shino さんの感想・評価
4.0
たくさんいる「私」
岩倉玲音の時代である。
ブゥーーン、ブゥーーーン、
幾度となく強調される送電線のノイズ音。
それは「つながり」のメタファー。
90年代末尾を飾る時代が生んだ傑作。
欝々しい展開にカルト的人気で名高い作品、
そこを乗り越えた先の大団円に感動を覚えます。
ここでの問題提起は「攻殻SAC」へと昇華され、
この偉大な「供儀」の物語は幕を閉じる。
絵柄は古く、演出は静かに進行する。
しかし前半に種を撒き、後半に回収する。
物語の基本に忠実な展開、構成だと思う。
主人公は中学生、岩倉玲音。
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神の不在、集合的無意識。
何かがおかしい!?何かが始まっている!!
難解でしょうか?いいえ。
我々の側が複雑にさせているのでしょう。
しっかり観ていれば、迷子にはならない。
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世界は等しく病んでいる。
文化庁メディア芸術祭優秀賞作品。
ご堪能あれ。