オマージュで切ないなおすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

63.0 1 オマージュで切ないなアニメランキング1位
劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク(アニメ映画)

2025年1月17日
★★★☆☆ 2.9 (23)
46人が棚に入れました
「初音ミク」などのバーチャルシンガーが登場するアプリゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(略称・プロセカ)を原作とする劇場アニメーション。
聴いたことのない初音ミクの歌をCDショップで耳にした星乃一歌は、モニターに映しだされた見たことのない姿のミクを目にする。だが、思わず出てしまった声に驚いたミクはすぐに消えてしまう。後日、路上ライブを終えた一歌のスマホにそのミクが現れ、想いの持ち主たちに歌を届けたいが歌っても届かないことに悩んでいることを明かす。そんなミクの願いをかなえるべく、一歌は仲間たちと歌を届けることを決意する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

初音ミクたちが歌と想いを届ける劇場版(ハードモード)

ボーカロイド音楽等を題材にしたゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(未プレイ)の劇場アニメ化作品
(105分、ED後の週替りアフターライブ付)

【物語 4.0点】
概略はみんなで人々に歌を届ける。以上。

というより、それぞれ独自のセカイや、異なるバリエーションのミクを抱えたりしている、
ユニット、グループを横断してシナリオ展開する映画となると、
ほぼこれ一択なのではないでしょうか。

が、本作は、歌に想いを乗せて届けるとはどういうことか。
相当な深度と火力でぶつけて来ます。

私はボカロはほぼ守備範囲外で本作も公開当初は完全にファン向け映画だろうとノーマーク。
ですが、公開1ヶ月近く経過しても、週間興収でしぶとくランクインしている。
単なるファン向け以上の何かがあるのでは?と感じ劇場に足を運びましたが、
外野の私から見ても、心が揺さぶられる物がありました。

今回メインのミクとして設定された“閉ざされた窓のセカイのミク”の世界は、
{netabare} 多くの人間が挫折とストレスを抱え、
ミクの励ましの歌ですら、邪魔な雑音に聞こえてしまう深刻な状況。
この沈んだ想いがセカイを壊す演出がかなりハードでして。

人間、本当にメンタルが落ちると、善意を悪意と取り違えて、ますますドツボにはまってしまう。
私も身につまされるものがあって、そのカット以降涙腺がガバガバに。

そこからミクが音楽活動が盛んな現実世界のキャラたちの力も得て、
再起する展開はベタですが、強火で熱かったです。{/netabare}

キラキラ、ドキドキよりも、ドン底まで手を差し伸べてくれる音楽にこそ、
人は感動させられる。
上辺だけなぞった萌えアニメではない。
この映画には、カタルシスに不可欠な、
登場人物が谷底に沈む溜めが、ちゃんと脚本されています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・P.A.WORKS

音楽アニメとしては近年でもTVアニメ版『パリピ孔明』などで実績があるスタジオ。
デジタル制作の中でも、飛び散る汗など、アナログ感を出す演出はお手の物。
個人的にグッと来たのが{netabare} 幼馴染バンド「Leo/need」{/netabare} が全力パフォーマンスの後、息切れるカット。

複数のセカイを行き来するシナリオは、説明が作画、背景美術頼みになることが多いのですが、
説明し過ぎず、抽象化し過ぎて意味不明にもならず、
想いがつながったあの現象の不思議さを維持しつつ、鑑賞者を上手く誘導できていたと思います。

“閉ざされた窓のセカイのミク”は助けを求めようと、
スマホ、テレビ、街角モニターと至る所から顔を出しますが、
私は最初『貞子3D』?ホラー?と訝しんで笑い堪えてましたw
実際、{netabare} ホラー映画見ていたらミクが出てきて悲鳴上げるギャグもありますしw{/netabare}

ただ、{netabare} 心が曇った人間にはバグに見えるミク、
荒んだ彼らの思念がセカイを飲み込む汚泥になる{/netabare} というのは
良い意味で真剣なホラーとも言えます。
ダークとキラキラの作風の使い分けにも意図を感じました。


アフターライブ。CGのボカロ、キャラたちのパフォーマンス映像。
CGライブが不気味になるのを防止するには、
振り付け等を絶妙に揃え過ぎないことが肝要ですが、
本作はそこも順調な進化で魅せてくれました。


【キャラ 4.0点】
新参者の私には把握し切れない数のキャラが繚乱。
なので外野の私に言えることは少ないですが。

一つ感じたのが、ボカロ、プロセカ界隈って、
美少女、イケメン、ボーカロイドたちが、比較的バランス良く融合しているんだなと。
平生、美少女ばかりの2.5次元世界に浸っている私には、そこが新鮮でした。

観客の男女バランスが丁度半々くらいのアニメ映画のスクリーンというのも、
中々ないので、何だか穏やかな気持になりましたw


キャラ大軍勢の中でも、各々にどんな役割を担わせるかは整理されていると感じました。
これならお祭りがグダグタになることもないでしょう。

私が印象に残ったのがストリート系ユニット「Vivid BAD SQUAD」メンバーたちが、
より良いパフォーマンスのため、端からは喧嘩に見えるくらいバチバチに議論を重ねるシーン。
これが{netabare} 何をやっても無駄だと諦める“閉ざされた窓のセカイ”の制作者{/netabare} と対照的で。
こうした点も、熱い想いを持ったキャラたちがセカイを動かす説得力をフォローしていたと感じました。


【声優 3.5点】
CV.藤田 咲さんのボイス素材を元にした合成音声から進化し続けるボーカロイド・ミク。

私は以前『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』で登場したミクの派生形態“発音ミク”の
藤田さんのアフレコをミク音声に加工したボイスを聞いて、
ボカロの技術もアニメだとまだまだなのかな?と思い、
今回の劇場鑑賞でもそこが不安点。

ですが、本作では、本家のミクの方もまた、声優の域からはまだ距離はあるものの、
抑揚も含めて、合成音声プログラムもだいぶ進歩しているんだなと感心しました。
もっともミクの他のボカロのボイスについては、やや怪しい部分もありましたが(苦笑)

何より{netabare} 「私はもう、諦めない」{/netabare} などのミクの“演技”に胸を撃ち抜かれた私がいましたし。


【音楽 4.0点】
当然、主題歌、挿入歌、アフターライブまでボカロ、プロセカ関連で固められた本作。

そんな中、メインフレーズとして多用されたのが「ハローセカイ」
“きっと届くはず きっと見えるはず”
との歌詞がシナリオの根幹に関わり、終盤のメドレーにもオマージュされる。
このシンプルな歌詞が、終盤まさかこれほどまでの涙腺攻撃力を伴うとは。


【付記】
ボカロ分からないくせに、無謀にも本作を応援上映で初鑑賞した私w
思えば応援上映なる企画にも初参加でした。

パフォーマンスに拍手したり、
ピンチに陥ったキャラに励ましの声援を送ったり、
こういう劇場鑑賞も一体感があっていいですね。
一体になったついでに上映終了後、特典色紙の交換取引が自然発生したりw

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』にて。
昔の街の映画館は、地域住民たちが作品に対するリアクションを抑制せず、
賑やかに映画を共有する温かい空間だったというシーンを思い出しました。

映画は、マナーを守って、静粛に鑑賞する物。
基本的に私もそう思いますが、それ“だけ”では映画が、かつての娯楽の王座に返り咲くことはないとも感じます。

アニメ映画の応援上映企画の拡大を通じて、
もっと自由に鑑賞スタイルを選択できる映画文化が広まっても良いのではないか。

令和の『ニュー・シネマ・パラダイス』に想いを馳せた劇場鑑賞でもありました。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 14

xwTza00790 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ネタバレ禁止ということでさらっと

初日は平日だったこともあって混んでいなくゆっくり見れました。
どうなんですかね、個人的にはボーカロイドは好きだし、プロセカも嫌いじゃないんですけど、映画的評価ってなると少し薄いんじゃないかなと感じました。

キャラがV含めて26人いるので、キャラを出すだけで相当時間かかります。
界隈的には誰が前に出ても優遇不遇ということで荒れるらしいので、結果的にこんな感じになったんだろうなという気がします。
限られた時間の中で見せ場が少ないんですよね。正直もっと期待してました。
ファン的には満足な作品になってるとは思います。

もっと頑張ってる姿を見たかったし、驚きが足りないかな。セリフで言っちゃってる部分は行動してほしかったし、ドタバタ感が少ない。音楽は良かったですね。流石音ゲーって感じでした。

まあでも、無難な話なのかなとも思ってるので、初音ミクが等身大で出る初のアニメなので、一見の価値はあるでしょう。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 1

まさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

バランスの取れた王道のファンムービー

プロセカやボカロ(初音ミク)のファン向けの良作です。ただ、ファンムービーゆえに最初から世界観やキャラについては知ってる前提で物語が進んでいきます。何も知らない人が見る場合は、ネットなどで最低限の知識を仕入れてからにしましょう。

元がソシャゲなので登場人物がかなり多いです。メインキャラの名前はともかく外見くらいは事前に軽く覚えておかないと混乱するかも。作画はメインキャラとモブの差が酷く、モブだから許して?感あります。

物語の根幹は普遍的なもので、何かを諦めかけて投げやり気味になってる人たちに歌でエールを送る感じです。それをプロセカの世界を舞台に「初音ミク」という存在を通して表現しています。また、随所にプロセカユーザーやボカロファンが喜ぶような小ネタがたくさん配置されてて、しっかりファンムービーに仕上がってます。

ミク含めてメインキャラたちがしっかり可愛く(カッコよく)描かれていて、物語も派手さは有りませんが無難で〆も悪くなかったので満足です。何よりも主人公のミクが健気で可愛過ぎた。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 1

83.9 2 オマージュで切ないなアニメランキング2位
86-エイティシックス-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (673)
2329人が棚に入れました
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう、表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区"》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)"となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる!

声優・キャラクター
千葉翔也、長谷川育美
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱり冗長で差別問題の掘り下げ不足だと思います。原作読後追記です。

原作の第1巻を読みましたので改めてレビューします。2クール目を見終わった後、冗長すぎて2クールの物語として成立していない気がしましたので確認のためです。

 やっぱり、アニメ版は相当引き延ばしがありますね。まったく1巻にないシーンがあります。ラノベは後から話を補ったり整合性を調整したりするために過去編とか補足を入れることがありますから、それを入れたんでしょうか。あの学園での講演のシーンって原作1巻にはありませんでした。スピアヘッドのシーンもアニメ版はやたらと冗長でした。

 話の構造についてはアニメ同様「差別問題」の不足感はありますね。差別問題はやっぱりセリフだけの説明に終始してしまいました。アニメ版の方がシーンで見させれれている分まだ感情的に動く部分がなくはないです。

 なんといってもSF設定として、社会の人口構成とか食料問題とか86の具体的な歴史とか兵器やITの技術レベル、部隊運用が差別とかの必然性が全く描かれていないので、セリフだけで終わってしまいました。差別はリソースの解消が主な理由ですが、86として有色人種を差別するという、その解決方法をとる必然性にまったく納得感がないと思います。
 また、差別の方法についても、自分の首を絞めているような馬鹿さ加減がリアリティを失わせていました。

 というように差別ありきのストーリ展開になっていますが、差別の結果の悲惨さをシンたちを使って描いた部分はわからなくはないですし、5人が生き残る経緯とレーナちゃんとのやり取り、過去の話は悪くはないです。

 で、原作と比較した印象と、アニメ版を改めて振り返って、アニメ版、本作の2話3話と最後数話の逃避行の部分が顕著ですが、そこの引き延ばしが冗長でしたね。

 原作は、SF小説ではなく「ラノベ」だと割り切って、楽しみ方は別にある。レーナちゃんとシンたちの素性の説明だと思えばまあまあかなあ、という印象でした。ちょっと厨2で熟語使い過ぎですがまあ雰囲気でしょう。
 これは原作が1巻に収まったからそう思えるので、1クールかかってやる話ではないです。一般論ですがラノベ原作なら1クールである程度丁寧にやっても普通3、4巻消化しますからね。
 あの設定過剰と言われる魔法科高校の劣等生ですら2クールで6巻分やってます。

 あのアネットの喧嘩と屋敷の実験の話はアニメ版が良かった気がします。あそこがあるから1クール目は成立した気がします。
 そして、最大の相違ですけど、レーナとスピアヘッド…特にシンとの交流が思ったよりも淡泊ですね。確かにレーナを見直してシンとのコミュニケーションはありましたが、それだけでした。

 つまりアニメ版 {netabare}レーナちゃんとの再会というか邂逅を2クール目のカタルシスに持ってきましたけど、原作ではその意図はもうちょっと違った感じです{/netabare}。その点ではアニメ版の方が上手く行ったかもしれません。それとも2巻3巻ではレーナちゃん、アニメよりも沢山でるんでしょうか。

 私に原作を買わせた点においては、アニメは成功?これから2、3巻チェックします。

 ただ、アニメのクオリティ、そして制作する姿勢は数多ある異世界ものより格段に丁寧だし、2クールの視聴に耐える内容はあると思います。
 私はSFには厳しいので酷評する部分もありますが、根本になるレーナちゃんとシンを中心にしたストーリーの出来は良いと思います。

 




以下 再視聴初回完走時の視聴時のレビューです。

 きっかけあって再評価しました。ちょっと面白いかも。

 かなりひどいレビューを以前しましたが、白い砂のアクアトープを見ていたら1クール目でJK館長の無力さを表現していました。で、その時「あれ、ひょっとして86も同じ構造だった?」と思いついて、断念した3話目の最後から視聴しました。

 なるほど、やっぱりそんな感じでしたね。まずレーナちゃんの挫折と覚醒の物語をやったわけですね。3話までのダラダラした展開と、レーナちゃんのミニスカとあまりに無能で独善的で押しつけがましかったのでムカムカして断念しましたが…その意味では以前の私の批評がそのまま演出意図だったのかもしれません。

 初回、2回目視聴時はレーナちゃんがケーキ喰ってるところ見るだけで「お前が死ね」という感じでイライラしましたが、それは自分事になっていないレーナちゃんの甘さの表現だったと。最後の方でアネットちゃんがちゃんと言ってくれたので、スッキリしました。

 で、あのアネットちゃんの話になるわけですね。これ勿体なさすぎます。1話か2話からもっとはっきり伏線這っておけば、興味が持続したし導入部として謎を上手く作れたのに。さらに兄の件もからめた伏線がはれれば結構分厚いストーリー展開になったと思います。(一応王宮の前云々という伏線はありしたね)

 後付けで説明みたいに見せられる感じがして、なんというか脚本の弱さで評価的に非常に損している可能性があります。本作の最大の欠点は1~3話の視聴者を引き込む力が弱かったことだと思います。原作がどうかしりませんが、ここは脚本と構成でなんとかすべきだったかと。

 4話~9話は結構入り込んでみることができました。10話の最後のあのメモリーの部分を演出に取り込んで、スピアヘッドの過去の皆の半年をもっと早い段階で見せれば2話、3話はもう少しうまくできた気がしました。

 ということでSF設定も落ち着いて考察しましたが、やっぱり本作のSF設定は非常に甘いと思います。社会の人口比問題とか、レギオン側の戦略の問題、AIの発展度合い、貴族無能すぎて社会が維持できないだろう、9年でそこまで豚扱いできるの?とか言いたい事はいっぱいあります。
 また、過去の個人の因縁にみんなつながりがありすぎて、おいおいそれはご都合主義だろうというのもありました。

 あのレギオンと脳波が繋がるような設定は、シンは死にかけたからと言っていました。自覚してませんでしたが昔実験した後遺症なんですかね?
 あと帝国って日本だったってこと?で86は帝国と同じ人種で日本人の子孫だったっていうことになるんでしょうか?これは深読みし過ぎですね。2期で確認しますけど。

 ただ、話として、貴族社会で正義を叫ぶ無力で独りよがりな正義感に浸っている少佐と、自分たちの運命を知っている被差別側のスピアヘッドという関係を作りたかったのはわかりました。
 この関係をあまり深く考えず受け入れれば、それなりに面白い話だったといえるでしょう。という意味で先ほどいった1~3話がもったいなかったですね。


 やっぱりアニメは最後まで見て評価した方がいいかもしれません。特にSFとか作り込んだ話は、今後は(なるべく)切らないで最後まで見るようにします。
 言い訳ですが、最近3話以降の結構遅い回から面白くなる作品が増えてきた気がします。まあ、1話のキャッチ―さばっかり気にするとおかしな話になるからいいのですが、3話または9話くらいまでひどすぎる話が多いきがします。

 ということで、2期に期待できる終わりかっただったし、結構面白かったです。批判しすぎました。ごめんなさいと言っておきたいと思います。評価上げておきます。

(追記 あの混血の子の背中の文字ってわかるんでしょうか。見えてるところがaughなので第一印象では笑うlaughなんですが、ちょっと横棒が見えるのでaughtだとするとcaught(つかまった)、daughter(娘)、naught(ゼロ、無い、無価値)あたりでしょうか)

 あと作画はムラがありますが、アベレージで見ると良かったですね。こちらもごめんなさいと言っておきます。





以下 1回目、2回目の途中断念時の視聴時のレビューです。

{netabare}
 2回目挑戦して結局断念しました。少し冷静にレビューしたいと思います。
 
 断念の理由は、1つは、ヒロインの日常生活時の描写が戦場で戦っている人間を想っているようには見えないこと。人間として扱っていないのはヒロインじゃないか、とも思いました。結局は86という制度を肯定している、といいましょうか。
 もう1つは、本当に戦う人間が必要な状況なら誰かが戦わなければなりません。戦争ですから。誰をチョイスするかで、人種差別があってはいけませんが、死そのものは避けられません。ヒロインはそれを忘れてしまっているように見えました。じゃあ誰が変わりに死ぬんだ?他の貴族に行けって?なら、代わりにお前が死地に赴けよ、と。

 さらに、SFをやるなら「取材」「研究」「教養」「想像力」が不可欠です。なんといってもサイエンスのフィクション、ですから。Fがファンタジーならいいですけどね。
 SFをするなら裏で相当頑張って脳みそを働かせないと、いい物はできません。異世界転生ものや、VRMMO、日常ものなどなら、テンプレ設定でそこそこ面白い話が描けても、このSFの世界はその点は甘くありません。まして、差別とか戦場での死とかをSFで主張するなら、なおさらです。そこの不足感が相当ありました。世界観、兵器、社会制度、AIのテクノロジーの度合い、等々です。

 SFに挑戦しようとする意気込みは買います。が、やはり、取材不足でSF作品、戦争作品として成立していない気がします。
 途中で断念したのでこの辺りの説明があったらすみません。


以下 視聴中のレビューです。

 原作等全く知りません。レビューもあらすじも見てません。それくらい楽しみにしておりました。

 第1話からヒロインの作画の同一性が厳しいですね。場面によって別人に見えます。髪の艶、背景など低予算の感じですね。ディスプレイの映像や光の演出などでがんばって雰囲気はだしていますが。

 女性の制服、いい加減ミニスカにするのやめられませんかね。他の良作アニメの女性の服装のリアリティはどんどん上がっています。安っぽく見えますよね。せめて学校の制服とは区別してよ、と。
 少佐が無能力なティーンですか。貴族特権ですよね。他人の批判する前に自分の能力を磨いたほうがよろしいのでは?

 第1話でヒロインサイドにコミカルな雰囲気は必要なし。そのくせエピソードも演出も陳腐ですし。
 第1話は状況の厳しさ、命の軽さを嘆くヒロインの心情や人柄、または舞台や技術設定などにフォーカスすべきでしょう。やっているつもりなら全然できていません。

 戦闘シーン、兵器のCGはなかなかいいのが救いです。

 「壁の中の貴族」が差別階級に戦わせる。設定は、亡国のアキトとかマージナルオペレーション的ななにかの雰囲気ですね。でもハンドラーの役割の意味がちょっとわかりません。

 科学技術の差が大きすぎます。少数の人間の犠牲で持ちこたえるには不自然でしょう。銀髪軍団たちは、無気力の極みですし。一人優秀な人間がいたから何とかなってたんですか?1国を滅ぼした戦闘機械軍団なのに?なら、それほど脅威じゃないですよね。

 情報の伝達方法をハンドラーがいきなり間違うとかそれは軍隊の最低限のルールでしょう。
 相手がAIに滅ぼされているので、AIは使えないという設定なのですかね。それにしては研究所らしきところではコンピュータ使ってましたが。戦闘記録は人力で作成するレベルらしいですね。

 まあ、どこかでいろいろ説明があるのかもしれませんが、ちょっとこの辺りを考察する気力もなくなってきました。
 何かを主題にして、それを軸に、というのが3話くらいまでに読み取れるなら、ここまで設定とか作画、演出にこだわらなくていいんですが、世界観もヒロインの目的もなにも提示できていません。言葉で「命は大切」って言ってるだけで、お前主体的に何かしたのかよって言いたくなります。演出が上手くて引き込まれるわけでもありません。

 ああ、いい言葉が見つかりました。クリエーターの気持ちが伝わってきません。

 楽しみにしていたのでちょっと辛辣になりました。お好きな方には申し訳ありません。残念ながら第3話の延々とつづく日常シーンで心が折れましたので、視聴は継続しないと思います。
{/netabare}

投稿 : 2025/03/15
♥ : 22
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

わたし、ホントは凄いんです(笑

第9話まで見た。
{netabare}主人公のレーナとシンは少々キャラクターが古臭く感じる。
もちろん絵的な意味じゃなくて。
第8話まではグダグダ感満載だったが、第9話でようやく大きく動いた。
2クールなのかな?
ここからが本番だと信じたい。{/netabare}

・第11話まで
2クール目への繋ぎとしてはなかなか。
アニメとしての見せ方が上手いのは感心する。
今後のヒロインの覚醒に期待!(笑

投稿 : 2025/03/15
♥ : 3

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたはゲームと戦争の違いを知っていますか?

この物語では、『あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重していますか?』と、問いかけています。
そして物語の中では、人間の強欲さや軍隊の理不尽な振る舞いが多く描かれます。
あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重してられますでしょうか?

この物語の背景では、大国ギアーデ帝国が完全自立無人戦闘機械(レギオン)を用いてサンマグノリア共和国などの諸国へ侵略を行っています。
サンマグノリア共和国も無人戦闘機械を用いて防戦をしているように国民へ公表しますが、その実態は第86区にいる少年少女たちを戦闘機に乗せて戦わせていました。

サンマグノリア共和国では、第86区に住んでいる人たちを人間として認めていません。その理由は『髪の色も瞳の色も違うから』 ただそれだけでした。
だから戦闘が発生しても戦死者はいつもゼロ。たとえ第86区の人たちが何人死んでも、戦死者はゼロと公表されます。

サンマグノリア共和国に住む16歳の少女レーナは、指揮管制官(ハンドラー)として第86区の精鋭部隊・スピアヘッドの指揮を執ることになります。
他の上官や同僚は、『第86区のものは将棋の駒と同じ』と考えているので、どんな犠牲を払おうとも気にしません。
でもレーナは第86区の人たちが人間であることを知っています。髪の色や瞳の色が違っても同じ人間であることを理解しています。

だから彼女は悩みます。
彼女の指令一つで何人もの人間が死ぬことを彼女は理解しています。
彼女は、指揮管制官となるには優しすぎる心の持ち主でした。

レーナは、理不尽な軍のやり方に憤りを感じます。でも、どんなに抗議をしても、軍の冷酷な命令は変わりません。
だから彼女は、隊員たちの命を守るために、あらゆる手段を講じます。
彼らを守るためならば卑怯者と呼ばれても気にしません。軍法違反も覚悟のうえです。

彼女が行ったことは確かに軍人としては問題ですが、人間としては大変立派な行動でした。レーナは部下を人間として尊重していたのです。
そんな彼女を私は尊敬します。


ところで、この物語を見て、ふと思い出したことがあります。
以前、米軍の戦闘機が敵とは無関係の建物を破壊したり、民間の人たちを殺戮したりしている映像をドキュメンタリーで見たときのことです。

数年前から中東やアフガンで戦う戦闘機の操縦者は、実はアメリカの米軍基地で操縦しています。
つまり、リモートで無人機を飛ばして地球の裏側の戦闘をしているわけです。
どんなことがあっても自分の安全が保障されているので、まるでゲームをしているように、「殺せ!、殺せ!」と戦闘員が叫んでいたのが忘れられません。

こうした愚行をする人はほんの一部であり、大部分の人は正常であることがわかっているのですが…
ゲームと戦争の違いが判らない人たちが戦争するのは、困ったものを通り越して恐怖です。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 49
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