サイボーグでSFなTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のサイボーグでSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のサイボーグでSFなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.2 1 サイボーグでSFなアニメランキング1位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (710)
3177人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の本質が善か悪かというキャッチコピーですが。。。

原作未読。全11話。

宇宙船の墜落により、心と記憶はそのままで、身体をサイボーグに
された初老と高校生の物語。
サイボーグになったことで、星一つを壊滅できるほどの力を
得る一方で、人でなくなった事を思い悩むのですが、、、
共感はできなかったかなー。

{netabare}
初老は道徳的で正義感が強く、真面目、青年は自分の関わる人以外は
どうなっても良いという人間性で対称的、それらの人間性が、
生まれ持ってのものなのか、後天的に得られたものかは不明で、
結局、二人とも、人間でなくなったことを憂いはするが
力が無くて出来なかった事をするようになる。
元々の人間性が表面化する。
初老は人助けに生き甲斐を求め、家族に認めてもらえる、
青年は誰にも受け入れてもらえないが、一貫して身内だけを
助けたいと思うだけで改心していない。
一方で地球が巨大な星に衝突する危機となり、二人で自爆して
地球を助ける。

現代社会の不条理、行き過ぎたなメディアや暴力団や若者の
不道徳な行為などを批判的に織り込んで、打ちのめして
痛快に思えなくもないですが、対極的な二人の人間性の変化を
期待したかな。(多少の心の揺らぎはあったんですが、
物足りない感じです)
キャッチコピーの「人間の本質は善なのか、それとも悪なのか
。。。」が適切であった内容とも言えないかな。
{/netabare}

作画も音楽もかなりよく、観ていて退屈しませんでしたが、
物語としてはちょっと物足りなさを感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「最終兵器オヤジ」はサムメンコみたいなヒーロー厨じゃなくて、初老の冴えない事なかれ主義者だからこそ、人生に疲れ、悩み、苦しみながら生きていて、

なんだか共感できるおじさんなんです(笑)


もう私は、ノイタミナ枠は信じてないので、
基本的に、斜めにしか見ませんが、
今回の、こういうSFバトル系は、設定と脚本さえ暴走しなければ、
楽しく視聴できる、と再認識しました。
今のところは、ですが。
原作モノだから、サムメンコみたいにはならないと信じたい。



主人公のおじさん「いぬやしき」が、58歳にしては、
実年令よりかなり老けてみえるし、
慢性の腰痛持ちだし、
視力は衰えてきてるし、
判断力も老化してきてクルマの運転も危なっかしいし。
そのうえ、胃がんが発見されておろおろメソメソしてるのに、
家族にも疎んじられて、胃がんのことも切り出せないでいる様は、
悲しくも可笑しい現代のおじさん像そのもので、
同情を禁じ得ません(苦笑)

ところがどっこい!{netabare}
宇宙船と衝突!という事故に遭遇、完全OUT!と思いきや、
これが、とんでもラッキー・アクシデントで、
宇宙船の連中、手許にあった材料で、
テキトーに機械の身体で再生させちゃって、
事故をなかったことにしてどっかに行っちまったもんだから、
銀河鉄道999で延々と旅するまでもなく、超人体として蘇って、
胃がんの悩みも、腰痛も、視力の衰えも
完全解消、超ラッキー!

でも、心は普通のおじさんのままだから、
自分が超人体サイボーグになった事実を受け止めることもできないまま、
人外の存在になってしまったことを、ただ嘆き悲しんで
自分のアイデンティティを見失いそうになっておろおろするばかり。


そんないぬやしきを救ってくれたのは、
公園の東屋に棲むホームレスのおっちゃん。と言っても、
悪ガキどもにリンチ喰らって殺されそうになってしまうだけですが。
いぬやしきは、我が身可愛さから知らんぷりしかかって、
まあそれが普通だと思うのに、
結局は何の自信もないのに、
事なかれ主義より正義感がまさって、ホームレスと悪ガキの間に割って入って。
普通なら、やられちゃって、はい、おしまい。
なところですが、もはや、いぬやしきさん、超人体サイボーグです。
金属バットで首に一撃喰らって倒されても、
倒れたまま背中から指向性小型ミサイルだか何だかを多弾同時発射して、
悪ガキを追い払ってしまいます。
ただここでも、平和主義者なおじさんいぬやしきは、
普通の人間だったら殺されてる程の目に会ってるのに、
ハイスペックな認証システムとITスペックを駆使して、
自らの手で殺したりはしないで、ネット死刑を選ぶ。
今のところは、いぬやしきが操作している訳じゃなくて、
どうも機動装置の方に主導権があって、
いぬやしきの志向・性格に順応して解決方法を自律制御してるっぽいけど。

まあとにかく、ホームレスのおっちゃんには、神様とまで言われて感謝されて、
ようやく心の落ち着きを少し取り戻したみたいで、とりあえずはよかった、よかった。
これからは、宇宙船事故の巻き添えを一緒に食らった若者との、
孤高の戦いに進むんだろうな。
無双の身体を手に入れても、それで胃がんの恐怖を回避出来ても、
人ならざるモノになってしまった自分のことを嘆いて悩むだけだから、
苦戦は必至でありましょうが。{/netabare}
楽しく気軽に視聴継続、決定です。


ただし、小日向文世さんの声には、かなり違和感を感じました。
軽くてころころ回るハイトーン・ボイスは、
いぬやしきの風貌に見合った老けた声に聞こえないんで、
ミスキャストではないかと思う。
小日向さん自身の、CVのテクニックもちょっと不足してる。
実写映画のような生の芝居をしちゃってるんで、はっきり言ってノー・グッド。
あけすけに言ってしまうと、プロの声優みたいな技術は望まないので、
もっと記号的でいいから、ちゃんと発声して聞き取りやすさを大事にして欲しいです。


11/27追記
話が進んで行くにつれ、黒化&シリアス化加減が半端ない。
{netabare}犬屋敷対獅子神の一騎打ちになると思ってたら、
全然違う方向に行ってしまって、
これはこれで面白いんだけど、
こうなると、獅子神の贖罪と断罪の物語になるのか?

マスコミ陣惨殺にヒャッハーしたか、
2ちゃんねらー暗殺にヒャッハーしたか、
どっちだった?って視聴者への踏み絵のようで面白かった。
さてどちらが正解でしょう?
{/netabare}

最終話視聴を終えて
{netabare}
途中ではなしがどんどん膨らむ獅子神のターンは面白かったし、
犬屋敷v.s.獅子神のバトルも美麗かつダイナミックでよかった。
それだけに、最終話の妙にヒューマニズム的に、
こじんまりなまとめ方には、心情的に同調しかねる。
隕石の話が数話まえに出てきた時に、嫌な予感はしていたんだが。
まさか想像通りの、つまらぬ予定調和で幕引きとは・・・

残念ラスト。{/netabare}

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今の貴方を愛せますか…

1話見たときの印象とここまで違うの珍しいかも。
ちょっと主人公の声に違和感あるので期待してなかった部分あっだけど…
尻上がりに面白くなる、日本版アイアンマン。

10話、11話はアメリカンエンターテイメント映画かと言いたくなります。

ここでの評価26位…
指摘には5本の指、嫌3本の指に入ってきそうな面白さ。
OPの犬の被り物してるバンド最高にノリがいい♪


視聴完了
これが漫画原作アニメだとよく分かる作品でした。
読んでるうちに引き込まれてくる感じ出てました。

アニメだとキャラデサや声優さんの違和感あったけど、グロいSFアニメだと思いきや家族愛とか描かれて良かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

92.1 2 サイボーグでSFなアニメランキング2位
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (5059)
21537人が棚に入れました
西暦2030年…あらゆるネットが眼根を巡らせ、光や電子となった意思をある一方向に向かわせたとしても「孤人」が複合体としての「個」になるほどには情報化されていない時代…。
情報ネットワーク化が加速度的に進展し、犯罪が複雑化の一途を遂げる社会的混乱の中、事前に犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織が設立された。内務省直属の独立部隊公安9課、通称「攻殻機動隊」である。
公安9課の役割は、深刻な電脳犯罪への対処、国内における要人の援護、政治家の汚職摘発、凶悪殺人の捜査から極秘裏の暗殺まで、多岐に渡っている。彼らは電脳戦を最も得意としつつ、高性能義体を生かした物理的な戦闘においても特筆すべき能力を発揮する、精鋭部隊である。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、山口太郎、小野塚貴志、玉川砂記子
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

あにこれでの攻殻の順位変動

■攻殻の順位変動について

自分があにこれに来たのは2011年の夏、招待制だった頃で、その頃
の攻殻の総合順位は7~9位くらいだった気がする。

たしか1位がとらドラ!、2位エヴァ、3位がCLANNADのAFだったかな。

CLANNAD、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。も現在よりは
上位だったはず。

その後、一部のエヴァアンチによる悪意のある工作(明らかに1人の
人間が大量のIDを用い低評価を付けまくり)により、エヴァの順位が
やや低下。シュタゲとコードギアスが徐々に上昇。

あとは自身何度か休止を挟んでいるので、正確な事は分からないです
けど、大きな動きは無かったような。

2013年の6月、化物語が急にトップに、攻殻も一気に順位を上げる。

詳しくは

化物・攻殻の大躍進
http://www.anikore.jp/board/608/

自分は2013年の6月下旬~11月中旬まであにこれを休止しているので、
どう変化したのか分からないですが、気付くと攻殻が1位になっていた。


■攻殻機動隊が1位の弊害

レビューサイトとしての信頼度は上がる気がするものの、あまり良い
事では無いよーな・・。


・視聴のハードルが高い

あにこれに初めて来た人が最初にチェックするのは、総合1位の作品と
そのレビューだろうし、それがよく知らない作品だったとする。

普通は見る。自分が来た時も、まずは「とらドラ!」を見た訳ですよ。

釘宮病だったので掘り出し物を見つけた気はしたものの、ストーリー
はそんなに面白く無かった、なんでこんなもんが1位なんだよ、と。

とはいえ、とらドラ!だったら多分どんな人でも完走出来るだろうし、
死ぬほどつまらない、なんて事も無いはず。

少なくとも「話が難しくてよく分からん」という事はまずない。攻殻
だと結構な確率でそれがある訳です。

「初っ端で挫折する人が出て来る」、これが問題の1つ。

タグに社会派ドラマとかあるけど、巷で話題の半沢直樹とかとは受け
入れの広さが違う。

「やられたらやり返す。倍返しだ!」で、キャッキャするよーな事は
できねー訳です。


・レビューも書きにくい

頑張って完走したとする、そうなると次はレビューです。

レビューを書くのが初だったら、まずは人の真似をして書いて慣れる。

あ~みんな 感動した 最高だった 神アニメだった って書いてる。

よし、じゃあ自分もそんな感じで書こう、と。

そんなノリで書いたレビューは段々消したくなるのですが、仮に後に
消したり書き直す事になるとしても「慣れるために必要な事」な訳で、
攻殻の場合はそのハードルが非常に高い。

「え~、こんな視点で見て、こんな事を書かなきゃいけないの~」

なレビューが沢山並んでいる訳です。当然、脱落する人が出て来る。


■一部の人用の作品

○攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 *8,722 **,*** 19,680 02.12.21

○攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 11,533 14,576 20,158 04.03.26 


ほぼ同時期に出ているガンダムSEED

○機動戦士ガンダムSEED 【全13巻】
巻数 初動   2週計  累計   発売日
01巻 30,147 38,685 71,081 03.03.28

売上が全てという事では無いですが、圧倒的に負けている訳でして、
性質としては あにこれでの順位は876位、総合得点は64.7点 の

○頭文字D Fourth Stage 【全12巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 22,008 29,647 44,169 04.06.16

に近い。「特定の事に興味がなければ普通は見ない、けど、その一部
をほぼ確実に掴める」攻殻もそういった類のものです。


◯涼宮ハルヒの憂鬱 【全8巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
00巻 28,729 33,892 35,176 06.06.23

○コードギアス 反逆のルルーシュ
DVD版 【全9巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 36,634 45,593 62,527 07.01.26

○魔法少女まどか☆マギカ 【全6巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 52,944(*9,097) 57,767(10,295) 68,547(11,542)

○化物語 【全6巻】
巻数    初動       2週計       累計
      DVD(BD)    DVD(BD)     DVD(BD)
01巻 15,513(29,372) 19,103(37,251) 24,755(58,048) 

○けいおん! 【全7巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 32,503(*7,949) 35,220(*9,418) 42,625(10,847) 

○進撃の巨人 【全9巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 37,339(19,454) 40,488(21,852) 51,473(29,252)


もっと色々見たければ、

検索 TVアニメ 先発累計平均5000超作品一覧 除外方式 2000年以降


つまり「1位の作品を見る」という気持ちでは、見ない方が良いです。

現在たまたま1位ですが無理して手を出すよーなものではない、内容
に興味がある一部の人だけが勝手に見て、勝手に盛り上がる代物。

自分も含めて、攻殻好きは「理屈っぽくて面倒臭いイメージがある」
ので、レビューを書いたらマイナスになる事もあると思います。


■下がんねーかな順位・・

見て面白くなかったら、積極的に面白くねー、つまらねーと書くのが
良いです。

所詮メスゴリラとむさい男共とハゲジジイが社会の隅っこで色々な事
をしてるだけの話で、2ndに出て来る茅葺総理の雰囲気が少しエロい事
以外は女っ気の欠片もない。

美女、美少女不足は現代アニメとしては「重大な欠点」な訳で、欠陥
商品にはいくら文句を言っても問題ねーです。


大昔に書いた少し恥ずかしいレビュー
(をやや修正、主に「読むに堪えない暑苦しい部分」をカット)
{netabare}

レビュータイトル:よし、そろそろ熱い想いを込めて書こう。

このサイトに来て半月程。
長文書くのは久々だったし、そもそもレビューを書くのは初体験で
この作品への思い入れが強過ぎたせいでこれのレビューを書くのを
後回しにして来たけど、大分慣れて来たんでそろそろ書く事にする。


■一部の人用の作品、マニア用、無駄な凝り具合

普通のアニメとは凝り具合が完全に別方向。

自分は、これ以外の作品ではどれだけ評価が高いものでも気に食
わないと言いたい放題書いてきたし、レビューの内容はそれで良い
と思います。


■科学崇拝

とある魔術の~の話じゃなくて、科学崇拝者ホイホイ作品という話。

【エヴァの自分のレビューの一部】

(エヴァレビューにはひどい事を書き過ぎた為、少し反省、控えめ
 に書き直しを行い、今はこの部分は残ってないです)

ーーーーーーーーー
「攻殻」-「立証可能な理論、現実性」+「ウジウジ君」=エヴァ

「現実を元にした虚構」=攻殻 「虚構を元にした虚構」=エヴァ

背景にあるのがエヴァの場合は宗教と現実味の無い哲学で、攻殻
の場合は、背景が科学と推論としての哲学、あと文学少々。

攻殻は実際ある理論を元に今後ありそーな世界で、ありそーな事を
やってる訳で、両方メッセージ性で話題になった事あるけど、違いは
理解して頂きたい。
ーーーーーーーーー

攻殻を絶賛していたアニオタの友人達は皆が数学、物理、科学等の
崇拝者でして、情緒面よりも科学、エロ、萌え、そして金。と。

検索 空想科学読本

この本中身を知らずにバスで読んで笑いが止まらなくなって困った
事があったんですが、多分この手の作品が好きな人がハマる傾向が
あるのが攻殻。

つまり理系用作品、文系でこの作品の中身にまで興味を持った人は、
相当偏差値が高く良い高校や大学へ行っている(た)人な気がする。

ちなみに「攻機」じゃなく「攻殻」と略しているのは、何の作品なのかが
分かりやすくなるようにする為。口頭でも「攻機」と言ってしまうと通じ
ない場合があるので「攻殻」と言う癖が付いてます。


■銃器、兵器、他陸自等、軍事オタホイホイ

作品には架空のもの実在のものが出て来て、攻殻はかなり凝って
ます。興味ないと評価できないでしょうけど、これも売りの一つ。

ブラックラグーンとかでも少し出て来る話で、
(「軍人達は皆プラグマティストだ、憶測じゃ動かない」だったかな)

軍事はプラグマティズム(実用主義、道具主義、実際主義、行為主義)
の塊なので、科学崇拝者達とは非常に相性が良い。


■攻殻は近未来の日本が舞台の話

2030年頃の日本を舞台にした話なんですけど、2019年の事とかも
あるので、現在2011年ですけど、ちょっとリアル科学は攻殻に追い
つきそうにないですね。追いつくと思ったのになー・・残念だ。


■本当にありそーな設定、無茶とは言い切れない設定

「立証可能な理論、現実性」「現実を元にした虚構」

・・、立証可能な理論って言葉の使い方おかしいけど、他に言葉も
浮かばないから、イメージとして理解して頂きたい。

(実証、証明・・とも少し違うよーな、やはり立証が一番近い気がする。
理論を立証するって言い方はあるから、立証可能な理論でOKなはず)

そういった現実からの発展、推測、推論、未来予測が元になってる
作品なので「そんな未来があり得そう」な訳です。


■その発想力と設定の細かさ

ここのレビューの限界文字数知らないけど、本気で書くと多分余裕
でオーバーするので、設定は解説サイト見て来ると良いです。

架空の話なんだから、そんなとこまで細かく設定する事ねーよ!な
内容で、それ故にマニアが食い付く。


■出てくるキャラ

メスゴリラ、むさ苦しいおっさん達、無駄に有能なジジイ、そして
攻殻が好きはきっと皆大好き笑い男。2rdでは雰囲気がエロい総理。


■作画

萌え絵じゃなくて、変な作画じゃなくて、本当に良かった。


■台詞

センスが日本のアニメのよくあるそれではない、ハリウッド映画系、
ともやや違う、脳筋系すらそのセンスのせいで激しく良いキャラに。

蒼天航路、富野作品、ブラクラ、銀英、冨樫や福本作品、ビバップ

パッと思いつくので、それぞれが独特に台詞が印象に残る作品。

攻殻にも脚本に6人のうち1人がビバップに関係してるけど、ビバップ
ともやや違う。台詞一つで台無しになるところを素晴らしい仕上がり。


■声優

有名どころだけ:田中敦子 大塚明夫、山寺宏一 中田 譲治 三木
眞一郎  折笠愛 榊原良子


■音楽

日本の至宝、菅野ようこ様

検索 Inner Universe (full song)

2011年秋に480万再生、2013年年末に900万再生。


■アニメーション製作・Production I.G

作中もだけど特にオープニングが気合入り過ぎで、当時開いた口が
塞がらなかった。

検索 攻殻機動隊 S.A.C Origa - inner universe OP : Ghost in the? Shell

検索 攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG Origa - rise - YouTube


■これが原作漫画だと?

原作を超えたとかよく聞くし、原作は見る気も起きない。


■士郎正宗

原作者の別の作品「RD潜脳調査室」を見た時の、俺の落胆っぷり
といったら・・いや、そんなものは存在しなかった。


■周囲で影響を受けた人は数知れず

急にハッキング系の本を読み出したり、サリンジャー作品を読み出し
たり、作品に出てくる用語をネタとして使いまくる人々。自分がよく使用
したのは「~と囁くのよ、私のゴーストが」

人気があったのは光学迷彩

検索 光学迷彩 ニコ大百科


■STAND ALONE COMPLEX

独立した個人が結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象
孤立した個人でありながらも全体として集団的な行動をとる


この作品は色々な部分を作ってる人々が、他の部分のあまりの出来の
良さに影響されて、普段の実力以上の仕事を、創作への熱意を燃やす
事になった、そう解釈しています。

「どんな環境でどんな仕事にも真剣に取り組む人」は非常に立派です。

しかし、やはり他がダレていたり、打ち込む価値が無いと感じてしまう
と、どうしてもやる気が無くなる、人間とはそういうものです。


我々の間には、チームプレーなどという都合の良い言い訳は存在せん。
有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。


製作側がアニメをどういう風に作っていくかは知らないので、ただの
妄想。

スタッフ全員本気で良い仕事し過ぎて、自分だけ手が抜けなくなった、
というより自分も感化されて本気になった、攻殻機動隊製作委員会に
はそれがあったと思う。

質の良い原作ありきで、更にスタッフ個人の良い仕事し過ぎ、頑張り
過ぎによる相乗効果、その成果こそが

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」だと、自分は信じている。


■書き直したい

暑苦しい駄文を大分カットしてすっきりしたけど、全部書き直したい。

でもそんな事をするなら、最初から全部見ないと・・。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 120
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

道化か、それとも英雄か

ProductionI.G制作。

サイバーパンクの金字塔、
至高の映像体験とジャーナリズム。
日本が誇る傑作SFサスペンス。

未解決企業テロが続出し、
セラノゲノミクス社社長が誘拐された。
数多くの電脳化による弊害、
捜査は錯乱の様相を呈している。
{netabare}隠蔽された告発、駆逐された正義。{/netabare}
サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」、
シンボル化されたポップアイコン。

自我の並列化の果てに何があるのか?
{netabare}オリジナルの不在、踊る模倣犯、
広大なネットの海で暗躍するものたち。
そして真相は闇に葬り去られる。{/netabare}
今こそ「笑い男」事件の全貌を暴け。

手に汗握る銃アクションに興奮する。
近未来社会を通じて描かれる現代の諸問題、
世界観が驚くほどの想像力で構成されている。
何というのか…心底、面白くて眩暈がする。

道化か、それとも英雄か。
正義の行方は何処へ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 87
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

リズミカルな社会派アクション

原作未読。

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス]」
http://www.anikore.jp/anime/475/

「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG」
http://www.anikore.jp/anime/588/

「攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ]」
http://www.anikore.jp/anime/1635/


上記のシリーズの1作目。
2030年、電脳化やサイボーグ化の技術が発展した時代。
「公安9課」と呼ばれる対政治犯の組織の物語。


社会派アニメです。
小難しい単語がたくさんでてきますので、適当には見られません。
実際、辞書を引いた単語がいくつかありました。


1話1話が、世界観とマッチしたドラマ。
完成度が非常に高いです。
そして、基本的に1話完結なのに、続きが気になります。
これは、世界観を小出しにしているのが鍵。
世界の姿を小刻みに見せていくことが、「引き」の代わりになっているんですね。


そして、リズムの良さもポイント。
難しい内容のあとには簡単なシーンを。
簡単な内容のあとには難しいシーンを。
話の難易度を調節することで、マンネリ化やギブアップを防いでいます。

文章に例えてみます。

ひらがなやカタカナばかりのぶんしょうのばあい、かんたんによめますが、ながしてよまれやすいです。
逆に漢字の多い文章だと読み難く最後迄見て貰え無い可能性が高いです。
したがって、ひらがなを主体にして、たまに難しい漢字を入れることで「引っかかり」を作る。
これが、読み手の意識を、内容に集中させるための有効な手段です。

攻殻機動隊の場合、良質なアクションシーンが、ひらがなの役割を担っています。
そして、会話の内容で「引っかかり」を作っています。
おかげで、話に入り込みやすく、興味が持続しやすい仕組みになっているわけです。


ただ、そこまで順位が高い作品かなぁ? というのが率直なところ。
面白いと感じたのは間違いないんです。
でも、消化不良ぎみ。
テーマがぼんやりとしているからだと思います。


{netabare}「デジタル化した心」{/netabare}と{netabare}「心をもった機械」{/netabare}、このふたつにどんな差異があるのか。
外枠に触れてはいるものの、まだあいまいです。
主題にもう少し踏み込むことを期待して、続きも見てみたいと思います。

{netabare}
この作品って東のエデンと繋がっているんですよね。
先に出たのは攻殻機動隊ですが。
{netabare}
ジュイス{/netabare}がタチコマになるなんて。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60

62.4 3 サイボーグでSFなアニメランキング3位
攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE(オルタナティヴ アーキテクチャ)(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (277)
1719人が棚に入れました
企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程、情報化されてない近未来――西暦2027年。高度化した電脳犯罪を前に、"攻性"の特殊部隊設立を望む内務省公安9課・荒巻大輔の前に現れる、陸軍501機関所属・草薙素子三佐。生まれる以前に全身を義体化されたサイボーグであり、超ウィザード級のハッカースキルと、卓越したサイボーグ操作技術を併せ持つ草薙は、事件の影に潜む電脳ウィルス「ファイア・スターター」の謎に迫るが――。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、咲野俊介、檀臣幸、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

公安9課ができる前のお話。
相変わらず、かっこいいんだけど、よーわからんです(笑)
ホームページのストーリー紹介がよくまとまっているので
こっちをちょくちょく読むことになるかも。

劇場版+オリジナルストーリーみたいですね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

攻殻機動隊に初チャレンジ・・・色々と圧倒させられました^^;

前から気になっていたこのシリーズ・・・これまで中々手が出せませんでした^^;
その理由はただひとつ・・・構成が分からなくて、どの作品から視聴すれば良いのか分からない事でした。
1期、2期等と書いてあれば直ぐに分かるのですけれど・・・^^;

今回の視聴もリアルタイムで見るかは悩みましたが、製作がProduction I.Gさんと知り、きっと綺麗な作品が見れるんだろうなぁ・・・と思い視聴を決意しました。

今回視聴したARISEは、1.原作、2.劇場版(GHOST IN THE SHELL)、3.Stand Alone Complex、に続く4作目になるとの事です。
原作は漫画なので、アニメだけで楽しもうと思ったら劇場版から入る事になるんですね。
それで、劇場版には「イノセント」という続編があるようです。きっとイノセントはS.A.Cより先に視聴したほうが良い・・・のだと思いますが、もし間違っていたらご教示頂けると嬉しいです^^;

物語の舞台は、今より遥かに技術の進歩した21世紀の日本・・・
電脳、ネットワーク、義体、サイボーグにAIといったキーワードが散りばめられた世界観の中で物語が紡がれていきます。
主人公は、草薙素子という女性サイボーグなのですが、このお方の格好良さ・・・半端ありません。
「少佐」と呼ばれる彼女は、身体能力、ハッキングスキルが高い上、常に冷静で部隊を纏める資質にも秀でています。
物事の一歩先を読み、部隊に的確な指示を次々に出していく彼女・・・
時折、「少佐、少し人使いが荒いんじゃ・・・^^;」
と思うこともありましたが、部隊のみんなは文句も言わず黙々と任務をこなしていきます。
この部分に最初は少し違和感を覚えましたが、チームの最前線で体を張って犯罪に向き合う彼女にそれも直ぐに払拭されました・・・

それぞれが最も得意な分野を突き進む・・・
みんなのスキルもバラバラなので、一人一人の取り組みを見ると個人商店っぽいのですが、それらが絶妙に混ざり合い、結果的に凄いチームプレーに発展していくんです。
現実の仕事でも、こういうパートナーと一緒に仕事ができたなら、きっと導き出せる答えの質も変わるんだろうなぁ・・・と思いながら視聴していました^^;

この作品は、4本の劇場版をTV放送に再編集して、新劇場版に繋がる2話の新作エピソードが加えられて放送されましたが、攻殻初心者の私でもしっかり楽しむ事ができました。
劇場版で物語が完結したから・・・なのかもしれません。
でも、この作品をもっとちゃんと知って見たら、もっと楽しんで視聴できたと思います。
今では、続きの劇場版も気になりますが、この作品を始めから視聴したくて仕方ありません^^;
最初の劇場版から制覇する楽しみが一つ増えました♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

のび太 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

かつてのインパクトはもう無くなってしまったけど

攻殻機動隊が結成されるまでを、草薙素子を中心に描かれた外伝的な作品です。
劇場版として制作されたものを、TV用に再編したものらしいですね。

個人的に攻殻は昔から好きな作品でした。
まだ、インターネットとか普及していない時代に電脳ネットとか、当時はSF作品の
最先端をいってるくらいのインパクトを持っていたと思っています。

それを外伝的な作品とはいえ、現代だとやはりかつてのインパクトはもう感じなく
なっていました。

作画もちょっと崩れる所もあって、微妙に残念な感じです。

けどまあ、久々に攻殻メンバーの活躍を楽しめて、なんとも懐かしい感じでしたw

できれば、現代でもさらに先を行くSF作品として、もう一度復活してほしい作品ですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

71.0 4 サイボーグでSFなアニメランキング4位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
656人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

KANO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

本気で欲しかったサイコガン

懐かしの作品
当時まず連載時の原作を読んで衝撃を受けました。世界観もさながら、出てくる女性のコスチューム、少年時の私には大人の世界に足を踏み入れるかの様な想いを今も憶えています。
内容は、最終兵器の探索、クリスタルボーイとの死闘、ラグボール、海賊ギルドの首領サラマンダーとの対決、当時食い入る様に観ていました。
歳バレですが、リアタイ視聴時、最終回が小学校の修学旅行とかぶり、クラスの男子半分ぐらいで行かんとこうか?となったのを憶えています。ですが私の家に買ったばかりのビデオデッキがあり、後日毎日のように上映会があり、古き想いでの作品です、当時は飽きもせずに繰り返し繰り返し観ていました(^^)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

しゃあ・あずなぶる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒューッ!

左腕にサイコガンを持つ、宇宙海賊コブラの活躍を描くSFアクション。

とにかくコブラがカッコいい。
1982年の作品だが、今見ても充分面白い。
宇宙が舞台になっていても違和感がそんなにないのは、今も昔も思うところはそんな変わらないからかな。

敵味方問わず、魅力的なキャラクターやストーリーを是非堪能して頂きたい。
全31話を見るのに躊躇するなら、取り敢えず1話を見て「ラグ・ボール」編を見る事をお勧め。


それでは、次回「別のレビュー」でまた会おう^ー^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いわゆる「アメコミ」

少年ジャンプにおける銀魂やシティーハンター、北斗の拳などのいわゆる劇画路線の開祖である。その前にもいろいろ劇画はあるが「アメコミ」や「バンドデシネ」を意識した画面作りは「コブラ」のヒットから始まっている。

バンドデシネ作家のエンキビラル、メビウスやアメコミ,SF作家のフランクフラゼッタ、ボリス・ヴァレホなどの絵と酷似している。。。。だけでなく、ヘビーメタルやロックに詳しい人なら知っていると思うが、70年代から80年代にかけてのバンド系のレコードの表紙は必ずと言っていいほどSFやファンタジーのオタク的なイラストがそのまま使われている。

と、言うのも。。。だいたい有名どころのロックシンガーは実はかなりのSF、ファンタジーファンであり小説やらパルプ雑誌を読みふけりながら葉っぱと酒と女にラリっているというとんでもない人が多い。リア充なんだかオタクなんだかわけわからないが、海外のファンは日本と違ってオープンであり、ギークやナードはどちらかといえば小心者を指す言葉になっている。

そういったカウンターカルチャーと呼ばれる文化は日本にも波及し、80年代を席巻した。音楽にしろ、漫画にしろこの頃の作品はやたらとアメコミ調で、世界は荒廃しており、男は皆モヒカンで世紀末な格好で、女はビキニアーマーを着ている半裸のねーちゃんなのである。

寺沢武一先生は、これに関して「私はバーバレラ(フランスの60年代エロティックSF漫画及び映画)から影響を受けた」と言ってたらしいが、確かにそれは出発点ではあるものの、全体的には当時のフランスSF漫画雑誌メタルユルラン(英題:ヘビーメタル)調であり影響受けてないはずがないのである。北条司や荒木飛呂彦、三浦建太郎、原哲夫。。。挙げたらキリがなくなるくらい影響を受けている。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

65.7 5 サイボーグでSFなアニメランキング5位
サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (77)
479人が棚に入れました
1964年に『少年キング』で連載をスタートした石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)による人気漫画「サイボーグ009」は、1968年にはTVアニメ化され、バラエティーに富んだサイボーグ達の活躍で人気を博した。また、当時としては画期的な社会派作品としても注目を集めた。そして2001年、この名作が新作アニメとして復活。2001年10月からテレビ東京ほかにて放送され、最新技術を駆使したクオリティの高いアニメーション、小室哲哉の書き下ろしによる音楽、globeによるOP&EDなど豪華な内容で話題となった。
見覚えのない部屋で目を覚ました少年・島村ジョーに、突如謎の敵が襲い掛かってきた。しかし、ジョーは簡単に敵を倒してしまう。自分の能力に驚愕するジョーに、何者かがテレパシーで語りかけてきて…。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、植田佳奈、森久保祥太郎、ゆきのさつき、飛田展男、大塚明夫、茶風林、チョー、岩田光央、麦人

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

戦いだけでなくサイボーグ戦士たちの心を描いている

この物語はサイボーグ戦士たちが悪の組織ブラックゴーストと戦う物語ですが、一つ一つの戦いの中で、人間とは何かということを、結構深く考えさせられます。

原作は石ノ森章太郎さんです。1964年に漫画を描かれてから、もう60年近くになります。


主人公は島村ジョー。彼は崖から転落後に意識不明となったところをブラックゴーストに体を改造されてサイボーグ戦士009となるのですが、仲間のサイボーグ戦士たちと一緒にブラックゴーストから逃げ出します。

ブラックゴーストは戦争を生業(なりわい)とする悪の組織。決して裏切り者を許しません。
次々と刺客を送ってきて009たちを抹殺しようとします。

刺客の0010は、決して手と手を触れ合うことができないように改造された兄と弟。触れ合えば、お互いの電流がショートして二人とも死んでしまいます。

刺客の0011は脳以外は全て機械でできた体。彼は生身の体に戻してもらうことを条件に009たちの抹殺を引き受けます。彼の目的は、生身の体に戻り家族のもとへ帰ること。ただそれだけでした。

刺客の0013は発達障害だった少年。サイボーグとなり、障害のない優秀な頭脳になりますが、昔いつもジョーから助けられていたため、どうしても009を抹殺することができません。

それ以外に、全身を動物の体に改造されたサイボーグや、決して死ぬことができず数千年も孤独なままでいるサイボーグ(?)など、戦い以前に深く深く考えさせられてしまいます。

そして009の仲間のサイボーグ、001から008のみんなも、それぞれ悩みを抱えています。
でも彼らは、悩みながらも前向きに生きています。

全話は51話ですが、48話迄が本編であり、残りの3話はおまけと思った方が良いでしょう。

オープニングは小室哲哉さんが作曲した「What's the justice?」とても美しい曲です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

体 が 溶け出 す この奇 跡を 待ってた――――――――――――

原作はご存知、オイラが日本の最強漫画家の一人と疑わない石ノ森章太郎先生のライフワークとも呼ぶべき代表作
それぞれが悲運を背負いながらも悪と戦う、9人のサイボーグが繰り広げる『SF異能力チームアクション』の元祖


コレはいわゆる第3期テレビアニメ版、或いは平成版といわれてるヤツでつ
全48話+非ソフト化の総集編1話+完結編2話+未放映話1話(サーセン;←コレはいまだに見たことがないんです)
もはや伝説の第2期(吹きすさぶ風が~♪)の方にはなんの思い入れもないので、ゆとり世代よろしくオイラはコチラを紹介させていただきます


関東では裏番組に日本最高視聴率を誇るのアニメ番組である『サザエさん』が控える日曜夕方6:30枠に構えるという妙に強気で挑んだ意欲作


視聴率こそ惨敗でしたが、再現度の高いキャラデザや過去作より当然のごとく進歩した技術力を用いての戦闘シーンの描写(特に加速装置がサイコーですね^^)が国内外の石ノ森ファンからの賛辞、ひいてはオイラのような新規ファンの獲得に至ったわけです


これで『スカルマン』ぐらい作画が良かったら本当に傑作だったんですけどねー
そこは水準が低めだったゼロ年代初期のアニメ界事情と安定感重視の通年モノの宿命でもありました;


スタッフ&キャストは当時の若手ばかりに一新
音楽はavexがスポンサーだった関係で「俺たちのTK」こと小室哲哉が、主題歌はglobeが担当でした
コレが昨今横行する無理繰りなタイアップと言うわけでもなく、今作に合わせたOPの演出や一部歌詞の変更など細けぇところにも拘るイイ仕事をしてくれましたT_Tナケルゼ!
OPのゼロゼロナンバーのカウントアップは実際の音源には無い演出なんです
くぅ~!>_<アツイっす!!!


お話の構成自体は原作に忠実、48話で彼らの宿敵ブラックゴーストを倒すところまでです
ただ当時で原作から35年余りの時を経ての映像化ということで激変した世界事情などを考慮し001~004までは過去の戦時下に作られ凍結されていた初期サイボーグという設定に切り替えられました


で!凄いのはやはり幻の完結編を最終回に持ってきたところ!
石ノ森先生自身が009をメタフィクション宣言してしまうところから始まるショッキングな内容です・・・実質これが先生の遺稿なので、アニメ化されただけでもファンには胸アツ!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

丁寧に作られていて良かった

2001年版アニメサイボーグ009です。
リアルタイムで一部見て楽しんでいて、今回改めて全話視聴しました。
原作は読んでいないのですが、このアニメだけでも楽しめました。

皆さん書かれてますが、OP私もすごく好きですね。
音源もよく考えて使われていて、絵コンテや演出も素晴らしいです。
序盤で使われていた第一話の編集版もシーン選択が良く、もともと作画も力が入っていてこちらも好きです。個人的には甲乙つけがたいですね。

ストーリーのフォーマットは勧善懲悪ですが、敵の設定がしっかりしていて背景を想像しやすく、かつ葛藤や苦悩も描かれます。逆に非道で残忍な敵もおり、その対比も作品のテーマによくはまっていたと思います。
00ナンバーたちの成長・変化に、仲間や普通の人々との交流だけでなく敵との出会いも影響していることもしっかり描かれていました。

{netabare}
また本筋ではない単品の回も良い話が多かったです。
原作にもとからあったエピソードも多いようですね。コミカルな回にも心暖まる要素があったり、重い話にも希望が感じられたり、多面的に楽しめました。
尺の調整や演出など、無理なくアニメに落とし込めていたのではないかと。
「張張湖飯店繁盛記」「青いけもの」「結晶時間」「星祭りの夜」が特に好きです。


キャラクターは、原作からよくできていることもあって、キャラかぶりすることもなく描写に(フランソワーズ意外は)ブレもなく、全体的に良かったと思います。
ただ、いくつか詰められていない部分があるとも感じました。

まず、ピュンマの掘り下げが足りないこと。
ピュンマのメイン回はあと2話くらいあっても良かったなあ。つらい過去を背負いながらも冷静で穏やかで、時に縁の下の力持ちのような役回り、珍しい中東のキャラクターなのですごく惜しいです。
レギュラーキャラでもゲストキャラでも、色んなキャラとの絡みが見たかったです。「なぞの無人島」や「凍る大地」のような珍しい組み合わせの話、ピュンマにもあればなあ、と。(あと、アドリブ少ない岩田さんてあまり見たことなかったし、もっと聞きたかったなあ…笑)
キャラはしっかり立ってますが、アニメオリジナルで一話くらい作っても良かったと思います。

それから、フランソワーズの描写です。
フランソワーズは序盤では、女性らしく繊細ながらも気の強さや意思の強さも感じられ、00ナンバーサイボーグらしいヒーロー性も見え隠れしていたと思います。
ですが、回によってはただのヒロインになってしまったり、ジョーへの恋心が良くない方に描写されてしまったり、すごくもったいなく感じました。
とくにミュートス編とヨミ編は良くなかった…(wikiの情報が正しければ、同じ脚本家の方ですね…)
ジョーのロマンス要素の多さがさらに良くなかったです。
ジョーもフランソワーズに惹かれている描写があるにも関わらず、わずか1エピソードのみのゲストキャラとの関係が簡単に恋愛に発展しているように見え、必然的にフランソワーズのヤキモチは増えてしまうのですよね…

脚本家全員がキャラクターを一貫して描くのはすごく大変なのでしょうが、紅一点でとても目立つだけに、もっと気を使って欲しかったです。


とはいえ、それ以外は好きな要素がたくさんあってなかなか楽しかったです。
そしてラストに完結編の序章を入れたことは、本当に思いきった選択だと思います。私はこういう思い切り、好きですね。
物語には終わりがあってこそだと常々思ってはいますが、原作を忠実に、となれば外せなかったというのは納得できますし、この作品ばかりは未完であることが、不思議と収まり良くも感じます。ヨミ編で終わるとジョーとジェットが行方不明になっちゃいますし。
{/netabare}

リアルタイムでも今回見直しても、やっぱり魅了された第一話ですが、監督の演出で作画にも力が入っていて、かつ掴みの良い素晴らしい回でした。
そこから一年という長丁場、視聴者に対してごまかしたり媚びたりすることなく、真摯に作られた作品だと感じています。
今秋イベント上映される新作アニメ、同じ川越淳監督ということで、今度もこういう真摯な作品であることを願いつつ、楽しみにしていたいと思います。(2016.3)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9
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