ワドルディ隊員 さんの感想・評価
2.3
無駄骨
この作品は、四谷啓太郎氏の漫画を原作とした短編アニメである。
内容を一行で言い表すと、主人公である高校生のひょう太と
悪魔であるメムメムちゃんのやりとりを楽しむギャグ物だ。
放送時間は5分と短いが、苦行だと感じる場面が多かった。
それもそのはず、露骨であざとい演出を多用していたからだ。
そういった演出を取り入れれば、ある程度の集客を見込めると
判断したのだろうが、それがかえって裏目に出たように感じられた。
いきなり、胸をこれでもかと言わんばかりに強調させる所
から始まる。本当に多いよな、こういうの。
しばらくした後、やたら尻を震わせる主人公。
その光景は心底気持ち悪いので、人によっては
吐き気を催す可能性がある。
場合によっては、エチケット袋を用意する必要がありそうだ。
それを終盤まで引っ張り、何事もなかったかのように終わらせる
製作スタッフには感動すら覚える。その心意気は褒めてやりたい。
(許すというわけではない)
アニメを視聴した後、原作である漫画を読んだのだが
過剰な演出はかなり抑えられており、純粋なギャグ漫画
として作られていたことが分かる。
なぜ原作通りに作らなかったのだろうか。
製作スタッフの中でこういった演出を多用すべきだと
発言した者がいたのか。
あるいは、上層部からこういった演出を盛り込めと
圧力をかけられたのか。
どちらにせよ、アニメ化は失敗に終わったような気がする。
まあ、原作の方が面白いよというのを遠回しにアピールする
ことには成功した作品だと考えている。
ひょう太を担当した声優の演技は良かっただけに、
非常に勿体ないと感じた。
ぶっちゃけ、原作の魅力を全く引き出せていない為、
無理してみる必要はない。
歯磨きをしている最中に使うには最適な作品の一つだと思う。