シリアスでメンヘラなTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のシリアスでメンヘラな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月03日の時点で一番のシリアスでメンヘラなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.7 1 シリアスでメンヘラなアニメランキング1位
NHKにようこそ!/N・H・Kにようこそ!(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1543)
7922人が棚に入れました
大学を中退して4年目の佐藤達広は、ひきこもりとなっていた。佐藤は、自分が大学を辞め、無職でひきこもりであることなど全てが、謎の巨大組織の陰謀であると妄想する。その組織の名はNHK(日本ひきこもり協会)。そんな折、中原岬と名乗る謎の美少女が佐藤の前に現れる。佐藤をひきこもりから脱却させるべく、岬は「プロジェクト」の遂行を宣言。その「プロジェクト」の目的が不明のまま、岬による佐藤のカウンセリングが始まる。

声優・キャラクター
小泉豊、牧野由依、阪口大助、小林沙苗、早水リサ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヒキコモリ君の妄想話とナメていたら、意外と確りとした《BMG/青春もの》でした!

※レビュータイトルでネタバレ防止のため、変な略語になってますが、BMG={netabare}Boy Meets Girl{/netabare}のことです。
もっとも、18歳のヒロインはともかく、主人公の方は22歳の青年なので、この表現にはちょっと語弊があると思いますが、一応、物語のスタイルとしては、そう要約するのが一番適当なのではないかと。

◆「もどかしい世界の上で」が流れ出す第13話が転換点なので、初見者はそこまで我慢してね!!

歌手で声優の牧野由依さんのアルバム『天球の音楽』(2006年12月リリース)には、『ARIA』で使われた「ウンディーネ」「ユーフォリア」「シンフォニー」、それから『ツバサ・クロニクル』で使われた「アムリタ」「ジャスミン」「夢のツバサ」といった私の好きな曲が沢山収められているので、そのCDを流しっぱなしにして度々ドライブをしていた時期が以前ありました。

そしてそのアルバムの4番目の曲は、最初は馴染みがなかったのでSKIPすることが多かったのですが、慣れてくると何だかこれも良い曲だなぁ・・・と思い始めて、そのうちその曲がくるとそこだけリピートすることが屡々ありました。

・・・そうやって、別段曲名を調べることもなく何となく曲調と歌詞はだいたい覚え込んでいたのですが、たまたま本作の第13話を見ていたら、そのエンディングに突然、この馴染みのある曲が流れてきて、驚いてようやく曲名を調べたら、これが本作2クール目ED「もどかしい世界の上で」だったんですね。

本作自体も、その第13話が、丁度全24話の折り返し点でありシナリオの転換点になっていて、それまで本作のことを、「情けないヒキコモリ君の妄想まみれの下らないコメディだろう・・・」とナメていた私の心が、第13話での意外な展開と、そこでEDとして初めて流れた本曲によって、一気に揺さぶられてしまい、あとは最終回までガッツリ作品世界に惹き込まれてしまいました。

ラスト2話では、それまで謎だった{netabare}ヒロインの真意と目的{/netabare}が過不足なくきっちり開示され、それに対する{netabare}主人公のリアクションと変化{/netabare}も中途半端ではなく納得できる結末まで確りと描き出され、視聴前には思ってもみなかった《感動》まで味わうことが出来、その直後から1周目の時は早々に「ながら見」になってしまっていた序盤からもう一度確り見直そう、という気持ちになりました。


◆本作は、ヒロインの《ulterior motive(アルテリア・モウティヴ 隠された動機)》に見どころがある優秀作

私がこれまで視聴した作品で、同系列(隠された動機系)の名作/優秀作/人気作としては

(1) 『アイドル・マスター』 (2011年)(25話+劇場版) ※個人評価 ★★ 4.7
(2) 『俺の妹がこんなに可愛いはずがない』 (2009,13年)(31話) ※個人評価 ★★ 4.6
(3) 『四月は君の嘘』 (2014年)(24話) ※個人評価 ☆ 3.9

・・・の3本が挙げられると思います。
要するに、この手の作品は、

<1> 1周目では、我々視聴者は、「視点人物」たる「仮・主人公」の少年(ないし青年(*1))のモノの見え方や心情に沿って、謎めいたヒロインの行動動機や心情を訝(いぶか)しがりながら物語を追っていくしかないのですが、
<2> それらが開示されたあとの2周目では、今度は「真・主人公」たる「ヒロイン」の心情が、各々のシーンでどのように描き出されているのか?を読み取り/確認しながら、物語を再度追いかけていく、

・・・という二重の楽しみ方を出来ることになります。

(*1)『アイマス』の場合は、プロデューサーの視点。

一応、ここで私の意見を率直に述べると、上記の3作品の中で本サイトの総合評点が一番高い『四月は君の嘘』の場合は、該当レビューの方にも少し書きましたが、2周目視聴時点で気づくヒロインの描かれ方が、やはりどこかいい加減で中途半端(※肝心のシーンで急にギャグ調の作画に切り替わって何だか胡麻化された気分になってしまう点が特に・・・)であり、“泣ける”作品としては非常に需要にマッチして良く出来ているのだろう、とは思うけれども、私などが好む“心情描写系”作品としては、いまいち粗雑な出来なのでは?と思ってしまいます(※そのため私の個人評点もそこそこに留まる)。

一方、本作の場合は、いざ2周してみると存外にヒロインの側の《心情描写》が確りしている、というか、気合を入れて見ていなかった1周目では見過ごしてしまっていた彼女の心の動きが、実に細かくキチンと描き出されていることを、あちこちのシーンで確認できて、視聴時の満足度が跳ね上がってしまいました。

⇒ということで、本作の個人評価を、『君嘘』よりはだいぶ高いけど、『俺妹』よりはやや低い、★ 4.4 とします。

※ヒロインには大きく感情移入できたけど、ヒキコモリの主人公の方は色々とマイナス点が多くて、『俺妹』ほどには評価が高くなりませんでした(←それでも最後は{netabare}主人公も頑張ってくれた{/netabare}ので、完走後の後味は悪くないはず)。

《まとめ》
本作は、序盤の主人公のネガティブさに閉口してしまう方が多いと思いますが、そこを何とか我慢して切り抜ければ、中盤過ぎから急に面白くなり、最後は感動も出来てしまって、さらにもう一周したくなる、1粒で2度美味しい《感情描写系》の優秀作と思います。
とくに、『俺妹』や『アイマス』を、途中で飽きてきて断念したくなりながらも、頑張って視聴を続けたところ、途中から急に楽しくなって最後は確り感動できた人には、割と同様の視聴経験が出来る作品として、お薦めしたくなりました。


◆視聴メモ(2周目)

※上記のとおり本作の1周目の半ばまで、「ながら視聴」して視聴メモは全く取っていませんでした(従って以下のメモは2周目時点のものです)。
{netabare}
・第1話視聴終了時点
冒頭のシーンだけでも色々と気づくことが多くて・・・2周目に色々と発見がある作品はやはり名作なのかも?
そして、Aパートの終わりで早くもヒロイン登場←今考えると、本作ってこの第1話から最終話まで《引きこもり青年×動機を秘めた少女》の初対面からの《感情推移》を描いた作品として、実は全然ブレてなかったんだね(1周目視聴時は全然そうゆう展開になるとは想像できませんでした)。
・・・とゆーか、N・H・Kの陰謀って「Nihon・Hikikomori・Kyokai(日本ひきこもり協会)」ではなくて「Naka・Hara・misaKi(中原岬)」の陰謀だよね笑。
1周目は専ら主人公(※正確には視点人物)の側から、そして2周目になるとヒロイン目線をプラスしてより重層的に物語を追える作品と確定!
やっぱりそういう2度美味しい作品は良い!!!
・第2話視聴終了時点
引きこもりがよくSOHOなんて単語知っているな笑。
・第5話視聴終了時点
岬のカウンセリング第1回・・・八百万の神やフロイトの夢分析について岬より詳しい佐藤(←大学中退の22歳と18歳だとそうなるな普通。)
・第6-12話視聴終了時点
何気ないエピソードが淡々と続くが、後から考えると第13話までつなげていくこの一連の展開はなかなか良く出来ていると思う。
・第13話視聴終了時点
岬の意外な本心が噴出してしまう注目回であり、初めて流れる2番目ED「もどかしい世界の上で」も◎(初の★★(優秀回))。
・第15-19話視聴終了時点時点
佐藤がネトゲとマルチ商法に巻き込まれる話。
ここはシナリオの本筋には余りないマンネリ気味の展開で、ちょっと残念(個々のエピソード自体は面白いけど)。
・第23話視聴終了時点
特殊EDは多分ここだけ。流石にドラマチックな展開で2度目の★★。
・第24(最終)話視聴終了時点
佐藤がオカリンに見える!・・・というか、こっちの方が早かったんだね。
第1話冒頭の主人公の夢落ちと重なる内容は◎、ラストはあっさり展開でここも好感を持てました(3回目の★★)。
{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作小説        滝本竜彦(WEBサイト「Boiled Eggs Online」2001年1-4月連載)
監督           山本裕介
シリーズ構成・脚本  西園悟
キャラクターデザイン 右湊具央、吉田隆彦
音楽           パール兄弟
アニメーション制作  GONZO{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== N・H・Kにようこそ! (2006年7-12月) ================

 - - - - - - - - OP「パズル」、ED「踊る赤ちゃん人間」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 プロジェクトにようこそ! ★ 佐藤達広(22歳、大学中退ニート、ヒキコモリ歴まもなく4年)、N・H・K(日本ひきこもり協会)の陰謀?、中原岬(18歳)との出遭い、公園呼出し(岬のプロジェクト開始)
第2話 クリエイターにようこそ! ★ ヒキコモリ脱出サポート契約の提案、隣人アニヲタ(山崎薫、高校時代の文芸部の1年後輩)、岬との約束(制作ゲームを見せる)
第3話 美少女にようこそ! ★ ギャルゲー事始め、校門前取材(盗撮未遂と岬の意味不明な態度)
第4話 新世界にようこそ! ☆ 山崎との聖地・秋葉原巡礼(ヒロインのキャラ作り取材)、柏先輩との再会
第5話 カウンセリングにようこそ! ★ 続き、中原との契約成立、引きこもり脱出講義開始、ゲームシナリオ作り
第6話 クラスルームにようこそ! ★ 続き、山崎の彼女疑惑、伐々木デザイナー学院見学
第7話 モラトリアムにようこそ! ★ 母親からの上京連絡、岬の恋人役引き受け、初デート
第8話 中華街にようこそ! ★ 母親上京、3人のお食事会(横浜中華街)、芝居からのはみだしデート
第9話 夏の日にようこそ! ★ ゲーム作りの期限、山崎の初恋の思い出、夏祭り(岬との花火鑑賞)
第10話 ダークサイドにようこそ! ★ 岬に惹かれる気持ちと募る疑念、岬尾行、岬への捨てゼリフ(カウンセリング放棄)
第11話 陰謀にようこそ! ★ 柏先輩からの連絡・突然の来訪、先輩との思い出、「天国に一番近い島」オフ会へ
第12話 オフ会にようこそ! ★ 陰気な集団との無人島行き、オフ会の目的判明{/netabare}

 - - - OP「パズル -extra hot mix-」、ED「もどかしい世界の上で」 - - -
{netabare}
第13話 天国にようこそ! ★★ 山崎の岬問い詰め、集団自殺一歩手前、岬の引き留め(本心吐露)
第14話 現実(リアル)にようこそ! ★ 城ケ崎のオフ会メンバー暑海温泉招待、岬の置き手紙、カウンセリング再開、夏コミ失敗、母親からの電話
第15話 ファンタジーにようこそ! ☆ 仕送り半額に、RMT(リアルマネートレード)参戦(ミアとの出遭い)、カウンセリングすっぽかし
第16話 ゲームオーバーにようこそ! ☆ 岬の佐藤リアル引き戻し作戦、ミアの正体・ネトゲの現実(山崎の忠告)、高校の同級生(小林)からの電話
第17話 はぴねすにようこそ! ☆ マルチ商法(ねずみ講)サークル、小林のなき脅し
第18話 ノーフューチャーにようこそ! ☆ クーリングオフ交渉大失敗、委員長宅訪問(トロトロの中の人)
第19話 青い鳥にようこそ! ★ 小林の兄・友一(トロトロ)との決別会話、岬の手料理、マウスロード強制捜査、友一のヒキコモリ脱出
第20話 冬の日にようこそ! ★ 冬コミ間近の追い込み、山崎の個人事情(帰郷決定、七菜子との決別)
第21話 リセットにようこそ! ★ ギャルゲー完成(冬コミ)、山崎との別れ(北海道帰郷)、カウンセリング年末試験(初詣デート、岬とはぐれて)
第22話 神様にようこそ! ★ 続き(柏先輩との別れ、岬の誤解と動揺)、猫の埋葬、意地悪な神様、岬のプロジェクト進行
第23話 岬にようこそ! ★★ 岬のトラウマ、カウンセリング卒業試験合格、新しい契約拒否、仕送り途絶・警備員バイト開始、岬のリストカット・、岬の家庭事情、遺書と失踪
第24話 N・H・Kにようこそ! ★★ 雪の石濱岬の一幕、岬の生家(廃屋)、後日譚(桜の季節){/netabare}
------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)15、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4


最後に一言。
本作には、確率1%の「N・H・Kの陰謀」が確実に存在する!
そう、それは「{netabare}N(aka)・H(ara)・(misa)K(i){/netabare}の陰謀」なのだ!!!
←この陰謀はアリだと思った(※『俺妹』の桐乃よりもずっとリアリティありそう)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 25
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ああ、売れないわけだ。超怒級ドM専用の名作

これ、痛みを一つも覚えず完走できるヤツはアニオタにいないだろうな。
1話見て「3チャンにしては過激だなぁ」とか思ってたら、民放やんw
これ怒られんかなww
元ネタとして使われているローマ字のとこの風刺とか、なんか込められてるでしょ。
最初は「NHKのお仕事現場をアニメにしました」ってドキュメントっぽい
『働くって素晴らしい♪』って感じのお仕事紹介アニメだと思ってた。
ええ、ある意味、ビシバシ刺激を受けて労働意欲増進、食欲旺盛になりましたとも。

◇小説原作!?、2クール、全24話、一冊だから買っちゃった♪

誰でもこれ観たら何かしらドコかしら痛いだろうな。
四畳半を観たときに感じたものに近い感覚があるが、破壊力が30倍増し。


さて、アニメ業界の購買層のシェアはどんなもんなんだろう?
廃人(引き籠って、資金源が自分以外にある)、
お得意様(働いたお金をほぼ全額アニメ業界につぎ込んでくれる人)、
この層が厚いと売れないだろうね。

魔法使い、童貞、最近じゃセカンド童貞という言葉もあるらしい、
そこら辺の層もどうなんだろう。
ぶっちゃけダメ人間の素養がある人間の方が購買力あると思う。

リア充、あるいはどん底から完全に立ち直った人間に購買力があるとは思えない。
・・・って言うか、完全に立ち直るとか、真人間とかいないけど。
リア充と呼ばれている人もお花畑をフルタイムで漫喫してるわけなじゃいけど。
むむむ、オレは一体何を言っているんだ?? w

要するにダメ人間が買いたくなくなるような作品。


☆あらすじ☆
ニートの佐藤くんが新興宗教チックな女神の岬ちゃんに救済の手を差し伸べられる話。
★そんだけ★じゃないよーw

こういうのを「アニオタへのアンチテーゼ」「現代アニメのアンチテーゼ」とかいうのかな。
ってアンチテーゼってなんだよwググった、命題の反対って、数学か!弁証法って久しぶりだよ!!
使用例はなんか見たことあるからなんとなく分かるが。

思考に支障を来す様な作品だった。
内容は↑に書いてある分の感想を見たらなんとなく分かるっしょ。

ドMにオススメ、あとは岬ちゃんに惚れたら観た方がイイ・・・のかなぁ。
とりあえず、一回観てみな。

ちょっと残念なのが1~5話までエロゲとか変態チックな話がメインなことかな。
それが取っ付きにくさとなってるかも。
あと作画がひどい回が2,3回ある。一応、女の子の出番が少ない回とか選んでそうだから、
オレとしてはあんまり気にならん。ネタと思ってる。

この作品でも言ってたが、挙げられていたのはエロゲだけど、
「消費者は現実なんか求めていないんだよ!」って方にはオススメしない。

それにしても、山崎イイヤツ過ぎるな。なんだかんだで佐藤くんもイイヤツだな。
でも佐藤は完全にニート貴族。タバコに酒に、それだけで少なくとも毎月2万円超えてるだろw


そう言えば友人が言ってたが、
今の社会は「イイヤツが上に登りづらい」って。
オレは「イイヤツは上にいない」って思う。下にもね。ドコでも誰でも住みづらい世の中だよ。


OPすげー好き☆☆☆☆☆ 何、この溢れる名作臭w
EDも好き★★★★★ 虐めたいの? ええ、虐めてください♪
2クール目のEDは牧野さんの歌、こっちもええ♪♪
・・・あの赤ちゃん人間の絵、どこで見たっけなぁ~

ああ、1つだけ言っておかないとな。
{netabare}「ニートになっても、何年待っても、岬ちゅぁんは来ちゃくれないんだよぉぁー!!!」


※完走した人用の感想 → {netabare}

岬ちゃん役の牧野さんて、{netabare}シーキューブのユラ公だったのか(T_T)
・・・イイ声なのに、めぐり合わせで仕事も変わりそうだな。{/netabare}


※※以下、断定口調で述べますが語尾に「気がする」を付けて読んでね♪


この作品の裏を読むと面白いことが三つある。

一つは、誰も死んでないこと。
引き籠りもその素質があるヤツも「死にたい」とか簡単に口にするけど、
こういう人間って大抵は犯罪するようなこともないし、自殺することもない。
よく「自殺する勇気がない」とかいう言葉を耳にするが、
「~する勇気」って、あれ、勇気じゃないから。
本当に死んでしまう人は、悩むことや勇気とか、そういうの通り越して何も考えてないし、
考えられない。
だから考えられる人間は引き籠る余裕がある。

もう一つは、ラスト2話の前に引き籠りを脱出する例が2つあったこと。
1つは、見栄のために働こうとしたこと。
「かわいい女の子に引き籠りと思われたくない」
もう1つは委員長の兄ちゃんがアルバイトしてたこと。
「飯を食わせてくれれば何でもする」
兄ちゃんのが一番強い理由になる。
女の子にカッコ悪く思われたくない、とかの理由もイイ。
「空腹」「カッコ悪い」とかこういうマイナスの方向の動機は実に行動しやすい。
とりあえず佐藤くんは、
バイト先に岬ちゃんがいなかったらあの時点で引き籠り、ニートでなくなったかも。
あの動機付けで続くかは知らん。
ちなみに「岬ちゃんと付き合いたい」とかあまりにも明確な動機だと、長続きしない。
動機は単純で切実な方が、脱する力は強い。

最後は、実は周りの支えが引き籠りを脱するのを阻害していたこと。
単純に山崎や岬ちゃんがいなければもっと早く引き籠りを脱してたかも。
あの天使のような岬ちゃんが佐藤くんの自立を阻害してたかも、
という事実がなんか悲しい。
佐藤くんに関してだけ言えば、
彼自身はダメ人間だがどちらかというとイイ人間。
母さんに罪悪感を感じ、自分の状況をある程度理解していた。
しかも、妙な見栄があって餓死しそうになっても北海道に帰らなかった。
(帰るという選択肢がなかったから、交通費を残すなんてことを考えなかった。)
となると働くしかない、という状況は遠からず来ていた。
岬ちゃんや山崎が食糧支援してたから、飯の点だけでも、窮地からは遠のいた。

こういう見方をすると恐ろしいなw
もっとも、怪しい自殺のお誘い、マルチ商法地獄エンドから逃れられたのも、
あの2人の支えがあったから、という物語としての事実がある。
それに人間的な成長に大きく貢献していた。


この作品は物語として極端ではあるが、引き籠り・ニートについてよく表していた。

引き籠りの脱し方は最終話まで観ても、一話の結論から少しも変わっていない。

最後は岬ちゃんと恋人エンドっぽいけど、結局チューすらしてないし、
幸せなのか、幸せになれるのかもわからない。

ダメ人間同士が傷を舐め合っているだけにも見えるが、
それでも生きている、それで死なないなら御の字じゃん。

何でもいいから働いて生きろ、って単純なメッセージを私は勝手に受け取りました。
曲解して「かわいい女の子と楽しい時間を過ごしたいなら働け」ともw
あ~、オレもかわええ女の子とイチャイチャして~www



小説のプチ感想 {netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小説だと山崎も佐藤くんもかなり末期だなw

アニメの元ネタは1クール分ぐらいしかなくて、
大筋の流れは同じでも、その過程が大分異なるので、アニメと小説で2度楽しめる。
岬ちゃんについて詳しく書かれているから、感情の入り方が変わった。

どっちにしても、凹む内容だwwwww

アニメは、カッコいい山崎とアクティブにダメな佐藤くん、可愛く献身的な岬ちゃん、
2クールでちょっとダラダラだが、エンターテイメント性の富んだ作品。
小説は、末期な佐藤くんとかなりダメな山崎、淡白な岬ちゃん、
1冊だけをサクッと読めて、より無情感を楽しめる作品。時間的にはこっち。

それにしてもアニメの脚本家?さんスゲーな。
よく小説を消化して昇華させたもんだ。
オリジナル要素てんこ盛りなのに、本質的には変わっていない。

小説は挿絵ないし、アニメ観た方が情景が思い浮かべやすいので、
岬ちゃんの可愛さを漫喫したかったら先にアニメを。
先に小説を読むと、きっと主人公と自分、他の登場人物も知り合いに入れ替わるから、
ドM日本代表は先に小説を。

どっちから入っても楽しめると思う★ ヒッヒッヒ

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「じゃ、また夜に、公園で。」

2話でヤマザキ君がちゃんと出て来るまで
「ひょっとして…この隣人は孤独死していて、ついに主人公は発見してしまうのではないか。夏場だし死体の腐敗もきっとひどい。引きこもりの末路を見た彼は、部屋から出る決心をするのでは…」
という展開を妄想して、ヒヤヒヤしていました。
いや、壁の向こうで同じ曲がループ…というのがそう思わせたのでした。
みさきちゃんも、「本当に存在するのだろうか…彼にしか見えなかったら…」とか。
身構えて見てたのですが、何やら物騒なことを見せそうな雰囲気がビンビン漂っていたのですよ。

内容は、痛い。序盤は特に痛い迷走ですね。
考えたくない事から目を逸らすのに必死になってエネルギーを注ぐ事で、また目を逸らしたい事実を作ってしまう。
横道でも、邪道でも、真剣に楽しめれば、楽しませられれば、それが突破口になることもある!?
目指せ、わらしべ長者。でも、求めることはすぐに等価交換はでき無くて…。

人間万事塞翁が馬、いいと思った事、ダメと思った事も、ゆくゆくはひっくり返ったりもするような話なのかな…?と思いつつ視聴。

序盤。ヤマザキの切れやすさと主人公とのやりとりが、コメディとして楽しいです。
他の方のレビューにもあったれど、仲間の出来方が確かに急かもしれない。こんなに仲間が居るじゃないですか、主人公…。

7話まで
岬ちゃんのプロフィールを知ろうとしないのが不思議だった。どうして相手が自分に興味を持ったのか、気にならないのかな。
{netabare} 「親についた"恋人"という嘘がバレるから知っとかねば」ということで、ちょっと詮索してみるのだけど、岬ちゃんの現実に踏み込みたい訳ではない。
…高校時代の先輩とも、そうだったんだろうね。
ガードが固いんだかユルユルなんだか分からない主人公だなあ。{/netabare}

10話くらいでやっと岬ちゃんのバックボーンが気になり出して、 {netabare}しかし同時に身を引いちゃうのか…。
うーむ。。
主人公が「自分の子供時代のかわいい純真な姿」を思い返すのがなんとも切ないんですが…それは記憶補正もあるかもよー。

岬ちゃんのルートをおいて置いて、先輩へという感じですが、先輩も何か暗いですよ。 {/netabare}
ひょっとして、このアニメの展開は、
「どの選択肢を選んでも他人に委ねる限りはうまくいかない」…っていう話なのだろうか。

12〜13話
どんな暗い話になるのかと思いきや、サスペンス調でドラマチック。そうくるか!てとこが多くて、面白かった。
{netabare}自殺幇助、ダメ絶対の話。お金持ちだけど全てを失ったオジさんの身の上話、もっと聞きたかったけどな。やっぱりそこで「聞いちゃいけなかった…」て引いちゃうのが、サトー君なんだな。

主人公が1人で元気いっぱい空回りする自身の姿に、昔の懸命な学級委員長を思い起こして重ね、その頃からの無関心で怠惰な自分の事を後悔するとか、素直でグッときた…。
しかし、大活躍のお株は、自殺を考え直した眼鏡の医大中退に持ってかれる。そうですよ。遺されたお母さんや子供は、一時ではなくその後ずっと辛いですよ。{/netabare}

16、17話
ああー、やっぱり、「他人に委ねる限りはうまくいかない」流れが来た。{netabare}マルチ商法。

そしてサトーのネトゲー部屋をせっせとお掃除して、オムライス作って待ってる、岬ちゃんの健気さが凄い。おしかけ女房の鑑です。QEEN OF OSHIKAKE。
ネズミ印の商品を大袋に抱えて、満面の笑みでアパートへ帰ってきたサトー君を、待ち構えた二人。
ヤマザキ御奉行の眼鏡が光る。
切っておしまいなさい…!{/netabare}

18話
クーリングオフ大作戦。
{netabare}本当に、ヤマザキと岬ちゃんが居てくれてよかった!!
と思ったのも 束の間…

ヤマザキお奉行の背中の桜が、ネズミに散った…。わぁーん‼{/netabare}

19話
でもやっぱり仲間がいてよかったよ…。
{netabare}
委員長の兄さん、そう来たか…って意外な脱出劇を見せてくれました。
地方へ行けば結構若人は貴重がられますが、先日まで引きこもってた目と鼻の先で頑張ってる姿がミソですね。
(地方での健闘はヤマザキが担うことに…。)

高校時代の委員長の熱心さを思い起こせたことが、自殺幇助の際に主人公の身を助けた一因になっていたと思うんですが、委員長は知らないままでしたね。
{/netabare}
生命維持のための焦りと、
受け入れて見守ってくれる周囲の支えが、自立の支えになるという話。
他人の間で必要とされたいという本人の切実さ、も大事かなあと感じます。

21話{netabare}
マリッジブルーをチラつかせてサトー君を誘う「先輩」、ダメな人だなあ…。良い悪いで見たくないですが、ダメです。
サトー君の深入りしたがらない性分と、これまでで懲りた事もあってか、「不倫してみる?」のお誘いはすぐに断れて真っ当でした。
先輩は、どうあっても心の充足感を得にくい性分なんでしょうか。
難儀だと思う、それは。
しかも妊娠してるって。すぐにおめでとうを言えたサトー君は、やはり真っ当でした。

ヤマザキの家出と怒りっぽさは、保険に自らの人生と値段を決められていた所に起因していたのか…。
ヤマザキの「田舎の人間関係は、酒が呑めればやってけるぜぇ〜!」という報告に、まさか、このままアルコール依存症の流れまでこないだろうな…と心配に。もはや人生の落し穴を探せ!状態です。{/netabare}

23話あたりからは
岬ちゃんとサトー君との間がいよいよ佳境に。
やっと岬ちゃんの故郷について、ふと聞いてみるサトー君ですが、さびしいからそばに居て‼という岬ちゃんの切実な告白に、
やっぱりまた身を引いてしまう。まだまだ心の中のさびしさの実が熟さないんでしょうか。
でもちょっと男の子らしいと思えた。

ここからのラブストーリーはとても丁寧で、終わった時には岬ちゃんとサトー君のカップルが何だか好きになっていました。

ひきこもりがテーマの、回りくどいラブストーリーだったのかもしれない。
同じようなひきこもり・卑屈脱却を描いた四畳半神話大系と比べても、とてもリアルな描写が多くて重い部分もありましたが、コメディの効いたドラマチックな面も多くて見応えがありました。

とても読みづらいレビューになってしまいました。御一読ありがとうございます。でも何か、色々語りたくなってしまう作品ですね。
他の方たちのレビューも面白く拝見できた不思議な作品でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 28

82.2 2 シリアスでメンヘラなアニメランキング2位
宝石の国(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (951)
3804人が棚に入れました
宝石たちの中で最年少のフォスフォフィライトは、硬度三半とひときわ脆く、靭性も弱くて戦闘に向かない。また、他の仕事の適性もない。そのくせ口だけは一丁前という、まさに正真正銘の落ちこぼれだった。そんなフォスに、三百歳を目前にしてやっと「博物誌編纂」という初めての仕事が与えられる。

今から遠い未来、かつて存在した生物が、不死の身体をもつ「宝石」になった世界で、月から飛来する謎の敵“月人”と宝石たちとの激しい戦いを描く、強くてもろくて美しいアクションファンタジー。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、小松未可子、茅野愛衣、佐倉綾音、田村睦心、早見沙織、内山夕実、高垣彩陽、内田真礼、伊藤かな恵、小澤亜李、種﨑敦美、茜屋日海夏、広橋涼、皆川純子、能登麻美子、釘宮理恵、中田譲治、生天目仁美、桑島法子、原田彩楓、上田麗奈
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

祝!声優アワード主演女優賞(4/3追記)

第12回声優アワード主演女優賞に
主人公フォスフォフィライト役の
黒沢ともよが選ばれました!

同時期に響け!ユーフォニアムの劇場版公開もありましたが
ユーフォ1期の際に新人賞さえ獲れていないことを考えると
宝石の国での演技が評価されたと考えるのが自然だと思います

序盤のフォスと終盤のフォス
まるで別人のような豹変を見せる難役を
見事に演じきっており
主演女優賞にふさわしい名演でした

SoundHorizonの公演でまだ小学生だった彼女の表現力に
すごい天才子役が現れたと衝撃を受けてから
そろそろ10年が経とうとしています
Revo陛下が進撃の巨人で評価され
ともよちゃんがこうして声優転向した先で評価され
あらまり時代からのローランとしては
いろいろと感慨深いものがあります

声優アワードを受賞をしたのはともよちゃんですが
この作品他の声優も異常なほど豪華です
小松未可子
茅野愛衣
佐倉綾音
田村睦心
早見沙織
内山夕実
高垣彩陽
内田真礼
小澤亜李
伊藤かな恵
種崎敦美
茜屋日海夏
広橋涼
皆川純子
能登麻美子
釘宮理恵
中田譲治
斎藤千和
三瓶由布子
伊瀬茉莉也
朴璐美
(以上公式サイトより)
桑島法子
生天目仁美
原田彩楓
上田麗奈
(以上Wikipediaより)
他のアニメの主役級だけをずらりと並べた布陣で
ほとんどが声を聞いただけで誰かわかるレベルという
あまりの異常事態に放送時軽くパニックでした
これだけ読みにくい名前が並んでて
誤変換が原田さやかだけしか出なかったことからも
本当に人気声優だらけなのがわかります
原田にしても一昨年のきららヒロインですしね

この狂気すら感じるキャスティングですが
最初は男性声優女性声優どっちで固めるか迷っていたそうで
中世的な声を出せる男性声優が数集めにくいということで
結果的に現在の形になったそうです
男性キャストになっていたらなっていたで
また別の層に熱狂的な人気を呼んで
だれかが豊永の代わりに主演男優賞を取っていたかもしれませんw

声優以外の部分にも目を向けていきましょう
原作は月刊アフタヌーンで連載中の作品です
昔はずっと買っていた雑誌ですが
無限の住人が終わったタイミングで
雑誌としての購入は終わらせ
一部の好きな作品のみ単行本で追いかけています

調べてみたところ無限の住人の終了と
ほぼ同時期に連載が開始されたようなので
最初の数話は読んでいたはずなのですが
もうすっかり記憶から抜け落ちてしまっていました

ストーリーとしてはどうやら
{netabare}人類が滅亡した後の世界を描いたSF作品{/netabare}
という感じでしたが
連載中の作品のアニメ化ということもあって
これだけで一つの作品としてストーリーを評価するのは
中途半端過ぎてだいぶ難しい状態に感じます

キャラクターも非常に多いというか
はっきり言って多すぎる感じで
半分くらいは最後まで声と名前が一致しませんでした

CGは非常に美しい出来栄えで
幻想的な世界を見事に表現できていました
キャラクターも表情豊かで
戦闘シーンでは目まぐるしく動きます
CGアニメーションとしてはトップクラスの出来栄え
もっともこの分野は日進月歩なので
大体最新のアニメが最もハイクオリティなのですけどね

しかしこの作品のCGの真の素晴らしさは
そのハイクオリティさとは別の部分にあります
近年の3DCGは「不気味の谷」との闘いです
造形を人間に近づけていくと
最初はどんどん親近感を増していくが
それがある一線を越えると
人間に近い人間でないものに嫌悪感を抱くようになる
というのが不気味の谷現象

ショウバイロックでは徹底的なデフォルメで
人間には近づけないというサンリオらしい手法を
ラブライブシリーズでは静止画は作画を使い
CG場面はキャラを動かすかカメラを動かすかして
とにかく細部を認識させないというアプローチで
この問題と対決してきました

それに対しこの作品では
従来とは真逆の天才的発想でこの問題を解決してしまいました
この作品に関しては不気味の谷は
作品の魅力を損なうどころか
幻想的な世界観を際立たせる働きを持っていたのです

というのもこの作品のキャラクター達は
人間のような自我を持っていて
目をつぶって会話を聞いている分には
人間と何ら変わりないものの
その体は宝石でできており
物理的には人間というよりは人形に近い存在
人間味あふれる内面と無機質な外見のアンバランスさ
そのミスマッチを表現するためには
不気味の谷はなんら足枷ではなく
むしろ演出の一環として
この有機的な無機物たちを表現する手助けになっていました

この作品の監督は京極尚彦
もともとはサンライズのCGエフェクター
そのセンスを買われて出世し
ラブライブ!(1期・2期・劇場版)の監督となり
ライブパート演出を手掛けたことでも有名です

ラブライブ(1期・2期)でキャラクターデザイン等を務めた
西田亜沙子が本作でもキャラデザを務めていることを考えると
この作品はラブライブサンシャインとは別の形で
ラブライブの系譜を受け継いだCGアニメ作品と言えるかもしれません

関東では22:00宝石の国22:30ラブライブサンシャイン2期
という番組編成になっていましたが
劇場版でラブライブを離れたAs姉と
サンシャインで監督降板となった京極尚彦が
サンシャインにCGアニメ対決を挑んでいるかのようで
なかなか面白かったです
どちらもCGアニメーションの旗手として
切磋琢磨していってほしいですね!

さて、円盤の売り上げ的には2期がやれそうな感じですが
原作ストックとかそっちの方次第かもしれません
来月頭にイベントがあるので
何か発表があるかもしれません
2期があれば継続して視聴したいと思います

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

4月1日に行われた朗読コンサート昼夜観てきました

2期についての発表などはありませんでしたが
大きなスクリーンでのアニメダイジェスト映像をバックに
生演奏によるBGMと声優陣の生アフレコ
さらにはOP/EDの歌唱もあって
全体的に大満足のイベントでした

OP担当のYURiKAもED担当の大原ゆい子も
あまりアニソンフェスなどには出てきていないので
なかなか貴重でした
どちらもかなり難しい独特のメロディだと思うのですが
生で見事に歌い上げていました

しかし、特筆すべきはやはりliquescimus
今回の朗読劇は1~8話までのダイジェスト
最後は8話のBパートをほぼ丸々使っています
{netabare}合金を見つけてからアンタークチサイトが戦闘に入り
勝利した直後にフォスの目の前で砕け散り
フォスが覚醒するも一足届かず
アンタークチサイトが空に消えていくシーン{/netabare}
そのあとで8話の特殊エンディングとしてともよちゃんの歌が入るわけですが
おそらくセリフとは別に録っていると思われるTV版の歌唱とは
比べ物にならないくらいに気持ちが入っているというか
その前のシーンの心情をそのまま叩きつけたような歌は
単純な歌唱技術としては専業歌手の二人に及ばないにしても
その感情表現の爆発力にはまさに黒沢ともよの真骨頂を見た思いです
割といろいろなアニメで歌唱要員として使われることの増えているともよちゃんですが
このレベルのものはなかなかお目にかかれません
ゆゆゆ満開祭りの時の9話特殊ED祈りの歌が素晴らしかったのは覚えてますが
今回はそれ以来くらいにいいステージでした

ともよちゃんは歌唱だけでなく演技の方も素晴らしくて
キャラに合わせて手を伸ばしたり
頭を抱えたり震えたり
全身を使って表現しているのを見ると
この子はやっぱり生粋の声優じゃなくて
子役時代から培ってきたものの延長として
声で表現する仕事をしているんだなぁと
子役時代の演技を思い出しながら観ていました

朗読劇の後はトークパートもあり
いろいろ面白い話も聞けたので
覚えている限りで載せておきます

フォスフォフィライト:黒沢ともよ

最初の挨拶で自己紹介忘れたりしてたけど
まぁフォスフォフィライト役だしね
むしろフォスらしくて良いまである

シンシャ:小松未可子

TV本編はプレスコに近い形で
自分の好きな間合いで演技ができたそうです
それをベースに絵がついてアニメが完成して
さらに自分でそこに公開アフレコするのが今回のイベント
最初の演技のときとは自分の中のイメージが変わっている部分などもあり
しかも大勢の観客の前ということもあって難しかったと言っていました

ダイヤ:茅野愛衣

出番が少なかったと不満げなあやねるに
じゃぁせっかくだから10話のあれを一緒にやろうと持ち掛けるも
それはちゃんとした場所で披露したいと断られる
そしてそのあと二人でこそこそと打ち合わせ
謎の小芝居が始まる
茅野「ボルツなんか大嫌い」
佐倉「にぃちゃん!???」
にぃちゃんいただきました(-人-

ボルツ:佐倉綾音

もともと原作ファンで
友人と映像化は無理だよねなんて話していたら
アフレコの話が来たそうな
話が来ても最初は朗読劇とかそういう方向かな?
なんて思っていたけど蓋を開けてみたらアニメ化だったとか

アンタークチサイト:伊瀬茉莉也

他の宝石たちは黒い衣装に宝石カラーのネクタイでしたが
彼女だけは真っ白な衣装
さらに隣には袈裟をつけた金剛先生
・・・この配色、まるでアンタークチサイトのお葬式(・x・;

夜の部終演後キャスト達がはけていく中
最後に残った金剛先生とと二人で
「例年のよろしいでしょうか」
「ああ・・・」
のシーンを再現
会場からは歓声が上がってました

金剛先生:中田譲治

中田「どうもルチル役の内山夕実です」
っておいっw!
金剛先生役の候補は何人かいたそうですが
一番生徒に手を出さなそうな声
ということで彼に決まったのだそうです
しかし・・・
昼の部
アナウンサー「今回は若い女性ばかりの現場でしたがどうでしたか?」
中田「はっぴー☆ミ」
夜の部
アナウンサー「今回は(以下略)」
中田「╭( ・ㅂ・)و̑ グッ」
大丈夫かこの生臭坊主w

朗読コンサートもそのあとのトークパートもとても良かったです
9話以降の分についても朗読コンサートやってほしいですね
あとはやっぱり2期やってくれるといいなぁ

投稿 : 2025/02/01
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ストーリー、世界観、会話劇が素晴らしいですから、CG(作画)で食わず嫌いしてはもったいない作品

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
もう、レビュタイのまんまです。☆5と迷うくらい。多分、今期(2017秋)一番のファンタジーであり、一番のギャグアニメ。ネタ的な意味じゃなく、真面目な作風にたまに入り込むギャグのレベルが高すぎてビビります。CM見たときにクソアニメだと思っていた、自分の見る目のなさがクソでした。

オススメです。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
色々と考察しがいがあるアニメだけど、まだまだ裏がありそうなんで、その部分は(絶対にあってほしい)2期の時に考えたいと思います。

とりあえず1期で際立ったのが、主人公のフォスフォフィライトのキャラ。序盤の、ただひたすらに前向きな「良い性格してやがるぜ」状態のフォスが最高に良かったです。また、アンタークチサイトを失った後の、影のあるフォスも最高でした。いわゆる、「闇落ち」ともちょっと違い、ちゃんと「前のフォス」が残ってるのも良いんだよね。考え方、人生観が変わっただけで、根本はフォスなんだよな~。あの危うさが良いよね。

あと、ダイヤも最高だった。なんかこう、「純粋な黒可愛いさ」w シンシャとの絡みも面白かったな~。

宝石達の独特な死生感。フォスの深い悩み。あれだけフォスをバカにしてる宝石達も、絶対にフォス見捨てない絆の強さ。ほんとに、触れば壊れそうな絶妙のバランスの上で成り立っています。アジアンな音楽も良かったし、作画的にも、CGならではの表現をしていました。声優さんも、フォスのやる気ない気だるい感じは、黒沢さんがピッタリでしたね。

10話の月人(シロ)VSダイヤは最高のCGバトルでした。グルグル回るし、サイズの違いによる緊迫感もよく表現され、CGならではの演出が随所にあって。あそこが作品のクライマックスなんだけど、そこから意図的にギャグ方面に展開させた11話、12話には余裕さえ感じられました。2期、絶対に待ってます!

(あと、金剛先生が、某エロアニメのエロ坊主より、エロさがにじみ出てましたw)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
度胸だけは余っている。心と体の硬度入れ換えろとかw 独特だね。不滅だから、諦めきれない。月人。不思議な魅力。坊主が、某アニメよりエロく感じる(笑)

2話目
ダイヤ、良い子や(笑) ダイヤの透明感が、ピュアさに繋がってるのね。と思わせ、脆さもあるところが、更にダイヤっぽい。ラスト、引きのある展開だな~。

3話目
なんかこう、死生観が独特だね。淡白というか。そこを表現してる部分もあるのかな。ここ100年で一番しゃべったわよ(笑) ダイヤとシンシャのカラミ、良いね~♪ よく動くな。フォスに、まさかのスキルが(笑

4話目
なるほど~。肉と骨と魂ね。なかなかの展開だな。

5話目
なんかもう、シンシャに助けられる役目だな、フォス。防御力野郎(笑) 申し訳なさ過ぎて開き直るしかないわ(笑) あんだけバカにしてても、みんなフォスを助けようとするし、忘れられると落ち込むんだね。フォスの心象描写よ(笑)

6話目
ダメ社員(笑) 本格的にシリアス? 実際、マイナスにしかなってないしね。フォスの適材は、単独での偵察と報告でしょ。

7話目
自分が変わった、と思ったのに、それは勘違いで、実際には大して期待されてなくて、だから怒られなくて、それが辛いのね。この作品、何気にギャグ面が秀逸。そして、またもや引きのあるラスト。

8話目
海のどこかで僕の両手も挙がってることでしょうw でも、本当にフォス、死を撒き散らしてるよな~。フォスの苦しみもやる気もわかるけど、いよいよ犠牲者が出たとなると、どう評価されるかな?

9話目
強くなってるな。よりによって、シンシャのことを忘れていたか。フォスの性格は前の方が良かったな。でも、周りが前通りだから、作品自体の雰囲気は戻ったな。双子に二本の手でバイバイとかw

10話目
アンタークの死は、人生観みたいなもんを変えたんだね。ダイヤ、良いキャラだな~。後半の、月人対ダイヤ戦は、ホントに息を飲むのを忘れるくらいの戦闘シーンだった。CGでの戦闘シーンとしては、今までで一番かも。

11話目
おい、急に可愛いな(笑) 成仏? ここで新キャラ?

12話目
もう絶対に二期観たいね。原作買おうかな?
{/netabare}


【余談~ 宝石情報まとめ(Wiki程度) ~】
{netabare}
Wiki程度の情報ですがw

フォスフォフィライト→非常に脆く、衝撃に弱い。とても希少価値の高い石である。主人公の弱さを表すにはもってこいか。

辰砂→硫化水銀からなる鉱物。アニメ中の毒は水銀ですね。水銀の精製だけでなく、朱色の顔料や漢方薬にも使われたようなので、実際の辰砂は役に立たないわけではなさそうです(ただし、基本的には水銀化合物なので、現代では飲むことはありません。これを万能薬と信じてバンバン飲んでた古代中国の皇帝達は、早死にしているらしいです)。

金剛→仏教用語的に、「最も固いもの」。一説に、金剛石(ダイヤモンド)とする説があるようだけど、アニメにはダイヤもいるようだから、前者の概念的な意味での金剛なのかな? ちなみに、金剛をググったところ、「金剛石」よりも、「(戦艦の)金剛」よりも、「(艦コレの)金剛」がトップにきていて、日本の事が心配になりましたw

ダイヤモンド→言わずと知れた、最高硬度の宝石。でも、硬度にもいくつか種類があり、ダイヤモンドが最高硬度なのは「モース硬度」といわれるもの(引っ掻いた時の傷のできにくさ)であり、靱性(叩いた時の割れにくさ)は意外と低く、ハンマーで叩くと普通に砕ける(笑) ガラスなんかと似た性質。例えば、10円玉で傷を付けようと思うと、同じ厚さのガラスより鉄の方が簡単に傷つくけど、銅鍋で叩いたら、ガラスはすぐに割れるけど、鉄の板は簡単には壊れない。そういう靱性にもちゃんと触れているので、好印象でした。

ボルツ→通称、ブラックダイヤモンド。カーボナイトとも言う。ダイヤモンドの微少な結晶が集まって出来たもの。天然モノはレアだが、工業用のダイヤがこれに近い。硬度はダイヤモンドと変わらないが、ダイヤモンドにあるへき開がないため、強いとされたか。合理的な判断や無駄を嫌う様は、工業製品のような印象だった。

モルガナイト&ゴーシェナイト→緑柱石の一種であり、色や産地によって呼ばれ方が異なる。青色ならアクアマリン、緑色ならエメラルド、そしてピンクがモルガナイトで透明がゴーシェナイト。石言葉は、モルガナイトが「可愛らしさ」「性格の良さ」。ゴーシェナイトが「気品」「聡明」「優雅」。ゴーシェはともかく、モルガは性格が逆だと思う。何か裏があるのかな?

ルチル→高温高圧で生まれる鉱石。針上のルチアが、他の宝石に入ると、スターサファイヤやスタールビーなどと言われる。石言葉は「家庭円満」「強運」「金運」「観察力」など。医師という職業上、観察力からきてるのかな?

ジェード→翡翠のこと。中国では、不老不死や再生の象徴とされる。非常に硬度が高く、アニメ内では
「堅牢のジェード」と呼ばれ、金剛先生の秘書的な役割を果たす。ちなみに、日本の国石。

ユークレース→とても希少性が高い宝石。硬度は低くないが、へき開という性質のため、簡単に割れてしまう(ダイヤと一緒)。石言葉は「奇跡」「出会い」「洞察力」。月人の出現予測担当も頷ける。

レッドベリル→赤いエメラルドとも呼ばれる、稀少性の高い宝石(天然物は、地球上で1、2番に珍しい)。石言葉は「情熱」「美麗」。うん、洋裁担当として、美麗に情熱的だもんねw

アメシスト→アメジストのこと。石言葉は「誠実」「高貴」「平和」など。日本式双晶という、二つの水晶がハート型にくっついてるものに、アメジストが多いのがアニメの由来かな。バッカスと月の女神の逸話もありますね。

ジルコン→石言葉は「夢見る思い」。フォスの次に若く、ボルツに憧れてるからね。

オブシディアン→黒曜石。硬い上に加工しやすく、昔から石器など武器に使われた。武器製作担当としてはこれ以上ない。

イエローダイヤモンド→そのまんま、黄色いダイヤモンドですね。性質的にはダイヤモンドと同じ。日本では「黄ばんでる」なんて言われて、あまり人気がないようですね。

アレキサンドライト→「昼のエメラルド」「夜のルビー」と言われ、太陽光のもとでは青緑に、人工照明のもとでは赤に変化する、希少価値の高い石。その辺が、二重人格のアレキちゃんらしさ。

アンタークチサイト→別名、南極石。南極大陸で初めて採れた。室温で溶ける性質は、アニメと同様。冬を守るのに相応しい石である。

パララチア→サファイアの一種で、桃色と橙色の中間色のもの。幻の宝石とも言われる。この希少さが、なかなか起きない個性か。

、、、擬人化アニメはやっぱり、元ネタをちゃんと生かしてるのは評価高いよね♪ 石という難しいものをよくキャラにしているなという感じ。キャラありきで石を探したのか、石ありきでキャラを考えたのか。どっちかな? (多分、後者だろうけど)

ちなみに、キャラクターグッズとして、おそらくアニメ史上最高価格をつけたのが、本作。フォスフォフィライトをイメージした宝石が、なんと324万円。
しかも、販売当日に売れるとかね。スゴいよね。。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 66
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「人間じゃない」の表現

1話感想
{netabare}これもう自分がオッサンなせい?
若い頃からそうだったと思うんだが、その作品単体でモノを見れなくて、どうしても比較して考えてしまうってのを前もって断っておきます。

で、この作品の比較対象はフレームアームガールズ。
あの作品も好きだったけど、どうしても「足りないなぁ」と思ってた部分がありまして…身体破損シーン。
別にグロやリョナが好きってことではなく「折角人間じゃないんだから」そこを明確に見せる描写やって欲しいなぁと思ってしまうんですよね。
手足モゲたり首が360度回ったっていいじゃない?
またその一方でそういう描写に禁止をかけた人(勢力?)の影がチラついてなんかちょっとイヤ~な気分になってしまう。
(因みに同時期放送されてたクロックワークプラネットではオートマターの腕が千切れるシーンがあって「ハテ、こういうのって何処までOKなんだ?」と頭を悩ますことに)
今は緩和されたけどちょっと前にはバイク乗る時はヘルメット着用、車乗る時はシートベルト着用がほぼ強制されてた時期がありました、アニメなのに。
今だと飲酒・喫煙シーンがうるさいのかな?
そういうのって結構イラっと来るんですよね、自分は、好きにやらせろよと。

で、話をこの作品に戻すと、手足モゲるわ砕け散るわ、派手に破損シーン描いてくれて「なんだ、できるんじゃーん!」とひと安心。
モヤモヤしてた部分が晴れたというか、「人間じゃない」を説明するためにはやっぱ重要だよなぁと再確認できたというか。
ってか硬度が低くて脆いってのを説明するためにも必要な描写であり、これを「残虐描写に当たるのでNG」とかなったら多分作品自体が成立しない。
ダンロンやテラフォーマーズみたいにならなくて良かった良かった。
しっかしそう考えるとFAGは上の方(行政や局)からの圧力じゃなくて下の方での自主規制ってことだったのかねぇ?
今後「人間じゃないキャラ(死の概念の無いキャラ)」なのに破損シーンが無い作品に対してこの作品の名前挙げる可能性高いかも?

内容自体は…うん、非常に良いんじゃないでしょうか、前もどこかで書いた気がするけど絵本っぽい系は好きですんで…まだ1話だけなのでこの先どうなるか知らんけど。
居るだけで毒を振りまく存在、歩く環境汚染物質…こりゃ当人はいたたまれないわなぁ。
個人的には神様の居ない日曜日の死者の国を思い出すが…あれ、あれってどうオチ着いたんだっけ…。
彼(彼女?)を救済できるかどうかってストーリーなのかな?{/netabare}

2話感想
{netabare}2話にして早速の生体兵器?登場。
まだ敵なのかどうか分からないけど、生物ならシンシャにはおあつらえ向きの相手ってことで念願の役割を手に入れる…って簡単な話じゃないよね?
エンドカード見たら…アッケシソウかこれ?
舞台が湿原ぽいなぁと思ってたけど、塩湖や干潟も普通にある、もしくは全部混ざってる不思議な世界ってことの演出かな。{/netabare}

3話感想
{netabare}死なないもしくは死の概念が非常に薄い宝石人間と死が約束されてる普通の生物の接触。
うわぁい、もう悲しい結末しか思い浮かばないぞ。
元々死の概念が薄い連中って普通の人間に比べたらどれくらい価値観がぶっ飛んでるかってのを見るのがこの作品の楽しみ方かなぁ?と思ってたので(結構な非常事態であると思うが妙にノンビリしてるのもそうでしょう)、あの生物はそれを顕著に顕す比較対象として登場させたのかな?
あとはフォスにしかできない役割の付与か。
あの生き物の相手するのが嬉しいことなのか嫌なことなのか分からないのでまだこれからだけど、未だ役割の無いシンシャの胸中幾何か。
しっかしその…面白いんだけど、ダイヤが皆に聞きに回ったシーンあるじゃない?
一気にキャラがドッサリ出て、全然覚えられない。
覚えないとアカンのかな、今後個別にスポット当ててくれると助かるんだが。{/netabare}

大急ぎで9話までの感想
{netabare}王はナメクジってよりウミウシのような?
てっきりフォスと凸凹コンビで話が続くのかと思ったらサクっと裏切り。
裏切りと言っても宝石人が憎くてやるんじゃなくて人質を取られて仕方なく。
木の盆に対し「捨てちゃいなさいよ」「持って帰らないと怒られる」「…(帰る気があるんだ)」ってシーン、王の心中考えるとなかなか切ない。
そしてなんやかんやあってボロボロになったフォスが返されるワケだけど、同梱した貝の欠片は先生に向けての何かのメッセージかな?と思ったが、深読みせずに普通に謝意ってだけかな。
ところで宝石人は寄生獣と同じように体全体が記憶媒体らしい。
欠損するとその分だけ記憶が失われる。
えええマジか、それこえーよ。
両足を失ったフォスは貝で補修、能力アップもするワケだけど、記憶、というか自我が別のモノになっちゃいそう。
と思ったら相変わらずビビりで足を引っ張ってしまう。
本来の役立たずなフォスのままでホっとしてしまう辺り、感情移入してますなぁ自分。
けどねぇ、だからこそねぇ、その次の流氷の回、自分の感情を反射する性質があるって?
このままじゃダメだ・自分を変えたいって思い悩むフォスはまんまと流氷の誘惑に負けて両腕を失う。
足補修の経験から「パーツ換装すれば強くなれる・ヘタレな自分から変われる」ってのを心の底で思ってたってことなんだろうけど…アイデンティティを代償にパワーアップって…ひいい怖すぎる。
ラブコメでよくある「ありのままのキミが好きなんだ」と言ってくれる人が居ないのが宝石人の不幸か…。
ってかこれ、“成長”と“自我の喪失”のせめぎ合いがこの作品のテーマなのかも?

でもって今度は腕の補修で鉱山?に行って宝石人の発生プロセスの紹介~。
…。
こええええええ!!!!!
宝石人に成り損なった残骸って、まるで流産した水子じゃん…それを材料に腕にするって、なんか呪われそう。
この世に生まれたかった・生きてみたかったって怨念が宿ってそうで、そっち側に精神乗っ取られるんじゃ…。
あ、けど新たな手だったらシンシャの毒を気にすることなく触れることが出来るんじゃ?純金じゃないから違う?どうなんだろ。
で、そういったパーツ側からの精神侵食は今のところ無いっぽいけど、とうとうフォスが変わってしまいました、ってことろで9話が終了。

情けない自分を変えたいという焦燥感、自分が自分でなくなっていく(かも知れない)恐怖感、しかも自分でなくなるほどに人の役に立てるようになる皮肉。
それらの感情が色々混ざった状態を上手く表現した良作、みたいなことを全話見終わった後で書くことになるんだろうなぁと思ってたら、10話が凄くてどうしても感想を書きたく、急遽9話までの感想を大急ぎで書きました。
色々端折っちゃって勿体ないことろもあるけど、それだけ10話がスゲーってことで。{/netabare}

10話感想
{netabare}ダイヤが月人に見つからないようにコソコソ移動するシーンと、同じくダイヤと月人との対決シーン。

な ん だ こ の 長 回 し は (驚愕)

これまでも「戦闘シーン頑張ってるなぁ」って感じではあったけど、今回ガチで気合い入れた長回しシーンを入れて来ました。
もうここ最近映画はアニメも実写も大して見てないし、TVアニメだって全部見てないので見落としあるかも知れないけど…

映像クオリティ、他に比べ一歩抜きんでたんじゃね?

少なくともTVアニメではトップクラスかと…CGだったらこれくらい余裕だよ、ってことじゃないと思う。
TVアニメで長回しと言ったら怪物くんのOPやエウレカセブンの初期EDが思いつくけど(エウレカEDに関してはかなり手間がかかってると聞いた)、それですら「キャラは移動していない」。
要はカメラのフレーム外も常時位置関係を把握してないといけなくて、それが更に動いてる状態を映すって…マジでか。
(ダイヤがコソコソしてるシーンとか、一旦画面から外れた月人を「どう動いてるだろう」と想像させることで緊張感を演出してるワケで、この「どう動いてるだろう」の部分がテキトーでは台無しになる)
ひょっとしたら俯瞰で全体を見渡せる視点のシミュ組んだんじゃなかろうか?動かないオブジェクトをポンと置くんじゃなくて動いてるやつで…すっごい手間だぞ?
最終的な見栄えの出来は置いといて、かかった手間だけを考えるとハンドシェイカーが今年一番かなと思ってたら、年末にトンでもないの来たよ…。
コソコソシーンはずっと「なんだこれなんだこれ」と驚愕しっ放しでした。

で、映像の件とは別に話の方だと、宝石人はどいつもこいつも「自分のこういうところが嫌い」ってのを抱えてるっぽい。
フォスやシンシャは言わずもがな、ボルツは押しつけが過ぎてダイヤからウザがられてるのを気に病んでるし、ダイヤはボルツに守られ続けてる自分がイヤっぽい。
それを克服したり許容したりするのが成長とするなら、フォスのような「書き換え」は成長と言えるのだろうか?ってのを投げかけてるのかなぁと思ったり。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10
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