絶望でファンタジーなTVアニメ動画ランキング 10

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早速見ていきましょう!

87.5 1 絶望でファンタジーなアニメランキング1位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1296)
6384人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

88.4 2 絶望でファンタジーなアニメランキング2位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1176)
5534人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

*************************
16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

とろろ昆布禿莉緒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

序盤期待したのに

『盾の勇者の成り上がり』を視聴した感想は面白い。
けど、もっと面白くなっただろうし勿体無い。

良い点
1.序盤の絶望感
{netabare}
主人公 尚文に対する悪意がすごい
▶︎召喚されてすぐに除け者
>他の3人は剣、槍、弓を持った勇者だが、尚文は盾

召喚され、持っている武器の時点で不遇な尚文。それに加えて、国王からは無視される。国から用意された冒険者がいたが、誰も尚文とは冒険したがらかず他の勇者に同行する。

▶︎自分の担当してる武器しか装備できない
>尚文の場合盾だが、盾は武器なのかと疑問に思う

▶︎他勇者と冒険をすると成長しない
>他の勇者が近くにいると経験値の取り合いが発生し、経験値が入らない

剣も槍も弓も、他ハンマーや斧、全てが装備できない。尚文の攻撃手段は盾で殴るか、素手で殴るか。絶望なのは目に見えてわかる。そして、他勇者も頼りにできない。

▶︎唯一の仲間マイン
>かなりめんこい女性で、尚文も唯一仲間になってくれた彼女に感謝し、気を許す

唯一、仲間になってくれたマインは、夜中に自作自演の強◯を決行。その濡れ衣を尚文に着せて、冤罪をふっかけ成功している。

▶︎金無し、仲間無し、攻撃武器無しの尚文の行動
>取引しないアイテム屋を密かに忍ばせておいたモンスターで脅し、アイテムを売ったお金で奴隷商へ

主人公とは思えない外道なやり方をし、お金を稼ぐ(強盗はしていないのでセーフ?)
そして、最安値で購入できる奴隷を攻撃役として取引、ラフタリアを購入。
あくまで理由は利用するため。とてもダークファンタジー感があり、ドンドンと続きを見たくなる気持ちが湧き出ました。
{/netabare}
2.尚文の戦い方
{netabare}
地味で姑息
▶︎盾スキルで攻撃
>本来防御に使うであろうスキルを敵に突進させ攻撃する

エアストシールドという、目の前に緑色のクリスタルの様な頑丈な盾を出現させ、防御するスキル。それを、敵に向けて突撃させたり、上向きに出した盾を足場代わりにする応用で機動力も高め。

▶︎少なくとも主人公がやる戦術ではない
>形式上は尚文の奴隷であるラフタリアをかけた、尚文vs元康が行われてる状況

槍の勇者元康の攻撃により、尚文は防戦一方だが、エアストシールドの突進により元康の隙を作る。
その瞬間、自身の防御力が高いことを利用してマントの中に忍ばせておいたモンスターを元康に投げつけ、すぐに剥がされないようにプリズンシールドでモンスターごと元康を中に閉じ込める。

かなり卑怯ではあるものの、攻撃手段がない尚文からすれば正攻法。まさにダークヒーロー。

▶︎植物モンスターにはアイテム
>やらかした元康の尻拭いのために、村の養分を吸い尽くそうとしてる植物モンスターと対峙

初めは苦戦するものの、除草剤を使い形勢逆転。地味ではあるものの、アイテムを使った倒し方はとても面白く、まるでRPGような攻略方法。
面白くないなろう系の大半は、ぶんっ!で敵が消えてますから。
{/netabare}
3.ラフタリアが可愛い
{netabare}
悪ふざけなしに、しっかりヒロインをしてる
▶︎出会いは過去最悪
>精神、身体共に病気持ちで、まともに食事できず、あと数ヶ月で死ぬような状態のラフタリア

尚文はもちろん、そんな奴隷を買いたくありませんが、お金もないので仕方なく購入。せめて、金額分は働くようにと言い聞かせ、訓練を始めます。

▶︎尚文の心情の変化
>一人で孤独。奴隷として酷い扱いを受けていたラフタリアに今の自分を重ねる

共に過ごしていく中で、父性愛に目覚め始めラフタリアに心を許しつつ情が湧きます。極め付けは、資金稼ぎに訪れた洞窟での戦闘。尚文はラフタリアを庇い、彼女に逃げるように指示を出しますが、ラフタリアはそれを拒否し共に戦います。
かなり入りは歪でしたが、順当なヒロインとして尚文の心の支えになる存在です。
{/netabare}

悪い点
1登場人物の知能指数が低い
{netabare}
全体的に頭が悪い人ばかりです。
▶︎オルトクレイ=メルロマルク(尚文達を召喚した国の国王)
・唯一波に対抗できる四人の勇者。その勇者全員を召喚する事にゴーサインを出す

>メリット
・波が終わった後の功績などを総取りできる
・大嫌いな盾の勇者を陥れることができる
・最強戦力を獲得

>デメリット
・各国から敵視される
・最悪な場合、各国に同盟を組まれてしまい戦争状態(勇者が最強戦力であるとは言え、序盤はレベルが低く普通に弱い)
・盾の勇者は戦力外(召喚前から陥れる前提があるため)

ここまでのメリット、デメリットを背負って行った勇者召喚。そんな中、オルトクレイが行った事は盾の勇者である尚文をあからさまに無視、全く会話をしない。資金援助を断つ。転職の妨害。マインの様な目立った行動はそこまでなく、色々バレて国王の座から降ろされる。

▶︎マルティ=S=メルロマルク(オルトクレイの娘で第一王女。マインとも呼ばれてる)
・自作自演の強◯で、尚文に濡れ衣を着せる
>尚文本人にその事を知らしめるように、舌を出し、ざまぁみろと挑発(他の勇者等にはバレないようにしている?)

隠した方が自分の目的達成が簡単になるだろうに。高い地位を持っていると思っているからか、信頼を失い切った尚文を警戒することを微塵も考えてません。

・何か色々と尚文に仕掛ける
>頭の悪いゴリ押し。他勇者にも本心バレバレのはずだが、周りも馬鹿なのと、拗らせてる尚文が他勇者と交流がないため助かってる

先程述べた通り、圧倒的な地位で、権力を使いたい放題な状態であると本気で思っており、後始末なのどについての考えはない。雑な突貫工事の粗が出て、全てがバレてしまい「ビッチ」、「アバズレ」と呼ばれるようになる。

▶︎剣の勇者 錬 槍の勇者 元康
・倒したドラゴンの死体を放置(剣)
>ドラゴンを倒せるほど強くなったはずなのに、モンスターの死体は残るという常識を知らない

尚文の助言があったものの、マインの暴走に関わる三勇教の暗躍に気づく力を持っている。にも関わらず、ドラゴンの死体を放置し、尚文に尻拭いをしてもらう結果になる。ほんの少しでも疑問に思う瞬間は冒険をしていれば何処かしらにあったはず。あまりにも不自然。

・股◯に脳があるとしか言えない(槍)
>マインにことごとく利用され、マインの悪事が全てバレた状態でも庇う素振りを見せる

無駄なイライラを助長させる張本人。マインに騙され、尚文の邪魔をするどころか殺そうとした。
そこまでは仕方ないで済む?が、誤解が解けた後に全く謝まらず、裏で糸を引いていた三勇教を倒した事で何事も無かった事にする。尚文も拗らせてるので、そんな態度を受け入れるはずもなく。
結局、勇者の中で1番輪を乱したのに断罪されないクズ。
(弓の勇者 樹は、剣の勇者 錬の金魚の糞で存在感がないため特に無し)
{/netabare}
2.アニメ中盤からのぬるい雰囲気
{netabare}
個人的にぬるいと思う展開が二つあります。
▶︎尚文覚醒シーン(カースシリーズ初披露)
・ドラゴンの死体で大騒ぎ
>剣の勇者 錬がドラゴンを倒して放置。その後死体からの異臭で、近くにある村の人達はほぼベッドの上

その状況を知った尚文は死体処理をしに山を登ります。そして、辿り着き死体処理を行おうとするがドラゴンがゾンビ化して復活する。

・ついに覚醒、きっかけはフィーロの死
>ドラゴンゾンビと交戦するも喰い殺されるフィーロ

ここまであっさりやられるなんて。こんな絶望を叩きつけてくる世界に対して尚文はどうするのか!?とワクワクしてました。

・覚醒後、圧倒するがラフタリアに大火傷を負わす
>力が制御できず、暴走するがラフタリアが止める。その際にラフタリアは大火傷を負う

フィーロが死んでしまい、ラフタリアもぐったり。やっとの思いで倒したにも関わらず、今まで築き上げてきたものが全て崩れ去る。これは、錬との対決か?

・戦闘終了後、ドラゴンの腹からまさかのフィーロ
>ドラゴンの口から出ていた赤い液体は血ではなく、フィーロが直前に食べていた赤い果実の汁。無傷な状態

……この後、カースシリーズはかなりの猛威を奮っており、他勇者からはチートだ!ズルいぞ!と言われるほど。ぬくぬく過ごしている勇者達の説得力はないが、カースシリーズが強すぎるのは全くもってその通り。

フィーロが大怪我をしてギリギリ生きてる状態で出てきたなら腑に落ちますが、「へ?大丈夫だよ?元気元気!あれ?また、私何かやっちゃった?」
そんな空気感で出てこられても拍子抜け。

確かに、反動として尚文は大ダメージを負い。そして、その場では大火傷で動けないラフタリア。代償としては十分ですが、あくまで口火を切ったのはフィーロの死。その本人が先ほどのような状態で生きてるのは、正直言ってぬるい。

▶︎国王オルトクレイ 王女マルティの断罪
・メルロマルクはそもそも女王国
>散々ヤンチャした二人だが、不在だった女王ミレリアの帰国で状況は一変

道中には刺客なども居たかもしれませんが、勇者一行と合流したミレリアはかなりの強者です。三勇教の大司教が多くの信者を使って作り出した大聖堂。勇者一行と戦い、司教が弱ってる状態だからとはいえ、外から大聖堂の中に魔力を通す程の力。生半可な相手じゃ返り討ちは当たり前。

国王とマインは、女王の力を知ってたはず。
それを知った上で、足止めなり暗殺なりしなかった(していたとしても、ほとんど意味がない)のは甘いというより、やはり頭が悪い。

・悪事が即バレ、奴隷紋により全てが明らかになる
>尚文目線はほとんど全ての悪事が目に見えてたので全く驚きはない

元々ミレリアは全ての悪行を把握している状態。ここまで20話近く使っているのに、かなりあっさりと悪事が公の場で判明。規模が大きいだけで、やっている内容は[母の不在をいい事に、普段食べたらダメと言われているお菓子を爆食いする父と娘が、帰宅した母に怒られる]。
国王とマインがやっていた事が、頭のいい行動とは思えないのでこの程度の話と捉えられてしまう。

・ギロチンの処刑台で正義執行?
>直前で尚文が乱入し、死刑じゃ物足りない。一生恥を晒して生かす方が面白いと提案(オルトクレイはクズ、マインは本名ビッチ、冒険者名はアバズレに改名させられる)

1番苦しめられた本人である尚文が出した答えに文句はありません。彼が2人を生かすことに決めたのなら、そうすべきでしょう。

問題は周りの反応。ウェェェイ!クズにビッチ?ピッタリな名前だせ!と歓喜の声を上げる。そのスタンスで居ていいのは尚文本人と、その仲間と呼べる者たちだけかと。
国民も少しは便乗していたとはいえ、クズ、ビッチと名付けられた2人は、この国を破滅させていた可能性がある事も考慮すると反応としておかしい。

手のひら返しが酷く民度が低すぎる。やはり、モブであっても登場人物の知能指数が低いのだと言えます。

・尚文の提案に皆が共感
>女王ミレリアも安堵の表情を浮かべる

後にミレリアは尚文に対し、あの時あなたが止めなければ、私の命を使って処刑を止めるつもりでした。とはっきり発言。
この国は終わりです。私なら確実に死刑を執行します。当然です。メルロマルクを終わらすどころか、世界の終末を迎える可能性が十分にある行動をしてしまった問題児を生かすなんてあり得ません。
これは償いのための断罪ではなく、これ以上の悪行をさせないための断罪の意味が強いはず。

家族の情なんて捨てなければならない立場なのにも関わらず、自分を人質に夫と娘の処刑をやめるように交渉しようとしていた。
ミレリアは知能指数が低いとは思いませんが、甘くぬる過ぎる考えを持っている。そもそもこんな彼女だからこそ、不在中にこんな惨事が起こったのではないだろうか。
{/netabare}
3.断罪後の数話
{netabare}
まさかの展開。他にも異世界があった。
▶︎別世界の存在
・波が始まり、異世界の勇者が現る
>正体は別の世界の勇者(扇の勇者 グラス筆頭)

・波を退けると他の異世界に影響が及ぶ。つまり、互いに爆弾を押し付けあってる状態
>グラスらは、爆弾を押し付けあってる相手が消えれば波に対抗する必要はないと考え、直接乗り込んだ。
(個人的な仮説)

2部の導入部分だなとはわかりますが、やはりクズとビッチの断罪が中途半端に終わったこともあり状況を受け入れ難い。20話に渡って、ストレスが蓄積されてきたわけですからそれ相応のスッキリ感がないと消化不良です。
{/netabare}

序盤でかなり期待しただけあって、本当に残念な作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

最高のリアルが向こうから会いに来ない

4話までの感想{netabare}
盾職が主人公の作品と言うと…“アブソリュートデュオ”と“ドルアーガの塔”くらいしか思い出せないや、それくらい珍しいケースだとは思う。
あとは「盾なのに○○」ではなく「盾だからこその○○」が描かれてたらいいなぁ~って感じで見てます。
ただねぇ、噂で耳に入ってくるのは芳しくない情報が多く、それに惑わされて色眼鏡で見るようなことはしないぞ、と自分に言い聞かせてはいるけどなかなか難しい。
その一方アニメの範囲は「つまらなくなる・馬脚を顕す」前までではなかろうかってのも聞いてて、あ、それだったら大丈夫かな?とも思ってたり。

内容は…まぁいいんじゃない?
主人公が謂われなき不遇に遭うけど、これで不快不快言う人は多分“世界名作劇場”を見れない。
最後いけ好かない連中の鼻をあかす展開になると思うので…もしならなかったらそれはそれで凄いけど。
むしろ主人公がそこまで性格捻くれるほど・味覚障害起こすほどの目に遭ったかなぁ?と思わなくもないけど、これは既に主人公が「異世界転生モノ」の作品を幾つも知ってて勝手に期待していてそれが裏切られたからだろう、と思って納得させてる。
それと召還された勇者が全員日本人って件。
日本人は日本人でも全員パラレル日本で、召還した時の座標が同じだったって思えばそこまで不自然でもないかな?

そんな感じでだらーっと見ながらの4話。
うっわ、分かりにくっ。
実際のラフタリアは大人になってるけど主人公視点では子供のまま。
味覚障害もそうだけど心を閉ざして外部の情報をマトモに受け付けられなくなってた(ラフタリアの説得をなかなか聞こうとしなかったのもそのせいだろう)って表現だと思うのだけど、テキトーに見てると時間が飛んでるかのような錯覚を覚える。
テキトーに見てた自分が悪いですね、ハイ。
とはいえ、剣と弓の勇者が不正を告発して、その件がどうなったかは有耶無耶になってる気がするのでやっぱり時間飛んでる感。
自分を笑ってた貴族は主人公の被害妄想が生んだ幻影?
「実際」と「主人公視点」が混ざり合っててなんかようワカラン。

以上は1回見ただけの感想なので、もう一度見返しての感想追記するかも。


追記
もう一回4話見直して来た。
↑と繰り返しになっちゃうけど「実際に起きてること」と「主人公が認識してること(主人公の視点)」には違いがあり、これを理解しないで見ても意味不明だと思う。
ラフタリアが大人か子供かで見分けは容易だけど、そもそも描き分けがされてることにも気付いてない人居そう、自分も危なかった。
具体的には主人公の認識では奴隷の呪いを解除されたラフタリアはなにか一言言ってプイと後ろを向いて立ち去ってしまったことになってる。
実際は槍の勇者にビンタかましてるんだけどね。
更にその後、裏切られたと思った主人公は「こんな世界は滅んじまえ」と言って「カースシリーズの条件が開放されました」って画面が出る。
その後言い寄るラフタリアを頑なに拒否したのは以前からの認識障害だけでなく、盾の効果も加わってた?
認識障害自体は味覚が無いことで表現されてはいたけど、気付かなかっただけで4話だけじゃなく3話もなにかトリック仕掛けてあったりして?
4話最後ではその認識障害も治ってメデタシメデタシで、今後はこの妙ちくりんな表現は無くなるのかな?
なんなんだろうね、心理表現をどうにかしようとしたらこんなんなっちゃったのかな?良い悪いはなんとも言えん。

ってよりも、ひょっとして…盾の勇者の真価を発揮させるには何個かある「ほにゃららシリーズ」の開放が必要で、そのために王様はワザと追い込む真似をした。
なーんてことは無いよ、ね?まさかね?
もしそうなら決闘の不正が有耶無耶になったのも納得できてしまうのがコワイところ。
あ、噂は聞いてるけど内容は全然知りません、念のため。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
なんか4話がピークでそれ以降パっとしない話がダラダラ続いてるだけのような…それだけだったらまだ良いのだけど…。
個人的に「バイバイキ~ン」ないし「ヤなかんじ~」ってノリで空に飛ばされてキラーンってなるのってツラい。
ギャグならまだしも、普通のストーリーものだと「それが出来るならとっ捕まえて吐かせろよ」と思ってしまってホントツラい。
お前あかほりかよと、4クール作品かよと。
結局謎を引っ張るのにお手軽で都合のいいテクなだけで、真面目に話を考えてると思えなくなってしまう…からだと思う。

それでもボケーっと観てたら18話、黒幕と思しき教皇が再登場。
そしてご丁寧にも「ワタシが犯人です」と自供してくれました。
ぐへぇ、このパターンか!
今までダラダラやってきた出来事から証拠を繋ぎ合せて黒幕に到達するんじゃないのか。
こういうのって最近では“シリウス”でもあったけど、聞いてもないのにベラベラ喋るのはやっぱどうしてもう~んと言わざるを得ない。
これが一話完結モノで「その回のウチに陰謀を暴く」ってのならまだ分かるんだけどさ、時代劇でよくある「冥土の土産に教えてやろう」っての。
けど何話も引っ張ってコレってのはなぁ。
こういうパターンな場合は視聴者に伏せて引っ張るよりも、とっとと明かしてキャラクターは知らない体で話運んだ方が良いと思うのだが…。
しかも19話では後から駆けつけてきたレンとイツキがわざわざ敵の斜線上(クレーターの中)に集まる始末。
…。
どうしちゃったんだ?スタッフ力尽きた?原作からこうなの?{/netabare}

21話までの感想{netabare}
奴隷紋便利過ぎ!!
↑で書いた様に教皇が突如自供始めた段階でイヤな予感がして、21話の裁判もまぁ便利能力でお手軽に汚名を晴らせてしまいました。
やっぱ雑に感じるなぁ。
そりゃね、あんな世界だから平民の証言集めても意味が無いのかも知れないけど、個人的には自白剤使わずに証拠を集めて叩きつける展開にして欲しかった。
そうじゃないと5話以降の中身何だったんだよとなってしまう、退屈な話を見た甲斐が無くなってしまう…ってそれも↑で書いたか。
どうしても1話の段階で自白剤使えば良かったんじゃんってなるし、バイバイキ~ンしたのはやっぱり悪手だったということになるし(とっ捕まえて吐かせろよとずっと思ってた)、自白剤投与できるだけの「お膳立て」を揃えてくれたのも王女の鶴の一声にしか思えない。
それまでの主人公の努力が実を結んだって気がしなくてう~んう~ん…。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ん?あれ?
死刑を回避したことでまた厄介ごとが増えるのかと思ったらそうじゃない?
また、「なんで王様がそこまで盾の勇者を嫌ってたのか」の話をするのかと思ったらそれも無いっぽい。
相変わらずビッチは毒盛ったりして関係が改善もしなければ悪化もしない、変化が無いというのはどういうこっちゃ。
ってか情状酌量というか執行猶予というか…とりあえず再犯じゃん。
もう死刑は免れようが無いんじゃね?と思ったらどうもそうでもないっぽい。
…?
結局尚文の取った選択って、あんま言いたくないけど、良い悪いは置いといて戦争を知らない平和ボケした現代日本の価値観から「ギロチンコワイ」となっただけにしか思えない、良い悪いは置いといて(二度目)。
それに対してあの世界の価値観と摩擦を起こすことで問題提起する展開ならまだしも、23話まで見た限りそうじゃないっぽい。
…人が死んでるの沢山見てるんじゃなかったっけ?
どうしても死刑にできないのなら、再犯したら片腕落とすとかビッチは顔焼くくらい当たり前の世界だと思うんだがなぁ、罪人の刺青すら無いのん?
もっと言えば奴隷紋なんていう便利機能があるんだから心を入れ替えるまで鞭打ちとかすればいーじゃん、死ぬまで改心しなかったらそれは仕方ないってことで。
ってか思想警察居ないの?盾の勇者の誤った噂なんかしようものなら死刑でいいじゃん、もう、面倒臭いなぁ。

このアニメを大人向けだと評してるのを目にしたけど、個人的にはむしろキッズ向け、バイキンマン反省しないじゃん?
「人の話を聞かない」で間を持たせるのも1年以上放送するホビー系アニメじゃ日常茶飯事で、深夜アニメしか見てない人には新鮮に映るのかなぁ?と真剣に悩んでしまったり、煽りじゃなくて。

でもって23話、実在してないゲームのレベル上げだのアイテムだのモンスターの経験値だの設定の話をダラダラされても、その…ゲーム実況見たほうがマシな気が。
ってかそれをこのタイミングでやる!?
ここへ来て新キャラ登場もそうだけど、放送あと3年くらい続けるのかな?{/netabare}

25話までの感想{netabare}
なんか「おおおええああええ~」って歌いたくなる設定が飛び出してきて吹いた。
こんな終盤でソレ!?今のボクには理解できない(アニソーンアーニソーン)。
でもって他の勇者達と和解に向けた素振り・ヒント出しすら無いままエンド。
わぁい。
これ言うとどうせ老害とか言われるんだろうけど、こういう話(団結しないといけないのに足踏みが揃わない)って過去にいくらでもあってさぁ…。
えーっとマンガ版の幻魔大戦がこんなんじゃなかったっけかなぁ、超能力戦士が団結しなきゃいけないのにやってることは基本内ゲバ。
そんなの面白いワケもなく打ち切りでね、石森章太郎であっても。
ってかこの設定だったら勇者の一人が別世界のスパイやっててようやくイッパシの物語の体で…原作ではどうなってるか知らないけど、アニメそこまでやってくれないと「一つの作品」として至ってないというか…。
実は王様は向こうの世界の出身でもいいぞ、それくらいやってくれよと。{/netabare}

総評{netabare}
4話がピークでそれ以降は下降線。
“デジモンアドベンチャー02”のデジモンカイザー編だけ見せられた感じ。
話ブツ切りでもせめてカタルシスパート入れてくれよって気持ちだけど、それすら無い。
ってかこれ成り上がりじゃないよね?
本来勇者として相応の地位を与えられるところをなんやかんやで奪われて、それを取り戻しただけのような…。
成り上がりってのは元々無いものをもぎ取ることじゃない?
例えば皇位継承者が一度失脚して、返り咲いて即位したら成り上がりと言うか?というと、う~ん。
どこの馬の骨とも分からんヤツがあの手この手で玉座に就いたら「成り上がり」になるけどさ。
本来勇者に与えられる地位以上のものを手に入れたら成り上がりと言っても良いだろうけど…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

83.5 3 絶望でファンタジーなアニメランキング3位
Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (703)
3246人が棚に入れました
コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年、菜月昴。頼れるものなど何一つない異世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年は絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。​

声優・キャラクター
小林裕介、高橋李依、内山夕実、水瀬いのり、村川梨衣、新井里美、子安武人、赤﨑千夏、中村悠一、井口裕香、堀江由衣、堀内賢雄、植田佳奈、江口拓也、田村ゆかり、藤原啓治、能登麻美子、松岡禎丞、天﨑滉平
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「観終わった」でいいのか?

4話までの感想{netabare}
これ面白い?
1期の王都編、特に王候補を相手にした1度目の交渉が失敗に終わったのは、スバルが自分のことばかりで周囲に無関心だったせいだと解釈してるのだが。
それを反省して周囲に気を配るようになって「成長したなぁ」ってのが1期の話だと思ったら、今期3話エキドナ相手に再び無関心な対応をして「あれ?」。
そして4話、とっくに吹っ切れたことだと思ったらまだそんなところなの?とビックリ。
元の世界に帰りたいとか今まで一言も言ってないのにこんなん見せられてもちょっと…。
同期の“ムヒョとロージー二期”と似たような展開・成長したと思ったら前に戻っちゃった感じの展開で正直困惑。
主人公がクズなのは構わないんだ、“鉄のラインバレル”や“リヴィジョンズ”だって平気で観れる。
けど、成長したと思わせて成長してないのはどうにも…。{/netabare}

5話感想{netabare}
目的って何だっけ?
エミリアを王様にする?魔女教を撃退する?グゼのトモガラに存在を食われた(“灼眼のシャナ”ネタ)レムを取り戻す?
「聖域からの脱出」がこれらのどれにも繋がってない感じ、ゲームでいえば寄り道イベントみたい、どうでもいいことにグダグダ時間を割いてるだけのような…。
そのうちどうせ繋がるんだろうけど、意図して勝ち得たのではなく偶然舞い込んできただけにしかならなそうでなんか全然ワクワクしない。
まぁ死亡ルートをどう回避するかがこの作品のウリだろうし、現段階は死亡ルートの説明シーンってことなのかな?{/netabare}

6話感想{netabare}
えええ、そんなん?
死に戻りがウリの作品だし5話までは一周目の話で2周目以降違った側面を見せるのだろう、ということで気にしてなかったんだけど…あれ?
具体的には4話のスバルが両親と対面する話。
1周目は薄ら寒い「よかった話」の体だったけど、2周目以降はガラっと態度が変わってスバルは知りたくもない両親の真実を叩きつけられるんだろう、と思ってたんだけど…。
セーブポイントがそれより後ろになってやんのw
あっれー?
さ、作者やスタッフはあれをよかった話だと思ってるってこと?
まぁ、うん、確かSAO2期のマザーズロザリオ編だかその前になるんだか、アスナが母親と和解するシーンも「それでいいの?」と思ったモンで、そういうものなんですかね。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
多分私が見方を把握してないんだと思うけど…。
今後「解決編」があるんだろうという前提で、解決編が始まれば面白いんじゃね?と耐えてる状態。
現段階はは解決編に向けての前フリ・ヒント出しなのだろう、と思って見ていて、「早く解決編始まらないかなぁ」って気持ちが先走ってあんまり面白くない。

ロードマップが見えないというか、主人公がなにがしたいのか分からない。
問題Aがあってそれを解決しようと行動すると別の問題Bが発生して、じゃあ問題Bを解決しようと行動すると問題Cが発生して、じゃあ問題Cを解決しようとすると…というのが繰り返され、そもそも問題Aはどうなったん?がおざなりになってる印象。
途中の問題が何も解決してないのがこれまた辛い。
桶屋を儲けさせようと思ったらネズミが居ない、ネズミを増やそうと思ったらネコが邪魔、ネコを狩る三味線屋を増やそうと思ったら風が吹かない、よし風を吹かそう、みたいな。
「で、桶屋はどうなったん?」とか「桶屋がネズミ対策するんじゃね?」とか「目を患った人が増えた段階でネコを繁殖する業者が現れるんじゃね?(減るどころか増えるんじゃね?)」とか、色々気になって物語に入っていけない。
また、次から次に「問題」が発生するせいで試せることが多すぎる、そのせいで行き詰まり感・手詰まり感が無い。
「やれることは全てやった、なのに解決できない、一体どうしたら…」ってトコまで追い込まれたところで「たった一つの冴えたやり方」を閃く系の話ではない?
そうでなくてはならないとは言わないが、やっぱり盛り上がりに欠ける様な?
あと個々の問題ごとの因果関係も希薄で、問題解決に向けたカズマの行動も目先のことばかり。
顕著なのはキーパーソンに対する質問の内容で「え、今そこ?もっと聞くことあるんじゃ?」というのばかり。
具体的にはロズワールへの質問にはベアトリスのことだけ、エキドナを通して折角会えたダフネへの質問は大兎のことだけで、本来の目的って何だっけ?と話の筋を忘れかける。
ぶっちゃけウサギが発生するのは絶対確実なの?まずそこから分からないw

まぁ解決編では個々の問題が一本の線に繋がってピタゴラスイッチ的にポンポンと片付くんだろう、きっとそう。
但しそれでもイヤ~な予感がして…ガーフをどうやって味方につけるのか?は「解決すべき問題」だと思ったら、最新話で都合よく協力することに「なってくれた」。
あくまで魔女(ないし魔女教)を嫌ってるだけでソイツとは敵対関係であると示せばいいってのは理屈では分かるけど、結局それは都合よく魔女が現れてくれたお陰なだけでカズマの閃きや行動の結果ではない。
向こうから答えを摺り合せて来てくれたというか棚ボタというか…世界が勝手に正解を用意してくれた感じ。
これが続くようだとちとキツいかも。

一方で、前回オットーが死んだ時点で「くそう、また死に戻りしなきゃなんねーじゃねーか」と怒ればいいのにそうではなく、ウサギに食われてギャーギャー。
見せるトコロ違うんじゃね?そんなにヒッチコックの“鳥”が好きなの?と思ったら、最新話で残機数を気にしてる描写があって納得、そういや前期も死に戻りの回数気にしてたっけか。
後付け臭いけどねー、それでもいいのでこんな感じで納得のできる顛末にして欲しいトコロ、頼むよマジで…。


それはそうとキャラデザに坂Q使ったのかよ~く分かる最新話でした。
前からソレっぽい気は感じてたけど、3人中2人ねぇ…ふーん。
因みにこの作品を面白くない人はなにが面白いのか教えて欲しいという意見があったので、同じ坂Q繋がりで“ゾイドジェネシス”なんてどうでしょ?
意地悪とか腹が立ったとかじゃなくてね。
主人公に一番果たしたい目的があって、それとは別の目的が発生して、さぁどうしよう?と逡巡する話とかあるよ。
但しそれ見るんだったらその前に“機甲界ガリアン”を見ておくともっと面白いんだけど…ハードル高いかな?{/netabare}

11話までの感想{netabare}
ネームドキャラの誰かが死ぬたび「あーハイハイ死に戻り確定ね」と思ってしまうし、レムの件からセーブポイントが変わったらヤバいので「早く死なないとアカンちゃうん?」と主人公のモタモタっぷりに違和感。
更にはいちいち激高するのがウザいなぁと思ってたら11話でロズから「驚きはある、義憤はある。けど悲しみは無い」って…いや、そこが描けてないなぁって思ってたのだけど…。
セリフで「そういうこと」だと強引に説き伏せようとしてるみたいで、う~ん。
ってか数話前までは「死に戻りの回数を気にしてた」として納得してたのに「エキドナに残機数無限だと教えてもらった」ことから何も変わってない。
死ぬ時いつも酷い目に遭わせることで「時の歌奏でるのとは訳が違うんだぜ、死に戻りも楽じゃないんだぜ」というのを強調してるキライは感じるが、如何せんウザい。
ってかこれ続けられると「痛い思いをして死ぬのはこりごりでゴザルよニンニン」ってことで怒ってるみたい。
ってかそれこそ主人公に言わせればいいじゃない、「あーまた戻んなきゃいけなくなった、面倒くせぇ」とかさ。
なんか…描写が押し付けがましい。{/netabare}

評価は後半へ持ち越し{netabare}
一応ここまでの感想としては、何ができて何ができなくて、何が解決すべき問題なのか分からない。
全体が「わからない」ものを何処が分からないのか説明するのって難しいのだけど、例えば大ウサギは退治する必要性はあるの?それともいつの間にか解決してる?それすら分からない、そんな感じ。
よく「絶望が絶望が」と聞くけど、やれることがまだ沢山あって(可能性がありすぎて「○○すればいいじゃん」とさえ言えない)手詰まりを感じないので絶望を感じない。
もし絶望感があるとすればサレンダーできないになるけど、そのためには「エミリアなんてどうでもいい」って心境に至らなければならず、果たしてそれは選択できるかね??作者が。
これ言うと自己啓発本みたいでアレなんだけど、壮大な目標あったとしてもそれに向かう実現しやすい小目標を立てて一歩一歩達成をしてくようにしないと途中で挫ける。
前進した感じがしない、と言ってもいいだろう。
これは正にそれ、いやぁ参ったね。
更に危惧するのは目標に含まれてなかったのに、他の目標を達成してるウチに都合よく解決できちゃう「瓢箪から駒」系。
それ自体は上手く描けば“はめふら”みたいに面白くなるけど、「都合の良さ加減」は一歩間違えるとご都合主義がキツくなるので塩梅が難しい。
なんかこれにはそれを踏み外してしまいような危なっかしさを感じる、実際どうなるかは続きをやってくれないことにはナンともだけど。
とりあえず魔女のお茶会?あれは“イセスマ”の神様の茶の間と同じであんまやらん方がいいと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

残機99のバルスと七人の魔女。

スバルが少しずつ手がかりを集めながらああでもないこうでもないと試行錯誤するところは相変わらず。

ラムもレムも好きだけど、エミリア推し
パックとレムがいないとこの作品の癒し成分がだいぶ失われますね。

分割2クールの前半が終わっただけなので、まだまだこれから
回を追うごとに真相が解明されるどころか、謎がどんどん増えていくばかりで前半を見終えても謎だらけのままだけどとても面白かった

{netabare}
まるでアドベンチャーゲームだ
ゲームオーバーになったから違う選択肢を選んでみたら
今度は新たな事実の判明とともに新たな脅威が発覚する。
その新たな事実を頼りに違う行動を起こしたらまた違う問題が判明する。
こうやって視聴者はスバルの目を通して、実は一歩間違えばいつでもゲームオーバーになるような火薬庫の中に放り込まれているということに気づく
一期から続く面白いポイントだと思う。

1クールつかってフラグ埋めだけ進んで実は何も解決していない、
実際には何も進んでいなくても、確実に解決には向かっているのだとは思いますが
登場人物も七つの大罪の魔女が一気に出てきてそれぞれ思惑が違って、頭ぐちゃぐちゃ
それぞれのキャラクターには隠し持った力とか事情とか色々あって、それがスバルを通して断片的に、少しずつしか開示されていかないから疑問点はどんどん増えていく。
それを面白いととらえるか、モヤモヤしてストレスととらえるかで評価分かれそう。

スバルは今までの事件を解決する過程で、自分が死ぬことを前提とした動きをすることが何度かありました。
しかし、エキドナに会い、死に戻りの回数制限が恐らくないことを知ったスバルはその傾向がさらに顕著になりました。
そんなスバルに対し、スバルが死んだあとも世界は続く。
残された人たちがスバルの死をどう思うのか考えてという色欲の魔女からのメッセージはマンネリ打破という意味でもいいスパイスになったと思う。

ロズワールはスバルの様子を見て「ラムが死んだのにそんなに悲しんでいないように見える」というコメント。
スバルはやり直し前提でも仲間の死を避けようと奮闘していますが、やはりどこかに「どうせやり直すのだから」という気持ちがあるのでしょうね。
後半では恐らく「死に戻り前提からの脱却」が一つの鍵になると思われます。

よくウザいウザい言われるスバルですが、確かにウザいところは結構ありますね。
大事な人を助けるために一生懸命なのは好感が持てますが、スバルの悪いところは、大事な人を助けることに一生懸命になりだすと、周りが見えなくなるところ。
結構無関係な人にも当たり散らすので、そこがスバルの残念なところです。

「うるさいバルス、少し黙ってろよ」って私なら絶対そう言って喧嘩になるだろうな
でもラムが私のかわりにバルスを罵倒してくれるのでかなりスカッとします。
いいぞ、もっとやれ!
※私は別にスバルが嫌いなわけではありません

{/netabare}

重要そうなことの自分用メモ、まとめ
※2期は新キャラ多すぎて後半戦が始まる頃に忘れていそうなので、自分用のまとめと勝手に印象や考察を書いてます。

{netabare}
ベアトリス エキドナによって作られた精霊。書庫を守っている。開放されたい。もしくは殺してくれる人を待っている。待ち人が誰なのかは定められてない?
ガーフィール 死に戻りするたびにスバルへの友好度や行動が大きく変化する沸点低い獣人。フレデリカの弟。
スバルの指摘通り、何か怒るには条件があるのでしょうね。

スバルが聖域の開放のために積極的に動いている時は敵対的になり、聖域の開放がうまくいってない状況では友好的なようです。
それ以外にもあるかもしれませんが。
ということは、聖域を開放させようとしているのはフェイクで、実は開放を阻止したいという事です。
外に出たいというのは嘘ということでしょうか?
中に留まりたい理由があるのか、それとも外に出るのが嫌なのか。
外に出るつもりがないのなら、どうして聖域の開放をさせようとするフリをする必要があるのでしょうか?
そのへんは後半で明らかになるのでしょう

ロズワール 死に戻りのことを知ってる。スバルを覚醒させるため?エルザに屋敷を襲撃するよう依頼。こちらは自分がこの世界線で犠牲になろうが、別の世界線の自分が野望を果たせれば良いというかなりイカレた思想を持っていることが判明。
どうせやり直すなら終わった世界線は捨て駒のような動きをするスバルとはある意味似たもの同士。
この立ち位置はいかにも最終的に対立するポジションだけど、どうなることやら。

リューズ 大量にクローンがいる。なんかの魔女と関係がある(詳細忘れた)スバルの命令にも従う。
クローン最初の4体は特別な存在だと思われます。
「明日以降に同じ質問をもう一度わしにしてくれ」というリューズのセリフの意味するところは、
たぶん、自分ではない別の最初の4体のうちの誰かに同じ質問をすれば何か重要な手がかりが得られるという暗示。
ということは、その4体はそれぞれ別の自我を持っているということになるのではないでしょうか?
たぶん、この聖域編の特別な鍵の一つなんでしょう

魔女因子 ベテルギウスを殺したことでスバルに怠惰の魔女因子が移動?そもそも魔女因子ってなに? たぶん最重要ワード

クルシュとレム 記憶喪失状態。 レムはさらにスバル以外の全員から存在を忘れられている。スバルにだけきかない理由は魔女因子のせいかな?

ペトラ 新人メイド。たぶんこの先も何度も何度も犠牲になりそうなかわいそうなポジションの子。

フレデリカ 先輩メイド。ガーフィールの姉。一人で味方守るために戦いそうなイメージのキャラ

パック 何故か聖域に来る前から姿を消す。貴重な癒し枠。早く戻ってきて。

魔女の皆さん。
とりあえず現時点では人知を超えた存在なので戦うとかなさそうだけど
シリーズが続けばいずれ戦うこともあるのでしょうか?

嫉妬の魔女サテラ 魔女教徒が信奉している魔女とは彼女のこと。他の魔女たちを滅ぼした。エミリアに外見が似てる?スバルに死に戻りの能力を与えた?なんかやばい影をばら撒く。スバルを溺愛している?
エミリアとなんらかの関係はあるとおもう

強欲の魔女エキドナ 知識欲の権化。白髪で黒ずくめの美少女。
ベアトリスの生みの親。 ロズワールはエキドナと深い関係があるみたい
知識欲を満たすためにはどんな犠牲でもいとわない。嘘はつかないけど、あえて言わずに隠す。
たぶんスバルを何かと利用してくるだろうけど、敵対はしなさそう。

憤怒の魔女ミネルヴァ 金髪サイドポニテ 癒しの力を持ち、傷ついた人を見つけると治療する。争いや痛みをなくしたい。
何をそんなにイライラしているのか不明。ツンデレ?
暴走して失敗した後、優しくされて味方になっちゃう感じのキャラ

暴食の魔女ダフネ アイアンメイデンのような状態になってるかなりヤバそうな魔女。 常に猛烈な飢餓状態であり、食欲を満たすため??、白鯨や多兎?や黒蛇の三大魔獣を生み出す。スバルには一応協力的?
エキドナは、触れるな、拘束を解くな、目を見るなと警告していた。
どうみてもそのうち誰かが拘束を解いてえらいことになるフラグが立ってる。

傲慢の魔女テュフォン ロリ。純粋無垢な少女だけど、悪人を断罪することがすべてで、良心の呵責とかなさそう。こういうのが一番ヤバいやつ。
悪人だと痛みを感じる。罪の意識があると身体をバラバラにされる。
こういう人は大抵ラスボスのちょっと前に出てくる四天王。
敵に回るフラグが立ちまくってますね

怠惰の魔女セクメト いつもけだるげに寝転がっている人。ペテルギウスは彼女の魔女因子を持っていた? 
こういう人は、不真面目そうに見えて実はまとも。
スバルの協力者になるかも。暴走とかしなさそう。

色欲の魔女カーミラ ピンクの髪で純白の巫女様のような衣装。
彼女の姿は相手が見たいと思っている者の姿に見える能力がある。
さらに、見とれると呼吸も忘れて死んでしまうのだとか。
いかにも魔女って感じの能力。スバルも一回くらい死ぬパターンあるかも。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
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ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

前半は話がほんとに進まない

魔女たち(主にエキドナ)やガーフィールとその姉フレデリカが登場して、エミリアやスバルが聖域で試練をしている間に策略がっていうのをずっと繰り返しているだけでちっとも話が進まない。

凄くモヤモヤして続きが気になる終わり方をしたのみ。

{netabare}ロズワールは本当に胸糞悪い奴っていうとだけはわかる。死んだと思われていたけど、死んでいなかったエルザを屋敷に送り込む。次どう対処していくのか。そして、ベアトリスが実は死にたがり。{/netabare}


OP
Realize 鈴木このみ
ED
Memento nonoc

今期も鈴木このみのOPでテンション爆上げ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第26話 それぞれの誓い
幾多の死を繰り返しながら、ついに白鯨の討伐を成功に導き、暗躍する魔女教大罪司教「怠惰」担当ペテルギウス・ロマネコンティを打ち破ったスバル。辛い決別を乗り越え、ようやく最愛の少女・エミリアとの再会を果たしたのも束の間、スバルはこの世界からレムの存在が消え去ってしまっていることを知る。死のループの中で白鯨に襲われたときに起きた《存在の消失》。白鯨を倒した今、起こり得るはずのない事態がスバルたちを襲う。

第27話 次なる場所
クルシュとの話し合いを終え、ロズワールに事態の報告と相談を行うため、アーラム村へと帰ってきたスバルたち。しかし、アーラム村に人影はなく、どうやら魔女教徒の襲撃に備えて、ラムと共に「聖域」へと避難した村人たちがまだ戻ってきていないらしい。「聖域」の情報を集めるため、ロズワールの屋敷にやってきたスバルたちを出迎えたのは、過去にロズワールの屋敷でメイドとして働いていたフレデリカという女性だった。

第28話 待ちかねた再会
「聖域」へと向かう途中、意図せずして魔女の茶会に招かれてしまったスバルは、自らを「強欲の魔女」と名乗る少女・エキドナと出会う。警戒するスバルに対して、エキドナはお茶が冷める前に早く席について欲しいと告げる。エキドナとの会話を終え、どうにか外に出ることができたスバルが目にしたものは、ぼろぼろになって地面に倒れているオットーの姿だった。事態を飲み込む暇もなく、スバルは何者かの襲撃を受ける。

第29話 親子
それは見慣れたはずのいつもの部屋のはずだった。しかし、ずっと暮らしてきたはずの自室にも関わらず、どこかつきまとう違和感。言いようのない焦燥感に駆られるスバルだったが、そんな不安は父親である菜月賢一の腕挫十字固めによって吹き飛ばれてしまう。悶絶するスバルだったが、負けじと反撃し、プロレス技の応酬が繰り返される中、母親の菜月菜穂子がそろそろお腹が空いたから、朝ご飯が食べたいとやって来る。

第30話 踏み出した一歩
もう戻ることのできない場所。どれだけたくさんのものを与えられていたのかを改めて知ったスバルだったが、もう何も返すことはできない。やらなければならないことを全て思い出したスバルは、賢一、そして菜穂子と別れ、学校へと向かう。意を決して教室の扉を開けると、そこには制服姿のエキドナがスバルを待っていた。思ったよりずいぶんと早く着いたと話すエキドナに対して、スバルは制服姿がよく似合っていると返す。

第31話 少女の福音
ロズワールの屋敷でスバルを襲ったエルザの凶刃。命を奪われてしまったスバルは墓所の中で目を覚ます。過去と向き合うという一つ目の試練を突破した直後へと戻ったスバルは、最初に目覚めたときと同じように横たわるエミリアを抱き起こし、リューズたちの元へ戻る。そこでスバルは自分が試練を突破したことを話し、エミリアの代わって残りの試練に挑んではどうかと提案するが、その提案はガーフィールによって反対されてしまう。

第32話 ユージン
例え終わる世界であってもレムだけは傷つけさせないとドアに手をかけたスバル。しかし目の前に広がったのはベアトリスがいる禁書庫だった。エルザの襲撃に対して沈黙を貫いていたベアトリスに間一髪というところで命を救われたスバル。しかしスバルはベアトリスになぜ皆が殺されてしまう前に助けてくれなかったのかと叫ぶ。口論しながら揉み合いになるスバルとベアトリス。そんな中、見覚えのある一冊の本がスバルの視界に入る。

第33話 命の価値
ガーフィールに捕まり、監禁されていたスバルを救い出したオットー。エミリアが試練に挑んでいる間、ガーフィールは墓所を離れることができない。今こそ結界の外に逃げるチャンスだと言うオットーに対して否定的なスバル。しかし、ラムが協力者として力を貸してくれることを知り、さらにラムのスバルへの手助けがロズワールからの指示だったことを聞かされたスバルは、逃げることを一旦止めて、ロズワールの元へ向かう。

第34話 らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー
兎の姿をした得体の知れない何かの群れに食い殺されてしまったスバル。半狂乱で目を覚まし、横たわるエミリアの傍で硬い石の床に額を何度も打ちつけるうちに、スバルは再び魔女の茶会へと招かれる。そこでスバルはエキドナに今まで口にしたくとも決して話すことの出来なかった死に戻りの能力を語る。スバルの話を聞き終えたエキドナは、スバルに力を与え、苦難を歩ませた存在である嫉妬の魔女について話し始める。

第35話 地獄なら知っている
墓所から外に出たスバルが目にしたものは、辺り一面を覆い尽くす黒い影だった。突如として現れた嫉妬の魔女によって、何もかもが黒く飲み込まれていく。スバルは駆けつけたガーフィールによってどうにか難を逃れるが、嫉妬の魔女は執拗にスバルたちの後を追う。自らを囮に使えと言うスバルを遮って、追いかけてきた嫉妬の魔女を迎え撃つガーフィール。しかし、嫉妬の魔女が相手では為す術もなく、黒い影は全てを飲み込んでしまう。

第36話 死の味
ロズワールの屋敷でいったい何が起きているのか。事態を見極め、対処法を見つけるため、ロズワールの屋敷へと戻ったスバル。エルザの襲撃に備えて、フレデリカたちをアーラム村に避難させたスバルは、ベアトリスのいる禁書庫へ向かう。スバルはベアトリスを禁書庫から連れ出そうとするが、ベアトリスの願いはスバルの思惑とは別にところにあり、会話は平行線を辿る。そして入れるはずのない禁書庫にエルザが姿を現す。

第37話 魔女たちの茶会
墓所で目を覚ましたスバルは横たわるエミリアを見て、エミリアだけでなく、聖域やロズワールの屋敷を襲う脅威の全てを退け、誰も彼も皆を救ってみせると決意を新たにする。ロズワールは、自らの目的を果たすためなら、スバルの力を使って無理やりにでもやり直しをする覚悟を持って行動している。果たして何がロズワールにそこまでさせるのか。様々な謎への答えを求めて、スバルは再びエキドナの元へと向かう。

第38話 泣きたくなる音
二つ目の試練の中で様々な出来事を垣間見たスバル。擦り切れてしまいそうになったスバルを動かしたのは、スバルのことを誰よりも愛してくれて、そして誰よりも厳しい人だった。目を覚ましたスバルは、力を貸そうと手を差し伸べるエキドナに、その手を取ることはないと告げる。そのとき闇のヴェールを纏った嫉妬の魔女が姿を現し、彼女もまたスバルに手を差し伸べる。その手を拒絶したスバルは誰の手も借りず自らの力だけで全てを解決すると叫ぶ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

70.6 4 絶望でファンタジーなアニメランキング4位
賢者の孫(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (608)
2580人が棚に入れました
ある青年が事故をきっかけに、異世界に赤ん坊として転生。そんな彼を稀代の魔術師・マーリンが拾い、シンと名付ける。シンはマーリンの孫として育てられ、魔術も学ぶ。だがマーリンは、常識を教えるのを忘れていた……。

声優・キャラクター
小林裕介、小松昌平、本泉莉奈、若井友希、屋良有作、高島雅羅、森川智之
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

今回の「SILVER LINK.」は・・・・・・・・・・・・ツッコミ満載!!

2019.04.11【第1話を見て・・・】

作品ごとに出来栄えがが、
①大変良い。
②良い。
③普通。
④悪い。
⑤かなり悪い。
と、なかなか「安定したした作品」を出さない「SILVER LINK.」制作。(笑)

今回はズバリ!『中途半端』に感じます。(笑) 厳密に言えば③④の間ぐらい。

毎期、毎度毎度の「テンプレ異世界転生モノ」。テンプレは嫌いではないですが「作り方」がヘボ過ぎると大嫌いです。(笑)

今回は、
・主人公は(定番の)現代社会のサラリーマン(養育向け「科学雑誌」編集?)が事故により死亡しファンタジー異世界に赤子として転生。
・「シン」と名付けれた赤子は老賢者の孫として育てられる。(定番のメタ情報=前世の記憶アリ)
・恵まれた師匠筋により魔法・剣術がその年齢にそぐわない(定番の)「チートパワー」を身につける。

15歳の(この世界では)成人を期に魔法学校に入学・・・「パワー」は凄いが「(社会)常識知らず」というシチュエーションでラブコメ学園・アドベンチャーといった展開になるのだろうか?


[作画面]
普通に見られる範囲ですが、厳密に言うと「微妙にヘボい作画」です。「微妙にヘボい作画」です。(大事な事なので2回言いました)

[ドラマ]
少々稚拙なラノベ文章を「そのまんま」仕上げたような印象。1話は、やたら説明を多く織り交ぜ過ぎてるせいで「ドラマティックな面白味」が全然無く、用意したシーンを「事務的に展開」したような感じ。 「ヘボい構図」や「単調な演出」のせいもあって面白味が無いです。
「面白いモノを作る」という意気込みが感じられず、「仕事だからやっている」感が、ものすごく伝わってきます。(笑)

[リアクション]
その作品の風格に合った「ズッコケ」や「ギャグ・コント」「サプライズ」というものがありますが・・・何か不自然すぎてシラけてしまいます。

[魔法演出&アクション&キャラ紹介の見栄]
ヘボいドラマパートからみて、全くの別物! ココだけ『変』にチカラを入れ過ぎて『変』にキレッキレにカッコイイのが「妙に不自然」!


まるで『企業PR』を見せられたような印象の第1話でした。(笑)
しばらく様子見ですが、「視聴切候補」として挙げます。



2019.04.17【機会があったのでコミカライズを一気読み・・・】
主人公(シン)の凄く都合の良く伸びる成長と、ひねくれ者の居ない仲間たちや、シンの周りにいる大人はやたら高名な人徳ある実力者、など「ご都合主義過ぎの展開」をまずストーリーとして考え、後付けで「敵・敵対勢力」を無理くりに組み込んだ印象なので全体的な構成がチョット甘々な感じもします。 テンポのいい進行は気持ちいいかもしれないけど、やはり深みが薄いような気がするなぁ。(まぁソコが良くて好まれてるのでしょうが)

なので、
・無垢な「小学上級生~中学初等」あたりが、心地よく喜び(ウケ)そうなストーリー。
・「お出かけ女子」で、やたら小物をバッグにドッサリ詰め込んで用意する(あんな時にはコレ使おう。こんな時にはアレしよう・・・みたいな)タイプ。
のような印象でした。(笑)
今後、{netabare}
・ポンポン発明される魔導具の数々。
・シン&シシリーの見てて背中がカユクなるピュアなリア充ぶり。
・残虐描写(斬首、断胴など)のアニメ表現。
・早くも野望達成した魔神シュトロームの今後。
など{/netabare}
どうなりますやら・・・




2019.06.29【まさに中学生のオ〇ニー・アニメ!】(加筆修正2019.07.02)
視聴切ろうかと思いましたけど、結局最後まで見てしまった。(笑)
面白そうな『素材』でありながら、全然面白く活かせてないのは世間の不条理・不合理など「マイナス感」をあまりよく実感していない『中学生坊ちゃんが考えたような脚本・構成』のせいか?
なので「万人受け」にはならず「中学生坊ちゃん男子」受けになるような展開に「(情けなくて)恥ずかしかった」です。(笑) 各所、叩きまくってますが私も苦言を。


さて、テンプレートは「異世界転生」。主人公ステータスは、お馴染みの「チート(最強)能力」。『中学生坊ちゃんが考えたような脚本・構成』なので、{netabare}
【シン・ウォルホードは中学生坊ちゃんが考えたような『理想』の主人公】
・最初から(才能やら何やら)「持っている」ので、何をやらせても技能的に上手くこなすという『都合の良さ(ご都合主義)』。 なので、何かを得るための苦労や苦悩・努力の描写が全然無いせいか、人間味が(空っぽで)薄く感じられ魅力的には思えません。
・シンの、その若さで持っている強大な魔力に周りから感嘆・称賛などチヤホヤされる様子は「中学生坊ちゃん男子」の抱く『超・理想』。(笑)
・彼女となるシシリーに対して、双方オンリーワンの恋愛事情。ウブウブな態度は別にイイのですが、恋仇・こじれる人間関係などストレスを感じさせる状況を「一切排除」している『都合の良さ』。(なんと都合の良い人間関係!)
・シンのバックボーンに、名だたる賢者・導士、タメ口が許される国王・王子、元騎士団長、宮廷魔法師団所属の魔法使い、近衛騎士団所属の騎士と何かと常人が逆らえない後ろ盾があるという『都合の良さ(ご都合主義)』。 
・これだけ色々持ってるのに傲慢にもならず、人当たりのイイ好少年に育っているという『都合の良さ』。(笑)
まさに「(作者:吉岡剛の?)自己満足的な理想」のヒーローのように見えました。(笑)

【道を示す助言者、アウグスト=フォン=アールスハイド(オーグ)】
・シンの学友で王子様。彼の立ち位置はおそらく「作者(吉岡剛)本人」の分身でしょうね。 空っぽなシンに対してイジりまくり、シンを盛り立てたり話を都合よく進め(勧め)たり纏めたり。 作者の理想なのかツンデレな許嫁をあてがったり。(笑) 王族らしからぬワールドワイドな視点と知識と素養・良識的な人間性が、いかにも『作者本人』の理想に思えます。(笑)

【彼女にするなら、こうであれ!(?)】
・優しくて美形、おとなし目で恥じらいのある淑女、そこそこ発育のいいプロポーション、捻くれてなく素直な性格、好きな人の為ならば覚悟を決める潔さ・・・そんなシシリーは中学生坊ちゃんが萌える理想像?(笑)

【早くも野望達成した敵は、使いどころが浮いたまま!!】
本来、(都合よく)ストレス・レスな冒険ファンタジー物をしたかったのかもしれませんが、敵が居ないと盛り上がらないという編集者の入れ知恵で作ったような敵役・シュトローム。 魔人堕ちした悲惨な生立ちは、話としては良かったものの、早く(シュトロームを)排除したいせいか、あっさり彼の目的である帝国への復讐を終わらせてしまい、無理くりにでもシンと敵対させようとする強引で「不自然」な展開が駄目に思えました。(笑)

【友達は多い方がいいし楽しい!・・・でも、】
・マリア(シシリーの親友)
・トール(オーグの護衛で眼鏡男子)
・ユリウス(オーグの護衛で大柄な体格でござる)
・トニー(チャラ男剣士)
・リン(寡黙な天然暴発女子)
・アリス(元気なおこちゃま体型)
・ユーリ(おっとりボン・キュ・ボン!)
・マーク(鍛冶屋の息子でオリビアとは幼馴染で恋人同士)
・オリビア(食堂の娘でマークとは幼馴染で恋人同士)
、とまあけっこう出てましたが、・・・個性的ではあるものの、なんか引き立て人員な役割で「立ちんぼ場面」も多く、印象が薄かったです。(もっと掘り下げればいいのに、ソコまで采配する頭(知恵)が無かったのか?)

【通常パートはヘボアニメ。しかし・・・】
視聴した方々は判ると思いますが、日常パートはヘボい「ノッペリ作画」にヘボいアングル(画面構成)にヘボい演出、的外れに入れるギャグ漫画まんまのような「寒いコントリアクション」、背景担当のスタッフらはイメージの悪さの所為か「このすば!」から参考(というか、殆どパクった)建物や都市の俯瞰の数々。
しかし、『魔法バトル』になると空気が一変!!
キレッキレのアクションに派手な魔法演出や爆発効果の「超・特化作画」!中学生坊ちゃんが喜びそうな展開ですが・・・・・『通常パート』もコレだと良かったのに。(笑)

【イベント絡みの縁で使ったVTuber】
OPの「i☆Ris」の曲は悪くなかったケド・・・OPアニメの『センス』は酷かった。(笑)
2018年11月のイベントの縁で起用したED担当のVTuber「吉七味。」も「曲」は悪くなかったケド・・・6話で登場したミランダの声優役&EDアニメのVTuberキャラダンスに各所大、大、大ヒンシュク!(笑) 推してる方々には申し訳ないけど、ヤッパリ声優としては「下手クソ(滑舌悪い)」ですしEDアニメも世界観が全然シックリしてなかったと思います。(あとメイ役のVTuber「雛乃木まや」も(滑舌悪くて)酷かったでしゅ・・・でしゅ)出来がヨロシク無いのに起用されるなんて、『裏』で何かあったと勘ぐられそうです。内輪ウケにはいいけれど、一般にはまだまだ、マダマダ認めてもらうのは厳しいと思います。

【「常識をブっとばせ!」がフレーズになってますが・・・】
型苦しい枠に縛られない自由な発想として魅力的な語感の「響き」ですが、まず「常識を知らない」のに言ってほしくはないですネ。(笑){/netabare}


と、いうように毎回「強・ツッコミ(いやいや、オカシイだろコレ)」を入れずにはおけないようなアニメ。 そういう「悪い意味」で物凄く盛り上がって楽しい(?)アニメでもありました。(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

ストレスが無いのがストレス

6話までの感想{netabare}
前情報で身構えてたせいもあるのかも知れないが、実際見てみたらそこまで酷くないじゃん…と思ってました。
聞くだけでサブイボが立ちそうな「え、ボクまた何かやっちゃいました?」も、あくまで周囲はドン引きという描写が多く、てっきり賞賛ばかりが続くのかと思ってたのでそれよりは随分マシかなぁ、と。
…。
と、ツッコミどころはあれどソコソコ好意的に見てたところで6話のエンディングですよ。
ナニコレー!?
スタッフは叩かれないようにマトモなものを作ろうとしてるのか、叩かれて上等の炎上商法紛いの路線を狙ってるのか、どっちなんだか分からなくなってきたぞ?
ってかスポンサーにゴリ推しされてボイコットでもしたのか?とさえ思えてきたり。
そんなことってあるのかなー?
と、以前やってた某アニメが頭をよぎる…メカクシなんとかだけど、円盤版では修正されたけどTV版では作画がくっそ酷い回があって、だけどプロデューサー(だったかな?)はノリノリだったらしい。
所詮プロデューサーは調子のいいことを言うだけなので本意かどうかは不明だけど、賢者の孫も同じ感じだったりして?
視聴者ドン引きで身内だけで盛り上がってるっていう…。

6話エンディングについてだけでは寂しいので他のツッコミ。
5話で帝国が戦争を企んでることについて「何故?」という問いに「そんなの向こうに聞いてくれ」と返す王子、理由については興味無さ気。
そんなことある?理由が分かれば回避方法も見付かるかも知れないじゃん?探ったけど全然分からなくて不思議だなーって態度でもないし…。
と思ったら6話で理由(原因)はシュトロームによるものだと判明…まんまと術中に嵌ってやんの。
う~ん、最初から馬鹿キャラならまだしも、ストーリーの進行上突如キャラが馬鹿になるのはキツいですなぁ。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
「大量に発生した魔人と対決予定で、無事に生きて帰って来れるか分からないから色恋事に性急」ってことなら分かるんだ。
けど実際は死の匂いからはずっと遠い、見え見えの神(作者)の手で安全が保証されてのほほんとした部活動の延長のノリでしかないから色々と気持ち悪い。
なんだっけ、最近見た別アニメのセリフが頭をよぎる、「自分が死ぬとは思ってないんだろ?」。
婚約披露も、若いカップル(特に片方は将来国の中枢を担うのが明白)の誕生を見て、二人の幸せを守るために戦うぞと奮起する老兵でも映せばいいのに。{/netabare}

10話感想{netabare}
今回は途中から“ブラッククローバー”を見てる気分だった、ってか今週のとネタ被りまくってて吹いた。
87話だけでも見るといいかも?
あっちは「我らロイヤルナイツが白夜の魔眼を倒すぜ」と宣言して終了、こっちは「我らアルティメットマジシャンズが魔人を倒すぜ」と宣言して終了、わぁい。
そもそもあっちは“テラフォーマーズ”も裸足で逃げるくらい、どんなザコだろうが対決する度に「コイツにはこんな暗い過去があったんだー。こんな辛い過去があったんだー」と回想が入るんですよね、体感全体の半分は回想。
ナルトもそうなのかい?ペイン編までしか見てないんよ。
で、自分はもうそういうのに慣れちゃってるせいか「あ、そう」って感じ。
そうはいってもねぇ、ブラクロは最終回がいつか不明な引き伸ばし上等の作品(それが好きか嫌いかは置いといて)で、最終回がいつか決まってる深夜アニメで同等のノリをやられても困るんだけど…。
ってか敵側の悲しい過去回想するにしても主人公と何か因縁持たせようよ、なーんも繋がり無くないか?{/netabare}

11話感想{netabare}
いやいやいやいや。
政治的なことはなるべく考えないようにしてたけど、わざわざ王太子が宣言しちゃうんだからどうしようもない。
放送があるワケじゃないので国内でアルティメットナントカを宣言してはいるけど、国外ではあくまで「ナニそれ知りませんなぁ」って素振りでないと(それでもかなり無理があるけど)色々とマズくね?
アルティメットナントカはあくまで「国籍不明で無償奉仕してくれる謎の正義の味方」でないと色々と問題発生しちゃわない?
作中のやり方では領地拡大を狙った魔人とアルティメットナントカによる自作自演だと疑われかねない気ががが。
魔人大量出現も異常ならそれをサクサク倒せる連中の登場も異常だもの。
魔人出現が超異常事態でリアルとは比較しづらいとはいえ、アメリカだけが核兵器持ってるような状態で、魔人退治が終わったら今度はアルティメットナニガシが人類の敵になりそう。
当人がそう思ってなかろうが「彼らの機嫌を損ねたら何をされるか分からない」「彼らを賞賛(領地明け渡しでも財産献上でも)しなければ今後魔人が出たとき退治してくれないかも…」と無言のプレッシャーになるもの、人類からしたら。
そこら辺の問題踏み込んでくれるのかな?
また、せめて「死力を尽くしてなんとか撃退」ないし「身内にも少なからず犠牲が出た」ならまだしも、あんまりにも余裕綽々だと「それだけ余裕あったのならもっと早くから手を打てよ」と思ってしまう。
私自身だけじゃなくて作中の「ただの一般人」がそう思うって…思わないんだろうけどね、都合よく。
これって“劣等生”でも強く感じたけど、主人公に能力盛りすぎると起こる弊害、「どんなにスペックあってもそれを使いこなせない無能」って俺TUEE系はなりがちで、そこんところは細心の注意払ってくれないとちょっと…。

というか、魔人狩り楽しんでない?ウサギ狩り感覚で。
どっちが魔人だか分からなくなってきたぞw{/netabare}

12話感想{netabare}
聖女ネタ寒っ。
こんな時でも結局主人公の方が秀でてないと気が済まないのか、「この分野は○○のが上」ってのがそんなに耐えられないのか。
そして連合加盟への働きかけって、断れるワケないじゃん。
「断った国は魔人現れても助けません(ニッコリ」と脅迫してるのと大差ないと気付いてないのかな?
眉間に銃押し付けて「なぁ、オレの頼み聞いてくれよー」と言ってるようなモンで…なにが「失礼の無い様に」だよ。
他の国がアールスハイド王国の属国だとか、もし滅んだら王国が経済的に損するとか、見捨てたら王国が何か割を食うのなら言い分の一割は理解できるけど、帝国が亡んでも「別に関係ないね」って他人事な振る舞いをしたせいで全く説得力が無い。
難民一人も居ないんでしょ?
魔人からの警護を口実に支配地域の拡大を狙ってるように見えて仕方ない。
そう考えれば暢気にビーチバレーに興じてたのも頷けてしまうから困る(=魔人を意図的に泳がせてた)、ってかアニメが続いたらそういうことにする予定とか?
せめて主人公ヨイショするにしても、アルティメットなにがしの噂を聞きつけて「我らも庇護下に置かせてください」と向こうから頼み込んできたとかにすりゃ良いのに…それでも「うわぁ」となるけど、それより酷いって何なんだ。
そうねぇ、王大使が普通に腹黒キャラで、影でニヤリと邪悪な笑みでもしてればまだ見れた…か?
主人公がまんまと利用されてるのが耐えられない?ってか気付かない賢者がアホ過ぎてやっぱダメかー。
で、支配地域を増やすためにルーラ登録の旅に出ますねエンド。
かーらーのルーラによるMP消費がゼロないしコストが安いので、宿屋はタダのアリアハンで済ますオチ。
…。
そう。{/netabare}

総評{netabare}
これを見てアニメを嫌いにならないでと祈りたい気持ち。
あ、けど作画はところどころ良かった、頑張ったアニメーターはもっと良い作品に係れるようになってくれたら良いな。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ある種の鏡

*蛇足追記


転生したサラリーマンが、異世界で想像しうる限りの能力と承認を集めて称賛の的になる様を描く物語。

「世界」の設定とエピソードの全てが主人公の全能感に奉仕するために創られた物語は、最近では「なろう系」と呼ばれているらしい。
が、『小説家になろう』というサイトが、そうした物語だけを提供するよう専門化されている、というわけではないだろう。
そこに集まる小説が、いわゆる「なろう系」と定型化されるのは、つまり読者の好みがそうした「定型」に集中している、言ってみれば或る種のマーケティングの結果なのかもしれない。

主人公に「能力」や「勝利」が集中することに、何ら必然性や納得感を感じさせる設定を創ろうとはしない「世界」は、妄想だけが先走った手抜きとも見えながら、ある意味では「健全」なのかもしれないとも思わせる。

数年前を振り返れば、ライトノベル原作の活劇アニメの主人公は、国家の「特務機関」や「秘密結社」の構成員ばかりの印象があった。
「世界」の命運を左右する「全能感」の発揮のために、後ろ盾として「国家権力」しか発想できなかった限界性から比べると、「何も説得的な設定を創らない/創れない」という事態は、「創れない」とみれば後退だが、「創らない」とみれば(或る種の)健全化ではあるだろう。
「健全性」に魅力を感じるかは別の話だが。

いずれにせよ、表現を支える手段はどうであれ、描きたいものは「主人公の」全能感であることだけは不変のようだ。

活劇において主人公が強いのは当たり前だと言える。
しかし、描くものが主人公の「強さ」であるのか、「全能感」であるのかでは作品の性質はまるで異なるものとなる。
説得的で客観性のある「世界」でも主人公の「最強」を描くことはできるが、「全能感」は描けない。
主観的な妄想性こそが「全能感」の源泉であろうから。


製作者の妄想じみた「全能感」の物語は、視聴者が望むからこそ制作されるのだろう。
いや、視聴者の妄想を映し出している(と信じられている)からこそ、製作者は作り続けることができる。

言ってみれば初歩的な「マーケティング」の産物だが、「創作物」がマーケティング手法だけで創れるものだろうか。
「笑える、わかりやすい、ウツな重苦しさのない、スカッとさせる」=「全能感」を堪能させるアニメが観たいという最大公約数的な「マーケティング」で制作されたかのような、スマートホンがどうこうしたという異世界転生アニメがどのような出来であったか、思い出してみるのもいいだろう。

日本のアニメがANIMEとして全世界的に熱心なファンを獲得しているのは、日本のアニメがエンタメとしては例外的に過剰な作家性を発揮していたためだと思われる。
視聴者が「消費者」のように妄想の実現を求め、製作者がそれを拾う「マーケティング」の向こうに、ANIMEの特異性、優位性は発揮し得るものなのだろうか。

何十年か前、中国のとある工場を訪れた際、日本では機械化されている工程を人海戦術の人力で行っていた。
社長曰く「工作機械を購入するより人件費のほうが安い」とのことだったが、現代では経済誌のインタビューに「人件費が安いから日本の工場に下請けさせる」と語る中国人経営者も登場してきた。

経済=マーケティングの論理は、冷徹に環境を反映し、世界を「数字」の相関へ還元する。

作家性=創作は、いってみれば経済に代表される即物的相関の非情性への「アンチ」だ。

エンターテインメント・アニメのスタンダードは、マーケティング=経済=売り上げ規模からいってディズニー・スタイルだろう。
ANIMEは、スタンダードへの「アンチ」として支えられている。
マーケティング主導(に見える)「なろう系」アニメは日本独特に違いないだろうが、ANIME=日本アニメとして「アンチ」を支えた過去の作家主義的なアニメ監督たちの作品に匹敵する強度が、果たしてあるのだろうか。



「全能感」を支える妄想充足的なご都合感を、「なろう系」と嘲笑するのは容易だ。

が、「なろう系」の本質がマーケティングであるとすれば、こうした作品群は自らの「消費者」的な欲求の反映ではないかという視聴者の自省も、同時に必要ではないだろうか。

つまらないと感じたアニメに対して「クズ」「カス」「ゴミ」と罵言を投げつける人も多いが、本作のようなアニメに対しては、マーケティング用の統計データを与えてあげているだけのことで、マーケティング創作を強化することにしかならない。
作家性を挑発したいのであれば、単なる罵言以外の言葉が求められる。


作品とはあまり関係のない感想が生まれたのは、本作がこうした傾向の作品群を純化したような象徴性があるためだろう。
好き嫌いや評価を別として、「マーケティング」アニメの代表としての「純度」はあるように思える。


【蛇足】
一年後には忘れていると思うので控えておきたい。

2019/5/17現在、出版社の幻冬舎が、自社の出版物を批判した小説家の文庫出版を差し止め、それを暴露した小説家に対し、社長が「あの作家の本は売れていない(から出版しない)」と誹謗するツイートを発している。

このサイトでもアニメ番組を「作品」と表記することが通例であるように、「創作物」は市場に流通する「商品」であると同時に、「作品」であるという二重性を持つ。

どれだけ売れたか=金銭を稼いだかはアニメの「商品」価値だが、「作品」の価値とは無関係だ。
「売れない」アニメでも優れた「作品」はあるし、また、優れた「作品」が商業的に大ヒットすることもある。
繰り返すが、端的に「無関係」だ。

小説の売り上げで「価値」を測る出版社社長のツイートは、経営的に正しいように見えて、自らの扱う「創作物」という特異なモノの性質を正しく把握していない、商売人としての無能力を暴露している妄言に過ぎない。


そもそも視聴者が「売上」に代表される現実的原則を絶対化する感性の持ち主ならば、アニメのような非現実のフィクションに魅かれて愛好するはずがない。
おそらく視聴者にとっては「作品」の出来のほうが価値を持っていたのだろう。
これまでは。

しかし、「作品」を観て「満足」の多寡を計量する視聴は、「商品」価値に接近しているような気がする。
「神」「最高」、あるいは「カス」「クソ」といった感想は、購入商品に対して返送する「お客様アンケート」のようだ。

どれだけ金銭を集めたかがアニメの「商品」価値だとすれば、どれだけ「お客様アンケート」以外の言葉を集めたかが「作品」価値なのだろう。


本作に価値を感じる視聴者も、膨大にいることだろう。
マーケティングに貢献する「アンケート」以外の言葉が集まるようであれば、本作のような作品群も将来に残り続けるのであろうけれど。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

69.0 5 絶望でファンタジーなアニメランキング5位
今、そこにいる僕(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (286)
1459人が棚に入れました
 50億年後の未来の戦争に巻き込まれてしまった平凡な少年のサバイバルを描く、少年冒険SF。「おじゃる丸」「こどものおもちゃ」の大地丙太郎が監督、助監督は宮崎なぎさ、則座誠。松谷修造(通称:シュウ)は、ある日、ララ・ルゥという水色の瞳を持つ少女と出会う。彼女は、地球の未来を左右する力を秘めたペンダントを持っており、それを狙うハムドという50億年後の未来の独裁者から逃れるため、現代にタイムトリップしてきていた。だが、すぐに追っ手に見つかり、ララ・ルゥと共にシュウも未来に連れ去られてしまう。そこは、海が干上がり、地表も9割が砂漠と化している、まさに死に瀕した地球だった。そのうえ、その少ない水と星の覇権をめぐって起こった戦争によって、殺戮と略奪が日常化していた。否応なく戦争に巻き込まれてしまったシュウは、同じくこの時代に連れてこられたサラとなんとか生き残る道を探るが…。

声優・キャラクター
岡村明美、名塚佳織、仲尾あづさ、今井由香、小西寛子、陶山章央、石井康嗣、安原麗子

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今、そこにいる僕…今、ここにいるあなた…そして今、そこにある危機

前回、とあるレビューで私はこんなことを口にしていました。
「とりあえず、今度は鬱アニメ探訪でもしてみるか…」
※Q.鬱アニメとは?
 A.世間一般におけるアニメの中でも、特にハッピーエンドで終わらない、とことん暗く重い作品を主軸、もしくは一部の展開とした作品の総称

勿論、これを書いた事は決して忘れてなどいません!
何を観ようか悩み、観てみたは良いものの、ストーリー展開の余韻に悩み、どう言葉にまとめればいいかで悩んだ事等、語る必要もありません。
という訳で、私の中で新たな可能性の扉が開いてしまった成果を今こそ、皆さんにお見せするとしましょう。
さて、今日ご紹介する作品は先日、どこぞの動画サイトで鬱アニメランキング1位を獲得していた物です。
昨今流行りの異世界転生モノの流れを見事になぞっておきながら、その残酷で無慈悲な展開は、現代の地上波で放送するには到底不可能な内容
○○○が暗喩的に描写されたシーンや主人公や他の子供達に対して行われる○○の横行には当時でも目を覆った人、見てられないと投げ出した人も多かった事でありましょう。
これをその時のテレビジョンではゴールデンタイムに放送していた事を考えると、改めて時代の寛容性、そして時代の移り変わりと言う時の流れの深刻性を肌身に感じてしまいます(これがたとえ、WOWOWのノンスクランブル放送(無料)であったとしても驚きです)
しかし、こういった情景が夢幻でないと断言出来てしまう情報化社会の今だからこそ、私達は最後までこの作品を語り継いで、教訓として生かしていかなければなりません。
そういった点において、今作は第1回目の紹介として最も相応しい作品と言える事でしょう。
『今、そこにいる僕』
今回はこの作品について存分に語っていくと致します。


まずはあらすじを簡単に説明しましょう。
ごく普通の中学生、松谷修造(通称、シュウ)
彼は自信を持っていた剣道の試合に負け、尚且つ相手のいけ好かない真面目イケメン君に好きな娘を奪われてと、意気消沈
しかし、何事にも前向きなのが彼の良い所
気を取り直して明日からまた頑張ろうと思っていた矢先、いつも自分の秘密基地として利用している煙突の上に見知らぬ少女が座っているのを発見する。
夕日を見ながら黄昏る彼女、同じように黄昏るシュウ
無口な少女と少し話してみて分かった事と言えば、名前をララ・ルゥと言う、ただ、それだけ…
ララ・ルゥに興味を抱いたシュウ
もっと彼女について詳しく知りたいと思った彼
再度話しかけようとしたその時、突然見知らぬ機械と人間が姿を現し、彼女を何処かへ連れ去ろうとする。
必死に助けようとした彼はその戦闘の最中、彼女と共に何処かへ飛ばされてしまう。
たどり着いた先は、未来の地球にある領域の1つ、「ヘリウッド」
シュウはそこで、ララ・ルゥを巡る過酷な戦争とその世界での圧倒的な現実を目の当たりにする事となる……

ここからは私の個人的感想に移っていきたいと思います。
さて、こういった暗い作品を観るにあたって、私は1つの取り決めを自分自身に課しておりました。
それは、このような暗い作品は必ず、毎日深夜に拝見していく事
鬱アニメは静かな、誰しもが寝静まった夜に観てこそ、最適な効果がもたらされると思っているのが私の持論です(笑)
今作もそのご多分に漏れず、1番影響力の強いであろう、その時間帯に視聴した次第
しかし、幸か不幸か…
私が全13話を観て思った事は、衝撃的な展開が多くあって驚いたものの、それによって私が鬱屈した感情に見舞われると言うのは終ぞ無かったな…と言う事です。
いや、この表現はあまり正しくないですね…訂正します。
実は、この『今、そこにいる僕』と言うアニメは1話毎に生じる「余韻」と呼ばれる感傷が実に凄まじい作品です。
普通のアニメだったら最終回を観終わった直後に、何とも言えない余韻が精神を侵して、何も手につかなくなると言う事がままあります。
このアニメはそんな、普通のアニメであったら最終回限定で起こるだろう「余韻」が毎話毎に生じてしまう…と言えば分かりやすいでしょうか?
暗い気持ちになる事は無かった物の、毎回、1話ずつ観る毎に「今日はもう、良いかな…」といった倦怠感、疲労感、達成感を感じさせる作品
しかし、それが決してつまらないと言う訳ではありません。
寧ろ、先の展開は気になってしょうがない類のアニメです。
これは終始、絶望的なストーリー運びのオンパレードで観ているだけでも暗い展開が次々と起こって来る事
しかし、それでも先が気になってしまうと言う引きの良さ
この2点に集中して依る事によって起こった事態と言えるでしょう。
そういった「余韻」と呼称された感傷的な気持ちを多くの方々が「鬱」と解釈しているのなら、これは文句なしの鬱アニメNO.1です(現時点)
はっきり言って凄まじい…
アニメの展開にハラハラしてどうなるのかと見入っていた所に、EDの子守歌
あれでどれだけ自分の心が落ち着いた事か…
これを観て、その歌を聴いた後はもう、早々と眠りにつきたくなります。
それはもう、嫌な事を眠って忘れる赤子の如く……
そういった訳で、1話1話の詰まった内容、そして、最後に訪れるEDで、この作品は唯一無二の不思議な空間を作り上げたと言えるでしょう。

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私達は踏み慣れた生活の軌道から放り出されると、もうダメだ…と思います。
しかし、実際はそこに、ようやく新しい良い物が始まるのです。
生命のある間は幸福があります。
レフ・トルストイ
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今作の主人公、松谷修造
良く言えば楽天的な熱血少年、悪く言えば後先を考えない馬鹿
このアニメを観た方なら彼に対しての印象は人によっては実に正反対で、2つの概念に分かれてしまうかと思います。
ここのサイトも見てみると、彼については評価が見事に二分していました。
その点を踏まえた上で、次にシュウに対して私が感じた個人的印象を書き連ねるとしましょう。
私はどちらかと言うと、好評、すなわち、楽天的熱血少年としてシュウを高く評価しています。
しかし、それ以上にこれが他の希望的作品であったなら、彼の様な主人公では駄目だったとも思っています。
それはこの物語におけるシュウの無力さ、無邪気さ、無謀さが及ぼした影響にこそ、今作の全てが委ねられていたからです。

詳しく説明するとしましょう。
そもそも、こういった「物語」と言う概念において「主人公」とは、その作品の写し鏡である事が多いです。
私達は主人公の眼から見た世界で物語を自然と認識し、知覚しています。
例えそれが感情移入できる代物でないとしても、自然に私達は彼の行動、働き等から架空世界を視認し、判断していくのです。
それは、感情の問題でなく、感性と悟性の共同作業
この絶望的なまでの世界観を表現するには、主人公自体が無力でないと話が成立しないのは最早、明白
この世界観で主人公が何でも解決してしまったら、他の数多ある異世界転生モノとの明白な隔離が出来ず、したがって製作者側の真意が視聴者に上手く伝わる事は無いでしょう。

上記を踏まえた上で改めて、この作品のテーマは一体なんだろうかと考えてみた時、私が感じたのは
「圧倒的な現実における人間の無力さ」「人間の真の強さは馬鹿にある」
と言う事でした。
「戦争」
それはちっぽけな「人間」と言う生物には到底背負う事の出来ない概念存在
こういったあまりにも大きすぎる物事に対して、それぞれの人々がどう向かっていったか、今作には全てが描かれています。
巨大な理解不能を受け入れる人々、受け入れずに抗う人々、扇動して利用する人々、受け入れる受け入れないの前によく分からない人々、全てが終わった一歩先の未来を見ている人々
この全13話において、そういった人物全てが巧みに描写され、最後の帰結まで見事に行われている…
これを終わりまできちんと描いた事については、もう、「よくやってくれた」と言う物です。
さて、その中でシュウと言う人間は徹底的なまでに抵抗し、そして、無常的なまでに何もできません。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、彼が立ち向かう事を決して止めないと言う過程
普通の良識ある一般人ならもう無理だと諦めたり、自分が生きる為に媚び諂ったりするのに対し、彼はそんな事はしません。
何回も立ち向かって、その度に酷い目に遭います。
この行為自体にこそ、アニメスタッフの伝えたい意図、テーマがあったのだと私は感じます。
それこそ最初に言った
「圧倒的な現実における人間の無力さ」「人間の真の強さは馬鹿にある」
見事に体現していると言えるでしょう。
「愚直」とは「愚」かな位、「直」ぐと言う事
そんな馬鹿だからこそ見えている、見えてくる景色がきっと或る。
それこそ、『イワンの馬鹿』を書いたロシアの文豪、レフ・トルストイのように…
シュウもまた、抵抗する事によって、そこに全てが終わった一歩先の未来を感じ取っていたのかもしれません……
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社会には、人のうねりには勝てないのだと。
世の中には、どうあがいても覆せない理性があるのだと。

社会のちっぽけな詐術など、人の真の強さの前では無力に過ぎる。
『車輪の国、向日葵の少女』より
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今作を観終えた後で、私はある1つの短編について思い出しました。
そのタイトルは『さあ、きちがいになりなさい』
書いたのは、著名なアメリカの作家、フレドリック・ブラウン
交通事故で過去の記憶を失った新聞記者のジョージ・ヴァインが、自分自身をナポレオン・ポナパルトだと思いこんでいる偏執病患者のふりをして、精神病院に潜入すると言う物語です。
その話の中で、彼は、自分がジョージ・ヴァインなのか、ナポレオン・ポナパルトなのか分からなくなります。
しかし、人間と言うのは、そもそも彼のように弱い存在なのでしょう。
人間における「正常」という観念は、社会や共同体に固執した人達によって理性化された産物
自分がいかに能力がある人間かと言う妄想を語るハムド
自分の事を何の疑いもなく正常だと思い、やっている事がおかしいとまるで感じていないタブール
利己的行為の為ならば、反乱とはいえ手段を択ばないエランバ
私達はそういった害悪存在をこそ、きちがいなのではないかと解釈します。
しかし、そう思う心も安全圏にいる私達だからこそ、普通に認識出来る事
『今、そこにいる僕』の様な崩壊した世界で、自分は気が狂っていないという保証が一体何処にあると言えるのか?
そういった問いを私は自然と感じてしまったような気がします。
もしかすると我々の世界も、視点を変えれば「ヘリウッド」と同じ…
私達は少なからず狂気の中に生きていて、それを「信念」等と言う、聞こえの良い言葉に言い換えている…
そんな気味の悪い想像が浮かんでしまったのは、恐らく私だけでしょう……

シュウはあの後、どうなったのだろうと今になって私は考えます。
自分が世界を救ったと吹聴して回っていくのでしょうか?
自分の胸の内に閉まって、限りある大切な人生を生きていくのでしょうか?
彼がジョージ・ヴァインの運命を辿らず、ララ・ルゥの想いを胸に生きている事を願っています。
シュウと、このレビューを読んでいる方、そして今、ここに生きている事の幸せを偏に感じたくなる…
そんな冬の一時なのでした……

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

夕日が目に染みる...この作品を観て考えるべきことは多い

いわゆる「鬱アニメ」というジャンルで語られる事が多い1999年の作品。

物語の展開自体は確かに鬱で悲劇的だが、ただ単なる露悪主義的なものではなく、
内容にはしっかりとしたテーマとメッセージ(問題提起)を内包しており、
作品のラストも一筋の希望が見いだせるように描かれている。

決して観て楽しいという類のものではなく、非常にシリアスで重い(あくまでアニメとして)が、
目を背けずにしっかりと向き合って考え、観るべき価値のあるアニメだと思う。
(グロシーンなどそこまで直接的にキツい描写はありません)


☆物語☆

現代の中学生シュウが、ある日剣道の練習帰りに偶然出会った謎の少女、
ララ・ルゥを守ろうとすることがきっかけで、未来の地球?へと時空を移動してしまう。
その世界は水資源が枯渇し荒涼とした砂漠、不毛な大地が広がっているが、
人間は戦争を繰り返す日常を送っている。

(本編では具体的に語られないが、何かで見たんだけど、
どうやら50億年後の地球という設定らしく、太陽が肥大化し寿命が近いことが映像を見ても判る。
戦争によって荒廃な大地と化したのか、太陽の肥大化による乾燥なのか、その両方か、はハッキリとは判らない)

狂王ハムドが治めるヘリウッドで、捕らえられたシュウは周りと同様に強制的に兵隊にされてしまう。
その後シュウはララ・ルゥを助け出し何とかヘリウッドから脱出するが...

詳細な世界観や背景、人間関係など多くの部分が作中では語られることはなく、視聴者の想像に任されている。
オリジナルの1クールアニメでは、色々と詰め込んでしまって失敗するケースが多く見受けられるが、
(尺の足りなさや何を観せたいのかがボヤけているものなど)
本作は敢えて具体的な説明を省いて、伝えたいものだけを表現していると感じる。

鬱展開に関して具体的には、{netabare}拷問、拉致監禁、洗脳、強姦、殺人、死、{/netabare}といった場面が描かれており、
確かに今のアニメ事情を考えると、本作のような内容のものを作ることも、放送することも難しいし、
普段気楽に観れるような作品ばかり観ている人にとっては、なかなか衝撃的なものだろう。。

しかしながら、戦争という重いテーマを扱うにあたっては、中途半端なものを作っても意味が無い。
描かれている内容はフィクションではあるものの非常に生々しいリアリティを備えており、
現在の世界で起きている戦争(イラクやシリアなど)を見ても、
作品中と全く同じこと、それ以上に酷い現実があるのだから、
戦争がもたらすものはいつの時代も同じであり、
本作の表現の数々とメッセージが普遍性を持ったものであるという事は、観れば容易に理解できると思う。

EDが優れていることもあるが、毎回観終わった後の余韻をしみじみと感じる味わいがある。
最終話のラストシーンは非常によく出来ていて、夕日のシーンが感動的だが、
実際には殆ど主要なキャラに救いはない。

自分の考えでは、{netabare} ララ・ルゥは11話でシスに対して、
「世界がもうすぐ終わるのに何故子供を育てるのか?」と言っていて、
これは戦争によるものではなく先に書いた通り、
太陽の寿命が近いことを察していると解釈できる=あらゆる地球上の生命の絶滅。

そう考えると、ラストはララ・ルゥの行動により、未来に一筋の希望があるようにも思えるが、
戦争しようが止めようが、人類に残された時間は後わずかであり、
本当の意味での未来が無いことを表していると言えると思う。
だからこそ、命の尊さや有り方も、より一層重みを持って観る者に訴えかけるのではないだろうか{/netabare}


☆声優☆

今ではベテランの域に入っている名塚佳織さんだが、
台詞はあまり無いものの、本作がデビュー作?で、ヒロインのララ・ルウを演じている。
当然声も今とはだいぶ違う笑

アベリア演じる安原 麗子さんは、元アイドル少女隊のメンバーで声優としては本作がデビュー作?のようで、
若干演技が棒っぽい違和感は感じる。。

狂王ハムドのイカれた演技が特に良い味を出しているが、声優さんが好きに演じていい、と任された結果らしい。。
その他子役は実際の子供が多く出演していて生々しさがあり、
素人臭さはさほど無くしっかりと演じられていると思う。


☆キャラ☆

主人公のシュウは冒頭の剣道のシーンを見ても判るように、
場当たり的な言動を終始繰り返すアホキャラ。
不死身さ、ありえない身体能力など突っ込みどころは多い。。

どこまでもポジティブで正義感が強く、
正直感情移入や共感出来るようなタイプではなく、
今で言う、とことんKYな性格だが、他人の気持ちを理解せず、深く考えずに発するその言葉は、
絶望的な状況の中で周りに与えた影響を考えると、実は非常に核心をついたものでもあり、
物語上では欠かせない重要な役割を果たしている。

観ていて良い気はしないが、敢えてバカに描くことで、
共感は得られなくとも視聴者に考えさせようとしているのが、制作側の狙いだろう。
シュウの言葉をそのまま何も考えずに制作側のメッセージと受け取ってしまって、
「おかしい」「駄作だ」というのは非常に浅い観方ではないだろうか。

自殺や中絶、戦争が罪であることは一般的な倫理観として当然のことで、
シュウやシスが言うことはごく当たり前のことなのだが、
本作を観れば、あのような状況に実際に置かれた場合、果たしてそう言えるのだろうか?
どちらか一方が正しいとは決して簡単には言えないだろう、だからこそ深く考えさせられる。。
これは本編9話のラストなどを観ても同様で、
シュウの {netabare}「あいつも正しい気がする、でも同じくらい間違っている気がして...」{/netabare}
という台詞は本作を象徴するものの一つだろう。

ヒロイン的な役回りのララ・ルゥは口数が極端に少なく台詞量はかなり少ないが、
シュウに自身のペンダントに関して語った言葉やシスに対して何故子供を育てるのか?
といった問いかけなど、語った言葉殆どすべてが重い。
主人公シュウの軽さとは正反対にある描かれ方をしていて、
彼女の心中を察すると、想像を絶する悲しみや絶望しかないということがよく解る。

主要な登場人物の多くが苦境にあえぐこととなり、救われないが、
一人一人の存在、命の重さや尊さは、観ている側に充分伝わってくる。
また、狂王ハムドのクレイジーさも実に巧く描かれていてインパクトが有る。


☆作画☆

時代的にセル画アニメの晩年期にあたるが、
人物の描き方はさすがに今のアニメよりは劣るものの、当時を考えるとよく出来ている方だと思う。
荒涼とした大地や夕暮れに染まる街並み、要塞ヘリウッドなどの背景は非常にアナログの良さ、
手描きの温かみを感じるもので、作品の世界観を考えると非常によく合っていて味わいがある。

長濱博史監督など今では著名なアニメーターの方々が制作に参加しているというのも興味深い。


☆音楽☆

OPはラテンチックでありながら、哀愁を感じるメロディーが心地よい。
EDの夕暮れに染まる街と歌詞は、毎話見終わるたびに感慨に浸ることが出来る良曲。

特筆すべきは岩崎 琢氏が制作した作中音楽の数々。
改めてサントラをチェックしてみても、やはり素晴らしい出来。
(アニメのサントラの中でもかなりの完成度だと思う、オススメの一枚)

どうしようもなく絶望的で鬱な世界の中で、悲しみだけではない、
温かみや安らぎ、希望も備えている楽曲(standing in the sunset glow)は
作中で何度も流れる、涙無しに聴けない名曲。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Anywhere but here. 【64点】

戦争下の異世界(未来の地球?)に放り出された少年少女の運命を描くシリアスファンタジー。
鬱アニメ、という単語を軽々しく使いたくありませんが、これほど視聴が辛かった作品は他にありません。
何度、視聴を止めてここではないどこかへ逃れたいと思ったことか。
ストーリーや設定に粗は多く、決してお薦めはしないけれど、観た人の心には長く、重くのしかかるかもしれない作品。
{netabare}

本作では、子供向けアニメのような柔らかいデザインの登場人物たちが、理不尽で冷酷な世界に翻弄されていきます。
狂気に塗れた独裁、過酷な少年兵の生、連鎖する憎しみの環、流され続ける血。
粛清、略奪、強姦、復讐。
戦争という極限状態下での人間の獣性、残酷さを、露悪趣味かと疑うまでに真正面から描いている。

でも、最も辛かったのは、主人公シュウを通して、人の無力さをむざむざと見せつけられたことです。
無力さの第一は、極限の環境や血の連鎖に対する個人の無力さ。
そこだけは子供向けアニメに倣ったかのようなシュウの頑健さを以てしても、狂王ハムドは止められない。
「生きていればいいことがある」を連呼し、近代的な価値観を少年兵たちに押し付けたところで、その苦境から脱する手助けにはならない。
ザリバースの民の復讐計画を思いとどまらせることすらできない。
理不尽に対する無力感、やるせなさを、視聴者に(様々な意味での)夢を供給してきたアニメという媒体でこれ以上ないほど描いているのが皮肉と言うか何と言うか。

第二は、傷つけられた他人に対する無力さ。
これはシュウとサラの関係性において顕著でした。
人違いで拉致された挙句、強姦され望まぬ妊娠をし、中絶未遂にまで至ったサラに対してシュウがかける言葉は、ここでも「生きていればいいことがある」。
はっきり言って視聴中は虫唾が走りました。
サラの苦しみを理解もせず、無責任な楽観論で痛みを更に抉るのか、と。
でも、もし自分がサラの横に居たら何ができるのか、どんな言葉をかけられるのかを考えたとき、答えは何も浮かばないのです。
時が痛みを解決してくれるだろうと、そっとしておく?
本作の世界では、明日の夕陽を眺めることすらできないかもしれないのに。
辛かったね、と寄り添う?
その辛さを理解できようはずもないのに。
では、マッチョイズムを発揮して抱き寄せ、人の温かさを伝えてあげる?
その熱を持ち頑強な肉体が、彼女を弄び苛んだのに。
たとえ真に理解できなくても、苦しみを取り除けなくても寄り添うことが人と人との関わり方だと信じたいけれど、残酷な世界ではその小さな理想さえもあまりに儚く思えます。
(ただそれにしても、シスまでサラにあんな言葉を投げかけたのは理解ができない。女性が観たらどう思うのでしょうか?)

物語ラスト、現実世界に戻ったシュウの目は、赤い夕陽の向こうに何を見ていたのか。
不覚にも、「生きていればいいことがある」という無垢な願いがまだ彼の中に残っていることを祈らずにはいられませんでした。


以上のように陰鬱さの質量では他に類を見ない本作ですが、ただ、その重さが視聴者全てに響くかというと、そうは言えないように思えます。
ストーリー展開や設定の整合性についてはお粗末でしょう。
現代から水持ってくればララルゥ要らないし。
シュウがララルゥに拘る理由もわからない。
ハムドが権力を把持し続けられる理由や、アベリアの盲信の根拠も明かされない。
私は本作の無力さの描写に圧倒され途中から粗に目を向ける余裕すら失ったけれど、冷静な目で再視聴すると、露悪的な描写が鼻につく、という感想を抱く可能性も否めないかと。
テーマの重さを支えるには、もっと設定や物語の堅牢さが欲しくはあります。

その他、なけなしの温かみを感じさせる音楽面や、基本は実直かつ魅せる部分は魅せる演出は、丁寧に作られていたと感じました。
特にサラ関連で、花の散り落ちるシーンと断髪のシーンは、久しく忘れ得ぬだろうと確信するほど印象的でした。
残酷で悲劇的な場面(落花については言うに及ばず、断髪も幼い自分と決別せざるを得ない理不尽な旅立ちのシーンだと思う)が最も美しいことが、この作品を象徴しているようにも思えます。

あ、よく鬱アニメとして名前が挙がるリヴァイアスですが、あれ希望の物語ですよ。{/netabare}


【個人的指標】 64点

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

68.4 6 絶望でファンタジーなアニメランキング6位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (307)
962人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

「ひぐらし」としては駄作、「うみねこ」としてはまぁ・・・

※前半は業/卒の全話完走後に書いたまとめレビュー、後半はリアルタイム視聴時に書いていた各話レビューになっています。
※「うみねこのなく頃に」の内容にも触れますので、その話は聞きたくないという方はBack
※私は思ったことを全て書ききりたい超長文体質です。読んでいただける方はセクションを開き始める前にざっと一通り眺めて、気になるところだけ読むのをお勧めします。

※最終話のレビューの後に、「うみねこ」の設定も踏まえた考察も書いてみました。当たっているかはわかりませんのであしからず。(考察部分は何か思いついたら ちょこちょこ書き足します)


【完走後のまとめレビュー】
業/卒を総括するとこんな感じでしたね。

①リアルタイム視聴者に対しては、放送前のプロモーション(番宣など)から既に失敗していた
②「旧作ひぐらし」は必修、できれば「うみねこのなく頃に」も履修しておくが吉
③「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しすぎ

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① プロモーション(番宣など)については細かく愚痴りたいです。

ひぐらし業の「マニュアル」的な情報・・・例えば旧作と新作との関係性、業のコンセプトや楽しみ方などを、放送前からしっかり広報すべきだったんじゃないかと思います。少なくとも私は、制作側が仕掛けたサプライズのせいで、この作品との向き合い方を見誤りました。

どういうことかと言うと、{netabare}業の放送開始当初、制作側は「リメイク」なのか「続編」なのかを曖昧にしていました。タイトルも放送開始当初は『ひぐらしのなく頃に』とだけで、『業』を冠したのは話数が進んでからでした。これは制作サイドからしたら『サプライズ効果(ドッキリ)』を狙っていたのでしょう。

ゆえに放送開始当初は、多くの方が『リメイク』だと思っていたはずです。

しかし、そうすると視聴者はどう考えるか・・・?

まず、新規勢は「旧作を観てなくてもリメイクから入れば良いんだ」と誤解します。また古参勢にしても「リメイクなら、新たなミステリー作品として 3要素(誰が/どうやって/なぜ) を解き直す必要はないんだな」と誤解します。

一応 察しの良い古参勢なら、「鬼騙し編」のラストで展開が変わったことで、この作品との向き合い方を考え直せたかもしれません。しかし、私は『単に これも あったかもしれないカケラの1つってことでしょ?』と解釈して進んでしまいました。

よもや「黒幕も 手段も 動機も、何もかもが異なる惨劇」だとは思い至れず、『新たなミステリー作品として挑戦する』という発想自体を持てませんでした。(私は この情報はちゃんと広報すべきだったんじゃないか? と思っています)

そして新規勢も古参勢も ある程度話が進んだ頃に『絶対的な違和感』を感じますが、新規勢は『ここまで継続視聴したのにふざけんな!続編って知ってたら旧作から観ていたわ!』と思うでしょう。古参勢は『ここまで見進めちゃって、今更 謎解き目線で細かい描写を1話から確認し直すなんて面倒すぎるわ!』ってなるでしょう。私は初めから「新作ミステリーに挑戦するスタンス」で観始めたかったです。

短期戦略(PR)としての『ドッキリ要素』に何の意味があったのでしょうか?? 確かにドッキリはしましたよ?ただ、それ以上にムカつきました。急に続編ヅラしだしたことに。そのせいで「新たな謎解き」という視点を持てなかったのですから、憤らずにはいられません。しかもこのサプライズ効果は半年も保たないのですから。今となっては『旧作の続編』『業と卒のワンセット』という情報は出回っているのですから。

中長期戦略(PR)として『惨劇の世界を抜けた先で新たな惨劇に囚われてしまった梨花。どうかその真相をもう一度暴いてください(私はキャッチフレーズのセンスないので誰か考えてw)』とプロモーションした方が、新規/古参の全員が納得した上で視聴開始できたでしょう。

※最近の人にわかりやすく例えるなら・・・

ゲームのFF7リメイクにて、もし『原作はRPGでしたが、リメイクではアクションRPG化します!!』という情報を一切伏せたままプロモーションしていたら、どうなっていたと思います?

リメイクと聞いて “原作RPGを現代技術でまた楽しめるんだ♪” と期待して買った人々が、『フタを開けてみたらアクションRPGでした』と知って、どういう反応をみせると思いますか?・・・“わぁドッキリだよ〜w” と和やかな空気で済むと思います?

実際は制作サイドが前もって入念に『アクションRPG化する』という広報をしていたから、買う側もそれを納得の上でアクションRPGを買ったんです。この『作品に関する広報(周知)』と『ユーザー側の納得』が重要なんです。

それと対比させてみてください。

新作ひぐらしの放送に際し、『旧作ひぐらしの続編である』『旧作とは異なる3要素で描いた新作ミステリーである』という情報を伏せたことでどんな事態を引き起こしたか・・・。ちゃんとこのプロモーションの『デメリット』と向き合ったのか、小一時間問い詰めたいです。{/netabare}

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② これまでの各話レビューで「うみねこのなく頃に」の名前は伏せるようにしてましたが、もう伏せない方が良いと判断しました。「ひぐらし」と「うみねこ」の関連性を知っていた方が、よくわからない描写や思わせぶりな描写でいちいちモヤモヤせずに済むと思います。

{netabare}特に最終話にあった数々の描写は、明らかに「うみねこのなく頃に」の世界観に繋げるための描写でした。(私的には嬉しいサプライズでしたが、うみねこを知らない人にとっては・・・)

正直、思わせぶりな描写をしておきながら本作内でその関連性を描く気がないのなら、余計な描写を交えない方が良いのでは?と思っていました。こんなの「うみねこ」を知らない勢からしたら余計な混乱、無駄な推理を招くだけでしょうに、と。(まさか最終話で畳み掛けてくるとは思いませんでしたがw)

竜騎士07氏はインタビューで「うみねこを知らなくても楽しめるようになっています」とは言っていましたが、私が感じた印象はちょっと違いましたね。私は「余計な情報を交えたせいで、うみねこを知らない勢は話がよく見えずに憤りを感じたのではないか?」と心配になりました。

むしろ本作は「うみねこを知らなければ 納得できない作品」とさえ言えると感じました。

両方を知っている人は『この描写は本作の推理として必要な情報だな、この描写はうみねこにつなげる情報だな』と分別できますが、旧作ひぐらししか知らない人は『本作の全ての描写』をひぐらしの世界観で説明しようと試みるんですから・・・。①の話にも通じますが、だからこそ「この作品の楽しみ方(作品の位置付けなど)」をちゃんと広報すべきだったと思います。

でもなんだろう・・・「うみねこを知らない勢」を心配している自分と、うみねこに繋がる情報を求めている自分もいて、葛藤しながら観ていましたw

本作は「ひぐらし」単体の視点で観る分には率直に言って駄作な気がしますが、「ひぐらし」と「うみねこ」の繋がりを考察するためのアニメと考えれば、やや楽しめる部分はあると感じました。
{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー

(1)まず、「新作ひぐらし」の惨劇は、そこに至る経緯(動機)があまりにも稚拙です。「旧作ひぐらし」や「うみねこ」で描かれた経緯とは比べ物にならないほどにお粗末。

理由・・・ {netabare}「旧作ひぐらし」の黒幕には壮絶な過去があり、特に「うみねこ」はそれを凌駕するほど壮大な悲劇が起きており、感情移入しすぎて辛くなったものです。

しかし「新作ひぐらし」の動機は「梨花と離れたくないから聖ルチーアについて行く」、あるいは「梨花と離れたくないから雛見沢に縛り付けたい」、あるいは「沙都子と離れたくないから一緒について来て」・・・何にせよ ただの「わがまま」から生じているんですよ。

普通なら 納得いくまで話し合うなり 喧嘩するなりで流れて行く青春の1ページを、何とかして無理やり「大量殺人」や「凶悪テロ」に仕立て上げただけ・・・話の作り方が強引すぎです。{/netabare}

(2)また、ひぐらしにおける奇跡が『何でもありの安物』になってしまった気がします。

理由・・・ {netabare}旧作で起きた数々の奇跡は、積み上げた惨劇と後悔の末に垣間見える「解決の糸口」のようなものだったと思います。それはあくまで「きっかけ」であり、奇跡を起こして「ハイ 解決♪」とはいかないものでした。

しかし、新作で起きた数々の奇跡はもう「直接的解決手段」になっています。奇跡を起こして何でも解決しちゃうのは「御都合主義」というものです(詳細は最終話のレビューに書きました)。

「旧作ひぐらし」で起きた数々の奇跡のうち、「直接的解決」をしたのはおそらく1度だけ。最後の最後、{netabare}鷹野が羽入に向けて撃った銃弾を、時が止まった世界で梨花が取り除いた時だけ。ただし、それは鷹野が終末作戦を失敗して逃走した後・・・つまり梨花を捕らえ続けた惨劇に決着がついた後の話。

羽入がオヤシロサマとして鷹野の前に現れ、鷹野の罪を許そうとしたことで起きた描写であり、そこは梨花の物語の幕引きとして必要だったのではなく、鷹野の物語の幕引きにとって必要だったこと。梨花の惨劇自体はもう解決{/netabare}したエピローグ的な部分なので、そういうのは許容します。後味を良くするための飾り付け程度の「ご都合」は全然あり。{/netabare}

(3)世界観をぶっ壊したなぁと感じた点は他にもいくつかあります。

理由・・・ {netabare}「梨花は死の直前の記憶を保持できない」という大原則を 奇跡という建前でなし崩したり、数々のキャラクターを大した背景を描かずに惨劇の実行犯に仕立て上げたり、ドラゴンボールさながらのどっかんバトルに発展したり・・・{/netabare}


「旧作ひぐらし」のファンとして、また 特に“心”を大事に描いていた「うみねこ」のファンとして、なんだか裏切られた気分になりました。


あ、ちなみにドラゴンボールのような超常バトル展開になったのは、おそらく「うみねこ」成分を取り入れたせいだと思います。

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(超脱線:うみねこの世界観について)興味のある方だけどうぞ
 {netabare}うみねこは、自分の存在を認めさせたい「魔女 ベアトリーチェ」と、魔女や魔法の存在を否定したい「人間 バトラ(探偵役)」の、ミステリーに準じた謎解きバトルを描いた物語です(ただし ミステリーとも ファンタジーとも言い切れません)。

※主人公が否定したいのは「この世すべて」の魔女と魔法の存在ではなく、「自分の目の前で起きている惨劇において」の魔女による魔法殺人説を否定したいだけです。

まず魔女側は「人間には到底不可能であろう殺人事件」を次々に起こしていきます。探偵役である主人公は当然 殺害シーンを直接見ることはできません。主人公は探偵が行う一般的な調査手段と、犯人である魔女との直接問答から情報を得ることになります。

その際、魔女はその殺人シーンを幻想的な描写で再現してみせ「わらわが魔法で殺害した」と主張します(だいぶ語弊がありますが、知らない人への説明としてはこれで十分)。

一方、主人公(探偵役)は魔女と魔法の存在を否定したいので、魔女に見せられた幻想を拒絶し、人が死んでいるという「事件の結果」だけを信じ、殺人事件のすべてを「人間の手による殺人トリックとして立証を試みる」という物語です。

で、この世界は『主人公が殺人トリックの立証を諦めないうちはミステリーに、推理を諦めて魔女に屈服したらファンタジーになる』という、かなり独特な謎解き物語です。

ちなみに、魔女に殺されているのは主人公の親族一同とそれに仕える従者たちです。そして ひぐらしの梨花と同様、主人公が真相にたどり着けない限り惨劇のループに囚われ続け、無限に殺され続けます。{/netabare}
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なので「うみねこ」はひぐらし卒14話で繰り広げたドラゴンボール展開が霞むほどの「超常バトル(魔法バトル)」が展開します。でも「うみねこ」なら良いんです。うみねこの場合は {netabare}『これが魔法ではなく殺人トリックだと主張するなら立証してみろよぉおw できねぇだるぅぉお?w』という魔女ベアトリーチェからの挑発(宣戦布告){/netabare} と解釈できるので。

ただ、この世界観を「ひぐらし」に持ってきたのはかなりの悪手だと思います。この描写は「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しています。「うみねこ」の世界観を受け入れた私でも、「ひぐらし」で同じことをされたら拒否反応が出ます。・・・特に『うみねこを知らない勢』からしたら、共感できる余地なんて一切ないでしょう。

(ちなみに、うみねこに興味を持った方はマンガかゲームをおすすめします。アニメは出題編までは制作されましたが、解答編の制作は頓挫しています)

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※ここからはリアルタイム時に書いていた各話レビュー(不定期)です。

【9話までの感想】====================

{netabare}ひぐらし業の後半・・・具体的にはエウアが登場してからずっと不安に感じていたのですが、ひょっとしてこの作品・・・「ひぐらしの世界観」だけでは全ての真相にはたどり着けないのでは?

いや、業で起きた「事件の裏側」は卒ですべて明かしてくれるんでしょうけど・・・『なぜ沙都子をこんなクズ人間として描かなければならなかったのか?』という部分が、ひぐらしの世界観だけで納得のいく説明がつくのか・・・。

もし・・・ もしもこれが『沙都子の意思ではない』という結末に持っていこうとしているのなら、いよいよ竜騎士07氏(原作者)の別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の話をしなければならなくなるかも?・・・そうならないことを願っています。( “ひぐらしのなく頃に” は、あくまでひぐらしの世界観で完結して欲しいので)
{/netabare}

【12話の感想】=======================

{netabare}「業」の時点でものすごく不満を抱いたものの、最終話と同時に「卒」が制作発表された時点で評価を保留していたことがあったのですが・・・「卒」を踏まえても結局その不満点は最悪なままでした。

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何が不満だったかと言うと・・・{netabare} 赤坂と 茜さんと 公由のじいさんを 使い捨てにしたことです(圭一はもともと別のカケラで何度も発症した経緯があるのでさほど気になりません)。

いや、茜さんと公由のじいさんは物語上そこまで重要な役ではないのでまだ許容できなくはないですが、「赤坂」はあんな使い捨てにして良いキャラじゃないでしょ・・・。

なぜかって(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}旧作の暇潰し編は1編まるまる梨花と赤坂のエピソードでしたよね? そのエピソードの賜物(反動)があってこそ、祭囃子編(最終章)の結果につながったはずですよね?めちゃくちゃ重要なキャラじゃないですか。

旧作アニメでは尺の都合で詳しく描かれませんでしたが、赤坂が山狗の小此木の軍隊格闘に対抗できるほどに鍛錬を積んだのは、暇潰し編における誘拐事件での戦いと後悔があったから。赤坂が皆殺し編と祭囃子編で雛見沢に帰ってくるのは、暇潰し編での梨花からの「助言」と「ヘルプサイン」を信じたから。普通の赤坂なら ほぼ全てのカケラで梨花の言葉を信じず、惨劇が起きたのちに梨花の死を知り、激しい後悔に苛まれるのが常でした(つまり、赤坂にも圭一と同じような奇跡が起きています)。{/netabare}

部活メンバーはもちろんのこととして、「赤坂」「大石」「富竹」「入江」は絶対に使い捨てにしてはならないキャラだと思っています。

なぜなら(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}鷹野の『終末作戦』を表舞台で阻止したのは部活メンバーですが(山狗たちとの徹底抗戦)、裏舞台で「山狗の一時撤退→仕切り直し」という選択肢を潰したのが「赤坂」「大石」「富竹」「入江」なんですから。(赤坂は表でも大活躍。あとキーマンとまでは言えないかもしれませんが、裏の功労者に「詩音」と「葛西」も加えてあげたい)

たとえ部活メンバーが山狗部隊を退けたとしても、重火器を持って再戦を挑まれたらどうなっていたかわかりません(この戦闘は日中かつ棉流し当日で人が多いため、山狗部隊は拳銃使用は認められていません。人目がつかない裏チーム側では銃撃戦しまくりですが)。

その『撤退後の選択肢』を潰してくれたのが大人たちでしょう。

赤坂はかつて「梨花の予言」を聞かされていた者として、大石に詳細を告げて真相究明のための仲間に引き入れ、なぜこんな予言ができたのか 改めて二人で梨花の話を聞きに赴きました。時を同じくして、梨花は入江から「自分が死ぬことで終末作戦(雛見沢大災害)が決行されること」を聞き出せており、入江と二人で「鷹野に殺される可能性がある」と富竹に警告しています。そして大石・赤坂がその話を立ち聞きできたことで、ようやく警察側と入江機関側が腹を割って情報共有できるようになりました。

梨花が暇つぶし編で告げたオヤシロ様の祟りの予言を、『赤坂が信じなければ』この舞台は整いません。

入江は、入江機関所長として把握していた「終末作戦(雛見沢大災害)」の詳細を全員と共有し、特に大石に対しては「オヤシロ様の祟りの真相を全て入江機関要因で説明できる」とも告げました。梨花は、部活メンバーと相談できたことで導き出せた「仮説」を披露します。

一通りの情報を共有したことで、富竹は「本当に自分が殺される可能性がある」と信じて警戒するようになり、また大石は長年園崎家が黒幕だと思っていたことが誤解だと知って和解できました(園崎家の協力が得られるようになる)。大石は「終末作戦」に対して「48時間作戦」という罠を仕掛け、警察内で“東京”の息がかかった諜報員をあぶり出して園崎県議に引き渡し、富竹は入江機関と“東京”の連絡員として機密管理などのための『番犬部隊』を招集してくれました。{/netabare}

祭囃子編の結末にたどり着くためには、必ずこの4人が『真の肩書き』として出会わなければなりません。この4人それぞれが持っている情報と人脈が、本当の意味で惨劇を終わらせたのですから。そのきっかけを作ったのが『赤坂に起きた奇跡』でしょう。

このキーマンたちを惨劇の首謀者に仕立て上げるなら、相応のエピソードがないと納得...というか満足できないです。

大石刑事の惨劇はしっかり描かれて満足できたのですが、赤坂だってあれくらいの物語はあって欲しい重要なキャラだと思うのですが・・・。卒で付け足された要素なんて『沙都子の仕業でした。以上』だけって・・・。そんなの業でわかっていることなんだから、もうちょっと何かあって欲しかったです。 {/netabare}
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話は飛びますが、羽入の角のヒビの意味、それが12話で修復された意味、羽入とエウアとの関係性・・・この辺の設定って結構昔の竜騎士07氏のインタビューを聞いたことがある人じゃないと意味がわからないのでは?

いや本作中でも「あれは○○の出来損ない」とかは言ってましたけど・・・。そもそもエウアがどういう存在で、どういう立場でこの物語に関わっているのかってのは、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らないと訳がわからないんじゃないでしょうかね?

私は両方のファンだから別に混乱していないですけど、ひぐらししか知らない人は話ついていけているんでしょうかね?
{/netabare}

【13話の感想】=======================

{netabare}もう何もかもが御都合主義に感じて来ました・・・。特に今回は「そこだけは設定変えちゃダメでしょ!」って所を、奇跡という建前で変えてきましたね。まぁ12話で羽入に起きた変化からして、こうなることは覚悟していましたけど。御都合主義はその変化からすでに始まってますね。

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私が納得いかなかった点は・・・{netabare}奇跡によって「梨花が死の直前の記憶を保持できるようになったこと」です。

「そうは言っても、旧作でも何度か同じような奇跡が起きたじゃん」と思われるかもしれませんが、明確に違う点があります。

例えば旧作の罪滅し編でも、圭一が「別のカケラの記憶を垣間見る奇跡」が起きていますよね。そして魅音に謝罪する一幕が。

圭一に起きた「奇跡」については、私がその発想に至らなかったというだけのことで、物語のルール上禁止していないのだから、いつそんな奇跡が起きてもOKなんです。

圭一以外でも「部活メンバーや大石・赤坂・富竹・入江たちが、別のカケラの記憶を垣間見ることなんてあり得ません」なんて一言も言っていないのだから、いつどんな奇跡が起きてもOKなんです。

しかし、梨花だけは違います。梨花だけは物語上『絶対的な制限』がかけられていたはずです。

ひぐらしの世界すべてを通して『梨花は死の直前の記憶を保持できない』という大原則ですべての物語が作られていました。それは羽入が不完全な存在だから(詳細割愛)。ゆえに『自分(梨花)を殺した犯人だけは絶対にわからない』はずでした。その大原則だけは普遍であって欲しかったのですが、今回そこをぶっ壊してきたということです。

ならばこう考えられませんか。・・・その奇跡を起こして「犯人当て」をして良いのなら、旧作の惨劇ループなんて1回で十分じゃないですか?と。いや、1回はさすがに少ないか。

ただ100年も1000年も惨劇を繰り返す必要なんてないんじゃないですか?あの人(黒幕)が直接手を下す惨劇のカケラを引ければ、その記憶を保持すればもう「犯人当て」は即終了ですよね。そこからは対策を講じるために何回かループし、数手でチェックメイトじゃないですか?

「超常的な能力で犯人を当てる」って、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の中で散々説明してくれた、ミステリーで絶対にやってはいけないことに抵触していますよね(ノックス十戒とヴァンダイン二十則)。

もちろん、ひぐらし卒の時点ではもうミステリーではありませんが、だからってこんな酷い犯人当てがあって良いんですかって・・・(ひぐらし業まではミステリーと言えますが、業の時点ですでに犯人は明かされているので)。

旧作での序盤のコンセプトにしたって『これは “オヤシロ様の祟り(ファンタジー)” なのか “殺人事件(ミステリー)” なのか』を問うており、圭一が「どうか真相を暴いてください」と出題しているのですから、旧作もミステリー要素はあったはずなんです。旧作は皆殺し編で大石を味方に引き入れたことで、ちゃんとロジカルに黒幕を究明したんです。

だから本作もなるべくならミステリーの原則に準じ、「ひぐらしの世界観」をちゃんと保って欲しかったです。

ちなみに強いてひぐらし卒をミステリーで例えるなら、刑事コロンボや古畑任三郎スタイルですかね。冒頭であえて犯人も犯行方法もバラした状態で、『どうやって探偵役がその犯人に迫っていくのか』を描くスタイル。

なのに『古畑任三郎が捜査中に突然超能力に目覚め、唐突に犯人を言い当ててしまう』なんてことになったら・・・駄作にもほどがありますよね。この13話のシナリオはまさにこういう内容なんですよね。{/netabare}
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<余談:原作と脚本について>
{netabare}業の頃からなんとなく違和感を感じていたのですが、これ・・・よくよく考えたら竜騎士07氏は新作ストーリーにほとんど関わっていないんでしょうかね?

原作者として名前がクレジットされていたので、てっきり竜騎士07氏がストーリーを描いているのかと思い込んでいましたが・・・よくよく考えればそもそも「業/卒そのものの原作」は無いですもんね。このクレジットの意味は、本当の原作(無印のPCゲーム)のこと・・・ですかね?

なので新作のストーリーを描いたのは別人なのかも?・・・きっと。そう考えれば、やっと合点がいきます。

別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』で、ノックス十戒や ヴァンダイン二十則を組み込んだ緻密な物語を描き、その作中で「事件を起こす動機(心)」の大事さを熱く語り、登場キャラが「(推理において) 心をないがしろにするんじゃねぇ」と何度も口にしていました。実際、それに見合うだけの壮大なストーリー(心)がちゃんと用意されていました。

旧作ひぐらしにしたって、数々の惨劇を誘発させていた黒幕には、その凶行に駆り立てるだけの動機がちゃんとありました。そして、それを少なくない話数をかけてしっかり描いてくれました。

竜騎士07氏の作品は、ちゃんと『心の機微』が克明に描かれていたんですよ。少なくともこれまでの作品では。そんな原作者が、本作のような「心をないがしろにしまくった 精神崩壊ストーリー」を描くとは思えませんからね。別人が描いたストーリーなのであれば腑に落ちます。

本作は『凶行の動機』がまったくもって意味不明なんですよ。動機は『沙都子が梨花と雛見沢でいつまでも楽しく暮らしたい』と・・・。全然納得はいかないですが、一旦それで理解しましょうか。

しかしそこをスルーしても『何故そこまでの執着を見せるのか?』すらもさっぱりわからない。仲間を再び惨劇に突き落とし、それどころか仲間が凶行に及ぶよう企て、時には自らの手で殺しもする。それらの行為に対して何も思わないほどの『狂気』を発揮する理由がまったく描けていないと思います。

じゃあ、例えば梨花が結婚して沙都子にかまう時間がなくなった時、それすらも沙都子は許さないのでしょうかね??遅かれ早かれ、いつかは『それぞれの人生を歩み出す時』が必ずくるはずですが。

それが惨劇の出発点となった最初のカケラでは『聖ルチーアへの進学』だったのでしょう。そして普通に考えれば、沙都子が聖ルチーアへの進学を諦め、それぞれの道に進むことを受け入れるべき事でしょう。しかし、沙都子はそれだけは受け入れられなかったんですよね?なぜかは知りませんが。大量殺人をもいとわないほどに。その愛すべき梨花を無限に殺しても構わないほどに。

ならば『梨花に対する常軌を逸した執着』にそれ相応の理由が無いと、物語としてめちゃくちゃ不自然なんですよ。遅かれ早かれ必ず別々の人生を歩む将来が来るのに、『大量殺人』を犯してでも『凶悪テロ』を起こしてでもそれを拒むだけの理由が。

私がこの物語に抱いた評価を上方修正するとしたら、『沙都子があれほどまでに梨花に執着する理由』をちゃんと描いてくれたら、もう少しマシになるかもですね。まだ納得いく理由を聞いていないので。・・・まさか聖ルチーア編だけで描き切ったつもりなら、「心をないがしろにすんじゃねぇ」と言わせてもらいましょうかね。

まぁ、もう動機の掘り下げについては「シナリオライターのエゴに巻き込まれ、沙都子がただのクズに成り果てたから」という事で諦めていますが・・・。{/netabare}

さてさて残りあと・・・2話ですかね? いろいろ書いてしまいましたが最後まで事の顛末を見届けたいと思います。
{/netabare}

【14話の感想】=======================

{netabare}これは完全にやらかしましたね・・・もう落胆を通り越して笑えてきました。もう理屈抜きの勢い任せのアニメになっちゃいましたね。

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今回の不満点はもはや致命的・・・
{netabare}
何これ、急にドラゴンボールでも始まったんですか? いや衣装チェンジがあったから魔法少女モノですかね? あの超常バトルはどうしちゃったんですか?ww

これが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』だったら、魔法バトルの演出は許してましたよ。でもこれ、『ひぐらしのなく頃に』ですからね?ちょっとおイタが過ぎるのでは?

しかもバトル中にコロコロ場面転換しましたが・・・あれ、何を意味していますか?勢い任せで見過ごせる描写じゃないですよ。

時代も年齢も服装もコロコロ変わってましたよね? 指パッチンの描写も何度かありましたよね?まさかとは思いますが・・・そのたびに「死に戻り」してますか??

よもや『新作で追加した設定』は忘れてはいないですよね?

『沙都子は梨花が死んだ後に自分が死ぬことで、梨花の意識の飛び先のカケラまで追いかけることができる』んでしたよね?? 沙都子の慢心をたしなめるように、エウアが何度か釘を刺して説明しましたよね?

ということは、突如始まったあの超常&連戦バトルは
①『必ず毎回 沙都子が勝利し、梨花を殺し続け、沙都子が追いかけ続けた』

しかも鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)を奪い合っているにも関わらず、
②『毎回 鬼狩柳桜を使わずに普通の凶器で梨花を殺し続けた』

という描写として解釈しろということでしょうか。もしあの場面転換中、1度でも沙都子が先に死んでいたら、ありえない光景ですからね。

ということは、あんな接戦しているようでいて、その実「梨花はクソザコ。あれは一方的な殺戮ショー」って脚本ですか?えぇ・・・。

もしくは、二人とも「死なずにカケラを飛び越える力」すら手に入れちゃってます?

っていうか、エウアが釘を刺した設定が結末の肝になると思っていたのに、いつ活きてくるんでしょうか?最終話?・・・実はこの設定どうでも良かった????

ちなみに、私はてっきり沙都子が先に死んでしまい、梨花の上位世界の意識を見失い、梨花は沙都子から永遠に逃げ続け、沙都子は梨花を永遠に追い続けるという愛憎劇を妄想し、

それが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の『{netabare}奇跡の魔女 フレデリカ=ベルンカステル{/netabare}』と『{netabare}絶対の魔女 ラムダデルタ{/netabare}』の2人の関係に繋がっていくのかなぁ・・・なんて予想していたのに。

で、もちろんエウアは『{netabare}観劇の魔女 フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ{/netabare}』と同一人物なんだろうなぁって想像してたのに。

今回「ひょっとしてその辺のクロスオーバーしている世界観に切り込んでいくのか!?」と、ちょっと期待してしまいましたが、このままだと匂わせすらないまま終わりそう・・・w
{/netabare}
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<余談:原作と脚本について> (※大幅修正しました)
{netabare}私が最初に書いた内容に誤解があったので訂正しました。訂正前のコメントを読んだ方、申し訳ございません。この項目は改めて書き直しています。

[シリーズ構成(脚本の総責任者)]
 ハヤシナオキ(久弥直樹)

[各話脚本]
 鬼騙し編1〜4 ハヤシナオキ
 綿騙し編5〜8 川口敬一郎
 祟騙し編9〜13 ハヤシナオキ
 猫騙し編14〜17 ハヤシナオキ
 郷壊し編18〜24 ハヤシナオキ

 鬼明し編1〜3 ハヤシナオキ
 綿明し編4〜6 ハヤシナオキ
 祟明し編7〜11 ハヤシナオキ
 神楽し編12〜15 ハヤシナオキ


(訂正)
原作と脚本の関係について、竜騎士07氏が業の終了後にインタビューを受けていたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
記者
「アニメ制作についてですが、竜騎士07さんが書いたプロットをアニメスタッフに預ける形で制作しているんですよね。」

竜騎士07
「そうです。(中略)もちろん、私も監修という形でシナリオやコンテに関わらせていただきましたけど、“ちょこっとセリフを修正する程度” でした。

(中略)
私自身の感覚としては、魚市場から200キロのマグロを仕入れて、それをアニメスタッフの方々にドーンとお渡ししただけという感じなんです。それを川口監督が見事に解体して、さらに脚本のハヤシナオキさんがキレイに三枚におろしてくださったというか。

(中略)
私はアニメに関しては素人同然ですし、プロットもそれを意識したものではないので、うまく捌いていただけたなと思います。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ということで、物語の「骨組み」自体は竜騎士07氏が組み立てて、

キャラの心情・行動・セリフや、各シーンの描写、どこに時間をかけるかなど、細かい話の「肉付け」をしていったのが前述の作家さん2人という感じみたいですね。(もちろん そこに演出家なども加わってくるのでしょう)

ミステリーで言うところの「who:沙都子、why:梨花と雛見沢で暮らしたい、how:死に戻りの力で梨花の心をくじく」という大筋を描いていたのは、竜騎士07氏ということでしょうね。

ということは「沙都子をクズに仕立て上げる」という方向性を決めたのも、竜騎士07氏本人ということになりそうですね。脚本家は、どれくらいのクズにするかの「さじ加減」を考えて脚本を用意した・・・ということですかね?

そしてインタビューの中で、竜騎士07氏が猫騙し編(聖ルチーア編)の脚本で「沙都子の内面をちゃんと描けた」と満足していることが、何よりもショックでした。私はあそこが一番不満に思っていたので。どこが描けているんだよって。

ひょっとして竜騎士07氏や脚本家陣的には、沙都子と梨花の言い分(正当性)は50:50だと思っているんでしょうかね?? 私的には梨花100:沙都子0、いや譲歩しても95:5くらいだと感じていますが。あれじゃ沙都子がただクズなだけですよ・・・。

そもそも「沙都子は勉強ができない」「梨花と離れたくない」という前提に則った上で、沙都子の内面に対して2点つっこんでも良いでしょうか。

沙都子の内面に関するツッコミ①
{netabare}沙都子は少なくとも2度は聖ルチーアでの学園生活を送っていますよね? 沙都子は2度目以降で何を変えようと努力したんですか?? アニメの中でこの流れを完全に省きましたが、沙都子が「2度目以降にどんな努力をしたのか」は非常に重要なことだと私は考えています。

旧作の梨花の場合、常にみんなが生還する幸せな結末を迎えるための「奇跡」にたどりこうと、努力し続けましたよね。それが旧作のすべてのカケラに共通していた梨花の心情。

じゃあ新作の沙都子は?・・・梨花のセリフから推察できるように、どの世界でも「沙都子は梨花のせいにし続けただけ」じゃないのでしょうか?しかも「みんなのため」ではなく、「自分のため」のループですからね。

1度目で勉強ができなくて落ちこぼれたなら、なぜ2度目以降で素直に「梨花の助け舟」を受け入れなかったのでしょうか?

そもそも大前提として、梨花の助けを借りて受験も乗り越えたんでしょう? 梨花は同情しているわけでも、見下しているわけでもなく、沙都子と進学したかったから手を取り合ったわけで。沙都子も梨花の気持ちと助け舟を受け入れて一緒に進学したはずなのに、なぜ今さら意地を張るのでしょうか?(・・・それは梨花が学園に順応していく様を僻んだからですよね?つまり ただの逆恨み)

1度目で学園で孤立したことを悔いているのなら、なぜ2度目以降で「梨花の招き」を受け入れなかったのでしょうか?

これは単純に沙都子が友達作り、あるいは高校デビューに失敗しただけのこと(ただし、進学して友達作りに失敗することはよくあることなので、この点だけは同情します)。しかし、それを梨花のせいにするのは沙都子の性格が歪んでいると思います。しかもせっかくループする力を得たのに、同じことを繰り返したのならそれはもう沙都子の問題です。

どちらにも共通して言えますが、1度目と同じことをすれば「何度だって同じ結末を迎える」のは当然でしょう。だから「沙都子が何を努力したのか」は重要なんですよ。このストーリーはそこを軽視していると思います。

さらに、これが致命的。

1度目で『どうやっても自分は梨花のようには変われない』と悟ったのなら、なぜ2度目以降も『聖ルチーアへ進学しよう』と思ったのでしょうか?普通に考えれば、そこが2人の人生の「最初の分岐点」でしょう。・・・ここに関して『沙都子が梨花に妄執する理由』が何1つ描けていません。

ゆえに私の印象では、聖ルチーアに順応すべく自分を変えていこうとする梨花に対し、沙都子がそれを僻んだだけのことだと解釈しています。だからいくら沙都子が梨花を糾弾しようと、『沙都子が僻み根性丸出しにして噛み付いている』ようにしか感じません。ゆえに動機が恐ろしくチープだと感じています。

梨花と沙都子の正当性を50:50のつもりで描いているのだとしたら、もう意味不明です。
{/netabare}

沙都子の内面に関するツッコミ②
{netabare}たかが神経衰弱(ゲーム大会)で完封勝利する演出のために「死に戻り」するような人間が、そして現にそれを丸暗記できてしまう人間が、何で「テストの答案」ごときを丸暗記できないんですか。神経衰弱の盤面を丸暗記するより、テストの答案を丸暗記する方がはるかに楽ですよ。

しかも、ただの一夜漬けによる丸暗記ではないですよね? あれって勢い任せでスルーできる描写じゃないですよ。

沙都子と梨花は「たった1日だけ」をループしているわけではないはずなので。沙都子は梨花の死後を追いかけながら、時には「数年間」巻き戻ってからゲーム大会の日を迎えているわけで、長い月日の中のたった1日、その中のゲーム大会の盤面を、「巻き戻った分の月日を過ごしながら記憶を保ち続けている」んですよね。・・・ただ事じゃないですよ。

それとも、あの指パッチンの描写は・・・「梨花を殺さずに沙都子だけが自殺し、梨花がそのカケラを離れる前に戻ってこれて、沙都子の自殺の数分前から再スタートできる」ような使い勝手のいい能力だったんでしたっけ?この場合は『沙都子が先に死んでいる』としてもその事実は都合よくスルーできるんでしたっけ? それだったらあの記憶力は「一夜漬けや瞬間記憶程度のものにすぎない」と認めますけど・・・そんな設定は聞いた覚えないですよ?

ならば「テストの答案」だけを記憶できない道理がない。勉強なんかできなくたっていい。神経衰弱と同じように「丸暗記」すれば良いだけなのだから。それなら聖ルチーアでも「勉学」で落ちこぼれることはないですよね。

まぁテストをやり直すために、どうしても死に戻り(梨花との心中)が条件にはなってしまいますが、「梨花や仲間たちを無限に殺し続ける」よりもよっぽど楽な覚悟で済むはずでは?

あ・・・、というか「梨花を屈服させる」という思惑が生じてしまったから梨花の死後を追いかける必要があるだけで、単に「自分がやりなおしたいだけ」なら梨花の意識を追いかける必要はないから、沙都子は一人で死んでも構わないですよね。なら余計に「梨花を屈服させようと思った正当な動機」が欲しいところですね。正当ってのは逆恨みや僻み根性丸出しの動機以外で、という意味で。{/netabare}
{/netabare}

あぁ・・・次が最終話か・・・どう収拾つけるのでしょう。 {/netabare}

【最終話の感想】======================

{netabare}呆れた・・・もう呆れるしかないです。

私がこれまで散々文句を言ってきたこと・・・というか誰しもがそう感じていたであろうことが・・・まさか「最終話の結論に持ってくる想定」だったから、こんなにも無茶苦茶で回りくどいシナリオになっていたなんて。

ーーーーーーーーーーーーー
何が回りくどいって・・・

{netabare}まず、私は業の聖ルチーア編の時から一貫して『沙都子が聖ルチーアに順応できないのなら、梨花は梨花の道を、沙都子は沙都子の道を歩むのが当然の摂理だ』と指摘してきました。「自分の進路は自分で決めるもの」ですし、「親友と進路を違える」なんてごくごく普通のこと・・・誰しもが経験することなのだから、と。「親友と離れたくない」なんて稚拙な動機で大量殺人や凶悪テロなんてされたらたまったもんじゃないですよ。

また卒に入ってからは『大量殺人や凶悪テロを起こしてでも梨花との別離を拒むのなら、その凶行に見合うだけの動機が必要だ。梨花に対する妄執の背景を描かないと物語として不自然だ。』とも指摘してきました。それこそ旧作のあの人に匹敵するか、それを超えるような動機を描いてもらわないと誰も納得できませんよ。

なのに・・・えぇ・・・。『超常バトルの末に、ようやく “別離” という結論に至る』って何?w

いや・・・だからそれ・・・視聴者のほぼ全員が『聖ルチーア編で即答していた結論』だと思うのですが。普通の人間同士なら「殺し合い」ではなく「話し合い」で解決できることですよ??この当たり前の結論に至るまでに、私はいったい何を見せつけられていたのでしょうか?

この惨劇の解決手段(別離)は・・・言うなれば「1+1は?」と聞かれて全員が「2」と即答する程度の結論。

それを回りくどく『1でもなく、3でもなく・・・4、5、6でもなく・・・というかこんな大きな数字にはたぶんならないよなぁ・・・それに奇数と奇数を足しているんだから偶数のはずだ。ということは、きっと2に違いない!どうだ!?』なんて問答を見せつけられたら、

さすがに『君の頭の中ではいったい何が起こっていたんだ??』と、じゃっかんの苛立ちを込めて突っ込みたくなりませんか?こんなん相手すんのメチャクチャしんどいでしょうよ。

しかし『ひぐらし業/卒』はこれに匹敵するしんどいシナリオ構成になっていたようですね。相手するのがしんどくなるような・・・ね。

『ひぐらし業/卒』とは、誰もが即答するであろう「当たり前の結論」に至るために、『常人には到底共感できないような遠回り』を描いた作品だったようですね。{/netabare}

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ついでに もう1つ不満点を・・・

{netabare}羽入 vs エウアについては・・・う〜ん。個人的には『奇跡』は数々の行いを積み重ねた上で導かれる『最後の一押し』という概念であって欲しかったです。

数々の惨劇と後悔を積み重ねた上で「別のカケラの記憶を垣間見れた奇跡(罪滅し編など)」、運命は変えられると信じなかった最後の一人が それを信じたことで訪れた「羽入顕現の奇跡(祭囃子編)」、いずれの奇跡も「直接的解決手段」ではなかったと思うんですよね。

一方、「羽入のもとに鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)が届く」って・・・それもう直接的解決手段じゃないですか。これまでのカケラとの脈絡もあまり感じませんし・・・。

言うなれば「アンパ○マン新しい顔よ〜! ア○パ〜ンチ! バイバ○キーン」の流れと同じでしょう(この作品をバカにしているわけじゃないです。「ひぐらし」がこれをやるのはどうなの?という話です)。

これだけじゃない。梨花が死の直前の記憶を保持できるようになって「犯人当て」しちゃった時もそう。そんなのミステリーの探偵役が急に超能力に目覚めて犯人を特定しちゃうようなもの。

ん〜、それならもう梨花惨殺シーンを見た羽入がブチ切れてスーパーサ○ヤ人化し、かめ○め波を撃ってエウアを蹴散らすって展開でも良いんじゃないですか?奇跡の力で直接解決しちゃいましょう!w

何だろう?・・・私が抱いていた『ひぐらしにおける奇跡の価値』がちょっと下がりましたw{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー
あと細かいところで気になったのですが、『聖ルチーア学園』って・・・

{netabare}どこにあるんでしたっけ? どこかで語っていたのを聞き逃したかも?

詩音が通っていた学校ってのは覚えていたので、てっきり詩音がいる興宮だと思っていたのですが・・・『新幹線』で行き来するほどの距離だったんですか?興宮署の大石刑事や 興宮在住の詩音は、新幹線で行き来するような距離を移動して雛見沢に来ている・・・?

あるいは 興宮とは関係ない遥か遠くにあるんでしたっけ?(ググっても聖ルチーアの所在地情報がヒットしませんでした)

ちなみに郷壊し編の1話で、二人は『合格発表』の日に聖ルチーアに直接見に行ってますよね?新幹線でわざわざ見に行ったの?w

(追記)急いで旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たところ、少し記憶違いがありました。

聖ルチーアは園崎お魎が詩音を幽閉する意図で入学させたものの、詩音があまりの『上品さ』と『陰湿さ』に息苦しくなって脱走してしまった学校でしたね。目明し編で詩音が聖ルチーアを酷評していたことを忘れてました。その後、詩音は悟史の事件を機に園崎家に居場所がバレ、ケジメをつけたのち興宮での生活を許され、「別の学校」に通い直していましたね。

ただ、やはり聖ルチーアの所在地情報は無かったですね。

ちなみに目明し編の経緯があるなら、沙都子のねーねーとして進学を引き止めてあげなさいw
{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー


と、ここまで批判ばかり書いてしまいましたが、一応ちゃんと良かった部分もありますね。

例えば、EDにあの名曲のアレンジ『YOU-卒業-』を持ってきたのは素直に『おぉ!』って驚きました。まさかあのイメージソングを公式EDに採用してくるとは・・・良い意味でゾワッとしました。

あとは えっと・・・うん、それよ それ(震え声)

いや、まじめに言うともう1点あるんですが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らない人にとってはどうでも良いことなんですよね・・・。ここが何というか・・・ん〜、もったいない。知っていればゾワっとする描写はいくつかありました。

最終話での・・・
「エウアの角にヒビが入り、エウアが子供化した描写」
「新幹線での別れ際で、赤い瞳になった梨花と沙都子の一連の会話」
「“そろそろ追いかけますわよ...梨花” のセリフ」
「“もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ” のセリフ(この口調は重要)」

これらは一見謎めいた描写に見えますが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知っていると、いろいろ思い当たることがあるんですよね。特に最後のセリフ。この情報によって『なぜ沙都子があんなにもクズになったのか』について1つの仮説が思い浮かびました(当たっているかはわかりませんが)。

また、あっちの作品でもハッキリとは明言されなかった「裏設定」に対する原作者からのアンサーとも受け取れそうな描写もありましたね。

でもこれ、『ひぐらししか知らない勢』にとってはこういう楽しみ方はできないと思います・・・。エウアが出てきた頃からクロスオーバー的な要素が濃くなるのではと心配していましたが、まさか最終話で畳み掛けてくるとはw

私的には新作ひぐらしは全然楽しめたものではありませんでしたが、最後の最後でクロスオーバーしている「裏設定」に関する情報が得られたので、結果的に最後まで諦めずに観て良かったです。最後にちょっとしたご褒美をもらえたことが、せめてもの救いになりましたw{/netabare}


【考察】==========================

ちなみに別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の方のネタバレをしても良ければ、私の想像できる範囲で考察を書いておきます。そっちの作品をご存知の方は「脱線」部分は飛ばしちゃってください。

かなりの長文なので、先に結論を書きます。「うみねこ」の世界観がわからない場合は、詳細の方を読まないと理解不能です。

結論=>{netabare}
沙都子がクズムーブする羽目になった本当の理由は『本作に一度も姿を現していない魔女たち』のせい。

ひぐらしの世界観で作られた『ゲーム盤(惨劇の舞台)』にて、
 『奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル』と
 『絶対の魔女:ラムダデルタ』が対局している。
その『盤上の駒』としてベルンが梨花を、ラムダが沙都子を動かしている。

『観劇の魔女:フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ(エウア)』は、
沙都子に“繰り返しの力”は与えたものの、それ以上の干渉はしていない。

魔女たちの戦いに「駒の感情」なんて不要なので、心をないがしろにした惨劇が繰り広げられている。

・・・これが私の予想です。{/netabare}

ーーーーー以下、詳細ーーーーーーー
{netabare}新幹線での一連の会話は、うみねこのEpisode5とEpisode8にて「奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル(ベルン)」と「絶対の魔女:ラムダデルタ(ラムダ)」が別れを惜しんでいた時の会話との共通点が多々ありました。

「うみねこ」の序盤は主人公バトラと 惨劇の元凶ベアトリーチェとの戦いなのですが、裏では「ベルン」がバトラを、「ラムダ」がベアトを応援し、二人の戦いを散々引っかき回す役どころでした(徐々にこの対立構造も変わっていきます)。

この2人の魔女は、「お互いに愛し合いながら 憎みあってもいる」「誰よりもお互いのことをわかり合っている自負がある」という複雑な愛憎関係で、特にラムダは異常なまでにベルンに執着しています。一時の別れを済ましても、ベルンの姿が見えなくなった途端また会いたくなって探し始めるほどに。

つまり、本作の梨花と沙都子の関係に酷似しています(旧作ではなく本作の2人の関係に、です)。

つまり、新作ひぐらしの世界は「ベルン・ラムダ・エウア(フェザリーヌ)」の3人の魔女が積極的に干渉してきている可能性がありそうです。

そして“そろそろ追いかけますわよ....梨花” のセリフは、口調こそ沙都子のものですが「ラムダがベルンに抱いている感情」を表している気がしますし、何より「うみねこ」の世界でラムダがベルンに同じような主旨の発言をしています。

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode5のセリフから引用)〜〜〜
ゲームが決着しかけた時の別れ(未遂)の挨拶

{netabare}ベルン「最後にはベアトも剥製にしてやりたいわ。そして大広間に高々と飾ってやるの」
ラムダ「銀河鉄道?」
ベルン「夜じゃない方」
2人 「・・・・・」
ラムダ「それで?あんたも鉄道に乗ってこのカケラから旅立つのかしら?」
ベルン「ええ。このカケラにはもう遊べるものはないみたいだし。また退屈を埋めに旅立つつもりよ」
ラムダ「次はどこへ行く? どうせ旅立ちはお互い背中を向けてでしょ?」
ベルン「あなたに退屈したくないからよ」
2人 「・・・・・」
ラムダ「ありがとう、ベルン。でも私はきっと百を数えたらまたあなたを探し始めるわよ」
ベルン「退屈させない子ね。だから好きよ、愛しているわ。またどこかで会いましょう。もっとも、百年先か千年先か、未来永劫 再会しないかもわからないけれど」
ラムダ「大丈夫よ。愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」{/netabare}

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode8のセリフから引用)〜〜〜
全てのゲームが決着した後の別れの挨拶
(?となっているのはコマ割的にどっちが言っているのかはっきりしないセリフ)

{netabare}ラムダ「今度はどこへ行く?」
ベルン「あんたが北なら私は南へ」
ラムダ「ベルンが東なら私は西へ行くわ。次の物語ではベルンが**役じゃないと良いわね」
ベルン「あら。**役も楽しかったわよ」
2人 「・・・・・」

ラムダ?「次はどんな物語を見つけられるかしらね」
ベルン?「そしてどんな物語で再会できるのかしら」
ラムダ?「愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」
ベルン?「天井桟敷。カケラの海は広大だわ」
ベルン?「殻の中の幽霊」
ベルン「いつか会えるわよ。また何かのなく頃に」
ラムダ「良いじゃない。それにしましょ」

2人 「いつか会えるわ。また何かのなく頃に」{/netabare}


ちなみに うみねこに登場する魔女は何人もいますが、ひぐらしと密接な関係がある魔女が3人います。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(脱線:うみねこに登場する魔女と ひぐらしとの関係について)
 =>{netabare}
「うみねこ」の考察が盛んだった頃、魔女のモチーフの最有力説は下記の通りでした。

 フレデリカ(古手梨花)=ベルンカステル、
 ラムダ(30)デルタ(4)・・・34・・・鷹野三四(田無美代子)
 フェザリーヌ(羽入)=アウグストゥス=アウローラ(羽入、あぅあぅ)

 ベルンは『可能性が0ではない限り、その“奇跡”を手繰り寄せる』性質を持ち、
 ラムダは『“絶対の意思”によって望む未来を手繰り寄せる』性質を持っています。
 観劇の魔女フェザリーヌの設定は多すぎるので、要所要所で説明します。

(※フェザリーヌはおそらく本作のエウアと同一人物だと思いますが、なぜエウアと名乗らせたのかは私の知識ではわかりません)

ただし、ラムダデルタだけは「鷹野ではなく 沙都子がモチーフなのでは?」という声もわずかながらありました。理由は、ベルンとラムダは憎み合ってもいるが「仲良し」でもあり、その仲良しの描写が梨花と鷹野がモチーフではしっくりこないからです。また、新作ひぐらしが放送されてからは、ラムダ=沙都子説がやや強くなってきています(ただ私は今回の物語を経てかなり悩みましたが、やっぱり鷹野がモデルかなぁ?と思いました)。

また詳細には描かれませんが、ラムダはかつてベルンを手籠めにすべく「絶対の意思」で惨劇の輪に捕えようとするも、ベルンの「奇跡」の力によって破れたことがある、と述べられています。おそらく、これは「旧作ひぐらし」か あるいは「新作ひぐらし」との繋がりを示唆していると思います。

作品順的に旧作ひぐらしの中では語られませんが、旧作ひぐらしの背後でも梨花側にはベルンが、鷹野側にはラムダが何らかの形で支援していたのではないか、と想像しています。

マンガ版うみねこのEpisode8にて、ラムダが『この私に期待させてくれたのは、私に“神になる”と誓ったあの子以来よ。気に入ったわ。あんたも、あんたの魔法体系も』と述べるシーンがあります。おそらく「神になると誓ったあの子」とは、旧作ひぐらしの作中で「神になる」と言い放った鷹野のことだと思います。

(追記)旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たら、そもそもベルンは「皆殺し編」の冒頭で梨花と対話していましたね。ベルンは旧作ひぐらしの時点で登場しているので、この時点でラムダも存在していると考えられそうですね。

そして観劇の魔女フェザリーヌが鑑賞役の駒として投じたのが、自身の分身体である羽入(完全体)なのかなぁと思っています(ここは干渉ではなく鑑賞)。

ただし観劇の魔女フェザリーヌ(エウア)の設定として、フェザリーヌは人間が想像もできないほどの歳月を生き、全てのカケラなどを鑑賞し記憶するためには 記憶補助具(後頭部の輪っか)が無いと記憶を保てなくなっているという欠点があるそうです。

そして分身体に想定外のことが起こり、その記憶補助具が欠損し「不完全な存在」になってしまった姿が羽入なんだと思います(その際に記憶補助具が「角」としてデフォルメされているのはご愛嬌かと)。ゆえに駒としての自覚やフェザリーヌとの接点を見失い、自律行動をとるようになっているのだと思います。新作の中で、エウアが羽入に対し『我の出来損ない』と何度か言っていたのはこういうことだと思います。{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーー

新作での死に戻りの際に、梨花は記憶を保持できず 沙都子だけが保持できるのは、上記の通り 羽入(不完全)とエウア(完全)の力の差かと思います。終盤あたりで羽入の角のヒビが修復されたこと、梨花が記憶を保持できるようになったこと、エウアの補助具に傷が入り角化や子供化のようにデフォルメされたことなどは、すべて『フェザリーヌ(エウア)と羽入が有している裏設定』から来ていると思います。



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(また脱線:「うみねこ」の世界からみた「ひぐらし」の世界について)
 =>{netabare}
うみねこは、ひぐらしの世界観のさらに上層にある「俯瞰視点」のような世界観です。

まず、ひぐらしの雛見沢村と同じように「現実世界での惨劇の舞台(六軒島)」があります。魔女と呼ばれる存在達は、その惨劇で閉ざされた舞台を「ゲーム盤」とみなし、上層世界からそのゲーム(惨劇)を覗き見しています。また、その惨劇の舞台を作り上げた存在を「ゲームマスター」と称します。

うみねこの魔女達は、ゲームマスターが繰り広げるゲームを鑑賞したり、ゲームマスターが対局から降りた場合はマスターの代行としてその世界の駒(登場人物)を動かしたりすることができます。盤上の駒を動かせるのは、ゲームマスター(黒幕の駒)と 対戦相手(探偵役の駒)のみ。

また、繰り返される世界(並行世界)を「カケラ」と呼んでいます。

うみねこの魔女たち視点からは、旧作ひぐらしの世界も「数あるゲーム盤のうちの1つ」なのかと思います。さしずめゲームマスター鷹野三四が作り上げたゲーム盤ということか・・・。そして、鬼隠し編も 綿流し編も「数あるカケラのうちの1つ」ということかと(なお鷹野自身にはゲーム盤だのマスターだのカケラだのという認識は無いはず...?)。

Who:鷹野三四が
Why:学会に虐げられてしまった「最愛の祖父」の研究を世に知らしめることを目的に
How:大量の雛見沢症候群(雛見沢大災害)を引き起こして研究成果を証明する
   (そのためには女王感染者の殺害が必須条件)

ルールX:不特定の誰かが疑心暗鬼に取り憑かれ、凶行に誘われる
ルールY:誰が凶行に走ろうが関係なく、鷹野と富竹は殺されてしまう
ルールZ:雛見沢で起きる事件のすべては園崎家の仕業、と誰もがそう信じている

マスターの勝利条件:雛見沢大災害の誘発(梨花殺害)
対戦相手の勝利条件:雛見沢大災害の阻止(梨花生存)

という「ゲーム盤」に見えているのだと思います。


鷹野は『絶対の意思』をもってこの計画を完遂すると決めており、登場人物(すべての駒)がどんな動きを見せようが、誰かしらが疑心暗鬼に囚われるように様々な仕込み(スクラップ帳)を用意しています。この絶対の意思と全てに対応する計画性が「ゲームマスター」たる所以ですね。


ちなみに脱線のさらに脱線になりますが、前述で羽入のことを「フェザリーヌが観賞役に投じた“駒”ではないか」と述べましたが、そうではなく実は羽入も“ゲームマスター”だった可能性もあります。梨花には梨花のゲーム(惨劇)が、鷹野には鷹野のゲーム(惨劇)が強いられていた説が。うみねこEpisode8も「2人のゲームマスターが、たまたま同時にゲーム盤を開いてしまった」というイレギュラー展開で開幕しますので・・・あり得なくもないかと。

〜〜(脱線:マンガ版うみねこEp.6の ラムダと あるキャラの会話にて)〜〜

{netabare}エリカ『ラムダデルタ卿も かつてどこかの大魔女のゲーム盤で駒と弄ばれ、無限地獄に閉じ込められた経験がおありとか・・・』
ラムダ『あるわ。私は何年閉じ込められたかしらね・・・。でもベルンみたいに律儀に数えなくて正解だったわ・・・』
エリカ『我が主も魔女の駒で・・・ロジックエラーの地獄に落ちたことがあるというのですか・・・?』
ラムダ『そうよ。そしてベルンは数えてしまったから、壊れてしまった』

ラムダ『あの子の“主”がこれはまた酷いヤツでね。自分で作ったゲームのはずだったのに、途中でゴールがわからなくなって、スタートとゴールが繋がった壊れたスゴロクを作ってしまったのよ・・・つまりロジックエラーね。ならば自分一人で悩んでロジックを考えて出せば良いのに、“そいつ”はあろうことか、その考えることさえもベルンに任せっきりにしたの』

(この会話中、発狂している“梨花と思しき”影絵と、メビウスの輪の横でサイコロを降っている“羽入と思しき”影絵が描かれている)

(中略)
ラムダ『あの子は奇跡に愛され、見事に奇跡を打ち出し、魔女となってあの地獄を生還したわ。でもその地獄にいたのがあまりにも長すぎて、過酷すぎて、あの子の心は壊れ、あんなにも**で**な魔女になってしまった』

・・・この会話から、ラムダは鷹野の幼少期(田無美代子)、ベルンは梨花との繋がりを匂わしているのだと思います。また、旧作ひぐらしのゲームマスターは2人だった可能性も匂わされています。羽入がゲームマスターの1人だったのに、その途中で羽入が記憶補助具を欠損して不完全体になってしまい、梨花にとってのゴールがわからなくなってしまった、という意味かと想像しています。{/netabare}
{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーー

旧作ひぐらしの結末をうみねこ風に置き換えると、鷹野の『絶対の意思』によって作られたゲーム盤は、梨花の『奇跡』によって突破され、ゲームマスター鷹野三四は最終的に敗北してゲーム(惨劇)の幕は閉じられたということ・・・。

あるいは羽入(完全体)が作ったゲーム盤、かつ羽入(不完全体)のせいでゴールがわからなくなってしまったゲームで、梨花が「奇跡」によってゴールを見つけ出したということか・・・。

いずれにしても「うみねこ」の世界では、魔女たちが永遠にゲームを鑑賞したり遊んだりできるように「優秀なゲーム盤は保存されている(原文は忘れました)」と語られています。

とすると新作ひぐらしの物語は、ゲームマスターが不在となったゲーム盤にて、ベルンとラムダがプレイヤーとして直々に対局をおっ始め、その盤上の駒として沙都子や梨花が動かされていた、ということなのかもしれません(ラムダがどうやってベルンをゲームに巻き込んだかはともかく)。

ゲームマスター代行がラムダで、ラムダが沙都子を動かして惨劇を次々に起こし、ベルンが梨花を動かしながらどうにか惨劇回避の糸口を探っていたとか・・・?

そしてゲームマスターが交代しているからこそ、本来のゲームマスターの目的を無視した異なる惨劇が展開されているのかなぁと。実は「うみねこ」にも似たような展開があります(うみねこキャラのロノウェ風にいうと「愛がない、義理が通らないゲーム」が繰り広げられているのかと)。


あるいは ここまでの考察からぶっ飛びますが、・・・この物語、あの新幹線の別れ際が「ベルンとラムダの誕生の瞬間」だったのかも?・・・いや、この説は多分違うかな?
ーーーーーーーーーーーーーーー
(考察の脱線:竜騎士07氏はType-Moon作品のファンなので・・・)

※「Fate」と「月姫」の内容に触れても良いよという方だけどうぞ
=>{netabare}ベルンは古手梨花から、ラムダは鷹野三四(田無美代子)から「生まれ出でた魔女」か、(ラムダ 旧作由来 説)

あるいは、繰り返す力を手に入れてしまった「梨花と沙都子の成れの果て」かな?と想像しています。(ラムダ 新作由来 説)

どちらにしろ、それだと『古手梨花が人間として奮闘している最中なのに、何で “その成れの果て” やら “自分がやがて生み出す魔女” やらが同時に存在しているんだよ?』という疑問も湧きますよね。でもこれを成立させる仮説も1つあります。

それは竜騎士07氏はType-Moon作品のファンで、「ひぐらし」の中にも数々のオマージュを散りばめているからです。例えば、{netabare}カレー好きで青髪の知恵留美先生は、「月姫」のシエルに由来しています。名前も当て字ですし、キャラデザもほぼ寄せていますし、チョークを投げる時の持ち方が シエルの黒鍵(武器)の持ち方と同じです。キャラデザは全然別ですが、魅音と詩音も「月姫」の琥珀と翡翠の“あるエピソード”に由来していると思います。

「ひぐらし(アニメ)」のスタッフクレジットSpecial Thanks欄に「Type-Moon」の名前が(常に?)あるのは、Type-Moonのオマージュを明言しているからだと思います(これは予想)。{/netabare}

話を戻しますが、この『魔女』の概念は、Type-Moon作品の -Fate/stay night- の『英霊召喚システム』から着想を得ているのかもしれません。『英霊になる運命が確定している者』は過去・現在・未来を問わず、いつの時代の聖杯戦争にも召喚されます。つまり『未来に誕生する英霊を、現代の戦争でも召喚できてしまう』ということです。

ベルンやラムダもここから着想を得て、『未来に誕生する魔女が、自分の出生起源であった過去のゲーム盤(ひぐらしの世界)に囚われていた』ということなのかもしれません。

作品順は 月姫(2000年)、ひぐらし(2002年)、Fate stay night(2004年)、うみねこ(2007年)で、ベルンとラムダの詳細設定を作り込んだのは「うみねこ」のはず(ひぐらしに出ないラムダの方は特に)だと思うので、一応矛盾しないと思います。{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーーーー

いずれにしても、沙都子があんなクズムーブをしていたのは ラムダの仕業の可能性が高そうですね。最後に「もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ」と言ったのも、おそらくラムダということなんでしょうね。

この物語にはエウア(観劇の魔女:フェザリーヌ)しか姿を現していませんが、あれはエウアの口調ではないですからね。もしエウアの発言だったなら「もうよい、北条沙都子。そなたに そなたを 返そうぞ」のはずなので。

他に沙都子を駒として動かしそうなのは、ラムダデルタくらいしか考えられません。

「Who:この惨劇の黒幕は沙都子」「How:沙都子が繰り返す力を手に入れていた」「Why:沙都子の梨花に対する執着を利用した」ということがバレた時点で、もうベルンとラムダの勝負に決着がついたようなものだから、ベルンを解放し、ラムダもこのゲーム盤からは立ち去ったということかな・・・?

そもそも観劇の魔女フェザリーヌは、人間が奮闘する様や、嘆き もがき 苦しむ様など、人間が見せる「ありのままの姿、ありのままの物語」を鑑賞して愉悦に浸っている魔女でした。ゆえに物語がどう転ぼうが「自らが直接介入すること」はありませんでした。

その背景を知っていると、「エウアが沙都子を操っている」とは考え難いんですよね。うみねこの感覚で捉えると「沙都子に繰り返す力を授けたこと」すら かなりイレギュラーな行動に見えました。まぁでも、羽入が梨花にそれをした以上、エウアが沙都子に同じことをするのはある意味フェアとも言えますが・・・。

ということで、『うみねこを知らない勢』からしたら納得いかないでしょうが、おそらく沙都子にクズムーブをさせていたのは、この物語には一切 姿を現していない「絶対の魔女:ラムダデルタ」だと推察しました。

強いていうなら、何話だったか忘れましたが、エウアと沙都子が会話している世界で、沙都子からもう一人の沙都子が出ていく描写がありましたよね。どういうセリフだったかも忘れましたが、沙都子の口から「魔女」という単語も出てましたよね。

あれらの描写が「沙都子とは別の存在(絶対の魔女:ラムダデルタ)」がいることを示唆していたのかもしれませんね。

ん〜、ここまで書いてはみたものの・・・まったく自信がないw いつか竜騎士07氏に答え合わせしてもらえると良いな。{/netabare}




【冷静になってからの感想追記】===============

梨花と沙都子の正当性について100:0だと書きましたが、冷静になって、いろんな人の意見も聞いてみて、梨花にも多少の悪い部分はあったなぁとは思いました。ただ私が思うに「梨花の悪かった部分」がうまく描けてないような気がしました。

50:50くらいに描くなら・・・ {netabare}まず聖ルチーアでの「梨花からの助け舟」は描かなくてよかったかと。勉強の面倒をみようとしたり、友達グループの輪に誘おうとしたり・・・の描写は無い方が良かったかも。

梨花は「助け舟」を出したのに、沙都子の意地っ張りのせいで避けられて、その上でなお梨花がどうすべきだったかってのは・・・正直「視聴者の価値観」によるところが大きくなってしまうと思います。

沙都子の境遇に近い人は『それでも無理にでも助けようとしてよ!私のことだけ考えてよ!』って思うかもしれませんし、梨花の境遇に近い人は『自分でなんとかするって言ったんだし、これ以上の無理強いしても余計避けられちゃうかも』と思うかもしれません。

ここの流れは、誰の目にも「梨花が沙都子を放ったらかしにした」と見えるようにすべきだったかなぁ・・・。私の目には「梨花が放ったらかしにした」ようには見えていなかったですし、むしろ「沙都子が自分から孤立していった」ように見えていたので。「視聴者の価値観」に委ねている以上、私には梨花が悪いとは思えませんでした。

あとは出発点となったカケラ、進学の誘いのシーンにて、あそこでもっと「梨花のしつこさ」と「沙都子の拒否反応」を念入りに描いた方が良かったかな。あの描写だけだと、梨花がそこまで執拗に食い下がっているとは感じなかったです。だって人生をかけた「二人の進路相談」をしている場面なのだから。多少の食い下がり程度では「しつこい」とまでは感じないですよ。『梨花の醜さ』を出しきるぐらい執拗に描いた方が良かったかも。

あとこの主張はブレませんが、そもそもその最初の進学相談の場面で、お互いの気の済むまで腹割って話し合うなり、なんならその時にこそ「取っ組み合いの喧嘩」でもしてれば良かったこと。特に、失敗と後悔の記憶を持っていた「2巡目の沙都子」ね。2巡目の沙都子は、本当に何がしたかったのかよくわからないです。

惨劇を始めてから「超常バトル」に突入する必要なんかありません。そもそも惨劇を始める前に解決できることです。{/netabare}


【最後に】=========================

こんな酷い役回り、えげつない憎まれ役を演じきった「かないみか さん(沙都子)」と、それを最後まで捌ききった「田村ゆかり さん(梨花)」に敬意を表します。お二人の演技は本当に凄かったと思います。


(余談)
あにこれの採点仕様を改善してほしいです・・・。本作の「声優」「作画」「音楽」の項目はもっと評価したいのですが、そうすると総合2.5点超えちゃうんですよ。

5点満点で2.5点以上になったら、その作品に「どちらかといえば満足」したことになっちゃうじゃないですか・・・。「物語」と「キャラ」を最低点にしているにも関わらずにですよ?せめて「物語」の配点は圧倒的に多くしておかないとおかしいでしょ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ひぐらしで泣く羽目に

旧作知りません


話数多かったりシリーズラインナップ複数あるとどんな順でいきゃいいのか路頭に迷います。私も迷子の一人かもしれませんが立ち位置というか遍歴は明示しときたいと思います。

1.名作の誉れ高い旧シリーズを未経験です
2.10何年ぶりの新作『業』視聴しそこそこ満足してます
3.その『業』を補完する役割と聞いて『卒』を観るためここにいます

白状すると旧作を3話くらい観て、並行して新作『業』も3話くらい観てあんま変わらんと思って『業』に専念。完走後にあにこれで答え合わせしてみたら旧作の内容と途中分岐する新作だったと判明。その後、貪欲に旧作を貪る気にもならず今日に至る。以上です。

 普通でした

普通よりちょっと面白いかなってくらい。クール平均の中上位層ぐらいのポジションです。ベテラン声優さんの“転調”演技が素晴らしくて引き込まれます。声優さん続投してるし旧作ファンは同窓会みたいでニワカな僕よりもっと楽しめそうな気がします。
それとやっとこからくりが見えてきた『業』を受けて、その『業』を別人物の視点から辿るのが本作『卒』でした。答え合わせしてる面白さがあります。本編と同時間帯を別人物の視点で追うスピンオフみたいなもん。
できれば『業』『卒』は一気に3クール分駆け抜けるのが吉かもしれません。
名作の誉れ高い本作ですが、ところどころ片鱗は感じることができる佳作といったところでした。

旧作必須かどうかはよくわかりません。…がしかし新規で59話分を追いかけるのは負担に感じますね。
こちら新シリーズも3クール費やしたわりには満腹感には欠ける。
少なくとも『業』『卒』をもって「ぜひ旧作を!」という気は起きなかったです。


※ネタバレ所感

■沙都子あれっ!?

“繰り返す者”堪能しました。
{netabare}だがしかし、梨花にバレた時点で即ゲームオーバーとなる仕様でしたよね。沙都子にやられる前にやってしまえば解決。
結局ロリお社様のテレパシーみたいなのでループ地獄の綻びが生じたわけですが、なんか思っていたよりあっさりで肩透かし食らった気にさせられて消化不良でした。田村さんとかないさんの熱演でお釣りがくるのかもしれませんが、この設定なら“梨花にバレたら最後”の緊張感があっても良かった。梨花の絶望に比べて沙都子がワンサイドすぎましたね。
梨花VS沙都子のどっちに転ぶかシーソーゲームとワンサイドゲームどちらが盛り上がるかといえば一部例外を除き前者でしょう。本作は徹底して後者でした。では後者で盛り上がる“一部例外”はどんなか?といえば胸のすく一発逆転以外考えられません。{/netabare}


■沙都子と梨花の二人ともあれっ!?

“繰り返す者”同士の決着や如何に?
{netabare}これ不満でしたね。ワンサイドゲームからの一発逆転みたいな展開ではなくちょい残念。さらに閉鎖的農村社会でのホラーという作風もぶちこわ…超越しちゃった感のある最終盤でした。
バレたら最後なんですけどバレてから2話費やしてやったことが

 {netabare}拳で語り合おうぞ!{/netabare}

前田慶次と奥村助右衛門みたいなことになってました。実際“拳”より異能バトルでしたけど旧作ファンの方はあれでいいのかしら?
余韻もへったくれもないのでこれでテンションだだ下がりでした。{/netabare}


■総論

{netabare}近くにいる親友を囲いたくなる感情なんて成長と共に薄れていくもんなんですけどそこに固執し100年というのは凄いですね。凄惨な1か月を1200回繰り返したわけです。
それを「ありえない」と思うのはあくまで常人の感覚であって、そうじゃないからホラーとして成立してたわけです。秀逸でした。だからこそホラーらしくホラーのままにっていうホラーのお作法に沿った結末だったら良かったのに~って思います。あるでしょ?惨劇継続の匂わせみたいなやつ。{/netabare}


※オマケ

■1983年

年表見たら戸塚ヨットスクール事件をなぜか覚えてるくらい。
沙都子/梨花より年下と気づきちょっぴりテンション上がりました。まだ若い



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.12 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

完全新作、まだ誰も知らない雛見沢へ

言わずと知れた名作で、OVAを除くと本作がちょうど4期目になります。
無印の解答編が「解」であったように、本作は第3期「業」の回答編という位置付けになっています。


都心から遠く離れ、色濃く残る自然に囲まれた集落──雛見沢村。

かつて、ダムの底に沈むはずだった村は、
今もなお昔と変わらない姿で、
転校生・前原圭一を迎え入れる。

都会で暮らしていた圭一にとって、
雛見沢の仲間と過ごす賑やかでのどかな生活は、
いつまでも続く幸せな時間のはずだった。

一年に一度行われる村の祭り、綿流し。
その日が来るまでは…。

昭和五十八年、六月。
ひぐらしのなく頃に。

日常は突如終わりを告げ、
止まらない惨劇の連鎖が始まる──。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

基本的なストーリーは無印や「解」と一緒なんですが、所々物語が改変されているので、流れは知っていても視点の違いから新たな気付きが得られる構成になっているのは、この作品ならではの楽しみ方なのではないでしょうか。

ですが、無印や「解」と、「業」と「卒」で大きく異なっている部分もあると思います。
一番の違いは、「業」と「卒」には無印や「解」で感じたホラー的要素が殆ど無いことです。
そして、その代わりに大きく盛られたのが「痛み」だったのではないでしょうか。

何度も何度も繰り返される惨劇…
目の前で繰り広げられる惨状に、何度か心が折れそうになりましたよ。
能力が暴走を超えて飽和している感じがしたのも、拍車を掛けていた気がします。

ですが、ラストまで視聴して腑に落ちた気がしました。
最大の理由は、島みやえい子さんの歌う「you-卒業-」が流れてからの展開が、物語の序盤からは考えられないほど穏やかだったからです。

この作品が「解」で終わらなかったのは、このラストのためだったんだと個人的には思っています。
このシーンが見れただけでも、心が救われた気持ちになりました。
しかし、「you-卒業-」は何て素晴らしい曲なんでしょう。
聞くだけで目頭の熱くなる曲です。

オープニングテーマは、彩音さんによる「Analogy」
エンディングテーマは、鈴木このみさんによる「Missing Promise」で、最終話のみ「you-卒業-」

1クール全15話の物語でした。
本当は2クールで放送される予定だったのでは…と思ってしまいました。
中盤から終盤にかけての展開がこれまで以上に早かったので…
全15話というのも少し中途半端ですしね。

素晴らしい結末をありがとう…
と思っていましたが、なんと令和の雛見沢を舞台に圭一の子供ら描く「ひぐらしのなく頃に令」の連載が始まったんだそうです。
いずれ、令和の雛見沢もアニメ化されるかもですね^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

64.3 7 絶望でファンタジーなアニメランキング7位
佐々木とピーちゃん(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (201)
554人が棚に入れました
佐々木がペットショップで購入したのは、異世界から転生してきた高名な賢者様だった。 『我が名はピエルカルロ、異界の徒にして星の賢者』ただし、文鳥。 佐々木はこの可愛らしいペットに「ピーちゃん」と名付けて生活を共にすることにした。 賢者様から与えられたのは、異世界に渡る機会と魔法の力。 会社から帰宅したのなら、二人は異世界ライフを満喫! やがては、現代日本で仕入れた品物を異世界に持ち込み、商人として活動することに。 異世界でお金を稼いだり、ピーちゃんから魔法の訓練と受けたり、美味しいものを食べたり。 社畜生活でくたびれた心身を、剣と魔法のファンタジーな世界で癒やされる。 すると、そんなある日。 佐々木は会社の帰り道で「異能力者」なる存在と出会う。 ピーちゃんから教わった魔法で異能バトルを切り抜けるも、異能力者と間違われて、国の機関「内閣府超常現象対策局」にスカウトされてしまう。 脱、社畜! 脱、ブラック企業! しかし、今後は安定した公務員生活......という訳にもいかなそうで......。 一羽の文鳥との出会いが、佐々木の日常に大きな変化をもたらす! 異世界と現代日本を舞台に繰り広げられる、異世界ファンタジー×異能バトルが幕を開ける!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

(最終)会話劇はよかったが全体像でみると・・・まあドンマイw

【レビューNo.113】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
ラノベ原作(なろう・カクヨム発の模様)で2024年作品。全12話。(初回は1時間)
完全にタイトル切りを決め込んでいたのですが、交流あるかんぱりさんやえり
りんさんのレビューを拝読すると大分イメージしてたものと違う・・・という
かむしろどんな作品か気になるまであるなっとw

(ストーリー)
冴えない中年会社員(社畜)の佐々木は、ペットショップで文鳥「ピーちゃん」
を購入した。ピーちゃんは異世界から転生した高名な文鳥賢者であり、人間の
言葉がわかる特殊な能力を有していた。そんな佐々木とピーちゃんが、異世界
と現実世界を行ったり来たりするストーリー。(wikiより)
(ピーちゃんの転移魔法で現実世界⇔異世界への往来が可能)

(評 価)
・第1話:現実世界と異世界のギャップが・・・これは今期のダークホースなのか?
 {netabare}・原作は意外としっかりしてるっぽい
  異世界でのサクサク感が「なろうっぽいな」と思ったら、やはり元々なろ
  う・カクヨムで連載されていたようです。しかし
  ・「第4回カクヨムWeb小説コンテスト」で特別賞受賞
  ・「このライトノベルがすごい!」で2022年版第1位
  とかなり評価されていた作品のようで(受賞作=当たりではないが)大き
  くは外してこないんじゃないかなっと・・・知らんけどw 
  ちなみに原題は
  「佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で
   異能バトルに巻き込まれた件 〜魔法少女がアップを始めたようです〜」
  と(後述しますが)なかなかに「ごった煮感」が凄いなっとw

 ・ごった煮について
  ざっと1話の流れを列挙すると
  {netabare}・中年会社員の佐々木がピーちゃんの力を借りて異世界へ転移。
   「金貨8万枚」よろしく現実世界の商品を転売ヤーで大儲け。
   (ついでに成り行きでレストランも経営w)
  ・で、ピーちゃんから魔法を教えてもらう。佐々木には魔法の才能もある
   模様。
   一方現実世界には(魔法とは別に)「異能力」が存在。異能力者に襲わ
   れている星崎という女性を魔法で救出。しかしこの星崎、実は異能者を
   秘密裏に管理する政府の組織「内閣府超常現象対策局」の者で、佐々木
   は異能力者と勘違いされ、そのまま組織にスカウト→国家権力も働いて
   なし崩し的に組織の一員に(一応国家公務員に転職www)
   なんかこの辺もそれっぽい作品がなかったか?!  
  ・そして佐々木の住むアパートのお隣さんには、「未来日記:我妻由乃」
   っぽいヤンデレJCが・・・佐々木さんロックオン?!
   (母親が育児放棄してるっぽく、よく玄関の外で過ごしている模様)
  何か系統の違う3作品程のネタをミックスしてる感じですね。
  (ここにまだ魔法少女らが乱入してくる模様w){/netabare}

 ・それでも結構面白かった
  {netabare}・佐々木の中年会社員設定が上手く機能している
   異世界では「本家・異世界なろう作品」もビックリなほどサクサク展開。
   でも不快感がなく意外と面白く観れたかなっと。
   ・佐々木になろう特有の「俺tueee感」とかがなく実に落ち着いている。
   ・商談シーンなども良識ある商社マンっぽさが逆に新鮮。
   現実世界でも「社会人ラブコメ」とかのなんちゃって社会人より、よほ
   ど真面目に社会人してたのは結構ツボったw 
  ・ストーリーが体系立っていて視聴しやすい
   上述のように(既視感にまみれた)ごった煮状態なので全体像をみると
   「一体何の話なんだ?!」
   ってことにはなるのですが、頭から視聴する分には意外と体系立ってい
   て順序よくストーリーが流れ、スンナリ受け入れることができ視聴しや
   すかったという印象ですね。
  ・現実世界と異世界のギャップ
   そして一番上手いと思ったのが両世界のギャップですね。
   ・異世界ではサクサクと脳天気な展開をみせながらも
   ・現実世界では
    ・「内閣府超常現象対策局」という謎組織と不気味な上司・阿久津
    ・お隣さんにはヤンデレJC
    という不穏な空気が漂い、今後の展開が非常に気になるなっと。
    両者のバランスが程よい感じなのも好印象のひとつですね。{/netabare}
   
  作品的にはどう進んでいくのか全く読めないですが、第1話としては上々
  の滑り出しだったのでは。初回1時間は伊達じゃなかったなと。
  今後大化けするか出オチで終わって失速するかを含めて、暫し注目して
  いきたい作品ですかね。{/netabare}

・第2-3話:落ち着いた味のある会話劇が個人的には好み
 {netabare}2話では現実世界メインで
 ・佐々木の初任務で「非正規の異能者組織の一斉摘発」。
 ・しかし敵の能力は強力で、佐々木ら内閣府超常現象対策局は壊滅状態に。
  → 佐々木の交渉術でこの場を手打ちに持ち込む。
 ・危地を救われたお礼に星崎とお食事に。(星崎はまんざらでもない様子w)
  → 星崎はJKであることが発覚!
   (普段は厚化粧と高飛車な言動で年齢を誤魔化していた模様)
 ・帰り道に(ホームレスっぽい)魔法少女と遭遇。

 3話は異世界メインで、スローライフかと思いきや
 ・佐々木が拠点とするヘルツ王国で隣国との戦争が勃発。
 ・佐々木は、そこの領主ミュラー子爵から支援物資の調達を依頼される。
  → 佐々木は見事依頼を完遂するもミュラー子爵は戦死。
 ・ミュラー家の跡目争いが勃発。
  → その争いから危険を避けるために、ミュラー子爵の娘エルザを預かる
    ことに。
 意外と異世界もきな臭い展開でした。

 ・「歳の差ラブコメ」をやりたいのか?!
  ・星崎さんはJKだった
  ・前出のお隣さんヤンデレJC
  ・敵のリーダーも見た目は少女
   (彼女にも気に入られ、仲間に誘われる)
  ・魔法少女
  ・ミュラー子爵の娘エルザ(盛り髪少女)
  ヒロイン候補が何故か少女ばかりなんだよなw
  「歳の差ラブコメ」を狙っているのか、意図してそういうキャラばかり登
  場させている感じがしますね。

 ・落ち着いた味のある会話劇が個人的には好み
  この辺、早くも評価が分かれているようですが、
  ・「佐々木×ピーちゃん(星の賢者)」
  ・「佐々木×ミュラー子爵」
  の会話劇が
  ・落ち着いた大人の感じで、杉田さん他声優陣演技も味があり良き。
  ・セリフにも味・センスがあり、これもなかなかに良き。
  って感じで、個人的には結構高評価ですかね。
  まあ人によっては退屈と感じるところもありそうですが・・・

 という感じで、個人的にはここまではまずまずの評価といったところ。
 ただここからギアを上げていくとなると伸び代があるのかは、少々疑問に感
 じるところではあったかな。
 物語に何かしら基軸が欲しいところですかね。{/netabare}

・第4-7話:やはり会話劇は好みだが・・・評価下方修正⤵
 {netabare}>佐々木は見事依頼を完遂するもミュラー子爵は戦死。
 ミュラー子爵は実は生きていたようですね。
 (戦で敗走するも、政敵を炙り出すために偽情報を流した模様)
 ミュラー子爵との会話劇はやはり味があり、個人的には好みかなっと。
 ただ他の要素が・・・

 現世では
 ・魔法少女とのバトル
  (魔法少女は異能者を憎み、殺してまわっている模様)
 ・「非正規の異能者組織の一斉摘発」の際、対峙した敵のリーダー
  → 二人静さん、佐々木の職場に転職?!
 などエピソードは進むのですが、イマイチ面白くないんですよね。
 なんというか、現世と異世界の相乗効果的なものを期待してたのですが、
 それそれ別物って感じで漠然と2つの世界を見せられている感じですね。
 >物語に何かしら基軸が欲しいところですかね。
 杉田さんや悠木さんらの演技は素晴らしく会話劇は◎ですが、肝心の物語
 は何を見せられているのかちょっと疑問符ですね。
 まあラスト2話位であっと驚く展開でもあれば、最終的には手のひら返し
 になるんでしょうが、正直厳しい感じがしてきましたね。

 7話ラストでエルザが異世界の荷物に紛れて現世にやってきたので、ここ
 に隣のヤンデレJCが絡めば何かが起こるかもですが、さてさて・・・{/netabare}

・第8-9話:危険信号・・・ちらかしただけで終わりそうな 
 {netabare}>7話ラストでエルザが異世界の荷物に紛れて現世にやってきたので、ここ
 >に隣のヤンデレJCが絡めば何かが起こるかもですが、さてさて・・・ 
 特に2人がエンカウントすることもなく、まあ無難に終わりましたね。
 佐々木のエルザを諭すような接し方など、その辺りの声優の演技はやはり
 上手いなって感じで物語自体も点で観る分には悪くなかったですが、全体
 像でみると「このエピソード意味あるんか?!」って疑問符でしたね。
 それから初期の数々の設定等
 ・久しぶりの上司・阿久津に「そういやそんな人物やそんな設定だったけ」
 ・ヤンデレJC久々の登場も「ただ登場しただけ」で見せ場なし。
  そういや星崎さんや魔法少女も長らくみてねーなw
 ・二人静さんも8話で重要任務を任されたが、9話は異世界メインでテンポ
  が悪くて仕方ない。
 >現世と異世界の相乗効果的なものを期待してたのですが
 2つの世界が逆に足を引っ張りあってテンポが悪く、数々の設定も持て余
 し気味に見えてきたのでかなり危険信号ですね。

 また異世界の方も、佐々木の周りが不幸に巻き込まれているだけで、佐々
 木自体は基本行商等順調なんですよねw
 今もお世話になったマルクさんが、政敵の策略により投獄されたので救出
 るすために皆が奔走中。
 脳死で観る分にはそれなりって感じですが、冷静に振り返ると
 「異世界での山場の話がこれなのか?!」
 って感じで、これもどうなのかと。

 う~ん、杉田さんや悠木さんらが演じるキャラはよかっただけで終わりそ
 うな・・・{/netabare}

・第10-12話:可もなく不可もなく
 {netabare}少し持ち直した?!って感もありますが、冷静に考えると
 ・中だるみが酷く、それから比べると相対的にそうみえるだけ
 ・いうても大きなバトル2つぶち込んだだけやしなあ
  → 「ピーちゃん無双」はカッコよかったが、そこまでバトルに魅力
    はなかったかなあ
 ってところで可もなく不可もなくって感じですかね。{/netabare}

(最 終)
・「異世界」のスローライフをみせたい
 → 「現実世界」のごちゃついた設定がノイズに感じる
・「現実世界」の波乱万丈ぶりを描きたい
 → 「異世界」が挟まってきてテンポが悪い
という感じで、本来なら2つの世界の相乗効果で面白くみせたいところが、
逆に足を引っ張り合っているという印象ですかね。
あと例えば
「佐々木の幸福の最大化」
的な基軸みたいなものが前面に出てれば、もう少し面白みもあったように
思うのですが、
「漫然と2つの世界のエピソードをみせられている」
という創りも残念だったかなっと。

>う~ん、杉田さんや悠木さんらが演じるキャラはよかっただけで終わり
>そうな・・・
この辺りの会話劇は味があって面白かったんですけどねえ・・・
これも全体像でみるといろいろごちゃついていて、それを最大限に活かせ
る創りでもないんだよなあ。

全体的に嫌いではなかったので、まあドンマイって感じでw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

始めよう、異世界×現代ライフ

この作品の原作は未読です。
原作のイラストは、カントクさんが担当してるんだとか。
どうりで、キャラデザが可愛いい訳です^^

しかもアニメーション制作は、安定した「可愛い」を供給してくれるSILVER LINK.さん。
鉄板の組み合わせって幾つかあると思いますが、その一画を担っているといっても良いのではないでしょうか。


佐々木がペットショップで購入したのは、異世界から転生してきた高名な賢者様だった。

『我が名はピエルカルロ、異界の徒にして星の賢者』 ただし、文鳥。
佐々木はこの可愛らしいペットに「ピーちゃん」と名付けて生活を共にすることにした。

文鳥賢者様から与えられたのは、異世界に渡る機会と魔法の力。
異世界で商人に扮した佐々木は、日本で仕入れた品物を持ち込んでお金を稼いだり、
自ら経営するレストランで美味しいものを食べたり、ピーちゃんから魔法の訓練を受けたり。
社畜生活でくたびれた心身を、剣と魔法の異世界ファンタジーライフで癒やしていた。

そんなある日のこと。

佐々木は会社の帰り道で「異能力者」なる存在と出会う。
異世界魔法でその場を切り抜けるも、異能力者と間違われて
国の機関「内閣府超常現象対策局」にスカウトされてしまう。

脱、社畜! 脱、ブラック企業!
しかし、今後は安定した公務員生活……という訳にもいかなそうで……。

一羽の文鳥との出会いが、佐々木の日常に大きな変化をもたらす!

異世界と現代日本を舞台に繰り広げられる、
異世界ファンタジー×異能バトルが幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

放送中盤で、本作品の事を「ごった煮的要素のある作品」と言った声がチラホラ聞こえました。
確かに、私もそう思わなかった訳ではありませんが、絶妙なバランスで複数の要素を繋ぎ留めている作品という印象の方が強かったかな。

ですが、完走後にwikiで漫画のタイトルをチラ見して確信しました。
漫画のタイトルは、「佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 〜魔法少女がアップを始めたようです〜」
だそうです。

このタイトルだけでも幾つもの要素が絡み合っているのが分かりますよね。
「異世界」や「異能バトル」という単体の要素では、何をやってもありきたりになってしまう…
だったら、ごちゃ混ぜにしたら良いじゃん!、という発想は確かにありませんでしたね^^;

確かに要素はごちゃ混ぜなのですが、物語まで飽和しているかと言うと、決してそんな事はありません。
それぞれの要素は、最初は点でしかありませんでした。
まぁ、それぞれの世界観をしっかり伝えないと、視聴者は置いてけぼりを食ってしまうと思いますので。
その点は十分に及第点だったのではないでしょうか。

そして、現在各々独立している各要素同士が少しずつ交わろうとしています。
どんな感じで融合するのか、物語自体も続きが楽しみです。

それと、公式サイトのTOPページでは2期制作が発表されたことが紹介されています。
そこには、第1期では存在こそ認識しているものの、何者なのかさっぱり分からない佐々木のアパートのお隣さんである女子中学生も佐々木の隣で佇んでいます。

このお隣さんのCVは、あかりんのようですが、今後どの様に物語に絡んでくるかが楽しみですね。
(因みに、wikiを見たらネタバレする予感がしたので見ないようにしています)。
公式サイトのキャラ紹介欄では、佐々木からの差し入れがきっかけで、だんだんと歪んだ愛情を持つようになっているんだそうです。

この公式サイトのキャラ紹介欄を見ると、改めて起用された声優陣が凄いことを思い知ります。
主人公の佐々木は杉田さん、碧ちゃん、あかりん、りえりー、大空さん、とみたん、いのりちゃん…
その他、男性陣も名の通っている方ばかり起用されています。
どうりで、毎週の視聴が楽しみで仕方無かった訳です^^
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、MADKIDさんによる「FLY」
エンディングテーマは、大西亜玖璃さんによる「曖昧ガール」

1クール全12話の物語でした。
物語の続きが気になるところですが、本作品は既に第2期の制作が発表されています。
放送時期は今のところ未定ですが、今後の情報に期待ですね。
しっかり堪能させて頂きました!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

たまにあるオッサンが主人公物、思った以上に面白かった。

たまに・・・、いや、稀にあるオッサンが主人公のアニメw。

ちょっと、印象に残ったものを思い起こしてみるに・・・。

・異世界オジサン
・異世界美少女受肉おじさんと
・ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
・魔王様、リトライ!
・うさぎドロップ
・オッドタクシー

あたりが思い浮かんだ。
実際、オッサンというゾーンにバッチリ合っているかは疑問のケースもあるけれども、これらの作品は個人的にはどれもそこそこ面白かったし、何なら好きまでもある作品さえある。

そう!別に可愛らしいキャラの出てくる作品ばかり面白がっている訳じゃないんだからね!!
などとエクスキューズを入れつつw。

今作品もなかなかに面白かったとの評価です。
内容と構成要素だけを考えれば、ハチャメチャの何でもアリかよ!なんて思っても不思議ではない作品なのですが・・・、割と落ち着いて観れました。

だって、鳥(賢者)とのバディ物で、異世界に、異能力に、魔法少女に、任意の異世界移動+異世界への物品持ち込み可・・・ですよ。
なんでもかんでも詰め込めばいいってわけじゃねえぞ!って言っちゃいそうじゃないですかw。

それでも、落ち着いて観れたのはオッサン佐々木の効果かな、と。

ただ、物語は確かに2軸3軸で進行しており、多少のガチャガチャ感はあるのですが、個人的にはわかりやすかったかなと思っています。
今のところは特に混乱はなく、今シリーズ最終話まで視聴できました。
ただ、全般的にまだ先は解らず「ここで終わるんかーい」感がありました。
話が前後するのですが、最終盤でもわからない≒先が見えない感が満載なのですが、ここに至る途中経過も割と先が読めず、そこが面白かったという印象も持っています。
構成が上手いのか、話の持って生き方が上手いのかは不明ですが、いわゆる「先が見える」という事は少なかった印象です。
そこも、面白かったですかねぇ。

作画はお世辞にも良いとは言いづらいです。
悪いとも言えないのですが、まぁ、あまりそこに力を入れた感は感じませんでした。
あえて、印象に残った点を挙げるとすれば、女性キャラの目の色が綺麗で印象的でした。

声優さんは特に欠点もなく・・・。
ちょっと構成が贅沢だった気がしています。
悠木さんは鳥までやっちゃうんですねぇw、つい先日レビュータイトルでお名前を出して驚きを表現したのですが、凄いですねぇ。
最初、わからなかったです。

その他の女性キャラ、お隣さん、星崎さん、じゃ・・・じゃひー、いや失礼二人静さん、達も豪勢ですし、
男性キャラもいい感じの美声ぞろい。

やはり少し贅沢に起用されているような・・・。


音楽は・・・OPは割と好きだったかもしれません。
絵とのマッチングがよかったと思います。
EDは・・・ちょっと苦手でしたw主に絵的な意味でwww。


キャラ評価は、そうですね。
個人的には個性が出ていてよかったと思っています。
ヘイトキャラ以外はどのキャラも割といい人で好きでしたね。
あと、いろいろとポイントポイントで琴線に触れるやり取りがあり、そこも私の好みでしたね。
ヴィジュアル面でいうと「お隣さん」が一番気になっています。
とは言え、前にも書きましたが女性キャラの「目」にやられて、どのキャラもお気に入りとなっているのですがw。


今般、振り返りの為にHPサイトを見に行ったところ、第2期決定のアナウンスが・・・。
はい、多分、観ると思います。
いろいろと気になるところもありますし、物語自体の行く末も気になりますので。


今シリーズを見るからに、2期ありきとしてみるのがいいかもしれませんね。
節操なくいろいろな要素を混ぜ込んでいるという見方もあるかも知れませんが、ギリギリ楽しめるレベルで構成されているとの評価です。
今後の物語が気になるというレベルまでは持っていけていると思うので、機会があれば視聴してみて欲しいです。

2期はいつになるのかなー、個人的には楽しみになっている作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

58.3 8 絶望でファンタジーなアニメランキング8位
最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.7 (118)
355人が棚に入れました
歴代最高の外皮【9999】の数値を持つタンクのルードは、勇者パーティーの盾役として迷宮攻略に挑んでいた。 それはどんな願いも叶えるとされる秘宝を見つけ出し、最愛の妹・マニシアの病気を治すため――。 しかし勇者の横暴により、ルードはパーティーを追放されてしまう。その理由はルードの〝使えないスキル〟とされたが……。 故郷への帰還中、助けた少女により、ルードの未知なるスキルが判明。 それはとてつもない強力なスキルだった! 【最高値の外皮9999】と【唯一無二のスキル】を駆使した最強タンク・ルードの冒険譚――。ここに開幕!


声優・キャラクター
ルード:笠間淳
ニン:本渡楓
ルナ:市ノ瀬加那

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

そんなことある?自分の能力を把握してない冒険者がザマァ!

 最終話(12話)まで観ました。2024.03.27

 強い魔王をみんなで協力して倒して終わり!いやいや、あっさりしておます。

 キャラクターも悪くは無いのですが、全員棒みたいな感じだし、話がダンジョン内で進むので、棒みたいなキャラがスカスカ低カロリー作画のダンジョン内で、スカスカのモンスターと戦っているたいう印象のアニメでした。

 最初のFランクや追放、妹の病気、ホムンクルス等のネタもあっさり解決してしまい、引きずらないのは潔良いのかな?

 正直、早送りでも物語の内容を理解できる様な浅い話のアニメなので、コミカライズ版を読めば良いですね。視聴優先度低めでした。
………………………………………………………………………

 9話まで観ました。2024.03.03

 作画は悪いです…。バトルものなのにキャラが動かず、ルードさんが状況を全部台詞で説明してしまいます。親切というか、馬鹿にしてるというか…。

 キャラ絵は崩れませんが、動きがなぁ〜。ルードの持っている盾も描写が凄くいい加減です。立体感が全くありません。

 コミカライズ版どおりというか…。キャラが皆、棒みたいです。ゲーム実況みたいな感じもします。

 不快な登場人物は居ないのですが、印象にも残らないという…。このままでは2期無し俺達の戦いはこれからだエンドまっしぐらですね。
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 5話まで観ました。2024.02.05

 これ…、ゲーム実況みたいな話ですねぇ…。登場人物達は悪い奴らではありません。勇者も主人公を追放したことをすぐに反省してしまいます。主人公もあまりイキっていません。

 主人公のルードに、妹の病気を治す以外の目標が無く、Fランク設定も早々にフェードアウトします。

 結局、村のためにダンジョン攻略して、村を発展させ、クランを強くするぞ!仲間もどんどん増えるよ〜!これしか無い物語なので、ストレスは無いけど記憶にも残らない系のヤツです。

 大ヒットは無理だと最初からアニメ制作側が分かっているせいか、品質もそこそこ…。みんなに見てね!とオススメしにくいのが残念です。
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 3話まで観ました。2024.01.21

 何と言うか…、全部ルードさんが台詞で説明してしまいます。この魔物は今までのと違うとか、ダメージは全部引き受けるとか、このキャラは貴族だとか…。

 原作が悪いのかアニメ化でこうなったのか何とも言えませんが、ちょと説明過多です。

 ゲームやファンタジーにおけるタンク職という概念は防フリのメイプルが既にいるので、ここまで視聴者にクドクド説明しなくてもとは思います。

 ルードが登場してない他のシーンも同様なので、こういう仕様なんでしょうが、音声だけで画面を観ずとも全て分かってしまうのは、動画としてのアニメの面白さを放棄している感じがします。

 視聴は継続しますが、この説明過多路線で最後まで行くのなら、脱落もありそうです。
………………………………………………………………………

 2話まで観ました。2024.01.15

 主人公のルードさん、悪い奴では無いのですが…。どうも追放されてもノーダメージな感じが強いです。

 ルードさん、拠点の村に助けたホムンクルスと一緒に帰還しますが、村人は皆んなルードさん大好き!しかも口説けば結婚してくれそうな可愛い女子達(村人)もワラワラ登場します。

 妹もブラコン!こんなに恵まれた人物は、フィクションでも現実世界でもそんなに居ないのでは?超リア充男や〜ん!

 ルード追放の理由が外皮にあるので、他の登場人物もあまり外皮の機能を理解してない、商売道具の性能を把握せずに冒険とか戦闘とかやってる感が強いです。

 そのため、微妙に緩い雰囲気が漂っています。冒険モノでこれだと、何か面白味に欠ける気がします。

 あまぁ〜い世界なのでザマァもホムンクルスの謎もさして気にならないという…。今後の展開に期待です。

……………………………………………………………………… 

 初回観てのレビューです。2024.01.08

 タンク役のルードさん、スキルが使えないのでパーティから追放されます。しかし、実はパーティメンバーのダメージを肩代わりする凄いスキル持ちで…。

 いきなりガバガバです。プロなのに自分の能力把握してないなんてことある?酷い世界ですね。

 ルードさん、単体で戦えないわけでもないので、すぐにザマァ出来そうです。

 ライトななろう異世界冒険モノとしては、まぁまぁそうです。視聴継続です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

結構気に入りました。多少ガバはあれど女の子の絵は可愛らしくキャラが好感が持てる

1話 3.5 結構気に入りました。でもツッコミどころは多数…なろう系だなぁ。

さて、実は結構気に入りました。
ヒロイン達の絵が可愛らしいですね。
目が大きいデザインで私は好きです。

あと主人公のおっさんのが気に入りました。
シスコンな部分も含めてなんか気持ちいい主人公ですね。
ハーレム系で主人公が好きになれるのは嬉しい。
おっさん頑張ってハーレム作って下さい。

というわけで結構気に入ったのですが…。
まあ文句もいっぱい。まあなろう系ですからね。

とりあえずこの話しは追放ものです。追放ものだと追放理由がガバガバというのがあるのですが… 本話の場合は一応勝手にHP減らしている主人公が悪い、という理由も立っているようには見えました。

で、主人公のHPが勝手に減っている理由なんですが…
見ながら、『仲間のダメージを肩代わりしているからかな?』と一瞬考えて、いや違うだろう、と却下したんですよね。
なぜならそれが理由だと、主人公が全然仲間を守れていないことになるからです。

ところがそれが正解で、おいおいおい、と思いました。

いや仲間を攻撃されても結果的にノーダメージなんだから守ったと言って良いのかもしれませんが、その効果を知らない以上仲間を攻撃されないように守るべきで、やっぱり守れていなかったんじゃないのか、と…。

まあ盾一つで全体攻撃を防ぐのは無理があるとか、守りきれない場合があるのもわかるんですけれど…。
でもまあ、仲間も『攻撃されたのにダメージを受けてない』とか普通はわかりますよね。いやこの程度のツッコミどころは世にある追放系では全然マシな方か。

世の中には主人公が居ないと呼吸すらできないのに追放するとかいう凄いのもあるわけで、その中では炎に巻き込まれてもノーダメージでもなんとも思わない程度は… いや普通は違和感あるよなぁ。

というわけでまあガバガバ感はあるものの、キャラの好感度は全てのアラを覆い隠すので別に良いです。
妹のために頑張る気の良いおっさん主人公が気に入ったので、見たいとは思いました。
本数次第では諦めます。

3話あたり
なかなか楽しんでいます。ガバだと思っていた点が部分解消されたので上方修正。
勇者がHPを消費して攻撃するスキルを持っていたそうです。
これだと完璧に守っていたはずなのに原因不明で減ることになるので大分印象が違いますね。
まあ攻撃するタイミングでHPが減ったら因果関係気づくだろってのはありますので、完全にガバが無いかと言われればそうではないですが、目まぐるしい戦闘中ではなかなか気づけないのは無理もないかな。
まあ結局気に入ったので欠点は目を瞑ってって楽しむ気ですし、多少のガバは別にどうでも良いですが。

まあ、気に入らない作品が〜だから嫌、という部分が後から解消されたってだからどうした、となってしまう。気に入らなかったのがそもそも問題ですからね。
こちらは気に入った作品なので上方修正です。

全話感想 3.8
なかなか楽しめました。作り自体はあくまでB級。そこまで高品質ではないのですが、基本的にはよくできています。
無駄にチート過ぎるわけでもなくちゃんと苦戦しつつ仲間達と協力して、ちゃんと冒険して…。
ダンジョンでの冒険もちゃんとしていました。
冒険を乗り越えた後は仲間が増えたり評価されたりと、ご褒美もちゃんと得られている。
要するにちゃんとしている話でした。
キャラにちゃんと好感が持てて応援できる。
高品質なわけではなくても、別にこれで良いんだよ、と言いたくなる感じの、楽しめる話でした。

まあラスト、そこはひっぱたくところじゃなくてキスするところじゃないか? とは思いましたが… まあ良いか。
楽しめました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

たナか さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

なろうの親和性

低予算ざまあなろう。
原作は2018年だとしてもやたら古臭い。

OPの歌のキモさとロリ祭り映像で爆笑したが、主人公はキモくないという謎アニメ。

OPED両方が同じ歌い手グループなのでその子らの宣伝番組かな。なので中身は適当に安い弱小作家ならなんでもいいのかも。wikiがスカスカだったので大して売れてない作品でしょう。棚ボタの作者は勘違いして道を踏み外さないで欲しいと願うばかり。

01
外皮カンストと状態異常無効のパッシブスキル持ちでFランクってどういう世界観なのか謎。外皮ってゲームで言えばダメージを軽減するシールド値みたいな感じなのかな。ガイヒガイヒ言う割に説明なし。説明したくないなら言うな。あとはいつものやつ。主人公と健気な薄幸ヒロインズ以外はみんなアホな装置でしかない。でもなろうの読者にレベルを合わせて書いてると思うので、あえてツッコミどころを配置してるんだと思う。なろうだけでなくリコリコみたいな豚アニメでもそういう風潮があるけど、あえてトンチキな設定を入れて視聴者に上から目線で突っ込ませて気持ちよくさせる、みたいな作り方。アンチがケチつければみんなで擁護することによってファンの結束を高める施策かな。マーケティングゥ。

勇者や街の人間のアホさ加減は古典の盾の勇者を参考にしたのかな。ルナの都合よさにも爆笑したが、OPを見るとおり実はすげー俺がロリにモテモテをやりたいと思うので、あとは作画を頑張ればOKでしょう。なろう作者本人ならともかく、アニメスタジオの面々がこういう作品の矛盾に気づかないわけがない。なぜ直さないのか?もしくはトンチキであることにこそ意味があるのではないだろうか?このような問いが浮かんでも正解などわからない。そしてこのようなトンチキアニメが粗製濫造される業界構造に対し昨今の時流を鑑みて一つの仮説が浮かんだ。


すごく言葉は悪いのですが、ここ数年なろう作品に触れて抱いた印象。

発達障害の方が病院で診断貰って長年の謎が解けてホッとする、みたいな流れをなぞっているような作品が増えた印象。生きづらさを抱えて苦しんできた人々に寄り添う作品を作ろうという志は素晴らしいとは思う。空気が読めない人、人の気持ちがわからない人のための負荷を減らすため極限まで記号化するという配慮。リアルに寄せて好感度や立場など相手次第で行動を変えたり、気分や環境次第でテンションの振れ幅があるような人間味のあるキャラクター造形の作品のレビューでは、キャラがブレているという評をよく目にしていたのが本当に不思議だったのだがこの仮説なら合点がいく。

なろうを見て「人間が描けていないッ」みたいな感想はある意味難癖というわけで、主人公以外をNPCレベルの装置にすることで、そういう方にもアニメを素直な気持ちで楽しんでもらおうという配慮なのだと思う。そしてそういう方々が治療や休養の末に回復したあかつきにはなろうを見て「きっしょw」と卒業することができれば、社会復帰も視野に入る段階に達したという目安になるのでしょう。多分。知らんけど。ある意味「守る」というテーマをメタに体現している作品とは言えないだろうか。無理か。

主人公と装置との差分を意図的に大きくした実験作かな。
盾の勇者は主役が喰われてたので、あれでは気持ちよくなれないという判断でしょう。

Vtuberとか歌い手とか、キッズを食い物にする搾取ビジネスは本当に嫌い。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

62.8 9 絶望でファンタジーなアニメランキング9位
暴食のベルセルク(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (122)
378人が棚に入れました
スキルの優劣が絶対の世界で、無能と蔑まれる少年――フェイトは最底辺の生活を強いられていた。 フェイトの持つスキル《暴食》が、腹が減るだけで全く役に立たない能力だったからだ。 この世界で最上位に位置する聖騎士の一族、ブレリック家に目を付けられ、何かと暴力を受け、雑用を押しつけられる毎日。 唯一の救いは、同じ聖騎士にもかかわらずフェイトを見下さずに接してくれる存在、ロキシー・ハートだけであった。 しかし彼女と共に、城に進入した賊を偶然にも仕留めたことで世界は一変する。 敵の命を奪った瞬間、暴食スキルが発動し、相手の力が自身に流れ込んできたのだ。 そう、フェイトの持つスキル《暴食》は、殺した相手から、スキル・能力を奪い取るという、とんでもない代物であった。 戦う力を得たフェイトは、同じく大罪の名を冠するスキルを持った意思のある剣、《強欲》のグリードと出会い、さらに闘争の世界に足を踏み入れていく。 大切な人を守るため、理不尽な世の中に抗うため、立ちはだかる敵を喰らい尽くすフェイト。 こうして地べたを這いつくばるだけだった少年の運命は、急速に動き始めるのだった――。

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

なろう…ではなくカクヨムか。テンプレ通りですがキャラの心情に共感はできたので印象は良い

スキルが全てな世界で不遇なスキルを与えられて、そのスキルの真の力に目覚めてその状況から逆転、という話はなろう系のテンプレの一つで、もう親の顔よりよく見たと言いたくなるほどありふれた展開ではあります。

ただその中ではクオリティはそんなに悪くないかなと思えました。
作画はややいまいちだったりするのですが、世界観がある程度は存在していそうで。

ヒロインの性格の良さを読心というスキルで見せるなどは良さそうに思いました。
主人公の行動の指針にもなっているしちゃんと有効活用していますね。
主人公もステータスが足りないから魔物と戦ったことも無かった、など行動の理由も納得できたりと、印象はあまり悪くありませんでした。

ただ主人公の暴食、まだはっきりとわからないのですが倒した敵のステータスとスキルを奪えるって仕組みですかね。
まああまりに強力過ぎる、というのは言うまでもないのでしょうかね。
せめて奪えば奪うほど精神に悪影響とかのデメリットがあって欲しいですが。
それでベルセルク化していく、というのならちょっと面白そうです。

で、一番なんだこりゃ、と思ったのは最初の盗賊だかを倒した時に手に入れた鑑定と読心。
この盗賊、そんな便利なスキルを2つも持っていたんですよね?
…え、なんで盗賊なんかやってんの? 悪の道に走るにしても詐欺師の方が遥かに儲けられると思います。
普通に考えたら表の道で商人をやるのが一番成功できると思います。
悪徳商人を殺害する展開にできませんでしたかね?
流石に主人公にスキルを与えるためだけに生まれてきた存在というのは萎えます。
もうちょっと上手くやって欲しい…。

という欠点はあるものの、キャラの心情に共感できたので及第点。
もっと酷いのがいくらでもあるので…。
ちょっと見たいと思いました。まあ強烈に気に入ったというわけではないので、本数次第で諦めますが。

2話感想
キャラの心情がちゃんと描写されていて共感しやすい点、
成長したステータスを剣に食わせることでステータスはリセットされるものの剣が成長する点、などで一応バランスが取れている。
といった部分からやっぱり思ったより悪くなく、このまま見続けようかと思いました。
世のなろう系は全くゲームバランスを無視して、世界を滅ぼす能力で子供の砂山を踏み潰すだけみたいな爽快感も何もない糞つまらん話が多すぎて、これだけで好印象というのもおかしいですけれどね。

まあステータスがリセットされている癖に雑魚を一発で倒せるのはおかしいんじゃないかとか、ちょこちょこ重箱レベルの欠点はあるんですけれどね。

3話感想
毎話感想なんて普通書かないんですが… いやヒロインは可愛らしくデート回、楽しかったです。
でも主人公の正体を隠せる認識阻害の仮面が、露天で普通に売ってるの!?
こんなの絶対犯罪にしか使えないじゃない…。もうちょっと厳重に管理しようよ…。

というわけで、いや基本気に入ってるんですよ。今後も試聴継続です。
でも毎話毎話ツッコミポイントがあるのは、なんでですかね?
それ一つで台無しというほど酷いわけでは無いのですが…。
この調子で毎話ツッコミポイントが入ったら毎話感想を書いてしまうかもしれない。

全話感想
作画はまあ微妙で、ツッコミどころはクオリティの低さかもしれませんが、でも全体的には良かったです。主人公の心情はちゃんと共感できたので。
自己犠牲的に戦う主人公に、メインヒロインと思い合っている所など良かったですね。
普通のなろう系なのですが必要な要素をちゃんと満たしていて、主人公を気に入ることができたので良かったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

どこかで観たことある物語だなぁ…。でも、グリードが良い仕事をしているので多少マシか…。結局、印象の薄いお話でした…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.23

 印象の薄さを最後まで払拭出来ませんでした。結局、主人公の目的がフワッとしており、芯の無い感じの物語でした。

 街の外にキメラやら冠魔物やらの強いのがウロウロしており、大罪スキル持ちの不死身の戦士も暗躍しています。

 できの悪いファンタジーもので良くある、魔物の強さが人類の生存レベル超えている奴です。

 最初の敵だった聖騎士がそもそも大したことありません。お前等じゃ人類護れんだろ?ヒロインのロキシーも、強いのか弱いのか中途半端です。

 主人公の暴食スキルも都合が良すぎる上に、グリードにスキル何%持ってけ!とか言う割にはリスクも不明です。そのため、戦闘に迫力が決定的に欠如しています。

 何か褒めるところが無いっすネ!
………………………………………………………………………

 10話まで観ました。2023.12.09

 ロキシー達一行は、何回も何者かが操るモンスターに襲われ、その度に主人公が助けます。何?この展開…。

 ワンパターンです。ロキシーも、強い敵が何回も出現して、全滅しそうになる前に引き返せよ…。なんで前に進むの?自殺願望でもあるのかな?

 主人公の見せ場を作るのと、ロキシーとイチャイチャするためだけの展開です。原作通りだとしても、工夫がなさ過ぎです。
 
 はっきり言って、退屈です。戦闘も別に迫力があるわけでは無いし、なんかなぁという感じです。

………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2023.11.16

 主人公、ロキシー様を追って旅を続けます。いきなり都合の良いキャラが出てきたりしますが、不思議と許せる気がします。

 私は、物語を観る際に、狂言回しに注目するのですが、本作品では主人公の相棒の喋る剣、グリードが中々に良い仕事をしています。

 物語がカオスになりすぎない様に、状況を説明したり、主人公達を導いたりするキャラがいると、物語は理解しやすくなります。

 ご都合主義展開も、一応の筋が通った説明があれば、視聴者が受け入れてくれる可能性が高くなります。

 地の文で全て説明出来る小説や漫画より、動きのメディアであるアニメにおいては、狂言回し的なキャラがより重要になります。

 前期に放映していた、小説では人気作の7つの魔剣が支配するも、凝った設定とは裏腹に、性能の良い狂言回しキャラが不在なので、いきなり仲間が、実は私ハーフエルフなの〜!、俺フタナリなんだ!とかカミングアウトしたりするものの、誰も拾って解説しないので、だから何?と流されてしまい、意味不明な設定になってしまいます。

 本作品は、狂言回しキャラのグリードのおかげで多少は観られるかなと思って視聴継続しております。

………………………………………………………………………

 5話まで観ました。2023.11.06

 ここまで観ても、盛り上がりに欠けるというか…。冴えない主人公が特殊なスキルをゲットして無双…。

 しかも主人公、残虐さだけは一人前で、悪い奴とはいえ、四肢を切断して嬲り殺しにしたりするのはやり過ぎな感じがします。

 なろうの苛虐性と言うやつですか…。主人公、ロキシー様を追ってガリアへ。

 今までも凄い武器をたまたまゲットしたり、暴食スキルの性能が良すぎたり、主人公に都合の良い展開が続いているので、この調子で行くのかなぁ。あんまり面白くないですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その出会いが運命を変える それは、神の理を越えた禁断の力 その欲望を その運命を喰らい尽くせ

この作品の原作は未読ですが、キャラデザが好みだったので視聴を決めた作品です。
もちろん、事前情報は一切無し。
序盤…特に第1話は胸糞悪い展開が待っていましたね。


スキルの優劣が絶対の世界で、
城の門番であるフェイトは《暴食》という
腹が減るだけのスキルを持ったせいで
最底辺の生活をしいられていた。

しかしある日、城に侵入した賊を仕留めたことにより
世界が一変する──

無能と蔑まれた少年の下克上が今始まる──


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、本来なら平民を守る存在である聖騎士が平民を虐げているんです。
別に何か悪い事をしたわけでもなく、ただ仕事をしていただけで暴力の対象になってしまう…
どうやら殆どの聖騎士はそんな感じみたいですが、全ての聖騎士が横暴な訳ではありません。

この作品のヒロインと位置付けても良いロキシー・ハートは聖騎士の中でも
平民から慕われる存在だったんです。
そしてフェイトは世界が一変した後、遥かなる下克上の先にロキシー・ハートに尽くすことを心に決めて…物語が動いていきます。

孤高の戦士…
服装は黒装束と相場が決まっているんですかね^^;
まぁ、似合っているから良いと思いますけれど…

一方、ロキシー・ハートは、白を基調とした聖騎士の佇まいが美しく気品が溢れている感じも良いと思います。
聖騎士は基本的にみんな同じような恰好をしているのですが、ロキシー以外には聖騎士の装束がとても似合っているとは思えませんでした。
やっぱり狙ってそうしているんですよね…

公式サイトのTrailerでも見ることができるのでネタバレでは無いと思うのですが、フェイトの暴食は「大罪スキル」というモノだったんです。

そして物語の中には、フェイトと同じく「大罪スキル持ち」が登場します。
フェイトの大罪持ちスキルの先輩になるので、その様な立ち回りを見ることができますが、未だ全容は分かりません。
今回登場したのも、憤怒のマインと色欲のエリスだけでしたから…

フェイトとロキシーとの関係もさることながら、大罪スキル持ち同士の物語の展開も今後期待できると思います。
寧ろ、これからはマインとエリスとの接点の方が増えるかもしれませんね。
と言うのも、今回の主題歌はマイン役の松岡美里とエリス役の関根瞳によるボーカルユニット「EverdreaM」が担当することになっており、ここにロキシーは入っていないんです。
考え過ぎかな~^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Jekyll & Hyde」
エンディングテーマは、「青の原石」

1クール全12話の物語でした。
原作の3巻までがアニメ化されたそうです。
続きも気になるけれど、結構キリの良いところまで描かれていましたからね。
続編難しいかなぁ…
でも本編はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

68.9 10 絶望でファンタジーなアニメランキング10位
機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (12)
57人が棚に入れました
宇宙世紀0079年、ジオン公国は地球連邦政府からの独立を宣言し戦争状態に突入した。新兵器モビルスーツの活躍により序盤こそ優位を保ったジオン軍だったが、地球の全面制圧を行う戦力はなく戦況は膠着する。そして開戦から11ヶ月後、東欧のジオン軍占領下にある基地の一つが連邦軍に奪取される。その奪還に向かう混成大隊の中に、宇宙から降りてきたばかりのモビルスーツ小隊、ソラリたちレッド・ウルフ隊の姿もあった――

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

インヴェイダーズ・ナイトメア

ネトフリ製ジオン視点のガンダム各話35分全6話

世界観こそ完璧なまでのガンダムワールドだが、お話的には戦場を舞台にしたパニックホラースラッシャームービーと言っていい。ジオン陣営を軽々と蹂躙していくガンダムがマジで怖い。ジオンは侵攻側なので乏しい資源をやりくりしつつ頑張ってるが、連邦の白い悪魔はひょいっと単騎でやってきては無双アンド無双。目の前で展開される無慈悲な虐殺ショーになすすべもないジオン兵。

撃たれる前にかわす超反応。瞬時に距離を詰める超機動。射程外から貫通するビームライフル。サクサクと機体を刻むビームサーベル。ええい!連邦の〜とか言ってる場合じゃない。一般兵は見たら死ぬ。まさに悪魔。

リアル寄りのCGだがメインキャラはわかりやすいデザイン。軽口を叩く兵士たちによる超人のいない世界観は一般的な戦争映画っぽいノリ。しかし途中で出てくるいかにもマンガっぽいやつがマンガっぽい作戦を指示するのでやや興醒め。クズ上司はずっとクズなのでカタルシスも弱め。ネタバレは控えるがアメリカ戦争映画のラストのように男女がキスしてUSA!USA!にはならないので安心してください。

モビルスーツがカッコよければ良かろうなのだ!

最新機のちょうつよいガンダムに劣勢ながらも現地即席改修機体で足掻くロマンとカタルシス。みんなだいすきグフカスちょーかっけえ。やたらと異次元なガンダムを除いて、ザクやグフはゲームみたいにピョンピョンし過ぎず、かといってアクションを楽しめる程度には鈍重過ぎない調整で画面映えするファンタジーバランス。そもそも兵器が人型である必要ガーなひとはこんなの観てはいけない。

ミリタリー萌えの御仁にはご褒美でしかない映像美。マゼラアタックやザクタンクやガンタンクなどのモビルアーマーはもちろん、AFVは当然としてトラックや輸送車なんかの軍用車両もいちいちカッコいい。眼福。しかし人物のCGは正直もっと頑張って欲しかった。不意に出てきたモロ実写の手で笑う。

幽白は絶望的だがこれは続編作って欲しい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

英語学習用3【役立ち度★★★☆☆】

ガンダムはにわかなので、詳しい設定は知りません。
でも、本作のPVはすごかったので、
本編を観たら、あっという間に6話を観終わりました。

とにかく、映像がやばい。
ほぼ映画クオリティで作成された3D映像は、
ネトフリの潤沢な資金供給がなせる業でしょう。
特に、モビルスーツの動きがいい。
宇宙ではなく地球が戦闘の舞台なので、
重力がある状態でのモビルスーツの動きに
こだわりを感じました。

本作を観ていると、パシフィックリム1を思い出しました。
アニメ的じゃなくて、真面目にロボット工学を考えると
この辺りが説得力のある稼働だよね思わせる点が同じだと思います。
パシリムは、アメリカ映画にありがちなビックリシーンが
あるので、このガンダムはそういうのがない分、
純粋にメカアクションを楽しめました。
(しかも戦闘シーン多め!)

なお、一応英語学習用に全編英語で観ました。
戦争モノなので、専門用語が多くすんなりと理解することは難しい
ですが、英語版をメインに作成されているようなので
映像とのマッチングに違和感はありませんでした。
ネトフリオリジナル作品だと、字幕と音声が合っているので
学習面では助かります。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

anikorepon さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

何か違和感がある……

CGの出来栄えは素晴らしく、細かいディティールは作画作品ではできない領域。
ビジュアルディティールが細かい分、アニメの魔法が解けてしまった感じがしてしまうのが残念なところ。


ガンダムという巨大兵器がリアルな戦闘をする描写は大変よくできていて、一昔前なら絶賛していたかもしれないが、さまざまな部分でCGの限界(予算の都合?)が見えてしまい、いまいち手放しに賞賛できない感じがしてしまった。
(本物の戦場の様子がYoutubeで見れる時代になった時代のせい?)


鉄砲を持っているのにチャンバラをするのはガンダムとしては当然のことなのだが、リアルすぎるCGのために「遠くから撃てばいいのに」などと思ってしまったりしたので、厄介なおじさんになってしまったものだとつくづく思う。


色々と工夫はできると思うが、ガンダムというコンテンツの都合、落とし所としてはいいところに落ち着いたのだろう。


(ボトムズだったら、しっくり来る作品になったかも知れないけど、企画として通らないよね)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1
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