管理社会で優等生なおすすめアニメランキング 1

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71.6 1 管理社会で優等生なアニメランキング1位
NO.6 ナンバーシックス(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (1085)
5997人が棚に入れました
2013年、理想都市『NO.6』に住む紫苑は、9月7日が12回目の誕生日であった。だが、その日は同時に彼の運命を変える日でもあった。ふとしたことから、『矯正施設』から抜け出してきた謎の少年、ネズミと出会う。彼を介抱してあげた紫苑だが、それが治安局にばれてしまい、NO.6の高級住宅街『クロノス』から『ロストタウン』へと追いやられてしまう。それから4年、謎の事件をきっかけに彼は様々な事件に巻き込まれ、いろいろな人々と出会う。そして、理想都市が成り立っている裏側にある現実・『理想都市 NO.6』の隠された本質と意図を知っていく・・・。

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

理想郷のような都市の、真の姿と闇に立ち向かう少年たち。

「バッテリー」で有名な
あさのさつこさんの小説を原作とするアニメ。

「NO.6」は児童文学の中でも
青年前期の子どもを対象とした小説だったと思います。

なぜこんなことを覚えているのかと言うと、
中学生の頃「バッテリー」にドハマリし、
あさのあつこさんの小説を読み漁っていたからですw

当時の私は「バッテリー」のような
爽やかな純文学をよく読んでいたので、

この「NO.6」を初めて読んだときは
スリル満点で刺激が強い作風に、もう大興奮でした。

さらに中学校の図書館司書の先生に誘われ、
あさのあつこさんと直接会って話せる機会もいただき!

緊張と口下手さゆえ、
この作品をいかに好きかということをきちんと伝えられなかったこと、
今でも悔やんでいますww


さて、そんな思い出があるもので、
このアニメを見るのは正直かなりためらいました。

小説を読んで傑作だと思った当時の想いを大事にしたくて。
自分が読んで感じた世界観を大事にしていたくて…。

今でも覚えているあの時の興奮や、
なんとなく抱えている登場人物たちの像を
壊してしまうことになるのではないか…。

そんな不安があったからです。

結論としては、
見て後悔はありませんでした。

もちろん、初めはキャラデザに違和感ありありでしたけど。
印象的だと思っていたシーンもあっさりで拍子抜けでしたけど。

だけど、久しぶりにストーリーに触れて
あの時感じた面白さは本物だったと確信が持てましたし、

やっぱりこの作品が好きだな、と改めて思えました。

原作より簡略化されている印象だったので、
今度原作も読んでみよう♪
(中学卒業後は本から離れてしまったため、
 この原作も読むのを途中でやめてしまっていたので…^^;)


前置きが長くてすみません^^;

全11話です。


● ストーリー
NO.6(ナンバーシックス)と呼ばれる近未来都市。

都市の英才教育を受け、何不自由ない生活を送ってきた紫苑(しおん)。
しかし、そんな生活にどこか満たされない気持ちも持っていた。

ある嵐の夜、
犯罪者として追われていたネズミと名乗る少年を部屋にかくまう。

その出会いが、
自分に足りない何かを満たしてくれた気がした。

そして数年後、
紫苑はネズミと再会を果たす。

この都市の謎、迫る恐怖に対する真実を求めて
ネズミと共に歩む道を選ぶ。


小説全9巻に対して、11話と話数が短いので、
きちんと終わりを迎えられるのか、とても不安に思っていましたが、

11話できれいに収まっていました。
もちろん、省略されているエピソードもたくさんありますが。

それでも十分面白かったと思います♪
引き込まれたし、続きが気になって仕方がありませんでした。

毎回、EDの曲を使った引きも上手だったしなー。


≪ 友情を越えた感情 ≫

あさのあつこさんの小説は、
男の子2人が主人公な作品が多い気がします。

この「NO.6」もそうです。
紫苑とネズミ。

みんなが幸せに暮らせる理想論を大真面目に語り、
ネズミと分かり合いたいと願う紫苑と、

現実の厳しさと理想論だけでは生きていけないことを知っているが、
紫苑という人物に惹かれてしまうネズミ。

天然で素直な紫苑と、
紫苑を大切に想う気持ちを認めたくないツンデレなネズミw

あさのあつこさんは
ただ単に男の子の友情が好きなだけかもしれませんが、

私はいつもBLな空気を感じ取ってしまうんだよなー。笑

今回も友情を越え、親友を越え、
さらなる強い絆を感じました。笑

とても自然に世界観に取り込まれているので、
違和感はないのですけどね。

むしろ、
2人の強い絆を強く感じられるのですけどね。


≪ NO.6という都市 ≫

NO.6は徹底した管理社会。

少しでもNO.6に対して忠誠がない思われる存在は、
処分の対象となる。

一見あらゆることに満たされているような生活だけど、
裏では精神的な束縛がある。そんな社会です。

日本もいつかこんな社会になってしまうかも…と
ゾッとするようなところがあります。

原作の1巻が刊行されたのは15年ほど前ですが、
その時から日本の社会情勢も変化しています。

例えば共謀罪法案。
例えば道徳の教科化。

「ここにはこんな恐怖が…。」という話を聞きますが、
結局私には難しいことはよくわかりません^^;

だけど、考えることをやめ、政治への関心がなくなり、
何でも思うようにさせていると、

気が付いた時にはNO.6のような社会になっているかもしれないな、
という恐怖は感じました。


● キャラクター
原作を読んだとき、
私はキャラクターに強く惹かれました。

それは恋とか、ときめきとか、
そういう惹かれ方ではなく。

紫苑には柔らかさの中の強さ、
ネズミには影の中の信念と優しさ。

それは、アニメの中でも感じることができました。
そしてやっぱり、2人に惹かれました。

紫苑(cv.梶裕貴)とネズミ(cv.細谷佳正)というキャストもよかった♪

ネズミの歌声、
とてもよかったわー♪


● 音楽
【 OP「Spell」/ LAMA 】

嫌いではないけれど、
特別好きでもありません。笑

作品の世界観には合っているかな。


【 ED「六等星の夜」/ Aimer 】

私はこちらの方が好きでした♪

毎話、切ない終わり方が多かったので、
その切なさをより引き立てていた曲だと感じました。


● まとめ
やっぱりストーリーが面白いなと再確認。

アニメだと展開がさくさく進むので、
むしろ見やすくてよかったかも♪

最終話を観終わった後は、
なんともいえない余韻でいっぱいでした。

いい作品だったとは思う。
だけど物足りないもどかしさもある。

その物足りなさは、もっともっと、
最終話で感じた余韻に浸っていたかったからかもしれない。

後日談があればよかったのになー、と思っていたら、
どうやら後日談はアニメ化の後に刊行されていたのですね。

気になります!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

外部から内容を補完しないと感動できないって・・・(>o<")

■NO.6ってどんなアニメ(*゚・゚)ンッ?
「NO.6」ってなんの事だろう・・・っと思いつつ見始めました!
ジャンル的には近未来SFという事でしたね♪
そして背景はというと、世界が荒廃した後に、人類は6つの理想都市でやむなく生活することになったのです。
そんな6番目の都市「NO.6」では住民を完全管理して住民に安全で不自由のない生活を与える反面、少しでも疑問を持った住民に対しては非人道的な処置を行うような裏の顔を持った都市でもあったのです。
そんな管理社会に疑問をもったNO.6の外に住む住民とNO.6の治安局との対立と、殺人蜂の事件から愛するものを守るために立ち向かう主人公のシオンと、NO.6に憎悪の念を向けるネズミという少年との出会いからお互いに変化する心情を描いた壮大な世界観の物語なのです♪
 
 
■前半までみた感想なのですよ(*^o^*)
1話はプロローグって感じなので、2話でいきなり4年後のお話になっちゃうので本格的な本編はここからですね(>o<")
なので、1話で切ってしまうというのはやめたほうが良いような気がします♪
 
印象的には近未来SFという事で、設定自体はありふれている感じですよね♪
なので、力で押さえつける社会に立ち向かう構図に「またかっ!」って思う人もいるかもしれませんけど、アタシσ(゚-^*)は嫌いじゃないですし、ベタとも言う設定の中でどれだけの個性を表現できるかに注目していきたいと思っています♪
 
そしてこの作品でよく耳にする「BL」やら「ホモ」についてはまったく当てはまらないと思います!
もともとアタシσ(゚-^*)自身が「BL」苦手なので、この作品を後回しにしていた原因だったのですけど、いざ見始めたら何てことはありませんでしたよ♪
シオンとネズミの出会いが、お互い自分では今まで気付いてなかったけど、心の奥底で求めている物を持ってると感じたから惹かれあって、それが「性的な愛」ではなくって「家族愛」的な感情だったのではないかと思いました。
なのでそんな愛を表現した描写がちょっとそれっぽく感じられるのかもしれませんけどね♪
*** 追記 start ***
って思ったのですけど・・・最終回を観て前言撤回です♪
キスシーンの手の添え方は・・・ゾクッと鳥肌が・・・私的にアウトー!!でしたΣ( ̄ロ ̄lll)
*** 追記 end ***
 
とにかく、ちょっとダークで壮大な世界観と、その中で自らの運命に抗うように行動を起こすシオン達の心理描写が丁寧に描かれている印象なので、後半に向けての展開にも大いに期待が持てますね♪
 
ネズミが「シェイクルピア」の『マクベス』が好きだっていう設定もちょこっと注目してみたいです♪
宿命の名の下に自らの野心と罪を正当化して、責任を免れようとしたマクベスの弱さから、自ら悲劇を招いたような内容の物語なので、ネズミがどのように感じて好きになったのかも何気なく注目していこうと思ってます♪
 
後半に向けて、殺人蜂の謎が何なのか、サフちゃんはどうなるのか、そしてシオンとネズミの関係は今後どのような方向に向かっていくのか、見所が多いだけに楽しみですね♪
 
 
■総評(最終回を観終えて♪)
作品としても・・・物語としても・・・残念な結末になっちゃいまいたね(>o<")
全体的に感じた印象は自ら課した壮大な世界観や設定を生かしきれずに終わってしまった感じです!
そもそも、1クールで纏められる内容ではなかったって事でしょうね。
特に最終回を見終わって、(゚Д゚) ハア??って思ったので、色々内容を見直し補完した上でもう一度最終回を見直しました∑(; ̄□ ̄A アセアセ
その上で、パチッ☆-(^ー'*)bナルホドそういうことかって、やっとジーンと感じることができました!
 
この作品の肝でもある、『ネズミ』と『森の民』と『エクステリア』と『NO.6』の関係や、と『サフちゃん』と『エクステリア』の間で結ばれた約束など・・・その他たくさんの大切な部分の描写がごっそり抜けているような気がします!!
それと、シオンとネズミの関係も、最後の結末に行き着くまでのプロセスでそんなに力をいれて描く必要があったのかも疑問です、微BL臭と言う中途半端な描写をするならもっとクローズアップするところがあるでしょって“(`(エ)´)ノ彡☆ プンプン!!しちゃいました!!
途中まではよかっただけに・・・あぁ~もったいないって印象です♪
 
それと、原作は読んでないですけど、おそらくこの作品は原作小説で楽しむべきなんだと悟っちゃいましたw
原作小説を読んだことのある人のレビューを読んでみたいですね(>o<")
 
 
■MUSIC
OP曲『Spell』
 歌:LAMA
 ナンバーガール・SUPERCARを知ってる人には嬉しい曲ですね。
 シンセの音色が心地よいオルタナ・ロックでこの曲を聴いてNO.6を観る決意をしましたw
 
ED曲『六等星の夜』
 歌:Aimer
 Aimerさんって1st singleがこの曲だったのですね♪
 ちょっとハスキーなボイスが切なさを感じさせるしっとりしたナンバーです♪
 
2011.09.04・第一の手記
2011.09.17・第二の手記(追記:総評/MUSIC)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 61
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

目に映るものは記号に過ぎず、それだけではその真意まではわからない。

長い時間をかけて行われた戦争による被害と損失は大きかった。残った大地は六つに分けられ、初めから立て直された。
その一つである「NO.6」。
そこは徹底された管理社会を築かれ、思想が制限された「平和」のはびこる理想的な秩序正しき街だった。
その街で突然人が変死する事件が相次ぐ。しかし、その事件はまったく世間に公表されない。
数日前にその変死体を発見したシオンはそのことを疑問に思い仕事の先輩に口にする。
なぜだろうと。もしかしたら治安局には公表できないような何かがあるのかと。
その疑問に端を発し、シオンの身の回りは急変する。
揺らいだ忠誠を追われ、ネズミという少年に再会する。
今まで身を委ねてきた社会に良からぬ影を見たシオンは、この社会に一体何を見るのでしょうか。

こういうの大好きです。ディストピア。
この作品は低評価を受けています。僕はとっても面白かったのですが。

この作品の主人公はシオン。
彼は芯が通っていて自分の弱いところも認められる柔軟な思考をしていてる。
とても頭が良いけれど、どこか抜けていてそれで損をしているような人。
けれど、その利害に囚われない性格はある種、人を落ち着かせてあげられるような温かい精神の持ち主とも言えます。
そんなシオンが好きです。とっても良いです。力を貸してあげたくなる感じがいいのかな。サフは良い人を選びました。

そのシオンとネズミの友情は形容し難く、でも決して同性愛ではありません。
言うならば、信用の基に成り立った愛だと僕は思いました。その根底には互いの尊敬があるのでしょう。
それに、そんなにBL、BL言うほど気になるものでもないし、性的な感じは一切ありませんでした。
まあ確かにやり過ぎた描写ではあるけれど、どういった意味なのか見定める必要はあるし、
過剰に反応するよりかはふーんと見逃して、話の方に集中する方が良いと思います。作品自体は面白いのだから!
そこに流されて作品が伝えようとしているものを受け取らず、映ったままを間違った意味として
理解してしまうと作品を自分でダメにしてしまうことも少なくありません。BL作品ではないことは確かです。
まあ読んだことないからそれがどういうものかもわかりませんが。
話は反れるけど『マリみて』が百合というのも、百合好きな僕なのだけれど理解できません。
その辺は見解の相違ですね(大蛇丸風にw)。


ストーリーも凝っていて非常に見ごたえのある作品でした。
特に人間の描写はとても上手でした。彼らの話す会話の内容も、また行動も興味深く観ていて面白かったです。
完璧に整備された「綺麗な」街がだんだんと奇妙に見えてくる感じはとても好き。サフがベンチで疑問を持ったシーンは特に良かったです。

なにかに疑問を持つ。なんにでも「うんうん」頷いてちゃいけない。
「正しさ」は曖昧で、「正義」は捨てるほどに掲げられる。
そこに全ての意識を預けてはいけないし、奪われてもいけない。
目に映るものは単にそれであるだけ。
限りなく知ることだけが真実に近づける(もちろん真実というのはひとつではない)。

{netabare}

ラストは確かにちょっとアレでした。
確かに訳のわからない力で無理やりにストーリーを追い進めたけど、その意味は分かるので
僕は問題なかったかなとも思います。というか、それまでの話は良かったのだし、
人々の描写、特にシオンとネズミに関しては描き切れていたので個人的には満足でした。
生き返っちゃうのは僕も、えーと愕然としましたが、終わり方が良かったのでまあいいんじゃないかな。

最期、シオンとネズミは別れてしまいました。
あれ歯がゆい!一緒にいてほしかったなあ。
別れる意味があったのかな?そのまんま一緒にいてもいい気がしたんだけど。
まあお話としてはその後の再会の日がきっと新たなNO.6の誕生なのでしょうね。
別れで終わっておきながら「再会」の尊さを僕は感じました。

作中ではたくさん人が死にました。
どうしてサフは死ななくてはならなかったのでしょう。生きていてほしかったです。
僕はとてもサフが好きでした。
自分でちゃんとものごとを考えて生きているとことか、シオンのことを切に想うところも好感が持てます。
それもサフは恋愛における人の行動を知りながらシオンのことが好きというのもなんだか不思議です。
サフがシオンに言った「私とセックスして。」というのも別にこれといって嫌な感じはなかったです。
なぜでしょう。なんかそういうのってありますよね。殺すにはあまりにみ惜しかった。


目に見えているものが全てではない。これに気付くのは難しいです。
それを見ている自分だって怪しいのだし。
でもその危険性は本当に計り知れないと思います。知らぬ間に騙され、どんどん蝕まれていく。

なにかに囚われず、身を委ねることなく、たとえ砂嵐の中でも自分の足で歩いていけるように努めていきたいものです。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
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