2024年度の覚醒おすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の覚醒成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月23日の時点で一番の2024年度の覚醒おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.1 1 2024年度の覚醒アニメランキング1位
俺だけレベルアップな件(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (216)
596人が棚に入れました
異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”が突如発生してから十数年、世界には”ハンター”と呼ばれる超人的な力に覚醒した人間たちが出現する。 ハンターはその力を使い、ゲート内のダンジョンを攻略し対価を得ることを生業としているが、強者揃いのハンター達の中で、「水篠 旬」は人類最弱兵器と呼ばれる低ランクハンターとして生活していた。 ある日、低ランクダンジョンに隠された高ランクの二重ダンジョンに遭遇し、瀕死の重傷を負った旬の目前に謎のクエストウィンドウが現れる。 死の間際、クエストを受けると決断した旬は、自分だけが「レベルアップ」するようになり—。


声優・キャラクター
水篠旬:坂泰斗
諸菱賢太:中村源太
向坂雫:上田麗奈
最上真:平川大輔
白川大虎:東地宏樹
後藤清臣:銀河万丈
犬飼晃:古川慎
水篠 葵:三川華月

トラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメ作った人達とコメ欄の奴等に一言言いたい、、、

大前提!私はこのマンガがめちゃくちゃ好きでアニメ化を何年も前からとても楽しみにしていたタイプの人間です。
◆アニメ製作者達へ
人気が出たマンガの中ではウインドウの中の文字が日本語なのだからそのまま日本語で行けよ、、、
カッコよさを求めて英語にしたのかもしれないが、マンガ見てない人からしたら、何が起こってるかの解説が足りなすぎて訳わからなくなるのが容易に想像できるだろうに、、、
こんなことやってると本来なら人気出るものも人気出にくくなるわ!!!
入社したての新人だけで作ったんじゃないかと思うレベルの判断ミス。

◆コメ欄で反日がどうのこうの書いてる人達へ
だからなんだよ、、、
反日の事を書いてあったとして、人気出てるからアニメ化してるんだしそんな無駄な事をわざわざ書いてら暇があるなら自分の好きな楽しいアニメでも見たら?
コメ欄見る人が知りたいのは、そんなくだらないことではないだろうに、、、

◆これから見ようと思ってる人、アニメだけ見た人へ!
マンガ見てからアニメ見た方が絶対楽しく見れると思います♪
マンガを最後まで見ないで辞めた人はアニメは見ても余計につまらなく描かれてるので暇だったら見てもいいかもってくらいです⭐︎
展開がわからないまま見たい!!!って人はウインドウに書かれてあることがもしわからなくても、補足のセリフが本当になんとかギリギリ入ってる事もあるので聞き逃さないように気をつけて見れば何とか楽しめるかもです、、♪

◆個人的総評
マンガはめちゃくちゃ良いのに、アニメ製作者達のレベルの低さによって第二期などはあるかどうか怪しい気もしますが、できる事なら完結まで制作される事を楽しみにしています。
アニメ独自の部分もあるのだから、今更無理矢理だけど早い段階で「ウインドウの表示を日本語変換する!」みたいな描写も出来なくはないのだし、サラッとそうして欲しい。←それこそかなり違和感なのは理解しているが、、、苦笑

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

正直者のくっしーだむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

A-1pictures制作への不信感(推敲後)

この作品に対する過程としては
①アニメになる前から絵柄が好きで知っていたが、A-1のせいで分からなかった
②アニメ化のタイトルで敬遠していた
③海外の反応が良いのはステマとアニメリアクション芸人のせい
⑤反日内容だと知った
⑤1話以降見ていなかったが8話を見る機会があった
⇒ここで再視聴開始
後の9・10・11話・12話で引き込まれた

良い面
:力関係が全ての世界
:ダンジョン内での出来事は当事者しか知りえないが故の、モンスターだけでなくハンター同士の闘争

微妙な点:A-1picturesが制作
どっかの下請け制作会社なんだろうけどまぁまぁいい出来栄えだったなと思い、アニメ見返していたら、A-1。ほとんどOPは飛ばして見てましたから。
確かに既視感があったけどもこれが今のA-1の実力

以下各総評

作画:
アニメが終わって、余韻でYoutubeで色々見ていたが、韓国のPVやAMVの出来の方が迫力はあるし、絵柄は好き。
気になる方がいるのであれば
・SOLO LEVELING MMV 「 AMV 」 Rise
・【PV】『Solo Leveling』 OST - Echo (feat. THE BOYZ)
この二つはアニメでは無いですが、アニメより迫力があります。

音楽:
サントラ最高にハマりました。サントラCDはたぶん買います。

反日:
自分も当初は最悪な印象だと思っていたが、よく考えてみれば、今の日本人にどれだけナショナリズムがあるのか。個々の利益を追求し、グローバル化等など、もう日本人という括りで攻撃をされたとしても、心が動じることなど無いのでは?
果たして周りの同族は自分を守る存在だろうか?
むしろそれぞれが防衛態勢で、いがみ合って仕事も責任の押し付け合い。
もう戦後の日本人気質など失われているのに、今更日本人と括られた所で心に響かない。それが虚構作品であるのならなおのこと。

現在の韓国の思想教育に染まっている層にはうけるだろうことは容易に予測できるし、そもそもなろうという題材がそう(一定の層狙い)なのだから。
それに、無能にしたくなるのはそれだけ脅威である存在だということの裏返しの心理かなと。同じように技術で輸出入を競う国であるわけだし。

声優:見返してみて
凄い充実してる。
一番は10話の登場人物アン課長。正直ここで作品に引き込まれたのかもしれない。発音はもとより息遣いから声の抑揚まですんごい。
次にソンさん
キム
ジンホ
脇役勢が凄くいい味出してる。
そして敵役のドンソクは素晴らしい。
主人公は幼い声と低い声でイケボで必死な叫び声が可能という難しい条件のようだし、良いのでは?
ただ細かいところまで気になる自分としては、意識しすぎな低域と匂い立つオレオレ感、そして戦闘中の掛け声はもっと真に迫って欲しい。
続編が出ると思うので、改善されることを願う。

総総評
外国市場の参入もあるだろうが、それ以上に、細分化した日本のアニメ関連企業によって、製作本数は増加するのに時間はかけられない。その為、自由度の低下によってアニメーターは育たないので当然、質が落ちていく連鎖。
コンプライアンスは悪化というか露呈や露見。日本人アニメーターの減少
...。
もう諦観してますが、もしかするとこれからの時代はアニメは衰退して企業参入の「AMVやMADの時代が本到来」するのかも知れませんね。
だとしても飽和するのでしょうが。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そんな叩かれる作品でもない。

世間で不必要に叩かれてる気がしたので、まだ1話しか見てませんが感想?を。

「フィクションと現実は区別しろ」って言葉はあまり好きじゃないけど、この作品こそその最たる例では?
ちょっと調べると敵国?噛ませ?が日本/日本人らしいけど、フィクションだからどうでもいいじゃんっていう...。
そんなん言ったら日本のコードギアスはどうなるんだよって話。
主にロボ系アニメとかだと度々そういう作品が日本でもあるわけで、別にいちいち切れるようなことでもない。

今の所SAOの1期を髣髴とさせるようなシリアスさと世界観の作り込みが好みなのでこの評価ですが、ここからなろうっぽくなったりすれば普通に評価は下げるとは思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

69.0 2 2024年度の覚醒アニメランキング2位
ダンダダン(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (58)
397人が棚に入れました
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕!

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1〜4話だけで良質な映画のような満足感

<2024/10/4 初投稿>
原作はジャンプ+
見始めなので評価はデフォルトの3.0です

まず絵柄が好み。
キャラデザは石黒正数や村田蓮爾っぽくて好きです。

ノリはモブサイコ100っぽいところもあって、1話見た限りではかなりおもしろそう。

OP曲はCreepy Nuts
声優さんは主人公二人が若山詩音さんと花江夏樹さん
周辺のキャラが水樹奈々、田中真弓、中井和哉とか豪華というか実力派揃えてます

アニメーションの質も高いし失速しなければかなり楽しめそう

期待したい作品です。。

<2024/10/27 追記>
四話まで見ました。

なんかねー
1〜4話までで良質な一本の映画並みの密度とクオリティで大満足!
原作派の人に聞いたら「原作は1〜4話までの面白さが最新刊まで続くよ」というありがたいネタバレ

アニメーションスタジオSARUとの相性も抜群の様子

毎週が楽しみっす♪♪♪

<2024/11/17追記>
7話まで見ました
哀しかった
ターボ婆あの時から少し感じてましたが、モブサイコ100のようなやるせなさ。
いやもっとかな。
少し前に、笑いの中にどん底のような哀しみを感じる作品があったような。
とつらつら考えてみて思い当たりました。

「ハコヅメ」

笑と哀しみの振り幅にぐるんぐるん振り回される感じ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

インフォメーション・ソサエティ

ジャンプラ人気作×サイエンスSARU
もはや原作超えでは?原作ファンも歓喜かと

オタクとギャル+変身ヒーロー+知略バトル+凸凹バディ+ジャパネスクホラー+謎解きサスペンスなど売れる要素全部入りだが。説明描写も工夫されてて散らかり感もなくスッキリとノレて全部わかる。そのうえちょいエロやサブカル小ネタも散りばめるサービス精神。緻密な設計。スゴい技術。

読者に甘えず全部説明するスタイルは言い換えれば自由な解釈を許さず読者を信じてないとも言えるが、今は「全部わかる」ことがなによりも大事。余白は怠慢と言われる時代に穴を徹底的を塗りつぶす令和にフィットさせた最新型。


OP・ブリンバンバンでダンダダン、クリーピーナッツ笑笑笑
ED・ずとまよもなんかわからんレベルで人気、リズム感はいいと思う

03
もう修行!設定を整理しながら次の展開のお膳立て

モモの動機もヒンメルシステムでOK。フリーレンやダンジョン飯みたいに「これはこう、だからこう」と、ほとんどの時間は誰かが誰かに何かを説明してる場面を畳み掛ける進行だが、置いてきぼりを喰らうほどの複雑さはないってのが最近のヒットの秘訣か。今は小説どころか漫画も読めない子供たちもいるらしいが、普通の漫画読みならこの程度はわかるであろう情報密度に抑えた調整。編集者は実にいい仕事してる。

一時が万事でこれはこうそれはこうと真っ直ぐに繋けていくので、ツッコミどころを探すような邪念が湧く暇がないしその隙を与えない。考えながら自在に読める漫画と違って、なかなかの情報量にも関わらず脳死でも理解可能なペースの密度感。アニメが上手い。ここまで観てて唯一の不可解な謎はモモの超人的な身体能力や耐久性だが、多分アレはアニメの演出を盛りすぎただけなのかも。今回はババアの胸を揺らしすぎ。

基本的にはクドいくらいに説明で埋め尽くすスタイルなのだが、足で線を消して結界を拡張するとか実は占い当たってたとか、ああいう軽い説明演出をさりげなく混ぜてきて緩急をつけてるのがマジで上手い。アレらがないとただ説明セリフがクドいだけの作品になってしまうが、基本がクドいからこそあのスッキリとした描写を差し込むだけでカタルシスが生まれるという優れた技法はもはや発明。洗練された最新技術を駆使した新世代コミック。こんなに親切な作品に触れてる若い子は古典漫画なんてダルくて読めないよねえ。

わかるために漫画やアニメを見る人にとってはかなり優れた作品だと思う。隅から隅までしゃぶり尽くせるおトクなコスパ感で損しない。誰1人として取りこぼさないという信念を感じさせる。ユニークな天才性やら奇抜な新規性やら尖った作家性なんかなくとも、緻密な設計思想を実現する卓越した技術はそれだけでも個性に成り得る、といったアレをなんと漫画で体現するとは実に恐れ入る。類稀なる才能。

マジでスゴい技術。漫画もアニメも実に巧い。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

めちゃくちゃクオリティ高いですね。

ジャンプ+の人気作ですね。
でも、あまり見ていませんでした。なのでほぼ情報なしからです。

しかし…
めちゃくちゃクオリティ高いですね!

いや作画が素晴らしい。
演出等、動きも申し分無くレベルが高く、アニメとしてのクオリティが高いですね。
こういうグリグリ動く絵はクオリティが高いと問答無用に思わせてくれます。

そして内容も熱く面白い。
ちょっとエロ? と言って良いのか微妙ですが、そういう所も面白いですかね。
ババアに玉とられちゃってんのねw

ヒロイン、主人公共に癖が強すぎですが、そこは個性として認められるかと。
キャラクターが面白いです。

というわけで非常にクオリティが高い一本ですね。
これは視聴決定。先が楽しみです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

70.6 3 2024年度の覚醒アニメランキング3位
魔法少女にあこがれて(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (201)
592人が棚に入れました
わたし、柊うてなは魔法少女が大好きなごく普通の女の子☆ある日、変身する力を与えてくれそうなマスコット的なやつに出会って不思議な魔法をかけられちゃった! これでわたしも魔法少女に――と思ったらえ? なにこの格好?悪の組織の女幹部ってどういうこと!?これからわたしどうなっちゃうの~~~!!?魔法少女ファンの心優しい内気な少女がサディスティックに大変身!!?正義と悪の激しい SM プレイ(!?)スタートです!!

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やはり魔法少女は素晴らしい…byマジヤベーゼ。久々に「謎の光」が輝くとき。

 主役の名前がうてなで、ネイチャこと前田さんが出ている時点で期待作。もこっちっぽい陰キャデザインをここまで良くしたのは素晴らしい。


 アリス登場くらいから作画もテンションも下がっちゃったけど、7話終盤から持ち直しましたね。声優さんもノリノリで、イジり辛い感じに下手とか、アリスちゃんとキウイちゃんの仲良しぶりも良い。こっからの展開が楽しみでワクワクしてきた。


「ラブリーロコ」が聞けただけでこの作品見た甲斐がありました。「イジり辛い感じに絶妙に下手くそだなお前…」byキウイちゃん。それにしても、ウテナ役の和泉さん新人ぽいが才能あるなぁ〜。こんな汚れで才能開花させちゃうと、一発で終わっちゃうか、大輪の花を咲かせるか2つに一つやでぇ。


 全体的に作画が平均的に良しとされがちな退屈な優等生感ある昨今のアニメ業界で、本作は平均より重要なポイントで作画開放するというどちらかというと昔ながらな姿勢で臨んでいて好感がもてる。なにより魔法少女の敵という道に矜持を見せるマジヤベーゼという主役が一本筋が通っているからやる気のない単なるネタエロに堕していない。


 薄っぺらい弱肉強食論を説いてるロードに対して、マジつまんねぇーこの人なに言っての?というマジヤベーゼの姿勢には、昨今現実にも跋扈しているイキリ逆張り小賢しい勢に対する良いカウンターで心地よい。ロード、実は正体は本当にイキってる小学生とかでも良かったなぁ。久々に2期が欲しくてオラわくわくしてきたぞ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

オリジナルのないエロ2次創作が生み出したオリジナリティ。

 最終回が一番面白かったのが意外でした。ツボに入って声を出して笑い転げました。
(追記 12話で終わりと勘違いしていました。13話がありました。この作品に水着回が意味があるのかわかりませんが、マジアアズールの覚醒が明言されていました。やはり、マジアアズールが真の主役でした。伏線はずっとありましたから、一応これで伏線回収ということで)

 この手の作品は出落ちが多いので本作もそうかなと思っていたら、どんどん面白くなってゆきました。原作未読なので、アニメの制作の力なのか原作の出来の良さなのかはわかりませんが、エロと面白さの相性の良さを最大に引き出した秀作と言えるでしょう。

 それと本作をメタ的に俯瞰した場合、本作はちゃんと構造上「魔法少女もの」の物語になっているのが素晴らしかった。魔法少女に憧れている少女が闇墜ちして、悪役に回る。悪に取り込まれそうになるけど、悪のやり方が気に入らず、3つ巴の対立構造になる。そして、真の悪役である異質な悪意(ヴェナリータ)が次の展開をにおわせる。

 これをシリアスにやろうと思えばそのままダークヒロインものにもなりそうだし、原点ともいえる女児向け魔法もの(プリキュア等)にもなりそうです。つまり本作はプロットがしっかりあります。

 キャラのコンプレックスを使えばテーマの深堀りもできます。悪と正義の仲良しごっこは魔法少女モノそのままです。本作はそれをエロに持って行ったということですね。

 出来がいいので、テーマ的なものを牽強付会できなくはないです。が、それは視点を間違ってしまう気がします。
 本作の優れているところは「魔法少女」というカテゴリーのエッセンスを抽出して、そこにエロのガワをかぶせることによって作品を仕上げているということです。
 オリジナルのない「魔法少女もの」という概念に対する2次創作が、結果的にどんな作品よりもオリジナリティを産み出したという評価が正しいかもしれません。要するに本質を見抜く目を持った人が作り出した作品と言えるでしょう。

 最後のエピソードが特撮怪獣ものの視点でも描けるよ、というのを見せてくれたのもいいですよね。シンウルトラマンでみんなが思った事をそのままやっている感じです。
 いろんなカテゴリーのエッセンスを抽出して、是非、特撮もの、戦隊もの…と続けて欲しいものです。


 作画の評価4が高すぎるのは分かりますが…しかし、ここまで攻めた作品をやり遂げたスタッフへの敬意も込めて。

 



1話 化けたらすごい作品になるかも。推し活の深層にあるリビドーを描いている?

{netabare}  可能性を感じる作品です。明らかにまどマギのオマージュですが、力と引き換えの自らの選択を試されているわけでなく、強制的に魔法少女…のアンチとされてしまうところが秀逸です。

 少女の憧れだった魔法少女をまどマギで少女の欲望・ダークサイドとして描きました。その後「魔法少女特殊戦あすか」「間違った子を魔法少女にしてしまった」等過激さは増して行きますが、いずれも魔法少女側です。この作品はその点で視点が非常にいいです。

 そして、その逆転構造にエロス・リビドー・性癖を入れてきています。これはメタ的な視点で 2次元の魔法少女を愛でるマインドとは?理屈をつけてもエロだろう?という意図が見えます。少女の性の切り売りというのはまどマギのテーマの一つでもあると思いますが、あまりそこは注目されませんでした。

 また丁度今やっている「SHY」のヒロインのメンタルに非常に近いので、正義・悪というよりも、コンプレックスと2面性、承認と立場のような構造になるのかな?という気もします。

 ウテナという名前にも何か意図があるのか?柊の意味は?マギアレコードの方には出てくる苗字みたいですが見てないのでわかりません。花言葉というより棘があるのと冬の字が入るのが重要なのでしょう。

 とにかく1話面白かったです。これは期待枠…と言いながらも、アニメは結構安っぽいので、ほどほどの期待にしておきます。今のところ可能性ですが、化けたら面白そうだなあ、とは思います。出落ち、パターン化ではないことを祈ります。そして、謎の光いる? {/netabare}


2話 放送事故並みの止め絵も、やっぱり面白い。演出力でしょうか。

{netabare}  地上波でもやってるんですよね?今回は随分攻めてましたけど大丈夫か?と思ったら、ATXの他はサンテレビ、KBS、BS11ですか。一応選んでるんですねえ…

 巫女に面…そして○○○○とはマニアックな…古き良き日本の緊縛ですね。

 で、なかなか面白い展開でした。一方的な蹂躙だと飽きるかなと思っていたら、まさかでしたね。ヒロイン?のコンプレックスをエピソードでもっと描いてくれると奥行が増すのですが、まあ、過剰な期待はしませんが、おバカな作品に見えて、妙な何かに引っかかりがありますので、展開に期待します。テーマ的なものが見えてくるのでしょうか?

 それにしても面白さは作画じゃないということでしょうか?ファミレスのアップシーンとか放送事故か?と思うレベルでしいた。5,6秒は動かなかったと思います。一番力が入っていたのがSM雑誌だった気もします。それでも面白いのは演出力なんでしょうか?

 で、1話のあこがれverも見ましたが、謎の光があった方が見やすいかも。どうせこのレベルの作画ですからね。想像を掻き立てられる分で変な効果が出ていると思います。{/netabare}

3話 アニメは予算じゃない。センスと工夫だ。

{netabare} 面白い作品は予算じゃなくてセンスなんだろうなあ…と。本当に面白いです。ストーリーやキャラが秀逸なのはもちろんですしプレイのシーンが秀逸なのはもちろんです。謎の光があっても…というかあったほうが面白いのはすごいですね。
 それだけではなくて、金髪の娘の髪のハイライトが白抜きではなくピンクになっていたり、EDの歌詞がしっとりとSの目覚めについて歌ってたりで、アニメ作りに関していろんなところの工夫がいいですね。

 あるいは原作×制作会社の奇跡のマリアージュかもしれません。

 というか、これが予算があっていい作画だとつまらなくなる気がします。作画のB級感が脱力系の面白さにつながっています。その点では「おにまい」と似て非なる面白さですね。

 3話はちょっと電気ショックプレイだと物足りないかな…と思ってたらアズール…最高です。「うてな×アズール」がいい感じなのが伏線なんでしょうか。

 レオパルトが承認欲求キャラでうてなとの対比で、結構キャラがちゃんとあるんですよね。これが物語の面白さを引き出しています。ところでレオパルトはベットの上で何をしてたんでしょう?自家発電ではなく、エロ系の写真アップでいいねを貰おうとしていた…と見えたんですけど、スマホとかが描かれていなかったので確信がもてませんでした。 {/netabare}


8話 笑いの感情とサディズムは相性がいい。境界線上だから面白い。

{netabare} いわゆる一般と成人の線引きって、考えてみればかなり恣意的ですよね。性癖の多様性を考えれば、単にどこまで見せているのかで考えるのはかなり乱暴です。その線引きに挑戦しているのが本作かなあという気がします。

 変な言い方出すが、大人が見ればこの作品はギャグです。決してアダルトには見えません。魔法少女もののパロディとしてギャグ要素をエロにする、というだけの話です。薄い本の様なニーズでは決してないと思います。

 こういう面白さを表面上の裸体表現の有無で安易に判断することで、どこかでクオリティを犠牲にしているのではないのか?という気がしなくはないです。「お兄ちゃんはおしまい」でも、ある意味本作のベクトルのチャレンジはありましたが、そのコンセプトは本作においてもっと先鋭的です。

「笑い」はサディスティックな感情と相性がいいのは漫才・コントで良く知られています。みっともない、醜い、痛い、そして裸…蔑む心が笑いを誘います。

 なんとなく本作を見ていると「笑いの構造」「エロとギャグ」「ジャンル・規制とは何ぞや?」などと考えてしまいます。見ているときはもちろん普通に楽しんでますけどね。
 要するに本作の「ジャンル」は境界線上ぎりぎりだと思いますが、その境界線が生み出す面白さだなあ、と思います。そこに人間の感情が一番動くポイントがあるのかもしれません。

 それとマジアアズールだけ、妙に内面の深掘りが丁寧ですよね。このキャラがいることで深みがあるように感じているのは錯覚でしょうか?7話最高でした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20
ネタバレ

大さじコショウ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

意外と見ている人は多いんじゃないかな?

夜中とはいえ、
SNSでタグがトレンドとなってるぐらい地味に視聴者がいるアニメ

間違いなく視聴者をふるいにかける絵ッッッ! 
間違いなく視聴者をふるいにかける内容ッッッ!
令和に露骨なスケベなアニメなんて視聴者ふるいにかけすぎだろってアニメですが……

ふるいにかけられ、残った大きな視聴者さんは割と気に入ってるのではと思います
残った視聴者をしっかり掴んでくれてる感。



1つ目の魅力はやっぱり、キャラの魅力です
癖が強いキャラばかりで、当然賛否はありますが
当たり障りのないキャラ達より、癖があっても味があるガムの方が私個人的に良い
{netabare}
マジアベーゼの困り方、その困ってるようで相反してのおもっきり楽しむサディスト
レオパルトの刺さる喋りと衣装。ベーゼちゃんに対するデレとたまにあるツッコミ
ネロアリスの無表情と思えば意外に意思疎通している愛らしさ

推しは決めたい所ですが、みんな個性があって全体的に好きです
{/netabare}
キャラ同士の掛け合いや反応が楽しいです


2つ目は、えっちなんだけど妙に見れる
アダルティな表現なんですが、コメディ感があったりと
ねちっこさみたいなのは、意外と感じない
コンスタントに進んでいくので、見やすさもある


3つ目は声優さん頑張ってる
色々露骨表現なので、準じた表現です
8話のシーンは普通に声優凄いなーと思えるシーンがありました




色々と本作は露骨表現とありますが
こういうアニメだと最初から敷居を高く見ないために、楽しんで見れます。
こういうものなんだと思えば結構楽しめるし、下品といえばそれで終わる。
見方次第です

youtubeの次回予告も遊び心があったり、
EDのキャラが話数によって増えていたりと、熱い展開や制作愛を感じる
今後も楽しみにしています

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

72.4 4 2024年度の覚醒アニメランキング4位
逃げ上手の若君(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (179)
575人が棚に入れました
時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。 全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。 逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。 英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

イケメンの足利尊氏がCloverWorksでアニメ化!!!(※但しサイコパスなラスボス役w)

長年、北条氏が執権を牛耳ってきた鎌倉幕府。
その鎌倉幕府を裏切り滅亡に追いやった足利尊氏。
彼への復讐心を抱き、後に {netabare} 中先代の乱{/netabare} を引き起こす 北条時行が“逃げる”ことで志を果たそうとする。
松井 優征氏による週刊少年ジャンプ連載コミック(3巻まで購読中)の連続アニメ化作品。


【物語 4.0点】
私は時代劇観る際も相当に捻くれておりまして。
武士道を称えるシナリオよりも、
武士道を懐疑する、何なら滑稽だと笑い飛ばすお話の方を私は評価してしまいます。

この観点から、本作の逃げて勝つというコンセプトは変化球でしたが。
武士として栄誉ある死を選ぶより、生き長らえることを第一に考える。
“逃若党”の在り方は、私にとっては全然アリ。

来る宿敵・足利尊氏との決戦に向けて、
時行たちが、クセ強なモンスターと化した異様な鎌倉武士と対峙して、
急ピッチで成長して、これまた異様な逃げ上手モンスターへと覚醒していく展開は、
史実寄りの大河ドラマを観てきた私には、灰汁が強くて、やっぱり馴染みませんがw

第10話で、南北朝~室町時代初頭を、人と不思議が共存していた最後の時代、
祈りによる奇跡は公文書にも記された現実的な公共事業と位置付け。
諏訪頼重に時行の将来を予言する異能を持たせて、
予言を軸に時行育成プランを進行したり。

和風ファンタジー要素については、現代の常識からは思いも寄らない歴史を生み出す設定・世界観として、
私はむしろワクワクして、今後の超展開を楽しみにしています。
人が見えない領域にこそ神は宿る。
増え過ぎた人が現実しか見なくなったら、不可思議は無くなるという解釈、私は結構好きです。

懸念点は、1期では2年足らずの経過に留まった、歴史イベントの消化の遅さ。
2期制作も決定しましたが、時行の生涯を描き切るとなると、
一体何クール必要なのか気が遠くなりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CloverWorks

子供向けのギャグで盛り上がっていたかと思いきや、
部位欠損など凄惨な戦の描写が、血飛沫と共にぶち撒けられる、
極端なバランスが目立つ原作。

グロ表現どこまで踏み込むかが個人的に焦点でしたが、
同スタジオは容赦なく描き込んでくれました。

そんな中でも時行の逃げて勝つ描写には一際、魂がこもっていました。
正直、逃げ回るばかりの展開で、面白いバトル映像が出来るのかと、
私は訝しんでいましたが杞憂でした。
追っても追っても捉えられない若君に追い詰められる鎌倉武士の恐怖。
狂気のラスボス足利尊氏とも渡り合える、逃げ一手のポテンシャル(サイコパス)も存分に伝わって来ました。

尚、逃げ勝つことに興奮を覚える時行少年の紅潮した表情などを見て、
海外視聴者の中にはショタ属性に目覚める方もいた模様w
実は、男色等のエロ方面でも、性的コンテンツ認定寸前の、
スレスレのラインを狙っていたと戦慄しますw


個人的には、ちょっと古風な幅広の明朝体で打ち出されたタイトルロゴ、テロップも、
往年の足利尊氏主役の大河ドラマ『太平記』の映像も想起させられ、懐かしかったです。
と言うより、テロップを僅かに揺らす辺り、当時の字幕スーパーの性能限界の再現とか絶対に狙っているでしょうw

鎌倉幕府を裏切る覚悟を決めた尊氏なんかも、NHK大河ドラマ『太平記』で尊氏役を務めた真田 広之さんの姿に寄せて来たりと、
結構オマージュ要素があって嬉しかったです。
もっとも、本作では尊氏謀反の直後、{netabare} 幕府方が細切れにされる{/netabare} ので、性格の違いを思い知らされますがw


【キャラ 4.0点】
ついに現代アニメで躍動したサイコパスなラスボス・足利尊氏。
1期から暗殺にきた{netabare} 護良親王{/netabare} の手下共を、南斗水鳥拳でも体得しているのでは?
って位のチート能力を見せ付け蹂躙するなど絶好調w
人間照準器だの、探知機だの、“征蟻党”だの、イカれた輩しかいない武士の頂に立つのは尊氏しかいませんw

視聴者の中には、尊氏の能力を見て、んなアホなwとドン引きした方もいるとは思いますが。
足利尊氏のピンチ脱出能力と人心掌握術については、合理的な説明に研究者も難儀。
もういっそ漫画的な異能を持ってましたと開き直って楽になりたいと、
私もこれまで歴史関連本読みながら何度も思っていたので、
本作の尊氏像は、ラスボスにするならこんなもんだよなと妙に納得していますw

戦後、反動で足利尊氏を英雄視する中で、割りを食って来たのが弟の足利直義であり、重臣の高師直であり。
後の室町幕府についても、将軍・尊氏は権威だけのお飾りで、実務を担当した直義が実質的な采配を振るっていたという政権像が定説となる中。
歴史関連本でも、大河ドラマでも、例えば(※核心的ネタバレ){netabare} 鎌倉獄中の護良親王暗殺{/netabare} など汚れ仕事は当然、直義が自分で決断してやった悪事だよねという流れが出来ていまして。

これは直義もちょっと不憫だなと私は思っていたので、
本シリーズでは、実直そうな直義に代わって、
戦前、戦中以来、久々に悪の尊氏自らが手を汚しまくる展開を期待したいです。


時行の郎党となる架空の“逃若党”の少年少女キャラたち。
私がジョーカーとして面白いなと思ったのが忍び担当の風間玄蕃(げんば)の、
誰にでも化けられる変装能力。

とかく時行の行く末については、(※核心的ネタバレ){netabare} どうせ史実では負けると悲観する声を耳にしますが、
玄蕃の特技があれば、最悪、史実で処刑された時行は影武者でしたというウルトラCも可能。

個人的には、史実に反して生き残った時行が、足利直冬や直義と組んで、
或いはウルトラEで時行が同年代の直冬に成り代わって、
観応の擾乱で足利尊氏を発狂させる超展開とかも期待したいです。

ただ、そこまで描いたら南北朝時代の主要イベをほぼ制覇する超大作となり、
コミック50巻突破しちゃいそうですがw{/netabare}


【声優 4.5点】
主演・北条時行役の結川 あさきさん。
先だって初主演となった、同じCloverWorks制作のアニメ映画版『トラペジウム』でアイドルの狂気を怪演し、片鱗を示した結川さん。
本作でも純朴な逃げの中に秘められた狂気を好演。
この濁声のホープは、今後も同スタジオ制作アニメの切り札として多用されるのかもしれません。

そんな結川さんと競演(狂宴)したのが風間玄蕃役の悠木 碧さん。
新旧濁声の使い手によるマッチアップで、私の耳は幸せでした。
ただ、宴の席での乱心演技は流石にやり過ぎだとは思いましたw

吹雪役の戸谷 菊之助さんも奥行きを感じる落ち着いた演技で、
TVアニメ版『チェンソーマン』主役抜擢のサプライズ以来、順調な成長を見せてくれました。
結川さんといい、戸谷さんといい、いきなり主演を射止める新人声優さんには相応の才能があるんだなと。

吹雪に関しては、私はネタバレを喰らってまして。
今後、中々のウルトラCを決める難しい役になると思われますが、
この声優さんならこなすと期待しています。


情報公開がもったいぶられていたラスボス足利尊氏役には小西 克幸さんが就任。
私にとって長らく尊氏と言えば真田 広之さんでしたが、
今後は柔和の中のサイコパスを好表現する小西ボイスにアップデートして行こうかなと思っていますw


【音楽 4.0点】
OP主題歌はDISH//「プランA」
和風なアレンジこそ施されてはいますが、内容はちょっとハメ外し過ぎなダンス・ロック。

ED主題歌はぼっちぼろまる「鎌倉STYLE」
こちらに至っては、もはやHIPHOPスタイル。
EDアニメも現代にワープしてますし。

最初、流石に奇をてらい過ぎでしょ?と引いていた私ですが、
今ではスッカリ馴染んで、お気に入りに。慣れって恐ろしいです。

ぼっちぼろまるは、この夏、『マケイン』OPでも存在感を放っていましたね。
同クールで、魂がこもったアニメ化作品主題歌を2つも射止めるとは、引きが強いな~と感心します。


劇伴担当はGEMBI、立山 秋航氏。
GEMBIは和楽器も含めた世界各国の民族音楽、クラシック等からミュージシャンが集結したグローバルなバンド。
必然、本作BGMもジャンルを横断するフリーダムな、エンタメ重視の構成に。

近年、電子サウンドもアレンジしたアニメ版『平家物語』や、
田楽ロックンロールなアニメ映画『犬王』などを喰らい、
今年の大河ドラマでは、政治劇を煽るパイプオルガンも浴びたりしている私にとっては、
和風じゃない時代劇サウンドくらいヘッチャラなのですが。

そろそろ和楽器を全面に押し出した王道時代劇サウンドも恋しくなる頃なので、
カウンターで和風全開なサントラ仕掛けて来る作品も待ってます。



以下、放送前、尊氏アニメ化への期待に居ても立っても居られず書き連ねた勇み足長文。
長くなるので折りたたみw

{netabare}
私がハンドルネームに入れる程度には溺愛している武将・足利尊氏。
どこがそんなに好きなのか?ひと言で表すと意味不明な所に人間味を見出しているからでありましてw

鎌倉幕府から後醍醐帝、北朝、自ら開いた室町幕府などと、
勝馬に乗って、人生楽勝ムードであるはずなのに、
何故かいつも優柔不断としか思えない無為無策で窮地に陥り、
出家して全てを弟たちに丸投げしてみたりと、
周囲と天下を混沌に巻き込む。
それでいて、最後、窮地から反転攻勢に打って出る際は、多くの者や時代の流れを味方にしつつ切り抜けてしまう。

およそ行動原理に一貫性、合理性が見い出せない尊氏の言動は、
数多の研究者、作家を難儀させてきました。
挙げ句、足利家って躁鬱の家系なんじゃね?と大真面目に研究者から匙を投げかけられる始末w

最近も尊氏を題材にした時代小説『極楽征夷大将軍』が帯にて、
“やる気なし、使命感なし、執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?”
と銘打ち直木賞を奪取したりと、どいつもこいつも尊氏のことを好き勝手言ってくれやがるのでありますw
(余談ですが、この小説面白かったです。これで南北朝時代二度目の大河ドラマ作って欲しいくらいです。
但し、その場合、主人公は尊氏ではなく、彼に振り回される弟・直義と重臣・高師直が主役の青春群像劇になるでしょうが)


尊氏という難題をどう解釈するのか?
本作の尊氏は一見すると柔和な風貌をまといながらも、
望まぬカリスマ性を持ってしまって、
僕を誰か止めてくれといった感じで狂気を覗かせる、
ナルシスト方面にサイコパスなラスボス役に造形。

戦前・戦中、国家ぐるみのネガキャンの憂き目に遭ってきた反動か、
戦後は一転、英雄としての一面が再評価され、大河ドラマ主役にもなった尊氏。
そろそろ一周回って、こういう悪役を担っても良い頃合いかと。

尊氏の意味不明な言動は、公武二重支配体制の綻びや、
相続地枯渇により全国で多発したお家騒動に南北朝の御旗を利用されたが故の混迷を、足利家が象徴してしまったが故などと説明されたりしますが。

本原作の切り口で可能性を感じるのが主人公少年・北条時行の“逃げ上手”がもたらす焦燥。
鬼ごっこは絶対強者の鬼が断然有利。
が、追っても追っても捕まらないとなると、鬼も平常の采配だけでは手に負えなくなってくる。
乱心した鬼の尊氏が何をしでかしてくれるのか?

本作は史実に忠実な歴史再現ドラマというよりも、
多くのジャンプ漫画同様、時行と周りに集まる仲間の架空の少年少女たちが、
友情・努力・勝利の原則を踏まえつつ、ジャイアントキリングを果たしていく、
王道バトルコミックのシナリオパターンを踏襲。

特技を強調されたモンスターみたいにデフォルメされた敵武将役のキャラ造形が、
大河ドラマ等に馴染んだ私の脳には合わず。
これが私が3巻で原作購読止まっている一因となっていますが。
そこは素材を間口を広げる方向に料理するのが上手いCloverWorksの手腕に期待したい所。


尚、北条時行関連の歴史で一番生き様がイケメンなのは間違いなく北畠顕家だと私は期待していまして。
ですが、アニメでそこまでたどり着くには、
激戦区の今年の夏アニメで本作が頭角を表し、先々のスケジュールがパンパンと思われるCloverWorksに2期以降を作ると決意させるだけの反響を得る“ジャイアントキリング”が必須。

厳しい戦いになるとは思いますが、この尊氏もお供致します。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ペンデュラム

エンディングが良い。
KA・MA・KU・RA への LOVE が溢れ出す。
歴史は川の流れ、水は人の思いである。
それは分岐し、時に地下水脈へと姿を変えることもあろう。
折々に顔を出す登場人物たち。
偉人、英雄、逆賊、その呼び名に大した意味はなく、ペンデュラムの如く揺れ動くものであり、時の権力者、あるいは時代におもねる空気のようなものに左右されてきたわけだ。
鎌倉(K)から令和(R)まで。
変わらぬ愛を貫く若君と観察俯瞰、ダウジングする水先案内人の旅路は続く。
                (2024/08/03)
悪人、盗人、変態にも三分の理である。
ただし、その本性には一分のブレなし。
痛快さ、潔さ、ノリの良さが光り輝く。
最高の、そして期待値MAXな俺戦エンドを観測せよ!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

Dead or Alive

打率100%の男、松井優征氏の歴史モノ少年漫画。
きっちり昨今のジャンプアニメクオリティ。

01
高品質かつ原作へのリスペクトが溢れ出る楽しい画面。

バズ狙いのビックリを是としない誠実な作風で原則的には王道を貫く。それでも無難でも凡庸でもない作家性で過去2作もいずれもアニメ化、原作の評価もすこぶる高い。しかしいかにもマンガ的な設定の過去作に比較するとトリッキーさもなく剣と魔法のファンタジーでもない本作は地味な印象は否めない。歴史を題材にしているも架空戦記なのでお勉強になる蘊蓄情報番組でもなく、平家物語のような気取った感じもなければブリーチのような厨二感もなく、もちろん刀剣乱舞のようなイケメンカタログでもない。でもちゃんと面白いの凄い。

日本国民なら100%知ってる足利尊氏をイケメンヴィランのラスボスに据えてキャッチーさを出し、およそ歴史好きでもなければ知名度皆無の時行を単能特技のチートなし主人公とすることで掘り下げる謎の深度も担保。ジャンプに欠かせない解説進行役は当然として令和エンタメには欠かせないロリキャラ美少女もしっかりと完備。漫画の上手さはいわずもながなでとっつきやすさも忘れない隙のなさ。マジ完璧。もちろんこれは美少女アニメではないのでキャラの魅力ガーですが、そのかわり意外とグロかったりはします。主人公以外全滅の大虐殺ですので。

時代劇なのでビビッドで刺激的な色彩でもなくビームや魔法もないので派手さもないが、とにかく芝居が細かいので、飛び道具的なインパクトが無くともスタッフの熱量がしっかり伝わってくる画面。ツッコミ時の作者の画風も再現してるところもリスペクトを感じて嬉しくなる。それでいてギャグシーンの間延び感もなくとても見やすい。

健全な王道少年漫画が好きならあまり日本史に興味が無くとも楽しめる作品だと思う。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

65.7 5 2024年度の覚醒アニメランキング5位
新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (102)
300人が棚に入れました
“別にいいじゃねぇか……。何歳から新しいこと始めたって!” 最強にして新人のオッサン、冒険者を目指す! 「夢を追うならできるだけ若いうちがいい」 人は皆、そう考える。だが、どうしても諦められない。そんな大人も、どこかにいる――。 10代で冒険者になるのが当たり前の世界で、30歳を過ぎてギルド事務員から冒険者を目指したリック・グラディアートル。 大陸最強の冒険者が集う伝説のパーティ「オリハルコン・フィスト」のメンバーによる想像を絶する訓練の日々を過ごしてきた彼は、新米Fランクながらも最高位であるSランク並みの戦闘力を有していた!? 叶えたい夢を追い続けるアラサー主人公が、なめてかかってくるエリート冒険者を、本人が気付かないうちに鍛え上げられた戦闘力で次々にねじ伏せていく痛快アクションコメディ!

TORL さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

11話から今クール最高の出来

「漢としてどう生きていくのか」「人生をどう生きていくのか」—この問いかけが、心の奥に響く。冒険者としての自由、剣闘士としての誇り。あらゆる視点から語られる物語の深さに深く感動。

11話からの展開は、まさに圧巻。登場人物たちの成長と葛藤が、手に汗握る展開を生む。仲間との絆、背負った運命。彼らの一瞬一瞬に、心が揺れる。涙を流す瞬間もあった。

この作品は、自分自身の生き方を問い直させる。勇気を持って自分の道を選ぶ姿勢、まさに漢の生き様。最高の出来。心からこの物語に出会えたこと、感謝。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1
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