サイボーグで暴力なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのサイボーグで暴力な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番のサイボーグで暴力なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.4 1 サイボーグで暴力なアニメランキング1位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (713)
3191人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

めっちゃ感動する。作画もすごい。原作が読みたい。

2017年秋アニメで、ノイタミナでやってたんですけど、全11話で短いように思えますが、めっちゃ物語は展開が早くて、引き込まれます。

監督は籔田修平さん。総監督がタイバニの さとうけいいち監督。
原作が「GANTZ」の奥浩哉先生。アニメ制作はMAPPA。
初老のサラリーマン「犬屋敷壱朗」と高校生「獅子神皓」が突然機械の体になって、戸惑いながらもそれぞれ別々に動いていく話です。

声優は犬屋敷が俳優「小日向文世」さん、獅子神皓は同じく俳優村上虹郎さん。獅子神皓の親友安堂直行は俳優本郷奏多さんで他犬屋敷壱朗の娘真理役上坂すみれさんなど出ています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

残酷描写は嫌いだが最後は感涙した

冴えないおじさんが大活躍する作品。さえないおじさんが活躍する作品は自分の好みになることが多いかもしれないと思ったけど、主人公が冴えないおじさんの作品があまり思いつかない。実際、この作品すごく好き。おじさんかっこよすぎる。
{netabare}娘の麻理を助けるときと最後自爆して地球を救うシーンは涙ちょちょぎれた。かっこよすぎる。あの一家に完全に感情移入しちゃった。今までぞんざいに扱っていたのに掌返しは虫が良すぎる気がしないでもないっていうのは内緒。最初は犬だけだったもんな、犬屋敷壱郎に懐いていたのは。家族の会話はないし、癌の宣告受けたことを誰かに伝えたくても全く取り合ってくれない。だからこそ余計引き立つ。{/netabare}

同時期に機械の体になった獅子神は犬屋敷壱郎が人助けで生を実感するのとは対照的に人を殺すことで生を実感している。そのシーンを描いている2話がしんどかった。{netabare}適当に選んだ家に入って母親を惨殺。風呂に入っていた父を撃ち抜き、一緒に入浴していた幼い息子は死んだ父の重みで水から出られずに窒息。極め付けは最後に帰ってきた娘に脈絡なくワンピースの話を持ち出した挙句、射殺。ここが耐えられないポイント。母にそういったことをしていたと知られ、絶望で自殺され、悲しみからさらに暴走する。そんな彼を愛するしおんの登場や犬屋敷壱郎との戦闘で最後はさすがに更生している。途中、人助けもしている。{/netabare}

OP
My Hero 歌 MAN WITH A MISSION
映像がなんか色々凄い。泣いた顔とか。
ED
愛を教えてくれた君へ 歌 クアイフ
この曲は獅子神のほうに焦点を当てているように感じる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 犬屋敷壱郎
老人のような見た目の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎。念願のマイホームを建てるも愛する家族に疎まれ、やるせない日々を送っていた。そんな犬屋敷を末期の胃がんという更なる悲劇が襲う。家族にもがんの事を言い出せず途方に暮れていた犬屋敷はその夜、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載した機械の体に生まれ変わる。 「私は、私ではない…私は機械…」人間ではなくなってしまった犬屋敷。自分の存在に悩む犬屋敷は偶然、男性が少年たちに襲われそうな場面に遭遇する。勇気を振り絞り助けに入った犬屋敷を少年たちはバットで殴りつける。犬屋敷が意識を失ったその時、彼の体に眠る人智を超えた力が目覚めて…。

2. 獅子神皓
生まれ変わった機械の体で人を救っていくことに自身の存在意義を見出した犬屋敷。 一方、犬屋敷と同じく機械の体に生まれ変わった高校生・獅子神皓。獅子神は家族や親友以外の人間にはまるで思い入れを持たず、機械の体の力で無差別に殺人を繰り返していた。彼は犬屋敷とは逆に人の死を間近に感じることで、生の実感を得ていたのだ。 ある日の夕方、学校帰りの獅子神は軽い足取りで適当な民家に立ち入ると、そこに住む住人一家を機械の力で容赦なく皆殺しにする。獅子神の凶行を察知した犬屋敷は急いで民家へと向かう…。

3. 安堂直行
殺したはずの犬屋敷が無傷で立ち上がったことに獅子神は動揺すると、その場から飛び去った。その姿を見て、犬屋敷は獅子神が自分と同じ機械の体であることを確信する。その翌日から犬屋敷は飛行能力や治癒能力など新たな能力が使えることに気づくと、その能力を駆使して更に人助けを行っていく。一方、獅子神はなぜ犬屋敷を倒せなかったのか戸惑いながらも、親友である安堂直行をいじめの標的としていた不良グループと対峙する・・・。

4. 鮫島
全身に入れ墨をまとった極悪非道な暴力団員・鮫島は気に入った女性を見つけると拉致し、薬漬けにした上で乱暴することを繰り返していた。弁当屋で働くふみのは背は小さいが美人で、恋人の悟ちゃんからのプロポーズを受け、幸せな日々を思い描いていた。しかし、ある晩、ふみのは鮫島に目をつけられ、手下たちによって拉致されてしまう。ふみのは何とか鮫島の元から逃げ出して、悟の家に逃げ込むが、そこに鮫島たちが押し入ってくる。ふみのを守ろうと立ちはだかる悟の首に手をかける鮫島。その時、鮫島の凶行を察知した犬屋敷が駆け付けるが、鮫島に銃弾を撃ち込まれて昏倒してしまう…。

5. 獅子神優子
連続民家襲撃事件が大きく報道され、獅子神の犯行を唯一知る安堂は苦悩する。そんな安堂は偶然目にした「各地の病院で治療困難な患者が回復している」というニュースから、獅子神と同じ能力を持った人物がもう一人いるのではないかと仮説を立てる。安堂が助けを求めるウソの声を上げたところ、安堂の家を大慌てで犬屋敷が訪れた。犬屋敷がニュースで報じられていた重病人を回復させている人物である事を聞いた安堂は、犬屋敷を本物のヒーローだと称賛し、獅子神を止めて欲しいと懇願する。一方獅子神は、離婚して別居している父親の家から帰宅した獅子神は、最愛の母から末期のがんに侵されていることを告げられる…。

6. 2chの人たち
十人以上の警察から逃れた獅子神であったが、直後、連続民家襲撃事件の容疑者として全国に指名手配され、母との幸せな時間は終わりを告げた。行き場を無くした獅子神は、彼に好意を寄せるクラスメイト・渡辺しおんの家に身を寄せる。一方で犬屋敷は安堂のサポートを得て、機械の体の能力を使いこなしつつあった。そんな折、獅子神の母・優子がテレビで謝罪する姿を見た犬屋敷と安堂は、獅子神の動向に不安を感じる。 獅子神も優子の身を案じていてニュースをチェックしていたが、「連続民家襲撃事件 犯人の母親が自殺」と速報テロップが入る。獅子神は上空へと飛び出すと、終わらない慟哭を響き渡らせるのであった・・・。

7. 渡辺しおん
獅子神は自身の無実を信じるしおんに自分の体が機械になったこと、また生を実感するためにこれまで多くの人の命を奪ってきたことを告白する。「もっともっと人を殺す…この国の人間を全部…」しおんに無情な宣告をする獅子神。しかし、しおんはそれでも獅子神に置いていかないでほしいと懇願する。これまで獅子神が奪った人にも未来や大切な人がいたと泣き叫ぶしおんに獅子神はある提案をする・・・。

8. 犬屋敷麻理
侵入した特殊部隊から銃の乱射を受ける獅子神。獅子神は銃撃の巻き添えになり倒れたしおんとしおんの祖母を抱え、何とかその場を脱出する。気絶した2人を安全なところに避難させると、しおんとの幸せな生活に別れを告げ、涙を流し飛び去る。 別の日、獅子神や安堂のクラスメイトで犬屋敷の娘、麻理は偶然にも犬屋敷と安堂が一緒に病院に入るところを目撃し、彼らの後を追う。彼らが入っていった病室の様子を窺うと、そこでは麻理には信じられない出来事が起きていた。その後、犬屋敷が火災現場へと飛び立っていく姿を見て呆然とする麻理。同じ日の夜、深い絶望に打ちひしがれた獅子神は復讐を決意し、警察署を襲撃する・・・。

9. 新宿の人たち
獅子神による警察署襲撃事件が大きく報じられる中、獅子神は各地の街頭ビジョンをジャックし、日本に対し宣戦布告をするとともに「今から100人殺します」と宣言。手始めに新宿で無差別に殺人を開始する。獅子神が携帯電話を通して無差別殺人を行っていることに気づいた安堂は、犬屋敷の能力で携帯を使用しないよう緊急警報を発信し、人々を携帯から遠ざけることに成功する。携帯からの殺人を邪魔された獅子神だが、今度は街頭ビジョンを通して引き続き発砲を行い、100人を殺害すると「明日から1日1000人」殺害すると宣言し姿を消す。獅子神の凶行を止められず肩を落とす犬屋敷。あくる日、獅子神はまたも非情な行動に出る。

10. 東京の人たち
新宿での無差別殺人を行った翌日、より多くの人を殺害するために獅子神が取った行動は、都内に飛行機を次々と墜落させるという非情なものだった。安堂から連絡を受けた犬屋敷は墜落を阻止すべく、能力を駆使して何機もの飛行機を操り、ギリギリのところで無事に着陸させることに成功する。更に犬屋敷は、飛行機墜落による火災で高層ビルに閉じ込められている麻理の救出に向かおうとするが、そこに現れた獅子神から攻撃を受ける。一刻の猶予も無い中、必死で麻理のもとへ向かおうと飛ぶ犬屋敷とそれを追う獅子神。同じ機械の体を持つ者同士の戦いは熾烈を極めていく・・・。

11. 地球の人たち
新宿で多くの人を救い、自宅に戻る犬屋敷。犬屋敷は帰宅を待っていた家族に自身が機械の体である事を告げ、家族のもとを去ろうとする。しかし、家族は機械になった彼の存在を受け入れ、涙を流して抱き合う。一方、犬屋敷との戦いで両腕を失った獅子神は安堂のもとを訪れていた。安堂は獅子神の来訪に戸惑うが、獅子神を激しく断罪する。大切に思っていた親友に強く存在を否定された獅子神は、失意の中、安堂の前から姿を消す。犬屋敷は自分を受け入れてくれた家族と幸せな時間を過ごしていたが、巨大隕石が直撃する未曽有の危機が地球に迫っている事を知る。世界中が絶望に暮れる中、犬屋敷は家族を守るという決意とともに隕石に向けて飛び立つのだった・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

衛狸庵 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

かっこいいお父さん……

いい、かっこいい……
暑苦しく「信念」なんて語らずに、自分を貫いたお父さん、かっこいい。
原作未読
ああ、だけど、プロの声優さん使おうよ。
役者での評価は知らないけど、声優としてはド素人。
セリフ棒読み。
気弱なお父さん的な雰囲気を出そうとしてるんだろうけど、しらける。
原作知らないけど、アニメの脚本、演出はとても良かった。
1話見て胸糞悪くなったんで切る所だったけど、危なかった、最後まで見てよかった。
子供達の未来を繋いだお父さん、かっこいいじゃねぇか!
対照的に悪役になった若者……可哀そう……
そうだよね、自分の未来や可能性を失ったと思い込んだのか、「どうでもいいや」的な衝動に走る。
若い、若いねぇ……
若さゆえの過ちだね。
もう少し、自分が得た能力をどう使うか熟慮する事が出来たら……
根は優しい子なんだから、そんな気がしました。
でも、最後はやっぱり人の子だったんだな……
ベタな展開かもしれないけど、最後まで楽しく見れました。

合計点上げたいのに、どうしても声優の評価が低いために作画と音楽の評価に下駄を履かせました。
MP5のサイズ、シーンによって違うぞ!と、いろいろと乱れてましたね。
まぁ、娘は可愛かったけど……

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

67.2 2 サイボーグで暴力なアニメランキング2位
マルドゥック・スクランブル 圧縮(アニメ映画)

2010年11月6日
★★★★☆ 3.8 (337)
1812人が棚に入れました
 『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第1弾。特殊な証人保護プログラムによって死の淵から甦った一人の少女娼婦が、不思議なネズミの捜査官と協力し、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を暴くべく戦いを挑む姿を描く。声の出演は、ヒロインのバロット役に林原めぐみ、その相棒ウフコックに八嶋智人。マルドゥック市で生きる未成年娼婦、ルーン=バロット。働いていた店が摘発され、行き場を失った彼女は、カジノ経営をする資産家、シェルに拾われる。しかしその後シェルの非情な計画によって、彼女は車ごと爆破されてしまう。業火の中から辛うじて助け出されたバロット。彼女は、マルドゥック市の事件担当官ドクターとウフコックによって、特殊な強化繊維で再構成された人工皮膚を移植され一命を取り留める。これにより特別な能力も手に入れたバロットは、シェルの犯罪を追っていたドクターとウフコックの捜査に協力していくのだが…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、田中正彦、若本規夫、かないみか、三宅健太、脇知弘

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

元少女売春婦のサイボーグが犯罪組織と戦う本格SF作品

2010年劇場公開 2011年に完全版が完成した 69分 R18指定

原作脚本 沖方丁 監督 工藤進 製作会社 GoHands

ルーン=パロットCV林原めぐみ
ウフコック・ぺンティーノCV八島智人

ディック風近未来SFアニメの定番設定が見られるが、
作者としてはウイリアム・ギブソン系サイバーバンクをイメージした模様です。
作者の沖方さんは本格SF作家としてデビュー、代表作はこれですが(日本SF大賞受賞)、
最近はラノベ系の創作活動を主としているようです。

相当昔(05年)にゴンゾでアニメ化と言われていたんですが中止、
結果として高レベル劇場作品になったので自分としては嬉しいです。

主人公ルーンは15歳(?)の売春婦で、犯罪組織により分解されかかったところを、
犯罪捜査官のイースターとネズミ型万能兵器ウフコックによって助けられる。

瀕死のルーンは禁止科学によって命を救われ、
電子干渉(スナーク)という能力とサイボーグの肉体となり、
「犯罪組織シェル」を追う者たちの一員となる。

ウフコックはネズミの知能を高めたものらしいが、亜空間に武器を貯蔵したりするちょっとあり得ないテクノロジーの産物。
ルーンのパートナーまたは武器として活躍する。

今回は臓器フェティシスト集団の誘拐屋とのバトルが見せ場となるが、
まるでラブクラフトの怪物のような異様な外観の犯罪者たちが気味良い、
いや、一般的には「気味悪い」になるのかな。

雰囲気のある作画とキャラデザ(やっぱディックっぽい)に、
良い構成のストーリーそしてリアルなバトルと、第一部としては申し分ない出来。
とても楽しめました。
続けて第二部、第三部も視聴意欲が沸きます。
「サイコパス」にも影響を与えたと思える銃器デザインは前田真宏さんです。
SFファンに超お勧め。そうでもない人もぜひ挑戦してみて欲しい逸品。

そして何よりも何よりも EDです!

日本国始まって以来最大の真の歌姫「本田美奈子」様の
「アメイジング・グレイス」日本語版 伴奏新バージョンが流れるんですよ。
涙が溢れました。

三部作ともにEDは本田美奈子です。 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

イチゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高!続編を見たいと心から思う作品

主人公の少女のバロットは、資本家のシェルの計画によって命を落としそうになるが、金色のネズミの捜査官のウフコックとドクターにより、一命をとりとめ、シェルの犯罪を追うという話です。

バロットの心情の変化と近未来的な世界観が
よく表現されていたと思います。
最後の戦いは壮絶で、終わり方がとても良かった!
続編が見たいと心から思いました。
作画はとてもきれいです。

前半はSFの要素が強く、後半はガンアクションです。
また、このアニメがR-18指定なのは
近親相姦やレイプの描写があるからですね。
あと、意外とグロイです。

この映画は3部作で
2部作目の『マルドゥック・スクランブル 燃焼』は2011年9月3日に劇場公開予定です。

SF・ガンアクション・エロ・グロなどいろいろな要素があり、私はかなりこのアニメ好きです。

下にyoutubeの『マルドゥック・スクランブル 圧縮』予告編
のURLを勝手に貼り付けました 笑

百聞は一見にしかずです!^^


http://www.youtube.com/watch?v=1S48OcRZJRo

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

面白いけど圧倒的に尺が足りてない。 全部見終わった感想です。

特殊な科学技術によって死の淵から甦った娼婦の少女が、不思議なネズミの
捜査官と共に、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を追うってお話。

『圧縮』『燃焼』『排気』の全三部作で構成されている物語です。


まず最初に、この作品は全体的に暗めで内容的に重い部分も多いですし、
残虐な殺人行為や性的虐待など、暴力的でエログロな描写なども
結構あるので苦手な人は注意が必要です。



では、注意書きもしたのでココから感想w


かなり見るヒトを選ぶだろうなって作品ですが、なかなか面白かったです。

作品の持つ独特な世界観や雰囲気、綺麗な映像、スピード感あるアクションなど、
惹かれる要素の多い作品でしたが、この作品の一番はやっぱり映像ですね!!

立ち並ぶビルや光を帯びた道路など近未来の街並、楽園での草木や水などの自然風景、
色鮮やかなカジノでの背景などなど、映像だけでも十分引き込まれる位の魅力が
ありました。 特に「楽園」での光と水の描写はすごくキレイ!!

それに、この作品の見所の一つだと思う 戦闘でのアクションシーンなども
とても綺麗で良かったです!!


ただ、かなり自分好みの作品ではあったのですが、ストーリー自体が
面白かったかと言えば、それはまた別の話で...


大筋のストーリーは良いのだけど、展開が速くて元々わかりづらい内容な上に、
描写不足、説明不足が加わって更にわかりにくなってます。
やはり世界観や設定、バロットやボイルドの能力、心理描写などの
説明不足は大きいですね。

それに、人物描写はもっと欲しかった... 一番描かれていたバロットにしても、
それでも足りないって思うし、せっかく魅力的なキャラがいるんだから
もっと掘り下げあっても良かったと思う。
まぁバロットの心情、不安定さや心の弱さなどを、言葉だけじゃなくて
目線の動きや仕草などでも表現してるのは上手いと思うんだけど、
やっぱり足りてない...

あと、ラストは少しあっさりしすぎだったかな... それに加えて最終決戦のBGMが...
BGMがヒドかった。 なんで最後だけ... それ以外は良かったのに...


そんな感じで、ストーリー自体に対しては 物足りなさを結構感じますね。
原因は確実に尺の問題なんだろうけど...


でもまぁ、一部では華麗なアクション、二部では楽園での映像美、三部ではカジノでの
緊張感ある心理戦など、それぞれ見所もあって良かったと思うので、
一概によくなかったとも言えないんですよねw

そう、悪くは無いんですよね、なんとも惜しい作品なんです!!


自分としては、残念だった部分を含んでも、差し引きで「見て良かった」って思えますが、
好みがかなり出ると思うので、人にはあまりオススメは出来ないかな。

ただ、この映画って原作読んだ後に見ると かなり面白いんじゃないかなって
思ったりします。 自分はすごく原作読んで見たくなりましたしねw

というか、おそらく読むと思いますww

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

66.2 3 サイボーグで暴力なアニメランキング3位
マルドゥック・スクランブル 排気(アニメ映画)

2012年9月29日
★★★★☆ 3.9 (177)
1004人が棚に入れました
『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第3弾。

賭博師シェルの犯罪に巻き込まれた少女娼婦バロットと、委任事件担当官のネズミにして万能兵器のウフコックは、宿敵ボイルドとの激闘後に訪れた“楽園”にて、シェルの移し替えられた記憶は彼が経営するカジノの百万ドルチップの中に隠されていることを知る。

バロットは、シェルの罪状を白日の下に晒すため、チップを手に入れることを決意。
シェルの経営するカジノへ乗り込んだバロットは、ウフコックとの見事な連携により、伝説の女性スピナー、ベル・ウィングをも制した。

しかし、そんなバロットの前に、最強のディーラーにしてハウスリーダーであるアシュレイが立ち塞がる…。

最後に挑むゲームは、“ブラックジャック”。
果たして、バロットはアシュレイを破ることが出来るのか?

そして、ボイルド、シェルとの戦いの行く末は?

命をかけた最終決戦がはじまる-。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、藤田淑子、土師孝也

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

サイバーパンクハードボイルド3部作に決着の時、来たり!「君は何人も殺さないし、殺されたりしない。殺させもしない!」

思いっきり前回の続きからなので前2作を観ないと完全に置いてけぼりですw
ダイジェストとか一切ナシですw
可能であれば3作を連続して観て頂くのがイチバンかと?;


前作でベル・ウィングさんとのルーレット勝負に辛くも勝利を収めたバロットとウフコック
続けてブラックジャックに挑戦し、目的である100万ドルチップ4枚の回収を狙う
前回に引き続き、前半の内容は完全にギャンブルでの頭脳戦、心理戦の模様


そしてバロットを殺そうとしたシェルの、消し去った記憶から明らかになるその素顔と真実
残忍な殺人犯であるはずのシェルに秘められた悲しい過去に困惑するバロットがドラマティックですb


そしていよいよクライマックスはボイルドとの最終決戦
シリーズ集大成とも言うべき圧巻のアクションシーンにスタッフの成長も感じられ、ここまでマルドゥックを追いかけてきた甲斐もあったというものですよ
(実際に、第1部制作開始当初は新米だったアニメタ達の、レベルアップを狙ったOJT的な制作現場だったようです)


改めて『3年という月日』と『60分×3部作という構成』は、「原作を完全再現したい!」という想いから生まれたものではあるものの、いささか“詰め込みすぎた”感が苛まれ、決して今回のフォーマットがマルドゥックのアニメ化に相応しいモノだったとは言い難いです


でもねw
この『排気』単発の出来栄えからするとその辺はもうドーデモ良くなってくるのですよwww


神さま(本田美奈子)が差し伸べた救いの手(アメイジング・グレース)がバロット(林原めぐみ)に受け継がれていく様(今作の挿入歌で林原めぐみと本田美奈子が奇跡のデュエット)とかもう感無量


とりまちゃんと完結したことへのお祝いも兼ねて、本当に良かったね
って微笑ましく見送りたいっす

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心に焦げ付く重厚サスペンス作品★

本作およびレビュー内容にはR18になりそうな過激な言語表現が含まれていますので、嫌な方は読まないで下さい。

■評価
テーマ性 :★★★★☆ 4.1
エログロ度:★★★★  4.0
純愛度  :★★★★☆ 4.3
シリアス度:★★★★☆ 4.3
おススメ度:★★★★☆ 4.1

■ストーリー
未成年売春婦のバロットは専属の雇い主であるカジノオーナー・シェルに突如焼殺される。しかし、生きる希望を持たぬバロットに救いの手を差し伸べたのは一匹のネズミであるウフコック・ペンティーノだった。そして、一命をとり止めたバロットは自身が焼殺された謎をウフコックたちと共に追っていくストーリー。『圧縮』『燃焼』『排気』の全3話 劇場版作品。

■感想
本作は著者:冲方丁さんの日本SF大賞を受賞した小説をアニメ化したもので、私は原作小説をすべて既読済です。本作はSF作品となっていますが、科学的な考察などは皆無であり、あくまでSF設定を用いたハードボイルド・サスペンス作品となります。(攻殻の様な世界観は求めない方が良いです)

個人的な感想としては、原作小説は超えられなかったが、難しい言語表現がならぶ小説の世界観を巧みに表現した良作だと思います。本シリーズは『生きる事とは何か?』というシンプルなテーマを持ち、一つの殺人未遂事件から真相を追う過程を、肉弾戦・頭脳戦・心理戦を用いて楽しませてくれる内容になっています。
そして、未成年売春・幼児虐待・強姦・近親相姦・暴力・ドラッグ・汚職・金・権力という人間の汚物と血反吐にまみれた世界観の中で、そのストーリの本質が生きる苦しさ、そして純愛という人の生臭さを描いているので本シリーズのテーマが光ってみえます。

また本作を鑑賞すると『生きる事は何なのか?』と考えさせられ、それは『自身や他者の存在を必要とし、必要とされる事』そんな分かりきった答えを理解しながらも、想い通りにはいかない人生の虚しさ(焦げ付き)や他者に愛される幸福感を本作品は感じさせてくれます。これぞハードボイルドの真骨頂です。

ただ、尺が足りない事でエンターテイメント性が薄れている点は残念です。個人的に本シリーズ通しての見所は、カジノでの頭脳戦・心理戦になりますが、このシーンでのバロットやウフコックの心理描写や、結果に対する過程の説明が少し足りないので、緊張感や悲壮感に物足りなさを感じます。
非常に惜しいです。

総じて、本シリーズはエログロ鬱なので、万人受けする作品ではありませんが、個人的には本作の続編(前章譚)であるボイルドが主人公のマルドゥック・ヴェロシティーのアニメ化も強く祈願しております。みんな~オラにパワーをぉぉぉ!!

レビューはここで一旦しめさせてもらいます。
ご拝読有り難うございました。


-------
■本作の謎とポイント
ネタバレになりますので、興味のない方は
読み飛ばしてくださいましm(_ _)m
{netabare}
Q1:バロットはなぜシェルに焼殺(未遂)されたの?
A1:原作小説から引用すると、生きる実感を得るために
  バロットは思いつきで自身の身元を確認してしまった
  事で、マネーロンダリングの秘密に触れたと思われ
  シェルに殺害される事になります。
  (本シリーズではよく描かれていませんでした)

Q2:ウフコックって何者?
A2:世界大戦期に楽園にいた三博士の一人に設計開発
  された人口知能をもったネズミ型万能兵器です。
  (ドラえもんのネズミ版です)
  仕組みは全くわかりませんが、異次元に物体を
  無限・永久的に保存し、必要なときに現次元に
  呼び出す様な構造になっていたと理解しています。
  そのためウフコックが銃になれば弾は無限に供給され
  続けます。

Q3:シェルって何者?少女達を殺害した動機は?
A3:オクトーバー社と結託し、身寄りのない少女達の
  戸籍を利用したマネーロンダリングを行う悪党です。
  そして、シェル(殻)という名の通り、過去の母親殺し
  という罪と苦しみから逃げるために、マネーロンダリ
  ングの証拠隠滅と併せて、自身の記憶の抜き取りを
  繰り返し、結局は中身のない殻の様な男に成り下がり
  ました。また動機ですが、どの少女も自分の事を
  知ろうとしてしまう事でシェルの過去の罪の苦しみや
  恐怖をフラッシュバックさせてしまい、A1の内容と
  あいまって動機となり殺害に及んでいました。

Q5:ボイルドって何者?
A5:彼は元々は戦術爆撃機のパイロットであり、過度の
  過労と処方されたオクトーバー社製ドラッグが要因
  で、誤って見方を爆撃してしまう罪を犯します。
  そして楽園に人体改造のモルモットとして送られ
  ますが、ウフコックという愛を与えてくれる存在と
  出会い希望を見出した人間でした・・・。

Q6:バロットはなぜ人体改造の順応率が高くて強いの?
  主人公だから?
A6:半分合っています。
  バロットは幼少期から大人の欲望に蹂躙される経験を
  もち、その経験から無意識の防衛本能により、自分の
  体の感覚を自由に無感・無心にする術を身に着けて
  いました。そのため、繊細なコントロールが必要な
  スナーク機能とバロットの愛称がよく順能率が
  あがった事になっています。

Q7:ボイルドは重力を操って弾丸をはじく程、無敵なのに
  なぜバロットの銃弾が当たったの?
A7:バロットが持つ能力はスナーク機能となっており
  電子機器の遠隔制御やハッキング、そして自身の肌
  から放出する電磁波をソナー代わりにして、物体の
  接近や動作を察知します。
  この機能を駆使してボイルドが銃を撃つ際に
  重力の壁に隙間ができる事を察知し、その隙間に
  銃弾を打ち込む事でボイルドは初めて被弾したのです。
  そのため、終盤のボイルドはチャクグレネードを使い
  バロットのスナーク機能を封じようとしたのです。

Q8:ボイルドのもっている銃は何?威力ありすぎでは?
A8:65口径のモンスター・マグナムです。通常の人間が
  撃てば両腕が脱臼するほどの威力ですが、ボイルドは
  重力でその衝撃を抑えて使用しています。
  現代でも55口径の拳銃が最大です。
  詳細はヴェロシティーで!!

Q9:ボイルドとウフコックは過去に何があったの?
A9:ボイルドとウフコックは楽園からでてからも
  マルドゥックスクランブルO-9の有用性を証明する
  ために、相棒として日夜事件と戦っていました。
  しかし、オクトーバー社の陰謀によりマルドゥック
  スクランブルO-9の遵守が難しい(ウフコックが処分
  される)と思った彼は、その陰謀を潰すため
  自分たちに不利な証言をする一般人たちを口封じの
  ために次々と暗殺したのです。
  その事が原因でウフコックはボイルドと離別し
  単独で任務に励みますが、実はボイルドのお陰で
  存在できているのです。そんなボイルドの愛を
  知っているからこそ、ラストシーンでウフコックは
  あんなにも落ち込んでいたのです。
  ここで何でボイルドはオクトーバー社側に
  ついてるの?という疑問が沸きますが、詳細は
  ヴェロシティーで!!

Q10:冲方丁さんは虚淵玄さんの二番煎じの脚本家
  じゃないの??
A10:私は違うと思います。
  冲方丁さんは数多くのアニメ作品を手がける私の
  好きな脚本家さんですが、私は虚淵玄さんも好きです。
  このお二方の共通点は触れ幅の激しいストーリーと
  鬱展開だと思っていますが、決定的に違う点が
  あると思います。
  それは虚淵さんは、容赦なき『死に様』を描いて
  強烈な心の傷(印象)を残しますが、冲方さんは
  主人公の過酷な『生き様』を描いて、苦しみと絶望を
  心にジワリジワリと染み込ませてきます。
  この似ているけど異なるすばらしき脚本家さん達の
  活躍に今後も期待しています。

少しでも本作を楽しむ糧にして頂いたら幸いです。
{/netabare}
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投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

生きることが穢れであった少女の戦い 排気?廃棄?心は流体力学

2011年の劇場版アニメ 3部作の最終章 62分 R15指定

スタッフキャストは一貫している。

前半は第二部の続きでカジノでのブラックジャック勝負。
SF的な部分があるのかは視聴者の感じ方次第。
ブラックジャックそのものは面白いし手に汗握る。
まあ、サイバーバンクSFアニメを期待したとすれば裏切られる方向性かな。

後半は一転して、乱雑な未来社会(ウイリアムギブソン風)を舞台にガンバトルが繰り広げられる。
ハカイダーの如く壁を歩く強敵ディムズデイル=ボイルドCV磯部勉との決着だ。

3部作一貫して主人公ルーン・バロットの魅力が全開で、
受け入れられるかどうかは、数奇な運命をたどった少女との一体感を得られるかだと思います。
大人向け作品なのでルーンには処女性は無く、汚れきった生命の強さを見せます。
はかなげな外見とは相いれないような穢れこそがその本質です。

この作品が成功作なのかどうかは原作を読んだ人にしか評価できないでしょうが、
SFファンにとっては貴重な作品であることだけは確かだと思います。

80年代の米SF界を席巻したサイバーバンクにあこがれた日本人作家の必死な作品とも見えますが、
完成させたことにより、日本人独自の創作が一段階上がった、
恥ずかしながらもマイルストーンと言える作品であったと思いたいです。

物語の迷走は「乱雑な世界」を描くための上級創作ともいえますが、
失敗であったとも取れる、視聴者に判断をゆだねたものだと思います。

誰にでもお勧めできる作品ではありませんが、
未知なるものへの興味が、完成品しか認めないという固さを超える人には、
価値ある作品になる可能性はある作品だと思いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
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