供たち”と呼ばれる存在に辿り着く。追い求めるほどに深まる子供たちの謎、不可解な現象、そして現れる謎の青年。一体、失踪した子供たちにどんな秘密が隠されているというのか。
平行する3つの物語は、やがて複雑に絡み合い、500年の時を超えた、ある惑星の悲劇へと収束していく。


声優・キャラクター
河原木志穂、皆川純子、花輪英司、小林希唯、浦田優、高口幸子、はらさわ晃綺、松本さち、矢口アサミ、坂本真綾、鈴木千尋、甲斐田ゆき、辻親八、住友優子、後藤哲、羽多野渉

自分はなんだったのか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

輪廻転生

これは中々見応えありました
が!序盤8話くらいまでは??我慢です、面白くなって来るのは中盤から
ヒロインが徐々に過去を思い出しながら今を生きるさまに涙します

ヒューマンドラマでもありSFでもあります
すばる(プレアデス星団)の彼方に夢がある

作画はちょっとだけ古く見えますがとても面白いです
序盤だけ我慢できれば・・・・

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

迷子のこころ  【ねこ's満足度:89pts】

壮大なスケールで描かれる、時空を越えた愛と哀しみの物語。

ひとこと、すばらしかったです。
キャラデザにややクセはありますが、それだけでパスするのは勿体無い。
ここまでの完成度を誇る作品には、なか②お目にかかれないと思います。

序盤は謎・謎・謎・・・。
多くの伏線をちりばめながら、物語は主に3つの視点によって語られていきます。
心に宿る”とある場所”を探し求める寡黙な少女。
黒衣を纏い”とある人物”を捜し続ける謎の少年少女たち。
そして、ある事件を追う内にその謎の少年少女に辿り着くひとりの刑事・・・。

バラバラに見える3つのストーリーが、中盤から終盤に掛けて一気に収束していく様は圧巻。
声優陣の熱演も相まって、その迫力ある展開に圧倒されっぱなしでした。
伏線の回収もお見事。数々の謎も無理なく自然な形で明かされていきます。

終盤はとにかく切ないです。心が痛い。苦しい。そんな感じ。演出も抜群です。
ほとんどの登場人物が背負う辛く重い過去。それが徐々に明らかになっていくほどに、
作品のテーマである『命の尊さ』というものをより強く感じさせられました。

個人的に好きだったのはED映像。
最初の内はなんてことありません。ただ3つの”絵”が順番に並ぶだけ。
しかし、ある程度話を理解してくると、かなりぐっとくるものがあります。
音楽もOPED曲を含めてすべてが効果的。胸に染み入る名曲揃いです。

制作はあの”世界名作劇場”を手掛けた『日本アニメーション』。
監督は『AKIRA 』で作画監督を担当、『パルムの樹』等で監督を務めたなかむらたかし氏。
どんな人にでも自信を持って薦めることの出来る、これぞまさしく”隠れた名作”です。


※完全ネタバレ注意※
{netabare}DVD特典にはベフォールの子供たちの後日譚が収録。TV版のみの視聴者は必見です。
12歳になると前世の記憶が無くなってしまうという設定はホント効いてたと思います。
そんな彼らが選んだ生きる道。最後の最後で彼らの笑顔を観ることが出来て本当によかったです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

巡る心の居場所

全26話
ジャンル:SFファンタジー冒険活劇
ブランド:日本アニメーション

ある絵の場所を探し求め旅する少年少女達に立ち塞がる、ベフォールの子供達と呼ばれる黒装束の目的は何か? 謎の研究組織がもたらす事件に潜む真相との関連は、見えない方向性に収束し命の在り方を問う。

初見のハードルは、やや高いと想う。それも冒険活劇という子供向けに見える設定により間口の狭さ、キャラデザインもあって、これ面白くなるのか? と、疑問を抱かずにはいらないだろう(笑)
久し振りに微妙な作品を引いてしまった感が否めないが、観終わった後は180度印象が覆る作品であったことは間違いない。それも日本アニメショーンといえば世界名作劇場を観て育った方なら尚更、作品のギャップを感じると想う。実際は全く子供向けではない(苦笑)

タグに隠れた名作とあるが成るべくしてなった作品の印象が強く、あまり認知されているようには感じられない。それも中盤10話辺りまで伏線を張り巡らし考察する作風となっており、本質が見え隠れする故である。ネタバレすると視聴意欲が下がる類ではあるが、恋愛に裏打ちされた命の儚さ、重さ、尊さを紐解き心に響き渡る。
BGMを挿入するタイミングも相まって、感情移入させる演出・台詞には、嫉妬・葛藤・苦悩・救済は感動以上の何か心に訴えかけるモノが込み上げて来る。
そこには時を越えた想いを描き隠された真意は、曖昧なキャラの性質が色濃く反映させるミステリーなストーリーラインがもどかしくもあるが少年少女を取り巻く因果を知ることになる。

主要キャラのヘルガは、当初、内向的かつ無口なヒロインで魅力に欠けてはいるが、時折みせる凛々しさが持ち味となっており芯の強さが伺える。それに振り回されるトーマ自身は、苛立ちを拭えず時に感情的に責めるも彼女の優しさに触れた時に初めて理解したいと心情変化していく。ストーリーラインと同じくキャラの持ち味も徐々に加速する形となっている。

中盤以降、この世界観の全貌が紐解かれる爽快感が心地よく夢中で見入ってしまう。さらに終盤の真実については、王道な感動を覆す見せ方に良い意味で裏切ってくれた。
人間味ある行動が贖罪という重くのしかかる心理描写を加味させ、余韻を引き締めるカタルシスが魅力とも感じられる。

感動作品をある程度、観ていて何かお勧めできるアニメはないか? と、聞かれたらプッシュしたくなる作品ではある。 是非、中盤まで見て判断して欲しい(笑)
お勧めしたいけど、やや敷居の高い作品として今後も眠りそうな作品だけに残念ではある。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

72.6 10 シリアスで嫉妬なアニメランキング10位
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (422)
1609人が棚に入れました
願いの成就とひきかえに、人知れず戦い続ける魔法少女たち。しかし環いろはは、自分の願いを忘れてしまっていた。『魔法少女になった時、私は何を願ったんだっけ?』日常の中にぽっかりと空いた穴。失われてしまった大切ななにか。理由もわからないまま、戦いつづける毎日……。そんなとき、魔法少女たちの間で噂が流れはじめる。『神浜に行けば、魔法少女は救われる』魔法少女とウワサの集まる街、神浜市。失われた願いを求める、環いろはの物語がはじまる――。

声優・キャラクター
麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜、佐倉綾音、小倉唯、小松未可子、大橋彩香、石原夏織、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

はじまりのいろは

まどマギ外伝。制作シャフト。

魔法少女として魔女と戦う少女いろは。
命を賭して戦う代償に願いが1つ叶うという。
少女はたった1つの願い事を思い出せずにいる。

シャフトらしい遊び心満載の演出の数々、
劇団イヌカレー空間が謎多き物語を牽引する。
キャラクターデザインも見やすくなっている。
また違った少女の崇高な救済の物語。
時は過ぎ全ての色眼鏡を外す頃合いとなった。
ソウルジェムは透明でなければならない。
当時を取り戻すべく楽しもうと決めている。

中盤視聴追記。
本編の物語を重層化させる世界を提示すること。
これが最も重要であり全てなのだ。
変わってしまった世界、異空間の表現、
様々な噂が心を身体を縛り付け闇に堕ちる。

最終話視聴追記。
結論から先に書けば、
ここしかない場所で物語を紡いだ。
{netabare}つまり因果を解き魔女化から逃走すること。
運命の楔から解き放たれるための革命を描くこと。{/netabare}
マギウスの真相、その意義は理解した。
当時の記憶がよみがえる。
いかにキュゥべえが苦手かを思い出した。

本編の物語を、魔女の立ち位置を、
整理したい方に一定の可能性は示しています。

しかしキャラが覚えられず…えっまだ!?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

角が取れたホームベースのまろみ

ゲームはしてない


校庭の倉庫に入った経験は誰でもおありだろう。体育用具が積まれてあって、ライン引きやメジャーなど取りに行かされたものであります。
これがアニメだとヒロインと一緒に入室した拍子に閉じ込められる展開が待ってるみたいな。
現実はそう甘くはない。たいていは古びた用具類の匂いとともに脳裏に刻まれてるものでしょう。
ゴム製のホームベースもそこで見つかる用具の一つ。
年季が入ったものは白さが抜け土気ばっていて、五角形の角部分は削れて丸みを帯びていたりもする。

五角形の角がとれたホームベース。キャラ原案は変わらず蒼樹うめ先生とはいえ、顔の輪郭から受け取る印象はかつて見知ったものと微妙に違っています。
きっちりかっちりな五角形だった本編デザインからのややマイルドな改変。デザインのみならずマイルドにいろんなとこが変わっているのが今回のマギレコといってよいでしょう。

監督は新房さんから劇団犬カレーに。総監督兼シリーズ構成とのこと。
ディレクター宮本氏は今回は副監督に。
梶浦氏は音楽“協力”というかたちでの関与です。
ClariSはOPからEDへスライドし、代わってOPを担うTrySailに『コネクト』作詞作曲者である渡辺翔さんが曲をおろしてます。

社会現象を起こした本編のスタッフの役回りはそのままスライドしたわけではなさそう。それに『まどマギ』といえばこの人虚淵玄氏は今回ノータッチ。
イビチャ・オシムの言を借りれば『ポリバレント』を求められるような配置でしたが結果は如何に?


 {netabare}『外伝(がいでん)』{/netabare}


シンプルで当たり前なところに落ち着きます。本編ではありません。

「魔女」「魔法少女」「ソウルジェム」「グリーフシード」「キュゥべえ」「耳馴染みある劇伴」

かつて知ったる名作モードのスイッチが入りそうになるところをぐっとこらえて俯瞰してみます。


 {netabare}魔女がいるのね{/netabare}

 {netabare}お!マミられていないんすね{/netabare}


まどか登場以前の世界であることが伺えます。ほむらの能力を考えれば違う世界線との見立ても可能。
{netabare}※マミさん、杏子、さやかが登場しました。マミと杏子ならまだしも魔法少女さやかが登場した以上、ほむらがぐるぐるしていたよりも以前の世界とは考えにくく、TV本編での並行世界/パラレルワールドと見たほうがよさそうです。{/netabare}

ゲームをしてない私がどのへんを観てたか?

※本編のネタバレ有なので一応隠します。

{netabare}本編の最終話で描かれたありとあらゆる魔法少女たちをまどかが巡ったあのカット。
絶望の中で生命を終えることから解放された彼女たちの安堵の微笑み{/netabare}

まどかがアレする前の世界に生きる魔法少女たち。{netabare}そりゃあ絶望の中でみんな斃れていったんでしょうよ。{/netabare}それを想像するだけで泣けるくらいには調教されてる私です。
話はもう第一話からしてずーっと不穏な空気をまとい嫌な予感しかしないわけで、きちんとファンがこの作品に期待する最低限の部分を制作スタッフは守ってくれてるわけです。
それにTV本編のファンが喜びそうなネタをいちいち仕込んできてました。『叛逆』の前半部分の視聴感と類似してるかも。{netabare}例えば“さやかと杏子の共闘”“幸せそうなマミさん”のように、{/netabare}我々が見たくても叶わなかった魔法少女たちの姿を拝める幸せに与かりつつも、常に不穏な空気が流れていたアンバランスさ。映画『叛逆の物語』前半部分です。

※喜びそうなネタ?
{netabare}・3話Cパートでマミさん。代名詞となった3話での堂々登場に震える
・さやかと杏子が対峙した時のまどかのセリフ「こんなの絶対おかしいよ」が前作と同じ6話で登場。
・その6話でなにか食いながらあの方が登場。フェリシアの境遇が杏子と酷似しているのもせつない。{/netabare}

幾分妄想も入ってきますが

{netabare}・さやかはちょい怪しいけど見滝原の魔法少女たちは実は精鋭揃いだったことが伺えます。
・だからこそあらためて“ワルプルギスの夜”になすすべなかった彼女たち(というよりほむら)の絶望の深さが味わい深くなってきます。

・大学生やちよさんもよくぞ生き残ってきた感あって注目です。だって、

{netabare}「この国では、成長途中の女性のことを、少女って呼ぶんだろう?」
「だったら、やがて魔女になる君たちのことは、魔法少女と呼ぶべきだよね」

少女と呼ぶには成長しちゃったんじゃないか説が全俺に流れてました。
井上喜久子さんや田村ゆかりさんのようには現実の世界では通用しないのです。あれっ!?{/netabare}{/netabare}


前作の恩恵(貯金)を活かして突飛に見える世界観の飛躍はなし!個人的にはこれで充分ですかね。
少なくとも“外伝”である事実を忖度して同列に扱わないことが肝要なのかもしれません。


と、すっかり忘れてましたがこれゲームが元ネタでしたね。
キャラクターの多さを彷彿とさせる場面にはよく出くわしました。案の定覚えきれないし、キャラ絞って物語を魅せた本編にはこの点では遠く及びません。


ゲームものらしいわちゃわちゃした感じはマイナスなものの、懐かしのメロディーなあれやこれやは迷うことなきプラス。
そして外伝での新要素{netabare}(うわさ、マギウスの翼){/netabare}はいい感じのスパイスとなりました。やや横広から面長になったキャラを楽しむのも悪くありません。佳作です。
中途半端な終わり方でしたが2期製作中とのこと。完結してからの参戦でよいかもしれません。



※ネタバレ所感

■巴マミは巴マミ

{netabare}叛逆での暁美ほむらより

「巴マミ 私はあの人が苦手だった 強がって、無理しすぎて、そのくせ誰よりも繊細な心の持ち主で…」
「あの人の前で真実を暴くのはいつだって残酷すぎて…辛かった」


TV版本編10話で「ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない! あなたも、私も…」とご乱心したマミさんです。
ソウルジェムが魔女を産むという真実を暴かれた上で、救いの道があるよと典型的な宗教勧誘に引っかかるのは既定路線だったとしか思えないですね。
これをもってマミさんが雑魚っぽいというか弱っちいとかを言いたいのではなく、典型的な善良なる人間の代表格みたいな扱いがマミさん。そんな彼女が堕ちていく悲しさを本作でも味わえたと思います。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.04 初稿
2020.10.22 タイトル修正/修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

劇団イヌカレー劇場

原作未プレイ 全13話

主人公 環いろは(たまき いろは)は、神浜市を舞台に妹の行方を捜しながら様々な魔法少女と出会い「噂」について謎を解きながら成長していく物語。

本編では異空間設計のスタッフとして参加していた劇団イヌカレーさんが総監督となっていますので、イヌカレーさんの世界が沢山描かれていましたね。

魔法少女がたくさん出てきますので全然覚えられません。 {netabare}ドッペルは{/netabare}反則でしょうw

本編と同じ世界観で内容は違う展開になっています。懐かしいキャラも出てました。

お話は途中で終わっています。2期が発表されましたね。全然解決していませんので、出来れば早めに観たいです。

OPはTrySaiさん、EDはClariSさんが歌っています。

最後に、ClariSさんはこの前地上波初登場で「コネクト」を歌ったところ観たら「魔法少女まどか☆マギカ」を思い出して感慨深かったですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 28

77.6 11 シリアスで嫉妬なアニメランキング11位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (354)
1543人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本能に抗え

アニメーション製作:オレンジ、
監督:松見真一、脚本:樋口七海
キャラクターデザイン:大津直、
音楽:神前暁(MONACA)、原作:板垣巴留

しょう油顔、ソース顔という
男性の顔の方向性を表現する言葉があった。
「顔」は、ある意味、その人そのものであって、
私たちは一生逃れることはできない。
自分の顔が気に入らなくて整形を繰り返す人もいるが、
結局は自分自身を覆う「何か」は、
死ぬまで付いて回る。

そして「草食系」「肉食系」という
人間の生態や性格を指す言葉もある。
これは、努力によって変えることが
できるものかもしれないが、
もしそれが動物のことなら、
遺伝子レベルのものから逃れることは不可能だろう。

BEASTARSは、動物を擬人化した物語。
登場人物は全員が動物の設定のため、
本能から逃れることはできないはずだ。
しかし、それでも自分の想いを実現させようと
抗い続け、挑戦し続ける者たちがいる。
これは、何かの業に縛られた者が、
「想い」の力によって大切なものののために
本能を飛び越えようとする
信念の物語ともいえるだろう。

物語の中心は演劇部に所属する
ハイイロオオカミのレゴシとアカシカのルイ。
彼らは、自分たちの宿命から逃れるために
想いを募らせていく。
レゴシはドワーフウサギのハルを好きになったことで、
自分の本能について深く考えるようになる。
一方、ルイは肉食、草食という動物社会における
地位の格差について変革を起こす野心を抱いている。
これは人間社会に置き換えるなら、
民族主義的な部分で将来を嘱望されている黒人と
ずば抜けた才能を持った白人によって繰り広げられる
戦いの物語という構図になるのかもしれない。
ただ、これに動物の「本能」という宿命を
付加させることで物語を興味深いものとしている。

レゴシとルイのそれぞれの葛藤を演劇によって表現した
3~4話で物語の深みに引き込まれる。
草食獣の代表として地位を掴み取ることが
悲願であるルイ。そして、オオカミの本能と
自身の平時における性格の違いに戸惑うレゴシとの
対比が実に上手く描かれている。
さらに、ほかの動物たちの思惑も絡み合い、
複雑な様相を呈しているのは、
まさに人間社会そのものだ。

学園内で起こった重罪とされる食殺事件、
動物社会で草食獣が「BEASTAR」に選ばれる意味、
肉食獣、草食獣が共存する世界における
政治家たちの思惑と現実、
レゴシの内面を覆いつくす真っ直ぐな想いと
正しい行い、そして恋心。
さまざまな要素が溶け合って、
あまり今まで味わったことのない
複雑な感情が湧き上がってくる。

人間たちの奥底にある様々な感情を
分かりやすい形で炙り出した群像劇。
続編も決定しており、まだまだ途中なので、
高評価するには早い段階だが、
起承転結のある優れたシリーズ構成によって、
挑戦的な作風を1クールでしっかり見せてくれた。
ジャズを意識した劇中曲やOP、
そして数種類用意されたEDも聴き応え十分。
これまでにない新しいアニメーションを
紡いでくれるのではと期待できる。

草食獣と肉食獣が共存する新しい地平。
それは、どこかにあるのだろうか。
(2020年3月7日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の条件

板垣巴留原作、制作オレンジ。

擬人化された動物たちの物語が、
メジャー少年誌の看板になる。
その時点で物語に一定の力があるのだろう。

17歳、肉食獣のハイイロオオカミ、
身体は大きく繊細な心を持つ主人公レゴシ。
彼は肉食獣としての生き方に葛藤している。

興味深いのはよくある、
少数・多数や、勝者・敗者の関係性ではなく、
肉食と草食で対比している点だ。
この気持ちは「恋」なのか!?の後に、
それとも「食欲」なのか!?が配置されている。

当然、共存する社会の在り方や、
本能の抑制、倫理の確立が問題となる。
僕は単純に擬人化された物語は苦手である。
しかしながら擬人化した理由があるはずだ。

4話視聴追記。
人の持つ機敏な「感情表現」が、
あまりにも豊潤に表現され伝わる。
演劇内演劇の入れ子構造が様々な仕掛けを生む。
{netabare}捕食する側と捕食される側の論理。
否が応でも「他者」を考えさせられる。{/netabare}

最終話視聴追記。
レゴシに称賛を贈らねばならない。
落ち着いた声が素晴らしくキャラに馴染む。
肉食に・草食に生まれた存在意義、
その中で他者とどう分かり合えるのか。
レゴシはきっと見つけたのだ。
本能にも勝る偉大で崇高な感情を。

ここからが勝負どころである。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

70.6 12 シリアスで嫉妬なアニメランキング12位
宇宙の騎士テッカマンブレード(TVアニメ動画)

1992年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (67)
400人が棚に入れました
連合地球暦192年。謎の宇宙生命体『ラダム』が突如として地球に来襲、人類の宇宙進出の夢を懸けて作られた軌道エレベータ基地・オービタルリングを瞬く間に占拠し、地球侵略を開始した。地球製兵器では傷つけることすらできない強靭無比のラダム獣に対し、唯一対抗し得る兵器であるオービタルリングのレーザー砲を奪われた人類には対抗する術がなく、その侵攻をただ黙って見ているしかできなかった。そんなある日、地球上のラダム獣や地上に根付くラダム樹の調査・分析をしている外宇宙開発機構の前に、正体不明の記憶喪失の青年が現れる。

声優・キャラクター
森川智之、松本保典、林原めぐみ、横山智佐、鈴置洋孝、飯塚昭三、中原茂、子安武人、水谷優子、小杉十郎太、島香裕、横尾まり、飛田展男
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「仮面の下の涙を拭えっ!!」

1992年タツノコプロ製作。
『宇宙の騎士テッカマン』(1975年 未見)から設定・世界観を一新し、
ハードSFアニメとして再構築した4クール作品。

【物語 5.0点】
悲壮。過酷な宿命を背負った主人公“Dボゥイ”こと“テッカマンブレード”が、
宇宙からの侵略者にひとり立ち向かう。
仲間の協力も得ながら徐々に心を開いていくが、
そこへ襲い掛かるさらなる悲劇と絶望のフルコース。
それでもヒーローは、男は、燃え尽きるまで戦い続けねばならないのだ。

プロット自体は変身ヒーロー物の王道だが、
主人公に課せられる試練が心身共にアニメ史上屈指のベリーハード。
キャッチコピー「仮面の下の涙を拭えっ!!」は伊達じゃない。

運命に立ち向かう男の生き様に魂が震える。


【作画 2.5点】
不定形。本作唯一の弱点。

作画そのものは実はそんなに悪くはなく、
むしろ戦闘シーンのメカニック描写などは上々。

ただ作画担当によってキャラデザ?何ソレ?
と言わんばかりに大きく変動する人物描写は、
声優さんの演技がなければキャラ判別困難。


【声優 5.0点】
主人公Dボゥイ役の森川 智之さんVSライバル・テッカマンエビル役の子安 武人さんによる
宿命バトルには単純な演技を超えた鬼気迫る物がある。

そして、{netabare}その決着を受けて、大トリを務めるラスボス役・若本 規夫さんの煽り文句は圧巻。{/netabare}

さらにはヒロイン役を務めた林原めぐみさんだけでなく、
クールだが秘めた情は厚い司令官フリーマン役の鈴置 洋孝さん
オカマなメカニック役の中原 茂さんら、
脇を彩るボイスも濃厚。
あとは{netabare}ミユキ役の水谷 優子さんとか。{/netabare}

本作はフリーマン視点で物語を俯瞰する脚本であり、
ナレーションも務めた鈴置さんの沈着冷静なナビゲートが
ハードな展開をいっそう引き締める。
(上記のキャッチコピーはフリーマンによる次回予告の締め文句でもあり、
彼が語ってこそ味わいが出る)

90年代アニメの中でも、本作の魂が籠もった熱演は別格かつ伝説級。


【音楽 5.0点】
極上。総勢60余名のオーケストラ編成に
勇壮な混声コーラスをアレンジしたメインテーマなどの迫力のBGM。
繊細な弦楽が、ロボットとも有機生命体ともつかないテッカマンの神秘性も内包しつつ、
地球圏に跨がるSFバトルを大いに盛り上げる。

OP&ED主題歌は前後期4曲とも小坂 由美子さん。他に挿入歌もあり。
確かな歌唱力に裏打ちされた、伸びのあるビブラートが、主人公の哀しみと共鳴。


【キャラ 5.0点】
悲運が積み重なった主人公には“Dボゥイ”ほか様々な名前、異名があり、
そのこと自体が彼の過酷な運命を象徴している。

ここでは本作の徹底した悲劇設定から生まれた主人公名言だけ引用しておきます。

{netabare}「Dボゥイも相羽タカヤも今ここで死んだ。俺はテッカマンブレードだ」{/netabare}


【感想】
“隠れた名作”としての悲劇が語られることも多い本作。

よく見るのが『セーラームーン』の裏番組で埋もれてしまったとか、
テレビの自主規制で表現萎縮が進む中、
ハード過ぎる描写故にろくに再放送もされなくなっていったとか。
(エロ面でも、一応、一部変身シーンで乳〇が見えるアニメでもありますしね)

けど都会の人気アニメが放送後回しにされる北陸在住の私には無関係(苦笑)
本作も『セーラームーン』の裏ではなく、
全国放送終わった少し後の夕方16時台~17時台の枠で観てました。
因みに後の『エヴァ』何かも、私は旧劇公開に合わせた夕方再放送を視聴してました。
後回し地方民も悪いことばかりではありませんね。

夕方、帰宅してすぐにグロエロ不問でハードなアニメを自主規制なしで楽しむ。
あの頃は良い時代でしたな~(遠い目)
(もっとも、帰宅しなくてもスマホの動画見放題サービスで本作を視聴できる
今もまた良い時代ですが)


本作は私が“神アニメ”と呼べる数少ない傑作の一つ。
今世紀実現した『スパロボ』参戦後も依然埋もれているようなので、
一人でも多くの人に掘り起こして欲しいと願います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画は不安定だが、とても見ごたえのあるSFヒーローもの

この作品は、1975年に放送された『宇宙の騎士テッカマン』
を元に制作されたオリジナルアニメである。

私は、この作品の後に宇宙の騎士テッカマンを知ったため
詳しくはコメントできないが、一部の設定を除き、全く
異なる作品として作り上げられているようだ。
別物として、考えた方がいいだろう。

作品のジャンルとしては、復讐劇としての要素が非常に強いSF
ヒーロー物だが、1990年代の作品の中でも特にハードで、主人公が
最初から最後まで報われない鬱展開に仕上がっている。少なくとも、
近年のテレビアニメでは中々お目にかかれない卓越したストーリー
展開であることは間違いない。

一時的に暴走したのを機に戦意を完全に喪失したり、自分の目的を
達成するために、後半では寿命を削ってでも肉体を強化しようと
試みるのだが、今度は脳に障害を起こす等とことん負のスパイラルが
連鎖していくのだ。最終的には平和をもたらすことに成功したものの
その代償はあまりにも大きいものだった。
今までの事を考えると、あの終わり方が彼にとって一番幸せ
なのかもしれない。切ない。耐性がない人は視聴しないほうがいい。

それを可能にしたのは、主人公の憎むべき敵であり、全ての
元凶ともいえるラダムの凶悪さにある。いわばキャラクター設定だ。
なぜ、ラダムがオービタルリングを占拠したのか、
どうして主人公以外のテッカマンが存在するのか、
ラダム獣が植物化してラダム樹へと変化すると何が起きるのか
こういったことは作中できちんと説明されるので安心して欲しい。
ラダムの凶悪性が把握できている頃には、主人公がなぜあそこまで
ラダム討伐に力を注いでいるのか分かってもらえると思う。
(ここまで行くともはやいじめの領域に達しているような
気がしないでもない)

ラダムだけに関わらず、主人公を支えるブルーアースのメンバー
やラダム側のテッカマン達にもきちんと焦点が当てられているため
そういった点にも抜かりはない。

個人的に思い入れのあるキャラクターが非常に多く、選び出すと
キリがないだが、ここではあえて劇中屈指のネタキャラとして
愛されているテッカマンランスを挙げていこうと思う。
彼はラダム側のテッカマンの一人であり、戦闘力も高いのだが、
やたら自信家な人物として描かれている。

単独行動を取り、先にブレードを仕留めようとウキウキな気分で
立ち向かっていたのだがタイミングが悪かったのか、たいした
活躍を見せずに消えてしまったなんとも哀れな奴だ。
要はただの咬ませ犬である。

まあ、別の見方をすれば自らの命を犠牲に
死亡フラグを丁寧にレクチャーしてくださるありがたい教師ともいえる。
彼を象徴する代表的な台詞と言えばやっぱりこれ。

「フッ、いくら進化したと言えど、この至近距離からの
ボルテッカではひとたまりも……なにっ!?」

文字だけ見ても、典型的な咬ませ犬のテンプレそのものだ。
そりゃあ、テッカマセランスと呼ばれても仕方ないわな。合掌。
(他のラダムテッカマンと比較しても存在感はかなり薄い方だったので、
ぶっちゃけいなくてもいいんだけどね。)

作画に関してだが、非常にムラがあり、とても不安定な点はぬぐえない。
キャラクターの顔が多岐にわたっているのは勿論の事、
一部のシーンは色塗りがされていなかったり、使いまわしている
場面も多い。

原因は、予算や時間の都合によるものだというのは納得していたが
流石に48話のエビル作画だけは非常に目についてしまった。
なんせ顔だけでなく、髪の色がまるっきし違うのだ。
「あいつこんな色してたっけ?」と自分に問いかける始末。
もう少しで話が終わるのでせめて色だけはきちんとして欲しかった。
勿体ない。声優の演技に救われたのは言うまでもない。

作画はそこまで気にしない、濃厚なストーリー展開を好む
SF好きの方にはオススメ。但し、これでもかといわんばかりの鬱要素が
詰まっているのでそこだけ注意して欲しい。

個人的には、名作の域に入っても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。 名作だと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悲惨な話でしたが、当時泣いたかと言うと泣いてない

御指摘在りましたので訂正を。
×ブレード化→〇ブラスター化 でした(汗)

一応繋がりの有るⅡを見たいような気もするし、見ずにイイ思い出で済ませた方がいいのか迷ってたりして。
訂正ついでで点数直します。
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当時、友人から「お前が好きそうなのやってるよ」と紹介されて見始めたんですけどね。
家族が敵とか、ブレード化とその反動とかホント悲惨な話で放送当時嬉々として見てた記憶がw
車いす押すアキが気の毒でツボに入りましたが、思い出してみると号泣したかと言えばそんな事も無く。
泣ける要素は満載な作品だったんですが・・・・
年を食った今が涙脆いだけなのか、若い頃の方が冷めてたのか。

演出の巧さは今時のアニメの方が確実に上ですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9
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