騎士で魔王なおすすめアニメランキング 18

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの騎士で魔王な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月24日の時点で一番の騎士で魔王なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.3 1 騎士で魔王なアニメランキング1位
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (806)
4008人が棚に入れました
「ゲームで魔王やってたら、異世界に召喚された!?」MMORPGクロスレヴェリにおいて坂本拓真(さかもとたくま)は、他プレイヤーから『魔王』と呼ばれるほど圧倒的な強さを誇っていた。ある日、彼はゲーム内の姿で異世界へと召喚されてしまう。そこには「私こそが召喚主」と言い張る少女が2人いた。拓真は彼女たちから召喚獣用の奴隷化魔術をかけられる――しかし固有能力《魔術反射》発動!奴隷と化したのは少女たちで……!? 魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、開幕!

声優・キャラクター
水中雅章、芹澤優、和氣あず未、原由実、大久保瑠美、加藤英美里、種﨑敦美、森嶋優花、千本木彩花、置鮎龍太郎、石田彰、大塚明夫

BakerRIo さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

タイトルでもうね…

テンプレに少しひねりを加えただけの内容の薄っぺらいアニメばっかだよな。ドラマも医者や刑事、弁護士系のばっかで新しいことがまっっっっったくない。惰性で見るのもやめた、というかもうタイトルで見る気が失せる。アニメなんだからもう少し独特な世界観や設定を作ろうとは思わないのかね。サイコパスやメイドインアビスみたいな良いストーリー・設定と神作画のアニメに出会えるのはいつになるんだろうか……

追記
タイトルが酷いとはいえ流石に1話も見ずに切るのは酷だと思い観てみました。作画は悪くなかったのですが、テンポが早すぎてストーリーにのめり込むことはありませんでした。「気づいたら転生してた」「女性キャラがちょろい」「主人公最強」等の典型的な設定が盛り沢山ですが、惹きつけられる新しい要素は全く見つけられませんでした。今後視聴することはないと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最後までしっかりと楽しめました

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生+主人公最強+ハーレム+微エロ+コメディ。
異世界転生で主人公最強でハーレムというと、大ハズレの予感しかしなかったけど、意外と楽しめました。

取り巻きが無駄に増えないのと、主人公が最強なのに意外とヘタレなのが功を奏していると思います。
この作品といい、オバロといい、このヘタレモードが魅力の一つだと思います。

第2話の微エロ展開で、正直ドン引きしましたけど、第3話でしっかり挽回。
以降も、コメディとシリアスのバランスの良さは高評価です。
ただし、第10話のエロシーンは評価が分かれちゃうかも知れないですね。
明らかに”微”の域を逸脱していましたからね。

あと主人公が、ゲームとこの世界の違いを確認しながら、慎重に事を進めている所も高評価です。
主人公の心の声が、私のような原作未読者にも、分かりやすく世界観を説明してくれますからね。
(この点もオバロに似ているかも)

主人公役の声優(水中雅章)さん。ほぼ初見なのですが、良い声優さんですね。
魔王バージョンとヘタレバージョンの演じ分けが、とても良かったです。

脇役ですが、何故か女性陣がピンチになると駆けつける、エミール・ビュシェルベルジェール。
憎めない好キャラで、大好きです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一般人に生活感が溢れる良作

原作は未読でしたが、8話目辺りで追いついて、その後既刊分(1~10巻)を読み終えています。下記は4話目を観終わった辺りでのレビューです。

また、その後に最終回まで観終わっての追記があります。
==
原作ライトノベルは未読です。

大まかにどんなお話かという点ではあにこれの「あらすじ」が「だいたい合ってる」という感じで良くまとまっているので、作品の説明に替えて第4話まで視聴を終えた時点での登場人物などを中心にここまでのインプレッションなどを書いてみたいと思います。

ディアブロ(本作品の主人公): 作品の舞台となっている世界とそっくりなMMORPG「クロスレヴェリ」での豊富なプレイ経験を持ち、本作品中では他のキャラクターを圧倒する力を持つ自称「異世界の魔王」。

神などの作為を自覚できるような転生・転移のプロセスを経ていないせいか行動は意外と慎重。行動原理はソロプレイで培われている点はあるにせよ、人物的な好感度は比較的高めかと思います。

シェラ・L・グリーンウッド(ヒロイン枠): 巨乳エルフ。もう一人のヒロインであるレムと比べると智謀的には劣る印象。ムードメーカー的なところがあります。

レム・ガレウ(ヒロイン枠): 貧乳の獣人(猫っぽい)。話のキーになりそうな宿命を抱えているせいか、影のあるキャラ。そこそこ強い筈のわりには、シナリオ的にはピンチに陥りがちな感じがします。

セレスティーヌ・ボードレール: 魔術師協会会長。比較的思慮深い常識人枠。ここまでの登場人物の中では、おそらく一番物を知っていそうな人。

シルヴィ: 通称「ギルマス」(ギルド・マスターの意味?)で、ディアブロたちが拠点にしている街ファルトラの冒険者協会会長。ディアブロの実力を、測れないなりに一番理解できているっぽい人。いでたちはほとんど痴女(笑)。

エミール・ビシェルベルジェール: ファルトラの冒険者の一人でディアブロを除けば恐らくは最強クラス。「すべての女性の味方」を自称し、チャラいところはあるものの愛すべきバカ。

他にも名あり、モブキャラ含めて多くのキャラクターたちが登場しますが本作品の長所として各キャラに良い意味で生活感が感じられる点があると思います。

戦闘で犠牲者が出れば弔い、街が破壊されれば皆で協力し合って復興にいそしむ様子が作中で描かれており、私としては作品自体に好印象を持っています。

ディアブロも含めて死んだら「死ぬ」のであって蘇生という概念はなさそうで、実力差はあっても相応のMP消費などもあって、本当はダメージがあっても「やせ我慢」で無双キャラを演じるなどの心理戦要素もなかなかの見どころになっていますね。

ディアブロの極大魔法が橋を吹き飛ばした後で川面が完全に割られた後に水が吹き戻して渦巻くなど、意外と場面描写も丁寧だったりします。

実はかなり面白いんじゃないでしょうか。ということで今後の展開も楽しみにしています。


2018.9.21追記:
最終回の12話まで観終わりました。まず、ライトノベル原作のアニメ化と考えるとなかなか良いアニメ化だったと思います。原作は続いていますが話の区切りとして中途半端な感じがなく、仮に2期目以降があった場合でもこのやり方を踏襲するならシリーズ構成的な失敗はなさそうです。

原作の1巻をアニメの4話のペースで構成していて、12話でおよそ原作3巻分の話がアニメ化されました。ただし原作では毎巻引きがあって次巻に続く構成になっている(例えば3巻だとエルデガルドとアリシアの脱出で終わる)ので、アニメでも一部4巻の内容が含まれます。

原作でアニメの続きを読むということなら4巻からで良いと思います。

キャラクターデザインについては原作イラストと別人とまではいきませんがけっこう変えてきてますね。ただ原作イラストのキャラクターデザインはアニメで動かすのは不向きと思われ、キャラデザ変更は良かったと思いました。

OP/ED主題歌はともに出演声優が歌う形になってますが、特にOPは背景アニメの出来も含めてどちらも作品内容に沿った良曲だったのではないでしょうか。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49

88.5 2 騎士で魔王なアニメランキング2位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (619)
2007人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

水鏡と鏡蓮華 Ⅰ

魔法パートに引き続いて、旅パートの読解を試みようと思う。が、
まずはかなり突飛な着想に即した解釈になっていることを最初にお断りしておく。
尋常のアプローチが行き詰って考えあぐねていたとき、ふと気づいたのが、
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」というシェーマだった。

前稿Ⅱ章で述べたように、ゼーリエが「葬送のゼーリエ」となることによって、
フリーレンとの対比関係がこれまでの「対照性」から「対称性」に移行する。
表層の「対照」の奥に、より本質的な「対称」が潜む構造が認められるのである。

旅パートはまさしく、この構造に基いている。
過去と現在、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
しかも、同じルートを辿り直すという相似的な対称性をも示している。

この着眼から出発して、対称性を生み出すメカニズムについての推論を試みた。
まずは抽象的なシェーマを具象的なイメージに変換し、
イマジネーションの磁場を形成しつつ物語を主導する「力学」を読み解いてみる。
(以前書いたことの繰り返しになるので、既読の方はスルーなさると良いです。)


「鏡像」

{netabare}アニメ第2クールの一級魔法使い試験編。
一次試験を通過した受験者は、二次試験の舞台となった「零落の王墓」で、
自分たちの完璧な複製体に遭遇し、バトルを繰り広げる。
迷宮の最奥に潜み、複製体を創り出して侵入者を排除するこの魔物の名は
「水鏡の悪魔(シュピーゲル)」という。

・・・そう、「鏡」なのである。
鏡とはまさしく、光学的なメカニズムを用いて「対称性」を現出させる装置に他ならない。
「水鏡の悪魔」という魔物の名前から類推すれば、複製体の正体は「鏡像」である。
あたかも迷宮に潜む魔物のように、物語の深層に原型的な「鏡」のイメージが潜在し、
その作用によって「鏡像」が生み出される。それが本作の対称性の本質なのではないか?
自分にはそんな風に思えたのである。

とは言え、"物証"となるような「鏡」の実物は作中には見出されない。
だがむしろ、そのことが逆に事の本質を示唆していると自分は考える。
重要なのは本作の「鏡」が、象徴性をはらんだ"名辞"としてのみ現れることである。
言語学で言うところの「シニフィエ」ではなく「シニフィアン」としての機能であり、
テクスト論の概念を用いれば、要するにそれは「記号」なのだ。

深層のイメージとしての「鏡」は、対称性を生み出す記号的な機能を担いつつ、
物語空間の内部に固有のイメージの連鎖を形成してゆく。具体例としては、
第5話に登場する、親しい死者の生前の姿を模倣して幻惑する「幻影鬼」という魔物。
あるいはリーニエが用いた、過去に記憶した相手の魔力を真似るという「模倣する魔法」。
そして、これらに反復される「模倣・転写」のイメージは、より包括的な「本体―複製」、
すなわち「オリジナル―コピー」という関係式に還元できることに注意したい。

自分が試みたいのは、この着想を旅パートの解釈に応用してみるというものだ。
思い切って次のような仮説を提起してみよう。すなわち、
フリーレンの現在の旅は、かつての旅の「鏡像」であり、「複製体」である。
つまり「オリジナル」に対する「コピー」である、というもの。

二つの旅の目的地は同一であり、ほぼ同じルートを辿り直す旅である。
このシンプルな再現性に加えて、同行する旅仲間にもコピー的な要素がある。
かつてのパーティーの代替要員として、ハイターにはフェルン、
アイゼンにはシュタルクが、オリジナルの空席を埋めるかたちで充当されている。
(この点に関しては、すでにnyaroさんがレビューで指摘されている。)

ここで際立つのがヒンメルの「不在」である。
ヒンメルの「代替」だけが欠落しているという事実が意味するもの、それは、
ヒンメルという存在が代替不可能な、"絶対的な"オリジナルであるということだ。
その意味で、現在の旅は"不完全な"複製体と見なせるのである。

フリーレンの旅の意味とは、ヒンメルという"オリジナル"が失われたあと、
かつての仲間の"コピー"(フェルンとシュタルク)を通じて"オリジナル"へ遡ることである。
クール序盤のフェルンとの旅の情景はそのことをはっきりと示している。
二人の日常にかつての旅の回想が交錯し、そこに新たな気づきが生まれることで、
二人の距離が徐々に縮まり、心を通わせていくといったエピソード群には確かに、
「人間(=ヒンメル)を知る」というプロセスが表現されていたと思う。

「魂の眠る地」に赴いてヒンメルと再会するという旅の目的もまた、
この欠落を補完しようとする、物語の深層の力学に導かれていると言えるだろう。{/netabare}



上記の推論は、次の三点に要約できる。
1 この物語の深層には「鏡」のイメージが潜んでいる。
2 フリーレンの現在の旅は、ヒンメルという"オリジナル"を求める旅である。
3 したがってそれは、かつての旅の"不完全な"複製体である。

以上が旅パートの組成についての我流の理解になる。
ここを踏まえたとき、本作の回想シーンの機能はこんな風に説明できるだろう。
すなわちそれは、オリジナルに関する記憶の管理者であるフリーレンが、
コピーされた旅の中でその記憶を再現し、更新してゆくプロセスである、と。
そこにオリジナルへの渇望と、再会の願いを読み取ることができるのではないだろうか。

この方向性で回想シーンを読み解くとなると、取り上げるべきは当然、
「鏡蓮華」のエピソードが語られる、第14話一択ということになる。
構成、演出面でも、旅の本質に関わる重要な示唆がこの話数には含まれている。

その前に、少し寄り道になるが、旧稿の「記憶と約束」をここに再掲しておきたい。
旅パートの主要テーマと言える「記憶」について、基本的な点を確認するとともに、
二人の関係性をより深く理解するための「文脈」を予習することで、
このエピソードの感銘をより深めることができると思うからである。
(内容は全く同じですが、論の見通しが良くなるよう、少し手を入れました。)


「死者との約束」

{netabare}何度も蒸し返して恐縮なのだが、またもアニメ初回でいきなり躓いた話になる。
物語の出発点となるヒンメルの葬送の場面でのフリーレンの反応が腑に落ちず、
ずっと拘ってきた"不審点"について、ここであらためて考えてみたい。

 「私、この人の事を何も知らない。」
 「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。」

このときの彼女の心情に同化することを妨げているのは、おそらく
「知る」ことにこだわる背景が欠落しているために今一つ実感が湧かず、
そこから「私はもっと人間を知ろうと思う」への脈絡にも飛躍が感じられるせいだ。
自分にはどうしても、この内面の描出には不備があるように思われてならなかった。

そもそも「人間を知る」という旅の「目的」がどうも皮相な気がして、
その奥に内面的な「動機」を考えてみたりもしたが、結局うまくいかなかった。
だから今回、その「目的」の背後にある本来の「目的」に気がついたことは、
個人的には "Eureka!"と叫びたくなるような発見だったのである。


第16話の「長寿友達」。フリーレンが旧友のフォル爺を訪ねる。
最初に彼と出会ったのはヒンメルたちとの旅の途中で、その折の情景が回想される。
その中で彼はこんな告白をしている。

 「わしは妻の愛した村を守っているだけだ。」
 「わしは遠い昔に交わした約束を果たしているに過ぎん。」
 「滑稽な話だろう。わしはずっと、死者との約束を守っている。」

フォル爺は数百年間村を守り続け、今ではその理由を知る村人はいない。
たまたま村に立ち寄ったヒンメル一行を相手に、心に保ち続ける想いを打ち明ける。
そんな彼に向けたヒンメルの言葉、

 「でもきっとその人は、
  あなたが約束を守ってくれていることをうれしく思っているはずだ。」

こうしたセリフは、勿論、そのままでも響くものなのだが、
キャラクターの内面にまで踏み込むには幾らかの操作が必要になってくる。
ここでは例のシェーマを応用して掘り下げてみたい。

このエピソードの主要人物の布置を整理すると、
人間と長命種との「対照」を具現する二組のペアが「対称」を示している構図である。
片やフォル爺夫婦、片やフリーレン・ヒンメルペア。 
つまりヒンメルはフォル爺の妻の心を代弁できるポジションにいるわけで、
実際、彼女の気持ちを言葉にしながら、同時にその言葉に重ねるかたちで
自らの心情を表明していると見ることができるのではないか。

次の展開から彼の心情を推測することができる。
ヒンメルの態度に感銘を受けたフォル爺は、勇者ヒンメルの記憶を自分が未来に連れていこう、
そう申し出る。それに対してヒンメルが応える、

 「僕たちの記憶は、彼女が未来に連れていってくれる。そうだろう?」

フリーレンの返事は、

 「別にいいけど…。」

このさりげないやり取りは軽く見過ごされそうだが、実は重要な意味を秘めている。
このとき、二人の間で「約束」が交わされているのである。

フォル爺夫婦のパターンが相似的に反復されていると捉えてみよう。
先立って逝く者が託した願いを、残された者が守り続けていく。
たとえ言葉で交わしたものでなかったとしても、
この両者の間には無言の「約束」が成立していると考えていいのではないか。
だからこの場面で、ヒンメルから託された未来をフリーレンが受諾したことによって、
彼女もまた、フォル爺と同じポジションに立ったのであり、
「死者との約束を守る者」という役割を担ったと考えられるのである。

フォル爺と言葉を交わすあいだ、ヒンメルの心の中にはおそらく、
自分が生を終えたあとの未来が思い描かれていて、
その中には自分という「死者」との約束を守るフリーレンの姿があったのだと思う。


旅の本来の「目的」に気づいたと言ったのは、この「約束」のことなのだ。
初回のシーンでのフリーレンの内面を、仮にこのように想像してみたい。

いま、生涯を終えて眠りについたヒンメルを前にして、彼女がもしも、
かつてヒンメルと交わしたこの「約束」のことを思い出したとしたら、どうだろうか。

ヒンメルが逝き、彼らの「記憶を未来に連れていく」べき時になって、
自分の中に残された記憶があまりにも乏しいことにまずは驚き
(「私、この人の事を何も知らない」)、
もはや知ることが叶わなくなったことへの悔恨がこみ上げる
(「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」)。
この心理プロセスから、彼女が流した涙の意味が迫真的に立ちあがってくる。

「私はもっと人間を知ろうと思う」。
この言葉もまた、同じ心理プロセスの延長上に置いて理解するべきだと考える。
今となっては最早、ヒンメルのことを直接知ることは叶わない。が、
それでもなお「死者との約束を守る者」であるためには、たとえ間接的にでも、
「人間」というもの全般への理解をとおして、今からでも彼のことを知りたいと願う、
切実な心の衝迫がこめられているのだと思う。
ヒンメルの死をきっかけに人間への関心が目覚めた、といった理解でも問題はないが、
個人的には月並過ぎて面白くないのである。

彼女の旅の本当の「目的」は、ヒンメルと交わした「約束」を果たすこと、
すなわちヒンメルたちの記憶を未来に連れていくことだったと自分は考えたい。
それは、前章で提示した「ヒンメルという"オリジナル"を求める旅」という文脈に即して
物語を読み替えることであり、そこにもう一つのフェーズが浮かび上がってくる。
フリーレンとヒンメル、この二人を主人公とした、いわば「約束の物語」とでも呼べるものが。

あるいはこんな穿った見方も可能だろう。
本作の旅パート、いや、この作品そのものがメタレベルの「約束の物語」である、と。
回想シーンはヒンメルたちの記憶を「今・ここ」に甦らせ、伝えてゆく回路になっている。
そこに、記憶を未来に連れていくというヒンメルとの約束が実現しているわけである。 
そして、そこには私たち視聴者も立ち会っているのだ。


以上の推論は、コアモチーフである「死者との約束」を介して、
テーマがストーリーに「肉化(incarnation)」される局面を捉える試みだったのだが、
さらに、本作における「記憶」が内包している固有の意味を直接、問題にしてみたい。
そこには「記憶」と「実在」をめぐる独自の思想が含まれているように思えるのだ。

この"思想"は一つのエピソードに端的に集約されている。
第2話、フェルンとハイターとの出会いの場面である。

戦禍によって両親を失った幼いフェルンが、後を追おうと崖の突端に立ちつくしている。
ハイターは無理に制止するでもなく、ただ淡々と亡き友ヒンメルへの想いを語る。
彼から学んだ勇気や意志や友情も、大切な思い出も、すべてが自分の死によって
この世から消え去ってしまう。それが惜しい。・・・などと彼女に説いて聞かせる。

 「あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、
  死ぬのはもったいないと思います。」

ハイターの言葉を意訳してみるとこんな感じになるだろうか。
・・・もしも自分が生き続ければ、大切な死者の記憶を未来に連れていくことができる。
そうすることで死者は、親しい生者の内部で第二の生を生きられるのではないか。・・・
つまりそれは「記憶」が「実在」となるという意味ではないだろうか。

 「お伽話じゃない。僕たちはたしかに実在したんだ。」

第7話のヒンメルの言葉はこの思想をはっきりと表明するものだ。
ここに揺るぎない確信として宣言されているのは、
記憶が歳月による風化に抗い、忘却に打ち克って生き続けるものだということ。
そしておそらくは、フリーレンと交わしたあの「約束」のこと。

思うに、死者を「忘れない」ということは、
そのことがすでに彼らとの「約束」を果していることになるのではないだろうか。
「記憶」とは一人の人間が実在した証しであるとともに、
彼らと残された者たちとをつなぐ、決して失われることのない回路なのではないか?

本作の「葬送」の意味は一義的には捉えられない複雑さを帯びているものの、
「死者との約束」に収斂させる理解は少なくとも、核心に近いものだと思える。
先立って逝く者と、あとに残る者とが相互に抱く、絶えることのない愛情と信頼。
そうした人間的な感情の精髄を含意した、一つの「思想」がそこに認めらるのではないか。{/netabare}



以下は前回の投稿分。魔法パートを我流にまとめたものです。


「魔法と花々」

{netabare}迷走しながら書き継いできたフリーレン論に最終的な決着をつけようと思い、
まずは旧稿に手を入れるかたちで、半分だけまとめてみることにした。

「半分」と言ったのは、取り敢えず「魔法パート」だけ、という意味である。
飽くまでも私見に過ぎないのだが、本作をトータルに理解するためには
二つのフェーズを別個に措定するのが有効であるとの判断から、この作業ではそれらを
「魔法パート」と「旅パート」という仮称で区分している。

自分の関心はほぼ常にテーマに向かうのだが、本作には特段に煽られた。
無闇にエモくキャッチーに、表層に散りばめられている要素に不信感を募らせ、
可能な限り厳密に本作のテーマを抽出せずには収まらなくなってしまい、結局、
こんな我流のテーマ解析を延々続けるに至った次第である。

因みにⅠ章は昨年の十月に最初に投稿したものをそのまま再掲しています。
Ⅱ章は元レビュー(原題「心象の花々」)を大幅に加筆修正したものの、
論旨自体は投稿時のままなので、既読の方はスルーして下さっても可です。



Ⅰ 蒼月草と青い魔法

{netabare}今季覇権の最有力候補とされるだけあって、さすがに充実している。
独特の坦々としたリズムで運ばれていく、ヒューマンな感情が濃厚に織り込まれた物語を
虚心に味わうことのできる、抜群の安定感と完成度である。
原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
ここで導入される闘争―平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}



Ⅱ 花畑を出す魔法

{netabare}クール終盤あたりから徐々に興味が減退し、第二クールに入ると視聴も滞りがちになった。
巷では大いに喝采を博したバトルなども、ただただ辟易するばかりだったのだが、
何とか最終話まで完走し、テーマの最終的な帰着点を確認できたのは幸いだった。
前章で抽出した「闘争―平和」のテーマが"回収"される過程として、以下に辿ってみたい。


今回、鍵となるのは最終二話のゼーリエである。
ここでも演出に着目しながら、第27話終盤の場面から繙いてみる。

最終試験の試験官として、フリーレンと対峙するゼーリエ。
この二人の対面シーンは明らかに「対決」の様相を呈したものになっている。
ゼーリエの挑発をフリーレンは淡々と受け流しつづける。
まずはこの対話中に挿入される花のカットを注視していきたい。

六枚の花弁のある白い花。それは明らかにフランメの墓を包む花畑に咲いていた花である。
したがってほぼ確実に、フランメを暗示するメタファーと捉えることができるだろう。
このメタファーがさらに象徴的に深化する過程を、少々細かくなるが跡づけていく。

フェルンがゼーリエの面接を受けている場面を見てみよう。
彼女の魔力の揺らぎを見破ったフェルンにゼーリエは弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬だけ、水に散った白い花びらのカットが挿入される。
勿論、例のフランメの花なのだが、ラストでまた意味ありげに映されている。
同じ演出が回をまたいで、デンケンとの面接にまで引き継がれていることを考え併せると、
おそらくこのイメージは、老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、
つまりは人間の生の短さを花に託して暗示するもののようである。

人間のいのちの儚さを薄命な花に重ね合わせること。これはまさしく
神話の時代から何千年もの間、使い古されてきた超絶ベタなメタファーであって、
だからこれを指摘しただけでは何も言ったことにはならない。
重要なのはこのイメージがある「心象」を表現していることである。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?・・・言うまでもなく、ゼーリエの心である。

さらに注意を研ぎ澄ませて、ふたたびフェルンとの場面を凝視してみる。
すると、花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが一瞬捉えられている。
この流れを自分なりに解釈すると、おそらく彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、
フェルンを見て一瞬、予感のように心をよぎった・・・そんな風に自分には思われた。

つまり、ここでの花びらもゼーリエの内面に抱かれた「心象」であり、
人間の「儚さ」のメタファーであると見て間違いはないと考えられる。さらに言えば、
最終話で彼女は、水面に浮かぶ花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりしているが、
この仕草には、常に弟子たちに先立たれる者の虚しさ、やり切れなさが表れているようで、
ややくどいくらいに、演出面でこの心理を強調しようとしている節がある。

ここまでのイメージの読み解きから明示される事実を整理しておく。

あらためて出発点に立ち戻ってみると、本作の基本となるキャラクター設定、すなわち
「千年生きてきたエルフ」という設定は、必然的に物語に二つの視点を導き入れるものだ。
一つは、エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
そして反対に、人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

勿論、物語の冒頭から主人公たるフリーレンがそれを体現しているわけだが、
最終盤でさらに尖鋭に、この両者を同時に我々に示して見せたのが
彼女と対峙したゼーリエの方だったという事実。これは自分にはかなり衝撃的なものだった。
ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
いわば「葬送のゼーリエ」としてのその像が鮮烈に印象に刻み込まれた結果、
作品全体の基調音となる「葬送」のモチーフが実感的に把握できるようになったのである。


ただ、自分の感覚ではこれはテーマというより、テーマ風のモチーフであって、
作品のパッケージとなる設定、ないしはコンセプトとでも呼ぶ方が適当な気がする。
自分の関心はさらにもう一歩踏み込んだところにテーマを見出すことにある。
このシーンが重要なのは、そのいわば「テーマ回収」が実行されているためであって、
その核心となるのがゼーリエ、そして「花畑を出す魔法」なのである。

最終話でフリーレンがレルネンに語ったところによると、
二人の対話の最終局面にはこんなやり取りがあったらしい。
退出する間際、フリーレンはゼーリエにこう問いかける、

  この花畑、魔法で作られたものだ。・・・
  先生が好きだった魔法だ。くだらない魔法だって言っていなかったっけ?

この皮肉に対して、意外にもゼーリエは自分の想いを率直に語り始めるのだ。

  ・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。

二人がいる広壮な屋内庭園。そこはフランメが好きだった魔法で作られた花畑だった。
その一隅には彼女の思い出に結びつく例の白い花も咲き混じっている。そしてその場所が、
花々を眺めながら、亡き弟子たち一人一人の在りし日の姿を思い返し、
彼らの短かった生に思いを馳せる、そんな追憶の場所であることが彼女の言葉からは窺える。

これがゼーリエの「葬送」のかたちであったとするなら、
この、本人いわく"くだらない"魔法に対するゼーリエの態度の中に、
「闘争ー平和」のテーマの最終的な決着が示されていると見てよいのではないか。
すなわち「葬送」を媒介にした「闘争ー平和」という対立の構図の止揚である。

Ⅰ章で自分はこんな解釈を提示してみた、

  "くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。
 「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。

つまり、「闘争」の権化のようなゼーリエの内部に、平和への希求が潜んでいるという事実。
ここに魔法パートを底流する包括的なテーマが読み取れるのではないだろうか。

この理解によって、魔法パートの物語を"内在的に"俯瞰する視点が確保される。
そしてそれは取りも直さず、本作におけるテーマの内在性を示すものでもある。
シンボルとしての「花畑を出す魔法」を中軸に描き出されるのは、
ゼーリエ、フランメ、フリーレン、フェルンの四代にわたる「師弟の物語」である。

いま、フリーレンの弟子フェルンによって「人間の時代」の扉が開かれようとしている。
それはフランメの願いがフリーレンを介してフェルンに託されたことを意味している。
ひそやかに紡がれる「平和の魔法」の系譜、それこそが魔法パートの物語の核心であり、
平和の希求のテーマは。最終話のゼーリエに至ってその円環を完結させるのである。

単なるストーリーの伏線回収よりもさらに高度で、さらにスケールの大きな
いわば「テーマ回収」のプロセスを経て、この物語ははじめてその全容を現すもののようだ。
すなわち、四人の大魔法使いの群像による、千年に及ぶ壮大な人類魔法史である。


これもやはり対話の中で明らかになるのだが、
「花畑を出す魔法」にはもう一つ、作中における重要な機能がある。
フリーレンがゼーリエに語った、ヒンメルとの出会いにまつわるエピソード。その内容は
ヒンメルがまだ少年だった頃にすでに一度、偶然フリーレンと出会ったことがあり、
そのとき見たこの魔法が、のちにフリーレンを仲間に選んだ理由だった、というもの。

  きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
  ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
  先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。

・・・ヒンメルとの出会いは彼女にとって運命の分岐点となるものだった。
そしてその直接の契機となったのがこの魔法だったのだ。
さらにそれはまた、魔法パートから旅パートへの分岐点を意味している。


例えばこのエピソードを、第2話の伏線の回収と見なしてみる。
Ⅰ章で指摘したように、第2話の花畑のシーンはテーマ寄りに解釈できるものだが、
この魔法がヒンメルにとって特別なものであった理由が遡って明らかにされることで、
このシーンの彼の心情、特にフリーレンに示した態度に奥行きが加わるのである。
同じようにフリーレンについても、この旅立ちの"前史"を踏まえることによって、
より深くその内面を理解することができるようになるのではないだろうか。

前にも引用したフェルンとの会話、

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

Ⅰ章では「過去」に遡りつつ、彼女にとっての魔法の意味を導き出したのだが、
ここでは視点を「魔法を褒めてくれた馬鹿」、すなわちヒンメルや仲間たちの存在に移すことで、
彼女の「いま」がより鮮明に実感できるようになる。
それは同時に、フリーレンにとっての旅の本質を理解することにつながる。
仲間との旅は彼女を人間へ向かわせるベクトルを内包していた。
人間の時間に踏み入ることで、永遠のような孤独な時間から彼女は解放されたのである。
おそらくそれは、魔王を倒したこと以上に価値のあることだったのではないか。

仲間との出会いによってもたらされたフリーレンの「現在」。
この「いま」を読み解くこと、それが旅パートを理解することなのではないか。

最後に一つ指摘しておきたいのだが、実に興味深いことに、
旅パートを構成する時間の内部に、魔法パートの時間軸を構成する契機が存在している。
・・・そう、フェルンである。フランメの後継者として、やがて人間の時代を到来させるだろう彼女は、
まさしく魔法史の「未来」を具現する存在なのである。
その意味で、はるか後のフェルンとの出会いにつながる、出発の契機としての花畑の魔法は、
作品全体のいわば「原点」であり、旅と魔法を"架橋"する結節点なのである。{/netabare}



以上から、この作品の本質的な構造性が確認できたと思う。

 序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
 ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、
 ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。

序盤の段階で提示したこの仮説はもちろん不完全なものだったが、
着眼点と推論の方向性に関しては、概ね妥当だったと言ってよさそうである。

魔法パートが内包するフリーレンの過去、および魔法の系譜を横の時間軸とすると、
旅パートはこの軸に縦に交差する固有の時間性を有したフェーズであり、
その交差する一点が、ストーリー線上の「現在」なのである。

この「現在」の背後には、数千年にわたる魔法をめぐる闘争史が潜んでいるわけで、
本作をトータルに見るためには、この構造面を複眼的に捉えるアプローチが必要になる。
(あるいは私たち視聴者は暗黙裡にこの複眼的な観方を強いられていて、その結果、
この作品に漠然と「深さ」を感じ取っているのかも知れない…。)

そして、これはそのままこのヒロインの理解についても言えることなのだ。
魔法パートのフリーレンと旅パートのフリーレン。双方の時間が複層的に重なり合う中に、
彼女の生きた軌跡が紡がれ、内面が投影される。
前に試みたような尋常一様の心理的アプローチでは到達し得ない局面である。

さて、その旅パートがまた、かつてと今、二つの旅の時間の交錯から成り立っている。
重なり合う時間の層が、旅のある瞬間に比類のない"厚み"を帯びさせる。
それを如実に示しているのが本作特有のユニークな回想シーンだろう。
その回路ないしはチャンネルとしての、独特の機能を読み解いてみたいとずっと考えてきた。
前回詳述した記憶の問題と併せて、旅パートの総括を試みる予定である。{/netabare}


2024. 11. 6

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路(2期制作決定!!)

[2024.9.28追記]
やったー!!ついに2期制作決定したみたいです♪
https://www.youtube.com/watch?v=DknvOzqQCTo

たぶん2期も2クールだと思うから(黄金郷編やるし)、実際の配信は2年後とかになるかもだけど、とにかく嬉しいし、とても楽しみです!!

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 51

77.1 3 騎士で魔王なアニメランキング3位
転生したらスライムだった件(第2期) 第2部(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (431)
1853人が棚に入れました
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国
<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……
しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。
「何を失いたくないのか」を―― ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

けじめの行方

(2021.7.6初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 閑話1話 + 本編全12話(第37話~第48話)

❰第2期 第2部前半(第37-42話)迄視聴して❱
{netabare}
 GEM Partners株式会社がAmazonプライム・ビデオやNetflixなど様々な定額制動画配信サービスを横断して調査した結果(調査期間2021年4月3日~9日、4月10日調査日)、1位『呪術廻戦』2位『進撃の巨人』3位『転スラ』の結果となった。

 さらにその調査期間2021年1月2日~6月25日の結果では『転スラ』は6位になったが相変わらずベスト10入りで大したものだ。(因みにアニメだけでなく世界中のドラマやバラエティーも含んだ上でのランキングで、ベスト20の内日本のアニメが15タイトルを占めた)

 原作の累計発行部数は2021年5月時点で2,500万部突破。二期BD初動売上4,500枚。転スラは今が旬か。円盤売り上げ実績はそこそこ。だが圧倒的な原作売り上げと配信実績から転スラ3期制作の可能性は高いかもしれない。

 転スラのアニメは会話劇ばかりでスカッとしない、と特に2期になってから視聴者の不満の声はネット上でよく見かける。小説と漫画とアニメは違う、アニメはアニメらしく緩急自在に、バトルの見せ場たっぷりでテンポも良く、という意見もよく理解出来る。

 しかし私は転スラではアニメ現状肯定派。残り6話の時点では、会話重視で戦略の面白みが残る原作準拠の現状。これはアニメ3期制作を前提にしていると好意的に捉えている。

 これからテンペストを取り巻く外国勢力はさらに表面化する。軍事力と外交力は車の両輪。戦力だけ目立たせても片手落ち。短期で終わらせず長期シリーズにするなら、外交と安全保障の強みを会話劇でしっかり描く必要があると思う。

 私にとっては本作の物語の顛末は原作既読で既知であり、アニメではキャラのスポットの当て方、声優の演技による新たなキャラの魅力の発見などが楽しみ。2期後半でもそこは健在で魅力的。キャラクターが新鮮に輝き続ける限り、転スラのアニメは原作同様これからも応援し続けたい。
{/netabare}

❰第2期 全24話視聴して❱
{netabare}
 最後には視ている側も自然と笑顔になれるような締めくくりでとても好かった。第2部に関しては、放映前はオール4.0の作品評価からスタートしたが、3話目で一度評価上げて以来、一定以上のクオリティは保たれていて、最後まで変動する事はなかった。

 今期のOP「Like Flames」は、英語歌詞と激し過ぎないオーバードライブしたギターが印象的で、今までの優しさが前面に出ていたOPと違い、ロックビートに程よい緊張感と反骨精神が感じられて今期の物語に相応しく、初回から最終話までとても心地よかった。EDの落ち着きのある曲調の楽曲もじわじわその良さが伝わってきた。

 最終話放映後に、2022年秋に劇場版公開予定の発表あり。劇場版制作発表を9ヶ月の転スラ祭りの後に持ってくるとは、鉄は熱い内に打てとばかりの商業戦略の巧妙さに関心する。

 ただ、それは無いと信じたいが総集編のようなものだけは勘弁して欲しい。1期は2クールで書籍4巻分、2期が2クールで2巻分と原作消化ペースが半分に激減したので、ヒナタとの決着迄は描かれなかった。第1部でヒナタとの激闘が描かれた以上、そこはスッキリしていない。また、ラミリスのテンペスト移住の棚上げも気になる。第48話の最後、”to be continued”とあったこともあり、そこらあたりを補うための劇場版になる可能性は高いと思う。いずれにしてもどんな作品になるのか、今から非常に楽しみだ。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}                (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
★#00『第36.5話 閑話:ヴェルドラ日記2』(6月29日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<総集編 + α>

 第1期第24.5話以来、久しぶりの『ヴェルドラ日記』第2段。平和で長閑な「転スラ日記」、そして抗争の世界の「転スラ2期」の後半の本編スタート直前、転スラ日記最終話の翌週に転スラ2期前半を主にする総集編に当たる今回が放映された。

 2021年1月からスタートした転スラ祭りだが、緩急自在でよく考えられた構成と思えて好印象。今回は基本的に過去の振り返りなので9割以上はバンク映像で構成されているが、若干の新規作画あり。アバンタイトルの40秒、Bパート半ば以降の、ラファエルとヴェルドラたちの会話の約90秒は新規と思われる。

 一部を除き、ほとんどがヴェルドラとイフリートの台詞で構成される今回。脚本家の労力は通常のエピソード時と変わらない。今回の主役となるヴェルドラ役の前野智昭氏はもちろん、イフリート役の八代拓氏にとって有意義で有難いエピソードだろう。特にイフリートは、本編だとまだあるかもわからない3期以降相当のエピソードまで出番ないはずなので、非常に貴重な出番と言えそうだ。

 今回の閑話は脚本上、よく出来ていたと思う。ヴェルドラとイフリートの会話は、約2年ほどリムルの胃袋中に閉じ込められていた二人のしばしの別れの前ということもあり、中々の深みがあった。またイフリートはシズに対する懺悔の台詞もあり、しみじみと味わうことが出来た。
{/netabare}
★#01『第37話 訪れる者たち』(7月6日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 復活した暴風竜ヴェルドラを伴い首都に戻ったリムルは、早速皆に人型になったヴェルドラを紹介。そしてリムルは住民の注目下、ベニマルと一緒にシオンの手料理を食べることに...それは意外にも戦勝の慶びの味わいだった。

 その後、テンペストの危機に盟友として駆け付けた、自由組合ブルムンド支部のギルドマスターのフューズ、武装国家ドワルゴンのガゼル王。そしていきなりの未知の他国の重鎮の訪問。国を代表する彼らは、当然の如くリムルとテンペスト幹部達の会議に参加すると表明。面倒臭い話になりそうな予感。リムルの気苦労は戦時より戦後のこれからが本番になりそうだ。

<うざいほど騒々しいヴェルドラさん、シオン Ver.2、そして裏番長エレン>

 今回は、アニメ36話との整合性とテンポ重視のため相応に原作から改変されている。原作者に遠慮なく脚本家の個性が強く反映されている感があるが、そこに原作者と脚本家との信頼の強さが窺えた。

 アニメは原作小説や漫画と比べて色合いが全く異なった。特に台詞が原作と全く異なることが多いオリジナルな印象で新鮮で楽しかった。個人的には漫画版が一番好きだが、アニメ版も悪くない。何より色鮮やかな画と動きが多少の物足りなさを吹き飛ばしてくれる。

 シオンの料理ネタは個人的にはあまり好きではない。が、今回そこにたっぷり尺を取ったのは良かったと思う。テンペストの平和な日常が戻った象徴であり、一皮剥けたシオンを強調することで、新生テンペストの誕生を暗示するから。

 また、第1部終盤から転スラ日記に掛けて存在感が爆上がりのエレンだったが、今回ついにキャラクターとしての存在感は、テンペスト幹部級にかなり近づいたと思う。
{/netabare}
★#02『第38話 人魔会談』(7月13日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 リムルに敵対する魔王クレイマンの黒幕がユウキと明確化。テンペストが二度と他国に侵攻されないよう、仇なす者たちへのけじめの第一歩スタート。

<あらすじ>

● イングラシア王国、自由組合本部にて。

 自由組合グランドマスターのユウキに、中庸道化連のラプラスは、神聖法皇国ルベリオス(西方聖教会)潜入調査の報告を上げていた。そこにはユウキの秘書カガリも同席。実は彼女は、嘗て魔王レオンによって亡ぼされた魔王カザリームの、ユウキによって復活した姿。カザリームは中庸道化連会長でありラプラスとは200年ぶりの再会だった。どうやら良からぬ陰謀が水面下で進展しているようだ。

● ジュラ・テンペスト連邦国、首都リムルにて。

 ファルムス王国との戦後の対応のため、テンペスト史上初めての人魔会談が行われた。人類国家側は、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、魔導王朝サリオンの代表が参加。そして魔物国家側はテンペストの幹部以外は、獣王国ユーラザニアの幹部らが参加。さらに新生ファルムス王国を担うヨウム達、この度の関係者となったエレンなど、かなりの参加者となった。

 会議開始早々にその場にヴェルドラ参入。その波紋と混乱で休憩の事態に。その休憩の間はリムルの執務室にてリムルとガゼル王、サリオンの全権委任大使エラルドとの実りある三者会談が行われた。

 テンペストは魔王と竜種が共存する世界随一の脅威の国と三か国にバレた。が、ガゼルとエラルドに知られたのは、むしろ最大の幸運。事実を都合良く改竄して、色々と上手く立ち回る知恵を与えてくれることとなった。

 またリムルとラファエルは、状況からヒナタ来襲の黒幕がユウキだと結論付けたのだった。

<優しいだけでは、人も魔物も生きていけない>

 今回、テンペストの明るい未来を暗示するかのように、屋外に用意した会議場がとても美しく見えた。

 最後、ラミリスが一期以来久しぶりの登場。登場の仕方は原作を超えた面白さ。アニメスタッフは、キャラの魅せ方を心得てる。個人的に、ミリムとラミリスは同列で大好きなキャラなので次回が楽しみだ。

 ディアブロ、シオン、ヴェルドラ、リムルによる、ヒナタ絡みのやり取りもアニメならではの演出で楽しかった。

 キャラクターがかなり増えた。EDのキャスト一覧で確認した限りの今回の出演声優は18名。今回は場面では登場してても、ベニマル、ソウエイ、ゲルド、カビル、ハクロウ、ゴブタ他多数は、物語上、台詞不要なので声優の出番は一切ない。脚本上当然だが少々寂しかった。
{/netabare}
★#03『第39話 ラミリスの報せ』(7月20日 23:00 - 23:30)
 音楽以外全ての評価4.0→4.5
{netabare}
<あらすじ>

 その後の会議にて、最重要な懸案の具体的解決策が次々と決定した。リムルの決断にはラファエル以外に、ガゼル王やエラルドと言った為政者の大先輩の叡智が大いに役立った。

 リムルがクレイマンと直接対峙する時は刻々と近づく。この場で友好国への根回しの手間も省け、友好国の後ろ楯の確約も取り付けた。諸外国に対する工作活動内容と役割分担も、間もなくつつがなく決定するだろう。一丸となった前進が始まろうとしていた。

 一方、魔王クレイマンの居城にてクレイマンはラプラスと会談中。そこでクレイマンはリムルを滅ぼすための策謀を語っていた。ラプラスはクレイマンに同意しつつも、クレイマンは誰かに踊らされているのではないか、と違和感を感じる。いずれにせよ、ミューランが存命中なのをクレイマン側の誰も知らない時点で、既に策謀には綻びが生まれていた。

<『第39話 ラミリスの出落ち』>

 前回に引き続き今回も素晴らしい。カット割の工夫、キャラの配置、台詞の掛け合いの組み合わせ、どれもが絶妙。トップ同士の会談は会議同様、一歩間違えれば単調で詰まらなくなる場面。今回も視聴者に会談の多くの決定事項を、飽きずに、なおかつ誤解無く伝える工夫も抜かりない。あっという間の24分だった。

 キャラに相応しい微笑ましいカット。ヨウム等の男気あるシーンも良かったが、居眠りゴブタの和みカットを挟むタイミングの絶妙さが特に印象に残った。今回の21名のキャストを、無駄なく無理なく適材適所で使いこなせてたと思う。

 ラミリスは、アバンタイトルの2分ちょっと、一方的な大言壮語の長台詞の後、勝手に気絶して出番終了。益ある事もなし。ラミリスらしくて愉快愉快。ラミリス役声優のJKギャルっぽい演技が嵌まってる。特にラミリスの"そよ風竜"発言が印象的。ラミリスがどんなにヴェルドラをディスろうと、始終漫画に没入してアウトオブ眼中のヴェルドラもいい味出てた。

 今回のサブタイトル『ラミリスの報せ』はラノベ第6巻第2章と同じタイトルだが、アニメ内容は第1章『人魔会談』の続き。

 つまりラミリスは第2章冒頭の、会議終盤のまとめ段階に会議場に現れるのが原作の流れだが、アニメではラミリスの登場を前倒しした。しかしラミリスは話の最後まで気絶中で、お報せ内容は不明のまま。

 結果として、ラノベや漫画でも味わえない独特の可笑しさが生まれた。アニメ制作者たちはセンスがいい。

 以上から今回、音楽以外の評価を満遍なく上方修正した。
{/netabare}
★#04『第40話 会議は踊る』(7月27日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 ラミリスにより貴重な情報がもたらされた。

 ワルプルギス(魔王達の宴)と言われる十大魔王の会談が3日後に開催されるが、今回はクレイマン発議で、議題は『ジュラの大森林に新たな勢力が誕生しその盟主が魔王を騙った』とし、カリオンの裏切りがその背後にある、とクレイマンが主張するつもりとのこと。

 またクレイマンは配下の魔人たちに軍事行動を命じたとのこと。

 そしてソウエイ達の諜報活動にて、クレイマン配下No.1とされる魔人ヤムザの指揮下、軍勢3万がミリムの領地にて編成中と判明。

 そこからリムルとラファエルは、クレイマンの目的を見極める。

 既にミリムによって王カリオンは亡ぼされ、首都も消滅した獣王国ユーラザニア。その避難民はユーラザニア国内に散らばっている。そこにクレイマンはさらに軍を侵攻させ、その住民全てを生け贄として狩り尽くし、覚醒魔王に進化するつもりだと。

 ファルムス王国の戦後処理は、ヨウムと共にディアブロを派遣することで対処することになった。

 現状は、ユーラザニアの幹部と戦力の半分はテンペスト領内に駐留している。後手には回ったが、駒の配置を抜かり無く調整。テンペストとユーラザニア連合で反撃の時は近づく。

<浴衣柄 心豊かに 鮮やかに 和む主に 惹かれくる友>

 ラミリスのテンペスト移住の野望はいつ達成出来るのだろうか。

 今回、ここしばらく派手なアクションが全くないこともあり、作画も細部に目が行き届いて充実していた感。アニメ独自の高級旅館での和食の晩餐シーンが彩り豊かでとても和む。

 スイカ柄のラミリス始め、リムル、シュナ、ベニマル、ヴェルドラ、トレイニー姉妹の浴衣のデザインセンスが良く皆よく似合ってる。繊細で高級な美味しそうな料理と共に美しいハーモニーを奏でていた。

 大浴場シーンも久しぶりの登場でほっと一息。湯船でラミリスを接待するトレイニー姉妹はアニメ独自で新鮮。

 ヴェルドラやラミリスも巻き込んだクレイマンとの争い。戦闘はこれからだが戦略上はクレイマンは既に詰んでる感。今回は戦勝の前祝いのささやかな宴のようだった。

 私は原作の持ち味を損なわない丁寧さを望む派なので、今期の会議の尺を冗長と捉えるより丁寧で適切と捉える。原作の政治の駆け引きの面白さが必要十分に再現できてるので現状は満足。

 原作のラミリスとシオンの残念描写を適度に拾い上げ、アニメ独自に構成。その政治話の堅苦しさをやわらげる工夫も好印象。

 全体的に視覚においても脚本においても彩り豊かで楽しかった。

 ここまで視聴して制作陣は、アニメは原作よりもテンポ重視で、ということも考慮しつつも、それ以上に累計発行部数2,500万部の読者を裏切らない構成を心掛けていると感じた。
{/netabare}
★#05『第41話 会戦前夜』(8月3日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 食後のひととき、デザートを前にしても楽しんではいられないリムルたち。

 このままではテンペストからだとユーラザニア国内への進軍は間に合わない。しかしその窮地にあって、ラファエルは安全かつ効率的な転送魔法の術式を完成させていた。

 これでクレイマンの裏をかくことができる。リムルにゆとりが生まれた。そこに、シオンの脳筋な発言がヒントで、リムルにワルプルギスの場でクレイマンと直接対峙するアイディアが閃く。

 ラミリスに問うと、リムルのワルプルギス参加は問題なさそうとのこと。そして魔王1名の随行者枠は2名で、シオンとランガがリムルの付き添いに。リムルの味方ラミリスにはベレッタに加え、自ら志願したトレイニーが付き添うことに。

 いよいよクレイマンへの反撃が動きだす。

 会議翌日早朝迄にユーラザニアの住民全てを、テンペストの受け入れ地点へ1人残らず転送して保護する。

 同日の日中、広場にて出撃準備を終えた軍勢一同がリムルの御前に集う。

「「「「「「勝利を御身(リムル様)に!!!」」」」」」

 リムルは、ユーラザニア1万とテンペスト1万の連合軍を、たった一度の転送でユーラザニア国内に送りだす。それは後手から先手に変わった瞬間。戦略上勝利は目に見えていた。

 クレイマン軍を待ち受けるのは、かよわい民草たちから、したたかな軍勢に化けたのだ。

<先手必勝の夜明け>

 ラファエルのアニメ解説は相変わらず解り易くていい。

 勝利を確信する総勢2万の軍が一同に揃った様が壮観。色彩豊かな画で、これは視覚的に原作では絶対味わえない醍醐味。勝利の予感にとてもワクワクした。

 次回、重要な新キャラの登場は間違い無いだろう。ベテランの石田彰氏他、新キャストがどんな演技で魅せてくれるか楽しみ。
{/netabare}
★#06『第42話 魔王たち』(8月10日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 新キャラに心踊り、ミリムの行動の謎の一部が明かされる重要回。特に、ギィ(cv石田彰)、ヴェルザード(cv井口裕香)、レオン(cv福山潤)の共演が見所。豪華キャストの演技は見応えあってとてもよかった。

<あらすじ>

● 魔王クレイマンの居城にて

 クレイマンはユーラザニア侵攻中の軍総指揮官ヤムザから、ユーラザニア国内に殺害対象の住民が一人も見つからないとの報告を受ける。暴風竜ヴェルドラの復活の噂もクレイマンの耳に入った。しかし頭の中はワルプルギスのことで頭が一杯のクレイマン。情報に対する冷静な分析を欠く。本来用心深いはずの彼だが、過信により己が策に酔いしれ既に勝った気でいた。

● 数ヶ月前の魔王"天空女王"フレイの居城にて

 仲のいい魔王ミリムがマブダチのリムルからのプレゼントを自慢しにフレイの居室に突然来訪。そこでクレイマンに借りがあるフレイは、クレイマンから預かったネックレスをプレゼントとだと偽りミリムに装着した。そのネックレスは支配の宝珠でそれを首に掛けた途端に禁呪法が発動、ミリムはクレイマンの操り人形になった。しかしフレイは何故かミリムでなくクレイマンを憐れむ。

● 最強最古の魔王"暗黒皇帝"ギィ・クリムゾンとその相棒の白氷竜ヴェルザードの居城"白氷宮"にて

 呼び出しを受けた魔王"白金の剣王"レオン・クロムウェルが来訪。ギィはレオンをワルプルギスに誘うがレオンは既に参加を決めていた。そこで話し合う様々なこと。特にレオンから初めて聞かされたヴェルドラ復活の情報は、ヴェルドラの姉であるヴェルザードには非常に関心高く、普段は魔王間のことには無関心なのに珍しく二人の会話に彼女も加わる。

 話し合いの中で存在感の増すリムル。ワルプルギスはクレイマンの発議以上に、リムルの参加の方がギィ達には興味深いものとなった。

<魔王リムルに暴風竜あれば、魔王ギィには白氷竜あり>

 リムルとヴェルドラも強いが上には上がいる。主人公の強さはチートのようでも勝ち目のない存在がミリム含めまだまだいるということ。それもまた転スラの魅力。

 転スラは、キャラの関係性と対立が生み出す政治戦略ドラマも見所で、特に今期で描かれる部分の原作は会話劇が主で戦闘は従。1期のテンペストがまだ少国だった頃とは訳が違う。特に今期の2部は残りも戦闘には期待しない方が無難だろう。

 ワルプルギスなど今後に必要な会話はまだたっぷりあるはず。戦闘も既に大方は気付いてる通り結果は始めから見えている。嫌な奴ざまあな快感はあれど、スリリングな見せ場はおそらくない。

 ここまでは思った以上に原作通り。下手にアニメで原作を大幅に改変して、アクション重視でその分会話を省略するなんてつまらない。この調子で最後までいって欲しい。

 今回は、ラノベ第6巻の丁度真ん中、第3章『会戦前夜』と第4章『因縁の地』の間に位置する幕間『魔王達』を基に構成された。

 前回のアニメのサブタイトルは『会戦前夜』、そして今回のサブタイトル『魔王たち』と、大まかでもラノベ原作通りの流れなのは興味深い。

 今回、細部は改変あるものの場面展開は幕間と全く一緒だった。これで第1期はコミックからが主にだったが、今期、特に後半は主にラノベからアニメ化されてるのがよく分かる。アニメは今期内でコミックの内容を追い抜くであろうから、ラノベを基本に構成するのは当然の流れか。

 転スラのアニメは、今までは始めから中盤までは割と原作に忠実でゆっくりでも、終盤でいきなり飛ばす傾向があった。ゆえに残り6話で原作のどこまでアニメ化するのかは予想出来そうで出来ない。今は3期に繋がるいい終わり方をしてもらいたいと祈るのみだ。
{/netabare}
★#07『第43話 開宴の合図』(8月17日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 初めての戦闘回で幕開けの2部後半。OP映像が一部改定。テンペスト幹部達のカットと魔王達のカットなど一部差し替えられた。ラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容スタート。コミックでは第17巻が終わり、2021年7月8日に発売されたばかりの最新刊第18巻の内容に突入。

<あらすじ>

 リムルはワルプルギス参加の準備中。ラミリスの従者となるトレイニーに世界中自由に活動できるように体を与えた。

 ソウエイとハクロウはリムルに新たな進言を。ワルプルギス参加で主不在中のクレイマン城は攻略に最高の機会だと。結果、攻略はシュナも志願し3名で赴くことに。

 まさかのシュナの参戦に戸惑うリムルは笑顔固まる。

 その夜、ベニマルを総大将とするテンペスト軍の快進撃が始まった。

<巫(かんなぎ)シュナはある意味最強か>

 肉体と精神が極限まで追い込まれる戦争。戦場で明確に浮き彫りなるキャラたちの魂の本質が戦い方に現れる。

 戦争の勝敗を分けるその本質。王らしく泰然自若なリムル。大将らしく冷静沈着なベニマル。縁の下の力持ちらしい真面目で質実剛健なゲルド。天才だがヘタレのゴブタ。いかにも卑怯者らしいクレイマン軍のラムザ。戦闘ジャンキーその他大勢。

 しかし今回最も意外なのはシュナ。満面の笑顔に勝利の女神感漂う。怒るほどにおっとり笑顔の輝くシュナ。彼女ある限りテンペストは不敗なのではと考えてしまった。

 それは強運をもたらすという意味で。運も実力の内ではなく運こそ実力。シュナは将来結婚すれば、表面上は旦那を立てるだろうが、本質的にはかかあ天下になりそう。そしてその笑顔ある限り、旦那はいつも元気で嫁ぎ先の一族の繁栄は約束されそう。妻の明るい家庭は旦那が暗くても繁栄するという。その逆で妻が暗いと旦那の明暗関わりなく衰運を招くとも。よく言われる"勝利の女神が微笑む"とは、テンペストでは"シュナの笑顔が絶えない"ということと同義かもしれない。

<天然ゴブタはある意味最強か>

 原作によれば、ゴブタの辞書の"正々堂々"とは、敵に求めるものであり自分が守るものではない、とのこと。コミックリリーフの一翼を担うガビルも変わり身の達人のゴブタのコミックぶりには敵わない。格好良く登場してすぐにヘタレるゴブタ。ゴブタらしくて可笑しい。緊張感をぶち壊す相変わらず憎めないキャラだ。今回のゴブタ登場シーンは、漫画版は簡略されてるがアニメはラノベに忠実で漫画よりアニメの方が笑えた。
{/netabare}
★#08『第44話 因縁の地で』(8月24日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 原作通りで丁寧。前回にひき続きラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容。コミックでは18巻の第80話『大妖の再来』と第81話の前半の一部相当。今回はアバンタイトル抜き。クレイマン軍との戦場での三つの戦闘描写のみで、この場に居ないリムルやクレイマン他は出番一切無し。

<あらすじ>

 クレイマン軍との戦いは大詰めを迎えていた。固有スキルにより戦場全体を俯瞰出来る指揮官ベニマルは、敵の中でもやっかいそうな強者に幹部たちをピンポイントでぶつけたがそれも決着に近づく。

 アルビスとゴブタvs敵指揮官ヤムザ、ゲルドとフォビオvs中庸道化連フットマンとティア、スフィアとガビルvs竜を祀る民たち。

 一番の危機的状況はヤムザがやっかいな災害級の存在に変異したこと。だがベニマル介入により事なきを得る。リムルに連なる者は、等しくリムルが魔王に進化した恩恵を実感する。手痛い敗北もあったが味方の命は落とさず。ヤムザを討ち取り最終的には戦争は大勝利。獣王国の戦士たちにも有意義な戦いだった。

<踊る道化師ティアはある意味最強か>

 前回はゴブタがシリアスブレイカーだったが、今回のシリアスブレイカーであり、全体的にも存在感においてMVPキャラだったのはティア(cv本渡楓)。アニメの絶妙な動きと声によって原作では味わえないキャラ立ちがあった。緊張感ゼロのおふざけ言動がユニークで異彩を放つ。フットマンも同類だがティア程の存在感は無かった。今回登場のキャラはバトルジャンキーがほとんどで尚更ティアが光った。話の流れと台詞のほとんどが原作通りでも、アニメでの動きと声の演技は新鮮な発見があって面白い。

 次に、ミリムを崇めている竜を祀る民最強の神官長ミッドレイ。コミックでも魅力あったがアニメでもなかなかの存在感だった。

 転スラは毎回キャラが多いため声優たちの競演が楽しい。次回は新キャラがまたもや登場するよう。どんな演技かとても楽しみだ。
{/netabare}
★#09『第45話 示指のアダルマン』(8月31日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 またしても新キャラに主役級声優複数採用。今回は死霊の王アダルマン(cv杉田智和)と”眠る支配者”魔王ディーノ(cv小林裕介)。今回はアバンタイトルたっぷりでEDは抜き。シュナの活躍と魔王集合の件、なかなか見応えあった。

<あらすじ>

 テンペストのリムルの執務室にて待機中だったリムル、シオン、ランガ。そしてラミリス、トレイニー、ベレッタ。そこに突如現れる転移門。迎えに現れたのは魔王ギィ・クリムゾンのメイドである原初の悪魔の一人ミザリー。彼らは門に繋がった先のワルプルギス会場に向かう。

 一方シュナは、ハクロウとソウエイと共にクレイマンの城の攻略に向かう。その途上に立ちふさがるのは、死霊の王アダルマンとその配下たち。配下たちの魂は主アダルマンの中にあり、アダルマンを滅しない限り何度倒して配下はすぐに復活してしまう。そこでシュナは、ハクロウとソウエイに配下の足止めを任せる。そしてシュナ単独でアダルマンに立ち向かうことになった。

 シュナはアダルマンの全ての攻撃を全て防ぎ圧勝した。しかし、シュナの判断により彼は消滅を免れる。実はアダルマンは束縛されてクレイマンの命令に従わざるを得なかっただけ。その結果、彼は拠点防衛機構としての兵器だった存在から解き放たれ自由の身になった。

 以後は自分を自由にしてくたれシュナに敬服し恭順する。しかも彼はリムルとの謁見を望み、敬う以上の信仰対象としてリムルに仕えたいという。なんとも想像の斜め上の展開。ディアブロと同類のアダルマンにシュナは苦笑せざるを得なかった。

 リムル達が到着した時、会場にいたのはギィのみ。そして続々と到着する魔王達。ミリムとラミリス以外は初対面。とりあえず、リムルとラファエルは魔王達の魔素量(エネルギー)を推し量ることで今後に備えるのだった。

<粉骨砕身して仕えてくれそうな配下ゲット>

 ハクロウやソウエイの強さも霞むほどのシュナ。たまたま敵との相性が良かったのかもしれないが、いつもの女性らしい姿からは想像出来ない肝の据わった強さ。原作読んでて流れ知っててもアニメの演出に惚れ惚れする。腕力を一切使わないスマートで美しい攻撃。リムルと共に進化した巫女姫の格の違いをアニメで一層堪能出来た。

 そしてアダルマンの配役を杉田氏にするとは面白い。アダルマンはその服従の暑苦しさが可笑しさを醸し出すタイプ。今回もその片鱗が伺えたが、アニメに来期あるなら杉田氏の演技の妙味を一層楽しめそう。

 クレイマンに向けるリムルの"楽に死ねると思うなよ"の今回の表情、コミックを基に作画されたよう。いつものリムルと違うギャップが効いててなかなか格好いい。

 次回は魔王オールキャストによる競演劇が楽しめそうだ。
{/netabare}
★#10『第46話 魔王達の宴(ワルプルギス)』(9月7日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 今回はOP抜きのたっぷり尺。原作では味わえないダイナミズム濃厚回。

<あらすじ>

 クレイマンの弁論からワルプルギスが始まった。それを黙って聴く魔王たちと従者たち。彼の虚偽の主張にはリムルは心底呆れ、怒りのボルテージはますます高まった。

 次にリムルの反論が始まったが、リムルは完全にクレイマンを論破。そもそも主張だけで証拠もないのに持論を押し通すクレイマンに他の魔王の誰も賛同する者なし。

 その後、リムル、シオン、ランガは、クレイマンとその配下2名との3対3の戦いでクレイマンを叩き潰すつもりだった。だがクレイマンは、自分たちが戦うより先に精神支配しているミリムをリムルにぶつける。

 3対4でも不利なのに規格外の強さのミリム参戦で焦るリムル。ギィは戦いの場に結界を張った。他の魔王もラミリス以外は彼らの戦闘に不介入で傍観するのみ。そのためリムルはぎりぎりの攻防で戦闘は膠着状態に。

 しかしその渦中、結界内に現れた仲間が二名あり。一方はラミリスの命によってベレッタ参戦で大歓迎。もう一方は、この場では本来歓迎できないのだが、来ちゃたものはしょうがないと諦めるしかないリムルだった。

<魔王認定試験はバトルで>

 声優演技とバトル作画のマッチングが素晴らしく、今のところ第2期全体の中で一番スカッとして面白かった。場面での登場キャラは多いが、声をあてるキャラは厳選の上で最小限にしたよう。そしてバトル演出に見所たっぷりだったことが功を奏した感。最後の引きは可笑しさも加味されてて巧い。

 今回の声優の出演者の中でも、特にリムルの岡崎美保の演技が見事に嵌まって格好いい。まだ20代前半の彼女だが、一期の頃より確実にリムルとの一体感が増して役になりきってる感。子安武人の演じるクレイマンのゲスぶりはさすが。巨人族の"大地の怒り"魔王ダグリュールに小山力也とは出番少なく贅沢だがいいチョイス。ギィの石田彰もベテランらしく場面を引き締めてくれた。

 転スラのアニメは、一期のハクロウの大塚芳忠から始まり今回に至るまで、キャラの年代に相応しいキャリア豊富な声優を要所要所でキャスティングしてくれるので、視てて非常に安心感がある。次回も楽しみだ。
{/netabare}
★#11『第47話 起死回生』(9月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 結界内に突如現れたヴェルドラ。タイミング良くリムルの代わりにミリムにぶん殴られ、リムルのピンチを救う。以降、ミリムの相手はヴェルドラが担当。

 その後、ベレッタはクレイマンの操り人形のヴィオーラを解体。シオンはクレイマンの反撃を全て無効化してクレイマンをボコボコに、いつの間にか誰が勝者か確定していた。そして、ランガに任せたキツネの魔物ナインヘッドは、リムルがクレイマンの支配の呪縛を解くことで解放した結果、リムルに懐く始末。

 ミリムを暴走させてその場の全員を抹殺させようとしても、そんな命令は無視されるクレイマン。もはや勝ち目のないのは明らかで、彼の必死の悪足掻きに周りの目はますます冷えきっていく。
 
<クレイマンの油断と傲慢、それは後悔と悪足掻きへ>

 コメディ演出、特にBGMが少々大袈裟でいまいちだったが、最後3分位からのクレイマンのしみじみとした回想が話を引き締めて全体のバランスが良かった。ラファエルの嘆息も話のいいアクセントになってた。

 憐れクレイマン。一方的にやられっ放しで、弱い者いじめ感があって少し可哀想だった。しかしどんなに追い詰められても仲間を売らぬ矜持は立派だ。
{/netabare}
★#12 (第2期第2部 終)『第48話 八星魔王(オクタグラム)』(9月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 思った以上に原作に忠実で、丁寧に描かれて2期の終わりを迎えた。1期の半分のスローペース。なんと第2期第2部は全12話で書籍第6巻『八星輝翔編』の一冊の内容のみで終了した。

<あらすじ>

 ミリムは演技でクレイマンの支配下にあったことが判明。カリオンも存命だった。フレイもミリムの状況を察しクレイマンに従ったふりをしていただけ。

 結果、誰一人味方するものなきクレイマンはリムルによって完全に消滅した。

 そしてヴェルドラとミリムは、リムルとマブダチだということも全ての魔王に知れ渡り、リムルの魔王としての立場はもはや不動に。

 そのリムルの新参魔王の初仕事は、10+1-3=8名になった魔王たちの呼称の命名。そして誕生した名は、八星魔王(オクタグラム)。リムルはその一員として以降、"新星(ニュービー)"の二つ名で呼ばれることとなった。

 そして、ワルプルギスからテンペストに戻ったリムルたち。そこには住民たちの笑顔が満ち溢れていた。

<俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである>

 以下にある通り、アニメは一期と二期で同じようなリムルのモノローグの台詞で話を締めくくった。この脚本のセンスは素晴らしいと思う。

 どんなことがあってもリムルたちは変わらない。どれだけ強くなろうが自分は所詮、一匹のスライムにすぎないんだと語るリムル。

 どんなに己自身が強くなっても、配下も進化し軍事面、経済面で国力が上がっても、増長すること無く、国作りの原点を忘れていない為政者であれば、徳高くして国はますます発展する。

 国を愛する=国民を深く慈しむ。そんな王である主人公。配下が常に"さすリム"なのは当然と言えよう。そこがブレないから、話がワンパターンになっても転スラは愛され、原作もアニメも売れ続けるのだと思う。このワンパターンであっても少しずつ進化してる台詞が、3期の最後でまた聴けることを願いたい。視聴者の中には、本作のワンパターンを馬鹿にする向きもあるが、普遍的な本質がそこにある以上、ワンパターン上等である。アニメがどこまで続くかはわからない。出来れば原作の結末まで描いて欲しいものだ。

第23話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった男は、通り魔に刺されて死亡し、異世界に転生を果たした。暴風竜ヴェルドラ、そして一人の女性の想いと姿を受け継ぎ、幾度もの危機を乗り越え、様々な種族の魔物をまとめて、国を作り、子供たちを救った。その名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"

第48話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった俺は、通り魔に刺されてスライムとして異世界に転生し、魔物たちの国を作った。(しばしの間)...仲間を救い、敵を倒し、遂にはオクタグラム、8人の魔王の一人となった。俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

横綱相撲

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
説明不要のビックタイトルの、本編としては4クール目。

まあ、世間的はあまり人気でない展開かなと思いつつ、個人的にはかなり好きでした。レビューでは、その理由と、今後期待することを。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤からかなり長々と会議をやってて退屈だという意見もあるだろうけど、うちの会社の会議に比べればだいぶ面白い(笑)

というのは事実だけど冗談として、私はあれを「横綱相撲」だなと思った。たかだかこの程度の退屈さでは人気が揺るがないという自信があるからこそ、丁寧に原作を消費できるんだろうな。あんな会議、その気になれば1話にスッキリと収められるでしょ。

私は「建国モノ」と「戦記モノ」が大好きです。その両方の要素がある本作が楽しくないわけありません。

「建国モノ」で好きなのは、仲間や施設が充実していく過程。これ多分、ガキの時に「幻想水滸伝」をやりまくっていたせいです(笑)

転スラ、特に本作の中盤~後半はサブキャラ達のバトルが見られて楽しかった。個人的には、ベニマルとゲルドが好き。ゲルドは「転スラ日記」で特に好きになったキャラ。私の場合、ラブコメもサブヒロイン萌えだし、バトルも副将燃え(四天王とか好き)なんで、サブキャラが魅力的なのは大事です(笑)

「戦記モノ」で好きなのは、世界地図を大きく見ていくような展開。「戦術」ではなく「戦略」の話。これはまあ、「銀河英雄伝説」の影響が大きい。4話目の国家間の思惑も良かったし、最終話でミリムに2ヶ国が従属するのも熱かった。

あとはまあ、「英雄譚」も好き。当然「ロードス島戦記」の影響がでかい。リムルはどんどん出世するけど、「英雄」とは少し違う感じ。むしろ怒っていたり残忍になったりする時の方が魅力的に感じる。3クール目の後半からの(魔王になった)リムルは好きです。どうせチートなら、初期の頃のようなヘナチョコじゃなく、スッキリ最強でいてくれた方が好み。

個人的には、この作品の分水嶺になるのは、オクタグラム内のパワーバランスだと思います。

現状、リムル・ギィ・ミリムが、個人としても勢力としても三強で、どうせリムルが最強になるんでしょうけど、これが、「リムル 対 残りのオクタグラム全員」でもリムル(ジュラ・テンペスト連邦国)が勝つようだと、もう魅力がなくなると思います。誰が味方につくか敵につかでどんどんパワーバランスが変わってくる展開なら、まだまだ楽しめそうです。

次は劇場版ですか。この作品とは、長く付き合っていきたいので、本作のようなスローな展開でも、個人的には歓迎できます。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
アルティメットスキルが4つて、どんだけ強いんだよ(苦笑) 1つでもあれば、魔王クラスという解釈で良いんだよな? ベルドラ、明るいキャラで目立つな。ユニークスキル、料理人。個性を失ってないか? まずはワクワク感があるスタート。

2話目 ☆3
会議。かなり地味な展開も、自信の現れか。

3話目 ☆3
会議だけで2話またぐなんて、珍しいアニメだよな。

4話目 ☆4
そうそう、私が好きなのはこういう大きな話なんだよね。

5話目 ☆3
軍隊丸ごと転送はエゲツナイな。

6話目 ☆4
戦力の充実と分散。まあ、基本だな。これだけテンポ落として成立するのが凄いよな。

7話目 ☆4
バトル始まるとやっぱり面白いね。

8話目 ☆4
日常系? シュナ、強ぇな。もっとじっくり見たい相手、バトルだったな。アンデットが仲間になりたそうにこちらを見ている(笑) キャラ変わりすぎだろ(笑) 怒るリムル、良いね。

9話目 ☆4


10話目 ☆


11話目 ☆4
サザンアイズ(笑) CAPCOMに怒られるぞ(笑) ミリム、操られていなかったか。魔王という役目。カザリームが黒幕。クレイマンも、死に際にキャラが立ったな。あくまで利己的に、どこまでも純粋に。

12話目 ☆4
クレイマン、見せ場なくだな。一匹狼だったミリムの配下が増強され、国を持つか。胸熱の展開。魔王、、、モドキとはいえ、1の配下が瞬殺か。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「魔王」がいっぱい(笑)!→ 劇場版決定おめでとうございます!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追加あり。] ==
『転生したらスライムだった件』1期目(2クール)+ 2期目前半クールの続きです。ここまでの本編を観ていないと、お話し的にはさっぱり意味不明なはずです。スピンオフの「転スラ日記」を観ていなくても大丈夫ですが、本編を観ていない人はとりあえずさようなら…。



主人公のリムルはネタ的にモンスターとして最弱クラスの例に挙げられがちな「スライム」に転生していますが、本作開始時点ではスライムなのは完全にネタで、作中でもリムルが最強というわけではないにしろかなり強いです。

1期目でのゴブリンの集落の拡大から周辺の魔物たちを取りまとめての「ジュラ・テンペスト連邦国」の設立やいくつかの既存国家との国交樹立、2期目前半クールでの首都リムルおよび街道の整備などの勢力拡大に伴うファルムス王国との摩擦からの開戦を経て、本作はその戦争の後始末から始まります。

ここまでのお話で作中世界には「魔王」と呼ばれる存在が複数いて、リムルと直接面識があるのがラミリス、ミリム、カリオンの三名、名前を知っているのがシズさんの一件で名を聞いているレオンと直接敵対しているクレイマンの二名、そして別途作中で名前が出ていたフレイの六名が出てきています。

他にも「魔王」がいるらしいのですが、それらは一体何者なのか…?


……ということでちょっと気になったので、今だと「ピッコマ」でアニメ化部分以降も含めて結構原作を読むことができるので、2期目前半クール終盤くらいのところから何となく読み始めてしまったのですがこれが面白くて、たぶん今期アニメ化される以降まで読んでしまっています。

転スラは確かにバトル要素もあるんですが、今期のように(世間では不評との噂も聞く)バトルしていない時期の方が、個人的には好きだったりします。ということで、なかなか話が進まないとじれている向きもあるかとは思いますが、私はけっこう毎週楽しみに観ています。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.22追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。

当初レビューで書いた通り、現存の魔王達が勢揃いする形でキリ良く終わりましたね。クレイマンの「小物界の大物」感が素晴らしかったですね。仲間たちとの回想で盛り上げるのはズルい(笑)。まるで、主人公のようだ…。

魔王であることは絶対的な強さの指標ではなく、魔王という地位なのだということが印象付けられるこのクールでしたね。

劇場版は普通にここまでのストーリーの続きとして制作するなら「聖魔対立編」+α的な内容になるのでしょうかね?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32

84.8 4 騎士で魔王なアニメランキング4位
ハイスクールD×D(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (2674)
15219人が棚に入れました
 兵藤一誠は女生徒が極端に多い私立駒王学園に通う高校2年生。この学園に通う目的はただ1つ、この学園でハーレムを作る!
だけどハーレムどころか変態呼ばわりされ、当初の目的は壮大な妄想となっていた…。ところが! ひょんなことから一誠にも初めての彼女ができ、初デートをすることに!夕暮れの公園、そっと近づく彼女…。もしかしてキス? っていうかそれ以上…?エロ妄想がヒートアップする一誠に彼女は微笑みながら言う、「死んでくれないかな?」… 。人生で初めてできた彼女に、イキナリ殺されてしまったっ! なんで!?と思いきや自室のベッドで目覚める。するとその横には紅髪の美少女、学園の先輩《リアス・グレモリー》が全裸(巨乳)で添い寝していた!?オレ殺されなかったっけ? なんでリアス先輩が? なんで裸? っていうか先輩おっぱい見えてますよぉ~!?「見たいなら見てもいいわ」 ………。 ってマジ?? リアスから説明を受ける一誠。この世に存在する悪魔のこと。リアス自身も悪魔で、一誠を生き返らせる為に悪魔として転生させたこと。しかもその代償としてリアスの下僕悪魔として永遠に従わなければならない…。驚愕の真実、荒唐無稽、混乱する一誠。悪魔で下僕? リアス先輩の下僕? ってことは先輩のおっぱい揉めるかも?持ち前のエロパワーとポジティブシンキングで、リアスの下僕悪魔として生きることを受け入れた一誠。生まれ変わった一誠の悪魔で下僕な学園生活が幕をあける!そう、いつかおっぱいハーレムを作るために!?

声優・キャラクター
梶裕貴、日笠陽子、浅倉杏美、伊藤静、竹達彩奈、野島健児
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

史上最低で最強の技「ドレス・ブレイク」・・・(*^ω^*;)

■ハイスクールD×Dって・・・(^。^;)
女の子の割合が高い駒王学園に入学することはや一年・・・
主人公の兵藤一誠[hyoudou issei]は日々妄想と変態と罵られる日常をすごしていたのです!
そんな一誠に突然春が訪れたのでした(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
でもそんな幸せは長くは続くことなく・・・初めての彼女に殺されそうになる事に・・・なぜ∑('◇'*)エェッ!?
瀕死の一誠を助けたのは悪魔だったのです・・・とびっきり美人のね☆彡
実は・・・悪魔の眷属になることで生きながらえたのでした!
意味もわからず悪魔と堕天使の闘争に巻き込まれていく彼の運命はいかに!!


■ハイスクールD×Dに出逢った日の日記 φ(`д´)メモメモ...
どうやら放送局によっては規制があったりなかったりみたいですね!
とにかく一誠はおっぱいが大好きみたいなのでやたら叫びます・・・おーっおーっおっぱい!!
周りの女の子もやたらおっぱいを強調します・・・というか見せます(≧▼≦;)アチャ
ストーリーは1話観ただけではなんとも言えませんけど、なんだか悪魔が正義で堕天使が悪者みたいですね!?
なんで堕天使がはびこっているのか、悪魔とどのような歴史背景があったのかちょっとずつわかってくると面白くなってくるのかなぁ?
とにかく無駄にエロな作品に成り下がらないことをお祈りしていますw†o(・・;) アーメン


■総評
地上波では規制が入るような内容でしたので完走できるか心配してたのですけどストーリーは意外にもしっかりしていたので楽しく観ることが出来ました♪
でもやっぱり「DxD」マークの規制は目障りなので、σ( ̄∇ ̄*)アタシ的には無駄な露出はいらない子でした!
(*`◇´* )ノポイ!! ・゚゚・。ロ.・。エ

ストーリーを面白くしていたのはやっぱり一誠の存在でした☆彡
一誠は「この学園でハーレムを作る!!」と公言したりと、とにかく自分の気持ちに素直でしたねw
その素直さが良くも悪くもストーリーを盛り上げてくれていたと思ってます(^ー^* )フフ♪

ストーリーは大きく2つに分けられます♪
前半は堕天使との闘争のさなか、仲間との出逢いや絆を深めていく過程が描かれていました。
そんな中でも一誠がアーシアを想う気持ちが熱かったです♪
それにしても…
{netabare}
「夕麻ちゃん♡」って引きずりすぎですよぉw
いくら初告白・初デートの相手でも殺されてるのにヽ(*´ー`)ゞ
そんな事だからアーシアまで殺られちゃたんですよね…
でもそのお陰で「心は天使」「体は悪魔」っていう、一段と魅力的なキャラとして復活できたんですけどねw
((((*ToT*)†アーメン~~~イチャイ…(* T-)□聖書~~~イチャイ!! Σ(T▽T;) ウエーン…
{/netabare}

また後半は純血上級悪魔の家系同士の熱い戦いが描かれてましね。
チェスに見立てた「レーティングゲーム」はなかなか面白い趣向でしたと思います♪
「リアス⇔一誠」の関係が深~く描かれているわけですが、アーシアも地味に頑張ってましたねw
登場人物のなかでとってもキュートだったのは、無口・無表情キャラの子猫ちゃんです☆彡
この系統のキャラの割によく喋るし、切れ味抜群の「ツッコミΣ\( ̄ー ̄;)」は一誠と名コンビを構築してましたね♪

もし2期があればまた観てみたいなって思える作品でした(*^▽^*)


■MUSIC♫
OP曲『Trip -innocent of D-』
 【歌】Larval Stage Planning
 バカテスに!OP曲『君+謎+私でJUMP!!』でおなじみのLSPの3rdシングル♪
 イントロのドラムのリズムがとっても印象的なロックチューンナンバーですね!

ED曲『STUDY×STUDY』
 【歌】StylipS
 石原夏織、能登有沙、小倉唯、松永真穂の若手女性声優ユニットのデビューシングル。
 声優ユニットらしいキラピコなノリの良いキャッチーな曲です♪


2012.01.19・第一の手記
2012.08.23・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 69

だわさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

エロ枠でエロバカアニメなんだが、とにかく最高に熱くて面白かった!!

全12話。
エロ枠。
パロディ有り。:ハーレム王に俺はなる!等
ラノベ原作。
バトル系。


以下感想(総合)
はじめに言います。こりゃあ面白かったですw
基本的にはエロさとバカさと熱さで成り立っているアニメ。
このアニメ見て、エロ枠って、エロイだけじゃ物足りないんだなーと思っちゃいました。
最初から最後までずっとバカでエロイんだけど、
主人公のエロさやバカさと同じ比重で「熱さ」があって、バトルが熱い熱いvバトルごとに主人公が成長というのはお約束なところはありますが、特に鼻につくこともなく強さのインフレスパイラルもありませんでした。
あと、原作は読んでないので知らないけどシナリオがすごくまとまっていて、すっきりするし熱くなれるしほっこり出来ます(*´∀`)最終回イイ!
最終回含めて最後の展開のシナリオとかもう、文句はひとつもありませんでした。最終回は最終回よろしく、~からのOP!とか、~からのED!とか絡めてグイグイ盛り上げてくれました^^

バトルなんて思わず熱く叫んじゃいたくなりましたし。

「衝撃のォォッ!ファーストブリッドオオオオオッ!!!!」

と間違えてスクライドっぽく熱く叫んでしまったのは、セイクリッドギアという能力があまりにスクライドっぽかったからですが、いろいろパロディの一環かなと思って見ましたw

2期の可能性も仄めかしつつ終わりましたけど、2期やるなら絶対見ますヾ( ゚∀゚)ノ゙



以上

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

以下は視聴中のレビューです

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

4話まで視聴感想。
とりあえず、エロアニメとしてエロ描写はしつこいくらいあるのでここまでくるとエロい気がしない不思議!

とりあえず

エロバカな主人公が異能の力でエロバカなりに頑張ってバトルしたりするお話ですね。

意外とけっこう熱さ持ってるんですよねこの主人公。
異能の力はほぼスクライドのアルター能力をパクっててウけましたが…

一言で言うと

「学園系青春エロバカ微グロ熱バトルアニメ」

ですね。

一言じゃないですね。
そんでも、おもしろいって思います。

来週の回はやく見てぇぇぇぇぇえええ

投稿 : 2024/12/21
♥ : 39
ネタバレ

Ryuvay さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

熱いバトルとおっぱい ~主人公はいわゆる「ラッキースケベ」じゃない

原作未読、1話視聴後の雑感

無駄に揺れる、無駄に見せる、無駄にハーレム!

と書けばただのHなアニメですが、なかなか演出がよく物語りや設定などもしっかりしています。

おもしろいとまではいきませんが、導入編が終わって以降、gdgdになったりせず、勢いやテンポが維持でき、世界観やキャラ設定を存分に活かし続ける(おっぱいハーレムアニメではココ重要、活かせずにエロ萌えばかり走ると飽きる)ことができれば観続けようとおもいます。(<視聴後追記:クリアされてました)

内容的にもおっぱい描写が無くてもじゅうぶん見れるのではないかと思います。純粋な悪魔と天界から堕ちた堕天使との戦い、あるようでなかなか無い世界観でしょう。無名声優や新人声優が多くなってきた昨今、声優もなかなかメジャーな方たちを採用されています。

以下視聴後レビューを簡単に

期待以上でとても満足してます!
続きをやるなら是非とも観たいと思いました。

ちょっと考えてみたんですが、この主人公ってこういったアニメによくある単なるラッキースケベでは無いように思います。なぜかって別にラッキーなんかじゃないんですよ。すでに同等かそれ以上の対価を支払っているんですよね。そしてそれは今後もずっと支払い続けるんでしょう。{netabare}最終話で主人公もその覚悟を宣言し、ヒロインもそんな主人公に惚れた。その部分も納得ができます。{/netabare}それに対しとても好感を持てる、それが熱い想いと熱いバトルにつながっているのだと思います。そして、それにちゃんと応えてくれるヒロインたち。それが、単なるラッキースケベおっぱいアニメを凌ぐとてもよい作品になったとも言えるでしょう。
ひとことで言えば、主人公がスケベだけど本当にかっこよかった。
{netabare}
ラストはいまだかつて観たこと無い「おっぱいアニメなのにコメディ要素も含めたとても爽快なハッピーエンド」でした
次シリーズを匂わせる終わりかたをしているのでそれもまた期待しています。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

67.5 5 騎士で魔王なアニメランキング5位
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (127)
395人が棚に入れました
「もしかして、これが恋ってやつなのかっ!!!」 孤独な魔術師は一人の少女に恋をした 悪の魔術師として人々に恐れられているザガン。 不器用で口の悪い彼は、今日も魔術の研究をしながら領内の賊をぶちのめしていた。 ザガンは、悪友のバルバロスに誘われて参加した闇のオークション会場で、魔王の遺品として出品された白い髪のエルフの少女ネフィと運命的な出会いを果たす。 全財産をはたいて、ネフィを自身の城へ連れ帰ったが、これまで人付き合いをすることのなかった口下手なザガンは、ネフィにどう接していいかわからないまま、まともな会話も出来ず狼狽えるばかり。 これからはじまる二人の共同生活の行方は如何に―。 口下手な魔術師と美少女エルフのじわキュンラブコメディ。

声優・キャラクター
ザガン:小林裕介
ネフェリア(ネフィ):市ノ瀬加那
シャスティル・リルクヴィスト:菱川花菜
バルバロス:谷山紀章
フォル:美坂朱音
ラーファエル・ヒュランデル:稲田徹
マニュエラ:伊藤彩沙
ナレーション:森川智之
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

コミュ障の魔術師を日常介護するエルフを生暖く見守るお話。

手島史詞(原作)、COMTA(イラスト)による原作小説は、HJ文庫(ホビージャパン)にて書籍化(既刊18巻、原作未読)。
板垣ハコ(作画)によるコミカライズ版は、ウェブサイト『コミックファイア』(ホビージャパン)で連載中(既刊11巻、コミカライズ版途中まで既読)。
アニメは、全12話(2024年)。監督は、『発明BOYカニパン』シリーズ、『人造昆虫カブトボーグ V×V』などの石踊宏。制作は、『虚構推理(1、2期)』、『夏目友人帳』シリーズなどのブレインズ・ベース。
(2024.6.20まとめ)

【あらすじ】
剣と魔法のファンタジー世界で、若くして「魔術師の王」たる「魔王」として世間から恐れられることになる魔術師ザガン(CV.小林祐介)は、ある日、オークションに奴隷として出品されていた白髪のエルフ・ネフェリア(愛称「ネフィ」:CV.市ノ瀬加那)に一目惚れ。そして、彼女を嫁にするため大金を出して落札した後、自分の城で一緒に生活を始めるのだった。
しかし、ザガンは、極度のコミュ障であったため、その愛情をネフィに素直に伝えられず、出てくる言葉は、その気持ちと裏腹なものばかり…
(→『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』)
そんなザガンを初めは怖がっていたネフィであったが、次第にザガンの優しさに気づき、お互いに惹かれていくという『美女と野獣』的なお話。
(ただし、ザガンはイケメンだし、いうほどコミュ障でもない(笑))。


【コミュ障の魔術師と彼を日常介護するエルフを生暖く見守るお話】
本作の見処は、互いに不幸な境遇を抱えて出会った二人が、不器用で時にすれ違いながらも、互いの優しさに気づいて次第に惹かれ合い愛を育んでいくというところ。色々あるけど、二人がイチャイチャするか愛が深まる結果に収束していくというのが基本的な流れ。それを深刻になりすぎず基本的にコミカルに描いたラブコメ作品。

簡単にいえば、コミュ障の魔術師と彼を日常介護するエルフを生暖く見守るお話です(笑)


なお、「コミュ障の魔術師を日常介護」するネフィは、声優が同じ市ノ瀬加那さんや癒し系キャラということもあり、『葬送のフリーレン』のフェルンを彷彿とさせます(※声優の評価だけ高い理由)。
ということで、波及効果としては、特にフェルンロスというニッチな喪失感をお持ちの方にオススメの作品にもなっております(笑)


【感想(※ネタバレ有り)】
{netabare}11話からの展開が、正直、うーんって感じ…

本来、魔術師となかよくやりたい人のはずの聖騎士ラーファエル(CV.稲田徹)が、これまで魔術師をたくさんぬっころしてきた理由がねえ…
確かに顔は怖いし態度も威圧的だけど、向こうがビビって勝手に襲ってきたは、流石にちょっとキツイ…。原作漫画を途中でやめていたので、そんな展開になっているとは露知らず…

ただ、原作漫画を読んでいたときから、ザガンとネフィの関係性がいいと思ってたんですよ。それだけでも観る価値はあったと思います。

あとは、とにかく竜の少女ウォルフォレ(CV.美坂朱音)とネフィがかわいかったです(小並感)。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

強い変人DTが自己評価の低い美少女(処女)をゲットするいつものやつ

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.24

 どんな酷い物語になるのかと思ったら、幸せ疑似家族になって楽しく暮らしましたとさ…。オシマイケル!

 これが家族の価値なのだ!と言うのをこれでもかと見せつけられた感じです。嫁、持家、子供!ついでに執事もゲットだぜ!コミ障魔王として恐れられていたザガンも地域社会に受け入れられた様です。

 結局、地域社会のメンバーとして認められるには、家族がいて、持家じゃないといけません。今だに個人としてではなく、〇〇家のメンバーという地位の方が重要なのです。

 最初に予想した様に、観ていて毒にも薬にもならない、既視感ありアニメでしたが、結局、世の中の価値観に媚びた予定調和的な内容こそ完走出来るアニメの条件なのだ!と言うことが再認識出来て良かったと思います。
 
 ロリドラゴンとネフィの可愛さに全振りアニメだったので、まぁ最後まで視聴して後悔はありませんでした。ただ…、奴隷を買うという最初の方の設定必要だった?

 最初に書いた様に、奴隷制度の存在する社会を上手く表現出来ていない様な…。

 近所の住人も奴隷上がりのネフィに対して、何も思って無い様ですが、下卑た目で見てくる位の演出はあっても良かったですね。

 ほとんどの日本人が、かつて奴隷に等しい身分の下人や水呑百姓だったのに、すっかり奴隷制度の残酷さを忘れて、物語として消費しているのは、思い上がりも甚だしいとしか思えませんね。
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 8話まで観ました。2024.05.27

 凄く強くて恐れられている魔王達、魔王と敵対する聖剣持った聖騎士、魔王ポジションを狙う魔術師…。力は戦って奪え!の殺伐とした世界っぽかったですが…。

 何となく、仲間が増えたことにより、主人公に優しいヌルい世界になって来ました。まぁ、奴隷エルフに惚れられてイャチャラブする物語が、コメディ路線にならない訳がありません。

 奴隷エルフをどんなに虐待しても反抗してきり、屍を越えて行け的な戦いをしてくる交渉の余地のない頑迷な敵対勢力と延々消耗戦やるみたいな疲れる話はアニメ化されません。

 そんなの現実だけで充分ですね。後、コメディにしないと、そもそも処女で美人の奴隷女を購入出来る世界観が非道すぎます。

 美処女が買えるなら、一般女性はもっと安く簡単に買えるはずです。岡場所で一杯の掛け蕎麦くらいの値段で夜鷹が買えるけど、みんな性病の江戸時代みたいな世界になってしまいます。現代的な価値観だと地獄ですね。

 結局、この手の話はユルユルコメディ路線に集約しないと観るに耐えない様です。
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 初回観てのレビューです。2024.04.10

 以前放映していたイケナイ…と同じ様なお話です。仕方無いですね。エロゲーの定番、弱った美少女につけ込む系の話にオリジナリティなんて求めてはいけません。

 世の中の殿方達の嫌がるメンヘラではなく、普通の感覚を持ちつつも自己評価の低い美処女なんて、誰が考えてもそんなにレパートリーはありません。

 男の方も、単なる強男だと嫌味過ぎるので、変人陰キャ設定にすると、みんな似てしまいますね。変人が棲息している変な社会なので、世間体も気にしなくてOK!世界観も似てしまいます。

 想像以上のことは起こらないギャグアニメになりそうなので、視聴の優先度は低くなりそうです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

陰キャ主人公が面白い。ヒロインも可愛い

さて、作画はほどほど。まあ悪くはないですね。

主人公は気に入りました。
なろう系には変にスカした主人公が多くて気に食わないことも多いのですが、きっちりヒロインを大好きなところは微笑ましく気に入りました。
性格も陰キャで面白いですね。まあタイトル通りの内容ですが、微笑ましく応援したくなりました。

ヒロインも可愛いですね。
しかしまあ、私は普段は声優はあまり云々しないのですが、ちょっとヒロインの声優さんがあまりに旬なもんで、つい意識しちゃいましたね。
ヒロインがフェルンだ! と…。
雰囲気も似ていて、ついつい思い出しちゃいますね。

優れた魔術師が魔王と呼ばれるようですが、主人公はまだ魔王では無いのですね。タイトルと違いますがまあ些細な問題ですね。
そこはヒロインと共に成り上がっていくのでしょうか。
楽しみですね。

というわけでこれは気に入りました。視聴継続です。

全話感想
なかなか楽しく見られました。
ヒロインが可愛く主人公も良いですし、脇キャラもなかなか魅力的で隙がないですね。
まあ基本的にはイチャイチャしているだけなんですが、魔族の存在とかテーマもちゃんとあって。
良かったと思います。

しかしタイトル、改めて考えると割とキモいですねw
いや全然良いですが。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

67.7 6 騎士で魔王なアニメランキング6位
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (191)
659人が棚に入れました
「解雇ですか……?」 魔族で魔法が使えない無能といわれ、突然の解雇宣告を告げられた魔王軍の暗黒兵士・ダリエル(30代)。 故郷を追放され、偶然、森で助けた村娘・マリーカとの出会いにより、人間族のラクス村に流れ着く。 魔族ではパスできないはずの冒険者登録に受かってしまい、手のひらには人間族にしか使えないはずのオーラが宿る!? 駆け出し冒険者ダリエルとして、のんびりできないドタバタなセカンドライフがいま始まる。

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

盛りのついた雌犬、パイパイデカ美がヤバすぎるけど、物語の構成上必要だから勘弁してな話。

 最終話(12話)まで観ました。

 みんな和解してハッピーエンドでした。良かったなぁ。

 ダリエル一家はこれで良いのかもしれませんが、魔王軍と人類の戦争はどうなったんでしょうか。  

 魔王様は不老不死の超越者(化物)ですし、人類側の代表が誰なのか不明なので、公式に和解できる状況ではありません。

 魔王軍も人類軍も軍組織で激突してたのに、四天王の一部と勇者が仲良くなっただけで平和になるわけありません。

 前線のムラ付近の話で、割とデカい組織同士の紛争が有耶無耶になるのは、なろうぽいです。

 これ以上話が続くと、この辺の矛盾が爆発しそうなので、綺麗に1期で終わって良かったです。

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 9話まで観ました。ダリエルが村に完全に馴染んだため、マリーカはお役御免のようです。

 記号的ヒロインの典型といった所でしょうか。付き合う前は積極的にセクシーアタックしてくれ!その後は三つ指ついて男の後ろにひかえておれ!と、男性に都合の良い良妻賢母に成り下がっています。

 メインヒロインの座は女勇者に譲ったようです。女性キャラの割と酷い扱いが、中年男性のキモい妄想だ!と、断罪されて、今一物語がイケてない原因かも知れません。

 ギャグっぽかった本作品ですが、ガチで戦争している元勇者アンド魔王軍幹部が出てきて、いよいよクライマックスのようです。

 ダリエルのスローライフ?は、どうなってしまうのか?目が離せません。

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 主人公に助けられたとは言え、ヤバすぎる突撃娘マリーカの評判が良くない本作ですが、4話まで観てると、存在意義が分かってきます。

 魔王軍も人間側も、戦争しているのに頭がお花畑です。主人公は魔王軍を追放されたとはいえ、内情を知っている危険人物です。

 人間側も、経歴不明な凄腕を辺境とはいえホイホイ最前線の村に迎え入れるでしょうか?どう考えても犯罪者かスパイでしょう。

 結局、ストーリー上の矛盾を、発情した雌犬ことマリーカが引き受けているために、キテレツな人物として描かれてしまっています。

 主人公が人間側に受け入れられるための保証、恩人で腕が立って、良い人で、恋愛対象にしても安全!をマリーカが体現しているのですが、その演出が過剰なために、色ボケ恋愛脳ストーカーとして視聴者の顰蹙をかっています。

 中年の妄想だキモい!と切り捨てないで、記号的ヒロインとしてのマリーカの活躍を見守ってほしい作品です。

 まあ、オススメはしませんが…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

お手軽ファンタジー

「追放されたけど実は有能でリベンジ人生」「スローライフ」最近見た設定ばっかりだけど、これだけなろう系いっぱいあると被るのは仕方ないかな
なろう系って作者の願望が形になった物語だと思うけど、ファンタジー作品が好きな人の願望はだいたい似たような感じなのかな?

冬アニメは異世界ファンタジー多すぎて個性弱いけど全体的に悪くない感じ
良い意味でも悪い意味でも軽いファンタジーアニメで、まったり見れて面白かったです
ただ、なろう系飽きたって人は見なくていいかな?

欠点は、暗黒騎士とスローライフがどっちもタイトルに入ってる割に要素が弱いしアクションシーンの動きも少なめ
主人公いい人で好感持てるけど、胸とかスカートの中とかいつも真顔でじろじろ見ててキモい

魔王軍の人達に威厳や脅威感がまったくなくて、むしろヒロインのほうが強そう・・・

タイトルの印象通り手軽に見れる良さはあるけど、ハラハラドキドキさせられる緊迫した戦闘とかには期待できないのは賛否分かれそう

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

太郎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

ちょっとタイトル負け

・主人公がチート
・一方的に惚れてくるご都合ヒロイン
・強い魔物をあっさり倒して褒められる

この辺の設定は、もうこの手の作品を見るなら今や覚悟しておくべきことなので、しょうがないかなと個人的には思います。

ただ、タイトルで期待値を上げておいて、実際の内容がそうでもないのはなんとも惜しい。このタイトルだと、「解雇された不幸な中年が、悠々自適なスローライフを手に入れる話」をイメージすると思いますが、なんかちょっと違うなぁと感じる部分が多いです。

解雇されてもあっさり新しい生活を手に入れてしまい、また魔王軍に対する未練もあまりないようなので、わざわざタイトルにまで入れた「解雇」に悲壮感がない。解雇ではなく、新しい生活を求めて魔王軍を自ら辞める、とかでも全く支障がないストーリーです。せめて、解雇されてから新しい生活を手に入れるまでもう少し苦労しないと感情移入しにくい。

「30代」というのも微妙で、仕事を失っても取り返しのつかない年齢では全くない。事実、30代が足枷になるわけでもなく普通に無双してるし、若い美少女にもモテてます。30代の設定が生きてないので、主人公が20代でも成立してしまう。視聴者の年齢層に合わせて共感を得ようとしているのでしょうけど、それだけ。

「スローなセカンドライフ」も、多くの人は悠々自適に農家やるようなのをイメージすると思いますが、実際は冒険者として危険な魔物と戦ってるので、そういう生活をスローライフと言っていいのかは疑問。魔王軍にいる時は組織のしがらみや任務でそれなりに苦労もしていただろうから、それに比べたら小さな村の冒険者はスローライフなんでしょうけど…。

あとは、他の方も指摘されてますが、ヒロインのマリーカの巨乳推しとダリエル大好きがちょっとウザいですね。それ自体はいいんですが、1話に1回はお約束みたいに必ず出てくる演出なので、お腹いっぱい。

そういうところを無視しても、特に面白いわけでもなく、かと言って観るのが苦痛なほどつまらないわけでもない、無味無臭のゆるファンタジーアニメです。毒にも薬にもならないので、そういうのが好きな方はぜひ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

60.9 7 騎士で魔王なアニメランキング7位
Tears to Tiara[ティアーズ・トゥ・ティアラ](TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (133)
975人が棚に入れました
かつて…黄金の時代があり、白銀の時代があり、青銅の時代があった。そして“青銅の時代”の終焉(しゅうえん)から1200年。大陸では、新たに勃興した “神聖帝国”がその勢力を広げ、あまねく辺境の地を、そしてかつて“古代王国”があった領域までをも飲み込みつつあった。
そんな中、帝国の侵攻を受けた“エリン島”では、ゲール族の少女“リアンノン”が、魔王“アロウン”復活の儀式のため、今まさに生贄にされようとしていた。さまざまな要因が重なり、儀式自体は失敗してしまったかのように見えたが、結局魔王“アロウン”は復活してしまう…。

Querl さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

王道的なバトルファンタジー。だけど。。。何故か印象が薄く、心に残らない(´ω`*)

お話は、セオリー的な感じ。メインの登場人物の先祖の英雄的な物語を

今の登場人物が、色々な出来事から少しづつ記憶を思い出していき、

過去と同じ様に、危機を乗り越えていく・・・みたいなお話です(´ω`*)

だけど、、、結構淡泊な感じで 淡々とお話が進んでいきます。。。

妖精族の子とか、可愛いキャラいっぱいいるのに、活かしきれていない

というか。。。おバカなお兄ちゃんの、痛い印象しか。。。そんな兄も

少しづつ成長していくのですけどね。。。(´ω`*)

バトルシーンは、意外と迫力があって 見ごたえあるのですが、そこで

力尽きた感があって、日常パートのお話は ちょっと 雑な感じ。。。

もうちょっと 日常パートで 可愛いキャラ達が活かせると もっと

お話に メリハリがついて 印象に残る様な 気もするけど。。。

でも、絵は とても綺麗だったと思う。。。('ω'*)アハ♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱりゲーム原作だったか・・・

 アクアプラスの同名のゲーム、漫画原作の作品です。

(最初のOPを見たときにこれは間違いなくゲーム原作の

アニメだと思い、調べるとその通りだった。)

 内容は王道バトルファンタジーってところで

面白かったと思います。

それにゲーム原作ということで敵が単なる人だけ

でなく、様々なモンスターのようなのも出てきて

さらにラストもゲーム原作ならではと言える迫力

があってバトルシーンは見ごたえがありました。

 それから、OPとED共に良かったと思います。

特に前半部のEDとOPは良かったと思います。

(OPは全話通して同じです。)

 キャラもゲーム原作らしく大量に出ていて

誰がどんなキャラかわかるのは大変だったが

メインヒロインが私の好きな声優でたくさん聞けて

良かったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

西欧風うたわれるもの

「うたわれるもの」と同じとこが作ったゲームが原作。
ファンタジーの王道を突き進むシンプルなスタイル、かなりスローテンポでメリハリは少ない。

可もなく不可もなしですが、全体的にキャラクターの言動や行動が上滑りしてる感じが強かったでしょうか。感情移入させるエモーショナルな演出がもう一つ弱いというか・・・言ってる事は素晴らしいけど説得力に欠けるというか・・・割と適当に話が進む上にキャラがやや浅めなので、話に入り込めなかったのかなと思います。作画はとても美麗でしたけどね。

まぁ上記の不満点はゲーム原作ではありがちなものなので、そう考えれば普通なのかなと。
王道といえば聞こえは良いが、もう一つスパイスがないと美味しく頂けない、そんな薄味のファンタジーすね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

65.7 8 騎士で魔王なアニメランキング8位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (322)
1239人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

腫れ物扱い

2話までの感想{netabare}
原作未読、前情報一切ナシで視聴。
タイトルから「ドラクエ6の下ライフコッドへのツッコミからアイデア得た作品かな?」と思ったらあながち間違ってもない模様。
1話で軍への試験に落ちるって、ねぇ?
じゃあ2話で馬を捕まえる展開が来たらどうしようw、と思ったがさすがにそこまであからさまじゃなくてひと安心。
…安心なのか?
いやむしろヒヤヒヤですな。

多くの方が指摘されてる通りの「無自覚最強系」で、いつ「オレまた何かやっちゃいました?」が炸裂するか分かったモンじゃない。
が、今のところ「そこ=イラっと来させるライン」はギリギリのところで堪えてて踏み越えてはいない、あくまで私にとってはね。
慇懃無礼に感じる部分は無きにしもあらずだけど、一線を越えずにいられるのは…ヒロインのセレンの扱いがデカいのか?
鼻につくなろう系の多くはヒロインが「どう可愛いでしょ?キレイでしょ?」って部分しか見せない都合の良い人形(人によってはトロフィーと呼んでますね)状態で、それに比べるとこっちは性格に難アリの模様。
まぁ“オバロ”のアルベドや“慎重勇者”のリスタルテやアデネラみたいなもんではあるのだけど、ヒロインのみっともない側面を見せてくれるのは私には効く。
セレンの病みっぷり次第では結構面白くなる…かも?
但し、いつイラっとくるラインを超えてしまうかは分からないのでヒヤヒヤしながら見続けることにはなりそう。


ところで舞台の国名がアザミ王国?ティッスルじゃなくて?モデルはスコットランドなのか?
しかも行方不明中の王女の名前がマリアアザミ(実在する植物の名前)だと?なんて安直な…だったら通称ベルト姫のセレンもベルトーチカとかの名前にした方が良かった気が。{/netabare}

3話感想{netabare}
良いことか悪いことか分からない、とりあえず1話から感じてた違和感があるのだけど、3話でそれがより顕著になったかな?
マリーがマリアだと明かされたが、んん?付き人ナシの単身で隠密行動してたの?
クロムもそう、「繋ぎ」とか居ないの?
まぁそれを言ったらいくら弱小貴族だとはいえセレンやアランにも付き人が居ないのがなんか変。
なによりリホがたった一人で「問題のある傭兵」として国からマークされてたの?
ならず者集団のリーダーだと思ったのだが、姐さんと呼んで付き従う腹心の一人も居なくて…あっれー?
要はそれぞれの集団というか勢力が、擬人化されていちキャラクターにされてるような違和感。
とはいえ、いちいち構成員を出したところでキャラが無駄に多くなるだけだし、話を理解しやすい様に簡略化したんだと思うと悪いとも言いにくい。
“神達に拾われた男”で誰がナンだか分からないギルドメンバーがゾロゾロ登場したことがあったが、あんなことをやられても困るっちゃあ困る。
う~ん、どうなんだろ、今後解消されるのかな?

判断に悩むのは3話祭りシーンの村長もそう。
ロイドとねんごろな関係を狙ってるみたいだが、だったらわざわざ出先ではなく村に居た頃にいくらでもチャンスがあったのでは?
つまり村では監視が居て到底無理だったとか、何か尤もな理由がありそうな気がするが…ちゃんと考えてある?
その…原作は知らんがシリ構が赤尾でこなのでちょっと怖いんよね、二回母とアサプラは私の中では前科になってるので。

でもって中身の感想。
今回ロイドは殆ど蚊帳の外でした。
人間同士の諍いには不干渉だったけど魔王が係わってるということで次回参入してくるのかね?ってことでそれの前振り回。
次回でこの作品の評価が決まる…かも?{/netabare}

4話感想{netabare}
あーそっち行っちゃったかー、想定通りではあるんだけど悪い方向へ行っちゃいました。
ロイドが自分の強さに無自覚&周囲が教えてくれないのは、人間同士の諍いに関与させないためという建前があったからなのに、その対象外の出来事に至っても周囲は相変わらず教えてくれない。
ま、まぁ他の理由が今後明かされるかも知れないのでまだ視聴は切らないけど、せめて「ひょっとしてボクって普通の人と違う?」と僅かにでも疑う描写は欲しかったような…。
もっと欲を言えばアランが死んでたら私好みの展開だった。
どうにも赤尾でこ繋がりの“二回母”と同じ匂い…他には友人と意気投合した“すのはら荘~”の件が頭をよぎる。
どんなに管理人“以外”の連中でイイ感じに話が盛り上がっても、最後管理人が全部踏み潰して更地にしちゃう感じ、あれと同じ方向性なのかなぁ?

期待したセレンの暴走っぷりもいま一つ、これは比較する相手(慎重勇者)が悪い?これも今後次第か。
どっちかというと村長の方がはっちゃけてる。
あと軍軍言ってたがなんかピンと来ない、そこは騎士にでもした方がシックリ来るような…ってそうすると今度は、いくら変わり果てたとはいえ忠誠を誓うべき王を見間違えるのに疑問生まれちゃうか?
ってか今回の一件で戦争は回避できたの?{/netabare}

5話感想{netabare}
慇懃無礼と腫れ物扱いについて、4話までの感想では書き足りてなかったので以降の感想に織り込みながら書いてけばいいやと思ったら…それどころじゃなかった。
5話、なんだこりゃあ!?
あらすじをただなぞっただけ、溜めも無ければイキも無い。
キャラが生きてなければスタッフも息してなさそう。
なんでこんな作りに?と思ってこの回の脚本を調べてみたら普通に仕事できる人みたい、じゃあ演出になるのか?この退屈な流れは。
ってか作画も結構アレになってて現場大変なのか?

ところで新キャラのフィロ、こういう役どころって銀髪ジト目ロリがやるもんじゃないか?
長身でヌボっとした系は…RODの次女みたいなのは、異性にデレるんじゃなくて小動物にデレる方が相応しい気ががが。{/netabare}

6話感想{netabare}
「ロイドは自分が超強いことに気付いてない」って設定である以上、「なんで周囲は教えてあげないの?」という疑問がどうしても付きまとう。
教えてやらないその振る舞いからはロイドを腫れ物扱いしてる、もしくはいじめか?とさえ思えてきてしまうので、それを回避するために更なる設定が必要になる。
「ロイドが超強いことは知ってるけど、ロイドに自覚が無いことには気付いてない」
要はボケにボケを重ねるボケ倒しで、ツッコミ役が居ないとどうにも落ち着かない私にはちょっと厳しいかも。
一応「ロイドが自覚してないことに気付いてるけど教えてやれない理由があるっぽい」には村長とマリアが居るが、村長はまだしもマリアはむしろ自覚の無いことを利用してる様に見えちゃうのがこれまた…。

更には主人公が強いことに気付いてるキャラと気付いてないキャラが居て、こいつら同士で情報交換・意思疎通をしない。
(例:6話でいえば大会でロイドと戦うことになったレナにフィロは忠告しない)
学園長がロイドの強さを見抜けなかったのも不思議だけど、ロイドを含めキャラ同士で情報交換・意思疎通をしないこの状況は、心に壁があるというか溝があるというか…キャラ同士が冷え切った関係でコメディ作品なのにあんまり愉快な世界に見えない。
そこで、恋に盲目でキの字に足を踏み入れてるベルト姫が「そんなん知ったことか」と空気を読まずにブチ抜くことを期待してしまうワケで…早い段階でセレンに期待したのはそういうこともあったのかな?と我ながら納得。
無いのかなぁ、そういう展開。

ってかさ、ロイドの性格ってブラック企業の社長に見られる例としてよく上げられるやつじゃん。
当人は確かに能力高いけど部下も同じくらい働けると思って「え、これくらい簡単にできるでしょ」とオーバーワークを課してしまうやつ。
良い悪いは別にして、前世でツライツライ仕事に追われたので転生先で幸せを掴もう、みたいな転生作品が最近多い中、それを支持する人はこれ(ロイドが無自覚)はどう映ってるんだろう?{/netabare}

7話感想{netabare}
近々文化遺産登録予定の檜林を隠れ蓑にトレント絡みでのタクラミが行われてるみたいで、それを探ってる連中同士で疑い合ってる中にロイドがポンと放り込まれる…って話。
なのだけど、何かおかしい。
ってことで2回見ちゃったよw
後半アランと入れ替わったロイドが「ここで起きてる事件を止めたい」とセレンとリホに伝えるのだが、「いつの間にトレント絡みの陰謀が行われてるのをロイド達は気付いたんだ?」というのが初見では不思議でした。
が、ここで言った「事件」ってのはアランが風呂でノボせたことを指してる?トレントについてはまだ気付いてない??と2回目で思ったり。
合ってるのかどうかは知らない。
もし合ってるのなら、アランがノボせたのを事件扱いしてる描写が足りない気が…。

2回見ても変だと感じたのが変わらなかった部分としては、長年ベルトで素顔を曝す事のできなかった娘の呪いが解かれたにしては、セレンの親のリアクションが薄い。
そう見せかけて実は…って展開が今後あるかも知れないのでそこはいいとして、セレンとアランは見知った間柄なのに親は把握してなかったのか?
また、ロイドがアランの身代わりになるのはスレオニンが承知ならOKだろうけど、客だったリホが従業員に扮するのはコバ的にはOKなのか?
これに関しても次回以降で明かされるのかなぁ?

それはそうと檜林が二次林であることを語るのなら、普通に炭焼き小屋でもあって遺産登録で取り壊されて~って方のが分かり易かったのでは?
人の生活に利用されてたのに遺産登録されると立ち入りができなくなる、ってのがミソだろうに…まぁいっか。{/netabare}

8話感想{netabare}
この回、不自然に感じた点は大雑把に3つ。

1:「アランがのぼせたこと」と「昏睡事件」はイコールだったの?
2:檜林を文化遺産登録しようとしてた勢力は?
3:秘書が正体現してキキョウを襲おうとした時ロイドが割って入れたのは、放り投げられた村長を探しに林に入ったから。
じゃあ村長見つけられてないのにホテルに戻ってきたのはなんで?

1については、前回のうちに「風呂に入ってるアランの背後から陰が迫って「誰だ」と振り向いたところでブラックアウト」みたいな3秒もかからんシーンを入れなかったのがいけなかった気がする。
要は私の感覚ではアランは一人で勝手に風呂でノボせただけにしか見えなく(ってかトレントにやられたなら三日味晩昏睡するらしいがアランは当日に起きてないか?)、そこに朴念仁であるはずのロイドが事件性を見出したのが不自然に映る。
「事件を探るためにデートのフリをして周囲を見回ろう」という目的から8話序盤に繋がってるワケで、発端が曖昧なのはどうなんだろう。
発端が曖昧なら〆も曖昧、原作はどうか知らんがアニメスタッフの怠慢のような…。

2は秘書が一人で出来る規模を超えてる気がするが…目一杯好意的解釈をすればショウマが裏で手を回してた?
…と考えられる、が、最後に村長が関係者以外の記憶を消しただと!?
えっ、証拠隠滅?ってか「関係者」ってどの範囲まで?
と思ったら、ひょっとしてアニメに登場した連中は全員関係者(=記憶消去の対象外)で、実際はホテルには他にも客が沢山居たってことだったりして?
もしそうだとしたら背景にモブを描く手間を省いたアニメスタッフの怠慢のような…。

3は、当初は村長を探しに林に入ったがそこで雑草掃除(前回からの話を継承してるなら枝打ちor下草刈りと言って欲しかった)へと目的が変更した、というのはまだ分かる。
けどそうなら騒動が終わったあと「そういえば村長は?」と誰か突っ込めよと。
視聴者の疑問に答えるかのように騒動終了直後村長がショウマに囚われてたシーンに移るが、そうじゃなくてキャラが疑問に思えよと。
村長が放置されてることに疑問を抱くんじゃなくて、村長が放置されてることにキャラが誰も疑問に思わないのが疑問なんだ、この違いスタッフ分かってるのかな。
しかもアニメはご丁寧に夕方→日暮れと時間経過を表現してて、長い時間村長は放置されてたと印象づけてくれてる、なんでそんな演出を?


個人的な見所、というか心の拠り所になってるセレンのハジケっぷりも…悪くはないのだけどまだ足りないかなぁ。
内容というより見せ方(演出)になるので文章で上手く表現できないけど、もっと過剰演出していいと思う。

原作未読なので推測にしかならないけど、ひょっとしておかしいのはアニメだけなのでは?と疑い始めてます。
「6話感想」で触れた通りキャラ達がロクにほうれんそうをしないで勝手に行動する、動機や目的がバラバラなのだけど、それをマトモに把握しないまんまアニメ作ってないか?
また、アニメ化に際し内容が詰め詰めってのは強く感じる。
今回のエピだったらホテル支配人のコバが居る必要があったのかどうか謎(誰が誰の親父だか混乱を来すだけ)だし、前の話を振り返るのなら聖剣を手に入れる描写なんてかなり酷いと思う。
再登場するとは思うけど5話で登場したミコナ(マリーにホの字らしいヤンデレレズ)も現段階ではスゲー投げっ放し。
ただねぇ、これはねぇ…7&8話のエピソードをもっと話数かけられてもダルいというのも分かるし、“通常攻撃が全体攻撃で~”はそれで失敗したと反省しているとも取れる(あっちは「え、そのエピソードまだ続くの?」というのをダラダラ続けられた)。
問題は原作からの場面のチョイスが良くないって話で…と考えると原作はマトモなのでは?と思い始めてしまったり。
わぁい、この感覚って“アサシンズプライド”と同じだw
そして、無いとは思うけど万が一、原作を売るためにアニメはワザとヘボくしてるのだとしたら…赤尾でこって才能ある?
いやまさかそんな、まさかなぁ…。

因みにセレンを親父が突き飛ばせたのはベルトのオートガード機能は悪意の無いものには反応しないから(6話参照)と解釈して私は違和感は覚えなかった。
魔王の苗といわれるトレントの苗木をモンスター研究所から奪った犯人はフツーにショウマだと思っていいのかなぁ?もうひと工夫あると良さそうなのだが…。{/netabare}

11話までの感想{netabare}
ごちゃごちゃと細かいことは置いといて一言。
ベルト姫のハジケっぷりが無いなら見るトコ無くない?
あ、あれー?{/netabare}

12話感想{netabare}
まぁこうなっちゃうよね…ロイドが世間知らずな設定のせいでゴーレムがロイドに対して強いのか弱いのかワカランw
一旦追い詰められて「やっぱり弱いボクじゃモンスターには…」と挫けそうになるが、なんかおかしくない?
ロイドが手出しできなかったのは取り込んだミコナを盾にされたせいであって強い弱いは関係ない。
それこそ「こんなヤツデコピンで粉砕できるのに人質を取るなんて卑怯だぞ」でもいいワケで…う~ん?
で、そんな程度にしか思えないことに悲壮感漂うBGM増し増しでピンチ演出するもんだから、どうにも空回り感が…。

とはいえ、原作未読だけどひょっとして、原作ではサラっと流してる部分をアニメでは殊更大げさに仕立ててるってことは、無い?
ベルト姫の封印中ヴリトラへの言葉責めもそう、原作だと一コマで終わってるモノなのでは?
なぁんかそんな感じがする。
また、逆のパターンとしてはミコナをマリーのパンツで誘って逃がした後は、リホ「実は私のなんだけどね」ミコナ「ぎゃふん」までが一連のお約束じゃない?
前回の話を踏襲するならエンディングの1カットで済まさないでそんなシーンを入れるのが妥当のような?
これはミコナ初登場回もそうだったなぁ、予め登場させとくにしても印象が薄いというか。
ってことでアニメは場面チョイスのヘンテコさを感じる、12話だけに限らず全体を通してそう。
原作未読なので想像ですけどね、ホントウデス。
まぁ原作のどこまでをアニメ範囲にして、何をクライマックスに設定するかって難しいんだろうけどさ…シリ構を同じ人が手がけた“アサプラ”はそれで変なことになってたし。

で、最後は自殺志望者とショウマがユーグを連れて逃走でエンド、まぁこんなもんだよなぁ。
ところでユーグって名前、同期放送の“エクスアーム”と同様ユグドラシルから来てるのかな?と思ったが、ひょっとしてユーグレナ(ミドリムシ)?
なんか妙に農業押ししてるし…うん、そっち方向への突っ込みは止めとこう。{/netabare}

総評{netabare}
主人公ロイドが無自覚系俺TUEEで、ロイドの無自覚っぷりもさることながら周囲が教えてあげないのが最後まで違和感強かった。
ロイドは「憧れの軍人」になりたがっていて、だけどコンロン村出身者が人間界へ軍事介入が許されるのは魔王絡みという特別な時のみで、ロイドはそれを知らない。
これ、不幸じゃない?
自分はただの人間じゃないことを知り、軍人にもなれない(魔王が暴れてくれるなら別だが)と分かった時、挫折するんじゃないの?と。
…。
だから周囲はお前只者じゃねーぞと教えてあげないのか?地獄への道は善意で舗装されてるってヤツ?
更に物語は「ロイドが活躍できる舞台を用意してやろう」といういわば忖度した黒幕を登場させる、させてくれる。
けど結局はこれも問題を先送りしてるだけ。
アニメ最後「憧れの軍人目指して頑張るぞー」で終わったが応援する気にはなれない、早めに諦めたほうがいいぞという気持ちの方が先に立つ。
士官学校と言ってるし、もしロイドがこのまま軍人になろうものなら指揮下に置かれた兵士は無駄死にすること必至。
人間離れした戦闘力の自分を基準に「あんなヤツなら楽勝で倒せるだろう」とただの人間に無茶な戦闘仕向けそう、アカンでしょそれはー。
なのでいつかは全てを知る時が来るハズで、その時「よくもワシを騙しおったなー」と闇落ちする展開が来てもおかしくない…もし原作がそっち方向へ進んでるなら面白そうではあるが、多分違うでしょ?

と、全体的にアレだった中、ベルト姫だけは良かった、それでなんとか持ち堪えた作品。
“このすば”のアクアや“慎重勇者”のリスタルテに近いものを感じる。
良い意味で頭がおかしいので「教えてあげない」も知能が働かないんだろうということで違和感が無い。
とはいえそんなベルト姫もハジケっぷりはイマイチ弱く前出の2名に比べると下位互換にしか過ぎず、ハジケの源である「暴れるベルト」も9話で封印。
ベルト姫に限らず、主人公のキの字っぷり(マイナス)を補えるポテンシャルを持ったキャラは他にも登場…してた気がするけどそれらもどうにも弱かった。


原作未読だけどアニメは場面のチョイスが変な感じがして、ひょっとしたら原作は面白いのかも?と予感させる出来ではあった。
別の言い方をすればアニメが台無しにしてる感。
シリーズ構成を同じ人が手がけた“アサシンズプライド”が時系列入れ替えをして妙なことになってたのをどうしても思い出してしまう。
シリ構の責任かどうか知らんけどね。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

どの角度から視るかで面白くもなりつまらなくもなる作品

<2021/3/1 初投稿>
評点は最終話まで視てから付けようと思います。
原作未読。

感想はタイトルの通り、どの角度から視るかで面白くもなりつまらなくもなる作品という感じ。

なろう系異世界ハーレムものとか思ってみると、味が想定外すぎて受け付けないヤツです。
例えば「コーラだと思ってガッといったら醤油でした」のような

じゃあ何系なんだ?となると
ジャンルとしては「魔法陣ぐるぐる」や「ジャングルはいつもハレのちグゥ」の方でしょうか。

基本徹頭徹尾ギャグ。
それも腹抱えて笑うと言うより、「フフッ」となるぐらいの子供向けにも思えるような軽いギャグの連続。

そういうジャンルの作品のつもりで視ると楽しめますよ。
そもそも「ぐるぐる」や「ハレグゥ」みたいなのが苦手な人にはおすすめできませんが。

<2021/4/10 追記>
先々週ぐらいに見終えました。
決定打が足らない感じしますね。
もっと笑いに振り切ればよいのに。
「帯に短し、タスキに長し」
という諺が思い浮かびました。
ちょっと残念かな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

うばうば さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には割と好きだった

タイトルから「あ〜どうせああいう系だろな〜」って感じで期待はせずに見始めました。

だいたいは想像通りで、しかも主人公は自分が強いことに気づいてない鈍感系と来た
「うわ〜『俺、またなんかやっちゃいました?』系はきちぃ〜、、、」と最初は思いました

しかし、作品を見ていく事に主人公の鈍感っぷりが度を超えすぎてて気づいたら笑ってみてました。
鈍感っぷりをネタにしたコメディって言えばいいんでしょうか?

私は色んな人が勘違いしたまま話が進んでいく話に凄く弱いので、この作品は私のツボにハマっていたようです笑
人に勧めるかと聞かれると、正直別に勧めるレベルでもないかな、、というレベルではありますが。
思ってたよりは面白かったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

66.7 9 騎士で魔王なアニメランキング9位
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (258)
1000人が棚に入れました
ゲーム内の姿で異世界へと召喚されてしまったディアヴロ(本名・坂本拓真)は、「私こそが召喚主」とお互いに主張するシェラ、レムの2人とゲームにそっくりな異世界での日々を過ごしていた。エルフの王国の精鋭部隊と戦ったり、魔族と戦ったり、復活した魔王クレブスクルムを従わせたり。「我はディアヴロ。異世界の魔王であるッ!」と魔王演じながら、強敵に立ち向かっていくディアヴロは、ときには美少女たちに翻弄されつつも、確かな信頼関係を築き上げていた。──そんなある日。湖東の森に出かけたディアヴロたちは、ボロボロになったひとりの少女と出会う。「か、神様……、なのですか?」それは聖騎士に追われた、教会の大主神官・ルマキーナだった……!コミュ力ゼロの魔王(演技)が、絶対的な強さで突き進む!異世界魔王と召喚少女たちが繰り広げる“夢いっぱいの異世界冒険譚"、再び!

声優・キャラクター
水中雅章、芹澤優、和氣あず未、伊藤美来、古賀葵、内村史子、赤﨑千夏、原由実、大久保瑠美、加藤英美里、種﨑敦美、森嶋優花、千本木彩花、置鮎龍太郎

NEKONYAN さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

1期は☆5、今作(2期)はあまりにも酷い

アニメ作るの下手糞かよ
制作会社とキービジュアル発表時点からの嫌な予感が当たってしまった。
作画が悪いことは他の方も語っているので、それ以外の点にも大いに触れつつ、ネタバレを避けて原作ファンの視点から酷評しようと思います。

不満点1つ目
あらゆる面で主人公軽視
戦闘描写がしょぼいのは100歩譲って我慢できる
でも、それだけじゃなく普段の日常シーンから明らかに主人公だけ作画の力抜いてるよね?原画が悪いとかでなく、リソースの振り分けがムカつくっていってんの
加えて作画以外でも主人公軽視が目立つ
カットしていい会話とそうじゃない部分の判別がついてない
例として、8話の教会幹部(白面)の不正を知ったルマキーナとディアブロのやり取りをあげる
原作ではアニメでもあったルマキーナの悔しいという言葉の後に
「ディアブロ様……人はなぜ……?朝、起きて食べるパンがあるのに、どうしてそれ以上を欲するのでしょうか?」
(中略)
「人とは上を目指すものだ。今に留まることなく、誰も到達してない境地を目指す。全員ではないぞ?むしろ極めて少ないが……満足を知ることなく、意欲とか渇望とか根気に溢れて、常に向上を求める者が存在するのだ。それは人の可能性であり、進歩であり、挑戦である。しかし、その精神が間違った方向へ行くこともある。既得権益を悪用し、他者を貶め、奪い、苦しめる。枢教院の悪党たちも、魔王に立ち向かう勇者たちも、ある意味で”無限の意欲”を持つ者なのだ」
「わかりません……それでは、ディアブロ様は枢教院の行いを悪ではない、と?」
「いいや、悪だ。胸糞が悪くなる。だが連中は”罪を犯した”から悪なのだ。朝のパンがあることに満足しなかったからではない。向上心は罪ではない。罰するべきは、賄賂を受け取り、教会を私物化したという罪なのだ―そこを履き違えてはいかん」
(むらさきゆきや(著)、鶴崎貴大(イラスト)、「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術6」、講談社、2016年、pp133-135)
というやり取りが続く、これは主人公やメタ的にいえば作者の思考を表す重要な会話にもかかわらずアニメではカットされた
その後の祈らせてくださいもなぜ信者たちが熱心に祈ろうとするのかをちゃんと説明してなかったしあれなら祈りの下りはバッサリカットして、上記の会話にちゃんと尺を使えと思う。
一期はむしろシナリオ構成によく原作をまとめてるものだと感心したくらいなので2期のクオリティにはあらゆる面でがっかり

不満点2つ目

7話のエンドカードが酷い
内容は朝凪先生が担当したエミールが夢の中でヒロインたちを裸で侍らせるというもの
この同人のノリを採用したアニメ制作会社はあたまおかしいんじゃないか
NTRっていう人を選ぶものを取り上げた事よりも、エミールっていう愛されキャラを竿役にしたのが不愉快極まりない
ちゃんと原作読んでたらエーミールは愛されキャラだってわかるはず
2期の監督陣は読んでもそれがわからない貧相な感性の持ち主かそもそも原作読んでない人ってこと
物語を作る仕事にかかわるのやめてくれ

作画もコンテ切ってる構図も微妙
声優さんも一期からの人はいいけど、二期からの声はあってない人多すぎ
音響監督さんは変更ないはずなのに、演技指導や、そもそも新キャラの声質が原作とイメージ違うのは監督の差かなって思ってる。


5話だけは唯一作画とシナリオ構成や構図よかった
ただしキャラ作画のみ
戦闘シーンはあまりにもお粗末
それでも手塚プロにしてはよくやったんじゃないかな(笑)

追記
8話の挿入歌演出があまりにも酷すぎて怒る通り越して呆れて見るのやめてましたが、アニオリで閉めたと聞いて10話まで見てきました。
9,10話はよかった、アニオリ入れても綺麗にまとめるあたり流石筆安さん、原作者が脚本やってる回も良かった。原作者がアニメに口出しした方が切れにまとまるって珍しくね。
作画も戦闘も日常もよかったと思う。
文句なしで面白かった。
最初から9,10話のクオリティ維持してくれれば…1期の星5評価とまではいかないが4.5くらいはつけれたし、批評することなくもっと純粋にアニメを楽しめたと思う。

今回も魔王VER出るらしいのでそちらでの修正に期待

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

残酷なことをするもんだな

1期視聴済み。
続き物の2期目なので、1期の視聴が大前提です。
1期は結構評価したし、今でもたまに見ている作品だったりします。

さて、第2期の今作、感想を一言にまとめると「残念」。
付け足すならば「1期と比べて残念」。
1期と異なるプロダクション、監督に任せた意図は何だったのでしょうか。

Wikiを見ると、アニメ1期、2期の制作体制が表の形でまとめられていて、あっちが誰でこっちがどこでが実にわかりやすい。これは残酷な比較だと思う。テレビ局も意地悪なことをする(・・・おわかりいただけると思いますが制作責任を持つ側に対する皮肉です)。

物語:{netabare}引きこもりゲーマーがゲーム準拠の異世界に召喚され、その召喚主たちを隷従させてしまった・・・が1期の始まり。今作は、そんな面々がさらに冒険を重ねていく段階のお話。

正直に言って面白くはなかったです。

2期にとって前提から不利な条件だともいえる。異世界召喚ものの面白い部分って、召還直後の変遷だったりハーレム形成過程が結構大きなウェイトを占めていると思います。今作は「それを踏まえての次」にならざるを得ず、どうしても1期に比べて盛り上げるのが大変な部分はあるんだと思います。

そう考えると、オバロってやはり凄いな。{/netabare}

作画:{netabare}キャラクターデザインは1,2期とも同じ方なんですね。ってことはスタジオの技量か・・・

何ともまぁ残念。静止画としても、動画としても残念。

レムが絶妙に不細工になってて、絶句しました。動画としては、中の下といったところ。かなり厳しい。シェイクシェイクに拡大縮小のオンパレード。

胸揺れを映すなとは言いませんが、やり方ってあるでしょう。
やっていることは1期、2期で大差ない(むしろ「穴」案件があるぶん、1期の方が下品ともいえる)のに、2期の"ファンサービス"は全体的に下品に感じました。むしろ1期はファンサービスカットがしっかりと構成に入っていて、かつ、「はい、ファンサービスカットはいりますよー」が明白に示されていた分、それ以外のシーンで余計なことをしなくてすんでいたのかもしれない。{/netabare}

声優・キャラ:{netabare}分けて書きづらいのであわせて。

音監、構成は1,2期共通。演出はスタジオ付きの方々という感じなのかな?

主要キャラがほぼ別人かなと思えるほどに味付けが変わってしまった。違和感を感じなかったのは魔王クルムだけでした。

驚いたのはエデルガルド。1期は言葉がたどたどしいけど、格好良さが感じられたのですが・・・今期はこれただのあほの子かと思いました。まぁ、そういうお話の展開になっていなかったので仕方が無いのかもしれません。当該7話は、脚本が原作者の手によるものらしい。ということは、エデルガルドはむしろこれがあるべき姿なのかもしれませんが・・・1期のエデルガルドの方が圧倒的に好きだな。

とても残念なのが主人公ディアブロ。量産型異世界転生者になりつつあるように感じました。ディアブロは演技の声も、演技の方向性も迷子だったように思います。これは演技指導・演出のせいなのか、原作の展開のせいなのかわかりませんが、1期で感じた「コミュ障だけど好青年」な感じは一切ありませんでした。主人公の魅力が保てないハーレム構成は、観ていてしらけます。{/netabare}

音楽:{netabare}
劇伴は基本的に1期の使い回しかなと思います。

90年代Avexサウンドがお好きな方なら、この点は楽しめたのではないでしょうか。OPは ( trf + globe )/3 って感じがしました。好きですよ、これはこれで。

EDは、、6人時代のココ☆ナツを思い出しました。{/netabare}

講○社、コンテンツを1つ失ってしまったかな。残念。

[2021/06/27 v1]

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

EVERYBODY! EVERYBODY!(OP主題歌)を世に送り出しただけでもこのアニメには価値がある!

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』(無印)に続く2期目の、ラノベ原作アニメです。原作の最新刊14巻はまだ買っただけで読んでいません、すみません…。

なお、アニメも原作同様エロ成分は多めです。

OP主題歌『EVERYBODY! EVERYBODY!』は音楽レーベル「avex trax」や「avex tune」が送り出してきた、1990年代後半~2000年代前半のディスコサウンドを基調とするJ-POP楽曲(アーティストとしてはTRF、m.o.v.eなど)を知る人にはとても懐かしい感じがし、かつ中毒性の高い名曲です。

TRFのDJ KOOとm.o.v.eのmotsuを迎え、メインボーカル芹沢優がi☆Risやこれまでのソロ楽曲とは違ったテイストで歌い上げる、「The avex sound」とでも呼ぶべき曲に仕上がっています。

ED主題歌『YOU YOU YOU』は、同じく「芹澤 優 with DJ KOO & MOTSU」ですが楽曲としてはアイドル楽曲っぽく仕上がっており、こちらはMVではDJ KOOとmotsuの二人も芹澤優のカワイイ動きに付き合うように楽し気にノリノリで踊っているのが印象的です。

アニメの話じゃないんですが、このユニットでアルバム作れるくらい楽曲を出して欲しいと思うくらい、天才的にハマったユニットだと思います。

なお、DJ KOOとmotsuのお二人は本編でもモブキャラとして声優としての出演を果たしています。

そしてようやくアニメ作品の話:

原作のジャンル的にはいわゆる「異世界召喚」ものなんですが、「小説家になろう」発とかではなく最初から商業出版として企画されたライトノベルです。

基本設定に関する説明は1期目に関するあにこれ公式の「ストーリー・あらすじ」を見ていただければだいたい正しいです。召喚時には自分がプレイしていたMMORPG「クロスレヴェリ」的な世界に召喚され、自分のプレイ時のキャラクターである「ディアヴロ」として召喚されます。

ディアヴロを召喚したと主張する女の子が二人(エルフのシェラと獣人のレム)いる時点でいわゆる「異世界ハーレム物」という方向づけは明らかですが、路線的に当たり前のように巻を追う毎にディアヴロの周りに女の子が増えていきます。

原作では10巻くらいまでは一応「3巻で1セット」みたいな雰囲気のシリーズ構成になっていまして、1期目は主に原作1~3巻の内容、2期目は原作4~6巻の内容がアニメ化されています。ということで、以下は1期目を観終わった人向けに書くのでまだの方はひとまずここでさようなら。



アニメ化の感じを1期目と比べると、ディアヴロが魔王として振る舞うときの演出として、1期目が「表面上は余裕だが内心ではギリギリ」という感じだったのに対して2期目は「表情にも余裕の無さが表れてしまうが周りのキャラに見られていないからバレない」みたいな感じになっています。

私個人としては1期目の描き方の方が好きで、原作のイメージに近いと思っています。

ストーリーとしては大主神官ルマキーナが登場し、ファルトラと王都以外の都市として初めてジルコンタワー市が舞台となったりしますが、1期目に比べるとラスボスが地味で見栄えがしない話になっています。

ですがここで手に入れるアイテムなどが以後の話の伏線になっていたりはするので、仮に3期以降も作られることがあるとすれば飛ばすことはできないだろう箇所でもあります。

ストーリー的に大きな改変はなかったはずなんですが、「なんか原作のイメージと違う?」みたいな違和感を抱きながら全話完走しました。

まあでも、どうせなら続きもアニメ化して欲しいとは思います。以降の敵とかもなかなかに強いし女騎士アリシアのイカれっぷりも増してさらに盛り上がりはするので…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

68.3 10 騎士で魔王なアニメランキング10位
姫様“拷問”の時間です(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (181)
570人が棚に入れました
国王軍と魔王軍が衝突をはじめ、幾年月。 王女にして、国王軍第三騎士団“騎士団長”である姫は、魔王軍によって囚われの身となっていた。 「姫様“拷問”の時間です」 監禁された姫を待ち受けていたのは、身悶えるような“拷問”の数々……。 ほわほわの焼きたてトースト! 湯気がたちのぼる深夜のラーメン! 愛くるしい動物たちと遊ぶ時間! 美味しい食事&楽しい遊びを容赦なく突きつけられた姫は、 “拷問”に打ち勝ち王国の秘密を守り抜くことができるのか!? 誰もが笑顔になれる世界一やさしい“拷問”ファンタジーアニメ開幕!

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

誰でも楽しめる嫌味のないギャグアニメ

拷問と言えばシリアスなイメージですが、原作ジャンプ+とキャラ絵からコメディだなと視聴。興味を引くタイトルでてっきり姫様が拷問するアニメだと思ったんですが逆だったんですよね。原作サンデーの2020年放送で好きなアニメ「魔王城でおやすみ」に似てるなと、どちらも魔王軍がポンコツでそこを笑いに持って行くんですよね。

いやー面白いですね、しょぼい拷問ばかりですが絶対耐えれるかと言われれば状況によっては屈しそうなのあります。飯テロとか普通に卑怯ですよ。
同じような拷問でも工夫して視聴者を笑わそうとする努力が垣間見えて良いです。
飯テロ多目な分料理の作画もなかなか良くて空腹時視聴避けました(^^)

あと個性的なキャラも多くだいたいアホなので楽しいです。萌えでなく可愛らしいキャラ絵なんで見やすいと思います。途中からは拷問関係ない話も入れて来て、またそれも良い意味でしょーもなくて飽きないですね。さらに魔王が強い圧の分やはりアホなんでウケます。

声優陣は有名どころからあまり知らない(あくまで私が)人を、まんべんなく配置して全体的にキャラ同様個性ある演技で楽しく視聴出来ました。姫様役の白石春香の演技が凛とした姫様とダメになった姫様のメリハリあって面白いです。私は印象にない声優さんでしたが、実はたくさんのアニメに出演してるようで知ってるキャラも多くさすがですね。ただの私の記憶力不足だったようです、ごめんなさいm(_ _)m

このアニメはかなり幅広い年齢層が楽しめると思います。ちょっと細かい笑い狙ってるシーンもあり、もしかしたら奥が深いのかもです。
まぁ一番面白いのは姫様が拷問に屈する確率ですが。
2期も決定したようで楽しみです。
ぜひお勧めします。

2024年4月8日

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

”拷問”要素皆無の気楽に観られる日常系コメディ作品

春原ロビンソン(原作)、ひらけい(作画)による原作漫画は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中(既刊13巻、原作未読)。次にくるマンガ大賞2020Webマンガ部門2位。
アニメ1期は全12話(2024年)。監督は金森陽子。制作は『かげきしょうじょ!!』、『Do It Yourself!!』などのPINE JAM。なお、既に2期の制作が決定済み。
(2024.3.26まとめ)

まずいいたいことは、タイトルにだまされてはいけないということ。
一般的に想像されるような「拷問」要素皆無のコメディ作品で、気楽に観られる(多分、タイトルの"拷問"はそういう意味。)。

あらすじは、魔王軍と敵対する人類側の王女であり国王軍第三騎士団団長の「姫様」が魔王軍に囚われてしまったものの、拷問官の「姫様拷問の時間です」というセリフとともに始まる「拷問という名の手厚い接待」を受けるというお話。

そして、甘やかされまくった姫様がついついほだされて国王軍の秘密をバラしてしまうという「ほのぼの展開」までがデフォルト。


例えるなら、イソップ寓話の「北風と太陽」で北風と見せかけて太陽しかないやつ。もしくは、高潔な姫騎士様への拷問、「クッ、このような辱めを受けるくらいなら殺せ」的なイメージからのギャップ萌え。
具体的には、 {netabare} 深夜にこってり濃厚ラーメンを目の前で食べられ、食べたいなら秘密を吐け的な展開で、姫たる我がそんな誘惑に負けてたまるかっからの、ついつい食べる姫様がとにかくちょろくて、かわいい。 {/netabare}

イメージ的には、最近だと『魔王城でおやすみ』が近いか。


姫様は牢屋で監禁されているのになぜか剣を取り上げられていないのだが、その剣はしゃべる剣(エクス)でコメディに必要不可欠なツッコミ役となっている。

また、基本的に中世騎士道的な世界観だが、テレビゲーム、「コ〇ラのマーチ」、「ディ〇ニーランド」が出てきたりするので、その辺の設定はガバガバ(ただ、日本人にしかわからない感覚かも知れない…。)。

ということもあり、拷問という非日常の特別な空間というより、「日常系に近い」。仕事に疲れた社会人が難しいことを考えず、夜中にちょっとほっこりするにはちょうどいい、気楽に観られるコメディ作品としてオススメ。


また、キャラ造形が全体的に「とにかくかわいい」のもウリ。特に日高里菜さん演じるマオマオちゃんがいい(個人的にはトーチャーが好み)、キャラをゆるく愛でる作品かも。


ただ、コメディとしては、手を替え品を替え、拷問官を代え、姫様を甘やかしているものの、基本的に上に書いた展開が繰り返されるため、人によっては飽きが来るかも…(まあ、そもそも爆笑させるような内容ではないです)。

あと、原作漫画が続刊中ということもあり、1期で物語として無理やり落とすといった展開もなく(若干12話の最後にそれっぽいものがあったような気もするけれど、おそらく気のせいだろう…)、2期の制作が決定されている。

2期でも”拷問”という名の日常が続いていくものと思われます。


コメディは、お笑いで一番を決める大会のように人によって好みが分かれやすいと思うので、もし迷ったのなら、とりあえず第1話を観てみるのがよいかと思います。

本作は、そのコメディのノリとキャラクターが好みだとハマるかもしれません。


【声優】
『無職転生Ⅱ』でサラ役を演じた白石晴香さんが、今回はコメディということもあって、瞬間的に大きな感情の変化を求められる姫様という難しい役どころを好演。
剣(エクス)には『ゴールデンカムイ』で杉元佐一役を演じた小林親弘さん(ツッコミ役多い?)。
個人的には、魔王軍最高位拷問官役トーチャーの伊藤静さんと魔王役の玄田哲章さんがツボでした。


【感想】
個人的には、”拷問”設定が面白いと感じたし、キャラクターもとにかくかわいい。なので、誰でも気楽に楽しめるコメディ作品という当初のコンセプトを達成していると思いました。

ただ、魔王軍と国王軍が戦っている割に、姫様と魔王軍との相互理解が進んでもう争う感じじゃなくなっているので、2期が来るとして、どういうオチになるんですかね…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

魔王城でおかわり

魔王城の牢屋で優雅な監禁生活、ゆるい魔族に可愛いキャラデザ、魔王城でおやすみとかなり似てる
このアニメもずっと同じような感じなので話の面白さはなくて、ぼんやり見てまったり癒されるアニメ、疲れている時に見るのがオススメ

囚われのヒロインが拷問されるんだけど、酷いことをされるわけじゃなくて「秘密をしゃべるならご褒美やるぞ?」っていうある意味もっと恐ろしい拷問
おいしいものや楽しいものの誘惑にはあらがえないですよねー

とにかくご飯の作画が気合入っていて、全力で飯テロしてきます
おいしそうなご飯を深夜に見せて、姫様はあっさり陥落して食べれても視聴者は食べれません
深夜のラーメンとか、どれだけ鬼畜なの?!
本当に拷問されているのは姫様ではなく、私達だったようです

拷問アニメなのにみんなほのぼのしていて楽しそうで、いいアニメでした

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

68.7 11 騎士で魔王なアニメランキング11位
治癒魔法の間違った使い方(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (191)
590人が棚に入れました
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。 気づくと、そこは異世界。 3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。 ウサトは巻き込まれただけだった! しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。 救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。 そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!

声優・キャラクター
ウサト:坂田将吾
スズネ:七瀬彩夏
カズキ:高梨謙吾
アマコ:会沢紗弥
ローズ:田中敦子
ブルリン:渡辺明乃
オルガ:中村源太
ウルル:青山吉能
トング:伊藤健太郎
ミル:堀井茶渡
アレク:奈良徹
ゴムル:堀総士郎
グルド:藤井隼
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

設定も話も面白かったですが、キャラに入り込めなかったです。

 面白い話だったと思います。肉体修行そのものが強さにつながって行くしギャグにもなっているのが面白いですね。治療魔術が最強なわけでなく、辛い修行とセットで身体性が養われる=強くなる感じです。全体的に修行ギャグとキャラ萌えの話でした。

 最後の対黒騎士は治療魔法をそっちの方向で見せるのは、変なチートにつながるのでちょっと疑問でした。が、本作のエピソードとしては、北風と太陽というか、傷つけるものは傷つくし、治す人は相手を懐柔することができる…という寓話になっているのかもしれません。勇者との対比が活きていました。

 キャラとしてはスズネが非常に可愛いかったですね。キャラデザとしては最高に好みでした。ローズは意図的に「ガラスの仮面」の月影先生に似ているのでしょうか。怖くて厳しい過去がある教師を意識したのかもしれません。

 ただ、最大の欠点なんですけど、主人公が「記号」なんですよね。無自覚でやられキャラ。そのくせ最強という駒ですね。無垢すぎて内面が感じられません。先ほど「ガラスの仮面」と言いましたが、北島マヤも同じでした。サブキャラたちは非常に魅力的だし話は面白いんですけど、「主人公」という名の記号になってしまい、魅力を感じません。

 そして、それはスズネ会長にも言えます。ヒロインとして内面の深みが弱いのでせっかくいい設定・造形なのに、単なるおバカキャラに見えてしまい今一つ惚れられない感じがします。

 ローズだけに物語がありました。過去回想の手法は良くなかったですが、現状では内面が見えるのはローズだけかなあ。

 総評すると発想も設定も話も面白いと思いますが、主人公とヒロインが見えてこないので没入感がなかったかなあ。再視聴したくなる感じがありません。作画は良かったですね。量産型の異世界ものとしてはトップクラスに良かったと思います。

 ということで、話は4ですが、キャラは3.5かなあ。設定は良いんですけどね。キャラ萌えの構造の話なのにキャラに萌えられないというのは痛かったと思います。
 作画は4.5。声優はスズネ役が可愛かったし調整として3.5。音楽は3にします。






1話 コメディよりで変化球な感じ。シンエイ動画最近いいですね。

{netabare} シンエイ動画、最近いいですね。「僕ヤバ」「高木さん」の作画のクオリティにかなり感心しましたが、本作も異世界ものの作画としてはかなりいいと思います。

 かなりコミカルな感じで、異世界テンプレからは少しキャラの反応や異世界側の対応も変化球になっているので、ちょっと期待がもてます。

 生徒会長のキャラに悩み事もあるみたいですけど、転生でワクワクしてましたので、どうなんでしょう?ヒューマンドラマがあるのかないのか。がっつり考察するような話ではないでしょうけど、毎週の配信が楽しみになるレベルの作品になればいいと思います。

 掴みは悪くないと思います。なによりアニメが綺麗なのが好感がもてます。{/netabare}


2話 話もキャラも設定も演出もとても良い。会長が可愛い。

{netabare} 今期は異世界モノをチェックしていこうと思い、いろいろ見てますがなかなか面白い話だと思います。

 設定それ自体が秀逸なのはもちろんですが、それを支えるテンポも演出もいい思います。訓練シーンとローズと会長のキャラ造形が秀逸なのが今のところの面白さでしょう。

 超回復のメカニズムとか、身体を鍛えるとテストステロンで性格がポジティブになるらしいのでその辺が主人公の成長と非常に自然にマッチしています。また、同僚と肉体を通じて仲が良くなってゆく描写もいいですね。モブサイコをちょっと思い出しました。我々オタクも少し見習いたいものです。

 途中「訓練についてこられるというお墨付き」は言葉の使い方が間違っていると思います。お墨付きは偉い人が権威を与える時に使う言葉です。

OPの曲名が「CURE」なのは笑いました。この辺がセンスなんでしょう。EDは会長のイメージビデオですね。とてもかわいい絵でした。

 視聴継続ですね。{/netabare}


3話 展開が面白いです。シリアスもギャグも考えられる進行ですね。

{netabare} 不思議なもので、荒唐無稽ご都合主義でも面白い作品と言うのはあるものです。本作はその良い一例かと。今のところですけど。

 誰も今の段階で主人公が死ぬとは思いませんので、その点では安心して見ていますが、展開が面白いんでしょうね。会長が助けにくることも期待しましたけど出番は一瞬でしたね。もうちょっと会長成分が欲しい。

 今期は本作と「俺だけレベルアップ」「最弱テイマー」が苦労しながら話が進む感じなのが、なかなかいいと思います。なろう系ですからどこかで強くなるんだとは思いますが、今のところ話がちゃんと面白いです。

 魔族側が巨乳のお姉さんでしたけど、ローズがいるし主人公の初陣ですから負けキャラですよね。ひと昔前ならローズが死んで後を継ぐ的な展開もありそうですけど、本作はそこまでシリアスは入れないと思いますがどうでしょう?会長たちも活躍が少ないので、悩みとか出てくるのでしょうか?

 シリアスよりでもいいし、ギャグになってもいいです。1クールなら面白く見られそうな気がします。{/netabare}


4話 シリアスな要素もありつつギャグで行く感じかな?委員長可愛すぎ。

{netabare}  シリアスギャグという感じでしょうか。魔族側を見るとコメディ臭がプンプンします。真面目なコンセプトではありますが全体的な雰囲気はそれほど重くしなさそうですね。

 委員長やもう1人の描写も含め、努力が必要な点で転生設定がなかなか有意義になっている気がする一方で、もう現地出身者の努力でも同じ話が作れそうなので、転生であることが無意味になっている感じもします。ただ、そこがコメディタッチであるために気にならなくなっているのでしょう。

 で、委員長が無駄に可愛いですね。可愛すぎです。一見極めて平均的な委員長キャラの割に、なぜか印象に残るいいキャラです。

 視聴継続決定ですね。{/netabare}


5話 サブキャラの描写が丁寧なのがいいかも。

{netabare} もう1歩転生した意味、転生後の悩みなどに入り込めればなあ、と思う反面、委員長のキャラ付けにちゃんとできている点がいいですね。面白い作品ですね。勇者も主人公もオレTUEEEだけじゃないし。サブの描写もおろそかにしていないし。ストーリーというよりキャラで見てるかなあ。 {/netabare}


8話 ちょっとローズの説明頼りになっちゃいましたね。ここまでは十分面白いですが、この数話は若干冗長感がありました。

{netabare} ちゃんと話になっているし、各キャラクターのキャラ付けがあってエピソードもありますので、作品としてちゃんと成立している感じがします。ただ、話の展開をローズに任せてしまっている感じなのが、どうか?ですね。

 ウサトの無自覚とか勇者2人を描くのに、狂言回しが必要でしょうし、ポジション的に全部が見渡せる視点にいるローズが適任なのは理解しますが、どうもセリフで説明する感じがします。

 中間の総括にもなりますが、「なろう」作品としては、かなりのストーリー力だとは思いますが、アニメ化にするときもうちょっと構成とか展開を工夫出来ないものでしょうか。特にこの数話、セリフでの説明が顕著な気がして、6~8話の3話で1話分くらい冗長だった気がします。

 この作品出落ち感は少ないのですが、キャラも増えてきてこの後の展開次第では話が続かないのかな?という危惧もあります。作画も丁寧だしいいと思いますが、1クール分なら十分面白く見られそうですが、それ以降が心配になる作品ですね。 {/netabare}


9話 回想シーンは日本のコンテンツの悪しき点だと思います。

{netabare}  8話のレビューで、1クールなら面白く見られると書きましたが、回想の入れ方ですね。12話でほぼ2話回想は長過ぎでしょう。「なろう」全般に言えることですが、設定を後付けで説明する場合どうしても回想を使いたくなるみたいですが、これは感情移入の視点がズレるからやめた方がいいと思います。週刊連載も同じですけどね。回想か学園パートが始まると醒めてしまいます。

 本作の場合、ローズの目の事とキャラ付けから言って決して後付け設定ということではないと思いますし、生還した魔族もキャラが立ってますので何かあるのでしょうけど。それにしては長いです。アニメ化の問題というよりこれは原作からじゃないかと思います。

 回想シーンは必要最小限にしてほしいなあ。感動ポルノにもなり勝ちだし。日本のアニメ・マンガ・ラノベのすべてに共通する悪い点だなあ、と思います。{/netabare}


10話 話は思ったより…ですけど、会長の作画が無駄にいい。

{netabare} 治癒魔法で反転ですからね。話は読めますけどそっちの方向?悪魔には白魔法がきく的なやつでしょうか。
 もっと治癒…治療行為とはなにかをクローズアップしないのかなあ…という気がしなくはないです。そっちにいっちゃうと治癒魔法が無敵魔法になる俺TUEEEになってしまいます。

 戦場における治癒行為って着目点としては悪くないですからね。今回のフォーメーションも設定としてよく考えられています。

 当初思っていたほどストーリー展開が飛び切り面白いわけでもないし、テーマも深いわけではなさそうですが、しかし、なろう系としてはここまでは悪くないと思います。

 問題は会長ですよ。会長可愛すぎですけど、ちょっとあざといですよね。ウサトくんラブにもうちょっとストーリーがあると良かったんですけど。

 しかし、作画がいいなあ…無駄にと言っては失礼ですけど、異世界転生ものでこのレベルって、無職とかオバロとかのビッグネーム以外だと「聖女の力」くらいでしたけど、本作の作画、特に会長は最高です。顔のバランスがいいので非常にいいです。
 これは原画がいいという奴なんですかね。CGが優れているのでしょうか。よくわからいけど、スタジオアドとシンエイ動画…どちらの技術か知りませんが、これは本当に感心しました。

 まあ、あと数話ですもんね。作画と設定は評価したいですね。 {/netabare}









 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

仲間の命と国の存亡を懸けた運命の戦いが始まる――

この作品の原作は未読です。
作品の事前情報と言えば、キャラデザが好みだったことくらい…
物語を重ねるにつれ面白さに拍車がかかる作品だったと思います。


この“回復要員”、全てが常識破り!!

平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、
帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、
クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに

突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。

気づくと、そこは異世界。
3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる
『勇者』として召喚された
……はずが、勇者の適性を持っていたのは
スズネとカズキのみ。

ウサトは巻き込まれただけだった!

しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性が
あることが判ると事態は一変。
救命団団長を名乗るローズが現れ、
ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。

そこでウサトを待っていたのは、

想像を超える地獄の訓練の日々だった――!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

久々にここまでのパワハラアニメを見た…
序盤はずっとそう思っていました。
何故なら訓練の範疇を大幅に超過したイジメにしか私には映らなかったから…

これまで多くの作品を視聴してきました。
だからBL系じゃなければ、大抵の作品には耐性が出来ていると思います。
それでも、この作品の序盤の展開は辛かった…

だけど、これはあくまで序盤だけです。
中盤以降、ウサトが治癒魔法使いとして頭角を現してからというもの、俄然物語が面白くなりました。
そして、加速的に面白くなるのが終盤の展開…
特に獣人アマコや碧ちゃんの演じるキャラが登場してからは、作品がより一層華で彩られた気がするくらい最高の展開だったのではないでしょうか。

そしてイジメともとれる厳しい訓練をウサトに課したのには、それだけの必然性があったからにほかなりません。
そんな救命団のローズ団長はそうせざるを得ない過去を背負っていたから…

同じ轍は二度と踏まない…
ローズ団長の背負った過去…涙無しには見れない展開でした。
そして、新たな旅立ちが始まるところで物語は終幕を迎えます。

いや、こんなところで終わっちゃダメでしょう…
新たな展開がようやく始まるってところなのに~

そう言えば、獣人や碧ちゃん演じるキャラの登場する前も華が無かった訳ではありません。
なにより一緒に召喚された犬上先輩は才色兼備で学校でも憧れの的だったくらいですから。
確かに容姿も声質も素晴らしいんですが、何故か華があまり感じられないんですよね^^;

まぁ、わざとその様に振る舞っているのかもしれませんけどね。
だって、今の関係が本当に大切で壊したくないから…
それは先輩の色恋よりも大事な事なんだと私は思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、waterweedさんによる「Cure」
エンディングテーマは、ChouChoさんによる「Green jade」

1クール全13話の物語でした。
うぅ、続きがメッチャ気になります。
今回のアニメ化で原作のストックをどの程度使ったんでしょうね。
しかも原作では新たな物語を迎える「治癒魔法の間違った使い方 Returns」が発刊されているそうです。
え、まさか1クールで原作のストックを使い果たした訳ではありませんよね。
この作品も続編精査うの発表を楽しみにしています。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

脳筋ヒーラーの正しい使い方

序盤は自分にヒールかけながら地獄のようなトレーニングで鍛え上げて脳筋な話だなーって思ったけど、回復をどう戦闘に生かすのかな?って思ったら、「ああ、そういうことね」って思って、戦闘も脳筋な感じだしストーリーも単純で最後まで脳筋な印象のまま終わった
難しいことなく気軽に見れて、面白かったです!

メイン3人、元々は現代の普通の学生のはずなのに、元々ファンタジー世界の住人なの?ってくらい異世界になじみすぎています
そんな感じで細かいことは気にするなっていうノリがなろう系だなーって思った

だんだん面白くなってくる感じだったので2期あるなら期待してもいいかも

良い人ばっかりで不快なポイントがなくストレスを感じない話なので、異世界なろうアレルギーじゃないならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

60.0 12 騎士で魔王なアニメランキング12位
惑星のさみだれ(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (162)
361人が棚に入れました
ごく普通の平凡大学生だった雨宮夕日は、ある日現れた喋るトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼される。拒否する間もなく獣の騎士団の一員となった夕日は、指輪の力で超能力・掌握領域が与えられるが、早くも敵に襲われてしまう。絶体絶命のその時、夕日を救ったのはなんとお隣に住む少女・さみだれだった。救世主の降臨と思いきや、実はさみだれは地球征服を企む魔王だった……。 そのでたらめな強さと魔王的魅力に惹かれた夕日は彼女の下僕となり、彼女が望む別の思惑に加担する事になる。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメファンの先見性の無さに絶望したが、「逆張り完全勝利」を確信したので強気に攻めまくります

※解釈難易度が高すぎるため物語評価を4.5に下方修正
※その一方で音楽評価を5に上方修正

●ルシファーとは誰か?

本作のサブタイトルに「ルシファーとビスケットハンマー」とありますが
{netabare} この【ルシファー】とは一体誰のことでしょう?

本作のヒロイン兼もう一人の主人公である「さみだれ姫」は自らを「魔王」と
自称していましたから、【ルシファー】=魔王という関係性からして
【ルシファー】とはさみだれ姫のことを指しているようにも思えます。

ただ気がかりなのはさみだれ姫は自分のことを【ルシファー】と言ったことはなく
【魔王ルシファー】と言うならば魔法がもっと使えていいような気もします。

「魔法使い」という立ち位置にあるのはアニムスでありますが、
魔法使いのアニムスが能力によって生み出した最大の泥人形=ビスケットハンマーも
さみだれ姫の剛腕パンチによりあっけなく粉砕され、本人も獣の騎士団と姫の連合軍に
意外とあっさり追い込まれ、倒されてしまいます。

アニムスがラスボスの【魔王ルシファー】というのは今一つ説得力が無いように思えます。

そうするとやはり【ルシファー】とは魔王を自称していた「さみだれ姫」
のことを指していたのでありましょうか?

結論を下す前にまずは、そもそも【ルシファー】とは何であるのか考えてみたいと思います。
【ルシファー】とは【堕天使】の名前であります。

堕落する前の「天使」だった頃の名前は【ルシフェル】と言います。
美しく極めて知性が高い天使でありました。

【ルシフェル】とはラテン語で【明けの明星】を意味します。
【明けの明星】とは【金星】のことであります。
【金星】と所縁の深い【ルシフェル】は【光の天使】とも言われます。

そもそも「天使」という存在の性別は不明でありますが
その美しい面影からして、「女性的」な要素が強いように思われます。

聖書解釈の通説によれば【堕天使ルシファー】は【反逆者=サタン】であるとしていますが
それとは真逆の見解を持つ立場の解釈によれば
アダムとエヴァの願いを叶え、【知恵の果実】という叡智、人類に文明の【光】をもたらした
真の救世主こそがルシファーであるとのことらしくルシファーに対する
ある種真逆の解釈、これをめぐっての対立関係が浮き彫りになるのであります。

【光の天使】を崇める側は「全能なる創造主」のことを傲慢で身勝手な神
【デミウルゴス】と称し蔑み反逆の意を示します。

どこかで聞いたことあるようなこの【デミウルゴス】とは男神であり
それに対する真の救い主とする【光の天使】には女性的性格が見受けられますが
それがやがて「女神信仰」と結合し世に広まって行くのであります。

男神【デミウルゴス】は「破壊者」として捉えられ
一方「女神」は命を育む地母神と考えられるようになります。

このような前提を踏まえて本作を解釈してみますと
ビスケットハンマーで惑星を砕く破壊者=男神アニムスと
それに【反逆】する女神アニマという対立関係が成り立つわけであります。

本作のOPソング【暁光】、そして最終領域「願い叶う【光】」も
【光の天使】を暗示し、更には「バビロン 天使の詩」も同じ
天使を表しているのでありましょう。

破壊者アニムスが男神【デミウルゴス】であるならばそれと対立する
アニマは女神であり、【光の天使】ということになり
美しい天使【ルシフェル】、反逆者【ルシファー】を表していたわけであります。

本作で【アカシックレコード】を掌握していたのはアニマのようでありましたが
その意図するところは「知恵の天使」との関係性を示すためであったように思われます。

アニマの頭にはでかい【リング】が乗っかっていますが、
あれは「天使の輪」を表していたということであります。

最終的にさみだれ姫は能力を覚醒させビスケットハンマーを砕き、惑星を破壊できるほどの
力を身に着けたわけですがそもそも姫と騎士団に能力を与えたのは精霊アニマでありました。

つまり【ルシファー】とは、アニマのことであったわけであります。{/netabare}


●猫が繋ぐ魔王の属性
風巻氏が「創造領域」の能力により12体目として生み出したのは{netabare}黒猫のクーでありました。
「クー」の名前の由来が「(時)空」からきているのかは定かではありませんが
敢えて巨大化させた「黒猫」には何かしらの意味があったのかもしれません。

一つ思い当たるのは、「シュレディンガーの猫」です。

猫が「生きる」可能性と「死ぬ」可能性、
東雲師範と朝日奈姉が「映画」を「見に行った」可能性と「行けなかった」可能性
二人の子孫アニマが未来に「生まれた」可能性と「生まれなかった」可能性
アニムスの惑星破壊を阻止できる可能性やアニムスと≪一緒に生きる≫可能性、
そしてそれが叶わない可能性
そのような様々な可能性が発現するパラレルワールドが無限分岐する世界の有様を
量子論的観点に基づき再現しようという意図のあらわれとして「シュレディンガーの猫」
を仄めかす描写があったのではないかと推測いたします。

「幻獣が刻まれる」ゲートが置かれるあの異次元空間ではあらゆる潜在的可能性が存在し
他の次元と繋がってもいます。

アニマの拠点でもあるこの異次元空間こそが無限に分岐するあらゆる世界の可能性や
次元が集約する中心点と考えていいのかもしれません。

さみだれ姫救済を実現したこの世界線では、東雲朝日奈夫妻は結ばれず
従って子孫のアニマも生まれないという因果の結果になるはずでした。

しかしながら、「シュレディンガーの猫」が示す「量子論」において重要なのは
「観測者」という存在であり、早い話が観測者の意志の介在により
世界線の行方は変動し、世界線の分岐と因果の結末も変化するというものであります。

東雲師範は命がけで主人公を守り、そして自分の技を継承させるという選択を選びました。

師範の死により「2本柱」の融合は行われず、「未来」を示す3本目は生まれない
はずでしたが、技を継承した弟子である主人公はアニマの異次元空間で「方天画戟」を得て
これを未来へのバトンの如くアニマに手渡すのであります。

異次元空間で死んだはずの師範との対決を乗り越え、生まれなかったはずのアニマに未来を繋ぐ。

通常のSF思考で考えたら矛盾していますが、「量子論」という荒業を使えばあらゆる可能性
は観測者の意志によりどうにでもなるというお話でありますから
「シュタインズゲート」がご都合主義的ハッピーエンドで終わったように
可能性は無限大の何でもありということになるわけであります。

この世界線では東雲夫妻は「映画」を見に行けませんでしたが、さみだれ姫と地球は救済され
しかも主人公の覚醒によりアニマの未来の可能性にも道が開かれたようであります。

二人が見に行けなかった「映画」のタイトルが特撮超人「インコマン」であったかどうかは
定かではありませんが、異次元空間にあるゲートの扉に刻まれた4体目の「幻獣」の
ヴィジュアルは「インコマン」に似ているような気がします。

「インコマン」と言えば東雲師範が将来なりたいヒーローでありまして
師範の「未来」の希望であります。

ビスケットハンマーを除く泥人形の中で最も手強いマイマクテリオンは
この「インコマン」に変身しますが、これはある意味東雲師範の
「未来」の希望がアニムスが生み出した泥人形の形に現れたという風にも考えられ
あの「ゲート」に刻まれた4体目の幻獣は東雲師範の思いと連動するかのようにして
その子孫のアニムスに受け継がれ幻獣として発現したとも言えるわけです。

獣の騎士団にいる3体の幻獣に対し「幻獣インコマン」は1体でこれに対抗
できるという意味で最強の幻獣であるわけですが
最強の男東雲師範の未来の希望を示す存在だからこそそのように顕在化した
ということになるのでしょう。

マイマクテリオンが本好きなのは、東雲師範に通じるものがありますが
直接的由来は作り主であるアニムスによるものであります。

世界の分岐と世界線が複雑に絡み合い、途切れたり繋がったりしつつも
未来を形成していくパラレルワールドでは意外な因果の因縁と結末が
あるということなのでしょう。

最強の幻獣は「インコマン」でありますが、それでもビスケットハンマーに
対抗するには力不足であります。

そこで「魔法少女」の力を「インコマン」に融合し3本柱にあたる
より強力な存在を創造しようとアニマは目論み、
生み出されたのが究極兵器「ブルース・ドライブ・モンスター」であります。

アカシックレコードの頂点を極め異次元空間の頂から惑星を見下ろした
主人公が見たものはビスケットハンマーの隣に並ぶこの究極兵器であります。

その時流れたthe pillowsの「バビロン 天使の詩」のEDソングが示す
「天使」とは、インコマン最終進化形態の「ブルース・ドライブ・モンスター」であったのです。

「魔法少女」は朝日奈家(さみだれ)を、「インコマン」は東雲家(半月)を表し、その
「2本の柱」の融合により「3本目の柱」が生まれ、未来につながるということであります。

そしてこの究極の融合体を起動させるのが、師範の弟子でありアニマの思い人であり
「方天画戟」を受け継ぎ未来に手渡した男、雨宮夕日であります。

もともとは同じ眷属だからということもありますが
よく見たら登場キャラがそれぞれどこか似ているのは多元時空の相互作用により
現在過去未来が全部並列して干渉しているような状態にあるからなのかもしれません。

東雲弟は戦闘狂でアニムスは分析狂であります。
解体して分析したい衝動が抑えられないアニムスは
「メイドインアビス」の「黎明卿」に似ていますが
タナトゥスの原理に囚われており、そしてまた
東雲弟の攻撃衝動も同じようなものであるようです。

最後に追い詰められたアニムスは欲求への執着のためか
全身が真っ黒な姿に変わり果てましたが、
戦闘狂の東雲弟も黒づくめの服を好んで着ていました。

さみだれ姫にもアニムスが示すような強いタナトゥスの衝動が生まれますが
それには遺伝的なものや多元時空の作用などが関係しているのでありましょう。

あらゆる可能性が顕在化するアニマの異次元領域では特に
(現象の)観測者の意志や思いが次元に大きな影響を及ぼし得るため
アニマと同じレベルの精神力を持つさみだれ姫の純粋無垢な思いは
無限大の力を生み出すことが可能となり、自虐的なタナトゥスの衝動も
それに見合う出力で顕在化されるわけであります。

要するに無限の力があることを純粋に信じれば、それだけでその力が得られるわけです。

さみだれ姫の魔王の人格はアニムスに起因するネガティブな破壊衝動と
アニマの作用によるその潜在的思念の無限増長にあると考えられそうです。

さみだれ姫はあまりに純粋無垢な性格だったため、自己否定の負の感情も
ストレート過ぎて極端に至り、無理心中衝動として顕在化したようであります。

それを食い止めるには「愛」しかないと述べましたが、
最終的な愛の告白に至るまでに描かれていた伏線としては、
≪手をつなぐ≫というものがあったように思います。

最強の「矛」と「盾」は矛盾します。
アニマとアニムスも同じような存在なのでしょう。
矛盾はしているようでも≪手をつなぎ≫≪一緒に生きていく≫なら
矛盾は乗り越えられ最強の矛と盾は成り立ち得ると
そう弟子に伝えたのはカジキの師匠でありました。

カジキの師匠は主人公と意味深に握手を交わすシーンがありましたが
未来に繋いで欲しいという願望の現れだったのかもしれません。

師匠から弟子に思いが受け継がれたように
「願い叶う【光】」に乗せ
≪一緒に生きて≫行こうという主人公の思いが
姫に届く可能性が顕在化した世界、それを望んだのは
アニマであり、{/netabare}それこそが彼女の願いであったということでありましょう。

以上のように解釈してみるととても綺麗な終焉までを見事に描き切っているため
もしも展開が把握できるなら2週目3週目以降も楽しめる名作であるとも考えられ
よって原作ファンが絶賛する気も理解できるという結論に至るわけであります。




●アニマの嘘

十年後、大人になった{netabare}主人公はアニマに召喚されブルースドライブモンスターの内部、
錬金術が作用するその空間に現れます。

そこでアニマとの会話が始まり獣の騎士団、「指輪の従者」の選定基準が 「月の模様」で
あったとネタばらしされますが、早い話がこれはフェイクであると個人的には考えています。

厳密に言うとアニマではなく原作者がフェイク、ないしはぐらかしているわけでありますが…

獣の騎士は全部で12人でありますが、さみだれ姫も最前線で戦う戦士の1人なので
全部で【13】人ということになります。

フクロウの騎士=茜太陽は裏でアニムスと通じており、当初はアニムス側のスパイ
の立ち位置におり、最終的にアニマ率いる獣の騎士団の側につくことを決めたわけであります。

つまりフクロウの騎士は【13】番目の騎士ということになりますが、フクロウというのは
古代象形文字で【13】を表すものであり、「知恵」を司る女神の聖獣であります。

フクロウは「知恵」を象徴するシンボルでありますが、知恵と言えば
アカシックレコードであります。
更にカジキマグロの秋谷師匠は何者からか全能の知恵を付与されていたわけですが
恐らくはアニマが関係してるように思われます。

ユングの提唱したアニマとは知恵の女神を表すような存在であり
従ってフクロウがアニマの側に随伴するのは必然的帰結ということになるわけです。

更に「カジキマグロ」という聖獣の正体について考えてみたところ
例えば「うお座」というものが真っ先に頭に浮かびますが
なおも「聖獣」という存在を意識しつつ深堀りしていくと
「エレファントノーズフィッシュ」というナイル川に生息する魚に辿り着くのであります。

「エレファントノーズ」ですから象のように長い鼻がある魚でありまして
その姿はカジキマグロに似ているわけであります。

古代エジプト神話に登場するオシリスの守護者には「メジェド」という魚の聖獣がおりますが
その由来は「エレファントノーズフィッシュ」であるとのことです。

オシリスとは「植物」の再生を司る植物の神であることから
この魚の聖獣も「植物」と関係があると言うことになります。

「エレファントノーズ」は象の鼻ですが、象と言えばインド神話のガネーシャであります。
ガネーシャとは学問の神でありますが、鼻が長いあるいは鼻が高いというのは
クレオパトラの逸話にあるように教養や学識あることを表します。

そして魚系の聖獣的存在に当たるものを他にも探してみると【バビロニア】神話の
「オアンネス」という名の半魚人的なものが見つかりますが
どうやらこれは「知恵」の神として崇められていたということであります。

「本」は「知恵」を象徴する小道具でありますから、本かたくさんある図書館
と言うのは知恵の集合体であります。

「アカシックレコード」とはありとあらゆる知恵が集積された超次元的「アーカイブ」であり
本が好きな人たちは自然とここに集まるわけであります。

さみだれ姫の父は作家であり、東雲師範と主人公はそのファンであり本にサインを貰います。
茜太陽もアニムスも本が好きで、カジキの師匠も同じ系統であるわけです。

獣の騎士団は全員同じ眷属と予想できますが、特に本好きな人たちは
遺伝的に近しい関係にあるのでありましょう。
カジキの師匠と東雲師範の髪型が似ているのもそういう意味合いがあるのだと考えられます。

カジキの師匠は泥人形との死闘の末、力尽き息を引き取りますが
その背後には「大樹」が天に向かって聳えていました。

この最後のシーンの「大樹」の描写は「植物」の神オシリスと聖魚「メジェド」の関係性に
完全につながり、しかも「大樹」が「世界樹」=「ユグドラシル」を暗示しているのなら
ここでもやはり「知恵」につながるということになります。

北欧神話に登場する「ユグドラシル」の頂上には「フレスベルグ」という名の幻獣が留まって
いるという話でありますから、つまり「月の模様」を見て適当に思いついただけという
アニマの証言はこれまで象徴的表現法を使いつくして矛盾なくつなげてきたすべてのこと
と辻褄が合わなくなるわけであります。。

恐らく真相は【バビロンの一族】と「月」の関係を象徴的に
仄めかしたかっただけのように思います。

獣の騎士の指輪は「ロード・オブ・ザ・リング」に由来する魔法のアイテムであり
アニムスは魔法使いと呼ばれていました。

しかしながら本作ではアニマやアニムス、獣の騎士たちの異能力を「サイキック」として
強調してる節があるように思えます。

「月」の女神の側のアニマが象徴する原理、例えばサイキック能力や最終兵器を
起動させた錬金術の原則、そういったものの由来と所属がどこにあるのか明確に
示したかったので「月」という連想的キーワードを用いたように思います。

陰と陽の対立関係においてハンマーで断罪される側の「陰」=「月」が
断罪する側に対して逆襲するという構図、これを示唆していたのでは
ないかと推測いたします。

獣の騎士団の筆頭である「さみだれ姫」は宿命的な「罪」を背負った
故に死ななければならない定めでした。

かつて罪故に滅んだ都市は【バビロン】であります。

【大淫婦バビロン】とは罪深い【バビロン】という都市を比喩的に表現したものであります。
【バビロンの空中庭園】とは恐らく彼ら独自の文化、「錬金術」に繋がるものであり
本作でサイキックとして描かれたものは【呪術】に由来するのだと思われます。

12ではなく【13】という数字が強調されるのも彼ら独自の文化に関係しているようです。

獣の騎士も風巻氏が創造した泥人形の数もアニムスが生み出した(ハンマー含む)泥人形も
全部で【13】であるのはすべて計算通りであったわけです。

【13】は{/netabare}「惑星」に関する数字であり、「願い叶う【光】」やOP曲の「暁光」に関係します。

以上、本作特有の「象徴的表現法」はかなり洗練されているとは思いますが、
これを見てすべてを理解できる人は限りなく少ないように思います。
という意味では酷評されるも無理ないと言えるのかもしれません。



最終話を見た感想としては、伏線は見事に機能して辻褄も合っており
矛盾点は基本無いように感じました。

設定も精密というくらいなまでに見事に生かされていたようですが
ただこれを見て普通に全部理解できるかと言えば、解釈難易度かなりのもののため
ついて行けない人も相応にいるように思います。

象徴的な表現法が多用されていますが、これもそういう視点から見ないと
ただ説明不足の物語にしか見えないということになるのかもしれません。

もしかしたら原作の重要箇所を端折り過ぎていたために説明不足感が生まれたという
可能性も否定はできませんが、個人的には話の大筋は理解できてしまったので
最終的に大きな減点には繋がりませんでした。

解釈を難しくしている要因について考えてみましたが、一つには純粋SF{netabare}というよりも
スチームパンク寄りの方向に偏った世界観や設定がそれに該当するように思いました。

ユング的集合的無意識の世界、そこには4体の「幻獣」が刻まれた扉=【ゲート】が存在します。

3体は【獣】の騎士たちにおいて発現しますが、残り1体はどうなったかと言うと
どうやら「ブルース・ドライブ・モンスター」というのがそれのようです。

【獣】と「幻獣」は対応していますが、【獣】と「モンスター」も対応しています。
「幻獣」はファンタジー的な表現でありますが、片や「ブルース・ドライブ・モンスター」は
純粋SFというより「スチームパンク」的な表現に基づく存在と考えられます。

「スチームパンク」において最も重要な小道具は蒸気機関ではなく「飛空石」であり
超古代のロストテクノロジーであります。

主人公が「ブルース・ドライブ・モンスター」の内部に入って、何もない空間に歩を進めると
飛空石的なものが動いて道をつくっていくという描写ありますが、これは
スチームパンク的機構を表現していると解釈できるわけです。

ただのスチームパンク的表現なら理解するのはそれ程難しくないように思えますが
そこに「錬金術」の要素が加算されるので解釈難易度は更に上がります。

ハンマーに対抗するこの最終兵器をここでは「LW」と呼称します。
LWに至るまでには【ゲート】をくぐって来るわけですが【ゲート】とは
「2本柱」によって表現されものであります。

そしてこの「LW」を操縦できる資格者とはアニマと同じ意識レベルに達した者
即ち【アカシックレコード】に辿り着いた者であるわけです。

アニマ以外に【アカシックレコード】に辿り着いたのは、さみだれ姫と主人公の2人だけですが、
姫には姫の思惑があり、アニマもそれを知っていたこともあって、最終的に
操縦者に選ばれるのは主人公であります。

LWの内部では時空の歪みによるのか定かではありませんが、別次元の自分の「精神体」と
アクセスできるという現象が起こります。

別次元の相互的で連鎖的な結合が起こるだけということなら、SF的な「量子論」という
発想でも理解可能な現象でありますが、別次元の「精神体」と繋がるという発想は
やはりこれは錬金術寄りの思考回路であるということになるように思います。

【ゲート】は「2本柱」でありますが、その先を極めたものは「3本目」を得た
と言うような解釈がなされるようです。

つまり錬金術の法則が作用するその空間で「方天画戟」を手に入れたという描写は3本目の
「3本柱」を暗示しており、当然の如く未来人のアニマに手渡されるわけであります。

「2本柱」は「男と女」や「陰と陽」などの一対のもを表しますが、2本の柱の融合により
新たに3本目が生まれるということであります。

アニマは主人公と姫の子供ではありませんが、未来の親族に当たる存在であり
この次元の世界を終わらせようとするアニムスに対峙し未来を切り開く立ち位置にあるため
3本柱を示す「方天画戟」を手にし事を成すのであります。

さみだれ姫が「アカシックレコード」に辿り着いたということを表現するために
「ピラミッド」の頂点に仁王立ちするようなシーンがありますが、姫がつけたマントが
見事に「△」の形を再現していたりしますからかなり計算高いものを感じます。
ついでに言いますと姫の「知ってんで」という口癖も「アカシックレコード」を
示すための伏線であったようであります。

更に言うと本好きの茜太陽は「図書館」に通っていましたが、この「図書館」とは
「新世界より」や「輪るピングドラム」の作中で不思議めいた図書館として
示されるものであり、アカシックレコードの象徴的表現であると考えられるわけです。

「量子論」的発想でもある程度の解釈は可能ですが、更に細かく見ていくとするなら
「スチームパンク的な世界観」や「錬金術」的な発想が必要になるようでもあり、しかし
そんなことを考えているだけで既におなか一杯になりそうですが、
更に「エヴァンゲリオン」に見られた「エロスとタナトゥス」というような二元論的発想も
必要になってくるとしたら、それはなかなかにカオスな状況と言えるのかもしれません。

取り合えず「アニムス」は破壊を表し、「アニマ」は創造を表します。
病が原因でさみだれ姫は自己否定的自虐的な思念に囚われますが
このマイナス思考は「アニムス」の要素であります。

自己否定的思考だから自分のエゴにも否定するため、欲もなく
その反動として自分以外のありとあらゆるものに愛着が生まれます。

他者への思いやりの心がある純粋無垢な少女は主人公と運命的な出会いを果たし
純愛に目覚めます。

しかし一方で自分が病という鎖に囚われるだけでなく更にその鎖で家族を縛っている
ということに罪悪感を覚え、死という罰を自分に課さねばならぬと覚悟を決めるのであります。

純愛に目覚めた少女はこの惑星と無理心中をすることにより、自死の刑罰を実施しようと
目論みますが、この考え方はどこか矛盾しており屈折しているわけです。

ある種の葛藤的な精神作用のもつれや心理的拮抗状態は相反する「エロスとタナトゥス」の
原理から説明可能でありますが、相反する「アニマ」と「アニムス」との衝突
戦闘とはさみだれ姫の中の葛藤を表しているとも考えられるわけです。

ハンマーは鉄槌であり、断罪の象徴であります。

罪悪感と断罪による幕引きはさみだれ姫の思いでありました。
自虐的で自己否定的な衝動はタナトゥスの作用でありますが
ハンマーはタナトゥスを表すものでもあるわけです。

世界は愛せても罪深い自分は許せないというタナトゥスの衝動、これに打ち勝つには
エロスという存在肯定の衝撃が不可欠であり、やはり最後は愛の告白タイムとなるわけです。

告白タイムと言えば屋上のシーンでありますが、あの時はハンマーに靄がかかっておりました。
あの時は魔王の僕となれと口説いたさみだれ姫でありましたが、本心は別にあり
主人公には見えていなかったのでありましょう。

やがて人間的に成長した主人公は思いやりの心を持ち、時にピエロの役を演じながらも
姫の純愛レベルに達するまで距離を縮め、遂には霞を蹴散らし姫のハートをぶち抜く
渾身の一撃を放つのであります。

生きることに意味を与えるための必死の告白は既定路線でありますが
それでも屋上での告白タイムのやり直しという風に考えるとこれ以上の着地はないと
言えるくらいしっくりくる結末であったように思います。

「惑星と無理心中」という発想が純愛を示していると気が付けば何の違和感もありませんが、
「無理心中」という発想が古すぎたため、純愛物語的な最後の告白タイムに{/netabare}
違和感を感じた人ももしかしたらいたのかもしれません。


●SF的設定がもたらした罪と罰、視聴者を混迷に導くか?
個人的に思ったのは本作はファンタジー路線を進むべきであり
アニ{netabare}マとアニムスのSF的未来人設定は他の要素との食い合わせが非常に悪い
ような印象を強く受けました。

ユングが提唱した「集合的無意識」 なる概念は非常に曖昧で漠然としており
なおかつそれに「アニマ」と「アニムス」という更に漠然とした概念が乗っかってきたら
それはもはや「科学」とは真逆の領域の問題であるということになるでしょう。

そもそも心理学とは心の科学を目指しながらも、実質は科学ではなく、
極めて曖昧で漠然としている人の「心」を科学的に解明するというのは
そもそも不可能な試みであるとしか思えません。

本作において「集合的無意識状態」に関わる夢の中のような世界に主人公が召喚可能なのは
「さみだれ姫」の存在によるとこころが大きいように思われますが、その「不思議領域」が
「アカシックレコード」に繋がるかと考えた時には、やはり言葉の定義の曖昧さ
という問題が最後まで残るように思います。

そういう曖昧さを許容しつつも、重要キャラであるところの頭に【リング】を身に着けた
「アニマ」には超自然的な力が備わり、ある意味「メタフィジカル」な認識を
提供できる存在であるということは確認できるわけでありまして、よってこの不思議領域に
召喚された主人公が長い長い階段を上り「ピラミッド」であるようであり、
「世界樹」であるようでもあるその頂点に辿り着き、上から「ビスケットハンマー」を
見下ろしているシーンが描かれていたことからして、それは頂点を極めた者であるという
ことの表明であるわけですから、結果として「アカシックレコード」に辿り着いたという
解釈が成り立つわけであります。

この解釈がギリギリの線で成り立つのはアニマという神秘キャラを大前提にしていますが
「アカシックレコード」をSF的に科学的に{/netabare}説明しろと言われたら
恐らくすべてが破綻することと思います。

そしてもしも{netabare}「アカシックレコード」{/netabare}の本質が知りたいという人がいるならば、
個人的には {netabare}「密教」{/netabare}をやることを強く推奨するでしょう。

●作画が惨いと評判の一見して糞アニメと呼ばれる本作の真価は如何に?
主人公の成長については兎に角よく描けていたことだけは間違いない良作アニメ
だと思っておりましたが・・・

前回の内容を見る限りにおいては各種の不安要素が徐々に鎌首をもたげてくるような感じで
じりじりと嫌な雰囲気が全体を包み込むようにして広がっている、
そんな印象を強く受けてしまいました・・・

更に悪いことにはこの期に及んで原作ファンの酷評とか見たら、いよいよこれは本格的に
期待外れの結末とか覚悟するしかないという話になるわけであります。

そのような前提で最新作を見たわけですが、どういうわけがこれが期待外れなまでに面白い!?
なんじゃこりゃ??というまるで意味不明な展開であります。

本作のキャラ設定とかやたら洗練されていることは重々承知していましたが
だからと言って終盤戦での失速が無いという理由にはならないわけですから
ある程度までは終盤戦での失速あり得ることについては想定していたのですが・・・

実際蓋を開けてみたら、駄作どころか良作レベルを余裕越えるもの凄い盛り上がり展開が
待っていたという、なんじゃこりゃ?展開であります・・・

本作については、原作ファンが何を言おうが全無視でいいのかもしれません。
本作は「腐っても鯛」レベルの物語性を誇るが故に、
結末を見ずして即断は禁物と改めて実感した次第に御座います。



●因果律の糸は絶たれた?
{netabare}主人公と姫には前世での因縁があり、なので二人は自然と惹かれ合ったのだと
そんな風に考えていたわけですが、前世の因果ではなく、幼少期のエピソードが縁だとすると
少々想定していたのは違うと言いますか、スケール感が不足しているような
そんな印象を抱いてしまいました。

アニマとアニムスの関係性もSFっぽい過去描写が予想外でやや期待外れ感があり、
現状微妙な空気も漂っていたりもいたします。

姫が主人公のことを「ゆう君」と呼ぶのは、彼をハニートラップに嵌めるための
魔王の知謀によるものではないかと疑っていましたが、純粋無垢な少女の心残っているが故に
「ゆう君」と言っているのだとすると魔王という設定はどうなったのでしょうか?

矛盾を解くための尺はまだ残っていますが、この先どう転ぶのでありましょうか?{/netabare}


●未来へ続くは棘なりしか、飛燕草
ファンタジーとは「集合的無意識」{netabare} の世界を具現化しただけの世界というのは
ある意味正しい解釈でありまして、ファンタジーとはご都合主義だと言われたら
それまでの話でありますが、当然のお約束として泥人形とビスケットハンマーの
攻略法が見えてくるという展開が訪れます。

最強の男東雲師範を新技で撃破した主人公には、もはや敵なしと思われましたが
何故か蛇の騎士「白道やよい」とは相性悪いらしく見事に2連敗を喫し、
手も足も出ない醜態を晒すのであります。

ある意味天然キャラの蛇の騎士でありますが、二人が目論む「惑星破壊」を何としても
止めようとする意気込み・気合は十分であり、主人公に対する彼女の思いもそれだけ強い
のに対して、主人公はそれに対してどう向き合っていいのか態度を決めかねているため
当然集中力は低下し、東雲師範の時のように完全制御できた新技が上手く発動できず
見事に「捕縛」されるというオチであります。

かつて鉄血の「鎖の掟」で主人公を捕縛するかの如く自由を奪ったのは彼の祖父でありましたが
さみだれ姫はその鎖を壊し主人公をその鎖から開放します。

そこで主人公は自由を手に入れたでしょうか?
姫が彼に求めたのは絶対服従であり、新たに鎖の関係を結ぶ契約を半ば強引に
主人公に迫ったのであります。

「鎖の掟」の後遺症により人間不信の呪縛から抜け出せていないその時の主人公は
自分から幸せを奪った世界を呪っており、その世界に復讐できるならばと姫の惑星破壊計画に
快く賛同するわけですが、後にさみだれ姫だけでなく東雲師範や世話焼きな大人たち、
仲間たちと触れ合うことにより人間的成長を遂げ気が付けば信頼できる人たちが周りに溢れ
奪われるだけの人生から一転して与えらる側にいることに気が付きます。

東雲師範をはじめ与え続けてくれた人たちの恩に報いるためにも、主人公は
究極の決断を迫られることになるでしょう。

「愛しているぜ魔王の騎士」と言うさみだれ姫、
「愛しています我が魔王」と呼応する主人公
二人の間に本当に愛情はあるのでしょうか?
姫が一番愛しているのはこの惑星であり、だからこそこの惑星と無理心中しようとするわけです。

尊敬の念や信頼感あったとしても恋愛関係にはない二人の間に
自由恋愛的な立場から割り込んでくる蛇の騎士により
三角関係が生まれるわけでありますが、鎖の呪縛により自由恋愛の経験が無い
主人公は{/netabare}どのような態度を示すでしょうか?

ある意味泥人形との戦いを描くよりも落としどころが難しいため
不安がまず頭をよぎりますが、この決着をどうつけるのか大変見ものでもあります。

●ネタバレソングの登場?
{netabare}「集合的無意識」とは心理学者ユングが提唱した言葉でありますが
主人公と姫が何度か会合していた場所はその領域に当たるものだと思われます。

そこにある扉には奇妙な生物の絵が刻まれておりましたが
もしかしたらそれは「幻獣」であるのかもしれません。
だとするともう一体いるということもあり得そうです。

超自信過剰な男=東雲師範との決闘で師匠を超えた主人公は
彼以上の自信家となり、潜在意識下に眠る無限の可能性を顕在化させ
奇跡を起こし得る超越的存在となったのかもしれません。

ヒロイズムの完成によって物語が加速するか、むしろ高みを極めたが故に
逆にピークアウトしてしまうのか、この終盤戦にすべてがかかっていると言えましょう。 {/netabare}

●連鎖するくびきの虜
フクロウの騎士 茜太陽はムッツ貧弱根暗眼鏡キャラであるところの主人公に
どこか似ているところがあり、 {netabare}深い闇を抱えているようであります。

その闇故にアニムスに付け込まれ取り込まれてしまったのか、はたまたアニムスに取り込まれた
振りをして接近するのが彼の本意か、定かではありませんが
かつての主人公が鎖の掟に囚われもがき苦しんでいた日常から、さみだれ姫の手により
解放されたように、仲間の鉄拳制裁という荒療治をきっかけに何も決断しないという生き方から
開放され、生に輝き見出したのも必然のような気がいたします。

昇る太陽は覚醒し、幻獣の騎士が出揃います。
ここまでは【梟】という裏設定の発動を含め予定通りの展開と言えましょう。

しかしながら残りの話数もわずかとなり、その割に描かなければならないものが
山ほど残っていることを考えると少しばかり不安なものを感じずにはいられません。

さみだれ姫、アニマ、アニムスにまつわる謎や前世での戦いの経緯
そして主人公の未来の・・・
これらのことを詰め込み過ぎの駆け足であっさり片づけるようなこ{/netabare}とだけは
どうにか避けてもらいたいと願うばかりであります

●「墓穴」に入らずんば虎児を得ず
原作ファンによる「ネタバレ禁止かん口令」のフラグ{netabare}が発動し
後半戦に入るや否や怒涛の巻き返し展開が始まった模様です。

我らが主人公=ムッツリ貧弱根暗眼鏡は太郎の死に対し激しい憤りと自責の念に苛まれ
復讐を果たすべく幻獣の力を手に入れようと必死にもがくのでありました。

自分が不甲斐ないばかりに東雲師範に続き後輩をも死なせてしまうという大失態、屈辱、後悔
負の感情のオンパレードの荒波に飲み込まれ、前後不覚五里霧中のままに決闘に挑むも
敢え無く惨敗・・・惨め惨め、ただただ惨めな男でありました。

ここまで激しく空回りする主人公とか前代未聞でありましょう。

そして降ればどしゃ降りの雨中、自ら掘った墓穴に嵌って
「生きているのも嫌になる」程に自分があまり馬鹿らしく思え、
自分という存在の愚かさや無力さを際限ないくらい徹底的に思い知らされるのでありますから
これはもう笑うしかない・・・

墓穴を掘る男=「アンダーテイカー」という役者が墓穴の独壇場で繰り広げる喜劇の舞台、
その背景には雨があり、沈む夕日が似合うでしょう。

バッティングセンターでフルスイングするも、思いっきりカラ振りした時の痛み、
それはとにかく屈辱的なものでありましたが、
そんなカラ振りや空回りが史上№1に似合う男、
それこそ我らが主人公「Mr.アンダーテイカー」その人であります。

決闘の敗北と雨と墓穴、すべてがこれ程までに機能する物語展開など
それだけでもうお腹一杯になるほどのフルコースでありますが
太郎と花子のキャラ設定もかなりエグイことになっているようです。

太郎の超共感性体質というのもかなり凄い設定でありますが
花子を死なせないためにはどんなことでもやり得るという太郎の動機を
これ程までに説得力ある形で裏付けるとは、完全に脱毛であります。

必殺技は「叫ぶ」べきだという話でありましたが、
喪服を纏った弔い合戦において騎士たちが発する「叫び」には鬼気迫るものがあり
高ぶりまくる胸熱感は必至のことでございました。

特に陰キャ眼鏡の花子の「叫び」には極上の味わいある響きが感じられ、
陰から陽にスイッチ転換する成長っ振りも含めお見事な結び締めであったと思いました。{/netabare}

●踊るデッドエンドのからくり
後半戦に突入早々{netabare}死亡フラグは発動します。
3度ほど仄めかされた死亡フラグがこのタイミングで成就したのには理由があったようです。

大前提としてあるのは泥人形の攻撃力は異常に高く、一発食らえば即死もあり得るということ。
今回の太郎ターンではその大前提を再確認するような形になったように思われます。

東雲師範も一撃でデッドエンドを迎えましたが、その時は不幸な事故みたいなもので
弱小主人公を助けようとしなければ、本来の実力で泥人形の攻撃は回避可能なはずでした。

それが今回の騎士型泥人形は攻撃力だけでなく、素早さやリーチの長さなど含む
トータルでの戦闘力は格段に高く、最強打撃王のさみだれ姫でさえも手を焼く有様です。

騎士の中でも一番弱そうなのはネズミの太郎ですが、ただでさえ死亡リスクが高いのに
幼馴染の花子のことを気遣い、命がけで守ろうとするわけですから
生還する可能性は無きに等しいということになるのでしょう。

更に悪いことには、そんな太郎の思いを知ってか知らずか当の花子ときたら
まるで自分の命を軽んじているかの如く泥人形に対する囮役を自ら買って出るという始末で。
ある意味自殺志願者のようにも見えてしまう花子ですが、そんな彼女の真意とは
いかなるものであったのでしょうか?

もしかしたら彼女は自虐的な人間で、その自虐の意味するところは
自分が太郎の足枷になっていることに対する自責の念、それが元にあるのかもしれません。

騎士の中で最も弱いのは太郎であり花子であることを自覚していたからこそ
自分の命を有効に使うため、あるいは太郎の足手まといならないために
危険な役を敢えて引き受けたような気もいたします。

太郎と花子はお互いの気持ちをどこまで理解していたでしょうか?
互いが相手を思い庇おうとすればするほど死亡リスクがどんどん高まってしまうという不条理。

そんな不条理を受け入れ自らをその犠牲に捧げようとした花子と
その不条理を全否定する形で愛のために自らを犠牲に捧げた太郎。

兎に角太郎の思い、願いは徹底しており、花子の命を救うためならば
どんなことでもやる覚悟ができていたようで、
騎士の願いにより花子の命には保険がついたとしてもそれでは満足せず
即死のリスクが少しでもあるならば、そのリスクを完全に潰しておこうと
言わんばかりに自らを楯として曝け出し、花子の即死のリスクを強引に
回避させたのでありました。

カマキリのキル曰く「無駄死にだ」ということですが
太郎にしてみれば結果即死のリスクを潰せたわけですから
意味ある行動だということになるでしょう。

太郎の死はある意味必然ということになりますが、その必然を今まで回避できたのにも
理由があったようです。

泥人形の攻撃力が高すぎて食らえば即死という大前提があったからこそ
夏合宿により各自の能力を高めるだけでなく、数の利を生かしたチームプレイを強化し
泥人形に対抗しよういう話でございまして
その戦術に効果があったからこそ、その時点での犠牲者はゼロであったというわけであります。

そしてユニコーンの騎士に覚醒した南雲隊長の踏ん張りと言いましょうか
「決して誰も死なせはしない」という必死過ぎる執念も死亡フラグを覆す
方向に作用していたようでありましたが、冷静に戦況を分析したアニムスの
今回の策謀、分断戦術により死亡フラグを回避する要因はすべて取りの払われたのでありました。

太郎の犠牲により命を拾った花子ですが
もしも彼女に自虐志向があるならばどうなることでしょう?
愛想笑いの{/netabare}ジュリエットが迎える運命とは、さて?

●死亡フラグは3度死ぬ?
獣の騎士すべてが集結し、これから泥人形との{netabare}死闘は激化するように思われ
そして死亡フラグ的なものも3度ほど出されたようですが、
ここまですべて不発に終わったようです。

今回のフラグ回避には精霊アニマの能力によりユニコーンの騎士が覚醒したことが
大きく作用していますが、それにしても度重なるフラグ回避の展開にはどのような意図が
込められているのでしょうか?{/netabare}

1話~6話の主人公の{netabare}成長・覚醒{/netabare}を描いた物語展開には個人的にかなりの好印象を持っておりますが
それ以降から前半戦終わりにかけての展開には{netabare}少し中途半端で6話以前と比べるとやや物足りない
ような感を抱いております。

後半戦突入してもなおまさかこの調子で進むとかいうのは流石にないとは思いますが
もしもこのような感じが続くなら十分減点対象になるものと認識いたすところにございます。{/netabare}

失速し続けるのか?それとも急転するのか?
後半戦に期待を託します。

●先の展開を予想
獣の騎士全員揃っての初戦は{netabare}(フラグ全否定という形になり)犠牲者ゼロという{/netabare}結果でしたが、
この先も順調に{netabare}勝ち進むとは到底思えませんし、恐らく戦死者はそれなりに
出るのではないかと予想いたします。

強そうなキャラは馬、カラス、フクロウ
最強の「矛と楯」コンビのニワトリと亀も弱くはないのかもしれません。

一番弱そうなのがカマキリとネズミ、そしてヘビです。
一番最初に死にそうなのは、恐らくネズミなのかもしれません。
幼馴染を庇っての戦死とかは、ありそうなパターンであるように思われます。

ただ仲間を庇っての戦死パターンだと東雲師範の弟や馬の騎士も十分あり得る話ですし、
一見して裏切り者のようなフクロウも、仲間との交流が深まれば態度を反転させ
突然熱血キャラ化する可能性も全否定はできません。

騎士の中で一番立ち位置が不明なのが黒猫ですが、現時点では裏切る可能性も含め
余談は禁物と言ったところでしょうか。

ヘビの騎士は、もう少し先のところで主人公のピンチを回避すべく体を張った結果
戦死して{/netabare}しまうような展開はありそうかと思いますが、

次回以降その辺に注目しつつ展開が動くことを期待いたします。

●ある意味アニメという概念が通じない世界を描く?
最新話は{netabare}謎のヴェールに包まれた存在であるところの{/netabare}「姫回」でした。
獣の騎士が勢揃いしていよいよ急展開を迎えるのか?と思いきや
{netabare}まるで朝日奈一家のホームドラマみたいなベタな{/netabare}展開を見せられた
通常のアニメファンはかなり戸惑ったのかもしれません。
{netabare}その一方でドラマ性重視の当方としましては非常に満足できる回でありました。
ある意味王道ホームドラマ展開でベタベタでありますが、王道故の良さも漲っておりました。

さみだれ姫は不治の病を患っており、その治療法を確立するために姫君の母親は
医学者でもあったことから、海外に移住し長らく研究に没頭する日々を送り
それ以降娘に会うことも滅多にないような状況になるわけです。

姫自身も自分の母が海外暮らしを余儀なくされている理由には自分の病がもとにあり
その治療のためならば仕方ないと頭では理解しつつも、複雑な思いを抱き、家族の関係のこと、
特に母親に対し悶々と思い煩うのでありました。
母にも姉にも自分の傍にいて欲しいが、母や姉家族がバラバラになってしまったのは
自分の病が原因、すべては自分が蒔いた種であるとさみだれ姫は思い煩い、
罪悪感にも似た後ろめたさや自分という存在を悔いるようなセンチメント、
女子高生くらいの年齢特有のとても繊細でとても脆い自己嫌悪的感情の渦に
飲み込まれてしまうのであります。

そんな中、今回株を急激に上げたのがむっつり根暗貧弱眼鏡でお馴染み
我らの冴えない主人公=雨宮夕日 その人でありますが、今回の彼の態度・振る舞いは
つい最近飲酒し始めたにすぎないボンクラ大学生とは思えないくらいにスマートで
空気読め過ぎる大人そのものだったことには思わず舌を巻いてしまうくらいに、
見事な成長っぷりでございました。

本作は「成長物語」という要素がかなり大きく、故に
成長物語とはどういう特質があるのか理解できない人に説明するのはとても厄介な話でありますが、
逆に「成長物語」{/netabare}について精通してる人からしたらある意味神回だったと言っても
過言ではないのかもしれません。

以前ならば慎重さこそに重きを置いていた貧弱眼鏡の主人公でしたが
ここぞと言う瞬間には{netabare}掌握領域を発動させ「超飛躍」を成し遂げて
そして、さみだれ姫を(ハートごと?)掴み取り、姫の母親の元に送り届けるのであります。

主人公の大人びた対応は、本人曰く東雲師範の真似をしただけということですが、
さみだれ姫の家族関係を見て色々と思うところがあったようで
自分の家族である祖父との冷え切った関係性について見直しを図るあたりも
彼の成長を大いに感じられるような、成長物語{/netabare}としてはとても見所が多いお話でありました。

●主人公が騎士契約に応じた理由
{netabare}①姫が好みのタイプだったから(前世からの因縁?)
②姫が信頼に足る得る人物だったから(行動力がある)
③この惑星を砕くという姫の企てに共感したから

※③についてもう少し詳しく書くと以下のようになります
父の不幸な死をきっかけに母親はショックを受け失踪
祖父は人間不信に陥り孫が父親と同じ道を歩まぬようにと
「他人を信じるな」という(体罰ありきの)洗脳教育を実施。
少年時代から信頼関係とも無縁、家族愛とも無縁の不幸な人生を歩み
性格が歪んでしまった主人公は、自分を不幸にした「この世界」を呪い
いつか復讐してやろうという気持ちを密かに抱くようになる。

姫に出会い姫によって提案された惑星を砕くという計画を世界に対する復讐の好機ととらえた
主人公は心よりこれに賛同したため「御意!」と応じたというのが話の経緯であります。

このようにして主人公と姫の騎士契約は見事成立することとなりましたが姫の性格、本性
については謎の「ヴェール」に包まれているところがあり前世の因縁で出会うべくして
出会い、相思相愛の結果強く結ばれたような結婚契約にも見えるこの契約の背後には、
姫の本当の思惑が隠されているようにも思えてなりません。

ヴェールは結婚式の時花嫁が被るものですが、
(騎士の指輪)リングも結婚式の時に身に着けるものであります。
主人公の立ち位置から見たら姫との誓約を交わす儀式は結婚式のようにも見えますが
姫の側から見たらそれは偽装結婚式であったのかもしれません。

1話冒頭のシーンは桜の花から始まります。
桜の季節と言えば入学式の頃合、4月ではないかと予想されますが、
4月と言えばエイプリルフールであります。
もしかしたら姫と主人公の誓約の儀式は「嘘」だったのでしょうか?

姫が何を思い主人公に近づき、何を成そうとしているのか謎の部分が多いですが
それについて重要な鍵となるのは姫の性格、人格であると思われます。

恐らく姫の誕生日は6月(より詳しく言うと6月6日)ではないかと推測いたします。
その理由は名前が「さみだれ」で梅雨を表すというのがまず1つ目
次に1話冒頭の桜の季節の後の連休に主人公が実家の祖父の元に帰っていましたが、
連休とはゴールデンウイークを指し、祖父の容体が急変し命を救う願い事を申し出るシーンでは
雨が降っていたことから(「五月晴れ」という割に5月はよく雨が降るので)その時期は5月であり
獣の騎士が全員揃って海で合宿したのが夏ですから、5月~7、8月の間に姫の誕生日が
あったということなります。
というわけで姫の誕生日は5~6月ということになりますが、その時期の星座は双子座であります。

双子座とは何を暗示してるかご存じでしょうか?
これは「聖闘士星矢」にも通じるところありますが、
双子座とは「二重人格」を暗示するものでございます。

さみだれ姫のもう一つのヴェールに包まれた人格は、
精霊アニマによるところが大きいように思いますが
魔法使いアニムスの妹=アニマと思われる人物は本作OP最後の方に登場する人物のようです。

髪の色が緑色なのは「楯の勇者2」のオスト・ホウライを想起させますが
それは大淫婦バビロン=男を惑わす悪女を意味するのでしょうか?
それともやはりユング心理学を踏まえた解釈こそが適切な結論を導き出すのでしょうか?
いずれにしましても、姫の人格に秘められた謎を解くには少々骨が折れそうな気がいたします。{/netabare}

●10話でついにすべての条件が揃った?
{netabare}今にして思えば、1話の内容がよくわからないとか主人公や姫が何考えてるのかさっぱり
理解できないというような声も少なからずありましたが
実はその意見はある意味正しい指摘でもあったのは事実です。

1話の問題の屋上シーンで、突然ビスケットハンマーの挿入により
ストーリー展開に水を差し、すべてを謎のベールに包んだ最大の理由は恐らく
さみだれ姫の性格が実は二重人格であり、そのことが後の物語展開にとって
重要な意味があったために敢えてカムフラージュしたのではないか?と
当方は邪推しております…
しかしながら、要するにすべての謎が解き明かされるのはまだまだ先のことで
1話からすべての説明を晒さないならそれは不親切でさっぱり意味がわからないし
見る気もなくなるとあっさり本作を切った人たちには、それについて
いくら説明しても馬耳東風なお話になるのでしょう…

その一方で、自分なりに1話で何故に主人公が豪傑姫がもちかけたプランに対し
やる気満々で「御意!」とあっさり答えた理由についての解説を今だに書ききれてないので
説得力まるでないレビューと批判されたら返す言葉もないというのが現状であります…

少し言い訳すると「ユング心理学」の「集団的無意識」について少々調べてから
色々まとめようかと妄想奮闘してる際に、時をすっ飛ばす
スタンド能力保持者の奇襲攻撃を受けたのが最大の原因であります…{/netabare}

●9話で明確になった本作の特徴
群像劇をさり気なくぶっこみつつも師弟関係の人間ドラマをまともに描いてくるあたりは
流石名作という評判もあながち嘘ではないと確認した回でした。


●小耳にはさんだ情報によれば、なんでも本作に対しては原作ファンによって
「ネタバレ厳禁」のかん口令が敷かれている模様です。
そしてここでの評価が異常に低いという状況と合わせて総合的に考えると
これは「途中で切ったら後悔する系の名作」あるいは「隠れた名作」になる可能性が濃厚です。

キャラ設定や謎めいた各シーンを振り返ってみると、兎に角分析しなければならない要素が
あまりに多すぎてそれをまとめようにも1話だけで手一杯な状態であります。

考察系を得意とする人には{netabare}是非とも見てもらいたい作品ですが、
この時点で本作の評価に関しては自信をもって当てにいけることを確信しましたので
ここで超強気に!本作の評価を全体的に上方修正いたします。{/netabare}

今後の展開に大注目であります。


〇7話視聴直後の感想…
主人公の思いとその行方{netabare}は、少なくとも第1話の段階では固い結束により運命的なまでに決定づけられたように見えましたが今まで出会い別れて訪れる心優しき世話焼きたちの影響を受けた結果、
主人公{/netabare}にいよいよ「変化の兆し」が現れるのでありました。
{netabare}亡き東雲師範の願いや思い{/netabare}を受けたことが特に大きかったのは言うまでもないですが、
{netabare}この「変化の兆し」こそ{/netabare}が新たな展開を生むのは必至の状況。
{netabare}「変化の兆し」を匂わす描写については確かに相応の緻密さで以て「達磨落とし」が可能なくらい相応程度には積み重ねられてきたとは認めるところですが、{/netabare}
より多くの視聴者に正しく伝えるには、{netabare}丁寧さと尺が不足している感が否めず
重要なポイント故に残念感がよりましてしまったというのが個人的な見解です。

親愛なる下僕に躊躇なく「愛してる」を言う姫殿下の真意とは、実は第1話が「偽装結婚式」みたいな様相を呈していたことからある程度には予想できてましたが
まさかこれ程までに急展開するのは予想ができず、その詳細について書きそびれてしまうという見事なまでの我が醜態でありました…{/netabare}


●第1話を押さえるための予備知識に触れてみます。
{netabare}「ケモノの騎士」とは何でしょう?
「ケモノ」と「騎士」の2つの構成要素を持ちます。
「ケモノ」と言えば「大淫婦バビロン」ですが、それは何故かというと「バビロンの大淫婦」は
「ケモノ」に乗ってやってくるからです。

「騎士」とは何でしょう?
馬に乗り甲冑纏えば「騎士」に成れるでしょうか?
騎兵と騎士は別もので、騎士は貴族であり、盟約に従い主君に仕えるものであります。
「最後の騎士」として名高い「マクシミリアン1世」はハプスブルク家の血族ですが、
ハプスブルク家の家紋は「双頭の鷲」です。
2つの頭を持つ黒い鷲、そのヴィジュアルは日本の八咫烏にも似ていますが、このように
貴族の家紋になどによく使用される奇妙な生き物たちは「聖獣」
と呼ばれたりする存在であります。

実際の貴族を思い浮かべれば、ケモノ(=聖獣)と騎士とは実は相性が良く、
双方に密接な関係性があるのは容易に理解できることと思います。
そういうわけで、主人公のもとを訪れた(黒蜥蜴星人のような?)蜥蜴の騎士とは
実は聖獣を表しているというお話であります。

「ケモノの騎士」に似たようなものを他作品で探してみると
「楯の勇者」の「ラフタリア」と「聖闘士☆彡星矢」の「聖闘士」が思い浮かびます。(当初の)
ラフタリアは騎士ではなくただの剣士であり身分も奴隷階級ですが勇者に従い主人を守る存在であり、
かつ勇者とは時に王国やその姫を救い王権を託され王族に転身する展開もあり得ることからしても
王族予備軍であるところの勇者に仕えるケモノの剣士ラフタリアは
「ケモノの騎士」と全く同じ存在と言えます。
そしてケモノが聖獣ということならば相方のフィーロもその条件に適合します。

上段でケモノと言えば「大淫婦バビロン」だと申し上げましたが大淫婦とは売春婦のラスボス
みたいな存在であり、そのような前提で考えるなら「楯の勇者」の「オスト・ホウライ」は
まさにそのイメージにぴったり当てはまると言えるのではないでしょうか。
「大淫婦バビロン」とは要するに男を惑わす悪女的存在のことを意味します。

彼女は「霊亀」の本体でありますが、霊亀とは聖獣でありケモノであるから
大淫婦バビロンに繋がるのは必然なのであります。
そして「楯の勇者2期」の最後の最後に「ケモノの剣士」たちと「大淫婦オスト」が
「恋バナ談義」に「花を咲かせる」シーンが印象的に描かれているのも
もしかしたらそういう繋がりが背景にあるからなのかもしれませんね?

聖闘士もケモノの騎士と全く同じで、ケモノ(=聖獣)の甲冑を纏い「女神アテナ」の
生まれ変わりであるところの沙織お嬢様に仕えます。
「女神アテナ」とはギリシア神話の神ですが、ギリシア神話の神々は肉体関係を大前提とした自由恋愛には超積極的な性格を持ち合わせており、その中でもアフロディーテ(=ヴィーナス)は
特に愛欲まみれの女神として名高い存在です。

女神アテナと大淫婦バビロンではイメージに若干のズレがあるようにも見えますが、
Zガンダムのレコア少尉がジュピトリス(ジュピターは木星、主神ゼウスを表す)の男にそそのかされ
かつて男女の関係性を持った?とも噂されるクワトロ大尉とエウーゴをあっさり裏切り華麗に転身した時に乗っていたMSの機体名が「パラス・アテネ」だったのは偶然ではなく
必然であると個人的には理解してます。

ギリシア神話の神々はどうやら性衝動が抑えられない性分を持ち合わせているようで、そういう意味においては大淫婦バビロンと似たようなものとして解釈できるのではないでしょうか?

ケモノと騎士と大淫婦に関連性があるならば、本作においてもその法則は当てはまるのかも?
という話になりますが、ならば主人公=蜥蜴の騎士にとっての親愛なる姫殿下は実は大淫婦の化身
なのか?という疑問が浮上します。

よくよく考えてみると姫殿下の本性と言いますか、内に秘められたもう一人の人格の正体が魔王であることからして魔性の属性を持っているのは至極当然であり、
それ故に「大本命の思い人」に対する執着心や独占欲が並外れて強く、ならばこそ烈火の如く
灼熱的でドロドロの「愛憎劇」が繰り広げられるのは必然と言っていいのかもしれません。{/netabare}

●本作の敗者復活も可能かもしれない?
潜在的力を秘めた究極の※「ネタバレ」ソングです。
{netabare}途中で切った人には2、3度聞くことを推奨いたします。
Half time Old 「暁光」
https://youtu.be/zunFoF97vLc

「暁光」とは夜が明けるころに差す日の光のこと{/netabare}


●タイトルとOPからイメージされるもの
本作 ~惑星のさみだれ~ は ☆彡☆彡☆彡{netabare}「惑星を砕く物語」☆彡☆彡☆彡であります。
惑星が木端微塵に砕け散りそのかけらが流星群となって降り注ぐ様を
「さみだれ」という言葉で表しているのだと思われます。 そしてまた、
「さみだれ」はとめどなく「流れる涙」を暗示してるのではないかとも考えられます。
「惑星=☆彡」とは光であり希望であり、それが跡形もなく砕け散る儚さのようなものを感じる物語。
「さみだれ」という名を持つ渇望の姫君の物語でもあります。{/netabare}

●洗練しつくされているからこそ理解するのが難しいキャラ設定について
{netabare}本作攻略のための重要なポイントは姫殿下が「二重人格」であること。
ただしそれがはっきりと示されるのは3話のことであり1話ではほのめかす程度
の描写しかありません。
そのため1話の時点で姫の二重人格性については見抜ける人は皆無であり
1話の終盤、クライマックスシーンにおける原作者の意図するところが
読みにくくなっている点に注意が必要です。

姫殿下の性格分析は難しいのでまずは比較的簡単な主人公の方から始めましょう。
主人公はムッツリ・根暗・貧弱・眼鏡の大学生ですが
将来の夢もなく無気力に平凡に地味に生きてるだけ
はっきり言って人間的魅力が皆無に近い人物です。
今は亡き父親が警察官だったこともあってか案外真面目で頑固な一面もあるようで
そういう意味では生真面目な騎士クレザント卿とどこか似てるところがあるのかもしれません。

父の不幸な死をきっかけに家族は崩壊
悲劇的出来事にショックを受けた祖父は「人間不信」になり
孫である主人公に対して鉄血の「鎖の掟」を課すのでありました。
「敵を作るな!腹を刺される。味方を作るな!背中を刺される。」という鎖の掟
それを破ろうものなら鎖で体を拘束され物置に三日三晩閉じ込めるという体罰を加えられるのですが
その恐怖体験がトラウマとなり主人公の人格と行動原理に大きな影響を及ぼし
ある種のマインドコントロールのように主人公の精神に作用し、
結果「鎖の掟」は主人公を完全支配するするのでした。

第1話でクレザント卿が主人公に対し騎士になるよう何度も促すのに対し
完全拒否の姿勢を頑なにまでに貫いたのには、主人公が無気力人間だったということもありますが
一番の理由は「鎖の掟」の縛りと「人間不信」があったからというのが事の真相であります。
そういうわけで人を信じない、仲間を作らないという生き方を貫いてきた主人公を騎士に
引き入れるのは主人公の性格上、基本的には不可能のように見えますが、その不可能を
可能に変えたのが精霊アニマを宿した姫殿下の実力ということになります。

本作のヒロインさみだれ姫の性格は明るく優しく元気で活発、陽気で健気で可愛く強い、
一撃粉砕!豪快姉ちゃんです。
非の打ちどころがないくらいの完璧キャラでまさに漫画みたいな話ですが、
要するに主人公が理想とするタイプなのでしょう。

「朝日と夕日」「雨(宮)と五月雨」というキャラの名前には
対比構造が仕込まれているようにも思えます。
豪傑の姫君は主人公がないものをすべてもっているような人物で
本作主題歌「暁光」の2番の歌詞にある「与えられた人」とはまさに「さみだれ姫」のことであり
それに対して主人公は「奪われた人」に当たるのだと言えましょう。

昇る朝日に沈む夕日、両者には対照的な面もある一方で相通じる側面もある
という意味では相性がとてもいい凸凹コンビで、運命的片割れの結実であり
出会って結ばれることについては、
設定上は必然と考えられますがそれが具体的にはどのように展開されるかについては、
問題の屋上のシーンにて確認してまいりましょう。{/netabare}

●豪傑の姫君の投機敢行、その目的は?
{netabare}1話終盤のクライマックスシーンにて豪傑姫は主人公の学校に突然現れ、屋上に彼を呼び出しますが
それは何のためでしょうか?

もしかしたら視聴者の多くはその理由をミスリードしてる可能性があり得ます。
屋上に着いて言われるままに見上げた空に浮かぶのは、あると言われねば見ることも叶わぬという
問題の「ビスケットハンマー」ですが、その姿はあたかも謎の「ヴェール」に包まれているかの如く
輪郭はボヤけているようにも見え、あるいは朧げな影だけが映し出されているような状態でした。

そのあまりに巨大な姿を見て取り乱す主人公、一方で視聴者もその突然のインパクトある展開に
ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けたのでないでしょうか?
「ビスケットハンマー!?」「なんじゃそりゃ??」と…
その結果何が起きたかと言うと、展開を見失い状況がわからなくなったのではないかということです。

豪傑の姫が主人公を屋上に呼び出した真の理由はビスケットハンマーを見せることが最終目的ではなく
より重要なのは主人公を口説き落として自分の配下に加えることです。
学校の屋上というシチュエーションでまず思い浮かぶのは何でしょうか?

そうです「告白タイム」です。そして屋上でなければならない理由のもう一つは
例の「決死のダイビング」を敢行するためであります。
ハンマー見せるだけなら別に学校の屋上に限らず見晴らしのいい河原でも山でも
どこでもよかったという話になります。
屋上のシーンにおける「ビスケットハンマー」が「ヴェール」(=目隠し)として機能していたため
多くの人たちは展開を見失い話についていけなくなってしまったのだと推測します。

そもそも屋上に上がるためには階段を使用するのは当たり前の話ですが、階段から屋上に上がった瞬間にその流れをぶった切るかの如くビスケットハンマーのシーンが強引にねじ込まれます。
それにより少し前の階段のシーンのいきさつが全部記憶から
吹っ飛んでしまったという可能性が考えられます。

屋上に上がる前の階段のシーンでは姫殿下と主人公とクレザント卿の三人で
重要な会話のやりとりがあります。
その会話シーンに言及するにあたってまず、本作の主題歌「暁光」の歌詞をもとに
主人公の考えを分析してみるとその後の展開が読みやすくなるのでここに引用します。

「好きなもの嫌いなもの いつか変わってしまうけど」

主人公にとって「好きなもの」とは、要するに豪傑姫殿下のことですが
貧弱主人公にはない圧倒的強さや決断力、実行力、カリスマ性などを持ち合わせ
泥人形のファーストアタックでは命を救ってくれた恩もあるので告白タイム前に
既に姫殿下に惹かれていたのは容易に想像できます。
好きと嫌いは裏腹の関係性があり、嫌いの反対は好きであると考えることもできます。

そして例の階段のシーンでは、主人公の嫌いなタイプについてが明らかにされているのです。
そのあたりの会話を引用します。

姫 「大丈夫やって。信じとる。」
夕日「信じる信じないを気安く口に出すやつは嫌いだ。」
姫 「知ってんで。」

主人公が嫌いなタイプとは口先だけで説得力がまるでないような人間。
具体的に言うと警察官でありながら父を欺き裏切った父の同僚みたいなタイプの人間
ではないかと予想できます。
人間不信により他人を、他人の言葉を容易に信じない主人公の人間性については
姫殿下も十分「知っていた」ので策を弄して口説き落としに行ったというのが
屋上のシーンの趣旨ということになります。

口だけで信じてると言ったところで信じてはもらえないので決死の覚悟で屋上ダイブしたわけです。
最終的に主人公が姫殿下を救出し事なきを得たのですが、何故そんな危うい真似をしたかと言えば
姫殿下が主人公のことを信じていたからであり、「信じてる」という言葉が嘘でないことを
決死のダイブという行動でもって証明するためでありました。

眼鏡キャラの主人公はリアリストなので自分の目で見た決死のダイブの現実を否定できません。
「信じてる」ということを行動によって示されたならそれを否定することはできないのです。
これにより主人公の心は完全に豪傑姫の虜になり
「次はそっちが信じる番や」「私のものになりなさい」と畳みかけられれば
「御意」となるの当然の成り行きと言えましょう。

主君と騎士の騎士契約は結婚契約にも似ています。
この契約において一番大事なのが信頼関係です。
姫殿下は臣下のために決死のダイブを行い
臣下の主人公は姫を助けるために命がけでそれに応えた。

それにより両者の信頼関係は固く結ばれ、婚姻関係にも似た騎士契約が
(形式上)成立してしまいました。
豪傑姫の策略により主人公は意図せずして「命がけで主君を守ってしまった」のですが
その時点で「騎士の要件」を満たしてしまい、突然のことで条件反射的に姫を助けただけと言い訳したところで行動で示してしまったならば、事実上の騎士になったも同然ということになるでしょう。

問題の階段のシーンでクレザント卿が
「姫、まだ早いですぞ」「こんな腰抜け眼鏡にあれを見せるのは」
と発言してますが、「あれ」を見せるのは早いという「あれ」とは何であるかというとビスケット
ハンマーというよりも「姫の決死の覚悟」と解釈した方が意味が明確に通るように思います。

決死の覚悟示すためにダイブしても、主人公に能力を使って救う実力が「まだ」足りないなら
姫の命が危ういということになるから、時期早々という判断をしたのだと推測いたします。

しかしながら主人公の潜在能力を見抜き、彼を信じるに値すると判断した豪傑姫は
躊躇なくダイブを敢行したわけですが潜在的に魔王の人格を内に秘めた豪傑姫には
人並外れて優れた先見の明があり、主人公の性格含めすべてお見通しだったことを
表しているのだと言えましょう。{/netabare}


原作はなんだか凄いらしい!?という高評価の一方で、アニメ化されたに本作に関しては、原作ファンでさえもが酷評してるような?情況がここのレビューでさえも当然の如く見受けられますが、
当方個人の見解としましては{netabare}本作は必ずしも駄作認定するには惜し過ぎる作品であり金さえあればどうにもなるような作画技術にだけに特化した?ドラマ性についてはまるで描けてない既存の人気作品に
比べたら{/netabare}本作はマシどころか控えめに言っても佳作か?
それ以上の傑作予備軍になり得るものと確信!?いたします。

本作の特徴として抑えてほしいポイントとして、まず異能力バトルの要素はあるもののそれを最大の見せ場としていない{netabare}ということ、次にコメディパートは比較的多いようでも{/netabare}コメディ{netabare}方向に針を振り切る
のではなく、むしろ真逆の{netabare}絶望や鬱的な{/netabare}方向に針を振り切ることを意識した作りになっている点を指摘しておきましょう。
逆に言えば「かぐや様は濃くらせたい」や「酢パイ家族」のような{/netabare}純コメディ路線が好みの人には相性が悪い可能性が濃厚です。
ジャンルセレクト的な話をすると{netabare}成長{/netabare}物語ということになりますが、ミステリーの要素もそれなりに強く、同じ原作者の系統に属する「プラネット・ウィズ」同様の独特のクセがある{netabare}
だけにとどまらず、本作の方がマニアックな傾向がより強まり、{/netabare}よってクセの強い作品が苦手{netabare}だったり、ストーリーとはシンプルイズベストに限るという信条をお持ち{/netabare}の人には向かないように思われます。

また原作ファンなどからの酷評の原因として考えられることは、もしかしたら決定的な!?尺不足という問題があるのかもしれません。
{netabare}個人的には物語展開的に辻褄が合わない点は特にないですが、他の人の意見によれば、不満を抱いてる感が強いようで、その原因の一つとして尺不足感や状況説明の雑さなどがあるのだと言われればそうなのかもしれません。{/netabare}

(6話まで見て評価を全体的に上方修正)
ストーリー展開だけで評価したら今期注目度№1のリコリコに勝るとも劣らない優れた描写力、これこそが本作の最大の売りであります。
しかしながら、描写力のレベルが高いというのは諸刃の剣にもなり得、見てる側にとっては難解であるという結果にも繋がりやすく、その結果が低評価に表れているものと推測いたします。

ビバビバびろ~んと天空に聳える
あの「ピロウズ⚖ハンマー」の正体とは?
{netabare}それが何であるか?元ネタはピロウズというロックバンドの曲らしいとか言われてますが、ハンマーとは「鉄槌」とも表現でき「断罪」のシンボルという風にとらえることもできます。
(人類はなに故に断罪されねばならぬか?というのも本作に込められたテーマの一つでしょうか??)
ビスケットハンマーや魔法使いが何であるのか?それを知っているのは原作既読者等を除けば皆無なのが当然ですが、そういうミステリーの要素に興味を持てるかどうかというのも、
ハングオンか?脱落か?の分岐の行方に大いに関係するような気がいたします。{/netabare}

{netabare}(話題作のリコリコにも当然当てはまることでもあり…)作中にはちゃんと描写されているのにも関わらず視聴者には全く伝わってないことがあるというのはアニメ全般にあり得る一般現象ですが
そのように視聴者置いてけぼりで制作者サイドの自己満足的傾向に対してある種の不満や批判的な念を抱きクレームをつけたくなる心理はある意味まっとうで正しいとさえ言えるのかもしれません。{/netabare}

そういう意味では本作は不親切な作りをしているとも言えますが、{netabare}各シーンでの製作者の描写意図が読み取れるならば、これが嚙めば嚙むほど味が出るイカみたいな作風に嵌ること間違いなし!の
個人的には自信をもってごり押しできる高品質の{/netabare}優良作品になり得るものと確信いたします。

本作を攻略する上で一番重要なことは、主人公をはじめとする登場人物の性格や人間性をいかに正確に把握できるかということに尽きます{netabare}が、1話でそれができなかった人は
それ以降の展開の波には乗れずに脱落するのが運命のようです。{/netabare}

一見して無気力で根暗で何の魅力もない主人公?
視聴者ウケは初回から非常に厳しく、{netabare}こんな弱小キャラで戦闘開始とか無理ゲー糞ゲー過ぎんだろ!という懸念を抱くのはもっともなご意見でありますが、
そのような懸念を見事一撃でひっくり返した1話の予想外の展開は個人的には衝撃的でした。この逆転勝利の秘訣はキャラ設定の緻密さ絶妙さにあったと言えましょう。{/netabare}

「{netabare}騎士{/netabare}契約」になんて絶対に応じないはずの主人公があっさり姫と契約してしまうというミステリー?その謎が解けるかどうかが最大の関門でありますが、そこを見事にクリアできるなら
{netabare}6話の超劇的展開、主人公の「叫び」に心揺さぶられること間違いなし!6話のボリューム感と言いましょうか、{/netabare}濃厚な人間ドラマをここまで上手く描けた作品はなかなかお目にかかれないと
アニメアンチも太鼓判押さざるを得ないというとても皮肉なお話でございましたw


(これは図に上ったアニメアンチの露骨な蛇足に過ぎない意見ですが)
{netabare}本作は少なくとも主人公等が行動することに対しての論理的根拠?みたいなものについては最低限描写されてます。
それについて十分理解していてそれでも本作の展開を意味不明と酷評してるならまだ好みや感性の違いということで理解もできますが、必要最小限度の描写を無視して意味が分からんいうのは…
読解力の無さ?なのか…何が描写されたるかありのまま読めないパーソナリティの偏狭心さ?故なのか…何故そこまで歪んだ心を持ってるのか?今ではアニメアンチになった当方には理解不能な話です…

もちろん読解力は大事ですが、それより大事なのは人間的感性です。
異世界転生ものという糞アニメの乱発=腐りきった世界の流行劇に毒されてここのアニメファンの目や感性は腐り果ててしまったのでしょうか?
だとしたらアニメアンチの憂鬱はこの先未来永劫続くかもしれません…{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

干野梅蔵 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

ただただ、泣・・・。ノンカロリーレイプ

長い文句が続きます。
漫画は本当に面白いんです。騙されたと思って買ってみてください。
-----------------

原作がこれまでの人生で
TOP3に入るくらい好きなのです。

無理です。。。

何年も切望していた、渇望していた
待ちに待った大好きな作品のアニメ化が
まさかこんな黒歴史として
上塗りされるなんて・・・。

最高の食材を用意して
生ゴミしか作らないって凄いですね。

アニオリでもないのに
ここまで酷い原作レイプは初めて観ました。

むしろアニオリでレイプされてた方が
幾分か気持ちが楽だったかも知れませんね。


話の流れ、進行に若干の前後はあります。改悪です。

漫画とアニメは違うにしても
魅せ方の作り方は似ていると思います。

原作では漫画として
くっきりはっきりと魅せのコマを置いてありますし、
キャラクターたちの心の機微も
きちんと表現されています。

どこいったんですかね・・・・



粗いだけの中身のないパラパラ作画は
目が腐ったかと錯覚させられてしまうほどです。
(原作から夢を含まらせ過ぎた弊害)

表現しなくちゃいけないところを
ゼロカロリーで消化すんな。


心の機微なんて気にしようもないほど
淡々と飄々と
「何か言ってる、何かしてる」時間がただ流れているだけ。


声優も被害者だよ。

名のある声優もいらっしゃるけど
配役が総てを無駄にしてる・・・?

いや、そもそも演技をさせていないようにすら感じます。

適当に朗読させられてるような
気分が上がったらたまに燥いでもいいですよ
くらいの指示ですかね?

作画と噛み合ってないんですよね。
全てがちぐはぐな気がします。


まだまだ
書き殴りたくて仕方がないのですが
ここいらでやめておきます。

お目汚し失礼致しました。。

音楽は
作品の内容に沿った素晴らしいものです。


後世に残る傑作を使って
誰も見向きもしない作品を仕上げた
考えさせられる作品でした☆






(( イキュラス・キュオラ))

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

考察勢向けニッチ作品ですね。原作はみんなついて行っていたの?

「昔は人気だったとか」「原作と違って作画が」とか言う評価もありまいたが、本当でしょうか?

 本作の面白さは少なくともSF的な考察です。完全にサブカルSF考察厨のニッチ向けです。
 最後で比較的まともな説明があったので、かえってびっくりするくらいでした。そこは種まきしておいて考察させようよという気もします。

 この話、みんなついて行けていたのでしょうか?どう考えてもストーリーに首を傾げながら見るような感じです。それとも人間ドラマに見るべきところがあって人気だったのでしょうか?

 それと原作の絵は検索でチェックした程度ですが、正直アニメと大して変わりませんでした。


 さて、本編です。考察の要素ですが、地球を壊すという意味2人分、アカシックレコードは結局だれが得た、アニマアニムスの正体、半月と稲近の特殊扱いがどういう意味なのか?時間経過のSF的扱い、特殊な空間の人物はいつの人物か?などを考察して行くと答えらしきものが見える気がします。

 特にさみだれが地球を壊したいという意味については哲学的な死の意味に通じるところも出てきます。
 12人の使途はなんのモチーフかとか正体についてはちょっとずっこけました。
 ストーリー上いろいろな人間の思惑はありますが、基本こんな感じで押さえて行けば素材は一旦必要十分は整います。

 ただこういう要素があっちこっちに散らばっていて、初見だけで理解できるかなあ、という感じはします。特にアニメはペラペラ紙を捲るような考察がやりづらいです。

 私は20、21話を先に見て、タイムパラドックスどうなっているの?という視点で見ていたのでなんとか初見でも、ひっかかる場所はブックマークを脳内でつけられましたので、戻る手間はそうでもなかったですけど、視点が人間関係や12使途などに幻惑されると厳しいですね。

 タイムパラドックスの明確な回答は無いですが、時間遡行により世界線が増えるイメージの説明と、未来が変わるような説明、未来と過去の因果の逆転を許容するような説明が混在し、不思議な感じがしました。ここは言葉足らずですね。人の動きと関連は理解できますけど。

 本作がなぜサブカル系に分類されるかわかりました。少なくとも分かりやすいエンタメではなく、SF的な視点で流れをつなげるという楽しみを見出すのだと思います。
 やっぱり「ブギーポップ」を連想します。あれの面倒くささに通じます。「ザ・ラノベ」と言うくらいクリエータへの影響が大きな作品なので、本作の原作者も読んでいるのでは?

 本作原作者とアニメ化に挑戦したクリエータの、壮大で頭を使う展開にチャレンジした精神には素直に敬意を表したいと思います。

 5話までがちょっと気に入らないので、マイナスポイントはありますが、68点くらいはつけて良いのでは?5話まで上手く作っていれば75点という感じです。SFだけなら80点くらいかなあ。
 



21話までレビュー

 途中見てなかったですが、2クールもクライマックスなので確認のため20話~21話の説明を聞いてえっ?何それ?となりました。若干戦闘シーンなどとばして遡りながら確認しましたが以下の部分不明です。

 5話で断念していたので、改めて見返すとアニマ・アニムスという主要キャラが重要みたいですね。

「アニマ・アニムス」はユング関連でネットで調べればわかると思いますが、この名前を対にして冠したことが何かテーマ性や思想性がありましたでしょうか。神とか宇宙が出てくるのでそれっぽく説明は出来るでしょうけど…
 そもそも兄妹の{netabare} 未来人超能力者{/netabare}という「設定の説明」はありましたけど、アニマ・アニムスの存在理由というかどういう存在なのかの説明がありません。

 アニマ・アニムスの名から言って、さみだれ夕日の関係性が逆に起点で、病気や母親に関連して未来に何かを産み出した、みたいな読み取り方も考えましたが、どうも違います。つまり、最後に突然設定を出されて「はい、これが答えです」という「進撃の巨人」的な設定で設定を収束させるようなのイメージを抱きます。で解決方法が{netabare} 超兵器{/netabare}って…


 あるいは地球に対するハンマー=破壊の象徴だと思いますが、この破壊の意味性って時間をさかのぼりたいっていう欲求?ハンマーは子供っぽさの表れ?
「さみだれ」というわざわざ通常人名にしない名前を持って来た意味は?12人の気象現象を各名前にした意味は?そもそも12人の意味は月別ってこと?12使途とかではなく?

 そもそも{netabare} 未来の地球が壊されてもどこかでアニムスが退治できれば、未来は無かったことになる?タイムパラドックスは? {/netabare}
 ここの説明が無い気がします。

 土人形VS12人の騎士はルールだけの問題かよ?という突っ込みはさておいて、そこのドラマに意味がないとは言いません。ただなあ…さみだれ夕日とアニマアニムスの因果関係性が逆転するとか、何かないかなあ?
 あと精霊はアニマに以前会っていたような感じですけど、いつ会ったの?

 なお、秋谷が{netabare}アカシックレコード持ちで、超能力者、かつタイムマシンの話題があるとすると…秋谷は時間を越えられ…るのかなあ?そこは言っていない気も。ただ、あの本の読む因果関係の前後がなあ…つまり、因果関係=タイムパラドックスはこれで解決しているということ?
 うーん。いっそ輪廻の話?そもそもアカシックレコードが欲しいっていう設定はどうなってるの?もうどっかにあるってこと? {/netabare}アニムスが地球壊す意味は?
 あとカジキと老人ですから「老人と海」ってなんか関係ありますかね?力を振り絞って最後の航海…少年との交流…まあ、雰囲気だけかもしれません。 

 さみだれが、地球が欲しいことに対して何か意味合いがあるのでしょうか。病気を治さないという理由が「年を経た魂」ですから、この魂設定ってなんでしょうね?この魂も唐突でした。


 以上のようなことが最終回で説明あるんでしょうか?それとも考察するとわかるのかなあ…ただ、救いがあるとすれば、最後まで話が描かれそうですね。それだけは大変よろしいかと思います。

 で、言われている作画どうこうは、私は別に気になりません。むしろ1話~5話くらいの導入部のエピソードに、今の視聴者にも興味がひかれる工夫が足りない気がします。
 あと、この内容を2クールでやっても恐らく今の視聴者はついてこれないです。ブギーポップとかと同じですね。原作を読んでいることが前提になる気がします…私も画面だけだと理解しきれている感じがありません。

 評価は一旦オール3に戻して、視聴中にします。最終回確認してからですね。


22話 〇〇〇年って…そういうこと?

 アニムスの〇〇〇年はいる…ってそういうこと???偶然の一致のわけないですよね。マンガ原作なんだから。
 うーん。あんまり似ている感じとか同一人物っぽくはないですけど…顔の特徴が全く似てないなあ。ただ、彼については唐突な設定だなあとは思いましたけど。

 表現的には彼自身じゃなくて{netabare} 答えを教えてくれる人とコンタクトした感じでした。アカシックレコードは別人格でそことつながるという感じなんでしょうか。だから500年もかかるって感じでしょうか。{/netabare}まあ、関連を考察するんでしょうねえ。

 後はさみだれがなんで地球を壊したいか、ですね。


 あ、そうか。別人だけど、習得までに〇〇〇年かかるってこと?やっぱりアレには人格があって、教えてくれる感じなんでしょうか。ただ、どこかでそのタイミングがあるという示唆かもしれません。



以下 初見時断念までレビュー

1話「さみだれ」って名前かい!面白さはこれからかな。

{netabare}  むかし「ぼくの地球を守って」というマンガがあって、なぜかそれと似た話かなあと思っていました。初見であれギャグ?と思いましたが、本作中に以前の記憶的なものもあり、あたらずとも遠からず、という感じでしょうか。物語の構造は騎士集め…というか南総里見八犬伝ですね。

「さみだれ」って涙っぽくて詩的な言葉だよなあとおもってたら、名前かい!という突っ込みを入れたいです。ただ、どうでしょう惑星の涙ととると意味が出てきそうですけど。

 一見ギャグにみえますが、内容は正統派の騎士ものなんでしょう。あらすじ見るかぎり魔王だそうですが、それは視点の問題なので地球を守る側なのか攻める側なのかはこれからでしょう。構造というか視点の逆転で途中からシリアスになる?キービジュアルに「悪い顔」がいますからね。

 天気がモチーフの名前なので環境問題関係ある?と疑いましたがどうでしょうね。地球にハンマー=破壊の象徴ですから可能性はなくはないですが…これは考えすぎでしょう。1話見る限りあまり含意はなさそうです。半魚人(泥人形)が環境破壊の象徴にもみえなくはないですが、正直よくわかりません。

 あと大学生の女性の教授?とヒロインの姉妹ですが、だったらヒロインとの関係がよくわかりません。昔から隣に住んでるんですよね?じゃないと知り合いなのはおかしい気が。田舎だから世間が狭い?ちょっともう1回確認しますけど。

 話の展開がどうなるのかは気になります。面白さは…これからでしょう。{/netabare}


2話 うーん。日常回?1クールで話収まるんでしょうか?説明セリフが多すぎなのは原作から?それともアニメの脚本?

{netabare} 爺さんの確執とかヒロインとの力の差で悩んだりがありますので、必ずしも物語が進行していないわけではないんですけど、ちょっと弛んだ回でしたね。

 ジョギングに行くときにわざわざジョギングに行くってトカゲが言わなくていいと思います。原作の進行はわかりませんが、無駄をどんどん切ってゆく雰囲気がありませんが、ちゃんと完結するんでしょうか?

 お風呂場のサービスショットもちょっと意味が…ギャグなのかエロなのか状況説明なのか判然としません。姉妹が同居しているのは既に1話でわかっていました。これを入れるなら姉妹ってわからない状態にしないと意味がないカットな気がするんですけど。

 おじいちゃんの件もカットバックいれて雰囲気盛り上げておいて「お、これはなかなかいいじゃない」と思ってたらなんか思ってたよりしょぼい事件だし、2話内で説明しちゃうし…

 ヒロインの心情をこの段階でセリフで言わせるのもちょっとなあ…そういうのは地球に対する愛情をエピソードか設定で見せてもらってからのほうがいいかな。好きだから壊すは心理としてわからなくはないですけど、今のところセリフの上滑りで感動に結びついてないですね。

 どうせ説明しちゃうなら、ここまで1話で入れられたと思うんですけど…物語の密度が薄いなあ。EDとか見る限りあと5,6人は集めるんですよね?だとすると1クールで終わる期待は薄いかな…

 あと主人公の部屋の本棚に並んでるのって、横山光輝氏の三国志?色目がちょいちょい変わるので確信できませんが、赤で黄と水色、黒の取り合わせならそれっぽいですけど…伏線なら感心しますが、どうなんでしょうか?

 今回気が付きましたが、本作のロゴの英語タイトルはルシファとビスケットハンマーです。ヒロインがルシファ…堕天使、サタンの堕天前の名前ですね。神への反抗ということならハンマーの正体は神ということでいいんですかな?
 ということは悪魔軍団ただし本当は正義 対 神さま 本当は人類の敵という感じ?

 いろいろいいましたが、面白くないわけじゃないのでしばらく視聴継続ですね。 {/netabare}


3話 ストーリーの骨格は面白いんですが…これは駄目かなあ。

{netabare} なんといいますか、ストーリーの骨格、いわゆるプロットは面白いと思います。ただ、演出と小エピソードが、面白くないです。
 セリフで全部しゃべっちゃうし。これってセリフの両を半分にできないかなあ…と。それで話が通じるような脚本、演出にすれば面白くなりそうなんですけど。トカゲもしゃべりすぎ。モノローグ多すぎです。で、夢で展開しちゃうし。

 爺さんの危篤状態も呼吸器つけてはーはー言ってるだけだし。爺さんとの思い出のカットバックとか…ちょっとやりようがあったと思うのですが。
 爺さんが病気になって気が弱くなって、家族に癒されて…もうちょっと見せ方があったと思うんですけど、説明されてもなあ。

 もちろん、バトルシーンの泥人形の迫力がなくて、危機感が全く伝わってこないのもあります。

 展開で見せない割には、話の密度も薄いし。主人公の泥人形との戦いでの覚醒もまったく迫力もないし、覚悟も見せられないし、爺さんとの確執の解決が何かのくびきからの解放につながって強くなるでもないし。で、結局夢の中で…うーん。

 新幹線のテーブルの表示がやたら詳細だったり、畳の目を作画するなら、もうちょっと力の入れ方がある気がします。

 とにかく冗長で話の展開に切れがなくて、セリフの説明が多すぎて、肝心のシーンに迫力も感動もなくて…これってなんでしょうね?

 OPとか悪くはなかったんですけど…

 もう1週だけ確認しますけど…これは期待値が爆下がりですね。{/netabare}



5話 スケールの大きさを期待したんですけど、冴えない男がジャージで住宅地と公園でトカゲとジョギングするのをずっと見せられても…

{netabare} 本作の原作は途中から面白くなる…らしいですね。だったら、その途中から始めればいいだけの話です。古いマンガなら原作通りにやる必要はないと思います。

 12~13話で、どこまで持っていける、どこで掴んで引き付ける…計算できるはずです。
 本来結末まで描くのがクリエータの責任だと思いますが、昨今のアニメ業界の事情だと仕方ないなら、せめて2クールで作れないか頑張る。だめなら人気を出して2期につなげる。
 
 つまりシリーズ構成が決定的に駄目です。本作の5話までの話はできれば1話かせめて2話で説明しきるか、4話くらいで十分面白いところを見せてから時系列入れ替えてやるべきです。
 もしかしたら6話から面白くなるのか、8話からなのか知りませんが、1話切り3話切りはどうするんでしょう?

 で、アニメの出来は…うーん、話が面白ければ気にならないかな、と思ってましたけど、面白くないので気になりました。4話までも見るべきところが何もなかったですが、5話は完全に紙芝居ですけど止め画すら駄目でしたね。 {/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

62.2 13 騎士で魔王なアニメランキング13位
キングスレイド 意志を継ぐものたち(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (67)
262人が棚に入れました
カイル王が魔王アングムンドを葬り去って100年。平和な時代に見習い騎士のカーセルは生きていた。だが、魔族が近隣に現れたとの知らせからカーセルの運命が動き始める。大賢者に導かれ、頼れる仲間を得たカーセルは旅立つ。封印されし聖剣を求めて・・・

声優・キャラクター
石川界人、加隈亜衣、小澤亜李、河西健吾、鈴木崚汰、南條愛乃、咲野俊介、寺島拓篤、堀江瞬、置鮎龍太郎、伊藤健太郎、松風雅也、中村桜、中恵光城、神田みか、平山笑美、長妻樹里、田中貴子、豊田萌絵、高田憂希、飯田里穂、井上雄貴、村田太志、佐藤元、田所陽向
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

5話までの感想{netabare}
ゲーム未プレイ。
ここまでで色々と「ん?」と思う部分がありつつも様子見してたのだが、5話に来ていよいよもってツッコミをせずには居られなくなって来た。
ローレインの初登場シーン、状況があんななのに態度が余りにも余裕ぶってて…いやこりゃアカンでしょ。
まるでカーセルが聖剣を持つに相応しいかどうか見極めるためにチビを見殺しにした様にしか見えないw
カーセルもカーセルで「キサマ俺を試すためにチビが殺されるのを黙って見てたな!」と斬りかかってもいいと思うのだが…ってか4話見た後そうなるんだと思ってたよ。
100年前カイル王のPTメンバーだったんだし戦闘力が無いってことはないでしょー。
せめて息を切らせて急いで駆けつけてきたって体にしないと…細かいこと言ってる様に聞こえるかもしれないけど、そういう細部の機微が、その、全体的におかしい。
セレネに「カーセルどうよ?」と尋ねるのも、一緒に居た期間って凄く短くね?
たまたまチビ絡みで本性の一旦を垣間見れたからいいものの…ってあれ?やっぱりチビは意図的に生贄にされた?

とはいえ、これ原作はゲームなんだよね?
セレネと行動を共にしたのはシナリオ上で考えると一瞬だけど、ゲームプレイでは結構長いこと狩りを挟む内容だったりして?
えっとこの感覚は2話でクレオが「黙ってついて来て」と引っ張ったクセに、そのタネ明かしを直後にすぐにやっちゃって「なんだよ引っ張る意味無いじゃん」と思ったのと似てる。
ゲームでは一体何なのか分からないままついてくプレイ時間が結構長かったのかな?と思ったり。
まぁ要はゲームとアニメとで時間感覚がズレてるのかも知れない、って話。
アニメ用のイベント内容修正が追いついてないのか?

と、なんだかんだ言ってるのは実は以前ハマってたネトゲのストーリーと似てる部分がありまして。
かつて世界を救った英雄の足跡を追って、当時PTメンバーだった連中を訪ねて回るってのは結構同じ。
実はあんま仲が良くなかったとか裏切り者が潜んでたとか色々あったワケだけど、こっちにもそういうのをついつい期待してしまうw
聖剣エアも何かウラがありそうなことを仄めかしてたし、ちゃんと作れば面白そうな気配はするんだけどなぁ。
時間感覚がおかしいのは演出になるのか?
もうちっとどうにかすれば“PSO2エピソードオラクル”くらいには楽しめそうなんだが…。{/netabare}

7話までの感想{netabare}
6話、100年前に魔王がどうこうで大変な戦争があってそれをなんとか平定したのに…30年前にも戦争あったんかい!
規模が違うとか色々あるんだろうけど、100年前の因縁でダークエルフを迫害するより、30年前の方によっぽど恨みを持ってる人が居てもいいような?
もしくは30年前のイザコザの最中ダークエルフが悪いことをしてたとデマが流されたとかさ。
なんかダークエルフが迫害されてることの説得力が弱まっちゃった感じ。

それよりなにより7話。
依頼人の家紋?の付いた短刀で襲いに来るとか、そんな馬鹿なwww
「足がつく」にしてももうちょい捻ってくれないと、むしろ何かの罠かと思ってしまう。
そして今後ダークエルフに手出ししてこないように約束を取り付けるって…なにか「弱み」を握らなきゃ全っ然安心できなんだが?w
昭和の時代劇でもこんな雑なのは…いや酷いのは沢山あるけどさ、令和になってこんなのを見るとは…。

別に良いんだけど、どうにも雑。
ゲームをアニメ化する際の調整が上手く行ってないのかな?と好意的に考えるようにしてるけど限界あるぞ?{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

とてもあっさり。

オーソドックスなストーリー展開にテンプレイベントなのだが、なぜか話に厚みがない。面白いぐらい残らない。
権力闘争的なものが複雑でなかったり、キャラ数もある程度の数で抑えられており、逆に言うとわかりやすくとても見やすい。真剣に見なくても先がわかる。

後半勇者パーティーより上位の元勇者パーティーは全く前線に立たないし役立ってなかったり、権力闘争は尻切れとんぼ等いろんなものがあっさり進んでいく。
ブラックエッジの話はベルセルクの様になるかなと思っていたら、ある意味ベルセルクのようにあっさりなった。
24話はもったいない使い方をしており、マルドゥークもあっさり。最後は作り手が頑張って盛り上げてるのが見えるがあっさり終わってしまう。

どうせ作るなら勇者側をあっさりでいいので、1/3くらいに纏めて、ダークエルフ側をベルセルクのようにしてほしかったなぁ。

あとドミニクス等元勇者パーティーはなんで年を取らないのかが一番の疑問であった。

100点中50点

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

清々しいほどにRPGテンプレ作品

ゲーム原作みたいです。
第4話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

勇者・プリースト・魔法使い・盗賊(的なスキル持ってそうな人: 作中で何を名乗ってたか忘れた)といった「ザ・RPG」な感じのパーティーで魔王の復活を阻止する(ないしは復活しちゃうけど倒す?)といった感じのテンプレ作品で、キャラクターデザインは悪くないかもしれないけどこれといったウリはなさそうなアニメ。

聖剣の名前も「エア」とか、実際の伝承にある聖剣の名前でありきたりです。

弓使いのエルフがパーティーに加わりそうとか、勇者パーティー以外にダークエルフの兄妹のストーリーが別トラックで進みそうとかはありますけど、たぶん無理して観るほどの作品にはならないと思います。

まあ、テンプレなりに大失敗もしなさそうではありますが…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16

68.4 14 騎士で魔王なアニメランキング14位
最強陰陽師の異世界転生記(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (214)
728人が棚に入れました
強いだけでは幸せになれない。たとえ、最強の陰陽師だとしても。 並ぶ者のいない天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は、朝廷からの裏切りにあい、命を落とそうとしていた。 次の生でこそ幸せになりたいと決意し、自ら生み出した秘術・転生の呪い(まじない)によって異世界に転生する。 そして、セイカという名と新しい人生を手に入れた。 「前世の自分に足りなかったものは狡猾さ、今世では上手に立ち回り幸せな生を手に入れる――――」 最強の陰陽術と強力な妖怪たちを従え、彼の進む先に待ち受けるのは、望んだ平穏か、それとも・・・。 いまだ誰も目にしたことのない、最強の陰陽師が挑む異世界ファンタジーが始まる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

狡猾に 策を巡らす 怨霊の 掴みし幸は 花霞かな

原作小説『最強陰陽師の異世界転生記〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜』はweb版、ラノベ版共に未読。

【物語 3.5点】
シリーズ構成・脚本・待田 堂子氏。
私が好相性を感じている書き手の一人。
伏線の強調の仕方が、しつこ過ぎず、分かりにく過ぎず。
私にとって丁度いい塩梅なのが心地良いです。

終盤、主人公セイカ・ランプローグが(※核心的ネタバレ){netabare} 魔王{/netabare} でしたという件にしても、
道中セイカはチョットやばい奴だぞ?という布石が、
アンテナ張っていれば捉えられる程度に、さりげなく置かれていたので、
唐突感なく受け入れられました。

ラストの(※核心的ネタバレ){netabare} 勢力均衡を保つ人間界と魔界。
魔王を倒す勇者伝説など疎ましい。{/netabare}
この世界の大局提示も上々でした。


世界観・設定によるシナリオ明快化もまずまず。

主人公最強な転生者の陰陽道が、洋風ファンタジー世界にインパクトを与える構図。
和と洋。設定のコントラストで展開が捉えやすかったです。

転生者の主人公は前世で力を持ちすぎた陰陽師として忌避されハメられた反省を元に、
現世では狡猾に立ち回り幸福を掴むことを人生の目標に据えている。
けれど狡猾に掴んだ幸せなど虚しいものではないか?
元の優しいセイカのままでは幸せになれないのだろうか?
葛藤のテーマも明確。

ただ、テーマについては前世、狡猾以前にセイカが、力がなければ幸せになれないと悟ったいきさつ。
そもそも前世で謀殺された詳しい経緯。
過去の掘り下げは持ち越され、やや不完全燃焼。


私は脚本家や和洋折衷な世界観を始め、気になる要素が多数あったので美味しく頂けました。
ですが、お話自体は、量産型の異世界転生物。
結末も、やっと基本的な方向性が示された所で終わる俺たたENDの典型。
オススメ度となると、お暇でしたらどうぞ位の学園系の異世界転生アニメです。


【作画 3.0点】
アニメーション制作・スタジオブラン

凡庸。

洋風モンスターたちの描写。
いくら原作タイトルで弱過ぎると酷評しているとは言え、
この作画では、ちょっと倒しがいがない感じw
特に初回、巨大モンスター出現!と期待したら、
{netabare} ただのドでかいオオサンショウオ?{/netabare} だった件はズッコケそうにw

一方でセイカ配下の妖怪たちなど和風モンスターについては、
襖(ふすま)が開いて召喚される中々の演出で魅せる。


それにしても魔法学校の学生服デザイン。
スカートの丈が短くて実にけしからん(笑)

普通、魔法学校の制服と言えば『ハリポタ』ホグワーツのロングローブや『まほよめ』2期学院のハーフパンツにロングコート辺りが定番でしょう?
あんなミニスカじゃ下位の風魔法演習とかでパンツ見えちゃいますよw
と私はツッコミながらも、ついヒロインズの絶対領域に目がいっちゃうわけですがw


【キャラ 4.0点】
ヒロインズ。
セイカの奴隷だが精霊魔法使える金髪ロングのイーファ。
今世代の勇者でセイカとは冒険仲間意識が強い赤髪ショートのアミュ(八重歯、下ネタ付)。
色々隠し事が多そうなクール系な後輩赤髪ショートのメイベル・クレイン。
あとは予言系の聖皇女とか。

色恋沙汰には興味なさそうな前世陰陽師の少年の周りに、
恋人ポジションからは微妙にズラして美少女を配置する。
鈍感ハーレム人物相関のバリエーション。

ただ、どういう都合なの?との疑問や違和感には、答えを用意しているキャラ設定ではある。
何でイーファは奴隷なのに凄い魔法適正があるのか?
→{netabare} エルフの血筋でした。セイカから離れろ展開。{/netabare}
何でメイベルまで赤髪ショートなのか?アミュと被ってるじゃん。
→{netabare} 地毛は青髪。背負った宿命も背筋が凍る凄惨さ。苦手のお勉強で高飛車を崩される。ただし私は赤髪のメイベルの方が好きです。{/netabare}


もう一匹ヒロインズとも言えそうな狐妖怪ユキ。

前世からの縁で、セイカが転生者であることを知る数少ないキャラ。
現世では狡猾に生きると言うセイカに、目立ち過ぎでは?あの娘に肩入れし過ぎでは?などと進言したりする配下。
要所でセイカの葛藤を整理、言語化することで、主人公を拡張しテーマも深める献身ぶり。


【声優 4.0点】
主人公セイカ役には花守 ゆみりさんを指名オーディションで起用。
この手の転生者の役には、外は少年、中身はおっさん。狡猾に子供を使いラッキースケベをいなす。
といった難解さが付きまといますが花守さんは好演。

大人の中身が滲み出る主人公モノローグも、前世の陰陽師ボイス担当の梅原 裕一郎さんではなく花守さんが全対応。

さらに陰陽道独特の詠唱呪文もこなし、果ては月下で短歌を詠みながら敵を始末し、寒々しい和風ムードを演出する万能ぶり。
私も感心のあまり僭越ながらレビュタイで一首詠んじゃいましたw

花守さんの転生少年ボイス。もっと聞きたいです。


異母兄弟のセイカにつっかかるランプローグ家の次男・グライ役には上村 祐翔さん。
良く吠える噛ませ犬ボイスで主人公無双を引き立てる。
その後も続くグライの人生。価値観の変化もカバーする。
この手の波乱万丈の乗りこなし方はお手の物です。

その他、ヒロインズだけでなく、敵、モンスター、妖怪役にも実力者が配されキャスト陣は安定。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は桶狭間 ありさ氏。
その名の通り古戦場出身で、和風と洋風の往復をカバーする守備範囲の広さが魅力。
今後も共作で参加が決まっているアニメ版『薬屋のひとりごと』など東洋風サウンドに期待したい劇伴作家です。

OP主題歌はangela「RECONNECTION」
デビュー20周年。32ndシングル。確立した音楽観を持つベテランユニット。
エレクトロ成分と和風サウンドを混在させても崩れない安定度で世界観を支える。

ED主題歌はヒロインズ3人による「リンク」
個別キャラ回のソロ歌唱にも対応したバラードソング。
EDアニメのセイカ+ヒロインズのパーティー編成で気ままに冒険する穏やかな日々。
本当の幸せはまだまだ遠そうです……。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

人間不信の某賢者が陰の実力者に成り上がるようです

腹黒主人公のキャラ性には独特な魅力を感じましたが、異世界転生もの作品自体に内在する
限界性みたいな壁にぶち当たり、目新しい展開もなく、異世界転生もの作品の宿命の如く
見事失速して逝ったような結末でありました。

{netabare} 「メイ【ベル】」の死亡フラグはしっかり機能していたようでありまして
それが個人的に満足できた点であります。

「転生腹黒キャラ」の正体が「魔王」であったのでこのような展開になったわけであります。

「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」にも似たところありますが
主人公が魔王設定でありますので「まおゆう」系の「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」
の影響の方がかなり強く表れていたように思います。

最終話にかけての主人公である「魔王様」のご乱心?は友達のために必死になった
ということでありまして、前世において裏切りに遭い失敗人生を送った反省として
転生後には友情や信頼関係を大事にするようになったというオチだったようにも思いますが
今一つ視聴者には伝わってなかったような気がいたします。

主人公は最強魔王なので戦えば当然勝つに決まっており、それではテーマもくそもない
ということで、何のために戦うのか?ということに重点を置き友情物語を描こうとした
ようですが「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」と同じ着地点という意味では、
なかなかに評価も難しいということになるのかもしれません。 {/netabare}

●邪眼の茶番

幽遊白書みたいなキャラの5人衆が登場し {netabare} ジャンプ系バトルが始まります。
ちゃんと兎タイプのケモ耳フレンドも漏れなくいるのはお約束というやつですね。

邪眼率多めです。
みんな大好き【プロビデンスの目】でございます。

もしかしたら【プロビデンスの目】を得た対価が高くつきすぎたのかもしれませんが
腹黒主人公により邪眼チームは敢え無く瞬殺であります。

ジャンプ系バトルを長々やられても困りますが、主人公が強すぎて
盛り上がるところもなく、意図不明な展開でありました。

ただ一つだけ見るべきところがあるとしたら、「メイ【ベル」」の活躍と言いますか
「【ベル】の第1法則」、即ち「死亡フラグ」の発動が彼女の出番ともに現れるという
ところで、セオリー通りでお約束通りのフラグにより邪眼チームは全滅というオチでした。{/netabare}


「【ベル】の第3法則」

話は「メイ【ベル】」 {netabare} 兄妹のシーンに戻りますが、もしも兄がトーナメント王者に
なっていたならばどうなっていたかについて言及いたしましょう。

もしも優勝したならば兄は頭蓋骨に穴をあけられ洗脳手術みたいなことを施されたのであります。

これと全く同じような手術法がありまして、これを「ロボトミー」と言います。
今では禁止となったこの「ロボトミー」は「ノー【ベル】賞」を受賞しました。

「メイ【ベル】」の兄に「ノー【ベル】賞」の「ロボトミー手術」を施すのですから、
これは完全に狙ってやっているとしか考えられません。

ということでこの事例から導かれる「【ベル】の第3法則」は{/netabare}「災いの発動」でございます。



●【メイベル】回収!

【メイベル】が似非 {netabare}勇者という設定も興味深いですが、それよりも
「邪眼」の殺し屋と兄妹だったというのには更に確信犯的なものを感じます。

「邪眼」や「魔眼」は【プロビデンスの目】を表すものですが、それと【メイベル】が
繋がると言うのはとても重要であるように思います。

そもそも【メイベル】は邪眼の兄に殺される役目を負っていました。
という意味では【生贄】に捧げられる立場であったわけであります。

【プロビデンスの目】とは「全能の目」でもありますが、それを得るには代償が
必要になります。

そもそもは「左目」や「右目」を失い、「新たな目」を得るという流れであったのですが
【ベル】が絡むことにより【命】まで取られなければならないことになったようです。

ここで判明した【ベル】の第1法則、それは
【ベル】は死亡フラグとして機能するということであります。

ちなみに四葉のクローバーは「4」という数字を表しますが、これが2枚だと
【8】を暗示することになり、「※願い事」が叶うわけであります。

兄が妹の生存を「※願った」のであれば、【ベル】は等価交換変換装置として
機能したと言えるのかもしれません。

そして【ベル】の法則は他でも{/netabare}機能するものと予想されるのであります。


●ゴースト・イン・ザ・「なろう」
やはりという感じで、なろう系にありがち展開発動します。

総合{netabare}武術大会に出場という展開はある意味お約束ですが
それよりも注目すべきことは、その大会に出場すべく選ばれた新キャラの存在であります。

その名は【メイベル】。明らかにラスボス級の猛者であります。
「金装のメルヴェイユ」の「ヴェルメイ」に名前が似てるのは偶然でしょうか?

「SPY家族」と「ノケモノたちの夜」では「ブラック【ベル】」
リコリコでは「リリ【ベル】」。「水星の魔女」では【ベル】と言う名の魔女が。

探してみると【ベル】という名のキャラは意外と多いようですが、
これはただの偶然でしょうか?

これは恐らく狙いあってのことであると推測いたします。
何故そう思えるのかと言えば、【ベル】には特別な意味があるからであります。

そして、そこである種の疑問が浮かび上がるわけです。

なろう系作品と言えば素人当然の作家が書いた物語でありまして
そんな素人レベルが【ベル】という名に込められた意味を知り得るのか?
という疑問でございます。

【ベル】は貴族にありがちな名前とか言う話でしょうか?
恐らくは【メイベル】も物語上「ブラック【ベル】」と同じ性質が示されることなるでしょう。

もしもそうだとしたら、なろう系作家とは「ゴーストライター」ではないか?
という疑惑が確定的なまでに濃厚になると考えるべきなのかもしれません。
と言うことで、以降【メイベル】の動向から {/netabare}目が離せなくなりました。



陰陽師という最強無双チートが異世界転生するとなれば、火を見るよりも明らかに
いつものなろう系展開になるだろうと予想してしまいがちですが?

前世で謀略に嵌めこまれ不本意な結末を迎えることとなったのを悔い、
次こそは自分の至らぬ点を克服し、リベンジを果たそう決意
新世界でリスタートを切った、そんな主人公の性格が中々にいい感じに腹黒で、目的のためには手段を択ばない冷徹さやマキャベリストな感じのキャラ性が
良い味を醸して出しているような好印象を受けた次第であります。

主人公同様一癖も二癖もある最強女勇者系ツンツンヒロインと出会い、この度
男女混合{netabare}ダンジョントラップに見事二人っきりで嵌りますが、この試練こそが
最大の見せ場であったように思われます。

人間不信のクール系主人公とバトルジャンキー系ツンツンヒロインの凸凹人間関係にダンジョン効果が
相互理解の架け橋を渡し、不器用な二人の人間関係に明るい兆しが見えたというオチについては
なかなかに独自のチート能力を有効活用しているようであり、主人公のキャラ設定や
声優のクールヴォイス含め、すべてがうまく機能していて大いに納得の行くところでございます。

今回序盤での突如上からものが落ちてくるシーンでは、主人公の片目をクローズアップ
するという表現=「魔眼」表現で伏線もばっちり決めるあたりも、中々に卒が無いと言えるほど
巧い事まとまった回であったように思います。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

陰の実力者になりたくなくて

私は結構好き

話は面白くないし、最初は主人公の人を見下した態度があまり印象良くないけど、物語が進むうちに主人公の印象も良くなってきて、見ていて退屈とか嫌な気持ちになる作品ではなかったです

【見どころと欠点】
{netabare} 主人公以外のキャラの魅力を描こうと頑張ってるけど、主人公が全部美味しいところ持っていくのでヒロイン達の見せ場が足りないところは残念かな?
特に勇者なんてこの設定だと話の軸になるはずなのに、全然目立ってなくてただのハーレム要員Aになっちゃってるので物語の軸が弱い

でも、人間の権力者と魔族側が争いの火種を消したいから勇者と魔王を邪魔に思っているということが終盤わかって、主人公が自分の強さに酔ってるだけのイメージから、親しい人を放っておけないイメージが強くなっていく物語の展開の仕方が良かったし、安っぽいシリアスシーンを使わずにそれを描けていたので、終わってみれば満足感のあるストーリーでした

{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

65.5 15 騎士で魔王なアニメランキング15位
Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (164)
522人が棚に入れました
どんな壁だって、二人でなら乗り越えられる! 商人として日々働いていたバナザは、突然クライロード魔法国という見たことも聞いたこともない異世界に「勇者候補」として召喚される。 だが、Lv1の能力が一般市民並みだったことで勇者失格の烙印を押され、さらには国の手違いで元の世界に戻れなくなってしまう……。 王都から辺境へ追放されたバナザが、なんとか生き延びるべく森で襲い掛かってきたスライムを撃退、Lvを2に上げると彼のステータスは見慣れない「∞」の記号に変わっていて──!? これは、名前と姿を変えて異世界で生きることを選んだ「超越者」と、敵対する人種族に恋した「魔族」との波乱万丈な新婚ストーリー。 あらゆる種族を巻き込んで──目指せ、平和なスローライフ!

声優・キャラクター
フリオ:日野聡
フェンリース:釘宮理恵
バリロッサ:山根綺
ブロッサム:日野まり
ビレリー:広瀬ゆうき
ベラノ:稗田寧々
金髪勇者:村田太志
ツーヤ:高橋美佳子
第一王女:川澄綾子
サベア:井口裕香
ヒヤ:堀江由衣
ゴウル:前野智昭
ウリミナス:田村ゆかり
ダマリナッセ:伊藤静
ユイガード:楠大典
フフン:新井里美

こま さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

1話視聴。主人公は商人だった気がするよたぶん。

2023年10月時点でシリーズ累計発行部数は200万部を突破している。
やっぱり売れてるんだねー。まあアニメ化する作品だもんねw
何時もの日本から異世界転移ではなく異世界から似ている異世界へ転移作品。


システムって言う便利な機能があるのに全く活用しない。
このシステムと会話が可能なのにこの世界、魔法、自分のステータスについても聞けたはずなのに全く聞かない。
馬車で移動中に「この世界について知らないので教えて欲しい」とか言ってたのは何だったんだろう?

幾つか何時ものなろうツッコミどころ。
1つ目。
レベルアップによるステータス表示が数字から♾️に変わってるのに何故か聞かない、ホントに何で?無限は元いた世界には無いと言っているのに。
商人(๑˃̵ᴗ˂̵)

二つ目。
召喚した国が主人公を殺すため魔物を呼び寄せる仕掛け、死んだら回収その他が魔法袋に施されていた。
それをシステムが「仕掛けを解除しますか?」と聞き主人公は頷き簡単に解除してしまうのだが。
ここで主人公、こんな簡単に解除出来るのに何でかけたんだ?とか言う始末。
自分が解除したわけでもないのに簡単とは?解除したのシステムだよ!
…システムがこれについて説明する事も主人公が聞く事も無かった。
商人\(//∇//)\

三つ目。
ちなみに中身は金貨、銀貨10万、家を建てる魔法、武器に服色々。
ただし中途半端、お金はそのまま、何故か服はボロボロ武器は品質が悪いと言う、それなら何も入れなかったら良かったのでは?
もちろんお金はふつうに使える!服も魔法で修復!やったね!
(=´∀`)人(´∀`=)

4つ目。
浄化魔法が森全体を浄化したのに元のステータスが1桁(一般人)だったからと言うよく分からない理由で納得、特に驚く事もシステムに聞く事もなかった。
ちなみにここは人間に害をなす魔素があるので危険とシステムが言っている。
システムは気まぐれ。
商人\(^ω^)/

5つ目。
この浄化でレベル360くらいまで上がっている。
もちろんステータスは♾️なので知らないし分からないものは分からない。
…主人公は聞かず。
商人(●´ω`●)

6つ目。
この後、街に行くために使った転移魔法も勝手に納得。
転移魔法ってこんなに簡単に使えるんだ!じゃあ一般人も使えるよね?
コレまた自分の中で納得。もちろん聞かない、聞くわけがない。
この後の展開も何となく察するだろう。
商人(`・ω・´)

7つ目。
転移魔法は大魔導師にしか使えないんだ!やったね!
ギルドに行くと少女が困っていた!…ので自分が転移魔法で連れてってあげるよ!
もちろん回りにいた連中は疑うが王国お抱えのパーティにだけ知られてしまう!ドヤァ!
実はこの少女魔王軍四天王の1人の妹だった!「妹」ここ重要だよ!
とりあえず適当に魔法を使うぞ!ドヤァ!

…ちなみに魔法はいくらでも調べる機会はあった。
何故か特になにもせずに転移魔法使ってる。
森の浄化が終わったタイミングが1番良かったんだけどね(トオイメ
商人(´・ω・`)


どうなるか想像はついたが2話以降をマンガで確認。
うん!知ってた!
…ただ思ったよりも凄かったよ!流石に引いたね!
それとマンガも中身は同じだよ!

最後にまた主人公について。
召喚後は元の世界に帰りたいけど帰れない、なので世界について調べたいとか言ってたはず。
レベルアップでシステムとの会話が出来るようになってやったー!コレで世界の事が分かる!コレで勝った!!
…主人公「聞かない」⁉️
一応商人だった…見間違いじゃなければだけど。
この世界に来て頭がおかしくなったのだろうか?

1話切り。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

言いたい事は色々出てはくるけれど・・・。

転生系なろう系のテンプレをキレイに踏襲しているw作品としては、まぁまぁ観れた感じ(超個人的感想)。

私は、リトライを(ry・・・なのでw。


さてと、とは言ったモノの、いろいろな人物、いろいろなモノに既視感を多数感じたのは事実という事でw。
正直、なかなかにキビシイところも多かったのも間違いのない事実です。


ちょこっと、他の方のレビューを拝見したところ、いやぁwキビシイレビューが多いですね、わかります、解りますよー。

まぁ、好みだった点としては、テンプレ要素満載、既視感満載だったもののキャラが・・・キャラが何とか生きていた。
声優さんパワーもあるのかもしれませんが、軽いフットワークで何とかキャラに光が宿っていたような気はします。

物語も・・・、ポイントポイントで思いつく作品をあげれば片手は余裕で埋まるという感じで・・・。
「転スラ」とか「盾の~」とか・・・、これはここまでにしましょうかwマイナー系もいれると愚痴に変わっていきそうで怖いw。

典型的な俺TUEEEなのですが、一応主人公のポリシー的なものが争いを好まず、みんな仲良く系だったので、イヤミ具合は少なかったですかね。

一緒に召喚されたダメ勇者の方も、ヘイトを集め続けるのかと思いきや、キレイな落ちぶれっぷり+健気な(計算高い)お供の者まで連れての大下降線。
これはこれで、タイムボカンシリーズの悪役を彷彿とさせる様式美もありましたね。
あの空気の抜けるようなセリフ回し、声優さん発なのか、誰かからの指導があったのかもしれませんが、ダメダメの個性が発揮できていたと思います。
・・・まさか、リアルでフガフガ声優さんてことはないよね・・・w。

さて、全体的に確かにまったり雰囲気は醸成できていたと思いますね。
そして、私の割と好きなパターン「仲間が増えていくパターン」でしたので、最後まで観れたのだと思います。
まぁ、ただ仲間が増えていくだけなら当たり前なのですが、信頼関係やいろいろなモノを越えていくパターンが好きなんですねぇ。
だた、新しいのが出てこればいいってもんでもないんです。

一応、続けられるように終わっているとは思うのですが、実際は難しいかもしれませんね。
何人か、今後の動きが気になるキャラ達もできたのですがね。


音楽は、OPは狙い過ぎだとは思いますが、まぁ、可愛らしかったですね。
既視感という意味では、「うる星やつら」のOP「ラムのラブソング」に寄せていた気がしています。
令和の「ラムのラブソング」感がしました。

・・・まぁ、良かったんじゃないかと思います。

EDはデフォルメキャラが可愛らしかったのですが、少しやかましくて苦手でした。


キャラは・・・

フェンリースは可愛らしいとは思ったのですが、少し狙いすぎ感と声が少しキンキンして苦手でした。
ただ、やはり既視感と苦手感がありました。
好きな人は大好きになるキャラかもしれません。

フリオは、ポリシーは割と好きだったのですが、個人的には、毒にも薬にもならず・・・って感じでした。

バリロッサは、割と好きなキャラでしたね。前述した今後が気になるキャラの一人です。主に魔王ゴウルとウリミナスの関係性についてですかねw。



一般的には、少し厳しい評価になるでしょうねぇ。
それは解ります。
これだけ異世界系なろう系が乱造される中では、飽きや慣れ、マンネリ感が付きまといます。
個人的には、そういう意味では斬新では無いものの、違う雰囲気を出そうと頑張っていたところも感じはしたのですが・・・、やはり、多くのテンプレ要素に埋もれ気味になってしまっているかもしれません。


強くオススメはできないものの、さらっと見れるのも確かなので、ジャンル的にお好きな方で、お暇なときにでもどうぞ、って感じですかね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テンプレチート異世界転生です。それ以上でも以下でもありません。

 最終話(12話)まで観ました。 2024.06.27

 11話から温泉へ行って、12話でフェンリースと子づくりしましたとさ。

 まぁ、何と言うか…。人族と魔族の戦いも、魔族の発する魔素により人と共存出来ないとか色々な設定がどこかに行っていまっています。

 結局、家と家畜と家族が平穏無事なら後のことは興味が無い小市民が世界のミリタリーバランスを保っているという、なろうにありがちな歪な構造の物語です。

 魔族と人族、それ以外のデミヒューマンとの関係もフワっとしているし、ギャグで逃げ切りを図っている感じが良くありません。

 魔族と人族の戦争は、容赦無い殲滅戦じゃないの?戦争中、ゴブリンが森にいたエルフの幼女の頭にフルスイングで棍棒を叩きつけようとしていましたが?

 これ、主人公が助けに入らなかったら、今期一のグロ映像になるところでしたよ?

 フェンリース他、キャラは可愛くてよいのですか、そもそも何で獣人魔族に主人公は惚れるのか?特殊性癖なの?

 なろう如きに、整合性を求めるのは愚の骨頂ですが、何か釈然としない物語でした。

……………………………………………………………………… 
 6話まで観ました。2024.05.14

 いや…展開が早いな…。魔人や魔女が復活して、フェンリースは胸の谷間を上手く斬られて倒れるも時間が戻って、全ての魔法を極めた魔人が従者になる…。

 主人公、ブチギレオラオラムーブをかましますが、こんな調子で暴れられたら怖いですねぇ…。

 チート転生、転位野郎には女をあてがって、素人に手を出さないようにしないといけません。

 無目的なチート野郎の脅威を垣間見た6話でした。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.05.01

 釘宮理恵さん演じるヒロイン、フェンリースの可愛さのみで話を作っている感じです。騎士団四人娘も同居してウハウハハーレムです。

 主人公にヘイトを集めない様に、美少女達と同居しながらもそれ以上発展しない、いつもの展開…。安心ですが、主人公は人間なのかな?

 魔王とも仲良くなって、嫌なことがあったら拠点ごと転位魔法!チート能力でどんな敵が来ても無問題!あらすじも何もあったもんじゃありませんね。

 近所に核弾頭が放置されている様なもんで、異世界人も大変ですね。

……………………………………………………………………… 

 初回観てのレビューです。2024.04.09

 召喚されたけど追放、レベルが上がったらステータスが∞になって…。良くあるやつです。

 キャラクターと作画はまぁまぁな感じです。ステータスオープンで状況も分かり易い!冒険者ギルドもあって、簡単に登録出来る!既視感はありますが…。

 ただ、ここからの展開が何かおかしいです。主人公、ギルドで少女の護衛任務を受けますが、少女は主人公が馬車で20日間かかったテラロザの森に行きたいそうです。

 いやいや…、遠すぎだろ…。歩いて行ったら何日かかるの?女騎士パーティーも絡んできますが、不自然な感じです。

 ちょっと、話の作りが雑じゃね?主人公の俺tueeeeeee!をやらせるために無理しすぎな気がします。

 これから間違い無く俺何かやっちまいましたかハーレムになるので、視聴しようかどうしようか迷ってしまいますね。
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

66.3 16 騎士で魔王なアニメランキング16位
ドラゴンクエスト ダイの大冒険[DRAGON QUEST](TVアニメ動画)

1991年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (138)
646人が棚に入れました
かつて、勇者アバンとその仲間たちによって、世界を席巻した魔王ハドラーは打ち倒された。 平和を取り戻した地上において、魔王配下の怪物たちは邪悪な意志より解放され、人里から離れて暮らすようになった。そんな場所の一つ、南海に浮かぶ絶海の孤島デルムリン島に、たった一人の人間がいた。 十一年前、難破した船からこの島に流れ着き、かつての魔王の側近であった鬼面道士ブラスに育てられた、その少年の名はダイ。 友達のゴールデンメタルスライム、ゴメちゃんと共に、勇者に憧れる彼が、本当に世界を救うことになる未来を、そのときは、まだ、誰も知らなかった。

キリン  さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

アバンストラッシュが出来ない

「マヌケなテンポの歌だな~」
と思ってしまった主題歌
作曲誰よ?
すぎやまこういち大先生でした。
「あ、・・・・よく聴いたら、味わい深くて重厚なメロディ
それでいて静と動、戦いと平和を彷彿させる
表現の限界がまだ見えてこない、あぁ自然と涙が・・・」
という感じのOPとED

週刊少年ジャンプに連載していた
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』です。
こちらもアニメ『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』同様
ファミコンソフト『ドラゴンクエストⅣ』の発売前に
連載がスタートしました。連載前の読切の時点で
ドラクエⅣのモンスターが登場してましたね。
要するに「これ読んでドラクエⅣ買えよ」ってことです。
アニメ化はその2年後くらいです。

勇者に憧れる主人公の少年『ダイ』は
かつての魔王ハドラーから解放された
心優しいモンスター達と島で暮らしていました。
しかしそんな平和を脅かす大きな存在が・・・

そんな感じのストーリーで
いちドラクエファンの私が気になるのが世界観。
なかなかの再現でした。
単純にそのままゲームの
ドラクエの世界では無く、
ドラクエを壊さないように
オリジナルの世界を広げていってます。

私が中学生のときの作品で、剣道部だった私は
『アバンストラッシュ』という
この作品の必殺技を極めようと
稽古中、先生の目を盗んで他の部員と頑張っていました。
全てを斬る『アバンストラッシュ』ですが
私の竹刀は籠手からすっぽ抜け(試合だと反則)
よりによって先生の背中に直撃しました。
先生は怒らず
竹刀は雑巾を絞るように持って
左手に力を入れて、右手は添えてるくらいだと
私に小学生剣士がまず教わる基本から
教えなおしてくれました。
とても『アバンストラッシュ』の練習をしていたなどと
言えるわけもなく封印です。

このように、子供はもちろん
思春期を向かえた男子生徒まで
ついマネしたくなるような
マネしやすいフォームの技なのです。

アニメは原作の途中までです。
『ダイの大冒険』ファンの方は
最後までやってほしかったのではないでしょうか。


以下ファミコンのドラクエⅢネタです。
お暇な方だけどうぞ☆


{netabare}当時、小学5年生だった私は
『ドラゴンクエストⅢ』の発売を今や遅しと
待ち侘びる少年の内の一人でした。

発売日は平日であるにもかかわらず長蛇の列が出来て、
社会現象にまでなり、買えなかった少年達による
恐喝や窃盗事件が後を絶たず当時のニュースになりました。

…と言う都会の状態とは打って変わって、ド田舎育ちの私は
本屋で『ドラクエⅢ』をあっさり購入。

そんな平和な中、
『黄金のツメ』を探せ!と言うのが
発売前から、言われてたんです。
キャンペーンみたいな感じで。

もちろんノーヒントです。
皆ゲームの本編を楽しみながらも頭の片隅に
『黄金のツメ』はいったい何処にあるんだろって感じで
プレイしていました。

ある日(たしか発売から2,3日後)
一人の少年A山くんが『黄金のツメ』を発見し、
一日にして学校中に広まり、
たちまちA山くんの株は急上昇
『神』にまで成り上がりました。

時を同じくして、その『黄金のツメ』の在処が発覚した日、学校を休んだN野くんがいました。
残酷な子供達は、いくら『風邪で熱出して休んだ』
と本人が言っても、
「絶対、家でドラクエやっとるわ」
と決め付け=卑怯者のレッテルが
N野くんに貼り付けられました。

次の日、N野くんは学校に来ました、
どうやら登校して早速『黄金のツメ』が見付かったという
噂を耳にしたみたいでしたが、
肝心の場所を教えてもらって無いみたいで、
私に在処を聞いてきました。
しかし卑怯者のN野くんに教える訳にもいかず、
学校中の男子が一丸となって堅く口を閉ざしました。
物凄い結束力です。

・・・・その日の学級会

議長「今日の議題はN野くんから
『黄金のツメについて』です」

先生「ちょっと待て、N野なんじゃこりゃ?」

N野「はい、みんなが~
『黄金のツメ』の場所を~
教えてくれないので~
そういう仲間はずれは~
ダメだと思います」

恐らく先生はよく解からないままだったと思いまが
議長は話を続けました。

先生「なんで、みんな教えてやらんのじゃ?」

    シ~~~~ン

先生「キリン、なんで教えてやらんのじゃ?」

キリン「…だって~
『黄金のツメ』を見つけて場所を書いて『ファミコン神拳』に送ったら、景品が貰えるから、
N野くんに教えるとその当たる確率が下がるからです。」

ファミコン神拳とは、当時の『週刊少年ジャンプ』で
不定期に掲載されていた袋とじで、
『黄金のツメ』を探せ!
のキャンペーンをやっていたのです。

もちろん本当はただの意地悪で教えないだけです。

先生「・・・・そりゃあ・・・・N野・・・・仕方ないのぉ」

N野「・・・・・・・」

先生「まあ、ゲームなんじゃけぇ」

N野「・・・・・・・」

先生「我慢せぇや。なっ」

N野「うぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(号泣)」

そしてN野くんは自分の椅子を持ち上げ
泣き叫びながら投げ飛ばしました。

先生「N野っ!!!!!!(怒)」

こうして、N野くんは、教えてもらえないうえに
先生からこっぴどく怒られました。

N野くんゴメンね☆
しょーがないから、教えてやるよ。
イシスのピラミッドの地下を
隈なくしらべてごらんよ。


君は♪
いじめた~♪
ヤツに♪
手をさ~しのべ~♪
許す~だ~ろ~う♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

相手によって出したり引っ込めたりするのは本当の「勇気」ではない。

タイトルの言葉は格言だと思います。しかも、この言葉をいうのが、盗賊でろくでなしの魔法使いが言うのでなかなか胸に響きます。

最近のファンタジーはダークでアダルトな内容なのが多いですが「芯」がないんですよね。主人公の動機に

なぜヒーローはヒーローたりうるのか。

超能力があるからヒーローなのか。金持ちだからヒーローなのか。

違うでしょうと。

「勇者」や「スーパーヒーロー」は一般人にはできない決断や行動ができるから特別であって。

周囲の状況や私利私欲で動く人間は一般人と変わらないんですよね。

そういうことだと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

勇者とは

ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの設定・世界観を元に、オリジナル冒険ストーリーで連載した
少年ジャンプの同名原作コミック(視聴後に全巻購読)のバラン戦までをアニメ化した作品。

【物語 4.0点】
『ドラクエ』の諸要素を友情・努力・勝利の少年ジャンプ三原則で再構築した王道冒険譚。

魔王軍幹部らとの死闘は常に薄氷の戦い。
互いに切り札を出し尽くしてからが本当の勝負。
倒れたと思ったキャラは大体死に損なっている。
といった複数話に跨がる長期戦の筋書きも典型的。

『ドラクエ』に“閃き”システムなどないはずだが、
死線で覚醒した能力や必殺技が起死回生の一手になる、如何にもな熱い展開。


ゲームよりジャンプらしいシナリオに傾斜する中、
地味にゲームらしいのが勇者パーティの成長度。

RPGをリアルな時系列に当てはめると、
スライムにすら苦戦していた少年少女たちが、
僅か数ヶ月の内にレベルアップして魔王を屠る
という恐るべき勇者伝説をロールプレイしていることになるが。

本原作もまた少年勇者たちが3ヶ月程の間に
大魔王とタメを張る驚異の成長物語を叩き付けてくる。

しかも、その短期間の内に“転職”までするメンバーもいるから凄まじい。
本作でも{netabare}マァムが“魔弾銃”を装備した僧侶戦士→武闘家に転身を決意。{/netabare}


だが、この爆発的な成長力こそ若者にしか出せない特権。
短期間で大きな可能性を見せる少年勇者たちのオーラを表現できているからこそ、
倒した強敵(とも)の共闘を始め、勇者に惹かれて行く者たちの言動にも説得力が出て来る。


【作画 3.5点】
力を抜くところはしっかり抜く。
装備のヒビ割れ、傷だらけの肉体など、バトルのズタボロ感を出す描写には注力する。
など、いつものジャンプ原作の東映アニメ。

紋章、オーラ、必殺剣、亀裂や傷口などを光らせる演出も相変わらずで、
出血多量、部位欠損など、ハードな描写も、容赦なく19時台のお茶の間にお届け。


デザインは大体、原作に忠実だが、
レオナ姫のヘアカラーが茶髪→金髪になったのが謎。
(まぁ、金髪美少女は俺得でしたがw
{netabare}氷漬けにされた姫……不謹慎ですが美しかったですw{/netabare})


【キャラ 4.0点】
12歳の少年勇者ダイ。
上述の常人離れした急成長を、{netabare}竜人{/netabare}という超人設定により根拠付けられる。

そのため、勇者として人間たちを救うことが正しいことなのか?
ことある事に思い悩み、それが作品の重要テーマにもなっている。


個人的に心に残っているのが第42話にて……
{netabare}ダイたちが、街を襲う竜を紋章の力で退けるシーン。
助けてあげた人間たちに竜人の力を恐怖され、狼狽える勇者に、
人間は勝手なやつらだよね~と“死神”キルバーンが煽って来る。{/netabare}

よくある強すぎる勇者の葛藤シーンですが、当時、子供心に凄く刺さりました。


マトリフ師匠もセクハラしたくなるwスタイル抜群なマァム、レオナ姫らヒロインズ。
個性的な魔王軍幹部の面々と、キャラは本来5.0点付けて良い所だが、
大魔王バーンの悪逆非道、ハドラーの男気。
そして何よりポップの凡人代表(←でもないがw)として共感できる言動の数々など、
放送打ち切りにより本領の半分も発揮できなかったキャラが多数いるので
ここは4.0点止まりとさせて頂きます。


【声優 4.0点】
ダイ役の藤田 淑子さん。積み上げて来た、
女性によるワンパク成分入りの少年ボイスのキャリアを遺憾なく発揮。

レオナ姫役には当時売り出し中の久川 綾さん。当たり前ですが声がお若い。

大魔王バーン役に内海 賢二さん。魔王ハドラー役に青野 武さん。
共に覇王、魔王慣れしたお二人が担う最強の魔王軍。
幹部にも経験豊富な渋い配役が成され、
声優陣も最強!……と行きたい所ですが。

惜しいのは、一人多役。
しかもポップ/ミストバーン役に難波 圭一さん。
アバン/キルバーン役に田中 秀幸さん。
など勇者&魔王両サイドの重要な役の掛け持ちがある。
実力十分とはいえ、これ放送打ち切られずに、
原作終盤までアニメ化が続いていたら相当無茶なことになりますw


【音楽 4.0点】
ゲーム音楽も手がけた、すぎやまこういち氏が担当。
劇伴にもゲームBGMが多数アレンジ投入され、
この熱血バトルが『ドラクエ』だったことを思い出させてくれます。

OP「勇者よいそげ!!」&ED「この道わが旅」。主題歌も、すぎやま氏が作曲。
EDは『ドラクエ2』EDの歌唱曲でもある。
OPはお馴染みのファンファーレから始まる合唱大会の曲みたいな勇壮さ。
EDは卒業式で歌われそうな懐かしさ。
普通のアニソンとは一線を画した、素朴な味わい。


【感想】
今年10月より、再アニメ化放送がスタートする『ダイの大冒険』。
PVで打ち出された、剣が刺さった石碑のビジュアルからは、
今度こそ、最後までアニメ化するというスタッフの決意を感じます。

一新された配役も私は今からとても楽しみ♪
勇者たちの旅路、しっかりと見届けたいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

72.5 17 騎士で魔王なアニメランキング17位
ドラゴンクエスト ダイの大冒険(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (178)
561人が棚に入れました
かつて、魔王ハドラーにより苦しめられていた世界は、「勇者」と呼ばれた一人の剣士とその仲間たちの手により平和を取り戻した―― 時は流れ…。魔王から解放されたモンスターたちが暮らす南海の孤島・デルムリン島。島唯一の人間であり、勇者に憧れる少年「ダイ」は、モンスターたちと平和に暮らしていた。だが、その暮らしも、魔王ハドラーの復活により一変する。師との約束、仲間との出会い、逃れられぬ宿命…再び危機が訪れた世界を救うため、勇者を目指す少年・ダイの冒険が始まるー!

声優・キャラクター
種﨑敦美、豊永利行、小松未可子、早見沙織、櫻井孝宏、梶裕貴、緒方賢一、降幡愛、関智一、前野智昭、奈良徹、子安武人、岩田光央、速水奨、土師孝也
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

リメイク作品

30年ぶりのリメイクとのことなので、
放送時間を鑑みて若年層をソシャゲのドラクエに取り込みたいのかな?

お金かけて丁寧に作っている印象。

97話~100話
{netabare}
ゴメちゃんの正体判明からのダイの超本気モードで決着。
主人公が最後に消息不明で終わるのも珍しい作品だった。

まぁ、アバン先生の中の人が最後の最後で交代しなくてよかったとも…
{/netabare}

96話
{netabare}
バーンと魔界を二分していたヴェルザー登場(声だけ)
中の人的にも、かなりの強キャラ感が。

キルは、ヴェルザーからの刺客だったことも判明。
ヴェルザー戦は無さそうだけど、あったら、あと1年続きそう。

地上が無事で、奮起するポップ、そして、ポップに触発されるダイ。
次回で決着付く?
{/netabare}

93話~95話
{netabare}
バーンとの最終決戦。

ダイとポップのコンビが熱い!
ポップ、もはや主人公では?と。

逆転の再一手が次回に出てくる?
{/netabare}

92話
{netabare}
ミストバーン戦、あっけない結末だった。
ヒュンケルの先読み勝ちではあるけど。

勝てる気がしないダイとの力量差だけど、
どうやって勝つのだろう?
{/netabare}

90話~91話
{netabare}
アバン vs キルバーンの戦いの結果は結構あっさり描いていたのは意外。

ミストバーンの正体は、身体は若い時のバーンで、
魔物ミストが借り受けている感じ。
次回、真バーンが登場するから、ミストバーン戦に決着付くのかな?
{/netabare}

89話
{netabare}
老師が作ったチャンスも、ミストバーンの前には・・・

次回のバーン関連の真相?のが気になるなー
{/netabare}

88話
{netabare}
ミストバーンが、バーンより強いとは・・・
バーン何かしらの契約関係がある?

老師の言っている事だと、ミストバーン死体ってこと?
次回に期待。
{/netabare}

87話
{netabare}
ミストバーン、ヒムにボコられる。
そして、バーンもダイに追い詰められ・・・

次回予告のミストバーンが不気味なのだけど、
バーンの分身体とかで、バーンと合体するとか?
{/netabare}

86話
{netabare}
ダイとバンは力的に拮抗しているとバーンが言う。

その頃、アバンとキルバーンの戦いにも変化が・・・
キルバーン、かなり姑息だなー
{/netabare}

84話~85話
{netabare}
ラーハルト、ポップ、マァム達の元にヒュンケル達が合流。

ダイは、父から受け継いだ紋章が覚醒し、最終決戦ギリギリで
パワーアップ?
{/netabare}

83話
{netabare}
ラーハルトが、バランの遺言に従いダイの配下に。

バーンの元へは、ダイ、ゴメチャン、レオナ

ミストバーンは、ラーハルト、ポップ、マァムで、
ポップから見ると、ヒュンケル系と共に戦うのは宿命なのかな?
{/netabare}

82話
{netabare}
ミストバーン vs ダイ達

ダイとレオナを先に行かせようとする
ポップとマァムだけど、ミストバーンに手も足も出ず、
絶体絶命のピンチにラーハルト登場。

次回、ミストバーン vs ポップ、マァム、ラーハルト?
{/netabare}

81話
{netabare}
キルバーン vs アバン

ヒュンケルは、死亡した演出にはなってなかったから、
また、生きている定期。
{/netabare}

80話
{netabare}
キング・・・玄田さんの無駄遣い
でも、ノリノリだったねw

ラーハルトは、バランの遺志を継ぎ、
ダイ(ディーノ)の配下になるのかな?
{/netabare}

78話~79話
{netabare}
まさかの復活のヒム。

ヒュンケル vs ヒム

ヒュンケルが勝ったけど、
今度は、キング率いるオリハルコン軍団が・・・
誰が助けに来るのかな?
{/netabare}

77話
{netabare}
ノヴァの覚悟を買い、ロンベルクが自分専用剣を召喚し、
ザボエラを倒すも、両腕が数百年回復しない状態に…

ロンベルクの考えやもどかしさに共感したノヴァが、
弟子入りする流れに。

ノヴァの精神的成長回だった。
{/netabare}

76話
{netabare}
ザボエラが、ミストバーンにポイ捨てされるのは分かる。

それより、アバンがレオナに託したアイテムと、
その覚悟の方が気になるかな。
キルバーンを倒しに行く感じ?
{/netabare}

75話
{netabare}
アバンとヒュンケルの阿吽の呼吸は、
流石、一番弟子ヒュンケルって感じでよかった!

アバンは破邪マスターになったってことだとすると、
勇者から術師にジョブチェンジした感じ?
{/netabare}

74話
{netabare}
アバンが生き延びれた理由は分かった!

ヒュンケルが言う「あんたは弱い」は、
身代わりアイテム使用したけど、レベル1に戻りました!
ってオチ?
{/netabare}

73話
{netabare}
ハドラー、最期に善人に変わる。

アバンの復活!!
あそこから、どうやって生き延びたの?
{/netabare}

71話~72話
{netabare}
ダイ vs ハドラー

決着は着いたけど、今度は、
隙を狙っていたキルバーンの策にハマり、
脱出できないダイ、ポップ。

ポップの探知能力は異常。
{/netabare}

68話~70話
{netabare}
マァム、ヒュンケル、ポップ vs ハドラー親衛騎団

マァム、ヒュンケルの戦いはさらりと流して、
ポップにフォーカスを当てるような作りになっている。

そして、ポップも無事に親衛騎団を倒し、
あらためてマァムに告白。
弟のような存在と言われた時点で、脈はなさそう…

ヒュンケルモテるなぁ。
{/netabare}

66話~67話
{netabare}
ポップの「アバンのしるし」は、やはり光らず、
そこに目を付けたザボエラが、攻撃をすると、
それを見ていたメルルが、ポップを助けに入り瀕死の重傷になる。

レオナが、メルルは、ポップの事が好きと言ってしまったのは、
「え、それ本人が言わないと!」と思ったけど、
そこで、ポップが「マァムが好きだー!」と言って、
「アバンのしるし」が光る。
賢者ポップ爆誕!もう、隠れ主人公。

ポップの「アバンのしるし」は、勇気とのレオナの見立てだけど、
ダイは、何になるんだろうね?

このポップ、マァム、メルルの三角関係はどうなるのだろう?
{/netabare}

65話
{netabare}
ヒュンケル、ミストバーンを利用してパワーアップに成功。
そして、「アバンのしるし」も光る。

ポップは、無色ってオチ???
{/netabare}

64話
{netabare}
ヒュンケル、クロコダイン救出前夜に、
ヒュンケルを巡る恋のバトルでしたー

ポップ、「アバンのしるし」、光るといいね。
{/netabare}

62話~63話
{netabare}
レオナ達は、魔法奪取の為、ダンジョンへ。

ダイは、ノヴァと修行。
ポップは、「アバンのしるし」が光らず、
苦悩しながら、自分を極限まで追い込む修行と、
それぞれの成長回。

魔法奪取、新必殺技完成の中、それぞれの中での葛藤が!
今度は精神的成長回?
{/netabare}

61話
{netabare}
アバン先生、学者の家系だったと判明。
しかも、強さをひた隠し、来る日に備えていたとか有能過ぎる。

フローラの若い頃がレオナなのは、まぁ仕方ないけど、
最期のシーンは、アバンとフローラ婚約確定演出でいいのかな?
{/netabare}

60話
{netabare}
成長したポップが、ダイと話し、再び戦う意志を取り戻させる回。

あとは、フローラから、レオナに、5人目のアバンの使徒になって欲しいと、
頼み、試練に向かうレオナだけど、次回は、アバンの過去回になりそうな予告だった。

ポップ、裏主人公としての成長著しいのは、なんか嬉しい。
{/netabare}

59話
{netabare}
55話で登場した謎の騎士の正体が分かった回。

アバンが住んでいた国の女王フローラだった。
ポップとマァムは、無事、レオナ達に救出されるも、
ダイはマザードラゴンに死亡したと告げられるも、
バランが登場し、死んだドラゴンの騎士は自分であり、
息子にチャンスを与えて欲しいと…

バラン、完全に父親モード。
その願いが叶い、ダイは生き返ることに…

ダイがバーン恐怖症みたいな次回絵が見えたけど、
助言者とか現れるのかな?
{/netabare}

57話~58話
{netabare}
バーンが、ダイを舐めすぎて反撃に遭い少し本気を出す。

圧倒されるダイ達。
ここでもうお終いか?と思ったら、
まさかのハドラー参戦で、ひとまず、ダイ達の命は助かった感じ。

次回から、ダイ&それぞれのメンバーの修行回?
{/netabare}

56話
{netabare}
バランの死。
そして、バーンとの決戦へ。

前回の謎の女騎士?というか、レオナ達は出てこなかったな…

ハドラーが消滅してしまったのかが気になる。
{/netabare}

55話
{netabare}
ミストバーンの正体が見れた回。
バーンの息子?若い時のクローンかなにか?

そして、後半、謎の女騎士?がレオナ達を助けに登場。

次回、バラン、ハドラーの生死とこの謎の女騎士?の正体が分かる
のだろうけど、謎の女騎士?が誰なのか気になるな。

アバンパーティーの元メンバー?
{/netabare}

54話
{netabare}
キルバーン、やはり生きていたのね…
上手くハドラーに気付かせず、更に焚きつけるとは。

バランは、ようやく人間ぽくなってきたけど、
死亡フラグ立てたっぽいので、ハドラー戦でリタイヤかな?
{/netabare}

53話
{netabare}
ハドラー vs ダイ&バラン

ハドラーに埋め込まれてる危険なモノを
起動させず、どうやって親子で倒すのだろう???
{/netabare}

52話
{netabare}
ダイよりも主人公すぎるヒュンケル。

エイミ→ヒュンケル←マァム←ポップ←メルル
な図。

油断したバランが次回どうなるのかなー
{/netabare}

51話
{netabare}
放送1年で、新OP/EDに変更。

ヒュンケル vs バランの一騎打ちに水を差したアルビナス。
ヒュンケルは、アルビナスの撃退を優先し、バランの一撃を喰らい、
2度と戦えない身体に…

ヒュンケルの心意気を真摯に受け取ったバランは、
クロコダインの意を汲み、ダイ立ちと共闘することに。

次回は胸熱回になりそうな予感。
{/netabare}

50話
{netabare}
案の定、1体が仲間をかばい生き残っていた。
ハドラー親衛騎団に、メドローアは使えなくなってしまった。

一方、チウは、功を焦って、魔大陸に先乗りしたけど、
フェンブレンに見つかり、攻撃を受けていた所に、
バランが登場して終わり。

バランが、どのように考え方が変わったのか次回期待。
{/netabare}

49話
{netabare}
ポップのやったぜがフラグの様な気がする…
ポーン達生きていそう。
{/netabare}

48話
{netabare}
北の勇者ノヴァの出番終了。

ヒュンケル、いつも美味しい所(主人公的登場)で登場し過ぎ!
ポップがやっかむのも分かる気がする。
{/netabare}

47話
{netabare}
キルバーン弱すぎる…それとも、奥の手でも隠しているのかな?

そして、北の勇者ノヴァという新キャラ登場。
中の人的に、まともなキャラではなさそうな予感…
{/netabare}

46話
{netabare}
修業回。
ポップは、やはり裏主人公だね。

バーンがキルバーンにバラン暗殺依頼を。
次回は、キルバーンvsバラン???
{/netabare}

42話~45話
{netabare}
vsミストバーン&キルバーンではなく、
ハドラーとダイの正々堂々の一騎打ちとなった。
ダイの方が消耗している状態だから不利だよね。

勝負は引き分けになったけど、ハドラーが魔王ではなく、
ダイの好敵手に変わった気がする。

ザボエラは・・・小物感丸出しだったね。
{/netabare}

38話~41話
{netabare}
世界会議が行われる中、世界最強の剣を求め、
ポップの生まれ育った村へ…

そこで、ちょっと変わった魔族の名工ロンベルクに
世界最強の剣を作ってもらう事になる。

途中から、ミストバーンの襲撃があり、ヒュンケル登場。
いつも、いいタイミングで出てくるなぁ・・・
ポップとの落差。

41話で、ダイ専用剣完成。
ミストバーンは、ヒュンケルの見知った元人間???
次回、キルバーンも参戦し、戦闘激化必須!?
{/netabare}

34話~37話
{netabare}
優勝賞品「破邪の剣」を求め武道大会へ…
エントリー時間に間に合わず、途方に暮れるダイとポップ。

そこに、本物マァム登場。
超魔生物ザムザと戦うも、苦戦し、
ダイの一撃でなんとか撃破。

次回予告が無かったど、ザボエラが完成形の超魔生物を
連れてくる?
{/netabare}

33話
{netabare}
ハドラーさん、もう雑魚キャラ化してしまう。

13話(約2ヶ月と1週)ぶりのマァム(偽)出演。
{/netabare}

32話
{netabare}
死んでいる状態のポップから奇跡の援護射撃が、
バランを襲い、その怯んだ瞬間にダイがフィニッシュし、
バラン戦終了。

人間の心を取り戻したバランが、ポップを生き返らせる。
次回から、ハドラー戦だけど、バランは中立になるのかな?
{/netabare}

31話
{netabare}
実況解説ヒュンケル。
丁寧な解説ありがとうございます。
壮大な親子喧嘩は、まだ終わらない模様。

レオナにより、ポップに復活の呪文が試されているから、
生き返る???
{/netabare}

30話
{netabare}
ポップ、決死の攻撃もバランには効かず…
しかし、ダイの記憶は戻り、父子の壮絶な戦いへと。

ポップは主要キャラだから、奇跡の復活になるのは、
テンプレ的なアレだろうけど、今回、バトルシーン力入っていたなぁ。
(次回も相当だろうけど)
{/netabare}

28話~29話
{netabare}
バランとソアラ(ダイの母)の話はよく見るような感じだったけど、
陸戦騎ラーハルト、まさかの忠臣だったとは…

バラン、竜の騎士を辞めて最終形態に変身。
誰も勝てない状況になったけど、ダイがキーになるんだよね?
{/netabare}

26話~27話
{netabare}
竜騎衆 vs ポップ

ポップの成長が凄く、サブ主人公ポジション獲るかと思ったら、
絶妙な所で、ヒュンケルが参戦。
美味しい所を持っていくなぁヒュンケル。

竜騎衆2体は、あっさりと、ポップとヒュンケルに倒されるも、
陸戦騎ラーハルトはヒュンケルを圧倒する。

中の人的に、もっと、ラスボスないし、超強キャラで出演するかと
思ったけど、陸戦騎ラーハルトは、今後も生き残るキャラなのかな?
{/netabare}

25話
{netabare}
バラン、自分の息子の記憶を奪い、
直属の部下達を召喚する。

ダイの記憶は戻るのか?
バランがダイを確保するのが先か気になるー
{/netabare}

24話
{netabare}
ハドラー、小物過ぎる…

バランにダイが息子だとバレないようにしていたとは…
ダイ母の回想絵が出たけど、どこかのお姫様か巫女みたいな感じだったね。

クロコダインも参戦してきたけど、バランに勝てる気がしない。
{/netabare}

22話~23話
{netabare}
ダイがモンスターを倒し、みんなを救ったのだけど、
あまりの強さに、子供に「怖い」と言われる。
周りにいた大人たちも同様に強さに恐怖している。

そこに、占い師の婆さんと孫が、祖国の伝承にある
ダイの紋章がドラゴンナイトでは?ということで、
自身の正体を知るべく、テラン王国へと向かう。

ドラゴンナイトしか入れない神殿で水晶に問いかけていると、
そこにバラン登場!
もう、バランさん、ダイの父親確定だね。

どうして生き別れになったかを早く見たいなぁ。
{/netabare}

21話
{netabare}
レオナとデパートへの買い物回

買い物途中に、ドラゴンの群れが現れ戦うことに。
占い師の婆さんと孫が、ダイの正体について次回語るらしい。
{/netabare}

20話
{netabare}
マァムの武闘家への転職修行へ旅立つ回
ポップ、チキンの為、告白出来ず…
転職完了まで、何話お休みなのだろう?

ハドラーに騙されたみたいなこといってたけど、
バランって、ダイの父親なのかな?
{/netabare}

19話
{netabare}
フレイザード、ハドラーに作られた魔物で、まだ1歳児だったw

ダイの空裂斬で敗れたと思いきや、次回、復活する模様。
{/netabare}

18話
{netabare}
ヒュンケルに助けられたクロコダインが、
借りを返して、ヒュンケルは死なずに済んだの説明からの
ヒュンケル vs ハドラー

仮にも元魔王が死んだふり作戦でヒュンケルを倒すとか、
どうなの?と思ったけど、闘気を使いハドラーを倒す。

次回から、フレイザードみたいだし、今度こそ倒したでOK?
{/netabare}

17話
{netabare}
ハドラー率いる魔王軍vsダイ達。
バランは、除け者にされていたから、ハドラーより強い?

窮地に陥ったダイ達に、クロコダインとヒュンケルが助太刀参戦!
これで、なんとか撃退できる?
{/netabare}

16話
{netabare}
マトリフオジサン、セクハラ爺さんだけど、
アバン一行メンバーだった100歳のいい人だった。

ポップに修行をつけ、ダイに指示を出し修行をさせて、
氷炎将軍フレイザードと戦う為のサポートをしてくれた。

ポップは大魔導士になるフラグが立った?
{/netabare}

14話~15話
{netabare}
vs 氷炎将軍フレイザード
魔法封じや相手の力を1/5に減らせる結界など、
力押し一辺倒ではないので強いし、
レオナを人質にとるのは地味に賢い。

全滅の危機を回避する為、暴走するダイを
背後から殴るマァム、ナイス判断。

逃げおおせた先で助けてくれたのは、マァムの知り合い?の
マトリフオジサンとは、アバン一行のメンバー?
{/netabare}

11話~13話
{netabare}
不死騎団長ヒュンケルとの2回戦目。

育ての父(モンスター)は、アバンではなく、
ハドラーに殺された真実が…

自力ではヒュンケルの方がまだ、ダイより強いのだろうけど、
ダイの特殊能力のお陰で勝てた印象。

ヒュンケルがマァムを「まるで聖母だ」(心の声)には、
持ち上げ過ぎかと。
{/netabare}

8話~10話
{netabare}
獣王クロコダインとの決戦。
臆病者ポップの活躍により勝利。

次の魔王軍からの刺客は、アバンの使徒長兄ヒュンケル。
勝てる気がしないのだけど…
{/netabare}

6話~7話
{netabare}
獣王クロコダインとの第一回戦。
マァムの参戦でなんとか撃退。

マァムの両親って、アバンと共に戦った戦士と僧侶って、
超良血統じゃない?
{/netabare}

1話~5話
{netabare}
主人公のダイが、勇者の家庭教師を自称する人物
勇者アバンとの出会いと別れ。

7日間で終了する修行過程の3日目で強制終了だから、
半人前勇者かな?
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

各シーズンの本命を蹴散らす底力

俺は原作コミックス号泣組。
さすがに今となっては断片的にしか記憶に残ってないけどね。
完結までやるらしい長丁場アニメ、途中で断念せずに観終えられるといいなぁ。

■5話目まで
{netabare}もうね、メガンテの手の動きだけで泣いちゃったわwwwww
更に追い打ちをかけるような一瞬のフローラ回想は卑怯というものだ。
格闘シーンの作画と演出は文句無し、劇伴の仕事っぷりも上々。
注文があるとすれば、ダイの声優さんにはもうちょっと頑張って欲しい。{/netabare}
まだまだ序盤、この先も期待を裏切らずにゴールしてくれることを願っている。

■32話目
やっぱポップだよな!!!(笑)

■40話目
2021年夏期のアニメも出揃ったけど、それらと比較するとこれが一番面白い
・・・・・かもしれない。
つーか今期は数が多いだけで不作の予感。

■46話目
やっぱポップだよなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
{netabare}ここで永遠の17歳が登板するとは思わなかったわ(笑){/netabare}
この先も楽しみだ。

■57話目
約束された名言集。
バーン様凄すぎwwwwwwwwwwwwwwwwww

■67話目
やっとここまで来た・・・・・やっぱポップだよな(泣)

■73話目
トラブルで1ヶ月待たされた。
でも許す、俺が許す(笑)
約束された神回とは言え、期待以上の出来にただただ感謝。
{netabare}キルバーンの「なぜだ?」の後に一瞬映るバーン様の表情が最高だわ。{/netabare}

■88話目
ビースト君かっけぇwwwwwwwww

■96話目
まさに勇者ポップ。
青臭いセリフのオンパレードもポップだから許される。
そして劇伴仕事し過ぎ(笑)

■99話目
とうとうここまで来た。
そして久々に声優:子安の本気を見た(笑)

■100話目~最終回
いや・・・上々のリメイクを見せてくれた制作会社と声優に素直に感謝。
2年に及ぶ長丁場もこれにて完結。
{netabare}最後のキルバーンの声の変調は鳥肌モノだったわ。
あれがもし機械的な処理ではなく声優の演技一つでやってるのだとすれば、
凄いとしか言いようがないな。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

🏅全100話。勇者伝説の金字塔、堂々完結。

原作漫画は旧作アニメ版視聴後、完結までのアニメ化はないと諦めて購読。

【物語 5.0点】
あらすじは、勇者が大魔王を倒す。以上。

陳腐と思われる方もいるでしょうが、私はむしろ逆。
世の中、魔王は倒したけれど云々、魔王倒すの飽きたから云々……。
傍流シナリオばかりでウンザリしていた所へ始まったこの企画は待望。
あの『ダイの大冒険』が誰も歩まなくなった王道を再び驀進してくれる。
放送前キービジュアルで石碑に刺さった剣のビジュアルからは、
旧作アニメではなし得なかった完結を本気で決意してくれている。

私は放送前から終了まで興奮しっぱなし。
2年間、楽しい週末を過ごさせて頂き、本当に感謝しかありません。


全体構成はほぼ息継ぎなく大魔王軍との連戦が続く(作中時間でわずか数ヶ月)
特に全100話の内、3分の1はラストダンジョンでの最終決戦(作中時間で最後の1日)
最後の1クール超は大魔王バーン戦という極端なバトル偏重。

では、バトルばかりで内容がないのか?といえばそんなことは全く無く、
人間は勇者が守るに値するのか?人間の愛は奇跡を起こすのか?
バトルで突っ走りつつ、作品愛溢れるスタッフが、
原作全体を俯瞰する中で、重要な伏線となるシーンは演出を強化して王道テーマを補強していく。
数十話かけて積み重ねてきた主題がぶつけられるファイナルバトルは物語としても圧巻でした。

王道を語るには、相応の長尺と熱量が必須。納得の全100話でした。


中盤、ダイが竜騎士として覚醒後は、空中肉弾戦も増え、
『ドラクエ』というより『ドラゴンボール』かよ(笑)って感じでしたが、
終盤、多段階に変身するラスボスとの長時間の連戦、
ラスボスあるあるな、同一ターン複数回行動を体現した{netabare}“天地魔闘の構え”{/netabare}
バロメーターを補強する(※核心的ネタバレ){netabare}LUC値上昇レアアイテムとしてのゴメちゃん{/netabare}
など、終わってみれば割りとRPGだったなとの余韻も残りました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

往年の同スタジオのジャンプ原作バトルアニメと言えば、
戦闘で手描き作画が完全燃焼→後は野となれ山となれ。大乱調が定番でしたがw
キャラの高速移動や、崩落或いは攻撃してくるダンジョン、巨大ボスなど、
適宜CGで下支えすることで2年100話のマラソンを完走。
そりゃ手描きで表現してくれるに越したことはありませんが、
人物が原型を留めなくなる位だったら、平凡でもCGの方がマシです。

近年は作品間のCGソース、環境共有も進んでいるのでしょうか?
作品の安定のためには良い傾向だと思います。
だからこそ放送延期をもたらしたランサムウェア等、ウイルス対策は厳重にお願い致します。
(勇者の快進撃を止めたのは大魔王ではなくハッカーだったとかシャレになりません)


表現自粛ムードがはびこる昨今のトレンドにもれず、
本作もまた原作からのエロ、リョナ自主規制もありました。
ただ私は原作コミック読んでいる際、テーマの核心部分に踏み込むタイミングで、
エロにかき消される面も感じていてw
例えば、上記でも述べた終盤の(※核心的ネタバレ){netabare}ゴメちゃんの正体についても、
あの奇跡も“神の涙”によるものだったのか!との感動より、レオナ姫の乳首ばかりが気になってw{/netabare}
適度にエロを隠すことにより、テーマに集中できたという面では良かったと思います。

それでもマァムの生脚を黒タイツで隠すなんて邪道との異論があることは認めますw
ただ、私は、10年後、このアニメで黒タイツフェチに目覚めました
と思い出を語る元・青少年たちが多数出現することを予言しておきますw


【キャラ 5.0点】
漫画編集者から戦力外通告される程の“凡人”→勇者の名コンビに大化けしたポップ。
脇が甘い&セコい元・魔王→熱い魂を持った漢の中の漢に覚醒したハドラー。
両鼻垂れキャラの急成長という『ダイ大』の核心を表現し切った時点で高得点。

死んだはずのアイツが復活!もバトル物の典型ですが、扱いを誤れば茶番に転落する諸刃の剣。
そこを勇者に出逢った人々は皆その熱に押されて、勇敢な仲間になるという熱量で押し切る。

ダイとレオナ姫のボーイミーツガールだけでなく、
ポップ、マァム、ヒュンケルの三角関係を軸にした恋愛模様も愛の奇跡を彩る良いスパイス。
私は{netabare}先の魔王戦から続くフローラ姫とアバン{/netabare}かな。
勇者は目を離すと何処でも行ってしまうので、もう離さないように。


【声優 4.5点】
脇に至るまで高ランクなキャストを配する声優業界総力戦。

噛ませ犬ポジションで北の勇者・ノヴァ役の岡本 信彦さんを一話で消費する豪華さ。
(但しノヴァは終盤カッコいいところを見せてくれましたが)
ハドラー親衛騎団も、ヒム役・三木 眞一郎さん、アルビナス役・田村ゆかりさんなど、
断じてチェスの捨て駒じゃない力の入ったキャスティングで勇者たちと対峙。
{netabare}ブロック役の川島 得愛さん{/netabare}に至っては本当に一言しかセリフがありませんでしたw

ラスボス役には私の期待&予想通り{netabare}ミストバーン役の子安 武人さんを、真・大魔王バーン役にスライドさせて来ました。
魔界一と称される実力と長寿故の傲慢なテラ子安ぶり。これもまた伝説です。{/netabare}


勇者ダイ役を演じた2年間、他作品での充実ぶりも著しい種崎 敦美さん。
その他、ポップ役の豊永 利行さんらは、
放送前から、他の現場に行くと、周りの声優さんから、
『ダイの大冒険』やるのか?といった感じで激励されたのだとか。
声優業界にとっても本作は待望であり、
悲願成就のために選ばれたキャスト陣が熱演したことが伝わるエピソードです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当の林 ゆうき氏。
明快なシンフォニック・ロックで伝説を盛り上げる。
「竜の騎士」と「勇者たちの力」の両バトルBGMがメインフレーズの双璧を成しましたが、
私が評価したいのは全99回を完投した「次回予告」
アバン役の櫻井 孝宏さんを起用した分かっているナレーションと合わせて冒険心を持続させた。
これもまた100話マラソン完走の原動力でした。

若手男性アーティストフェスの様相を呈した主題歌群。
ここも安直なタイアップではなく、
監督オーダーにより、放送部分のテーマを汲んだ歌詞世界が展開。

劣等感を振り払い立ち上がるXIIX(テントゥエンティ)の2ndED「アカシ」
ラストバトル前に花開いた恋愛要素を斟酌したハンブレッダーズの3rdED「名前」
達観した勇者の境地に寄り添い作品を締めくくったミテイノハナシの4thED「飛ぶ鳥は」
など歌もまた愛をもって作品に寄り添い続けてくれました。




【32話迄の評価・感想】抜群の手応え♪このまま勇者と人間を問い続けて突き抜けて欲しいです。

{netabare}
節目のバラン戦を終えて。

【物語 4.5点】
物語最終盤のテーマ完遂を視野に、熱の籠もったシナリオを展開。

数千年生きる大魔王や魔族に比して人間は矮小な生き物。
心の弱さから悪事を働いたり、卑屈に長い物に巻かれたりもする。
そんな人間など果たして助ける価値があるのか?
いや、それでも人間の心には奇跡を起こす可能性が秘められている。
俺は人間を信じる。

作品愛溢れるスタッフたちが、
原作連載を通じて完成されていった人間と勇者に関するテーマを咀嚼した上で、
物語を再構成しているという手応えが、序盤から場面ごとにヒシヒシと感じられる。


既に完結済コミックの再アニメ化とあって、原作ストックを気にせず、
テンポは旧作比約1.5倍とペースアップ。

そのため序盤のコミカルシーン等を中心に飛ばされた描写もあるが、
それ以上に原作を理解してくれているという感謝の方が大きいです。

{netabare}一部に例えばマトリフ師匠のセクハラがマイルドになった等の批判もあるそうですが、
私はマァムへのおさわりを自重したことを悔恨するより、
かつて世界を救ってくれた勇者たちを掌返して冷遇する
人間への恨み言を押えてくれた事を評価したいです。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

魔法や必殺技のエフェクト、一部人物作画だけでなく背景等にもCGを交え、
決してソースが無尽蔵ではない手描き部分を下支えし、
長期放送マラソンでも底割れしない安定度を確保。

もっと手描き感が欲しいとの要望は残るが、
CGならではの高速カメラワークを生かした、
フィールドを広く使ったバトル動画の熱量の方が上回る。

バラン戦など『ドラゴンクエスト』というより、むしろ『ドラゴンボール』かw
って位の超絶空中肉弾戦だが、
吹き飛ぶ大地も含めて、東映アニメが追求して来た
バトルシーンにおける手描きとCG融合の一つの到達点。


【キャラ 4.5点】
「男子三日会わざれば刮目して見よ」

大魔王戦まで{netabare}僅か3ヶ月余り{/netabare}の超短期間で劇的な成長を遂げていく勇者たち。

勇者ダイも出自に関する過酷な現実等を知りつつも、人間を守る信念を貫く、
驚異的な成長曲線を見せる。

そして、やはりポップの敵前逃亡するヘタレぶり→命懸けで仲間を守る。
底入れからの上昇カーブは期待通りの熱さ。


{netabare}クロコダイン、ヒュンケル{/netabare}と、
ダイを台風の目に、悪ですら改心して仲間が増える王道パターンも良好♪

魔王こと魔軍司令ハドラーもここまでは、
アバンに虚を突かれ、大魔王バーン様にドヤされるハナ垂れ三流魔王ぶりですがw
ポンコツからの上昇という意味ではポップと双璧を成すカッコいいキャラなので、
今後の再現に期待したいです♪


それにしてもバーン様が本格始動しない段階で既にこの熱さ。
ヤバいな……。


【声優 4.5点】
主人公ダイ役の種﨑 敦美さん。
私にとっては熱血少年ボイスの印象は少なかった方でしたが、
「主人公役はその作品をいちばん愛していないといけない」
との作品愛高めのスタッフ・キャスト陣の中でも、
さらに突出した信念で勇者を熱演♪

マァム役の小松 未可子さん。男勝り⇔母性愛
レオナ姫役の早見 沙織さん。オテンバ姫⇔カリスマ性
ポップ役の豊永 利行さんと合わせて、
主要キャストも振れ幅が大きい役柄を好演。

あまり間を取らない脚本で、キャストの感情表現に寄る場面も多々あるが、
作品理解に基づいた、切り替えもお見事。


対する魔王軍もクロコダイン役の前野 智昭さん、ヒュンケル役の梶 裕貴さん、
フレイザード役の奈良 徹さん、バラン役の速水 奨さん……。
と幹部を一役一役、錚々たるキャストが演じる重厚さ。

特に前野さんのクロコダインは発声原理不明な唸り声が獣王の生き様にマッチ。
先日の{netabare}「ギガブレイクでこい……!!」{/netabare}もシビれました♪


その他、バラン配下の陸戦騎ラーハルト役に石田 彰さん。
占い師少女メルル役に小原 好美さん。
と脇に至るまで一線級を起用する業界総力戦の様相。


今後、面白そうなのはミストバーン役に子安 武人さんが配されていること。
滅多に喋らない設定の魔王軍幹部に子安さんとか、
後々、テラ子安で独演させる気満々でしょwって感じでソワソワします。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林 ゆうき氏。
テンポ重視の流れで作品を熱くするには、
BGMも前面に出張って感情を揺さぶる瞬発力が求められるが、
オーケストラに、軽快なドラムを融合させた音楽は攻撃力抜群♪
特に作曲者自身もお気に入りだと言う「竜の騎士」は、
私も反撃の狼煙を上げる際にチョイスする逸品♪


OP主題歌がマカロニえんぴつ「生きるをする」
同バンドは1stEDの「mother」も担当。
2ndEDはXIIX(テントゥエンティ)「アカシ」
いずれも歌詞に散りばめられた挫折と成長の要素が、
冒険が進むに連れ、徐々に染み込んで、温まってくる佳作。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

58.0 18 騎士で魔王なアニメランキング18位
テイルスオブファンタジア-TALES OF PHANTASIA(OVA)

2004年11月25日
★★★★☆ 3.3 (53)
271人が棚に入れました
ある日、トーティスの村に住んでいるクレスは、いつものように友人のチェスターと一緒に南の森へと狩りに出かけていった。ところが猪を仕留めて村へ帰ると、トーティスの村には異変が起きていた。帰ってきたクレスとチェスターの目に映ったのは、何者かに破壊された村の家々と、虐殺された村人たち。その中には、チェスターの妹アミィもいた。
二人は、この村が襲われた原因がクレスがかつて父親から誕生日のプレゼントとしてもらったペンダントにあることを知る。クレスとチェスターは一度別れ、クレスは両親や、村の人々の仇をとろうと、村を襲った連中の手がかりを探すが、逆に彼らに捕まってしまう。
そこで、クレスは同じように捕まっていた法術師の少女、ミントと出会う。彼女の母親の形見のイヤリングの力を借りて、彼らは牢屋からの脱走に成功するが、村を襲った敵(マルス・ウルドール)は奪ったペンダントを使って、ある儀式を行おうとしていた。クレスとミントのペンダントは伝説の魔王ダオスを復活させるために必要なものだったことが分かる。阻止に向かうクレス達だったが、一歩間に合わずダオスは復活してしまう。永い眠りから再び覚めたダオスは彼らを殺そうとするが、間一髪でクレスとミントはトリニクス・D・モリスンの法術によって過去へ飛ばされる。
クレスたちはダオス打倒をめざして旅に出、クラースやアーチェら仲間と出会う。こうして彼らは、時空を超える冒険に飛び込むことになったのだ。はたして魔王ダオスの真の目的とは…。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テイルズと言えば、コレ!

[文量→中盛り・内容→雑談系]

連綿と続く、「テイルズシリーズ(ゲーム)」の第一作目にして最高傑作(個人的見解)をアニメ化。

【視聴終了】
{netabare}
小学生の時にプレイしたけど、正に「プレイするアニメ」。当時は本当に新しい感動を得た。今思えば、自分のアニメ好きの根幹を作ったゲームかも(本格的にアニメにハマるのは20歳過ぎてからですが)。

キャラ、ストーリー、バトルシステム……完璧です。純粋なRPGとしては、個人的に「クロノトリガー」「幻想水滸伝2」「幻想水滸伝3」「ロマサガ3」「ドラクエ5」「FF6」「FF7」と並ぶ神「ゲー」です。。。

そう、あくまでこれは、「ゲーム(原作)」の話。勿論ファンとしてアニメ化は嬉しいし、アーチェは相変わらず可愛かったけれども、如何せん、尺が足りない(汗) ストーリーはブツ切れで、原作プレイした人じゃないと楽しめないんじゃないかな。

変な話、このアニメを観てファンタジアをやらないくらいだったら、アニメなんか観なくても良いから、ゲームをやって欲しいというのが本音(いや、アニメ評価サイトに書く内容じゃないけど)w

とはいえ、メチャクチャ古いゲームだけに、新規でやる人なんて、今更いないか。。。 そういう意味では、このアニメを通して、少しでもファンタジアを知ってもらえたら、1ファンとして嬉しいっす♪
{/netabare}

【余談 他にも好きなRPGはわんさかあるw】
{netabare}
上記以外にも、(個人的にハマった作品として)「アークザラッド」「タクティクスオウガ」「FFT」「フロントミッション3」「聖剣伝説3」「聖剣伝説レジェンドオブマナ」「ファイヤーエンブレム聖戦の系譜」「半熟英雄」とか、SRPGを含めればまだまだ神ゲーは増えるし、「クロノクロス」「ゼノサーガ」「FF9」「FF5」「ドラクエ6」「マザー2」「ライブ・ア・ライブ」なんか、優秀なRPGはまだまだまだまだある。他ジャンルに手を伸ばせば、もっと。

今時の若者よ(若者からウザがられる入りw)、こんなに好きなゲームの「タイトル」を挙げられるかな?

モンハンとか確かに面白いと思うし、他にも面白いゲームはあるでしょう。けれど、最近(特にRPG)は「一極集中」な感じがする。あの、「群雄割拠」だった時代が懐かしい。。。

オッサンらは、なかなか幸せな時代に生きたのだよw{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

急ぎ過ぎ

とにかく急ぎ過ぎに制作されてます。
広大な原作のゲームシナリオを30分×4話にする事自体、間違っているとしか言いようがありません。
ゲームを未プレイの人には最初から意味不明の急な展開から始まり、話はどんどん飛んで最後までよくわからないまま終わるようなものです。
せっかく原作は奥が深く素晴らしい内容で、登場人物も敵味方合わせて好感が持てるキャラばかり、声優陣も豪華、作画も綺麗・・・なのにこの作品のストーリー展開では台無し。
原作をとことん薄っぺらにしてしまった作品になっています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

「この世に悪があるとすれば、それは人の心だ」

原作ゲームはオリジナルのスーパーファミコン版をプレイ。

アニメ化作品のレビューでこんなことを言うのは妙ですが、
『テイルズ~』シリーズは元々、アニメRPGを志向したゲームではありませんでした。
剣と魔法の超王道RPGを目指して古今東西の神話、伝承を取り込んで、
48メガの“大容量”ROMに目一杯構築された壮大なファンタジー世界。
それが『テイルズ~』シリーズだったはず。

ところが開発当時、販売元のナムコと開発サイドの紛糾が原因で主要スタッフが相次いで離脱。
(ちなみに離脱組が立ち上げた会社が『スターオーシャン』のトライエース)
残されたスタッフが奮闘し、見事、大作RPGと評価できるレベルにまで仕上げましたが、
広げた大風呂敷を完全に畳んだとは言い切れず。

どうにか完成したものの時は95年。スーファミ末期の空前のRPGリリースラッシュ。
『クロノ・トリガー』『聖剣伝説3』『ロマンシング・サガ3』……と、
往年のスクウェアが繰り出す大物シリーズの猛攻をかいくぐり、
どうにかクリスマスシーズンのリリースに漕ぎ着けたものの、
発売前週に、延期に延期を重ねた『ドラゴンクエスト6』の直撃を受けるツキの無さw

結果、セールスは健闘したものの大ヒットとはならず。
藤島康介氏デザインのキャラが戦闘シーンで喋る!TVアニメみたいにOP主題歌が流れる!
といった王道ファンタジーの附則だったはずのアニメっぽい一面が注目されることに……。
スーファミ版『ファンタジア』では別に『天外魔境』の如くドット絵アニメーションが多用されたわけでもない。
けれどその後『テイルズ~』シリーズはファンタジーの王道も意識しつつも、
アニメーション・イベント映像やトゥーンレンダリング、さらなる人気声優、人気歌手の起用。
萌えアニメの如き、ゆるいキャラの掛け合い、コスプレ衣装。
とアニメRPGの王道を驀進し、アニメもゲームも楽しむ層に人気を博すことに……。

『テイルズ~』がアニメRPGの旗手となることで、ゲームでアニメキャラを動かすという、
尊氏の夢が近づくので、それはそれで嬉しいのですが……。
一方でポテンシャルをフルに発揮して『FF』『ドラクエ』と比肩する、
国民的RPGとして大成した『テイルズ~』の雄姿も見てみたかった……。


などと、以上のような勝手な悔恨を抱く尊氏にとっては、
このOVAも、ど真ん中を歩み損ねた成れの果てにも思え、
何より“魔王”ダオス役の塩沢兼人さん逝去により森川智之さんが代役したこともあって、
興味はありつつも見送ってきた作品。

で、今回視聴してみて……。
やはり全四話、正味80分のOVAで時空を越える壮大な王道ファンタジーを表現するのは無理があった印象。
……というより、ゲームの予備知識がないとダオスやその取り巻きの真意を理解するのは難しいかもw


OVAで拾われなかった設定も交えて構図を説明すると……


{netabare} ダオスは宇宙の滅びゆく故郷の母星とその民を救うため、
この世界を支えるマナの源・世界樹がもたらす大いなる実りを求めてやって来た。

人間共は太古の昔から、互いに争い、この世界のマナを無駄づかいする愚かな存在。
特にマナを根こそぎ消費する魔科学は、世界を傾ける脅威であり、
マナを当てにするダオスにとっても最大の障害となる。

他方、この世界は、長らく続く天上の神界と地下の魔界の勢力争い。その中間点、前線でもある。
瘴気の中でないと力を十分発揮できない悪魔としては、暗躍し人間同士を争わせ邪魔なマナを枯渇させる。
ダオスの使命感につけ込んで、マナを消費する人間への憎悪を増幅させる。
こうしてダオスを“魔王”に堕とし、人間と戦わせて、
地上の荒廃を加速させ、生存域を拡大したいところである。 {/netabare}


本OVAは特に悪魔の暗躍について拾い切れておらず、説明は駆け足。
(もっとも原作ゲームも神魔戦争については言及し切れてませんがw)
とは言え、限られた尺の中で、ゲームが伝えたかった要点。
勧善懲悪では説明しきれない世界観の奥深さの一端は再現できており、そこは好印象。


ただ、『ファンタジア』は今なお私にとっては未完の超大作というイメージ。
正直今の『テイルズ~』を担うバンナムのスタッフは課金ばかりで当てにならないしw
トライエースもまともに『スターオーシャン』の続編も作れない程落ちぶれたと聞きますw
ならばせめてファンタジーアニメで2クールくらいかけて、
世界観を完成させる猛者はいないものか?とも思いますが、需要もないのでしょうね……。


蛇足
作中に弓使いのチェスター君が{netabare}パーティーに途中復帰して足手まといにならないよう、
特訓する描写がありますが、かなりオリジナルに忠実。

主人公たちが過去の世界に行っている間に、チェスターとは20レベルくらい差が開きますが、
原作でも合流後チェスター君にレベル自動加算などの救済措置はなくw
弓使いたいプレイヤーは控え枠でレベル上げと言う猛特訓を強いられますw

案外、私にとってはそこが一番懐かしさを感じるシーンだったりw{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13
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