重力おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの重力成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月05日の時点で一番の重力おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.7 1 重力アニメランキング1位
サカサマのパテマ(アニメ映画)

2013年11月9日
★★★★☆ 3.8 (663)
3145人が棚に入れました
どこまでも、どこまでも坑道が続く地下世界。狭く暗い空間であっても、人々は防護服を身にまとい、慎ましくも明るく楽しい日々を送っている。地下集落のお姫様であるパテマは、まだ見ぬ世界の先に想いを馳せて、今日も坑道を探検する。お気に入りの場所は、集落の「掟」で立ち入りが禁止されている『危険区域』。これまでに見たこともない広大な空間には、幻想的な光景が広がる。世話役のジィに怒られながらも、好奇心は抑えられない。いつものように『危険区域』に向かったパテマは、そこで、予期せぬ出来事に遭遇する。何が『危険』であるのか、誰も彼女に教えてはくれなかったから。隠された“秘密”に触れる時、物語は動き出す――

声優・キャラクター
藤井ゆきよ、岡本信彦、大畑伸太郎、ふくまつ進紗、加藤将之、安元洋貴、内田真礼、土師孝也
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

良いふわふわ感

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらいのSFファンタジー。

 演出のメインである重力感は、かなり上手く描けていたと思います。高所に立った時のぞくぞくする感じは、画面を通して見ている私にも感じられました。視聴後のスッキリ感も良く、結構面白い作品だったとは思います。
 ただ、作品の出来としては、まぁまぁくらいですかね。


世界の構造(ネタバレ注意):{netabare}
 オチが読みやすい分、分かりにくくはないと思うので簡単に。
 ボールの中にボールが入っている構造です。私たちが認識している地球が外側のボールだとすると、その中に内側のボールが入っていることになります。

 図解するとこんな感じです。外側ボールを”外)”、内側ボールを”内)”で表現します。
 < ←地球のコア  内)←偽物の空 ←アイガ|パテマ→ 外)私たち→ 本物の空→ >

 外側ボールの表面に、外側に向けて立っているのが私たちです。作中には一切出てきませんので、もし居たとしたらという話ですけどね。そして、私たちの足元の地下世界に、同じ向きで生活しているのがパテマたちです。
 外側ボールの裏面に、内側に向けて立っているのがアイガの人たち。この人たちが逆さまです。文字通り「ガイア」の逆ってことなんだと思います。

 内側ボールというのは、パテマたちの祖先が、アイガの人たちのために作った偽物の空です。光源でもあり熱源でもある人工物です。雲の描き方から察するに、雲の生産も行っているのだと思われます。地下深くに上空と同じ雲が再現できるとは思えませんから、雲状のガスというのが正しいのかもしれませんけどね。

 パテマが本物の空を目指さずに、偽物の空を目指していたのは、自分たちが逆さまだと思っていたからです。偽物の空だけを知っているため、本物の空の方を地下深くだと認識していました。
{/netabare}

吉浦康裕監督のこと:{netabare}
 吉浦作品は、「イヴの時間」と「アルモニ」を視聴済みです。今回で三作目ですね。
 特徴としては、かっちりとした作品を作る監督だと思います。世界観や設定を練り上げて、さらにフラグ管理も徹底することで、破綻のないストーリーを作る。世界観については、オリジナルというよりは、どこかで見たことのあるものが多いですから、独創性よりはアレンジャー気質を感じる監督です。

 「イヴの時間」では、このかっちり感がやや裏目に出てしまったような気がします。裏面のストーリーはもちろん、表面のストーリーでも、フラグが回収できてないことが分かってしまう。平たく言えば、未完であることがバレバレであるってことですね。もちろんこれは、完結ものとして評価しづらいだけで、作品として悪いという意味ではありません。

 かっちり感が良い方に転がったのが「アルモニ」です。二つの異なる世界を使って、かっちりしているのにわざと見せない部分を用意するという作りになっていました。これにより、答えを用意しながらも、その後どのように展開するのかを視聴者の想像に委ねることができていました。
 かっちりした作品というのは、破綻のない分、想像の余地や余韻が失われてしまうことが多いです。ですが、わざと穴をあけることで、破綻のなさと想像の余地を両立するかなりいい作品に仕上がっていました。


 時系列的には、「イヴの時間」と「アルモニ」の間に作らえたのが「サカサマのパテマ」です。作品の性質もこの二つの作品の中間に該当します。「イヴの時間」にあったフラグ未回収で中途半端な感じは消えているものの、「アルモニ」のような想像の余地は得られない。未完のせいで評価しづらい「イヴの時間」とも、かなりいい作品に仕上がっていた「アルモニ」とも違う、まぁまぁな作品。これが「サカサマのパテマ」です。
 そして、「サカサマのパテマ」のかっちり感がどこから来たかというと、「天空の城ラピュタ」です。
{/netabare}

サカサマのパテマのプロット:{netabare}
 サカサマのパテマの基本プロットは、「天空の城ラピュタ」と全く同じでした。
 女の子が落ちてきて、男の子と出会う。女の子がさらわれて助ける。上昇や下降の末に、新たなフィールドが用意されている。足場が崩れてエンディングに至る。お父さん役は同じ夢を追って死んでしまっている。敵はムスカのような分かりやすい悪役。

 「ラピュタ」を作りたかったのは理解しますが、さすがにここまで同じだと厳しいものがあると思います。パクリなのかオマージュなのかという話ではなくて、宮崎駿監督に正面から挑むとかラピュタ越えする作品を作るとかいうのが無理がある。ここまで同じプロットだとこちらも比較せざるを得ません。

 ラピュタというのは、冒険譚としての圧倒的な面白さに加え、宮崎駿監督の思想が出ているから傑作になっているんだと思います。面白さとメッセージ性が両立された稀有な作品です。
 ですが、この作品は表面をなぞるだけで終わってしまっています。人物像はどこかで見たものばかりで、掘り下げられてはいない。描かれている思想もありきたりな管理社会批判だけ。エンディング後に世界がどうなっていくのかの示唆も感じられない。
 重力感の描き方以外は、どれもこれも今一つなものばかりです。

 ラピュタのような名作と同じプロットで作品を作れば、失敗しないのは当たり前だと思います。ですが、ラピュタ越えする作品を作るというのは、宮崎駿監督本人にとっても非常に難しいと思います。
 結局、二番煎じにもかかわらず、新しい要素はほとんど見せられなかった。そんな意味でもこの作品は、「まぁまぁな作品」だと思います。
{/netabare}

演出関係:{netabare}
 静止後に画面をぐるっとひっくり返す演出が、複数回使われていました。個人的にはここまで露骨なのは最初の一回だけにして、あとはアレンジした演出を見せて欲しかったです。
 分かりにくくなるのを恐れたんだとは思いますが、分かりにくいことを分かりやすく表現することこそが演出力として必要なことなんだと思います。

 反面、パテマとエイジの人間関係の描き方は非常に良かったです。
 手と手でつながっていたものが、身体と身体でつながるようになる。反対を向いているという相容れない存在同士が、キスシーンのときだけ同じ向きを向いている。
 この辺の人間関係の進展の描き方は、この作品の設定と非常にマッチしていました。
{/netabare}

おわりに:{netabare}
 吉浦監督がどのような方向に行きたいのかはよく分かりませんが、いずれの作品も社会風刺の要素がありますから、今後もその傾向を持つんだと思います。ただ、かっちりな大枠を用意して作品をまとめ上げることを優先しすぎているせいか、そのメッセージ性自体は全く面白くありません。おまけで入れているようにすら感じます。そもそも風刺の内容に新しい視点があるわけではなく、既に語られてきたやや古いものばかりです。
 作品のプロットも、思想の中身も、二番煎じばかりという今の状況はなんとかした方が良いと思います。


 批判的に書いていますが、私個人としては、吉浦監督には結構期待しています。
 前述したとおり、「イヴ」「パテマ」「アルモニ」と、作品を追うごとにクオリティはどんどん上がってきています。しかも、ただ単にクオリティを上げているだけではなく、悪かったところは重点的に修正されています。

 特に、人間関係の描き方や掘り下げ方は、「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」ではお世辞にも良い作品とは言えませんでしたが、「アルモニ」ではかなり上手くなっていました。
 また、作品の設定そのものにも改善が見られます。室内劇であったためにスケールが小さかった「イヴの時間」、大空を舞台としたスケールの大きい「サカサマのパテマ」、と来て、室内劇とファンタジーを組み合わせた折衷的な「アルモニ」が作られた。

 新しいことにチャレンジしながらハイペースで成長している監督ですから、個人的には今後が期待できる監督としてはかなり注目しています。

 今後は、プロットを引用しないオリジナルの長編に、ぜひチャレンジしてほしいと思います。「アルモニ」は短編でしたからね。もし次の作品で大失敗しても、切り捨てるようなことはしないと思います。
{/netabare}

対象年齢等:
 子供は十分に楽しめると思います。
 大人向けというのは厳しい気がしますが、大人が見ても損することはないと思います。「風に乗る」とか「風を切る」とかとは違う「ふわふわ感」を体験できるのは、この作品の特筆すべき特徴です。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「物質に働く重力の向きが2種類ある」傑作SF

【あらすじ】
 「咎人は空に落ちる」。重力が反転した人々は地下に隠れ住んだ。そして月日は流れ、何も知らない少年と少女が出会う。その果てに待ち受ける真実も知らず……。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる★☆☆☆☆
恋愛★★★☆☆ 熱血★★☆☆☆
頭脳★★★★☆ 感動★★☆☆☆

【ジャンル】
SF、恋愛

【こういう人におすすめ】
SF好きな人。しっかり考えながら見るタイプの人。

【あにこれ評価(おおよそ)】
68.3点。いまいち。

【個人的評価】
舐めてたけど予想を超えてきた。スタジオ六花の可能性を感じた良作。

【他なんか書きたかったこと】
 地中に重力が逆向きの人々が住んでいて、ひょんなことから重力が逆の少年と少女が出会う。なんと少女は手を繋いでいないと空に落ちて行ってしまうのだ!そして始まる『天空の城ラピュタ』的な二人の冒険劇……。
 分かる。言いたいことは分かりますよ。一つのアイデアでゴリ押しする感じのありがちなストーリーに思えますよね。要するにご都合いちゃいちゃアニメじゃんハイハイご苦労さんって思ってるでしょう?
 少なくとも私はレンタル屋でパッケージを見たときにはそう思いました。
{netabare}
 でもこれ実はすごいですよ!「物質に働く重力の向きが2種類ある世界」というSFとして見ると、物理学的に全然間違ったところが無いです!
 そして、隠された謎も面白い!最後まで明言されない謎なので、ながら見するとストーリー構成の妙に取り残されますよ!

 むしろ頭を使ってアニメを見るタイプの人、緻密なストーリー構成が好きな人にこそおすすめしたいアニメ映画です。「重力が逆向きの二人のボーイミーツガール」というアイデアだけでも十分アニメ映画は作れたでしょうが、そこからさらに一歩テーマを突き詰めた良作SFです。
 映像的にも天地反転のカメラワークが面白くて「おー」ってなります。

↓以下、「一度みたけど何がすごかったん?まあラストあんま意味わかんなかったけど」という人だけ開いてください。これから観る人は絶対開けちゃダメ! 
{netabare}
 物語の始まりでは女の子サイドは地底人。男の子サイドは地上人として登場します。地上の都市の名前は「あいが」。この時点ではなんのことか分かりませんが、ちょっとスルーできない雰囲気を持つ都市名です。

 で、ボーイミーツガール。ここはまあ楽しんでください。
 でもこのあたりでの「都市の外のタブー」地域があとで効いてきます。

 で、女の子捕獲→救出。ここもまあ楽しんでください。
 しかしここで、「あいが」サイドが地底人に対してなんか無駄に敵対心があることが読み取れます。「罪人」という言葉も無駄に出てきます。これは単にジブリの悪役のマネしたいわけじゃなく、ちゃんと裏設定があるのです。”遥か昔”は、地底と地上で交流があったことも示唆されています。

 で、二人で空に落ちる!
 この展開、結構面白くないですか?本来は女の子のほうが軽かったので下向きの力の方が強くて地面にいたのですが、この時は女の子が足かせをしていたのでその重さの分だけ上向きの力が勝って空に落ちてしまったのです。なんか物理かじってるとこういうの楽しいです(笑)
 そして空へ浮いて浮いて行き着いた先が、都市!?
 ここまでちゃんと見てた人は大パニックになります。これはむかし空に飛んで行った人たちの都市なのか?いやいや、そうなると空の上にもう一つ地平があることになります。まさか地球をぐるっと囲むようにもう一つの地面の膜が作ってあるのか?
 NOです。
 最後までみると分かりますが、ここには人は住んでません。これは「気象発生+照明装置」です。……はい?って思いました?さあ先に行きましょう!
 
 ここでちょっといい話挿入。でもこれ、都市から気を逸らせるための罠です。にくいことしますね(笑)

 そして地下→ラスト。地下の一番底が抜けて、空が!
 わかりましたね。
 つまり地底人は男の子サイドのほうだったのです。女の子サイドは地下に住むだけの地上人。地底に「あいが」という巨大な空間があり、そのさらに最下層に無人の都市(に見える気象装置)があったのです。
 「あいが」=「さかさまのガイア(大地)」だったんですね。ま、これはチープっちゃチープですがさらっと面白いことしやがる。
 女の子サイドは「サカサマ事件」を起こした実験に関与していた人たちの末裔で地下都市アイガを監視する役目。男の子サイドは地下に追いやられたサカサマ人。アイガの人が地底人を恨んでいるのは当然ですね。しかしお互い長い年月の末、そのことを知るものがいなくなったようです。
 アイガの外のタブー地域はつまり、空間の終わり。つまり地下空間の壁がある場所なのです。
{/netabare}

↓「SFとして面白いこと!ちょっと間違ってること!」これも観てない人は開けちゃダメ!
{netabare} ・まず、アイガの男性陣は結構パテマを軽々片手で持ってますが、これはちょっと握力強すぎ。女の子が片手で懸垂してるのと同じ力が必要です。

・最初に二人で大ジャンプして追手をかわそうとしたシーン。あれはジャンプの瞬間にパテマ側も男の子を押すようにして二人の腕が曲がらないようにしないと成功しません。全体的にこいつら筋肉質だなあ。

・二人がアイガの塔から空に落ちるシーン。ちょっと初速が速すぎますね。もうちょっと風船くらいの速度で行かないと、無人の都市にぶち当たってヒキガエルですよ!

・しかし、無人の都市にぶち当たって死ぬことがない。これは空気抵抗で説明できます。二人の重力の差がごくわずかであればすぐに空気抵抗によって加速しなくなるので、「ゆっくり着地」はあり得ます。まあそうなるとゆっくり離陸するはずですけどね(笑)

・親が昔作った重力反転気球みたいなやつ。動力0で浮遊できる!ちょっとリスキーだけど魅力的な乗り物です!重りの落とし方ミスったら宇宙の果てですね。

・最後本当の地面が抜けた時、アイガ側におちる破片と、本当の空に落ちる破片の2種類がありましたね。芸が細かい!

・これ言ったらSFってジャンルはオシマイですが、地下につくられた空間デカすぎですね。地平線で見えなくなるところまで、認識できないほど地下深く掘られています。
{/netabare}

 さかさまな二人から子供生まれたらどうなるの?とか、ご飯食べたら浮くの?みたいな面白い考察をするレビューがありました。まさしく!そこらへん面白いです!分子レベル、量子レベルで重力が反転していると考えるのが自然なので、理論上「どっちの分子でできているか」によってどっち向きか決まると思います。
 ということはサカサマ人は地上の食べ物を食べ続けて正しい重力方向の炭素を摂り続けたら、地上で暮らせるようになるかも!反転する瞬間が怖いですが。あと、反転するまでは、排泄したう○こが上にすっ飛んで行きますね。
 ……やめとくかこの作戦は。
 あ、炭素など取らずとも数日正しい重力方向の「水」を飲めば重力反転は可能ですね!熱中症とかになって脱水症状がでたら宇宙まで飛んでいくかもですが。
 「生まれてきた子供」はほぼ母体の炭素から構成されるはずなので、パテマ側の重力になること間違いなしです。

↓私発案!正しい重力の戻し方!
{netabare}
1、地下の一室に閉じこもり、天井に磔にします
2、この状態で水だけを正しい重力方向のものと代えて、数日過ごします。その間、おしっこは浮くかもしれません。
3、何日かすると重力が反転します。
4、次にご飯も正しい重力のものに代えて数か月過ごします。この時期には頃合いを見て地上に出ることも可能です。
5、完成!もうサカサマ人じゃないよ!サイヤ人だよ!(髪の毛は逆立ちます)
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 40
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

秀逸なワンアイディアによって展開する劇的なアニメである一方、そのアイディアに引っ張られ過ぎた感もある

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。王道のボーイミーツガールであり、冒険活劇。メッセージ性、芸術性、娯楽性、いずれの質も高い。大変出来の良いアニメ映画です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やはり、「重力が逆」「空に落ちる」というアイディアが秀逸。また、その効果により、カメラアングルがぐるっと上下逆転する映像は新しく、見処のひとつであり、パテマとエイジが手を取り合い空を(月面のように)駆ける様には緊張感と爽快感があった。

絵で魅せる、絵で伝える、というアニメの基本であり王道であり、奥義でもある魅力を堪能できるアニメ。カメラがグルグルと回り、天地が引っくり返ると同時に、自分の価値観や、これまで信じてきた事実の根底をグラグラと揺さぶられる妙な快感を味わえることでしょう。

それから、ヒロインのパテマがとても可愛らしかった。いかにも、宮崎駿さんが好きそうな女の子です(笑) 基本的には勝ち気だけど、少女らしい弱さもあって。映画という尺の中でも十分に魅力を表現できていたと思う。

ここまでは、絶賛w

ここからは、カライ評価。

(アニメをたくさん観てきた方なら)「実はパテマ達が通常の人類で、エイジ達が大罪人(逆さま人)だった」というオチは、正直早いうちから見当はついただろう(そうじゃないと、物語に決着がつかないしね。悪役が語る伝承は嘘であることが定番w)。

この作品は、監督に表現したいことが多過ぎたから、一生懸命にムダを削り、それでも尺からはみ出てしまい、泣く泣く描きたいシーンを削ってできた作品のように思う。監督にとってはツラい作業であったろうし、個人的には、そのぐらい思いの詰まった重い作品は、愛しく感じる。

とはいえ、やはり中途半端な感じは否めない。

この作品の致命的にマズイところは、ボーイミーツガールものなのに、主人公(エイジ)とヒロイン(パテマ)の心の交流、絆の深まりをじっくりと描ききれなかったことだと思う。

例えば、エイジとパテマが管理塔から空に落ち、エイイチの気球(的な乗り物)を見つけた場面。ハッキリとは描かれてないけど、エイジとパテマのキスシーンがあった。あれは感動的で良いシーンに成り得るんだけど、私は観ていて「いつの間にそんなことになったの?」と思ってしまった(出会ってからトータルで、2日も一緒にいないよね?)。なんか、「つり橋効果?」とか「ラゴスの死を知った後に優しくされたからほだされたのか?」とか、考えてしまった。言い方悪いが、パテマが尻軽に感じた。だから、最終的にフラレるポルタが可哀想で可哀想で。幼馴染みより、たった2日しか過ごしてない相手を選ぶってどうなのよ?

パテマとエイジが出会った後、治安警察に捕まるまでの間に、少し(2,3日程度)で良いから日常パートを差し込み、2人に「重力が違うからこそ成り立つラブコメ」をさせておけば、だいぶ違ったと思う(まあ、尺の関係で削ったのだろうけど)。

そこが、最大に残念なところかな。

あと、「折角考えた秀逸な設定を紹介したい」熱が凄すぎて(汗)

最もそれを感じたのは、やはり上記の「エイイチの気球を見付けた」場面。あの場所はおそらく、アイガ国民にとっての太陽なのだろう。大災害を経て地下に逃れた人類(逆さま人、後世のアイガ国民)は、自らの科学技術により、地価の大空間に空と星と太陽を作りあげた。それが、あの施設。その設定、世界観の作り込みは秀逸で、確かに紹介したい。気持ちは分かる。でも、あの少ないシーンでそこまで気付ける視聴者って多くない気がする(それに、エネルギー源とか、だれかコントロールしている人間がいるのかなど、不明な点もある。きっと裏設定はあるのだろうけど、視聴者には伝わらない)。

それよりも、例えば、アイガを「空中都市」にしちゃえば、話が早かったのでは?(ラピュタへ逆さまに立っている感じ)。それだと、父親の手帳を見つけるシーンと最後の本当の地球に辿り着くシーンが(ラストの)1発でいけるから、中盤にラブコメを入れられたと思う。

もちろん、2回にわたり世界を引っくり返すことで、世界観はより深まるから、あれはあれで価値は高いんだけど、何よりもパテマとエイジの心の交流を描くことが優先される、というのが私の意見だ(この作品がボーイミーツガールである以上)。

しかも、更に他にも、この作品には「異なる価値観を認める」というテーマも含まれている。

ベルトコンベアーのような道路で運ばれ、偏った思想教育を植え付けられ、(例えば空を飛ぶなど)おもいきった夢を持つことを禁じられた、無表情な学生達。まるで、大量生産される商品のようだった。それは多分、今の日本の教育や社会に対する(かなり大袈裟な)警告なのだろう。

「自分の価値観(世界)だけが正しいのか」「異なる価値観(逆さま人)とも手を繋ごう」というメッセージは、作中かなりたくさんあった。でも、結果が出てない。せいぜい、パテマとエイジが空の上から帰ってきた時に、学生達が明るい表情で空を見上げたことくらいだろうか。イザムラが死んだ後の世界で、彼らはどう生きるのだろうか? 本来ならCパートで、「その後」を見せるべき構成だろう。エイジの学校で学ぶパテマや、パテマの家で遊ぶカホ(エイジの同級生)とかね。まあ、これも尺の問題で無理だったのだろう。

と、色々と難癖はつけているが、確実にレベルの高い作品であったことは間違いない。記憶に残る一作になるだろう。実際、この映画にムダな部分はない。でも、足りない。つまり、アイディアと構想が良すぎただけだ。時には、思いきって「大衆化」する勇気も必要なのだと感じた作品だった。

イメージ的には、「鰻牛(うなぎゅう)ツユダクで生卵トッピング、あ、あと、カレーとチーズもかけて下さい」byすき家 って感じのアニメでしたねw どれもこれも美味いんだけど、バラバラでじっくり食べたかったな、と。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「重力が逆」「空に落ちる」というアイディアが秀逸。絵で魅せる、絵で伝える、というアニメの基本であり王道であり、奥義でもある魅力を堪能できるアニメ。

ただ、主人公とヒロインの心の交流、絆の深まりをじっくりと描ききれなかったことがマイナス。また、監督が自らのアイディアを全部詰め込もうとして、やや空回っている感じもした。勿体ない作品だった。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 40

68.0 2 重力アニメランキング2位
蒼の彼方のフォーリズム(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (595)
3189人が棚に入れました
反重力シューズ・グラシュの発明で人間が空を飛ぶことが普通になり、グラシュを使った新しいスカイスポーツ「フライングサーカス」(FC)が行われている世界。

かつてFCの有望選手だった日向晶也は、とある経緯で競技から遠ざかっていた。

そんな彼の通う久奈浜学院に内地から倉科明日香が転入してくる。

彼女にグラシュでの飛行方法を教える内に、晶也はFCへの情熱を取り戻して学院のFC部に加入。

ヒロインたちと交流しながら共にFCへ取り組んでいく。

声優・キャラクター
福圓美里、浅倉杏美、山本希望、米澤円、逢坂良太、若林直美、近藤孝行、種田梨沙、興津和幸、儀武ゆう子、緒方恵美
ネタバレ

アムールトラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作の体験版インストールしてしまった。本体もそのうち買うつもり。

作業用アニソンメドレーに良く出てくるという何気ない理由で見始めました。
そんなですから、前情報は
op『Contrail~軌跡~』川田まみ(最後のシングルですね。心に染みる曲です。)のみでした。

なので、視聴後に事実を知って仰天しました。
wikipediaによれば、
原作はspriteによるアダルトゲーム(18禁)。
『萌えゲーアワード大賞・ユーザー支持賞・11月月間賞の三部門を受賞している。』
だそうです。
もちろんゲームは未プレイです。

★先入観持たなくて良かった★
重要なことを言います。

「あおかな」というアニメは、全く断じてエロくないです!
それどころか、恋愛ものですらないです。
FC(フライングサーカス)を題材とするスポコンです。

前情報を中途半端に持っていて、恋愛系の展開を予想していたら、期待外れになった可能性は低くないかもしれません。
しかし、スポコンとして見れば実に良く出来た作品だと評さざるを得なくなる良作です。

才能に対する怖れや競争心理、同じ競技者としての連帯感などの描き方は漫画やラノベ原作の作品と比較しても遜色ないどころか、高水準と言えます。

下手に恋愛色を残さず、テーマを絞った点が僕にはとても好印象です。

★ものっそい綺麗★
絵柄を一目見て「恋チョコ」を連想した人は多いかもしれません。
だって同じ会社ですから。そして、その人達は理解してくれるでしょう。

キャラデザインが可愛いです。具体的にどんなところがとかは説明できませんが、可愛いです。綺麗です。

個人的には市ノ瀬莉佳が大好きです。

でも、それだけではないのです。
空が、海が、山が輝いている!
僕は今までこんなに綺麗な風景描写を見たことが無かったです。
特にopは圧巻です。曲調と声音、美麗なイラストの相乗効果で中毒性高し。

本編の作画については中盤以降乱れる部分もそこそこありますが、大きな減点にはならない程度だと思います。

風の香りが感じられますよ。それは扱うスポーツがスポーツだからでしょうね。

★FCというスポーツ★
FCでは空飛ぶ靴(グラシュ)を使います。
使用者の周囲の重力を操作することで自在に飛べるようになるというやつです。あこがれます。使ってみたいです。

このグラシュ、飛ぶとカラフルな軌跡(コントレイル)が残ります。これも芸術性に一役買っていますね。

そして、競技のルールが本当によく出来ています。
おそらくグラシュが実現すれば実際にスポーツとして成り立つと思います。

単純に飛行速度を競うだけではないというのがみそです。
コース(空中)に配置されたブイにタッチするか相手の背中にタッチすることでポイントが得られ、その合計点でタイマンするのです。
まだ見ていない人は見れば分かります。
一見容易な抜け道があるように見えて、見事に塞がれている絶妙なゲームバランスは率直にすごいです。
この現実味があるからこそ、物語の主題が際立ちます。

★スポーツを愛する全ての人へ★
主題が何か、作者は何が伝えたかったか。そんなことは分かりません。
作者しか分からないですから、考えません。

しかし、例え意図がどんなものでも、伝わってくるものがあります。僕はこの作品がスポーツと人の関わり方について本当に良く描いているなと思いました。
スポーツを楽しむ、スポーツで苦しむ、泣く、スポーツを愛する、避ける。

スポーツから逃げる。

様々なキャラクターが様々なスタンスでFCと向き合っていました。
大きくは取り上げられていなくとも、「あおかな」には多種多様な葛藤や苦悩が描かれていたと思います。

★萌える、萌える、萌える★
明日香のキャラ設定が最高すぎです。
天然キャラなのですが、この自然さといったらないです。
天然キャラの、面白さとここぞという時の力との相性がすさまじかったです。

みさきの設定も良いです。
好物:うどん。これはまあ狙ったなといえばそれまでですが、随分と奇抜なことで。
そして、低血圧。これがすごい。
これを利用した心情描写が自然でした。

真白はこれまた見事は後輩キャラです。
みさきに過剰な愛を持つ設定はありがちではあってもやはり面白い。
うどん屋の娘というのが絡んでとても良い具合です。
あと、邪神とプリントされたグッズをやたら持っているのですが、それがかわいいです。

莉佳はメインヒロイン。
僕の中ではそうです。
可愛いです。健気です。恋してる訳じゃないのにすごく健気です。

女子キャラがとにかく萌えます。
さすが萌えゲーアワードといったところでしょうか。

男子キャラもなかなかなものですよ。主人公最強設定とか、絶対王者の二つ名を持つ真藤とか、脳筋の受験生とか。
まあ、萌えはしませんけどね。

★壮大な伏線、そして綺麗なまとめ★
スポコンですから当然ラストバトルがあります。
そこでキーとなるシーンがある訳ですが、まさか{netabare}コントレイル{/netabare}に伏線が敷かれているとは思いもよらなかったです。伏線と呼べるか怪しいなとも思いましたが、原作体験版をプレイした感触では間違いないです。
アニメでは説明が簡略化されていましたが、初期段階でしっかりと説明されていたのです。巧妙です。

そして、大団円。
まさかあのキャラまで巻き込んで大団円!?と驚かされました。
明日香の天然天才の力はすさまじく、最高のラストでしめてくれました。
号泣するとかいう類のものではありませんが、ある種の感動は大きかったです。
胸がほかほかする感じです。

溜めが少し長く、やっときたかと思う部分{netabare}(主人公が飛ぶ場面){/netabare}もありましたが、徹頭徹尾きれいに美しくまとまっていました。

★所感★
「あおかな」は名作です。
アダルトゲーム原作であることを考えると恐ろしい限りですよ。
だって、このストーリーにエロがくっついたらやばいですもの。
――それは置いておいて。

このアニメ、たった一つのセリフ(?)に集約される気がします。登場人物達全員が、以下のセリフに沿った成長を遂げている気がするのです。

{netabare}「ダメなだーめな自分を、今とーきはーなーてー♪」{/netabare}

しかもこれがこのアニメ最初のセリフであるという。

★最後に★
あおかなの魅力に取り憑かれた方、及びそうでなくとも面白いなと思われた方、朗報です。携帯ゲームがもうすぐリリースされます。
今すぐ事前登録しましょう!(筆2016.5.13)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャッチコピーは「負けてからが、本当の勝負」

この作品の原作ゲームは未プレイですが、福圓さん、浅倉さん、山本さん、米澤さんらが出演されると知り視聴を決めた作品です。
その後、ゲーム制作会社spriteさんが「恋と選挙とチョコレート」を手掛けていた事、オープニングとエンディングに川田さん、RayさんのTo LOVEる -とらぶる- ダークネス 2ndコンビが担当される事を知り俄然視聴が楽しみになった作品でした。

この作品では「フライング・サーカス(以下、FC)」と呼ばれる競技が題材として扱われています。
文字の通り空中で速さやドッグファイトによって選手同士が相手の背中を取り合う競技なのですが、それを実現したのが、「グラシュ」と呼ばれる重力がコントロールできるシューズです。
このシューズを履くことで絶対地面に叩きつけられる事がない、という安全なスポーツなんです。
でもこのFC・・・登場する可愛らしいキャラのイメージからは想像がつかないほど激アツなスポーツでした。

海上の空中に設営された4角のブイ・・・時間制限のあるポイント性の競技で、ポイントは4角のブイをタッチするか、相手の背中にタッチするかで入る仕組みになっています。
スピードに特化した選手は高速飛行でブイ狙い・・・
ドッグファイトに特化した選手は、ブイをショートカットして先回りして相手の行く手を阻む・・・
と、ルールは割とシンプルです。
シンプルであるが故に、熱くなるんでしょうね^^

もともと久奈浜学院のFC部は全国にも出場するほどFCが盛んな学校でしたが、今では部員が少なくなって同好会状態になっていました。
そこに、2年生の倉科 明日香(CV:福圓美里さん)、同じく2年生の鳶沢 みさき(CV:浅倉杏美さん)、有坂 真白(CV:山本希望さん)がFC同好会に勧誘した事で部に昇格し、大会にも出れるようになりました。
ところが、みさきはFC経験者で真白はグラシュで飛ぶのは朝飯前・・・なのですが、明日香はこれまでグラシュを履いた事が無いので満足に飛ぶことすらできません。
そこに、かつて有望なフライング・サーカスの選手でしたが、とある理由でグラシュを履くのを止めこの世界から遠ざかっていた日向 晶也が明日香に飛び方を教える事になり、再びFCとの接点が出来て・・・物語が動いていきます。

このレビューを書くためにwikiをチラ見して知りましたが、原作のゲームでは日向が主人公なのだそうです。
アニメ版の展開から考えると、ちょっと想像しにくいです。
完全にFC選手を主人公に据えた作品になっていましたから・・・

部に昇格した久奈浜学院のFC部は全日本フライングサーカス大会の地区予選への出場と勝利を目指した特訓が始まるのですが、このスポーツの持つ躍動感に魅了されてしまい、毎回の視聴がとても楽しみな作品となっていました。

そして迎えた初めてのFC大会・・・
意地とプライドと思いがぶつかり合う激しい戦いだったと思います。
皆んなの成長が感じられた試合・・・と言っても過言ではありません。

ここからは、経験した事のある人にはトラウマの様に襲ってくる心の痛み・・・
自分は全力を出し切った・・・負けたのは悔しいけれど、格の違いを知っていたから仕方無い・・・
きっと誰も勝てないんだし・・・
自分にそんな言い訳をした経験はありませんか?
私は同じ様な事で何度も自分を誤魔化した経験がありますけれど^^;

でも次の瞬間目にするのは自分の想像を絶する光景・・・
格の違い・・・でもそれは相手の本気じゃ無かった・・・?
相手の本気ってこんなにも凄かったの・・・?
私はそこまで相手の本気を引き出せなかった・・・?

もし、その相手の本気を引き出したのが身内だったらどうでしょう・・・
心から素直に応援できるでしょうか・・・?
この状況・・・負けた本人にとっては屈辱以外の何物でも無いんですよね。
自分の心の弱さと醜さと本音が入り乱れて心の中はグチャグチャ・・・

そしてこの状況を踏まえた上で次に何を選択するかが最大のポイントになるのですが・・・
たくさんの紆余曲折を経て回り道をして何度も躓くけれど、最後にたどり着くのは自分の本心に素直であって欲しいと思います。
彼女たちの選択は・・・是非本編でご確認下さい。

この作品の良いところはここで終わらない事です・・・
一回りもふた回りも成長した久奈浜学院のFC部・・・
「さぁ、バチバチしようか・・・」の台詞で始まる戦い・・・これまで見たどの試合よりも熱い試合でした。
そして「至高の美しさ vs FCを楽しむこと」の戦いが始まるのですが、FCって、型に嵌ったスポーツじゃないんでしょうね・・・臨機応変で自由なのがFCなんだとラストまで視聴して思いました。

ホント登場するキャラはスポコンとは縁遠い感じなのですが、蓋を開けてみると半端無いスポコンもので、手に汗握る展開が幾度となく訪れてムッチャ興奮する作品でした。
ゲームでは恋愛要素もあるようですが、FCに特化した構成が個人的には大当たりだと思っています。

オープニングテーマは、川田まみさんの「Contrail〜軌跡〜」
エンディングテーマは、Rayさんの「a-gain」
どちらも好きな歌手なので甲乙は付けられません。この前カラオケで「a-gain」が上手く歌えなかったので、いつかリベンジしたいと思います^^;

1クール12話の作品でした。「恋選」といい「あおかな」といい、spriteさんの作るゲームのアニメは面白いという事をしっかり理解しました。
物語も1クールに綺麗に纏まっていたと思いますし、作画・キャラデザともに綺麗・・・試合での疾走感や躍動感は高いレベルにあったと思いますし言う事なしです^^
しっかり最後まで堪能させて頂き、ありがとうございました^^

投稿 : 2025/01/04
♥ : 30
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

フライング・コンフィギュレーション?

今期見る作品があまりにもなかったので、視聴してみました。
惹かれた点としては、絵柄と競技ものという点ですかね。

雰囲気としてはスポ根風なので見れなくもないです。
ただ致命的なのが、核となる競技の設定が緩いところ。
私の解釈が正しいのであれば、この競技は破綻しているはず。
詳細→{netabare}
  制限時間内にポイントを稼ぐ競技。
  ポイントの稼ぎ方は、4つのブイを決められた順(時計回り?)に触るか、対戦相手の背中?に触れるかのどちらか。
  ショートカットは対角線上に(=1つ飛ばし)のみ可能だが、その場合は対戦相手に越されるまでブイには触れられない。
  おそらくこれで合っているはず。

  まずパターンA。
  逆走、またはそれに近い行為が許されている場合、スピーダーは負けません。
  1ポイントはほぼ確定なので、あとは捕まらなければ勝てるんですから。
  そしてパターンB。
  逆に逆走や同軸上の逃げができない場合はファイターが勝つでしょう。
  理由としては、ブイの間近で待機すれば対戦相手にほぼ確実に触れられるから。
  対戦相手が停止した場合は、対戦相手に近づき、相手が動いたらブイに近づきを繰り返せば、同じ状況になります。
  ショートカットされたら、どうするの?
  心配ありません。その時は悠々とポイントを貰った上で次に行けばいいのです。だって対戦相手が待っていてくれるんですから。

  というように、ルールの把握漏れがないのであれば、どちらにしろ勝者は決まっていると言えます。
{/netabare}
というか、破綻云々を抜きにしたとしても、単純に面白いとは言えないんですよ。
記号的とでも言えばいいですかね。
AさんとBさんでも、明日香とみさきでも、試合内容は全くと言っていいほど一緒になるんですもん。
早い方が第一ブイを取って、遅い方がショートカットで待ち構えてドッグファイト。ただただコレの繰り返し。
盛り上がりには欠けるが、単純なスピード勝負もなくはない。
ただし、前者の場合はレース部分が完全に死んでますし、後者の場合はドッグファイトがそうなっていますね。
試合パターンが2つしかなく、どちらに転んでも競技の楽しみの半分が失われ、競技者の個性が全く感じられない競技。それがフライングサーカスだ!(`・ω・´)キリッ

いや、別に嫌いじゃないんですよ。
寧ろスポ根に飢えてる身としては、オリジナル競技とかどんどん挑戦して欲しいんです。
ただ、難しいことに違いはないので、今作のようになることも十二分にある訳で。
でもやっぱり、アニメ発祥のオリジナル競技、なんてものが生まれる未来にも期待したい訳です。

以下は雑記。{netabare}
  せっかくなので、私のフライングサーカスを考えてみます。
  大本の設定として、三種のタイプとポイントルールは継承してみようかな。
  まず第一の改善ポイントは、コース。
  やっぱりただの四角を回るのはつまらないですからね。
  ただ、複雑なコースを作ったりするのは、世界観ごと変える必要性があるので今回はパス。
  となると単純な四角じゃなくするという方向性が良さそうかな。
  どうせなら、コース作りも戦略に加えたいですね。
  じゃあ、各競技者に4つのブイの権利を渡して、計8ブイを時間内に奪い合う競技にしたら面白そうかも。
  競技範囲内であれば、自分のブイをどこに配置するかは自由。
  これなら、四角である必要もなければ、平面である必要もないので、空中戦の醍醐味が発揮できそう。
  でも、ただブイだけ配置しても面白みに欠けるな。
  ブイ以外に妨害アイテムや遮蔽物なんかがあってもいいかもしれない。
  だいぶ競技として多様化してきた気がするから、競技人数を増やすのもアリだろうか。
  2対2のチーム戦、ブイを2つずつ分けての4人戦。グラシュタイプやアイテム指定ありのイベント戦。色々考えられますね。
  グラシュタイプももう少し特徴が欲しいですかね。
  スピーダーは高速だけど、接触判定が全身。(他者に触れるとポイント失う)
  オールラウンダーは中速で、接触判定は胴体と頭。(手足ならガードも可能)
  ファイターは低速だけど、接触判定が背中のみ。
  このくらいにしておいて、グラシュタイプの読み合いなんかも入れると面白いだろうか。
  おっと、思いつきでポイントルールにも変更を加えよう。
  ブイはタイムアップ時点で保有している数につき、+2。
  開始時、+8というのもキリが悪いので、親ブイなるものを入れて、それだけ+4で、+10を持ち点にするかな。
  接触判定時は、防御側が-1、攻撃側が+1でどうだ。
  あとは、競技者個々の特徴が出せるといいんだけど、頭脳戦の要素も取り入れたし、あとは性格や技術なんかでどうにか出来そう……かな?

  まだまだ練り込みが足りませんが、思考が暴走し始めたのでここらで止めときます。
  よくよく考えたらレース要素ないし。(ーヘー;)
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 4

60.5 3 重力アニメランキング3位
GRAVITY DAZE The Animation ~Ouverture~(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (18)
155人が棚に入れました
PS Vita、PS4ゲームソフト「GRAVITY DAZE」のエンディングから、新作PS4ゲームソフト「GRAVITY DAZE2」のオープニングまでを描いた前日譚。

『GRAVITY DAZE』の後にキトゥンやクロウがどんな日々を送っていたのか、そしてキトゥンの身に何が起こり『GRAVITY DAZE 2』の物語が始まる舞台「バンガ集落」に漂着したのか...ぜひご覧ください!

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「GRAVITY DAZE」から「GRAVITY DAZE2」に続く前日譚。

「GRAVITY DAZE」の音楽を手がける“田中公平”先生の曲が聞けるだけでお腹いっぱいなアニメーションです。


前作「GRAVITY DAZE」から「GRAVITY DAZE2」に続く前日譚「GRAVITY DAZE The Animation Ouverture」

主人公のキトゥン達が話す言葉はゲーム内の言語「グラビティ語」であり、PlayStationの定額制サービスである
PS_Plusにて「日本語吹き替え版」が配信されました。プレイしている人やこれからの人のためのコンテンツです。

「GRAVITY DAZE 2」のサウンドトラック、「GRAVITY DAZE 2 オリジナルSoundtrack」が大好きで(´ε` )ムフ

クリアしてからは、BGMを聞くために本編をやっていたほどです。ニコ生で先生含むプロの演奏を聞けた時は、
感涙モノでした!最近(少し前ですが)買ったサウンドトラックでもここまでの物は中々無くて、本編をプレイ
していなくてもオススメ出来るレベルですね。作曲のポイントや苦労話もたっぷり語っていらっしゃったので、
“本編を遊んでるor田中公平先生が好き”な方で、見たこと無いならその生放送をご覧になるのを推奨したい。


【GRAVITY DAZE 2:CMの話】

GRAVITY DAZE 2はCMも秀逸で、「ONE SHOW 2017」のMOVING IMAGE CRAFT部門にて、Gold Pencilを受賞。

少しその内容を書き出してみます。


一人暮らしをしている姉の一人称視点で始まり、どうやら彼女はニュートンに関する卒論を書いてる大学生のよう。

卒論をパソコンで打っている所へ、飼い猫がかまってくれ~とやってきます。「もう~何してんのダメでしょ~」と
言いながらネコを抱きかかえる姉。

そこへ妹がやって来て、荒れた部屋に愚痴ります。

煮詰まってる姉に姉妹らしい関係性がわかる「お姉ちゃんはさ、常識にとらわれ過ぎなんだよ」というやり取り。

そこでガタッ!と物音がしたと思ったら、出しっぱなしの牛乳パックを猫が倒してしまう。視点が猫の方へ向き

2人は慌ててこぼれた牛乳とネコにかかった牛乳を拭っていると、飛び跳ねたネコが壁にピタッ!とくっつく。

重力の方向が変わり床と天井が逆転し・・


・・あとはご覧になってみてください(笑)


ゲーム本編をプレイしてない方にはナンノコッチャ分からないアニメですが、スタジオカラーが手がけたこともあり

アニメファンの中では少し知られているようですね。本編ではカラーらしい演出などもあってクスっと笑えます。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

最後、これから何かが始まるぞ!感はちゃんとでてる

「GRAVITY DAZE」は、大好きなゲームです。
ストーリー、システム、ゲームバランスどれも良かったです。
とにかくお空を自由に飛んでいる(実際は落ちている)爽快感はすごかったです。

「GRAVITY DAZE2」は、1作目で未回収だった伏線に決着をつけるお話です。
しかし、1作目が持っていたバランスの良さを逆にいじってしまっていて・・・。
また、ストーリー展開も1作目に比べるとちょっと・・・。

はい、ゲームの話はさて置き・・・、
これは、そんな「GRAVITY DAZE」と「GRAVITY DAZE2」の間のお話です。

ゲームを遊んでいない場合、ひょっとすると面白いかも?程度です。
ゲームを遊んでいる場合、絶対面白いです!

ただし、後者は、ただのファン心理なので、あまりあてにできません。
って言うか、あてにしないでください。

このお話は、「GRAVITY DAZE2」のおまけでついてくるものなので、
未プレイの場合、正直、ふ~んって感じかもしれません。
内容も「分かりそうで分からない、分からなさそうでなとなく分かる!?」って感じでしょうか。
まったく置いてけぼりってことはないと思います。

制作がスタジオカラーなので、なんとなくどっかで見たようなアクションシーンもあります。
また、これから何かが始まるぞ!感も、最後ちゃんとでていてよかったと思います。

ドタバタしていて分かり難いですが、BGMは良いと思います。
日本語音声で観ると、また違った雰囲気です。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5

オヤジですがなにか さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

PVなのか。

原作ゲーム未プレイ。
なので、置いてけぼり感たっぷりw

映像は良かったし、設定もよさげなので、原作プレイしてみたくなった。
まあ、PS4持ってないんだけどねw

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1
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