飛行船で友情なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の飛行船で友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月23日の時点で一番の飛行船で友情なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.8 1 飛行船で友情なアニメランキング1位
クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.8 (167)
968人が棚に入れました
悪の組織"ブタのヒヅメ"が、新たなコンピューター・ウィルスを作り出した。それを知った正義の組織"SML"の女スパイは"ブタのヒズメ"からパスワードが入ったトランクを盗み出し、お台場へと逃げる。ちょうどその頃、屋形船では、ふたば幼稚園の先生と園児たちが、宴会を繰り広げていた。そこに女スパイが逃げ込んできて…。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第6作。
1998年公開。


【前置き】

原恵一さん、脚本&監督作品の第2弾。

本作のタイトルでピンとくる方も多いかもしれませんが、この第6作目は、しんちゃんが描いた空想上のキャラクター

『ぶりぶりざえもん』

が主軸となった映画です。
そのシナリオもさることながら、シリアスな銃撃戦や迫真のアクションシーンも展開し、本作を劇場版一と押す方も多いとか、そうでないとか。

私は当時、友人と映画館へ見に行きましたが、そのまま3回も続けて見てしまった程でした。
(昔の映画館は、席指定もないし一度入れば何度でも見れたんですよね………。
 じゃなかったっけ……(・_・;))

久しぶりに見返すと、少~~し涙がちょちょ切れちゃいました。



【あらすじ】

『ブタのヒヅメ』と呼ばれる悪の秘密結社と、正義の組織『SML』との戦いがメインとして描かれます。

ブタのヒヅメが開発する電子生命体の奪取に成功した、SMLのメンバーの「お色気」(←コードネーム)が、

しんちゃん達ふたば幼稚園の皆が乗っていた屋形船に偶然に乗り込んだことから、しんちゃん達『かすかべ防衛隊』は、その戦いに巻き込まれていくのです。



【論じてみる】
{netabare}
まず、「かすかべ防衛隊」(風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボーちゃん)が、メインストーリーに終始関わる作品は、本作が初めてですね。
この頃にもなると、本編で「人形を殴るネネちゃん」「実は知的なボーちゃん」等の個々キャラが完全に確立されていたので、映画でも見ていて楽しかったです。

それに途中、5人が荒野で野宿するシーンがあるのですが、しんちゃんの存在が図らずも皆に勇気を与える演出も生まれました。

「いやぁ~、それほどでも~。」

という、しんちゃんのいつもの台詞。
いつもは、「褒めてない!!」と返されるお約束のパターンですが、その時だけは風間君が静かに

「褒めてやるよ…。」

と言うシーンが、とても印象的でした。

最後の状況でも、皆がしんちゃんを必死に敵から守ろうとしたり、今作は家族愛に加えて「友情」も色濃く描かれていましたね。
これは、後の名作「カスカベボーイズ」の片鱗を見たような気がしました。



しかし、おなじみの魅力溢れるオリジナルキャラは、今作でも負けてはいません。

SML(←正義の、味方、ラブ、の略称www)のメンバー、コードネーム「筋肉」と、コードネーム「お色気」のバツイチお姉さん。

特に「お色気」お姉さんの、細身ながらの豪快なアクションシーンはメチャクチャに格好良かったですね。
夫婦喧嘩で鍛えたと自称するその強さもさることながら、しんちゃん達と同じぐらいの年の息子がいることもあり、子供達への優しさも人一倍なのも魅力です。

だからこそ余計に、彼女が暴力をふるわれ鼻血を垂らす中盤のシーンは、見るに耐えなかったですね。
作中最強の敵「ママ」に関しては、悪者ながらどこか憎めない敵キャラという、シリーズの定番を少々覆しかねない程でした。
その分、最後の勝利が気持ち良いのですけど。


「筋肉」さんも、声が玄田哲章さん(アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替え役でも有名ですね)なので、このテロ組織に立ち向かうゴリマッチョなキャラクターが非常に合っています。
渋いだけでなくどこか抜けていて、ボケ担当もしっかりこなしてくれますしね。

特に笑ったのは、「お色気」お姉さんと巻き込まれたしんちゃん達を助ける為、みさえとひろしに身なりが分かる写真提供を求めて現れる冒頭のシーン。
頑なに同行を断る「筋肉」さんは、みさえの策にハマり、
『一週間のお便秘もたちまち治る便秘薬を10倍』
飲まされ、同行を賭けた壮絶なトイレ争奪戦へと誘われるのです。

ここのシーンは、第5作でも好評だった濃い絵のタッチが再度採用され、これまた見応えが抜群です。

「馬鹿めっ! 正義の味方がクソなぞ漏らすか~~~っ!!!!」

アーノルド・シュワルツェネッガーが言っているように想像してしまうと、余計に面白かったですね。
{/netabare}



【救いのヒーロー、ぶりぶりざえもん】
{netabare}
ただ、そんな魅力的なオリジナルキャラクターも、後半から登場する『ぶりぶりざえもん』に、全て食われてしまった感はありますね。
こればかりは、ハッキリ言って相手が悪いです。

元々はしんちゃんが創りあげた空想上のキャラクターですが、その絵を偶然見て閃いた博士が電子生命体として作り上げたのが、本作に登場するぶりぶりざえもんです。

故にこのぶりぶりざえもんは、しんちゃんのことなぞ知らずブタのヒヅメの教育により、世界に恐怖を振りまく存在と自分を認識しているのです。

ただ、あの性格はそのままなので、その下品さはしんちゃんと同率1位。


『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』


などは、しんちゃんすら超えた下品極まりない発言だとさえ感じましたね。

「死ぬまでに、一度で良いから言ってみたい台詞」リストに、私はコレを入れています。



終盤、ぶりぶりざえもんを宇宙衛生に侵入させ、核ミサイルを発射させようと企むブタのヒヅメのリーダーの策略に、しんちゃんはこう言います。

「違うよ ぶりぶりざえもん。

 オマエはオラの友達で、救いのヒーローなんだよ。」

その言葉に、ぶりぶりざえもんは初めて他者に心を動かされ、しんちゃんが作った「ぶりぶりざえもんの冒険」という本の内容に、耳を貸すのでした。

その内容は、「人に感謝されることの大切さと喜び」を学び、彼が救いのヒーローへと変貌していく様が描かれたもので、彼にとって…今の自分とは真逆の人物像でした。


最後に、博士がワクチンソフトを使ったことで消え去るぶりぶりざえもんが、こう言います。

「しんのすけ、ホントは私のチ○チ○の方が大きかったよな!」

必至に否定するしんちゃんに対し、

「バカっ!! こういう時は嘘でも「うん」と言うものだ。

 …………じゃあな。」

キラキラと輝きながら身体が徐々に消えていく、ぶりぶりざえもん。
消え去る間際まで繰り広げられた、しんちゃんとの下品ながらも「彼ららしい」やりとり…。

BGMと演出も感動的で、ここは劇場版シリーズ内でも個人的にベスト5に入る涙腺崩壊シーンでした。
一瞬だけ、しんちゃんの頬を伝う雫の演出もたまりません。


そんなぶりぶりざえもんはクライマックスにもう一度、今度は救いのヒーローとして参上し皆を救い、爆炎の中に姿を消すのでした。
それを認知出来たのは、しんちゃんただ一人……。

カッコ良過ぎるでしょ、コレは……。。。。
{/netabare}



【総評】

シナリオにも大きな破綻は無く、スケールの大きなアクションと感動が込められた快作となっております。
主題歌を担当したSHAZNAの曲も格好良くて印象強いですしね。(これまた、実際に出演もされてます。)

ただ冒頭で、スパイとして敵陣に入り抜け出す「お色気」お姉さんのシーンや、
攫われたしんちゃんの安否を心配するみさえが、自暴自棄に泣きじゃくるシーンなど、
およそクレヨンしんちゃんらしくない演出も多々。

目を覆いたくなる暴力シーンがあったり、作中で登場する銃器も全て実在のもので出方や装弾数まで細かく考証されている点などを考えても、「100%子供向けを意識して作った」とは、とても言えない内容でしょうね。(苦笑)


それでも本作が、世代関係無く楽しめる作品になったことは間違い無いと思っています。
何より、本編の中でも圧倒的人気を誇る『ぶりぶりざえもん』をメインとした劇場版が、本作なのですから。

休日の夜長に、お気が向きましたら是非。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


次回作は、第7作「爆発!温泉わくわく大決戦」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ぶりぶりざえもん』声 - 塩沢兼人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『お色気』声 - 三石琴乃さん



ここから、「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、『故 塩沢兼人さん』について語ります。
本筋とは少しズレますので、興味の無い方はスルーして下さい。
{netabare}

さて、この「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、塩沢兼人さん。
「ガンダムシリーズ」を始めとして、以降も多数の個性派キャラクターを演じ、洋画の吹き替えでも活躍。

当時から実力も知名度も抜群の方でしたが、46歳という若さで転落事故により他界されました。


私は、この「ぶりぶりざえもん」というキャラクターは、この方が演じたからこそ、これほど人気のあるキャラクターになったと断言出来ます。

二枚目で気品溢れる声から、殴られて情けない声の高低差。
その声の臨場感は、他の声優さんの中でも群を抜いていました。

当時の私は、そのキャラクターにばかり目が行き声優さんの存在なぞ考えもしませんでしたが、一緒に本作を見ていた父親がこの声を絶賛していたのは、今も鮮明に憶えています。


業界内部でもこの方の存在感は圧倒的だったようで、事実この方が演じられたキャラクターは、原作者や制作スタッフの意向により以降そのキャラクターを再登場させなかったり、登場しても喋らせない作品も出た程です。

実際に、この「ぶりぶりざえもん」も以降、登場しても喋らないキャラクターとなりました。

「このキャラクターの声は、塩沢兼人さんでしか絶対に成立しない!」

というのが、原作者やスタッフの総意だったからだそうですね。

作中でも群を抜いた人気キャラクターが声を発しないというのは、作品に多大なダメージを与えることは必至。
当時スペシャル版では、きまって「ぶりぶりざえもん」が登場して、その渋さと寝返りと情けなさで、一番の笑いを掻っ攫っていましたから。

それでも、彼の後でこの「ぶりぶりざえもん」を演じられる方なんて、誰も存在しないのですから仕方ないのでしょう…。

今も公式のファンクラブが存在して、実際に今でも掲示板でやりとりがされています。
第2作の紗ゆりさんの時にも述べましたが、声優さんが亡くなられても、演じられたキャラクターはファンの中で一生生き続けるということが、見ていて伝わりました。


ただの1ファンの私ですが、それでも…なんか文章を作っていて少し涙が出てきました……。

塩沢さんが演じられたキャラクター「ぶりぶりざえもん」が、今でも私はクレヨンしんちゃんの中で一番好きです。

感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 23

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

笑いあり感動あり、バランスが取れていてよかった!

しんのすけが生死不明の報を受けたひろしとみさえ。

二人の悲しむ様子から

普段はしんのすけの奇行に手を焼いていても、

二人がしんのすけをいかに大事に思っているかが

よく分かり開始すぐに涙腺が緩くなりました。

「オトナ帝国」ではひろしが主人公かと思わすような

活躍ぶりでしたが、

今作ではひろしではなくみさえの格好良さが

際立っていました。

普段はしんのすけと一緒におバカをしているみさえが

しんのすけを追って海外まで追いかける行動力や発言は

惚れ惚れとします。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クレしん映画の中で1番観たかも

シークレットシューズのくだりや、銃撃をコサックダンスで避けるしんちゃん。笑いどころいっぱいです。
その中でも下剤を盛られ→トイレまでの攻防戦はめっちゃ笑いました。なんだよ、その劇画タッチ!迫力がwww

観たのは遥か前だけど、ラストシーンは今でも覚えています。
まさかあんなふざけたヤツにほろりとさせられるとは。
それにしても、ぶりぶりざえもんの声優さんがデビモンと一緒なのは後で知って衝撃でした。声優って凄い…。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2

60.6 2 飛行船で友情なアニメランキング2位
名探偵コナン 紺碧の棺 (ジョリーロジャー)(アニメ映画)

2007年4月21日
★★★★☆ 3.5 (204)
1117人が棚に入れました
太平洋に浮かぶ“神海島”へ、小五郎と共にバカンスに訪れたコナンたち一行。島に居合せたトレジャーハンターがサメに襲われ死亡したことから、コナンは捜査を開始する。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、松井菜桜子

63.4 3 飛行船で友情なアニメランキング3位
とある飛空士への追憶(アニメ映画)

2011年11月1日
★★★★☆ 3.5 (331)
1538人が棚に入れました
たった二つの戦争中の大国しかない世界―――。『空の上では身分は関係ない』という自論を持つ「シャルル」だが、彼はまさに社会の底辺層であった。両国のハーフであるためにひどい差別を受ける彼は、飛空士としての腕の自信と、ある思い出だけを頼りに生きてきている。そんな彼に対して「ファナ」はシャルルが属する空軍を擁する大国の次期皇妃。天と地ほどの身分の差がある二人が主人公である。物語はシャルルがある作戦を告げられることから回り始める。それは「順調に進んでも五日はかかる広い中央海を、ファナを連れて二人で敵中翔破せよ」というものだった。接点がなかった二人に、つながりが生まれる。

声優・キャラクター
神木隆之介、竹富聖花、小野大輔、富澤たけし
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひとりぼっちの追憶

小さい頃から人に目をつけられやすかった狩乃シャルル。
貧乏で気弱で何もできなかった彼は自由を求め「飛空士」になった。その技術だけは他の者を圧倒するほど抜群だった。
傭兵の身分であり、自分を目の敵にする奴も絶えなかったが、そこでは良い仲間もでき彼にとっては心地良い場所だった。
自分にぴったりの場所だった。(これってね、言葉にできるほど簡単に見つけられるものじゃないんだ。)
そんな彼の腕を見込んで上からある任務が言い渡された。
ある王国で次期皇妃となられるお姫様ファナ・デル・モラルをその王子の国へ引き渡したいとのことだった。
だが、傭兵の分際が運んだと知られればこれは末代の恥である。けれど戦争中であることもあり腕の立つ者が必要だった。
そこで狩乃の腕を借り強靭な警戒網を突破し安全な所で上の連中に引き渡す(引き渡すことで手柄はお偉いさんのもの)といった作戦だった。
狩乃はこれを引き受けた。これから始まります。”お姫様護送任務”


本作では、激しいドッグファイトがあれば、かたや静かな海の描写がある。
また、いますぐ駆け出したい恋を目の前にそれがどうしてもできないことで涙を呑む人間の繊細な描写もある。
人にとって一体何が「大事なもの」なのでしょう。忠義か、自分の意志か、愛するものなのか。
なんでもかんでも従えば良いことではない。かといって全部まとめて海に捨てることもできない。
それはあらゆる意味において危険でnaiveな行為だからだ。
揺れ動く自我に空も海も呆れるほどに綺麗で、人の間に起きていることなんて無関心に見える。
狩乃はどうすることもできず何重にも板挟みにされていく。最新型飛行機は好調に飛行を続けるのだ。

本作は日常的にTV放映されているアニメとは、一部そういう要素を含みながらも一味違ったテイストを持つ作品です。
目的は”お姫様の護送”、テーマはマクロな意味では”身分差の恋”。
大勢の敵と戦うところや、一度負けて一騎打ちでのリベンジなどかっこよく燃える「アニメ」的要素は確かにありました。
それは映像としても群を抜く出来でした。敵と遭遇する恐怖や死と隣り合わせにいることの閉塞感には身が縮むような思いをしました。
空中戦でのGもこちらにそのまま伝わってきます。まさに生死の境を縫うような緊張感です。

このように意図して作られた「バトル」もありましたが、もっとそれ以外のところこそがこの映画の醍醐味です。
たとえば、狩乃とファナの距離を詰めていく過程や、飛行機での長距離移動の描写、そして狩乃シャルルの視点での物語の推移は普通の「アニメ」とはいささか違ったものを感じさせます。
まだよそよそしい2人が海の真ん中で停泊したり、戦線をくぐり抜けたりする中で親密になっていく描き方は明示的過ぎなくて僕の好みでもありました。
それにストーリーの内容にも言えることですが偶然性の描き方も良かったです。
彼らはただ踊らされているわけではなく、物語の中でちゃんと生きていました。ひとつひとつの出来事が常に新鮮でした。
それらの中でも特筆すべきは狩乃シャルルの人生背景を含めた上での本作での描写が何よりも素晴らしいこと。
“上司たちからは最初から最後までドブネズミ扱いされ、不遇な運命の中でやっと見つけた幸せにも手を伸ばすことは許されない。
物語の中で目的達成に向けてひたすら真面目に取り組む姿は凛々しくもあるが、その背中からはわずかに悲しみが漂う。
達成したところで名前の残らない仕事。たくさんの犠牲を払っても自分らには一切目を向けない上の人間たち。
これが終わって自分に残るものはなんだろう。ああ、金だ。それもたくさんの金だ。”
この反動もあってかラストシーンは最高です。もの凄い感動がありました。


どうもあにこれ内での評判は良くありませんが、シャルルの背景やファナとの距離の絶妙な描写は心を震わせてくれます。
この作品にしかないものをそれぞれに見つけられるかどうかはその人のコミットの深さ次第です。
どこまでシャルルという人間を捉え辛い経験やその立場を理解しこちらから共感していくか、彼とファナとの関係にどれだけの想いの温かさとまたその儚さをみることができるか。
これは好みの問題でもあるけれど、少なくとも声優の良しあしや漠然としたファクターを繋げて鳥瞰する以前の問題です。
王道であるとか、無難であるとか、そういうところに留まらない、まぶしいくらいの輝きを秘めた作品です。
一見の価値は十分にあります。
とても良い作品なので観る際にはどうか斜に構えず、まっさらな気持ちで観て頂きたいです。ぜひ一度。そしてもう一度。

{netabare}


レビューのタイトルは原作のこの作品の漫画化を担当したのが小川麻衣子さん。
ただいま『ひとりぼっちの地球侵略』進行中の方です。
そんで、この漫画が大好きなのでタイトルを合体させたというどーでもいい話ですw

閑話休題

ラストは見事でした!
ファナを引き渡した後の金がホントにごみのように見えました。あのシーンはなかなかのインパクトがあります。
そしてなにより最後の飛行です。かっこよかったー!ホントかっこよかった!
最高の愛の表現です。素晴らしい!

物語としては愛の逃避行をしなかったことにより、共同体が阻む苦しみがひしひしと伝わってくる結果になりました。
でも悔しいですねー。んー、歯がゆい!脚本にしてやられましたな。

まあそんなわけでとっても好きなんですよ、この映画。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 18

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

良作と駄作の境界線を鮮明に表した、ある意味重要な作品

中身が無さ過ぎて泣けてくる( ;∀;)

作画は良好。素晴らしいデキです。空を描く作品って作画のレベルを試されていますよねw
この作品は空を描くことが大半なので、重要な要素なんですが、完成度が非常に高いと思います。

それだけに物語はがっかりですね(;´Д`)
恋愛ものと言えば聞こえは良いですが、実際は恋愛ではなく、規制に縛られたお姫様が自由を味わうという単純な話です。
キャッチフレーズは「そこに自由はあるか。」というありきたりなもの。

しかし、姫であるファナの可愛さは異常と言っても良いでしょう。「天空の城ラピュタ」を意識して作られたらしいのですが、それも頷けます。
ファナを拝むだけの為にこのアニメを視聴するのも良いかも知れませんw

ちなみに、原作は「このライトのベルがすごい2009」の作品総合ランキングで10位を獲得しています。


物語は色々複雑な設定があるのですが、この映画ではどうも生かせてなかったですね。
私は原作を読んでいませんので、本ではどのぐらいこの帝国制度や格差社会といったものが反映されているのか分かりません。しかし、私の予測では映画よりはこの設定を生かせていたのではないでしょうか。

一つ言えることは、この作品は「借りぐらしのアリエッティー」に似ています。
設定は面白い。序盤は当たり前ながらも、独自の世界観を魅力的に表現しています。しかし、本題に入ると「え?これだけ?!」という感想を抱かずにはいられない。

やはり、この作品はB級という表現が適切のようです。
この作品で注目すべきは作画とキャラ。それ以外はむしろ目を瞑っても良い。

声優陣は豪華とは言えませんが、そこそこのメンツ。
注目すべきはシャルル役の神木隆之介さんかな?(シャルルって名前本当に多いな・・・汗)
まぁ、そこまで期待する必要は無いかも・・・。

今まで作画が良ければそれなりに良いものが出来ると考えて来ましたが、やはり内容も重要ですね。
心に残る作品を作るのは難しい。1,2クールアニメの製作も難しいけど、映画の製作も難しいですね。

人気になる作品と人気にならない作品の違いを明確に表した、ある意味重要な映画です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待せず見たら、意外と面白かった。掘り出し物のアニメ映画です。

素人な声優もほとんど気にならないくらいの、雰囲気を持った作品です。
シンプルな中にも深みがあり、緊張感と感動が適度に加わります。
そして、短い期間での話ですが、次期王妃の成長が手に取るようにわかります。

次期王妃が2回も海に落ちる演出が好きです。
次期王妃の不器用なかわいさを表していて、ポイント高いです。

映画らしい映画、素直なシナリオと思います。
私にとっては、掘り出し物のアニメ映画です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26
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