2021年度の誘拐アニメOVAランキング 1

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早速見ていきましょう!

63.3 1 2021年度の誘拐アニメランキング1位
B: The Beginning Succession(Webアニメ)

2021年3月18日
★★★★☆ 3.2 (20)
98人が棚に入れました
ギルバートと決別し、王国に潜む闇の存在を暴いたキース。自らの過去と対峙し、捜し求めていたユナを取り戻した黒羽。事件から数ヶ月。明らかとなった王国の秘密により騒然となった世界も落ち着きを取り戻していた。RISに戻り独自に捜査を行うキースと、ユナとともに平穏な日常をおくる黒羽のもとに、かつてファウラブランカ研究所で黒羽と死に別れたはずの霧雨が現れる・・・・・・

声優・キャラクター
梶裕貴、寺島拓篤、平田広明、瀬戸麻沙美、東地宏樹、稲葉実、小清水亜美、豊永利行、田中進太郎、佐藤聡美
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

呑まれるのは異形か?伝統か?

Production I.G×中澤 一登氏によるNetflixオリジナルアニメの第2期(全6話)

【物語 3.5点】
政治劇、アクション中心。クライム要素はあるもののサスペンス色は後退。

象徴的なのは脚本による天才捜査官キース・フリックの推理の排除({netabare}黒幕によるキースの拉致監禁{/netabare})
1期では、現実世界に、ぶっ飛んだダークファンタジーや、アクション披露優先の展開が放り込まれても、
キースの慧眼に曝されることで、全体が締まったが、
それが無いために、終始、未計測感が漂う。

特に終盤の、{netabare}キースの居場所の四択を一か八かで手分けして当たる件{/netabare}では、
キースがいれば、こんなアクションで魅せるための強引な戦力分散劇は
あり得ないのでは?と鼻白みました。


短尺の中で、焦点が当てられたのは群島国家「クレモナ」の今後について。
戦争で荒廃した国家の復興策として開発された異形を飼い慣らして行くのか、
新生物たる異形に合わせて国家が改変されるべきなのか。
王家の内紛も交えた議論が、事件の深層。


【作画 4.0点】
欧州を思わせる古城、街並みなど、水彩画タッチの背景美術等をバックに、
異形同士が超高速でチャンバラする国籍不明感などが引き続き醍醐味。

1期では、ネトフリという解放区に来たことを良いことに?
地上波では規制でやり辛い出血多量や、
撮影での激しい光の明滅が、嬉々として乱発されたが、
2期では異形の主人公少年による銃火器ぶった斬りなど、
シリーズとして追求したいアクションに的を絞った感。

これを洗練されたと取ることもあれば、刺激が足りないと思うこともありw

バトル以外では案外な止め絵の群衆等も散見。
ネトフリ独占作のソースも決して無尽蔵ではない模様。


【キャラ 4.0点】
かつて主人公・黒羽(こくう)も幼少のころ過ごしていた
異形“カノン”の開発研究所時代の仲間の霧雨(キリサメ)
彼が束ねる異形グループが、今回の事件と、政治劇の黒幕。

配下の女戦士・朝霧(アサギリ)はピッチリ黒スーツの刀担当で、
“第2世代”の“カノン”として“異形の王”たる黒羽の真価を問うように執拗にマッチアップ。
槍担当の男・華残(カザン)と合わせてバトルシーンにバリエーションをもたらす。

霧雨も政治の権謀術数については中々のボスキャラであると分るが、
トリック等“台本”のレベルについては、やはりキースの本格的な分析待ちか。


その、もう一人の主人公・キース。
捜査を封じられ({netabare}正確には敢えて捕まって{/netabare})活躍は少ないが、キャラ深掘りはあり。
推理はできても、人の心は分らない?彼の原点の一端が垣間見えるのは収穫。


そんな異形やキースの葛藤を余所に、ヒロインの新米捜査官・星名リリィは
{netabare}国王を乗せた車で、市中を暴走する{/netabare}など、相変わらず、分け隔て無いマイペースw
キースの大切な人の面影があると言うだけではなく、
空気読まずに接してくるリリィの性格が、キースにとっては一筋の光明か。


【声優 4.0点】
国王役の宝亀 克寿さんは70代の、王子役の咲野 俊介さんは50代の、
共に洋画吹替え経験も豊富なベテラン声優。
異形を巡る穏健派の国王VS急進派の王子の親子の確執を重厚化。

次世代型異形・朝霧役の潘 めぐみさん。
能力差だけじゃない、研究所での子供時代のカースト?に起因すると思われる
嫉妬含みのボイスで、黒羽に粘着w

同様の妬み成分は華残役のKENNさんのボイスにも配合。
如何に、霧雨役の寺島 拓篤さんの沈着冷静ボイスで、
進化した異形こそが人間にとって代わるべき存在と、
黒羽を“王”にと勧誘されても、
そんな人間らしい異形間のドロドロを示唆されたら、
“カノン”も人間として静かに暮らすのがいいんじゃない?って思ってしまいますw


【音楽 4.0点】
劇伴は池 頼広(よしひろ)氏の続投。
アクションが熱を帯びても、無闇にアップテンポな爆音高音で煽らず、
むしろペースを落ち着かせて、重低音、女声コーラスで
静かに場を温めていく、大人向けな構成は健在。

ED主題歌はACCAMER(アッカメル)の「Be Down」
作曲、編曲にギタリストや、エレクトロミュージックの実力者を集結させ、
多彩な音を重ねて、多数の要素が混在するシリーズの世界観に追随。
参加者にネット動画、SNSでの活躍も目立つ世代交代感もシナリオにマッチして野心的。


【感想】
ダークファンタジーとクライムサスペンスという水と油を
躊躇無くぶち込んだ1期に比べ、
本作は、良く言えば、要素が取捨選択され見易くなった、
悪く言えば、1期の多数の原液を胃にねじ込まれて脳内物質が噴き出る、
むせ返るような濃度は影を潜めた印象。

正直、こんな度数じゃ酔えません。
と言うのが私の率直な感想ですw

続編があれば、より高密度なシナリオを待望します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

大鴉

ProductionI.G制作。

キラーBによる猟奇的事件から数か月、
平穏な日常を送る黒羽・ユナのもとに、
死に別れたはずの男が訪れて来た。
平和と革命、相反する互いの思想が、
やがて必然の結末へと導かれていく。

良質なサスペンスでありながら、
大胆にもファンタジー要素を組み込み、
大いに楽しめた1期でしたが、
その良さは半減以下となっている。

人の理解を超えた事象・事件に、
知性で対抗しようとする王立警察はいない。
{netabare}主題を人と異形の共存、繁栄に絞り、
異形間での争いに終始するためだ。
偏屈ではあるが天才捜査官キースの不在が、{/netabare}
高評価に結び付かない原因なのでしょう。

{netabare}再生医療の独占は争いを生む、
豊かなものだけが命を享受する時代。{/netabare}
映像も声優の仕事も好印象なだけに、
色々とやりようがあったのではと思います。

お時間ある方はオリジナルをぜひ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
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