ようす さんの感想・評価
3.6
一人のヤブ医者と出逢ったトナカイの旅立ちの物語
2008年ワンピースの劇場版。
原作でも人気が高い「冬島編」を、
劇場版として改めて制作したものです。
私が観たのは2014年12月にテレビで放送された「2014年特別版」でしたが、
内容はほとんど変わらないと思います。
当時のテレビシリーズの時系列と合わせたためか、
原作ともテレビシリーズとも内容が少し変わっています。
冬島編ではまだ仲間になっていないロビンやフランキーがいたり、
逆に原作では登場していたビビはいなかったり。
登場する敵にもワポルの兄・ムッシュールが増えています。
…どうでもいいキャラですけど、一応今回のラスボスです(笑)
冬島編はかなり好きなストーリーで、
何回読んでも号泣してしまいます。
あらすじも結末もはっきり覚えているのに、
今回も号泣でした(笑)
これまでのワンピースのストーリーを知らなくても、
このエピソードだけを楽しむこともできると思います。
● ストーリー
サウザンド・サニー号で航海をするルフィたち。
そんな中、ナミが高熱を出して倒れてしまう。
医者を求めてルフィたちがたどり着いたのは、医療大国「ドラム王国」。
島にいる“魔女”と呼ばれる医者に会うため、
ルフィはナミを背負って雪山を登ることを決意する。
冬島編の主役はトナカイのチョッパーです。
チョッパーは“ヒトヒトの実”を食べたせいで、
トナカイなのに人の言葉を話したり、二本足で歩いたりします。
チョッパーの愛くるしい姿と、心の闇と、出会えた真の仲間たち。
冬島編は、本当に名場面が多いです。
一つのエピソードを2時間にまとめているので、
たくさん名場面が観れるところは長所ですが、
さらっと流れてしまうシーンもあるのはもったいないところ。
しかし、それでも心に残るシーンが多いのは確実。
それだけこの1つのエピソードの中に、
心に響くシーンが溢れているということですね。
● 感想
ヒルルクとの出会い、
目覚めて食べるパン、
初めてのケンカと仲直り、
ワンピース史上最も美しい出航(だと私は思っている)、
など……
挙げればキリがないほど、名場面で溢れています。
涙も止まりません。笑
バトルシーンは原作よりもかなり少なめですが、
それが正解かと。
冬島編は、ストーリーは秀逸ですが、敵キャラが微妙すぎます(笑)
オリジナルキャラも気持ち悪いです。
ノコノコの実って何よ、もうちょっとひねりなさいよ。
チョッパーへの嫌がらせなキャラ作りとしか思えない。笑
それから、作画。
まあ、普通に観る分なら耐えられなくはないのですが…。
特に途中(ルフィとサンジの合体技辺りから)の作画崩壊がひどい。
劇場の大画面でこの作画を見せられたら、
「満足な作品。」とは到底言えないです^^;
● 音楽
ワンピースのBGMは個人的に大好きなので、
そこは満足♪
【 主題歌「またね」/DREAMS COME TRUE 】
ドリカムもこの曲も好きだけど、
この作品の雰囲気に合っているかと考えると微妙ですね。
原作者がドリカム好きだから、という理由から
この主題歌チョイスになったようですが、
個人的にはそういうチョイスの仕方好きじゃない。笑
アニメや内容に合った曲を選んでほしい…。
音楽とアニメを同時に楽しめるからこそ、
アニソンは魅力的だと思っているので。
● まとめ
冬島編は、敵キャラを除けば
ストーリーもキャラも演出も最高傑作だと思います。
だからこそ、劇場版はもっと丁寧に作ってほしかったな。
好きな作品だからこその、厳しい評価となりました。