カタルシスTVアニメ動画ランキング 13

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68.1 1 カタルシスアニメランキング1位
悪役令嬢転生おじさん(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (142)
403人が棚に入れました
52歳の真面目な公務員、屯田林憲三郎は交通事故で死んだ。 ……はずだったが 目を覚ますとなんと彼は娘がハマっている乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生していた!! 転生した人物はゲームの主人公、アンナ・ドールの恋路を邪魔する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌ。 そこで本来のグレイス同様、悪役令嬢として立ち振る舞おうとするグレイス=憲三郎。 だが、自身の経験値からアンナを包み込むような親目線発言と庶民的な言動を優雅なものに自動変換する能力【優雅変換(エレガントチート)】が相まって自身の評価が爆上がり! さらに意図せずゲーム攻略対象のイケメンたちとフラグが立ちまくりで!? 異世界で生き抜くための武器は剣!?魔法!? いいえ、社会で培ったおじさんスキルです!! おじさん×異世界転生×悪役令嬢でお届けするほのぼのコメディ、堂々開幕(スタート)!
ネタバレ

アニメアンチ2号 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.2

【獣】たちの宴、≪蝕≫と前夜祭

●花開く種族の誕生

「紫」の母親が意味するのは、【フェニキア】。
「紫色」は高貴な色と言われていまして日本にあってもそれは当てはまります。

それはすべての文明の出所は同じであるというを示唆しているのかもしれません。

本作の描写を真に受けるとハプスブルク家の血族の由来は{netabare}【フェニキア】であり
「獣」に乗った貴婦人=【大淫婦バビロン】の子孫ということになるようであります。

魔法学園とは【フリーメイソン】のことを意味しまして、この「黒魔術研究機関」における
「後夜祭」とは何を意味するかと言いますとそれは【イニシエーション】であります。

そもそも男女逆転の舞台演劇自体が仮装パーティーを示すものでありまして
【大淫婦バビロン】を暗示する「紫」の母親が脚本を書いたという前提と合わせて考えれば
EDカーニバルと同じこと意味する【マスカレード】の上演会であったことが
見えてくるわけであります。

王子と平民が入れ替わり人格が交差する劇は【マスカレード】の儀式を暗示します。

主人公の御令嬢とアンナ人形の誕生日は共に10月10日でありますが、これは
【11】という数字(【フリーメイソン】では重要な意味合いがあるもの)を示すものであります。

【ボアズとヤキン】の2本の柱の融合を暗示する数字であります。

「後夜祭」の花火にて2色の要素が入り混じった花火が打ち上げられるのは
【生命の錬金術】による新たなる生物の誕生を意図するものであります。

魔法学園の学園長=マジシャン=錬金術師と共に御令嬢は「生命の融合体」を暗示する
花火を打ち上げ、アンナ人形と攻略対象の貴族たちが一堂に会してそれを見る状況は
【イニシエーション】を表していると解釈することができます。

「ラブ&ビースト」のタイトル通り新たなる獣の種族の生命が花開くことを示して
物語のクライマックスに至るわけであります。

そして最後は「サンバカーニバル」に繋げ、「獣の種族」の在り様を示すわけであります。

【エリザベート・バートリー】の没年は54歳の時であり、
本作の父さん52歳とは2歳の差があります。

恐らく学園生活が後2年あるという計算で、
原作では54歳に物語の終わりの時を合わせるつもりなのでしょう。

赤色と青色の2色混合の花火は、「紫色」とその血統の種族を表す描写であります。

演劇が「仮装パーティー」を示すことを理解するのはやや難しいかもしれませんが
EDの【マスカレード】に繋がることから、この物語が表現したかったことが
花火の{/netabare}描写ですべて示されたこということになります。

【ソドムとゴモラ】の再現劇を本作は完璧に成し遂げたのであります。

●ビリーミリガンは【獣】の錬金術師の役を演じるか?

「フランセット・メルキュール」というおっさん公務員の娘とキャラが被る
真打登場でございます。

このキャラ設定の意図は{netabare}【エリザベート・バートリー】の人格に秘められた謎を
深堀りするのが一つ、そして恐らくアンナ人形との関係性からアンナ母の秘密を
暗示するためではないかと推測いたします。

ゲームタイトルが「ラブ&ビースト」ですから、恐らくビースト=【獣】
という要素が強調されるということになり、アンナ人形は【獣】の種族ではないか?
と考えることができます。

この前提でいきますと恐らくアンナ人形の母には{netabare}血統的な{/netabare}秘密が
隠されているということになるのかもしれません。

「メルキュール」は【メリクリウス】(=マーキュリー)が由来のようで
「水星の錬金術師」を暗示しているのでしょう。

「フランセット」は恐らく「フランチェスコ」が由来ではないかと考えられまして
と言いますのは、動物と意思疎通ができたという伝説がある「フランチェスコ会」
の創設者のことを元ネタにしているのではないかという推測に基づきます。

アンナ人形と意思疎通が巧くできる謎のオタクキャラ設定でありますが、
本来オタクと呼ばれる種族を極端にデフォルメしており、こんなんいるのか?
と言いたくなるほどハイテンションで無駄にオバーリアクションであります。

コメディでは割とよく見かける感じの「空回り芸」がちょいとウザいところでありますが
それも裏設定というものが関係しており、オタクと言えば内向的であるはずが
よくしゃべるし、ジェスチャーが欧米人並みに大きいというものであります。

オタクキャラのデフォルメ表現で二重人格性や精神分裂症気味の人格を表現しまして
それが【エリザベート・バートリー】の特性理解を補完するのに役立つということであります。

演劇で役を演じるという話が結構長めに展開されるわけですが、そこで
天才女優や俳優などの存在が本作とリンクするわけであります。

24人の役回りを一人でこなす名俳優と言えば【ビリーミリガン】
「羊たちの沈黙」の元ネタなどとも言われるようですが、人格がコロコロと変わる
芸達者なこの人物は、実に猟奇的殺人鬼であります。

多重人格障害や精神分裂症は猟奇的殺人鬼の謎を解く重要な手掛かりであります。

ススキの生首事件の被疑者にもそのような精神傾向が見られたようでありまして
更に言うならばオタクの猟奇的殺人鬼=「宮崎何某」にも極端なまでの2面性が
あったのであろうと推測することができるのかもしれません。

個人的な感想ではありますが、本作のゲーマー娘とフランセットの精神性は
「宮崎何某」のパーソナリティが反映されているのではないかと睨んでおります。

残念ながら精神分裂症の案件と「カーニバル」は繋がってしまうケースがあり、
実際それ絡みの猟奇的殺人事件が起きたり、某通り魔事件の被疑者がオタク系
だったりするわけですから、極端なまでの情緒不安定さを示す表現には
誤解を受けないためにも細心の注意を払うべきではないかと思います。

本作でもよくやる描写ですが「眼鏡をキラリと光らせて」オタク趣味のトークに
熱狂する流れは、「宮崎何某」を想起させる可能性もありますので、微妙なものを感じます。

自分の趣味に没頭するのは問題ないと思いますが「ファナティック」な状態を
敢えて作品内で描くならば、それは狂信的な宗教性を表現していると受け取ることもでき
そもそも【エリザベート・バートリー】を全面的に押し出している作品においては
誤解どころかむしろ確信犯的に表現しているとしか見えないわけであります。

「ビリーミリガン」の{/netabare}法則性によりプロファイリングを行えば
その思想性も自ずと見えてくるのでございます。

他作品で描かれる精神病理の殺人鬼にもこの法則性が成り立ちますので
フィクション内においても一般法則は真であるということになり
この一般法則により、残念ながら同じパーソナリティの傾向が見えてしまう
という話であります。

コメディだ、フィクションだという言い訳も偶然があまりも重なり過ぎるなら
それは悪意によると見ることができるのかも?しれませんので、悪しからず。


●【ソドム】の野望を再生せよ!

御令嬢のまるでドリルのような「チョココロネ」の如き巻髪は{netabare}「角」を表現
しておりまして、その原型は「ゲゲゲの鬼太郎」のアンテナレーダーでありますが
「アホ毛」が【ネフィリムの角】を意味するということを示すものであります。

【ネフィリム】が👹=【鬼】を意味するという解釈もありまして
人の生き血を文字通り吸う元ネタ御令嬢について言えばまさにそのままでありますので
本作の御令嬢にも「眷属のシンボル」を付加したのでありましょう。

狂気のカリスマとも言うべき御令嬢=【エリザベート・バートリー】がLGBT
でありましたために、本作においてもわざとらしく?舞台演劇にて男女の役割を
入れ替えるという謎展開がごり押しされます…この強引な展開を見て「なるほど!」と
納得しないといけないものなのでしょうか??

アンナ人形の母親紹介よりも今回の重要なことは獣人族🐻のワッパが
🌲にしがみついた状態で下に降りることができなくなった事案であります。

「クリスマスツリー」でお馴染みの🌲は反逆のカリスマ【ニムロデ】の下半身部位と
関係があるなどという伝説がありまして「🌲」とそれにしがみつく「🐻」で
【獣姦】を暗示しているというように解釈することができます。

実に【ソドム】が滅んだのは「同性愛の罪」と「獣姦の罪」故のことであります。
「アホ毛」が暗示する【ネフィリムの眷属】の野望は【ソドム】の{/netabare}罪に挑むことなのでしょう。

飽く事なき裏設定の追求以外何もないような本作の執念にはただただドン引きするのみで、
それに伴い評価の方も自分史上過去最低を更新中で歯止めのかかること知らずの状況であります。

期待に応えて?今後も裏設定ごり押し展開が続くのでありましょうか?


●賽は投げられた!?

コメディに合理性は求められず、従いまして今回の「真夏の怪奇現象回」について
あれこれ詮索する人は恐らく皆無でありましょう。

当然のご如く学校では教わりませんし、糞のマスゴミ連中も言及することはまずない
我々人類の歴史の真実、{netabare}それは今という我々の時代はローマ帝政の延長線の真っ只中
にあるということであります。

一見すると古代ローマ帝国は崩壊したかのように見えますが、帝国分裂の後
【神聖ローマ帝国】という正統なる後継者を盟主としたヨーロッパ諸国連合が
新たに生まれそうして現在に至るというわけであります。

封建時代の江戸幕府を打ち滅ぼし日本を明治維新の道に押し込んだのは英国を
中心とする金融資本家勢力でございます。

所謂「国際金融資本」と呼ばれる大財閥グループのルーツは
【ハプスブルク家】あるいはその家臣を含むその関係者にあります。

早い話がヨーロッパの貴族というのが「後期ローマ帝国」の支配階級であると
いうことになります。

「真夏の満月の夜」にオカルト的な何か?が起こるというのはある種の予言
みたいなものでありまして、「今年の真夏の満月の夜」に何かを起こすという
犯行声明だというようにも考えることができます。

得に怪しいのが7月11日山羊座満月と9月8日魚座満月&皆既日食の日付であります。
(8月9日みずがめ座満月も一応は候補ということになります。)

7月=Julyはユリウス・カエサル
8月=Augustはアウグストゥスが由来でありまして
7月12日はカエサルの誕生日でありますから前夜祭の7月11日には
何かが起こってもおかしくないような気がいたします。{/netabare}


どうでいい話のように思えるかもしれませんが、本作の主人公である悪役令嬢の正体が
【エリザベート・バートリー】であることがとても重要でありまして、すべてのエピソードも
この人物が由来であるからこそ成り立つ物語ということになります。

1問目の答えは{netabare}お風呂でありますが、これは風呂に若い女性の血を貯めて浴びた
という某御令嬢のエピソードを示すものであります。

2問目の「四つん這い」は御令嬢が好んだ拷問シーンの再現であると推測されます。

3問目は「火あぶり」の拷問を表しているのでしょう。

4問目は【モレク信仰】の儀式の再現であると考えられまして、小人=子供を
引きずり出して「太陽神」に捧げるという儀式殺人を表現しており、この
【モレクの儀式】ではドラムを叩きますので、御令嬢がわざわざそれを実演して
いるというわけであります。

ちなみに(正六面体の)「キューブ」は【土星】を暗示する小道具でありますので
「キューブ」により【黒い太陽信仰】を表現しているというように考えることができます。

「銀河鉄道『999』」の『999』は【グノーシス主義】転換しますと
【666】となりまして、これは【獣の刻印】というものでありますが
「御令嬢の所属」を象徴的に表すのと同時に【獣=ビースト】は≪肉食獣≫
を意味しまして、御令嬢の≪カーニバルリスト≫の特性を示すものであります。{/netabare}

そんなわけで、御令嬢の変態性癖性をここまでしつこく表現する
本作の執念深さみたいなものに恐怖を感じずにはいられません。


●【獣】の主の≪嗜み≫と≪伝説≫

>被害者の数は、エルジェーベト本人の記録では650人、裁判での正式な認定では80人だが、
>ハンガリー王マーチャーシュ2世の手紙によれば≪300人≫と認識されていた。

本作における公爵家使用人の人数は≪300人≫だとか。

偶然にも?【エリザベート・バートリー】が殺戮した人数≪300人≫と一致します。
まさかこの≪記録的数字≫を言いたいだけのお屋敷紹介だったのでしょうか?

いやぁはや・・・


●コマネチクィーンの御令嬢

今回違和感を感じたのが木馬とコマ回しでした。

ハプスブルク家のいと高き方々は木馬を{netabare}所有する趣味があったとかいうことです。
しかし公爵家のご身分であらせられる公女殿下が木馬に乗りますでしょうか?

それと「独楽」ですが、コマは昔々から世界各地で使用されていた事例があるらしいです。

しかし、形が日本のものとは違い先の尖った丸太棒のような形状みたいで
鞭で叩いて回すタイプのもの=「ぶちコマ」が多いとのことであります。

血の伯爵夫人に関係あるならば、恐らくは「三角木馬」と「鞭打ち」を
暗示するために木馬とコマが使用されたのではないかと睨んでいます。

特別の意味がないのに木馬とコマに焦点当てますか?という話でございます{/netabare}。

「3馬鹿」トリオみたいないじめっ子キャラが度々出ますが、
「サンバカーニバル」に掛けているのでありましょうか?

ちなみにED映像で「GK38」と表示されますが、「38」はサンバを表し
{netabare}「38」→3+8=11

【11】は【「ボアズ」と「ヤキン」の柱】で【⛩ゲート】を表します。

「男性原理」と「女性原理」の柱からなる【⛩ゲート】の先には異世界が
あるとかなんとかいうのが、某「自衛隊」の話であります。

モニター画面表示の数字はこちらで

GK31
GK32
GK33

【33】は【フリーメイソン】の最高位階級を表しまして、計算式は
11+11+11=33
【ボアズとヤキンの柱】11×3で【三位一体の神】を表します。

「G」はアルファベット7番目
「K」はアルファベット11番目

たし算しますと7+11=18
18=6+6+6=【666】

【666】は【獣の刻印】で【獣】=【ビースト】の種族であることを表します。

31+32+33=96
「96」の「9」と「6」は鏡写しの関係性においては6=9となりますが
9+6=15→1+5=6

以上を踏まえて数秘術の計算をやりますと
(GK×3)+(31+32+33)=(666×3)+6
【獣の刻印】のゾロ目並び「6666666666」ということになります。

【獣の刻印】は悪魔の数字とか言われていまして、サタニストが好んで使う数字であります。

そういうことで【ビースト】の御令嬢は【カーニバル】に酔いしれるわけであります。{/netabare}


●御令嬢の秘密をカタリな!

「破滅のフラグ」主人公の名は「カタリナ」でありますが、
この名前の元ネタは御存じでしょうか?

今から450年前に15歳だった御令嬢【エリザベート・バートリー】
通称「血の伯爵夫人」には{netabare}「カタリン」という名の娘、
他に「アンナ」という名の娘がいました。

カタリンは「はめふら」、アンナは本作の主要キャラに該当します。

【血の伯爵夫人】の父親の名は「エチェディ=バートリ・ジェルジ」
これは本作における皇太子殿下「ヴィルジール・ヴィエルジ」
の元ネタであると考えられます。

アンナは御令嬢の娘の名ですが、本作キャラの名
「アンナ・ドール」の「ドール」とは何でしょう?

「ドール」と言えば人形です。
「娘の人形」とはつまりこの「血の御令嬢」が開発した「お人形ちゃん」のことを意味し
それは「鉄の処女」=【アイアンメイデン】を表していると推測されます。

「鉄の処女」とは無数の針が内側に取り付けられた
「お人形ちゃん」の形をした拷問器具であります。

この御令嬢の話は現実世界ではスプラッター&グロ映画のようでありますが、
鏡に映った平行世界ではコメディになるという具合にひっくり返った世界を
異世界転生として描いているのが本作であります。

EDの≪モツ系≫サンバにおいても「♂と♀」が鏡写しの関係で表されていますが
異世界転生で「♂と♀」がひっくり返るということを暗示しているわけであります。

しかしながらひっくり返るのは性別だけでなく、「善と悪」もひっくり返りますので
「血に飢えた猟奇的殺人鬼」が「麗しの貴婦人」にひっくり返るのも当然という理屈になります。

そういうわけで、楽しい「サンバ【カーニバル】」もひっくり返る前の世界では
スプラッターだったということも大いにあり得るといいますか、
【グノーシス主義】というのはむしろそういう思想傾向があるものなのでしょう。

それにしてもまさか「サンバ【カーニバル】」が{/netabare}「ひぐらしのなく頃に」の
「綿流し祭」に繋がるとは思いもよりませんでした。

事実は小説よりも奇でございます。


●酒チ≪肉≫林の宴

すべての謎は「MKサンバ」に隠されていたようです。

「サンバ・カーニバル」の由来は【謝肉祭】ということらしいですが
{netabare}【カーニバル】では仮装したり、乱痴気騒ぎしたりするみたいであります。

古代ローマの祭典【サートゥルナーリア祭】というのも恐らく同じような感じの宴
だったと推測されますが、クリスマスパーティーのルーツがこれでありまして
チキンを≪喰う≫習慣とかまさに【カーニバル】を表しているという話であります。

【マスカレード】は【イニシエーション】でありますから、同じく
「サンバ【カーニバル】」も【イニシエーション】となるわけです。{/netabare}

「グレイス・オーヴェルヌ」の名前の元ネタですが、「約束のネバーランド」に登場する
{netabare}「グレイス=フィールド農園」{/netabare}の管理責任者である「イヴェルク」ではないかと推測いたします。

{netabare}【サートゥルナーリア祭】とは【土星神サターン】を崇め奉る宗教祭りですが
この神は「子供を≪食べる≫【サトゥルヌス】」で有名でございます。

そして「グレイス=フィールド農園」とは「≪食≫肉」を生産する施設であります。

【カーニバル】と≪カニバル≫では語源が違うということらしいですが、
個人的にはルーツは一緒であると考えています。

そんなわけで伝説の悪役令嬢に様々な逸話がありますが、恐らくは御令嬢は
「【カーニバル】クイーン」だったようであります。{/netabare}

今更「MKサンバ」とか違和感あり過ぎて怪しすぎるので調べて見ましたら
やはり「パリ五輪開会式」に繋がるわけであります。

{netabare}【マスカレード】の「【カーニバル】クイーン」というのが{/netabare}
本作が不自然にゴリ推しされる最大の要因のようであります。

そんなわけで大幅減点いたしました。



●レイブパーティクイーン

ざっくり飛ばし見しまして悪役令嬢のルーツが判明しました。

別の人格を持つ、あるいは多重人格の{netabare}悪役令嬢と言えば
【血の伯爵夫人エリザベートバートリー】であります。

当悪役令嬢は「LGBT」でありまして、それを題材にした
【吸血鬼カーミラは悪魔憑き】でありますから、
多重人格の「LGBT」は【悪魔憑き】という関係性が成り立ちそうです。

そんなわけで【血の伯爵夫人】は【サタニスト】と言われるわけであります。

本作EDソングの某MKサンバは【マスカレード】を暗示していましたので
オリジナルの公式サンバを冷ややかにリーピートしながら観察してみましたら
タイトルは「MKサンバ【Ⅱ】」となってることが判明しました。

【Ⅱ】は数秘術の【11】と同じでゲート、【ボアズとヤキンの柱】を意味します。

ダンサーが手に持っているバトン様のものも【Ⅱ】を表しているのでしょう。
黄金の衣装で両手を上げて踊る様は【フェネクス】を表現してるのかもしれません。

歌い手もバックダンサーも皆白粉を塗っていまして「マスク」のように見えます。

一番重要なのが両手を高く「V字」を形成するようにして上げまして、
【プロビデンスの目】を表現することなのでしょう。

この「V字」ポーズは「ナツキスバル」もやってますし、同じように
「【ビースト】小町」の「星野アイ」もダブル「Vサイン」をやっています。

ヒットソングで大事なことは【ハンドサイン】や「シンボル」を掲げることであります。
ピコ太郎という芸人もシンボル掲げて世界的ブレイクの偉業を果たしました。

きっとシンボルが理解できない人にはピコ太郎がうけた理由が
さっぱりわからないことでしょう。

本作のEDを真に受けるなら【血の伯爵夫人】は{/netabare}「禁断のパリピ」
だったことになりそうですね。





悪役令嬢シリーズについては割とよく見ており、それなりに楽しめていましたが
いよいよネタ切れ感がクライマックスを迎えたというべきでありましょうか。

単に当方がコメディとの相性が悪いだけと言われればそれまでなのかもしれません。

子どもに感情移入することは簡単ですが、52歳のおじ様といいますか、
本作の主人公の感覚が掴めなくて苦労しています。

中身が現代の常識人代表みたいなキャラ設定でしょうか?

昔々の大昔に公務員を{netabare}やっていた記憶はありますが、52歳の公務員が転生したケースの心中に
ついては計り知れないところが大いにあるとしか言いようがありません。

ギャップが笑いを産むという発想は理解できますが、年は食っても発想や感性が根本から違うと
接点ゼロで、本質的な意味で異世界の事象を眺めている感じがします。

このシリーズがまるでどこぞの貴族に忖度しているようにしか見えないのは
今に始まった話ではありませんが、52歳の公務員が挨拶決めて自画自賛というのは、
上司に媚び打っておけば後は安泰みたいな公務員の本心を晒しているようであり、
そんなんだから「税金分ちゃんと働け」と納税者から小言を言われるんだという話であります。

結局公務員は裏方的存在なので、いい年したおじ様が主役を張るにはいろいろと無理があり
例えばかつて側近だったが後に都知事落選運動の先頭に立ち精力的に活動してるような
男気ある有志ならば兎も角、ただ普通にそこにいるだけみたいな人が出張ってきて
それで何をしようというのでしょうか?

それならむしろアンシャンレジームの貴族たちを粛清し、時の覇王としてのし上がる
ようでないとわざわざ異世界転生する意味が薄れるのではないでしょうか?

百歩譲って転生はいいとして現時点では悪役令嬢になる必然性はないようにしか見えません。{/netabare}

途中で切ったらもしかしたらのどんでん返しを見逃してしまう可能性がありますが
この設定のコメディについて行くのは相当きついものを感じます。

事実上途中で断念状態ですが、さて今後挽回の局面はあるのでしょうか?

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

キャラの魅力と視点の独自性で今季No1を実現。非常に面白いが…

 この作品の面白さは、なんなのか。言語化が少々難しいですがちょっと「はめふら」との類似性を感じます。キャラの魅力が最大のポイントなのは間違いないと思います。「はめふら」のカタリナの脳内会議に対応しているのが、憲三郎になっているといえるでしょう。そこが現世の家族やオリジナルのグレイスの存在も相まって、さらに強化されています。

「無職転生」の元の人が出てくるのがちょっと邪魔に感じたのに対し、本作においては、中年の親父の面白さに転換できたのが素晴らしい工夫です。性別がクロスしているのもありますが、やはり父親目線ですよね。これが奏功しています。 ゲーム攻略で死なずに何とかするという悪役令嬢ものの攻略に父親目線を絡めることで、作品のエンタメ度を上げたとも言えます。

 また、作品に謎がありそこに向かっている感じも飽きない理由です。俺TUEEEのチートで魔王を倒すのではなく、ギルドに所属してダンジョンで活躍するのでもなく、婚約破棄や追放されて復讐するでもなく。悪意がないのでストレスがありません。


 アニメそのものの演出やテンポがいいので、それらが楽しめたことも大きいでしょう。マツケンサンバや999を持ってくるあたり、視聴者を楽しませようという制作者の意識が感じられました。

 アンアの母やグレイスの母の素性や現世とのかかわりなどの考察がしたくなる感じですが、そこはまあいいかなと思います。というのは設定でどうにでもなる部分です。一応、種はまかれているようなので、考察できる材料はあるのかもしれませんけど。
 面白いポイントが作品の設定そのものと、個々のエピソードに依存しているので、謎解きは大きな要素にならない気がするからです。結果的にそこのストーリーを追う楽しみはありますけど、それを楽しんでいたかというとそれほど大きな要因ではない気がします。テーマ性も本作に関しては気になりません。

 憲三郎が50代の中年ということで、視聴者層とあうのか?という疑問もありますが「なろう系」は40代50代の男性がメインということで、アニメの異世界転生ものよりも少し年齢が高めだそうです。その40代50代を引き付けたので、成功したのかもしれません。面白いですが爆発的人気ではないので多分分析すると面白い結果になりそうです。そのマーケティングが意図か偶然かわかりませんが、上手くある層にはマッチしていた気がします。

 何はともあれ、とにかく面白い作品でした。エレガントチートと父親目線と好感度のエフェクトだけでここまでキャラ立ちさせて、面白い作品に仕上げたのは見事だと思います。

 私個人としては今季ナンバー1です。とにかく見ているとあっという間に終わっていて、次回が待ち遠しいというTVアニメの正しい見方を久しぶりに体感しました。異世界ものと範囲を広げて考えても面白さなら上位に来ます。

 ただし、作品の評価としては、満点はつけがたいですし極端な高評価にはできません。名作とは呼べないし、秀作と言っていいのかも迷います。
 作品が尻切れトンボなのはありますが、既視感は多くはないもののやはり今までの異世界ものの枠内から大きくは脱却できておらず、テーマも含意も非常に薄い作品だからです。

 優れたエンタメ。ただ、見るたびに発見があるような作品でないため、2,3回が限界かなと。そういう作品を狙ったと思いますのでそういう評価でいいと思います。

 まあ、最終回を見たばっかりなので第1印象で簡単な感想ですが、また、気が付いたことがあれば追記するかもしれません。







以下、視聴時の感想。



第1話 テンプレ構造をメタ的な視点でギャグに落とし込んでいるのが素晴らしい。

{netabare} 通常25時配信は翌日の朝に見るのですが、本作は楽しみで見てしまいました。キャラデザはそのまま上山道郎氏の作風ですね。アニメ化でここまで元絵の再現度が高いのも珍しいですね。力が入っている気がします。演出や作画が丁寧でこれは制作会社…あるいはスタッフは当たりのようですね。

 第1話の感想は非常に面白かったです。24分があっと言う間でした。優雅変換(エレガントチート)素晴らしいです。キャラは本来的な意味でのチート設定ではない感じなんでしょうか。王子の名前が思い出せないときの裏の名前が映画俳優ばかりでしたが、デンドロビウムと言う単語がありました。その辺のスタッフの遊び的なのも散りばめられるのでしょうか。

 やはり視聴前に予想した通り、思いっきりテンプレの構造ですね。それをメタ的に分解して、50代の公務員の視点に落とし込んで世界観を作り出したのはさすがです。物事の本質を抽出する力に長けているのでしょう。あるいは原作者を投射したのが主人公なのかもしれまません。その構造自体をギャグにしたんですね。想像以上にギャグよりです。

 不満があるとすると、もう少し女性としてのグレイスで進行した方が乗っかれるかな、という気がしなくはないですが、まだ1話ですからその辺は2話以降でしょう。

 そして、OPを見る限り元のグレイスが檻に閉じ込められていました。これが内面世界だとするとそこにドラマがありそうです。

 EDアニメは素晴らしかったです。動きと演出がかなりいいのでびっくりしました。曲のチョイスもいいですね。 {/netabare}


第2話 元のグレイスの内面が気になる。本当に性格が悪い娘だったのか?

{netabare} 冒頭3分が延々と52歳のオッサンのモノローグでした。しかも結構作画が良かったりして。もうちょっとグレイスに寄るかと思ったら基本、グレイスはアバターとしての役割で、内面はずっと憲三郎で行くという事なんでしょう。

 というのは、今週は3話あたりで話が展開し始める前に、淡々とキャラ紹介なのかな、と思っていたら元のグレイスに何かありそうな示唆がありました。
 親方のところに昔は遊びに行っていたというのもそうですが、猫耳メイドを過去叱っていたセリフが要するにまともな指導なんですよね。不器用で言い方の問題なんでしょうか。この辺は管理職論でもあります。パワハラと愛のある指導の線引き問題にもなりそうです。

 つまり、内面が憲三郎でないと、元のグレイスの人格を救済するための話にならないのかなという感じがしました。

 漢字とかそろばんとか、構造的にはベタな事をやりながらも、キャラを上手に動かしているので見ごたえがあります。

 作画はいいところはいい、手抜くところは手抜いていて上手く処理しています。手抜きも止め絵をスクロールしてごまかしたり、ずっと見せ続けるのではなく、まして崩れるのではなくて、演出で工夫しているのでアニメとして成立しています。

 それと次回予告がいいですね。期待させます。トータルで言えば話もアニメも水準が高いレベルだと思います。

 追記 2回目見ていて気が付きましたが、冒頭の出勤時のJR津田沼駅(妻沼田駅)前の歩道橋の上に「ツマヌダ格闘街」のドラエ・ドリャーエフと主人公がいました。これにはうれしくて涙がでました。{/netabare}


第3話 話的にも予算的にも溜めの回だったかな。それでも面白いですけどね。

{netabare} 木曜日の夜…というか金曜日の朝が辛いです。なんで私は無理して1時からみているんでしょう?もちろん面白いからなんですけど。

 今週はまあワンクッションの週だったかなあ。話はあまり展開しませんでした。男を攻略するという進展はありますが「えっ、私の年収低すぎ」のミームとか小ネタのギャグ回という感じでした。

 予算節約回でもあったのかもしれません。止め絵が多くて海外発注回かなあという感じもありました。いずれにせよ、それでも面白いんだから大したものです。やっぱりキャラの魅力を作り出すといいですね。グレイス(憲三郎)だけでなく、アンナも男性キャラも魅力的だなあと改めて思いました。{/netabare}


第4話 展開は想定の範囲内も、ちょっと作画やテンポ、キャラの扱いに不満がある回でした。

{netabare} なんか、作画が紙芝居になった気がします。最後の2分くらいは良かったですけど。今までは止め絵を上手く使って、演出で面白さはキープしていましたが、今週の奥さんのオタク描写の時のカクカク作画は今のところ唯一の失敗だと思います。ただ、次週予告を見ると来週はよさそうなので、このまま悪くなる一方ではないことを祈ります。

 話そのものもちょっとテンポも悪かったし、ゲーム世界のキャラももちろん面白かったんですけど、何となくギャグの量的に物足りない感じでした。展開は予想はしていましたがそうきましたか。娘と奥さんは回想だけにしては存在感がありましたからね。グレイス本体の絡みとどっちが優先するかと言えば、こっちが先でしょうね。ただ、1クールでグレイスと絡むのかなあ…

 ちょっと不安感が出る4話でした。来週頼みます。{/netabare}


5話 十分面白いけど、現世パートでマイナスにならないかは気になります。

{netabare} ちょっととっ散らかった回でしたが、テンポが良かったです。ゲーム内と現世の同じ場面を見せるのも長すぎると飽きる要因でしょうけど、ほどほどの長さでした。他の異世界ものは開始10分で飽きてくることも多いですが、本作は全部見ても体感10分くらいで、あっという間に過ぎ去ります。

 前半に汗やプンプンの漫符(マンガの記号表現。汗が白い水滴で表現されていた)が入ったのがちょっと驚きましたが、演出で担当者によって独自性を出しているのでしょうか。

 魔法の先生と奥さんが似ていますが、同じ人物じゃなかったんですね。その線もちょっと妄想していましたが外れました。現世パートいいんですけど、やっぱりゲーム世界の没入感が減るのがマイナスになるかもしれないなという危惧がちょっとあります。今のところ上手く処理していますが、今後のオリジナルグレイスの使い方と絡んでどうなるか、ですね。

 途中出てきた緑髪の少女の作画が妙に良かったですが、今後重要キャラになるんでしょうか。コミカル路線でしたけどね。

 5話まで来てこのクオリティなら1クールは面白く見られそうですね。ちょっと話が3話までと比べて停滞感はありますが、エピソードが面白いので十分だと思います。{/netabare}


6話 面白いけど、進展が欲しい気もします。

{netabare} 面白い。とても面白いんですけど、なんか想像と違う展開?もうちょっと元グレイスとの絡みと現世復帰に焦点があたるかと思っていましたけど、そこは結構ゆっくり進む感じみたいですね。単行本も人気で結構出ているようなので、1クールだと何か中イベントがあってそれで終わりって感じでしょうか。大きなイベントで元グレイス様をちょっと見たかったんですけどね。

 そして、面白さを維持しているとはいえ、やはり冒頭の2、3話に比べると徐々にマンネリ化します。今週の様々な出来事は以前見たものの繰り返しになってきています。

 そこを補うのが現世な訳ですがやっぱり次の展開が欲しいと思います。魔法の発表で何かあるのでしょうか?あるいは今回あった、ビーストを通じて何か進展があるのか。{/netabare}


7話 この分だと元グレイスは描かないのかな。2期を是非最終回で発表してほしい。

{netabare} 原作が既刊7巻らしいので1クールで終わりまで描くのかなと思いましたが、それほど進めないみたいですね。面白いからいいんですけど、ちょっと元グレイスの話が見たかったなあ。最終回で2期のアナウンスなかったら原作を読もうかなという感じですね。とはいえアニメは丁寧な作りだしキャラに愛着が出てきただけに、早めに2期が見たいですけどね。

 そうそう、緑の髪の眼鏡の子が活躍してないですよね。後半でどう活躍するんでしょうか。

 しかし、異世界ものであまり目立った作品のない亜細亜堂にしては、丁寧に作りましたねえ。OPの感じだと作品内からの切り抜きっぽい部分があるので、完パケあるいはだいぶ作りためてからのスタートなんでしょうか。であるなら、他の仕事は受注せずこの2期を是非お願いしたいところ。もう半分が過ぎてしまいました。面白い作品は早くすぎさるなあ…{/netabare}


8話 グレイスの話が進んでいるのがいいです。1話で3回楽しんでます。

{netabare} 停滞しているようで、何となく話が進んでいるんですかね。元のグレイスが努力家で真面目過ぎる故にきつくなったのは、既に伏線というより明言されている感じです。彼女のこころを溶かしきるまで描けるのかどうか。あと4話くらいだとすると駆け足だし、既刊の巻数からいってちょっと厳しいとは思います。あとは母と兄がどういう役割になるのかですか。

 それにしても、それほど高予算作品とは思えませんが、丁寧な作画と演出で非常に見やすくていいです。

 今回もあっという間で体感5分でした。本当に面白い。今回そしてもう1回見て「蠱惑の壺DX」で外国の反応を見て3回楽しめるんですよね。本当にいい作品だと思います。{/netabare}


9話 予算貯めのローコスト回かな?

{netabare} OPが始まるまでの1分ちょっとくらいの作画が何となく気が抜けたような作画だったし、紙芝居感がある作画でした。話の内容もあいまって、予算を貯める回だったのかもしれません。ただ、まあ、EDはそれほど作画的に入カロリーではないにしても、特殊EDにしたということは手抜きではないと思いますけど。MAOさんの999が聞きたかった気もしますが、サビの部分を聞く限り、あまり音程があわないのかな?

 なんか意味がない息抜き回だった感じです。次回予告だと10話は力が入っていそうなので、来週に期待ですね。ただ、9話も相変わらずテンポはいいし演出も悪くないので、ちゃんと面白くみられました。

 そう…この作品、内容も面白いんですけど、演出とテンポに見るべきところがある気がします。原作からそうなのかもしれませんが「なろう」系の他の作品に是非、見習ってほしいです。引き延ばしではなく、無駄を削ってこそ面白くなりますので。

 あと、3話くらいですね。今のところ今季で一番面白い…ですけど、他がひどすぎるからなあ{/netabare}


10話 アンナの母とグレイスの母…次回以降何かありそうな感じですけど?

{netabare} 結局アンナの母が元貴族なら、魔法を使える理由もわかります。それと前半とってつけたように里帰りのエピソードがありました。つまり、母が魔法や貴族と関係あるということだけ強調して終わりました。今後の伏線ということでしょうか。
 母繋がりで考えれば、グレイスの母が戻るのとアンナの母に何か関係ありそうですけど、どうなんでしょうね。昔の知り合いとかなんでしょうか。

 あと2話くらいで何か進展がありそうですが、どうなるんでしょうね。 {/netabare}


11話 鏡のシーンがとても良かった。全体的に演出が凝っていた気がします。

 面白いのはいつも通りですが、今回は画面が良かったです。動きという点ではこの作品は物足りないのですが、画面の構成というか見せ方がいいんですよね。特に感心したのは、途中の鏡にグレイスが映っているシーンです。

 芝居の打ち合わせをしているときに、自分を見つめるような視線の動きが、役柄ということとグレイスの存在の2重の意味性を感じて、一瞬のシーンですがいい効果を産んでるなあと感心しました。これは意図的に演出としてやってますよね。この演出力があるからこの作品は面白さが倍増しているなあと思います。薔薇と時計に意味があるのかどうかですが…まあ、後で考えます。
 逆に雲のシーンは違和感がありました。夕方になったという表現だけなんでしょうか。予算上の手抜きなのか。

 それと緑のメガネっ子は期待どおり面白い子でした。それとアンナの苦労もサラリと入れたり、エレガントチートを逆手にとっています。ドラえもんのパロディにガラカメのパロディ。盛り沢山で本当に退屈しない話です。

 ということで後1話…なのかな?今季ナンバー1はほぼ確定ですが、最終回でオリジナルグレイスと母親関連で何か出てくるのでしょうか。



 




視聴前 「ツマヌダ格闘街」が大好きなので楽しみです。

{netabare} 私は原作の上山道郎氏の「ツマヌダ格闘街」が大好きで全巻揃えています。視点がバキやケンガンアシュラのような筋肉と謎理論でなく、梶原一騎のような気合とマッチョイムズだけでなく、非常に説得力があるディテールが描けていました。
 ディテールの描き方は中国武術マンガの名作「拳児」とも違い独自性がありました。しかも主人公の男女の描く物語が面白いんですよね。特にヒロインは魅力的でした。それ以降活躍がなく残念に思っていたら本作の原作と知って、是非見たいと思っています。

 氏の格闘の描き方から言って独自の視点ながらも、エッセンスをくみ取っていると思います。そして物語をちゃんと入れてくると思います。原作はアニメを数話見てから購入を考えます。がんばっていただきたいです。{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 10

猫好き さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

底辺なろうかと思いきや良作だった

タイトルといかにもなろうそうな作画から舐めてて、しかもおじさんが美少女悪役令嬢。あぁー、またまた「わし可愛い」のキモいなろうTS物かと思ったら予想と全然違った

作画の方は低予算なろう系っぽく見せかけて、そもそも元からこの感じの絵ギャグ漫画みたいなので思ったよりずっと丁寧に作っている

お話は、交通事故で意識不明の地方公務員のオジサンが、乙女ゲームの悪役令嬢に転生して破滅を回避するために奮闘すると言うなろうの典型パターンなんだけど、その料理の仕方が絶妙に上手い

まず第一に、オジサンが美少女に転生したら、予想できるのはTS物にありがちな「あぁ、トイレどうしよう」「あぁ、女物の下着が〜」「女友達との入浴がぁ〜」「生理がぁ〜」って言う気持ち悪いパターン。だけどそのTS物くささが一つもない。むしろ違いは50代と10代の視力の違いと異性転生後のギャップポイントはそこ?w

そのため性的視点なしで、無害で善良なオジサンが転生した先で息子娘達を見守る感じで不快感は起こらない。特に、普通なら周りをどんよりとした寒ーい状況に追い込むようなオヤジ的な言動でもグレイスの優美な行動に変換にしてしまうエレガントチート能力によるギャップが面白い

これ、考えてみれば、なろうでよくある主人公がなんでも無いことをしたと思ってるのに、周りからゴイスー、ゴイスーとされるのと大差無いはずなんだけどこれも不思議と気にならない。これはおじさまに厨二臭さが無いからかな?

また彼の家族も奥さんと娘含めてオタク家族で、仲が良さそうなのも好感触。特にこの年代の娘と公務員の父親なんてお互い理解不能かと思いきや、親子として認め合って大切にし合っているのがよく分かる

お話自体はよくあるなろうなのに、主人公の生来の人の良さとグレイスとのギャップ、家族愛やゲームの進行に奥さんと娘が関与できそうなところや、そもそも彼がどうしてこの世界に張り込んでしまったのか、どうしたら抜け出そうなのかとかの謎も見所になってて、切り方一つでこうも面白くなるのかと感心した

と言うわけで個人的には今期トップクラスの評価なんだけど、唯一の心配はこれが2020年に始まった青年漫画雑誌で5年も経ってまだ連載中なこと。青年・少年系の漫画でヒットしたものは不必要に終わりが延ばされて、中だるみや本編から外れたエピソードばっかりになって肝心のお話がうまく決着付かないこと多数。基本、悪役令嬢物って破滅回避が目標な分だけ、お話は一直線、無制限に続けるには向かないので、この点がうまく決着付けられるのかが気になる点かな

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

67.2 2 カタルシスアニメランキング2位
戦隊レッド 異世界で冒険者になる(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (94)
204人が棚に入れました
世界征服を企む悪の組織《秘密結社ゼツエンダー》。 その野望に立ち向かう、絆で結ばれた5人の戦士たちがいた。 そのヒーローの名は、《絆創戦隊キズナファイブ》!! キズナファイブの5人は、遂にゼツエンダーとの最終決戦へ。 壮絶な戦いの中で傷付いていく仲間たち。 4人の想いを背に、《キズナレッド》は単身《絶縁王》へと挑む。 激戦の果てに敵と相打ちになるレッド。 命を落とした―――かに思われたのだが、気が付くとそこは《未知の世界》だった! 異世界でも困った人々を救うため、真っ赤なヒーローは冒険者となり今日も戦う! 《異世界×戦隊ヒーロー》でおくる、絆の最強英雄譚!!

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

エクスプロージョン・エモーション

タイトルまんまだが力技がすごい
特撮好きなら絶対にハマる異世界/特撮メタコメディ

OP・映像も曲もコテコテで良きかな
ED・すっきりしたアニメ声が心地よい

世界観は汎用ナーロッパに徹し、とにかく特撮のお約束でブン殴ってくる。スーツ・メカ・合体ロボ・モンスターデザインなどデザインワークの解像度が高すぎる。ただのネタ枠かと思いきや、ニチアサ特撮で語られるべきものもきちんと詰まっている。そのうえで拾えるツッコミどころは全て拾う。ただ叫べばいいってもんじゃない、アツいとはこういうことなのだ。と、制作者の信念を感じられるアニメ。お約束の様式美を楽しむおじさんケア動画でアニメ上級者向けでない印象。二番煎じでもいいので仮面ライダーでもやってほしい。

02
イドラのキャラ立てもいい感じ

ニチアサのような人生訓を含ませながらも決して説教くさくない。とにかく裏をかいてバズろうみたいな嫌らしさはないが、逆に言えば真っ直ぐなヒーローものなのでアニメでビックリしたい人にはご都合ダーかも。まあ戦隊モチーフですからね、そりゃそうだとしか。回想シーンも短めでサクサクだが他人の不幸を見たいひとには掘り下げガーか。あとはイドラのツッコミ台詞が長すぎるのを工夫して欲しかったくらい。デカキャラ相手にはやはりバックにボーカル曲が欲しくなる。もめんたりーリリイにはこれが足りないのかも。

イドラの気づきも素晴らしかった。せいちょうした!とはああいうこと。トラウマスッキリ問題解決!のほうがカタルシスはあるけどあれは成長ではなく適応と呼ぶべきもの。

いいんだけどあと一歩足りない印象。次回の追加キャラ次第かなあ。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

異世界と戦隊レッドを混ぜるとはw これは面白い。

これは面白いですね。
正直作画はかなり低調に思えましたが…。

内容の面白さで、十分にカバーできています。

戦隊の変身シーンやロボットなど、そっち方面は気合入ってますので悪くないですし。

絆創膏になぞらえて絆を創る、という。
なるほど名前も良いですね。ギミックのデザインも面白いです。

暑苦しいレッドのノリが理解できない魔女のツッコミも面白いですし、可愛いですね。

これは気に入りました。視聴継続です。

全話感想
作画の粗さなどはありB級だとは思うのですが、結構面白かったです。
イドラとの恋模様が可愛らしく良かったですね。
ロージー、テルティナ達、仲間達もいい味出していました。

基本はギャグテイストですが、強敵との戦いで盛り上げたり、真っ当な面白さもちゃんとある作品でしたね。
良かったと思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 2

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

異世界✖️ヒーローもの

今までありそうでなかった感じの作品。タイトル的になろうかな?と思ったらマンガ原作でしたか。

戦隊モノの定番を異世界に持ち込んで、それゆえに敵はもちろん周りも困惑させてるさまが滑稽で基本的にはコミカルな作品ながらも、熱い王道の展開も見せたりとしっかりツボを押さえてる感じでした。

主人公のレッドがやたら絆とか連呼して絡むさまが熱苦しくて時にうざったく感じられるところもあるけど、窮地に陥ってもコイツならなんとかしてくれるだろうという頼もしさがあって安心して見ていられるのも好印象。

異世界を舞台にしてることもあって、なろうぽい要素(主人公らに突っかかってくる小物とか)もときどき見られつつ、過度なチート無双やら主人公ヨイショもあまりないので純粋な異世界冒険ものとして楽しめると思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4

64.7 3 カタルシスアニメランキング3位
BanG Dream! Ave Mujica(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (174)
143人が棚に入れました
「言ったでしょう?残りの人生、わたくしに下さいと」 豊川祥子がメンバーを招き入れたバンド・Ave Mujicaは、 ライブやメディア露出など、商業的な成功を収めていた。 運命をともにすると誓った仲間も、生まれ育った家も失った少女。 彼女は何のために他人の一生を背負い、バンドを続けるのか。 過去も素顔も仮面で覆い隠し、今宵も完璧な箱庭に降り立つ。
ネタバレ

出オチ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

史上最狂というか令和最低

Ave Mujica最終話まで確認。
最終話で明かされた設定が1つしかないことを確認したため統括した感想を投稿。

{netabare}
【統括】
この作品はAve MujicaというタイトルでありMyGO!!!!!の続編でもあります。MyGO!!!!!で明かされなかった祥子の過去からAve Mujica解散〜再結成までのストーリーが油断なく進んでいきます。
Ave Mujicaというバンドとメンバーの掘り下げではなく睦とモーティスにより崩壊していくバンドと個々を基軸に話を練り上げたかったとインタビューで公言しており、後述するキャラの贔屓めなリソースも含めてバンドの存在意義や演出まで含めて制作陣営の自慰行為をまじまじと見せつけられるような映像となってしまったのは非情に残念。(おそらくは商業主義的都合もあるんだろうが)

■ここがダメだよ!Ave mujica!

【話が終わってる】

大雑把に書くと「バンド活動中に仮面を剥がされる」→「剥がしたことにより生み出されたモーティスが原因でバンド解散」→「迷子になった豊川祥子と精神世界で引っ込んでる睦を救うためにMyGO!!!!!メンバーが助けにくる」→「CRYCHICを締めて健やかに過ごそうとするも元メンバー達がAve Mujicaやりたいと言い出し再結成に向けた手練手管」→「嫌々再結成するも豊川家の恐ろしさによりスイスに飛ばされかける」→「初華の過去を知った祥子が生まれ故郷に赴き見事再結成へ」→「百合展開」である。
バンド解散は4話までだがCRYCHIC復活までの迷子期に3話かけているのと睦とモーティスの精神世界の邂逅にとんでもない時間を要しているので非情にテンポが悪く、他メンバーの掘り下げも殆ど無いので突発的にヤンデレ設定や信じ合いたいと嘆くキャラが続出する被害まで発生。少なくとも前作キャラのような小さな積み重ねが粉塵爆発を起こすようなことはなかった。何なら初華が初音と判明するのは11話であるが、これ5話から長崎そよみたいに叩いて伸ばしながら説明するんじゃダメだったんだろうか。モーティスや若麦より断然優先される描写じゃね?個人的にモーティスと若麦は総集編で、初華を爆弾として話を展開していく方向性で良かったと思うのだが、どうやらCRYCHIC復活を話に組み込むためには必要だったらしい?
後はどうでもいいシーンが多すぎる。モーティスのドッピオごっことか3話の回想とか海鈴の爆買いエピソードとかその後のにゃむとの会話とかにゃむ全般とか。すまん、メンバーの掘り下げそっちのけでそれ必要?最終的には「覚悟はある、僕は戦う」みたいな立ち回りで豊川家から逃げ出すのだが・・・


■ここが謎だよ!Ave mujica!

【で、豊川家ってなんなんすか】

豊川家は大企業でありAve Mujica福岡公演のキャンセルにより発生した被害額を容易に補填出来るほど。sumimiやAve mujicaの最短デビューにも噛んでいるという噂もある。青春街道まっしぐらの愛音ですら知っているんだからよほどの財閥グループなのだろう。祥子の祖父すらその恐ろしさを体感しているので初音との暮らしを諦めるし祥子にはバンド辞めろと促す訳だが、どうも11話から強調される豊川家の恐ろしさというのが分からない。バンドが非公式にライブを開催するとスイスに飛ばしたがるが真意が不明でトップが誰なのかも分からんので理解しようがない。理解出来ないものに恐れを抱くのはもはや宗教の域であり「ははーん、もしや水星の魔女をオマージュしたくて後付したな?」と思ってしまうのは如何なものなのか・・・。
判明している設定も「初華の父親は祥子の祖父」で「祥子は初華のいとこ」で「sumimiの最短デビューは豊川家の力添え」で「初華は祥子の父を凋落させた一因」であり「祥子の父は昨今流行りのアレに騙された人」ぐらいでぶっちゃけそれだけ理解しとけば良いのである。すいません、大本営は何がしたかったんですか?


■ここがダメだよ!Ave mujica!

【で、誰が主人公なんですか?】

「本作品における主人公は誰か?」

まぁ、こんな質問を投げられたら十中八九豊川祥子と答えるだろうが、残念ながら主人公と呼ばれるほどの活躍を彼女が奮っていたかというとNOと答えざるをえない。自らの行動で運命を変えるのは本当に1話と12話ぐらいでそれ以外は虐要素、曇らせ要員として機能しているだけである。わかりやすく言うとちいかわ。
で、実際の主人公であり周囲への働きかけが大きかったのは睦とモーティス。話の本質も、彼女が爆弾でありメンバー達は彼女の奇行に未来を歪められて徐々に壊れゆき、そんなこんなで改めて慰めてバンドを再結成する話である。インタビューでも彼女を中心に話を描きたかった(何なら実病をモチーフにするそれどうなん?みたいな倫理観)らしく、中盤はほぼほぼ彼女に話のリソースを取られまくっている。非情に話のテンポが悪いし急に設定が生えてくるメンバーもいる。モーティスは「仮面を剥がされたことにより発生する露出のストレスへの退避作であり本来なら7話で成仏する予定が消滅したくないと願った本人は必死にギターを練習しモノにし最終的には睦と融合」だけ覚えておけば良い。あれれー?初華の設定は1話で解消出来たからモーティスも出来るよねー?
さて、ここで柿本氏のインタビューを抜粋してみよう。

{netabare}
海鈴本人は、器用か不器用かでいうと器用なタイプですが、器用すぎて人の苦しみがわからないというか……。苦しむ前にすっと逃げてしまう傾向があり、そういう人が「後から何を言っても響かない」ということを彼女を通して表現しています。安全なところから見ていた人が「やりたくなった」と言って後から渦中に飛び込んでも、それまで泥の中でもがいていた人たちには全く響かない。海鈴に欠けているのは信頼なんです。でも完全な個人主義者である彼女には、どうすれば信頼を得られるのかが分からない。彼女について考えていた時に、「信頼されないこと」こそが彼女の恐怖なんだなという側面が浮かび上がってきました。人間関係において、頼ってもらえない、頼れない、という状況が最も怖いのであれば、そういう状況を作り出してしまうキャラクターにしようと考えて海鈴の造形が生まれていきました。アンバランスな他のメンバーと異なり、海鈴は最初から、優れた能力、技術、容姿、安定した家庭環境などすべてを持っていて、大体のことは一人で完結できます。言い換えれば、危なくなったら一人離脱すればいい場所にずっといたのに、CRYCHICの解散ライブを機にAve Mujicaの存在が気になり始め、にゃむに自分の過去を話してみたりもするけど、結構な事件ではあるのに、どこか軽く扱われてしまう。
{/netabare}

言いたい事は分かるし説得力もあるのだが、アニメの描写だけでは「全く愛着の無かったバンドに突然嫉妬し過去事例を持ち出してまで何が何でも再結成させたいよく分からない人」という印象なので、視聴者の読解力不足ではなく製作側の表現力不足であり話の構築に難があるのでは?という結論に至ってしまう。漫画垢インフルエンサーの言葉を借りるなら「我々は手のひらの上で踊らされてる」だが、残念ながら手のひらの上で踊らされて話に魅力を注ぎ出したり深みを出すほどのキャラに仕上がったかというとノーと言わざるを得ない。
後述する祐天寺にゃむもそうだが「聞き手の技術が試される」のではなく「与える側の技術が低い」という結論に至る。

Ave Mujicaの第一話が「悲劇のヒロイン」として豊川祥子を売っていたが、インタビューでは「彼女はあの時闇堕ちしていて祐天寺にゃむを採用したことによるしっぺ返しを1話最後で」と公言している。実際に闇堕ちしていたのは長崎そよが憤慨した6話ぐらいの印象なのでここでも制作陣とのギャップというか矛盾を感じる。どうやら脚本が書いたストーリーを柿本氏が「このキャラはこんなこと言わないんじゃないか?」とチェックしてるぐらいで、制作陣の間でも心の距離があるのだろう。


■ここがクソだよ!Ave mujica!

【ヘイトキャラが救世主へ】

いつの時代もヘイトキャラというのはどこか憎みきれない描写だったり話にコクを生み出す描写がないと作品の評価を地の底まで落としてくれるのは東京喰種が良い例だと思う。後は黒子のバスケの花宮と灰崎が良い例で前者は人気投票で1桁を獲得しているが後者は主人公達の過去を語る上で欠かせないキャラだが見る影すらない。

この作品におけるヘイトキャラは間違いなく祐天寺にゃむである。彼女の行動を今一度振り返ってみよう。

・もっと大きなハコで仮面を外すとプランを提示されながら勝手に仮面を剥がす。バンド解散の最大の原因。
・祥子の台本がつまらないと言い張る割には代替案を出さない。
・客が観たいものを優先させると言い張りリハを遅らせる。結局やらなかったらブチギレる。
・堂々と踏み台宣言。
・客が大事と言い張りながらバンド脱退を一番最初に言い出す見上げたお客様ファースト精神。
・解散後は堂々とメディアで活動しブティックのタイアップも取るほど。
・モーティスを憎みすぎて同伴のオーディションを落とすしYoutuber活動を停滞させる。
・過去の言質を身代に自我の欲求(バンド再結成)を押し通すヤクザのやり口。
・というか全責任と根本原因はにゃむにあるのにモーティスはにゃむに一切ノータッチだし海鈴は祥子に責任転嫁するし誰もコイツが悪いとはコンドームの薄さほど思ってない違和感。

では、インタビューで記載されている彼女の魅力を抜粋してみよう。

{netabare}
Ave Mujicaというバンドの中で、他のキャラがそれぞれ何かしら「持っている」のに対し、彼女は「持たざる者」です。祥子に買われたのはドラムの腕前というよりはインフルエンサーとしての「話題性」や「バンドのビジュアル的要素」としてで。でもにゃむとはきちんと交渉、つまり「これを与えるから、私のところでやってくれ」という取引きをしている。当時、祥子は闇堕ちしていて“悪い”状態だったから、にゃむの欲しい言葉を的確に与えて加入させています。ある意味そのしっぺ返しをくらうのが第1話のラストですが。その交渉の際、祥子自身は自分が上の立場にいると思っていて、でも、にゃむは彼女の服装の安っぽさから、ハッタリである可能性も見抜いていたと思います。ただ彼女は手段を選びません。むしろ共に成り上がってやろうとあえてそれに乗った。付け焼き刃のように始めたドラムもデビューまでにはしっかり仕上げています。それを裏付けする日々の練習をかかさない真面目さ、地道で実直な努力ができる勤勉さを持っているんです。彼女はクレバーな野心家で、良く言えば「夢に向かって一直線」。その純度がとても高いがためにどんなチャンスでもつかみ取ろうと努力を重ねています。時に他人を利用するようなこともしますが、手段を選ばないだけで、実はメンバーの中で一番、その言葉ままの意味で『バンドリ!』しているとも言えます。自分の商品価値も計算できているので、今までのシリーズのキャラにはいなかった、スタイル重視の服を着ています。夢を叶えるための武装は計算の上で選んでいるし、体型維持のために普段はラテすら飲まない。にゃむのすべては努力の結晶でできています。だからこそAve Mujicaで、「持てる」天才たちの都合に振り回されたくない。自分が積み上げた努力を、才能だけで持っていかれたくない。その考えが彼女の行動原理になっています。
{/netabare}

聡明な視聴者なら「マジで良いところばかり取り上げて脚色ばっかしてんな」と思うだろう。ここまでの絶対悪を純度100%の善人として描いてるのだから制作陣には脱帽である。それでいて他のメンバーの描写は粗雑なのににゃむだけは丹念に描かれている。努力家であれメンバーの性格を見抜く慧眼であれ日々の仮面を被った行動への葛藤であれ他メンバーの100倍は丁寧に描かれている。別にモーティスがいなくても芸能界で食っていけるだけの案件はあるしキャリアを重ねれば機運にも恵まれるだろう・・・
優先度の低い悪辣なキャラがこれだけあたかも善人のようにディテールにこだわりながら描かれるのは不快極まりなかったので本作品は好意的に評価出来ない。おそらく制作側とこちらで倫理観の相違が発生しているのだろう。無論、他のメンバー達がにゃむぐらい丁寧に深堀出来ていたのなら評価は一変するが、結局そうはならなかったので令和最低の作品になりえるだろう。


■ここがおかしいよ!Ave mujica!

【前作と乖離したムード感】

初期は「令和最狂」と銘打たれていた作品だったが、蓋を開けたらドロドロの人間関係の網羅ではなく実病をモチーフにした精神世界での邂逅であったり愛に対する執着心だったり。
前作はリアリティだけを突き詰めた群像劇が気づいたらめっちゃ狂っていた神作だっただけに「ファンタジーな世界に翻弄されるMyGO!!!!!」というのは一種のケミストリーを起こすのではなくMyGO!!!!!の完成度の高さを再認識させられてしまった。モーティスの暴走に「撮らないでください!」と静止するとかドッピオごっこに付き合うそよりんとかもう哀れで・・・。
他にも"狂った"描写は各話ごとに散りばめられているが、どれもニコ動全盛期を経由したオタクなら知ってるであろうオマージュやインスピレーションが垣間見えて大分白ける。「靴を電話代わりにして別の人格に問いかける」とか「主人公以外人格の変貌に気づかず自分のせいにしてくる」とか「悪魔に自分が喰われたり魔法少女っぽい世界観でシアトリカルな回想が始まる」とか「沢山のテレビからAve Mujicaを懐古する」とか「どっかで見た豊川家の家族構成とか初華の哀しい過去」とか、挙げ句の果てには百合展開で締める「それ数年前のガンダムで見たよ・・・」なデジャヴ。で、12話最後のシーンにて豊川祥子がとんでも発言。

{netabare}
「わたくしが神になります」
{/netabare}

おそらくアラサー世代ならマイネームイズキーラーって叫ぶ傍らでヴォーカルがウネウネしているアニメを思い浮かべるのだろう。制作陣の目論見は願ったり叶ったりで今までろくすっぽ考察やら感想やらあげてこなかったイナゴ達がこぞって新世界の神オマージュのイラストが大量に流れトレンドを席巻したが、今まで感情の機微に拘ってきた作品がそういうことをする温度差を考えると残念極まりない結果となった。バズ狙い視聴者参加型のコンテンツへと成り下がった瞬間である。はい、ここで著名バンドディスラプションの元メンバーである海鈴さんより一言。

「媚びてますね」


【総評】
面白い/面白くないの基準で語るより快/不快で語った方が速いぐらいには話の構成が終わってる、特定キャラを優遇しすぎて重要キャラの掘り下げが粗雑、やりたい演出がどこかデジャヴ、制作陣営のモラルが終わってる、バズ狙いたかっただけと褒めるところがオープニングとエンディングぐらいしかないという結論に至った。おそらくこれを名作と称えるのはバズ作品に乗っかって本質には触れず脇道だけを擦ってインプレを稼ぎたがる絵師か最近発掘されたイヌー界隈という化石言語に該当する人種、長年のバンドリ生活に鍛えられた仙人達ぐらいだろう。
結局、本編の謎はこっそり明かされたものの豊川家の謎はほとんど明かされないまま最終回を迎え「神になる」発言も気まぐれ次第でスイスに飛ばしたがる豊川家との折り合いや対抗策すら何も考えていない思春期さながらの発言にとどまっているため、部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備をしながら毎日を迎えなければいけない問題は何一つ解消していない。円満解決に見えて初華以外は取ってつけたような愛国心に近い感情なので白ける。「CRYCHICを終わらせて新しい居場所として確立した女の子達のライブ」と「勝ち逃げ迷惑系Youtuberと睦でもモーティスでもない良く分かんない人と知らないうちに愛着持ってたことにされてる尻と実は主人公だった初音さんと過去の言質を責め立てられて勢いだけで活動する元コールセンター従事者」の差たるや・・・ドウシテコウナッタ。
12話終了後、綾奈ゆにこが本作品の設定を気持ち悪いと切り捨て御免したことによる炎上が発生した。ストーリー構成がそんなこと言っちゃ駄目だろーという気持ちはあるが、彼女の担当話は1話と12話。奇しくも祥子が枷もなく自らの意志で行動出来たのは1話と12話なので彼女の心も割と理解出来たりする。明らかに1話12話とそれ以外でクオリティが違うし全てのツケを精算させたって考えが妥当。お前神かよキャラとおんなじムーブリアルでも出来てんじゃんというにゃむの声優のツイートを見ながら「このバカどもがぁ!」と制作現場にトツゲキしたい自分なのでした。セオー!
お偉いさんや声優がこぞってリアタイで実況しながら「これ本当にバンドアニメなんですか?」と呟くの、もういいよ。逃げたら一つ、進めば二つみたいな擦り方、もういいよ。大量のトレンドありがとうございますってにゃむぶるの、もういいよ。MyGO!!!!!は鬱アニメじゃないですって言ってたあの人はいずこ・・・。
一番最低だったのはクソ親父が知らないうちにゴミ出しするほど元気になっってることで、母親の形見は申し訳程度に残ってるのに母親のために頑張ると奮起した本人は蚊帳の外でライブを見ながら「祥子・・・母さんのために頑張るよ・・・」なベタな展開もなし。元気になった理由も謎。何なら祥子がクソ親父を金銭面でサポートしたり気遣う様子もゼロ。豊川家の血はどこまで行っても豊川家だから祥子も同類ってことか?キン肉マンII世の駄目な所思い出させてくれるのやめてくんない?


どうやら続編が決まったらしいですが描くもんなくね?
{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ギスドリ狂詩曲(ラプソディー)

【物語 4.0点】
狂っているが刺激的。先が読めないオリジナルアニメならではの展開。


世の中バンド音楽なんかじゃ解決できない問題もある。
問題なんて解決しなくても継続するバンドもある。

一生と誓ったバンドが長続きしないことなど日常茶飯事。
案外ギスギスして解散寸前なんじゃないか?って位のバンドが腐れ縁で続いたりもする。

柿本 広大監督らスタッフインタビューなどを拝見していると、
こうしたリアルのバンドの取材等で得た諸々(※1)
物語に仕立てるには毒が強すぎて、夢が無さ過ぎて、
キャラと推し活を大切にする2.5次元コンテンツでは憚られる。
音楽の力で課題解決していくバンド作品のテンプレにも中々フィットしない。

本作『~AveMujica』では、従来取り入れられなかったバンドあるあるを、
ここぞとばかりに自由に盛り込もうというスタッフの狂喜に満ちた信念を感じました。


象徴的だったのが第7話。
{netabare}RiNGの無観客ステージで行われたCRYCHIC(クライシック)の号泣“解散”ライブ。
私は率直に、あれほど皆が囚われ振り回されて来たバンドの呆気ない最期。
誰かに披露するパフォーマンスとしてはちょっと泣きすぎていたこともあって、
白けた気分にもなりました。が、白けたこの感情自体が新鮮でとても興味深いとも感じました。

運命共同体だとか言って誓って始めたバンドが、
多くの観客に看取られることもなく、凡庸なアマチュア学生バンドとして葬送される。
これもまた掃いて捨てる程あるバンドの現実であり、そこに踏み込んだシナリオは非凡でした。{/netabare}

対照的に第10話。
{netabare}復活したAveMujica。問題は何一つ解決していないし、
披露された歌詞世界の裏側には、初華の出生と過去にまつわる特大の地雷まで仕込まれている。
でもプロである彼女たちが奏でる音楽は一級品であり、その世界観は多くの観衆を魅了する。{/netabare}

バンドアニメにおいて、視聴者というのはメンバーの裏側を知り尽くした上で、楽曲を堪能できる特等席なのですが。
あのライブに限っては、裏を知れば知るほど、些細なメンバーの表情から色々察してしまい胃を抉(えぐ)られる、さながら断頭台。
記憶を消して、何も知らずにパフォーマンスを楽しんでいるモブの観客になりたい。
私が音楽アニメ観ていて、こんな感情を抱いたのは初めてです。



前作『~MyGO!!!!!』はキャラクターや展開の赴くままにシナリオをボトムアップしていくことで“迷子”を体現した脚本・構成。
対して『~AveMujica』は次々と課題要素をぶつけて、シナリオに負荷をかけて対応させていく方式。

その負荷は作中キャラクターだけでなく、スタッフにも及び。
立ちはだかった要素に対して、この脚本はどうだろうと、
毎話脚本(ほん)を書いては捨ててを繰り返したのだとか(※2)

『~MyGO!!!!!』と『~AveMujica』はプロット構築の面でも真逆でしたが、
やはり本シリーズは2作セットで対比しながら楽しむ作品。
想定以上にマイゴメンバーも絡んで来ましたし、
『~AveMujica』は想像以上に『~MyGO!!!!!』2期でした。
マイゴも新曲ありましたし。

ムジカメンバーにも脚本にもプレッシャーを与える制作方針により、
何かに負われる切迫感が視聴者まで伝わる高ストレスな内容が毎回継続。
SNSでは毎回トレンド入りし熱狂された本作ですが、地上波先行配信を行ったAbema含めて、
各サブスク・配信プラットフォームの再生ランキングは案外、低位。

賛否両論も含めて、リアルタイムで、つい色々と語り合いたくなっちゃう。
ここもオリジナルの醍醐味でした。


ラストもスッキリしたとは正直思いません。
ですが問題を内包したまま突き進むAveMujicaにはいっそう価値を感じました。
制作決定した『~MyGO!!!!!』&『~AveMujica』の続編。
私も首を洗って待望しています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・サンジゲン

基本は3DCG。エモーショナルなカットには手描きも挿入する前作からの方針を継続。
問題だらけの現実を塗り替える虚構で客席の“共犯者”を夢に誘う。
ゴリゴリ世界観メタルバンドのAveMujicaのパフォーマンス映像は全体的に高圧力。

一方で時に変顔同然に、狂おしいくらい心情を発露させる表情描写も上々。
祥子/オブリビオニスの過去と事情が一気に開示される初回から、
あの時の彼女の表情の意味は、そういうことだったのかと、描写の濃密さに惹き込まれます。

私は特にパフォーマンス中に、睦/モーティスの表現力と交錯、対峙、自己嫌悪しながらも、
食い下がっていく、にゃむち/アモーリスの苦虫を噛み潰したような表情がお気に入りです。


東京・池袋界隈など、聖地巡礼欲求が高まる背景美術も相変わらず。
本作では終盤、{netabare}初華と祥子の幼少時{/netabare}の重要スポットとして、瀬戸内・小豆島も登場。
小豆島は『高木さん』の舞台でもあるので、いつかか行かねばという使命感がいっそう高まりました。
ただし、私も{netabare}赤羽警察署{/netabare}だけは行きたくありませんがw


【キャラ 4.0点】
ギター&ボーカル・三角初華 / ドロリス (CV.佐々木李子)
ギター・若葉睦 / モーティス (CV.渡瀬結月)
ベース・八幡海鈴 / ティモリス -(CV.岡田夢以)
ドラム・祐天寺にゃむ / アモーリス (CV. 米澤茜)
キーボード・豊川祥子 / オブリビオニス (CV. 高尾奏音)
(以上 敬称略)

祥子が始めたAveMujica。彼女が主役と思いきや、
エンドロール先頭にクレジットかつ、ナレーションを務めるのは初華。
メンバー全員、心にも仮面を付けた二面性を有していますが、
虚構で現実を塗り替えたいという一番願っていたのは初華だったのかな。
と最後は納得させられました。

この回は、このキャラ回。残り数話で、あのキャラ回まだだから、シナリオはこういう配分で着地する。
こんな2.5次元物の文法など端から無視。
特に{netabare}多重人格{/netabare}を抱えた睦が他を圧迫する勢いで肥大化する、
推しを平等に楽しみたい層にはストレスフルな構成。

ただ“カップリング”要素の燃料補給は豊富だった印象。
MyGO!!!!とAveMujica。バンド横断カップリングネタも美味でした。
中盤、{netabare}“そよ・ザ・デンジャラス”と“マスク・ド・オブリビオニス”が路上で取っ組み合い{/netabare}を始めた時はビックリしましたがw

私は特に、バンドマネジメントの辛苦を共有する海鈴と立希。
{netabare}立希が「海鈴、本当にムジカやってたの?」と急所口撃し、「何が言いたいんだよ……」と海鈴の敬語を崩す{/netabare}など、
“うみたき”には可能性を感じるので、続編でも掘り下げて欲しいです。


【声優 4.5点】
ライブ活動を兼務する。時にライブパフォーマンスがメインで声優は初心者のキャストもいる。
2.5次元物において、声優評価は渋くなりがちな私ですが、
本作については各々のキャラの二面性も見事に表現していたと高く評価したいです。

祥子役の高尾 奏音さんや、初華役の佐々木 李子さん辺りは声優キャリアも積んできて安定していましたし、
睦/モーティス狂気の{netabare}一人13役{/netabare}をこなした渡瀬 結月さんも複雑な演技に好対応していました。

特筆したいのはドラマーメインで本作が声優初挑戦となった米澤 茜さん。
初心者の自分は台本片手に演じていては表現しきれないと、
毎度セリフを丸暗記してアフレコに挑んだというエピソードが衝撃的。
理屈は分かりますが、それを本当にやってのけてしまう。
上手い下手以上に、チャンスの前髪を引き千切る勢いで掴んで来る。
夢を切り開く人はこういう方なのだなと、
{netabare}九州弁{/netabare}の熱演も含めて、ガッツに圧倒されました。

和み要素となったのが海鈴役の岡田 夢以さん。
抑揚をセーブした口調で{netabare}「私も綺麗な顔してますから」{/netabare}。ツボりましたw
海鈴は面白い娘なので、今後もネタの追加供給を望みます。


何より癒やしとなったのが、MyGO!!!!!・愛音役の立石 凛さん。
前作レビューにて私は、抑揚のない陽キャという難役という部分で、苦言も呈してきましたが。
今作の愛音は突破力があるキャストの演技も含めて太陽でした。
前作低評価して悪かったと反省すると共に、今作の陽キャ供給に感謝致します。


【音楽 4.5点】
AveMujica。ヘヴィメタル、シンフォニック・メタルを追求。

キーボード担当した祥子役の高尾 奏音さんはピアノジュニア国際コンクールで
グランプリ歴もある声優界最強クラスのピアノガチ勢。
キャスト判明した時は、ついに弾いてくれるかと興奮が収まりませんでした。
リアルライブでは、弾けるのは当然とばかりに、微笑みながら鍵盤見ずにキーボード2台演奏、
光を求めるように月に向かって手を差し伸べる、深々とお辞儀するなどパフォーマンス面でもムジカを体現。

ドラムの米澤 茜さん。にゃむちの豪快な両利きドラムは、キャラではなくキャストからの逆輸入設定。
キーボードやドラムが暴れまくるムジカのライブ映像は半端ないです。
初回TV放送後、配信されたOP主題歌「KiLLKiSS」の4thライブ映像。
凄すぎて何度も見ています。

メインギター&ボーカルの初華役の佐々木 李子さん。
幼少から舞台で実績を積んで来た方。
あにこれ民にとっては『かげきしょうじょ』“エトワール”山田彩子役として印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
故に、ロックにしては、かなり歌劇調ですが、世界観をゴリ押す同バンドにはマッチ。
しばしば「命を懸けている」とムジカへの覚悟を語る彼女。
私も刺し違える覚悟で受け止めたいものです。


同バンドデビュー以来、ほぼ全ての楽曲で作詞を担当している元・SOUL'd OUTのMC・Diggy-MO'氏。
最近は作曲領域にまで踏み込んで来ており、ムジカへの関与を強めています。
本作提供曲も聖書を想起させるフレーズが散りばめられますが、
決して外連味を狙った粉飾などではなく、熟考して幾重にも練り上げられた重厚な世界観であることが、
例えば、同氏によるミニアルバム「ELEMENTS」全曲楽曲解説などからも窺い知ることができます(※3)



【参考文献】(※1)Febri/監督・柿本広大が振り返る『BanG Dream! Ave Mujica』制作舞台裏

(※2)アニメイトタイムズ/衝撃的な展開の続くTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」。柿本広大監督が明かす、第9話までの制作の裏側。そして気になるAve Mujicaのこれから【ロングインタビュー】

(※3)音楽ナタリー/楽曲を手がけるDiggy-MO'が語る!「BanG Dream!」発のヘヴィメタルバンド・Ave Mujicaの世界



以下、初回興奮して今後の展開を予測するも見事に的を外した感想w

【#1~#3先行上映会感想】初回から呑み込まれる

長いので折りたたみ
{netabare}
何かスゲーもんを見せつけられたなという感想が残りました。
公開初日、3話まで劇場鑑賞で観終えた夜、私は興奮して中々寝付けませんでした。
TV放送前でもあるので、極力ネタバレを回避しつつ、この整理できない私の感情も含めて言語化していきたいと思います。


こういう作品を観ると、つくづくエンタメ消費というのは残酷な趣味で、
ミュージシャンや声優まで含めた、広く芸能人というのは己が才能や、技術、プライバシーまで消費者に切り売りする、心身を削る過酷な職業なんだなと思い知らされます。

消費者は、私も含めて、芸能人自身が見せたくない物ほど見たいし、
やっちゃいけないことほど、やられると狂喜する。
芸能人はまさに国民の玩具、“お人形”なのです。
そして、お人形は飽きたら捨てられ、また次、次と消費者の欲求は留まるところを知りません。

その無限の欲望の坩堝(るつぼ)に身を投じる芸能人は、
自分のどこまでなら差し出しても自身を壊さずに済むか、
日々ギリギリの駆け引きを行っているのだと思います。

熟練した芸能人ならば、消費者との駆け引きも手慣れたものでしょうが、
経験不足の若手となると技術のみならず、自分の出し入れも未熟で、
時に自分の支柱となる致命的な部分まで差し出してしまい自壊してしまう。
近年、声優さんも含めて、若手芸能人の
精神疾患による活動休止などが相次いでいるのは、
仕事量のコントロールも含めた、自身と消費者との折り合いの問題も一因なのでは?と私は邪推します。

では、この心身を切り売りする芸能活動は残酷だから、
もう一切止めたほうが良いのかと言うと、そうでもなく。
消費者に何をどこまで差し出すかというギリギリの勝負の中でこそ、
覚醒する才能もあるわけで、捨て難い物があります。


何を長々と自説を垂れ流しているのかというと、
本作はAveMujicaバンドメンバーの本性を暴き出す内輪の“ギスドリ”仮面舞踏会(マスカレード)に留まらず、
作品を視聴し消費する我々が秘める残虐性をも指弾して来る危険物だと言うことです。

鑑賞中、私は、昔の映画だと『ブラック・スワン』、近年だと映画『エルヴィス』、
あとは秋元系のアイドルグループで私が唯一推していた欅坂46が、
平手一強の笑顔を見せないアイドルとして、暗黒方面に覚醒し、ぶっ壊れていく過程などを思い出しながら、
コイツはとんでもないアニメだなと放心していました。


AveMujicaを立ち上げたオブリビオニスこと豊川祥子(さきこ)も、
未熟な少女たちがプロとしてやっていく過酷さは重々承知しており、
プロデビュー後も芸能マネージャーなどの他人に管理を委ねず、
祥子がAveMujicaを自分自身の居場所として守り抜くためのリスクマネジメントも周到だったはずでした。

が、これも初回(※核心的ネタバレ){netabare} 成り上がりのため売名を急ぐ、にゃむ(アモーリス)により、ゴシップによるプライバシーの買い叩きから自分たちを守る防具でもあったマスクが剥がされ、{/netabare} あっけなく箍(たが)が外れ、
AveMujicaもまた祥子の手を離れ、消費者の熱狂の坩堝に呑み込まれていくのです。

前作『~MyGO!!!!!』は不穏な伏線をヒタヒタ張って中盤以降、起爆する感じだったので、
リスクを察知しながら徐々にガードを固めていく感じでしのげましたが。
『~AveMujica』は初回から崩壊のカウントダウンが始まる感じなので、それでは間に合いません。

視聴の際は、初回からガードを固めて行くことをオススメします。


呑み込まれるぞ。{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11
ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

客観的評価はさておきカルト的な中毒性があった

Mygoが面白かったので視聴しました。

客観的な魅力の面で十分優れているかというと疑問で、人に勧められるかと言うと考えてしまいます。

しかし、主観的な部分で言うと、アニメでこんなにしっかりリアルタイムで視聴して、毎日匿名掲示板でスレで喋って、と盛り上がったのは自分にとっては初めてで今後もおそらくないので代えのない作品でした。

匿名掲示板で他の人もカルト的だと言う風にこの作品を表現する人は多かったのでそのような体験をした人は自分だけではないのだと思います。

なぜこのようなカルト性が生まれたのでしょうか?

【作品のカルト性について考える】
一つには、mujicaというバンド自体のカラー、作品としてのカラーの影響があるかと思います。
放映途中に書いた感想でも書きましたが、mygoとmujicaではバンドとしての方向性と物語としての方向性が対になっているように思います。バンドとして、mygoはリアルな生活に寄り添うポストロックバンドで、mujicaは人形たちがゴシック趣味の舞台劇を演ずるヴィジュアル系バンドで、既にメジャーデビューも終えています。そして物語としてmygoは現実的な質感を非常に大事にした等身大のストイックなバンド物語(無論アニメ的なファンタジー要素は多く含まれるにせよ)であるのに対し、mujicaは猥雑でケレン味に溢れ装飾的でより規模の大きいグルーヴ感を与える物語を展開しました。
そのような作品、バンドとしてのカラー自体がカルト的な風土を作り上げる源泉を持っていたのだと思います。簡単に言えばmygoを見ると人は現実に目線のピントを合わせたい気持ちになりますがmujicaを見るともっと妄想と物語の海に溺れてしまいたいというような気持ちになるのです。

2つ目にはキャラクターの魅力の強い作品であることです。
このアニメの楽しみ方には何か大昔の東方とかのノリを思い出しました。強烈な個性を持った善とは言えないキャラクター群の魅力が先行し、本編のストーリー自体はややバックボーンにあるという点が似ています。
自分はソシャゲアニメをあまり見ていませんでしたがこれはもしかすると部分的にはソシャゲアニメの利点かもしれません。キャラクター設定がしっかりとファンが生まれるように作られている気がします。
ここには脚本の貢献も甚だしいです。8話の後半でそれまで影の薄かった海鈴を大して驚くべき描写をしたわけでもないのにすっかりキャラ立てしたのはなんだか感心しました。

3つ目には作り手側の何か真剣さがあったのかもしれません。ネットでは脚本家と監督がトラブっているのではないかという噂もありますが、作品を通じてそんなぶつかり合いが起きるのはある意味妥協がない証拠です。人が喧嘩になるまで通そうとするような意思の漲りが作品に浸透しているかもしれません。カルト的なものを作るにはまず、作り手側が信仰を、心血を犠牲に捧げなければならないと思います。

4つ目には間接表現・象徴表現等の多用です。この作品には余韻や解釈の余地を残すような表現が細かく大量にあり、それらが自分の中でアニメを反芻させることを強要したり、人と解釈を共有しあったりということへとつながります。

【ストーリー的な瑕疵】
ストーリーには客観的に勧められない点、期待を超えない部分もありました。
一つ目は思ったほどクレイジーな展開がラインを超えなかったことです。個人的には作品はもっとバッドエンドに陥ってもよかったと思います。バンドメンバー全員がメンバーの誰かの発狂で死んでしまって夢の中でライブをやって終わるとかそういうレベルのぶっ飛び展開でもよかったかなとか。
作品自体はケレン味に溢れている風なのに全体のストーリーとしては最後はサクッとわりと落ち着くところに落ち着いていてそこにミスマッチのような感じはありました。ただこれは勝手な期待というものだったかもしれませんが。
2つ目は色々な要素に手を出している反面展開がとっ散らかって全体の統一感がなかったり一つ一つが十分深掘れていないことです。ケレン味と言う言葉を使いましたが作中では視聴者の気を引く問題、サスペンスがあれこれ湧き起こりますが大概が消化不良で終わってさらに次の問題へと進んでいくという感じがありました。深掘りできたポイントは無限にある気がしていてなんだか勿体無い気分ではありました。
逆にありえたかもしれないifストーリーとかを考えるのは楽しい話ではあります。
色々そういうもやもやが残る分思考の余地が広がっているというのもカルト要素かもしれません。

【祥子のわかりにくさ】
主人公的立ち位置にありながら、この作品で一番心情がわかりづらいのは豊川祥子だと思います。彼女がなぜmujicaを作ったのか、彼女がなぜバンドの音楽性に固執するのか、なぜmujicaのようなスタイルのバンドを考案したのか?彼女がなぜ時に光のような存在であったり、時に辛辣で嫌味な人間になったりするのか、そこに明確なわかりやすい回答が与えられていないように見えます。それは「ベースの脚本に無理があるから」という風に片付けることもできますが、そこに解釈可能なバックボーンを導く楽しみもあります。
この作品にはなんかそういう、ことについてこじつける余裕が残されています。チェーホフの銃、オッカムのカミソリの反対に、ここには不要な象徴に溢れているので。

【忘却/オブリビオニスについて】
{netabare}
忘却と責任という対比があります。人は何か失敗体験を得た時、苦しみから逃れるためにその忘却を望みます。トラウマをフラッシュバックすることなど、求めません。しかし失敗の後も世界は続きます。たとえ消えてしまうものにも後始末は必要です。後始末の義務こそが責任です。CRYCHICで祥子は自己の事情でバンドが続けられなくなったとき、それを無責任に破棄しました。CRYCHICには後始末がなく、断絶と忘却を祥子は求めました。しかし、結局忘却には綺麗な後始末が必要だったのです。祥子は忘却することはできず、それを叶えるためにmujicaが生まれました。この誤った後始末はむしろ問題を広げました。CRYCHICの再演は、祥子にとってCRYCHICの問題の後始末になりました。だから祥子はもうmujicaを続ける理由はありませんでした。mujicaをやめれば、全く別の世界に羽ばたいていき、CRYCHICのことなど忘れてしまったでしょう。しかし、mujicaを始めた責任が、後始末が残りました。そしてそれは一生という重みでした。責任を取り、後始末をすればmujicaのことを忘却できるでしょう。しかし、その責任を取るには一生がかかります。一生をかけた忘却というのはもはや忘却ではありません。そしてmujicaが終わらず、忘却されないことでその因果の根本にあるCRYCHICもまた永遠になるのです。
つまり祥子はとても忘却が不得意な人間でした。

この物語自体には後始末のない多くの事柄が残っています。それゆえにこの作品は忘却されず、永遠となるのです。
{/netabare}


【視聴途中時点での感想】
1話の感想
{netabare}
素人の第一印象としては前クールで丁寧につくりあげていた祥子のヒールとしての姿や秘密を用意する仮面という舞台装置を早々と解体してしまうことは勿体無いような気がした。
例えば、秘密が露見する前に仮面を被った祥子と長崎そよ等が対話するようなサスペンス溢れる場面ををいくらでも作り上げられただろうし、ヒールとしてもうすこしヘイトを高めてから悲しき過去を放ちカタルシスを生み出すことも可能であったはずだという気もした。


ただ、逆にあくまでそれらの既存の道具を引っ張るのでは期待を超えない作品になるので、そうではなく今作としての物語をきっちりと作っていることの現れであるとも感じた。
正直、貴族の貧乏人への没落というネタだけでは今どき使い古しで弱いのでそれで終わるより、そうしたことはあくまで舞台背景の一つにすぎないというスタンスもそれはそれでありである。

今後に期待です。
{/netabare}

7話までの感想
{netabare}
7話までで前半の一区切りと思われる。

思い出補正かもしれないが今までのところストーリーとしては前作の方が優れていると感じる。本作とmygoは関連性は強いがそもそものストーリーのテーマカラーが少し違っており、その差異はバンドの音楽性の違いに象徴されるように思う。

Mygoはポストロック的な音楽を基調としており、生々しさと繊細なモダンさを音楽で打ち出していた。そしてストーリー上も剥き出しの生生しさと繊細なモダンさを基調としていた。
一方でAve Mujicaはゴシックな古風な西洋の人形劇を模したヴィジュアル系とかコンセプチュアル・バンドとでもいうべきジャンルだ。そしてそのストーリーもMygoとは逆にどぎついカラーのヒロイックなものだ。

Mygoでは優等生の失敗や去勢、発達障害の周囲とのズレといった現代的でリアリティのある設定・テーマを取り上げた。一方でAve Mujicaでは古典的で味の強い設定が多用される。飲んだくれでどうしようもない父親、法外な経済力を持つ家の娘、二重人格障害、有名人の娘、人気スター、といった一般人とはかけ離れた世界の人が取り上げられる。筋立てとしても7話で祥子が睦の家に参り帰らないシーンなど何か中世の話でも見ているかのような古典的な匂いを感じる。そして登場人物の行動に何かギクシャクとしたぎこちなさを感じるのはあたかも人形劇のようだ。人物の裏の感情が深く読み取れて「彼女なら正しくそうするだろう」と思うようなことがない。
そして、この味の強い、アゴーギグを効かせたスタイルというのは何かもっとうまく消化することもできるように感じる。こういうケレン味の強さはある種、ウテナとかレビュスタに通じるものがあると思う(Ave Mujicaのバンド性自体がレヴュー的な舞台芸術に似ているのかもしれない)が、それらの方がそういうテーマを扱うということにかけてはうまくやれていた部分があったのではないだろうか。

その消化を妨げているのはもしかしたらMygoの系譜の関係にあるかもしれない。絵作りのリアリティラインとかそういう作品のコンセプト的な部分で微妙にMygoを継承している部分があり、そのリアル志向な部分がストーリーのケレン味とズレを産んでいるかもしれない。

ただとはいえ見ていて面白いことは事実で今後も期待して視聴します。
{/netabare}

感想追記
{netabare}
この作品でおそらく語られない興味深い事柄はこの味の濃い舞台劇という世界観を生み出した祥子の創作性の源泉である。女子高生が文化祭の影響でCRYSHICを始めるというのはわかるが、Ave Mujicaを始めるというのは何か別の相当な主張があるのである。朧げにそのことはストーリーにも現れる。「作りたい作品を作ることにこだわる祥子」と「ゲストの期待に応えることを重視する若麦」という対立が序盤にうっすらと描かれるのがそれである。にゃむちがここでゲストの期待に応えることを重視する、というのはとても得心のいく事柄である。彼女はYoutuberであり、成功を貪欲に望むタレントの卵なのだから。だが祥子は?確かに、人形劇の世界観重視の独特のバンド活動で自ら脚本を書き、曲を書く奔走ぶり、プロデュースへの努力や仮面への執着からは(睦への配慮もあるにせよ)彼女のこだわりが窺える。だがその彼女の創作へのこだわりは物語の中では完全に背景化され、決して語られない。
そもそも彼女がなぜバンドをまた始めたのか、という理由もあまり語られない。「つらい現実からの逃避のため」というのが一応彼女のバンドをやる意味だと説明されがちではある。だが親が飲んだくれ、バイトと学生に忙しい人間が逃避で奔走してバンド活動を始めるのだろうか?まだ少しの隙間にyoutubeを見たり何かをやるというならわかるがそうしたこととは違うのである。
それを外しているのは脚本の穴であるようにも思うが、それを語られないが存在するものとして捉えることができるなら少し楽しみにもなるかもしれない。
{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

75.3 4 カタルシスアニメランキング4位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (356)
954人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

11話 小鞠をいじめる話が不快。温水に全く感情移入できず

1話 作画や背景がかなりハイレベル。ハーレムの様でハーレムでない感じ?

{netabare} まず、面白いのはとても面白いと思います。ラブコメのコメディ要素が60~70%くらいありそうなハーレムもの…なんでしょうか?他の男に未練があるなら、そこがハーレムの様でハーレムではないということにもなりそうです。

 この調整ですよね。あまり他の男に未練がありすぎると結構つらい立場になるし、あまり女子がチョロいのも面白くないと思います。ある程度NTR感を残しつつも、可能性を感じるくらい?

 メインヒロインが他の男が好きって「とらドラ」とかありますが見ている方はやきもきした記憶があるので、緊張感とコメディのバランスが上手く取れれば面白くなりそうです。NTRとかあるとストレスでしょうけど、雰囲気的にはかなりマイルドなのでしょう。

 ちょっと発想を変えると女子が見たらどう感じるのだろう?という気はします。リアリティがあって身につまされるのか「そんな女子いねーよ」となるのか。その辺の人間模様の描写が見どころなんでしょう。

 キービジュアルで3人の少女が出てますが、この3人が負けヒロインで妹を含むののかどうか、くらいでしょうか。そうそうあのドジっ娘?先生はどうなるの?先生含めばちょっと大人な感じのエピソードも入れられて面白くなりそうですけど。

 しかし、作画がいいですね。キャラの作画がハイレベルだし、なにより背景美術がすごくいいです。一時期、気が抜けたような背景の作品が結構増えてましたけど、今季は背景が良い作品が増えました。その中でもかなりいい方だと思います。

 構図も小物ももちろんレベルが高いです。弁当のシーンなど気が抜けた画面作りだと退屈なシーンになりそうですけど、絵だけで結構見れるレベルだし演出もテンポも良かったです。

 なお作品名が出ると検索する癖があるのですが「君は無邪気な闇の女王」という作品は実在しませんでした。「君は淫らな僕の女王(横槍メンゴ氏)」と「君は無邪気な夜の希望(ブルアカ?)」というのはあるようですけど。オリジナルはもちろん「月は無邪気な夜の女王(ハインライン)」ですね。{/netabare}



2話 1クール完走は楽勝でしょうね。メチャメチャなコメディですけど、結構心が痛い。

{netabare} 随分印象的なOPですが、クレジットで「スタッフ名(A1picture)」という表示になっていましたけど、普通そうでしたっけ?品質保証?差別化?

 内容です。体育倉庫に鍵をかける前に中確認しますよね?だって、掃除当番だったんでしょ?そして冷却スプレープレイとは…熱中症のときに冷やす場所を間違えているし、万が一ああいう場面になったらマリモ入りでも飲むべきでしょう。けど、何でマリモがいるの?そもそも熱中症の症状ってあんな感じでしたっけ?(一応、せん妄も熱中症の症状らしいですけど…)

 あんこサンデー×2プラスハンバーグで、1000円くらいだった?サイゼとかだとそれで行けるのかな?
 あと、駅でつないできた妹の手ですけど、ちょっと大きすぎな気が…だまされたと思いましたが、意図的な誤誘導というよりCGの関係?

 保健の先生のひそかな楽しみを含めて、そういうノリの作品だということですね。突っ込みどころが満載のドタバタですけど面白いのは確かです。1クール楽勝で楽しめそうですね。

 かなりコメディ要素強めですが、ちょっとだけシリアスシーンがありますが…ちょっと心が痛いです。そのシリアスの要素が1クールのシリーズ構成でラストにあるのかどうか…真面目にやりすぎるときついなあ、とは思います。{/netabare}


3話 日焼け表現が素晴らしい。小鞠ちゃんの結論は痛すぎて見たくないなあ。

{netabare} 部活のユニフォームとは違う形の水着を着て、白い日焼けしていない肌を見せつけるキャラと言えば「長瀞さん」が印象的でしたが、結構それに肉薄する素晴らしい作画とキャラデザでした。作画大変そうですけど衣装の模様と考えればそうでもないのでしょうか。その割にこの表現使っているアニメは結構少ない気がします。

 一方今回初めて違和感を覚えたのが制服のリボンなんですけど、何で四連装なんでしたっけ?小鞠ちゃん回で、彼女のリボンのカラーリングがカラフルなので非常に目立ちました。謎制服NO1かもしれません。

 もう1つ、どこがおいしい水道かの談義は何かの伏線なんでしょうか?真面目に追ってないとダメ?なお、朝の水道管にたまった塩素は蒸発せずかえって濃度が高まりカルキ臭がきつくなります。健康のためにも水が冷たくなるまで出し切ってから飲みましょう、と昔何かで読んだ記憶があります。

 で、今回のメインの小鞠ちゃんですが、まあ、性格的にはデフォルメされていますが、見覚えがある性格の子ですよね。もちろん自分自身のことですが多かれ少なかれ非モテ時代があれば、ああいうひねくれた感じにはなるものです。それだけに感情も乗っかりやすく、今回のラストは来週見たくねー、と思う程度には感情に来ました。

 そして赤飯は伏線?妹が文芸部と絡みだすのでしょうか?

 冷静に考えると、話としてはテンプレなんですけどね。演出なのかエピソードなのかキャラなのか。その総合力なんでしょうけど、妙に面白い作品ですよね。昔のラノベを素直にアップデートさせた感じがいいのでしょうか?{/netabare}


4話 忘れていた痛みの感情を思い出す話でした。

{netabare} 恋愛は辛くて痛いのはわかっていても、ティーンのころの恋愛中心主義の時代に振られる痛みを思い出すのは嫌なものです。ただ、このころの辛い経験があると人生が楽になるので頑張りましょう。

 という感想が出るくらい痛い回でしたね。しかし、です。ここで騙されてはいけません。この主人公は負け組でしょうか?原作者がサディストで徹底的にこの主人公を痛めつけたいなら別ですけど、今の時点で3人の女性の友達ができたわけです。彼には無限の可能性があります。

 この感じゼロ年代初期のラノベでは良く見られた展開だと思いますが、最近とんと見なくなった痛みです。「俺ガイル」なんかは確かに痛みはありましたが、結局は比企谷は誰からも振られてませんからね。

 その意味で非常に珍しい展開で、面白いというより自分の昔どこかに忘れた感情がよみがえってくるような痛みが新鮮でした。{/netabare}


5話 ドタバタ劇で終わるのかな?面白いですが、何かの視点が欲しい気もします。

{netabare} 相変わらず面白いです。登場人物が多すぎる気もしますが、まだ消化できていると思います。
 そうめんは笑いますけどね。ただ、給料の現物支給は違法です。賞与ならいいですけど。勝ち組にも心配はある、ということで、その視点は面白かったと思います。

 で、この作品こういう面白ポイントを上げてゆくこともできるし、4話の痛みはかなり良かったと思います。思いますが、キャラが多すぎて焦点が絞れていない気もします。
 中心にいる温水がいろんな娘のガス抜きというかよりどころになる感じになるのかな、と思ったらそうでもないですし。杏菜1本に絞られるのでしょうか。

 ちょっとその辺、視点をどこにもっていけばいいのかそろそろ提示してほしい気もします。こういうドタバタも悪くないですけど、それだと見終わって「ああ、面白かった」で終わってしまう気もします。{/netabare}


6話 話が強引すぎる気がします。レモンの「負けヒロイン」の辛さが弱いかも。

{netabare} 単なる中だるみならいいのですが、もうネタ切れなのか引き延ばしに入ったのかわかりませんけど、結構面白さが弱くなった気がします。キャラの奇異な言動は面白いとは思いますし、特に杏菜の面白さはわかりますがもう6話です。少し工夫が欲しいなあ。

 それとさすがにちょっと「レモンと一緒にいる理由」が「恋愛相談」なのは強引だし、理由が弱すぎる気がします。その時の「レモンの辛さ」が見えてこないので「負けヒロイン」感が弱いし、5話6話全体がちょっと茶番というか無駄に見えてしまいました。これで7話も引っ張るんですよね?4話までちゃんとそれぞれのキャラにあった「痛み」が全然伝わってきません。

 出落ちとは言いません。4話まではかなり面白かったですし、5・6話もそれなりには面白いです。ですが、何かパワーダウン感を感じました。{/netabare}


7話 普通過ぎるくらい普通の話で、負けヒロインを笑えない。

{netabare} うーん、こんなに普通の話を延々と3話見せられても…という気がしなくはないです。正直、内容そのものは陳腐すぎるくらい陳腐です。しかもキャラで魅せる話だっただけに、この真面目路線にはいるとキャラの独自の魅力が薄まるんですよね。

 失恋というその時の当事者にとっては最高の痛みであっても、振り返ってみれば滑稽だし、何も見えていなかったことに気づく、みたいなものを4話までは視点として楽しんでいたんですけど、これじゃあ、普通の…普通過ぎるラブコメです。そしてこの話で笑えないと意味がない気がします。ラストの八奈見のセリフが唯一の救いだったかな。

 恐らくこれを続けていると、皆善人になってセリフで心情を語って話が立ち行かなくなるでしょう。結果として無理な事件とか新キャラだよりになりそうです。ラノベの1巻の出来だけ良くて…のパターンの気がします。

 右肩下がりが急角度です。8話で判断ですかね。{/netabare}


8話 八奈見が上手く使えてないかも。7話からは持ち直したかな。

{netabare} シリアスにするのは正直言えば簡単です。人を泣かせる技法は確立しているので、それをテンプレでやるのは本当にやめてほしい。3話も使って。

 今回のようにコメディをキチンとやって、その中に痛みをどう入れてゆくかが大事だと思います。その意味で今回は持ち直した気がします。
 ただし、妹や八奈見が上手く使えていない、少しハーレム展開の匂いがしなくはない、負けヒロインの意味が希薄になった、という気がしました。そういうところで1~4話のレベルは維持できていないかな。

 ただ、3人の負けヒロインにこだわりすぎてしまうと、作劇が難しいなら新キャラだよりでもいいでしょう。生徒会VSがテンプレにならないことを祈ります。平凡なドタバタラノベ感が出てきているので、持ち直してほしい。{/netabare}


9話 普通のいい話など期待していません。新キャラがどうなるかですけど…

{netabare} 普通のいい話などこの作品に期待してません。痛くて恥ずかしくて本音で、それでいて面白いストーリーかなと思っていたんですけど。そしてコマリの物語はあまりにありきたりで、主人公の対応はいい人すぎます。痛みのリアリティからどんどん乖離している気がします。

 うーん…どうしましょうね?9話まで見ましたが結構評価は低くなっています。いったん切りましょうかね?ただ、新キャラがいるからなあ…ただ、さや当て的な何かで終わる気もするので、やっぱり最後まで確認しようかなあ。

 ボーダーギリギリではあります。{/netabare}


10話 心の痛みに泣きながらも笑い飛ばすようなものを期待したのですが…

{netabare} コマリの話って4話で終わったんじゃなかったんだ…コマリを文化祭でまた使っているので何かと思いましたが…うーん…まあ、人気作なので私一人くらい低評価にしてもいいでしょう。4話までだったらかなりの秀作だったと思います。

 そうそう、演出の面白さとコミカルな部分の出来は良かったと思います。それがあるから痛みが相対化されて、泣きながらも笑い飛ばせる話かなと思っていたんですけど、そこが分離しちゃった感じですね。今は感動ものとコメディが並行しているだけです。
 1話のヤナミのストローのシーンからの流れが傑作だっただけに、そこが頂点でしたね。普通の感動ものを見たいわけじゃないし、その点で言えば単純すぎます。

 低評価というほど低評価はつかないですけど、4話までなら78点。5~7話が35点、8~9話が60点、10話が40点という感じです。一応最後まで見ますが、暫定ではトータルで60点を切るくらいかなと思います。終わったら総評を書くかもしれません。{/netabare}


11話 小鞠をいじめて話を作っている感じが不快。中断にします。

 さすがに最後まで見るかなと思ってたら、今回の話はちょっとひどいですね。もし、小鞠が極端な人見知りというなら頑張って部長をしようとしている小鞠に対して温水はひどすぎます。動物園のセリフも部長会も。高校生なら失敗を引き受ける覚悟も必要ですし、その覚悟を聞いた以上は余計なお世話というか人間としてどうよという気がしました。それに症状的には吃音ですし…

 なんか、8話以降小鞠をいじめて話を作っている姿勢が負けヒロインというよりは、精神的に苦しんでいる子を弄んでいるだけに見えてきました。興味があったテーマとはかけ離れた感じです。

 それと負けヒロイン達の心理状態にあるのは「心の隙間あるいは傷」です。作品の構造上結果的にそこに付け込まざるを得ない、温水=原作者はそれを自覚しているかどうかだと思うのですが、そこが無自覚なのがちょっとなあという気がします。負けヒロインとの恋愛は偽の恋愛にならざるを得ないということですね。

 で、挙句の果てに非常階段のシーンですか。うーん…音楽とエモいモノローグ盛り上げてますけど…そのまとめ方はメチャクチャじゃない?一番重要なのは小鞠は感情的にそうなる?その心の動きは自然なの?温水の行動はそれだけで許せるの?

 これ以上、文句を言いながら見ても仕方ないので中断扱いにします。温水にまったく感情移入も出来ないので、キャラの評価をかなり落とします。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

マケインで 光輝け 豊橋市

恋愛ラブコメでメインヒロインに敗北する“負けヒロイン(マケイン)”を題材にした、
同名ライトノベル(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
原作者の雨森 たきび氏は中々、異色の経歴のラノベ作家。
大学時代、ラノベ新人賞に数回応募するも1次選考敗退……。
その後、事務職に就職し、執筆活動からは離れていたが、
40代前半に入り、仕事にも余裕が出てきて。
体力や頭の回転があるうちに「今できることをやりたい」と、
応募再挑戦した内の一作である本原作で受賞してデビュー。
そして今回のアニメ化に至る(※1)

しばしば“ロスジェネ”と揶揄されたりもするこの世代。
敗北、喪失の経験と取り扱いならお手の物。
何者にもなれなかったと自嘲する声が多いのも同世代の特徴ですが。
この原作者エピソードを見ると、40代から大谷翔平選手を目指すのは流石に無理にしても、
敗北も含めた、これまでの人生を伏線にして、挑戦や再起を志せば、
何某かにはなれるのだなと考えさせられます。

本作は作者が数年前アニメで見かけた青髪の“負けヒロイン”が、
恋愛に負け続けながらも、自分の気持ちに向き合いながら、もがく姿に感動したことから着想を得ているとのことで(※2)

本作には青髪の八奈見さんを始め三人のメイン“マケイン”が登場しますが、
それぞれ三者三様の身の処し方、想いの伝え方で玉砕する見事な負けっぷりで、
心を揺さぶって来ます。

この“マケイン”たち、心残りがないように自分の想いを吐き出しているからか、
恋愛に負けても、経験をいかに糧にできるかという人生においては、
むしろ勝ってるのではと感じます。
逆に恋愛の勝者であるはずの一部“勝ちヒロイン”の方が、
刹那の恋愛勝ちポジションを失う不安を抱えて、思い詰めている感すらあります。

人生では負けより価値がない不戦敗ばかりの自分が言うのもおこがましいですが(苦笑)
原作者の来歴含めて、瞬間負けて強くなった人間こそが人生では勝つという教訓を意識させられたラブコメ作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・A-1 Pictures

舞台となった作者出身地の愛知県・豊橋市。
現在私が暮らす名古屋から日帰り出来るということで、
この夏、聖地巡礼に行って参りました。
(近いと言っても片道80キロはあります。
返す返す尾張と三河を同県にしたのって、まぁまぁ酔狂な廃藩置県です)

尾張・名古屋城、西三河・岡崎城などに比べて、
インバウンドまで見込める観光資源には乏しい印象だった東三河・豊橋市。
一応、豊橋にも吉田城の櫓くらいは残っていますが、観光地としては正直……。

それだけに路面を走るヤマサちくわのラッピング電車や、パン生菓子のボン.千賀など、
日常風景から魅力的な舞台を切り取って来るロケハンと、
それらを再現する背景美術の仕事には感銘を受け、
気が付けば、この夏もクソ暑かったのに自然と豊橋に足が向いていました。

作中でも巡礼でも特に心に残ったのは、主人公たち高校生の登下校シーンの舞台。
リアルでは愛知大学前駅のホーム。
キャンパスの森をバックにした通学シーンは最高に絵になります。


これらの舞台で躍動するキャラクターの作画も、
通常ワンパターンの影の付け方しかない所、場面に合わせて複数パターン使い分けて心情表現。

さらには、プロップデザイン担当者に「料理作監」を特命し描き込み、食いしん坊の八奈見さんの演出をサポート。

そして第九話。サブの勝ちヒロインのために特設された“姫宮華恋バストコーディネーター”による狂気のプルプル感w

作画コスト度返しで、クオリティを追求するこだわりが半端なかったです。


主人公たちが通う“県立時習館高校”の女子制服。
襟から縦に4つ連なったリボンも、キャラ個性出しに寄与していました。
メインの“マケイン”たちばかりでなく、
バックのモブの女生徒に至るまで一人ひとりちゃんとリボンカラーが異なっている辺りが、本作の妥協なき所。
この作品“マケイン”だけでなくモブキャラも輝いていました。

本作が初監督だという北村 翔太郎氏。今後の活動に注目です。


【キャラ 4.5点】
青髪の“プロ”幼馴染・八奈見杏菜。
褐色ショートヘアの陸上部・焼塩檸檬。
片目が隠れた小心文芸部の小鞠知花。

ビジュアルからして既に「戦う前から負けている」w“マケイン”たち。
焼塩檸檬に至っては名前からして、
平安貴族が藻塩焼いて袖を濡らす失恋歌でも詠みそうな凄まじい“マケイン”名。
私も思わずレビュタイ五七五にしちゃいましたがw


この夏アニメはラブコメが渋滞気味で、
本作も実は初回視聴は後回しになっていた私。

目が覚めたのが、初回放送後ネット界隈で出回った、
校舎屋上にて、やまさチクワをくわえる“マケイン” 八奈見さんの衝撃カット。

令和時代に獅志丸(『忍者ハットリくん』の伊賀忍犬。古くてスイマセンw)以来のちくわキャラ爆誕か!?
と色めき立ち視聴しだした次第。
(実際には、八奈見さん、ちくわ喰ってたの初回だけでしたが)

食いしん坊の八奈見さんが、お弁当などを持参して、
主人公男子の温水くんへの借りを返済していくネタも、
視聴動機を持続させる“連載ネタ”として有効でしたね。


“連載ネタ”と言えば、小鞠と温水の水道水談義。
私も小学生の頃、あの洗面台は端っこの上向き蛇口が一番冷えていて旨いと蛇口による味の違いを知る人間であった栄華?を思い出し懐かしくなりましたがw
流石に、時間帯や階層まで計算に入れて水分補給はしていませんでしたw

公式HPも“八奈見杏奈カロリーメーター”や“マケイン水道探索”を随時更新するなど、ノリノリでしたねw


温水くんと“マケイン”たちの今後については、
“正妻感”は圧倒的に八奈見さんで、肉体的に濃厚接触していたのは{netabare} 用具室の汗だく{/netabare} 檸檬ですが。
掛け合いに将来の夫婦感出ていたのは小鞠だった印象。
小鞠ちゃんの温水に対してだけ毒舌が先鋭化する姿はある意味アットホームでしたし。

ですが、これは結婚相手ではなく、1年以内に7割破局するという高校生カップル(なんて世知辛い初回冒頭ナレだw)
に至るかどうかの論点なんですよね。

やっぱり八奈見さん?と思い直しつつ、
もういっそ妹の佳樹に甘えて、お友だちいないんですねと憐れまれるモラトリアムに逃げ込みたい心境もw


【声優 4.0点】
八奈見杏菜役の遠野 ひかるさん、焼塩檸檬役の若山 詩音さん、
小鞠知花役の寺澤 百花さん。

“マケイン”たちの三者三様のボイスは目を瞑っていても判別できるレベルでキャラ立ち良好。

その中でも特に寺澤さんの陰キャ演技に感心させられました。
アニメ観ていると、相当、声を張り上げる元気キャラでも、セリフが聞き取れないシーンがあったりしますが、
小鞠の声に関しては、ボソボソ濁声でありながら、つぶやき一つに至るまで明瞭に聞き取れたのが凄いと思いました。

これは音響の調整による所も大きいのかもしれませんが。
寺澤 百花さん。昨年初レギュラーの新人ながら、中々侮れない声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は、うたたね 歌菜氏。
基本は多彩な音で会話劇を下支えするミニマル・ミュージックに徹する。
が、ピアノやストリングスのアレンジが盛られた際は、
宮廷ファンタジーBGM並みに優雅かつ繊細で、
いつの間にかキャラ心情を視聴者のハートに注入されている油断ならないお仕事ぶり。

が、“BGM”として何より優秀だと感じたのが蝉の声などのSE。
夏は前半で終わってしまう本作ですが、
私の中では巡礼も相まって、青空が眩しい夏アニメとして記憶されるのだと思います。

OP主題歌は、ぼっちぼろまる「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」
冒頭から“負け”を連発し、遊んでいると思わせておいて、
歌詞世界では負けて強くなる“マケイン”の本懐を捉える良作アニソン♪

ED主題歌。
八奈見杏菜「LOVE2000」(hitomi)
焼塩檸檬「CRAZY FOR YOU」(Kylee)
小鞠知花「feel my soul」(YUI)
“マケイン”たちによる平成懐メロリサイタル。

その中でも八奈見さんの「LOVE2000」のカバー。
実写の豊橋市の背景に、セルアニメ制作でキャラを重ねて、8mmフィルムで撮影処理したというED映像。
「2013年9月29日のサザエさん以来、10年9か月ぶり」だという新作セルアニメがいっそう平成ノスタルジーを醸す。


【参考文献】(※1、※2)東愛知新聞「東三河のサブカルチャー③ 豊橋出身のラノベ作家 雨森たきびさん」

投稿 : 2025/04/05
♥ : 27
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

黙っていれば勝ちヒロイン!

雨森たきびによる原作小説は、『ガガガ文庫』(小学館)から刊行中(既刊8巻、原作未読)。
アニメは全12話(2024年)。監督は北村翔太郎。制作は、『冴えない彼女の育てかた』シリーズ、『ヲタクに恋は難しい』などのA-1 Pictures。
(2024.10.29 投稿 11.4 追記)

本作は第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞を受賞。受賞時のタイトルは、『俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか』。
最終話のタイトルが受賞時のタイトルと同じなので無事にタイトル回収したものの、『負けヒロインが多すぎる!』にタイトル変更して大成功でしたね。わかりやすく、キャッチーなタイトルって大事。


【生き生きとしたキャラクター】
本作に登場する「負けヒロイン」は全部で3人(八奈見杏菜(CV.遠野ひかる)、焼塩檸檬(CV.若山詩音)、小鞠知花(CV.寺澤百花))。そして、「負けヒロイン」なので、それぞれに「勝ちヒロイン」と「好きな相手」がいて(3×2=6人)、他の主要人物は、主人公(温水和彦(CV.梅田修一朗))とその妹(温水佳樹(CV.田中美海))、担任と養護教諭。したがって、本作に登場する主要なキャラクターは計13人。

各キャラクターの性格は、誇張のあるデフォルメされたものではあるものの、これらすべてに人として不自然なところがないように肉付けしてキャラ立てすることは簡単なようで難しい。

なぜなら、キャラの源泉は、詰まるところ原作者という「一人の人間」だから。キャラを描き分けられるということは、それだけ自分の中に様々なキャラクターのストックがあるということ。
他人を参考にするとしても、原作者のこれまでの様々な年代、地域、職種等の人たちとのコミュニケーションの経験値といえるからです。

本作の原作者は、大学時代に新人賞へ応募するも一次選考落ち。一旦は才能がないと小説家を諦め就職していたものの、40代前半に一念発起して執筆活動を再開したそう(Wikipedia「雨森たきび」参照)。

なるほど本作に登場する生き生きとしたキャラクターたちは、原作者のこれまでの人生経験と人間観察の賜物という感じを受けました。

本作は、この主要13人の濃いキャラクターたちが織りなす基本学園恋愛コメディです(ただ、「負けヒロインたちとその好きな相手との失恋」は描かれていても、「主人公と負けヒロインたちの恋愛」がほとんど描かれていないので、今後の展開次第なところもあります(※後述))。


【黙っていれば勝ちヒロイン!】
そのキャラクターの中でも一番魅力を感じたのは、やはり八奈見杏菜でしょうか。「負けヒロイン」は、一応「負け」でも「ヒロイン」なので魅力はあるのだけれど、「負け」なので「正ヒロイン」に勝てない、何か残念なところが…

「幼馴染」や「青い髪」の負けヒロイン率は高いといわれていますが、その属性を持つ杏菜であっても、間違いなく「黙っていれば勝ちヒロイン!」(いわゆる「残念美人」)

その見た目は、クラスや学校で注目されるほどの美貌を持ち、視聴者が心配するような食いしん坊ではあるものの、一応男である温水が着れるTシャツが入らない程度には出るところが出た「1年ぶり15回目のナイスバディ」の持ち主(※その言葉のセンスがさあ(笑)。そういうとこだよ、八奈見さん(笑))。

一方、第1話で「勝ちヒロイン」の放つ圧倒的な輝きに負け、好きな人を譲ってしまうほどの「お人好し」でありながら、どうしても諦めきれず、ファミレスで好きな人の恋愛相談に乗った後、その人が残していった飲みさしのストローに口をつける残念っぷり(笑)

また、口を開けば、温水に一方的に愚痴を言っては、それをまともに相手にしない温水に対して、「そういうとこだよ、温水くん」と言い放つ理不尽さ(笑)
杏菜には、利き手のスナップを利かせながら「ちょっと私の愚痴くらい聞きなさいよ。あなた、どうせ暇なんでしょう。何なら私はモテないあなたの今後の参考のために言ってるの。」、「いや、僕、君の夫でも彼氏でもないし…」という両者の心の声が聞こえてきそうな「オバサン気質」を感じます(笑)

作者曰く、杏菜は「男性から見て、女性の分かりにくいところを盛り込んだキャラクター」というコンセプト通りに、作者のこれまでの人生経験が活かされたキャラだと感じました。

さらに、杏菜の声優には、『ウマ娘』で、鼻血を出してG1レースに出走できなかったという稀代の天然エピソードを持つマチカネタンホイザ役をしている遠野ひかるさん。
「実力を持ちながら上手くそれを発揮できない。でも、そこにどこか憎めない愛嬌を感じる」演技が見事にマッチ。これは本当に配役の妙。


まあ、残念な部分は人間的な魅力ともいえるので、本作は、この杏菜と気の利かない主人公である温水のやり取りが、特に人間味を感じる面白い作品だったと思いました。
また、他の二人の「負けヒロイン」の豪快な負けっぷりも「青春の1ページ」として、しっかりと描かれているので、これも見所です。


【温水はモブキャラから主人公キャラになれるのか?(※感想)】
{netabare}全12話を観て思ったことは、主人公である温水と、杏菜以外の負けヒロインである檸檬と知花との関係は、今後の関係の発展を感じさせたけれど…
杏奈は、「負けヒロイン」として残念な性格に設定されてしまったがゆえに人間味あふれるものの、「本作の正ヒロイン」として冷静に見たとき、恋愛対象として見れるかは結構ハードル高いのではないかということ(※温水は既に杏菜の中身を深く知ってしまったので外見から入れない(笑))。

私が本作を観た後に、ちょっと引っかかっていたことがコレ。
杏菜は、設定として残念な「負けヒロイン」なんだけど、本作では「正ヒロイン」(多分?ティザービジュアルでは真ん中に描かれてるし…)になるはずだというところ。

友達がいなかった「モブキャラ」温水くんも、負けヒロインたちと交流するうちに、他人と積極的にコミュニケーションをとったり文芸部の部長になったりと、友達も増え自分に自信を持ち始めてきたという成長を感じました。

また、杏菜も少しずつですが、そんな温水を意識し始めているようにも見えます。

でも、特に杏菜と温水については、今の「いい相棒」という関係性を大転換するような大きなイベント(※多分、ここが本作全体の評価を左右する大きな山場になりそうな予感)でもない限り、個人的には恋愛関係に発展する未来が見えないんですよ。
(※特に会話が魅力的な作品なので無理に恋愛ものにする必要も、杏菜以外のヒロインとくっついてもいいんですが、いずれにせよオチをどうするのか。
原作者が本作を書いた動機は、自分が好きだった(「青髪」の)「負けヒロイン」を救済することだったようなのですが、本作では、温水がいずれかの「負けヒロイン」と付き合ってしまうと、救済どころか「負けヒロイン」がさらに「負ける」という「より過酷な状況」を生むことに(笑)。そうかといって、温水は全員と付き合うハーレムものの主人公という感じでもないんですよね…(11.4追記))

さて、どうやって今まで散々作ってきた「負けヒロイン」という杏菜のイメージを払拭して、本作の「正ヒロイン」に据えるのか。はたまた全員の負けヒロインたちが救われる道があるのか。
そして、温水は、ラノベの「恋愛・ハーレムもの」のモブキャラから主人公キャラになれるのか。

本作は、アニメ放送後に原作小説が重版しまくってるらしいので、おそらく2期も制作されると思われます。なので、2期以降では、特に杏菜と温水の関係性の発展に注目したいと思っています。{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 15

78.8 5 カタルシスアニメランキング5位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (666)
3436人が棚に入れました
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、――少年が歩み、女神が記す【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、早見沙織、大西沙織、渡辺明乃、千菅春香、KENN、逢坂良太
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

つなぎの2期

今作はダンジョン攻略よりもファミリア同士の抗争が主眼。
またもベルが大活躍。

最初はアポロン・ファミリア。因縁をつけられて決闘という事態になってしまうが、色々あっても解決。この辺りはまだ面白さが水平線。

次は色街を取り仕切るイシュタル・ファミリア。この話が個人的に熱かった。一気に面白いと思うに至った。イシュタルがエッチすぎる。この魅力には逆らえないのも分かる。春姫も可愛くてたまらないんだけど、なんだかんだ姉御肌で面倒見が良いアイシャも好きだったな。最後まで春姫思いで優しい。
フリュネは怖すぎた。自称美しすぎる女だけど、サイズがおかしい。とはいえ、やられかたがちょっと可哀想。
フレイヤに対して嫉妬に狂っていたイシュタルが途中から完全に負け確実な行動になったのは草。少々寂しくもある終わり方。
この話でまた一人ハーレム要員増えたな。いちゃいちゃしてヘスティアが嫉妬するのも頷けるなあ。

最後は兎に角戦いたいけど、滅茶苦茶弱いアレス・ファミリア。若干のドタバタあったけども、ヘスティアとベルの絆が強くなってこれからの3期に向けてどうかというところ。アイズの少しだけ伏線ぽい{netabare}憎しみが垣間見える{/netabare}シーンも気になる。

面白いし、続きを早く見たいけれど、キャラクターが増えすぎて時々分からなくなりそうになってしまう。そこは難点。


OP
HELLO to DREAM 歌 井口裕香
ED
ささやかな祝祭 歌 sora tob sakana


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第1話 神の宴(パーティー)
18階層にて黒い階層主(ゴライアス)を撃破し、無事に生還した【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネル。ダンジョン探索の合間に開かれたささやかな酒宴。その席でベルは、他の冒険者から、あからさまな挑発を受け、乱闘騒ぎを起こしてしまう。乱闘騒ぎの相手は【アポロン・ファミリア】。その団長であるLv.3の冒険者、ヒュアキントスを相手に、ベルは完膚なきまでに叩きのめされる。そして後日、ベルとヘスティアのもとに一通の書状が。それは、アポロンが主催する神の宴への招待状だった--

第2話 太陽神(アポロン)
神の宴で主催者のアポロンから、ベルを賭けた派閥間の決闘--【戦争遊戯(ウォーゲーム)】を持ちかけられたものの、これを断固拒否したヘスティア。しかし翌朝、ベルとヘスティアの本拠地(ホーム)に【アポロン・ファミリア】の襲撃が。アポロンが気に入った子供は、地の果てまで追い回される--かつて同じ憂き目に合ったダフネとカサンドラから、そう聞かされるベル。街中に追手が配置され、ベルとヘスティアが提案を呑むまで、どこまでも追い込む……それこそがアポロンの狙いだった。そしてヘスティアを連れ、逃げ惑うベルの前に、【太陽の光寵童(ポエブス・アポロ)】ヒュアキントスが立ちはだかる--

第3話 集結(コンバージョン)
タケミカヅチやミアハの協力を得たことで【アポロン・ファミリア】の襲撃を切り抜け、アポロンに宣戦布告を叩きつけたヘスティア。ベルをアイズとの特訓に向かわせ、自身はアポロンとの【戦争遊戯(ウォーゲーム)】開催に伴う交渉に臨むことに。一方で団長・ザニスの手により、半ば強引に【ソーマ・ファミリア】に連れ戻されたリリ。必死の思いで主神・ソーマに派閥からの脱退を願うものの、聞き入れらることはなかった。アポロンとの交渉を終え、タケミカヅチ、ミアハと共にリリの救出に向かうヘスティア。ベルとの約束を果たすため、そして大切な仲間を救い出すために--

第4話 戦争遊戯(ウォーゲーム)
神酒(ソーマ)の魅惑に打ち克ったリリ、友を助けんと名乗りを上げたヴェルフと命の三名が新たに【ヘスティア・ファミリア】に改宗(コンバージョン)。更にヘルメスの助力もあって、派閥外の助っ人としてリューが参戦。未だ歴然とした物量の差はあれど、ベルたちを取り巻いていた絶望的な状況には、光明が差し始めていた。迎えた【戦争遊戯】当日。好奇、憂慮、期待、信頼--迷宮都市(オラリオ)中の様々な目が見守る中、リューの魔剣が、命の魔法が、開戦の狼煙を上げる--

第5話 竈火の館(ホーム)
【戦争遊戯(ウォーゲーム)】に見事勝利し、ベルを守りきった【ヘスティア・ファミリア】。リリも正式な手続きを経て改宗(コンバージョン)を済ませたことで、派閥は主神も含め総勢五名に。本拠地(ホーム)についても、先の騒動で破壊された教会に代わり【戦争遊戯】の副産物として手に入れた【アポロン・ファミリア】の巨大な館に引っ越し、新たな門出としては、まさに順風満帆。更に特筆すべきは、史上最速でLv.3に到達という快挙を成し遂げたベル。それに伴い、派閥の名声はうなぎのぼり。この機を逃すまいと、ヘスティアは更なる団員の増強を画策するが--

第6話 淫都(イシュタル・ファミリア)
夜な夜な不審な動きを見せ、出歩く命を心配し、後をつけることにしたベル、リリ、ヴェルフの三名。【タケミカヅチ・ファミリア】の友人である千草と合流し、命が向かった先は、オラリオが誇る、もうひとつの顔--大歓楽街だった。命と千草が歓楽街を訪れた理由は、昔なじみの友人が働いているという噂を聞きつけたからという話……だが、尾行のさなか人混みに揉まれて、ベルは仲間たちとはぐれてしまう。そして、迷い込んだ歓楽街で、肉感的な魅力を放つ娼婦・アイシャに目をつけられ、半ば強引に彼女の客となることに--

第7話 狐人(ルナール)
娼館で出会った狐人(ルナール)の娼婦・春姫の助けで、アマゾネスの娼婦たちから命からがら逃げ出し、なんとか貞操を守りきったベル。だが、望まぬ形で娼婦となり、助けられる資格もないと救いを諦めている春姫に、疑問を覚える。更に命の尋ね人が当の春姫であったこと、そして彼女が所属する【イシュタル・ファミリア】が第一級冒険者まで擁する大派閥で、非常に狡猾で好戦的であることを知らされ、ベルの疑問は、苦悩へと変わっていく。その頃、フレイヤを目の敵にするイシュタルは、ベルがフレイヤの寵愛の対象であることを知ることに--

第8話 殺生石(ウタカタノユメ)
春姫を身請けするため、ダンジョンに潜り、モンスターを狩り続けるベルたち。しかし、ダンジョン内の食料庫(パントリー)で突如襲撃してきた【イシュタル・ファミリア】により、ベルと命は捕らわれの身となってしまう。拘束され、監禁された状態で目を覚ましたベル。眼の前には、肉欲を剥き出しにし、ベルを慰み者にせんとするフリュネの姿が。恐ろしい第一級冒険者に手篭めにされ、廃人となるまで絞り尽くされる--悪夢すら生易しいと思えてしまう現実からベルを救ったのは、またしても春姫だった--

第9話 戦闘娼婦(バーベラ)
術者の生命と引き換えに、狐人(ルナール)が持つ妖術を無制限に使用可能とするアイテム『殺生石』。『階位昇華(レベルブースト)』という破格の妖術を有する春姫の過酷な運命を知り、立ちつくすベル。脆い覚悟をアイシャに見透かされ、言い返すことすらできなかった。ベルが憧れ、そうありたいと願う英雄の姿とは--為すべき行動を思ったとき、ベルの右手が白い輝きを放ち始める。『春姫の英雄』になることを誓ったベルは立ち上がり、再度【イシュタル・ファミリア】の本拠地(ホーム)へ乗り込む--たったひとりの少女を救うために。

第10話 英雄切望(アルゴノゥト)
捨て身の行動により命が開いた血路に飛び込み、殺生石を砕いたベル。その状況にあってなお、救いを求めようとはしない春姫に、ベルは思いの丈を叩きつける。春姫の本当の願いを聞かせてほしいと。詠唱された『階位昇華(レベルブースト)』の妖術が加護を与えた先はベル・クラネル。偽りなき願いを叫ぶ春姫を背に、ベルは第一級冒険者たるフリュネを迎え撃つ。同刻、紅く燃え盛る歓楽街の一角。その中心にはオラリオ最強の冒険者、そして--最強を束ねる美の女神(フレイヤ)の姿が--

第11話 進軍(ラキア)
女神イシュタルの天界への強制送還を以て歓楽街の一角は壊滅。春姫も晴れて解放され【ヘスティア・ファミリア】へ改宗(コンバージョン)も決まった。そんな中、国家系派閥【アレス・ファミリア】によるオラリオ襲撃の一報がもたらされるものの……圧倒的な戦力を有する迷宮都市が普段の営みを乱すことはなく。ベルも穏やかな日常を送っていたが、ほんの些細な言葉の行き違いから、ヘスティアが本拠地(ホーム)を飛び出してしまう--

第12話 女神と眷族(アイノウタ)
オラリオを襲撃中のアレスに捕らえられてしまったヘスティア。アイズやアスフィの協力もあり、ヘスティアの元に辿り着いたベルだが、不慮の事故により、ベル、ヘスティア、そしてアイズは谷底の濁流に呑まれてしまう--ベルたちが流れ着いた先は山間の集落・エダス村。強大なモンスターの庇護に預かる平和な村で、ベルとアイズは、体調を崩したヘスティアの看病、そしてアレスの動向を警戒しつつ、村の世話になることに。ヘスティアの回復を見守る日々の中、村では豊穣を祈願する祭の日が近づいていた--

投稿 : 2025/04/05
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

さらに暇を持て余した神々の遊び

かつて「タイトルで損をしてる」とも謳われた『ダンまち』こと『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の2期でございます。

意外にも真面目にダンジョンRPGしてたことを好意的に捉えられてたのは周知の事実かと思います。
外伝を挟んだり、劇場版を挟んだりしてからの満を持しての2期でした。そしてのっけから重要なこと↓

 {netabare}今回はダンジョンに入りません!{/netabare}

真面目なダンジョンRPGを期待してたところ肩透かしを食らいました。
ここは評価別れそうなところですね。「タイトルで損をしている」なら可愛いほうで「タイトル詐欺じゃん」となると穏やかではありません。面白ければ不問に付される程度のことでしょう。
ダンジョン入らずに何するの?は本編でご確認ください。ちなみに私は特に気になりませんでした。
やや人の出入りはあるものの1期で良いと感じた部分はそのままに、世界観を拡げてくれたと感じられたことが理由です。

【1期で良いと感じたポイント】
 1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
 2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
 3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
 4.緩急つけた魅力的なキャラたち

この1.~4.がブレてないんですよね。外形は変わっても脈打つものは何だろう?に着目すると一本筋が通っている。そんなお話になってます。
原作が長寿シリーズであり、世界観がきちっと固まっていると思われる作品です。
導入部分は正統派ダンジョンRPG(1期)。実は群雄割拠であることを説明する目的でロキ・ファミリアをピックアップして作品の幅を横に拡げた外伝。
そして第2期。オラリオという世界の中心みたいな場所があって、神々と眷属がファミリアを形成していることが前提だったこの世界の根本部分の説明がなされます。

オラリオ外の地域や人について言及がなされ、その比較文化的観点からダンジョンのある都市オラリオの世界での位置づけがわかってきます。
さらに、本作の特徴でもある神々と眷属の関係性や異なるファミリア間のルールなどにもメスが入ります。1期の時から小出しにはなっていた


 “なんでダンジョン中心の世界観形成がなされてるの?”


神々の思惑やこれまでの歴史を踏まえて明らかになっていった2期でした。
私は1期のレビュータイトルに “ 暇を持て余した神々の遊び ” とネーミングしたわけですが、暇かどうかはさておいて、奇しくも そのような様相を呈していったわけです。

1期のおさらいを兼ねた特別編の第0話を除いての全12話。
{netabare} 終わってみれば「3期あるよ!」アナウンス込みの俺たたエンドではありますが、{/netabare}世界観を拡げてくれた第2期となりましょう。
1期気に入った方は放っといてても鑑賞候補に挙がるでしょうから、その時に「ダンジョン入らないけど意味はあるよん」くらいの構えで楽しんでいただけたらよろしいかと思います。
OPEDは特に印象に残らない普通の曲でした。




※ネタバレ所感

■全12話の構成

{netabare}大きく3篇に別れてましたね。

#1~#4 アポロンとのいざこざ
#6~#10 イシュタルとのいざこざ
#11~#12 痴話喧嘩{/netabare}

{netabare}日常回の果てに視聴者が食いつきそうな見せ場(10話の春姫救出バトル)を提示してちゃんちゃんではありませんでした。

前2つのアポロン編とイシュタル編。
前者でヘスティアファミリアの増員、後者で春姫とベルくんのやり取りを通じ英雄の定義を試みます。
最終2話で「神の思惑」「ダンジョンクエストの最終到達地点」「オラリオとオラリオ外」を提示しての終幕でした。

興味深かったのはアポロンとイシュタル双方に対するフレイヤの態度。ベルくんにご執心な女神様がアポロンにはやや寛容でイシュタルには観た方はご覧の通りなほぼ真逆な対応をしました。この境界線って何だろう?
酒場のシルちゃんから貰った緑色の石がヒュアキントス団長の即死攻撃からベルくんを守りました。割れた石の下にはフレイヤの刻印。なんでシルちゃんがそんなマストアイテムを持ってたかは不明ですが、あくまで間接サポートです。対してイシュタルにはカチコミ入れての吉原炎上。

ベルくんが超えられそうな壁なら捨て置いてるというのか?
ベルくんに興味を示した面々のベルくんへのアプローチの仕方によって態度が変わるのか?

未だ私にはよくわかっておりません。{/netabare}


■神と眷属の関係
神と眷属の関係、ファミリア間のルールなど詳細がわかってきました。

{netabare}・別のファミリアは抗争に口を出せない ギルドもファミリア間抗争に口出しできない{/netabare}
{netabare}・ファミリアの移籍には神の許可が必要

成文法はなく暗黙の了解みたいなものが多いようです。ギルドも仲裁の権限を与えられてるわけではないというのは驚きでした。控えめにいって神々の匙加減、悪くいえば気分次第。
ふざけてそうでフレンドリーそうでそうは言っても神は神で絶対なものであることが伝わってきます。{/netabare}


■ベルくんが主役の理由
みんなベルくん好きですね。

{netabare}オッタルに「ここにミノタウロスの群れを呼べないかしら?」と表情変えずに嫉妬するフレイヤを筆頭にメインネタだったアポロンとイシュタル。ヘスティアは言わずもがなです。
ヴァレン某との初ダンスのサポートをするミアハやヘルメス。援軍かけつけのタケミカヅチその他神様たちに愛されております。
その理由の一端が明かされてましたね。ベルくん本人の英雄願望と辻褄の合うネタ明かしでした。{/netabare}



※オマケ

■春姫さん正妻説
海外の映画を観るとよくわかるんです。娼婦がヒロインの作品はとかく暗い話が多い。
立場を超えた愛を描いた『プリティウーマン』『ムーランルージュ』などの名作も入りは男が上、女が下からスタートします。
対して日本はびっくりするほど対等な目線で描かれることが多いと思います。

{netabare}本作のイシュタル編もまさにそんなお話。娼館というより遊郭の佇まいであったことも大きいかしら。身請け制度は海外にはなかったと思います。
ちょっと日本式の捉え方について海外の反応なんて眺めるのも面白いかもしれません。
ヒロイン春姫さんだけでなく、アマゾネスを統括していたアイシャを2期屈指の好キャラとして描いてもおりました。職業に貴賎なしは言い過ぎかもしれませんが、対等とするに抵抗はない。日本人の皮膚感覚です。{/netabare}

{netabare}イシュタル編はベルくんと春姫を通しての英雄の定義と申しました。

別の作品レビューで触れた記憶があるお話。海軍大将を務めあげ、第16、22代総理大臣となった山本権兵衛の妻ときは遊女です。
詳細は他に譲るがこの男。ときを貰い受けるために身請けではなく強奪という手段を強行し(結局身請け金は支払った)、晴れて夫婦になって以降は、生涯を通じて妻に尽くした剛と優の者であったとされています。ときも出自をわきまえ公の場には一切出てこなかったとのこと。

ベルくん↓
「あなたが娼婦だからですか?英雄にとって娼婦は破滅の象徴。あなたはそう言いました。だけど僕とあなたが憧れた英雄はそんなんじゃない!たとえ娼婦でも!恐ろしい敵が待ち受けていたって!英雄は見捨てない!」

日本人にとって“英雄”という概念は欧米人と比較すれば希薄なところではありますが、前に出過ぎない春姫の印象と合わせて、実在したとある夫婦を想像させるものでした。{/netabare}


{netabare}ただちょっとねというかなんというか。
なにがなんでもヒロインは生娘にするという断固たる意志を感じるところがいやはやなんともw{/netabare}



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.02 初稿
2020.04.18 修正
2021.10.15 修正

投稿 : 2025/04/05
♥ : 65
ネタバレ

toshi1015 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作既読 英雄に憧れるベル君の冒険譚

※アニメを見終わるまで☆評価は3のまま変えていません
原作ラノベ 「大森藤ノ」GA文庫 1〜15巻
漫画「九二枝」ヤングガンガンコミックス 1〜10巻
(2019.07.12外伝ラノベ ソードオラトリア12巻発売)

【裏表紙の紹介文】
アニメ2期
※原作ラノベの裏表紙の説明文なので、結末などは書いてませんが、展開など若干ネタバレがあるのでご注意を。7巻以降はアニメが追いついて来てから追記予定です。

6巻
{netabare} 「ヘスティア、君に『戦争遊戯(ウォーゲーム)』を申し込む!」「なんだとアポロン!?」
『戦争遊戯(ウォーゲーム)』ー対立する神々の派閥が総力戦を行う神の代理戦争。勝者は敗者の全てを奪う。そして敵神(アポロン)の狙いはー
「君の眷属、ベル・クラネルをもらう!」
戦闘開始までの期限は一週間。更に追い打ちをかけるように今度はリリが【ソーマ・ファミリア】に捕らえられてしまう!
もはや絶望的な状況。それでも少年と『出会い』、幾多の『冒険』を経た絆が今ここに集結する。全ては勝利するために!
『上等だ、アポロン!僕等は受けて立ってやる、この戦争遊戯(ウォーゲーム)を!』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

アニメ1期
1巻
{netabare} 迷宮都市オラリオー『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ!【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」「はいっ!僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
2巻
{netabare} 「はじめまして、白髪のお兄さん」
ベルに声をかけてきたのは、自ら《サポーター》を名乗る少女・リリだった。半ば強引にペアを組むことになった少女を不審に思いながらも、順調にダンジョンを攻略していく二人。束の間の仲間(パーティー)。
一方でリリが所属する【ソーマ・ファミリア】には悪い噂が絶えない。その先には、人の心までも奪うとされる《神酒(ソーマ)》の存在がー?「神様、僕は……」「大丈夫、ベル君の異性(ひと)を見る目は確かなのさ。神(ぼく)のように、きっとね」
これは少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
3巻
{netabare} 「……君は臆病だね」「!?」「臆病でいることは冒険で大切なこと。でもそれ以上にも、君は何かに怯えている」
突如憧れの女性【剣姫(けんき)】アイズと再会を果たしたベル。そこで突きつけられてしまった事実。自分を抉る最大の因縁。紅い紅い、凶悪な猛牛・ミノタウロス。
少年はそんな自分を情けなく思った。そして少年は始めて思った。
僕はー英雄になりたい。『偉業を成し遂げればいい、人も神々さえも讃える功績を』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
4巻
{netabare} 「「「Lv.2〜〜〜〜〜!?」」」
先のミノタウロス戦での勝利によりLv.2到達、世界最速兎(レコードホルダー)となったベル。一躍オラリオ中の注目・羨望を集めることとなった少年の元には、仲間(パーティー)への勧誘が絶えない。廻り巡る環境(せかい)。そんな折「俺と契約しないか、ベル・クラネル?」偶然にも自分の装備《兎鎧(ピョンキチ)》を創った鍛冶師(スミス)のヴェルフと出会い、仲間を組むことに。しかも、彼は圧倒的な力を誇る《魔剣》唯一の創り手らしいのだが……?
犬人(シアンスローブ)ナァーザ、そして女神ヘスティア、ベルが交わした2つのアナザーエピソードも収録!
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}
5巻
{netabare} 「リリ達は囮にされました!すぐにモンスターがやって来ます!」「…そんなっ」「おいおいっ、冗談だろ?」
鍛冶師(スミス)のヴェルフを加え中層へと進んだベル達。しかし他パーティの策略により一転ダンジョン内で孤立してしまう。
ヘスティアはベルを救うため、Lv.4の元冒険者・リュー、さらには神・ヘルメスと共にダンジョン侵入を試みるが……
「ー階層主(ゴライアス)!?」立ち塞がる最凶の敵が、ベル達を更なる絶望へと追いつめる。希望(ひかり)を求め、決死行が繰り広げられる、迷宮譚第五弾!
『限界までー限界を越えて己を賭けろ』
これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}


15巻まで読みましたが伏線など小難しい事は考えなくてOKです。
迷宮の謎やらベル君の祖父やら色んな派閥の思惑的な描写や、外伝でもアイズ視点から色んな派閥や謎的な事を書かれてますが、気にしないで下さい。
伏線っぽい話しを蒸し返すときはその都度説明があるのでヘーキです。
ベル君の冒険をただ楽しみましょう

1期では1〜5巻まで今回2期は6巻からスタートになります。
なお漫画側はまだ単行本になって無い雑誌側でアニメ2期の話しが始まったばかりなので「1期の復習は漫画1〜10巻オススメです。」話しの先を知りたい方はラノベ6巻からどうぞ

【世界観】
永遠の時間に飽きた神々が神の力を使わない事で人と共存する世界。
・神の力を使わない事で人と暮らす神様達は恩恵を与える事でファミリアと言う派閥を作り眷属達には力を、神には恩恵を失わない為にも神様を守る。
・経験を積むだけではLVは上がらない。己の器を乗り越える事でランクアップLVが上がる。

【迷宮都市オラリオ】
地下迷宮の上に作られた都市オラリオ
・己の器を超える鍛錬、モンスターを倒す事で得られる素材など、ドワーフノーム獣人ホビットエルフ様々な種族職種、神々のファミリアで溢れる都市。

20190803 追記 1〜4話視聴
原作6巻の【ソーマファミリア】神とリリ、【ヘファイストスファミリア】神とヴェルフ、【タケミカヅチファミリア】神と命、と各ファミリアの神と子供の関係と各子供の決意からの【アポロンファミリア】との戦争遊戯だったわけですが…

個人的には1期の山川吉樹監督の演出の方が好みでした。

各話に盛り上がりを入れ視聴者を飽きさせず増やす為だとは思いますが結構端折っていて原作未読な方達は置いてきぼりにならないか心配です…。(とある3期の二の舞いにならなければ良いけど…)

個人的には原作>コミック>アニメ な感想ですカメラワーク?が漫画よりアニメの方が単調に感じました。

原作1冊を4話ペースなら9巻までやるのかな〜今回の【J.C.STAFF】はどう転ぶか…とある原作未読者置いてきぼり演出になりませんように…。

【裏表紙の紹介文】
7巻
{netabare} 新生【ヘスティア ファミリア】始動!
『戦争遊戯』という激戦を乗り越えた新に眷属となったリリ、ヴェルフ、そして命。ベルのもう一つの家族。深まる絆。だが、
「ここは私達のホーム、女主の神婦殿さ」
 命を追ってベルが迷い込んでしまったのはオラリオの歓楽街【イシュタルファミリア】が管理する『夜の街』。
「私はこの歓楽街に買われた身です」
 そこで少年は囚われの身である極東の少女、春姫と出会う。蠢く陰謀に呑み込まれるベルが下す選択はーー。
『これっきりでいい なろう、あのひとの英雄にーー』
 これは、少年が歩み、女神が記す、ー【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】ー {/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3

75.4 6 カタルシスアニメランキング6位
タッチ(TVアニメ動画)

1985年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (367)
2121人が棚に入れました
上杉達也、上杉和也は一卵性双生児。スポーツも勉強も真剣に取り組む弟の和也に対して、何事にもいい加減な兄の達也。そして隣に住む同い年の浅倉南。3人は小さい時から一緒に行動している、いわば幼馴染だった。そしてお互いがお互いを異性として意識し始める。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、難波圭一、日髙のり子、林家正蔵、銀河万丈、千葉繁、小宮和枝、増岡弘、塩沢兼人、鶴ひろみ、中尾隆聖、井上和彦、冨永みーな、田中秀幸

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

全ラブコメマンガの原点も忘れられていくんでしょうか。

 まず、コミック評からです。ラブコメと言えばあだち充氏。その初期の代表作と言えば本作でしょう。「みゆき」の方が古いですがビッグコミックです。内容的にも少し青年向け感がありました(少年ビッグコミックですけどね)。本作の連載はメジャー誌少年サンデーだし知名度としては本作です。内容的にも本作原作が少年マンガラブコメの原点と言えるでしょう。

 繊細な線の少女の描写がすばらしく、女性マンガ家とは明らかに違いますが、かといって少年マンガの太いGペンの線のヒロインとはまるで違う感じが非常に独特です。四肢や首筋のラインなどエロスがありながらしつこくない。ねちっこさと爽やかさが同居していました。

 また、スポコンの一種でありながら梶原的ではなく、かといってコメディに振ってスポーツへの取り組みや勝敗が単なる舞台設定ではない。そのバランス感覚にリアリティがありながら、少年の夢である理想の恋愛を描くセンスは今なお類例がないと思います。

 そして無関係なカットを多用した画面作り。モンタージュ効果とは違うんですよね。一瞬の時間を切り取ったような緊張感がある表現があると思えば、のんびりとした夏休みの情景を描写する。一見無駄に思えるその余白を感じる演出で作品世界に引き込まれます。また、徹底した水着女子と下着のサービスカット。そこも一切の躊躇も照れもありません(いや、照れはあるのか。原作者が登場するのは照れ隠しかもしれません)。

 ここからはアニメも含む、ストーリーです。なんでしょうね。出てくる主要人物が皆善人なんですよね。それでいてそこに嫌味がない。わざとらしくない。だから、後味がいい。サングラスの監督とか非常にストレスでしたけどね。でも、結局いい風に収まります。ご都合主義と言えばご都合主義。でも、少年マンガらしい創作物とリアリティのボーダーライン上にあるようなエピソードで、カタルシスがあります。

 そして、なんといっても中盤の例の大事件。題名に込められた仕掛けがすごかったですね。この衝撃は初見では本当に驚きました。少年コミックスでここまでやるかと言う感じでした。

 キャラは若い時は朝倉南推しですけど、今見るとちょっと聖女すぎて鼻につく感じはあります。ただ「憧れ」の記号化としてはこんなに見事なキャラもいないです。隣に住んでいてあの離れの部屋が理想の場所になっています。また、マネージャーの立場から自分も活躍してゆくプロセスが80年代の女性の自立を感じさせる描き方でした。それでも新体操を選ぶところがあだち充氏です。

 ギャグではない、80年代のコメディ。真面目を相対化したような「間」「ずらし」の面白さでした。そこもコマの使い方に通じますが、今では他に見ませんね。その同じ技法でシリアスもやってしまうのがすごいですね。アニメはその辺のすくい方が上手かったと思います。

 そしてスポーツに関しては才能頼りの面もありますが、ちゃんと努力している姿があるんですよね。常勝でもないし。ライバルにも人間性があるし。そう、恋愛と部活動、それと試合のシーンがきちんとリンクして、ストーリーそれ自体が面白いのが、素晴らしかった。

 最後のコミックスで無理やり出てきたアイドルがアニメではなかったのかな。最後の展開はアニメの方が自然だった気もします。

 キャラに関しては後の「H2」の方がバランスがと取れていたし、「クロスゲーム」の方が恋愛に関してはより現代から見ると感情移入できる気がしますが、やはり作品の完成度とかオリジナリティとしては本作でしょう。

 あとはOPのタッチは名曲…かどうかわかりませんが、とにかく歌が上手い。うますぎ注意と言うくらい上手いですね。

 コミックスは名作と言うか古典として時間のフィルターを経ても素晴らしい作品だと思います。が、アニメですね。残念ながら繊細さ、間、画面の使い方がコミックからはやはり落ちます。それでも他のあだち作品から比べると、かなり原作の良さを上手くアニメ化したな、という印象でした。今はサブスクだと無いのかな?(今この時点ではUNEXTでありました。全101話なので、コミックスから入る方がいいかも)

 本サイトでもかなり以前でレビューが止まっているので、この作品ですら忘れ去られていくんだなあ…ちょっと感慨深いです。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6
ネタバレ

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最も,もっと評価されるべき作品

{netabare}和也が死んじゃう{/netabare}のは嫌な描写ですが、そこからの展開、ストーリー、画、キャラクターなどなど最高ですよね。
子どものころから学生の頃まで、再放送で何回も観ましたし、原作も読みました。


{netabare}柏葉監督と達也との信頼関係が構築されていくさまがとても好きです。
3年の地区予選の決勝,達也に対して,和也の妬みのような話をしながらも,達也のピッチングをさせるアドバイスをしたシーン。
それで,和也を追い求めていた達也が,達也のピッチングを始めたシーン。
ピンチになり,達也の鼻血を見て,柏葉監督が立ち上がり,バッターに指示を出し始めるシーン。
三塁打を打った後に達也に対して,見えないはずの眼でアイコンタクトで,ホームスチールをさせるシーン。
達也:「おれもたまにはホメられてみたいもんですね」,柏葉監督:「おれはおまえが嫌いだ」,達也:「どうせなら徹底的に嫌われてみたいもんですね」と言った後の,「だったら,甲子園に行くんだな」の柏葉監督のセリフ。
最後の最後で,新田に対する敬遠を決めたはずなのに,みんなで,達也に勝負をさせるシーン。
最後の一球。
達也が病院で柏葉監督に「リンゴ」を手渡すシーン。
その,余韻の,柏葉監督の「夏は好きなんですよ。」。

初めて観ていたときは,柏葉監督の正体がバレて,はやく監督が変わって欲しいと感情移入をしていました。
でも,最後の最後には柏葉監督が・・・,涙涙で,言葉にできない存在になっていました!{/netabare}

そして,{netabare}達也の浅倉南への告白は,(個人的には漫画の,開会式に達也がいないところからの,電気屋での抱きしめからの,つま先立ちの方が,南のピンチに必ず達也が現れるという意味でも,好きなのですが。)話の積み重ねの終着として,{/netabare}どんな恋愛アニメ・恋愛ドラマでも,超えることはできないシーンだと思います。


長いけど,名作であることは間違いないと思います。


☆の評価をするにも,物語は,あだち充先生の傑作なので,☆5.0は間違いありません。スポーツアニメとしての物語は最高なうえに,恋愛アニメとしての物語も最高です。
声優は,頭の中で,登場人物のイメージがそのまま構成されていますので,☆5.0は間違いありません。
キャラは,登場人物それぞれプラス要素しかなく,☆5.0で間違いありません。(浅倉南の性格があざとすぎて,万能すぎるとして,マイナス要素で評価する人もいるかもしれませんが,多くの男性には,浅倉南のキャラはプラス要素にしかならないはずです 笑。)
音楽は,「タッチ」のイントロだけでも☆5.0になっちゃいます。その他の挿入歌,ピンチの時の音楽などなど,含めても最高評価になるはずです。
作画だけは,時代的な理由で,☆4.0になってしまいますが,当時の他のアニメの中では素晴らしいと思いますし,試合の描写も素晴らしいと思います。

観た人の数も多いはずですし,評価をしたら高い評価となることは間違いありません。
なので,(平成27年11月14日時点でのランキングは334位の74.0点ですが,)個人的には最ももっと評価されるべき作品だと思います 笑

投稿 : 2025/04/05
♥ : 19

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「南ちゃんが理想の女性」派には賛同しかねるが名作中の名作。

原作『あだち充』

双子の兄弟「上杉達也」と「上杉和也」
お隣さんの「浅倉南」
子供の時から一緒の幼なじみ3人が
しだいに互いを男女として意識するようになる

優秀な和也に才色兼備な南
うだつの上がらないダメ兄貴、達也。

思いやるがゆえにすれ違う恋心や
野球を題材にしたドラマを描く

――高校3年間の青春ストーリー。



名作中の名作なので、誰かにオススメも無いもんでしょうが、この世代の人間でよく挙がるのが「浅倉南」はいい女なのか説。結構バカらしい気もしますけど、知人の女性に聞く限りは半々で、男性に聞く限りは条件付きで概ね賛成と言ったところでしょうか。とにかく女性票が少ない南さん。同時期だと高橋留美子先生の「うる星やつら」や「めぞん一刻」が君臨してるので、女性目線から生み出された“ラムちゃん”や“音無響子”がどうしても勝率が高い気がする。

「タッチの南ちゃんが女子受けしない理由まとめ」

なんてのもあるくらい!
そこに書いてある意見が面白いので列挙。

・『一人称が「ミナミ」だから。』

“こんな女にろくな奴居ない!”
“無理。”
“ホント嫌い。”

ラムちゃんも一人称ですけど、あれはセーフなのかな?

↓他にも・・・

「女友達少なすぎ。女の親友居ないとか性格悪い証拠。」
「一回も心揺れたこと無いくせにキープすんな!」
「そもそも運動部女子マネージャーという生き物が嫌い」

『女子マネージャーという生き物』っていう面白ワード良い。
続きも面白いので気になったらググって(笑)

これが男性作家と女性作家の違いでしょうね。
想像力が及ばない部分と格闘をするお仕事は大変でしょう。

ここで面白いところは、意見を言ってる女性が
「タッチ」自体を嫌いな方が少ないということ。
達也や和也などには魅力を感じてるのでしょうね。
男性作家の描く、男性から見ても嫌味のない男って、
女性側から見てもカッコイイと思うのでしょうか。

男性からは女性作家の描く女性は嫌味がないので好印象。
(“あけすけ”で少し怖い時はありますけどw)

・・やはり男女が相互を理解できる日は遠そうです。

だからこその駆け引きなど面白い、なんて誰かが言ってた。
不自由の自由というやつかしら。ちょっと違う?

最後に個人的な意見を言うと、浅倉南という女性は条件付きでいい女だと思います。上杉兄弟に対しては最高の女性でしょう。それ以外だと彼女のいい女っぷり(良くも悪くも)にこちらの性能が負けてしまいます。圧倒的な性能差で尻に敷かれるどころか埋まって出てこれないでしょう。ちなみに私は南ちゃんにフラれた男どもに共感をしてました。なので創作物上の女性には最高のカップリングがあり、初めて“いい女”だと認定できるのだと言い放ちレビューを終わりたいと思います。駄文失礼。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 19

67.1 7 カタルシスアニメランキング7位
新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (139)
388人が棚に入れました
“別にいいじゃねぇか……。何歳から新しいこと始めたって!” 最強にして新人のオッサン、冒険者を目指す! 「夢を追うならできるだけ若いうちがいい」 人は皆、そう考える。だが、どうしても諦められない。そんな大人も、どこかにいる――。 10代で冒険者になるのが当たり前の世界で、30歳を過ぎてギルド事務員から冒険者を目指したリック・グラディアートル。 大陸最強の冒険者が集う伝説のパーティ「オリハルコン・フィスト」のメンバーによる想像を絶する訓練の日々を過ごしてきた彼は、新米Fランクながらも最高位であるSランク並みの戦闘力を有していた!? 叶えたい夢を追い続けるアラサー主人公が、なめてかかってくるエリート冒険者を、本人が気付かないうちに鍛え上げられた戦闘力で次々にねじ伏せていく痛快アクションコメディ!
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

夢を諦めないおっさん冒険者の話

岸馬きらくによる原作小説は、「小説家になろう」から「HJノベルス」(ホビージャパン)で書籍化(既刊14巻、原作未読)。
荻野ケンによるコミカライズは、『コミックファイア』(ホビージャパン)で連載中(既刊10巻、コミカライズ既読)。
アニメは、全12話(2024年)。監督は、『あっくんとカノジョ』、『CUE!』などの片貝慎。シリーズ構成・脚本は、『Lapis Re:LiGHTs』の土田霞。制作は、『東京ミュウミュウ にゅ〜♡』、『マブラヴ オルタネイティヴ』などのゆめ太カンパニー。
(2024.9.27投稿)

本作は、少なくとも私が持っていた、これまでのホビージャパン関連のアニメ化作品の印象を覆すのに十分なほどアニメ化に成功した例で、少なくとも私が読んだコミカライズの良さは十分に伝えられていると感じました(詳しくは後述)。


【あらすじ】
主人公であるリック・グラディアートル(CV.佐藤拓也)は、幼いころ、この世界の誰もが知る英雄譚「ヤマト伝説」に憧れ、何が発現するかはわからないが稀な「固有スキルの因子」を持つこともわかり、冒険者になることを夢見ていた。しかし、その後、固有スキルが発現することはなく、両親の意向もあり、危険な冒険者ではなく安全・安定の冒険者ギルドの受付に就くことに。

そして、気づけば30歳になっていたリックであったが、冒険者ギルドの受付として、冒険者を支援し、その活躍を間近で見守ってきたこともあり、どこか自分が冒険者になるという夢を捨てきれずにいた。
そんなある日、最強の冒険者の称号である「S級」を持つメイドの格好をしたダークエルフの美女リーネット(CV.大西沙織)と出会う。彼女は、リックに対し20歳までに成長限界を迎える魔力量を育てなければ冒険者に必要とされる魔力量を確保することは難しいと告げられ、リックも一旦は冒険者の夢を諦める。

ところが、ある事件をきっかけにリックの固有スキルが発現。彼の固有スキルの特性と持ち前の勇気に感銘を受けたリーネットは、彼女が所属する最強冒険者パーティー「オリハルコン・フィスト」にリックを勧誘。「オリハルコン・フィスト」の目的は、リックが幼いころに憧れていた「ヤマト伝説」に登場する最強のボス「カイザー・アルサピエト」を倒すことであった。

リックは、冒険者を目指すには遅すぎる年齢である30歳という「出遅れ」をカバーするため、4人の「オリハルコン・フィスト」のメンバーから、死んでも強制的に蘇生されるという地獄のような特訓を2年にわたって受けることに(『治癒魔法の間違った使い方 』でも似たような光景を見たような(笑))。

そして、E級冒険者の試験をパスし、名実ともに冒険者となったリックは、パーティーメンバーと共に「カイザー・アルサピエト」へつながる「7つのド〇ゴン〇ール」…ではなく、「六宝玉」を探し始めるのだった…


【夢を諦めないおっさんの話】
夢を諦めきれなかったおっさんが、一念発起して、出遅れを取り戻すために正に死ぬ気で努力した結果、超人的な力を手に入れたものの、いじめのような一方的な訓練をただ耐え忍んできただけなので自己肯定感は依然として低いまま(笑)

序盤は、そんな主人公が自分の強さに対する自覚がないまま、見た目冴えないおっさんであるリックを外見で判断して無礼くさった自称強者たちを軽くあしらっていくというコメディ展開。

超人的な能力を努力して手に入れたところが、いきなりチート能力を持つ昨今の異世界ものとの違い。

加えて、作中でも登場するのですが、「夢を諦める後悔」と、「現在の苦労」、「どっちがお前の人生の天秤で重いのか?」という問いかけ。

高校生くらいの年齢が主人公という異世界ものが多い中、ある程度年齢がいっているという設定だからこそ活きる「この問いの説得力」(でも、32歳でおっさんか…いやおっさんか(笑))。


いつまでも夢を諦めず、そこに向けて努力を続ける「中年」を特に応援するような作品になっていると思います。


【これまでのホビージャパン関連のアニメ化作品の印象を覆す作品】
これまでのホビージャパン関連のアニメ化作品とは、『異世界はスマートフォンとともに。』、『百錬の覇王と聖約の戦乙女』、『インフィニット・デンドログラム』など(多くは語らない(笑))。

さて、私の本作に対する印象がいい理由は、ストーリー展開がスムーズでテンポが良く、ストーリーの先の展開を見据えて、わかりやすい演出がなされていたところ。

例えば、コミカライズと内容が結構違うのですが、物語の進行に必要な範囲で矛盾なく物語がまとめられていました。また、物語の後半で拳王トーナメントという武術大会が開かれるのですが、そこに出てくる主要な登場人物(ギース・リザレクトとケルヴィン・ウルヴォルフ)の強キャラ感がうまく演出されていたとも感じました(ただ、スネイプ・リザレクト(CV.一条和矢)はちょっと滑ってたかな…)。

おそらく上にあげたテーマがはっきりしていることと、そこに対する視聴者層もはっきりしていることとも関係があるとは思うのですが、特にホビージャパン関連のアニメ化作品では、原作やコミカライズの良さを十分に伝えきれていない印象があったので、本作についてはその辺を評価したいと思いました。


【声優】
ちなみに、声優の小西克幸さんがコミカライズのファンを公言していて、アニメ化前には主人公に!という話もあったのですが、拳王トーナメント三連覇のチャンピオンであるケルヴィン・ウルヴォルフ役として出演しています。


【音楽】
オープニングの「荒野に咲けよ冒険者たち」は、おっさんが視聴者層とはいえ、ちょっと対象年齢を上げすぎな気も(笑)

ケルヴィンのトレーナーも『あしたのジョー』の丹下段平っぽいし(笑)


【作画】
賛否ありそうな絵柄ではあるのですが、コミカライズの良さを生かしつつ、アニメキャラとしてうまく落とし込んでいると思いました。


【リックがもてる理由に共感できる!(※ネタばれ有りの感想)】
{netabare}昨今の異世界ものだと、奴隷から解放して、ただ人として扱ったら惚れられたなんて展開が多い中、本作では、リーネットがリックに惚れた理由がちゃんと描写されている。
(※リーネットは最強のS級冒険者なのですが、トラウマからドラゴンが近くにいると戦闘不能になるという弱点が。ドラゴンを目の前にして戦闘不能に陥っていた彼女を見て、まだ弱かったころのリックは身を挺して彼女を助けようとした。)

あと、本作のツンデレ枠であるアンジェリカ(CV.下地紫野)。
リックは、拳王トーナメント準決勝でアンジェリカを破ったギースと対戦した際に、リックがアンジェリカの現状の能力でもギース勝てるところを示したり、パワーアップ後のギースに対しても1年間特訓した後のアンジェリカであればギースに勝てるところを示したところなんかも、そんなこと実際にされたら惚れてしまいますよね。

まあ、その程度で評価するのかという向きもあるかとは思いますが、特に異世界ものだと、その程度の描写すらないものが多いんですよね…なので、積極的に評価したいと思いました。{/netabare}

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

シンプルで熱い展開!! →これは「異世界版『キン肉マン』」

【レビューNo.146】(初回登録:2024/10/13)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
とりあえず「オッサン」というキーワードに惹かれたのでw


(ストーリー)
英雄譚「ヤマト伝説」に憧れる少年リックは、極めて確率の低い「固有スキル
の因子」を保有しているものの、それが発動することがなかった。
そして気がつけば30歳になっており、冒険者ギルドの受付に就いたものの冒険
者への夢を捨てきれないまま、鬱屈した日々を送っていたのだった。
そんな中、リックは「S級」の資格を持つ冒険者リーネットと出会う。
リックは彼女から魔力量を育てないまま20歳を超えたことを理由に、今から
冒険者を目指しても無理だと断言されてしまう。
それでリックも一旦は諦めがついたものの、ある事件が起こり・・・
そこで冒険者の資質があると認められたリックは、リーネットから彼女が所属
する大陸最強の冒険者パーティー「オリハルコン・フィスト」に勧誘される。
そして2年間、地獄の修行を耐え抜いたリックは冒険者になるためにE級冒険者
試験に挑むだった。


(評 価)
・シンプルで熱い展開!! →これは「異世界版『キン肉マン』」
 出だしはいつものなろう展開ですね。
 E級冒険者試験でいろいろと常識外れの結果を叩き出すも、無自覚で
 「また俺なんかやっちゃいました?!」
 的なノリで。
 しかも同行しているリーネットは始めからリックに好意的だし。

 しかしリックが他のなろう主人公と違うのは、始めからチート能力をを付与
 されたのではなく、2年間めっちゃ努力してその域に達してるところなんで
 すね。
 ・冒険者を目指すリックはかなり出遅れていたため、「オリハルコン・フィ
  スト」のメンバーから死ぬほど鍛えられた
  (というか、実際修行で死んで蘇生魔法で生き返るを何度も繰り返してい
   るんだけどねw)
 ・ただ修行で鍛えられ驚くほどレベルアップしているものの、周りが超人だ
  らけなのでその強さを自覚する機会がなかった
  → 試験最中にようやく「俺ってもしかしてめっちゃ強くね?!」と認識
 ・リーネットの件についても回想で彼女との出会いから始まり、ある事件を
  きっかけに彼女が好意を寄せる過程も丁寧に描かれている

 そんな感じなので、いつもの「ご都合主義満載のなろう系作品」というより
 は「『努力・友情・勝利』のジャンプ作品」に近い感覚ですね。
 ちょうど同時期に『キン肉マン』をやっていましたが、ストーリーはシンプ
 ルだがバトルを通じての熱い展開など、同作品に通ずるものがあるという印
 象ですね。


・アンジェリカがいい味を出していた
 そこそこコメディ色の強い作品ですね。
 メインになっているのは上述の通り
 「また俺なんかやっちゃいました?!」
  →”その強さや感覚のズレから生まれる”無自覚系ギャグみたいな。
 しかし途中からリックが自分の強さを自覚しちゃうんですよね。

 で、次の仕掛けがアンジェリカによるツッコミです。
 途中からレギュラーメンバー化すると
 「『オリハルコン・フィスト』の”常識”は、一般人の”非常識”」
 ということで、切れ味鋭くどんどんツッコミまくるという。
 個人的に序盤の無自覚系ギャグはイマイチかなって感じていたのですが、
 アンジェリカの登場から「”ボケ”と”受け”」のキャッチボールでリズム
 が生まれ流れかよくなったという印象ですね。

 そしてアンジェリカ自身も
 {netabare}・はじめは貴族の鼻もちならない”お嬢さまキャラ”だったが
 ・E級冒険者の試験官だった兄のラスターがリックに一蹴されるのをみて改心、
  後にリックに弟子入り
 ・実は名門貴族だったが没落していたため、望まぬ婚約等実は苦労人だった
  こと、そんな運命に抗うために懸命に生きていることが明かされる
 ・リックとの交流を経て彼に惹かれていく様やリーネットとリックとの関係
  にヤキモキといった乙女な一面も
 ・そして自身の運命を変えるため臨んだ「拳王トーナメント」で強敵ギース
  に打ちのめされるも最後まで熱いバトルをみせ、リックの魂に火をつける{/netabare}
 という感じで、どんどん魅力的に描かれていくんですよね。
 冗長気味だった後半もそれなりに楽しめたのは、彼女の功績が大きいと思い
 ます。


ストーリー的には「異世界版『キン肉マン』」という感じで、死ぬほど努力し
たリックが
・”オッサン”や”努力”を馬鹿にする連中を返り討ち
・「E級冒険者試験」や「拳王トーナメント」での熱いバトル展開
 {netabare}そして最後はブロストンとの師弟対決{/netabare}
他のレビュアーさんも書かれていますが、昭和臭がプンプンする作品ではあり
ますね。
そういう意味では、文字通り”オッサン”には刺さりやすい要素がちりばめら
ている反面、「価値観の異なる”Z世代”とかにウケるのか?!」という疑問
は残るところ。
本作も最終目標は
「『ヤマト伝説」に出てくる怪物『カイザー・アルサピエト」の討伐」
らしいのですが、その辺はあまり話が進んでいないのかなっと。

ある意味”アンチ・ご都合主義のサクサクなろう展開”的な作品ではあるので、
ここに面白さを見出だせるかどうか感じでしょうか。
個人的には「理屈はいらねえ”拳で語り合う”」シンプルで熱い展開とアンジェ
リカのキャラが後半際立ってきたので、まずます楽しめた作品でしたね。


OP『荒野に咲けよ冒険者たち/串田アキラ』
・まさかの串田アキラさんとか。
 この辺りも「異世界版『キン肉マン』」って感じなんだよなw
 (狙った感がスゴイんですよね)

投稿 : 2025/04/05
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

転生、転移がこれほど重要だとは…。ズラしが上手くいっておりません。そして脳筋体育会系アニメでした。

最終話(12話)まで観ました。2024.09.29

 ワンクールの半分以上やっていた闘技会編もいよいよクライマックス!リックとブロストン先輩が本気で殴り合い、ブロストン先輩も大満足!凄まじい体育会系の脳筋ストーリーでしたが、オチはキレイに決まった様です。

 リック達の今後の目標も定まり、俺達の戦いはこれからエンドでしたが、ワンクール作品としては上手く畳めたと思います。わりと強さ表現が限界突破したので、2期は無くても良い感じです。これ以上の強敵が出現すると、作画崩壊しそうです。

 まぁ、リック達の目的も、宝玉を集めて超強いカイザーをいっちょ討伐するかぁ〜位なので、そんなに興味を湧きません。別に今の所カイザーは人類の脅威にもなってませんしね。

 後、ブロストン先輩は、割と才能だけで産まれた頃から強いので、トカゲ男のギースと何が違うのか良く分かりません。イキッて無い所かな?パーティーのメンバーも修行で強くなったとは思えない面々なので、これ以上続けると、物語が破綻しそうな気もします。

………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2024.09.04

 6話からスタートした拳王トーナメントも佳境に入りました!お色気ツッコミ要員のアンジェリカのために、超天才で才能のみで戦うトカゲ男のギースをボコボコにして指導します。

 主人公、もう強さを自覚してるやん…。手加減まで覚えちゃって…。最初のオトボケ振りは何だったのかな?普通の俺tueeeeee!に成り下がっています。

 主人公、努力だ〜とか申しておりますが、チート能力覚醒してましたよね?説得力がありません。始めの変に自分は弱いと勘違いしてる云々の設定は、正直必要ありませんでした。

 アンジェリカ以外のキャラに魅力が全く無いという不思議なアニメですが、ここまで来たら最後まで視聴継続です。
………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.07.24

 えっ!?タイトル詐欺じゃね?4話で3話までのお話と矛盾する回想をぶっ込んできました。

 他のレビューアー様も指摘されていますが、主人公、特訓のおかげで強くなり、自分の実力を勘違いしているキャラだったはずなのに、ドラゴン倒しちゃったよ…。

 30歳で能力覚醒してたのね…。1話辺りの無知さは何だったのか?出落ちで後の展開を考えてなかったのでしょうか?

 物語の制作において、誠実さを感じさせない展開に、失望させられました。せめて能力覚醒は特訓中にするべきだろ…。

………………………………………………………………………

 3話まで観ました。2024.07.16

 Eランク昇級試験編終了!主人公、Aランクエリートお貴族様を軽く退けました。

 そして、お貴族様に対して強くなるためのアドバイスなんかしちゃいます。これ、全然無自覚系俺ツエエエエ!じゃ無くね?

 主人公、割と性格が悪いんじゃね?と疑問に思いつつ、次回も楽しみです。

 しかし…、主人公はあんなに鍛えた体を見せつける様な格好をしていて、自信が無いとか、何を言っているのか…。

 ボディービルの大会で上位入賞する様な人物が自分はヒョロガリですとか自己紹介する様なもので、嫌味にしか聞こえません。

 どう考えてもオッサンである以前に強いでしょうよ…。みんな、年齢以外に他人を評価すべき基準が無いのかもしれません。視覚情報に頼らないなんて、こんなことじゃモンスターに勝てなくね?
……………………………………………………………………… 

 初回観てのレビューです。2024.07.05

 なろう無自覚オレtueeeeee!テンプレを転生転移無しでやってみたら?的な作品です。主人公は元ギルドの受付32歳!

 まぁ、これが見事に滑っています。主人公はある意味視聴者の分身なので、親切にいちいち異世界の出来事に驚いてくれますが、あれ?この世界の住人ですよね?

 主人公、異世界で社会人を何年もやってたのに、無知過ぎます。山奥で暮らしていたならともかく、ギルド職員だったのに、冒険者とかの状況を知らな過ぎです。

 なろうの導入としての異世界転生、転移というのは、やはり重要な発明だったんですね。生粋の異世界人なのに、主人公の無知さは違和感を感じます。

 現代日本の現役世代なのに、スマホを見たことが無いとか、キャッシュレスの使い方が分からないとか、日本を旅行中の外国人を見て天狗や鬼がおる〜と驚く様なもんです。

 記憶喪失かムショ帰りかなんかでしょこれ?どう考えてもサイコパスです。元ギルド職員設定いらんでしょ。

 後、2年でここまで強くなるんなら、10代から修行してたら、素手による惑星破壊が可能な位に強くなってね?

 テンプレを少し外してみても別に面白くないと言う…、1話から事故ってますが、これからどうなるのかちょっと気にはなります。十中八九クソアニメでしょうが…。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6

57.4 8 カタルシスアニメランキング8位
東京魔人學園剣風帖 龍龍 第弐幕(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (53)
382人が棚に入れました
プレイステーション用ゲームソフト『東京魔人學園剣風帖』(シャウトデザインワークス製作)の世界観をもとにしたテレビシリーズで、『東京魔人學園剣風帖 龍龍』の続編にあたる。前作で復活を遂げた九角天童を倒し、"鬼道衆"の野望を退けた龍麻たち。しかし、死闘の末に手にした平和も長くは続かなかった。"拳武十二神将"を名乗る謎の集団が、恐るべき力をふるい、龍間たちに襲いかかる。激闘に次ぐ激闘、繰り返される悲劇と惨劇。幾多の戦いの果てに、宿命に結ばれた者たちの迎えた結末とは……。

ace さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ダメだぁ~・・・

1作めはよかった
この1個前のレビューに書いてます
大絶賛したんですけどね
どうにも2作目・・・今作はよろしくないです

前作はハイテンションで常に叫んで走って飛んで戦ってました
バトルアニメはそれでいい

だが今作は回想やらなんやらかんやら
あんまり戦わないしラスボス戦はしょぼいし
しかもなにが起きたのかよくわからないし
最終話もよくないし
なんなんだこの大失速は
基本的に前作の過去編みたいなのに多くの時間を費やす

龍二は屈指のイカレキャラで
ぶっ飛びすぎて逆に魅力的だった
今作でよかったのは龍二だけ
しかも龍二もどうなったのかよくわからないし

うーん・・・よくないねぇ

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

やじゃぁあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最高におもしろい!

一期はこの二期のためのお膳立て!一話みたら止まらなくなる!
是非一期から連続して観てほしい。
確かに主人公はわかり難いが、観てればわかるはず?でも、そこにこだわって観る必要はない。主要キャラがそれぞれに感情をもっているから、自分の好きなキャラに感情移入して観たらいいのだ。
ストーリー展開は男の子が好みそうな仕様になっている。多少陰鬱な表現があるので、好みによるだろうが是非観てほしいと思う!
ただし、世界観と展開についていく頭が必要かもしれない…

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

東京魔人は1期2期とも面白かったけど終わり方がね…

自分は1期の方が好きだったけど
(2期の車椅子キャラがうざかったんで)
それ以外は1期とまあ代わり映え無い展開が続きます

1期と面白さが変わらないので評価も変わらないと思いきや
最後の終わり方がね…綺麗にまとまってない終わり方なので
OVAとかで落とし込むかと思えばしてないので

そこが低評価かな
ああいう終わり方もありっちゃありではあるけど
自分的には微妙だったんでそこが低評価

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

74.6 9 カタルシスアニメランキング9位
ブルーロック VS. U-20 JAPAN(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (107)
376人が棚に入れました
──全てを賭けて挑め。 いくぞ、才能の原石共よ 時代を変えるのは俺たち“ブルーロック(青い監獄)”だ── 日本をW杯優勝に導く世界一のストライカーを育てるため、 日本フットボール連合は“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトを立ち上げる。 プロジェクトに招待されたのは300人の高校生。 しかも全員FW(フォワード)。 脱落すれば将来、サッカー日本代表へ入る資格を失うという極限状態の中、 選ばれし才能の原石たちは、ストライカーとしてのエゴを次々と覚醒させていく。 時に他人を蹴落とし、時に自らの進化を以て、過酷なセレクションを生き残ったのは35人。 エゴが渦巻く熱狂のサバイバルを乗り越えた彼らは、“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトの存続を賭けて、U-20日本代表との史上最もイカれた大一番(ビッグマッチ)へと挑む! 今、己のエゴを世界に刻むため、自らの手で運命を変えるため、史上最もアツい戦い(試合)が始まる。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この辺がピーク!?選手の個性の魅せ方は相変わらず上手いが「イキリ芸」等限界も見えてきたような・・・

【レビューNo.169】(初回登録:2025/2/9)
コミック原作の2024年作品。全14話。
1期のレビューを書いたので引き続きということで。

(ストーリー)
”青い監獄プロジェクト”について否定的な見解を示している日本フットボール
連合に対し、その成果を示すべく
「ブルーロック VS. U-20 JAPAN」
の試合が組まれることになる。
負ければ「ブルーロックは消滅」と潔達の生き残りを賭けた戦いは続く。
この1戦に臨むにあたり、まずはブルーロック代表の座を賭けた(3次試験を突
破した)35名による選抜試験が開始される。
一方日本フットボール連合は糸師凛の兄で「新世代世界11傑」にも選出されて
いる糸師冴を招集したのだった。


(評 価)
・相変わらず「成功哲学」や「論理的思考」の入門書としてよく出来ている
 個人的には1期のレビューで書いたように「サッカーアニメ」というより、
 半分「成功哲学」の教科書という見方をしているんですよね。
 1期では
 ・ゼロベース思考
 ・再現性の方程式
 といった概念が提示されましたが、2期では
 ・FLOW(フロー)
 について語られます。

 FLOW(フロー)とは
 {netabare}・人間が自らの"最適経験"により獲得する精神の『没頭状態』である
  (一種の覚醒状態的な)
 と定義づけされ
 ・FLOW(フロー)に入るための条件 →それは挑戦的集中
 ・つまり自分にとって適度な難しさの目標に向かうコト
  (「挑戦」と「能力」のバランス)
 と解説されています。
 要は「自分の能力に相応しい挑戦をしよう!」ってことですが。{/netabare}

 若年層の方にはこういう部分もしっかり観て取り入れていってほしいですね。
 本作はそういった話を分かりやすく解説してくれているので。


・個人的には「ひおりん推し」w
 本作では潔たちとは別棟から勝ち残ってきた新キャラも続々と登場します。
 個人的には烏旅人と氷織羊(ひおりん)の関西ユースコンビが好みでしたね。

 特にひおりんは本作では珍しいおとなしい雰囲気のキャラで「大丈夫かいな」
 と心配でしたが、途中出場すると
 {netabare}「むき出しにするだけがエゴじゃないで」
 「ほな終わらせよかブルーロック」
 意外と「内面には熱いもの」を秘め、武器であるタメや精密なパスでしっか
 り試合を組み立てていくという「仕事人ぶり」にすっかり魅了されてしまい
 ました。
 個人的には「ひおりん推し」でいこうかとw

 「FWばかり集めたチームでDFどうすんねん?」
 という疑問もありましたが、選手の特性を生かしたコンバートは意外と説得
 力があり、二子のDFなんかはなかなか面白いなあって感じで観てましたね。

 FWの方はU-20DFにオリヴァ・愛空という強キャラがいるので、潔が
 ・愛空を出し抜くために常に思考を巡らせつつ
 ・味方内でも個性の食らい合い、出し抜き合い
 「むき出しのエゴ」といった本作の個性を失うことなく、アップデートして
 いく姿をしっかり描いていたと思いますし。
 特に潔のラストプレーは、「運のカラクリ」といった1期での敗北を糧に学
 んだことをここで活かすとか!!
 この終わり方も見事だったと思います。{/netabare}

 ただ他のレビュアーさんも指摘していますが、1期に比べ止め絵が多く紙芝
 居状態になっているのが・・・・
 しかし、優秀なアニメーターが不足していて、奪い合いになっているという
 業界事情なんかもあり、あまり過度な作画レベルを求めるのも一考の余地が
 ある段階にきている気もしますね。
 とはいえ、本作は「もう少し頑張れよ!」とは思いましたが。 


・「イキリ芸」は飽きてきた
 「『新世代世界11傑』にも選出されるほどの糸師冴って人格者なんやろなあ」
 と勝手に解釈してたのですが・・・よく考えると1期早々に
 ・国内チームでプレーする可能性を聞かれ「死んでも嫌っすね」と即答
 ・「俺は生まれる国を間違えただけです」と豪語
 コイツのっけからイキッてたわw
 案の定2期でも最初から
 「U20をチェックしたが一言でいうと”クソ”だ。特にFWは”ヘボ”を煮込んだ
  ”ゲロ”しかいない。」
 むしろコイツが一番イキッてるまであるやろwww

 試合中も「ヘボエース」だの「クソキャップ」だのそろそろこんな「イキリ
 芸」には飽きてきた感がありますね。
 しかも最初からラリッてた士道はともかく、最後は{netabare}凛までトリップするとか・・・{/netabare}

 とはいっても今更この芸風は変えられないでしょうが。


選手の個性の魅せ方は抜群に上手い作品ではありますので、そこは遺憾なく発
揮されていたように思います。
試合展開も熱かったと思いますし。

ただ「イキリ芸」は食傷気味になってきたし、FLOW(フロー)の概念は面白かっ
たですが、そのみせ方が(スーパーサイヤ人的な)インフレ暴走ギリギリにな
ってきて、今後この作品の魅力である「インテリジェスでサッカーを語る」と
いう部分とのバランスが上手くとれるのかという疑問を感じたのも確かですね。

”青い監獄プロジェクト”も次のステージに移行するようですが、
「振り返ればここがピークだったな」
とならなければいいですが・・・

投稿 : 2025/04/05
♥ : 15

元毛玉 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

アニメじゃない!ほんとのことさー。

原作既読。

お話のざっくり概要

特別強化選手に選ばれた主人公の潔たちは、青い監獄と呼ばれる施設に閉じ込められ、日本代表として生き残るための椅子取りをかけたデスゲームの日々。
そうして生き残った潔たちは、ついに日本代表との生き残りを賭けた試合へのチケットを手にするのだった。

だいたいそんな感じ。

※ちなみに原作も基本的にとんでもスポーツ物で、あくまでエンターテインメント寄りの作品です。作者はリアルなサッカーの描写にはこだわっていないのかもしれません。好きだったらあんな支離滅裂な物は書けないでしょう。(だから別物のエンターテインメントとして楽しむことをオススメします)

まず、最初に言っておきます。
私はなるべくなら酷評をしたくないのです。
最近は、酷評レビューが増えているのですけど、不本意ではあります。
原作も読んでいるので、本当は好意的なレビューを書きたかったことだけは先に説明しておきます。


これはアニメではありません。
フルカラーで動く紙芝居のような何かです。
ぶっちゃけ、紙芝居の方が余程良いとさえ思えます。

色々な大人の事情や、政治的な圧力がかかったのかも知れません。
でも、これはアカンでしょう。

見終わった当初、「感情的になりすぎているだけだ」と、自分自身を戒め、すぐにレビューを書くのは差し控えました。

そうして時間をおいて冷静に見つめた上で、客観的な評価を下すなら……この作品の作画は0点をつけるに値するということ。

ええ、ええ。分かりますとも。
昨今のご時世だと、原作に忠実に作らなければボロクソに言われてしまうし、忠実であろうとしたことは分かります。
それに尺の都合もあって難しいことも分かります。
キャプ翼のように同シーンを3回繰り返すような尺伸ばしを入れたらフルボッコにされるのでしょう。

でもね?
アニメとは絵を動かすことです。それをアニメーションと呼びます。
私は絵が書けません。だから、絵をかける人たちを尊敬していますし、リスペクトもしています。

アニメーションとは、本来動きが無かったところに動きを持たせ、描かれた2Dの世界があたかも現実世界であるかの如く錯覚させてくれるものだと思っています。
それがこの作品ではどうでしょうか?

アニメーションのはずなのに静止画です。
いや、寧ろ中途半端にボールが動くので、「この選手たちってめちゃ動き遅くない?」という錯覚まで起こしてしまいます。

本来、良いアニメーションとは、違和感が少ないことだと思います。
それは現実世界を知る私たちが、想像の翼を自然と広げられる。それが創作としてのアニメーションの理想の姿です。

本作は、静止画でビタっと止めてCGでエフェクトやボール、髪の毛などを微妙に動かすだけといった物に仕上がっています。

どのシーンで一時停止をしても絵は綺麗で、どこにも作画崩壊のような絵は見当たりません。
ですが、これはアニメーションでしょうか?

往年の金字塔スポーツアニメたち。
キャプ翼、スラムダンク、最近ではハイキューなどもありますが、正直、止めた時に微妙な絵は確かにあります。

ですが、一言だけ言わせて下さい。
それらは果敢に攻めたからこその崩れなのです。
スポーツを描くには登場キャラが多くなります。
その作画カロリーは大変なことでしょう。
それでも、動きが無かった漫画の世界から飛び出したキャラクターたちに動きという命を吹き込みたい。
そのアニメーターたちの熱い思いに視聴者は感動するのです。

なので、この作品の作画は0点です。
美しく、綺麗ですが、これを評価してしまっては、これまでのアニメーターが報われません。
本作の作画よりも、メドヘンやいもいもの方が作画は上だったと、私は個人的には思います。

色々な思いや葛藤がありましたが、この先の未来への思いと本当のアニメーターのために酷評すると決めました。

ただ、それでも作ったことは素晴らしいので、作画だけの減点としています。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

蒼き監獄からの脱出

前半は代表決定トライアウト、後半はブルーロックから解き放たれてU-20との対戦、普通のサッカーアニメになりましたね
ブルーロックチームの新キャラは良い感じだけど、U-20は冴とキャプテン以外は微妙・・・
新キャラ増えても推しキャラは千切と凛で変わらず、劇場版で凪と玲王も好きになった
烏や雪宮や氷織はカッコいいんだけど、露骨に女子ウケ狙いなキャラ出してきたなー、この辺はまだあまり目立ってないのでこれからの覚醒に期待でしょうか?

試合描写としては0点です、こんなのはサッカーじゃありません
まず舌を出してプレーするのは誰も得しないのでやめましょうね・・・

次は誰が覚醒する!?っていう覚醒アニメになりましたね
予想できたことだけど、ブルーロックチームはフォワードしかいないので相手チームはDFばかり目立って他のポジションが何やってるのかよくわかりません、なのでU-20の中心は糸師冴のはずなのにあまり目立ってなくて、ブルーロックチームが得点しそうになったり得点決めたりすると急に出現していいところだけ持っていくっていう謎の動き・・・

でも相手のDFがブルーロック阻んでるのはDFの仕事しているからいいんです
問題なのはポジションが滅茶苦茶なところ
糸師兄弟に対決させたいのはわかるけど、FWやMFがゴール前まで戻って敵のシュート防ぎに行ったりDFがシュートしに行くのはおかしいですよ、ブルーロックチームのDFとGKは捨てキャラなの?
フォワードとしての役割を奪ってまでDFに置いたなら、せめてそのポジションで活躍させてあげれば今後の展開にもつながるのに

でもここまでブルーロック見てきてキャラクターも好きなので楽しめました
サッカーの試合ももう少しちゃんと描いて欲しいです

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

61.4 10 カタルシスアニメランキング10位
ストレンジドーン - STRANGE DAWN(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (33)
207人が棚に入れました
ある日、異世界に飛ばされてしまったふたりの女子高生・ユコとエリ。
強い日差しの下、奇岩が立ち並ぶ荒野をあてどもなく歩き、川で休憩してるところへ突然、小さな生き物が襲ってくる。
それはこの異世界での「ヒト」であったのだ。シャルと名乗る辺境警備隊隊長によって助けらた二人はシャルの村に案内される。村では「魔人」と呼ばれ、救世主扱いされ村人総出の歓迎の祭が開かれるのだった。
そんな折、魔人が村にやってきたという情報を得た他部族が村に侵入して戦いが始まり、ユコとエリたちはそこに暮らす小人たちの戦争に巻き込まれてしまう。

chance さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【ガリバーFT】【ヒューマンドラマ】ファンタジーってそもそも逃避の文学って言われたし

小人だらけの異世界に召還された女子高生二人のシリアスファンタジー(ガリバー風)(ギャグほぼなし)

原住民からは魔人と恐れ崇められるものの、当人達は特異な力があるわけでもない唯の女子高生(いちおうデカイだけ)
”いや実際異世界に飛ばされても、ご都合能力が備わってなければ困る挙句不幸になるだけだよね”展開で、数多あるご都合ファンタジーに冷水をぶっかける様な対極作風です。

また主人公達含めリアリティある自己中人間描画は「俺こーいうタイプ嫌いなんだよね」キャラを数多く排出し、見応えあるドロドロのヒューマンドラマが楽しめます。
※社会人経験を積んだ人なら「あーいるいるこーいう奴」ってのに出会えるはず・・・って事は大人のほーが楽しめるアニメかも。

クライマックスはポカーンでしたが・・・

ご都合作風よりは、不快な人間心象描画があってこそ、物事は思い通りにいかず不幸がおしよせてこそのヒューマンドラマでしょと感じる人にオススメです。
あと、この作品を楽しむ上で、FTはあんまり関係ないです。たぶん。

ちなみに上記文は酷評ではなく私的褒め言葉です。面白いですよ。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 6

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

異色のファンタジー

気弱なエリ、自分勝手のユコ。
どちらに共感するかによって見方や感じ方が違ってくるだろう。
この二人、登場シーンから現代と違う世界にいて「?」状態だが、それは視聴者も同じ。
普通は異世界に飛ばされた人間がドッキューン、バッターン大活躍するのだが、この二人はまったく役に立とうとしない。
あっ、と言う間に3話(DVD1枚)を観終えてしまった。コーヒーを煎れて次へ・・・、と見始めたら止まらなくなってしまった。
たぶん、今までにないパターンで、現代からファンタジー世界に飛ばされてきた二人の考え方がヘンにリアルなためだろう。
恐らく、多くの現代っ子はそんな思考や行動ではないだろうか。
そのため、小人達との思考のズレがまた面白い。
エリとユコは現代に戻れるのか?結末はある意味衝撃のラストである。「ど~なっちゃうのぉ?」

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

taketake4 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見た目はポポロクロイスみたいだけど

小人たちの暮らす異世界に呼び出されてしまった女子高生二人組

二人のいた現実世界の描写はまったくないので、それぞれの関係性など元の世界に関しては彼女たちのセリフ等断片的な情報しか与えられないのだが、あまり良好な関係ではなさそう。
と言うか親交があったのかどうかすら
そんな二人が理由もわからず異世界に放り出されて、あまつさえ魔神呼ばわりされて戦えとか言われてもそりゃあ困るだろう。
相手は小人と言っても膝丈くらいはあるし武器も持ってるしねえ

なろう以前の作品なので、無双どころか常に帰りたい連呼は今の視聴者には軟弱に映るだろうけど、当時の異世界物は元の世界への帰還が最大の目的なのが当たり前の時代でしたから

ARIAやたまゆらがホワイト佐藤なら、こちらはブラック佐藤なので癒やしを求めての視聴はおすすめしません

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

54.5 11 カタルシスアニメランキング11位
没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★☆☆ 2.4 (76)
199人が棚に入れました
晩酌を楽しんでいた男は、気づけば貴族の五男・リアムの肉体に乗り移っていた。 憧れの魔法を練習する気楽な日々をおくっていたが、属性魔法の習得はもとより精霊を召喚したり、強力な使い魔を得たり、どんなに難しい魔法もマスターしていく! 没落予定だった実家からの独立を目指して冒険者になった彼は、いつのまにか世界屈指の魔術師に成り上がっていくのだった! 最強貴族による自由気ままな魔法ファンタジー開幕!

大重 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1

稀に見る酷さ。ご都合主義が極まり過ぎて気持ち悪い

1話感想 3.1 ザ・なろうって感じ
作者の三木なずなという人はなろうで何本もヒット作を出している売れっ子ですね。

何本もアニメ化しているのかと思いましたが、これで2本目ですね。まだ2本アニメ化が決まっているそうで。
大したものです。

で、そんなヒット作家様の作品ですが…。

まあ、なろうらしいなぁって感じですね。
ご都合主義な師匠の存在とか。

ただまあ、こうした都合の良さとかが心地よさにも繋がるのでしょうか。
すごくお手軽にインスタントに楽しめる感があって、そして決してクオリティが低過ぎはしないんですよね。

都合が良い、くらいは文句は言えますがそんなのは世の主人公は大なり小なり都合が良いものです。
理不尽に世界すべてが主人公のために出来上がっているというほどのクオリティの低さは無く、没落貴族という設定や主人公に降りかかる困難などにも、基本的にはちゃんと筋は通っている。

というわけで極めてなろうらしいなろう作品ですね。

うーん、それが面白いかと言われると私には響かないのですが、流行りを抑えておきたいとは思えました。

見れたら見ます。ノンストレスで軽く見れますし、そういう価値もありますね。

2話 2.7
うわ…。アスナも大概ですが、友人の紹介だからって初対面の男の奴隷に平然となる女がいますか?
いやいくらなんでもこれは酷い。もうちょっとマシなエピソード作れないんですかね?
人間を描こうとしていないですよね。

3話 2.2
今度はドラゴンが向こうから奴隷に…。
どんだけ都合の良いことが苦労もなく向こうから降ってくるんだか。
このドラゴンは子どもを殺されているんですけれど?
おかしいだろ…。

ここまで酷いなろうは久しぶりで、ちょっとツッコミを入れるのが楽しくなってきたのでもうちょっと見てみます。

4話 1.6
見れば見るほどひどくなっていく。
ピクシー達がエルフになって感謝する?
種族の誇りとか無いわけ?
名付けもすごい適当で、覚えてすらいないし。
名前って普通重要じゃないの?
こんないい加減で良いのか。

だというのに、主人公のやることなすこと全部が全肯定されるのが本当に気色悪いです。
一目瞭然で良いことをやっているならともかく、一見頭おかしいですからね。
精霊も妖精も全部ただの奴隷扱いだし、勝手にコピーを作るわ、ろくなことしてねぇ…
なのにみんな口を揃えて全肯定。
ここまで気持ち悪い話もそうは無い。

酷さが極まりすぎて逆に見たくなってきました。見ます。

6話 1.3
もうこの話の酷さがどこまで酷くなる楽しみに見ていますので粗探しで申し訳ないですが…。
粗探しって、既に粗しか存在しないのに何を探すのかって話ですが、新たな粗がさらに出てくるかってことですね。今更こんなの驚かない、という粗はもうスルーです。オークのデザインも酷いとか。

今回は物に名付けしたことでさらに酷いと思いました。

物品に同じ名前はつけられないことを知らなかったと。
そういうルールは別に良いんですが、じゃあやっぱり名付けってのは世界に一つのユニークな名をつける、ある程度神聖なものなんじゃないですかね?
でもそんなホイホイ作った物に名前をつけて良いんですかね?

他人に対して勝手に名付けするところがキモいと思っていたのですが、やっぱりモノ扱いしているってことですし…。
モノを大事にしているとも思えませんし。

新たな酷さがまだまだ出てくるなんて、本当に目が話せない作品ですね。
これからもキモ! と思わせてくれるか楽しみです。


どうでもいいですがこの話がなんでこんなキモいかと考えたのですが、説明不足も大きいですね。
私達人間は宇宙人から「お前を進化させてやろう」っていきなりタコ星人にされたら、喜ぶことは無いんですよ。タコの触手が超便利で人間の身体よりずっと良い、とわかれば、色々考えて望む人も居るかもしれませんが、常識的に考えればありえない。そんなことをされて喜ぶなら、そういう説明が欲しいわけです。
進化することは全種族の夢だとか。パクリ元の転スラは最低限説明がありましたよ。
奇異にしか見えない行動をいきなりやって、後付で称賛されるところが本当にキモいです。

全話感想 1.1
いやー酷かった。
まあ根性で見続けたのは、ここでいかに酷かったか、最後に感想を書くためでしたね。
とはいえ途中で大体語ってしまいましたが…。

なぜこのアニメが他の数あるなろうアニメの中で随一といえるほど酷いか。
これだけ数があるなかで最低を超えるのはなかなかです。
他に競い合えるのは異世界スマホなんですが、あれも本当に酷いのですがこちらの方が不快感は上です。

こちらの主人公は他人を奴隷にしたりモノ扱いしたり平然としているクズだからですね。
そしてそのクズっぷりが咎められることなく雑に全肯定されている様子が心底不快だから、というところです。

確かに異世界なんだから奴隷が普通だと思う価値観でも良いはず。
しかしこんな低品質な作品で異世界の価値観を描くもなにも無いでしょう。
地球人の感覚で普通に変だと思うことは変なんですよ。

その変さ、奇異さに作中で誰も指摘しない。じゃあ視聴者が否定するしか無いですよね。

他人を奴隷化して喜ぶようなクズ主人公でも、ちゃんと自分のクズさに自覚的であったり作中で問題視されていれば良いんですよ。
あるいは奴隷が肯定的に描かれる世界であることをちゃんと説明しているとか。
そのすべてが存在しないので単に気持ち悪いという感想にしかなりません。

一度嫌いになると、ふざけた呪文が出てくる度にムカついてしまいますし、主人公を全肯定するボットのようなキャラ達も全員不快で、まあ最後まで本当に不快でした。


この酷さに1話で見抜けなかったか。
まあ1話は良いんですよ。前提だから。
例えば勇者の子孫が魔王を倒しに行く話があったとして、勇者の子孫なんておかしい、というツッコミはする方が頭がおかしいわけです。そういう人が主人公に選ばれただけなので。

ご都合主義に賢者だかの弟子になれた、まあこの師匠も二度とでてこなくて、何だったんだって感じですが、1話限定ならそういう幸運に恵まれて魔法が使えるようになった主人公の話、ということで容認するべきです。
一話で都合の良いことが起こるのは全作品共通ですからね。
のびたの元にドラえもんが来るのがおかしいと文句を言うことは有りえません。

その後真っ当な話が続いていれば、ここまで不快になることは無かったでしょう。というわけで1話で見抜けなかったのは仕方ないかと思います。

これだけたくさんの作品があって、まだ最低ランクを塗り替える作品も出てくるのとは。
1話から問答無用のゴミなら流石に1話切りしちゃうので、なかなか出会えないんですよね。
まあ無駄な時間を使いましたが、ある意味価値はありました。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

今期なろう系最糞候補作品!真面目に制作する気が無いのかな?

 最終話(12話)まで観ました。2025.03.27

 酷いよリアムさん!周辺国に対し、質の高い銀貨を無限に流通させて、インフレ攻撃を仕掛けたり、舗装道路を作って軍事的圧力をかけたりと、リアムの圧倒的チート力でやりたい放題です。無意識に全方位に喧嘩を売ります。

 隣国が興廃をかけた全面戦争を仕掛けてくるかと思いきや、俺なんかやっちゃいましたか的贈り物で籠絡されます。

 都合良すぎるやろ〜!他国の連中も頭がお花畑の様です。しかも、国家運営は部下達がやってくれるそうです。大丈夫かいな?

 作者が政治描写に飽きたな…。転スラの真似すら出来ません。何なのこの糞アニメは?

 全員奴隷なのも含めて、主人公のリアムが倫理的に破綻した異常者なだけのキモいアニメでした。こんなに都合良くなんでも出来たらおかしいとか思わないのかな?

 仕事とは言え、こんなアニメを作らされるクリエイターの皆さんが可哀想でなりませんでした。
………………………………………………………………………

 11話まで観ました。2025.03.19

 全員奴隷!だから安心安全のキモい世界…てか!?リアムさん、ついに魔法都市を作ってしまいました。いや〜良いですよ!どこまで気持ち悪い妄想世界を展開出来るかの思考実験アニメと化してますね!

 魔法都市内はミスリル銀を混ぜたアスファルト的なもので道路を舗装したので、誰でも魔法が使えるそうです!なんで?

 後、ちゃんと栗石を入れたりして地盤を補強しないと、アスファルトと砂利で舗装しただけじゃあ、直ぐに剥がれるか陥没するでしょ…。おっと、ツッコミは野暮ですね。きっと、想像も出来ない様な凄い素材なのでしょう。

 基本的になろう世界の魔法は、他人を殺傷することに特化しているので、誰でも攻撃魔法が使える様にするなんて、一般住人に銃や刀等の凶器を配っている様なものですが、魔法都市の住人はみんなリアムさんと従魔契約した、脳内思考をしていない肉奴隷どもなので、悪いことはしないのです。

 最近は、なろうでも珍しい主人公に都合の良すぎる世界で、観ていて痛々しいです。現代が舞台だったら、地獄のディストピア小説、1984年並の狂った管理社会です。

 モブ共は老若男女みんな主人公凄い凄いしか言いません。見ようによっては、リアムに反発してくるカマセ兄貴が一番まともな登場人物なのかもしれません。

 後一話で終了ですが、どんな気持ちの悪いオチになるか、とても楽しみです。

………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2025.03.04

 リアムさん、陛下と呼ばれるくらい出世した様です。そして、銀貨を生産する様ですよ!品質も良く、競合銀貨の3倍の価値があるとのことです。

 馬鹿なろう爆発やで!金融業が発展するまで、中々信用取引とか出来ず、経済発展のためには金銀銅の生産増による貨幣の流通量の増大に依存していたのに、ほぼ無から銀貨を生産しないでよ…。

 金融経済学とかを少しでもかじっていれば、リアムのやっていることは小学生の妄想レベルなのが良く分かると思います。

 かの古代ローマ帝国でも、戦争時等の財政出動のためには、金貨や銀貨の悪改鋳による貨幣量の増大に依存しており、帝政末期には金貨の金含有量が0(それは金貨とちゃうなぁ)になって滅亡したし、日本も皇朝十二銭の改悪によって対新羅、唐戦の戦費を調達しようとして貨幣制度が破綻し、江戸時代まで独自通貨を発行不能になるなど、貨幣を巡って苦労してきた歴史が人類史なのに、全くアホですね。

 本家の転スラが、魔法による貨幣生産とかに手を出さないのは、結構わきまえているからなのかなぁと感じるほど、後続のなろうは酷いとは…。

 劣化コピーの量産で価値が落ちていくのは、まさに貨幣の悪改鋳により、悪性インフレに陥っている糞なろうアニメ市場を観ている様です。

 貨幣は戦略物資でもあるため、このままリアムが貨幣を増産すると、他国はリアム王国の貨幣に席巻されて経済崩壊するので、リアム王国を爆心地とした世界大戦が勃発します。

 全世界に向けて喧嘩を何となく売ってしまったり、糞なろう主人公はどうしようも無いですね。

………………………………………………………………………

 6話まで観ました。2025.02.13

 他の方のレビューにもありますが、全く劣化版転スラですね。魔物に名前を与えて国民にしていきます。アイテムにも名前をつけて進化させられる様です。そして、回りの連中がゴイスーゴイスーと…。

 あまりの気持ち悪さに吐きそうです。ストレートな妄想には付き合いきれない感じです。もう少し、オブラートに包んだ方がよろしいかと思います。

 そしてまた、技術に対してのリスペクトが全くありません。鉄を鋳型に流し込んで強力な魔法のアイテムを大量に生産しますが、鋳物を作るのがどんだけ大変なのか分かってるのかな?

 なろう世界は鉱物に不純物とか全く含んで無いのがデフォなのかいな…。頭の悪さが炸裂します。苦労して先人達が工業化したのに、この程度の物語に収斂しているなんて、度し難いですね。

 また、キャラクターを増やさないと話を作れない系なので、いつの間にかケモミミがメインヒロインになっています。澱の様にヒロインが溜まっていくんでしょうね。糞なろうあるあるです。

 こんなアニメを作らなくてはならない制作会社の方も、声優さんも大変ですね。日本の恥部をさらけ出してどーすんねん!

………………………………………………………………………

 3話まで観ました。2025.01.25

 いやはや…。皆様のレビューにある通り、作画も低カロリーで、無双バトルにも迫力が無く、主人公が凄い魔法を放っているはずなのですが、どう考えても絵面がショボいです。

 それでも主人公の奴隷ハーレム喜び組要員達を中心に周囲の人物達はゴイスーゴイスーと連呼いたします。全員洗脳でもされてるんかいな…。

 とにかく主人公に都合の良いことしか起こらず、全てが過去のなろう作品で観たことがある事ばかりです。こんなオリジナルティの欠片も無い呪物みたいのを制作、放映して恥ずかしいとか思わないのでしょうか?

 今期のなろう系作品の中でも随一の志の低さが光ります。他のなろう作品も、糞だと言われながらも独自性を出そうという努力は感じられますが、本作品にはそれすら皆無です。

 主人公アゲアゲ接待で、最近引退した、人類最恐強姦魔が設立した芸能事務所に所属していた9000万円不同意性交ヅラみたいな、勘違い性獣モンスターでも育成したいのでしょうか?実に気色の悪いアニメとしか言えません。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 9

ヨッシャア! さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1

数ある低品質なろう系の中でも、酷さがひときわ光る作品

【物語】 1.0 / 5.0
 魔法が存在する世界に何の脈絡もなく転生し、そこから雑にトントン拍子で無双するだけの、他の作品で何度もこすられたような内容の雑ななろう系作品。
 中身があまりにも虚無でつまらなく、この作品についてあれこれ考えたりすることは脳のリソースの無駄だと断言できる。
 転生要素はあるものの、その設定が活かされることはほとんどなく、極めて雑で、幼稚で、「何番煎じだよこれ…」と頭痛さえ覚えるような見るに堪えないくだらない展開が続く。
 まだ小学生のほうが面白い話を書けるのではないか、と思えるほどに内容があまりにも低レベル。
 自分のように「毒を喰らわば皿まで」のポリシーのもと、様々なアニメを見るような趣味でもなければ、このような物語に触れる必要は一切ない。
 もしもあにこれに「0点」をつける機能があれば、即決で0点をつけていただろうと思えるほどだ。
 低品質な作品が多いなろう系作品の中でも群を抜いて【物語】に魅力はない。

【作画】 1.5 / 5.0
 アニメ史に残るような作画崩壊をいくつも見てきた自分としては、最低点をつけるほどの作画ではない、というのが正直な評価だ。
 とはいえ、作画のレベルは極めて低く、ほぼ全てのシーンにおいて構図作りがド下手くそで、アクションも稚拙。
 頭や心で楽しむ【物語】がひどい出来なら、目で楽しむ【作画】も似たようなものである。

【声優】 1.0 / 5.0
 声優に罪はないとわかった上で書かせてもらうが、彼らの演技に【物語】も【作画】も追いついていないため、彼らの演技もどこか場違いのように感じられる。
 また、主演の村瀬歩氏の演技が、なろう系主人公にありがちな「そうなのぉ~?」「たはは^^;」といったセリフ回しと悪い意味でマッチングしており、俗っぽく言うなら「クソガキ感」が途轍もない。
 村瀬歩氏に一切の非はないことは大前提だが、見ていてストレスや不快感を感じる人はそれなりにいるだろう。
 
【音楽】 1.0 / 5.0
 印象に残らない。

【キャラ】 1.0 / 5.0
 作者が書く幼稚で、虚無で、荒唐無稽で、見るに堪えない【物語】に引っ張られて、キャラクターの中身ももちろん崩壊している。
 行動ロジックに共感できる部分はほとんど無く、「異世界における価値観の齟齬」のような描写もないため、キャラクターが何を考えているのか、何をしたいのかが理解しづらく、不気味とすら言える。
 なろう系にありがちな「ヴィランのほうが人間味があって共感できる」という現象がしっかり起きている点も記しておきたい。
 また、作者の台詞回しもド下手くそで、口調が安定しなかったり、自分の考えた設定をぺちゃくちゃとキャラクターに喋らせるだけのナレーター化もひどい。
 これらの点から、キャラクターにも一切の魅力は感じられない。
【物語】を作るのがド下手くそなら【キャラ】を作るのもド下手くそなのは当然だということを我々に教えてくれる作品と言えるだろう。もちろん、これは皮肉だが。



【総括】 5.5 / 25.0 (平均 1.1)
「こんな内容の作品がアニメ化されるほどには売れる」という吐き気を催すようななろうドリームが存在している。そのような恐ろしい現実を我々に改めて教えてくれるおぞましいアニメである。
 見る価値は一切ない。
 本当に腹立たしい。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4

60.5 12 カタルシスアニメランキング12位
Übel Blatt~ユーベルブラット~(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (19)
90人が棚に入れました
最凶のダークファンタジー、ついにアニメ化! 神託歴3968年、闇の異邦(ヴィシュテヒ)の侵略を封じるため、皇帝は14人の若者たちに使命と聖なる槍を与えて送り出した。 3人は旅の途中で命を失い、4人は敵に寝返り皇帝を裏切ったとされ討たれた。だが、それは栄誉を我が物にしようとした7人の仲間の裏切り行為であった。 帝都に凱旋した彼らは“七英雄”と称され、帝国の民の尊敬を集め栄華の座に上りつめたが、一方で、武勲を奪われ“裏切りの槍”の汚名を着せられた一人の剣士・アシェリートが、妖精の血肉を食らい生き延びていた。 容姿を少年に、名をケインツェルに変え、20年の時を経て、七英雄への復讐の旅が今はじまるーー!

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良いところもあるけど不足感が強い。展開が早すぎで付いていかない。

4話まで見ています。

 あらすじを読んで見ると壮大な復讐譚で、なかなか期待させる感じです。そして、1話目はちょっとコミックスの「狼の口 ヴォルフスムント」との類似性は感じなくはないですが、同作がかなりのキツい話ながらも大変面白かったので本作を見てみました。

 期待通り、ダークな感じがいい雰囲気を出していました。が、なんでしょうね…仲間になったのかわかりませんが、同行者たちとの交流も利害関係も何にもないまま話が進んでいくんですよね。しかも、主人公が結構強いだけに、一人でいいんじゃないのという感じなので余計展開が分からないです。

(追記 1話ちょっと見返しました。密航屋を紹介してもらって、その対価として隻眼のオッサンが同行してるのか…それは私が集中して見ていなかったのかもしれません。ピンク髪の少女は相変わらずわからないですけど、密航屋関連はちゃんとしてました)

 過去話で結界的なもののために自ら犠牲になった人の話が出てましたが、その人のキャラとか活躍とか全く見せないでいきなりの犠牲なので、何の感情移入もできません。

 それでも、ストーリーの目的地がちゃんとあってポンポン話が進むので、3話までサラリと見られます。ただ、退屈な話ではないんですけど、シリアスものだけにもうちょっとストーリーと言うか展開を考えてほしいなという感じになってきます。

 4話も小物の悪役が出てきたと思ったら、あまり盛り上がらないままやっつけてしまっているし。7人も敵がいるなら2クールかけても尺が厳しい展開だと思うのですが、導入がテンポだけは良くて、感情移入も理解もちょっと中途半端で…という状態です。

 原状ではあと2話、半分までは見てみようかなという感じですね。なんか良いものはあるんだけど、面白さが盛り上がりませんねえ…

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

リヴェンジド・セヴンフォールド

王道ダークファンタジー復讐譚byガンガン
完結済(2004-2019)既刊20巻

話は面白い。だが原作ファンはおろか初見でもガッカリなゴミ品質。

原作
公式で3話無料。原作は緻密な背景による臨場感と、イキリ敵のヒャッハー!→からの見開き大ゴマドン!のカタルシスがウリっぽい。ガンガンっぽく美少女キャラの萌え度高めだが、あくまでも主役はケインツェル。

アニメ
全く原作愛のないやっつけ仕事。エロシーンも設定まるごと削除するから辻褄が合わない。露出多めの恥ずかしい衣装はそのまま。画面の構図も漫画をなぞってるだけ。

OP・中途半端。もっと厨二イキリ感が欲しかった
ED・ちょっと媚びすぎ感はあるが中和剤的なあれかな
劇伴・派手さはないが実にいい仕事をしてます

11
話はシリアスなのに作画が酷すぎて笑ってしまう。

アト復活してもほぼ活躍しないのさすが。ドラゴンライダーや浮遊城も最初から使えやと思えばそういうことね。船パクるのが目的だったと。あの凄まじい砲撃でメインキャラ誰も死なないのはいいとしても、またサブキャラがガンガン増えてくる。

復讐劇でもケインツェルがガンギマリサイコパスでないのが本作のいいところ。7英雄らは悪人というより己の弱さに屈した小悪党。昔の良かったころの思い出ももう少し尺が欲しい気もするが多分原作ではちゃんとしてるんでしょう。ハラの決まったエルサリアらも素敵。ロズンはイクフェスとケインツェルを合わせたくないのだろうがどうやっても無理筋。

エロ削除したならあの恥ずかしい衣装も調整してくれんかねえ

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

八仙花 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

観ているうちに置いてけぼり感を強く感じる。

復讐をテーマにしたストーリーで、全体的に暗い色味が支配的。明るいシーンでも、どこか陰鬱で思わせぶりな雰囲気が漂い、視覚的にしんどく感じる場面も少なくない。個人的にその色味が苦手で、視覚的に疲れてしまった。

物語自体は非常に面白そうで、特に主人公がどのように復讐を進めていくのか、過去との関わりがどのように描かれていくのかに興味が引かれる。しかし、伏線の使い方が不十分なのか、もしくは時間の制約が影響しているのか、唐突なシーン展開や意味不明なカットが多く、観ているうちに置いてけぼり感を強く感じ、感情移入がしづらかった。

また、バトルシーンの動きが少なく、迫力に欠けるため物足りなさを感じる。原作が存在するらしいが、魅力的な世界観が十分に描ききれてない印象が強く、せっかくの設定が活かしきれていないのは非常に残念に思う。3話離脱。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

57.3 13 カタルシスアニメランキング13位
FARMAGIA(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (20)
65人が棚に入れました
『FAIRY TAIL』の真島ヒロがキャラクター&モンスターデザインを担当したコンシューマーゲーム『FARMAGIA(ファーマギア)』がアニメ化! モンスターを種から育て収穫し共存する平和な魔界フェリシダに訪れる危機。強大な敵に、少年少女たちはどう立ち向かうのか…… 仲間と種(モンスター)と紡ぐ叛逆のファンタジーが今、始まる。 魔界フェリシダ――。 そこには「魔界人」と呼ばれる人々が、モンスターたちと共生していた。 5大陸の1つ、アウリオン大陸に住む少年・テンもその⼀人であった。 彼は、モンスターたちを種から育て収穫し、使役する「ファーマギア」であり、各大陸を治める領主・竜顎六柱将(オラシオンセイス)になるため最強のモンスターの種を育てていた。 そんなある日のこと……、突如としてもたらされた「魔王・ディルクロム」の死によって世界は⼀変する――。 人々の悲しみも束の間、新魔王となった竜顎六柱将(オラシオンセイス)の⼀人、グラーザによる支配が始まるのだった。 大切な人たちを守るため、最強のファーマギアになるため…… テンは仲間のファーマギアとモンスターと共に竜顎六柱将(オラシオンセイス)に立ち向かう!

ヨッシャア! さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

まんべんなく低レベルだが、ターゲット層を考えれば、まあ…

【物語】 1.5 / 5.0
 畑から生まれたモンスターを仲間に様々な局面に立ち向かう、ゲーム原作の冒険活劇。
 キャラクターデザインに有名漫画家である真島ヒロ氏が起用されている。
 だが、この起用に引っ張られたのか、はたまた当て書きか、それとも真島ヒロ氏がシナリオにまで口を出したのか、本当のところはわからないがシナリオの至る所に良くも悪くも「真島ヒロらしさ」が出てしまっている。
 その「真島ヒロらしさ」というのが、「絆だ!」「仲間だ!」「友情だ!」の一辺倒で、正直言って令和の現代においては古臭い少年漫画感を拭いきれない。真島ヒロ特有の「くどすぎる小ボケ」もちゃんと存在し、その点でも評価を下げた。
 とはいえ、原作ゲームがゾーニングがCERO:Bであり、もともとのターゲット層が小学生~中学生と考えれば、方向性としては間違っていないのだろう。
 あくまで、個人の好みとしては評価は低いが、この作風が好きな人ならそれなりに楽しめるだろう。

【作画】 2.0 / 5.0
 作画崩壊はないものの、良いか悪いかで言えば「悪い」に傾く出来。
 また、作画リソースの節約のために主に戦闘シーンなどでモンスターに3DCGが使用されているが、にも関わらずアクションの出来も良くない。
 作画については、「努力は感じられるものの評価すべき点はなく平々凡々」といったところか。

【声優】 2.5 / 5.0
 新人・中堅・ベテランのバランスがよく、棒読みやキャラに合わない演技もないため、無難に仕上がっているという印象。

【音楽】 1.0 / 5.0
 印象に残らない。

【キャラ】 1.5 / 5.0
 物語の項でも触れたが、主人公の思考回路が「絆、仲間、友情」で完結しており、他のレギュラーメンバーも個性や性格が一辺倒なため、深堀りしてみたくなるような魅力はキャラクターにはない。見た目や性格に、どこか既視感を覚えてしまうのも「真島ヒロらしさ」の悪いところか。
 また、主人公の相棒であるマスコット的なキャラクターもいるのだが、いくらなんでもデザインが簡素すぎる。言ってしまうと「小学生の落書き」でも通じてしまうレベルのデザインで、「さすがにもっとやりようがあったのではないだろうか」と呆れてしまう。

【総括】 8.5 / 25.0 (平均 1.7)
 総じて「子ども向けのアニメ」といったところか。
 真島ヒロの熱心なファンでもないと、高校生以上の視聴者にはどうしてもむず痒さのようなものがつきまとう作品。
 また、子ども向けゲーム原作のアニメと考えれば多少ハードルは下がるものの、それでも【脚本】【作画】【キャラ】の品質の低さに目をつぶるのはさすがに厳しく、これといった思い入れがない大人が一から楽しむのにはなかなかつらいものがあるだろう。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ヒロイック・ヒロイズム

Switch作品原作の観るゲーム。
感触は完全に真島ヒロ作品。

OP・ダセエなと思えばアジカン。ゲームだからって手癖で済ますな。
ED・まあまあ

キャラ原案のみだが原作真島ヒロ作品に見えてしまうさすがのキャラパワー。キャラデザと作画のせいでバトルの迫力は皆無だが、声優陣はゲームゆえのオールスター。

育てた(ファーマー)モンスターと魔力(マギア)でシンクロするファーマギアたちが戦うザ・少年漫画な世界。モンスターがスライムゴブリンでないだけで新鮮。専門用語は少なめながら厨二感もしっかり演出。ユナイト、フュージョンとゲーム技を繰り出し敵を殲滅する爽快感を演出。コメディで強引に展開を加速させる手法もすごく少年誌的、

平時は「モンスター大好き!」なのに難敵に平気で「行けえ!」とけしかける矛盾に「おまえはひとの心がないんか?」と思うタイプには見やすい。モンスターがダメージを喰らうとファーマギア自身も同等のダメージを喰らう。設定としては普通だが映像作品だと説得力が段違い。ゲームの設定を追うのに必死でかわいそうなメロドラマをやるヒマはなさそう。

04
既視感は別にいいんです、でもさすがに雑すぎませんか

一般のファーマギアはユナイトすら出来ないとか初回で言えや。「そ…そうか!」でテンがユナイト出来ちゃうお約束もいいとして、何でイメロが出来てたのかくらい教えてよ。んで誤解も解けていざ共闘!なアツい展開なはずなんだが、少しくらいはチームプレイしてくれんかね。部下が「コロ…シテ…」しなかったとこだけはいい。しかしあの二人すげえいいキャラしてたのにもったいねえ。

んでマナスってナーレスと同格のオラシオンセイスではなかったか。フュージョンすら出来ない2人程度にヤラれてはいかんでしょう。マナスがなんか匂わせてたのでイメロとテンがなぜかハイペリオン相当の才覚の持ち主だったとしても、そこをまったく絵で表現できてない。というかこれをするならユナイトしたイメロがテンたち雑魚3人を上陸時に瞬殺出来てない時点で説得力がまるでない。ここはゲーム設定の都合を超えられないゲーム原作ならではの欠点かも。

多少設定変えてでも最初からユナイトくらいできてないと、雑魚モンスターで戦ってばかりだとバトルの迫力もクソもない。でイメロが合流しないのも作劇の都合だろうから別にいいんだけど、これだけ美味しいお約束テンコ盛りなはずなのにあまりに雑すぎてなんのカタルシスもない。結局ナーレスがいないと間が持たない感じ。もっと上手く料理できるポテンシャルはあったはず。ゲーム原作アニメってどうしていっつもこうなのか。

あとはイヤボーン大会になりそうなのでもういいかな。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

フェアリーテイルとルーンファクトリーとポケモン混ぜた感じ

フェアリーテイルの真島ヒロさんキャラデザでストーリーは別の人が書いてるみたいだけど、ノリも話の展開もほぼフェアリーテイル
フェアリーテイルよりも友情とか絆とかの熱さ(くどさ)が控えめなのは好みわかれるところ

昨年末に発売したゲームが原作のアニメ、アニメとゲーム同時進行のプロジェクトみたいですね
原作ゲームはバトルして手に入れた種を畑にまいて収穫するとモンスターが手に入って育成してバトルするゲームですが、実体は使いまわしモンスターが多く、戦闘はもっさり収穫も同じような作業の繰り返しでポケモンもどきとルーンファクトリーもどきの賭け合わせという何とも言えないゲームですが、面白いって言ってる人もいるみたい

オラシオンセイスという組織はフェアリーテイルにも出てきますけどメンバー違います
真島ヒロさんはオラシオンセイスって言葉たぶん気に入ってるんでしょうね
厨二心をくすぐられる響きですし

投稿 : 2025/04/05
♥ : 9
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