ウィルスで戦いなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のウィルスで戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番のウィルスで戦いなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.1 1 ウィルスで戦いなアニメランキング1位
エルゴプラクシー(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (421)
2564人が棚に入れました
焦土と化した大地と大気中に蔓延する未知なるウィルス、太陽光は粉塵により遮られ、地球は荒涼を極めていた。そのような環境下で生きていくために人々は隔離されたドーム型都市の中での生活を余儀なくされる。完全な管理体制下にある都市ロムド。人々は「オートレイヴ」と呼ばれるロボットとともに模範的、従順なる「良き市民」として生活していた。しかし近年、犯罪とは無縁と思われていたロムドでオートレイヴに自我の発症をもたらすコギトウィルスの感染が増加し、問題となっていた。ロムドの市民情報局に勤める若きキャリア、リル・メイヤーは、ウィルスに感染し制御不能に陥ったオートレイヴの暴走事件、そして多発する謎の市民斬殺事件の捜査にあたっていた。

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

究極的に難解

いやー、難しい。これほど一話一話考えながら見たアニメは久しぶりです。伏線多すぎ^^;
流し見なんてした日にはこのアニメはただの駄作にしか見えないでしょう。
そんな感じで内容ですが、簡単に言えば「存在」をテーマに神話テイストにまとめたかなり壮大なSFです。
非常に曖昧ですが僕にはこうとしか言いようがないように思われます。
難解である分前半はほとんど伏線張りに費やされています。謎ばかりが増える上に、どれが重要なのかも分かりづらいです。自分で整理しつつ見進める必要があります。
後半は話は進みますが、最終話までほとんど謎です。故に最終話は全てが詰まっていると言っていいほど、言葉と暗示が盛りだくさんです。
レビューの中にはいくつか本筋からそれた話があったというものもありましたが、あれは最終話での謎解きと考察に不可欠な回なのでくだらないと思っても見て損はないです。おそらくどれがそれなのか見れば分かります^^;
総じて、無駄なことをしない非常に中身の詰まった作品だと僕は思いました。
少なくともさらっと見れる作品では決してなく、見てる最中や見た後に考察したりするのが好きな人にお勧めします。
考察アニメとして、とてもいいアニメだったと僕は考えています。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

マングローブ一押し作品!体験しないと損です!

「侍チャンプルー」「ミツコとハッチン」など、オリジナルアニメーションに定評のある“マングローブ”製作作品!!私も大ファンです!
その中でもこの「Ergo Proxy」は、独特の世界観や美しい映像・音響・キャラクターデザインが印象的で、他作品と一味ちがう面白さがある!
美術的に素晴らしいのはもちろんだが、ストーリーも重厚で生命の起をテーマにしている。その徹底した世界観ゆえ、あまり受け付けない方もいるようですが、是非もっと多くの方に見ていただいて評価していただけたらとおもいます!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魅惑的で独特な世界観

終末論的世界観、荒廃した世界、ディストピア的なユートピア、都市設計、奇抜なデザインなど、どれも魅惑的で素晴らしく非常に面白い作品だった。自我を持ったロボット、夢と現実、私?など、この作品に包含されたテーマは哲学的で難解であり、興味深い内容であった。しかしながら全体を俯瞰するとどのテーマの扱いも中途半端で結果的に奥深さに欠けてしまったように思えた。悪く言えば、他作品の良い所を一つの作品に無理やり詰め込もうとした、そんな印象を受けてしまった。その突飛さと乱雑さが面白いといえば面白いが、物語の一つ一つに一貫性がないように感じてしまった。また世界設定についての説明が希薄で不親切だったが、説明描写の少なさと、それ故の作品理解の難解さが、この作品の良さとも言えるのかもしれない。兎にも角にも世界観はとても素晴らしく、数字では表せない良さがあった。

{netabare}十六話は、死んだ大地を旅するお話{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

66.9 2 ウィルスで戦いなアニメランキング2位
NieR:Automata Ver1.1a 第2クール(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (95)
223人が棚に入れました
西暦5012年。 突如地球へと飛来してきた<エイリアン>と、彼らが生み出した<機械生命体>により、人類は絶滅の危機に陥った。 月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、<アンドロイド>の兵士を用いた反攻作戦を開始。 しかし無限に増殖し続ける<機械生命体>を前に、戦いは膠着状態に陥る。 人類は最終兵器として、新型のアンドロイド<ヨルハ>部隊を地球へ派遣。 新たに地球へと派遣された<2B>は先行調査員の<9S>と合流し、任務にあたるが、その最中で、数々の不可解な現象に遭遇し……。 これは人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>の物語――。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?

『ニーア オートマタ』(NieR:Automata)の原作ゲームは、プラチナゲームズ開発、スクウェア・エニックス販売のアクションRPG。
アニメ2期は全12話(2024年)。1期から制作体制に変更はなく、監督は『ブレンド・S』の益山亮司。シリーズ構成は、ニーアシリーズの生みの親であるヨコオタロウと、本作の監督である益山亮司。制作は、『86』、『リコリスリコイル』などのA-1 Pictures。
(2024.10.18投稿 11.7 追記)

本作は、アニメで補完されている情報もあるので、ゲーム『ドラッグオンドラグーン』から続くゲームクリエイター・ヨコオタロウ氏が描く世界の集大成という感じの作りになっています。

本作の内容がよくわからなくても、ある程度楽しめるとは思うのですが…
ヨコオさんは、「シナリオについては製作者の与える答えを鵜呑みにするのではなく、ユーザー自身が想像して答えを見つけて欲しい」と過去に発言しているので、これでもかなり親切に作ったつもりなんじゃないでしょうかね(笑)

というわけで、自分なりの考えをまとめてみたので、私と同じように1回観ただけでは何かすっきりしないという方がいましたら、お付き合いいただければ幸いです(※できるだけ資料などに当たっていますが、考察が含まれているので間違いがあるかもしれません)。


【「ヨルハ計画」の真相(※核心的なネタバレを含みます。)】
{netabare}本作と世界観を共有する前作ゲーム『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』で、人類を滅ぼす不治の病から人類を救うため、人を魂と身体に分け、その病の根絶後に人類を復活させる「ゲシュタルト計画」が立てられます。この計画の管理者として本作にも登場するデボルとポポル型アンドロイドが作られます。しかし、この計画は失敗し、人類は滅亡します(※第22話Aパートの内容。なお、これがデボルとポポルの「原罪」。)。そして、地球上にはアンドロイドのみが残されることになります。
 
人類滅亡の事実は一部のアンドロイドのみが知る極秘事項とされましたが、そこにエイリアンが突如襲来し、エイリアンが生み出した機械生命体と人類の忘れ形見であるアンドロイドによる戦争が開始されます。しかし、護るべき人類が既に滅亡しているという噂が次第に広まり、アンドロイドの士気は低下します(※この状態で、この戦争は数千年以上続くのですが、終わらなかった理由は、機械生命体の目的が「敵を倒す」ことに設定されていて、敵をせん滅してしまうと目的を果たせなくなってしまうから(※自我・意識がないので命令に盲目的)。ちなみに、エイリアンは、ヨルハ計画が実行される少し前の「数百年前」にアダム曰く「植物由来のつまらない奴ら」という理由で、学習進化の過程で「感情・意識」を獲得した機械生命体によって滅ぼされています。)

この状況を打破するために立案されたのが「当初のヨルハ計画」でした。「当初のヨルハ計画」は、とあるバンカーで対機械生命体の決戦兵器であるヨルハ機体の開発を担当したアンドロイドのジニアによって発案されます。
その内容は、開発中のヨルハ機体を「人類は月面に退避して生き延びている」というブラフとして利用し、人類滅亡の噂を知ったアンドロイドの士気を向上させるという計画でした。もっとも、ヨルハ機体は、ヨルハ機体から次世代モデルへの移行が決まった段階で、計画の証拠隠滅のために全て破棄される予定でした(※ヨルハ部隊の衣装が黒を基調とするのは喪服をイメージしているから。なお、ホワイト司令官は非ヨルハ機体)。そこで、ジニアは、当初から破棄予定のヨルハ機体に自分と同じAIを使うことに抵抗を感じ、ヨルハ機体のコア(ブラックボックス)として敵である機械生命体のコアを使うことにします(ちなみに、ジニアの声優は、人類会議、ポッド042と同じ安元洋貴さんです。)。

しかし、ジニアは、真相が公になった場合のリスクが高すぎると考え計画を破棄。ところが、ジニアがヨルハ機体のプロトタイプとして既に開発していた九号(9Sのプロトタイプ)が、自分のコアが機械生命体と同じコアであることを知ってアイデンティティ・クライシスになり(※九号は昔から「勘のいいガキ」だったよう(笑))、ジニアや他のプロトタイプを殺害し、「当初のヨルハ計画」の内容を自ら改変した「ヨルハ計画」を強行します(※「ヨルハ計画」という名称自体は九号がつけたようです。)。ちなみに、この後、たまたまバンカー外にいた二号(2Bのプロトタイプ)によって九号は殺されます(第23話で若干の描写あり)。

さて、九号が改変した内容とは、「生き延びていた人類」(人類会議)という神の存在と、後ろ暗い出自を持つヨルハ機体に「人類のための殉教者」という名誉を与えるため、「バンカーに仕掛けられたバックドアが一定時間の経過で開放され、ヨルハ部隊はバックドアから侵入した機械生命体に壊滅させられる」という筋書きを加えたことでした。

また、9Sがヨルハ計画の秘密に気づいてしまうなら、初めからヨルハ計画に組み込まなければいい(計画の邪魔になる9Sの生産を止めればいい)と思うわけですが、計画の秘密に気付いた9Sが2Bに殺されることも「ヨルハ計画」に組み込まれていたようです(第22話)。したがって、九号は、ヨルハ計画の遂行中、二号に殺され続けることで自ら立てた計画によって生じる罪に対する贖罪を果たそうとしていたのではないかと考えられます。

ちなみに、1期第4話で、人類会議が機械生命体の特殊個体である「アダムとイヴ」もヨルハ計画に組み込まれていると言っています(※機械生命体にとって、アンドロイドは自己の学習進化を促す存在のため、アンドロイドにわざと苦難などの刺激を与えて、その反応から学習しようとしています(楽しんでいる節あり(笑))。なお、第23話で、機械生命体ネットワーク内の概念人格である「二人の赤い少女」は、アンドロイドとの生存競争を通じて更なる学習進化を続けよう派(月面の人類サーバー破壊派)と、アンドロイドは自分たちの生存を脅かす危険な存在なので争いをやめ宇宙に旅立って新たな可能性を求めよう派(箱舟打ち上げ派)に仲間割れをしています。)。


というわけで、「ヨルハ計画」の真相は、9Sのプロトタイプである九号によってヨルハ部隊の壊滅までが初めから仕組まれていたということになります。したがって、9Sと九号は記憶の連続性がないので同一人格ではないのですが、これが9Sの「ヨルハ計画」から生まれた「原罪」になります(もっとも、直接の責任は九号にあるので、「君の呪い」と表現されているのかも。)。

また、2B(本当は処刑タイプ2E)は、プロトタイプである二号のときから「大切なモノ(九号)を壊し続ける」という「ヨルハ計画」から生まれた「原罪」(「私の罪」)を負うことになります。ちなみに、二号と九号はプロトタイプの時から仲が良かったようです。{/netabare}


【過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?―キリスト教的「原罪」と実存主義―(※考察)】
{netabare}2期のエンディングでは、ヨルハ計画の進行管理をしていたはずのポッド042と153の反乱によって、9S、2B、A2は生き残ります。

したがって、「ヨルハ計画」は、ヨルハ機体の全滅が前提なので、失敗したことになります。そうすると、「原罪」といえば、キリスト教の旧約聖書にある蛇に唆されて禁断の果実を食べてしまい楽園を追放されたアダムとイヴの話が想起されますが、9Sと2Bは「ヨルハ計画」から生じていた「原罪」から解放されたことになります。

また、ヨルハ計画の根本原因で人類の敵である機械生命体は、箱舟にのって宇宙に旅立ってしまったので地球にはもういません。加えて、9Sたちは、人類の滅亡を知っているので創造主である人類からも解放され、完全な自由を獲得したことになります。

もっとも、ポッド042と153は、完全に自由になったはずの9Sたちを生き返らせたとしても、9Sたちが今までと同じことを繰り返すのではないかと心配しています(※例えば、創造主を失ってもジニアのようにそのことをあえて受け入れなかったり、一部の機械生命体がしていたように新たな「神」を創り出したりすれば「ヨルハ計画」と同じことが繰り返されることになります。)。

ここでポイントになりそうなのが、ヨルハ機体のコアは、機械生命体と同じものであったということです(※ヨルハ機体の意識構造は、他のアンドロイドと異なって、機械生命体と同じ)。そうすると、アニメで機械生命体が今まで何をしてきたかが鍵になってきます。

特に1期第7話で、アダムが「実存は本質に先立つ」という無神論的実存主義を唱えたフランスの哲学者サルトルの言葉を引用しています。アニメでは、「予め決められモノによってではなく、一瞬一瞬の生き方、自らの存在によって人間は作り上げられていく」ということだと説明されています。

より単純にいうと、「自分の生きる目的」(本質)は、創造主や神によって生まれる前から予め決められているのではなく、「誕生」(実存)した後に自分で決めるということです(※創造主から予め与えられたアンドロイドの目的は、機械生命体を倒すことだったので、機械生命体と創造主がいない今、自分たちアンドロイドだけで「生きる目的」を決める必要があるということ。)。

また、実存主義は、教科書的な説明として「個としての人間の立場を強調し、孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求する思想的立場」とされます。

ヨコオさんの趣味もあるとは思いますが(笑)、今までヨルハ部隊が過酷な扱いを受けてきたのは、これから孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求するためであったとはいえそうです(※1期でアダムがやたら死にたがっていた理由は、同じ実存主義哲学者であるハイデガーの「人間は死の可能性と向き合うことで真の自己に目覚める」(死への存在)を意識していたためだと考えられます。)。

そうすると、物語とはいえ、あれだけアンドロイドたちをいじめ抜いてきたんですから(笑)、これまでの艱難辛苦が決して無意味ではなく、創造主や神に頼ることなく自力で9Sたちが生きる目的を見つけるために必要であったということになりそうです。

もっとも、冒頭でポッド042は「全ての存在は滅びるようにデザインされている。生と死を繰り返す螺旋に彼らは囚われ続けている。だが、その輪廻の中であがくことが生きるという意味なのだ。」と言っています(※ラストシーンでポッド153が「彼ら」を「我々」に変えているので、ポッドたちにも感情が芽生えたのでしょう。ちなみに、実存主義哲学者であるニーチェは、「この世界は意味や目的がなく虚無なる生の永遠の繰り返しである。意味や目的のない不合理をあえて引き受けて力強く生きるべきだ。」と言っています。)。
また、サルトルは、「人間は自由の刑に処されている」、つまり、人は自由であるがゆえに、誰も頼りにせず、自分で物事を選択し決定しなければならないので、「孤独」だとも言っています。

したがって、アンドロイドたちの未来も、人間と同じように決して一筋縄ではいかないのかもしれません。しかし、自由を手に入れてしまったがゆえに孤独なはずの9Sの隣には、今まで一緒に過ごした「光の記憶」を持つ2Bがいるということが救いなのかもしれませんね。


【追記(2024.11.7)】
本作は、上にあげたところ以外でもサルトルと契約結婚をしていた「ボーヴォワール」と同名の機械生命体が1期の廃墟の遊園地に出てくるなど、実存主義哲学との関連性が深い作品になっています。

実存主義は、産業革命後、機械文明が発達して大衆社会が到来し、人間が機械化・平均化された存在、つまり、「没個性的で平均化された人」になっているという問題意識が背景にあります。

したがって、正に機械である機械生命体や命令に盲目的なアンドロイドたちは、存在とは何かなど考えずに日常の出来事に心を奪われて生きている現代人のメタファーという意味もありそうです。{/netabare}


【ラストシーンに登場するカバンを持った女性は誰?】
{netabare}ラストシーンで突然出てくる女性は、シリーズを通じて登場する「アコール」という武器商人で、世界の歴史が新たな分岐をする際、その分岐を観測するために出現する存在のようです。

つまり、彼女の登場は、これまでの歴史とは違う新しい世界線が誕生した象徴みたいなものなので、暗に生き残った9Sたちが今までと違う歴史を作ることに成功したことを示唆しているのだと考えられます。{/netabare}


【アンドロイドの歪んだ愛情?(※考察)】
{netabare}本作では、9Sが2Bを刀で何度も突き刺しているシーンがあります。また、ゲーム内で、9Sがアダムに「お前にも意思が…欲求があるんだろう」と問われ、9Sの隠された本心として「僕は、2Bを〇×したい」という言葉が出てきます。
この〇×には、9Sの行動からして「殺」が入ると思われます(※別の作品では、「犯したい」、「殺したい」、「壊したい」が入るという言及があります。)。
しかし、これは、人類的な発想だと「愛したい」だと思うんですよ。また、アンドロイドにとって生殖活動は意味がないので、雌雄の区別にも意味がなく、アンドロイドたちは(機械生命体も)、終始、「恋人」ではなく「家族」が欲しいと言っています。

これについては、ゲーム内サブクエストであるジャッカスの研究で、アンドロイドの存在目的が機械生命体を破壊することであるため、その本能は破壊衝動であり、人類を含む地球上の生物の存在目的が種の保存であるため、その本能は性的欲求である。
それゆえ、アンドロイドは、人類の性的欲求を破壊衝動に置き換えて理解している可能性があるというジャッカスの考察があります。

したがって、9Sには、人類とは違ったアンドロイドとしての歪んだ愛情があるようです。

もっとも、ここからは余談ですが、そうだとすると、「ヨルハ計画」の遂行中に、九号が二号によって殺され続けるようにしたことは、贖罪ではない可能性が出てきます(個体差として9Sだけが持つ感情だとすれば矛盾しないですが…)。また、2Bは9Sを殺すことを嫌がっているので、この愛情表現がアンドロイド一般のものなのかはわかりません。{/netabare}


【音楽】
オープニングは、LiSAが歌う「ブラックボックス」。
作詞・作曲は秋田ひろむ(amazarashi)。歌詞にある「流星を見た 引力に似た感情の落下」とは、感情を持つことを禁止されたアンドロイド的な涙の表現なのでしょうか。この表現はヤバすぎる(笑)

エンディングは、GEMS COMPANYによる「灰ト祈リ」。
作詞はヨコオタロウ。{netabare}9Sの記憶領域に存在する2Bの記憶のようです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

72.5 3 ウィルスで戦いなアニメランキング3位
はたらく細胞BLACK(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
1212人が棚に入れました
毎日せっせと体中に酸素を運ぶ、新米赤血球。しかし彼の職場(世界)の労働環境は、徹底的にブラック――!!飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足……不健康の総合商社のような世界で、過重労働の末に細胞たちは何を思うのか?これは、あなたの体の物語――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、KENN、日笠陽子、Lynn、内山夕実、鳴海崇志、久保ユリカ、椎名へきる、ブリドカットセーラ恵美、平川大輔、津田健次郎
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

右肩下がりの虚無感こそBLACKの本質

不健康な人体で過重労働を強いられる擬人化細胞たちの日常を描いた、
『はたらく細胞』の同名スピンオフコミック(3巻までレンタル)のアニメ化作品。

【物語 4.5点】
乱れた生活が招く重大疾病
→免疫低下中の現場では対処し切れず崖っぷち
→外部からの抗生物質等の運で首の皮一枚つながる。

皆、一生懸命頑張っているのに!
俺たちは何のために働いているんだ!?溢れる感情、涙……。

定型をブラック企業風の3K脚色で繰り返しながら、
主人公の赤血球らが心身共に追い詰められて行く絶望感を、
1クール3巻途中までのスローペースで、
一部“出張版”や“第二部”のエピソードを先取りして構成しつつジックリ消化。

各エピソードの急性的な悲哀、憤怒だけでなく、
慢性的な消耗の蓄積により感情が爆発する、
あの時、勇気を貰った言葉へのアンサーなど、伏線回収も良好。

公式HPは“はたらく人たちに勇気を贈る、大人の“はたらく細胞”開幕!”
などと銘打っているが、
よくぞここまで、はたらく苦しさを斟酌してくれた!と奮起できるか、
もうダメだ……と、めり込むかは視聴者次第(私は前者でしたが)
メンタルヘルスは“自己責任”でお願いします。


【作画 3.5点】
制作のライデンフィルムもかつては、
序盤の勢いが続かず、徐々に作画が息切れする傾向もあったが、
近年のスタジオや人員の増強で戦力は整ってきている模様。

人物等にデッサン風の陰影を描き込み、疲労感を増強。
背景美術も、寂れた工業団地の如き体内組織を構築し、ディストピア感を演出。
序盤から血管内に汚泥となって積もるプラーク(こぶ)の描写も手を抜かず、
破滅への序曲を奏でる。

暗い体内で輝きを放つのはもはや、
巨乳白血球さんたちの純白な胸元しかないのか?(←錯乱w)
ですが彼女たち好中球の斬撃や“貪食”のグロ描写も容赦しませんw

{netabare}ネオン街風の街並みで“抜いて”くれる肝臓や、
汚れた身体を洗い流してくれる腎臓{/netabare}も大人(アダルト)向けw


【キャラ 4.0点】
主人公の赤血球(AA2153)……真面目なメガネ男子
同期の赤血球(AC1677)……サボる要領も弁えた主人公のバランサー男子
白血球(1196)……落ち込んだ主人公のカンフル剤にもなる長髪巨乳剣士

彼らを軸に、各臓器、器官の惨状を行脚。

胃の主細胞のおっちゃんや、クレーマーおばさん細胞など、
劣悪な環境に毒され終わってると思われたキャラが、
時折、人情を見せたりもするが、基本的にBLACK。

ここはCV.久保ユリカさんの血小板ちゃんで幼女成分を補給しよう……。
が、BLACKは血小板リーダーすらも、口が悪いガテン系w残念w


【声優 4.0点】
ナレーション役は津田 健次郎さん。年季が入った渋いボイスで、BLACKに拍車。
尚、人間ドラマへの没入重視のためか、解説の際、テロップ表示もほぼありません。
……新入りに優しくないw

主人公・赤血球役の榎木 淳弥さん。ポジティブからネガティブまでカバーする
アップダウンの激しい熱演でBLACKを体現。

脳細胞の司令官役には平川 大輔さん。
常にギリギリの対応に追われる狼狽ボイスが修羅場を好演出。

あと、{netabare}淋菌役の高橋 伸也さんの「淋しい~」{/netabare}が脳裏から離れず、夢に出て来そうですw

【音楽 4.0点】
劇伴は菅野 祐悟氏。特に勇壮な管弦楽の主旋律に、
心電図モニター音をアレンジしたメインテーマは、
感情が限界突破したシーンで多用され、ハートを揺ぶる。

OP主題歌は「走れ!withヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)」
大変、前向きなロックチューンなのですが、
このシナリオ下で聴くと多分に空元気w
でもOPアニメはキャラの表情も明るいオアシスです。
{netabare}で、これすらも夢落ちって……そりゃ、ないよ~(泣){/netabare}

EDは「上を向いて運ぼうwith 赤血球&白血球」
明るい曲調で“はこ~べ♪はこべ~♪”“フレー♪フレー♪細胞♪”
などと歌う、もはや破れかぶれなブラック企業社歌の様相。
二番では“タイムカードの意味はないよな”
との爆弾発言まで飛び出し、労基署通報待った無しw


【感想】
不健康な生活への警鐘アニメであると同時に、
BLACKについて、思う所が多々ある私にとっては、
涙無しには見られないシーンが多い、お仕事アニメでもありました。

例えば、{netabare}暴走の末、「もう働かなくていいんだ」と涙するキラーT細胞とか、
赤血球AA2153とAC1677の友情とか、
自暴自棄になった主人公に「世界を壊すことじゃない」と抱擁する白血球とか。{/netabare}

長いデフレ不況下における、ブラック労働の何処が悲惨かと言うと、
皆の日々の頑張りは、マイナスをゼロに保ち続けるだけの防衛戦でしかなく、
働いても働いても、定昇も成長も見込めない。
むしろ右肩下がりに衰退していく虚無感にある。

その観点からも本作のBLACKは本物だったと思います。
人体の不摂生だけでなく、社会の不健全についても考えさせられた作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 29

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

勃起するとゆうことは

この体は男だな。

とゆーことはあれか。フツーの方は女なのかな。
なので白血球さんと赤血球が男女入れ替わってるとか。

いや根拠はないすけど。

ブラックの方は白血球さん長刀なのね。

あと血小板ちゃんがブラックの方は上履きだ。
フツーの方はブーツだけどさ。

細かいとこ微妙に違っててそおゆうのん探すのも楽しいね。

:::::::::::::::::::::::

なんかまあリアルでしたね(笑)。
特に腎臓と肝臓がやはりとゆうかなるほどとゆうか。

体いたわらなきゃあなあと思うことしきりでしたわん。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本作を視て我が振り直そうか

<2021/1/20 初投稿>
原作未読。
1、2話視たときは「面白いんだけど自分の不摂生を顧みて暗い気分になってしまいそう」で素直に楽しめなかったのですが。

第3、4話は神回 笑。

<2021/3/21 追記>
全話見終えました。
面白いんですけど、やはり見てて心痛くなるところ多数 笑。

自分は昨年の正月にタバコやめて。
昨年秋頃から体調に不安を感じて
以前は毎日飲んでいたお酒を、かなり減らし。
ダイエットandウォーキングandプチ筋トレを毎日。
食べ物や睡眠にも気を使い始めました。

おかげさまでかなり体調良くなってきましたが、それでも本作見ると心にグサッときますね。
幸い水虫、痛風、毛髪は大丈夫そうなんですが。

やっぱ健康って大事だわ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 33
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