アパートアニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のアパート成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番のアパートアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.0 1 アパートアニメランキング1位
おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)

2012年7月1日
★★★★☆ 3.9 (1831)
9989人が棚に入れました
いまや全世界が待望する、細田守監督の最新作は「母と子の物語」。おとぎ話のような不思議な恋をした女性・花は、おおかみこどもの姉弟、"雪"と"雨"を育てることになる。「親と子」という普遍的なテーマを、人間とおおかみの二つの顔をもつ ≪おおかみこども≫ というファンタジックなモチーフで描く。いまだかつて誰も見たことがない傑作が誕生する。

声優・キャラクター
宮﨑あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花、加部亜門、林原めぐみ、中村正、大木民夫、片岡富枝、平岡拓真、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、菅原文太

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おおかみ?にんげん?どちらとして生きるか?それを見守るお母さん!

おおかみ男と結婚した女性から生まれた子供はおおかみと人間のハーフでした。子供は2人いて一人は活発な女の子、もう一人は引っ込み思案な男の子。その二人の子供を育てるお母さん。この三人が主人公です。小学校高学年になった少女と少年はおおかみとして生きるか人間として生きるかを決断します。それを見守るお母さん。どうなるかは実際にご覧ください。自分で道を決めることに大切さや子育ての楽しさや苦しさを観ることができる作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 79

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドラマツルギー

一人の女性が、オオカミオトコとの出会いから始まり、二人は子供を授かるが、オオカミオトコは、狼の本能なのか、寿命なのか、人間として思う事があったのか、身投げして亡くなる、そんな悲しみの只中にありながらも、残された人間と狼との間に、出来た子供を育てていく母親の物語でもあり、3人の家族の物語。

正直に言ってしまえば、この上ない悲しい物語に感じるが、本作はこの悲しさを愛で覆い尽くすかのように、家族の過酷な生き様を、本当の家に帰ったような安堵を覚えるような安心感に変換してくる。オオカミ子供を育てる過酷さ&母の強さの中に育くまれた「生きる」という中に、「シアワセ」があるという単純さを、まじまじと味あわせてくる。

観ているだけでいつ倒れてもおかしくない母の姿。オオカミ×人間の子を誰にも知られずに、ただ一人育ててゆくと決めた母の姿は、何よりも美しい。たが現実という名の風は、容赦はしてくれない。オオカミの姿を誰かに見つかってはいけない、ただそれだけでも、どれだけの神経をすり減らして暮らせばならないのだろうか。まさに綱渡りのような毎日。それは見ていて苦しい位だった。

だが、逆に子供達が成長し家族3人の笑顔を見る度に感動してしまう程で、3人の笑顔はどのカットの場面もアルバムから出てきたように、満面の笑みで「シアワセ」を感じさせてくれる。

子供達がある年齢になり、交差点に差し掛かることになる。それは人間として生きるか、オオカミとして生きるかだった。ラスト、二人が決断した道の上で、微笑む母の笑顔が本作を物語っている気がした。二人の子供達はずっとこの笑顔に守られて、自分の生きる道を見つける事が出来たからだろう。本作のような作品に出会う度にアニメのありがたさと、ドラマっていいよな、と改めて痛感する。

「そう・・・・・・、人はドラマを求めるだろう?まるで栄養でも求めるように」 by 阿良々木暦w

投稿 : 2024/11/23
♥ : 55

風紀 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心がほっこりする

予想以上に良かったです。
物語の展開が今までにない新しいスタイルでとても面白い作品でした。

声優は宮崎あおいさんと大沢たかおさんということで正直、
あまり期待していませんでしたがなかなかすごい。
特に大沢さんのおおかみおとこはかっこよかったです。
カッコよさを主張するわけでもない冴えない感じがとてもキャラと合ってました。
雨と雪の声も結構、というかとても上手でした。
俳優・女優が声優に挑戦した映画の中では例外といえるほどなじんでいました。

さて、メインのストーリーはというと。
サマーウォーズのような派手さはなくて、
むしろありふれた日常を描いた作品だったように感じました。
一番近いのは「となりのトトロ」でしょうか。
もちろん、神様がでてくるわけではありませんが子供たちのやりとりがメイとさつきのようでした。
生まれてから少年期までのお話なのでハイペースで成長していきますが、
まったくはしょった感がなく自然なストーリー展開でした。

おおかみこどもを育てる大変さがとても実感できます。
都会での冷たい人間関係。
夫が死んでしまい母子家庭で頑張る花。
それを暖かく見守る田舎町のやさしいご近所さん。
特に生活の描写が丁寧で、かといって小難しくなく、
こういったところで細田監督の実力を垣間見た気がします。
子供二人の遊ぶ姿が萌えとかではなく純粋に可愛かったです。

成長するにつれて変化する二人は素晴らしかった。
半分の狼だけどやっぱり女の子な雪に、
半分人間だけどやっぱり狼な雨の考え方や人格の表現の仕方がすごい。
特に後半からの思春期の二人や親子の掛け合いがジーンときます。
狼人間なんていないけど胸を打つシーンがいくつもありました。

でも、小学生が見る作品ではないなと思います。
10代後半以上ぐらいがターゲットでしょう。
大事件やアクションシーンはないのでそういうの目当ての人には微妙かもしれません。
むしろ、童話や絵本とかが好きな人にはすごくおすすめします!

もちろん作画もいうことなし。
そこはさすが細田監督というかアニメ監督としてのプライドを感じました。
キャラデザは最初はちょっと目が離れてるなって思いましたが、
見ていくにつれとても自然になっていきました。
全体的に高水準。

ここ最近で見た映画の中でダントツ一番です。
とても感動できる心温まる映画でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

67.0 2 アパートアニメランキング2位
だれかのまなざし(アニメ映画)

2013年2月1日
★★★★☆ 3.9 (304)
1386人が棚に入れました
就職を機に一人暮らしを始めた社会人2年生の岡村アヤ、通称「あーちゃん」と、お父さん、お母さん、猫のミーさんが織りなすストーリー。野村不動産グループ「プラウドボックス感謝祭(2013年2月)」のオープニングフィルム。

声優・キャラクター
平野文、花村怜美、小川真司、遠藤璃菜、下崎紘史、石嶋久仁子、藤原由林

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

7分で思い出せるさまざまなこと

何度観ても泣いてしまう新海誠監督の7分のショートアニメ。

幼い頃は何を見ても大きな発見で、何かができるようになれば
それは親も子も大きな喜びだったはずなのに、
いつのまにか喜びは外からやってくるようになる。
それが成長というものだから、と親は諦め半分喜び半分。
子どもにとっても段々と親は疎ましい存在になっていく。

本音と真実、嘘と事実。裏腹な気持ち。
親の想い、子の想い。
何も言わなくても伝わるものと、何か言っても伝わらないもの。
親子のそんなせつなさを見事に描き出していて、
自分の小さい時のこと、学生時代、1人暮らしの日々や
親とのことをいつのまにか重ね合わせてしまう。
そして誰かがいつも見守ってくれていたことに気づいて
思わず涙が溢れてしまう。

7分だが30分くらいは観た気になる。
でもその気持ち的30分の中には、
描かれる家族の20年以上もの年月が凝縮されている。

桜の花びらの舞うまばゆい都会の景色。
新海監督の描く風景は相変わらず美しく、繊細だ。
やさしい音楽もとてもいい。

そしてあれだけ写実的に描かれながら仔猫だけがいつも
イラストチックなのが「らしく」て良い♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 80
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とてもあたたかい気持ちにさせてくれる7分間

新海誠監督作品です。
「言の葉の庭」と同時公開された短編アニメーション。
DVDには未収録です。
現在はCMとしてyoutubeで無料公開されています。

http://www.youtube.com/watch?v=mpwoGkKQDik

ごくごく平凡な家庭。
その中にある「家族のきずな」。
ささやかながらかげがえのない幸せ。
とてもあたたかい気持ちになります。

7分間と短いのでさくっと見られます。
ストレスのないアニメです。
あっという間に3回も見てしまいました。

「だれかのまなざし」がだれのまなざしなのかは、視聴すればわかります。
{netabare}
猫といえば新海誠、新海誠といえば猫。
だれの作品かすぐわかるくらい板についています。
{/netabare}
和やかで、ちょっぴり切なくて、ほんのりと涙を誘う展開。
家族のいる幸せというものがよく伝わってきます。

作画と音楽のレベルが高いのもポイントです。
気晴らし程度にでもいいので、どうぞご覧ください。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 77
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見守るその先には……

新海誠監督の作品
約7分のショートストーリー

みなさんのレビューを読んで、YouTubeで無料で観れるということなので、早速観てみました^^

近未来のお話、でもちょっと進化しているだけで普段私含めてみなさんが生活している現代とあまり変わらない感じです。

冒頭、平野文さんのナレーションからはじまり、やさしく語りかけています。

短い作品なのであっという間に観終わります。

最後の方はちょっとウルウルしてしまいました。

新海監督の作品を観たことがない方には、「こんな雰囲気をもった感じの作品を作る方ですよ」と紹介できますし、ファンの方にはもちろん、まだの方は是非観てくださいね。

最後に、{netabare}この作品では猫ですが、私は自宅に犬を飼ってます(今は2代目)最初に飼った犬のことを{/netabare}ちょっと色々と思い出しました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59

61.4 3 アパートアニメランキング3位
聖☆おにいさん(アニメ映画)

2013年5月10日
★★★★☆ 3.5 (139)
736人が棚に入れました
ブッダとイエスが、下界のバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート(風呂なし・ペット禁止)の一室で「聖」(せい)という名字で暮らすという設定で描かれる日常コメディ。

声優・キャラクター
森山未來、星野源、鈴木れい子、来宮良子

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ブッダとイエスが立川で暮らす日常コメディ

ブッダとイエスが立川でアパートで暮らしているというぶっ飛んだ設定の漫画が原作のアニメです。作者は「荒川アンダーザブリッジ」でも人気の中村光先生です。「荒川アンダーザブリッジ」も2度もアニメ化されており有名ですね。

このアニメの見どころはやはりイエスとブッダならではの聖人でありながら立川という街で庶民的に暮らしているというギャップですかね。
舞台となっている立川の描写も良く描けていたと思います。

主題歌はブッダ役でも声を担当している星野源さんです。星野源さんは「夜は短し歩けよ乙女」でも声優してますね。今作でのブッダの芝居も良かったですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

水咲 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

TV放送もして欲しい

原作は2巻まで読んだはずですが、あまりにゆるゆる過ぎてほとんど内容を覚えていませんでした。
完結したらまとめて買おうとずっと待っています。

そして映画の方もゆるゆるです。
最初は何でプロの声優を使ってくれなかったんだ…って思ったくらいのなかなかの棒っぷりでしたが、えらくゆっくり時間が進む感じが、「まぁ、これでもいいんじゃないかな」と納得していまいました。
悪い風に言えば、「テンポが悪い」なのかもしれませんが、それがこの作品の醍醐味だと勝手に思ってます。
主人公はこの聖☆おにいさん方、ブッタとイエスなのですが、言葉遣いがナヨナヨしてるので今流行り(なのか知りませんが)のホモだのなんだの言われそうな感じです。
しかし聖人をそんな風に見てはいけない!
あと熱心な宗教家の方からお叱りを受けそうな感じかなーと思いますが、個人的には面白ければ何でもいいので知ったこっちゃありません。
で、そのナヨナヨした喋り方が結構笑えます。
プールでの台詞、「もういい、歩いちゃう!」とか結構ツボりました。
お祭りのエピソードは近所の子供達に視点が当てられてて、そこは正直ちょっと退屈でした。
原作はどうなっているんでしょうか。
1巻か2巻に収録されてるのに忘れてるのか、3巻以降のエピソードなのかよく分かりませんが、全体的に見てすごく良かったです。
声やゆっくりしたテンポで観る人を選ぶかもしれませんが、観れると思った人は頭すっからかんにしてお茶をすすってせんべいを食べながら、是非観て欲しいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

74.7 4 アパートアニメランキング4位
四畳半タイムマシンブルース(アニメ映画)

2022年9月30日
★★★★☆ 4.0 (55)
364人が棚に入れました
八月、灼熱の京都、左京区。おんぼろアパート「下鴨幽水荘」で唯一のエアコンが動かなくなった。悪友の小津が昨夜リモコンを水没させたためである。「私」がひそかに想いを寄せる後輩の明石さんと対策を協議しているところに、見知らぬ青年が現れた。

彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そこで「私」は、彼のタイムマシンで昨日に戻り、壊れる前のリモコンを持ってくることを思いつく。ところが、タイムマシンに乗り込んだ小津たちが、リモコンを持ってくるだけにとどまらず勝手気ままに過去を改変しようとするに至り、「私」は世界消滅の危機を予感する。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夢破れて四畳半あり

サイエンスSARU制作。

灼熱の京都、下宿先の下鴨幽水荘で、
クーラーのリモコンが壊れ絶望していた私の前に、
タイムマシンに乗ってやって来た青年が現れる。
真夏の大騒動、そして私の恋の行方!?

夢破れて四畳半あり、私の不毛な学生生活も、
下鴨荘を取り巻く面々は変わらず賑やかである。

{netabare}タイムマシンが本物だと知った私たち、
水没したリモコンを救いに、前日に戻るも、
過去の改変は世界を消滅させてしまうのではと、
辻褄合わせに奔走するコメディである。{/netabare}

かみ合わない会話と勘違いに笑える。
娯楽性に溢れ、物語の収まりも良く楽しい。
キャラクターの役割分担も良いし、
単純に映像が美しくなりとても観やすい。

やがて物語の局面が重なり全容が見え始める。
{netabare}私が約束した五山送り火、恋の行方は、
夏の終わりに素敵な余韻を残し心地が良い。{/netabare}

今ここにいることへの祝福、
とても良質な物語だと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

神話大系よりテーマは薄いが、面白さアップ。最後は結局??

「四畳半神話大系」の設定は引き継いでいますが、独立した話として成立していました。ややこしいことに本当に独立しているかどうかは定かではないし、ジャンルをどう捉えるかは人それぞれだと思いますけど。

 神話体系のような哲学的というか、青春の捉え方というか、そういうストーリーとは違って、かなり純粋に楽しめます。面白さだけでいえば、圧倒的に本作の方が面白いです。
 時間的にも映画と同じくらいで終わります。そのせいで構成も脚本もちゃんと練り込まれているのも、ダラダラ中だるみがなくて興味が途切れませんでした。

 作画は相変わらずの独特な表現で、本作を見る楽しみとなっています。京都と古い下宿という舞台に不思議とマッチした味のある作画でした。
 その独特の作画の中、明石さんが大正時代のような雰囲気を持ちながら現代的な少女なのがなんとも可愛いです。坂本真綾さんの演技もさすがです。

 キャラたちも整理されて、登場人物の動きが理解しやすいので、神話大系ほど面倒くさくないのも良かったです。

 なお、今回気が付きましたが、小津、樋口、明石って映画監督の名前でしたね。なにかあるのでしょうか?

 で、ストーリーですが、本作はどこに解答があるかも含めて謎を考えるのが面白いので、まず見て欲しい作品ですが、ディズニー+独占だとちょっとハードル高いかもしれません。解答について思うところはネタバレにして下に書きます。

 評価は高くていいと思いますが、深さがちょっと…と思わなくはないです。名作認定まではいきませんが、十分秀作でしょう。評価4.3くらいで80点程度は十分あると思います。1回しか見ていないので発見することがあれば、またかえます。

 で、ネタバレですけど…

{netabare} (ディズニー+の区切りで)5話まで見ればタイムトラベルもので、ラブコメの結末の物語でもあります。明石さんと主人公が結婚して子供が出来て、その子が田村だという話です。ここまでで十分面白いですが、6話ですね。これを見ると「あれ?本作全体が映画の一部ということ?」と混乱させられます。どこまでが現実なんでしょうね?

 鯖鉄道で何が言いたいかです。あのおかしなロゴマークに何か意味があるのか。あるいは「心の中にある物語」として、タイムマシンブルースという映画の伏線というかアナロジーになっている気もします。

 99年前にクーラーのリモコンがある時点で解決に納得感はないですし、この世界観にタイムマシンというのも唐突感はありますので、全部が「四畳半タイムマシンブルース」という映画でした、というほうが、SF的ラブコメとしては説得力はあります。

 ラブコメの結末としては、現実にタイムマシンが来た話ならハッピーエンドで、めでたしめでたしと思いたいところですけど、本作も神話大系の一つだと思うと、世界線の一つで映画をとりましたというのが正解でしょうか。
 ただ、映画の結末は本来なら宇宙の崩壊のはずなんですよね。そうなってないということはどういうことでしょう?一筋縄ではいきません。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

nyamu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

四畳半「らしさ」そのまま。満足できる

別に四畳半神話大系の「続編」というわけではなさそうだけど同じ舞台、同じメンバーが出てくるのでアニメの方を先に見ておくと吉。
というかアニメの方を見ていないのにこちらを見る人は少ないでしょうけども。

今回の映画では登場人物も会話劇も絵柄も演出も同じような四畳半「らしさ」がそのまま引き継がれていました。

ストーリーはタイムマシーンといった小道具を使って映画の尺に合わせて構成され、小津や師匠、羽貫さんなどに振り回されるドタバタ劇に至る所で笑わせてもらったし、アニメ同様に最後は綺麗に終わるので観終わったあとの満足感は非常に高かったです。
アニメの四畳半神話大系が好きだった人ならきっと楽しめると思います。

それにしても主人公から見る明石さんのなんと可愛いく美しいことか!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

65.4 5 アパートアニメランキング5位
ペット(アニメ映画)

2016年8月11日
★★★★☆ 3.7 (32)
160人が棚に入れました
大好きな飼い主ケイティと不自由ない生活を送っていたマックスの生活は、ケイティが毛むくじゃらの大型犬デュークを保護して連れて帰って来た瞬間から一変!お互いに自分が優位に立とうと奮闘する中で、ある事件をきっかけに2匹は都会という荒野で迷子になってしまう!果たしてマックスたちは、ケイティが帰宅するまでに家に帰ることができるのか…!?

声優・キャラクター
設楽統、日村勇紀、佐藤栞里、永作博美、沢城みゆき、銀河万丈、山寺宏一、中尾隆聖、宮野真守、梶裕貴

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『トイ・ストーリー』っぽく始まっておきながら・・・?ペットにまつわる悲喜交々を毒っ気たっぷりで送る傑作コメディ!吹替でどうぞ!!

『怪盗グルー』シリーズのイルミネーション・エンターティメントが手掛けた6作目の3DCG長篇映画


ニューヨークに一人暮らしする女性、ケイティに飼われる小型犬のマックス
マックス達が暮らすアパートにはマックスの他にも大小様々なペット達が生活していたが、ペット達は飼い主達が留守の時、実は好き勝手し放題の野放し状態だった
あるものは主人のご馳走を頬張り、あるものは部屋間を勝手に移動し、またあるものは大音量で音楽を流してパーティーを開く・・・
そんな中、飼い主ケイティを心から愛しているマックスの元にケイティが超大型犬のデュークを引き取ってきてしまう
マックスは餌やお気に入りのベットを奪われ立場を追われる
何とかデュークを追い出そうとマックスは姑息な罠でデュークを嵌めようとするのだが・・・


とまあ、ここまでは『トイ・ストーリー』っぽいなと思う方がほとんどだと思います
マックスとデュークは誤ってニューヨークのど真ん中で迷子になってしまい、帰宅する術を助け合いながら模索するのですが、そんな最中に彼らが出会うのが人間から捨てられた「元ペット軍団」を率いるウサギのスノーボール


このスノーボール、見た目に反して凶暴かつクレイジー
『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』の殺人ウサギを思わせつつも、そもそも“snow bunny”ってのはコカイン常習者を表す隠語だそうで(笑)つまりこのスノーボールもそういうキャラとして描かれています
ウサギなのに自分らを捨てた人間への復讐を誓い、「人間を皆殺しにする」と高らかに宣言する様は狂気染みてるのに滑稽で笑いが止まりませんw
こうしたブラックな暗喩、風刺の効いたギャグがてんこ盛りなのが本作の特徴


極めつけは人間の身勝手で都会に連れ込まれ、あげく捨てられた猛獣がマックス達のせいで死んでしまうという描写があることです
ここは大一番の笑いどころなのですが、あまりに酷い目に遭うのでこれを単に可哀想、不謹慎だ、としてしまう人にはあまりこの映画はオススメ出来ない
よく動物愛護だのと掲げて過剰な抗議行動に出る人がこの映画を観たら怒り狂うことでしょう
ちなみに自身も猫を飼ってるオイラから言わせて貰うが、(フィクションでアニメーションであることを前提に)このシークエンスは本当に爆笑モノでした
え!?殺しちゃうのwwwってな具合


犬を飼っていれば経験あるであろうイタズラの数々、猫を飼っていればあるであろう独特の仕草なども丁寧に描かれているので単にペット好きの方が楽しめる内容ではあります
“動物”ではなく、“ペット”を描いてる点が今作のポイントなのです
近々に公開された似たような映画の『ズートピア』の世界には人間がいないので人間に飼いならされた犬や猫は存在しない設定でしたからね
だからむしろ犬、猫が観どころなんです


あと仲間を引き連れて闊歩するマックスの姿にN-Tranceがカバーした「Stayin' Alive」を流すとか誰がどう観ても『サタデー・ナイト・フィーバー』のパロですよ
劇中では北米ヒットチャートを賑わした名曲が次々と流れたり、数々の映画パロディが映し出されます
メインテーマはTaylor Swift、さらにPitbullが流れたと思いきや、Macklemore&Ryan Lewisの「DOWNTOWN」ときた
この辺りは『ミニオンズ』が往年のロックで固めていたので現代のヒットポップスを中心に揃えたという感じでしょう
ある種の音楽映画としても十分楽しめます
ちなみに日本専用に家入レオが楽曲提供したそうですがあくまでイメージソング扱い、ということで映画には一秒たりとも使われてませんのでご安心を(笑)


さらにマックスの失踪にいち早く気付き、仲間を集めてマックス捜索を開始するポメラニアンのギジェットがめちゃくちゃ可愛い(そして強いw)
濃ゅいキャラ達の中で全く埋もれていない存在感を放つヒロインです


そして今作で最も褒め称えたいのが何といっても【日本語吹替版の完成度の高さです】
主役のマックスとデュークの二匹にはお笑いコンビ、バナナマンこと設楽統と日村勇紀
もともと声優経験豊富な二人ではありますが、今回の二匹は二人の為に用意されたのでは?とカンチガイするほどの嵌り役っぷりで諸手を挙げて絶賛したい
さらに脇を固めるのが超豪華声優ばかりでディズニーやポケモンを突き放す勢いです
ヒロインのギジェットに沢城みゆき、発狂ウサギのスノーボールに中尾隆聖、野良猫のオゾンに山寺宏一、仲間達を導く老犬ポップスは銀河万丈といった様に名前だけで痺れてしまうような名優ばかりです


で、これはネタとしてぶっこまれたんでしょうがw
老いて少々病んでる鷹のタイベリアスに宮野真守が起用されてるのに、何故か芝居はチョーさんのモノマネみたいになっているw
さらにモルモットのノーマンは声が甲高く加工されたキャラなのにまさかの梶裕貴であるw
本人も「これ僕じゃなくてもいいんじゃw」と言ってるし、何故に“犬や猫”の映画に“亜人と巨人”を連れてきたのかは意図不明w
こんなんで釣れる客がいるのか疑問ですが、面白かったのでオイラ的には賞賛するしかない


先にも言った通り、あまりにも毒っ気が強いんだけどド直球で笑えて楽しめる作品になってます
ペットと元ペットの争いを描きつつ、普通なら動物は大自然に返した方が伸び伸び生きてけるよ、というオチをつけた方が定番な気もします
『ルドルフとイッパイアッテナ』がそーゆー映画でしたよね
が、この映画の場合、というか今のニューヨークはペットにとっても暮らし易い街になりつつあるそうです
だから結果的に野生よりむしろペットとして生きた方が幸せなんだよ、なんてオチが付いてしまうんですわ
そこが面白い!


一方劇場では洋画パロディや深刻なテーマ性など解るよしも無い小さな子供達も一緒になって大爆笑してました
一見して子供向け・・・などと切り捨ててしまう人には分からないでしょう
ぜひ洒落の分かる人に強く薦めたい映画です

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6
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