Witch さんの感想・評価
3.1
石野さん(♀)の「イケメンぶり」に惚れる1期
【レビューNo.95】(初回登録:2023/11/19)
コミック原作で2018年作品。全12話。
「もののがたり2期」のレビューを書いていて、「2期制作の条件」として面白
い素材かなっと感じたのが本作でした。当初は2期だけのレビューにするつもり
でしたが、下書きしてると意外に1期も書くことが出てきたので、1期のレビュ
ーから始めることに。
(ストーリー)
アニメやゲームが好きな高校3年生の筒井光(つっつん)は、様々なハプニング
を経て、男癖と女受けの悪さで有名な五十嵐色葉から交際を申し込まれる。
今まで人間関係については面倒ごととして、同じオタク仲間の(何故かいつも
猫耳をつけているw)親友伊東以外とは交流を避けていた筒井だが、葛藤の末
に付き合うことにする。
(ただし色葉が転校する半年間の条件付きで)
色葉と付き合うことで、自分が改めて人間関係を構築する努力を怠っていたこ
とを痛感する筒井。しかしそんな彼の周りにもいろいろな縁から、石野をはじ
め少しずつ交流が広がっていき・・・
(評 価)
・2期ありきの構成で損してる部分も。2期まで観て初めて評価されるべき作品
・本作はリアタイで観ていましたが、あまり世間的な評価も高くなく、むし
ろ「円盤売り上げ92枚w」とか、爆死アニメとして悪目立ちしてたという
印象ですね。
・その1つの要因が実質「分割2クールアニメ」という形態なのかなっと。
コロナ以降はむしろこちらが主流になりましたが、当時は私の知識不足も
あり、率直に「この作品の2期に需要なんかあるんか?」って感じでしたね。
1期で「掴みはOK」ならよかったんですが、今から思うと2期ありきの構
成でいろいろと弱く、早々に見切った層も結構いたのでは?
2期はいい作品なのでホント勿体ないなっと。
・イベントが結構発生し展開が早く面白いのだが・・・
・ラブコメ作品だと、付き合うまでの紆余曲折やハーレム展開で誰を選ぶの
かを描く作品が多いと思いますが、本作はその点は早々にクリア。付き合
い出してから本当の関係性を深めていくところに焦点を当てた作品になり
ます。
・イベントが結構発生し展開が早く面白さがあるのですが、逆にいうとそれ
に頼り過ぎで、キャラの描写が甘くイマイチ魅力的に見えない感じがあり
ましたね。キャラの描かれ方も
{netabare}・主人公・筒井
・周りからキモオタと蔑まれている描写が多い。
・そういう環境を受け入れている感じで、自己否定が強い。
・鈍感で人の心が分からない描写が多く、不適切な行動をとってしまう
ところがある。
・伊東・綾戸(園芸部員で年下女子)
・オタク・陰キャで周りから馬鹿にされている。
・そのため筒井同様、自己否定が強い。
(特に綾戸の度の過ぎた自己卑下はかなり不快だと感じた。)
・あと伊東の猫耳はキャラ付けとはいえ、ちょっと受け入れられんかな。
ただでさえ「3D彼女 リアルガール」とオタク感溢れるタイトルなのに、蓋
を開けると「オタクが都合よく美少女と付き合える」はまだいいとして、
・オタク・陰キャがやたら周囲から馬鹿にされる
・自己否定が強いキャラが多く、イライラするところが多い
という感じで、ラブコメ作品として楽しさに欠けるんですよ。あと追加で
・高梨
{netabare}・イケメンで自信家で「お前は色葉にふさわしくないから手を引け」と
筒井に迫り、最後は暴力。
(筒井は石野さんの「愛ある鉄拳」以外は理不尽に殴られることが多
くその辺も不快要素。)
・そして筒井の冤罪をでっち上げ、そのせいで筒井が学校中から白い目
で見られる。(ぶっちゃけ犯罪レベルやろーw)
→ プライドの高い高梨は結局謝罪や真相を周りに白状せず。
筒井の温情で、彼の周りの人間だけに事情説明で手打ち。
(以降、筒井ファミリーになし崩し的に加わるようになり、意外と
いい奴として描かれていく。){/netabare}
こういう描写が「作品のスパイス」として受け入れられるか、嫌悪感を抱
いてしまうかも評価が分かれるところですね。{/netabare}
・色葉の心理描写が弱い
・主人公は筒井なので、
{netabare}・物語は筒井目線で語られ、どうしても色葉の心理描写が弱くなる。
・また筒井が鈍感設定なのでなおさら。
{netabare}・色葉の筒井のことが好きになった理由がしっかり語られるのが、10話
後半の色葉のモノローグ。{/netabare}
というところでエピソードを通じて、何となく
「色葉は筒井の内面をみて、好きになったんだろうな」
というのはわかるのですが、人によっては
「オタクが都合よく美少女に惚れられた」
って感じが拭えず、軽くみえてしまうんだろうなっと。
{netabare}(まあ実際モノローグで最初は興味本位程度って言ってるしねw
しかし筒井が超奥手なのに、何故かキスシーンが多いのは少し笑えて
しまうw){/netabare}{/netabare}
・1期最大の見どころは石野さん(♀)の「イケメンぶり」
・という感じで2期があることを知らなかったこともあり、個人的にはあま
り1期の評価は高くなかったのですが、それでも完走できたのは石野さん
の存在ですね。
{netabare}・筒井のクラスメートで、はじめは筒井のことをキモイと思っていた。
・ひょんなことから筒井が恋愛相談して、筒井の内面や色葉とのことな
どを知り友達になっていく。(筒井の初めての女友達)
・自身の恋愛もダメ男に尽くしたり、すぐに立ち直りイケメン高梨に乗
り換えようとするなど、(男を見る目は怪しいが)自分に(他人にも)
正直で裏表のない性格。
・またウジウジしたキャラの多い中で、はっきりとした物言いと時には
ガツンと「愛ある鉄拳」で筒井にカツを入れるなど爽快感が際立つ。
(根底には友達への愛情が溢れている)
・またあまりコメディ向きでないキャラが多い中で、しっかりピエロも
演じ切るw
1期のMVPは誰が何といおうと石野さんだろうと!!
石野さんの「イケメンぶり」にこの1期は救われたのかなっとw
・あとカツを入れてくれる存在といえば、筒井の脳内に現れるアニメキャ
ラ「えぞみち」という魔法少女ですね。
石野さんとえぞみちが悪い流れを断ち切ってくれたから、作品が観れた
というところがありますね。
このCVが神田沙也加さんというのも、今から観るとまあ・・・{/netabare}
筒井が本当の意味で、自分の駄目さを理解するのが10話辺りなので、作品と
しては2期まで観てようやく評価できるという感じですね。きちんと完結して
くれますし。個人的には2期はいい作品だと思うので、興味を持たれた方は、
まずは1期を観て「石野さんに惚れろ!」って感じですね(笑)。
(むしろ2期のために1期を完走してほしいまである!)
あと作画の悪さはそこそこ目立つかな。
キャラ描写が甘い、不快感がある等マイナス面の指摘が多かったですが、ス
トーリー自体は決して悪くないので、ストーリー重視の方なら、展開も早く
視聴しやすいかなっと思います。