2021年度の続編アニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の2021年度の続編成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の2021年度の続編アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.5 1 2021年度の続編アニメランキング1位
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 4.0 (181)
730人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府組織「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

声優・キャラクター
小野賢章、上田麗奈、諏訪部順一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

シャア・アズナブルの亡霊

サンライズ制作。

第二次ネオ・ジオン戦争より12年、
地球連邦政府の腐敗した政治に抵抗すべく、
ハサウェイは反地球連邦組織マフティーに参加。
アムロ、シャアの理想と理念を宿し道を切り拓く。

戦争ではなくテロとの抗争が描かれるようだ。
ブライトの息子、ハサウェイ・ノアは、
組織を率いるほどの青年に成長している。
反政府組織の急先鋒としてのマフティー、
マフティー殲滅を任務・遂行する連邦軍大佐、
そしてシャトルに乗り合わせた美女アンダルシア。

あまり難しく考える必要もないでしょう。
{netabare}物語の主要メンバーが搭乗便の襲撃を受け、
立ち位置を明確にし、それぞれが活躍する。{/netabare}
物語の導入部としては素晴らしいものがあります。

後半はMSによる、戦闘がありますが、
操縦室のモニター、造形、音響に感動するも、
{netabare}そもそも、ガンダムの外装に違和感がある。
そんな複雑な印象を受けつつも、{/netabare}
もしかすれば群像劇として「人」を描くのかなと、
それはそれで、期待しております。

好感が持てる、新劇の開幕でしょう。

ぜひ配信で観て下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場で観るべき劇場版アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
久しぶりに、「あ~、俺、今、ガンダム観てるわ~」と思えた。非常に充実した1時間半。

原作は、1989年に出版された、富野由悠季さんの同名小説。「逆襲のシャア」から12年後の世界を舞台にしており、主人公は「ハサウェイ・ノア」。ホワイトベースの艦長として知られるブライト・ノアの息子。

コロナの影響もあり、この1年、映画館に行くのは控えていたのですが、本作はどうしても劇場で観たかったので、昨日行ってきました。田舎の映画館ということもあり、キャパの10分の1程度しか客がいなくて、かなりゆったり観られました。

劇場版三部作の1作目ということで、ストーリーは完結しませんが、充分な満足度がありました。

私が本作を劇場で観てほしいと思う理由は、本作の見所が、やはり映像と音声にあるからですね。

本作では、人間目線でのモビルスーツ戦が多く描かれます。モビルスーツの部品がちょっと落下しただけで命を失ってしまう、絶望感や恐怖。それを味わうには、大スクリーンで観るのが1番だと思います(私は映画館に行くと、視界が全部スクリーンで埋まる、前の席で観るのが好きなんですが、今作はそれがハマってた、スクリーンを見上げる形が良い感じでモビルスーツを見上げている気分になりました)。

まあ、ガンダムを知らない人はまず観ない映画だとは思いますが、一応、「地球環境の為に、全人類を宇宙に移民させようとする青年(テロリスト)の戦い」を描くストーリーです。逆シャアと世界線は繋がっていますが、前作を知らずとも観られる映画だと思います。

コロナ対策をしっかり行った上で、映画館で観てほしいですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
原作小説は、確か中学生の時に読んだはずなのに、びっくりするくらい内容忘れてる(笑)

あれは、いいものだ、、、いや、これは、いいことだ(笑)

ということで、ストーリーは知らずに、新鮮な気持ちで楽しみました。

序盤、宇宙船内の会話劇。これがガンダムの会話だよなという空中戦に、ニヤリ。

続いて、ホテルのシーン。どこかクェスを思い出させる、ギギのキャラに、ニヤリ。ハサウェイが大人になってて、ちょっと複雑な気分(笑)

(ちなみに、ハサウェイの植物学の先生が、アマダ博士って、シローとは関係ないよね? 映画の間、ずっと気になってしまったw)

ホテルを射撃したところからの逃亡戦は、本作で一番の見所。人間の目から観たモビルスーツ戦の迫力。圧倒的な暴力。

ハサウェイは、「地球のため」に戦っているが、「人のため」に戦っているのだろうか。明後日を考えられない人がいるなかで、1000年後の人類の、地球のために戦う愚かさと純粋さ。「魚が取れなくなった」と地球環境を嘆くくせに、ディナーで魚を食べる矛盾。しかしそれも、腐敗した連邦高官のせい。

市街地の上でも容赦なく射撃した軍も軍だが、そもそも市街地を盾にしたのはマフティーだ。

どちらが正しいとか間違っているなんてこと、富野さんが書くわけない。両陣営にそれぞれガンダムがいることが、その証左か。

終盤のモビルスーツ戦は、パイロット目線での戦いが熱い。ワケワカランが、訳もなく面白かった。

ストーリーに関しては、まだ序盤なので、3作観てから語りたいと思います。

余談ですが、私は今、30代中盤なのですが、映画館の客層の中ではまだまだ「坊や」でした(笑) オッサン8割、女性1割、子供1割(笑) もうちょい、ガンダムも裾野を広げていかないとな~と思いました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モビルスーツの場違い感が醸す破滅の予兆

原作小説は未読。

【物語 4.0点】
三部作の一作目。

構成は序盤~中盤3分の2が人間ドラマ。派手なバトルシーンは終盤に集中。
だからと言って、終盤の見せ場にソースを集中すべく、前半を捨てているわけではない。

むしろ前半のハサウェイと出会う人々との濃密なやり取りの方が、
武装蜂起を前にした、ハサウェイ自身によるアイデンティティが不安定な現状を自己分析するパートとして重要なのではないか?
それくらい人物描写が繊細で惹き付けられます。

ハサウェイ率いる反地球政府運動「マフティー」
相次ぐ戦乱で疲弊した地球に特権階級だけを残すべく、
市民を拿捕して宇宙へ強制移住させる「マンハント」。こうした腐敗に鉄槌を下す。
大義としては申し分ないが、過去の武力行使を正当化する名分と比べるとかなり弱い動機。
戦乱で敗れ去っていった者へ思い入れるハサウェイの私心ありやなしや?

マンハント糾弾という点では、地球に残りたい市民とマフティーの利害は一致するが、
最終的に人類は全員宇宙に移住すべしとのマフティーの理想とは齟齬を来す。

何より今や、宇宙世紀(U.C.)0105年。
もはや武力だの、モビルスーツだの、ニュータイプ理論だので現状を変更する時代でもない。
マフティーが人々から“テロリスト”と揶揄されるのは時代の空気を読めていないからだ。

そんなことはハサウェイも百も承知。
その上で彼はシャアら先人たちが歩んだ破滅の未来を回避するには?或いは破滅を織り込むのか?
自己の立ち位置を再確認するために、ネクタイを締め市井に紛れ、自分を模索し続けるのだ。


この観点から心に刺さっているのが{netabare}タクシードライバーとの会話シーン。
その日暮らしの市民には1000年後の地球環境を憂うマフティーの理想になど構っていられない。
だって周りには結構、自然は残っているし。

この活動家が日常生活から乖離して孤立する状況。
世の浮いてる活動家の方々には、テロに手を染めないためにも、耳をかっぽじって傾聴して頂きたいと願います。{/netabare}


ハサウェイが思索の果に迎えるガンダム発進シーン。
綺麗に自己を総括できていますが、高揚感は少な目です。
曇天への発進は、地に足が付かない、五里霧中な行く末を暗示しているかのようです。


以上の通り、物語を愉しむには、
『逆シャア』までのサーガをテーマまで咀嚼することが必須な、マニアックな作品であることは言うまでもありません。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

背景美術と人物作画の一体感を出す昨今のトレンドに逆行する本作。
写実的な海面などの背景に割り込んでくるモビルスーツなど浮きまくっています。
戦闘シーンでよくある街中でモビルスーツが煙を巻き上げるカットはメカを魅せるための演出。
ですが、本作の場合は、何もそこまでスクリーンいっぱいに煙やら火花やら噴かなくてもいいじゃないか(笑)
ってくらいの迷惑行為として処理。

宇宙世紀を動かすのはモビルスーツに乗ったニュータイプなどではなく、
メンズスーツを着たオールドタイプである。
モビルスーツなんてお呼びじゃない。
メッセージ性が作画構成でも徹底しています。


とは言え、オールビューモニター搭載が標準化したモビルスーツ同士の戦闘は迫力満点。
私は一作目は通常のシアターで鑑賞しましたが、
次作は360°没入感を最大化できる巨大スクリーン等での鑑賞にこだわりたいです。

【キャラ 4.5点】
主人公ハサウェイ・ノア。
顔立ちや対人関係のぎこちなさはアムロ・レイ。
二つの名を使い分ける暗躍ぶりはシャア・アズナブル。
アムロかシャアか。ハサウェイ自身が葛藤する際の引き出しにもなる。

ハサウェイの秘密を見抜き絡んでくる謎の美少女ギギ・アンダルシア。
大人の色気で、ハサウェイのライバルともなるケネス大佐とのトライアングルを仕掛けたかと思えば、
戦場では幼女の如く動揺を露わにする情緒不安定ぶり。

ギギとの交流の中で、クェス・パラヤを破滅へと攫っていったシャアの一件が重なるハサウェイ。
大義より、過去のトラウマという感情で言動を左右されるハサウェイ自己分析の一助ともなる。

総じて各サブキャラとも、ハサウェイ自身が掴めていない自分探しにヒントを与える献身ぶり。

【声優 4.0点】
ハサウェイ役の小野 賢章さん。
幼さと凛々しさが混在する青年ボイスで、村瀬監督からの“感情と思想に引き裂かれたキャラクター”という難題に応える好演。
このハサウェイ危ないことするよ。

ギギ役の上田 麗奈さん。ボイスを高嶺にコントロールして正体を掴ませない妙演。
これは周りの男どもも取り扱い方法に困ります。


公開前、劇場版『逆シャア』の少年時代以来、
長らくハサウェイに声を当ててきた佐々木 望さんからの“声優交代”が物議を醸しました。
ただこれも『ガンダム』以外のコンテンツではよくあること。
アニメ化よりも先にゲーム等でキャスティングされた声優が、アニメでは変更になるのは割りと普通。
ただハサウェイの場合はアニメ映画化以前にゲーム等で活躍する期間があまりにも長すぎましたw

また、このキャスティングについては、アニメ映画化後もゲームのハサウェイは佐々木さんが担当していることなどから、
①小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』→『閃光のハサウェイ』原作小説のハサウェイは佐々木 望さん。
②劇場版『逆襲のシャア』→本劇場版三部作のハサウェイは小野 賢章さん。
①②はパラレルワールドの別系統作品であると示唆しているとの見方もあるそうですね。

劇場版三部作見ながら原作小説読んだら①②の異なる要素が混ざり合って困惑してしまうかも。
この辺りが、私が劇場三部作展開中は、小説購読は『~ベルトーチカ・チルドレン』までで止めておこうと決心している理由です。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は澤野 弘之氏。
エッジの効いたテクノ等をアレンジした戦闘曲及びボーカル曲で魅せる。
「TRACER」は特にぶち上がります♪

気になるのが『UC』の澤野氏が『ハサウェイ』でも音楽担当している事。
『UC』は原作『ハサウェイ』完結後に、『逆シャア』~U.C.0100の間に闇に葬られた史実があったと後付けされたエピソード。
よもや本シリーズで『UC』を絡めてくることもないとは思いますが、
パラレルだとしたら何でもありですし。
もしくは『UC』同様、『ハサウェイ』も戦乱の亡霊を退治する物語として同一視すれば良いのか。
考え出すと落ち着きません。


ED主題歌は[Alexandros]「閃光」
過去を振り払って未来へ驀進する快作ロック。
ですが、今のハサウェイにはちとまぶしすぎる感もw
Netflix海外配信に合わせて英語版もリリース。
MVは英語版の方がAMVになっており作品のシーンを振り返るのにも最適。


【付記】
分割2クールの『水星の魔女』の幕間に、本作のTV編集版が1/15~全4話で放送されるそうで。
制作中の第2部への予習復習としてハサウェイを分析してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

75.8 2 2021年度の続編アニメランキング2位
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章(アニメ映画)

2021年2月11日
★★★★★ 4.1 (102)
584人が棚に入れました
舞台は19世紀末。共和革命によりアルビオン王国は分離。巨大な壁で分断された首都ロンドンは、東側を王国、西側を共和国が統べ、各国スパイが暗躍する影の戦争の最前線となった。革命から10年、王国の名門クイーンズ・メイフェア校には女子高生を隠れ蓑に共和国スパイとして活動する5人の少女がいた。女王暗殺未遂事件を阻止し、カサブランカでの休養を終えた彼女たちにコントロールから新たな指令が下された。この任務をきっかけに5人の少女、チーム白鳩は国を揺るがす大きな渦に巻き込まれていくことになる——。

声優・キャラクター
古賀葵、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子、飛田展男、本田裕之
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

全🦎黒蜥蜴星人★待望!本格スパイ映画シリーズ開幕!!

【物語 4.0点】
全6章の新作劇場版シリーズ開幕戦。本作の構成は一話完結。

TVアニメ版の後日談なので、事前視聴は必須。
{netabare}チェンジリング、“革命”の動揺が残るロンドン、{/netabare}黒蜥蜴星人ネタ、
などは物語と心情理解の前提条件。


スパイ物としての内容はさらにハードに。

ブラフ、モグラ、二重スパイ、暗号および
{netabare}新聞記事&広告による連絡、
ブック・サイファ(書籍をコードブックとして活用した換字式暗号による情報伝達術。足が付かない){/netabare}
チェスを通じた心理戦……。

これからより本格的にスパイやるんだから、
これ位は基礎教養と言わんばかりに、
老獪なスパイ“ビショップ”を通じて、
アンジェや“チーム白鳩”だけでなく、
鑑賞者にも確認テストでレベルアップを求めるスパルタぶり。


その先に、重厚なスパイシナリオの大風呂敷が示唆される。

王国の王位継承という政情不安も懸念される中、
何処ぞの“ネズミ”のロンドン暗躍は間違いないが、
共和国・コントロールも王国・ノルマンディー公も正体は掴めておらず、
炙り出そうと釣り糸を垂れる段階。

そんな静かな前哨戦の最中にもスパイには各々人生があり、
嘘つきが幸福を掴む難しさが改めて提示される。


【作画 4.0点】
冒頭、煙るロンドンの夜を舞台に、{netabare}二階建てバスも交えたカーチェイス{/netabare}で、
スチームパンク・アクションでも魅せる所信を表明し、先制に成功♪

一方、スパイ活動も彩る小道具にも
引き続き、時代考証のレベルから注力。

公然と語れない秘密という首根っこを掴むか掴まれているのか?
心理戦もシビれる本作。
ならば公の駆け引きはチェス等を通じて暗喩して行わねばなるまい。

鉄壁の守り、動揺して年甲斐もなく大胆に攻める?
チェスの作画も、盤面の資料を元に心理を反映した局面を選択したとのこと。
この辺は、私にはサッパリ分らなかったので、プレイヤーの解説を求めますw


背景美術では離宮の入れ込み具合が際立つ。
真のスパイの仕事場は戦場ではなく、宮廷内での駆け引き等であることが、
ここでも示される。


【キャラ 4.5点】
“チーム白鳩”他、王国&共和国のスパイ関係者ら、
TVアニメ版の主要人物が揃い、人物相関の現状を再確認。

中でもアンジェ&プリンセスに関しては、
追加キャラ(まぁ{netabare}“ビショップ”{/netabare}のことだが)を通じて、
秘密を抱えて、時局に直面するリスクの増大が課題として突き付けられる。

ドロシー、ちせ、ベアトリスは掘り下げられなかったものの見せ場はあり。
ちせさん、{netabare}運転習得まで、{/netabare}もう少し頑張りましょうw


【声優 4.5点】
ヒロイン・アンジェ役。

今村 彩夏さんの引退に伴い、新たに古賀 葵さんが起用。

気だるげな感じがやや後退し、若干の色気が出た彼女なりのアンジェが演じられる。
変化はあるが違和感はなく、むしろこの女子高生スパイも少し大人になった?
だから少しは周りに頼れるようになったのかなと納得できる好演。
特に終盤、{netabare}「……寂しいわ」{/netabare}と感情がこぼれた演技にはグッと来ました。


ビショップ役の飛田 展男さんもいぶし銀で先輩スパイの矜持を後進に示す。
「そんな大人、修正してやる!」の中の人と同一人物とはとても思えませんw

そんな渋いボイスで、ノルマンディー公(CV.土師 孝也さん)と、
相手の弱味を知った上で煽っているのか?
知ったかぶって動揺を誘うブラフで探り合っているのか?
含みが多い濃密なボイスでベテランスパイの対局を展開。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は梶浦 由記氏の続投。
華麗にスウィングするサウンドと“梶浦語”コーラスがスクリーンに広がるゴージャスさ。

OP主題歌「LIES&TIES」も引き続きアーティストプロジェクトのVoid_Chordsが担当。
今回ボーカルに迎えた麦野 優衣さんは
『パワプロ』テーマ曲の歌唱経験もあるシンガーソングライターで
中~高音の爽やかなパワフルボイスが特徴。
彼女もまた米国での生活、留学経験があり、
ビッグバンドの全編英語曲も歌いこなす。

ED主題歌もまた“チーム白鳩”5人の合唱。
適宜、挿入される手拍子も心地良い、
相変わらず一聴すると平和なメロディだが、何処か狂気も覗く全編英語曲。

ポイント・ピクチャーズの妙にメルヘンチックなED映像もグレードアップ♪
固い絆で結ばれたアンジェ&プリンセスのご尊顔に悶えましょう♪


【感想】
二次元、三次元関係なく、本格的なスパイ映画を劇場で堪能できて嬉しいです♪
スパイをエンタメ化するのに大量の爆薬は必須ではない。
手応えを感じつつ、今秋予定の2章以降も続く全6章の長丁場に挑みたいです♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

嘘つきは疲れる

視聴前 一応キャラの名前だけ確認しとこ

視聴後 そういう感じね

この話は黒トカゲ星人が嘘を付き続ける話
ジャンルはスパイ・戦争
2017年のアニメがなぜ急に映画化したのか、はたまた最初からあったのか、正直そこまで気になってなく調べてないのでわかりませんが、2021年に公開、ということで視聴。
3,4年も前のコトなんぞほとんど覚えていないでしょうから、一応本作を見る前に主人公たちの名前を確認しました。が、案外覚えているものですね。
流石に細かいシーンなどは覚えてませんでしたが、本作を楽しむのには十分な感じでした。
そして本作は一応6章から構成されるそうです。同時期に殺っているガルパンもそうですが、なぜ新作TVアニメではなくOVA先行上映という形で放送するんでしょう。よくわからないです。

さて本作の内容です。6章と言ってるくせにとか言うと怒られそうですが、一話(章)完結型です。ある程度本作内で完結しています。ただ、謎の部分や伏線が残された状況なのでこれから徐々に処理していくのでしょう。要はTVアニメと同じパターンですね。まぁガルパンみたいに中途半端で終わって「これからどうなる!?」とかやられても困るので正直助かるっちゃ助かるのですが。

前半から説明やダイジェストなし、いきなり展開が始まるので、キャラの顔や名前を見てもピンと来ないかたは見直したほうが良さげです。
後半から展開が続きますが、やはり限られた時間での物語なので割と雑に終わります。この終わり方が次作にどう響くのかが気になりますが、気長に待つとしましょう。

監督は橘正紀さん。
シリーズ構成・脚本は木村暢さん。ニャル子やビルドダイバーズなどを担当された方ですね
キャラデザは秋谷有紀恵さんと西尾公伯さん。
劇伴は梶浦由記さん。
アニメ制作はアクタスさん。単独ですね。という今更ですが、ガルパンもここ担当でしたよね。六部構成は縛りなんでしょうか

作画は良かったです。戦闘を含めた動きが細かく丁寧さを感じました。
主題歌はKonnie Aokiさん作詞、高橋諒さん作編曲、Void_Chords feat. Yui Muginoさん歌唱の「LIES & TIES」
声優さんはとても良かったです。

総合評価 まだ一部なので判断尽きませんが、期待はしている

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8
ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待通り

テレビアニメは視聴済み。

奇をてらうことなく、テレビアニメ版の続編を制作した感じ。

物語の内容的にやや重めの話なので、時間制限のない劇場版で丁寧に作られた感じがして良かった。

OP・EDともに、テレビアニメ版の曲や映像を意識して作られていると思う。OPは曲も映像もとにかくカッコイイ、EDはかわいい絵柄の映像にちょっと切ない曲調。

{netabare}内容的には文句はないのだが、今回は王国と共和国との対決についての話は進まなかった。今年の秋に続編公開ということだが、このペースだと少なくともあと3回は劇場版を作らないと話がまとまりそうにない。そこまで作品人気が持つのか、ちょっと心配。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

74.7 3 2021年度の続編アニメランキング3位
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.1 (68)
234人が棚に入れました
「スタァライト」――それは遠い星の、ずっと昔の、遙か未来のお話。この戯曲で舞台のキラめきを浴びた二人の少女は、運命を交換しました。「二人でスタァに」「舞台で待ってる」普通の楽しみ、喜びを焼き尽くして、運命を果たすために。わずか5歳で運命を溶鉱炉に。――危険、ですねぇ。やがて二人は再会します。一人は悲劇の舞台に立ち続け、もう一人は飛び入り、引き離され、飛び入り、二人の運命を書き換えて……キラめきに満ちた新章を生みだしたのでした。もう目を焼かれて塔から落ちた少女も、幽閉されていた少女もいません。ならば……その新章の結末は?「スタァライト」は作者不詳の物語。キラめきはどこから来て、どこに向かうのか。そして、この物語の『主演』は誰か。私は、それが観たいのです。ねぇ――聖翔音楽学園三年生、愛城華恋さん?

声優・キャラクター
小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

レビューにはテンションとハッタリをぶつけんだよ!。

 平場のシーンが結構多くて、その間はもう「スヤァ…zz」ってなりそうになったけど、後半のレビューはテンションと勢いで持っていく感じは映画館で見る価値あった。ただ、それこそ「ウテナ」や「ガルパン」の劇場版みたいに、もう作品の本質と魅力を凝縮して、ストーリーはもう最小限のが良かったような。「マッド・マックス 怒りのデスロード」なシーンには笑った。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

出てきたキリンの役割は!

 舞台少女の織りなす数々の演技??、剣術をえがいていたです。一番の見所は、舞台と思えない風景の数々や面食らう演出だったです。

 音翔音楽学園三年生の進路決定やその経緯で、進められると思いきやです。
 愛城華恋、神楽ひかりの思い出が現在や舞台につながる設定だったり、別の舞台少女の剣の戦いや歌、語りが突然唐突に起こるです。

 私には、その様々な演技か?舞台か?現実か?分かりづらくなっていくようだったです。
 数多くそれが行われる中で、広範囲な舞台?セットが現実離れなすごい迫力で、爆発的に崩れたり、場面が切り替わっていく所が凄かったことは、認識できたです。

 スタァライトしきったと言われたけど、仮想現実と現実の区別がつきにくく、私にはよく意味がわからなかったです。
 ただ、キャラそれぞれが一つひとつの行動に、全力を傾けていたようには、感じたです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

凄惨なる青春の滅却処分

【物語 4.0点】
心情説明を非日常的な口上、台詞で表現する様式が確立された歌劇の延長線上にある
“舞台少女”たちが剣戟等も交えて演じる“レヴュー”
その特性を生かして並の青春物では斟酌しきれない思春期心理まですくい上げて、
荒々しいけど、何か見逃せない独特のムードを提供してきた『レヴュースタァライト』

完結編となる本劇場版が題材とするのは卒業前、進路決定に悩む乙女心。
ただでさえ波乱が巻き起こる青春のターニングポイント。
これをレヴューの論理で表現となれば火力は最大化。

卒業までに決着を付けたい、アイツとの心のわだかまりがある。
舞台少女の輝きをもたらした、あの娘との親愛でさえも、
舞台人として次のステージに進むには捨てねばならない枷となる。

構成は前半は各種青春の葛藤の燻り。
愛城華恋と神楽ひかり。メイン二人の幼少期の馴れ初めから運命を再提示し場を暖めた上で、
後半は“ワイルドスクリーンバロック”と称したレヴューの連戦により、
各カップリングのぶちまけられた本音が、熱戦と化す怒涛の展開。

舞台も舞台少女も、
嫉妬も、羨望も、依存も、執心も、
熟れた青春の果実たるトマトも、
約束と運命の象徴たる東京タワーも、

爆  発  だ  !!

精算対象は舞台少女を観劇し続編を欲求する鑑賞者のメタファーたるキリンにまで及ぶ。
もはや鑑賞者も傍観者ではいられず、燃え盛る舞台上に引きずり出される。

そして完全燃焼の先にある新生。

圧巻の青春エネルギーに焼き尽くされる至福。

わかります。

【作画 4.5点】
アニメーション制作はキネマシトラスでシリーズ完投。

延焼する青春パワーはもはや学園地下に潜むレヴューの舞台空間に収まらず市中にまで漏出。
“場外乱闘”となった開幕レヴューでは、{netabare}電車上の激闘で、苛烈な殺戮表現に踏み込むだけでなく、
「私たちはもう 舞台の上」「舞台少女の生と死」「列車は必ず次の駅へ では舞台は」{/netabare}
といったキーワードを舞台演出で暗喩する映像で刻みつける強烈な先制パンチ。

後半のレヴュー連戦では、各カップリングの心象世界が突き抜け、
{netabare}清水の舞台から飛び降りるデコトラ伝説だわ、オリンピックが開幕するわ、{/netabare}
まさに百花繚乱。デザインは複雑化し、作画も高カロリー化するが、
{netabare}10年破られないデコトラを!{/netabare}と意気込む3DCGスタッフなど謎の執念wにより全受け。

盤石な土台の上に“メイン興行”たる華恋VSひかりの王道レヴューが、
{netabare}ぶった切られた東京タワー上部が頭からポジションゼロに突き刺さる{/netabare}
エネルギー有り過ぎな映像で浴びせられる力強い構成。


インパクト大なのは{netabare}アルチンボルド風の静物{/netabare}と化したキリンの風貌。
舞台少女たちが次のステージへ進む糧となる覚悟を作画でも表現し、
燃焼する舞台にさらに薪をくべる。


【キャラ 4.5点】
舞台の夢を追いかける優等生の心理を改めて掘り下げる。

中学時代の華恋に向けられた同級生の評判が象徴的。
舞台少女たちの経歴を表層だけ字面にすれば、
大抵の同年代が進学先すら決められない中、
若くして目標に向けて励む彼女たちは眩しすぎるスタァ。
が、その深層には、ひかりちゃんとの約束だけを支えに舞台に上がり続ける華恋など、
案外子供じみた脆さが混在していたりする。

冒頭、{netabare}ひかりと離別した寂しさが溢れた華恋の演技が、
クラスメイトの胸を打つ{/netabare}場面も、
舞台少女としての輝きの喪失が、新たな舞台人としての輝きを生むという意味で皮肉かつ示唆的。

この青春心理の表層深層がより高解像度で描き分けられたキャラクター造形が、
華恋&ひかりだけでなく、各舞台少女、カップリングまで徹底している。


各レヴューは互いに死力を出し尽くしたシーソーゲーム後に決着する王道バトル。
連れて舞台少女が心の奥底に残った澱(おり)まで出し尽くし、
これが得も言えぬ清々しさに繋がっている。


私の推し・星見純那も、より尊くなり嬉しいです。
有名作家の引用という表層がレヴューで指弾され吹き飛ばされた後に口にした
{netabare}「殺してみせろよ 大場なな」{/netabare}
全く知性も理性もあったもんじゃありませんがw
心の底から吐き出された自分の言葉にはどんな名言よりもゾクゾクさせられます。

【声優 4.0点】
TVアニメ版では、一部キャストらに日常会話の固さ等が散見されましたが、
本作では大分馴染んで来たのか、歌や口上と会話劇(痴話喧嘩?)との往復もスムーズで、
レヴューの完成度向上に貢献。

そんな中、ひかる役の最年長声優・三森 すずこさんの若々しさには返す返す驚かされます。
本作では、華恋役の小山 百代さんとの幼稚園時代の掛け合いも上々。
みもりん、幼女役、あと10年はいけます♪

【音楽 4.5点】
複数の作曲者が劇伴にて舞台を金管で砲撃しつつ、大作揃いのレヴュー曲も構築。
レヴュー曲はシンフォニック・ロックを軸に、
民族音楽風、人情(任侠)歌謡曲まで幅広くカバー。
曲中でも転調、緩急を交え、二転三転するレヴュー展開に好対応。
一応、加藤 達也氏は“爆発”、藤澤 慶昌氏は“燃やし”と分担された感じだったそうですが、
いずれにせよ可燃性危険物であることに変わりはありませんw

ED主題歌はスタァライト九九組「私たちはもう舞台の上」
ドロドロが除去された後に、舞台少女の未来を高らかに歌い上げる千秋楽・卒業ソング。
しかし、EDアニメ担当めばちさん。『虹ヶ咲~』でもそうですが、
素朴なイラストで波乱の青春を締め括るストッパー能力には安定感があります。

あと、音楽とは少し違いますが、
華恋&ひかりの馴れ初めで、{netabare}園児たちがカスタネットで同じリズムを取る遊戯をきっかけに、
二人も友情のリズムを掴んでいく。{/netabare}
こんな演出よく思いつくなと感心しつつ、幼女も堪能したw思い出のシーンです。

投稿 : 2024/11/09
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