自主制作で猫なアニメOVAランキング 1

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの自主制作で猫な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の自主制作で猫なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.2 1 自主制作で猫なアニメランキング1位
彼女と彼女の猫(OVA)

1999年10月1日
★★★★☆ 3.3 (225)
1100人が棚に入れました
都会で一人暮らしをする彼女と、偶然彼女に拾われた一匹の猫の物語。ある日、彼女の留守電に彼からのメッセージが入る。

『彼女と彼女の猫 -Their standing points-』は、新海が日本ファルコムに勤めながら作った作品であり、完全に個人で制作された5分弱のモノクロアニメーション作品である。生活していくことの漠然とした寂しさ・微かな痛み・ささやかな温もりなど、言葉では伝えにくい感情を映像と音に託した作品で、心の琴線に触れるそのプロット構成や、全編モノトーンながらも緻密に描かれた作画やカット割の良い演出などは、従来の自主制作アニメーションのクオリティーを遥かに超え、高く評価されている。また、音楽は天門が手がけており、これが新海のアニメーションの魅力を引き出すことに成功している。これらの画面描写や演出技法、天門との音楽性の一致などは、後の新海作品のまさに原点となっている。編集の違いにより、フルバージョン・3分バージョン・ダイジェスト版の3つのバージョンが存在する。後に制作・販売された『ほしのこえ』のDVD版に映像特典として収録された。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

新海監督の素粒子的作品

新海監督による1999年の完全自主制作アニメ。
第12回CGアニメコンテストグランプリ受賞作。
デビュー作でもあり、彼の原点、素粒子を感じることができる作品なので、
新海監督ファンの方には必ず観ておくことをオススメ。

物語を追っていけば、それはとても単純な日常の、
よくあるシーンだったりするわけだけれど、
この作品の主人公はあくまでも、飼い猫。
監督の飼い猫でもあり、「猫の集会」や「秒速5センチメートル」
「空のむこう 約束の場所」などでもおなじみの、あのチョビの物語なのだ。

なのでチョビと住む「彼女」の詳しい背景はほとんど描かれず、
チョビから見る、彼女の日常の、さびしさや痛み、
そんな彼女への想いが、ナレーションとして入る。

目で見えるものや聞こえるものだけでなく、春の雨や香水の匂いや体温など、
五感で想像させるシナリオは秀逸。
そしてモノクロ映像のため、かえって観ている者にイメージを抱かせる。

精密な作画はやはり、さすが!といった感じで
そのくせチョビだけは四コマ漫画みたいに、すごくイラストチック。
よく見るとその顔は、新海監督自身にそっくりだったりして笑える。
その対比も面白いし、おそらく猫までリアルに描いてしまったら
それはそれで美しいだろうけれど、何かがぼやけてしまうんじゃないかと思った。

ほんの5分という短い作品だが、モノクロであっても伝わる作画の美しさだけでなく、
雨や雪の描写、セミの鳴き声や部屋の中での足音、電車の中で聞く音、
それから男女交互に、または同時に同じセリフを重ねる手法など、
新海監督の作品に必ずと言っていいほど登場する、欠かせないモチーフが
凝縮されていたことに、思わずニヤッとしてしまう作品だ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

猫、かわええ。

新海誠氏の初監督作品です。
ジャンルは癒し系です(私感)。
「ほしのこえ」をレンタルしたら入っていました。
短い作品なのであらすじはカットします。
5分程の作品。

作画に関しては動きがないですがとてもきれいで洗練されています。
とにかく猫がかわいい。
私は猫アレルギーなので近づきたくないですが、あれはかわいい。
本当にいたら自分から近づいて行ってしまうでしょうw


総括して、猫の可愛さ、何気ない生活を送ることの大変さが表れていたと個人的に思いました。
文句をつけるならば、サイレント映画にした方が良かったのではないかなと思います。
無駄にしゃべるよりもそちらの方が伝わるのでは?
何にしろ新海誠ファンであるならば、初作品なので見てみるのも良いでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

お茶 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「この世界のことが好きなんだと思う」<修正>

新海監督作。

オス猫視点で語られる彼女との日常。
ほんのたいしたこともない日常。色っけのないモノクロで語られる日常。
だからこそ想像する液晶の向こうは色がついたように自然に、
自然だからこそ当然にその空気や色が、本来見たことがあるかのように観えてくる。

猫は気まぐれだ。それは誰もが知っていることだろう。
猫はきまぐれだけれども帰ってくるときだけは知らせてくれる。
帰宅する時も寄り添ってくれる。

時に、いつの間にか行方知れずになるときもあるけれど、
春の匂いを身に纏った彼女と、彼女の細い指先が、
午後の日に揺られ温かに春を呼んでくれる。
桜の花びらは、出逢いと別れを予感させるように、
くるくると舞いながら、無邪気に風の方へ流れていった。

遥か上空の黒い雲の流れる音と、彼女の心と僕の気持ちを、
桜吹雪は全てを吸い込んで、でも彼女の乗った風の音は、
ピンと立ち上がった僕の耳に届く。僕も、それから多分彼女も
「この世界のことが好きなんだと思う」
だから同じ風の中で・・・

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ページの先頭へ