豆知識で釣りなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の豆知識で釣りな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の豆知識で釣りなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.1 1 豆知識で釣りなアニメランキング1位
放課後ていぼう日誌(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (454)
1591人が棚に入れました
海野高校1年生の鶴木陽渚は生き物が苦手なインドア派。堤防を散歩中、先輩の黒岩と出会ったのをきっかけに謎の「ていぼう部」に入部させられ、釣りをはじめることに! 個性的な部員たちに囲まれて、陽渚の高校生活どうなるの!?

声優・キャラクター
高尾奏音、川井田夏海、篠原侑、明坂聡美
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

”ただの”釣りアニメではない

【第十二話】(総評も含みます)
{netabare}最終話でした。Aパート前回のキス釣りから、ヒナだけ疑似餌を使っていたためうまく釣れず今回は知識を蓄えて再挑戦。疑似餌のパッケージの裏に釣り方が書いてあるのにわざわざ自分でネットで調べちゃうおっちょこちょいなヒナですが最後は夏海の助力もあって小さいのを一匹ゲット。変わってBパートは夏海フェルトづくり回想。大量の麦茶の区別の仕方から手芸大好きなヒナがていぼう部に入っ思ったことまで、恐ろしいほどスマートにまとめられたラスト10分。EDの絵までその後のストーリーを描けていたし完璧な終わり方でした。さらに最終話の今回もそうですが背景がめちゃくちゃ綺麗。建物の遠近感や影の付き方、橋や標識のプロップデザインも画面にのめりこんで見入るぐらい丁寧。それでいて釣りの知識の豊富さだったり、その紹介の演出も分かりやすい。もう釣りでも手芸でもボウリングでもキャンプでもインドア、アウトドア何の題材でもアニメにできちゃいそうな勢い(同社制作の「恋する小惑星」でもロケ行って入念に下調べしていたらしい)。なのでこのアニメ何って聞かれたらただの釣りアニメとは答えられないですね。すばらしいアニメだったと思います。{/netabare}

【第一話】
終始のんびりした雰囲気で腰を据えて見られました。ただ釣りはあまり興味がないので5話あたりで一展開ないと中だるみしますね。
【第二話】
早速ガチ釣り教室。作画も申し分ありませんし、OP,EDかわいいです。
【第三話】
今回は本格的に目的の魚を釣る回。当然だけどここまで作画(キャラの顔、背景、釣り具などの小物)ド安定です。ここまで丁寧に作られていたら釣り好きの人はかなり楽しめますよ。
【第四話】
{netabare}約2.3か月の延期を経てようやく再開。Aパート意外と高いアウトドアグッズに驚くお約束展開。確かにジャケットや帽子、靴だけで〇万は中高生には高いですもんね。Bパート装備万端でイカ釣りに挑戦。相変わらず釣りシーンは「へぇ~」の連続です。最後はいか刺しを食して自然の恵みに感謝。今回も中身の詰まった良い回だったと思います。{/netabare}
【第五話】
潮干狩り懐かしい…。陽渚は一発でハマグリゲットしてましたが私はバカガイばっかりとってた覚えがあります(笑)。そして貝のバター焼き最高!ビールと会う!
【第六話】
{netabare}六話まで来て全く衰えを感じないですね。Aパートは先生と一緒にアジゴ釣りに。いつもどおり丁寧な釣り解説があり、今回特に良かったと思ったのは陽渚役の高尾さんのアフレコ。ここまで来てだいぶ慣れてきたのか十代とは思えない演技で高校生らしいはしゃぎっぷりも良かったし、アジゴの内臓取り出すときの息づかいはまさに名演技。もちろんBパート陽渚が一人で釣りに挑戦するのもよかったです。動画工房アニメは作画(背景も含め)、専門知識解説そしてアフレコの一話一話の作り込みでいったらトップクラスですね。今回改めて実感しました。{/netabare}
【第七話】
{netabare}面白い!もう第一話で書いたレビューがお粗末でしかない。Aパートはいつも通りの釣りシーンなのに笑いどころは毎回違う。ヒナと夏海も面白かったけど大野先輩のライフジャケットの件についてもエピソードが語られました。OP、EDでも一人だけライフジャケットをしっかり着けてましたね。ここら辺の細かさはもはやこの制作会社では当たり前なのでしょうか(笑)。妙に納得のAパートからBパートではヒナと夏海のお勉強会。眼鏡姿をヒナに見られて恥ずかしがる夏海可愛い!そしてさり気なくヒナの過去の友達事情を聞く夏海もさらに可愛い…。ただ部屋で勉強しているだけのにワンカットごとに見どころがあるので全く見飽きなかった。もうこの制作は日常系作品の覇権会社ですね。{/netabare}
【第八話】
{netabare}今回はテナガエビを釣るということで釣りに使う道具についてや釣り方などなどいつも通りわかりやすい解説がありました。さらに良かったところとして、河川での漁業権について触れていたところ。おそらく原作でもそのような描写があったんでしょうがアニメ内でもかなり丁寧にわかりやすく教えてくれました。あと、ヒナの表情も多彩で可愛かったし声優さんもうまかった。{/netabare}
【第九話】
{netabare}すごく面白い回でした。ある意味もう深夜アニメじゃないよこれ(笑)。まずAパートは堤防部恒例行事の着衣水泳体験のお話。着衣したままおぼれた時の姿勢やペットボトルやクーラーボックスの浮き輪活用などなど丁寧でわかりやすい解説。そのなかで大野先輩の相変わらずの金槌ぶりの笑いなどもあり面白かったし勉強になりました。Bパートは変わって釣りシーンになるかと思いきやいきなり鳥視点の映像が流れヒナの釣った魚がアオサギに横取りされます。今度は横取りに来るアオサギの対処方の話かと思いきやヒナがアオサギの足に絡まっている釣り糸に気付きます。黒岩先輩によるとアオサギを始め海や河川の周辺を活動領域とする鳥類には良くあることで釣り糸が絡まることによって片足をなくしたり中にはそのまま動けずに命を落とすこともあるとか。アオサギの現状を知ったヒナはなんとか昨日のアオサギを助けたいと思い黒岩先輩に協力を求めるんですがそこで出てきたワードが鳥獣保護法。鳥獣保護法とは野生の鳥類や獣類は無断で捕獲してはいけないというもの。保護のためであっても許可が必要なようでそこをカットせずしっかり話に入れてきたのはさすが動画工房としか言いようがない。そしてヒナがアオサギを助けたいと思った理由が絡まった糸が我慢ならないからという裁縫好きのヒナらしいもので面白かった。その後堤防部の面々でなんとかアオサギに絡まった釣り糸は排除でき一件落着です。今回の一話は是非一般の人にも見てもらいたいし、何なら学校でも教育として見せるのもあり。Aパートは昨今の絶えない海や河川での水難事故を減らせるかもしれないし、Bパートのごみ捨て(海、河川の汚染)や鳥獣捕獲規則なども当たり前のことですが現代社会の重要課題でもあるでしょう。冒頭にも書きましたがこれは深夜アニメのレベルを超えてます。私もただの釣りアニメでこんなに勉強になるとは思っていなかったので驚いてます。素晴らしいアニメです。{/netabare}
【第十話】
Aパートいつも通りの部活風景。釣りの仕方が次から次へと出てきてこのアニメ見るたびに勉強になってます。Bパートは釣ったアジのさばき方だったり先生が持ってきた燻製機で燻製にしたり。Bパートもみてて面白かったです。十話ということでそろそろ終わりが近いですがこのアニメに関しては最後まで今回みたいなゆるーい感じでもいい気がします。
【第十一話】
{netabare}いよいよ終盤も終盤十一話まできてここまで作画や話の内容全体的に見ても一点の曇りなしです。女子高生がただただ釣りをする話。下手したらめちゃくちゃつまらない子守唄アニメになるところですが細部までこだわった演出もあり今回まで一話たりともつまらないと思ったことはありません。今回のBパート。メンバー全員でキス釣りをするもののヒナ一人だけキスが釣れないという状況に。他のメンバーは釣れているのになぜか。自分だけ疑似餌だから?単に運がないから?家に帰ってヒナが自分なりにつれなかった原因をネットで模索してみる。するとなにやら好感触な手段を見つけます。良かったですね。アオサギの回もそうでしたがヒナが自分から海のことや魚のこと、釣りのことを知ろうと励んでいる背中を見るとみてるこっちも自然と前向きな気持ちになります。日々の仕事や生活の中で何か困難なものに立ちふさがれたら一から出直して知識や手段を身につけて再度挑戦してみる。大げさかもしれませんがこのアニメを見ているとそんなふうに思わされます。いろいろハイクオリティな釣りアニメです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「釣る」だけでない、「釣り」の魅力

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
女子高生の釣り部(ていぼう部)を舞台にした、日常系部活モノ。

こういう作品では定番ですが、主人公は(釣り)素人なので、非常に丁寧に釣りの解説をしてくれます。また、釣りの楽しみ、難しさ、怖さ、命の大切さなどを多角的に魅せてくれるので、個人的には、Eテレとかで流してほしい、作風だし、高いクオリティ。

1話見た段階では期待値は低かったのですが、中盤以降どんどんハマっていき、最終的には☆4(高評価)をつけました。レビューでは、本作をベタ誉めしたいと思います(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
スポーツフィッシングというものは、釣りの中の「釣る」ということに特化した釣りなのでしょう。

一方、本作は、「釣り」の魅力を多面的に表現しています。

釣って食べる楽しさ。道具を揃える楽しさ。色々な種類の釣りの楽しさ。友達と一緒に待つ楽しさ。

たからここは、「釣り部」というより、「ていぼう部」。ただ、友達とダベったりったり、潮干狩りを楽しむのもアリなんです。

そして、生き餌のキモさ。海の怖さ。漁業権の必要性。環境を破壊する恐ろしさ。お金の大切さ。命の重さ。

リアルな部分もちゃんと魅せてきます。それがネガティブな印象で終わらないのは、日常系の平和な雰囲気の中で、微百合やギャグを交えながらライトに表現しているから。ホントに丁寧だし上手い。

しかも、ラストは2話またぎで、「釣る」面白さをストレートに表現。陽渚は、自分で釣ろうとすることで1Lv up。ネットで調べることで2Lv up。最後に自分で考えることで3Lv up。日常系作品ながら、主人公の成長を丁寧に描写し、時系列を入れ換えた日常話をBパートにもってくることで読後感を爽やかにする巧みな構成に、最終話は☆5をつけました! 演出100点!

このように、「釣り」のライトな部分の魅力をほぼ完璧に表現しながら、7話では夏海の眼鏡&秀才&照れ屋ねギャップ萌え、素晴らしい百合(てゆうか友情)まで魅せてきて、なんだこれ?天才か?(笑) 主要キャラも4+1に抑えたことで、各キャラクターが立ち、魅力が充分に伝わった。久々にキャラの名前をちゃんと覚えられたアニメ。

コロナのしんどい時期を乗り越え、最後まで丁寧にアニメ化してくれた、制作スタッフに(*’ω’ノノ゙☆パチパチ

私の評価的には、☆5に近い☆4で、かなりの高評価。惜しくも☆5に届かなかったのは、部活系の日常アニメとしては実に王道で、バランスが最高に良かった反面、飛び抜けた(というより目新しい)「何か」が足りなかったこと(これは作風的にはしょうがない)くらい。

2期あったら確実に観ますね。

あと、これはどうでも良いんですが、EDやCMなどに流れるリコーダーのような曲が、「つり球」の挿入歌に似ていると思ったのは、私だけでしょうか?(笑)
{/netabare}

【余談~ 釣りはいつかちゃんとやってみたい ~】
{netabare}
釣り、楽しいですよね(ロケーションによるけど)。少しならやったことあるんですよ。

海釣りを何度か。自分で行くことはまずないけど、誰かが誘ってくれたら、わりと楽しみにして。

ちなみに、1番やったのが小学生の時。うちの実家は、「のんのんびより」に近いくらいの田舎なんですが、家の近くに小川があって、そこで釣りをしていました。

小さな橋の欄干に腰掛け、竿を脇に挟んで、ゲームボーイをしながら待つ(笑) そこはちょうど川の流れが緩やかになるポイントで、一時間も釣糸を垂らしてれば、2、3匹は釣れました。家に持ち帰ると、母親が誉めてくれて、美味しく頂きました。

どうしても釣れない時は、少し上流までチャリをこぎ、沢蟹をつかまえてカラッと唐揚げに♪

自分の中の、元風景のひとつとして、「釣り」があります。

私は、キャッチ&リリースってイマイチ好きじゃなくて、素人考えですが、「釣ったら食うのが礼儀」みたいに思ってます。だから、ていぼう部のスタンスも好きでしたね。

ただ、私はかなり凝り性なので、「ハマったらマズイ」と思って、自分でブレーキをかけているところもあります。だって、釣り好きの人、道具にめっちゃ金かけてるじゃないですか(笑) なんとなく、「老後の楽しみ」かなと、自分では思っているものの1つが、釣りですね~。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
フナムシはキモいよな(笑) 釣り部。楽しそうだけど、大会とかあるのな?実際には。

2話目 ☆3
キャスティングくらい、2、3回くらいやったらできるだろ(笑)

3話目 ☆3
再開おめ!

4話目 ☆3
日常回。平日に行くの? こういう専門店って、ワクワクするよね。高1で9000円はキツいよな~。釣りたてのイカ刺は確かに旨いけど、少しおいたやつもねっとりして旨い。これ、どう考えても、墨をかけられるよな(笑) イカは天ぷらが好き。

5話目 ☆3
泥あそび。そして、効果的なパンチラ(笑) 顧問。最後は剣に、ハマグリ食わしたかったけどな。

6話目 ☆4
エラ、ワタ、エラ、ワタ、エラ、ワタ(笑) Bパートのミスとか、知識的なこととか、なんかよかったな。

7話目 ☆5
海怖い、大事。完璧そうに見えて金槌とか、逆に完璧(笑) 眼鏡っ子でギャップ萌♪ 夏海の方が頭良いってのが、良いね。相手の趣味にも歩み寄り。お互いの趣味の交換。良い百合だ(笑)

8話目 ☆4
着衣水泳に、ごみ拾い。環境保全。マナー向上。役所の許可。かなりちゃんとしてるよな。NHKで流そうぜ。

9話目 ☆3
初訛り♪ メッチャ嫌そう(笑)

10話目 ☆
4500円、値段がリアルだな。

11話目 ☆


12話目 ☆5
ここにきて、「釣る」をしっかり魅せるか。自分で考える、成長。すぐには釣らせないし、ちゃんと美味しく食べるし。暑い部屋を開けるとか、麦茶作りとか、リアルで素敵。最後に日常系。この音楽、つり球っぽいよな(笑) ひげ、剃ってきます(笑) 釣りを教わり、縫い物を教える。良い百合だ♪ 釣りにも、ハマっただけなんだよな。まさかの男子手芸部(笑) 先生には、「鮭(さけ=酒)」を作ってやろうぜ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

女子高生は世界を釣らない

4/15発表 4話以降延期 再開時期未定

3月の時点で放送そのものを見送った数作品を横目に見ながら不穏な空気でスタートした2020年春期。
いざスタートして数話してからの延期決定は私たちに事態の深刻さを実感させるに充分でした。
今なら心から言えます。貫徹ありがとう!

女子高生がただただ釣りするアニメなんですけどね。そんな事情でなんか尊い。

作品が醸し出す雰囲気とCMで流れてる『恋する小惑星』から、てっきりきらら系と思ったらヤングチャンピオンでした。制作会社“動画工房”繋がりということで納得。質感はほぼ芳文社です。

ハウトゥーアニメになるんでしょうか。
キャンプ・天文・ボードゲーム・筋トレと思い当たる節がいろいろある方はその釣り版と言えばイメージしやすいかもしれませんね。
海近くの高校だから釣りを活動内容とする“ていぼう部”があって、ではせっかくだからそこでの部活動をJK使って切り取ってみましょうという内容。

釣りってヴァリエーションあってお金のかけようもピンからキリ。当然キリに近いわけです。船チャーターして300kg超えのマグロを釣り上げたりはしません。アムール川でトラに怯えながらイトウを釣ったり、盟友・梅宮辰ちゃんとアラスカの怪物ヒラメを追ったりもしません。おそらく松方○樹のグラサン代だけで部費は吹っ飛ぶことでしょう。

とどのつまり初心者向け導入アニメです。
けっこう面白く感じたのが上手くいかない描写/苦手なことや弱点の描写が随所に入ってることです。え!?何をいまさらと思うかもしれませんが、運動部やメジャー部活なら常道の手法も、キャンプや筋トレアニメでその印象は希薄なんですよね。新しい趣味の楽しさアピールに終始してた印象です。
そんな釣りトレーニングの中身は初心者とはいえ…いやだからこそ本格的。まじめにハウトゥー入れてるのがこの作品の個性となってますね。英断だったと思います。

実質1エピソード15分の構成はテンポがよく見やすくてまとまりもいいですし、それだけで尺が足りなければ必要に応じて延ばしたり柔軟に対応していて退屈はしませんでした。
なにげない日常の切り取りも巧いと感じる。ここは制作会社の力かもしれませんね。
{netabare}次回予告でプールが映り「水着回?」と思いきや翌週肩透かしくらった諸兄もそんなにがっかりしてないでしょう。{/netabare}繰り広げられる日常だけで充分面白いからです。


釣りに限らず趣味の醍醐味は結果もさることながら、あーでもないこーでもないと考えを巡らせたり試行錯誤をする過程でしょう。初心者だった主人公も全12話終わる頃にはこの領域に足を踏み込みつつあってその成長を微笑ましく感じるかと思います。

確信めいた思いがあって、こういう系統の作品って自分のなかの知的好奇心が満たされたり、実際に行動を起こしてみたりというのもさることながら、他人の趣味への理解が深まることがなによりいいことなんじゃないかと思うのです。
トークの幅が広がるだけでなく、相手方のツボ抑えやすくなりますもんね。なにより目の前で楽しそうに話してくれるのがうれしいもんです。そんな身につくよくつく日常+αアニメでした。



■今日の一言

一回一格言で計十二回。マナーと安全管理しか言ってないんですよね。大事なことです。

{netabare}ていぼうの ルール守って サビキ釣り ヒナ
気を付けよう 後方確認 投げる前 真
釣り場ゴミ 拾う数だけ 海きれい 夏海
マイ帽子 かぶって防ごう 熱中症 ヒナ
大きさと 量ば守って 潮干狩り 悠希 小清水登場
オキアミは 流して帰ろう 忘れずに ヒナ 千葉繁登場
ライジャケで 体も心も 浮かびます 真
河川釣り 釣り券買うのが 基本たい 悠希
生き物を 守るイコール ゴミ拾い ヒナ
三年後 もっかいおまえを 釣ってやる 夏海
砂浜に 置き忘れないで 針と糸 ヒナ

この海を 残していこう いつまでも ていぼう部{/netabare}


■主要メンバー

鶴木 陽渚(CV高尾奏音)1年 主人公・初心者
黒岩 悠希(CV篠原侑)3年 部長・ゴリゴリの熊本弁
帆高 夏海(CV川井田夏海)1年 主人公の相方 
大野 真(CV明坂聡美)2年 職人

1年生コンビの声優さんが新人ですね。部長役の篠原さんはネイティブの熊本人で、先の『神田川JG』での長崎弁に続き方言キャラっす。それにしても『となりの吸血鬼さん』でのハイトーンキャラとうってかわっての低体温ぶり。いつもながら声優さんの振り幅には驚かされます。

{netabare}「せからしか!」ってなんの因果かマッポの手先のヨーヨー娘ではなくて、今はHKTらしいですよ。{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

-----

2020.09.24 初稿
2020.10.31 タイトル修正
2021.06.11 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 65

71.5 2 豆知識で釣りなアニメランキング2位
スローループ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (274)
802人が棚に入れました
海辺でひとり、亡き父に教えてもらったフライフィッシングを嗜む少女・ひより。 いつもどおりに釣りをしていると、いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。 一緒に釣りをする事になった2人でしたが、実は親の再婚相手の娘どうしで…? ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

初めは偏見で過小評価してましたね。日常+ノウハウの良作でした。

 総括ですね。スク水女子がいきなり海に飛び込んだり、釣り針をひっかけたり、再婚同居とか鬱まっしぐらな設定で驚きましたし、ちょっと「アレアレ…おかしいですよ?」という感じでマイナスイメージが先行してしまいました。「また日常系かあ」という偏見も確かにあったと思います。が、結果的にレベルの高い日常モノ+ノウハウものだったと思います。

 完全にストレスレス設計ではなく、若干のスパイス的な負の感情があったし、登場人物の年齢層性別に幅があって、それが自然なストーリーになっていたのも、新鮮で良かったですね。で、癒しパートではしっかり癒されますし。

 ノウハウも料理と釣りでどっちつかずじゃね?という心配も大丈夫だったですね。まあやっぱり興味がもてたのは釣りの方かなあ。

 一方できらら系の特性で物語が中途半端でも気になりませんし、伏線とかテーマ性とかそういうのが無くても満足できました。初めの方は集中して見られなかった部分もあるので色眼鏡を外して再視聴してもいいかな、と思ってます。

 釣り版のヤマノススメですかね。日常+ノウハウにちょっと負の感情とスト―リーがある…みたいな面白さがちゃんとある、という良い意味で言ってます。是非ヤマノススメ同様2期が来るといいですね。



以下 視聴時のレビューです。


1話です。{netabare}初め、海で毛バリなんか使うかよ、と思って調べたら最近は使うみたいですね。勉強不足でした。虫を食べる渓流の魚向けだと思ってたらメバルは確かに釣れるみたいです。

 作品です。きらら系ということで、日常な気もしますがヤマノススメみたいに若干ストーリー性を感じます。完全な癒し系ではないということでしょうね。少し暗い要素も入っていますし、いきなり再婚で同い年の姉妹ができるというのは普通メンタル的にハードな設定だと思います。

 ただまあ、あまりシリアスにはならない気がします。コハルとヒヨリで小春日和ですね。これがまあストーリーの性格になるんでしょう。

 ヤマノススメみたいな話だとすればちょっと展開が楽しみです。ただ、1話の様子からして料理も釣りも専門性が中途半端かなあ…まあ、見てみないと分からないですけど。

 キャラデザの横顔、鼻のラインが極端に凹になっているかなり昔の感じですね。髪型は輪郭を隠すような最近の流行ですね。制服がリボンとネクタイなのって普通の高校だと有りなんでしょうか(調べたら選べる高校も多いみたいですね。これも勉強不足でした)。私服のセンスは…うーん…

 とにかく気軽に見られそうですし、なんとなく引っかかりがあるアニメなので今期の視聴候補ですね。

 なお、冒頭のスク水シーンは一応スルーしておきます。つかみ…なんですよね? {/netabare}

2話 ひよりちゃんってコミュ障じゃなかったでしたっけ?

{netabare}  ひよりちゃん、友達のお父さんと気軽に話せたり、積極的に釣りに誘ったりどうもコミュ障には見えませんね。いいですけど。
 キャラデザで睫毛に白いのが混ざるのが気になりますね。光沢なんでしょうけど白髪に見えます。

 思ったよりも釣りの話がありましたが…ちょっと物足りないかなあ…4種類の毛ばりの動きのところとかもっと見せ方が…それと釣りの技術に関してループとは何なのかどういう技術が必要か、釣れるポイントとかウンチクがもっとあってもいいですけど。

 OPで「料理・エフェクト作監」で鷲北恭太とおっしゃる方ががクレジットされていました。食戟のソーマの料理の作画ををやった方らしいですね。ということは料理には力が入るのでしょうか。{/netabare}

3話 ひよりちゃん、語りすぎ?

{netabare}  話そのものは家族の問題に焦点を当てて、かつ、釣りの話、料理の話とあって、そこそこ面白いですし、作品に求めるニーズも満たしていると思います。イワナの作画綺麗でしたね。イワナって湖とか海に降りるとマスになる…と思ってたんですけど湖で釣れるんですね。

 ただ、ひよりちゃん、語りすぎですね。というかそのほかの人たちも内面をセリフで垂れ流している気がします。セリフじゃないにしても分かりやすい表情とか。語るのではなくて演出を使うとか…説明セリフばかりだとやっぱり心情の表現が物足りなくなります。深さのチューニングが中途半端でせっかくの子連れ再婚という設定がかえってノイズになっている気がします。特に父母のキャラが薄っぺらいからなあ…そこがなあ。

 そもそも、家族の問題なら事件…つまりエピソードで見せた方がいいと思うんですけど…あっさりとこれでみんな仲良しならその設定は不要でしたね。仲良しJK同士が料理と釣りに…でいいと思います。設定活かすならこの後何かあるならいいですが。

 なお、梅干しのウンチクは良かったですね。こういう感じが沢山あると面白いと思います。バナナって何があるんでしょうね。気になります。

 まあ、継続視聴…でしょうね。 {/netabare}


9話です。ダーク設定がいい隠し味になっているのかも
 
{netabare} 初めはきらら系の日常に親の再婚とかきついダーク設定いるかなあ、と思ってたんですけど、そのおかげでキャラが描けていて、癒しパートがなかなかいい感じですね。だらだらした日常ものよりも、少しだけの辛さや涙が心の琴線に触れるせいでしょう、いい隠し味になっている感じです。

 話も海にいったり、渓流にいったり、釣り堀だったりと薄く広く話が展開するので飽きない感じですね。ちょこっと入るウンチクもなかなかいいレベルだと思います。キャラも増えちゃったけど、きらら系には珍しく家族…老若男女でてるのもいいですね。ちょっと新しいかもしれません。

 思っていたよりも面白いかもしれません。ちょっと消化枠として、ながらっぽくまとめて流してみてたらいつの間にか集中してみていました。引き込まれる何かはあるのでしょう。それがダーク設定とか家族の部分なのだと思います。9話、面白かったと思います。{/netabare}



11話 再婚と恋のキャラを話として上手く回収しましたね。

 10話のてんからという単語を始めてしりました。そしてやっと毛ばり以外のまともな釣りも出てきましたね。ちょこちょこと面白い知識がはいってきました。1話2話辺りはノウハウものとしてどうかなと思いましたが、なかなか機能していますね。

 イソメきましたね。いや無駄にリアルすぎるでしょう。なんでここだけ作画いいんだよ…そして寄生虫ですか…うーん。食欲が…で、その後釣った生サバの調理とか…胸がいっぱいです。ただ、文化祭回ってシリーズで一番面白い場合と、騒ぐだけ騒いで面白くない場合がありますが、本作は面白いほうでしたね。

 本作は可愛いとかそういう作画ではありませんが、給仕のコスプレのヒヨリちゃん、可愛かったです。


 11話です。あーモヤモヤですね。友情の優先順位的な嫉妬ですね。可愛いエピソードですけど、やっぱり心の闇的な感性が原作者にはあるんでしょうか。これは実際感じたことがある人じゃないと描けない気がします。

 日常系としては、どこかダークな雰囲気が漂いますね。そこが面白いんでしょうね。再婚話、恋ちゃんとの思い出を絡めて上手くまとめました。なかなか良かったですね。

 ここまでは日常系の要素もノウハウとしても面白かったうえに、ちょっとした友情家族のストーリーもなかなか良くできていました。ちょっと新しいですね。
 なお、やっぱり東山奈央さんの声はいいですね。追加声優って…でもOPはとばさず聞いてます。


 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

22年冬アニメのきらら枠作品

久々のきらら枠の作品…なのではないでしょうか。
21年冬アニメで放送された「ゆるキャン△ SEASON2」以来かな?

原作は未読ですが、きらら枠であることとアニメーション制作がCONNECTさんと知って視聴を決めた作品です。

CONNECTさんは、「魔法科高校の優等生」ではっきりと認識しました。
本編より作画、特にキャラデザが格段に良くなっていましたからね。


海辺でひとり、亡き父に教えてもらった
フライフィッシングを嗜む少女・ひより。

いつもどおりに釣りをしていると、
いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。

一緒に釣りをする事になった2人でしたが、
実は親の再婚相手の娘どうしで…?

ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、
「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

きらら枠独特の癒され感というんでしょうか…
兎に角安心・安定感が抜群の作品でした。

家庭の事情はお互いにちょっと複雑…
だけど、親が再婚する相手同士だったことも相まって、ひよりと小春はフライフィッシングを通してお互いの距離を少しずつ縮めていきます。
この作品は、その距離感の縮め方が抜群であると同時に、最大の見どころになっていると思います。

そして、ひよりの幼馴染である恋ちゃんの存在を忘れてはいけません。
これまでひよりと恋ちゃんだけだった場所に小春が入ってきました。

小春がひよりにとって新しい大切であることをきっと恋ちゃんは誰よりも分かっていたと思います。
でも、それと同じくらい、恋ちゃんはひよりとたった二人だけの時間と場所を物凄く大切にしていました。

好きだからこそ、心がモヤモヤする時ってありますよね。
3人で乗り越えなきゃいけない壁だと思います。
もちろん、乗り越えられない壁じゃないと思いますし、寧ろその先の景色を見たいと誰もが思っている…
3人集まると社会が形成される、とは正にこの事ですね。

私はフライフィッシングについては疎いので良く分かりませんが、虫に触れない、が始めたきっかけというのは可愛らしいと思いました。

私の小さい頃、釣りをするなら海での餌釣りだったので、アオイソメなどに触るのは全く抵抗ありませんでしたけれど…
これが男女の違いなんでしょうね。
そういえば、当時妹の釣り竿にも仕掛けと餌を付けてあげたことがあったっけ…
もう随分昔のことなのですっかり忘れていましたけれど。

きらら枠の王道とも言える作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、奈央ぼうときよのんの新ユニット「ぽかぽかイオン」による「やじるし→」
エンディングテーマは、による「シュワシュワ」
「Three∞Loop」はひより、小春、恋ちゃんの3人組ユニットです。
そういえば、奈央ぼうときよのんがユニット組むってTwitterで挙げてるの見た記憶があります。
2人ともワルキューレ繋がりですからね…歌唱力はピカイチだと思います。

1クール全12話の物語でした。
久々のきらら枠にしっかり癒して貰いました。
やっぱり、毎期1作はきらら枠の作品が見たいんですけど…
少し前までは毎期放送されていましたが、どうしたんでしょう。
コロナの影響とかあるのかな?
とは言え、しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

温かい気持ちになれる

久々のきらら系、釣りアニメ

{netabare}
まさにきらららしい百合作品で毎回楽しめた。
家族設定に結構深い闇があったにも関わらず特に何もなく終わって言ったけど、まあきららだし日常回が良かったので特に不満はないです。
ちゃんと題材からも脱線せず、毎回釣り関係の話を入れてくるのもきららではなく、釣り作品としてしっかりしてるなあと思った。
ただ、釣り用具の説明がやたら長かったのは少ししっかりしすぎてたかなぁとも思うけど、釣りアニメだしこんなもんかな。

釣りだけでなくて魚料理も色々紹介されてて結構飯テロアニメだった。美味しそう。
ひよりは釣りが得意で小春は料理が得意、恋は釣り具関係に精通しているというのもいい差別化ですね。

会話は正直滑ってるとこも多かった気がするけどそこ含めてなんやかんや楽しめたかな()

ていぼう日誌の方が評価高いのは理解できるけど、自分はこっち派です。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
久々のこういう系。でかい。おいしそう。
正直ノリが結構滑ってる気がするけどかわいいからいいや。
これ系は1クールに一つは欲しい...。

2話 ☆10
とまどい→レシピみたいな曲名だな。
鯉?w 高校生に店番任せるな。解説が分かりやすい。
とんでもない糞親じゃねーかw 
名前の由来面白いわ。このアニメ家族に問題ある人多くないか?
小春も釣り中毒じゃんw 

3話 ☆9
え、重くね? 小春は父と一緒でひよりが母と一緒ね。
オタク特有の早口。恋する小惑星。

4話 ☆8
料理番組かな? こいの父闇深すぎやろ...
日焼けしすぎw 誕生日めっちゃ祝ってくれる人いるじゃんw 

5話 ☆7
厚着こいかわいい。グロい。そっちの寝るかと思った。
安定のおいしそうな料理。離婚したやんけ...。謎シリアス

6話 ☆8
会話の言い回しが結構滑ってるかな...。
今回マジで小春のセリフ滑ってないかw
幼女w 釣り師は色々とつながりがあるのね。
うまそう。地味に飯テロアニメだなこれ。

7話 ☆6
外国人に笑われてそう。時々ギャグが滑ってるよな。
子供たちと遊ぶシーンカットされすぎじゃない?
子供の方が釣れてるじゃん。うまそう。

8話 ☆8
セミ気持ち悪い。異世界食堂のOPかな?
ほんとに言うの?w なんか人間の自己満足自分勝手感があるな
釣ったら食べろや
どっちが母と一緒とかがマジでわからなくなる。

9話 ☆9
ゆるキャン△ ほんとセリフが所々滑ってるw
百合アニメいいぞ。いくらで何でそれを思い出したし
そうなんだ 特殊ED

10話 ☆8
学校での話珍しいな。こいつら詳しすぎやろw
てか男も出るんだ。この二人可愛い。悪趣味すぎるw

11話 ☆8
ゆるキャン△ 自然な導入
仲いい人が自分抜きで楽しそうにしてるってことね。

12話 ☆8
説明長いなw 魚一匹の代わりにスマホが犠牲にw
いっつも飯食ってんな。

曲評価(好み)
OP「やじるし→」☆8.5
ED「シュワシュワ」☆8.5
ED2「ゆるゆらりる」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

76.8 3 豆知識で釣りなアニメランキング3位
ソウナンですか?(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (546)
2028人が棚に入れました
家もない…。食べ物も、水もない…。女子高生4人組は、どこかもわからない無人島でソウナンしてしまい大ピンチ! …のはずが、けっこう元気です! なんにもないから、なんでも作る! なんでも食べる! 知恵と勇気の無人島サバイバル!

声優・キャラクター
M・A・O、河野ひより、安野希世乃、和氣あず未、大塚明夫
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

括約筋肉少女帯

なんでもかんでもJK出しときゃいいと思ってんと違いますか?

・・・大見得を切って昨今のJK花盛りな風潮を揶揄した自分を殴っていただいて構いません。
えーあのー、、、JKいいね ボソッ

ここ2,3クールの15分ものの中では一番好き。


 タイトル 『ソウナンですか?』

Q なるほど。遭難した時に役立つサバイバル知識満載の教育系アニメですね?
  ↓
A そうなんですけどちょっと違います

Q となるとそのまんま愛でたり鼻の下を伸ばしたりするアニメなんですね?
  ↓
A いやほんとまぁそうなんですけどなんかちょっと違います


 {netabare}恥じらいを捨てた{/netabare}

 {netabare}または恥じらいの皮を一枚ずつ剥がす途上にある{/netabare}

 {netabare}若い娘さんの生命讃歌に目を細めるアニメです{/netabare}


修学旅行中の飛行機事故という絶望的な経験をしたのにクラスメイトや先生の話題なぞどこ吹く風 (笑)
原始的欲求と文明的理性との狭間でユルく葛藤する遭難者4名の観察日誌です。ちなみに原作は未読。


 それでも生きていかざるをえない!


かつてオーケンはダメ人間に向けそう語りかけました。
無人島サバイバルのような原始的環境において、恥じらいや見栄は不要であるとの現実。
昆虫食も尿による水分補給も肯定されちゃうのです。
だって生きていかざるをえないんですもの。

これがもう少し歳を取って分別のある大人になってればエロチシズムを感じたのかもしれませんが、親の庇護下にあるだろう女子高生たちから感じるのは、守られてる身分からの自立の胎動です。
・・・実際はだいぶユルイです。悲壮感がないなどとことさら目くじらを立てるほどではありません。アニメですから。


アイディアの勝利でしょう。
普段なら眉間に皺をよせてしまうデリカシーのない表現は置かれてる状況が免罪符となりました。
突発的なえっちい描写もそうは言ってもしゃーないだろうよと説得されてしまう環境下に生きる彼女たちであります。

 {netabare}とってつけた感がないのです!キリッ{/netabare}

よくあるラッキースケベやお約束水着回などに飽きがきてる方でも許すことが出来ちゃう仕様です。


なおメンツはこちら ↓

 鬼島ほまれ(CV M・A・O)
 鈴森明日香(CV河野ひより)
 天谷睦(CV安野希世乃)
 九条紫音(CV和氣あず未)

ダントツでほまれですね。遭難歴複数回のエキスパートの彼女。心地よいのは行動 / 言動になんら躊躇がないこと。即断即決は頼もしかったりギャップボケを生じさせたり、かといって他の三人に歩調を合わせる柔軟さもある。プランAで同意を得られないならすかさずプランBと次善策を講じます。そのプランBは周りの意見を咀嚼した上での最適解なのでいったんここでアクションに移れます。ズルズルと第3第4の案に流れたり話し合いでループすることもありません。
自称脇役マニアの私には珍しく主役鬼島ほまれが最も魅力的なキャラクターに映りました。


ついでに、回想に出てくるほまれパパ鬼島丈一(CV大塚明夫)とほまれとの掛け合いもじわじわくる。

{netabare}「いいか?ほまれ」で始まる回想 @ どこぞで遭難中
ここから丈一によるほまれへのサバイバルチュートリアルが展開される。例外なく自信満々である。なんというか屈託がない。
対するほまれのリアクションは一定。「うんっ!」その瞳はきらきらと輝いているのである。{/netabare}

手を変え品を変え繰り返される親子の会話シーンも毎週の楽しみでした。
OPEDの印象は薄いかも。サクッと15分の手軽さ。毎度次週が待ち遠しかったです。



※最終回ネタバレ

{netabare}私、何かを失った?
いえ、ちがうわ。
命をつないだだけよ。
うん。
きっとそうよ。
だって{/netabare}

それでも生きていかざるをえない、な満足の全12話でした。
置かれた状況がシビアであればあるほど、そこからの落差でお笑いが映えてくるものなんです。
徹頭徹尾シリアスに振れずギャグで貫き通した点も評価が高い一品です。


{netabare}紫音がひと皮むけて躊躇なくウ〇コハンドクリーム塗ってたらさらに点数上げてましたね、きっと。{/netabare}




■(余談)鬼島ほまれを雇いたい

仕事でも頼れるリーダーとして能力を発揮してくれそうです。
仮に彼女をヘッドハンティングできなくても育てる手というのもある。新人研修にはほまれ父を招聘し1年くらいどっかに放り込むとか。研修コストは飛行機代くらいだし。
雇用なので給与支払義務は生じるとしても帰還後の伸びしろに期待できそうです。
従業員も税法上 “ 非居住 ” 扱いで納税額を減免されますし、手をつけてない1年分の給与所得が口座に振り込まれてるわけですから、それほど悪条件ではないと 勘違いしてくれるかもしれません。
もちろんそんな会社に応募があるかどうかはまた別の話です。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------

2019.09.18 初稿
2020.04.06 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 60

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

修学旅行…からの〜ソウナンですか!?

ガラケーの使い方ってあーゆー使い方があるんですね。…ま、こんな事が無ければ使わないやり方ですが(笑)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全12話・15分アニメ)


修学旅行の移動で使ってた飛行機が飛行機事故を起こす。放り出され、たまたま同じになった同じ学校の女子高生4人(クラスは別)。救助が来るのを祈り、行き着いた無人島でサバイバル生活が始まる。
…ってとこですね。


微エロ表現だけなら「またこんな系か…」で断念したと思います。が、サバイバル知識が中々面白く、微エロ表現は観てもらう為の1つの動機になってたので全話視聴出来ました。
ちょっとやり過ぎだと思うのもあったけどサバイバル知識で調べると理に叶ってるので「なるほど」と頷けるものばかりでした。
ま、詳しく表現してしまうと尺が足りないだろうな。そこは仕方ない。

『鬼島ほまれ』のサバイバル知識(ほまれパパの教育の賜物)、『天谷睦』の趣味が「読書と料理が得意」と言ってた通り色々な場面で知識が披露されたり料理の時も肉を率先して屠殺(とさつ)したりとこの2人がサバイバルには向いてるタイプ。
『鈴森明日香』は元気娘だが若干アホ娘だが快活な娘。(ゲテモノ苦手)
『九条紫音』は家がお金持ちなのでまんまのお嬢様。なので我儘言いたい放題で「死んだ方がマシよ!」と言い、ちょいちょい困らせる。
しかし意外と手先が器用で他人を思いやるとこもある。
が、後半の2人は物語最初の方「食べ物さえあれば」や「シャワー」など結構我儘放題でサバイバル向きでは無い。

この4人で繰り広げるサバイバル生活なのですがタイプが違う現状の受け取り方をしてて面白かったですね。ま、普通に考えたらいきなり数分後何もないとこでサバイバル生活をしなきゃならない現実が来たら後半2人の様な我儘を言うのも納得はします。
で、現代社会で慣れてるから火さえ起こせない…ってなるんだろうな。


食べられるかのパッチテストはサバイバルやってる人はやりますね。一般人がパッチテストやるとしたら毛染め液とかかな。アレと似たような物です。
アレを容赦なくお尻にって…痒さだけで済めばいいが(苦笑)
二の腕にしてやれよ、『ほまれ』。


6話は結構考えさせられますね。お肉を食べる為に…って感じで。幼虫や昆虫で良質なタンパク質を摂るのも良いですがやはりお肉料理を食べたくなる。『セロトニン』不足から来るストレスなどでね。
そこでお肉の『トリプトファン』という必須アミノ酸を補給しストレス軽減に繋げるって感じです。(お米と一緒に食べるとなおよし)
かなり簡単に書きましたが、詳しくは栄養学へ。

話が逸れました。戻します。
ウサギの命を奪う事、それを捌く事、そして食す事…
最初の2つをやったある人物達は普段生活してるだけならやらない事だから普通に凄いなと観てました。屠殺なんか発狂したくなるだろうな。(食肉の処理方法は搬入から含めると約20工程以上)
そして食した後のあるキャラの「ごちそうさま」はグッと来ました。
因みにウサギ肉は淡白で鶏肉みたいですがやや噛みごたえがあります。調理法で変わりますがね。
フランス料理ではご馳走らしいです。


しかし最終話はちょっとビックリしました。
うん、でもよく考えれば座薬がそうだから…
ハハハ…


OP曲はなんか楽しそう。ソウナンするのに。
ED曲もなんか楽しそう。ソウナンしてるのに。

アイキャッチの「ソウナンですか?」は『こ○すば』や『みな○け』みたいな感じで使い方は良かったです。


サバイバルだけど所々はギャグ、美白や清潔を保つなど女子高生でありたい!ってのもあり、微エロ込みで男性向きな作品だなと感じました。
2期がもしあるなら観てみたいですね。だけど2019/10/29現在、既刊5巻だから無理かなぁ。
でも最終話の終わり方を観ると期待したい。


----


6話観て思いだしたのが私も高校生の夏休みの時、ある地方の農家さんのとこでお手伝いした事があって近くに牧場をやってる人にもお世話になりました。そこでなぜか鹿を屠殺するとの事で手伝ったんですが…何回か吐きましたね。
血とか内蔵とか生々しいのは勿論、死んでるけど目が合うと自分の震えが凄い。ナイフが骨に当たったり鹿の体温が…。
もう出来ないだろうなぁ。
なので6話のあるキャラが屠殺して声を上げるのはよく分かります。最後までよくやれたもんだ(汗)
魚だと三枚おろしとか出来るのに不思議ですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

遭難時の心得

アニメーション制作:Ezo'la、
監督:長山延好、シリーズ構成・脚本:待田堂子、
キャラクターデザイン:西尾淳之介、音楽:立山秋航
原作:岡本健太郎、さがら梨々

「なめくじは決して生食してはダメだ」
「ヘラジカの睾丸は生食できる希少な部位だ」
「パパ、タマ臭いよ」
という衝撃的なセリフからスタート。
修学旅行中に飛行機事故で遭難してしまった
女子高生4人が島に辿り着き、
そこでサバイバルする物語。
こう書くとかなりシビアな内容に思えるが、
実際には、遭難したときの豆知識と、
エロ描写&コメディ満載のストーリーとなっている。

トビウオを捕まえてからつぶして
内臓や血などから水分を補給する方法や
海に漂流しているときに見えている水平線は、
せいぜい4~5キロ先までなどということなど、
1話目から色々な豆知識を披露する。
{netabare}水分を分けるために殿様バッタを食べた口から
唾液を口移しで流し込むという笑い満載の展開。
また食べられるものかどうかを判定するために、
実の部分を切って断面を皮膚に押し付けてみるというのは、
万が一のときに役に立つかも。
こういうシーンで尻に実を押し付けるなど、
あざとい描写が色々あるが、観ているうちに
あまり気にならなくなってくる。{/netabare}

ところで、これを観ていて思い出したのだが、
私も子供のころにヤドカリを食べたことがある。
アウトドアに詳しい親戚の叔父さんと海に出かけて、
貝類とともにヤドカリも食えるということで、
浜辺で焼いて食べた。
気持ち悪さだけが記憶に残っていて、
味はあまり覚えていないのだが…
そういえば、私は食べてないのだが、
兄はその同じ親戚の叔父さんとヒトデを
食べたと言っていた。
今では浜辺で貝を焼いて食べていると、
すぐに監視員が飛んできそうだが、
昔はそういうのも大らかな時代だった。
潮干狩りに出かけても今ほど重量に
厳格ではなくて目分量のチェックだった気がする。

子供のころは海にもよく潜って遊んでいたが、
さすがに水深が10メートル以上もあるような場所では、
潜っているうちに恐怖感が強くなる。
しかも私が泳いでいたのは瀬戸内海だったから、
それほど海も綺麗というわけではなく、
ある程度潜ったら、真っ暗で遠い海底が見えて、
底まで行くのには、かなりの勇気が必要だった。
あれは、スキューバダイビングなら、
怖くないのだろうか。
私が暗所恐怖症なのかもしれないが。

動物を捕らえるときのトラップは、
ゴールデンカムイと同じような「くくり罠」が
紹介されていた。輪を針金なようなもので作り、
そこを通った振動によってトリガーが作動し、
吊り上げられるという仕組み。
リスは癖がなくて旨いらしい。
さすがに食べたことはないが…

それとウサギ実食の回では、
動物を仕留めたとしても気温が高い場所だと
1時間くらいで肉が腐敗してしまうことなども
しっかり描いている。
捌くのは普通は難しいが、
名人であるほまれの存在がリアリティを持たせてくれる。
サバイバル系のテレビや映画などで、
狩りの様子などを見たことがあるが、
しっかりとした処理をしていないと、
小さな虫がどんどん寄ってきて
すぐに大変な状態になってしまう。
せっかく食物を確保しても、
虫が湧いたグロテスクな有様を目にして、
生き抜こうとする心が折れてしまうのだ。

そういえば、子供のころにウサギのソーセージを
食べた記憶があるのだが、どんな味だったかは
覚えていない。普通に美味しかった気がする。
7話で登場する海岸に生えている
ハマボウフウという多年草が食べられるという。
漢方薬としても使用されるそうだ。
世界中のどこにでも生えているというのも
また興味深い情報だった。

キャラクターとしては、サバイバルの専門家である
ほまれを中心に、明日香、陸、紫音の性格が
それぞれ個性があって面白い。
特にストーリーが退屈にならないよう
紫音の我儘を上手く使っている。

最終回の衝撃の展開は、
おそらくほとんどの人が驚いただろう。
こういうやり方があるというのは、
知識としてもとても面白い。

ヤンマガでは現在でも連載中。
{netabare}そこでは、未だ遭難生活を続けている。{/netabare}
アニメのラストでほまれの父が
救助に向かっている様子が描かれたのだが、
彼女たちが家に帰れる日は来るのだろうか。
(2019年10月5日初投稿)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 59
ページの先頭へ