裏社会で頭脳戦なTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の裏社会で頭脳戦な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の裏社会で頭脳戦なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.0 1 裏社会で頭脳戦なアニメランキング1位
逆境無頼カイジ 破戒録篇(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (946)
4701人が棚に入れました
伊藤開司=カイジは、帝愛グループとのスターライトホテルにおける争いに敗れ、借金はついに約1,000万円に膨らんで、逃亡生活を送っていた。そこでカイジは、金融会社社長でヤクザの遠藤に接近し、新たなギャンブルを紹介してもらおうとする。しかしそれは実現せず、結局地下の奥深くにある帝愛グループの強制労働施設へ送り込まれてしまう。なんとか地上に戻ったカイジは、元ゼネコン現場監督の坂崎孝太郎と知り合い、その紹介を受けて帝愛が経営する高レートの裏カジノへ案内されるが、そこでカイジは1玉4,000円のパチンコ「沼」で一攫千金を目指すことになり……。

声優・キャラクター
萩原聖人、内田直哉、津嘉山正種、立木文彦、浪川大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

箴言は全然覚えてないですよーだ(^ー^* )フフ♪

■逆境無頼カイジ 破戒録篇ってどんなアニメなのΣ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
本作品は『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』の続編のアニメなので1期を見ていた方がカイジ自身の事とか、石田親子との関係が解ってより一層楽しめると思いますよ♪
 
さて、内容の方は借金によって命をかけた闇ギャンブルに挑み人生のやり直しを計るカイジ達と、人の不幸を愉悦とする闇ギャンブルを運営・主催する帝愛グループ側との命を削る勝負を描いたストーリーなのです♪
 
2期の本作品では、「チンチロリン」と「パチンコ」で生き死にの勝負を挑んでいくわけですけど、人間臭い心理描写や表情の豊かさと、緊張感・臨場感を煽るナレーションの立木さんのコラボは見所ですよ♪
 
 
■総評
ずばり主役はカイジではなくってナレーションの『立木文彦』さんだと思ってますw
最終話のカイジのオーラの無さを見て核心しました≧(´▽`)≦
命の削りあいの勝負で、立木さんの熱の入れようはすごいの一言です♪
間の使い方から声の強弱のつけ方まで神懸ってますよね!
一度アフレコ現場を見てみたいなぁって思っちゃいました!!
その一方でカイジ君は極限の勝負では天才的なのに、普通のパチンコで有り金を全部つぎ込むあたり、やっぱりダメダメ人間のお人好しは相変わらずでしたね( ´△`)アァ-
 
しかしながら、「沼」での勝負はちょっと引っ張りすぎでしょ・・・って思ってしまいました♪
ドラゴンボールZを思い出すようなスローなストーリー展開でしたねw
緊迫感とか伝える為に必要な演出だとは思うのですけどね(>o<")
 
それと言っておきたいのが・・・このキャラデザで女の子を描いちゃダメでしょ♪
しかもEDで堂々と使っちゃうあたりどんだけ「ドS」なんですか!!Σ\( ̄ー ̄;)
坂崎の娘の美心ちゃんも別に何か悪い事したわけじゃないのですけど、このアニメに登場させられたってゆうだけで・・・不憫で不憫で可愛そうですよ(。・w・。 ) ププッ
 
1期に較べとる仲間の死の描写がなかったので、あまり恐怖感は感じませんでしたけど、重苦しい空気感はアップした感じですね♪
キャラデザに癖がありますけど、((((o゚▽゚)o))) ドキドキ♪((o(^∇^)o))わくわくしたい人は是非視聴をお薦めしますよ♪
 
 
■MUSIC
OP曲『Chase the Light!』
 歌:Fear, and loathing in Las Vegas
 キャッチーなメロディーとハードコアを融合させたスクリーマなナンバーです♪
 ACCEPTのウド様を思い出しちゃったのはσ(^_^)アタシだけ・・・ですねw
 
ED曲『CからはじまるABC』
 歌:忘れらんねえよ
 ブルーハーツを意識したと思われるパンクロックバンドのナンバーですね♪
 今後の活躍に期待です♪しぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーー!!
 
ED曲『未来は僕等の手の中』(26話)
 歌:カイジwithレッどぼんチリーず
 1期OP曲でTHE BLUE HEARTSの名曲のカバーですね♪
 カイジ役の萩原聖人さんも良いけど、ヒロトさんの声がやっぱりいいなぁ♪
 
 
2011.10.02・第一の手記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エンディングの気色悪さは強烈

クズがクズを陥れて、落ちぶれたクズ同士が結託してクズを倒す。
クズ!クズ!クズ!クズ!クズ!
まさにクズ!           ざわ・・・
クズの巣窟!           ざわざわ・・・
圧倒的なクズの戦いここに極まる!  ざっわー
(立木文彦の熱のこもったナレーションの声でお読みください)

というわけで、至高のギャンブル漫画、カイジのアニメ化作第2期です。


1期と同様、話の内容や絵柄については原作に忠実です。
ギリギリの状況においては不屈精神力と神懸り的な発想をする主人公カイジですが、それ以外の面では自堕落で意思も弱く、社会的な底辺に居るべくして居るダメ人間。
ダメ人間が悪魔ような金の亡者を相手に、騙し騙され金を奪い合う頭脳戦。
相変わらずゲームとしてのギャンブル楽しむなんて綺麗事は微塵もなく、とにかく金!
どんな手を使っても、相手から金を巻き上げた方がヒーローとなる薄汚い世界がなんとも魅力的です。
仲間とか、信頼とか、そんな1円の価値もないものに執着すると絶対足元をすくわれる・・・という、誰も教えてくれない素晴らしい教訓を与えてくれる社会派アニメ。
真理だとは思うけど、認めたくないなぁw

2クールありますが、今作でのカイジの戦いは2種類のみ。
底辺社会で行われる労働者同士のサイコロ賭博「地下チンチロ」。
そして、原作でも人気のある1000倍パチンコ「沼」の攻略です。
他のレビューでも指摘されているように、ちょっと沼で引っ張りすぎの感じは否めません。
オリジナルを入れていないので、やらた時間の進行が遅く感じてしまうのがイタいですが、引き伸ばし方としては上手にやっている方だと思います。
名ナレーションの煽りで、強引に雰囲気を維持してますw

まぁとにかく、面白いのは太鼓判です。
歯軋りするようなドン底のピンチからの逆転に次ぐ逆転の攻防戦。カッコ悪くうろたえたりした挙句、逆転勝利に至るときの爽快感がハンパない快作。
どんな大勝しようが、手痛い教訓を得ようが、相変わらずクズのままなのもお約束。
「しょーがねーな、この男は」
って気持ちで、お楽しみください。



-----以下、余談。(毒吐いてます)----

このTVアニメの放映後、実写映画「カイジ2」が公開されました。
商業的な意味で、当然といえば当然なのですが、このアニメを呼び水にして映画を宣伝しようとする動きが顕著でした。
番組冒頭で原作者を登場させて、
「作者が一番すきなカイジの名勝負ベスト3~」
とかやってます。馬鹿ですねぇ
1位に選ばれるのが映画のオリジナルエピソードで、2位が「沼」、3位が「地下チンチロ」・・・モロに映画でやる内容を、そのまま連ねているだけ。

何?この清清しいぐらいの茶番劇。
福本先生、「大人の事情で・・・」って漏らしてますケド?w


金に意地汚いという点において、TV局は時折、カイジ以上のドラマを見せてくれます。
クソも面白くないドラマですがね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アニメ史上、最も美味しそうな ビールと焼き鳥いぃ!

 カイジ『キンキンに冷えてやがるっ・・・・!』

 こちらは二期ですので、一期の『逆境無頼カイジ UltimateSurvivor』からどうぞ!

 1話は、缶ビールと一緒にどうぞ!きつい仕事の後のビール…「犯罪的」ですよね!!
 班長(Cv.チョーさん)の誘惑が巧すぎて…ただの鬼です。こりゃ、常人なら豪遊してしまう…。1話だけでもかなり笑えます。


 チョーさんの演技が最高なこともあって、班長のセリフって好きなもの多いんですよね…。暗記しちゃったレベルで好きなセリフ2つ

①つまみは安い柿ピーでごまかそうとするカイジへの班長の誘惑のセリフ

『フフ…へただなあ、カイジくん。へたっぴさぁ…! 欲望の解放のさせ方がへた!
カイジくんが本当に欲しいのは...焼き鳥(これぇ)!これをチンして、ホッカホッカにしてさ…冷えたビールで飲(や)りたい、だろ…?
 フフ…。 だけどそれはあまりに値が張るから、こっちのしょぼい柿ピーでごまかそうって言うんだ…。
カイジくん、ダメなんだよそれじゃあ! せっかく冷えたビールでスカッとしようって時にそんなんじゃ、かえってストレスがたまる!
食えなかった焼き鳥がチラついてさ…全然スッキリしない!心の毒は残ったままさ!
 贅沢ってやつはさ…小出しじゃダメなんだ!やる時はきっちりやった方がいい....!それでこそ次の節制の励みになるってもんさ!
 自分へのご褒美さ!!』

 そして欲望に勝てないカイジ…かわいい笑
 猛省してるカイジのジタバタ…かわいい笑

➁そして班長の痛い名言

 『明日からがんばるんじゃない…

  今日…今日だけがんばるんだっ…!

  今日をがんばった者…今日をがんばり始めた者にのみ…

  明日が来るんだよ…!』

 ぐう正論…耳が痛い…。「今日だけ頑張る」って言葉、良いですね…。

 そんな班長とのチンチロバトルめっちゃ面白いです。
 『ノーカン!ノーカン!ノーカン! はい ノーカン!』のシーンも好きだなぁ…。

 「地下チンチロ」の後の「欲望の沼」も面白いです。

 パチンコをここまで熱く、深く描いた作品も無いのでは?

 間延びしたものの(似た展開で、途中で飽きました…。)、クライマックスからエンディングへの流れが凄く好きです。「未来は僕らの手の中」が流れた時の爽快感に鳥肌。

 カイジの「お人好し」は弱点ですが、「お人好し」だからこそ、気づいたら周りに仲間ができるんでしょうね…。

 音楽では、EDの「CからはじまるABC」が好きです。なんか2人とも?幸せそうで、ほっこりします笑

 声優については、やっぱりチョーさんと立木さんが最高でした!

 一期好きなら絶対に二期を観るべきです。期待に応えてくれる作品。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

89.9 2 裏社会で頭脳戦なアニメランキング2位
BLACK LAGOON ブラックラグーン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★★ 4.1 (5054)
23652人が棚に入れました
日本の一商社・旭日重工(あさひじゅうこう)の社員だった岡島緑郎は、会社の機密ディスクを運ぶ任務中、南シナ海で違法な運び屋・ラグーン商会にディスクを奪われ、自らも拉致されてしまった。ラグーン商会(レヴィ)の狙いは、旭日重工から岡島の身代金を取ることだったが、機密の漏洩を懸念した会社と彼の上司・景山は、会社のためにはやむを得ずとして彼をディスクもろとも抹殺せんと画策し、傭兵部隊に商会を襲わせる。自分が旭日重工から見捨てられたことを知った岡島は、ラグーン商会のメンバーにアイディアを提案し、この危機を脱することに成功する。

声優・キャラクター
豊口めぐみ、浪川大輔、磯部勉、平田広明、小山茉美
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界中のアウト・ローの見本市みたいな【ヴァイオレンス・アクション&エンターティンメント】

※1期・2期・OVA全て含めた感想・レビューです。
本サイト総合ランキング25位(総合得点90.2点)<2016.5.10時点>の面白作ということなので一気観してみました。

◆総評

最初は、これ本当に面白いの?と半信半疑だったのですが、下記のシリーズ別評価のとおり、作品世界に慣れるにつれて尻上がりに面白く思うようになっていきました。

何といっても、1990年代後半の東南アジア(および東京)という作品舞台の設定が優秀で、これなら、{netabare}ベトナム戦争を経験した米軍特殊部隊{/netabare}や、{netabare}アフガン紛争を経験した旧ソ連軍部隊{/netabare}、が登場しても全然違和感がないし、{netabare}革命ごっこの夢から未だ覚めやらない日本赤軍の生き残り?{/netabare}みたいのが出てきたり、{netabare}元ナチスの幹部{/netabare}もギリギリでまだ存命で暗躍中、という話に出来る、ってなもんです。

また、この手のヴァイオレンス・アクションものにありがちな、“社会批判”“体制批判”をしてやろう・・・みたいな制作側の寒い下心も皆無で、エンターテインメントに徹しているところも、個人的に非常にポイント高く思いました。

グロ表現も心配したほど酷くなく、未視聴の方にはお勧めしたい作品となりました。


◆シリーズ別評価

第1期   ☆   並 3.8 (76点相当)
第2期   ★   良 4.1 (82点相当)
OVA    ★   良 4.3 (86点相当)
---------------------------------------------
総合    ★   良 4.1 (82点相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


================== BLACK LAGOON (2006年4-6月) =================

{netabare}第1話 The Black Lagoon ★ 岡島緑郎の災難
第2話 Mangrove Heaven ★ 魚雷発射回、※作画は良いが、個々の演出がチープ
第3話 Ring-Ding Ship Chase ★ 対6船団戦
第4話 Die Rückkehr des Adlers ★ 沈没Uボート内探査、対ネオナチ戦
第5話 Eagle Hunting and Hunting Eagles × 続き、※空気のない船内で呼吸は×
第6話 Moonlit Hunting Grounds ☆ 続き
第7話 Calm Down,Two Men ★ 暴力教会、レヴィーとロックの対立
第8話 Rasta Blasta ☆ ガルシア(ラブレス家次期当主)誘拐、ロベルタ登場
第9話 Maid to Kill ★★ 対ロベルタ(=ロザリタ)戦
第10話 The Unstoppable Chambermaid ☆ 続き、※終わり方がやや安直なのは×
第11話 Lock'n Load Revolution ☆ 三合会からの依頼、対ヒズポラ戦(タケナカ、イブラハ)
第12話 Guerrillas in the Jungle ★ 続き{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)1 個人評価 ☆ 3.8


OP 「Red fraction」
ED 「Don't Look Behind」


======== BLACK LAGOON The Second Barrage (2006年10-12月) =======

{netabare}第13話 The Vampire Twins Comen ☆ 双子の殺し屋(ヘンゼルとグレーテル)
第14話 Bloodsport Fairytale ☆ 続き、ロアナプラの恐怖の一夜
第15話 Swan Song at Dawn ★ 続き、ホテル・モスクワの流儀 ※ED「The World of midnight」
第16話 Greenback Jane ☆ ジェーン(偽ドル製造のプロ)脱出幇助戦
第17話 The Roanapur Freakshow Circus ☆ 続き
第18話 Mr.Benny's Good Fortune ☆ 続き、エドの素性
第19話 Fujiyama Gangsta Paradise ☆ 東京編開始、鷲峰雪緒(鷲峰組前組長の娘)・銀次登場
第20話 The Succession ★ バラライカの真意、鷲峰組決起
第21話 Two Father's Little Soldier Girls ★ バラライカの過去、雪緒拉致
第22話 The Dark Tower ★ ボーリング場の戦い、岡崎と雪緒の違い
第23話 Snow White's Payback ★ 雪緒の反撃、岡崎vs.バラライカ
第24話 The Gunslingers ★★ レヴィーvs.銀次、東京編終結 ※ED「Peach Headz Addiction」{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)5、☆(並回)6、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1


※OP/EDは第1期と同じ


== BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail (OVA) (2010年10月-2011年6月) ==

{netabare}第25話 Collateral Massacre ☆ ロベルタの過去、ファビオラ登場、岡崎個人への依頼
第26話 An Office Man's Tactics ★ ロベルタの目的
第27話 Angels in the Crosshairs ★★ ロベルタvs.グレイ・フォックス部隊
第28話 Oversaturation Kill Box ★ 続き、ロアナプラの真の支配者
第29話 Codename Paradise,Status MIA ★ 黄金の三角地帯の死闘、ロックの仕掛け{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)3、☆(並回)1、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.3


OP 「Red fraction IO drive mix」
ED 「When Johnny Comes Marching Home」


◆その他メモ・・・女性キャラ達の強さ順 →{netabare}メイド戦士最強!ロシア女次点、尼僧3位で、レヴィーは選外に{/netabare}

サムネにもなっている{netabare}二丁拳銃使いの凶暴女レヴィー(レヴェッカ・リー){/netabare}が、一応は本作のメイン・ヒロインなのですが、(1)個人戦闘力、(2)組織力、(3)情報力その他、を総合的に見ると、

(1) 個人戦闘能力では、{netabare}長身のメイド戦士(ロベルタ)が全く他を寄せ付けない最強ぶり
(ベトナム帰りの米軍特殊部隊をたった一人で圧倒するほどの強さ←まさにメイド・ターミネーター){/netabare}

(2) 組織力では、{netabare}旧ソ連軍1個小隊を掌握しているロシア女(バラライカ)が最強
(東京のヤクザ集団を苦も無く壊滅させるほど){/netabare}

(3) 情報力と後ろ盾の強大さでは、{netabare}CIA工作員の尼僧(シスター・エダ)が最強
(中華系マフィアも実はCIAのお目こぼしで存続できているほど){/netabare}

・・・という設定で、

(4){netabare}ブラック・ラグーン商会という一企業の用心棒の赤毛女(レヴィー){/netabare}は、せいぜい{netabare}チャイナドレスの片言女(シェンホア)とどっこいどっこいの実力{/netabare}に過ぎません。

こういう意外さも、本作の魅力のひとつと思いました。

以上、まとめると、本作最大のヒロインは、{netabare}メイド戦士ロベルタ{/netabare}だった!!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

熱帯アンダーグラウンド

原作未読

20周年記念の地上波再放送にて(アニメは2013年)。Youtubeの期間限定chもあったりもしました。
私のサムネ≪『LEON』のスタン捜査官≫でお察しかもですが、物騒な映像作品は大好物です。

タイの架空の犯罪都市ロアナプラを舞台に、荒事も請け負う運び屋と、いわゆる裏社会に属する組織や人物たちが繰り広げるクライムアクション作品(wiki)。
日本人プラント?マンが業務上のいざこざで会社から見捨てられ、運び屋たちに合流して始まる物語。
住む世界の違いから生じる考え方や行動の違和感がしっかりスパイスとして効いてるのがポイントですね。私のサムネ(二回目)元ネタとも通ずるものがあって、生まれた時から荒事しか知らず育ってきた人間と、問題はあるも平々凡々な生活が壊れ巻き込まれてしまった人間との化学反応です。


放送年(2013年!?)
2006年放送とあります。ほどなくブラグラ的世界を我々も現実で疑似体験しました。
○○重工というロックの勤め先はそのネーミングから商社というより重工業ないしプラント系と思われるのですが、2013年初頭にはアルジェリア人質事件が発生してます。良心とか交渉とかとは無縁な圧倒的な暴力に蹂躙された事件。間髪入れずイスラム国の人質事件があったりと日本にいては理解不可能な現実の出来事が発生してた頃合い。
それから10年近く経ってからの初体験中の私でございます。まずは驚きというか監督〝片渕須直”氏。「おー、この世界の片隅に…の人やんけ」と。そして「こんなもん作れんのね」と名作劇場映画との違いやら共通点を探ってみたりでした。
これは新参者ならではの感覚でしょう。その観点でしたらヒロイン役の豊口めぐみさんも直近の超絶メガヒット劇場アニメで〝強く生まれた者の責務”をよもやよもやな息子に説いた母役の印象が強すぎだったりでなにかと困ります。


おおむね好きなテイストかつあまりアニメ作品では見かけない作風でもあったりして評価の下駄底は上げ気味であることをお許しください。
実写でもいいじゃんと思いかけましたが、近距離発砲で銃弾が当たらないのはアニメ以上に実写だと不自然に見えるので、これで良かったんだと思います。そうです。わりと雑なとこあります。
そんなのもいったん横に置いとけるくらい良かったと具体的に評価できるとこを明らかにしときましょう。以下四点↓

1.生きざまのぶつかり合い
⇒美学と言わないまでも芯が通ってあるため簡単に流されはしないハードボイルド調なやりとり。
 {netabare}ロック(CV浪川大輔)とレヴィ(CV豊口めぐみ)両方に捨てられない何かを感じます。これ簡単に改心して仲良しふふふ…なんてのだったらつまらんかったでしょう。{/netabare}

2.生命の軽さ
⇒人はびっくりするくらい簡単に死ぬ。ここでは殺すのに躊躇がない。逆もしかりで殺られるのも覚悟してる。
 {netabare}たしかカンボジアだったと思うが、ホルスターにもしまわずポケットに銃入れてたやつと一緒に国境越えしたことある。隣にいるオイラは平静装いながら内心ガクブル。ポルポト派の残党がそこそこ残ってたお国事情だったり、市中への出回りっぷりだったり、伝え聞くエピソードだったり、遠く日本でぬくぬく生きてきた身にとっては衝撃だったのです。インドなんかガンジスに浮いてるともいうし、〝死”が身近にある者たちの立ち居振る舞いに懐かしいものを感じた。{/netabare}

3.アジアの純真
⇒フィリピンぽいけどタイをイメージしてるらしいですね。北の三角地帯か南のプーケット方面か。ラグーンだけにラングーン(今のヤンゴン)あたりがしっくりきそうな佇まい。
 {netabare}北米・ヨーロッパ、または中東もしくはアフリカ。そのどことも違い高温多湿な雑多な熱気が伝わってくるような東南アジアの空気が再現されてて好感です。{/netabare}

4.時代設定(90年代後半?)
⇒第二次世界大戦の兵士もギリ存命。冷戦終結直後の地殻変動もある。ベトナム反戦運動で踊った連中も壮年期。おおむね共産主義の派生物に該当しますが、不安定要素のヴァリエーション豊富な時代でした。もう少し経過すると伝統のイスラム過激派くらいしか残りません。

多分に自分の趣味が反映されてますね。こんな感じです。
そういえば触れてませんでしたが、もしかするとクライムアクションというよりバトル色が強いと言えなくもないくらい奇天烈な敵役が複数登場するのも面白みの一つかも。バトルは苦手意識ある私です。きっと本作にはバトルの背景にお互いの人生が透けて見えたのが飽きなかった理由かもしれません。
あにこれの評価も低くないし、自分の好きな作風でしたし、また珍しいタイプのアニメ作品でもありますのでおススメ強度はわりと強めでございます。



※余談

■パブリックエネミー

最初フィリピンとか島嶼国家のイメージがあったのはイスラム過激派っぽいのが出てきてたから。
{netabare}そのお仲間の一人で、赤軍派の残党〝タケナカ”が自身を<公共の敵>と再定義して締めた12話でした。2期でも出てくるのかしら?{/netabare}

{netabare}へたにナイスガイ変貌しないでほしいとの希望。
今年(2021年)リアルの世界では中核派のS水議長が50年ぶり表舞台に出てきましたが、さすがのクソぶりでした。若い警官を取り囲んでタコ殴りにして意識失ったところに油かけて焼殺したことについてどう思うか聞かれて「革命のためには仕方なかった」といまだ言う83歳です。革命家を自称するなら死に時を誤れば老醜を晒すだけなのに(一般論)。
アニメに話を戻すと、潜伏してたS水議長や世界に散らばった新左翼の連中とタケナカは年代的には変わらん設定です。ぜひ死に時を見失った哀しみを背中に漂わせながら、散るでも生きるでも無様な姿を晒してほしいな…ってことで「なんとなくいい人エンド」を希望しないのです。

猟犬の眼鏡メイドさんは悔恨と逡巡があったのでOK!
ただなんとなくこっちの日本人のおっさんに嫌な予感を感じてしまいつらつらっと書いてしまった。{/netabare}

少し落ち着いたら2期いってみよう!



視聴時期:2021年4月~2021年6月 地上波再放送

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2021.06.26 初稿
2022.05.17 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 44

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

偽善的な三文芝居

裏社会を描いたお語です。
銃、酒、人殺しがたくさん出てきます。
でもレビューで言われているほどダークな印象を僕は受けませんでした。
それは本作の主人公ロックのおかげというか、彼のせいというか、毒というものがあまりありません。
ロックがいるからこその本作なのでしょうが僕からしたらただ「邪魔」なだけでした。

日本のサラリーマンだった岡島緑郎は会社のあることに巻き込まれ、さらに見捨てられます。
けれどひょんなことから新たにその見捨てられた先で生きていくことになるのがコードネーム:ロックです。
そして彼が足を突っ込んだ先はラグーン商会。
黒人で大柄な体格のダッチ、”二挺拳銃”という異名まで付く銃の使い手レビィ、
コンピュータの扱いに長けたベニーの3人で構成された違法集団の集まりです。
まさに裏社会を象徴するような3人の中に、ロックがいるのはあまりにも異質で、世界観を台無しにしていたように思えます。

レヴィたちとは生まれも育ちも違うロックはどうしても彼女たちの世界の常識とルールに馴染めず、いちいちそっち側に意見してしまうし、なぜか知らないけどずっとサラリーマンの格好なんです。観てるこっちとしてはがっかりです。なにそれって感じ。
僕としてはレヴィたちの世界を描くならば、無抵抗な相手の後ろから自動小銃で躊躇いなく頭をぶち抜くのが理想です。
でも作者の描きたいことはこれとは反対にあり、僕たちと同じ目線を持ったロックを通して、「いくら生きるためとはいえ踏みにじっていい人の道はない」ことだと思います。
太陽の照らす昼でもなく、闇に飲まれた夜でもない、夕闇という立場から眺めるロックを追う話の構成です。
でもこれは成立しません。言葉として一見筋が通っているように見える気がするし、口当たりの良い言葉ではあるけれど、
外の人間が口を出せるほど簡単な問題ではないし、自分が「まっとうな人間」であるという上から目線が甚だしいです。
そりゃあ押し付けの正義ほどかっこよく見えるものはありませんから。
だから7話なんてのは僕は全然受け付けません。ただパフォーマンスとしてインパクトがあっただけです。

それにしてもこのロックが上でも書きました通りがっかり屋さん。まずこなれてる感じがすごく不自然で個人的に腹が立つ。
そのノリで発せられる声も喋りも聞くに堪えません。ちなみにこの作品で使われる言葉は常にB級品です。
形だけを模ったシャボン玉。突っつけば簡単に割れます。要するに、どういう言葉で罵ればいいのかを知らない。
とにかく見栄えとイメージをつけるために間に合わせのつぎはぎをガンガンと投げています。
ロックは最初のうちは「日本のサラリーマンがどうたら」とすごくうるさい。今言うことじゃなくない?って思う。
そういうのは前提としてあればいいもので、わざわざ言葉にすることではありません。
するべきことは、その状況に置かれた人間がどういった行動をとるかと、ということだと思います。

すごく個人的な意見になってしまいましたが何が言いたいかと言うと
要するに、徹底的に裏社会を描くわけでもないのにそこをフィールドに選んだ中途半端さ、裏社会面のハリボテ感、
さらにロックの説得力の無い綺麗ごとと作者の描くテーマの偽善を、僕は受け入れることができませんでした。
ロックのいない残虐で救いのない世界の方がいくらか見応えがあったと思います。レヴィ、ダッチ、ベニーの3人の話。
分を超えた意見で申し訳ありません。作品がこうであったらいいなんてあまり言うことではないです。

まあそれだけではなく全体的にも「アニメ」の要素が強かったと思います。
戦うメイドとか、双子とか、当らない銃弾とか。どこまでいってもこの作品は「アニメ」です。
形だけ取り繕った空っぽの箱のような、実体のない物語。深みがなく、触った感触すら残らないような。
まるで海に来て浅瀬で足だけを水につけてばしゃばしゃと遊んでいるようなそんな作品です。泳ぐことも、潜ることもしません。
その目には遠くの方で世界を分断する水平線は映らず、目先のそれだけで、おそらく十分なのでしょう。
かっこいい台詞とそれに付随する偽善、浮き沈みには単に視聴者を傷つけ、とってもきれいなエンドで締め括る。
扇情的な無限のループを繰り返しているだけでは、またそんな作品を観てもおそらく感じることは何もないでしょう。
深く潜らなければ、あるいは、水平線を見つめなければ、物語は成り立たず、そこになにかを投じることはできない。


そんなことを言いつつも最後のヤクザとの戦いというかバラライカによる一方的な殲滅はなかなか面白かったです。
バラライカによる武力による有無を言わせぬ殺戮と日本のヤクザにある義理人情を対比させたのはグッドアイデアです。
レビィ役の豊口さんはハマり役ですね。だんだんレビィが可愛くみえてくるから不思議です。


裏社会的恐さを求めるなら『HUNTER×HUNTER 旅団編』
ハードボイルドを求めるなら『COWBOY BEBOP』または『DARKER THAN BLACK-黒の契約者』
銃撃戦を求めるなら『ヨルムンガンド』
また、総体的な寄せ集め「アニメ」が観たいのであれば本作だと思います。




余談

「実体のない物語」と上に書きました。他にどんなものがあるかあげてみたいと思います。
ただこれはどういった目で作品、あるいはアニメを観ているのかによります。
そしてこう言い切るからには僕の見解を話さなければならないのでしょうがそれは止めておきます。
あげる作品を見れば分かる人には分かると思います。そうでなければ帰納的に知ってもらえば良いかと。
こういうと少し上から目線でモノを言っているように聞こえますが、まったくそんなつもりはなくひとつの捉え方として言うだけなのでいじめないで下さい(笑)痛い!石を投げないで!w

僕が今まで観た中では『ヒカルの碁』『リトルバスターズ』『エンジェルビーツ』『あの日見た花の名を僕たちはまだ知らない』

特にその色の濃いものをほんの一例としてあげてみました。
まあそれでもおおかたこういう傾向にあるのがアニメの宿命のような気もします。

よしなに。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

76.0 3 裏社会で頭脳戦なアニメランキング3位
闘牌伝説アカギ 闇に舞い降りた天才(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (829)
4196人が棚に入れました
昭和33年。チキンランで生き残った少年・赤木しげるは初めて打つ麻雀でも異才を発揮し、ヤクザ相手の勝負に次々と勝利を収めてゆく。なかでも盲目の雀士・市川を破った夜は伝説となる。昭和40年“神域”と称され、天才の名を欲しいままにするアカギは、権力を利用して巨大な富を築いた怪物・鷲巣を狩るため、生き血を賭けた大勝負に挑む。

声優・キャラクター
萩原聖人、小山力也、玄田哲章、中田浩二、高木渉、田中秀幸、風間杜夫、古谷徹
ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

真剣勝負というものは技量にかかわらずいいものだ、決する瞬間互いの道程が花火のように咲いて散る

点数計算もよくわからないし役もうろ覚え、そんな残念脳の自分ですが
岡目でも何となく伝わる勝負の駆け引き、緊張感、
さらに運が大きく作用するゲームで勝負を決する分水嶺を作者がどこに置いているか
そんな勝負ごとに対する作者それぞれの美学、哲学みたいなのが
うかがえて麻雀に限らずギャンブル物は好んで見ちゃいます。
{netabare}
麻雀というゲームは運の要素が強く例えばスポーツものなどにある
練習や積み重ねといったものがあてになりにくい
(まぁそんな中でも強い人はいるわけでそんな人がいわゆる玄人なわけだが)
とにかく不確定要素が多すぎるなか自分の判断を信じるメンタリティが要求されるわけで、
しかも今作では一回の勝負で大金が動き後々の人生まで大きく左右されるゆえ生じる
ひりついた緊迫状態とそんな重大事を水物であるのギャンブルで決めるという
矛盾、だからこそ躍起になざる得ない極限まで圧縮された時間
不条理が生み出した特異な空間。

それに主役のアカギ本人の根本の部分から
強い心、鋼の精神が引き寄せる謎めいたカリスマ性と牽引力
そんな諸々が融合し刹那的で破滅的ですが思わず
魅入られてしまう招き寄せられてしまう妖しい魅力を形成してると思います。


作画は常に暗めの色調、BGMも一貫して緊張感のあるシリアスなもので
光の当たらない深海の世界でのやりとりみたいな世界観を形作る好アシストになってるし
何よりナレーション、ガンダムのアムロ役で有名な古谷徹さんですが見物人が説明したりすると
緊張感が削がれ冗漫になってしまうであろう所を張り詰めた空気を保ったまま的確な状況説明
ベテランの仕事、たっぷり堪能させていただきました<m(__)m>
それにアカギ自身は戦略を組み立てているだろうがそんな独白をあえてカットする
ワンピースのルフィでもそうですがそうすることによって偶像性を高めてますね
(ニセアカギは頭の中でごちゃごちゃした確率を計算してる演出だったのでそこらへん対照的ですね。
彼もそれなりに優秀だったが魑魅魍魎がうごめく世界ではそれでは足りなかった、恐ろしい世界です)
時に絶体絶命な場面でもガタガタ騒がず身を削ることも厭わないブラフで流れを引き寄せる
黙って行動や背中で語る、かっこいい男はそうでなくちゃ。

あ、でも浦部戦の後でアカギは自分の手の内を明かしてたか、でもあそこは
このアニメの総決算ともいえるシーンで即ち人を観て癖を見抜きその裏に罠を隠せ
その理念があったればこそ代打ち矢木戦で小技を仕掛け迷いを誘う
こすいやせた考えを逆手に取り今度は自分がハメられる側だと思い込ませ勝負から降ろす
市川戦では合理的打ち回しの陰に牙を潜ませたった一筋の細い勝ち筋に狙いを絞り
喉を食いちぎる、浦部戦ではそれに加えて自分の情報を悟られないようにし
浦部自身の経験に頼らざる得ないよう誘導する
100%のオカルト麻雀ですがだからこそ色濃く炙り出されるアカギの活きた理、そして

圧倒的・・・悪魔じみた・・奸計っっ・・・!


勝負の中で避けようもなく晒されるその人の
奥底に息づく地金を看破する、なんだか
ハンターハンターでメルエムがそんなこと言ってたような気がします、
多面張の待ちの計算すらもたつく前提すらおぼつかない自分にとっては
雲の上のレベルですが何事も天上の域に達すると同じ結論に至るようですね
とにかく勝負事に関しては王と同等の境地のアカギさん
マジぱねぇっす

全編を通じて感じたことはなにより自分の頭で考え続け思考回数を重ね対策を練る
万物に通じる道理を刹那的快楽の極地
ギャンブルの世界で出会えたのは何とも不思議な心地でした。
しかしまぁそんな芸当を方程式が通じない、変わり続ける状況の中で人相手に
やってのける憑依するほどの洞察力と判断力、いやはや憧れちゃいます。

一番好きなシーンは一話の南郷に取引を持ち掛けるとこです
あそこは漫画ではもうちょっと詳しく描かれていて厄介ごとを
避けるためアカギを引き渡そうとする寸前なとこだったんですが
頼れる人が誰一人いない、それも本人が一番ひやひやする
そんな状況で取引の材料を用意する、独力で道を切り開く真の意味での
無頼。

タイトルにある言葉はこのアニメにも通じるものがあると思い
幽遊白書から引用させていただきました。厨二乙

あ、鷲巣編は・・・色々あるけどやっぱり適切な長さって大事だね(/・ω・)/
あと南郷さん借金背負ったダメ男で途中でフェードアウトするのにキャラ濃すぎませんかね・・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

ligame さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

裏社会 伝説の雀士

カイジでお馴染みの福本伸行の代表作であるこの作品。
原作は近代麻雀で1992年から連載開始されていて現在も連載中です。
10年以上かけて連載された作品を全26話に収めているので完全に原作通りというわけにはいきませんでしたが、それでも完成度は素晴らしかったです。
福本作品は細かい心理描写や強烈な人間描写が特徴で最大の魅力です。
また、この作品の特徴としては女性キャラが一切登場しません。
福本さんは生命を賭けた極限の男達の勝負描くことが多いので女性キャラが出てくることが少ないのですが、一切登場しないというのはアニメ作品としては珍しいです。

ストーリーはヤクザや賭博といった裏社会に突然現れたアカギ(赤木しげる)の伝説を築き上げていく姿を描いたものです。
賭けとしての麻雀が当たり前、イカサマや暴力もありの裏社会でアカギがのし上がっていく姿は凄まじいです。
アカギの凄さは何といっても天性の才能です。また相手を呑み込む洞察力や判断力、そして死をも恐れない精神力などアカギの凄さを言い出したらキリがありません。
それぐらいこのアカギという男は常軌を逸していて周囲からは『悪魔』と呼ばれています。

物語の構成としては主に矢木編、市川編、浦部編、鷲巣編の4つに分かれています。
矢木編はアカギがその場で麻雀のルールと役を覚えただけで戦う姿に注目です。
市川編と浦部編はアカギの天才ぶりが存分に発揮されてるので、自分はこの2人との闘いが大好きです。
そしてこの作品の肝でもある鷲巣編ですが、正直に言いますと引きのばしすぎです。
アニメではおよそ1クール、原作も鷲巣編だけで10年以上連載中です。
アカギにとっての最強の相手なので話数を割くのは仕方ないとは思いますが、いくらなんでも長すぎるってのが正直な感想です。
原作も終了してないのでアニメでも決着はつかないのですが、もう少し終わり方を変えてほしかった気がします。
あまりすっきりしない終わり方でした…
自分は原作がどうやって終わるのかに注目しています。

この作品には名言と言いますか自分がとてもかっこいいと思ったセリフや描写がたくさんあります。
中でも自分が一番好きなのは浦部戦の「その牌には魔法がかけてある」というセリフとそのシーンです。
ここでアカギの常人じゃないほどの観察力を垣間見ることができます。
単なる確率ではなく理に適っているんです。
まさに究極の心理戦です。
大げさかもしれませんが、それほど自分にとってこのシーンは衝撃的でした。

主題歌についてですが、OPはまさに昭和といった曲でした。映像、音楽ともに作品の雰囲気に見事にマッチしていて哀愁の漂う曲でした。
EDは前期後期と2曲あるのですが、正直後期の曲は覚えていませんw
前期EDであるマキシマムザホルモンの『アカギ』の印象がかなり強いです。
なんだか耳に残る曲で自分は結構好きでした。

この作品は麻雀を知らない人にはあまりおすすめできません。
そして、賭博やイカサマなどが嫌いな人にもおすすめできません。
福本作品は好き嫌いが分かれると思います。
劇画のような作画、角ばった顔、尖った顎、鋭い鼻などかなり独特です。
自分も初めは抵抗がありましたが見ているうちに慣れました。
絵で敬遠しているけど麻雀が好きって人はぜひ見てみてください。
きっと好きになると思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

rurube さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よく考えるわ。

この作品が瞬逸なのはアカギを天才と描けている事だと思う。

ギャンブルには基本的に定石がある。特に麻雀は確立の問題があるから基本的な部分は定石道理打てばだいぶ上手くなる。日本で一番上手い打ち手は桜井章さんだと思うがその人の弟子がやっていた雀荘に通っていた事がある。
桜井さんは自分の弟子育てているのだけれどルールがいくつかあるので紹介したい。
1一打目に字牌は切らない 2最高のイーシャンテンを目指す 3効率打牌で相手がリーチしても気にしない これが基本的なルールらしい。ここで重要なのは3だろう。効率的に打てば何切っても良い。放銃万歳な考え方らしい。これには基本的に麻雀は4人で打つので自分が上がれる確立は4分の1、皆が上がりを求めれば計算上得点は変わらないというのが理由だそうだ。

でこの作品のアカギは効率的なんて考えは全くない。上がれる手で待つという神がかった打ち手。将棋と違い持ってきた牌でしか勝負出来ない麻雀においてはそれは無理に近い。
それが良く分るのが浦部との勝負だろう。アカギは浦部の②?で上がったと思うが麻雀の牌は4牌しかない。アカギは浦部の本質である後退も前進もしない保留の性格、人読みによって浦部の手を読み上がった。冷静に考えて欲しいが浦部が2牌持っているから残り2牌しかない②が1枚アカギに来る可能性は1-3/4二乗でさらに王牌があるから計算上3割5分くらいしかないはず。結局、運が良いだけだからね。しかも最後に逆転手入れるにはかなりの打点と浦部を精神的に追い込む状況が必要だった。

強者であるにはそれを引き入れる運と確立ではない人読み、何よりも自分の考えに殉ずる精神力が必要になってくる。それを理論建てして一般人に納得させるのが物語として素晴らしいと思う。咲見たいにそういう世界と言い切ってしまう手もあるがきちんと説明しているのが書き手として素晴らしい。

他の作品はその世界で英雄になったから(火影とか海賊王とかまだ終わってないけど)主人公として描かれたと考えているが、この作品はアカギだから描かれた。物語は二の次でこの人を見てみたい、この人はきっと何かを成すに違いないという人間的強者が描かれている。唯一アカギだから主人公と言える作品。

アカギを愛する作品。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

72.3 4 裏社会で頭脳戦なアニメランキング4位
逆境無頼カイジ UltimateSurvivor(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (804)
3775人が棚に入れました
高校卒業後に上京した後、働きもせずに自堕落な毎日を過ごしていたが、借金の保証人になったがゆえに肩代わりをする羽目となり、その返済のために危険なギャンブルの世界に足を踏み入れていく主人公・カイジ(伊藤開司)。
平穏な環境ではただのダメ人間だが、命がかかった極限の状態に置かれると、人並外れた度胸とギャンブルの才能を発揮する――ある種張り詰めた雰囲気の中…。「ざわ…ざわ…」

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

未来は、僕らの手の中

圧倒的面白さっ・・・!
限定ジャンケン、人間競馬、Eカード、あぁそして、くじ引き・・・
人生を賭けたギャンブル、命運分かつ瞬間の歓喜、安堵、落胆・・・
”本当のめくるめく快感は、常軌を逸するからこそ辿り着ける”
バリケードで囲まれた、刺激的な面白さに胸が震えること間違いなしっ・・・!


と煽ってはみてもやはり、こうはなりたくないなぁ・・・と内心
後輩の借金の肩代わりとか、妙に生々しいんですよねぇ・・・
まぁそこはフィクションだと割り切って、物語は賭博主体
人間の薄汚れた本性が垣間見れる種々の心理的ゲーム戦の、あのドキドキ感、ハラハラ感、合わせて、ざわざわ感・・・
ライアーゲームとは違った、泥臭さといいますか、タバコの煙が立ち込める下衆な空気で満たされていて、しかしだからこそより際立つリアルな臨場感、言うなれば、ざわざわ感・・・
カイジに乗っかって、アニメを見ている自分自身もゲームに参加し、思考し、感情を共にしたくなる、異様な引力があります
こういう心理戦系だと、中盤の話で主人公が負けるわけがない、ましてや体のパーツを失ったり、死んだりは絶対しないという安心があって、どうにも興が醒めるのですが
この作品にはそれがない、地に足着かない感じがこれまた私を酔わせてくれます

スタッフ&キャストは基本アカギを引き継いでますね
ちょっと三文字が目立ちますが、堅実な作りです
流れる冷や汗と共に伝わるエキゾチックな緊張感、絡みつくネチネチとした心理描写も、流石は”逆萌え”と”完全ストロングタイプ”をコンセプトにしているだけありますね
萌えと完全に切り離された世界でアニメを作る”逆萌え”
需要を押し切り、独自のスタイルを歩む”完全ストロングタイプ”
アカギの時もそうでしたけど、2007年の美少女アニメ黎明期に、大きな博打を打とうじゃないかというスタッフの心意気にはざわめくものがありますね
キャストでいうと、カイジ役の萩原聖人さんもアカギの流用(ry
アカギ同様、最初はやっぱり声に突っかかるところがあるのですが、そのうち自然になってきますね
他利根川さんや、佐原なんかは癖が残ってますが、まぁなんとか

ざわ・・・ざわ・・・でリズムを作るんじゃないっ!
「未来は僕らの手の中~」とか歌いながらどこまでも降下してくOPのあの不条理さ
あれこそこのアニメの本質でしょうね
とまぁ意味不明なことを口走ってみるわけですが
はっちゃけてるOPも、哀愁漂うEDも、カイジらしい楽曲だと思います

Congratulation!
あれ?s付けn(ry
分単位で心境が劇的に変わっていくサブキャラと、ネジの外れた狂人の敵キャラ・・・
福本キャラですねぇ、見てて飽きません


ざわ・・・ざわ・・・
泥沼の心理戦はやっぱ面白いですね
ん~でもこれはもしかしたら自身に、カイジたちがが恐れ慄く様をテレビの前という安全な場所で見ることで感じる”安全であることの愉悦”てのがあるのかもしれません
ともあれ、これを見れば運否天賦の人生に、勝利への活路が開けるかもっ・・・!?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

未来は僕らの手の中!!

 ブルーハーツの名曲「未来は僕らの手の中」をカイジ演じる萩原聖人がのカバーしたOPは非常に熱く、作品にとても合っています!
 自らの手でチャンスを掴もうともがく、そんな作品。

 シリーズもの一作目ですので、カイジを観るならこの作品から

あらすじ:
 主人公伊藤開司(カイジ)が友人の保証人となって抱え、法外な利息により膨らんだ多額な借金…こういった借金を一括で返済するチャンスが与えられるという船「エスポワール(フランス語で希望を意味)」に乗り込み、命のかかった極限状態で頭脳戦を繰り広げる。


 ギャンブルアニメの圧倒的名作。出てくるギャンブルがどれも奥深く、非常に見ごたえがあります。カイジシリーズの人気も納得の面白さです。

 頭脳戦が好きな方は絶対に触れてみるべき作品ですし、別に頭脳戦が好きじゃない方でもハマる可能性も十分にあるので、万人におススメ!(ただし、『萌え』とか『kawaii』成分は圧倒的に不足しています。)
 原作愛も感じられる良いアニメ化なので、原作ファンにも勧めしたいです。

以下ネタバレ付き評価詳細{netabare}
♦物語
 今回のギャンブルメニューは
 ・限定じゃんけん・鉄骨渡り・Eカード・ティッシュ箱くじ
 買占めや、声を出さずに落下していく男、焼き土下座…。
 話したくなるような展開目白押しです。セリフも名言多し…。

 ただ、個人的に残念なのは、「ティッシュ箱くじ」のしょうもなさ…。
 なんも凄いとも深いとも思えなかったです…。それまで、凄くよかったのに…。
 
 一期観たら、二期も絶対観た方がいいですね!

♦キャラクター
 福本作品の主人公キャラとして、「アカギ」がいますが、今回の「カイジ」は、彼ほど強くはなく、甘いところもある人間臭いキャラとなっています。損してしまうような優しさに加えて、土壇場で閃く勝負強さ、きっと観てるうちに皆好きになってしまうような魅力がカイジにはあると思います。 利根川も名言多いですし、キャラも文句なしな作品です。

♦声優
 文句なし。原作との違和感あまりなし。演技の熱量は最高です。
 カイジ演じる萩原聖人さんは、アカギも演じられているんですが、演じ分け完璧です。ちゃんと人間臭いカイジが表現できています。
 佐原とか利根川は声優でなく俳優を起用しているので、正直演技がうまいわけではありませんが…(滑舌が悪いですし、佐原は声質が合ってない気もします。)。渋い感じはするので良いと思います。

 ちなみにモブキャラに大量に中村悠一がいますw
 ざわ…ざわ…もしっかり再現

♦作画・音楽
 作画も文句なし。音楽はOP「未来は僕らの手の中」が好きです。
{/netabare}

 一期観て気に入ったなら、二期である「逆境無頼カイジ 破戒録篇」も絶対観るべきです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ざわ・・・ざわ・・・

刃物のように鋭利な顎と鼻が特徴的な作画。
知らぬ間に借金を負った主人公、カイジ(伊藤開司)が、借金返済を求められるが、返せる金を持っていない。
そこで、借金をチャラに出来る、上手く行けば儲ける事も出来るチャンスを与えると言われ、その誘いに乗る事から、物語が始まる。

エスポワール号という船の中で行われる『限定じゃんけん』で星を集めるゲーム。
{netabare}そのゲームで騙され騙され裏切られ、それでもカイジは人を見捨てない。
その為、借金は膨らみます。

次に待ち構えていた借金返済のチャンスは『鉄骨渡り』。
最初は、高さ5メートルぐらいのところの橋(幅は足1つ分より少し幅がある程度)を渡るというもので、1位になりたければ、前を歩くものを突き落としても良いというゲーム。落ちても骨折程度で済む。

この予選を抜けた者が本番、建設中のビルに鉄骨を掛け、高さ74メートル、落ちれば即死。しかも鉄骨にしがみつく事は許されず、常に鉄骨には電流が流れている。
次々に落ちて行く中、カイジとバイトの後輩である佐原のみ。
その佐原が何とか橋を渡り切り、ゴールであるビルの中へ入ろうとドアを開けるが気圧差による突風に吹き飛ばされ落下。
それを見たカイジは絶望するも、そこに1つの希望、夜でしかもゴール手前で横等見る余裕の無い中、見つけたそのガラス張りの階段を発見したカイジはそれを上り、見事ゴールするも時間切れ。

しかし当然、ここで引けるはずもなく、相手の不手際を指摘する事により、新しいチャンスが生まれる。
『Eカード』というゲームで勝てば賞金を得れる。
金を持っていないカイジが賭けるものは耳。
金の代わりに針が耳(鼓膜)に向かって進むというもの。
対戦相手は利根川、ゲーム主催者側のNo2。
その利根川はいかさまを使っていたが、それを看破し、そのいかさまを逆手に取り、何とか追いつく。
その後は心理戦で勝ち、ゲームにも勝つ。

だがここでカイジはゲームを辞めず、主催者である平藤会長に挑戦を申し込む。
ゲーム内容は、またいかさまをやられたら敵わないという事で、カイジが決める事に。
ゲームは非常にシンプルで、ティッシュ箱に印の書かれた当たりをどちらが先に引くかというゲーム(はずれたくさん)。
賭ける金額は1億だが、カイジはその額を持っていない為、指1本に付き2000万という破格でゲームが行われるが負けてしまい、指を切断される。
{/netabare}

作画と内容から、かなり人を選ぶ作品だと思います。
個人的にはとても面白かったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

81.1 5 裏社会で頭脳戦なアニメランキング5位
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (483)
2064人が棚に入れました
イタリア、ネアポリスに住む青年ジョルノ・ジョバァーナは、
ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子である。
幼少時代に迫害を受けて荒んでいた彼は、一人のギャングの男を
救った事をきっかけに、「人を信じる」ことを学ぶ。奇妙なことに、
恩義を忘れず、敬意を持って自分に接するギャングが、彼の心をまっすぐにしたのだ。
そうして、ジョルノは「ギャング・スター」にあこがれるようになった。
15歳になったジョルノは、イタリアの裏社会を
牛耳るギャング組織「パッショーネ」とトラブルを起こし、狙われることとなり…

声優・キャラクター
小野賢章、中村悠一、諏訪部順一、鳥海浩輔、山下大輝、榎木淳弥
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ落ちる前から身に纏っているもの

荒木飛呂彦先生原作の長編漫画「※1ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化作品。

今回の舞台はイタリア。2部ではヴェネツィアが、4部ではイタリア料理が取り上げられていましたが、ジョジョの画風に多大な影響を与えたルネッサンス美術発祥の地としても有名ですね。荒木先生のイタリアへの愛は計り知れません。

冒頭のストーリーテラーを務めるのは第4部で活躍したスタンド使いの少年、広瀬康一くん。※2空条承太郎の依頼を受けて、一人イタリアのネアポリス(ナポリ)へと旅立ちます。承太郎さんから直々のご指名とは!康一くん、あんたも成長したもんだ(笑)目的は※3DIOの血を受け継ぐ少年の捜索。

これまでのジョジョを振り返ってみると、主人公の立場が

第1部(舞台:1880年・イギリス)
英国紳士(品行方正、非の打ち所の無い人)

第2部(舞台:1938年・アメリカ)
アメリカ人(ケンカによる投獄7回のチンピラ風の少年)

第3部(舞台:1987年・日本)
日本人高校生(不良のレッテルを張られている。度々暴力事件を起こしている)

第4部(舞台:1999年・日本)
日本人高校生(奇抜な髪型。でも中身は割と普通。ちょいワル少年)

第5部(舞台:2001年・イタリア)
ギャング志望の若者

と、シリーズを追う毎に、何とな~く俗っぽくなっていく傾向があるみたいですね(笑)

ジョジョシリーズは当時の少年向け漫画にしては珍しい、大河ドラマの体をとった作品ですが、その関係で、作中では"ジョースター家の血統"という言葉が目を見張るほど(飽きれるほど?)多くの場面で運用されている印象があります。ともすれば、それがキャラの人格の根幹を成す要素として強調される台詞さえ見受けられたり…。作中に登場する"黄金の精神"や"生まれついての悪"という言葉についても同様。良きにつけ悪しきにつけ、才能、もっと言えば遺伝的特質のユニークさを、原作者の荒木先生が、キャラ造形をする上で取り分け重要視している事が伺えます。

養父の無償の愛を受けながらも自らの性質を変える事のなかった1部のDIO、何不自由無い環境で育ちながらも殺人衝動を抑えられなかった4部の吉良、劣悪な環境で育ちながらも悪には染まり切らなかった本作のジョルノ、それぞれのキャラの個性の在り処は天性とは決して切り離せない場所にある様に思われます。

人は鳥になれないし、その逆もまた然り。思えば、わたし達生物にとって、最も身近な環境とは、外界ではなく、生まれ落ちる前から身に纏っている肉体そのもの。脳や四肢や内臓など…。ジョジョにおける"血統"とは、道徳講義の中で飛び出す「生まれは関係ない。人の価値は成した事で決まる」的な、後天的要素に過度な期待を寄せた綺麗事などによって度外視されるものではなく、むしろ個性の基盤として個々の魂に脈々と息づいているものなのです。生々しさという表現が適当でしょうか、ジョジョに登場するキャラには2次元作品では稀に見るリアリティ、はらわたを引きずり出したかの様な独特の気持ち悪さがあります(褒め言葉)


作画について、4部に続いて最高水準のクオリティ。これまでのシリーズとは比べ物にならない程、複雑怪奇な能力を有するスタンドが数多く登場する第5部なので、漫画表現をどの様に調理してくれるのか興味津々です。比較的単純な能力なので描き易かったのかも知れませんが、ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ、ポルポのブラック・サバスの表現については完璧でした。今後とも期待。

音楽について、シリーズを通して安定感抜群のOPEDは健在。OP「Fighting Gold」は前シリーズのPOPな曲調からやや攻撃的な方向に軌道変更している印象。疾走感のある曲になっています。エンディングの選曲については、今回も荒木先生直々のチョイスだそうです。やはりと言うか、さすが原作者、絶妙な相性…。Jodeci氏の「Freek'N You」は、まったりな余韻を残す良曲でした。


様々な境遇に置かれた人々の、歪に入り組んだ精神をダイナミックに描き上げる「ジョジョの奇妙な冒険」、その中では初の、ギャングという悪漢を主役に据えた、4部と並ぶ異色のシリーズ。

ギャングスターを目指すジョルノの旅、最後までしっかりと見届けたいと思います。


※1:英語のPartではなくイタリア語のParte。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」となっていた。漫画単行本のブックカバーの装丁としてあしらわれている文字も第5部(47巻~63巻)ではJOJOではなくGIOGIO。芸が細かい(笑)

※2:第3部の主人公でスタンド使い。ジョースター家の血統に属する。以降のシリーズにも度々登場。

※3:吸血鬼でスタンド使い。ジョースターの一族とは深い因縁がある。


船上のスタンドについて(必ずEpisodio 06「ムーディー・ブルースの逆襲」視聴後にお読み下さい)
{netabare}
「船は2隻あった!」

ブチャラティの台詞と共に明らかになった衝撃的事実ッ(笑)

ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の能力は、剣で刺さしたものを(人でも物でも)空気の抜けたゴム風船の様にぺしゃんこにしてしまうというもの。

船を2隻用意し、一隻を剣で刺してぺしゃんこにし、それをもう一隻の船に、服を着せる様に被せて、2隻を1隻に装っていたというのが上の台詞の意味するところ。(多分表面だけでなく内部まで。塗装でコーティングするみたいに)

皮膜の下をモゾモゾ徘徊して不意打ちを仕掛け、ペラペラになった人たちを、そこに引き摺り込んでいたんですね~。例えるなら、床下や天井裏に隠れた忍者が槍でブスリ!とか、排水溝に潜む得体の知れない怪物が、覗き込んだ人をを引きずり込むイメージでしょうか。あなおそろしや(汗)

ブチャラティがスティッキーフィンガーズで船体を攻撃した時、何故皮膜の部分にだけジッパーが開かなかったのか? それであっさりとからくりがばれなかったのか? と言う疑問を他の方のレビューで目にしましたので、これまでのジョジョシリーズを思い返しながら、あれこれと考えてみました。その理由は多分以下の3つ。

1.ブチャラティが皮膜の存在を認識していなかったから。だから皮膜ごとその下の船体をジッパー化してしまった。

2.1の補足ですが、スティッキーフィンガーズは"触れたもの"ではなく拳で"叩いたもの"をジッパー化するから。手加減をしなければ対象物と接触しているものにもエネルギーを伝えてしまうのではないかと思います。スティッキーフィンガーズは服を着ている人の肉体であっても、服越しに叩いて難なくジッパー化しているので、これは間違い無さそうです。(船に被せた皮膜を人間の着る衣服に見立てると解りやすい)

3.通常の物質と"スタンドが融合した物質"は区別出来ないから。

が挙げられると思います。

3も1、2の補足。3部のストレングスや4部のサーフィスを思い出してみると、これらは確か、スタンド使いじゃない人にも見て触れられる類のものだったはず。スタンド能力によってぺしゃんこになった船というのも"スタンドが融合した物質"に含まれるので、生身の手で触っても透けないし、認識し辛かったのかも。でもペラペラ皮膜で覆われた船体ってちょっとだけソフトだったりして(笑)

そしてもう一つ。ズッケェロが再起不能になった後、ペラペラになった仲間達ががパイプの中とかで復元したら危なかったんじゃないの? という疑問について。

もちろんそんなとこに入っていたら大変ですが、それをすると捕虜の位置があっさりとバレてしまう可能性があるので、(作中描写からも分かる様に、もしそうしていたらアバッキオ&ブチャラティに見破られていた)ズッケェロはそうしなかった。

パイプも皮膜で覆われており、両者の隙間に捕虜を隠していたと想像するのが妥当と思います。(それでも狭い場所で復活したらやっぱり危険ですけど)

最後に残った疑問は船底をどう修理したか。内側の船にだけ穴を開けても沈まないし、両方に開けたら両方沈んでしまう。描写が無かったんで何とも言えませんが、船底までは皮膜で覆っていなかったとか…(笑)

これで気兼ねなく次回のジョジョも楽しめますね…って、やっぱりご都合?
{/netabare}

おまけ「中の世界」
{netabare}
(以下、作中人物の台詞とは一切関係ありません)

花京院「ポルナレフ、体の中とか船の中とかさかんに言ってますが、体にも船にも『中の世界』なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。」

ポルナレフ「なに言ってんだ、おめーも見ただろ? 人がジッパーの中から出てきたり、空気の抜けたゴム風船みてーにぺしゃんこになるのを!」

花京院「ええ しかし人体や船体の中にあるのは肉や骨、船室やエンジン、ただそれだけです。」

ポル「教えてもらわなくたって知っとるぜーッ いいか! この場合だぜ! 今の場合をいっとるんだよ! スタンドがあるなら『中の世界』だってあるだろ!」

花京院「ないです」

ポル「おめーなぁ~」

最大の謎はこっちですね。折り畳まれた次元に隠しているとか何とか…ツッコんだら負け確定の設定なので、ここら辺でやめときます(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

流石…としか言いようの無い出来映えの作品でした。

この作品の原作は未読です。
アニメは1期未視聴で2期目からの視聴になります。
1期はアニメこそ見逃しましたが、原作を途中まで読んでいたのでこの作品の持つ独特な雰囲気は知っているつもりです。

いよいよ4期になりました。
今度の主人公であるジョルノ・ジョバァーナは、何とジョースター家の宿敵・DIOと日本人女性の間に生まれたDIOの息子に相当するんです。
3期からジョースター家 vs DIOの構図は大人しくなりましたが、まさかDIO系主人公が登場するとは夢にも思っていませんでした。
まさかジョースター家がラスボスになる筈はありません。
主人公を入れ替えただけで、こんなにも物語が先読みできなくなるなんて…
これまでこの作品が積み上げてきたものが、どれほど大きかったのかが窺えます。


イタリア裏社会を牛耳るギャング組織「パッショーネ」に属する青年ジョルノ・ジョバァーナ。
彼には街に麻薬を流す組織の【禁則事項】を倒し、街から麻薬を排除するという夢があった。
謎に秘められた【禁則事項】に近づくため、同じ夢を抱く幹部のブローノ・ブチャラティ率いるチームと共に【禁則事項】 。

~中略【禁則事項】~

ジョルノやレオーネ・アバッキオ、グイード・ミスタ、ナランチャ・ギルガも、 ブチャラティと行動を共にすることを選択する。
『正義』を信じ『苦難の道』を歩み始めたジョルノたちに、『運命』が立ちはだかる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂こうと思いましたが、あまりにネタバレ要素が強く、肝心なことは何一つ書けなかったような気がします。
なお、公式HPのINTRODUCTIONの【禁則事項】の部分には、本来違う文言が入っていますが、こちらもネタバレ回避を優先したため全く意味不明の文章になっていますがご理解頂ければと思います。

主人公のジョルノですが、いくらDIOの血を引いているとは上、立ち振る舞いはまるで真逆…
凝り固まった正義感…は感じられませんでしたが、仲間を守ることに至っては、まるでジョースター家の一員と言っても過言ではないくらい一本芯の通った人間だったと思います。

この作品の最大の魅力は登場するキャラが兎に角格好良いこと…
ジョルノの加入したギャング組織「パッショーネ」のチームリーダーの一人であるブチャラティを筆頭に、アバッキオ、ミスタ、ナランチャ、フーゴが同じチームメイト…
それぞれに共通しているのが、全員スタンド使いだということです。

完走後にwikiをチラ見して知ったのですが、この作品も原作漫画をほぼ忠実に再現しているんだそうです。
進撃の巨人を見た時も感じたことですが、漫画家の頭の中って一体どうなっているのでしょう…
1期の頃から何もかもが激変していると思います。
どうしてこんなにも面白い物語が考えられるんだろう…
どうして頭に浮かんだイメージをしっかりと形にできるんだろう…

正直序盤は、他の作品の視聴にかまけて視聴が遅れてしまっていました。
でも休みの日に後れを挽回しようと集中して視聴した時と、たまたま物語の面白くなるタイミングが一緒だったんでしょう…
一気にハマってしまいました。

ブチャラティの選択した道は、組織に加入している人間にとっては恐らく最悪…
でも、組織より己の選んだ道…人間としての尊厳を重要視するんですから堪らないんですよね。
相手のスタンド能力が分からないというハンデを抱えながら、ヒリヒリする様な命のやり取りを何度も繰り返すんです。

自分たちが絶対の強者ではありません。
実力は常に紙一重…時には偶然や機転に救われた事だって一度や二度じゃありません。
ジョルノがチームに溶け込んでいくのが見ていて嬉しかった…
ジョルノの言葉をみんなが聞くようになってホントに良かった…

一歩間違えたら確実に死に至る…
その判断を新参者であるジョルノに任せる…?
実績も何もないジョルノを信じる…?

事が重大であればあるほど信じるのは難しいと思います。
でもそんなことはジョルノだって百も承知です。
だからジョルノは仲間に信じて貰うところから彼の物語は始まるのですが、完走して振り返ってみると、それほどの時間はかからなかったと思います。

難しい出来事が無かったからでも、チームとしての頭脳レベルが低かった訳でもありません。
ジョルノが何度も身を挺して信頼に値する実績を作ってきたからにほかなりません。
彼が仲間から厚い信頼を得るために何をしてきたのか…物語の見どころの一つだと思います。

物語の終盤…何とも懐かしい顔を拝むことが出来たのは嬉しい誤算でした。
もうずっと会っていなかったのに…まさか同じ時間軸を共有していたなんて…
きっと3期までの作品を視聴済の方なら同じ感覚が共有できるのではないでしょうか。

ブチャラティやジョルノの夢は叶うのでしょうか。
そしてなぜ作品のタイトルが「黄金の風」だったのか…
しっかりと伏線が回収される構成だったと思います。
壮大で死線を何度も潜り抜ける彼らの壮絶な物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Codaさんの「Fighting Gold」と、ハセガワダイスケさんの「裏切り者のレクイエム」
エンディングテーマは、Jodeciさんの「Freek'n You」と、Enigmaさんの「Modern Crusaders」

3クール全39話の物語でした。
物語の終盤、もしかしたら3クールで終わらないんじゃ…と思った事もありましたが、綺麗に纏まっていたと思います。
そしてこのシリーズがここで終わらないという布石が見れたのも嬉しかったですね。
原作は未だ連載が続いているようなので、今後の作品もアニメ化されるのを期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

4話までの感想{netabare}
アニメもとうとうこの期まで来てしまったか…。
原作は初期の頃読んでたけど、この第5部で脱落したんですよね、自分。
理由は「ようワカラン、ついていけない」でして…決定的だったのは確かブチャラティが{netabare}「ボートはもう一隻用意してたのさ」みたいな展開だったところ。{/netabare}
マジで意味分からなくてのう、それ以前から「何が分からないのか分からない」のがじわじわ溜まってて、理解できるまで読み込もうって熱意も冷めてもういいやと脱落したのでした。
アニメもここまでは全部見てきてたけど、果たして5部はどうなるかな?

と、まだ4話までしかやってないけど…これは期待できる?
懸念の「何が分からないのか分からない」が分かりやすくなってるというか。
厳密には違うのかも知れないが解釈の仕方として、ジョルノのスタンド攻撃食らうと頭の回転が速くなりすぎて肉体がついて来ない。
この程度のことすら原作だと理解し辛く、そこが理解できても次が厄介で…。
精神が暴走すると肉体がゆっくりする←なんで?
気ばかりが先走るってことだと解釈してたけど…それプラス空回り起こしてるってことでいいのかな?
この部分は原作読んでた頃は「なんで?」って疑問すら沸かなかった、「何が起きてるのかようワカラン(とにかくそういうもんだと納得するしかない)」とモヤモヤしたまま読み進む羽目になってた。
うん、アニメのおかげで「何が分からないのか分かった」、こ、これはデカいんじゃないか?
分からない部分が明確に分かったのならあとは好意的解釈なりスルーなりできます、話が面白ければ…つまらなけりゃ「ここおかしいじゃん」と突っ込むことになるけど。

ジョジョって元から設定はテキトーで突っ込み出したらキリがない、あくまで物語の面白さ(勢い)で矛盾を踏み抜くスタイルだと思うので──「何を踏み抜くのか」が分かっただけでもアニメは良く出来てると言っていいんじゃない?
例を挙げれば服と体の間にできる影に潜めばいいじゃんとか、銃をバナナにしたところで自殺してくれる確証はないよね?とか。
ゴチャゴチャ言い訳しないで「いいんだよ、そっちのが盛り上がるだろ?」って勢いで今後も突き進んでくれたらかなり楽しめるんじゃないかなぁ?


余談
OPのファイティングゴールドは空耳込みで最後に「スラングルー!」と叫びたくなる。
前期には“ぐらんぶる”って作品も放送してたし、なんだ?国際映画社が流行ってるのか?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
やべぇ、やっぱり意味ワカンネーwwwwwww
アニメだったら分かるようになってるだろう、と期待してたんだけど…自分の理解力が無さ過ぎなのか?
と、ここの感想見てやっと理解できました。

船をもう一隻用意してたのは敵の方だったのか!

てっきりブチャラティが前もってそう準備してたってことだと思い込んでました…思い込みって怖いのう。
ってかさ、もう一隻被せてもチャックでバレバレじゃんって思わない?
そのせいで、「そんなことはないだろー」と早い段階で選択肢から除外してました。
「そういう能力なんだからそうなんだよ」ってのがジョジョのお約束なのでツッコミは極力したくないんだけど、灯台下暗しにもならないっていうか、「なるほどそういうことか」と膝を叩くよりも「えー、そんなーん?」と脱力するほうが上になったのは久々な気がする。

↑でも書いた様に原作を読んだのはここまで、ここから先は未知の領域です。
今後同じように脱力する展開が来たら困るなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
なんとか最後まで見ることが出来ました。
↑で原作は途中で読むの止めたと書いたけど、そうはいいつつちょこちょこは見てて…特に「え、ポルナレフ出るの?」ってことでその辺りは飛び飛びで読んでたことを思い出したり。
所詮飛び飛びなので内容全然理解できなかったんだけどねー。
で、アニメ見てみて痛感、こりゃ原作(マンガ)だと「どういうこと?」とページめくる手が止まって読めないやww
アニメでもよくワカランw、けど放っておいても話が勝手に進んでくれるので問題ナシ。
元々深く考える作品じゃないしね…良くも悪くも勢い重視で「細けぇこたぁいいンだよ」で済まされてるだけで、これが他の作品だったら苦情殺到だろうなとも思ったり。
映画であった印象的なシーンをそのまま持ってきたんだろうなと思う所もあるし、または印象的なシーンを先に考えてそこから話を組んだんだなというのが丸見えな部分もあったり。
まー良いんです、JOJOだから!
ポルポの入団試験の時、巻き込まれて殺された清掃員の罪を問うマネしといて、カビスタンドの時の犠牲者には何も気を払わないとか、いいんです。
体内の鉄分ってそんなに無いだろと思っても、いいんです。
トリッシュの存在がバレたところで果たしてボスの正体突き止めることに繋がったか疑問だけど、いいんです。
他にももっとあった気がするけど、いいんです、JOJOだから。
とりあえずどんな内容だったのか知れただけでアニメ化の価値はあったと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
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