Witch さんの感想・評価
4.7
マケイン(負けヒロイン)だからこそ描ける物語がある
【レビューNo.150】(初回登録:2024/11/3)
ラノベ原作で2024年作品。全12話。
節目のレビュー150本目は前期2024夏アニメから覇権のコレでいこうかと
(ストーリー)
主人公・温水和彦は、ラノベ好きの目立たない”モブキャラ”的存在。
しかし偶然クラスの八奈見杏菜がフラれている現場を目撃してしまい、
以降関わりをもつことに。
そしてその後も焼塩檸檬、小鞠知花といったマケイン(負けヒロイン)
の失恋シーンに遭遇することになり・・・
(評 価)
・サブタイから飛ばしてくるマケインたちの見事な負けっぷり
本作は通常のラブコメ作品とは異なり、フラれるマケインたちの見事
な負けっぷりを「モブキャラ主人公」の温水の視点から描いていくと
いう、新感覚のラブコメになります。
この辺りはサブタイから飛ばしてきて
・食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜の負け戦
「プロ幼馴染 八奈見杏菜の負けっぷり」
・元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬の負け戦
「約束された敗北を君に」
・人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花の負け戦
「戦う前から負けている」
個性的なマケインたちが派手に転ぶ様を序盤から畳みかけてくるという・・・
特に第1話の掴みから秀逸で
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八奈見さんについてはいつも何か食ってる感じで、公式の方でも
「八奈見杏菜カロリーメーター」
とイジられる始末ですね。
・登場人物は皆おかしい?!最後まで面白く完走
個人的に第1話を視聴して感じたのは
「マケインの見事な負けっぷりはいいとして、出オチで終わらないか?」
という懸念でした。
しかしその後もストーリーも失恋と向き合おうとしたり、今までの自分を
変えようとしたりとちゃんと面白いんですよね。
「マケインだからこそ描ける物語がある!」って感じで。
温水もついに「傍観者のモブキャラから卒業か?!」と思ったら肩透かし
の連続だし。
また3人のマケインもさることながら勝ち組ヒロインのみせ方なども◎
・八奈見さんの恋敵・姫宮華恋
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・檸檬の恋敵・朝雲千早
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・小鞠の恋敵・月之木古都
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ネット民の心を掴むキャッチーな描き方がホント上手い!
また彼女達も恋を成就したとはいえ、(マケインに対して等)いろいろ思う
ところがあるようで・・・
そういうところも上手く拾っていると思いますし。
この他にも重度のブラコン・温水佳樹だったり生徒会役員や先生に至るまで
登場人物は皆一癖も二癖もあり、作品を盛り上げてくれたという印象ですね。
原作は「第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作」のようで満を持して
のアニメ化でしょうか。
作画も背景の映像美や八奈見さんのコロコロ変わる表情だったり、水道の表現
だったり、その他細やかなアニメ演出などもよく出来ていたと思います。
声優陣では小鞠の内向的な性格を表す、寺澤百花さんのドモリ口調の演技が
ホント上手かったと思いますし。
三角関係を描いた作品なのでともすれば険悪なムードになりそうですが、それ
をカラリとしたコメディ展開であったり、エモさの残る演出だったりでみせる
高いレベルで創られたラブコメ作品だったと思います。
またセリフ回しとかにも原作者の非凡なセンスを感じましたし。
OP『つよがるガール/ぼっちぼろまる feat. もっさ(ネクライトーキー)』
・マケインを前向きに唄った、作品を盛り上げた良曲
ED『LOVE2000/八奈見杏菜』
『CRAZY FOR YOU/焼塩檸檬』
『feel my soul/小鞠知花』
・全てマケインキャラによるカバーだが選曲が秀逸
(追 記)
八奈見さんの
「コンサルタント・・・それってコンサルってことだよね?」
ってセリフにネット民から
「進次郎構文かよ!」
とツッコミが入ったのは(総裁選直前の)タイミングもピッタリでめっちゃ
笑ったw