たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.5
「異形なモノ」たちに対する誠の「愛」
2017年のアカデミー作品賞にまさかの「シェイプオブウォーター」が選ばれた。監督のギレルモデルトロは所謂オタク映画監督であり、怪獣やエイリアン、SFやファンタジーを愛するギークそのものである。それは作品に全て現れており、彼のキャラクターは「異形」であればあるほど心は純粋で優しいものとして語られる。フランケンシュタインコンプレックスといっても良いだろう。
社会から隔絶され、美男美女だけ生き残れば良いというのは過激な言い方をするとナチスのゲシュタポのような考え方であり、アメコミやハリウッド映画はユダヤ系の投資家が作ってきた芸術ということでもあるので果敢に戦ってきた。
しかし、いつからかトレンディドラマや恋愛映画のブーム(バブル経済も相まって)により商業映画がもてはやされて、消えていったのである。
そこで出てきたのがスピルバーグやジョージルーカス、ギレルモデルトロであり。彼らの思想はそんな黄金期ハリウッドにおける王道復古、ルネサンスやロマン主義そのものだと言えるだろう。