2024年度の記憶アニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の2024年度の記憶成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月12日の時点で一番の2024年度の記憶アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.5 1 2024年度の記憶アニメランキング1位
Garden of Remembrance(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★☆ 3.2 (12)
32人が棚に入れました
空のビール缶・ウィスキーグラスが床に置かれ、
部屋の端には画材やエレキギターが並ぶ、
少し散らかった「きみ」の部屋。
携帯のアラームが鳴って、
ぼんやりと起き上がり「きみ」1人の朝が始まる。
「ぼく」が好きだったアネモネの花、
それは「ぼく」との思い出を繋ぐ大切な花。
ある日部屋のクローゼットを開けると「ぼく」との思い出が「きみ」を包み込んでいき・・・
これは「きみ」と「ぼく」、
そして「おさななじみ」との”さよなら”を描く物語──。

Beer cans and a whisky glass are placed in an open space on the floor. Though a bit disorganized, ”Your” room is filled with art supplies and an electric guitar lining the perimeter of the room.
The alarm on a phone goes off, and “You” leisurely wake up to start your day.
The anemone flower that “I” liked. A precious flower that holds memories which tie “You” and “I” together. After opening your bedroom closet one day, “You” become engrossed in your memories of "Me." A story that represents “Me,” “You,” our “Childhood Friend,” and our goodbyes.

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

想像力が試される。

18分間の短い無声アニメで白紙のままに各々が感じたことが大事なアニメなのでネタバレはしません。

一見は、キャラ原案が水沢悦子(うさくん)で歌がラブリーサマーちゃんで、
アパートで一人暮らしのOLを主人公としたミュージックビデオ。

その実態はあの事件でかつての多くの仲間を失った山田尚子さんの心象風景を、
追悼の意味を込めてアニメのキャラを使って抽象的に表現したもの。

純粋に人を楽しませるアニメではなくて、アニメを通して自分を見てほしい作風。
これは近年の山田監督アニメに共通した特徴で、そこに浸って感情移入したひとたちが、
不特定多数の手を加えられて作られたアニメ云々よりも、
山田監督の人間性をアニメを通じて感じていたい集団として極まってしまったなと。
『山田監督はこんな事を考えてる、彼女の気持ちを考えろ。』と。

そこは、事件を意識させずにファンに楽しんでもらえるアニメづくりを、
一貫して心がけて作り続けている古巣である京都アニメーションとは対照的なような。

どちらが良いとは敢えて言いません。ですが、京都アニメーションで、
一番輝いてた頃の昔の山田尚子に戻れないのは自分は寂しいなと思いました。

敢えて一言言うならば、今の山田監督アニメにどっぷり浸かって感情移入したいかたには、
「平家物語」「きみの色」より先に観ることをおすすめします。

このアニメに何も感じられない人がもしいたら、自分の大切な人が亡くなってしまったら?
と想像すると少しは寄り添えることが可能かもしれませんね。


おわり。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

過去、未来、生活、他人を想ふ。

☺️✌️
ようやく来たな、山田尚子監督の新作。彼女の作品を初めて観たのは小学校4年生の時だったかな。あれも確かギターを担いだ女子高生が主人公をやっててさ、もう衝撃的だったよ。ディズニーChを付けたらギターを担いだ女子高生がふわふわ時間をしているんだもんな。キュートな一面はオフコースなんだけど、当時初めてアニメのキャラクターに惹かれてしまってな。夢中で観てたよ。ホーンテッドマンションと録画が被って観られなかった時は大泣きしたさ、傑作だろ?

さて、そろそろ本作の話をしようか。本当に山田監督は登場人物の生活や暮らし、感情の機微を描くのがうますぎるんだよな。マヂで。それをピンセットでちょーーー丁寧に摘んじゃってる感じがもうとんでもねぇっつーかさ、もうほんととんでもねぇ。今作も感情の物語っていうか、過去と未来の生活を通して人を想う気持ちを描いてるっていうか、そんな気がしたな。他人の生活や暮らしの瞬間が垣間見える時に、「あの人が好きだったなぁ」みたいなやつあんじゃん?わかんねぇけどよ、、それがこれからの自分にとって、かけがえのない瞬間になることとかあんジャン?なんかそんな感じよ。うまく説明できねぇ。

あとやっぱり音楽だよな。『リズと青い鳥』のHomecomingsや『平家物語』の羊文学でも感じたけど、今回のラブリーサマーちゃんも超最高なんだよ。山田監督の作品はアンダーグラウンドっつーか、オルタナティブロックっていうんかね、とにかく音楽の相性がピカイチだよな。登場人物の気持ちに寄り添う楽曲をどのアーティストさんも提供してくれるわけだ。

彼女の作品はオブジェクトもかなり大切にされてて、リズと青い鳥でも感じたけど、登場人物をいつも側で見守ってくれてる感じがするんだよな。それこそ今作の『花の記憶』っつーか。どんな形であれ、これまでの生活を反映してる"モノ"としての儚さっつーか、美しさっつーか、あったけぇ気持ちになっちまう。

出会いと別れ、日々の生活や暮らし、そして変化していく街、やっぱりこうゆうのが1番ドラマがあるっつーか、好きになっちまうんだよな。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 1

77.8 2 2024年度の記憶アニメランキング2位
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:(アニメ映画)

2024年8月9日
★★★★★ 4.3 (15)
78人が棚に入れました
テレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を再編集した2部作の後編。
バンド活動に憧れギターを始めるも、極度の人見知りで陰キャなため、高校ではいつも一人ぼっちで過ごしている“ぼっちちゃん”こと後藤ひとり。ある日、ひょんなことから、ロックバンド“結束バンド”でドラムを担当する伊地知虹夏に声をかけられたひとりは、バンドに加入。リードギターを担当することになったひとりは、ベースの山田リョウ、ギター&ボーカルの喜多郁代ら個性的なメンバーと共にバンド活動に励む。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

喜多ちゃん視点キターン✨️

【物語 4.0点】
前編『Re:』はTVアニメ8話分、後編は『Re:Re:』は残りの4話分。
続きを描いた追加シーンとかで尺を埋めるのかな?とも思っていましたが、目立った追加はOPアニメとその周辺や小ネタくらいで。
92分から77分に短尺化して4話分をじっくり見せる構成に。

前編は尺不足、後編は素材不足の懸念もあったわけですが、
前編は虹夏とぼっちちゃん、後編は喜多ちゃんとぼっちちゃんという軸を定めて再構成することで、
スッキリと見易い、伝えたいテーマやカップリングがより伝わってエモい、
有意義な総集編になったと思います。

特に喜多ちゃんから見たぼっちちゃんの視点を強調する編集は、
学園祭ライブの感動度アップに貢献。

ひとりぼっちだと思い込んでいた後藤ひとりを見てくれていた人は喜多ちゃん他たくさんいたことを再認識する。

かつてギター弾けると見栄を張っていた喜多ちゃんが、結束バンドのために一生懸命練習を積み重ねている。
その喜多ちゃんの成果は{netabare} トラブル時のアドリブ{/netabare} で発揮される。

これらの伏線がTVアニメの各話間の壁に遮られることなく、
スムーズにクライマックスへと繋がっていく心地よさ。

個人的にはTVアニメ版よりも納得度の高い学園祭ライブでした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・CloverWorks

前編に引き続きライブシーンは臨場感重視の編集。
モノローグを抜いて、ライブ会場の空気を強調することで、
映画館ならではの没入感をアップする。

TVアニメ版では回をまたいだり、OPタイトルで区切りも入った学園祭ライブも、
本総集編なら通して入り込むことができます。
後藤、起死回生の演奏も、{netabare} 体育館床への直撃ダイブもw{/netabare} シームレスに楽しめます。


クリーチャー後藤の七変化だけでなく、喜多ちゃんの陽キャオーラもスクリーン一杯に広がります。
が、喜多ちゃんの代名詞「キターン」は案外少なめだった印象。
ただ、その中でも{netabare} 喜多ちゃんのオムライスを美味しくする魔法{/netabare} は大迫力の陽キャ光線を身体一杯に浴びる多幸感溢れる不思議体験でした。


あとは改めて、夏の江の島って良いものですね。
夏公開にした意味はあったと思います。
夏の終わりに{netabare} セミのお墓を作ること{/netabare} などないようにw本作を観て素敵な夏の思い出を作りましょう。


【キャラ 4.0点】
夏の江の島から学園祭ライブまで通じて、
主人公・後藤ひとりがみんなと何かをやる楽しさに触れて変わっていく様を強調した総集編でもあったと思います。

そんなぼっちちゃんを陽向へ連れ出すのが陽キャ太陽・喜多ちゃん。
今回は友情を進展させるなら嘘でも良いのかというテーマについても考えさせられる編集でした。

冒頭、{netabare} リョウに近づくために、ギター弾けると言った嘘の処理に悩む喜多ちゃん。
中盤、ぼっちが学祭無理だわとゴミ箱に捨てた、文化祭参加申請の用紙。
喜多ちゃんは、ぼっちちゃんの凄さを他の人にも知ってもらいたいと、
間違って知らずに出しちゃったと嘘を付いて、ぼっちを学祭ライブにいわば強引に引きずり出す。
でも、最後は、喜多ちゃんも、ぼっちちゃんが学園祭出るのやめたの知っていて、敢えて参加用紙提出しましたと謝罪。
ぼっちはむしろ感謝してますとなだめる。{/netabare}

仲間内であっても、やっぱり心の引っ掛かりになる部分はちゃんと取っておいた方が良いなと再認識させられる構成でした。
その観点から、後藤にたかるベーシスト2人の借金返済&謝罪カットwはギャグシーンとしてだけではなく、物語の上でも意味のある場面だったのかなと思いました。


【声優 3.0点】
※後編もほぼ新規収録なしと思われるので基準点。

が、音響は総集編に当たって、セリフ、音素材を全て貼り直しているとのこと。
上記のライブシーンにて、モノローグを引いた所に、TVアニメでは未使用だった素材も入れて、より臨場感が増すように調整したり。
細かい仕事が、新鮮な気持ちで物語を再見できる原動力となっています。


【音楽 4.0点】
OP主題歌は結束バンド「ドッペルゲンガー」
位置付けとしては、{netabare} TVアニメ版ではカットされていた台風ライブの3曲目も兼ねる。{/netabare}
ファンとしては嬉しい演出。
映像使用ver.は、波乱が続いて、起伏が激しかった結束バンドのメンタルを反映するように、色々とはみ出してる感を醸すように微調整されているとのことで、
整った配信リリース版と聴き比べるのが楽しみです。

前編同様、ダイジェストとして流される場面では、結束バンドの楽曲群を挿入するファンサービス。
TVアニメ放送終了後も新曲を出していた同バンドですが、
今回はその中から「青い春と西の空」も起用されサマー映画ムード盛り上げに一役。

ED主題歌は{netabare} ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:」を後藤ひとり役・青山 吉能さん歌唱でカバーしてタイトル回収するオマージュ精神。
(『バイオハザードRE:』?とか何かループする?とか的外れなこと考えていた私が恥ずかしいですw完熟マンゴーのダンボール箱下さいw){/netabare}
最初はインスト曲?と思うくらいイントロもアウトロも長い楽曲。
出だしからサビを歌う曲が多いトレンドの中、
ジックリ温めるバンド曲も一周回って良いものです。


【余談】
幕前・マナー動画より。
{netabare} 映画館に雑草を持ち込むリョウ先輩は面白すぎて映画に集中できないので、
ライブハウスに追放で良いと思いますw{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

喜多ちゃん

原作未読 92分

劇場版総集編の後編でテレビ版の9話〜12話、みんなで江ノ島に遊びに行くの話と学園祭のお話を中心に描かれています。

入場特典は、原作者の描き下ろし冊子とミニ色紙(私はひとりちゃんと喜多ちゃんVer)でした。

虹夏ちゃんとリョウちゃんの小噺があり、本編が始まりました。

ひとりちゃんが主人公なので一番目立っていましたが、何方かと言えば喜多ちゃんメインのような感じでした。

劇場版しか観られないカットも多く、テレビ版4話をうまく纏めていましたね。

何と言っても学園祭の演奏を映画館で観れたのが良かったです。

最後の纏め方も良かったですね。 {netabare}ひとりちゃんの人生の歩みを巻戻ししたシーンは締め方としては良かったです。 {/netabare}

特にサプライズはなかったのですが、続きが観たくなりました。

音楽作品なのでOP、挿入歌、EDと盛り上がりましたね。

最後に、今回はいつも行く劇場と違う劇場に行ったのですが、本編前の色々作品の予告編などが長くて長くていつ本編が始まるのかと思って観ていましたw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
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