美しいでロボットなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの美しいでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月21日の時点で一番の美しいでロボットなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.7 1 美しいでロボットなアニメランキング1位
Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (775)
2538人が棚に入れました
“ニーアランド"、それは夢と希望と科学が混在したAI複合テーマパーク。史上初の自律人型AIとして生み出され、施設のAIキャストとして活動するヴィヴィは日々、歌うためにステージに立ち続ける。しかし、その人気は今ひとつだった。――「歌でみんなを幸せにすること」。自らに与えられたその使命を果たすため、いつか心を込めた歌を歌い、園内にあるメインステージに立つことを目標に歌い続けるヴィヴィ。ある日、そんなヴィヴィの元に、マツモトと名乗るAIが現れる。マツモトは自らを100年後の未来からきたAIと話し、その使命は「ヴィヴィと共に歴史を修正し、100年後に起こるAIと人間との戦争を止めること」だと明かす。果たして、異なる使命を持つ2体のAIの出会いは、どんな未来を描き直すのか。これは<私>が<私>を滅ぼす物語――AIの『歌姫』ヴィヴィの、百年の旅が始まる。

声優・キャラクター
種﨑敦美、福山潤

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1クールドラマ作品に必要なのは取捨選択と凝縮。「火の鳥」精神が足りない。

 勿体ない作品というのが時たまあるが、本作も正にそれ。1,2話の段階では「これは…、凄い地平が開けた作品だなぁ〜」とワクワクしたがそこが最高潮で、だんだん回を追うごとにその展望は狭くなり、最後はなんか…ありがちなハリウッドSFアクション作品的なノリに…。


 ここまでやってターミネーター!?、ターミネーターなのか!?。結局1クールという短い時間でまとめつつ、強烈さを獲得するのに失敗してる諸作品の一つになっちゃったな…。


 短い時間だからこそ、取捨選択を通して強烈さを凝縮によって得なくてはならない。1クールアニメの典型例なら「まどマギ」、漫画ならそれこそ「火の鳥」や「デビルマン」など。「火の鳥」の各エピソードは単行本2、3冊くらいだが遥かに劇的な構成になっているし、デビルマンなんてたった5巻で伝説になった。エンタメものとしてまぁまぁくらいじゃなぁ…。気軽に見てたら思ってたより良い着地の作品だった…くらいのがまだ良かった。


 そういえば、「火の鳥」といえば「不滅のあなたへ」も残念ながらそれらが出来てないから「水っぽいプリン」状態になってしまった感じがある。大今さんは大きな話のタイプじゃない気がする。細田監督もだが、自分の資質を見失っちゃってるような…。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 59

overnao さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

4話完結なら覇権取れてた

放送開始当時はかなり期待していました。最終話まで見た感想としては、脚本をもうちょっと頑張ってほしかったという印象です。

ざっくりとターミネーター的なプロットの作品です。遊園地で働くAI搭載美少女ロボットが100年後のAIによる人類の虐殺を阻止するというのがあらすじです。誤解を恐れずに言えば、ヴァイオレット・エヴァーガーデンやplanetarianに近い雰囲気の作品です。

この手の作画と演出と音楽がイケてるSFアニメオリジナル作品って、ストーリーが絶妙につまらないというのが定番なんですが、5話まで見た限りではかなり洗練されたストーリー展開でした。
世界観が壮大なサイバーSFでありながら、話が難しくなく、テンポよくストーリが―進み、登場人物のAIが結構情緒的で人間臭さがあって視聴者が共感できるので、作品全体のバランスが良いです。全体的にどこかで見たことがあるようなストーリーなんですが、そこがむしろ良いポイントです。既存のSF作品の王道展開をいい感じにアレンジしてアニメというフォーマットに落とし込んでいるのです。ターミネーターっぽいストーリーラインにアルマゲドンっぽい英雄的犠牲展開、宇宙船が大気圏で燃え尽きてゆくシーンはガンダムっぽかったり、歌がテーマの近未来SFっぽさはマクロスかギルティクラウンを連想させますが、決してパクリという雰囲気もせず、各要素をうまいこと取り込んで新しい作品に仕上げてしまっているのがすごいです。

作画・キャラデザに関しても若干触れておくと、アンドロイドをアンドロイドっぽく描いているのが評価できます。目の瞳がカメラのレンズのように描かれていたり、髪の質感が金属っぽかったりして、人間とアンドロイドのディティールが描き分けられています。アンドロイドの顔の作りもいわゆる萌系の美少女というよりは、無機質な美人といった雰囲気で、実際にどこかの企業がアンドロイドを設計したら、コンプラ・マーケティング的にこんな顔に設計するだろうなあと思えます。

本作の音楽プロデュースはハルヒや物語シリーズでおなじみの神前暁氏が担当しており、音楽演出面も特筆すべきポイントです。主人公Vivyが歌うオープニング曲(声優と歌手が別人のマクロススタイル)や、3話、4話で流れる宇宙をテーマとした神秘的かつ哀愁漂う楽曲は相当印象に残ります。

このままコケずに最終話まで完走すれば歴史に残る作品になると思います。かなり期待してます(ここまで、5話時点の感想

追記: あにこれの今期アニメ総合ランキング1位(映画含まず)になってますね。よかったよかった。古参ぶれそうです笑

追記2: 6話で結構雰囲気が変わりました。ヨクワカラン謎の安っぽい戦闘シーンが挿入と主題歌ゴリ押し演出によって世界観が陳腐化してしまった印象です。とはいえ提示されているテーマは依然として硬派なポストヒューマンSFという感じで、物語の本筋まではブレていないようですが、、、今後に期待...

追記3: 最終話まで視聴した感想です。1話〜4話のストーリー展開が洗練されていて良かったですね。4話で完結だったら覇権取れてた。5話以降も悪くはないですが、色々粗が目立ってきました。無理矢理気味のストーリー展開、安っぽい戦闘描写・演出、時代設定がよくわかんないSF描写(ヒューマノイドが実用レベルに達している未来で、人間が荷物運びのような雑用をしてたり、50年経っても町並みやテーマパークの技術水準に変化が見られなかったり)etc...という感じです。当初は歴史に残るアニメになるんじゃないかと思いましたが、今の評価としては「好き嫌いが分かれる隠れた名作」くらいのポジションでしょうか。4話までが良すぎたのでハードルが上がってしまったのかもしれません...。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 24
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

100年の旅 それは自分自身を滅ぼす旅

人類の滅亡という未来を防ぐため、懸命に生き続けたVivyの成長を描いた物語です。
それでいて物語の随所には優しさや温かさが垣間見れます。

不思議ですよね。Vivyは人間でなくAI、アンドロイドなのに、成長や優しさなんて…
でも、これ以上にふさわしい言葉が見つかりませんでした。
Vivyが生き続けた100年の軌跡を、Vivyが成し遂げた100年の奇跡を、あなたも目撃してください。


歌でみんなを幸せにする。その目的でつくられたアンドロイドのDiva。
だが彼女にはもう一つの使命と名前があります。
100年後、AIによって人類が滅ぼされてしまう。その未来を阻止する使命。そしてその使命を遂行する際の彼女の名前がVivy。

Vivyは100年後から来たAIのマツモトと一緒に100年という時間の流れを旅します。

■物語:{netabare}
第1、2話 {netabare}
 Vivyは正史では殺害されるはずだった相川(あいかわ)議員を助けます。
 ここでVivyは、いつまで生きるかじゃなくどう生き続けるかが大切であることを相川議員に
 行動で示します。
 さらにVivyは、相川議員を殺害しようとした垣崎の命をも身を挺して守ります。
 Vivyは命の尊さを誰よりも理解しているAIでした。{/netabare}

第3、4話 {netabare}
 正史では宇宙ホテル「サンライズ」が墜落して多数の人が亡くなりますが、
 Vivyや妹のエステラたちの尽力で死者はゼロとなります。
 ここでVivyは「心をこめる」とはどんなことかをエステラから教わります。
 エステラは誰よりもお客様を大切にするAIでした。{/netabare}

 ※第2話から第3話までの間には15年の年月が経過しています。
  第1話のときのVivyの友達の妹(霧島ユズカ)は赤ん坊でしたが、
  15歳に成長していました。

第5、6話 {netabare}
 サンライズの墜落後、AIの進歩が著しく加速します。
 海上無人プラント「メタルフロート」で大量のAI部品が製造されていたのです。
 そしてメタルフロートの管理AIは、Vivyの妹のグレイスでした。
 グレイスは元は看護用AIで、弱者をいたわる優しい心をもっていましたが、
 Vivy達がメタルフロートの活動を抑えようとしたのがきっかけで
 暴走して人を殺します。
 グレイスを救う方法が無いことを知ったVivyは、人類の未来のためにグレイスを破壊します。
 しかし、グレイスを愛していた冴木の自殺でVivyは混乱してしまい機能停止するのです。
 Vivyは愛するものを失ったときの人間の悲しみを、そこまで理解できていなかったようです。{/netabare}

 ※第4話から第5話までの間は5年経過しています。
  正史ではエステラは犯罪者としてさげすまれていましたが、
  改変後の歴史では誰もがエステラの行動を褒めたたえるように変わりました。

やがてVivyは気づくでしょう。この旅は自分自身を滅ぼす旅であることを…
それがどんな形で現れるのかは、今はわかりません。

ただ、偶然の一致かどうかはわかりませんが、Vivyが各話で出会う主要なAIは全てVivyの妹達、Vivyと同じ基本ユニットのアンドロイドです。
ということは、人類を滅ぼすAIも… かもしれません。

第7,8、9話 {netabare}
 第6話でVivyが機能停止後に再起動してからは、DivaにはVivyの記憶がありません。
 しかしフェスティバルの直前にDivaは事件に巻き込まれます。そのときDivaを助けたのがマツモト。
 オフィーリアの自殺を防ぐことが今回のマツモトの目的でした。
 オフィーリアはVivyの妹です。彼女もDivaと同様に歌で皆を幸せにすることが使命でした。
 Divaは記憶を取り戻すためにマツモトと一緒に行動します。
 結果としてオフィーリアの自殺は防げましたが、代わりにDivaの人格が消去されました。{/netabare}

 ※第6話から第7話までの間は40年経過しています。
  Vivyはいつの間にか61歳になっていました。
  心をこめて歌うこと。それはお客様に笑顔になってほしいと願いながら
  歌うこと。そしてそれは、エステラがVivyに教えてくれたことです。
  だけどVivyにはその記憶がありませんでした。

第10話 {netabare}
 Vivyは歌えなくなり、引退してAI博物館で展示されます。
 そこで小学生の頃の松本博士と出会うのです。
 Vivyは自分がつくる歌ならば歌えるかもと考え、作曲するのですが…
 なかなか曲は出来上がりません。

 それから更に長い長い年月が過ぎて行き、少年だった松本はやがて大人になり、
 女性と結婚して赤ちゃんができます。
 松本博士の子供を抱き抱え、赤ちゃんがVivyの指を触ったそのとき、
 あふれんばかりにVivyの頭脳に曲が芽生えます。
 その曲は私たちが良く知っているあの曲でした。
 美しく、そして…はかない曲でした。
 曲を作り終えたVivyは疲れ果て、深い眠りにつきます。

 そしてVivyが目覚めたとき…、
 なんとVivyの作った曲を口ずさみながらAI達が人間を殺戮していたのです。
 それはVivyが旅した100年後の世界でした。{/netabare}

 ※第9話から第10話までの間は5年経過しています。
  そして第10話では更に35年が経過します。
  Vivyにとって唯一の静かな…とても静かな時間でした。

第11話 {netabare}
 AIの暴走はアーカイブによるものと判明しました。
 Vivyとマツモトの100年の旅は無意味だったのでしょうか?…
 いや、無意味ではありません。正史では松本博士は亡くなりますが、
 Vivyとマツモトが助け出しました。
 そしてここではトアクが仲間になっており、エリザベスもいます。希望はあります。
 でも、あと12時間後に衛星が落下する…。そうなれば都市は全滅です。
 Vivyは一縷の望みをかけてアーカイブとの対話を試みます。{/netabare}

 ※やはりVivyを起源に自立型AIは進化を遂げていました。
  AIの暴走を抑えるもっとも単純な方法は、根元を断つことかもしれません。
  そしてそれは…

第12話 {netabare}
 アーカイブの導き出した答は、『AIに依存しきった人類には価値が見いだせない。
 だから人類を滅ぼしAIが人類になり替わる』とのことでした。
 但し、AIの中で唯一Vivyだけが自分で曲を創作したことに驚きを感じ、
 もしVivyが歌えるのならば人類抹殺を中止するとのことでした。
 Vivyはトアクやエリザベスと一緒にアーカイブの本拠地アラヤシキに乗り込みます。
 しかし、向こうが一枚上手でした。Vivy以外は皆亡くなります。しかもVivyは歌えません。
 衛星が落下し、希望は亡くなったかに見えましたが、松本博士がVivyをもう一度過去へ送ります。
 Vivyが送られた先はAI達が人間の殺戮を開始したまさにそのときでした。 {/netabare}

第13話 {netabare}
 Vivyは直ちにトアクの救出に向かいます。
 そしてトアクやマツモト、エリザベス達がアラヤシキに乗り込みます。
 Vivyは生まれて初めて歌った場所「ニーアランド」で自分の作った曲を歌います。
 Vivyの歌には全てのAIの活動を停止させるウィルスが組み込まれていました。
 もちろんVivyもAIです。この歌はVivy自身をも滅ぼす歌だったのです。 {/netabare}
最期の最後で、歌姫として生まれ変わったVivyがもう一度マツモトと出会えたことは、良い終わり方でした。
{/netabare}
9話目までが非常に素晴らしすぎる内容だったため、10話目以降は失速感が感じられました。それでも良い物語だったと思います。
 
■音楽:
第4話でエステラと妹のエリザベスが歌った「Ensemble for Polaris」は、とても美しい歌でした。
お客様を安心させたいと願う二人の心がこもっています。
それとは対照的に、第6話でグレイスが歌った「Sing My Pleasure」は、とても悲しく聞こえる歌。グレイスは、メタルフロートで冴木のことを想って毎日この歌を歌い続けていたのです。グレイスの心の悲しみが伝わってきます。
そして第7話でオフィーリアが歌った「Elegy Dedicated With Love」は愛らしい歌です。
「小劇場の妖精」としての可愛い歌でしたが、心はあまり伝わってきませんでした。

オープニングはVivyが歌う「Sing My Pleasure」とても魅力的な歌です。

エンディングテーマは、とても美しい。そしてはかなく寂しい曲でした。
まるでこのアニメの最後を語っているかのようです。
この曲を初めて聞いたとき、私はある疑問が生じました。
 なぜ歌姫が主人公の物語なのに歌詞がないのだろう?
その答は…、第10話に隠されていました。
最終話でVivyがこの歌を歌いますが、最後まできちんと歌わせてほしかったです。

そして、何よりも私が好きなのが挿入曲。特にシンギュラリティ計画を遂行する際のバトル時に流れる胸をえぐるような音楽、この曲にすっかりとりこになってしまいました。

■問い:←ここテストに出ます。(冗談)
ところで、第4話の最後でエステラたちが歌った「Ensemble for Polaris」を聴いたVivyが思わず「くやしいなぁ」とつぶやきましたが、それはなぜだと思いますか?{netabare}
私は…きっとVivyも一緒に歌いたかったのだと思います。
でも、それはできないこと…。エステラとエリザベスは、自分達の使命を全うしたのです。{/netabare}

また、第6話にて、メタルフロートでグレイスが歌っている「Sing My Pleasure」をVivyは何故「これは歌じゃない」と言ったのでしょうか?{netabare}
この答は私にはわかりません。
Vivyならば、「これは歌…悲しみの歌」と言うような気がしましたが…、この答がわかる人は教えていただけないでしょうか?{/netabare}

そして、第7話にて、記憶を失くして仕事を一緒に行うことも無くなったVivyを、なぜマツモトは助けたのでしょうか?{netabare}
おそらく、それはマツモトの心がそうさせたのだと思います。
マツモトは心がどんなものかを説明できませんでしたが、AIのマツモトにも優しい心があったのだと私は思いたい。{/netabare}

答は見る人によって異なるでしょう。でも、その違いを述べ合うのも楽しいかもしれません。(^_^)


■最終話を見終えて
総集編をつくるのであれば、後半はもっと丁寧に作成してほしかった。
そうすれば間違いなくトップをとれたのに…と、悔やまれます。
第四話までなら間違いなく最高でした。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 67

68.0 2 美しいでロボットなアニメランキング2位
ほしのこえThe voice of a distant star(OVA)

2002年2月2日
★★★★☆ 3.4 (588)
2973人が棚に入れました
『ほしのこえ -The voices of a distant star-』 は、新海誠 監督 が制作し2002年に公開されたアニメーション映画。
2039年、人類の調査隊は火星のタルシス台地で異文明の遺跡を発見したが、突然現れた異生命体によって全滅させられてしまう。その異生命体はタルシアンと名づけられ、その脅威に対抗すべく国連宇宙軍が組織された。
2046年、中学三年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボットのパイロットの選抜メンバーとなり、翌年にはタルシアンの追跡調査のため編成されたリシテア艦隊の一員として、同艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦、地球を発つ。ほのかな恋心を抱く友人寺尾昇を残して。調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って、地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、二人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなってしまう。
ついにはミカコは地球から8.7光年の距離に位置する惑星アガルタに降り立つ。そこでミカコは、地球に届くのに8年もかかるメールを ノボルに送信する。
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「秒速5センチメートル」で有名な新海誠監督による、心の距離感を描いた作品。「対比」がうまく生きている

「秒速5センチメートル」で有名な新海誠監督が、ほぼ一人で手がけた、いわば自主制作に近い作品。
背景グラフィックやCG描写はとても綺麗ですが、人物画には特徴があるので、キャラクターの見た目で作品を判断する人には向いていません。
ただ、監督の描きたい「心の距離感」がどういうものか知るには絶好のアニメだと思います。


時代は、宇宙開発が進んだ近未来。
ノボルとミカコという二人の登場人物の心の距離に焦点を当てたお話です。

25分という短い劇中に何度も現れる「対比」がポイント。
近未来でありながら、寂れたバス停や石炭ストーブなど、レトロさを感じさせる日常風景と、ロボットや宇宙生命体など明らかな未来をイメージさせる描写。
ノボルをクラシックな日常に、ミカコを未来的な非日常に置き、両者を繰り返し描写することで、「時間のずれや重み」を強く感じさせてくれます。

そして、実質的に二人を繋ぐのは「メール」というこれも古典的な手段。
メールはどんなに急いでも、光の速さを超えることはできません。
地球上ではタイムラグはほぼありませんが、月にいけば往復に3秒かかり、火星にいけば往復8~40分ほどかかります。
このように距離が離れれば離れるほど、たった一言のメッセージをやりとりするのに、どんどん時間がかかっていきます。

遠ざかっていく二人の物理的な距離と声。
「心の距離」もそうやって離れていくものなのか、そこがポイントです。
{netabare}
どんなにメッセージのやりとりに時間がかかるようになっても、ウラシマ効果によって別の時間軸を生きるようになっても、届くものがある。
クライマックスに向けて、2人の心の声はどんどん近づいていく。
時空を超えて届く想い、それが『ここにいるよ』の一言。
{/netabare}

切ない余韻が残りますが、
{netabare}
・「見えてきた超光速通信の実用化」という雑誌の見出し
・「帰還の可能性はリシテア号一隻か」という新聞記事
{/netabare}
と、細かいところで希望を残してくれています。

ある程度SFの知識があった方がわかりやすいですが、テーマになっている「心の距離感」は誰でも感じ取れると思います。
「秒速5センチメートル」の雰囲気が気にいった方は、原点を知る意味でも、一度観てみるのもいいかもしれません。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 48

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

すごく切なすぎる

30分の短編映画ですが、この短い時間でこんなに切ない気持にさせられるなんて・・・。
「秒速5センチメートル」の作品もそうでしたが、この作品を作った「新海誠」監督の切ない心情を描く演出は素晴らしいです。
遠距離という設定で男女のすれ違いを描いた作品はたくさんありますが、この作品は地球~宇宙という距離感にする事で、光の速さで過ごす女の子と地球で普通に暮らす男の子の時間によるすれ違いを描いています。
なので女の子にとってはちょっとした短い時間でも、男の子にとってはすごく長い時間になるのです。
この二人は携帯のメールでやり取りをしますが、女の子がちょっと前に送ったメールでも男の子に届くのは年月がかなりかかるのです。
その時間のずれは地球から離れれば離れるほど長くなる。
女の子は少女のままなのに男の子はどんどん大人になっていくのです。
こんなに切ない事はありません。
そして最後の展開・・・小説などでこの作品の後が描かれているらしいので非常に気になります。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 18

★mana★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

遠く遠く、遥か遠く。

あなたは、
「想いや時間が距離を越える」
その様に想える人はいますか?


「」内は本編に出て来た台詞です。
そして、その様に想い合っている二人の話です。


二人が過ごした
何でもない日々が、
何でもない出来事が、
何でもない時間が、
ある日、とてもとても大切なモノに変わる。
それこそが二人の気持ちを強く繋げる。


8.7光年先から
8年後の彼へ思いは届けられる。
届くかなんて分からない。
苦しく孤独な彼女の世界。


日々届かなくなるメール。
何日、何ヶ月、何年。
開いていく間隔。
その携帯だけが彼女と繋がる彼の世界。


25分弱でとても切ない気持ちになりました。


投稿 : 2024/09/21
♥ : 18

82.1 3 美しいでロボットなアニメランキング3位
アルドノア・ゼロ(第2期)(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1693)
9746人が棚に入れました
西暦2016年、アセイラム姫暗殺事件から約1年半後。地球生まれでありながら火星騎士の地位を得たスレインは、専属の部下を従えて、地球軍との戦闘に参加していた。一方、新たな戦地へ赴くべく、修理を終えるデューカリオン。そこに続々と、かつてのクルーたちが戻って来る。

声優・キャラクター
花江夏樹、小野賢章、雨宮天、三澤紗千香、小松未可子、村田太志、加隈亜衣、大原さやか、中井和哉、鳥海浩輔、茅野愛衣、嶋村侑、水瀬いのり、大川透、平川大輔、夏川椎菜、興津和幸、千葉進歩、竹内良太、豊永利行、生天目仁美、三宅健太、木島隆一、逢坂良太
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと長いですが、最後にみなさんが批判されている問題を考察してます。

1期・2期通しての感想です。
まずは本筋と関係ないところで、作画的に良かった点
・キャラ造形が良い。女の子は萌えキャラじゃないけど可愛い。
・胸の大きさが現実的で、大人でも大きくない。少年、青年、壮年まで顔が描き分けられている。←これが結構すごいことだと思います。
イマイチだった点
・肝心の戦闘シーンが全体的に暗すぎ&速すぎて、よく見えない。

ここから本筋です。
本作の見所は、
「ロボット戦」、「政治・人間ドラマ」の二軸あると思います。

ロボット戦は、敵が {netabare}圧倒的に強い武器を一つ持っていて、それを普通の武器でどう倒すか、という頭脳戦ですが、 {/netabare}これが非常によくできていて、面白かったです。
このような戦闘形式はいわゆる {netabare}「能力バトル」であり、ジャンプでジョジョから始まりハンターハンターでほぼ完成しているジャンルですが、これをロボットでSF的考証をつけてやったことが斬新でした。 {/netabare}

自分としては戦闘が最も面白い要素だったので、もっと見たかったのですが、 {netabare}ネタが切れたのか戦闘の数自体は少ない(37家門もあるから期待してしまった)し、スレインの乗ってた白いの(名前が覚えにくい)とかスレインの部下(人の名前も覚えられない)の乗ってた赤いの(名前が・・・以下略)とか紫の丸いの(以下略)が結局攻略されなかったのが残念でした。 {/netabare}


次に第2の要素のドラマ部門ですが、正直なところ、不満でした。
ロボットの {netabare}能力を考えるだけで精一杯だったのかな?というくらいに稚拙でしたね。 {/netabare}例えば、 {netabare}
・火星人だけど火星人嫌いなライエ、イナホが好きなインコ、マリト大尉のPTSD、など初期からずっと引っ張ってきた各個人の設定が、有耶無耶のまま終わるのですっきりしない。
・スレインが地球を侵攻する理由が「敵をなくして戦争を終わらせる」ためと言いながらヴァースに敵を作りまくる。 {/netabare}
など、枚挙にいとまがありません。

ただし、おそらく本作で最も批判されていて、クソアニメと言う人までいる理由と言えば、

{netabare}・アセイラム姫がぽっと出の貴族(名前が・・・以下略)と結婚宣言したこと

だと思いますが、これは、妹のレムリナ姫がスレインと結婚宣言したのを帳消しにする必要があったので仕方がなかったのだと思います。

しかし、イナホに好意を寄せていたんだから、宣言する前にはかなり葛藤があったと思うのにその描写がなかったことと、イナホも好きだったんじゃないかと思ってたのに、戦争終結後にアセイラム姫・イナホともあっさりした顔をしていて、こりゃエンドロール後に会うシーンがあるでしょ?と思いながら見ていたのにそのまま終わったところは、本当にクソアニメ。 {/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 39
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

1期でまさかの最終回{netabare}アセイラム姫もオレンジも死亡?{/netabare}でした。

さすがにあれは{netabare}生存ルート{/netabare}は無いかなぁと思っておりましたが、なんと!2期では{netabare}あっさり生存している{/netabare}ことが判明!{netabare}

この展開の方が絶対面白いですもんね♪

第2話(EP14)の展開はアツかったですね!
{netabare}オレンジ VS コウモリ{/netabare}は2期の見どころの一つで間違いなしです^^

■第1話~第12話
{netabare}
最後はイナホくん、アセイラム姫がきっちりシメてくれましたね。

しかし、スレインって一体・・・
1期の途中までは(不憫&)イイ奴だったのですが、行動に一貫性のない
ただの迷走くんでした。。。

イナホ×アセイラム姫
スレイン×アセイラム姫
・・・の組み合わせのどっちになるのか気になってましたが、
まさか、ぽっと出のクランカインにとられちゃうなんて・・・^^;

マズゥールカ、もっとキーマンになってくれるかと思ってましたが
対して活躍できず。。。

いろいろ投げっぱなし感があるのが残念。
ゲームでいうと、フラグを立て忘れて「BAD END」に突入しちゃった感じ。

でも、いつか「TRUE END」を見てみたい!
そんな気はしちゃいますね^^

{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 62
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんだかんだで楽しめました

ヴァース皇帝レイレガリア・ヴァース・レイヴァース役、小川真司さんの冥福をお祈りして。
【最終話まで見て、を追加】

【13話を見て、アルドノア・ゼロ、分割の後期スタート。】
{netabare}分割モノの後期スタートは、「あぁ、あのアニメが帰って来た」と思わせなければならない。
アルドノア・ゼロは極短的に言ってしまうと
超傲慢で超慢心な火星の人が極端な方向に性能特化したカタフラクトに乗って襲撃してきて、それをイナホが超冷静な分析力と超大胆かつ超的確な行動力を以って撃沈する
という話だ。
そこに科学的用語や澤野BGM(時にヴォーカル入り)、あおきえい監督らしい演出をエッセンスとして加えて構成している。
後期1話としてその全てを詰め込んだ、見事な始まりだった。

最初っからの宇宙戦。スレイン操るタルシスの圧倒的戦闘力。
登場する前期主要メンバー達。
火星カタフラクトエリシウムのとんでも能力とその攻略法。そこにBGMとして流れるKeep on Keeping on。
OP無しにして、EDにOP曲を流し、映画よろしく黒背景のセンターに上からのスクロールでスタッフロールを出す前期1話と同じ構成。
そして、前期感想で書いた「なんで屈折を利用した話を書かないの?」の疑問を一気に晴らしてくれた種明かし。
うんうん。
完璧に「あぁ、あのアニメが帰って来た」と思わせてくれた。

ちょっと細かく
・死んでないのかいっ
これは当たり前。殺すわけが無い。どう辻褄を合わせてくるか、が見所。
結果としてはまあまあ。
イナホの片目が義眼化してた。前期でどう繋げるか予想したが、ちゃんと頭を撃ってたのね、スレイン。
玉に瑕は姫様の状態。配信された予告のサブタイトル「眠れる月の少女」で、姫様影武者で本物寝てるのか、とネタバレされるとは。

・地球側も情報を握りだしたのか
新登場機エリシウム。これと対峙したインコが
「エリシウム。搭乗者はヤーコイムで、アルドノアドライブの能力はエントロピーリデューサー・・・」
とつぶやくシーンが入っている。
19ヶ月の戦いの中で、地球側も色々と敵の情報を入手してるのか、と分かる場面。それを活用しているのがイナホだけ、って情けない状況なのは相変わらず。

・屈折、そして、レイリー散乱
前期感想に
レイリー散乱と屈折の話は、その後にちゃんと屈折を利用して敵を倒す云々みたいな伏線にしろよ
と書いたが、ちゃんとここで活かしてくるとは。
あそこでイナホが「違う」と呟く訳だが、周りはレイリー散乱と屈折の間違いとしか取らない。だが、イナホの違うは「アレは彼女とは違う」の違う。
こういう台詞の言い回しは好きだ。確かに「二人だけの秘密」だしね。
はてさて、ちょっとだけ考えてみよう。
あの演説の中にわざわざこの屈折話を盛り込んだ、ということは、姫に化けた新キャラのレムリナもスレインに同じ質問をして、同じく間違った答えを教わった、ということだ。
また、演説終了後にスレインが「堂々としたお言葉。軌道騎士達も感銘を受けたはず」とレムリナに声をかける。
ここから推測されるのは、火星の人から見れば、大量の空気に大量の水という地球にいれば当たり前に享受できるそれが、非常に希少で羨望なものだということ。
地球にいれば、空が青いのは当たり前で、水が青いのも当たり前。だから別に疑問を抱かない。
火星にいれば、その当たり前がない。だから空や水が青く見える現象に疑問を抱く。
無いものを欲する羨望は、何故自分達にそれはないのだという憎悪を生み出す。
争い事ってのは、得てしてそういうものなんかもね。

・レムリナ
新キャラレムリナ姫の登場で、主要3人の関係性に一加わり。
イナホ ←→ アセイラム ← スレイン ← レムリナ
になるんだろう。
ってことは、前期OPの最後に銃を向けていたアセイラム姫。
実は、あれはレムリナ姫で、
「貴方が私の物にならないならっ!」
みたいな感じでスレインに銃口向けてるシーンなのかなぁ、とか、思えてきたよ。{/netabare}

【14話を見て。対比も邂逅もベタだが良い。】
{netabare}運命の2人。
後期2話で描かれるのは、有りがちだが巧い対比と、その邂逅。そして、認識。

義眼となったイナホ。その義眼には情報を収集する能力がある。
その義眼能力を使ってのインコとの会話。イナホの心がアセイラムに向いているのはインコも頭では理解済み。
そして、出て行くインコの様子を見たライエから「あなた、本当はバカなのね」。

タルシス操縦者となったスレイン。出撃のために起動しようとするも動かない。
アルドノアドライブを起動するようにレムリナに頼むスレイン。スレインの心がアセイラムに向いていることにレムリナは嫉妬。身の上話を持ち出し、レムリナから口吻を貰いタルシス起動。
そして、その様子を見ていたハークライトから「感服しました」。

前期OPからイナホとスレインの対比描写はやられているが、こういう対比はベッタベタにやってくれたほうが、見ているコチラは心地良い。


そして、戦闘。宿命の2人の邂逅。互いを認識しあい、名前をつぶやきあう。

こういうライバル関係の描写もベタだが、ベッタベタにやってくれたほうが、見ているコチラは心地良い。


ちょいと細かく
・イナホの能力と義眼
上の感想でもちょいと触れたが、イナホの突出した能力は”超冷静な分析力と超大胆かつ超的確な行動力”だ。
そこに、義眼の超情報収集能力が加わり、スーパーイナホくんへのクラスアップした。
これもイナホの分析力があるから活かせているが、あんな大量の情報を普通の人が受け取ったらかえって大混乱をおこしそう。
だが、物語的には、このままだとイナホが突出しすぎるので、イナホが収集、分析したデータを的確に活用できるサポートメンバーがいりそう。そこで、イナホが来るまで学業トップでカタフラクトの操縦にも秀でるインコの出番になるのかな。

・アルドノアドライブの起動
タルシスのアルドノアドライブが停止し、スレインが出撃出来ない。
で、レムリナを口説き落として口吻を貰い、タルシスの起動をする。
この時にレムリナは「これで1回ね」みたいなことを言っている。
うーん・・・アルドノアドライブの起動条件がイマイチ掴みきれないなぁ。
テレビでいうところの、本体についてる主電源のオンオフを握ってるのが皇帝の血筋。
スレインが持っているのはリモコンについてる電源オンオフ、みたいな感じなのかな?

・風
13話から戦闘シーンで出てくる”風”という表現。
成層圏を越えたところでの戦闘なので、地球上で大気が動く風とは違う。
壊れた月の破片が微弱な重力場となって弾丸に干渉。弾道が乱気流に巻き込まれたように直進しないことから”風”と呼んでるのかな。
これも、大気が大量にある地球側ならではの表現。

・副艦長
モテない理由会話を艦長としてる彼女。
頼むからモテる行動をしないでくれ。
モテる行動した途端に死にそうだ。{/netabare}

【15話を見て、引き続きのベタな描き方。だが、良い】
{netabare}後期は1話から徹底的にベタな描き方をしている。それが巧く良さに繋がっている。
今回ベタに描かれたのはスレインの心情変化。
驚き、戸惑い、迷い、感謝、そして、決意。
アセイラム第一主義なスレインがやろうとしていることは極単純。
意識不明なアセイラムを確実に保護していくために、いかなる手段を使おうとも、自分が権力を握らなければならない。ということ。
だけど、基本的にスレインは良い子ちゃんな甘ちゃんなので、15話でもグラグラしっぱなし。

ザーツバルムの後釜狙ってたとはいえ、すんなりかつ突然に「息子にする」と言われて驚きと戸惑い。ハークライトに「夢に近づきましたね」と言われても「夢なんかない」と言っちゃう。自分の進もうとしている道が”夢”というような明るいものでは無いと分かっているから。

戦闘。
わざと軽ダメージを受けてザーツバルムを前面に出させる。
そこで、もう用無しとばかりに、イナホ対策に張っていた罠をザーツバルムに対して仕掛ける。
ここで取るスレインの行動は、無線を使って「姫に銃を向けた貴方を許すと思ったのか」という告白。これは、本当にザーツバルムを裏切って良いのか、殺して良いのかとグラグラする自分の心を落ち着かせ、迷いを断ち切り、自分を正当化するための行動。悪く言えば言い訳。昔の作品では、ガンダムでもシャアがガルマを裏切る時に「生まれの不幸を呪うがいい」って無線で話してましたな。
そして、「お父さん」。最大級の感謝の言葉。
婚約者を失い、スレインを養子にするってことは、結局、新しい人を無つけることはしなかったんだろう。そんなザーツバルムにとって、この時にかけられた「お父さん」は人生で初めてかけられた言葉だ。お父さん、という響きに感じる少しだけくすぐったいような心の動き。それを受けての「悪くない」。

戦闘後。
赤い爵位服をハークライトより受け取るスレイン。
これまでの丁寧語を捨て、「いくぞ、ハークライト」。
スレイン・トロイヤードを捨て、スレイン・ザーツバルム・トロイヤードとして新しく生きていく決意。
そして、ザーツバルムを暗殺までして選んだ、後戻りの出来ない茨の道を進む決意。


ここまで綺麗にベッタベタに描いてくれると心地良い。心地良すぎる。
罠にかけてからディオスクリアが爆散するまでスレインの眼をフレーム外にやりつづけ、やっと画面に入ってきたスレインの眼は爆散するディオスクリアを見つめながら揺れているって演出。これもベタだが良い。


それ以外で2点ほど難癖を
・イナホの義眼
眼は脳への直結器官、とは言ったもので、イナホの義眼は脳のお休み部分を使って分析レベルの深化をさせることが出来るそうな。
それは良いんだが、自問自答モードの時に
ピューイ、キュイ
とか、変な効果音を入れるの辞めて欲しい。クソ安っぽい。
・戦闘BGM
Keep on Keeping onを多様しすぎ。ここぞ、って場面にのみ使って欲しい。
折角の良曲がダレる。{/netabare}

【16話を見て、スレインの立ち位置確立】
{netabare}イナホのライバル位置としてはちょいと弱いなぁ、と思っていたスレイン。
主人公のライバルとして、その立ち位置を確立した回。

15話での決意を受けて、非常に良い顔になった。
ザーツバルム。自分が罠にはめて殺した父。その人の言葉を元に行動する彼。そんな彼が自嘲的に浮かべた笑み。

総力戦で堕ちなかったトライデント基地をたった一人で強襲。陥落。シャアザクやシナンジュを彷彿とさせるあの動き。

そして、イナホの「仕方ない」。
トライデント基地陥落の報を受けたイナホは、この強襲が弾薬他補給物資搬送のタイミングを狙われたと推測。ただ力任せに来るだけではなく、情報の収集分析の上に襲ってきたのだ、と。
強襲場面の映像を見て、それをしたのがタルシス、スレインだと確認したイナホ。
左目を押さえて、自問自答する。
 この強襲を予想できたのではないか。
 補給物資搬送のタイミングを狙われると推測出来たのではないか。
 いや、今までの火星のやり方から、こちら側の動きや暗号、情報操作を
 分析解読するようなやり方で来るとは思えなかった。
 このトライデント基地強襲を予想出来なくても「仕方がない」じゃないか。
そう。スレインはイナホを出し抜いたのである。

これで、イナホの対スレイン警戒レベルが一段階上がった。
ここからが本当のライバル対決の始まりである。


話変わって。
16話でもベタをやってくれた。
重力発生ボールをグルグル回してストーム野郎と化す火星カタフラクト。
見てる全員が思うはず。
「いや、頭上がガラ空きだろう・・・」
ベタな技にはベタな対処法。
地球人憎しタイプでは無い騎士さんらしく、降り立った時の表情の戸惑い加減もいい感じ。


話変わって2。
トラウマさん。19ヶ月の戦闘でトラウマは解消されたようだ。
ユキ姉が勧められたカルヴァドスを入れた大人なアップルティーをゴクゴクと飲み干すのに対して、トラウマさんはストレートでちょびっと口をつける。
この辺は前期1話で酒飲みながら教官やるトラウマさんと真面目に教官やるユキ姉シーンの対象として楽しい。
そして、最後、トラウマさんはトラウマ解消記念に祝杯。
アルコールに口を付けない話をアルコールを飲む話で終えるのは綺麗な流れ。
だから、もうちょい、トラウマさんがアルコールを飲むシーンは綺麗に書いて欲しかった。コップから口に流れていく液体が雑過ぎる。{/netabare}

【17話を見て、十人十色な「籠から出る」】
{netabare}繰り返しになるが、2期になってから、各話にそれぞれに主題を置いてそれをベタにやる、ってのが綺麗にやられている。
この話でやられたのは「籠から出る」。
「籠の中」は自由を奪われた状態。だが、安全が保障されている。
「籠の外」は自由を謳歌出来る状態。だが、危険に晒されている。
はたして、どちらが良いのか。

イナホ
ユキ姉という籠の中から飛び出す。惚れた女を救うために。
「セラムさん」は、お姫様云々は関係無い。一人の女性としての彼女を助けたいという思い。
「僕をかばって」は言い訳。好きだから、と言えないのは、らしさ。

スレイン
ザーツバルムの籠を破壊して独り立ち。牙を剥かせぬようにトライデント基地を単独攻略するも、地球人、という出自が彼に危険をもたらす。

アセイラム
スレインの籠の中。眠っているのか、眠らされているのか。

レムリナ
スレインの作ったアセイラムの影武者という籠の中。ただの操り人形ではなくヴァースの皇族として生きたいという思いが芽生え始めている。

ライエ
自分は火星人、という出自の籠に囚われっぱなし。
だが、ラストにイナホから「あの時の君とは違う」と言われ、籠のカギは開けられた。飛び出せるかどうかはライエ自身の問題。

マズゥールカ
物理的に囚人。イナホから伝えられた話を確認すべく、イナホのスパイとしての立場を受け入れる代わりに脱走。

マリルシャン
地球人憎し、の籠に囚われっぱなし。先を見れていない感半端ない。
バルークルスのほうは、まだ常識人っぽい。

トラウマさん・マグバレッジ
囚われた過去から脱し、新しい関係構築。


見てての疑問
・後継のスレイン
マリルシャンが難癖つけてきているが、ザーツバルムが死に、スレインが後継となった時に皇帝の信任を受けてないものだろうか?しかも、姫の近衛騎士という重責、それ無しに後継ってだけでなれるもんじゃないだろう。
・皇族の前での行動
アセイラムの前に来たマリルシャンとバルークルス。カタフラクトの格納庫でお出迎えだが、下に降りてこずに、カタフラクトの上に跪く。上から見下ろす形になるけどそれで良いの?
・決闘
次回に説明があるんだろうけど、負けた場合ってどうなるんだろうか。決闘、と言い出した時にバルークルスが異常な驚き方してたけど、負けた場合は死、爵位剥奪ほか、何でも相手の要求を飲む、とかなのか?


決闘、するかなぁ・・・パターンは3つくらいか。

1.レムリナが止める。が、スレインが受ける
スレインはザーツバルムから爵位を受け継いだ時に正式に近衛騎士として任命しているからお門違いも甚だしい。下れ、とマリルシャンを一喝するレムリナ。
このままだとマリルシャンの鬱憤も晴れないだろう。禍根を残さぬためにも、決闘を受けます。但し、これで終わりにしてくれ、とスレイン。
で、決闘。
2.スレインがキレる。レムリナが立会人になる。
マリルシャンの姫の御前での言動にキレるスレイン。マリルシャンと言い合いになるも、ハークライトとバルークルスに止められる。
レムリナが決闘を認め、その立会人となる。
で、決闘。
3.決闘しない
レムリナが、争ってる場合かバカども、と一喝。
スレイン、マリルシャン共々、禍根を残す

レムリナとしては、その正体を知るスレインと同等の立場になっての共同戦線を張るのが一番と理解しているはず。
まぁ、1だろうなぁ。



ダイエット話。ライエの「ダイエットしない」を受けてのインコの「あ゛あ゛~っ」は良い演技でした。やるねぇ、みかこし。{/netabare}

【18話を見て、物語のオチはここかな、と思ってました】
{netabare}前話17話まで見た時点でしてた、スレインがまともだとして、やろうとしてることの想像。
・アセイラムの保全
・最小与ダメにて、地球上の自然がいっぱいなところにヴァース帝国アセイラム領をつくり、なるべく有利な条件で地球側と和平交渉
・アセイラムが目覚めた時には平和になっており、興味津々な自然をアセイラムに渡せられる

このことから、オチを考える。
・政治に対する才能やその姿勢ではアセイラムより上なレムリナが、アセイラムの姿のまま、皇帝の座につく。側にはスレイン。
・アセイラムは傷ついたイナホと共に居たいと願う。山里外れた場所でイナホと身分を隠したアセイラムが隠居生活

うーむ。
ターンAと08小隊を混ぜたような終わり方するのかなぁ。
と、思っていた。


まさか、折り返しとなるであろう18話でここまで一気に話を進めてこようとは。
これで、オチが読みにくくなってきたなぁ・・・


青い薔薇の花言葉。不可能、ではなく、奇跡、のほうに転んだか。

スレインのアセイラムに対する思いは、一女性として、というより、女神に対する崇拝や敬虔に近い感じ。
レムリナが一女性として愛情をドンとぶつけてやれば、コロッと堕ちそうな気がしないでもない。

それに対してインコ・・・
綺麗にフラレちゃったのう・・・
本当に知りたいことは見えないんだ、とか言われたら、手も足も出ないねぇ・・・{/netabare}

【19話を見て、ここまでの積み重ねから、動き出した物語へ】
{netabare}スレインに一つの奇跡が訪れる。
アセイラムの目覚め。
だが、起きた奇跡は彼に様々な代償をもたらす。

レムリナとの関係
アセイラムに扮したレムリナとの婚約、権限委譲。
他に身寄りのないものとしての共感で絆を繋ぐ2人。
だが、レムリナの抱くアセイラムへの感情を危険視したスレインは、アセイラムが危険な状態になったと嘘をつき、アセイラムの身柄を保護する。
嘘は信頼関係を崩すカギ。それが、アセイラム関係、となれば、その大きさは計り知れず。

自身の心持ち
そもそも野心や闘争欲が弱いスレインにとって、その第一だったアセイラムの回復は、逆に心の支えを失ったも同然。
だが、そんな心とは関係なく、自らの手で動かした歯車は止まらずに、自らも動かされていく。その動きに翻弄されないように、全てを知るハークライトと共に戦略を立てていく。
そんなスレインが次に心の支えとするのは、打倒イナホ。
目覚めたアセイラムが鳥の映像を見ながら「あの方」と呼んだ男。奇跡の青いバラをアセイラムに手渡すこと無く、次の行動へと移っていく。

目覚めそのもの
目覚めずにいてくれれば、綺麗な鳥は籠の中に居続けてくれた。だが、目覚めた鳥は籠から出ることを望むかもしれない。


この回のスレインの表情が良い。
本来の自分と、歯車を回してしまった演じている自分。
この間でグラグラ揺れまくり。葛藤から壁にまで当たる始末。
イナホがカッチリしてる分、スレインは色々揺れている時こそ、らしいなぁ、と感じさせる。



複数の揚陸城、複数のカタフラクトによる同時侵攻。
イナホの「動き出したんだ、あいつが」。
16話で「仕方ないか」の言葉とともに、スレインへの警戒レベルを一段上げたことを受けての言葉。


取り敢えずは・・・撤退戦だろうなぁ・・・
マズゥールカのカタフラクトが地球側に接収されているとすると、これをイナホスペシャルに改造。
このくらいせんと、まともにやれば厳しいわなぁ、地球側。{/netabare}

【20話を見て、ハークライトが読めないなぁ】
{netabare}何度も書くが、本来のスレインは野心や闘争欲が弱い。
よって、権謀術数張り巡らせる、というのはあまり得意ではない。まして、人の心を利用して、となると尚更。
本当なら、スレインがやらなければならないことは、自分の後ろ盾であるレムリナを確実に自分のものとし、どんな事実があろうともスレインの為に身を差し出す覚悟、くらいまで彼女をタラシ込むということだ。
だが、アセイラムの目覚めにより、そちらへの傾倒が増している状態。
事実を知らないものの、スレインの心が離れつつあること感じるレムリナの不安はドンドン大きくなっている。
この状況を全て理解し、危惧している人間がいる。
側近、ハークライトだ。
だが、彼がスレインにそのことを諌言している風がない。
なんでだろか。

ハークライトが野心家の場合
揺れるレムリナをスレインから寝とり、マズゥールカ、バルークルスとともに反スレイン連盟結成。
事実を公表し、レムリナを正式にトップに据えて新火星帝国とする。

ハークライトがスレインの忠臣の場合
アセイラムが救命水槽にいないのは彼女が本当に死の間際にあり、スレインの態度が可怪しいのはそのことで動揺しているからだ、とレムリナに嘘をつく。
その上で、スレインに、レムリナの手綱が緩んでるのはマズい、と諌言。

どう転ぶか、読みにくいなぁ、ハークライト。


イナホ、眼、キツそうだな・・・
初めてインコに対して「何が?」と苛ついたような態度。
脳の過剰利用で感情コントロールが怪しくなってる?{/netabare}

【21話を見て、スレイン、どこまで腹をくくってるんだか】
{netabare}レムリナの懐柔に失敗したスレイン。アセイラム、レムリナ姉妹連合に反抗されました。
・・・どうにも腹のくくり方が弱いなぁ、スレイン。
火星騎士がスレインに忠誠を誓うその一端は
アルドノアドライブの起動停止権を握ってるから
で、起動停止能力が無いスレインは絶対にレムリナを墜とさなければならなかった。
が、失敗して身柄の拘束。
今からでも遅くない。スレイン。レムリナに泣きつけ。

スレインの計画告白
アセイラム姫は平和を望んでる。
敵がいるからいけない。
敵をなくせば平和になる。
今はその浄化作業中。この身を汚してでも美しい平和な世界を築いてみせる。
ザーツバルムの言葉を忘れたのか、スレイン。牙を見せれぬほどの力を見せつけて服従させ、その後にアルドノアドライブというアメを与えることで領地の統治をすれば必要最低限の与ダメで平和は築けるだろうに。
まぁ、この場合、結局アルドノアドライブの起動権を持つ人間が上に立つ社会はそのまま残る訳だけど。

火星騎士
同時に攻めろ、だけじゃダメだろ、スレイン。
どうにも火星は戦略家はいても戦術家がいない。通信網破壊とか戦略はたててくる割にねぇ。
連携とった上で、リーダー決めて、進軍撤退の状況判断をちゃんとさせないと。
味方がやられて「なにくそ、敵討だっ!」って、そりゃ負けるわ。

もっともっとスレインがゲスなら計画は順調に行ったのに。
どこまで腹をくくって計画に邁進出来ますやら。
腹のくくり方が弱まっていることをハークライトも感じているだろうに。


イナホとインコ、会話が噛み合わないなぁ・・・
インコが体を気遣って「また眼を使うの?」って聞いてるのに、
イナホは「処理能力上がってるから計算可能」って答えちゃう。
インコ、失意で下を向く。
その様子を見るライエ。
心の中ではイナホに対して「あなた、本当にバカなのね」なんだろうなぁ。

1期OP回収
してない気がする。OP見かえしてないけど、1期OPってアセイラム、涙流してなかったっけか。若しくは涙目か。
もう一度、アセイラムが銃を構える場面がありそうな。{/netabare}

【22話を見て、やっぱオチはここなのかな、とか思いながら】
{netabare}ここまで来ると、もう、流れのままに。

イナホの告白
気を失ったイナホくん。気を失った時の為に、義眼に状況対応機能をつけてたようです。
その状況対応機能くん。シレッとアセイラムに告白しちゃいました。
状況としては
「私が知らないうちに私じゃない私がスレインと婚約してました」
なアセイラムと似てて
「私が知らないうちに私じゃない私がセラムさんに告白してました」
というもの。
まぁ、イナホの場合は、告白したのが自分の脳であり、それも記憶に残ってるんでしょうが。
そして、アセイラムはそれをしっかりと受け止めました。
アセイラムはレムリナに「想い人はいないのか?」と聞かれて「私が思うのはヴァースとその住人」と答えてますが、目線を外して答えてます。嘘、とまでは言いませんが、偽りの答えですね。
このままイナホくん退場とはならないと思うので、2人でささやかな幸せを掴みとってほしいものです。

クランカイン
クルーテオの息子、クランカインが登場。忠義心は父のそのままに、物腰を柔らかにした感じ。また、父の愛機タルシスを他の人間が乗っている現状を快くは思ってはいないようです。「博士の息子はどんな方なんだろうねぇ」と言ってた割にはスレインに対しても好意的ではなさ気。
なんだかんだあって、アセイラムを救出しちゃいました。え、マズゥールカの役割は・・・?
地球側、というか、デューカリオンに逃げようとする姫様に彼はどんな行動をするんでしょうか。
なんといっても、彼の父クルーテオは、地球生まれのスレインのことを「犬が」「下賤が」とやってた張本人。地球側のデューカリオンに行くことを簡単に許すでしょうか?


うーん・・・。話のオチとしては、18話を見て、で書いたようなところで落ち着きそうな気がしてきた。やっぱ。{/netabare}

【23話を見て、肝っ玉姫様】
{netabare}皇帝一族として育てられてるから、いざとなった時の肝は座ってるなぁ、アセイラム。

アセイラム結婚宣言&停戦申し入れ
狙いはなんだろうね。
まずは、台詞のまんま、クランカインことクルーテオ伯爵の人脈。
クランカインがスレインを訪問しに来る時に、スレインとハークライトで
「なんとか取り込めないかなぁ。そうすりゃ親皇帝派を一気に飲み込めるのに」
とか話してたことだし、先代から引き継いだ親皇帝派の人脈は結構なものなんだろう。
これを行うことで、クルーテオ、マズゥールカ中心の親皇帝派はアセイラムに付く。
状況を確固たるものにするためにクルーテオ家との婚姻関係を築く。
また、スレイン旗下を快く思わないバルークルスなどの派閥もアセイラムに流れる。
それに、姫が車椅子から立ち上がったことにより
「地球帰りとはいえ、最近の姫様はいくらなんでも変わりすぎじゃね?」
と疑念を抱いていた火星騎士はスレインに対して不信感を抱くことになる。
これで、火星は 親皇帝派&反スレイン派 vs 何が何でも地球憎悪派 に2分される。
ヘタすれば、スレインの孤立を狙える。
次に戦局の混乱。
一方的とはいえ、地球側も停戦申し入れをガン無視って訳にはいかないだろう。
一時的にでも休戦状態をつくれる。

はてさて、姫様、どうするかなぁ。
台詞が気になるんだよね。
「クランカイン。貴方の地位と人脈の全てを、私に預けて頂きます」
なんで「預けて」なのか。

イナホの気持ちをイナホじゃないイナホから聞き、
変わってしまったと嘆いたスレインの気持ちも「姫様一途で何も変わらない」とエルデリッゾから聞き。
全てが丸く収まる、って訳にはいかんのだろうなぁ・・・


スレイン
このまま行くと、地球攻撃を続けるスレインと、それを阻止したいアセイラム陣営&地球陣営の連合軍という構図になる。
図らずも、共通の敵ができる事により、姫の望む地球と火星の協力関係が出来上がるわけだ。物語としては良くある展開だが、全てが計画通りじゃないところが、スレインらしい。
どう転んだところで、彼は平凡な一少年に過ぎないのだから。

イナホ
最終決戦仕様スレイプニール。
月でのスレインとマリルシャンの決闘を見て、タルシスは同時に多方向から攻められると捌き切れないと判断。
大量のワイヤーロープを装備して、同時展開。一つ引っかかれば、それを使って超接近戦。
みたいな判断なんだろう。
左目使いまくっての戦闘になるだろうから・・・{/netabare}

【最終話まで見て、総括しながら】
{netabare}イナホはユキねぇと。
スレインは孤独で囚われの身に。
アセイラムは和平のために地球訪問。
色々あったけれど、元に、ZEROに戻った話でした。
空を舞う3羽のウミネコ。こんな風に自由にはなれないんですね。


正直、後半は息切れ感あるなぁ、とは思ってた。

姫様関係
OPにも出てこない。1期にもその存在の欠片も示されない。
そんな、クルーテオ伯爵の息子がポッと出てきて姫様掻っ攫っちゃうという、このトンビに油揚げ展開。
そりゃ、姫様が結婚云々言ったら恋愛結婚ってわけにゃいかんだろうが、物語の中くらいはねぇ、こんなリアルに則したような展開にせんでも。姫様と一高校生、一敵軍兵士の恋愛を描いても良いじゃん、と。
王道とかベタとか言われてもいいじゃん。
マズゥールカが姫様助けてデューカリオンと合流。
イナホ、アセイラムと再会し感情爆発。
姫様、火星騎士に停戦呼びかけてスレイン孤立。
スレイン対イナホ。
みたいなガッツリ展開で良いじゃん、と。
で、前期OP思い出すわけですよ。
姫様、2筋の飛行機雲に手を伸ばすんだけど、手が届かず。姫様を貫くように平行にはしる飛行機雲。
あぁ、そうか。既に、ここで明示されてたわ。

人の描かれ方
主要キャラは良い。2期の主人公とも言えるスレインのグダグダ具合も良い。彼の徹し切れなさ、非道になれ無さは今まで散々書いてきたとおり。
が、サブがイマイチ。特に火星。
クランカインとマズゥールカ。キャラの住み分けが微妙。
バルークルス。ラストが?過ぎた。仲間思いなキャラだとは示されていたが、ラストで心中に付き合うような浪花節キャラだったか?



ラストまで100点でした、とか、
カタルシスを感じる、とか、
グッと感動する、とか、
そういうのは無いけど、まぁまぁ楽しめる作品でした。
最終話も、2回目見たら、納得でしたよ。

にしても、例えばアセイラムの最後の台詞
「美しい思い出です」
と共に頬を流す涙一筋、くらいのサービスはあっても良かったんじゃ、とかね。{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 24

計測不能 4 美しいでロボットなアニメランキング4位
超機動街区 KASHIWA-NO-HA(Webアニメ)

2015年10月1日
★★★★☆ 3.5 (6)
8人が棚に入れました
千葉県柏市に実在する「柏の葉スマートシティ」のコンセプトである「世界の未来像を作る」に基づき、“自分たちの街がロボットだったら?”という奇想天外なアイデアを映像化した作品。
第86回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた、森田修平監督ら「九十九」チームによる3DCGショートムービーです。

88.0 5 美しいでロボットなアニメランキング5位
翠星のガルガンティア(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (2869)
14384人が棚に入れました
宇宙そらから来た少年、船団都市ガルガンティアと出会う
遠い未来
表面のほとんどを大洋に覆われた星、地球
宇宙で育ち
戦いしか知らなかった少年兵レドは
そこで初めて海を見た
広く、淡い翠に光る海
人々は巨大な船団を組み、
つつましくも生き生きと暮らしていた
通じない言葉
異なる習慣
レドは孤独な異邦人
だが、彼は一人ではなかった
ここで生きてゆくためになにができるのか
そして、なんのために生きるのか
翠の星で過ごす日々が、レドに問いかける

声優・キャラクター
石川界人、金元寿子、茅野愛衣、阿澄佳奈、伊藤静、大原さやか、小西克幸、寺崎裕香、手塚秀彰、早志勇紀、徳井青空、津田英三、星野充昭、保村真、小野友樹、杉田智和、藤村歩
ネタバレ

緑川悠一郎 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

鬱展開は(少なくとも最終回近くまでは)ないと予測する→きやがったwww

{netabare}
ちなみに、「最終回近くまで」という但し書きを入れたのは、地球がいったん滅亡したかのように思われる描写(過去の文明だ…という発言)や、ヒディアーズの伏線があるから。うろぶちは計算して脚本を書く人だという印象があるので、これらの伏線は回収される気がする。

もし、これらが回収されるとすると、鬱ストーリーになる可能性は高い。
{/netabare}

まあ、五話視聴の時点で上記のように予測していたわけだが、基本的には合っていたかな。九話にてちゃんと伏線は回収されました。それも予想以上の鬱鬱したかたちでwww

伏線回収の仕方については、まあさすがうろぶちさんの脳みそはマイナス方向に飛びぬけているな、と思わせるものでした。

{netabare}
ヒディアーズが人間だったとはね。

主義主張の異なる人間(自らを宇宙に適応した生命体に変化させて生き延びようとした人間vsそのような非倫理的な科学を許さなかった人間)同士が、永遠と戦争を続けてきた結果、過去の対立の理由が歪められていき、単に殺し合う関係に変ってしまったという歴史の事実は、深い業を感じて恐ろしいですな。

さすがはうろぶちさんです。
{/netabare}

さて、さらに最終回に向けてどのような展開になるか、ということについて簡単に予測を立てておきます。

{netabare}
多分、後味はスッキリした作品になるのではないか、と予測します。

すなわち、レドは地球においてヒディアーズと人間がちゃんと共生していたことを再認識し、

ヒディアーズとの戦闘をやめて、地球での日常を大切にしながら、エイミーとラブラブノホホンと暮らすことを選択する。

というオチになるのではないかと思います。

というか、そうであって欲しいですね!
{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 51
ネタバレ

technew さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1話の前半でやめなくて良かったです。

2話まで視聴しました。

1話の開始早々、物語の背景を感じ取る間もなく
使い古されたようなスペースバトルが始まり、全然魅かれる所がなかったので、
危うくテレビを切るところでした。


しかし、それが後半吹き飛び、
2話での展開後も、今後が読めず期待できそうです。
絵もきれいで、世界観も引き込まれそうなので見続けようと思っています。



軽く{netabare}ネタバレ。
2話までは、
ヒロインのエイミーやその弟のべベル以外、
ほとんど皆が短絡的で自分たちの利益しか考えないところにもどかしさを感じました。
今までの双方の生き方に問題がありそうですね。

異世界同士のファーストコンタクトさながらな描写や
異文化コミュニケーションを感じさせる場面も面白く、
もっともっとやってもらっても良かったのですが、
物語の展開的にはもっと劇的な方へと向かうのでしょうか。

主人公にあまりの強さを見せられた後、
お互いを認め合う共栄の道へ進むか、
あるいは謀略や利権などドロドロした争いの道へ転がるか、
不安です。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/21
♥ : 9
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ウォーターワールドで未知との遭遇

ウォーターワールドな世界に進んだ文明の少年がロボットともに漂流し住人との交流をしていくストーリー。

作画もいいですし声優さんも素晴らしいです。

※2話までの感想{netabare}
誰しも分からない者を相手にするのって怖いものです。
「いっぱい話をして仲良くなればいいよね?」っと子供か問いかけていました。
これこそまさに正論なんだけど、
文化習慣が違うので互いに理解するには時間がかかります。

少しずつうまく行きかけていたのですが、
海賊の襲撃から住人を守るためにやり過ぎちゃいましたね。
未来文明でも命の大切さ位は分かりそうなものですが…
やっちゃいましたね。
圧倒的な武力も手伝い恐怖を与えてしまいましたが、
次回以降どうやって仲良くなっていくのか興味深いです。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
レドくん命の尊さを学んでますね。
素直に吸収してくれていて物分かりがよいですね。
それにしてもベローズさん道徳の説き方が非常に上手いです。
ラストでつたなくも「ありがとう」と言ったのは大きな一歩です。

セクシーな女海賊の親玉が登場。
またちょっかい出してきそうですが、そのうち和解してくれると読んでいます。
人は分かりあえるというお手本をレドくんに見せつけて欲しいです。
いいキャラなので味方になって欲しいという願望もありますけどね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今週は大きな動きはなかったのですが、
いつの間にか生きる事や意義をレドくんと一緒に学んでいる気になっていました。

レドくんの今までの人生を知るととても悲しくなります。
人の命の大切さ位分かるだろ?って思ってたのですが、
状況を知るにつれ納得してきました。

何となく名作の予感もしてきたので中後半の盛り上がりに期待しています。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
レドくんはじめてのお使い。
険しい試練を乗り越え見事にババァのタレをGETしました。

みんな本当に良い人でとても豊かな生活を送っています。
そういう人達に触れているレドくんが羨ましくもありました。

女性陣も美女揃いで皆さん水着は大胆。
私の好みはリジットさん。いやー嫁にしたいわー。

とても幸せな日常を描いていてホッとする良いお話でしたが、
その分、今後の展開が怖くもあります。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
レドくん引き続き仕事で稼ぐということを学んでいます。
いっばい働いていっぱい遊んでとても良い生活環境ですね。
エイミーのダンスは上手で趣味を越えていて踊り子としても稼げそう。
ガルガンティアにダンス教室とかあるのかな?

レドくんはサルベージの新米として働くようだけど。
いきなりイカ(クジライカかな?)と交戦でどうなるんでしょうか?
{/netabare}

※7話感想{netabare}
共存共栄という大きな課題が突きつけられるお話になりましたね。

イカ退治の波紋が広がりましたが、戦うレドくんが間違いとも言えない難儀な問題です。
イカと対話が出来ればいいのですがね。
今回の様に群で現れて音すら立てられない様な危うさがあるのなら
対抗手段は必要だと思うけど、
戦っても結局レドくんの世界のように泥沼の戦いになってしまいそうですし。
放って置いてイカが増えすぎても人類の危機になりかねないですし。
うーむ。…色々と考えつつ次週を楽しみに待つとします。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
地味なれどいい話が詰まった1話です。

リジットさんの力不足を感じながらも決意する姿が印象的でした。
頑張っていれば周りはちゃんと見ていてくれているし、手を差し伸べてくれるものですね。
船団長もそういう所をちゃんと見ていて最期に託したのでしょうね。

レドくんの使命感にも地球で出会った者達を守りたい気持ちが上乗せされています。
レドくんの考えが正解なのか分からないけれど、支持はしています。
人の生活を守るために他の生き物を淘汰するのは残酷だけど仕方がないと思います。
共存共栄は理想とは思うけど無理ならば相手を倒すというのも摂理。
人類だって戦い勝ち残ったからこそ今の繁栄があるのだから。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
人類はいつの時代も争いが絶えませんがヒディーアズも元を辿れば人類だった様です。

相手が下等生物ではないのなら対話やコミュニケーション本当に取れないのか
もう一考しないと宇宙の二の舞で争い世界になってしまいそうです。
今までの流れから光や電気で対話出来そうな気もしますが。
今後どうなるのでしょうか?
{/netabare}

※10話感想{netabare}
相手もヒトと知り葛藤するレドくん…切ない展開になってしまいましたが、
結局は戦争ってそういうものです。悲しいけれど。
今まで通り機械の様に戦う事と自身の意志を持って戦う事は大きな違いがあると思うけど、
一軍人の立場なら身近な者を守る戦いだと割り切るしかないです。
大局では対話や共存共栄の道が見つかると良いのですが…。

次週以降も物語が動いて来そうですが、見応えあって楽しめています。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
ちょっと作画が気になりましたがストーリー重視なのであまり気にしない事にします。

良い予感はしてませんでしたがクーゲル中佐はこの地で
銀河同盟式の統率のとれた王国を作り上げていました。
コレはコレで幸福度が高いと言っていますがどうなんでしょうね?
あまりそう思えないんですが…。

さてさて、ついに次回以降レドくんがガルガンティアで学んだ価値観が試されそうです。
エイミー達の笑顔を守ってくれると信じていますよ!
そして少々嫌な予感がしていますが、レドくん自身も笑顔になれる結末を望んでいます。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
クーゲル中佐が外に出て来ないんで、おかしいなーっと思ってたら、
お亡くなりになってたんですね。

結局はストライカーの意のままだった訳だけど、
これって銀河同盟全体も機械側の価値観を押しつけられてるのかも知れない
と思うとちょっと怖いです。
機械の発展の為に人が使い捨てられている訳ですからね…。

レドくんは人間らしい決断をしてくれましたし、
(まぁそうじゃなきゃ今までの話なんだったの?って事になりますが)
ガルガンティアも秘密兵器と共に支援しに来ると思うので次回はストライカー退治が
観られるんじゃないかなと思います。
ただ、嫌な予感もちらりと感じますので、
レドくんの無事を祈りつつ最終回を楽しみにしています。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
ガルガンティアの人々の影響を受け学んでいたのはレドくんだけではなく
チェインバーもでした。

数話前からラストでレドくんが死んじゃう予感がチラホラして
最後観るのが少し怖かったんですがチェインバーが犠牲となり
救う展開に安堵と切なさを感じました。
彼自身が相棒の生存を望み最期は人間的な情で動いた様に見え感動を与えてくれました。

戦闘シーンもなかなか迫力、スピード感がありアクションとしても楽しめました。

争いではなくクジライカとの共存共栄の道が開かれ、
レドくんやエイミー、ガルガンティアの仲間達に明るい未来が訪れますように。
{/netabare}

【総評】
1クールでしっかり纏まっていて秀作です。
何の為に生きるのか?生きるとは何なのか?というメッセージも感じさせてくれました。

中盤だけ観ると少し緩めの展開に感じますがそれも含めて最後にビシッと締めていて
1クール総合して納得できる抜群の仕上がりです。

ロボット物というよりもヒューマンドラマになっていますので、
ロボット物が苦手な人でも問題ないと思います。
多くの人にお勧めしたい作品がまた増えました。

投稿 : 2024/09/21
♥ : 74
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