魔法で魔法少女なアニメ映画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の魔法で魔法少女な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月11日の時点で一番の魔法で魔法少女なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.0 1 魔法で魔法少女なアニメランキング1位
魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st(アニメ映画)

2010年1月23日
★★★★★ 4.2 (472)
2810人が棚に入れました
自称・平凡な小学3年生高町なのはは言葉を話すフェレットが負傷し倒れているところを発見、保護する。フェレットの正体は異世界ミッドチルダからやってきた少年ユーノ・スクライアだった。\n 彼がこの世界に来た理由。それは彼が発掘したロストロギア(異世界に存在した高度な魔法技術の遺産)「ジュエルシード」が散らばってしまったためであった。成り行きから事情を知ったなのはは、ユーノと共にジュエルシードを集め、封印することを決意した。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、水橋かおり、桑谷夏子、高橋美佳子、五十嵐麗、浅野真澄、松岡由貴、久川綾

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

このアニメ、私、おススメします。

魔法少女リリカルなのは1期の劇場版。
新装オープン、コンパクト版総集編です。

TV版に比べ、以下の点が勝っています。
・作画が美しい。
・戦闘シーンがド迫力
・TV版の中だるみをざっくりと削除
・面白密度が濃い
・フェイトさんの過去話が充実
と言うことで、TV版は見なくても問題ないです。

温かい家族の中で何不自由なく育ったなのは。
悲しい生い立ちのため心を閉ざしたフェイトさん。
一方的にフェイトさんが仕掛けた戦いの中で、なのはの執拗な思いやり攻撃による二人の関係の変化は、このアニメの最大の見せ場かつ感動ポイントです。

この作品は、人に視聴を薦めない私が、珍しくおススメする熱血友情アニメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「名前を呼んで」

制作はセブン・アークスで原作はゲームです。
ジャンルは魔法少女ファンタジーです。


普通の小学三年生、高町なのは。
一匹のフェレット、ユーノを拾ったことで、彼女の運命が変わり始める。
彼女は魔法少女となり、ユーノが探している「ジュエルシード」を集めることに協力していく。


2時間ちょいのほぼ総集編映画。
いやー、個人的にはいい映画だったw

まず私は一期を最初に見ているわけです。
一期でも結構感動しちゃったのですが、今作はそれの強化版といったところでしょうか。
日常のシーンをバッサリカットし、なのはとフェイトに焦点を置いた構成です。
話の大筋は一緒ですがところどころ違う点もあります。
戦闘場所や戦闘シーンもほぼ一新といってよいでしょう。

元々私が一期を評価している点は二人の描き方が上手だったからです。
直線的な正義vs悪ではなく、どちらも正義であり、それぞれの事情がある。
事情の描き方が上手かったから評価している節があります。
本作では短い時間ながらもそれが色濃く描かれていました。
普通にTVシリーズを見るよりも感情移入しやすいのではないでしょうか。


総括して、なのはシリーズを見ていても見ていなくても楽しめる内容だと思います。
現代人は時間がないので、興味があればサクッと見てみるのも良いかもしれません。
どうでもいいですが、安かったので中古BDをポチってしまったw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

流石!!の一言に尽きる。

評価としては、タイトル通り「流石!!」の一言に尽きます。
原作から名作として呼び声の高い、この作品を素晴らしい映画にしてくれました!!

今作は、「魔法少女リリカルなのは」をベースにした完全新作のアニメ映画。
とは言え、基本的にテレビアニメ版に忠実な構造。
相違点は、なのはとフェイトのコスチュームが、テレビアニメ版とは若干違うこと。
テレビアニメ版には登場しなかった新キャラ、リニスが登場することが挙げられる。

アニメーションのクオリティは格段にアップ!!
そして、1クール分のアニメを上手く集約しつつ、リンディ・ハラオウンの過去について詳しく触れている点は評価できます!!

そして音楽の良さは圧巻!!
個人的にはinnocent starterは好きでしたが、今回もそれに匹敵する名曲ばかり!!
水樹奈々の歌うPHANTOM MINDSは流石ですね~♪
やはり、なのは作品には水樹の歌は必須!!なのはと言えば、水樹!!そんなことを思わせる名曲でした☆★
また、戦闘シーンの挿入歌Don't be longはアニメーションとマッチしていて素晴らしい!!これも評価できます!!

声優陣は言うまでも無いでしょう。そう、無敵です!!
田村ゆかり、水樹奈々の2トップは鉄板!!そこに、豪華声優陣を揃えていますからホントに無敵ですよww

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

86.8 2 魔法で魔法少女なアニメランキング2位
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(アニメ映画)

2013年10月26日
★★★★★ 4.2 (1963)
9961人が棚に入れました
人気アニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」の新作劇場版。TVシリーズを再構成した「前編 始まりの物語」「後編 永遠の物語」に続く新たな物語が描かれる。

声優・キャラクター
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨、野中藍、加藤英美里、阿澄佳奈
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ほむほむ祭り★

■BD買いました~
{netabare}
ANIPLEX+で買って、前後編&新編収納BOXに早速
収めました^^
もちのろんで、ほむほむを正にして飾ってます♪

魔女化後の戦いがアツイ!

魔法少女まどか☆マギカ』×『〈物語〉シリーズセカンドシーズン』コラボレーション劇場マナー告知短編映像も面白かったです^^
{/netabare}



DVD発売まで、あと半月!
楽しみすぎる♪^^



DVD発売日が4月2日に決まりましたね~♪
「描き下ろし絵柄 【前後編&新編】収納BOX」付きの限定版を買おうかと思います^^
前後編も限定版を買ったのですが、専用の収納BOXがあったのでそれごとまるっと収まってくれるかな。。。
⇒ANIPLEX+のページを見たら、前後編を三方背BOXに入れた状態で収納できるっぽいですね!

まどまぎの劇場版をついに観てきました~ヽ(*´∀`)ノ

■劇場版
{netabare}
ほむほむが魔女化するシーンは圧巻です^^
そしてまどかシステムに則って、魔女化したほむほむを救済して完結かと思いきや、どす黒い百合的感情により、ほむほむ祭りが一気にボルテージマックスに!!

「だ・ま・り・な・さ・い」のシーンがお気に入りです^^

特典のフィルムですが、魔女が出てくるときのワンシーン(ちっちゃいのがちょこちょこ動いたり)でした^^
{/netabare}


■コミック版
3ヶ月連続でコミック版も発売されるとか^^
早速コミック版も買ってしまいました~
{netabare}
第1巻を買いました。
劇場版に忠実に台詞もほとんどそのままです。
第1巻は風見野に行けず、ほむほむが本格始動したところまで^^
続きが楽しみです。
{/netabare}


■初回限定パンフレット
遅ればせながら、初回限定パンフレット購入しました^^
{netabare}
初回限定版はこの表紙だけでも買う価値ありますね♪
とっても凝ってます。

インタビューが面白いです。SSでもネタになっていますが、
やっぱり、ピュエラ・マギ・ホーリークインテットのキメポーズや、「お茶会」は絶対マミさんの厨二特性に違いない、とインタビューでも言われています(笑)

マミさんの広い部屋できっと練習しているんでしょうね。
まどかがノートに描いて振付とか決めてたりして(笑)

個人的にはデビほむのイラストがもっと見たかったです。
それはまたの機会に、ということでしょうか^^
{/netabare}


■コミック版全巻買いました♪
{netabare}
コミック全巻買いました~
1巻以外は発売日に購入。今月で最終巻でした。

映画の再現度がぱないです!
ナイトメアにお菓子を上げるシーンも
魔女ほむ戦闘シーンも
QB解説シーンも
すごい細かく描かれています♪

そして絵もかわいい^^
1巻のメガほむイイネ♪

カバー絵裏のショートマンガも面白いです^^
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 126
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう?

 朗報です!私に朗報です。やっと、やっと入手いたしましたBD再生機器!拝受の儀以来2か月ぶりに完全生産限定盤BDを開封し、例によって厳かなる視聴の儀を執り行ったのち、初視聴と相成りました。
 いつでも好きなときにこれを視聴することができるのかと思うと、自分自身の身に余る幸福に戦慄すら覚えてしまいます。
 また、一部変更・加筆してます。私の戯言にお付き合いいただける寛大な方は是非お立ち寄りください。かなり、いや、完全に、ほむらに特化した内容ですので予めご了承ください。
 一回目(10/28)は来場者特典は品切れ、物語シリーズとのコラボマナー喚起は忍野扇(少し残念)。二回目(11/18)はフィルムゲット!しかも半月の下に佇むほむら!!神様ありがとう!!!しかもマナー喚起は戦場ヶ原ひたぎ!私的2大ヒロインそろい踏み!斉藤千和ありがとう!!!

 いろんな意味で裏切ってくれちゃってます!
 このラストは読み切れなかった!
 ますますほむほむへの愛が深まった!
 BDを買うことはもう決定した。
 泣けるんじゃないかと勝手に想像してハンカチを手にしていたのだが、ずっと握り締めていた。泣けるところもある・・・と思うのだが、私は泣けなかった。泣いている場合じゃなかった。泣くには衝撃が大き過ぎた。
 視聴からまる4日ぐらい脳のほてりがとれなかった。
 気が付くと反芻し考察していた。
 強烈な作品にぶつかったとき特有の何とも言えない虚無感・無力感に苛まれていた。

 ネタバレしないとこれ以上の感想書けないので、以降はネタバレ満載で行きます。
  {netabare} 本作は3つの部分に分けることができる。
 第一部 オープニングからほむらが秘密に気づくまで
 第二部 秘密に気づいてから円環の理に導かれるまで
 第三部 堕天し円環の理を改変し、そして・・・ {/netabare}
 オープニングから残酷である。 {netabare}TVシリーズのオープニングをほぼなぞらえたものであり、時間軸としてはTVシリーズのスタートよりも少し進んだところといった感じである。これだけで、この物語が誰かの妄想・願望・夢想であることを予感させる。 {/netabare}それでも、第一部は幸福感がある。予告編でも明かされていた新たな敵ナイトメアとの戦いでは、魔法少女5人(最初は4人)が共闘するシーンがあり、見所のひとつである。みんなが仲良くしているところを見られただけで幸せな気持ちになれる。 {netabare}正直に言って第一部は展開が遅めであり、なんともいえない違和感とヌルイ感覚があった。これも後半への大きな伏線であるのであろうが。 {/netabare}第一部後半では、これまた予告されていたほむらとマミのガチバトルが見られる。これも見所ですね。かっこよかったです!このあたりから物語が加速度的にその展開を早めていく。
  {netabare} この世界(見滝原市)が自らが作り出した結界であり、自身が魔女化しつつあることを知るほむら。その状態を厳重に管理し、円環の理の秘密を暴こうと観察を続けるインキュベーターの野郎ども!円環の理(まどか)を守るために、円環の理による救済を拒み、自ら魔女化を促進し、ついには完全に魔女となるほむら。そのほむらに円環の理による救済を与えるために戦うかつて魔女であった魔法少女「さやか」と「なぎさ」。ここでは初めての「魔女」対「魔女」の戦いが見られる。その戦いの果てに、ついにたどり着いた円環の理による救済、まどかとの再会。ほむらの魂にも真の安らぎ、真の救済が訪れる・・・ {/netabare}
 このシーンには心底驚いた!!落としどころをどこに持ってくるのか予測不能に陥っていたので。 でも、一晩考えてなんか納得した。むしろ当然の帰結と言えるかもしれない。うんうん、ほむらちゃん、君は間違っていないよ。それは人として当然の気持ちだ。そのせいで世界がどうなろうと、それは仕方がないことじゃないかな。
  {netabare} インキュベーターの想定を超えた存在となったほむら。希望よりも絶望よりもはるかに強い「愛」によって堕天したほむら。その力で円環の理となった「まどか」の一部を人に戻したほむら。その力によって「神」を人へと貶めた(少なくとも一部を)ほむら。新たに再構築されたこの世界はどうなっていくのか?ほむら自身が予言したように、まどかと敵対する時がくるのか? {/netabare}
 しかし、今は、まどかとの時間を、まどかのいる世界を楽しんでほしい。ほむら、君にはその資格がある。

 二回目の視聴を終えて
 {netabare}オープニングテーマのカラフルが心に突き刺さる。全てを知っている者には聴くに堪えない美しい歌詞、涙がこぼれる。これでもかと描かれる幸せな世界、ほむらが、みんながこうありたいと望んだ世界。完全な茶番、茶番の中の茶番。観るに堪えない。イライラが募り、むしろ怒りさえ湧いてくる。わかっている、わかっている、これは後半へ向けての伏線なのだ。マミとの戦闘までは苦痛であった。もはや苦行であった。こんな幻想はいらない!
 ここからは早かった。結末へ向けての伏線を確認しつつ、ストーリーに、ほむらの心に気持ちを合わせて突き進む。決断を下した後のほむらの美しさ!妖しさ!魅了される。私みたいな「ほむらバカ」にとっては、前半はなくていい。ナイトメアとの戦いなんていらない。マミも杏子もさやかもなぎさもいらない。ほむらとまどかだけでいい。
 ほむらに堕天を決意させたまどかの告白、あれは紛うことなき本心であろう。素のまどかの人としての正直な気持ち。それを真正面から受け止めてしまったほむら。やはり、彼女たちは少女なのである。私なら、大人である私なら、受け流せるかもしれない。あの時の、まどかの祈りもまた本心である、と理解できるから。まどかの祈りは、無理をしているかもしれないが、間違いなく心から出た真の願いである。彼女たちがもう少し大人であれば、違う結末を迎えることもできたのかもしない。とはいえ、大人だったらそもそも魔法少女にならないか。くそっ、インキュベーターの目の付け所には恐れ入る。こんな危うい年頃の少女を標的にするなんて!
 新たに改変された世界、ここは本当に君が望んだ世界なのかい?この世界の君はあまりに美しく、妖しく、そして痛々しい。君を救うにはどうすればいい、ほむら?私はこれからその答えを探すよ。 {/netabare}
 

 『劇場版公開記念 2時間でわかる!大ヒットアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」』について(6/5)
  {netabare} 完全生産限定盤特典BDに収録。
 なんと、劇場版2作品「前編と後編」を再編集して2時間に圧縮した映像である。
 さすがに2時間では説明不足は否めず、これを補うために斉藤千和によるナレーションが適宜挿入されている。
 濃厚すぎる2時間である。
 エッセンスがぎっしり。常にクライマックス。
 TVシリーズ及び劇場版2作品を既に観た人間であれば楽しめる。
 省略されたシーンも脳内補正しながら観れてしまうのでつながりに違和感も感じない。
 そういう意味で既に2ループ程度済ました人であれば、時間が無い時のおさらいとして利用することが可能であろう。
 だが、初めて観る人には全くお勧めできない。
 むしろ、これを観ることを断固阻止しなければならない。
 ストーリーだけわかってキャラや世界観への想い入れが生まれないこと請け合いである。
 「魔法少女まどか☆マギカ」に初めて触れようという人には、出来ればTVシリーズから、それが叶わないのなら劇場版2作品を視聴することを強く勧める。
 間違ってもこの2時間圧縮バージョンから入ったりしてはいけない。
 ダメ!ゼッタイ! {/netabare}

 
 「カラフル」について(2/15微調整)
 {netabare}・・・これは、かつて魔法少女であったモノの夢の名残なのか?
 
 世間では「君の銀の庭」の評判が高いようである。確かに「君の銀の庭」は素晴らしい。聴く者の心を優しく包み込み内側から狂気で蝕むKalafinaの歌声と音楽は名曲と言っていい領域にまで達している。それは否定しない。それでも私は、「カラフル」を押したい。
 リスアニ!のインタビューで読んだのだが、「君の銀の庭」はシナリオに目を通したうえでの作品なのだが、「カラフル」はシナリオに目を通さないで作られた作品ということである。「コネクト」「ルミナス」と同様に、この条件下で奇跡のコラボレーションを期待された作品であった。
 果たして、「ルミナス」はもちろん「コネクト」すら凌駕する、まさに奇跡のコラボレーションとなったのが「カラフル」である。必ずフルコーラスで聴いて欲しい。劇中のオープニングバージョンでは魅力の半分しか伝わらない。
 
 これまでに過ごしてきたすべての時間軸において選択した行動とその結末。これまでに過ごしてきたすべての時間軸で選択しえたかもしれない行動とその結末。繰り返される時間軸の中で数えきれないほどした後悔。もはや、どの記憶が本当にあったことで、どの記憶が後悔の産物なのかさえ分からない。すべての可能性が存在し、かつ、なんの可能性も無いかもしれない世界。それでも、僅かな可能性を信じ、信じるふりをして、絶望の淵で彷徨いながら旅を続けた、そんな魔法少女が最後の瞬間に見た夢、走馬灯のように流れ去った儚い夢。ソウルジェムがカラフルに輝いた刹那にそんなことがあったのではないか・・・魔法少女としての一生を終えるその時に、彼女の脳裏をよぎったのではないか・・・それが、「カラフル」なのではないか、そう思えるのである。 {/netabare}
 
 まどかへの手紙
{netabare} あれは何回目の時間軸だったか、ワルプルギスを倒し力尽きた二人。グリーフシードもなく、このまま魔女になるのをなすすべなく待つ二人。このまま二人で魔女になって世界を滅茶苦茶にしちゃおうかという私のソウルジェムを浄化したあなた。ほむらちゃんにしかできないことをして欲しい、バカな私を救って欲しいと。それからどれだけの時間軸を超えてきたのか。あなたを救う、それだけを目的に旅を続けた。でも、出来なかった。救えなかった。私を救うため、過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うために「円環の理=神」となったあなた。私の記憶以外の全てから抹消され、誰にも会うこともできない。それでもいいの?でも、それがあなたの望みというなら受け入れるわ。いつか必ずあなたに会えるというのなら。

 ・・・あなたがいない世界は私には辛すぎる。私の中にしかいないあなた。まどか、あなたは本当に存在したの?私にはもう耐えられない。もう戦えない。あなたはどこにいるの?

 ・・・それは、あなたの本当の望みではなかったの?誰にも会えなくなることは、耐えられないことだったの?そうだったの。あなたは救われてなかったのね。私はあの時の約束を守らなければ!そう、私にはまだやらねばならないことが残っていた。だから、あなたに救われるわけにはいかない。私があなたを救わなければならないのだから。 {/netabare}

 叛逆について①
{netabare}過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うことを願ってなされた祈り、これはまさに「神の愛」、博愛といってもいいだろう。
 まどかを救うことを願ってのみなされた祈り、これは「人の愛」、あえて言うのなら偏愛ということになるのか?いや、これはもはや祈りですらない、願望、いや、欲望というべきなのか。
 欲望によって神の威光を傷つけること、これは、神への「叛逆」としか言いようがないのでは?しかし、神ならぬ私としては、この欲望のほうにこそ共感できるのである。
 愛とはかくも業深きものなり。 {/netabare}

 叛逆について②
{netabare}円環の理に支配される世界においては、魔法少女いう存在は神に従属する立場、神の御手先、すなわち「天使」ではないだろうか。そして、あまた存在する魔法少女の中にあって、神の正体を知る唯一の存在であるほむらは、かつての大天使長ルシファーに比類する存在ではないか。この観点からも「叛逆」の意味が解釈できると考える。 {/netabare}
 
 叛逆について③(11/30追加)
  {netabare}もう少し視野を広げて考えてみる。
 神の御業である「円環の理」の秘密を暴こうとするインキュベーターの行動、これも叛逆である。
 また、これまでのほむらの生き方そのものも、叛逆ととらえることが可能かもしれない。魔法少女となった動機そのものからして「まどかとの出会いをやり直したい」であり、その後の時間軸を超えた旅の全てが「まどかの運命を変えたい」であった。本作での堕天シーンも含めて、ほむらは一貫して運命を受け入れることを拒否している。この生き方そのものが、宇宙の摂理、若しくは、神とでも呼ぶべき存在への叛逆行為と言えるのではないだろうか。ほむらには「悪魔」というよりも「運命に抗うもの」という称号の方が相応しいのかもしれない。 {/netabare}

 円環の理について(11/30小幅追記あり、これで完成)
{netabare} TVシリーズ、劇場版前編・後編視聴時における私の理解では、絶望により魔女と化す魔法少女を魔女になる前に救済すること、つまり、魔法少女は魔女にならないというのが、「円環の理=まどかによる救済」であった。しかし、どうだろう?叛逆の物語で判明した事実に照らし合わせると、少し異なるようである。
 一つは美樹さやかと百江なぎさの存在である。彼女らは、暁美ほむら魔女化中の時点で既に「まどかによる救済=円環の理」を受けた身である。そして、彼女らは、まどかの存在を認識しており、実際、ほむらに「まどかによる救済=円環の理」を受けさせるために奔走している。しかも、魔女としても能力を有している!そのうえその力を正気を失うことなしに使いこなしているのである。
 二つ目は暁美ほむらの魔女化の過程である。インキュベーターによる厳重な監視のもとという特殊な環境にある影響もあるのであろうし、あくまで心の内面での出来事という事情もあるので現実世界との時間進行が全く異なるという可能性もある(ほむらの仮想世界の中での1日は現実世界の1秒よりも短いのかもしれない)が、それにしても、絶望してから「まどかによる救済=円環の理」に至るまでにある程度の時間がかかるようである。このタイムラグの間に仮想世界(絶望した魔法少女の心の内側)において魔女化が進行するようである。
 この二つの事実から、次の事が推測される。
魔法少女の魔女化のプロセス、
①絶望し内面において魔女化が始まる。
       ↓
②内面において完全に魔女となる。
       ↓
③魔女として現実世界に具現化する。
そして、「まどかによる救済=円環の理」は②と③の間において行われる。つまり、魔法少女はいったんは完全に魔女となって、そののち救済される。この救済によって絶望から解き放たれ、希望ある魔法少女としてこの世から消滅する。この際には
、魔女としての能力・今までの記憶も失わないようである。だから、美樹さやかと百江なぎさは魔法少女としての記憶も能力も有したままほむらの仮想世界に入り込めたのであろうし、魔女としての能力を使うこともできたのであろう。
 ー2回目視聴後の補足ー
 上記の仮説は本編において真っ向から否定されている。結界の内部において完全に魔女化してしまうと、「まどかによる救済=円環の理」を受けることができない、と。ただ、ほむらのケースが特殊であるがゆえの特例なのか、一般的に当てはまるものなのかは、判然としない。私自身としては、自身の仮説の方がより説得力があると考えるが。  
 ー3回目視聴後の補足ー
 はやり、ほむらのケースが特殊であることを確認。上記の「結界」とは、「インキュベーターによる結界」であることが判明したため。
 
 さらにもう一つ、実は、「まどかによる救済=円環の理」は絶望した魔法少女の側に選択権があるのではないか?絶望しきった魂への救済の要否を問う問いかけ、本来であれば形式的な、問われる前から答えの決まっている問いかけ、「汝、救われたいか?」の問いに唯一「否」と答えたのが暁美ほむらではあるまいか。
 この仮説はほぼ間違いないと意を強くした。インキュベーターが「円環の理に救いを求めよ」とほむらに促す場面を確認できた。 {/netabare}

 ほむらによる改変後の世界(1/3追記)
  {netabare} ほむらによる改変後の世界について語る前に、まず、まどかによる世界改変について確認しておきたい。
 まどかによる世界改変は、「改変」というよりもむしろ「書き換え」又は「上書き」という表現が相応しい。まどかは、インキューベーターが作り上げた魔法少女システム(希望から絶望への相転移からエネルギーを得る)をそもそもの最初から無かったことにした。よって、世界が書き換えられてしまったことを知っているのは、まどかのみである(唯一の例外がほむら)。あえて言い及んでおけば、まどかによる改変前の世界と改変後の世界は断絶している。
 ほむらによる改変後の世界をどう位置づけるか、類型を3つ提示してみる。
①まどかによる改変時と同様に、以前の世界を完全に書き換えたもの。
②まどかによる改変後の世界と同時に存在する平行世界(パラレルワールド)。
③まどかによる改変後の世界の内部に設けられたある種の閉鎖空間的な世界。
 そもそも、ほむらによる世界改変とはいったい何を改変したものなのか?もっとも重要かつ最大の改変は、言うまでもなく、切り取られた「まどか」が存在する世界への改変である。円環の理による救済を受け世界から消えたはずの「さやか」と「なぎさ」が存在していること、烏っぽい禍々しい生き物が存在していること、ほむらが強大な力を持っている(と思われる)こと、等も改変の産物であろう。逆に改変されなかったこととしては、インキュベーターの存在、魔獣の存在がある。まどかによる改変時との相違点としては、改変の事実を認識しているものが存在していること(インキュベーター・さやか)が挙げられる。
 以上の事実から推測するに類型③が最も有力ではないかと考える。①だと仮定すると、まどかの存在が怪しくなる。人としての部分を引き剥がした結果として存在する「まどか」は、引き剥がされる前の本体が存在しないと成り立たない。引き剥がされる前の本体が存在するということは、「円環の理」が有効に存在していることを意味し、これは、すなわち、まどかによる改変後の世界が、ほむらによる改変後にも存在していることに他ならない。つまり、①だと「まどか」が存在していることと矛盾が生じてしまう。
 ②ならどうか。平行世界であれば、まどかの存在に矛盾は生じない。しかし、平行世界間の干渉という側面から考えると、少し無理があるように思う。ほむらによる時間軸の旅は、まさしく、数多の平行世界を渡り歩くものであった。それぞれの平行世界においては、ほむら以外の人物は違う平行世界についての知識も認識もなく(インキュベーターでさえ!)、相互干渉は皆無であった。ほむらによる改変においては、インキュベーターとさやか(時間の経過とともに忘れていくようだ)が改変を認識しており、まどかは「円環の理」の力(少なくとも一部)を保持しているようである。異なる平行世界の間で、ここまで干渉があるというのは、無理があるのではないだろうか?
よって、③が最も有力となる。③であれば、上記で述べたことが全て矛盾なく成立する。{/netabare}
 
 ほむらの幸せのありか(12/1かなり加筆)
  {netabare}そもそもまどかと出会わなければ・・・という議論は未来永劫封印。
 魔法少女にならなければ・・・というのも、まどかと出会ってしまった以上、必然ととらえる以外あるまい。
 そうなると、私が考えるターニングポイントは三つ。
 一つは、まどかと二人でワルプルギスの夜を倒した後である。ほむらは、この時、まどかと一緒に魔女になってもよかった、または、死んでしまってもよかった。二人で一体の魔女になったりなんかしたら、それこそ本望だったんではないだろうか。なのに、まどかはほむらに過酷な運命を強いる。自分が魔法少女にならない未来をつくれ、しかも、魔女になるのは嫌だから殺せ、と。こうやって考えると、「まどか、我儘だぞ!お前のせいでほむらは何回時間軸を超えたと思っとるんじゃ!」と恨み言の一つでも言いたくなる。
 二つ目は、もちろん、本編のあのシーンである。おそらく、まどかがあの泣き言(本人は泣き言を言っているつもりはないだろうが)を言わなければ、ほむらは「まどかによる救済=円環の理」を素直に受け入れていたであろう。それは、本来ほむらが望んでいたことなのだから。
 もう一つある。それは、まどかによる宇宙再構築時である。あのとき、まどかはほむらを一緒に連れて行くべきであった。「こんな場所にまでついてきてくれた」ほむらの気持ち、「私のために頑張ってくれた」ほむらの気持ち、その真意を理解することができたのならば、ほむらを一人残していくべきではなかった。まどかの一部、若しくは、眷属として「円環の理」に取り込まれることを、ほむらが拒むであろうか?いや、これこそ、ほむらの至福であったろう。
 いずれにせよ、既に過ぎ去ったことである。では、この新たな世界における「ほむらの幸せ」とは?
 つまるところ、ほむらの幸せとは「まどかと共にあること」。生死も問わない、ただ共にあること。
 翻って、まどかの幸せとは?まどかは何を望むのか?少なくとも「ほむらと共にあること」ではないことは明らかであろう。
 この二人の愛情の間には大きな隔たりがある。まどかのほむらに対する愛情は、いうなれば「仲のいいお友達の一人」。どんなに好意的に解釈しても「お友達の中で一番仲のいい子」程度であろう。それは、まどかによる宇宙再構築時のおいて、神となったまどかが言い放った「あなたは最高の友達だったんだね。」に集約されている。全ての時間軸のおける全てのほむらの戦いを理解してなお、これである。万感の思いが込められているにしても、ほむらの行為に対する労いとして充分とは言えない。それに対して、ほむらのまどかに対する愛情は、自身の言葉にあった通り「この世でたった一人の私の友達」に対するもの。しかも、この気持ちは膨らむ一方である。超えた時間軸の数だけ、踏み越えたまどかの屍の数だけ大きくなる。いつしか「私の存在の全てをかけた愛」の対象へと昇華されていた。
 この隔たりはどこからくるのか。なぜ、ほむらはここまで「まどか」に執着するのか?なぜ、ほむらの心は孤独なのか?その秘密は、未だ謎のベールに包まれた「ほむらの過去」にあるのではないだろうか。「心臓の病気で長く入院していた」「どうも一人暮しをしているようだ」この二つのみが現時点で提示されていることである。
 ここで一度まどかへと視点を移してみよう。まどかは優しいパパと頼れるママに愛情をたっぷりと注がれて育った。タツヤの年齢からすると10歳ごろまでは一人っ子として育っている。また、鹿目家の朝の様子から、出勤前の「パパにちゅ、タツヤにちゅ、まどかとハイタッチ」は日課であろう。つまり、まどかは愛に慣れている。愛情を受け取ることにも、愛情を表現することにも慣れている。
 ほむらはどうか?ほむらは愛への耐性がないのではないか。愛情を受け取ることにすら躊躇を覚え、ましてや愛情を表現するなんてどうしていいやら皆目見当がつかぬ・・・。病院での長期入院、どうやらいないらしい両親・兄弟姉妹、そんなほむらにとって、まどかは初めてできた友達であった。その友達と過ごしたあまりに濃密は1カ月、そして、死という衝撃的は別れ。全てが、ほむらにとってまどかを唯一無二な存在にならしめている。
 つまり、まどかは普通の友達にするようにほむらに接しただけなのに、ほむらの方ではまどかのことを唯一無二の大親友と思っていた。この認識の違いは小さくない。
 さて、どうすればほむらは幸せになれる?
 魔法少女でなくなってしまった以上、円環の理による救済はもうありえない。神となったまどかの腕に抱かれる幸せはもう望めない。
 一緒に死ぬ?かたや神、かたや悪魔、その二人が心中?よしんば、悪魔の方でそれを望んだとしても、神の方では良しとはすまい。だったら、無理心中?あなたを殺して私も死ぬわ!もしかしたら、それはあるかもしれない。でも、そんな結末は見たくない。
 やはり、現状維持なのか。籠の中の鳥として「まどか」を飼いつづけることが幸せなのだろうか?もはや人ではない「ほむら」と「まどか」であれば永遠の時を過ごすことも不可能ではないであろう。これは、確かに一つの幸せの形なのかもしれない。ほむらにとっては理想郷ですらあるかもしれない。まどかを偽り続けることに耐えられるのであれば・・・
 ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう。



 ・・・・・・・・・・・・・普通の、ただの少女として出会い、退屈とも言えるようなありふれた日常を過ごし、当たり前に年を取り、いつしか大人へと成長する二人、穏やかな、それでいて、親密な、変わらない友情で結ばれた二人、そんなありふれた光景こそが、君たちにはふさわしい。ほむら、君に、まどかとのこんな未来を贈りたい。
 さあ、インキュベーターよ、今こそ我に問え!
 「その魂を対価にして、何を願う?」
{/netabare}

インキュベーターのお仕事(2/23)
  {netabare}1.地球における効率的なエネルギーの回収
 2.前号に付随する一切の業務
 インキュベーターの目的はただ一つ「エネルギーの効率的な回収」のみである。この目的のために構築されたのが「魔法少女システム」といえよう。念のため、ここで魔法少女システムをおさらい。
 ①少女
   ↓
 ②願いを叶える
   ↓
 ③魔法少女
   ↓
 ④絶望する
   ↓
 ⑤魔女
 普通の少女(①)の願いを一つ叶える(②)ことによって魔法少女へと変換(③)そののち絶望(④)により魔女となる(⑤)。
 インキュベーターは②で何らかのエネルギーを投下することにより少女を魔法少女へと変え、④の際に放出されるエネルギー(主たる成分は感情)を何らかの方法で回収している。
 インキュベーターの言うところの「エントロピーを凌駕した」の真意は何とも掴み難いが、ここでは、「魔法少女を作るために必要なエネルギー < 「魔女化により回収されるエネルギー」ということと考えておく。つまり、②で投下されたエネルギーを超えるエネルギーを④で回収できるということを意味する。②で1のエネルギーを消費したとすると④で少なくとも1.1以上のエネルギーを回収できる見込みがあるということである。だが、単純に②<④でいいのかというとそうでもない。魔法少女が魔女になるまでのサポートにもエネルギーを消費するし、何よりも「ロス」が生じる可能性があることが大きい。
 魔法少女システムにおける「ロス」とは、魔法少女が魔女にならないで消滅することである。このロスは意外と多く発生しているのではないだろうか?我々が知るだけでも、マミ・杏子がこのロスに該当している。よって、インキュベーターはこのロスも込みでエネルギー回収効率を計算しているはずで、④で回収されるエネルギーは②の少なくとも数倍にはなるであろう。
 インキュベーターは予めその少女から回収できるエネルギーを推定することができる。あたかも石油の埋蔵量を推し量るように。現に暁美ほむらを魔法少女へと変換する際に、エントロピーを凌駕したので君の願いは聞き届けられました、という趣旨の発言をしている。つまり、ほむらの願いを叶えるために消費されるエネルギーを、ほむらが魔女になる際に回収されるであろうエネルギーが超えるということを、その時点で把握しているということである。
 しかし、そうだとすると、鹿目まどかのケースをどう考えればよいのだろうか?まどかの願いは、魔法少女システムを根底から覆すものであった。にもかかわらず願いが叶えられてしまうというのは、どういうことであろうか?単純に、願いを叶えるために消費するエネルギーを推定回収エネルギーが上回ったから機械的に発動してしまったのだろうか?これは、もう少し考察を進める必要がありそうである。
 魔法少女が魔女になるまでに要する期間の統計的な資料が手元にないので何とも言い難いが、「さやか」の例から推測するにおおむね1カ月以内というのが相場ではなかろうか。マミや杏子の例は異例なのではないかと思う。「さやか」のような例がバンバン発生するのだとしたら、魔法少女システムは効率的なシステムと言ってよいであろう。
 さて、有史以来(もしかしたら以前)人間(地球)を観察していたインキュベーターとて、「魔法少女システム」を構築するまでに紆余曲折があったことは間違いあるまい。おそらく、人間以外の生物、男性、女性、大人、老人、それこそ老若男女問わずいろいろ実験を重ね、その末に行きついたのが少女を標的とする「魔法少女システム」なのであろう。そして、我々が知るあの姿、何とも愛らしい愛玩動物のような外観をしているのも、少女を標的にするが故であろう。
 だが、奴らが人類に仕掛けた罠は「魔法少女システム」だけであろうか?感情をエネルギーに変換できる奴らにとって、効率的にエネルギーを回収しうる機会はたくさんある。
我々のまだ知らないそんな罠がこの世にはあるのかもしれない。
 それにしても、インキュベーターは何故にエネルギーの回収をしているのか?それは、宇宙の崩壊を一秒でも遅らせる為である。では、そのような使命を担っているのは何故なのか?そもそもインキュベーターとは何者なのか?この点については、機会を改めて論じてみたい。 {/netabare}
 
 史上初の魔法少女の末路(3/2)
 {netabare} 歴史上初の魔法少女が誰であったのかについての記録は既に失われている。しかし、歴史上初の魔法少女が歴史上初の魔女となったことは99.99%間違いのない事実である。
 魔法少女が魔女にならないということは、魔法少女が魔法少女として死ぬことを意味する。魔法少女として死ぬということはどういうことであろうか。魔法少女は「ソウルジェム」を破壊されることによって死を迎える。逆にいうと「ソウルジェム」を破壊されない限り死を迎えることは無い。歴史上初の魔法少女には戦うべき敵である魔女はいない。ということは、よほどのアクシデントでもない限りソウルジェムを破壊されることはありえない。
 ソウルジェムを破壊されることなく存在する魔法少女は必ず魔女になる。なぜなら、ソウルジェムの穢れを浄化する「グリーフシード」が存在しないからである。
 魔法少女はソウルジェムが穢れを規定量を超えてため込んだ時に魔女となる。では、「穢れ」とはなんなのか。
 「穢れ」は以下の理由によって蓄積されていく。
 ①魔力の消費
 ②希望の喪失
 ①については、魔法少女が魔法少女として存在しているだけで魔力を消費することになるので、日々確実に蓄積されることになる。②については、個々の魔法少女の心のありようであるので個体差が大きいが、これによる穢れの蓄積はかなり急速に進む傾向がある。
 いずれにせよ「グリーフシード」による浄化をしない限り「穢れ」を減少させることは不可能であるため、最初の魔法少女は間違いなく魔女になったはずである。{/netabare}

 「魔法少女は魔女になる」を考える(4/18)
  {netabare}3人の魔法少女を例に考えてみよう。
 ①美樹さやか
 まずは、美樹さやかの魔女化の過程を振り返ってみたい。
 グリーフシードの使用を拒否したこと、これがさやかの魔女化の決定的な要因である。グリーフシードを使用しないことには「穢れ」を浄化することが不可能である以上、至極当然の話である。では、さやかの急速な魔女化の要因はなんであろうか。一つは、魔力を浪費する戦い方の選択である。半ば自暴自棄になったさやかは肉体へのダメージを顧みない戦い方を自らに課す。感覚の遮断、ダメージの回復、いずれにも魔力を消費する。もう一つは、希望の喪失である。恭介と結ばれる希望・人間として生きる希望・友達と共に歩む希望、次々と潰えてゆく希望。最後に残された希望、善良な人々を守るために戦っているという希望(幻想)が打ち砕かれたとき、さやかは魔女となった。
 ②巴マミ
 巴マミは魔女になっていない。マミはどん底で契約を交わしている。自身の生死の間際で生きるために契約を交わした。おそらく、その際に親・兄弟を失ったのではないだろうか。人生のどん底から魔法少女としてのスタートを切っているのである。簡単に絶望なんてするわけがない。ただ、自身も魔女になるという受け入れがたい事実への嫌悪、強烈な拒否反応から希望を喪失するという可能性はある(実際にパニックから杏子を殺している)が、マミの場合自死を選ぶであろう。ソウルジェムが濁りきる前に自身で破壊することを選択するはずである。
 ③佐倉杏子
 佐倉杏子も魔女になっていない。が、これは俄かには信じ難いことである。佐倉杏子が自ら語った物語を思い出してほしい。杏子は父が多くの信者に慕われることを願って魔法少女となった。その願いはカラクリが父に露呈することによって崩壊する。この崩壊は家庭の崩壊をも導く。父は杏子を残し一家無理心中を遂げてしまう。世界に一人取り残された杏子。これで絶望しないとしたら、何で絶望するというのだ!これだけの経験をして、どうして魔法少女のままでいられるというのか!たとえ、グリーフシードを百個持っていたとしても追いつかない速度でソウルジェムは濁るのではないだろうか。杏子はどうやってこれを乗り切ったのであろう?私にはちょっと想像がつかない。
 魔法少女は絶望によって魔女になる。本当にそうなのだろうか?暁美ほむらの例に先立って、実はこんな特殊な先例が存在しているのである。インキュベーターの想定外の事例は思ったよりもあるのかもしれない。{/netabare}

 ホントの戯言(2/15)
  {netabare} ほむらが複数のインキュベーターによって監視されているシーンを観ていたら思い出した小説の一節があります。ダン・シモンズの傑作SFハイぺリオンシリーズの最終巻「エンディミオンの覚醒」におけるシーンです。
 磔刑に処され、ある行動をとることを期待されつつテクノコアに厳重な監視を受けているアイネイアー。このシーンとシュチュエーション似ているのです。もしかしたら、虚淵さんも意識していたのかもしれないな、と思ってみたり。{/netabare}

 

投稿 : 2024/11/09
♥ : 103
ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

個人的には作品の特色を貫き通した最高の出来だった。劇場に足を運んででも観る価値があったと思います。【総合評価:95点】

公開日初日、時間を作って劇場に足を運んでしまいました。
個人的には大満足の内容、作品のタイトルである叛逆の物語がピッタリでした。

{netabare}
最初の30分はTV放送同様に王道感のある魔法少女ものの雰囲気で進みます。
先生と中澤君のやり取りなどの小ネタも挟みつつ、雰囲気としてもTV版の序盤を思い起こす展開でした。
そして、劇場版での見所の一つとしては、この序盤の展開ではTV版では見る事の出来なかった、五人の魔法少女に敵対関係が無く、手を取り共闘していてファン必見ですね。

そんな展開で繰り広げられる序盤でしたが、それよりも気になるのは設定の違い。
まず、この新編は まどか が円環の理となってからの物語。
にも関わらず、まどか が存在し、且つ、魔法少女が戦う敵が魔物では無く、『ナイトメア』と言う名称になり、従来の魔女に誓い姿になっていた。
TV版のラストとは違う設定に戸惑いを感じていましたが、この設定の違いに対する視聴者の疑問を、ほむら が世界に対しての違和感と言う形で感じ取りその謎の解明に動き出します。

唯一、まどか の存在を知る者であるほむらが、記憶を改竄されていた中、真の記憶が戻った事で物語は一気に動き出します。
自分達の陥っている状況を魔女の仕業としたほむらが事の収集に動き出し、ある意味で一番の見所とも言える、ほむらVSマミの戦闘シーンに発展。
この戦闘シーン、時間操作の能力を持つ ほむら に対し、火力手数共に優れた遠距離攻撃のマミが一歩も退かずに激闘を繰り広げてくれます。
スピード感あふれ、緊張感もMAXの戦闘シーンはTV放送の魔女との戦闘では見られない大迫力でした。

※↓のネタバレタグの内容は、物語の核心に触れていますのでご注意ください。
{netabare}
二人の戦闘が打ち切られ、TV版では結構可愛そうな役目を担った さやか がこの現象に言及
都合の良い世界ではあるが、この世界を願った者がそんなにも悪い事なのかと問う。
確かに魔法少女五人がいがみ合う事も無く手を取り合い、更に ほむら にとって何よりも救いたかった まどか と過ごすことの出来る世界。
しかし、この世界で まどか の想いを知り、自ら円環の理となった彼女の決意が以下に重く苦しかったのかと言う事をもう一度深く心に刻んだ ほむら はその決意を無駄にする事は出来ないと、世界の違和感の謎の解明を続ける。
この流れが ほむら にとって まどか が自分の中の幸せよりも大事だと言うことを再び感じさせられました。

そして、ほむら の感じた世界の違和感、魔女の所業と思われる事象の真実、『ほむら=魔女』はまぁ細かな設定の説明こそ付かないが、想定通りの展開でした。
元の世界でほむらに、まどかと言う概念、魔法少女のソウルジェムが消え去る仕組みを聞かされていたキュゥべえが円環の理の上では成し得ない魔女とする。
その上で円環の理である、まどか を誘い込み、まどか を観測する事で円環の理を制御して、従来の効率の良い感情エネルギーの採取を目論んでいた。
その真実に辿り着いたほむらは、円環の理の救済、つまり まどか との再会すらも拒み彼女を護る為に一人閉じ込められた空間の中で魔女として死ぬ事を決めます。。
そんな決意を固めた ほむら をまた別の形で策をめぐらせていた円環の理が救う。
この展開だけでも十分過ぎるぐらいに面白いと思ってしまいましたが……

ここから更に物語が加速!!
魔女となった ほむら を まどか救済しようとした瞬間
ほむら が まどか をも超える概念として覚醒、円環の理から まどかの人間としての人格のみを抜き取ってしまう。
今まで自分を捨ててまで まどか を救おうとしていた ほむら そんな彼女が一転して自らの欲望で理すらも捻じ曲げて、まどかを救う。
神となった まどか に対して、神すらも欺く存在である悪魔と成り果てた ほむら は神である まどか を手中に収めようとしていたインキュベーターすらも超越してしまう。
そして、ほむら が円環の理すら超越する概念となり まどか を欺いてでも彼女との日常を創り出す。

円環の理が完全破綻した訳でも無く、まどかの人格のみ救い、且つ、今まで人間を消耗品の様に扱っていたインキュベーターすら超えた事で後顧の憂いもない。
完璧な世界ながら、結果として何よりも大事だった まどか の決意や意志を蔑ろにした、ほむら の望んだ世界
やはり 悪魔となっても まどか の想いを蔑ろにしている事に憤りを感じてか、最後に自らの創り出した日常の中で、世界の尊さと自らの欲望の為に理を捻じ曲げる事が悪なのか的なニュアンスの問いを まどか に投げ掛けています。
まどか は当然の様に世界は尊く、理を曲げる事についても否定。
真実を知らないとは言え、自らの行いを過ち言われながらも、自らの欲望で まどか を救う事を曲げなかったほむら。
自らの欲望を貫き悪魔となってでも まどか を救う事を選んでくれたのは非常に良かった。{/netabare}

土壇場の展開は正直、 想像の遥か上を行き、あっぱれの一言に尽きます。
これぞ『叛逆の物語』のタイトルの由縁だったんですね。
正直、最終的にはスッキリとした終わり方ではなく、少し暗い展開で物語を纏めてしまう辺りも流石です。
単純明快なハッピーエンドよりも作品の持ち味を活かしていたように思えます。
更には今までのほむらの想いを考えると、これをバットエンドと言うのは憚られます。
{/netabare}

まぁ、結末は賛否両論かも知れませんが、自分としては物凄く良かったと思えます。
続編も可能な感じで落としているんで、無いとも言い切れませんが、自分としてはここで終幕でも納得できます。
非常に面白いのでファンの方はぜひ劇場まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 87

71.5 3 魔法で魔法少女なアニメランキング3位
ストライクウィッチーズ劇場版(アニメ映画)

2012年3月17日
★★★★☆ 4.0 (570)
2955人が棚に入れました
原作:島田フミカネ&Projekt Kagonish
監督・アニメキャラデザ:高村和宏
キャラデザ・原案:島田フミカネ
脚本:ストライカーユニット
軍事考証・世界観設定:鈴木貴昭
制作:AIC
製作:第501統合戦闘航空団 活動写真

声優・キャラクター
福圓美里、世戸さおり、名塚佳織、沢城みゆき、田中理恵、野川さくら、園崎未恵、斎藤千和、小清水亜美、門脇舞以、大橋歩夕
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

私たちが連合軍第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズだ!

2期より2ヶ月後のお話です。

今回は宮藤中心にお話しが進みますね。

さすがに劇場版だけあって映像が凄いです^^迫力もありましたね〜

キャーキャーワイワイのするところはあまりなく、シリアス展開です。

でも見応えがありました。感動しましたね^^

短期間で1期→2期→劇場版と続けて観てきましたが、続けてみるとウィッチたちそれぞれに思い入れが強くなりますね〜
みんなー!大好きです^^

劇場版から観ても結構説明もありますので大丈夫ですが、お時間があれば1期から観ることをオススメします。
{netabare}
ラムネおいしそうでした^^
最後に「つづく」とあるので、3期があってほしいですね。楽しみに気長に待ってます^^
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ズボン映画の真骨頂

制作はAICのオリジナルアニメ映画です。
ジャンルは軍事・魔法少女・萌え燃え系です。


一期「ストライクウィッチーズ」のレビュー。
http://www.anikore.jp/review/485070/
二期「ストライクウィッチーズ2」のレビュー。
http://www.anikore.jp/review/485071/


第501統合戦闘航空団が正式に解散し、主人公の宮藤芳佳は扶桑公国で医学校に入ることを目標に勉強をしていた。
そこへ坂本美緒の命を受けて、扶桑公国のウィッチ・服部静夏がやってくる。


映画単体でも見れないことはないです。
とりあえず各種用語やキャラクターの説明はありますのでね。
しかし、テレビシリーズを一通り見ていないとあまり楽しめないかも。
やはりシリーズファン向けの作品。

90分しかないのにそれぞれのキャラクターを丁寧に扱っています。
また戦闘シーンの描写が多く、作画も劇場版なので良し。
今まで以上にリアルで迫力があります。
ストパンに物語性なんて期待していなかったのですが、意外とちゃんとしてたりしますw

濃いキャラクターが多い本作。
ですが、今回は主人公が物凄い主人公オーラを放っています。
とにかくまっすぐで、みんなの役に立ちたい、みんなを守りたい。
その一心で行動する彼女の行動は胸を打たれるものがあります。
それとの対比で軍規を徹底して守る静夏が新キャラとして登場し、主人公のキャラを立てています。
とりあえず、ウィッチに不可能なことはないという前提を忘れてはいけませんよw


総括して、ズボン少なめ、戦闘多めで微妙に百合。
いつもながらになぜか熱い。
テレビシリーズを楽しめた人ならば、間違いなく楽しめます。
最後に「つづく」とありましたのでこれはまだまだやりそう。

どうでもいいですが、{netabare}終盤で501統合戦闘航空団がそろったところでなぜか泣きそうになりましたw{/netabare}
私はもう戻れないところまでストパン好きになっているw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

燃えアニメ。開発チームは鉛筆に恨みがあると思う

ストライクウィッチーズ2期の続き、約110分。
これだけ観てもいいですが、感動は半分以下になりますので、2期まで視聴推奨です。

1期のレビュー → http://www.anikore.jp/review/594705/
2期のレビュー → http://www.anikore.jp/review/606052/


萌えアニメならぬ、燃えアニメ、とってもアツかったです!

この作品の主人公は、宮藤芳佳(みやふじ よしか)だけではなくもう一人います。
服部静夏(はっとり しずか)軍曹。
自由で無鉄砲な芳佳とは異なり、規則に従うガッチガチの軍人の静夏。

この二人を対比させることで物語に味を付けています。
ルールに従うべきなのか、思うがままに突っ走るべきなのか。
{netabare}
芳佳の「諦めない心でまっすぐに突き進む」という行動が「ウィッチーズらしい」ことになりましたが、ルールも大切ですよね。
静夏が訓練通りにネウロイを攻撃したらうまくいった、このシーンでうまくフォローされていると思います。
{/netabare}


作画は劇場版らしく気合いが入ってます!
ウィッチたちは、アグレッシブに動き回りますし、いろんなデザインのネウロイが山ほど湧いてくれます。

ところで、開発チームは鉛筆に恨みでもあるんでしょうか。
鉛筆型のネウロイが{netabare}シューティングゲームのザコのごとく撃墜されていったので……。
気持ちよかったですけどw
{/netabare}

王道展開だしご都合主義もありましたが、そんなの気になりませんでした。
終盤はとにかくエキサイティングで、カメラさんは下半身を狙って頑張っていましたが、もうパンツなんて目に入らず(ホントダヨ)。
{netabare}
501隊全員集合に加え、大和からの援護射撃には鳥肌が立ちました。
芳佳も魔力を取り戻せて良かったですね、3期が楽しみです。
{/netabare}

熱い展開とすっきりした結末。
1期と2期を観たなら、これを観賞しても損はないです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39

70.5 4 魔法で魔法少女なアニメランキング4位
魔法少女リリカルなのは Reflection(アニメ映画)

2017年7月22日
★★★★☆ 3.9 (70)
347人が棚に入れました
劇場アニメ版第3作目。2017年7月22日公開。当初は『A's』から『StrikerS』までの空白期間を描くとされていたが、後の発表で本作にはPSPソフトシリーズの『BOA』および『GOD』が初出のキャラクターであるマテリアル達やフローリアン姉妹が登場し、ストーリーもGODのそれに準じたものであるということになった。2018年公開の『魔法少女リリカルなのは Detonation』と一体の作品で前編となる。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、植田佳奈、戸松遥、佐藤聡美、日笠陽子、清水香里、真田アサミ、柚木涼香、一条和矢、ゆかな、釘宮理恵、清水愛、久川綾、桑谷夏子、松岡由貴、水橋かおり、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小五なのは達が過ごす全力全開の夏休み♪

TVアニメシリーズ&劇場版シリーズは一通り視聴済み。
本劇場版の新登場キャラと関連が深いと言うPSPのゲームシリーズは未プレイ。

本作のシリーズ構成については、
{netabare} 当初から前後編で行くつもりだったとの制作者インタビューを雑誌で拝見していたので、
前編である本作の中途での幕切れや、
後編タイトル&公開時期決定については特に驚きはありませんでした。{/netabare}

夏休みの公開日に事件の発生日時をきっちり合せて来た本作。
夏だからといっても、やることはどーせ年中砲撃ですがw
なのはたちと同じ季節感を共有できた点は、一つ映画館に足を運んだ甲斐がありました。


メインストーリーは正直、微妙……と言うより、今の自分には何とも評価しがたい感じ。
{netabare} 前編なので、現時点でまとめるつもりがないことは想像できていましたが、
それにしても、事件の首謀者が抱く真意等が不明なまま、
新登場も含むキャラたちがそれぞれ抱えた事情や視点が“乱反射”して、
ストーリーの柱がまだ見えてこない印象。

後編でまとめるだろうと言っても、広げた大風呂敷を“爆発”させずに折り畳むには、
相応のシナリオ力が必須になると感じました。{/netabare}

もしかしたら、PSP版ゲームもプレイしていれば、より理解できたのかもしれません。
だとすると、要過去作チェックなネタや演出も含めて、
本作はご新規さんにはかなりハードルが高い作品だったということでしょうか。


サブストーリーや小ネタ等、全編通じてシリーズファンへのご褒美要素は満載♪

{netabare}序盤のシナリオ展開からは、“小学生の”はやて(←とても貴重かつ重要なので敢えて強調w)を
トリプル主人公の一人として活躍、確立させようという意志を感じました。

後半にかけては、特に劇場版2ndにて強調されていた、
リンディとフェイトの“母子関係”の新展開が描かれたのが好材料でした。

これであとは例えばドラマCD某話にあったように、
{netabare}フェイトちゃんがクロノくんに“お兄ちゃん”と呼ぶ奇襲攻撃を仕掛けて、
動揺させるシーン辺りを再現すれば、
フェイトちゃんも立派なハラオウン家の一員ですw{/netabare}

さらにヴォルケンリッターらも含めたキャラ同士の絡み、共同戦線等で、
一通り見せ場を演出して、主人公が誰か分らなくなった所で、
場を一変させる大砲撃でなのはが堂々、真打ちとして登場する。{/netabare}

この辺りは相変わらず『なのは』だなと思いました。


それにしても、強敵と遭遇する度に、
なのは等のデバイスたちが、リスク覚悟で相手の長所を取り込み、
自身のデバイス機能を強化、“工作”していく様には、
あらゆる能力を吸収し、変形していく、某人造人間じみた恐怖すら覚えますw

特に対象と積極的に接触を計るレイジングハートの飽くなき探求心には戦慄しますw

もしかしたら、この夏休みを一番エンジョイしているのは、
思う存分“自由研究”を満喫しているレイジングハートなのかもしれませんw


付記:挿入歌について。

本作で一つ懸念していたのは{netabare} 田村ゆかりさんの歌が登場するかどうか。

専属契約していたキングレコードからの事務所移籍等がスムーズじゃなかったのでは?
もしかしたらキングレコードが関わっている『なのは』シリーズに、
ゆかりさんが歌を出せない事態にもなるのではないか?
そんな噂も飛んでいたので、高町なのは(CV田村ゆかり)名義で挿入歌が流れた時はホッとしました。

大人の事情については私もよく分りませんし、憶測を巡らせてもしょうがありませんが、
“永遠の17歳”どころか役を通じていつでも“幼女”に変身できる、
声優さんの底力を垣間見た。そんな感想も覚えた劇場鑑賞でした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シナリオは月並みだけど、男前ヒロインは健在!(※だが幼女だ)

高町なのは(※本作のヒロイン)は本当に男前だなあ(※まだ小学5年生の女の子だけど)。
・・・流石は西暦2000年代に放送/配信が始まった魔法少女アニメの主人公で、唯一の“現役”だけあります。

現実には絶対に有り得ない設定ですが、それでも何故か心が揺り動かされてしまう・・・そういうTV版第1期から寸分変わらぬ「なのはシリーズ」の魅力は本作でも健在でした。

まあ、正直言って『魔法少女まどか☆マギカ』よりもさらに、一般人には視聴をお薦めし辛いシリーズではあるんですが、日本全国の正義を愛する警察官の皆さんや自衛官の皆さんにも「なのは」ファンは絶対に多いと私は確信しています。
(※実際に、2012年だったかに、福島県のとある劇場で、本シリーズ劇場版第2作の上映中の映像をスマホか何かで盗撮したとして、同県警所属の白バイ兄ちゃんがタイホされてニュース沙汰になっています)

なお「なのはシリーズ」初心者の方は、本作の視聴前に

(1) 制作時期の古いTV版(※第1期(2004年)、第2期(2005年)、第3期(2007年))ではなくて、
(2) 2010年代に入ってからリメイクされた劇場版2本(※第1作(2010年)、第2作(2012年))の方

・・・を事前に視聴しておいた方が賢明です。

現在劇場公開中の続編『劇場版 魔法少女リリカルなのは Detonation』も割と評判良さげだし、やっぱり観に行こうかな?(※かなり恥ずかしいけど)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なのはホント良い子だなぁ・・・

 とある惑星の少女キリエが、死にそうな父親を救うために人工知能イリスと共に、なのは達のいる時限にやってきて、はやての持つ夜天の書を狙うことをきっかけに話の規模が膨らんでいったアニメだったです。なのはA’s後2年後のお話ですねです。いきなり19歳になったStrikerSになってキャラが増えたときに比べ、A’sその後なだけに私は分かりやすかったです。
 見ていると、なのはとフェイトは、ホントに良い子だなぁと思ったです。

 平和になっても訓練を欠かさない、なのはとフェイト。お友達達との交流と平和な日々も束の間、はやても加えて、キリエの起こす事件に巻き込まれるです。はやて間一髪の時、キリエを追ってきた姉のアミタも参戦するです。
 キリエが来た時点から、時空を超えた出来事であることが、クロノたちにすぐに気づかれてしまうため、時空管理局の絡みが今回もありです。

 にしても、魔法とは思えない兵器、悟空たちのような光線技を多用するように見え、魔法少女アニメにかけ離れたバトルがかなり今回も繰り広げられるです。私は、好きなんですけど・・・です。ドラゴンボールZに例えるとシステム「オルタ」という界王拳もあるです。変身は、近代魔法少女な感じだったです。

 キリエ、イリスの言っていることは、まるっきり違っているです。なのは、フェイトに協力してもらうとか、夜天の書を少しだけ貸してもらうとか言っていて、やっていることは、事件を起こしての誘導、襲撃、言葉巧みにフェイトに話すとか、夜天の書の強奪にしか見えなかったです。

 今までのリリカルなのは以上に話の展開が早く、白熱するバトルが全体的に多かった印象だったです。なのは達のパクリ新キャラも出てきて、バトルはさらに激化するです。にしても、トランスファーマーとも違うロボットが、最初を通してパワーアップした感じのものまでこの時には出てくるので、このあたりからも魔法であることすら、分からなくなっていったです。

 イリスの正体と真の目的、キリエのやってきたことは一体!にも注目です。{netabare}更なる新キャラ、ユーリも出てきて、ピンチなのか?どうなるのか?というところに、パワーアップしたなのはが、登場してと良いところで終わりになってしまうです。カッコいい水ナナの劇場主題歌が流れるです。
 Reflectionに続きが来年にあるなんて知らなかったから、ビックリだったです。{/netabare}

 最後には、なのはキャラにおけるミニ劇場がまた来週と言って、週替わりに上映されるようなので、余裕がある人は毎週行くんだろうなぁと思ったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

72.2 5 魔法で魔法少女なアニメランキング5位
魔法少女リリカルなのは Detonation(アニメ映画)

2018年10月19日
★★★★☆ 3.9 (46)
271人が棚に入れました
人気アニメ「魔法少女リリカルなのは」の劇場版4作目で、前作「魔法少女リリカルなのは Reflection」とあわせた完全新作の劇場版2部作の後編。死にゆく故郷の惑星エルトリアを救うため地球に存在する「永遠結晶」を求めてやってきたキリエだったが、キリエは旅の同行者イリスに利用されていたことを知る。イリスの本当の目的は、永遠結晶の中で眠っている存在「ユーリ」への復讐だった。高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやてら地球の魔導師たちは、イリスやユーリを止めるために戦いに身を投じる。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、植田佳奈、戸松遥、佐藤聡美、日笠陽子、清水香里、真田アサミ、柚木涼香、一条和矢、ゆかな、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全力全開!魔砲少女大戦!!~東京クライシス~

小学五年生になったなのはたちが、滅びゆく惑星エルトリア絡みで起こる危機に、
時空管理局の一員として全力全開で対応する劇場版第三弾の後編。

前編に続いて公開後まもなく劇場鑑賞しましたが、
前後編で一年以上間隔があいたので、記憶をたぐり寄せながら戦いに挑みました。


魔法戦は相変わらずド派手でした♪
2ndまでのミッドチルダ式魔法&ベルカ式カードリッジシステムの融合に加えて、
特殊なナノマシンを肉体に取り込み能力を発現する
エルトリアの技術体系“フォーミュラ”も加わり、
空中戦はさらに高速化&高火力化。

それにしても、巡り会った強敵(とも)にぶつかる度、
リスクを恐れず体系ごと自らの魔導に取り込みどんどんパワーアップしていく
なのはさんマジ半端ないですw

代名詞の収束砲撃も“フォーミュラ”融合の効果か?
速射性が増して一層、危険度がアップしていてヤバイですw魔砲ゼロ式!?

界王拳やトランザムの如き、時限パワーアップの機能まで実装され
もはや一般的な魔法少女が纏うメルヘンな雰囲気は皆無w

なのはのバリアジャケットから零れる桜色の燐光が
私には段々ユニコーンガンダムに見えてきましたw
砲撃の発射音とか発射光とかはファーストガンダムだしw
来月新作公開の『ガンダムUC』はCGアニメ映画版『ゴジラ最終章』だけでなく、
『なのは』ともコラボすれば良いのにと思ってみたりw

バトルステージが東京と明言されたのも本作の特徴。
魔法戦が都市に実害を与えない&敵を捕捉するための結界ポイントが、
時空管理局により首都の要所に一方的に定められ激戦地に。
後でどうせ修復されるだろうと分っていながら、破壊されるビルや名所等を眺めていて、
私は呆然と口を開けつつ、このままだとオリンピックは中止だなと苦笑してみたりw


一方でシナリオは、多すぎる登場人物の想いが乱反射した前編の流れを引き継ぎ混迷ムード。
各々が主役級の葛藤を抱えており、断続的に感情が振り切れる訳ですが、
私は正直チョット感情移入が追い付かなかったです。
ぶつかり合うハートが極まる度に投入される挿入歌の歌合戦も乱戦模様でした。
エンディングクレジットで改めて主題歌&挿入歌の多さに驚かされますw


私としては、本作では八神隊長が若かった頃の活躍を堪能することを第一目標に、
目的意識を持って挑んだので比較的楽しめました。
「闇の書」もとい「夜天の書」の過去も垣間見ることができたのも収穫でした。

ただファン以外の方が優先順位を付けずに
乱戦に巻き込まれるのはチョットきついかも?とも思いました。


そんな中、最後に私の胸を打ったのは、
主人公なのはが抱えていた心情の吐露でした。

クライマックス……{netabare}激戦を終え、なのはが夢の中で、幼少の頃の自分と対話する中で、
文字通り命懸けで街を守り切ったと言うのに、
尚、自分を好きになれない?との主旨のやり取りを自己問答しているのに驚かされました。

見ていてふと、TVアニメ1期の第三話を思い出しました。
あの話でも、なのはは、{netabare}慣れない魔法戦に疲労する中、ちゃんと街を守ったのに、
自分がもっとしっかりしていれば……と凄く自分を責める。{/netabare}
なのはの利他の精神はちょっと異常だな?とあの時抱いた感想が蘇りました。
家庭内での孤独からなのか、平凡な自分と言う自信のなさからなのか。
なのはの慈愛精神は時に、他者救済依存なのでは?
と言っても過言じゃないくらいの自己犠牲過剰に感じます。

世の中、自分の利益優先、自己愛だけじゃ幸福になれないと、
他者に尽くす喜びや、ボランティア精神による自己救済、幸福論が説かれています。
では、なのはみたいに星や次元世界の一つや二つを救っても尚、満たされない
自己はどう救済されれば良いのでしょうか?

TVアニメ2期~3期の間のなのはと言えば、今後、
{netabare} なのはが任務中に大怪我を負い、二度と歩けない&魔法が使えないかもしれない。
と言う大きな試練が待ち受けているわけですが、
他者救済に自己を見出していたなのはが、魔法と言う誰かを助ける力を失いそうになった時、
彼女のメンタルは無事でいられるのだろうか?との不安が重くのしかかって来ます。{/netabare}

いつも全力全開で、泣いてるあの子をほっとけない、みんなを守りたいと
なのはは己を投げ出す覚悟で、実際に多くの人間を救っても来ました。

けれど一番救済されるべき、話を聞いてもらうべきは、実はなのはなのではないか?
最後の最後に魔法少女の孤独がハートに塞ぎがたい穴を穿った。
重たい余韻も入り混じった魔法少女アニメ映画鑑賞でした……。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

なのは式超サイヤ人変身、最後の最後まで全力全開発動?+

  一年ぶりとなる待ちに待った新作劇場版なのは後編となるアニメだったです。
 前作とは比べ物にならない、予想外すぎる展開、迫力の戦闘シーン目が離せない連続だったです。上映時間も長い分、内容も濃く凄かったです。

 悲しい出来事を悲しい結末に終わらせないために!を胸に秘めて戦うなのは達!。
 気になりすぎる前作の終わりから、新しい力を得てピンチに駆けつけたなのは、活躍期待大すぎる序盤からいきなりの魔法とは思えない、Detonationバトル第一ラウンドだったです。
 激戦後、つかの間の安らぎ、少し明らかになる事実、激しいバトル再開と物語はさらに目を離せなくなるのです。

 そんなバトルの中さらに明らかになっていく衝撃の真実に驚くべきことが!だったです。{netabare}どっから出てくる謎の敵?どうやって潜んでいたのか?「私、気になります!」だったです。{/netabare}大どんでん返しの連続は、終盤に近付くにつれ、かなり驚かされたです。

{netabare} ついに覚醒する悟空顔負け、なのは式界王拳、アクセラレイターは、超見所です。髪の毛は、スーパーサイヤ人??光る感じはするけど、違うみたいです。{/netabare}

 勝利のつかの間まさかの逆転ホームランされるか?アウトにできるか?ハラハラ、ドキドキ頑張れ!なのは大活躍だったです。
 HAPPY ENDなるかと思いきや、BAD END??、はたまたHPAYY END??そうならなければ、「魔法少女リリカルなのはStrikerS」の放送はないので、どうなって「これでいいのだ!」になるのか?活目です。

 戦いの終わり、その後のすべてを描いていったエンディングがあり、エンドロール、感動のラストはなかなか良かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

nagi さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

なのは完結!?

素晴らしい出来でした。

・音楽に関しては、従来のなのはシリーズに負けず劣らず良い出来。
・作画は、映画ということもあり、ずっときれい。
・戦闘シーン関しては、とにかくスピード感が素晴らしい。
 数多くの戦闘シーンが、単調にならないよう、随所に工夫がされており、見て いて飽きない。
などなど全部に満足‼

ストーリーはといいますと、映画だけ見ても楽しめるような構成の中に、
長年なのはを見てきた方の琴線に触れるシーンがちらほらと見え隠れ。
制作者の意図の通りに、しっかりと感動しましたw。

是非とも、劇場でもう一度見たいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8

69.5 6 魔法で魔法少女なアニメランキング6位
おジャ魔女どれみ20周年記念作品 魔女見習いをさがして(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.6 (47)
185人が棚に入れました
帰国子女で会社員のミレ(27)、教員志望の大学生のソラ(22)、フリーターのレイカ(20)年齢も住む場所も悩みも…なにもかもが違う三人を引き合わせたのは―――魔法玉!?不思議な巡り合わせで一緒に旅に出ることになったまっすぐで、ちょっぴり不器用な彼女たちのニュー・マジカル・ストーリーが いま 始まる!

声優・キャラクター
森川葵、松井玲奈、百田夏菜子、三浦翔平、石田彰、浜野謙太

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い意味でも悪い意味でもファンムービーに留まらず。

 おジャ魔女ファンとしては当然見てきました。「思い出コンテンツ」として商売だけの匂いしかないような志の低いことがない辺りは「デジモン last evolution」と同じ。流石は関pが関わっている作品だけのことはある。


 おジャ魔女たちは殆ど出ないが、明らかに本作はおジャ魔女の面白さと本質であるテーマを受け継いでいる。こういう継承ならええねぇ。


 とにかく、楽しくて親しみのあるキャラ達の物語がスーっとテンポよく心に入ってくる。彼らがすぐに好きになるし、だからこそ彼等の地に足がついた苦しみも心に響く。


 今回の主役の三人は声優じゃない方がやってるが、ほんまにキャラとの相性がピッタリである。特にももクロの方がやってたレイカちゃんは、おジャ魔女というよりキラプリのひまりん感がある良い方言キャラでした!。


 とにかくテンポがよく物語がスイスイと進むが、軽くて甘過ぎなお菓子のようにならないバランス感覚がちゃんと働いているのも見事!。


 全体的にかなり満足な作品だったが、「last evolution」のような傑作とは言い難いかな。どれみの面白さは、物語がどうこう以上に時間をかけてキャラ愛を育てていくのと、子供向けとは思えない「痛み」があるところだった。


 それに対して、2時間もない映画では少々サクサク過ぎる。しかも、本作は大人たちが主役だけにあまりにサクサクだと軽くなってしまっているところがある。もっと溜めが必要だったかも。1クールのアニメのが良かったかなぁ〜。


 そして、これはファンとしてのワガママだが、やはりもっとどれみ達が見たかった。過去の話を上手く利用するのでもいいから、もっとサービスがあっても良かった。


 鬼滅でも話題の石田さんも出てるのだが、どうせならドッカ〜ンの「離さないで、繋いだ手と手」の幽霊の少年のデザインに似せた感じにするとか、ファンならニヤリな描写があっても良かった。それが目的化したらアカンが。


 本作を見て改めてサトジュンさんはアニメ界の木ノ下恵介だということを改めて思った。本作に限らずサトジュンさんの作品は子供向けタイプに限らず甘さと優しさが基調にある。しかし、それは誤魔化しや騙しの甘さでも、建前や綺麗事の甘さではない。


 世界に辛い現実があるのは知ってるし、建前の裏でズルや嘘が横行してるなんてもちろん知っている。だからといって「世の中なんて嘘ばっかじゃん!。真面目にやって馬鹿見るくらいなら、私も抜け駆けするしかない」なんてニヒリズムや敗北主義に本当に強い人は陥らない。


 それでも…、人には譲れない大切な物がある、それでも…人は良くなりうると信じる。理想に向けて、祈りや願いを胸に人は少しずつでも努力し続けることができれば…。このオプティミズムは現実無視ではなく、現実を知ってもそれを乗り越えていく強さがある。


 子供たちに向けて作品を作ってきたサトジュンさんには、背中で敗北主義と狡さを教えるような格好が悪い大人ではない。たとえ時勢に逆らう形でも、人が持つ誠実さと心の力を信じ、百万言よりも心に響く物語という形でそれを示してくれる。リアリスト気取りな「ぶっちゃけ」という名のみっともない人間が溢れる中で、子供向けを多く手掛けた職人タイプの監督の方が一周回ってロックじゃん!。


 本作のサトジュンスピリット。心のチカラこそ本当の魔法というメッセージ、幻想こそ現実に強く生きる原動力になるというテーマはプリキュアにも引き継がれている。優しさという魔法を私は信じ続けていきたい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ドレミ見ていなくても大丈夫!

2022/01/010 投稿

おジャ魔女ドレミ視聴は絶対条件ではありません,極端に言って見ていなくてもほぼ問題なしです。

ちなみに自分はこの作品を見るにあたり1期の最初2話,#の1話,ドッカ~ン!の1話を予め見たことと,「ドレミ」が約20年前の作品という事を確認して念頭に置いて見るようにしました。

見て良かったと感じた点は最初のOPソングを聴いたときに,それだけでウルッと来たことです。それ以外は,この物語自体は「ドレミ」のストーリーには依存していないのでほぼ問題ないと思います。リアルタイムで「ドレミ」を見ていれば,評価はかなり上がると思いますが,わざわざ「ドレミ」シリーズを視聴するほどでは無いと思いました。むしろ,「ドレミ」は隠し味程度で見ていなくても大丈夫なようにちゃんと独立した作品として作られたいます。

大雑把な内容はと言うと

「ドレミ」に出てきたMAHOU堂によく似た建物を見に来た28才,22才,19才の女性が「ドレミ」つながりで知り合い,聖地巡礼などをしながら,友情を育み,それぞれの抱えている問題を解決していく物語です。ドレミを見て育った三人のリアルでの友情と成長の物語です。

物語としては,魔法玉を追いかけるシーンやその後の病院でのエピソードなど多少無理矢理感や違和感を感じる点は有る物の,おおむね「ドレミ」抜きでもいい話と思いました。

まとめると
「ドレミ」を見ていなくても視聴可能です。
逆に,「ドレミ」をリアルタイムで見ていた人には,お勧めの気がします。(自分が見ていないので断言はできませんが・・・)ただし,ドレミ祭は期待しないで下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どれみ聖地巡礼、3人の仲間達というのでは⁈

 『おジャ魔女どれみ』を見ていた女子三人が、その聖地「MAHO堂」のモデルとなった建物で知り合って仲良くなり、どれみや身の上話をしながら進む展開な感じだったです。
 『おジャ魔女どれみ』は聞いたことはあるけど、見たことないです。

 よくわからないけど、魔法玉というのも存在感あったです。この聖地って、鎌倉、飛騨高山、京都、奈良と広範囲だなぁです。

 三人それぞれに、仕事や生活における悩みを抱える姿が印象的だったです。聖地巡礼で友達ができるって、何か良いもんだなぁと思ったです。
 三人に降りかかるというのか?様々な出来事を互いに励ましあう姿を見るとそう思うです。

 現在の自分を見つめなおすとき、ここれは非現実的でしかない、魔法というものの必要性について考えさせられるかもしれないです。

 三人が見つけた生き方は、どうなるのか?お楽しみです。タイトルの意味が分かりづらかったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5

72.5 7 魔法で魔法少女なアニメランキング7位
映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(アニメ映画)

2018年10月27日
★★★★☆ 3.9 (22)
86人が棚に入れました
な・な・なんと! プリキュアオールスターズがちっちゃくなっちゃった!それは【プリキュアの想い出】をねらうミデンのしわざ!想い出をうばわれると、これまでのことをぜ~んぶわすれちゃうみたい! ?しかも残ったプリキュアは『HUGっと! プリキュア』と『ふたりはプリキュア』だけで……大ピンチ! !こうしちゃいられない! みんなで力を合わせて、キラキラ大切な想い出を取り返しにいこう! !

声優・キャラクター
引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、本名陽子、ゆかな、宮野真守、山本美月

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オールスターエンタメと革新的CGと悪人正機説の三位一体。「痛みを知らぬ者に真の祈りは生まれません」。

 私が何故プリキュアおじさんになったか?。結論から申し上げるなら、人生最高のアニメ映画が本作だからなのです。人生最高の作品、となると単に優れた作品というわけじゃなく個人的に重要なサムシングがあるもの。本作が私にとって特別なのは、その予期せぬ出会いの驚きという面が大きいのです。油断していたボンクラな私にキュアエールことハナの愛は深く深く私の心を洗い清め、見事にプリキュアおじさんに入信することとなったのです。


 本作の飛び抜けている点を列挙すると沢山あります。


 75分しかないのに3つくらいクライマックスがある上に、応援演出を単なるお約束じゃない使い方で見せてくれる脚本の妙とか。オールスターのバトルをゴチャゴチャさせずに美しくかつ格好良く表現し、後半のほぼを全編手描きの最高峰にも匹敵しているクオリティーで表現しているCGの驚異的なレベルとか。林さんが担当された音楽が最高すぎる(特にオールスターメドレーの部分)等々。



 そんな中でも私が一番痺れたのは、そのテーマ性でした。エンタメとして面白いだけでは良い歳こいた男を号泣はさせられないもの。この物語は、前半まではキュアエールことハナの成長が主眼ですが、後半は本作の敵キャラである宮野さん演じるミデンの救済が主眼になります。


 敵キャラが単なる悪いやつではなく、現実の苦しみを象徴しているキャラではないと深味は出ない。本作のミデンほどにその痛みが痛切に私に刺さり、同時に現代に普遍性を感じさせられるキャラはそういない!。ミデン。それは誰からも省みられない孤独で、幸福な記憶なんて一つもない存在。だから、他人の幸せな記憶を収集して現実逃避しているが決して満たされない空虚…。


 これはオタクの、いや現代に生きる疎外と孤独に震える人々そのものではないか!、っとその正体がわかった瞬間に目を開かれ、もはや本作は私にとって単なる「お話」ではなくなったのです。これは私に、いや私達に向けられている物語だ!。ミデンの姿がてるてる坊主を思わせるのも、大きく見えるが中身は空っぽというメタファーになっているし、クライマックスの世界と対比になっているのも凄い。


 そして、最初から割りと恵まれていて痛切な痛みを知らないプリキュア達には彼を倒そうとするが、ハナだけは彼の孤独と痛みに共感して救おうとする。


 何故なら彼女は、小学校時代に無茶苦茶いじめられて不登校になった過去がある、中学生デビュープリキュアだからなのだ。言うなれば「おジャ魔女どれみ」の長門さんがプリキュアに変身した姿なのである(長門さんを知らない方はドおジャ魔女の3期と4期をご覧ください)。


 彼女だけがミデンの痛みと孤独に共感できる。何故なら彼女もそれを心から共感できるから。彼女のエールは傷ついた事のない人間の呑気な応援ではない。傷ついても前に進んだ者の真の応援なのだ。「悲観主義は気分の問題、楽観主義は意志の問題」という言葉があるが、彼女は困難な現実を知っていても、それでも信じる、それでも願い続ける。それ故に彼女の勇姿は私の胸を打つものだあったのです。


「なんでもできる、なんでもなれる」


 エールのいつも決め台詞が、ここでは全く違った響きに感じられる。声のトーンもいつもと違い、ここでは単なるお約束の決め台詞ではなく、絞り出すような祈りと願いの言葉になっている。


 プリキュアにおじさんになるということは、単に彼女らの物語を観客として眺めてるだけではない。彼女らの体現している理想や生き様を心に固く懐いて共に生きていくこと、正にプリキュアという神と共にあるように生きていくこと!と本作で私は開眼したのです。



 更に後半はほぼCG、決めカットだけ手描きという表現になるのですが、これが日本CG界では「宝石の国」以外では達成できていない高みに至っているのも凄い!。元々プリキュアは回を重ねる毎に宝石のような綺羅綺羅な色彩を多用するようになっていたし、edでCGダンスシーンをやるのが恒例になっていたから題材として非常に向いていたというのもあるででしょう。


 しかし、本作のCGは柔らかい表情の表現まで驚異的なレベルに至っている。なんでこんな凄い技術があるんだ?と不思議なレベルで、このCG表現の革新だけでも見る価値充分です。あと、「ハイキュー」などで最高の仕事をされている林さんの音楽が至高なのも素晴らしい。


 総合すると、本作はビジュアル◎、音楽◎、脚本◎、テーマ性◎、と私には完璧という域を超えた究極的な一本と言えます。しかも、これだけのことを75分くらしかないプログラムピクチャーの中でやっているという奇跡!。今後優れた作品は出るでしょうが、この完成度に思わぬ出会いをするのをリアルタイムで体験できることはそうないように思える。プリキュアシリーズ全体は今後どうなるかわかりませんが、本作を見ちゃうとまだまだ期待せざるをえません!(幾原監督に一層やらせてくれないかなぁ)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これは一種のドラッグムービー

シリーズ15年の歴史を誇るプリキュアは本作でついにギネス入りを果たしたらしく、総勢55人の歴代プリキュアが集まり、しかも顧客は女児ではなく大人に向けてオールスター映画を作っているので、徹頭徹尾、プリキュア漬けのドラッグムービーである。作画はさすが東映といったかんじで金を掛けまくっている。いわば狂気そのものである。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンになって日は浅いですが

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

完走:Yes!プリキュア5
半分:フレッシュプリキュア!
完走:スイートプリキュア♪
完走:スマイルプリキュア!
8割:ドキドキ!プリキュア
序盤:ハピネスチャージプリキュア!
序盤:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!

他は未視聴





ついに劇場にプリキュアを見に行ってしまいました。
でも「土日に行って、席が子供たちでいっぱいだったら肩身が狭いだろう」と思ってわざわざ平日に行きました。

幸いにも(?)客席は数家族でした。
しかし、誰もミラクルライトを振らない(^▽^;)
これが結構さみしくて、次回プリキュアの映画を見に行くときは、
恥を忍んででも子供たちがたくさんいる日に行こうかなという気持ちになりました(笑)



作品のクオリティですが、素晴らしかったです。セルルックCGが。
物語の後半から多分フルCGになるのですが、なぜ"多分"と書いたかというと、たまに手書きのカットがあったような気がしたのです。でも、それくらいセルルックCGのクオリティが向上していることは間違いありません!
「HUGっと!プリキュア」のエンディングを見ていても度肝を抜かれましたが、近い将来テレビシリーズのプリキュアが全編(あるいは変身後のみ)フルCGになっても違和感ないかもしれません(異論は認めます)。

中盤やけに重苦しい展開だったり、観客に歴代の好きなプリキュアの名前を言わせようとしたりと「完全におっさん向けやんけ(笑)!」な展開は少し複雑な気持ちでしたが、まあ泣きましたよね。

ほんの少しだとしても、全てのプリキュアにセリフがある!
プリキュアたちが、シリーズごとに必殺技を繰り出すシーンのカタルシスは半端なかったです。
今作のテーマは、プリキュア15周年ということもあって『思い出』なのですが、クライマックスにプリキュアたちが思い出について各々述べるシーンは、卒業式の訓示っぽくて涙ちょちょぎれました。

上映時間の関係上、難しかったのでしょうが、ベビープリキュアの可愛さはもっと押し出してもよかった気がします。
何とももったいない。アムールだけ異常におとなしいのは最高でしたが(笑)。

宮野真守さんの演技も安定の素晴らしさでしたし、エンディングのダンスは永久保存ものだったりと、
劇場に足を運んだかいのある作品でした。他の劇場作品も、随時見ていきたいです。




P.S.あとモフルンが最高でした(^_^)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3
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