蒼い✨️ さんの感想・評価
2.7
押井守監督って…。
制作:スタジオディーン
1985年12月に公開された劇場版作品。
原案・監督・脚本は、押井守。
【概要】
旧約聖書にて大洪水でノアの方舟が陸地を見つけられずに時間だけが過ぎていった、
生命を感じられない無機質で空虚な世界。
機械仕掛けの太陽が海に沈み、廃墟の街は暗闇に包まれます。
人がいないはずの世界で、卵を大事そうに抱えた幼い少女と十字架を模した銃を担いだ少年が出会います。
【感想】
押井守といえばアニメ監督としての名声とは別に偏屈な人間というイメージがあります。
原作付き作品であれば原作者の意向を無視してまでどんどん手を入れちゃいます。
自分の好みに合わなければ原作サイドを侮辱して喧嘩さえします。
(『パトレイバー』でのメカデザインを散々バカにして出渕裕と長年、仲が悪かったのは有名)
出来上がった映像はすべからく“俺の作品”
原作者が文句を言っても“俺の作品”
スポンサーはパトロンであり、ダミー企画を使ってでも金さえ引き出せれば、やりたい放題。
んで試写会で完成品をお披露目したら、斜め上すぎてお偉いさんから説教される。
人と同じことをやってウケたとしても、ちっとも納得しない。
そもそも、原作者に阿る気が皆無であり原作は作品作りの踏み台。
視聴者に気に入られようと思って作ってすらいない感じ。
クリエイターとして自分が表現したいことを発揮できさえすれば満足の自己完結型の考え方。
いろいろワケアリな監督なのに、高橋留美子や士郎正宗など異なる才能と化学反応を起こせば、
凄い作品が出来上がるというのですから、人格と才能は別物なんですね!
そんな押井監督が100%の純度を以って世に送り出して一時期業界から干された原因である、
曰く付きの完全オリジナル作品が、『天使のたまご』
観て思ったこと。暗い!眠い!71分の割に長く感じます!
天野喜孝のファイナルファンタジーのイラストをそのまま動かしているような動画。
宗教的な音楽。
長所といえばこの二点なのですが、はっきり言って観る人のことを一切考えてないストーリー。
旧約聖書を元にした創作なのですが、特にヤマもなく登場人物にも魅力がなく辛気臭いだけの退屈なアニメでした。
押井監督は世界観ありきの作品作りで、“胡蝶の夢”とか自分の好きなことしか描けない。
登場人物は監督自身の頭のなかにある言葉を紡ぎ出す依り代に過ぎず、
恋愛とか友情とか夢など人情の機微に溢れた登場人物を生み出すことが出来ない!
だから、『うる星やつら』みたいに他の人が用意した魅力のあるキャラを動かして、初めて作品に生命が宿るのですな。
そのくせに、自分の意見を絶対視してよく人と衝突しますので、
正直なところ、スポンサーやプロデューサーの立場ならこれほど使いづらい人材はいないですね。
それでも、数々の名作アニメを手掛けたことも事実ですし、それはそれ!これはこれ!ですね!
どことなく押井守氏に関する反感めいた内容になってしまいましたが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。