群像劇で大学生なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの群像劇で大学生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月19日の時点で一番の群像劇で大学生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.9 1 群像劇で大学生なアニメランキング1位
俺たちに翼はない(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (806)
4614人が棚に入れました
大都市「柳木原」(やなぎはら 略称ギバラ)では、今日も誰かのありふれた物語が生まれていた。季節は冬。寒さが厳しい白い空。心に悩みを持つ若者たちが繰り広げる群衆劇。そんな若者たちが傷つき、笑いあう。どこにでもあるような恋物語が今語られる。

声優・キャラクター
吉田真弓、小野涼子、後藤邑子、又吉愛、浅井清己、たかはし智秋、下野紘、三浦祥朗、諏訪部順一、日野聡、荻原秀樹、石川英郎、杉田智和

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界が平和でありますように

序盤は全く内容がわかりませんでしたが、ストーリーが進むにつれ内容がわかってくるとともに面白さが湧いてくる作品でした。


この作品の概要は・・・
三人の主人公の日常的な話になります。
一人目の主人公は学生で気弱な性格の羽田鷹志。
二人目の主人公はレストランで働くお茶目でノリの軽い性格の千歳鷲介。
三人目の主人公は夜に便利屋の仕事をするハードボイルドタイプの成田隼人。
この三人がそれぞれ各ヒロインを交えて、テレビのチャンネルが切り替わるように日常のストーリーが進むお話です。


この作品の見どころは・・・
この作品に関してはネタばれなしでは見どころは語れませんのでご了承ください。
またプチ見どころとしては、たくさんのパンチラの映写が楽しめる、漫才気味の会話が楽しい、各ヒロインがみんな魅力的で特に鳳鳴役の「後藤邑子」の演技がとても可愛い、といったところでしょうか。


この作品の序盤の展開について・・・
第1話目から主要キャラが次々と登場し、誰が誰だか非常にわかりにくい展開。
また、場面の移り変わりが激しいのでストーリーについていく事が難しい感じでした。
それにファンタジーの世界も出てきた時はその展開に呆れた気持ちになってしまいました。


中盤から・・・
しかし第4話でこの作品の本質がわかってくると面白くなってきた・・・と思いましたが直ぐに下落。


後半から・・・
第9話から今度こそ面白い展開になってきました。
特に第10話で成田隼人が非常にスッキリする行動を見せて、これからの展開に期待が持てる気持ちにさせてくれました。
そしてこの後からファンタジー世界の設定も良い設定だったという気持ちになれました。
最後まで見る事によって第1話目にも繋がり、この作品の面白さが実感できるのでは?と思います。


これから視聴する方へのアドバイス・・・
各回ごとにもよりますが、中盤ぐらいまでにあるOP曲前の2分程度のエピソードは本編とは関係ないおまけのようなサービスエピソードなので、この点を知っておいて視聴するだけでもかなり混乱を防げるかと思います。


番外編について・・・
OVAでみんなで温泉に行くエピソードが製作されております。
このエピソードは本編以上のエロ満載。
本編ではシーンによっては規制がかかっていましたが、このOVAではバッチリと露骨に見ることが・・・。
温泉ですからね(笑)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

お下品ハーレム物

1話視聴。
のっけからハーレム全開、下ネタ全開。
さすがにひいた。
キャラはかわいいとは思うが・・・
1話の最後で異世界の話へ???
ん~話の展開がわけがわからない。
とりあえず、しばらく我慢して見てみようと思う。

2話視聴。
のっけから酷過ぎる・・・
相変わらず話が支離滅裂。
ん~もう1話ぐらいは見てみるが
このままなら切り確定しそう。

3話視聴。
相変わらずひどいオープニング・・・
だめだ・・・
切り。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

マジ天使 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぶっちゃけ王雀孫は神

原作プレイ済み
タイトルは原作者「王雀孫」へ賞賛を込めたネタです。

■総評
「4話までは見るべき」タグなのですが、これは公にこの作品のネタバレをしています。
他の作品と違いネタバレしてからが面白い。初見で繋がらなかった事が気持ち良いくらい分かる。
視聴者にミスリードをさせたり、混乱させるような進め方ですが、見終わってみるとよくできたシナリオだなと関心しました。
4話以前やネタバレに関心がないと「訳の分からないアニメ」になりそうです。
そのため視聴者の理解度などが大切なのかなと思います。
考察wikiに人物関係図などあるので参考にすれば分かりやすいかと思います。
また、面白かったという人是非「もう一度見直してください」複線の張り方や時系列に気づき謎がより分かる作品です。
ちょっと捻くれたシナリオですが、「アニメではストーリー重視」な私は楽しく見れました。

■原作プレイ済が感想を書くと…
俺つば原作3本プレイしましたが、原作プレイした人なら楽しめる作品だったのではないのでしょうか?
1話のEDでミスリードさせたり、俺つばASでのネタなどプレイ済だと遊び心がありニヤニヤしてました。
また、7話での王雀孫シナリオには大分笑わさせていただきました。

■まとめ
①Hなシーンについて
「露骨なパンツ」「エロシーン」など、どうしてこうなったと言いたい所もありましたが、全体的に見れば私はさほど気にならなかった。
序盤の夢テレビや8話の問題のシーンも「メタ的要素」の複線だったのかな。
②おおよそテレビ向けじゃない設定でしたが原作を損なわずにオリジナルENDで閉められたアニメ製作者に感謝。
③特に4話のネタバレからの7話が面白く後半に進むにつれ勢いが出るアニメ

「飛べない鳥たちのとりとめのないお話」ですが
 「主人公たちに翼はないこともないんだな」と思うようなアニメでした。

以下お世話になった考察サイト
ttp://www45.atwiki.jp/ore-tuba/

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

78.7 2 群像劇で大学生なアニメランキング2位
風が強く吹いている(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (418)
1425人が棚に入れました
夜。逃げるように街を駆け抜ける蔵原走(くらはらかける)。その横に、不意に自転車が走り込んで来る。見知らぬ男が、走に向かって問いかける。「なあ!走るの好きか!」。男の名は清瀬灰二(きよせはいじ)。走は、灰二に導かれるまま、竹青荘という古びたアパートに辿り着く。そこに暮らす個性豊かな9名の住人。最後の空室を勧められ、戸惑いながらも、押し切られていく走。まさか自分が、『10人目の男』だとは、夢にも思っていなかった…。

声優・キャラクター
大塚剛央、豊永利行、内山昂輝、入野自由、榎木淳弥、上村祐翔、興津和幸、株元英彰、北沢力、星野貴紀、木村珠莉、中村浩太郎、河西健吾、日野聡
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「あり得ない」のその先へ

 ぺー 「敗北を知りたい」
 同窓A「全く強すぎるというのも罪ですな」

仕事始めここ数年では恒例のご挨拶。箱根駅伝は年始の楽しみの一つな私。箱根路を疾走するランナーには遥か及ばないものの自分も走るので、彼らがどれだけ凄いかのさわりくらいなら理解できてるつもりです。

だからこそ視聴する前から「あり得ない」のはわかりきってたこと。ん?それ以前に、ランナーでなくてもそりゃわかるか。素人込みの大学生が箱根を目指す物語だなんて。。。
視聴動機は“三浦しをん”。原作の出来が仮に直木賞作家の駄作だったとしても一定水準は満たしてるやろ、とだいぶ上からの入りでした。どうもすみません。原作も漫画も未読です。


で、掌を返すわけであります。あり得るあり得ないはいったん置いときますね。全23話。ハイジの表情(かお)に全てが集約されてると感じた最終回。
注)いきなり最終回のネタバレなので観終わった人だけ開けてね!

{netabare}ゴール直前で膝爆弾が爆発した瞬間だけ顔を歪めました。しかしその刹那以降、ゴールテープを切るまで苦悶の表情を浮かべることは一度もありませんでした。{/netabare}
{netabare}これには正直やられました。ハイジが倒れるか大ブレーキで足を引きずりながらゴールするかのイメージしか持てなかったからです。脳裏に浮かぶはロス五輪のアンデルセン選手的な展開。{/netabare}
{netabare}9人が繋いだ襷の意味=ハイジが求めた“走る意味”がシンクロし、プレッシャーや不安とは別次元の喜びに満ち足りていたあの表情です。おそらく選手としては人生ラストラン。″頂点”を見つけてカケルのもとまで辿り着き崩れ落ちました。理想の走りに近いと評されたカケル。なぜ走るのか?一生かけても未完で終わるだろう物語の襷はハイジからカケルへと託されたのです。{/netabare}
そのハイジの表情に至るまでの紆余曲折が丁寧に描かれた青春ストーリーでした。

メインは学生寮竹青荘住人の寛政大学に通う大学生10名。


ハイジ(清瀬灰二)声豊永利行
カケル(蔵原走)声大塚剛央
ニコチャン(平田彰宏)星野貴紀
ユキ(岩倉雪彦)声興津和幸
キング(坂口洋平)声北沢力
神童(杉山高志)声内山昂輝
ムサ(ムサ・カマラ)声株元英彰
王子(柏崎茜)声入野自由
ジョータ(城太郎)声榎木淳弥
ジョージ(城次郎)声上村祐翔


すくすく伸びゆく″青竹”の字が逆転していることが何かを指しているのか、皆ここに至るまで何かを諦めたり挫折したり、痛みを抱えている面々です。
メイン10名と登場人物が多い弊害は、2クールかけて各人に焦点をあてられたことであまり気にはなりませんでした。
取ってつけたような理不尽エピソードによるトラウマ発生ではなく、なにかどこかでちょっとボタンを掛け違って停滞してしまった駅伝メンバーたちです。
{netabare}ケガに対して切り捨てる監督と焦るなと慮る監督。結果として教え子二人は走ることに背を向けます。本人の意向より適性を重視する監督もいました。何が正解だったかはわかりません。正解がないからこそそれでももがいて足掻いて答えを見つけ出そうとする彼らに共感を覚えました。{/netabare}


放送が日テレ系と本職の駅伝中継職人だったこともあって予選会を含めたレース再現度は高いです。
そのため走ってる人がついこの間まで素人だったということを除けばレースの臨場感は充分伝わってきました。

よくある高校の青春ドラマと比較して自由度の高い大学生という設定。選択肢が多くある中であえて無理ゲーに挑む彼らの心の変化をぜひ見ていただきたい。
挑む壁は無理ゲーだとしても、挑戦を通して向き合わなければならない自分自身の課題は身近にありそうな素材ばかりです。


 「あり得ない」のその先へ


箱根を目指すという題材のリアリティはほぼ無いといって差し支えがなくても、描かれる人物にはリアリティを感じられる。
本作は後者の視点により軸足を移すことで満喫できました。逆に前者が気になると本作は楽しめません。こういった場合こう思うわけであります。


 物語くらい夢があってもいいよね


嗚呼、久しぶりに使うこのフレーズ。そして物語には続きがあるのです。

{netabare}まずは微笑ましいやつ。。。
・ジョータ続けてるんかい!
と走りに魅せられたこの間までの初心者さん。
・カケルと藤原の終わらない旅
常人には見えない景色を二人は見ていてさらにその先を追い求めて止まないことでしょう。
・ハイジの親父さん
王子の公認記録突破の時のハイジ。大事なところでは寡黙なのは親譲りなのか。
時は流れて、親父さんは妻とは離れた場所で息子を見守る。贖罪?応援?息子への想い? 震えるストップウォッチに父親が息子に抱く感情が痛いほど伝わってくる。父もつらいのだ。
そして、ハイジは父と同じ指導者の道へと進む。{/netabare}


カケル、ハイジ、そして王子の人気が高いようですが、誰が良いとかはあえて触れず。
バラバラだった10名が繋ぐ襷の物語。力作です。


■オマケ1
酒を飲むときくらいはちょっと陸上から離れようかww
{netabare}最終回Cパート。一升瓶の差し入れは右手に『天下の険(麦)』左手に『ニライカナイ(泡盛)』
箱根から理想郷(ニライカナイ)へ(笑)
ユキかニコチャン先輩は気づいてそう{/netabare}


■オマケ2
「予選会は昭和記念公園に隣接する自衛隊駐屯地からスタートする」
軍用飛行場が母体のこのエリア近所には今は社名変わって存続中の“立飛飛行機”があり、冬期作品「コトブキ飛行隊」の“隼”の製作協力をしてたりしました。
軍用研究の名残りなのか同じくご近所には「宇宙よりも遠い場所」でお馴染みの“極地研究所”なんていうのも。聖地巡礼が捗るかもしれません。
{netabare}そういえばハイジの親父さん、一人で見に来てなかったな?これは自信ない。{/netabare}


あー、ちょっと恋要素は蛇足に見えました。



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2019.08.28追記


視聴時期:2018年10月~2019年3月リアタイ視聴

前半ED「リセット」がお気に入り



2019.04.20 初稿
2019.08.28 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

それぞれが感じる、美しきこの世界

アニメーション製作:Production I.G.、
監督:野村和也、
シリーズ構成・脚本:喜安浩平、
キャラクターデザイン:千葉崇洋
原作:三浦しをん

完璧なフォームで走る蔵原走(カケル)。
それを自転車で追いかける清瀬灰二。
猛スピードのなかで、灰二は問いかける。
走るの好きか?

主人公のカケルは、高校時代に
長距離の有望選手だったが、陸上をやめてしまっていた。
ある日、竹青荘の寮長である灰二から誘われ、
カケルは寛政大学の寮に住むことになる。
そこは灰二が何年もかけて計画していた
箱根駅伝を目指す陸上部のための住まいだった。
事情を何も知らされていなかった寮生たちは、
灰二に翻弄されながらも箱根駅伝に向けて走り出す。

どれだけ上手く嘘をついているか。
創作物を目にするときに私が重視していることだ。
サークルにも入っていない大学生たちが
1年足らずで箱根駅伝出場を目指す。
このあらすじを読むだけなら、そんなことは不可能、という
ひと言で終わりだろう。
健康ブームにも乗り、昨今は市民ランナーが増えている。
走ることに対するリアリティの感覚は、
より厳しくなっていると思う。
ジョギングの経験がある人なら分かると思うが、
1キロ3分のタイムは、普段から走っている人でも
才能がなければ、まず難しいスピード。
それを20キロとなると、ほとんど超人だ。
しかし、この作品はキャラクターの心情に寄り添い、
過程をとても丁寧に描いているため、
いつの間にか嘘の物語に引き込まれてしまう。

原作は未読だが、実写映画は視聴済み。
映画は2時間を超える作品だったが、
やはり、そのくらいの時間では
箱根を目指す描写が足りないように感じた。
その点、この作品は23話をかけて、
きっかけから葛藤、10人それぞれの想い、
ハードな練習、予選会などを描き切っている。
主人公ふたりはもちろん、ほかの部員たちの出身や
性格、バックボーン、家庭の事情、
子供のころの出来事など、細部まで考えられていて、
全員の人間像が見えてくる。
生き生きとしたリアルなキャラクター設定。
どの人物も本当に魅力的なのだ。

そして全話を通じて展開がとても上手く考えられている。
メンバーがひとつになっていく心の動き。
いちばん遅い王子の走りを皆で応援するときの団結。
カケルの過去を全員で共有する温もり。
「何のために走るのか」という
ジョージとジョータの問いに対する灰二の答え。
全ての出来事がラストに向かって絡み合いながら
一本の道になっていく。

{netabare}予選会の歓喜の通過後、箱根駅伝に挑む。
1区/王子、2区/ムサ、3区/ジョータ、4区/ジョージ、5区/神童、
6区/ユキ、7区/ニコちゃん、8区/キング、9区/カケル、10区/灰二。
走っているとき、それぞれの心に大切な思い出が蘇る。
全員が色々な想いを抱えて走っている。
秀逸なのがその時に自分の生き方を振り返り、
心のなかで何かが大きく変化する描写だ。

王子は灰二からかけられた言葉、
ムサは風呂場で灰二と交わした会話、
ジョータは弟への期待と葉菜ちゃんへの恋心、
ジョージは戸惑いと後悔、
神童は寛政大学ランナーの全ての想い、
往路5人それぞれの感情と向けられる期待を受け止めて走る。

特に心に残ったのは復路の21話の描写だった。
ユキは、カケルのスピードを箱根の山の下りで感じる。
その世界は美しいが、あまりにも寂しすぎた。
生きた人間には耐えられそうにない。
そのときにユキの母親の声が響く。
母は新しい父との間に妹を身ごもった。
とても柔らかい幸せそうな母の笑顔。
ユキは耐えられず、家族と疎遠になった。
その母が箱根まで来て、妹や義父とともに
息子のために声を張り上げていた。
ユキのなかで世界が変わるのだった。

ニコちゃんにとって走ることは、厳しく、楽ができない世界。
一度は完全に諦めてしまったことだった。
高校時代の顧問に体格の問題から
別競技への転向を薦められる。
走ることが大好きだったニコちゃんは、
そこで気持ちが切れてしまった。
灰二がいたから、また味わえた気持ち。
「走ることが好きだ、愛してる」
改めて想いが強烈にこみ上げてくるのだった。

キングにとっての現実は演じなければいけない場所。
しかし、走っているときだけは演じる必要がなかった。
そこは最も自分自身を感じられる世界になった。

カケルは、走ることについての特別な想いを
走り出す前から噛みしめていた。
そして、幻の自分を前方で見つめながら、
究極ともいえる領域へと踏み込んでいく。

灰二は怪我をしてから、ここまでの道のりを思う。
自分は弱いと思い、強さを求めてきた。
速いことよりも強さが欲しかった。
それを手に入れたことを証明するために、
灰二はゴールを目指す。{/netabare}

走ることによって辿り着くゴールは全員が違う。
しかし、タスキをつないで想いを共有できることは、
かけがえのない、とても幸せなことだった。

美しい世界が、確かにここにあった。


走ることに対するちょっとしたつぶやき。
{netabare}何のために走るのか。
昔は、よく考えた。
走ることは物心がついたころから大好きだった。
空気を切り裂き、筋肉が躍動する。
スピードに乗って加速した世界の変化に夢中になった。
それはユキが感じた「美しきこの世界」のようなものだと思う。

今でもよく思い出すのが中学の陸上部で
先輩たちとともに走ったインターバル練習。
学校の周囲の長い距離をゆっくりと走りながら、
合図とともに100メートルほどのダッシュを何度も繰り返す。
先輩から褒められるごとに自信を深めた。
しかし、学内でいくら速くても、
広い世界に出ると、速い選手はたくさんいる。
たった3キロほどの大会に出ても、
そのほとんどの時間がメチャクチャ苦しくて
耐えられないほど辛いものになる。
自分との闘い。
勝つためには限界を超えた苦しみを
ずっとひとりで抱えなければいけない。
何のために走っているのか分からなくなった。
私は高校生になってサッカー部に入った。

社会人になって忙しくなり、フットサルをやらなくなって
時おり、健康のためにひとりで走るようになった。
私はやはり走ることが好きなのだと実感した。
この作品を観ていると、そんなことを思い出した。{/netabare}
(2019年5月3日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 58

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

そして、次に襷をつなげるのです。

「風が強く吹いている」は
等身大の男子大学生が本気で箱根駅伝に向かって物語を創り、進んで行く作品です。

箱根駅伝出場は無謀ですか?
物事に本気で立ち向かったことはますか?
無理だと笑っている人に本気で笑い返せますか?
努力のあとの結果には何を求めますか?


竹青荘寮生は10人。
10人もいるけど、すぐに憶えられるほど個性的です。
その中で陸上経験者は3人。
陸上を諦めたニコチャン先輩
高校で実力がありすぎて孤立したカケル
過去に何があったかわからない主将ハイジ
残り7人は陸上未経験ですが全員が箱根の為に努力する姿はカッコいいです。

8話から面白くなってきます。
正直、本作品4話まで観て、物語の動きが鈍いなぁと思い保留作品にしてましたが、8話からは目が離せなくなりました。
中盤からは見逃せない展開で、チームとして順風満帆ではない物語の中でどの様に団結して行くのかも見所です。

最後まで襷をつなぐ箱根駅伝というスポーツの清々しい青春物語を楽しめます。

是非、観て頂きたい作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 59

88.7 3 群像劇で大学生なアニメランキング3位
四畳半神話大系(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (2938)
13638人が棚に入れました
『四畳半神話大系』(よじょうはんしんわたいけい)は、森見登美彦の小説。冴えない生活を送る京都大学3回生の「私」は、期待していたバラ色のキャンパスライフを求めてもう一度ピカピカの1回生に戻ってやり直したいと願う。本当はあったかもしれない学園生活が、4つの平行世界で繰り広げられる。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、坂本真綾、吉野裕行、藤原啓治、諏訪部順一、甲斐田裕子

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「君はそのままでいい。しかし、このままじゃ駄目だ。」

ループものといえば重い作品が多い。


たいていヒロインの死を回避するとか、ループから脱出するミッションな感じだったりと生きるか死ぬか!的な深刻さがありがちだ。


しかし、本作はコメディーな楽しいノリで、「孤独のグルメ」的に主人公の駄目な可笑しさを中心にサクサク見れる。


それでいて、終盤にループものであることが作品のテーマに密接に絡みあっているのが示され、最後は感動のラストで終わるんだから見事としか言いようがない。


1クールという短い時間を見事に活かした良脚本の例といってよかろう。


そして、本作はキャラ数を絞っているがそのぶん各キャラが濃いし活きているのがポイントだろう。


「私」や「小津」は、話の中心で勿論魅力的なのだが、私としてはなんといっても師匠と明石さんが本作で特に輝いているキャラクターだと言いたい。

樋口師匠は、何やってんのか?何を考えてるかサッパリわからん、世間一般の価値観からしたら社会の落伍者扱いされかねないフーテンなお方である。


しかし、世間とか社会が勝手に決めている正解なルートや生き方なんて何のあてにもならないものだ。


そんなルートなるものから外れても、いや外れてるからこそ師匠は飄々と人生を謳歌し、ちゃんと人生における本質的なことまで見通している。


この師匠の味わいは、やはりCV藤原啓治さんの力も大きい。本当にどうしようもなさそうにも見えて、決めるところでは決める説得力がある。


「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。」


「君は今の君にしかなりえないのだからドンと構えておれ。」


「君は薔薇色の学園生活などおくれるはずがない。何故なら人生とは雑多な色をしたものなのだからね。」


ん~、名言だねぇ~こいつぁ!。



そして、私の中で不動の女性キャラランキング首位を「ホスト部」のハルヒと並んで抑えている明石さんの素晴らしさは千万言を尽くしても語りきれないほどである。



明石さんの魅力をまず挙げるとしたら、凛としたその男前っぷりである。


とにかく、明石さんは解りやすく媚びた要素がない!。


「私」に好意を持っているが、解りやすく頬を赤らめたり、ドギマギしたりは全くしない。


静かにそっと「私」を支えてくれて、その好意は言葉の端々や微妙な態度の違いで匂わされるだけなのが美しい。


可愛い後輩女子キャラというより、清々しい少年や青年のような凛々しさがある、類型的でないヒロインなのが実にええ。


それに一見ヨーロッパの城塞都市のように堅固に見えるが、明らかにイケてない「私」だけでなく小津や師匠に対してもフラットに接してくれるのも素晴らしい。


さらに彼女はグループに与したりせず、平然と一人で行動している。


これから、彼女の偏見を持たずに真っ直ぐ接してくれる誠実さと、同調せずに自分の道をしっかり行く強さが見えるのだ。


明石さんの魅力は、恋人にしたいとか、嫁にしたい、なんてレベルのものではなく、一人の人間としてリスペクトしたくなるような数少ないキャラクターである点と言いたい。


そして、なによりCV真綾さんがピッタリ過ぎる!。真綾さんはなんでも合うタイプではないが、ハマり役に出会った時は奇跡を起こされるお方。


最後に蛇足ですが、本作の音声に「絶望先生」映像を合わせたMADの「四畳半絶望大系」はマジに神がかかっているので必見です!。ちょっと信じがたい一致度なので、本作見たら是非ご覧ください。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46

うい さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最近つまらないと感じてる人におススメ

この頃、なんかつまんないと思ってる人におすすめです。
このアニメは、あらすじにもあるよう大学生活でもしも別の道に進んでたらっていう話で展開していきます。

アニメ見終わって、大学生活とかいろいろやり直せたらな~なんてついつい思ってしまいましたが
そうではなくて劇中のセリフ
「今なら踏み出せる何十歩でも何百歩でも」とあるように、つまらないと思える今を変えるために行動を起こそうよという,メッセージだと勝手に解釈してます。

普段はツンデレアニメとかばっかり見てますが、たまにこういう作品を見るのもいいかなと思いました。



でもやっぱり明石さんがかわいいw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 78

U-tantan-U さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ノイタミナの傑作! "あなたを全力で駄目にします。僕なりの愛ですよ"

ノイタミナの作品。秀作が本当に多いですね^^先日あの花を完走するまではノイタミナno.1だった作品。現在はno.2です。あ、どうでもいいですね^^;w
ちなみにレビューのタイトルは登場人物のセリフの一部で、この作品があなたを駄目にするという意ではないのであしからず^^w


サークル活動を通じて、バラ色のキャンパスライフを夢見て大学に入学した主人公。しかし京都の大学に通う主人公は無意義な大学生活を送っていて、3年生になってしまっていた。"もしあそこで他のサークルに入っていたら..." "あいつと出会わなければ..." 自分は今頃求めていたキャンパスライフを送れていたかもしれない!そしてそれぞれのサークルに入った場合どうなるのか、並行世界として描かれていきます。


この手のループ設定は近頃よく目にしますが、ループ、パラレルはこういう風に描いたら面白いんだよ^^と示しているようにさえ思える作品。序盤の出だしの微妙な変化...見ている段階では「少ししか変わってないじゃないか!」と少しおっくうに感じるかもしれない。パラレルワールドものですからね^^; しかし、その微妙な変化にすこしずつ意味があったとしたら?伏線だったとしたら?物語の構造が明かされてからの回収とスッキリ感はたまらないです。


しつこいくらいに同じ言い回しがあったりしますが、独特の言い回しで見ていてそんなに苦痛ではないですし、とりあえず最後まで見てみてください<途中断念する人もいそうなので>。10話11話の構成が抜群で最終話のすがすがしさに心が晴れやかになります。


学生生活に後悔がない人なんて自分はいないと思っています。どんなに充実していても、何らかの悔いってありますよね...そうでなくても、人生において、あそこでこうしてれば良かった!なんてこと、いっぱいあると思います。そこの心理を上手くついて、ぶれないメッセージを送ってくれる作品なので、見終わった後に考えさせられることが結構あると思います。


まずもって、今の学生さんには絶対見てもらいたいです。また、最近のありきたりな設定のアニメに飽きた人、一風変わったものを観たい人にもオススメします^^


私はこれを見てとりあえず"今"について見つめなおしました。それがいい風に影響したかは自分次第でしょうけどww少なくとも前向きな気持ちにはなれます^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 58

87.6 4 群像劇で大学生なアニメランキング4位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (661)
2216人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

まったく、たまにこういう作品に出合うから面白い。

控えめに言って、そんじょそこらで放送している学芸会のようなドラマを見るくらいなら、この作品を観た方が絶対に面白いと思う。

確かに、全てが新しいアイデアと言う訳ではない。
最終回の大ネタでさえ、既に既視感のある展開ではあった。
しかしながら、この作品は素晴らしいと評価できる。
まずもって、

古今東西、タクシーがテーマの映画作品には「名作」が多いと感じている。
そして、たまに大胆な切り口の作品も登場したりするが、それでも「観れる作品」になっている印象のものが多いのは、タクシーという舞台装置がいろいろな人、場面、人生模様との親和性が高いのだろうと想像する。

さて、この作品。
あまり物語に触れる訳にはいかないが、
主人公のタクシー運転手:小戸川を中心に非常に多くの人物が登場する。
そして、複数のストーリーラインが同時進行し、それぞれがポイント、ポイントや人物同士でちょこちょこ交差していく。
非常に綿密に計算され、緻密に物語を紡いでいっているといってよい。
なので、観ているこちら側が混乱するケースもありそうなのだが、登場人物のキャラ付けがシッカリしている(即ち容姿が動物w)なので、意外と混乱はしない。
こういう意味でもヴィジュアル面でプラスに働いているのではないだろうか。

そして、作品自体の雰囲気もとても良い。
この「良い」と言うのは「いい気持ち」ではなく、落ち着いて、しかし、何かが着々と進行しているという、なんとも言えない不穏でダークな雰囲気なのだ。
主人公の小戸川もおっさんチックな落ち着きもあるし、登場人物が悪(ワル)はワルらしくて良い。
昨今は珍しくなってしまったハードボイルド雰囲気をもった、クライムサスペンスと言えるかも。
とても、映画的な雰囲気をもった作品だと思う。
なんなら、どこかのハリウッドとかでも映画化できるレベルのプロットだと思っている、私的には。


・・・さて、
メインストーリに絡んだ表面に見える犯罪(クライム)については、それぞれの悪(ワル)たちが、それぞれの場所に収まり、ひと段落をのテイを見せ。
それぞれの登場人物も、自身の理想を目指しての生活に戻りました。
が・・・、残った真の悪は誰なのか・・・、小戸川はどうなったのか・・・。

余韻を残す終わりとなっております。
詳細はご自身の目で観て、ご想像ください。
観る価値のある作品です。お時間をつくってどうぞ!!

それにしても、ジェンダーフリーのこの時代に、また、爆弾発言をしますが。
(物語の上でのことですが)
やはり、真の悪、恐るべきは女か・・・。
(ここは女性ではなく、オンナと言う表現がふさわしいでしょうw)

さて、この爆弾発言の意図するところとは?
これもぜひ作品を観て、ご判断くださいw。

最後の最後に私のツボポイントを一つw
「白川さんのカポエイラ」

以上です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タクシードライバーが撃ったものは何か

原案脚本、此元和津也。

冴えないタクシードライバーを、
主人公としたサスペンスフルな群像劇であり、
登場人物は全て擬人化された動物である。
主人公が運ぶ乗客の、何気ない会話から、
やがて失踪中の一人の少女に繋がっていく。

かつてスコセッシ&デニーロは、
戦争で心に深い傷を負った青年を通じ、
虚飾と不正義が蔓延する都会の病巣を描いた。
ここでもそうなのだろうか?
少女の失踪事件が物語の骨子にあるが、
回を追うごとに乗客たちの関係性が、
主人公を通じ点から線へと変わっていく。

{netabare}人が持つ承認欲求、格差が生むもの、
婚活詐欺の裏側、乏しい自己肯定感、{/netabare}
形容しがたいこの有様の底にあるものを、
社会や心の闇とは簡易に片付けるのはよそう。
我々は自覚もないままに人間社会を形成している。
最大の謎は主人公小戸川本人である。
{netabare}彼だけが目にする世界があるのでしょうか。{/netabare}

最終話視聴追記。
まずは設定、演出に称賛を贈りたい。
{netabare}平凡な犯行動機ではあるが返って、
人間社会を生き抜く難しさを物語っている。{/netabare}
少年小戸川の回想が非常に効果的である。

練りこまれた勇敢な物語でしょう。
好みの題材とあり、ほんとに面白い。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 52

71.3 5 群像劇で大学生なアニメランキング5位
げんしけん(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (666)
3848人が棚に入れました
笹原完士は大学入学を機にそれまで秘めていた「漫画・アニメ・ゲーム」への思いを分かち合えるサークルへ入ることを決意した新入生。
見学で訪れた「現代視覚文化研究会(げんしけん)」の個性豊かな「現視研」のメンバーと行動をともにしていくなかで、笹原はこの道に進む覚悟を決めていく。
ゆるやかなキャンパスライフの中にも笑いあり、涙あり、恋愛あり!?の笹原のオタクライフが始まるのだった。

声優・キャラクター
大山鎬則、斎賀みつき、ゆきのさつき、檜山修之、関智一、乃村健次、川澄綾子、清水香里、うえだゆうじ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ホモが嫌いな女子なんかいません!

今日の私の礎を築いた作品です
自分ってオタクかもって思ってきたら、是非この作品を見てください
主客不可分アニメ、まさに有意義な時間の消費を実現した、そんな作品でした


げんしけんというタイトルにまず原始時代を想像した私ですが
そんなはじめ人間的な要素は皆無で、「現代視覚文化研究会」という大学サークルによる、ゆる~いオタライフを描いたものです
私が見てきた中では、「オタ中心アニメ」の最頂点に位置しますのが、このげんしけん
今や、萌え系作品には、必ずと言っていいほど、サブキャラにオタク系が入り混じってます
あるいは、俺妹や神のみのようにメインすらはることもあります
しかし彼奴等と来たらイメケンでノンケとも社交的で、オタクの何にも理解していない
結局は自身の願望を極限に膨らませたキャラクターたちの量産に繋がるわけです
と・こ・ろ・が、このげんしけんは、原作者・木尾士目氏がオタク観察に尽力を注いだであろうことが見て取れる、登場キャラたちのリアルな描画、素晴らしい
もちろん、ストーリー進行上、フィクションな部分は出て来ますが、キャラのオタク性がブレることはないです
二期のことは言わないでくれッ
あれぞオタライフのあるべき姿、目指すものです
手のひらサイズの願望でもって、三次元現実にも心地よい刺激を与えてくれる物語です

作画はかなり古臭い感じです、2004年ということもあって
OVAではスタッフも一新され、絵も格段にきれいになってはますが
1期もOVAも、変わらない良さがあり、温かさがあります
それに、咲さんや大野さん、荻上といった女キャラは、案外というか、かなり可愛いです、要素に飾られないナチュラルな可愛さがあります
また演出面では、間の入れ方が上手く、キャラの心情を際立たせれてます
そもそもまず、1話の構成からしてレベル高いです
劇中に出てくる「くじびきアンバランス」は、げんしけんのヒットを受け、まさかのアニメ化、しかも第二シーズンまで作られてます
次いでパロネタに関しては、もっとはっちゃけて欲しかったですが、如何せん・・・

声優さんは、合ってる合ってないなど考えもせず、すべてをそのまま受け入れた口です
ですので、かなり補正効いてますが、言わせていただくと、もう最高です
どの方も素晴らしい演技をしなさってます
笹原役の大山鎬則さん、脱力系ボイスが癖になるぴったりのキャスチングです
斑目役の檜山さん、檜山さんと言えば熱血ボイスですのでギャップがすごいですが、もう最高、素晴らしい
何かと”斑目”と縁の深い檜山さん、いつもとは違う檜山さんが堪能できます
田中役の関智さん、声幅広いですよね、こういう野太い声はあんま聞いたことなくて新鮮でした
くがぴー役の乃村建次さん、どもった喋りの、いかにもオタクな感じが出てて見事です
大野さん役の川澄さん、8話のプラモ壊された時の泣き演技にはお世話になりました
くっちー役の石田さん、”うんこにょ~”にはクッソワロタw

音楽はどれもピカ一、manzoによる「マイペース大王」「青春として」、アツミサオリさんによる「びいだま」
マイペース大王のOPでは、ギルティギアがそのまま出てたりを、青春としてのOPでは、くじアンのOPのオマージュだったりをします
歌詞がいいんですよねぇ、ほんと
”「日本中で誰にも負けない一つ」があるにはあるけど 悲しいかな、人知れず”
なんてフレーズとか、分かりすぎて聞く度にうんうん頷いてます

さて、キャラですが、語りたいことが数多くありますが、それを語るには、余白が狭すぎます
もう、敢えて何も言わないで締めたいと思います


ちなみにタイトルはOVAのネタです
最近、アフタヌーンにて、二代目の連載に沸いて、またアニメを見返してました
いやぁ面白い、何度見ても面白い
私の大好きな作品です

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

咲さんのいないげんしけんは言わば2軍…普通の良アニメにすぎない。たった一人一般人が加わっただけでげんしけんは神作品になる

タイトルからのこの作品のイメージ→無理です(笑)視聴前は全く思いつきませんでした(笑)

1期前半さっらと視聴しての感想→オタクの生態系描写からのあるある共感アニメかなー

1期全話視聴しての感想→なんやこの神アニメ…

OVAを視聴しての感想→なんやこの神アニメ…

2期を視聴しての感想→なんやこの神アニメ…

二代目(3期)前半を視聴しての感想→ファッ!?

二代目(3期)全話視聴しての感想→なんやこの神アニメ…


【短くない感想】
正真正銘本物のオタクアニメです。
俺妹が現実と比べて99%有り得ないとすれば、こっちの有り得ない度は20%とかそんなもんだと思います。
それだけリアルさがあるアニメであり、何かの流れで誰にでもげんしけんのような出来事、ほかの人との関わりは起こりえたのではと思ってしまう作品です。
現代視覚研究会(げんしけん)というサークルにオタクが集まり、オタクライフを満喫するというのが本作の話の流れです。
たしかにオタクアニメではあるのですが、それは藤真健j…失礼、あのオタクではない一般人の方を含めない場合に限り、その人が加わるだけでただのオタクアニメではなくなります。

春日部 咲
この人がげんしけん1期の真の主人公であり、げんしけんを神作品に押し上げたアンチオタクの一般人です。
一般人というか、イケイケの女子大生でオタクと正反対の所にいそうな感じで、げんしけんメンバーからすれば一生関わることはない、むしろそう考えたほうが普通という人物です。

春日部咲という価値観に触れたげんしけん、げんしけん(オタク)という価値観に触れた春日部咲の二者関係によって、物語はどんどん深いものになっていきます。
どちらにとっても関わることなど有り得ない、むしろお断りと両者思いそうな相手でありながら、話していくうちにお互いを知り、認め合い、考えや見方が変わっていきます。
この関わり合い、描写が非常に丁寧です。
この人が変わった理由やきっかけは?と聞かれたら、答えを返せる作品であり、理由になっている描写があるんです。
こういう作品がもっと増えて欲しいし、他の作品も見習って欲しいと思えるくらいです。
ただのじゃれ合いで変わるのではなく、登場人物が自分の考え、価値観をぶつけ合った故の結果であり、納得の変化、成長とうなずけると思います。

一見オタクアニメという感じですが、実際はオタクとそれ以外の人との価値観の違いや、人それぞれの気持ちの持ち方を描いた主張性のあるアニメだと思います。
今作はオタクを扱っていますが、価値観の違いが出せれば他の物でも出来ると思うし、実際二代目では腐女子を扱っています。
もちろんアニメ、ゲーム、マンガの共感やキャラの面白さに関しても楽しめるアニメですが、咲さんとのやり取りに注目して欲しいアニメだなーと私は思います。



【長い感想】
○アニメ化の利点
・キャラが動く
・声が入る
・BGMや演出などで強調を加えることが出来る
・多くの人、原作を知らない人にも作品を伝えられる
・間←NEW
間って何よ?って感じですよね。
ここでいう間はセリフがないシーン、誰も何もしゃべらないことによって、伝えたいことを強調したり、その時のリアル感を出したり、独特の雰囲気を作り出すことです。
今まで見た中ではおおかみこどもの雨と雪なんかはすごいです。あれは元々かなり意識して作られたようですが。
今季アニメではのんのんのんびよりの間がすごく好きです。

では、げんしけんの間は?
{netabare}プラモを壊されて泣いてしまう大野さんの間がいいですね。
悲しいながらも頭では泣くほどではないと思いながらも泣いてしまう、それまで少し間があることによってすごくリアルな印象を受けます。
そして、1期で一番好きな間は咲さんのボヤ事件によって活動禁止にされている時の間です。最終話ですね。
最初はほかの人の部屋で楽しくするも、少しずつセリフがなくなっていく、暗めの作画にすることによって、寂しさやいつも通りじゃない、コレジャナイ感がすごく出せています。
音があるのが当たり前のアニメに音がなくなる、これはマンガのセリフなしよりも雰囲気を出すことができると思います。
この寂しい雰囲気が後々の咲さんの涙に繋がりますからね。
咲さんがみんなに罰ゲームと責められる、プラスしてこういう描写があると咲さんが後悔や責任を感じてる気持ちがすごく伝わってきます。

あとは、あの伝説の鼻毛回とか、アレなんてほぼ何も話していないですからね。
あれが後に繋がったり、理由が明かされるのもすごいよなぁ。
二代目(3期)のあの回も間の取り方がすごくうまいです。
これは二代目のレビューに後で書きます。{/netabare}


○なろうと思ってなったもんじゃねぇからやめる事もできねぇよ
{netabare}サラっと斑目が言った言葉ですが、かなり深いというか、なるほどなぁと思える言葉です。
100%正しいとは言い切れませんが、自分の経験で考えても確かになぁと納得してしまいます。
ここで面白いと思ったことを3つほど。
①班目本人も含まれること
今のオタクライフをやめることは出来ない、自覚しているからこそ誰よりも満喫して楽しんでいるのかなぁと思います。
②咲さんが少しずつ変わっていくこと
この発言が決定打だったかは定かではありませんが、少しでも影響を受けたり、考えるきっかけになったと思います。
高坂にオタクをやめさせるのではなく、今の高坂を受け入れ、オタクと付き合うことにした咲さん。
それから、全く同じ言葉を10話のコミケ会場で笹原妹に話しています。
③意識してやめることは出来ないけど、気付いたらやめてしまっている
1期にはそういう描写はありませんが、最後はこれなんじゃないかなぁと思います。
始めるのもやめるのも気付いたらっていうことって結構あると思います。{/netabare}


○わかるかな?その大野さんの{netabare}涙こそが、プラモと金で買うだけのオモチャとの{/netabare}違いなんだよ。
{netabare}この斑目の言葉も的のど真ん中を射ていて本当にすごい。
価値観の違いをここまで分かりやすい言葉で表せるものなんだなぁ。
弁償すると言って謝っていた咲さんですが、大野さんの気持ちを理解した上での行動ではありませんでした。
たった一言で大野さんの気持ちを咲さんに理解させるという。
オタクじゃなくてもこういうことってあると思います。
人から見れば大したものに見えなくても、実際は大事でとても大切にしているもんもってあると思います。
人それぞれの価値観の違いを理解した上で、価値を尊重する気持ちを持つことは大事なことだと思います。
俺ガイルでも同じようなレビュー書いてたな(笑){/netabare}



【最後に】
シリーズとしてアニメ展開しているげんしけんですが、どれも魅力満載です。
それに単なる続きとかではなく、1期、2期、3期、OVAでそれぞれが魅力や見どころを持ち合わせているから面白いです。
他のシリーズもののアニメとはまた違うようなイメージです。
アニメ化の利点として間というものに気付き、価値観の違いと尊重の大切さを改めて考えたアニメでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ココニイル。  【ねこ's満足度:81pts】

『現代視覚文化研究会』・・・略して『現視研』。
とある大学のサークルに所属する、オタク学生たちの姿をコミカルに描いた物語です。

「オタクはなろうと思ってなるんじゃない。気づいてたらなってる。だからやめられない。」
(作中の某キャラのセリフ)

今ならこの気持ちよくわかります(笑)。だからこそ面白かった。
原作である漫画を読んだのは、もう10年近くも前のこと。
同人誌やらコミケやらといった”オタク文化”を初めて知ったのはまさにこの作品でした。
あの頃は別次元の生き物としか思えなかった登場人物・・・時が経つのは恐ろしいものです(笑)。

1話のアバンはある意味衝撃的。
「『げんしけん』だと思ってDVDを入れたら、なぜかロリっ娘が泣いてたでござる・・・。」
うん、大丈夫。あなたは間違ってない。そのまましばらくお待ちください(笑)。

主人公は、妙なプライドからいまひとつオタクに染まりきれないでいた新入生・笹原完士。
そんな彼も、迷い無く趣味に興じる先輩らの中に混じることで徐々にその殻を破っていきます。

しかし、その笹原くんもこの1期ではほぼ空気。
実質的な主人公は、サークル唯一の非オタ・春日部咲(さき)ちゃんです。

超異質なオタク・高坂くんと付き合うという茨の道を選んでしまった咲ちゃん。
そのあまりに報われなさすぎる奮闘ぶりは、ホント涙無しには語れません(笑)。
この作品がオタクだけのただのドタバタ劇で終わらないのも、そんな彼女の頑張りのおかげ。
もうひとりの裏主人公である斑目との”温度差”も、この作品の見所であり楽しみの一つです。

基本的なペースは終始変わらず。
まったりとサークルメンバーの日常を描いていますが、最終話では大きな転機が訪れます。
この先の展開に関わる重要事項の決定、EDではとある重要キャラクターがついに初登場。
彼らのオタクストーリーはまだまだ終わりません。続きはOVA(全3話)&2期で♪



今回のオタ名言・・・『血の繋がった妹なんているわけないじゃないか!!』

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50

71.0 6 群像劇で大学生なアニメランキング6位
ハチミツとクローバーII(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (353)
2189人が棚に入れました
美大生・竹本祐太はアパートの同僚で先輩の森田忍や真山巧らに囲まれ、日々大学生活を楽しんでいた。ある日、竹本達は大学の教師の花本修司から花本の親戚の花本はぐみを紹介される。人見知りが激しく口数も少ないはぐみだったが、その愛らしさに竹本は自分でも知らぬ間に一目惚れする。そして、変人として知られている先輩の森田もまた、はぐみを気に入ってしまう。はぐみと森田は惹かれ合って行き、お互いにその事を自覚していく。しかし、2人の恋は通常のそれとは違い、常人には理解出来ない天才同士の魂の結び付きのような物であった。「恋愛」と呼ぶには少し不思議な関係のはぐみと森田。そんなはぐみと森田の様子を見て、2人が共有する世界に入っていけない竹本は疎外感を味わう。

声優・キャラクター
神谷浩史、野島健児、工藤晴香、うえだゆうじ、高橋美佳子、杉田智和、藤原啓治、大原さやか、竹若拓磨、堀内賢雄、根谷美智子、浜田賢二、土田大
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

純愛ストーリーの金字塔。うん、これは泣く

「ハチミツとクローバー」の続編。
1期で残した伏線を回収しつつ、ストーリーが展開していきます。

1期レビュー→http://www.anikore.jp/review/403469

1期は24話ですが、2期は12話で終わります。
そして、1話目は1期のダイジェスト。
要点を押さえていて、とてもよくわかりやすく1期の内容を復習できます。
……というか、ダイジェストで泣きました。
時間がなければ2期から見るというのも手です。


さて、1期での青春群像劇。
歯車が回り出し、結末に向かって収束していきます。

たくさんのキャラクターたち、誰もが魅力的。
誰を応援したら良いのか分からないです。

みんな、本当にひたむきな恋をしていますね。
片想いだと分かっていながら、何年も何年も相手を想い続ける。
普通はできることではありません。
{netabare}
特に山田さん……実らない恋と分かっていても何度でも立ち上がります。
本当に真山が好きだったんですね。
乙女の恋心とはどうしてこんなに美しいのか。
はぐちゃんも言っていましたが、山田さんは本当に天使でした。

男性キャラもすばらしい。
彼らには男でもほれちゃいますよ。
{/netabare}

そして、{netabare}最後のハチミツとクローバーのサンドイッチ。

「ありったけの幸せをあなたに」

実らない恋でも、無駄なことはない。
時間をかけて育ててきた想いの結晶。
昔、あれだけ探しても見付からなかった「四つ葉のクローバー」がこんなにもたくさん。
一緒に過ごしてきた時間こそが「幸せ」そのものでした。
{/netabare}
タイトルの意味がわかる瞬間です。
それを見たときには、涙がどっとあふれました。

1期は1期として。
1期と2期を合わせて1つの作品として。
どのように見てもすばらしい話だったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 62
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

甘酸っぱい  (´ー`*)

原作 漫画 未読

2期 12話

1話目は、1期の総集編なので、実質11話

登場人物の関係、恋愛模様は1期のレビューに書いたので省略します。


1期から森田先輩が怪しいバイト?をして、チョクチョク大金を稼いで来た訳が分かります。(これでスッキリしました。)
{netabare}
この件では、兄さんの気持ちに共感でき、チョイ泣けました。
{/netabare}

~感想~
{netabare}
1期の終わりに、竹本がはぐちゃんに告白したのだけれど、あの後 はぐちゃんは、竹本の側には来なくなり・・・

やっぱり森田先輩の方が好きなのかな~って思ったけど、最後はやっぱり、何だかんだいって主人公の竹本の想いに答えるもんだとばかり思ってました・・・。

でも、はぐちゃんが選んだのは、12歳以上はなれた いとこ?のしゅうちゃん(花本修司)でした・・・

確かに修司は優しいし、面倒見がいいし・・・でも、妹の様に可愛がっていただけで、恋愛対象として見ていなかったとばかり思ってました・・・。(^^;

過去(原田を亡くした理花の件)に縛られ、大学から離れられなくなっていたところに、はぐみがやって来て、徐々に変わって行った修司・・・

この作品の中では、実は修司が一番辛い恋愛、立場の人生だったのかもしれない・・・(理花には、想ってくれる真山がいるので、まだマシ)
そう思うと修司には、はぐみと幸せになって欲しい。

ただ、恋愛もので、男の主人公が悲恋で終わる作品を始めて観た気がする・・・
(´・ω・`)   
基本、主人公目線で観てるので、ハッピーエンドが好きな自分としては、ちょと残念でしたが・・・
でも、リアルっぽくて、これはこれでアリだな・・・って思えました。


真山と理花の恋愛は、まだハッキリと両想いになった訳ではないけど、ちょっと進展して、理花も心を開いた感じでした。
この先きっと、真山の想いに答えてくれそうな雰囲気の終わり方でした。^^

山田は、自分を想ってくれてる野宮匠に、少しづつだけど、心を開いてました。(*´ω`*)

欲を言えば、彼らのその後を観たかったですが・・・(^^;
{/netabare}

自分は、大学には行ってないのだけれど、この作品を観てたら、大学が凄く楽しそうに見えました。
行っとけば良かったな~って、今更ながら思いました。 (。・w・。 )

総評すると、とても良かったです!
こう言う作品も好きです。^^

リアル系恋愛ものが好きな人にはオススメです。
!(*^ー゜)b! グッ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 64

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

懐かしくてほろ苦くて そしてやさしい

羽海野チカによる漫画作品を原作としたテレビアニメで、
1期目は24話あったが、この2期では12話構成。

前作で出せていなかったそれぞれの答えを出そう・・
というのがこの2期の主な内容。

想い焦がれる恋に終止符は打てるのか、
相手から好かれているのを知っていながらどう向き合うのか、
お互いに惹かれ合っているのを自覚していてもなお、
求めているものが違うことに気づいて、どう進むのか。
自分はこの先、何がしたくてどう進むべきなのか。

まるで輪舞曲のような恋模様に、周囲からの揺り動かしもあり、
人間関係にも徐々に変化が見られ、
また、謎の多かった森田に絡む様々な真相がわかる展開にもなっている。

それだけに、1期を観ていないと理解し切れない部分があるかも。
しかし1話で彼らのこれまでをザッと紹介してくれるので、
時間のない方は、2期目から観てもさほど支障はないかもしれない。

彼らの出したそれぞれの「答え」・・・個人的にはけっこう納得できた。
はぐみ、花本先生の答えには驚き、真山にはニヤニヤし、
森田に関しては、彼が雪の中で佇んでいるシーンに心打たれ・・
少女マンガという区分ではあるものの、男から観ても感じる部分は多い。

彼らと同世代前後の人達が観たら、きっと共感できる部分は多いはず。
今の自分から見ると、まぶしい~~!って部分も正直あるけれど、
それはそれで、素直にノスタルジーに浸ったらいいのだよね。

スピッツやスガシカオの歌も、相変わらずピッタリだし、
作品全体通して流れるやさしい春のような雰囲気も、
ホロリとさせる雪の結晶のようなセリフたちも健在。

でも、厳しさをえぐり出したこの2期目のほうが、
どちらかというと個人的には好きだし、胸のキュンキュン具合とか
おぉ~~~っ!と手を叩きたくなるような喜びなんかは、
こちらのほうが大きかったなと。

が、どちらもそっと両手で包み込んで大切にしたくなる作品には
この先ずっと変わりないだろうな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 56

67.6 7 群像劇で大学生なアニメランキング7位
義妹生活(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (147)
402人が棚に入れました
高校生・浅村悠太は父・太一の再婚をきっかけに、同い年の少女・綾瀬沙季とその母・亜季子と一つ屋根の下で暮らしていくこととなる。 互いに両親の不仲と離婚を経験しているがゆえに、男女関係に慎重な価値観の二人は、義理の兄妹として適切な距離感を保とうと約束する。 「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」 考えを述べあい、すり合わせを重ねることで、互いを理解していく悠太と沙季。 新たな生活に居心地の良さを感じはじめた時、二人の関係はゆっくりと、しかし確実に、変化をはじめて………… これは、いつか恋に至るかもしれない物語。 “他人”が“家族”へ、そしてその先へ。 少しずつ変わりゆく日々を映す、恋愛生活物語。

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

やたら描写が細かい。それが雰囲気づくりに貢献していて面白さも感じる

1話感想 3.1 なんか独特な変なテンポというか雰囲気が。悪くはないですが…

うーん、何でしょうねこれ。

いや、主人公はまあまあ共感できます。
初対面の相手にやたら横柄だったり馴れ馴れしかったりする男主人公は多いですが、最初はちゃんと丁寧で、相手の希望をちゃんと聞いて砕けた口調にするなど、悪くないです。

義妹も別に過剰にツンがきついわけでもなく、むしろ自然な、急に異性が同じ家にいたら普通に警戒するレベルで普通です。

というわけで、2人の対応は決して不自然ではなく自然な感じで悪くないとは思いました。

…でも、なんですかね? 独特な変な空気感といいますか。テンポというか、なんか変。
なんか良くわからない演出が… 最後の電気はなんですかね? あれはわかりやすく意味不明な描写でしたが、それまでもなんとなく空気が、ちょっと変というか。

独特な変な空気感があって、ちょっとなんか…。
なんだろう? 嫌だってわけでも無いんですが、何でこうなのかな? と引っかかるような… でも別に嫌ってほどではないんですけどね。

後は作画も全体的にちょっと微妙なのが残念なところ。
いやあくまで微妙でひどいってことは無いんですが。
でも途中崩れていきそうかなぁ。

いやコメントが難しいですが… 正直変です。
違和感があるってのは何か狙いがあるというか、単に出来が悪いんじゃないかな…。

でも変なセンスというのは決してダメダメではなく、何だこりゃ、と人目を引く部分もあるので…
ま、クオリティの割には、ちょっとは見たいと思えました。

でもクオリティが低いのは確かなので… 見るかどうかは考えます。

2話感想 3.6
こちらで他の方の感想を読んで違和感の正体に気づきました。

本作は、描写がやたら細かいのですね。

人間というのは多数無駄な動きがあって、実際には色々なことをやっています。
しかしアニメというのは些細な動きを書いたらその分作画コストがかかります。
だから些細な、本題に関わらない無駄な動作は一切省いて、ストーリーの進行に必要な描写だけを行うのが、当然だと思っていました。

なのに本作は些細な描写を、やたら細かく描いているのですね。
普通なら描かない、省略するような描写が多数あるから、『何か変』という違和感すら覚えたのでした。
アニメの文脈に慣れすぎていたせいですね。気づかず恥ずかしい…。

とはいえ、その無駄な多数の描写が雰囲気作りに役には立っている面はあると思います。

気付いたことで、本作に対する興味がぐっと増してきました。
視聴継続したいと思います。

全話感想
まあなんといいますか、独特な空気感、テンポ感のある作品でしたね。
内容としては具体的にどうというわけでもないのですが、なんとなく独特な空気があってそれが物珍しくて興味を惹かれました。
まあ面白かったかといわれればうーんってな感じなんですが。

しかし途中にあった妹が兄に身体を売る的な話はなんだったんでしょうね。
いやそれ自体は良い展開なのですが、結局未遂で終わるんですが、さらっと流すには重すぎるような。
注意して終わりで良いんでしょうかね。
まあ未熟な高校生、間違えることもあるってそんなものかもしれませんが。

とにかく、こういう空気、テンポはあまり見ない、という点で希少な作品ではあったと思います。希少というのはありふれているよりはよほど良いので、ちょっと評価対象です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

キャラ全員が同じ人みたいな印象。終わってみれば演出が不快です。

 最後まで見られたのでその点は評価してもいいかなと思います。で、評価ですが本作で気になったのは2点。演出に内容(心理)が伴っていない気がしたのと、1人の独白をずっと聞いているような印象です。特に演出については作品を正確に読み取らせようという姿勢ではなく、ミステリアスなイメージ作りでしかなく正直これはどうよ?と思います。

 あのサイコロの目というか点字みたいなサインが何だったのかも私は読みとれていませんでした。沙季は音楽を聴いている=心を閉ざしている、現国が分からない=人の心が読めないという自閉症的な感じはしたものの、それがストーリーとリンクしているだろうか、突然悠太と同じアルバイトに面接に行ったり髪を切る衝動と結びつくだろうか、完璧主義と行動は言行不一致ではないだろうかなどと考えてしまいました。
 また、ジェンダー云々の発言も彼女の何を意図していれたセリフなのかはわかりますが、彼女を形作っている情報とか知識とはそぐわない気もしました。まして母親の水商売を旧父に対して論理的に擁護する立場ですからね。

 で、最後にギブアンドテイクかあ…人に聞くのが正しい勉強法でもないし、この辺はまだ沙季が幼く何もわかっていないと言いたいのか、物語としての主張なのかもよくわかりませんでした。

 最後の悠太の語りで結末はまとまった気もしますが、悠太と沙季がなぜ惹かれあったのかがやっぱり読み取れませんでした。同じ時間同じ空間を過ごしたからというには短すぎる気もするし、同類の親近感なのか、ルッキズムなのか、相手の弱さが愛おしいのか、家族という障壁が燃え上がらせたのか。その辺がよくわからない…というか、沙季も悠太も口で説明しかしてない気がしました。言葉と内面の不一致があってこそのラブストーリーだと思うのですが。そこがこの後、破局する物語ならわかるんですけど現状では保留という感じですね。

 一番気になったのが、この作品ってキャラの価値観の相対化ができていない気がします。やっぱり1人の人間が考えた道徳や恋愛観、社会、家族、男女などの一つの視点で見た世界観の中で、男女を配置して原作者の代弁あるいはコマとしてキャラが説明しているだけに見えました。大人の意見が大人に聞こえない、変わった人間設定の人間が変わっていない。准教授のところが顕著でしたが、やっぱり全部1人の口から出たセリフをキャラだけ変えて説明されているような印象が、特に後半では感じました。

 恋愛ものとしては「隣の〇〇」的なものの一種かな、という印象です。これは「都合の良く美少女と突然同居したら?」という作品です。原作をある程度読んだのでその印象は間違っていないと思います。演出の妙で心理劇のような印象を作ったのは、制作陣の上手さでしょうね。この作品をよくここまでもったいぶって作ったと思います。ただ、それは視聴者を裏切ったことにもなる気がします。

 テーマとして家族とは何か?も全く描けておらず、障害と義務としてしか機能していませんでした。そして障害としても低すぎるでしょう。それは父母を全く描けていないからだと思います。演出で重い感じを出していますが、雰囲気だけの演出はストーリーの邪魔にしかなりませんので、その点は一番頭にきています。

 なお、最終回の作画って結構崩れてました?別の作品かなと思うようなところがありましたが。

 点数はストーリーとキャラは2.0。演出はだましに近い気がするので作画に入れて1.5…ですが前半の作画は良かったので2.5にします。無音を使ったのはよかったので音楽は3.5にします。





11話までと原作4巻まで読んでのレビュー

 この原作の評価は、1人が考えた想像上の会話を聞かされている…という感じでした。「ゆっくり動画」の魔理沙と霊夢と言えばいいんでしょうか。情報や主義主張を語るだけでなく、一応プレゼンテーションとして会話劇にするという感じです。スマホでアフェリエイト狙いの冗長なブログとかとも共通しています。

 つまり、キャラが活き活きしていない気がします…というと情緒的すぎますかね。キャラが「ゆっくり」と同じように作者1人の言いたいことを代弁している様子が透けて見えるといえばいいんでしょうか。
 その印象の証拠として准教授が分かりやすかったですね。准教授と女子高生の会話への流れ、出会いすべて不自然です。なにか説明の場面を無理無理つくるために、ぽっと登場させたキャラであることが見え見えというべきでしょうか。
 で、准教授との会話が特に顕著なんですけど、知識人である大人と高校生の会話に見えないんですよね。「ちょっと勉強したんですけど聞いてもらえますか?」という説明を会話風にされている気分です。驚きも感動もない一般人の主義主張です。
 それを単に問答形式に2つの人間に分けただけで、会話にキャラ造形が透けてきません。言葉にバックグラウンドが感じられません。つまり作品のキャラがキャラ化できていないといえばいいんでしょうか。

 で、アニメなんですけど、恐らく監督か演出かわかりませんが、そこはちゃんと見抜いたんでしょう。軽くなりすぎる。キャラが活きない。だから、悠太の方の1人称を3人称の視点にして、意味深長な演出で心情がある風な演出にしたんだと思います。そうすると「深いかも?」という錯覚になるんだと思います。私もそうでした。

 義理の妹、兄を好きになる。それだけならアダルトコミックと変わりません。どんなテーマが入れられるか?ですが、うーん…ちょっと父母の言動といい、准教授といい「私の考えた主義主張」的な浅さがあるかなあ…やっぱり家族を解体させて、改めて付き合うとか何かが無いとなあという気がしました。原作評に近くなってしまいましたが、こんな感じでしょうか。

 一応もう1話でしょうから、12話を見て修正点があれば追記します。









1話 見てると息苦しくなりますが、それが2人の気分なんでしょう。

{netabare}  見てるだけで息苦しくなりますね。それが2人の気分を表していて、つまり演出意図だと思いますので、その点ではうまく描けていると思います。ちょっと主人公・ヒロインの言動が理に走りすぎかも、と思わなくはないです。今のところまだまだ原作者がキャラに乗り切れてないかな、という部分でしょう。

 ヒロインの目の中が賑やかすぎるのがちょっと違和感を感じますし、キャラデザは可愛いし作画もいいですが、正直「最近のラブコメヒロイン」のバリエーションでしかありません。その点で言っても記号的です。
 ここから感情が表現されて、作者の描きたいことが見えてきて、キャラの裏がみえてくるかどうかですね。そう…思いっきりドロドロして欲しいです。

 この時間競合する作品がないので、ちょっと見てみようかなと思います。作品がどう展開するか気になるので、3話までは確認して継続するかどうかでしょう。{/netabare}


2話 え、これは考察しろって言ってる?最後の方のあのシーンは何?

{netabare} あれ、何か超能力的なものがあるの?最後の方は何?雨が降るのが分かるというのと何か意味がかかっている?という感じでの最後でしたね。

 正直言えば全部セリフで説明してくれるので、せっかくいい雰囲気なのにちょっともったいないかなと思います。2人の距離がいきなり近すぎるのも若干不自然です。

 まあ、売りがどうのこうのというのは作品を重くする常套手段なので、うまく描かないとチープになるなあ、とは思います。見た目の問題も完璧に綺麗にするというのは、女性心理としては創作の中では意外性はありません。独立志向、家庭が嫌で独り立ちを急ぐ少女に普通にありそうです。

 が、何か仕掛けがあるならそこは作品の本質じゃないのでしょうか。あの壊れたイヤホンについて何か考察しろ?ということでOK?まあ、気になりますね。これは見ちゃう奴かな?{/netabare}


3話 面白いし雰囲気いいですが、全部セリフで説明しちゃった?それはどうなの?

{netabare} 2話の最後のトラックのシーンの意味がつかみかねていますが、タイムリープ的なものでなく、心ここにあらずだったのか、周囲が見えていないというアナロジーなのか。完璧であろうとしても実は隙があるとも読み取れます。

 通常、日付が丁寧に表示される作品は、推理ものかタイムリープものが多いので、その線で見てみましたが、3話の後半だと追想のためのタイムスタンプでしかないということみたいですね?

 会話のとき音声にエコーがかかったときは、ちょっとSF的なものを妄想しましたが、道路橋の下のシーンということだけでしょうか。印象的にはなりました。
 
 そして、その後半の追想の内容なんですけど、私は全く反対にとらえていたので意外でした。息苦しい家族生活とわかりすぎるほど自分のことがわかる義理の兄。拒絶のためのいい子だと思ってしまいました。それがジェンダー論と完璧な行動と容姿を保つ沙季のハリネズミのトゲ(つまりATイールド)だと思っていましたので。

 ですが、逆でした。想像よりも浅い方に行ったかなと思わなくはないです。ただ、ジェンダー論とかミソジニーとかその辺をどう使ってくるかです。ステレオタイプ的な見方で申し訳ないんですけど、この性格造形って、元父となんかあった?と思わなくはないです。そこまで鎧をまとうための完璧主義になるって…何かあったんじゃない?ということです。

 一方で、ジェンダーで男女の決めつけを嫌がるのに、母親の水商売を職業として受け入れるし、容姿を「女として」完璧にするところに矛盾は感じますけど。

 結構面白いし、雰囲気も独特のものを作っているし、方向性が分かるようでわからないのもなかなか良いですが、ヒロインの内面をあの形で見せるのはあまりよくないなあ…いわゆる「創作物」で一番大事なのはそこ…内面や感情の動きを説明しないで感じ取らせることではないかな、と。

 もうちょっとストーリーと演出で見せてほしいかも…ただ、ちょっとズルイですけど、沙季の叙述トリックかも…ちょっといくらなんでも説明しすぎですよね?もう1段奥に何かあることを期待して視聴継続ですね。

 そうそう、悠太の性格の裏にあるものがもっとドロドロしてそうですけどね。でも、やっぱり男にはあんまり興味がないかな。実はゲイでしたとか?むしろ女でした…もあり得そうですけど小説じゃないからそれはズルイか。 {/netabare}


4話 気になるのは音とイヤホン。なぜ、沙季のシーンだとBGMが消える?

{netabare} ヒロインのアウトラインが見えてこないです。思ったことを言うという性格でしたっけ?他人の気持ちが分からないということでアスペルガーなんでしょうか。イヤホンは音に過敏なのでしょうか?だから、トラックに気が付かないほどイヤホンから音楽を鳴らしていた?

 にしては悠太に対する距離の詰め方が急だなあというのと、新生活への適応力が高いなあということです。友人を連れてきたり、自分から裸で押し倒しかけるようなのってキャラがぶれている気がします。

 2重人格…ということではないと思いますが、結構不自然な感覚が強いです。沙季のシーンだとBGMが消えるので聴覚障害なのかな?とも思いましたが、横を向いて会話しているシーンがあるのでちょっと違います。先輩からもらった曲は多分意味が違うのでしょう。ここを見ると共感覚とかサヴァン症候群とかの可能性も考えてしまいますが、まあ、答えはわかりませんがやっぱり気になるのは音とイヤホンですよね。

 それと悠太が高額バイトを探しているという状況がイマイチ納得がいきません。自分でも探さないのはなぜでしたっけ?1か月も放置していたの?

 なお、現国のテストの点の取り方は気持ちが分かるかどうかじゃあありません。気持ちが分からないという状況に対して、あくまで読解力だしテスト上の技術だという指導が必要な気がします。沙季は人の気持ちがわからない、とエピソードで説明したいのはわかりますけどね。

 演出で気になったのが、冒頭に近い部分でソファに座っていた沙季が立ち上が手ふらふらと悠太に近づいてゼロ距離で「現代文を教えて」という行動がちょっと性格造形的にも良くわかりません。そういう娘でしたっけ?また、完璧主義なのに事前に対策をとっていない理由もわかりませんでした。

 一見、深い内面を描いているように見えますが、どうも全体…というよりヒロイン沙季の性格造形がチグハグしている気がします。やっぱりここが2重人格とか、何か別のものがあると「おお」となるのですが。

 文句ばっかりいってますが、沙季をどう描きたいのか?という点に興味があります。OPなどを見ると「子供のころ」というのも何かのキーになってそうですし。一体どんな物語にしたいのかが気になりますし、ちょっと楽しみです。{/netabare}


5話 なんか変なフラグが立ちました?あまり方向性が見えませんねえ…

{netabare} 先輩の告白については、偶然映画と自分の置かれた状況が一致したととる取り方と、どこかに連れて行ってほしいというおねだりの両方が考えられます。演出から判断すると不穏な方な気もしますが、この作品は辛気臭い演出が多いのでわかりません。そこは保留しますがいずれにせよなんらかのフラグが立ちましたね。

 それから悠太って、父親と同じように女性恐怖症だった…というか父親は克服したから結婚したんでしょうけど。わざわざ3話のあのシーンを入れたってことは彼は女性嫌悪か少なくとも女性が苦手という意味でとっていました。

 それなのに女性の先輩とレイトショー=デートに行くんだ…というのが意外でした。矛盾にも見えますが、どう理解すればいいのでしょうか?

 話の方向性が見えないですね。どうなって行くのでしょう?

 それと追試の対策には新しい参考書もましてや本も必要ありません。学校の教科書と参考書と小テスト・配布物を見直しましょう。{/netabare}


6話 最後の点字みたいなの何?もともと沙季は正常な人に見えませんが…

{netabare} 距離を近づけるだけだとイマイチかなという気はします。やはり沙季にもう1段何かの秘密がないと話としては成立しません。

 兄悠太の心の移りとか変化が少々急で不自然なように見えるのは、沙季の描写が少々作りすぎな気がするからかな、とも思います。

 幼少のころの思い出らしきものの心象風景と音・イヤホンの使い方から何か読み解けないかとは思ったりしますが、別にこのまま見てればいいかなとも思います。
 と、思ったら、最後の瞬間の点字のようなのは何?一応点字表をみると「め」が六個の点で「っ」が左中央に1個の点(付け焼刃で調べました)なので、「めっ」に読めますが本当でしょうか?

 目が見えない、耳が聞こえない…どちらも描写から判断するとちょっと不自然なんですけど、沙季がどうも視聴覚あるいは心理的に何かの異常がないとちょっと不自然な描写なんですよね。その辺どうなんでしょう。

 もうここまできたら、このままダラダライメージだけで終わらせても作品になるような気がしますけどね。文学的に作りすぎましたね。文学ということは、正直この作品は恋愛が成就するとお話にならないと思います。義理の兄妹故に悲恋で終わらないと正直今までの積み上げが無駄になると思います。折り返しにきましたので今後ですね。{/netabare}


7話 一番いやな予感がする話の展開になってきました。だとしたら馬鹿にされた気分。

{netabare} 前半の沙季のモノローグは全カットでいいです。本屋のバイトの面接のシーンその他でそんなのは読み取れます。それと最後の一言も。

 正直、義妹と結ばれるだけの話なら、もういいかなと思ってきました。なぜ、高額バイトを欲したのか?人の心がなぜ読み取れないのか?意味深な演出や記号はなんなのか。そういうのが、単なる「雰囲気づくり」の可能性がでてきました。

 だとしたら、こんなに馬鹿にした話はありません。思わせぶりな心象風景やらエピソードやら入れておいて、意味がないというのはあってはいけません。それは視聴者に対する裏切りです。
 さらに、全部説明してしかも「嫉妬」まで単語にするってなんなんでしょう?本屋の先輩の話はどうするの?

 うーん、あと1話チェックします。もし、義妹と結ばれてチャンチャンならこんなバカにした話はありません。最後「妹」をとるならドラマですけど。{/netabare}


8話 悠太の気持ちが見えないのが結論に活かされるかですけど…なんかなあ…

{netabare} うーん…1話の「相手に期待しない」を今更持ち出しますか。なんていうんでしょう雰囲気は作っているんですけど…
 すでに沙季は2回にわたり心情を日記で吐露する場面があったので、視聴者視点としては、悠太の戸惑いというか四苦八苦に乗れないんですけど、その辺物語としてどうなんでしょう?

 沙季が頑張りすぎている…ように見えないのもちょっと何が描きたいのかわかりづらいポイントです。視聴者からは悠太が頑張りすぎているようにしか見えないと思うのですが。

 沙季がヤキモチを隠すために反発しているだけなら、こんなダラダラ場面を見せることはないです。ビーフシチュー=悠太ってことを言いたいために1話かけたということ?
 演出や言動で内面を推し量る描きかたを沙季についてはしていないので8話は本当に茶番に見えてしまいます。
 一方で、言葉ではなく、過去の沙季から今の沙季につながる心情の変化が読み取れないんですよね。

 考えられるのは、悠太が沙季をどう見ているかだけは視聴者に隠しているポイントです。沙季の気持ちに反して悠太にとってはやっぱり家族だ、という物語なら今描いているのが目くらましとして機能するのでわからなくはないですけど。

 どうする気なんでしょう?本屋の先輩はどうするの?栞を拾ってくれた女の子は何?物語ならそういうところを放置してはいけません。それが悠太を描くのに役立たなければ物語になりません。

 結末をどう描くかは気になりますが、最後がっかりさせないでほしい。沙季の気持ちに反して悲恋なら成立すると思います。お願いですから安っぽいハッピーエンドだけは勘弁してください。

 そうそう、白河三兎氏の『私を知らないで』が……以下この小説のネタバレなのでを気を付けを。結構ストーリーの根幹です…{netabare}義理の姉弟になる悲恋です。恋愛感情がなかった幼さで、不幸だった女の子を救うために義理の姉弟になる話です。あとから恋愛感情に気が付きますがその女の子は主人公の友人と結婚します。 {/netabare}この結末が素晴らしかったのでどうしても比較してしまいます。{/netabare}


9話 居心地の悪い家族ゲームと恋愛に似た醜悪な何かを見せられている気分。

{netabare} 沙季が悠太に恋愛感情を抱いているという風に見えますが、私には理解できません。作品を通じてその描写をしている感じがまったくありません。あるとすれば、日記ポエムです。もちろん説明的な表現はありますけどね。それは心情の変化の描写ではありません。昔の家族から今の家族に移って、沙季は何が変化したのか?何故変化したのかさっぱりわかりません。

 それが悠太の行動とかやさしさだとしたら、笑ってしまいます。悠太は家族を演じているにすぎないように表現しているからです。偽物の悠太に惚れた気持ちが本物であっては恋愛物語にはなりません。

 まあ、何となく途中から演出と雰囲気は凝っている風ですけどありきたりな話になるのかな、と思っていたらやっぱりそうなんでしょうか。だとすれば昭和の少女漫画でしかありません。演出や場面が、心情の変化とリンクしていないならそれは不要な尺のばしでしかありません。高額バイトはなんだったの?

 居心地の悪い家族ゲームも何のために描いたのか。人間関係が崩壊する場面を描かなくていいのか。義理の母親に裏の顔はないのか。このままではキャラが全員、記号どころかコマに見えます。

 悠太からみた義理の母の気持ち悪さが感じられるので形だけの家族ゲームの総括をするか、父親のせいで男を信じられない沙季の恋愛感情が偽物であるとか、そういうものを期待しているのですが、どうもそういう感じじゃない感じです。

 正直このままくっつくなら「俺ガイル」で陽乃が言っていた醜悪な何かでしかない気がします。徹底的な破壊がどこかにないと、偽物の恋愛感情になるというところまで行きつかなければ、男女の性欲を否定した冒頭の話が単に純愛風味にするための言い訳になってしまいます。だったら、あそこで1回やってしまった方がまだ自然なストーリーでした。

 性的なものも描かない、家族ゲームも総括しない、悠太の裏も見せない、沙季の依存というか幼さ故の完璧主義の果ての身近ですませる恋愛で終わるのでしょうか?

 うーん、なんというか…だらだらずっと日記ポエムで恋愛感情を描写しているつもりなら、もういいかなという気がしてきました。9話ですから微妙ですけど、あと3、4話ですよね?うーん…思っていた100分の1くらい浅いなあ…

 まあ、すこし1話から振り返ってみて私の考え違いがないかチェックすべきかもしれませんが…あのかったるい演出に似たものが単なる雰囲気づくりなら時間の無駄ですからね。何とも… {/netabare}



9話まで中断時レビュー
「意味深長っぽい演出に騙された気分です。「義妹がいることとは?」の心情描写が薄すぎ」

原作1巻を読みました。本作を見ていて感じた違和感、主人公の視点はどう考えればいいのかがわからない理由がわかりました。1人称の小説を(神の視点ではなく悠太カメラの)3人称にしたんですね。そこが謎めいた演出につながって独特の雰囲気になったと。

 原作を読んだ印象は、キャラに実在感がなく、理屈をずっとしゃべっているだけに見えました。1巻が短くて夜這い的なところまででした。その先も入手してしまっているので読むかもしれませんが、今のところどうしようかなという感じです。

「お互い期待しない」のに「高額バイトを探して」と沙季が依頼する部分が代表ですが、いきなりお互いが干渉しあうんですよね。「期待しない」と「金で済ませる」をつなげれば、ドライな関係でいようということかもしれませんけど。

 ただ、完璧主義な人間がこういう言動をするのかなという違和感がやっぱり特に沙季側にあります。身体を売るなら売るで割り切って一人でさっさとやるでしょう。母がバーテンダーとはいえ夜職に理解があるなら「期待しない」義理兄に相談はしないし、まして身内に身体を売るなどという発想にはならないでしょう。
 ジェンダー論を勉強してそこにも完璧であろうとするなら、家父長制に反対すると思います。そして、母の再婚に抵抗しないところでジェンダー・フェミニズムの勉強も中途半端なんだと思います。英語の勉強=自立の準備という思考が安易です。悠太の身売り反対の理屈なんて正直言えばガキのたわごとで、童貞の妄想でしかないです。

 結果、自立というのが甘えにしか見えないです。単純に考えればあとわずかで18歳です。そこから独立するのに高額バイトで準備とか必要ないです。その沙季の甘えが描きたい部分かもしれませんが、それは読み手の妄想で表現されている部分からは読み取れません。沙季がどうやって変化していくのかが日記だけです。3人称にするならそこを丁寧に描いてほしいし、原作の弱いところなので補強しても良かったと思います。

 そして、じゃあ、本作が悠太のことが描けているかといえば、やっぱり聖人というか「僕の考えた理想のすごいキャラを形にしました」的な存在な気がします。この点は原作の方が義妹がいる戸惑いは描けていると思います。そう、義妹がいる戸惑い…どうやってふるまうかの思考ですね。これは1人称ならではです。
 これがあるので原作はまあまあ読めます。会話は説明くさいですけどね。本作は「義妹生活」のテーマであるだろう肝心な「義妹がいることとは?」がぽかっと欠落している気がします。ですので、原作勢は楽しめてもアニメ勢だと何が描きたいのかわからなくなっています。

 また、両親も本作よりかなりライトなノリでこの2人については家族問題の視点はほぼないといっていいでしょう。あとででるかもしれませんけど。

 いずれにせよ、本作に興味をもった演出のやり方ですけどそこに意味性はなく、意味深長に描いていますが単なる雰囲気だと判断しました。沙季の心情を丁寧にすくって音楽や場面が考えられているかと言えば、私はそうなっていないと思います。

 後付けで原作を読んだので余計頭にくるんだと思います。逆なら評価は変わるかもしれませんけど。
 たぶん買ってしまった原作を読んでしまいますのでレビューはこれくらいにして、結末後に追記するかもしれませんが、9話までですと正直期待外れもいいところでした。全部説明してしまっているラノベ故に、文学っぽい演出で心情を表現したいという意図はわからなくはないですが、演出意図に込められているものがほとんど読み取れません。その薄さ故に終わったときに1クールのアニメ作品として成立するかは微妙な気がします。結末は確認します。

 ただ、これは私の印象ですが、悪くとれば原作の1巻1巻の短さをカバーするために演出で引き延ばしたようにも見えました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品

【レビューNo.148】(初回登録:2024/10/20)
YouTube漫画原作で2024年作品。全12話。
ここのレビューでも散見されますが、タイトルからすると
「コメディ色の強いご都合主義のいつものやつ」
って思いますよね(笑)
リアタイで視聴していた時は「切るほどでもないが・・・」でダラダラ完走
したって感じでしたが、見返すと意外と悪くない作品だったかも。


(ストーリー)
「”義理の兄(妹)”はただの他人だ」
高校2年生・浅村悠太は父親の突然の再婚により、義妹となった派手な見た目
の同学年の綾瀬沙季と出会う。
2人は
・前の両親の不仲を見てきたために共に男女関係に慎重になっている
・今の両親に心配をかけて家庭を壊したくない
という思いから、都度”擦り合わせ”を行い、「適切な距離感」を保つことを
約束しあうのだった。


(評 価)
・タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品
 同クールに70本程度放映されるのが当たり前となったこのご時世、それこそ
 3話切りどころか1話切りされる恐れもある訳で
 ・序盤からテンポよく畳みかけたり、キャッチーな展開をブチ込む
 ・目を見張る映像美やヌルヌル動く作画など
 最後まで視聴してもらうために各作品も頑張っているようで。
 しかし本作はこのタイパ重視の今の風潮に逆行したような、ある意味挑戦的
 な作品だったのかなっと。

 特徴的なのは作画のカメラアングルですね。
 本作の悠太と沙季の会話劇(擦り合わせ等)なのですが、同じような引きの
 画がメインになっているんですよね。
 イメージ的には家に仕掛けられた隠しカメラで覗き見や観察するみたいな。
 この定点的な視点で、2人のやりとりから距離感等が変わっていく様を淡々
 と積み重ねていくという何とも地味な作品ではあります。
 色調も抑え気味ではありますし。

 その辺りの制作陣の意図に気付けば面白みもでてくるのですが、私もリアタ
 イ時は半分脳死で観てたので微妙な作品だなっと。
 たまたま見返す機会があったので、再視聴したらそういうことかと評価を改
 めたのですが、このご時世になかなか思い切ったことやってるよなっと。


・セリフ回しのセンスがちょっと合わなかった
 個人的に初見で没入できなかったのは、沙季に好印象を抱けなかったのが大
 きいと思います。
 最初の悠太との会話が
 {netabare}「そのユーモア、話し方、表情どれにも強い熱を感じない。~(中略)~
  私はあなたには何も期待しないから~(中略)~この意味あなたなら正確
  に理解できるよね。」{/netabare}
 これがラブコメ感あるツンデレなら可愛げもありますが、初っ端から地雷臭
 のする女だなっと。
 その後も
 {netabare}「こういう”擦り合わせ”ができるの地味に助かる。」{/netabare}
 とか何かと「面倒臭い女」という印象が序盤で定着しちゃったんですよね。
 この辺りは悠太のセリフ回しにも引っ掛かるところがあり、どうも原作者と
 の相性が悪いみたいですね。

 また作品の性格上モノローグが多いのも、「面倒臭い女」と感じる一因の
 ように思いますね。
 あとギャルの恰好をしているのは「社会を渡っていくための武装モード」
 とかいう謎理論も何なんだと。


・義兄妹の恋愛模様は・・・
 こういう題材を扱っていれば当然「義兄妹の恋愛」というのは避けて通れず、
 というかそれがメインだったりするわけで・・・
 本作も上述のように地味な積み重ねから、現時点での2人の”擦り合わせ”を
 描いて終わります。
 作品を通じて感じたのは、「2人の温度感」的なもの描きたかったのではと。
 はじめはぎこちなさがあり低温だったものが、徐々に温度が上がっていき、
 最後は触れ合って2人の体温で終わるみたいな。
 感覚的には「ピュアラブストーリー」というより
 ・「俺は本物が欲しい!」(by比企谷八幡/俺ガイル)
 という人の関係性の根源的なものを描きたかったのかなとも感じましたね。

 ただ総じて理屈っぽさが鼻につき、個人的にはあまり好みな描き方ではなかっ
 たかな。


率直なところ初見ではあまり刺さらなかったものの、腰を据えて見返してみれば
いろいろ気づきのある作品だったかなっと。
ただこれだけアニメが大量に制作される時代ですからね。
序盤からしっかり視聴者の心を掴む工夫がないと、せっかくのよさも伝わらない
のでは?とも思いました。
あと2人の会話劇以外のエピソードとか全体的に弱いのかなあ。


OP『天使たちの歌/fhána』
・OPから作品への期待感を高めるfhánaのこの安定感よ!
ED『水槽のブランコ/Kitri』
・これは作品の余韻をきれいに昇華してくれる良曲

 
(追 記)
これを言っちゃうと身も蓋もないのですが、両親も子供が高2なんだからこんな
微妙な時期に再婚せずに、高校卒業まで待てなかったんかいっと。
コメディ強めの作品ならそのドタバタ劇も笑って許せますが、シリアス度が高い
本作だと、その辺が引っ掛かってきたかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
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