近未来でテロリストなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの近未来でテロリストな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番の近未来でテロリストなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.0 1 近未来でテロリストなアニメランキング1位
UN-GO(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1147)
6632人が棚に入れました
“終戦”を迎えたばかりの未来の東京。そこでは、探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、「最後の名探偵」を自称する結城新十郎と、その相棒・因果。世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。

声優・キャラクター
勝地涼、豊崎愛生、山本希望、本田貴子、入野自由、三木眞一郎

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

劇場版ありきの本編ですね(^_^;)

■「UN-GO」ってどんなアニメなの(゚∇゚ ;)!?
坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帳」という探偵物のストーリーを近未来的にアレンジしたオリジナルストーリーなのですね♪
タイトルに「UN-GO」って付けている事からも、坂口安吾の作品を題材したのがこの作品の最大の売りなのでしょうね( `ー´)ノ
ところで「坂口安吾」を知っている人はどれだけいるのでしょうか?
この作品を知るにはまず「坂口安吾」を知るべきではないかと思うのです♪
ということでちょっとだけ勉強してみましょうね♪
 
【坂口安吾】
昭和初期に活躍した小説家の一人で小説界の異端児的な一人なのです♪
既成文学に異を唱え、戯作復古を思想とした無頼派と呼ばれた小説家の第一人者。
まぁ簡単に言っちゃえば、お堅い文学が評価される世の中に、江戸時代に流行った「洒落本(エロ本)、滑稽本(漫画)、談義本(ラノベ)、人情本(恋愛小説)、読本(小説)、草双紙(絵本)」といった誰もが楽しめるお気楽な書物がもっと評価されてもいいでしょって言い張った個性的な人なのです♪
無頼派で有名な小説家と言えばあの人間失格や走れメロスで有名な「太宰治」もそうなのですよ♪
 
※注意※
()の中は現代風に解り易くする為にσ(^_^)アタシ的ニュアンスで適当に当てはめてみただけなので、本来の意味とはちょっと違うのであしからずなのです(o*。_。)oペコッ
 
そんな「坂口安吾」の作品はもう著作権が切れているので無料でネットで読むことが出来るのです。
もし興味のある方は、下記のURLにてご覧になってみてくださいね♪
きっと本作品の作風と坂口安吾の魂の叫びが読み取れると思いますよ(゚ロ゚;)エェッ!?
・明治開化 安吾捕物帳
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43204.html
・堕落論
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42620_21407.html
 
 
■「UN-GO」と出逢った日の日記m( ̄○ ̄)mアーン♪ε=ε=ヘ(;゚∇゚)ノ ゴーゴー♪
本作品のホームページには「本格探偵ストーリー」とハッキリ書いちゃってましたけど、正直原作自体が「本格」推理小説って言うわけではないので、自分で首絞めちゃってますねってちょっとだけ思っちゃいました・・・( ´△`)アァ-
原作と同様のパターンを用いているならば、名探偵の「結城 新十郎」と「海勝 麟六」と「虎山 泉」の掛け合いがこの作品の面白さになっていくのかなって思っているのですけど・・・
1話を見た印象では、推理じたいは捻りがなくって簡単に犯人が解るようなものでした。
近未来的にアレンジしたのが・・・一秒で着れちゃう洋風ドレスw
しかも推理に関わっているなんてね・・・(。・w・。 ) ププッ
まぁそれは良いとしても、人一人死んでるのに緊迫感がなさ過ぎなんですよぉシーー( ̄、 ̄*)ーーン
しかも騒いでいるのが奥さんだけなんですもん・・・(A゚∇゚)ハテッ?ナゼナノ?
推理ものとして楽しく見ていくにはちょっと辛い内容かもしれませね!
それにGOSICKの様な恋愛や家族愛に発展していくようには思えないので、どこに面白さを求めればよいのか1話だけではちょっと見えなかったのです。。。o(゚^ ゚)ウーン
 
ただ、結城 新十郎と海勝 麟六との関係がどうなっていくのか、そこに不思議な「因果」という探偵助手がどこまでストーリーを盛り上げてくれるのか、麟六の娘である梨江がどこまで物語をかき回してくれるのか、そんなところに注目しながら少し様子を見てみようと思っています♪
 
 
■個人的に注目していたキャストφ(^∇^ )
因果(声:豊崎愛生)
 あきちゃんはやっぱり「けいおん!」の唯ってイメージが強いのですけど、かなり器用な声優さんです
 ね♪
 本作品でも彼女の声優としての幅の広さを感じることが出来ましたよ(*^^)

風守(声:松本まりか)
 松本まりかさんは最初全然わからなかったのですけど、女優からナレーターまで幅広く活躍していた
 人なんですね♪それとFF X でリュック役の人でもあったのです!
 FFシリーズで唯一プレイした事のあったのが「X、X-2」だったので懐かしいです♪
 
海勝 梨江(声:山本希望)
 のぞふぃすの事を知るきっかけは「僕は友達が少ない」で幸村役の声を担当していたからでした♪
 幸村役では声のトーンを落とした役で、セリフも少なかったのですけど、梨江役ではとっても頑張って
 ましたね!
 まだアドリブ等はなさそうな感じでしたけど、面白い子は嫌いではないので今後も応援したいです
 (*^_^*)(かなり天然っ子みたいなのでw)

 
■総評
結城新十郎と海勝麟六のそれぞれの因果の軌跡を描いた本作品は、決して交わることのない新十郎と麟六の理念を数々の事件を題材に表現してきた作品だと思うのです!
それは坂口安吾の原作「明治開化 安吾捕物帳」の世界観をトレースして、舞台背景を現代風にアレンジするという挑戦は風守というキャラと今話題になっているクラウドコンピューティングなどの言葉が出きたりして観ているうちに馴染んでいく感じでしたね♪

ストーリーの方も前半はなかなか波に乗れない感じでしたけど、中盤から後半にかけては面白かったですね♪
「UN-GO」にはTV放送と並行して劇場版「episode:0」が上映されるというノイタミナの営利主義的戦略に翻弄された感じがしました!
その問題の劇場版なのですけど、ズバリ見ないとダメですねwつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
TV版だけですと、別天王と因果などがただの不思議なキャラで終わってしまうのです♪
最終話に新十郎が麟六の娘の梨江に、因果との関係を話し始めた所で終わってしまうのですけど、その話こそが劇場版で描かれたとっても大事なエピソードなのですΣ(^∇^;)えぇ~
「UN-GO」の楽しみ方がイマイチわかりづらいなぁって思う方は劇場版から観ると本編もかなり楽しく見れるんじゃないでしょうか?
逆に、記憶力が良い方であれば、本編を見終わったあとに劇場版を観るとなるほどそういう事だったのかぁっていう気分を味わえると思いますよ♪

この「UN-GO」って作品をどんな視点から視聴するかによって大きく評価がわかれそうなきがしますね!
σ(・・*)アタシは劇場版も観ていたので、結城新十郎の『死生観』からの正義と、海勝麟六の『合理主義』からの正義の掛け合いがとっても面白かったなぁって感じました♪
萌えや笑いなどは一切ないのですけど、登場人物の生き様を描いた作品をたまに観るのも良いもんですねo(*^▽^*)o~♪


■MUSIC♫
OP曲『How to go』
 【編曲】江口亮【作詞・作曲・歌】School Food Punishment
 キタ━(゚∀゚)━!わたしの大好きなスクパニの7thシングルナンバー♪
 「東のエデン」で出逢い、Album「amp-reflection」で虜になりました(*^^)v
 変拍子・転調など、技巧的で複雑な曲構成が特徴的で、その中でシンセサイザーなどの電子音楽が
 メロディーを引っ張っていて疾走感と心地よさを引き出しているんですよね♪
 そんなところからもプログレやエレクトロニカの要素が強いバンドって言われているんですよ(^▽^)/
 また、前に出すぎない控えめで柔らかいボーカルが音楽に調和していて楽器の一つという役割を
 担っていたりとポストロックっぽさも感じられて、今の時代にあった中性的で柔軟な世界観をもった
 バンドって言えるんじゃないのかな(^ー^* )フフ♪
 アレンジャーの江口亮さんは「いきものがたり」の曲作りに携わっていて、センスの良さが光ります
 ( ̄ー☆キラリーン
 聴けば聴くほど良さがわかってくるスクパニの曲は今後も長いお付き合いになりそうです♫

ED曲『Fantasy』
 【作詞・作曲・歌】LAMA
 元SUPERCARと元NUMBER GIRLのメンバーが作ったバンドの2ndシングルですね♪
 ファーストシングルは「NO.6」のOP曲でしたね!
 スクパニと同じくエレクトロニカの流れを汲んだバンドなのですけど、UN-GOの世界観らしく近代的な
 電子音とレトロなピアノの音色を融合した優雅な曲調がアンダーグラウンドな雰囲気で前作よりも
 オルタナティブ・ロックっぽいですね♪

2011.10.16・第一の手記
2011.12.30・第二の手記(追記:■個人的に注目していたキャスト、■総評)
2012.01.11・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

aftermath of a hazily-defined war

本格的な探偵ストーリーを期待したら、がっかりすると思われます。
ひとつだけ質問に答えさせる能力の因果(いんが)や別天王(べってんのう)など、人にあらざる特殊能力をもったキャラや、最新テクノロジーを象徴するような知性を持ったプログラムである風守(かざもり)のような存在は、事件のトリック云々を考えるようなミステリーとしては反則ですね。

敗戦が一般大衆の心のなかに、多かれ少なかれ影を落としている時代。
終戦間もない近未来の東京を舞台に、情報操作が渦巻くなかで、因果や風守と共に事件に隠された人の心の奥底にある真実を暴く、主人公の探偵、結城新十郎(ゆうきしんじゅうろう)を中心とした人間模様を描いた物語で、真実の本質や意味について問題を投げかける社会的なテーマを扱った作品です。

作中で事件が解決すると、メディア王、海勝麟六(かいしょうりんろく)が用意した美しい結末が報道され、世間に知られた真実として認識されます。これは人の言葉を現実にする別天王の能力と重なるようであり、終戦直後という価値観の転換期においては、都合の良い真実をつくりだし世に伝える事がメディアの報道のあり方として必要だったのかもしれません。

今はネットで簡単に情報が手に入りますが、本当に真実なのかは簡単には確かめられません。
それに自分の眼で確かめて真実だと感じても、他の人から見れば、関わり方や視点によっては真実とは言い切れない事もあるでしょう。正しい情報を伝えることが、社会不安やパニックを引き起こす事を懸念して、隠蔽工作も横行しています。ニュースとして伝えられたものが、誰にとって都合良く料理されているのか、考えた方が良いのかもしれませんね。

主人公と因果の出会いなど物語の核心部分は、映画版の「UN-GO episode:0 因果論」で視聴することが出来ますが、時系列は逆になりますが、本編をある程度楽しんでからの視聴をお薦めします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

敗戦探偵

今作を評価できる人はステマに流されてない、みたいな風潮がありますよね
実際異質なオーラを放つ、当たりなアニメだったと思いますが


始まる前はウンコ、ウンコと呼ばれ、始まった後でもウンコ、ウンコと呼ばれてましたけど
内容は非常に濃くて、よくこの情報量を1話分に詰め込み消化できていたものだと感心できる質アニメでしたね
雰囲気もオサレで、性別世代間問わず親しまれそうな感じの作品に対する印象があります
偽りの世界で真実を求めてもがく、強いメッセージ性を感じます作品でした
ジャンルを推理アニメとしながら、質問したら絶対に答えなければいけないというチートキャラがいる時点で推理もへったくれもないですよね
因果が”お前が犯人か?”と聞いて回れば物語が終わりますから
5話から本格登場の風守も情報収集や機械操作でチートに磨きが掛かってますからね
新十郎御一行はおそらく向かうところ敵なしの探偵でしょう
それに加え別天王の登場でもうなんでもありになってしまって、これをミステリーものとして見るにはちょっと無理有るかも知れませんw

坂口安吾のUNGOなんですね、明治を近未来に移したフィクションとあって、1話の初音ミクコスに始まり、現代的な小ネタが多々出て来て、世界観には引き込まれるものがありました
OPの初めに表れるイントロダクション、あの文字読むの結構きついですよね、12話になってやっと全部読み切りました
監督・水島精二氏と脚本・會川昇氏の黄金コンビ再来、制作はボンズです
ボンズ御用達の著名原画師が多数参加してて、ちょいちょい良い作画を見せてくれます
この局はノイタミナだけやってろと言われているのもよく理解できる、極めて秀逸なアニメーションでした
そういえば、「東京マグニチュード8.0」でも揺らがなかったフジ本社が爆発してしましたねw

豊崎さんだったんですね、因果の声優、初め見た時は全然分かりませんでした、スフィアは劇場版含めて全員出演しています
新十郎の声優は、俳優の勝地涼さん
それとなくカイジっぽく聞こえます、本業じゃない人起用ということで、こういう感じの演技になるのがお決まりなんでしょうかね
とりあえずまぁ、声優が豪華な人が犯人!というわけにはいきませんが、脇声優はベテランから新人まで幅広いキャスチング
古谷徹さんや國府田マリ子さんのキャラ声を久しぶりに聴いた気がします
この声の人聞いたことあるような?と思える、声優ファンなら結構楽しめる布陣のアニメです

OP「How to go/School Food Punishment」もED「Fantasy/LAMA」もどちらもカッコイイ、COOLゥ、COOLッ!
視聴意欲をわさわさと掻き立てる、躍動感と重量感の入り混じるアニメーションと曲です
OPの文字アップも雰囲気を醸し出しててカッコイイですよね
調子の悪いスピーカーみたいな、ツダダダダダとかいう音のするクラシックなBGMもそれを引き立ててます
2話の夜長姫のブルーライト横浜♪が耳から離れない今日この頃、音楽性はなかなかに高い作品だったと思えます

因果きゅんが可愛い、因果きゅんが、可愛いんです
なんかこう、そばにいるだけで幸せになれそうな感じの子ですよね、ですよね?
大因果も良いと思いますが、原色の倉田由子の方は越えられないかなというのが個人的印象
物語に合わさった淡泊な絵柄のキャラデザなんで、萌えとかブヒとかって感じじゃないんですけど、魅力的な女性キャラが多数出て来てた気がします


公式サイトにある、EDに出てくるパスを入力すると見れる”虎山レポート”なるものがありまして
今作気に入ってた人でまだ見てない人は公式サイト覗いてみてはいかがでしょう
なんでも、泉ちゃんが暴走してた7話の”虎山?レポート”がとても面白いと友達から聞いて
ということで、私も早速見て来ようと思います

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40

84.8 2 近未来でテロリストなアニメランキング2位
PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2438)
13705人が棚に入れました
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──

人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO-PASS (サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。

犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。

「犯罪係数」が正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。

システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、藤原啓治、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき、浅野真澄、井上麻里奈、木村良平

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

たくましくどこまでもクリアな常守朱

サイコパス2。
常守朱ちゃんたくましくなったヽ(*´∪`*)ノ"

が、やはり話が難しい。
私の頭には?だらけです。

私が1番好き(気になる)のが
サイコパス2の雛河翔くん★Vo櫻井孝宏さん
台詞少ないけど存在自体がタイプですっw

ついでに言うと、鹿矛囲桐斗★Vo木村良平さん
も見た目が結構タイプっw

でも、雛河くんて櫻井さんが担当ってことはなにか重要なキャラだったり
しないのかな〜とか勝手に毎週思ってます。(思ってました)
あと常守のことをお姉ちゃんて呼ぶのなんでだろ?


サイコパス2ではだいぶ血を流したなぁって思いました。
人がたくさん死んでしまいした。
なかなかグロイのでやはりグロ苦手な方にはオススメできません;;

10話で幻覚(?)の狡噛さんでてきて常守と会話後
負けるなよって常守の頭パシッてしたシーンよかったな♡
(妄想か幻覚の類いだけどっw)


正直1度じゃ私は内容がちゃんと理解できなかったけど
それでもサイコパスって作品は好きなので
劇場版も観ましたd(・ω・●)☆


相変わらず主題歌いいね♡お気に入りです!!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新生公安一係

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。
本作は1期から一年半後からのスタート。


今期のストーリー物の本命はコレ。
秋のラインナップを見る限り、他に奥深さを持つ対抗作品も無さそう…かな。
音楽も相変わらず良いし非常に楽しみな超期待作。

あれから一年半の歳月が過ぎ、朱は狡噛イズムを継承し更に成長しているようです。
凛然とし観察力&プロファイル力もUP。デコポン撃った後はかなり決まってました。
シビュラ頼りではなく自分で考えて行動する逞しさも持ち、今や公安のエースです。

王陵事件で親友を殺され涙した霜月ちゃんも立派な社会人。
あの後、色々と決意しここに至っている事が伺えます。
「先輩は間違っている!」
彼女なりの経験から導き出された正義が朱とぶつかっていきそうです。

他にも「訳」と「一癖」をもってそうな二人の新たな執行官が加わった
公安一係の活躍が楽しみです。


注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
「表」の事件は朱の判断もあり犯人確保で決着。
さり気なくドミネータの3形態を紹介していたり、
執行官を一係では人として扱い、二係では駒として扱い対比させたりして
導入としては上手い見せ方でした。
冒頭がクスリのCMでしたから今期は薬絡みなのかな?というのも予感させます。

そして成長した朱の裏の裏を突く新たな知能犯、鹿矛囲桐斗の登場で
物語に深みある期待感が漂っています。
どうやら数値以外も完全コピーするヘルメットの強化版の様なものを持っている様子。
うーん、強敵要素満載ですね。
公安一係との戦いを予想を交えながら観て行きたいと思います。
{/netabare}

【予想】メッセージ「VVC?」の第一印象{netabare}
パッと見てトイレ?とか思ったけどね。(笑)
反転や鏡面で見ても何も無さそうです。
最後の「私という色を問う私自身の戦い」
と言う台詞通り、色に関係してそうなんですけどね。
何色にも染まる白色「WhiteColor?」なのか、
WはどうもVが重なったような書き方なので「ViVid Color?」
お前の原色は何だ?と言う問いになってるとか、そういう感じかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
捜査を進める公安だが次第に深まる謎や違和感。
朧気に共犯者の影にも気付く朱達はホロに隠れた透明人間を見つけられるのか…?

しかし今回のトリックはヘルメット以上の難物ですね。
鹿矛囲はどうやって喜汰沢に近づきどうやって色相を戻したのか?
ホロコーティングで人やカメラの目を騙してよしんば侵入できたとしても
他人の色相変える能力は何だろう?催眠術くらいじゃ無理だろうし…。
またシビュラが欲しがりそうな人材ですね。

喜汰沢は折角前回助かったのに…いや助けてもらったのに結局エリミネーターの餌食。
鹿矛囲は必死に喜汰沢を逃がそうとして叶わず朱を恨んでたみたいだけど
逆恨みじゃん。
お前が余計な手を出さなきゃ少なくとも生きてたし
時間かかっても回復に向かっただろうに…。

今の所、鹿矛囲なりの正義の形が見えないのでこんな感想になってますが
1話の事件起こした時から既に色々あるんでしょうね。
彼の目的が見えてくればガラリと様相が変わりそうなので期待しています。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
悪魔の証明=『全く無い』事を証明するのは非常に困難の意。
朱たちは手掛かりを求め奔走するが未だ不明のまま鹿矛囲の存在だけが大きくなる。

鹿矛囲のマッドぶりが怖い。酒々井さんも可哀想に…。
青柳さんも含め今期序盤は二係にとっては試練ですね。
そのうち一係にも降ってきそうですが。

一期で逃亡した執行官は撃たれてたんですね。
公安の内情も知っているし、もう少し深く関わるかと予想してたんですが
意外とあっさり退場の様です。

雑賀さんは隠遁生活かと思ってたら変人施設に収容されてました。
でも意外と快適そうですが。
地味ですけど知的な言葉のやり取りは面白かっです。
自身への問いを敢えて投げかけ確かめている感じのする朱も
彼女らしくて聞き応えあるシーンでした。

鹿矛囲の目的が未だ判らず不気味さがじわじわと広がりを見せていて興味深い展開です。


予想の方は細かなヒントはあるもののまだ範囲が広く
『鹿矛囲は実は居ない(人じゃない)説』、『東金と繋がってる説』
等々、ぐるぐる巡っています。
『鹿矛囲=逃亡執行官説』もあったんですけど今回で可能性低くなりましたかね。
「WC?」=WhatColor?にも更に深い意味が隠されていそうな気もします。
もう少し整理がつき、絞れたらここにも書こうかなと思いますが
予断を許さぬ展開で隙がないんですよね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
「監視官をドミネーターで裁けるのか?」を意図とした鹿矛囲の実験が成功。
まるで犯罪計数養成ゲージと成ったメンタルケア施設での結末は見るも無惨。

前半のドローンどうのこうのってのは中に酒々井さん入れて運んだって事かな?
別の用途もあるのかな?

直接描かれてはいないけど青柳さんと会話していた薬剤師くんが鹿矛囲のホロでしょう。
青柳さんが撃たれるのをしっかりとその目で確認した鹿矛囲の思うがままの事件。
何れは朱や公安、その先のシビュラにも牙が向きそうです。

でも、シビュラの意志(ドミネーターの判断)を無視してまで
市民を守り正義を執行しようとした青柳さんの刑事魂は天晴れでした。
結果として何一つ叶わなかったのが哀れで悔し過ぎますが…。
シビュラの判断のままその市民にまで引き金を引いた三係の執行と対照的で
どちらが正義なのか印象に残る事件でした。

その構図は一係の朱と霜月にも投影されていて、
何れはコチラも交錯しそうな匂いが強くなってきました。
霜月の銃口の向く先にも注目しないといけなくなりそうです。

1話の冒頭が『ラクーゼ』という薬のCMだったので今期は薬が絡むなとは思いましたが、
『Uストレス欠乏症』と言うのが物語の底にある様です。
自分の色を抑えてまでシビュラの社会に合わせる必要があるのか?
1期と似たような命題が突きつけられています。

※小メモ:鹿矛囲ホロの区別は雛河クンor水場近くでのノイズ
{/netabare}

※5話感想{netabare}
またしても鹿矛囲による公安を狙った罠が仕掛けられ
朱達が埠頭に集まった時、無人の軍事ドローンが暴走を始める。

雑賀さんがいつの間にやら分析官に召集されていました。
優秀で向いていそうなので活躍して行きそう。
おじさん不足だったし好きなキャラでもあるので結構嬉しい人事。

若さ故もあるんだろうけど霜月さんは相変わらずとんがっていて痛い。
禾生さんの「あれは食われるな」には即同意してしまいました。
近々やらかすでしょうね…。
1期からの流れを見ると買える所もあったはずなんだけど
一人空回りしてどんどん株が下がってしまってます。
公安への志望動機も王稜事件の後、正義に目覚めたんじゃないかと想像してたけど
六合塚さんへの憧れの方が強いのかも。

鹿矛囲の方はどうやらシビュラと昔関わりがあった模様。
正確にはシビュラの内の一人との関わりかな?
今回禾生さんに降りてきた人物とは旧知の仲な雰囲気でした。
個人的に引っかかっているのは
【予想】{netabare}ホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の飛行機事故。{/netabare}
ここで関わったんじゃないかと思っています。
埠頭にあった皮膚や臓器、手足も気になります。
ホロだけでなく人を作ろうとでもしてたのかな?
増田議員は作品なのかな?謎が深まります。

そして東金さん…朱の事を良く見てるな…とは思ったけどここまでとは。
犯罪係数レコードホルダーだっただけの事はありますねやはり普通じゃない。
写真は東金少年と祖母? 
赤ペンチェックしてたけど朱と目元口元とか似てるのかな? 
こちらの謎も深まります。

祖母といえば気がかりはのが朱の祖母。
朱の色相を濁らすのに利用され巻き込まれやしないかハラハラしています。
まぁ次回は朱本人がピンチなのですけどね。
{/netabare}

5話時点で色々と【予想】{netabare}
3話感想で少し触れましたが、
ここまでで私の中で出ている説や疑問を書き留めると共に簡単に紹介しておきます。

『鹿矛囲はいない(人じゃ無い)説』
鹿矛囲自体がホロや機械人形で犯人は別の所にいるのではないか?
という疑念があったのですが、涙や血の描写も出てきたので
少なくとも「中の人」はいる模様。
酒々井さんの眼を奪ったり埠頭に生体標本があったりするので
色々な人間のパーツの継ぎ接ぎで構成された者なのかも。

『鹿矛囲=逃亡執行官説』
公安の内情に明るいですし1期で逃亡した執行官が犯人なのかと疑いましたが、
3話で撃たれた事が判明し可能性は低くなりました。
青柳さんも鹿矛囲とグルって事は無さそうですし、
情をかけて引き金を引かずに逃がしたとなれば色相濁るのでそれも無さそうです。
あるとすれば青柳さんや検死、シビュラの目を完全に欺いたという事になるけど
ハードル高すぎる。

『鹿矛囲は東金と繋がってる説』
元セラピスト、親族が薬品会社経営、過去最高の犯罪係数と怪しさの三拍子が揃い、
5話では朱のストーカーなのも判明。
鹿矛囲の協力者や寧ろこちらが本当の黒幕の可能性もあります。
4話まではこの線が一番怪しく思えていました…が、
5話があからさまだっので直感的にはミスリードっぽく見えていて、
東金の本意は朱を守ろうとしている様に思えて来ています。
祖母か狡噛の絡みで『朱と繋がってる説』が生まれつつあります。
ただ「朔夜」という名前ですし月と太陽が表裏一体…つまりは二重人格で
裏の顔が鹿矛囲と繋がっている可能性はあると思います。

『飛行機事故怨恨説』
最初の事件のホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の事故が絡んでいる説。
鹿矛囲は事故の生き残り(顔の傷はその事故のものかも)または遺族で
飛行機を落とした犯人が今のシビュラを担う一人になっているとか、
乗客の中にシビュラのめぼしい人物がいて飛行機を落として手に入れようとして巻き込まれ
それに対して復讐しようとしている。
鹿矛囲が作るホロの元は全員乗客だった者かも。
怨恨ではなくとも
この事故が鹿矛囲、東金、シビュラの接点や引き金、起点の様なものになってはいそうです。

『名前から予想』
1期も「常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない」
「槙島(maximum:最大の)『聖護』」等、名前遊びがあった様に思うのでその観点から。
「鹿矛囲」にはシビュラの目をかい潜る神の衣、
「朔夜」には光と闇の二面性の意があるような気がしていますが他にも
今回、鹿矛囲の周りで目に付くのが『水』に関わる名前。
監視官の酒々井水絵やホロ元の染水、爆弾魔の喜汰沢も。
増田議員は無理あるけど「水増」や「水田」でなんとなく連想…。(笑)
今後、二係の蓮池クンや一係では雛河クンが鹿矛囲に関係してくるやも!?
『WC?』もWater Cleanup(水を浄化)みたいな意味もかかっているのかも。
公園にも増田の講演会場にも噴水があり、
メンタルケア施設にも池があり、下水道も埠頭も水場なんですよね。
強引な気はするけど無色透明なこの『水』をちょっと気にかけています。

『鹿矛囲複数説』
「鹿矛囲とは個人名ではなく神の衣(カムイ)を纏った者達の総称」なのでは?という考え。
鹿矛囲とは飛行機事故の被害者や遺族達が作った組織で有能な者が知識を共有する集団。
シビュラシステムに対して言うならカムイシステム。
シビュラの実行隊長が禾生さんならカムイは桐斗。セラピストや東金もカムイの一員。
ホロや生体移植、ハッキング、心理療法等を駆使してシビュラに対抗しようとしている。

今の所考えつくのはこんな感じかな。
まだ色々な可能性があってコレだ!っていう太い線は掴めてないです。
ちょいちょい掠っているとは思うんですが…。
何れにしても東金がどちらに転ぶかによって風景が大きく変わりそうです。
後は六合塚の親友リナやレジスタンスの動向が絡む余地があるのかな?って事と
朧気ながら朱がもう一人出て来そうな気がしてるんですけどね。
6話以降もどうなるのか楽しみつつまた何かあれば予想していこうと思います。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
三係に大きな犠牲を出しつつもチームワークと朱の活躍で生き残った一係。
鹿矛囲との対面を果たすが捕らえられず、未だ主導権は鹿矛囲に。

また死者が出るだろうな…と思っていましたが案の定。
三係はほぼ全滅。(パラライザで撃たれた奴は生きてる?)
前回に続き無能過ぎて流石に何しに出てきてんだよ!っと言いたくなります。
まがりなりにもシビュラ判定くぐってきた筈なんですけどね。
サブキャラが屑だと物語が安っぽくなってしまいます。

一係は須郷も含めそれぞれ活躍。特に朱のアクションヒロインぶりはスゴかった。
暗黒面が見えてきた東金と
雛河クンの「おねえちゃん」発言はちょっと引っかかりますけどまぁ無事で何より。
あ、言うまでもなく霜月ちゃんは安定の無能ぶりでした。
嫌いじゃないキャラだけど流石に良い所なさ過ぎ…
みんなに当てられて覚醒する気配も今の所無いし不憫な子。

しかしながらどれもこれも鹿矛囲の想定内。
エリアストレスも折り込み済みとは恐れ入ります。
みたらし(見たら死)ラーメンはキツイ皮肉でニヤッとしてしまいました。
甘じょっぱそうですが美味しいんでしょうか?
眼は移植してた様ですし、眼帯が似合う水絵ちゃんも完全に支配下。
躊躇無く元部下を抹殺して清々しい気分になるとはね…。
『WC?』にはWorldCreate=世界の創造って意味もあるのかな。
着々とドミネータを我が物としシビュラへの一撃を企てている様で次回も気になります。
(奪われたドミネータはOFFに出来ないの?って疑問はあるのですけどね。)
{/netabare}

鹿矛囲をドミネータが認識しない理由【予想】{netabare}
①『居ない者説』
鹿矛囲は飛行機事故で死亡扱いになった人物の可能性があり、
実際は命を取り留めましたが記録上では居ない(データに無い)事になっている。

②『ツギハギ説』
酒々井の眼だけでなく多くの者(Uストレス患者含む)の部位を繋ぎ合わせているので
「個人」として認識できない。

他にもハッキングや機械人形とか禾生さんの様な複数の人物の器だとか考えられたけど
どれも穴があって没りました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
鹿矛囲の存在が確定しその正体に迫っていく一係。

朱のおばあちゃん登場…似てて可愛い。
ドローン暴走の報には流石の朱もやや取り乱し、大切な存在なのが伝わります。
『朱←→葵』補色の関係にもあるし色相を黒くするのに関係しそうでやはり気がかりです。
今期はキャラの扱い乱暴だけどおばあちゃんに関しては人質程度で死なないで欲しいな。

事件はやはり飛行機事故と大きく関わってきました。
シビュラも噛んでいそうですし、
東金も元執行官と判り15年前に犯罪計数跳ね上がった事とも関係していそう。
諸々の予想もなかなか良い所突いていて考察の甲斐が出てきて楽しめています。
ドミネータを集めた鹿矛囲の次の行動にも注目が集まります。
{/netabare}

[番外~2期の不満を少々]{netabare}
楽しみながらも1期に比べちゃうと色々と雑で安っぽく不満な所もある2期。
ここらで不満も纏めておきます。期待の裏返しでもありますが…。

・殺戮のインフレ
殺戮や暴力は衝撃的だけど要所要所で決めて欲しい。
折角1話では民間人を巻き込まない犯行だったのに段々と無差別に。
一歩譲ってストレスケア施設は仕方なかったとしても港は完全に無意味な民間人殺戮。
鹿矛囲の訴えの正当性も弱まってしまわないか?

・霜月ちゃん貶めすぎ
1期では学生ながら勘の良さと正義感を持ち、
そして軽率な言動で友達を失った後悔もある中で意を決して監視官の道を歩み始めた彼女。
良い返事&活きた眼をしていた彼女がこんな残念なキャラになるとは
信じられないし信じたくない。
そりゃ鼻っ柱は強かったけど良い娘だったんだよ!?
既に時遅しなんだけどそれでも覚醒して欲しいキャラです。

・二係、三係無能すぎ(青柳以外)
監視官も執行官もシビュラ判定で適正がないと成れない筈なんですが心身共に脆弱すぎる。
安物のアクション映画みたいになるので大概にして欲しい。
散るなら散るで気骨が見えないと意味がない。
1期はサブキャラも含め有能な者同士の凌ぎ合いでハラハラさせ
作品を高尚なものに引き上げてたのですけどね…。

・多くの臓器移植はサイコパス移植に等しい?
シビュラ判定は思考とその傾向から判定してる…つまり脳を見ているので
他の臓器は関係ない筈なんだけどね。
泉宮寺も全身機械に変わってたけど数値はちゃんと反映されていたし。
移植は一応自分でも予想してたけど、この辺の事は引っかかってて腑に落ちなかった点。
もう一押し説得力ある描写が欲しいです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
ついに鹿矛囲の透明人間化の謎に到達、そしてシビュラと東金の関係も…。

鹿矛囲のツギハギには注目してたけど
まさか脳7人分、体をを184人分とは恐れ入りました。
医療の進歩と言っても生きているのが不思議で怖い。
でも多脳移植以外では辻褄合わないなと思っていたのでその点はまぁ納得。
それにしても増田達の替え玉が密入国した者ってのは、もの凄い裏技。
でも宜野座の言う通りなぜなんだろう?
鹿矛囲に心酔する要素が無いし日本語も堪能ではない筈なのに…。
脳の部位を用途に合わせて組み合わせて移植しているのかな?

5話で禾生さんに降臨したのが東金ママでしたか。
老けてるから祖母とか言っちゃってましたが…。
これで一気に繋がって来ました。
交通分野で成果を上げていたパノプティコンに取って代わる為に
シビュラが干渉し飛行機の墜落も巻き起こしていたのでしょうね。

霜月ちゃんは今回、彼女なりにいい仕事してたんですがね。
脳移植技術はシビュラの種の一つですから…パンドラの箱開けちゃいましたね。
次回は彼女が墜落してしまう様です…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
シビュラの秘密を受け入れた霜月。
霜月をも取り込んだシビュラとその申し子東金は
朱を黒く染めようと動き出す、鹿矛囲を葬るために。
一方、鹿矛囲は「地獄の季節」を黙認した役人達を粛正し、いよいよ対決の時が近づく。

東金は完全に暗黒化。出自の謎も大分明らかになってきました。
東金ママとは血縁関係では無い感じかな?生みの親なのは確かですが…。

そして、やはり気がかりだったおばあちゃんが…。
無事…とは言え無くなってしまいましたが解放を願ってやまない気持ちです。
親友を目の前で殺されても色相が変わらなかった朱が
この件で変わるのか疑問もありますが興味も高まってきました。
今回の拉致、東金が鹿矛囲側に情報リークして起こさせたと思いましたが
「朱を試したい」東金と桑島の共謀の様です。
鹿矛囲と桑島では朱に対する考えが違うようですが
桑島と通して間接的には東金も鹿矛囲と繋がりがある事が判り、もう一波乱ありそうです。

霜月ちゃん、色相が濁るかと思ったけど
良いのか悪いのか全てを受け入れ抵抗せず流されてしまいました。
シビュラの元で育った世代ですからね、ゆとりならぬシビュラ世代と言うことでしょうか。
ここまで自分の意志・自我を捨てられたら大した者かも。
感情的で尖った性格の割には…っと、オカシくも感じましたが
全てに於いてシビュラ絶対主義者なら言いなりもありえるのかな。
(1期の彼女の印象とは違ってきていますが…)
それでも朱のおばあちゃんを助けられる可能性があるとすれば彼女なので
覚醒を期待してしまいます。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
東金の魔の手により黒く染まり掛かる朱だったが
彼女の経験や信念、心で息吹く狡噛の存在により回避。
思考を巡らせ辿り着いた結論へ向かい歩み出す。

懸念だったおばあちゃんが…ううっ。
何かのトリックであって欲しいけどそれは無理な様子。
2期の殺伐とした雰囲気の中、ここだけはホッとした展開になって欲しかったんだけどな…。

そんな状況でも自分を保ち己で考え動く朱がカッコ良く
悟りを開いた全能感すら感じてしまいます。もう狡噛さん越えてる!?
全てを見通し独りでシビュラに問いかける存在にまで成長するとは!
…まぁ、やりすぎな気もするけどね。

朱、鹿矛囲、東金と三つ巴の状況で気になる佳境へ向かっています。
あぁ霜月ちゃんが蚊帳の外すぎる。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
いよいよ審判の時。
シュビラは集合体である鹿矛囲、そして己自身の存在を認識する事となる。

自分自身が消える事も含め鹿矛囲の計画通りという感じの幕引き。
184人の生きた証・生き様を感じる事もできましたが、
無駄な血が多く流れ過ぎていて大義が薄く同情は出来ないです。
「地獄の季節」の役人の粛正と公安の数名の犠牲は仕方ないとしても
一般人をターゲットにした殺戮は過剰。
これだけの計画遂行能力があるなら被害を少なくする事も出来た筈。
人の命を大切にする努力の跡や描写があれば彼の死にも感動でき
余韻に浸れた気がするだけに勿体無く思います。
殺戮の衝撃を入れたいあまり、人の心の琴線に触れるのを放棄してしまった様です。
感激より刺激を優先したツケが最後に回ってきたという所でしょうか。

また、鹿矛囲が東金美沙子を撃った所も少し違和感がありました。
ココで引き金を引けたのはシビュラ自身が「集合的サイコパス」を認めたからで
東金美沙子個人を裁いた訳ではない(個人は免罪体質者)のだけど、
「これがお前の色か、東金美沙子」など台詞や言動が個人を裁いた様に見えました。

東金に関しては自身も暗黒に染まり
知的で有能な部下から愚直なマザコン殺人鬼への墜ちぶりが衝撃と共に描けていたと思います。
憎たらしさ満点で許しがたい存在という役割を十二分に果たしていました。

朱は後半から特にスーパーウーマンぶりに拍車が掛かり過ぎていて
(考えて行動できる)人間代表というキャラの位置を飛び越え全能なる審判者の様に。
最終話でも全てお見通しで体術でも東金を圧倒(2話でその体術に朱自身が驚いた相手)
狡噛が居ない分、全てを背負わされてしまっておかしな事に。
アクションなら宜野座や六合塚、知識なら唐之杜や雑賀など一係のメンバーで
負担し合うべきだったと思います。
朱だけが打って投げて守って大活躍で他メンバーが外野で見せ場も無いのでは不満も残ります。
(唯一雑賀はキャッチャーしてましたが)
一期では素晴らしかったチームワークが薄れていたのは残念です。

(考えない人間代表の)霜月さんへの不満の詳細は既出なので省略しますが
一期には確かにあった意志や個性が見る影もなく…
彼女はシビュラに流されて公安を選んだ訳ではなく、己の意志でこの道を選んだ筈なのに。
最後にフラグめいたものも立ち【予想】{netabare}いずれは大好きな六合塚さんに殺されそう{/netabare}な気がします。

邪魔者が全て消え、後腐れのない終わりでしたので改めて3期を楽しみにしようと思います。
{/netabare}

【総評】
内容的なものは毎話感想に書いてしまったので割愛。
鹿矛囲の正体を中心に予想を絡め1クールで観られるサスペンスとしては楽しめましたが、
サイコパスのファンである自分としては不満も残る内容でした。

映像作品に関しては「2」は「1」を越えないのは宿命なのでしょうけど
もう少しやれた様に思いますし、
前作のキャラを過分にイジってしまうと(朱は昇華させ過ぎ、霜月貶め過ぎ)
前作にもキズが付くのでもう少し初期設定を大切にして欲しかったです。
まぁ、過剰に期待しなければ楽しめる出来ではありますが
サイコパスが好きなら期待してしまいますよね…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

常守 朱 覚醒

全11話

PSYCHO-PASSの2期です。1期から観ることをオススメします。

シビラシステムという人々を数値化し管理するシステムが支配されている近未来、「犯罪係数」といわれる数値の規定値を超えたものを犯罪者として取り締まる公安刑事一課のメンバーを描く作品です。

1期で公安刑事一課の新人だった常守 朱が、この2期では独り立ちして、しっかりしていましたね。

1期もそうでしたが、2期でもこの世界の矛盾を突き詰めていくお話です。

映画版のつなぎような印象がありました。{netabare}(劇場版に出てくるか分かりませんが、狡噛 慎也が出ていない時点でそう思いました){/netabare}

でも、予想できない展開もあって面白かったですね。

話数も1期(22話)と違い1クール弱だったので速かった印象ですが、飽きることなく最後まで観れましたのでちょうど良かったのかもしれません。

1期と同様凄惨なシーンが多々ありますので苦手な方は注意して視聴してくださいね。

OP/ED は1期同様、凛として時雨・EGOISTが担当してます。この世界にピッタリの曲です。

最後に、声優の榊原良子さんが出演されています。私の大好きな作品の一つである銀河英雄伝説に出演されているので、キャラは全然違いますがw 嬉しいですね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

74.2 3 近未来でテロリストなアニメランキング3位
虐殺器官(アニメ映画)

2017年2月3日
★★★★☆ 3.8 (253)
1856人が棚に入れました
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

声優・キャラクター
中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジェノサイドの匂い

伊藤計劃原作、PROJECT第3弾。
ゼロ年代SFベスト国内篇第1位。

核の炎がサラエボの街を焼いた。
テロの脅威に対抗すべく先進国では、
科学技術により監視の網の目が張り巡らされ、
一方発展途上国では内戦と民族対立により、
無数のジェノサイドが頻発していた。

虐殺の陰に常に存在が囁かれるジョンポール。
ジョンポールとは何者か!?
{netabare}アメリカ国防総省で言語を研究していた彼は、
ある日を境に公然と姿を消した。{/netabare}
頻発する内戦と彼との因果関係は!?
内戦の混乱の中、主人公クラヴィスを中心に、
アメリカ軍によるジョンポール捕獲作戦が開始される。

伊藤PROJECTでは最も理解が容易い作品です。
ジョンポールの目的は明確でした。
{netabare}ホロコーストの歴史を学び、
ルワンダやカンボジアの虐殺を学び、
彼は人が持つ古い機能を見つけたのです。
人には虐殺を司る「器官」が存在し、
その器官を刺激し活性化させる「文法」があると。
言葉が人間の行動にいかに影響を及ぼすのか。
良心を捻じ曲げテロリストの芽を育てる。{/netabare}

戦場の少年兵を平易に殺戮するクラヴィスは、
感情を最適化された現代人の象徴でしょうか。
極めて理性的で空虚な人物たちの物語。

皆様にもぜひ触れて頂きたい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイドの正当化

または
虐殺をジャスティファ~イ

いつもながら原作は未読。本編もレビューも不穏なタイトルですね。文字通り不穏なやつです。
少し前に遇々『バビロン』という迷作に触れ、その作品談義で頻出してたタイトルがこれでした。

・34歳の若さで早逝した原作者伊藤計劃
・原作『虐殺器官』その評価の高さ
・ノイタミナムービーなるブランド

これまで知らなかったことを知ることができました。これだけでもお得感あるかしら。
早逝したこともあり数少ない輩出作品をアニメ化する試み「Project Itoh」三部作の締めを飾った作品。2017年2月公開のR15+指定。115分です。

あらすじ:サラエボで起きた各爆弾テロを機に世界各国でテロが激化。アメリカを筆頭にテロに対抗する中で先進国では沈静化の方向。後進国では内戦や虐殺が頻発。といったIFストーリー。
後進国で指導層に接触し対立を煽り、内戦や民族対立による虐殺などを引き起こす黒幕として暗躍すると見做されたとある人物を暗殺せよ!
その実行役である特殊部隊員クラヴィス・シェパード大尉が主役の物語です。


戦闘行為にまつわるグロ表現っぷりでR15+指定となってます。
詳細に触れると、タイトル“虐殺”から想像しそうなスプラッター的おどろおどろしさが主成分のグロではありません。あくまで銃撃戦で斃れる敵兵の描写がそれらしいだけ。想像と違ってライト風味かもよってことは指摘しておきます。程度や具合は18禁ではなくR15指定ということでお察しくだされ。
年齢制限が入るのはクリエイターがやりたい表現をできていることの裏返しな部分もあって、本作のミリタリ描写はアニメの中でも超一級の部類に入ると思われます。オペレーションの合理性や演出の迫力などモノが違う感じがします。
『劇場版PSYCHO-PASS』のミリタリ描写との既視感を覚えましたが、プロデューサーがご一緒ということで納得。ノイタミナで辣腕をふるった山本幸治さんです。それでノイタミナムービーということもあるのね。いろいろ繋がってきました。


 世界観 ◎ ※後述
 軍描写 ◎


軍事作戦がベースにあるお話なので根っこが変だと台無しになっちゃいますがその心配はありません。
あとは通しでの物語の面白みであったり、黒幕ジョン・ポールの目的が腑に落ちるものかだったり、やはりというか作品から受け取るメッセージへの共感の有無が気になります。


 物語 △と○の間


タイトル回収を済ませ、大国のエゴも匂わせる国家の繋がりや人間の持つ原罪のようなものへの言及。おそらくこうだろうと想像できる結末もアリといえばアリ。ただしいかんせんよくわからない。

 {netabare}雰囲気だけかっこいい?{/netabare}

劇場版なので視聴者に想像させる手法を否定しないけど軽い匂わせ止まり。肉を焼く匂いで白飯を食べるような感覚。もう少し踏み込んで欲しかったです。
ところがふとしたとこで原作のネタバレを聞き、

 物語・改 ○と◎の間

となりました。

※原作ネタバレ
{netabare}ジョン・ポールの遺志を継いだクラヴィス・シェパードがアメリカに戻り、“虐殺の文法”を駆使してアメリカを内戦に導いていく。{/netabare}

{netabare}小国の犠牲の上にある大国の繁栄について自問自答が描かれてたとのことです。南北問題ですね。{/netabare}


“人工筋肉”なるガジェットが途上国の子供たちによる搾取的な労働に支えられている、とフェアトレード運動に通底するネタが挟まれてましたが、そんなネタが最終的に繋がっていくところまで提示しないのはもったいなかったですね。
とは言っても雰囲気や見た目を馬鹿にするなかれ、です。映画を観てる時間だけその世界に浸れる幸せを実感できる劇場版作品でしょう。その点で買い!優秀な娯楽作品です。




※後述…の世界観◎について

■United Nations

“国際連合”とは意図的な誤訳です。“連合国”が正しくその国連憲章には日本を敵国と見做した条項が残存していることをご存知でしょうか。たかが条文、実態は違うとも言われますが、この敵国条項を除こうと日本が働きかけてもしっかりChinaは潰しにきてくれたりするのが現実です。
永らく“平和のための国際組織”と喧伝され教科書でもそう習ってきた私たちですが、非常に矛盾を孕んでいるのです。直近の事例だと国連の専門機関WHOの武漢肺炎をめぐるグダグダっぷりでしょうか。

 金だけ出して口は出さないでね

日本に求められてる役割がこれ。よって個人的にはあまりこの組織をよく思ってません。そんなとこへ作品の冒頭↓


{netabare}「寛容と多文化主義がこの国の美徳だったのに」と今は民族浄化に勤しむ途上国の指導者がベートーベンの『月光』をバックにシェパード大尉に独白します。
何故自国民に手をかけたのかわからない。黒幕ジョン・ポールの存在を匂わせる一幕です。その前段。

シェパード:
「その国民を殺して回る。あんたの言う政府とやらはどの国連加盟国からも承認されていない」
えらい人:
「国連?我々の文化を土足で踏みにじり、自決権を鼻で笑う最悪の帝国主義者どもが…」{/netabare}


主人公へのシンパシーはもちろんのこと小国の哀しみなんかをこの指導者に見ることができます。きちんと序盤から下地を作っているのです。



■1974年と1975年

原作者伊藤計劃氏とプロデューサー山本幸治氏の生年です。けっこう作品に影響しているような感じ。
だいたいにして小学生時代のバイブル。ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』が原題『A計劃』。これホント漢字なの?と伊藤少年の脳裏に焼き付いてたことは想像に難くありません。
多感な中高生時代で起こった世の中の出来事と暇な大学生時代に触れたであろう作品群。この年代特有の感覚が作品に反映されているとふんでます。

15歳前後で「ベルリンの壁崩壊」「ソ連崩壊」を経験。なんとなく大きなうねりが起こっていることを感じつつ、チャウシェスクの銃殺遺体のインパクトだけ覚えていた思春期。
中学の社会科では、“コルホーズ”“ソフホーズ”などを例にとり計画経済を好意的に捉えていた教科書で学んでました。なんせまだ崩壊前だったので。

その後の東欧民主化で泡を食ったのが欧州の火薬庫バルカン半島。ユーゴ紛争が停戦合意したのが彼らが社会に出る頃合い2000年頃でした。
思索に励むことが可能な大学生時代には小林よしのりの『戦争論』が大ヒット。United Nations(連合国)が構築したWWⅡ後の枠組みに疑義を呈した意欲作と言えましょう。

ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品『MONSTER』(浦沢直樹)
ユーゴ紛争で故郷を破壊した者への復讐の物語『PEACE MAKER』

90年代後半に発表された東欧を舞台にした名作群もきっと学生時代に目にしてるんでしょうね。
思えば「ソ連崩壊」とはもの凄く大きな出来事で共産主義の敗北に象徴される第二次世界大戦後の枠組みが崩れたことを意味してました。余波は覇権国アメリカにもおよび歪みの極地が“9.11”にと。

そういえば『MONSTER』のヨハンもニナも1975年生まれの設定です。
朝日・岩波的な言説がインテリの条件だった時代から潮目が変わったのはこのへんの年代からかしら。


国際紛争やミリタリ要素の強い作品を描く時にチェコやユーゴの東欧を舞台にしたくなる気持ちがわからんでもない世代。
お話にしやすい国際情勢の煽りを若かりし頃に浴びちゃったこともあるし、中東やジャングルでの紛争よりも身近に感じることのできるエリアでした。今は情勢も落ち着いてますので実際訪れてみるのをおすすめしますよ。異世界ものにありそうな古き良きヨーロッパの風景は中欧・東欧に残ってます。



視聴時期:2020年3月

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2020.12.09追記

5月が初稿の本レビュー。半年経過して“武漢肺炎”の呼称は聞かなくなりましたね。“新型コロナ”で定着した感があります。こうして振り返って気づくことはままあります。
定点観測することで変化に気づく。現在の断面だけ見て踊らされることのなんと多いことか…


2020.05.18 初稿
2020.12.09 追記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

たぶん原作既読の方が楽しめると思う

Project Itoh3部作最後の一つ
伊藤計劃のデビュー作であり
ハーモニーの世界を作り出した元凶の事件を扱った作品なので
時系列順に考えても世に出た順番を考えても
ハーモニーよりも先にこちらを見るべきです

当然製作サイドとしてもそのつもりで考えていたのですが
マングローブの倒産によって
公開が一年以上遅れることとなり
結果的に順番が逆転してしまいました

ハーモニーと虐殺器官を比べると
SF作品としての完成度はハーモニーの方が上だと思います
しかしハーモニーはそもそも映像化が非常に難しいテーマな上に
映像化する旨味がほとんどない作品でした
虐殺器官はいわば社会派SFガンアクションなので
映像化と非常に相性が良かったと思います

近未来的な様々なガジェットは
伊藤計劃の緻密な筆致により
映像なしでも十分に楽しめるものでしたが
映像化によりさらに実感しやすくなったと思いますし
戦闘シーンも緊迫感があって良かったです

とはいえインドでのシーンで{netabare}
薬物投与で感情制御した殺人マシーンとして
貧弱な武装で練度の低い少年兵たちを
淡々と撃ち殺していくのは{/netabare}
R15+のレイティングだとしてもやりすぎ感があります
それが本作のテーマの中核に近い部分にあり
本当に必要なシーンであるのは間違いないのですが
それでもあまり観ていて気持ちのいいものではないですね

しかし、そこをぼかしてしまったら
映像化する意味がなくなってしまうのも確かです
この作品は近未来を舞台にしたSF作品ですが
扱っている内容はそのまま我々が生きている現実世界が直面している問題です

経済格差から起こる内戦
金と権力のために戦争に身を投じる傭兵
消耗品として扱われる少年兵たち
それら地球の裏側の悲劇を対岸の火事として目を背け
平和を享受し安穏と生きる人々

作品はあくまで近未来の空想の社会を描いたものですが
そのテーマははっきりと我々の生きる現実世界を捉えています
こういった現代社会に対するメッセージ性の高いSF作品というのは
この虐殺器官以降一大ムーブメントとなり
様々な作品が生まれました
同じノイタミナのPSYCHO-PASSシリーズもその一つです
SFというジャンル自体に閉塞感が漂い
SFは死んだなどと言われていた時代に
一つの風穴を開けたのが伊藤計劃だったのだと思います

計劃が亡くなってから
シリアでは激しい内戦がおこり
世界中でテロの嵐が吹き荒れ
アメリカ最優先主義のアメリカ政権が誕生
現在はまさに計劃の描いた社会の歪みが
そのまま具現化したような世界情勢です
我々はサラエボが核の炎に包まれる前に
社会のあるべき姿を模索しなければならないのかもしれません

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

以下映画版のみならず小説版も絡んだネタバレあり

映像化にあたり尺の都合かいろいろと端折ったり改変されています

序盤の導入に関しては非常にうまくやったなという印象
{netabare}原作では最初の任務から帰ってチェコに行くまでの間に
アレックスは自殺したことになっています
カトリックにとって自殺は罪
敬虔なカトリックであるアレックスが自殺するというのは
それだけ過酷な環境であることと
感情制御技術が完璧でないことのあらわれではあったのですが
そもそも映画だとカトリックの教義さえわからずに見る人もいるでしょうし
あまり映像化して面白い演出でもありません
映画では現地語を唯一理解できたアレックスが
感情制御のおかげで虐殺の文法に過剰に反応し暴走した
というオリジナル展開に変更
非常にうまく機能していました{/netabare}

逆にうまくいっていなかったのはラストシーン
{netabare}クラヴィスは最後に
虐殺の文法を英語にして公聴会で使用し
アメリカを内戦の渦に巻き込み
ハーモニーで語られる「大災禍」の引き金を引いて終わります

母の死、同僚の自殺、インドでの敗戦、ルツィアの死
だんだん精神的に追い詰められていく過程が
一人称視点でじっくり描かれている原作版でさえ
最後のオチは予測はできたものの
ルツィアが死んだあたりから
それまでの緻密で過剰なほどの説明から一転し
急に展開が雑になった印象を受けました

実際原作を読んでいない友人たちは
「ただ内部告発したのか、文法でテロを誘発したのか
曖昧なラストに見えた」
「クラヴィスが文法を使う理由が見当たらなかった」
などと言っています

たしかに映画版のクラヴィスは最初から最後まで
基本的に冷静でタフな人間に描かれています
ところどころ独白は混じるものの
3人称視点に近い映画版のクラヴィスからは
祖国に向けて文法を使うほどの闇が見えませんね

限られた地域だけの偽りの平和の中でぬくぬくと生きている人々が
最後にはそのツケを利子付きで支払うことになるラストが
この作品のメインテーマを考えるうえで
非常に重要なファクターなのは疑いようもありません

ラスト部分の描写はもう少ししっかりしておかないと
原作未読の人からしたら物語そのもののテーマがぼけて
いまいち締まらない印象になってしまっているんじゃないでしょうか?{/netabare}

ハーモニーは正直原作だけで十分という感じでした
こちらは原作を補完する映像作品として非常に質が高かったと思いますが
映画だけを見るという楽しみ方はやはりあまりお勧めできません

映画→原作の順番でもいいのかもしれませんが
映画→原作の後もう一度映画で確認するよりは
原作→映画→原作なら追加でお金もかからないので
私のおすすめは原作→映画の順ということにしておきたいと思います

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

62.6 4 近未来でテロリストなアニメランキング4位
ライドバック RIDE BACK(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (197)
1036人が棚に入れました
国連の解体や東京大震災などを経て、学生達による反政府運動が再び活発になっている2020年の日本。学生運動の一拠点でもある武蔵野文芸大学に、一人の少女が入学してきた。彼女の名は尾形琳。類い稀なる舞踊の才能を持つ琳は、入学初日に人型二輪車ロボット・ライドバックと出会う。それが、世界を変革するきっかけだとは、誰一人知る由もなかった…。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

安全が一番

ライドバックと呼ばれる人型ロボットバイクで疾走(暴走?)するおはなし
スポ根的な要素はある…けど少しです
政治やら軍事やらが絡むなかなか壮大な物語となっています


率直な感想としては面白かった。です
序盤はぼけーっと観てたのですが、
途中から展開に盛り上がりを見せ始め、
私もバイクが疾駆するが如く、一気に観終えました

ただ、最終回がちょっと。。
最後でスケールダウンした印象を受けてしまいました
それでも、ストーリー全体には緊張感があって見応えありました


作画の評価はしづらいですね
キャラデザは個性的ですし、背景は普通
ライドバックも見た目はちょっと微妙です

ですが、ライドバックの動きはとてもかっこよかったです
通常走行にダッシュにジャンプに、アクションは様々
このアクションはCGによるものです
動きが滑らかでリアリティありましたね
この点は本作の一つの魅力だと思います


キャラの評価は低めにさせてもらいました
主人公とその仲間たち、普通に良い人たちなのですが、
一人だけ許せない人がいました

内田すずりって女の子なのですが…
好きな方ごめんなさい
何が許せないのかは言ってしまうとネタバレになってしまうので控えておきます
しかし、フォローじゃないですが、
物語的に必要な人物だったことは認めたいと思います



OP「RIDEBACK」 歌ーMELL
ED「記憶」 歌ーユンナ feat GOKU

OP素敵
疾走感やばいです
流石、MELLさんとしか。



観て思ったこと、それは安全第一ということです
これを観れば暴走族の皆様も丸くなるのでは?
あぶないのはいけないと思います!

近未来SF作品
世界観、雰囲気ともに好みでけっこう楽しめました

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ロボットアニメへのなり損ない

キャラの絵柄は地道。雰囲気もちょっと大人しい。
ぱっと見、ロボットものだと思われがちですが、実際に視聴してみるとロボットアニメのカテゴリーには微妙に入らないのが理解できます。
オートバイに手足が生えたような車両「RIDE BACK」(ライドバック)。
ひとりの少女が、このメカと出会い、天才的なライダーとしての才能を開化させていくお話。

・・・・だけじゃあない作品でした。


作品タイトルにもなっているライドバックは、基本的にはオートバイの進化系のようなもの。手が出ていたり人型に変形するのは、姿勢制御や移動する場所を選ばないためのバリエーションのような役割です。人間が搭乗し、移動する乗り物であることに変わりはありません。
怪我でバレエダンサーとしての夢敗れた主人公が、偶然このライドバッグに乗って新たな喜びを見つけ、バレエで培ったセンスを活かしたライドで一流に上り詰めていく・・・という、話だと思いました。最初の方は。
颯爽とスカートを翻しながら華麗に踊るような主人公のライディングが素敵です。


ただ、中盤からは、政治やテロやらが絡んできて、ライドバッグ=兵器、のような扱いになってしまいます。
そういう路線、つまりライドバッグをロボットアニメのロボット的な扱いにして、アクションバトルをやるならソレはソレで良かったんですが、いまひとつそういう方向にも突き抜けていない。半端なポジションで納まってしまい魅力半減でした。
こういうメカなら、アクションはカーチェイスやアクロバットで充分でしょうに、普通。
鉄砲撃ったり殴ったりするシーンが多くて「何か違う」って印象でした。

また、不必要に世界を支配する組織がどうのこうのと、大きな風呂敷を広げるもんだから、暗くて血生臭いストーリーになってきます。
レースやメカアクションものの肝であるスカッとする要素が、そのやたらと重苦しい雰囲気ために台無し。爽快感に欠ける展開と進行でした。
そもそも設定に無理がありすぎるんです。
世界情勢を変えるくらいの新機軸って・・・これが? ( ̄△ ̄)


素直に「少女が特殊な愛機とレースする」作品だったら面白かったとおもうんですが、個人的には。
いいギミックなのに、素材の調理方法を間違ったようで残念。
ほんと勿体無い。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

zu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ライドバックいいなー

構造的に有り得ないけど、ライドバックが有ったら乗りてぇ~(笑)

作品的にも、おもしろかったです(^∇^)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

64.7 5 近未来でテロリストなアニメランキング5位
光と水のダフネ(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (114)
535人が棚に入れました
『光と水のダフネ』(ひかりとみずのダフネ)はアニメ、漫画、インターネットラジオからなるメディアミックス作品。
【ストーリー】海上都市で中心的な役割を担う海洋庁の入庁試験に失敗した天涯孤独の主人公・水樹マイアは、合格後の入寮を見通して家も引き払っていたため、住む場所も失い途方に暮れて街を彷徨っていた。
そんな折、マイアは逃走中の犯罪者に人質とされてしまい、それを追っていた何でも屋・ネレイス社の本城レナに犯人ごとショックガンで撃たれてしまう。ネレイス社の事務所で正気に返ったマイアは、今度は犯人の仲間をおびき寄せるための餌としてレナに使われてしまい、このことから結局そのままネレイス社カムチャッカ支店の住み込み社員として働くことになる。
この支店にはレナの他にも変わり者の女性社員が多く、マイアは彼女達に振り回される生活を送ることになる。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

タイトル詐欺(良い意味で)

舞台が海上都市ということで、世界観は素敵でした
作品名からして、及び1話観終わって私はてっきりSFアニメかと思いました
そして美しい作品なのかと思ってました

しかし、回を進めていくうちにギャグアニメと化していきました
はい、面白かったです
SF要素ももちろんありますが。


登場人物たちが個性強すぎというかぶっ飛んでるので
観てて退屈しませんでした
何でも屋であるネレイス社のメンツは色々な意味で凄かったです
(強すぎたり自己中すぎたり馬鹿すぎたり)
内気な主人公マイアも途中からネレイス社に所属するのですが、
このマイアとその仲間たちのトークが笑えました
トークになってない気もしましたけど


ストーリーとしては、このネレイス社が様々な依頼を
マイアを中心に解決していくものです
マイアが一生懸命仕事をこなそうと頑張る姿は応援してあげたくなりました

ただ、壮大な物語も同時に進行しており、
最終回での伏線回収、良かったと思います
終わりかたも満足です


OP「明日のBlue wing」 歌ー小枝
ED1「あなたと言う時間」 歌ーCooRie
ED2「あなたと言う時間」 歌ー中原麻衣

OPもEDも素敵でした
ただ、中原さんが嫌いなわけではないですが
(むしろ声優としては好き)、
EDはずっとCooRieのままが個人的にはよかったです



外れの回もあり、全部が全部面白かったとは言い難いですが、
総合してみれば十分楽しめる内容でした

ギャグにシリアスに、バランスが良かったと思います
適度(でもない)にネタを挟んでくるので、
妙に真剣にならずに済みました
といっても、物語性は意外としっかりしており、
様々な謎が解明される終盤は特に面白かったです


余談ですが、ネレイス社の戦闘服おかしくないですかw
最初観たとき吹きそうになりました
途中から慣れてる自分が恐ろしい。。
あれもギャグの一種なのか、この謎は未だに解明されておりませぬ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

There will be love there ~愛のある場所~

舞台ははるか未来の海上都市。
”何でも屋”で活躍する少女たちの活躍を描いたSFアクション&コメディです。

主人公は、海洋庁入庁を夢見る少女・水樹マイア。
入庁試験で好成績を残す彼女でしたが、待っていたのはまさかの結果でした。
その後次から次へとトラブルに見舞われるマイア。そして驚きの1話ラスト。
ひとりの少女の人生は、ここから一気にその色を変えていくことになります。

序盤は、1話完結型のスラップスティックコメディ(ギャグ多め)。
何でも屋ネレイスに舞い込む依頼を、個性豊かなメンバーが騒々しくも解決していきます。

一方で、少しずつ明らかになっていくマイアの過去。そこに隠された衝撃の真実。
その鍵となる伏線を上手く散りばめながら、物語は徐々に厚みを増していきます。
一見無関係に見えた話や登場人物が、終盤ひとつに収束していく様は爽快そのもの。
伏線の回収もスマートで、切ないながらも清々しい最終話では感動でウルウルでした。

ギャグアクションかと思いきやまさかのシリアス展開。
その流れをまったく不自然に感じさせない巧みな構成。
1話1話のシナリオも良くできていて、最後まで目が離せない作品でした。

ネックはやはりコスチュームでしょうか……。
なんというか完全に露出狂(笑)。もしくは痴女です。変態です(笑)。
ただ、見た目だけで断念したのなら回れ右推奨。中身は意外と良作ですよ♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

CC さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

絆創膏(バンソウコウ)

 「明日のBlue wing」という爽やかなopから始まる本作ですが、opのラストで謎の空中浮遊があります。劇中に、そんなシーンがまったくないのでチョット面白かったですw
 本作の作画評価はあまりよくないですが、私としては良く描かれていたと思います。おそらくキャラクターデザインが不評と思われます。そのキャラクターデザインなのですが、中々のパンチ力を持っています。まつ毛とか…まつ毛とか…まつ毛とか・・・。
 初見では敬遠しがちなデザインです。キャラクター繋がりでいうと、メインとなる5人のキャラクターの服装がすんゴいです。誰が見ても、人として街を歩いてはいけない格好なのですが、誰にもツッコまれず…話題にすらならない状態です。なので、私から「そんな格好で恥ずかしくないの!?」とツッコませて頂きますw 「絆創膏じゃないから恥ずかしくないもん♡」なんて返されたらお手上げですけどw

 本作の内容はギャグという成分が含まれてますが、そんなことはありません。未来の海上都市で活躍する女性達を描くSFのストーリーが軸としてあるので、コメディ色はありますが、ギャグアニメとは言えないですね。ドタバタ喜劇のような感じです。
一話完結型・ドタバタ喜劇(全24話)

 一話完結の中に起承転結がしっかりと表現されているので、見やすい作品でした。一話完結に良くある…どっかでみたようなジナリオが数話ありますが、キャラクターがデザインを含め、濃いので中々楽しめます。逆に言うと、ありがちなシナリオが多いので、人によっては退屈に思えてしまうかもしれませんね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11
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