童話でファンタジーなアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の童話でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月12日の時点で一番の童話でファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.6 1 童話でファンタジーなアニメランキング1位
劇場版 メイドインアビス -深き魂の黎明-(アニメ映画)

2020年1月17日
★★★★★ 4.2 (542)
2361人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い…

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、森川智之、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

妥当な構成と不適当な導線

2020年1月公開 105分でR15+指定


導線が悪いと思います。同時期で楽しめてる我々ではなく後続の方々にとって。
新作劇場版はTV版1期の続編にあたります。そして予定している2期はこの劇場版の続編になる模様。

 1期⇒劇場版⇒2期

矢印の変更やスキップはNG。1期は劇場版を楽しむための、劇場版は2期を楽しむためのそれぞれ必要条件が確定してます。しかもこれ以外に総集編映画が存在してたりと、視聴順が分かりづらく極めて不適当かと思います。
劇場版飛ばして2期観てしまう方が続発することでしょう。それ以前にやや混み入ってくると二の足を踏んでしまうものです。それが勿体ない。せっかくの良作なのにハードルが設置されてしまいました。


まあでも異議申し立てはそれくらいで、劇場版を続編としたことは極めて妥当な判断でもありました。劇場版として切り取る必然的な理由があったからです。
こと“冒険アニメ”に関しては私の浅いアニメ歴上この『アビス』ほぼトップクラスといってよい。
まず美術が素晴らしい。層を下がっていく度に景色が変わり、そのどれもが初めて見る光景だったり。さらに戻るべき場所オースの街も手抜きなしで描かれていることを地味に評価してます。
次に立ちはだかる困難が容赦ありません。“命がけの大冒険”を地でいくとこんな感じになるんだろうな、の説得力がそこにあります。
最後に探窟家のメンタリティがいかにもな感じでぶっ壊れています。
途中出会う人も先人もそして主人公のリコも。

{netabare}一層 : アビスの淵  深度0mから1350mの空間を指す。上昇負荷は軽い目まいと吐き気
二層 : 誘いの森   1350mから2600mの空間。上昇負荷は重い吐き気と頭痛、末端の痺れ
三層 : 大断層    2600m~7000m。二層に加え、平衡感覚に異常をきたし、幻覚や幻聴を見る
四層 : 巨人の盃   7000m~12000m。全身に走る激痛と、穴という穴からの流血
五層 : なきがらの海 12000m~13000m。全感覚の喪失と、それに伴う意識混濁、自傷行為
六層 : 還らずの都  13000m~15500m。人間性の喪失もしくは死。詳細不明{/netabare}

普通は一層すら勘弁です。そこを「憧れは止められない」で行けてしまうのが探窟家なんでしょう。
おさらいすると不動卿オーゼンの『監視基地』は二層。ナナチの住処四層は、リコがタマウガチに襲われミーティを送った場所であり、1期の終了地点でもあります。
そして五層『前線基地(イドフロント)』に待ち受ける黎明卿ボンドルド(CV森川智之)とのあれやこれやが劇場版で繰り広げられる物語となるわけでした。

このボンドルドがもう強烈過ぎて劇場版に押し込んだ感があるんですよ。
一大絵巻としての冒険物語がTV本編です。冒険というのは山場やポイントがあって、その一つ始めの関所にあたるのがオーゼンのとこ。オーゼンもだいぶユニークでしたが、二つめの関所の主ボンドルドには一人で根こそぎ持っていかれてしまいそうです。丸くなる前の野生爆弾くっきーが場を荒らしまくって後は一面焼け野原みたいな。冒険物語がバトルアニメに変貌してしまう怖さがありました。
全13話なりのバランスを崩しかねない存在それがボンドルド。ということで流れのあるTV本編からは切り離してリコたちに対峙させたのでしょう。動きも大きくなるのでスクリーンが映えます。

六層は還らずの都。上昇負荷は人間性の喪失もしくは死。目下リコ・レグ・ナナチの三名は五層なう。その五層には六層に行くため必ず通過しなければならないポイントがありそこにはボンドルドが鎮座。
因縁の深いナナチや一緒にミーティを送ったレグとリコにとっても激突必至です。果たして無事六層に向えるのか?動きが映える劇場版とか言っちゃってるのでドンパチはあると思っていただいてけっこう。

澄み切った悪意なき悪とはもっとも手が悪い。
人間でも善行を行ってると固く信じている時に最も残虐になれるのです。

冒険にとって必要不可欠なエピソードでありながらあまりにも規格外な存在であるため劇場版に押し込められた黎明卿をぜひご堪能ください。おそらく原作者の異常性癖がこれでもかと出ております。
あ、位置付けの話だけで文字数を取っちゃいました。



※ネタバレ所感

■1期のラストから

{netabare}「おや?反応が消えていますね」
「おめでとうナナチ。ついに成し遂げたんですね。」
「あなたにはたくさんのお礼が言いたい。是非ともまた会いたいですね」

1期第13話のラストのラストは黎明卿の不穏な一言で締めでした。
遡ることちょっと前。昏倒していたリコはミーティのお陰で戻って来られてましたね。

「私がずっと見てきた探窟家たちと同じ憧れにあふれた目」

リコの目に移ったミーティです。{/netabare}

{netabare}この劇場版で憧れを止められなかったもう一人の女の子が加わりましたね。これで五人パーティです。
ミーティを送って生への執着が無くなりかけてたナナチも「冒険が楽しい」と言いだしました。{/netabare}

これ以上ない2期への申し送りではないでしょうか?


一言
{netabare}ナナチとボンドルドの顛末はあれで良かったのだろうか?特にナナチ。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

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2020.10.31 初稿
2021.08.28 タイトル修正

投稿 : 2025/03/08
♥ : 58

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「喜びしか知らぬ者に真の祈りは産まれません」。夢と祈り、その果てにあるものは…。

幕張でほぼ満員の中で鑑賞。流石は劇場版!なスーパークオリティーのかなり原作に忠実な映像化。故に原作の良いところも悪いとこも出てる。


原作の時点で思ったが、一番美味しいトロなエピソードになりそうだったのに、この幕切れは少々勿体無い。プルシュカの件もだが、単行本ならもう一冊、映画ならもう30分くらい尺が必要だったかな。


しかし、全体的にはやはり最高にサイコー!。特に戦闘シーンは、ちゃんと燃えるセットアップが出来てるからこそ超絶作画で上がる。


特典でミニカレンダーがもらえるとは豪華やし、EDはなんと表現していいか水墨画がヌルヌル動いてるような凄まじい出来映えで、これどうやって作ったのか撮影したかもよくわからぬ逸品だ。


原作ファンなら当然見に行くとして、アニメのみの人はまぁ言わなくてもわかってるだろうが覚悟して見るべし。


ボンドルドは、あたしの好きな「ガンソード」の鉤爪の男くらい好きな悪役なので、イッちゃってる悪役好きには見逃せない。


それにしても、結局ボンドルドの真意は明らかにならずで、その辺が後々きいてきそう。


次の2000年、祈手、お祈り骸骨、「喜びしか知らぬ者に真の祈りはうまれません」、祈る手の形な白笛、たぶんこれらはみんな繋がってるだろう。


さらに、ボンドルドのオブセッションが祈りなのは明らかだ。これらのことから彼は単なるマッドサイエンティストなんじゃなくて、大きな目的があってやってるうちにあんなことになっちゃったんじゃないかな?。大いなる絶望の果に、あんな存在になっちゃった…だったらより好きになっちゃう。


原作でたぶんその辺も今後明らかになって、ボンドルド倒しちゃったことに後悔、あるいは彼に対する気持ちがより複雑になりそう。


オススメ動画「カートリッジの作り方」、ワクワクさんとゴロリの有名動画のパロディー。ナナチ「こんなの作りたくないよ!だ」。


「メタルインアビス」、クソ映画界の雄メタルマンの博士とボンドルドの夢のマッドサイエンティストコラボ。「本当に申し訳ない」。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 52
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

新しきボンドルド

キネマシトラス制作。

隅々まで探索され尽くした世界で、
唯一残された秘境の大穴アビス。
アビスの不思議に満ちた姿は、
幾多の人々を魅了し冒険へと駆り立てる。

いざボンドルドの待つ深界五層へ。
レグ、リコ、ナナチは冒険を進める。

深界五層は探検隊の前線基地である。
そこには奈落へと誘う祝福の祭壇がある。
六層の上昇負荷は人間性の喪失、または死、
ここから先は決して戻れない旅であるのだ。

劇場版として完成度は高い。
評価が高いことは認めざるを得ないが、
少しばかり物語が定型化しているのでは。
{netabare}悲劇の種は結局のところ、
似たような人物を造形するのだろうか、
ヒト在らざるボンドルドの矜持が響かない。{/netabare}
しかし常軌を逸した人物だけが、
この場所に踏みとどまれるのかも知れない。

{netabare}またもや悲劇は繰り返され、
それが最後の試練であるかのように、
思わぬかたちで審判が下され幕が下りる。{/netabare}
勇敢なのか、無謀であるのか、
奈落の底に黄金郷があると信じて、
人をまた冒険へと駆り立てるのだろう。

ナナチには幸せになって欲しい。
レグもリコも知りたかった真実に、
辿り着いて欲しいと願います。
メイニャの存在がどこか救ってくれた。

どちらにしろ旅の無事を祈るばかりです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 51

72.7 2 童話でファンタジーなアニメランキング2位
銀河鉄道の夜[グループ・タック](アニメ映画)

1985年7月13日
★★★★☆ 3.9 (116)
524人が棚に入れました
宮沢賢治の同名小説をますむらひろしがマンガ化し、それを原作として映画を制作したファンタジー。登場人物のほとんどが猫の姿で描かれている。監督は杉井ギサブロー。音楽を元YMOの細野晴臣が手掛けた。まだ小さいジョバンニは苦しい家計を助けるために、学校が終わってから町の印刷所で働いている。遠洋漁業に出ている父が帰らないこともあり、クラスの友だちからいじめられたりもしている。星祭りの夜、ジョバンニは届かなかった牛乳をもらうため、町はずれの牧場へ行き、そこで夜の空から突然降りてきた行き先の分からない汽車“銀河鉄道”に乗ってしまう。汽車にはすでに幼なじみのカンパネルラが乗っていた。ふたりは廃墟の駅“白鳥ステーション”で古代の動物の骨を発掘している現場を見たり、氷山に衝突して沈んだ豪華客船の乗客だった少女らに出会ったりしながら、不思議で幻想的な銀河の旅を続ける。だが、巨大な十字架の前を通り過ぎたとき、カンパネルラが思わぬ告白を…!?

声優・キャラクター
田中真弓、坂本千夏、堀絢子、一城みゆ希、島村佳江、槐柳二、八代駿、新村礼子、大塚周夫、菊池英博、渕崎ゆり子、中原香織、梶哲也、青野武、倉崎青児、仁内建之、納谷悟朗、金田龍之介、常田富士男
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

幻想的なFantasy

今まで金曜ロードショーで観ようとすると終わりの10分前だったということが2回あり、初めて最初から最後まで観ました。
(スカパーキッズステーションの映画特集ありがてぇ・・・)

序盤の30分がイマイチ集中出来なくて、
「何故登場人物ネコなんや・・動物ばかり・・あ、いつの間に人間いた」
なんて、感じで観ていましたが、これでジョバンニやカンパネルラが人間で描かれてたら少し生々しくなるかなと思いました。(これで良かった)

銀河鉄道の夜の影響を受けた”輪るピングドラム”に影響され視聴しましたが、他にも影響を受けた作品が沢山あるほど、影響力のある作品だと存じます。
感情の起伏や物語の起伏、展開が激しい作品ではなくて、
あまりに感動して号泣するとかは無いかもしれませんが、
不気味ながらも幻想的で優しいBGMから始まり、別れを激情的に描きながらひっそり静かに終わるストーリーが心に焼き付きます。

紅い苹果が出てくるシーンを見てあまりにも美味しそうで、途中中断してスーパーに買いに行って苹果を切って齧りながら観たほどです。
{netabare} やけて死んださそりの火のエピソード(蠍の火)や車窓に現れた石炭袋、ジョバンニに別れを告げるカンパネルラのシーン、胸に迫るものがありました。{/netabare}

プラネタリウムで”銀河鉄道の夜”を楽しめるそうなので近々行ってみます。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 26

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

宮沢賢治に出会わせてくれたアニメ

宮沢賢治の童話が原作の劇場用アニメです。
私は小学生の頃にBS2で観たのですが、当時はこのアニメのイメージに圧倒されて、
「注文の多い料理店」や「よだかの星」など宮沢賢治の童話を読み耽ったものです。


このアニメは登場キャラクターの9割は猫の姿で描かれていますが、
残り1割として列車で席を同じくする姉弟とその家庭教師が出てきます。
彼らが銀河鉄道に乗車した経緯の中に現実的な描写が多い分、
他のキャラクターとイメージの対比が出来て、幻想的な世界観を
構築するのに一役買っているのではと思いました。


作画は、日常シーンは少しパッとしない感じがありますが、
銀河鉄道乗車後のシーンはセル画アニメの吸い込まれるような美しい色彩で表現されていて、
鳥を捕る人や南十字のシーンはレビュー前に観直すまでしっかり目に焼き付いていました。
劇中の音楽も映像の独特の雰囲気にしっかり合っています。


物語はジョバンニ(CV:田中真弓)とカムパネルラ(CV:坂本千夏)の二人を中心に描かれます。
全体を通して落ち着いた表現のアニメですが、命の廻りや本当の幸せがどこにあるのかを
真摯に描写しているストーリーに引き込まれました。
南十字の駅を過ぎてからのシーンはやはり涙腺に訴えかけるモノがあります。
特にジョバンニの叫びが哀しく響きます。


「銀河鉄道の夜」を知る人、知らない人問わず、オススメしたいアニメです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 13

キスショット☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今見ても

宮沢賢治、原作。
しかし、作者逝去のため未定稿の作品。

初めて見たのは、幼稚園のころだったと思う。

そう思うと、約20年以上前に観た時の印象は、
わけわからない!
暗くてこわいし、
結局、友達のカムパネルラは、死んじゃったってこと??

だったと思う^^;


最近、猫が列車にのる映画なんだったかなぁと、思い出したのが銀河鉄道の夜で、再度観ました。

が、子供のころの印象と何もかわらなかった・・・(私が成長してないのかな?笑)

というか、よくわからない描写だらけで、理解にくるしむ。

結局、友達がテーマなのか、孤独・死・幸せ。のどれもがテーマなのか、深いとも言えるし

分け分からない感じにして、人によって、様々なことを読み取ってほしい。ということなのか。

なんとでも考えれる作品といえるかなぁと

明治、昭和の時代の小説家は、有名な人が多いけど、私としては、何が言いたいのか、よくわからないことが多いので、これもその一つかな。


余談。
現代と、100年ぐらいしか違わないのに、使ってる言葉は、ちょっと違ったり、言葉の意味が違ったりと、それだけで色々考えさせられるって、なんか、おもしろいですね!

投稿 : 2025/03/08
♥ : 13

57.0 3 童話でファンタジーなアニメランキング3位
グスコーブドリの伝記(アニメ映画)

2012年7月7日
★★★★☆ 3.3 (59)
284人が棚に入れました
グスコーブドリ(ブドリ)はイーハトーブの森に暮らす樵(きこり)の息子として生まれた。冷害による飢饉が招いた一家離散、火山噴火の影響による職場の閉鎖などといった苦難を経験して育った彼は、イーハトーブ火山局の技師となり、噴火被害の軽減や人工降雨を利用した施肥などを実現させる。ところが、ブドリが27歳のとき、イーハトーブはまたしても深刻な冷害に見舞われる。火山を人工的に爆発させることで大量の二酸化炭素を放出させ、その温室効果によってイーハトーブを暖めよう。───ブドリは解決法としてそのように提案したがしかし、彼の案を実現するためには自らの犠牲を覚悟した誰か一人が最後まで火山に留まる必要があった。年老いたペンネン技師が最後の一人になろうとするが、ブドリはそれを引き止めた。そうしてブドリは、皆に黙って自分が最後の一人として残る。決死のブドリが火山を爆発させると、見事に冷害は食い止められた。イーハトーブは救われたのだった。

声優・キャラクター
小栗旬、忽那汐里、佐々木蔵之介、榎本明、草刈民代、林隆三、林家正蔵

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

雨ニモマケズ 風ニモマケズ

宮沢賢治原作の物語。

雰囲気はジブリに近いものがあったかな。

途中で何回か出てくる,「雨ニモマケズ」の詩。

これが,このアニメの主題なのかなと思います。

「そういう人に,私はなりたい。」

世界観は大好きです。

宮沢賢治独特の,意味がよくわからない世界観も感じることができました。
↑誉めているんですよ!それが好きなのです。


●ストーリー
イーハトーブの森に暮らす,ブドリとその家族。

とても幸せな家族。

しかし,何年も続く冷害によって家族は離れ離れになってしまう。

森を出て,旅をするブドリ。

あらゆる場所で出会った優しい大切な人たち…。

1人の少年の決意と勇気の物語です。


●タイトル
この映画のこと何にも知らなくて,とりあえず「宮沢賢治原作」という言葉だけで見ようと思いました。

「グスコーブドリの伝記」というタイトルだけでは,一体何の話なのかちっとも想像がつかず…。

見終わったら,このアニメにふさわしいタイトルを考えてみよう,なんて思っていました。

でもね,見終わった今では,「グスコーブドリの伝記」が1番ふさわしいタイトルだと思っています。

宮沢賢治に勝てるわけがなかった!笑

グスコーブドリ=主人公・ブドリの本名。

伝記=個人の記録。

うん,ぴったり。

そういうお話です(笑)

原作は読んでいませんが,原作のあらすじを読んでいると,どうも削られているシーンが結構あるみたいですね。

ラストもかなり省略されています。

1番印象強いだろう,と思われるところが省略されていて…。

人の生き方について1番考えさせられる場面のはずなのに。

個人的にはとても残念でした。


●キャラクター
登場人物は,全て擬人化されたねこです。

ねこが嫌いな人にとっては,見るのは辛いかもしれません(笑)

そしてあまりかわいいとは言えない…。

なんでねこなんだろう?

ちなみに,私が見た映画は2012年版でしたが,1994年版もあるみたいです。

そちらは,人間がキャラクターです。

台本も違うようなので,ぜひそちらも見たいなあと思っています。


●音楽
もうね,始まったその時から引き込まれました。

素晴らしい!!!

テーマ曲がいいなー。サントラ買おうかしら…。

主題歌は,小田和正さんの「生まれ来る子供たちのために」。

これがまたいい曲。

この曲聴きながらアニメの映像見ているだけで何度もこの世界に浸ることができます。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 13
ネタバレ

千秋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

操り人形のような無機質な猫

キャラクターは二足歩行の猫たちの世界。猫がやたらと無表情…。
ファンタジックにしたいからかなーと思いながら見てましたが、猫以外は作画が本当に綺麗なのですよ。そして音楽もきれい。それだけでも見る価値はあるかも。

内容は…どんな話かわかりません!表面的なことはわかりますが。それすらわかりづらい作り。
う~~ん、ひねり過ぎて意味不明になった、ある国の昔話みたいな。
原作は宮沢賢治の代表的な童話の一つだそうですが、だいぶ脚色されてそう。

夢でも見てる設定かな?と、意味不明のまま話は進み、各キャラの役割や行動心理は不明のまま。
{netabare} ~人攫いネコは死神みたいなものなのかな?{/netabare}
{netabare} 具体的にどのように犠牲になり、それがどのように影響したのかという事は見せず
何故か丸く収まっちゃった{/netabare}オチで更に評価下がった。
原作知ってたら言わんとすることはわかるのかな?でもそれじゃ意味無い。
この映画単体でわかるようにしてくれなくっちゃ。
この作品は良く言えば幻想的なので、意味を深く理解しようとせず雰囲気を楽しむ程度に見たら良かったかな~と、後々思った。

ちなみに主人公ブドリの声優が小栗旬。暫く気づかなかった。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 13
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

どうしても『銀鉄』や『中村監督版』との比較になってしまいますが、改めて痛感する【物語の古臭さ】 そしてネリが可愛くない;

ご存知、宮沢賢治の代表作にして賢治の作中で度々描かれる理想郷『イーハトーブ』が舞台のファンタジー
森の中の丸太小屋に住まい、暖炉の前でパンとスープを食して一家団らん・・・そんな世界観の作品です


1994年に中村隆太郎監督が手掛けた旧作は学校の道徳だか国語だかの授業中に見せてもらいました
というのもこのグスコーブドリの伝記という作品は、作家としての賢治の代表作であると同時に、勉学に励みその知識を民衆に役立てるために働いたという賢治自身の体験談が数多く残されており、また『雨ニモ負ケズ』精神に代表される自己犠牲愛が色濃く出ている自伝的な作品でもあることで有名だからです


今作は一時期、制作の中止を危ぶまれましたがお国からの支援もありナントカカントカ完成に漕ぎ着けたようです


今もなお名作と名高い『銀河鉄道の夜』(http://www.anikore.jp/anime/3243)を手掛けたスタッフが再集結
銀河鉄道の夜に引き続き、ますむらひろしがキャラデザした猫の姿をしたキャラクター達によってお話は描かれます


上記の『銀河鉄道の夜』や『中村監督版ブドリ』は率直にオススメしたい作品なのですが、今作はハッキリ言って微妙です;


擬人化された猫のキャラクター達はなんかやたらコミカル調にデフォルメされている印象
その割りに賢治独特のまわりくどい言い回しと杉井ギサブロー監督お得意のしつこい尺稼ぎだけは相変わらず健在
音楽はマーチやワルツっぽいリズミカルなものが目立ち、ひょうきんな雰囲気が醸し出されていて怖いシーンでもあんま怖くない
イーハートーブの終点駅にある近代的な街並みは、美しいCGで描かれてますが、ぶっちゃけその辺はメインじゃないしで前述の2作と違ってハリボテ感が強い;
(まあ、赤ひげのおっさんだけはアレでいいと思うんで評価しますけどねw)


おまけに桑島法子さんが演じるキャラクターが『雨ニモ負ケズ』を朗読するという、もはやネタ(http://www.anikore.jp/anime/3222)としか思えないシークエンスも平気でやってるし


なによりも許しがたいのは芸能人ゲストをメインに配した声優陣です;
ブドリ役の小栗旬はまだマシな方
ブドリの妹であるネリ役を演じた忽那汐里がもう単純に下手っぴ(´q`)
全然ネリが可愛くないぜ・・・どーゆことよ?┐(´`)┌
見た目カンパネルラに似てるしで余計イライラしますw
せっかくの桑島さんをなぜネリに使わなかったのかorz


お話自体は身に染みる教訓めいたものであるはずなのに、どうしても騙くらかされてる感じになってしまっていて、興醒めしてお話が心にまで入ってこないというのが大きなマイナスポイント


アートフィルムとしても高い評価がされている銀河鉄道の夜に対して、今作は端っから興行を意識して制作されたそうですね
(モチロン沢山の人に観てもらいたい、という思いからですが)


エンターティメントとしての一般ウケを狙うあまり、結果的に童話に回帰させたかったのか大人向けに作りたかったのかどっちつかずで最悪な印象でした;


イーハトーブの情景を映像化した作品は他にもございますが(http://www.anikore.jp/anime/3288)
中村監督版ブドリと比較するとその最大の相違点は、幻想的な世界観を最新の映像技術や擬人化で描いたことで、より『ファンタジックな映像』に仕上げたところだと思います
(中村監督版は日本の田舎風景に近い世界観をセルアニメで表現)


幻想世界美術にご興味ある方はまあ観てもいいんじゃないかなー?と


以下、結末について追記
{netabare}
原作既読の皆さんはご存知かと思いますが、この作品のラストでブドリは大寒波からイーハトーブを救うために自らを犠牲にして火山を噴火させる行動に出ます


オイラにはどうもこの自己犠牲愛で解決、ってのがいま改めてみると『古臭くて』敵わんのです


それに地球温暖化が叫ばれているこのご時勢に火山噴火によってCO2を増加させ、温室効果で寒波に対抗する
っていうのも考え方として古過ぎるし、噴煙で天候が悪化する可能性もあるので今となっては科学的根拠が薄すぎる


この点は前々から賢治の作品を研究してきた文学者や批評家の間でも通説となっておりまして、どうしても『今更のアニメ化』への疑問になってしまいます


もちろんのこと、大切に強調されているポイントはブドリの自己犠牲の精神
であるのでしょうが、そこに至るまでの過程で既に萎えてしまっていたオイラにとっては非常に残念な作品ありました


中村監督版を観た当時は、あくまで『賢治の自伝』と予習して視聴した為、このような違和感は無かったんですけどね・・・


{netabare}
ちなみに原作では再会を果たすネリとブドリですが、今作では『人さらいにさらわれて以降のネリがブドリの幻想の中にしか登場しないこと』『ネリの衰弱が食べ物を口に出来ないほど著しく激しかったこと』『人さらいの存在が超人めいてること』・・・
とまあこれらを含め【人さらい=死神】と捉えて、ネリが“さらわれる直前には既に死んでいた”
と考えられる一連の描写が、原作とは違いならがらも新しい解釈として評価してもいい
と、そう思いました
{/netabare}
{/netabare}


ただやっぱ純粋に賢治の足跡を追うという気持ちで視聴するなら、子供にも理解しやすくかつドラマチックに仕上がった中村監督版をオイラはオススメしたいなぁ・・・

投稿 : 2025/03/08
♥ : 9

67.9 4 童話でファンタジーなアニメランキング4位
岬のマヨイガ(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.5 (40)
141人が棚に入れました
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ"だった。それは、“訪れた人をもてなす家"という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ"でいま始まる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心がざわつく優れた映画だと思います。青少年へのメッセージかな?

 他人が集まることで家族となる疑似家族ものの一種ではあります。東日本大震災の後の復興の一面を切り取ったような話でもあります。さらに、あらすじ通りではない部分もあるので、ネタバレとしておきますが、{netabare} 妖怪大戦争もの{/netabare}でもあります。

 これらがご都合主義的に組み合わさって、比較的派手な絵もなく音楽の無い場面も多く淡々と話が進みますので、退屈する人はするでしょう。

 ですが、この2人の少女が不幸を背負った原因を考えたときに、果たしてそんな単純な話なのか?と気が付きます。震災という大きな大きな不幸と、家族に起こった世間から見たら個人的な不幸。そのどちらも人々にとっては逃げ出したい現実になります。

 その中で自分は誰といたい、どうしたいという気持ちと向き合いましょうと。そして、誰を守りたい、どこで暮らしたいと言えるようになると、不幸から脱するきっかけと新しい何かがみえてくるよ、という風に見えました。

 この3人を助けてくれるのはなんといっても {netabare} 土着の妖怪 {/netabare}たちです。つまり、土地であり共同体です。これは人間も一緒でした。人間は弱いので、辛いもう離れたいと思う気持ちが出てきます。それが地域を滅ぼすことになるという事だと思います。

 本作については、見て欲しい対象年齢を少し低めにしていると思います。それは不幸な現実とどう向き合うか、ということを分かりやすく伝えたいからなのかなあ、と思います。
 震災の不幸も初めは少々デオドランドして、見やすくしすぎでは?と思いました。が、震災の不幸をクローズアップしすぎないように、そしてそこの嫌悪感恐怖感で映画が伝えたい「不幸」の本質を見失わないようにするためかなあと思いました。
 そして、なぜそうしたのかを考えると、逃げる=自殺とか考えてしまう少年青年に対する何かなのかなあ、という気がしました。

 とはいえ、大の大人が見ても、見ている途中で心がざわめく映画ですし、視聴後感はハッピーエンドではありますがこれからもいろんな不幸が起きるけど、戻るべき場所、共同体があるから頑張れるんだ、という風に見えました。

 なお、初めの狛犬のシーンはここでは述べませんが2つの見方ができますね。
 そして、飼われるのが三毛猫です。必ずメスですからあの家には女性しかいません。つまり巫女という風にも取れましたね。

 アニメーションとしての技術的なところは、超一流ではないかもしれません。評価点が平凡なのもそのせいです。が、作品としては、脚本とメッセージ、演出などで良くここまで仕上げたなあという印象でした。青少年向けという前提でいえば、100点中88点くらいつけてもいいかもしれません。

 ということで、隠れた名作だと思います。1回しか見ていないので、もうちょっといろいろあるかもしれませんが、1回集中して見たのでかなり疲労感があります。つまり、出来が良いということです。
 刺激とキャラ萌えを期待すると退屈かもしれませんが、視聴中そして見終わったあと、心が動く映画です。いい映画でした。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 8

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

古いけど色々と良い家じゃん

見に行くか、見逃すかを悩んだ作品です。
でも、せっかくなら見に行こう!と見て来ました。
最初は岬の上にある家が頭上から映し出されるシーンの私の感想は。

森と草ばっかり、景色めちゃ綺麗じゃん、絶壁じゃん落ちたら死ぬ、家の庭めちゃデカいじゃんでしたw

私はユイとひよりは姉妹かと思って居たら違うのですね。
元々は他人同士だった2人をお婆ちゃんが引き取りマヨイガで生活する事になります。

ひよりは両親を居眠り運転の車に衝突され失ってしまいます。
きっと、それが原因?で喋れないのだと思いますが、その辺の説明がなくて……多分。

ユイは両親が離婚して父と二人暮しです。
父は、母が出ていったのはユイのせいだと言います。
挙句の果てに、ユイが用意していたご飯を、いきなりキレだして机から弾き飛ばすし。
自分が辛く当たるのは、全てはお前の為だ!と言う始末……

明らかに、奥さんが出てったのは貴方のせいですよ。って思いました。

作中で私が良いシーンだと思ったのは、ラストのユイが偽物の父に無理やり連れていかれそうになるシーンです。
ユイは父が怖くて何も出来なくて何も言えなくて……ひよりも助けようとするけど何も出来なくて……

でも、ひよりにとって、お婆ちゃんとユイと3人は家族だから、新しい家族を二度と絶対失いたくないから、彼女は声を出す!
両親を失って無くした声だけど、姉を失わない為に出した声……血なんて繋がってなくても、出会って数日でも間違えなく家族で大切だから、守りたいって気持ちから出た声。


後は、お婆ちゃんのピンチに駆け着けた、ひよりが、お婆ちゃんの「自分に出来ることを」って言葉から考えて行動したシーンが凄く良かったです。

さて、作品としては面白いと思います。
原作はもしかしたら面白いかもしれません。
でも、映画で見たら……設定がイマイチ理解しにくかったり視聴者側が想像で補わないとならない点が多すぎる気がします。

キャラの心情のヒントが少なすぎて感情移入が出来にくく、最後まで見ても消化不良って感じが残ってしまいます。
うーん、面白くはなくはないですが……普通くらいかな……

声優さんも余り上手くはないかな?
なるほど、ゲスト声優さんですか……
私はアニメでは物語が1番楽しめるポイントで物語が良かったり、キャラに感情移入しやすければ、あまりも酷くない限りは言わないのですが、物語も中途半端と感じる部分もあり。
そちらが更に浮き彫りになって感じたりもしました。

声優さんで言うと、座敷わらし役で、ナナニジの藤間さくら役をしてる天城サリーさんが出てます。
私のアイコンもナナニジの佐藤麗華ですが、ナナニジのアニメはともかく、ナナニジの音楽も聞くし、計算中も見てて好きなので、その辺も楽しみにしてましたが、セリフ少なっ!w(*꒪꒫꒪)

作中には、座敷わらし以外にもカッパや雪女など妖が沢山出てきます。
実は、私は妖怪が割と好きです。
理由としては父が妖怪などが好きで小さい頃から、妖怪番組やら本やらを見て育ちました。

だから、その辺も気にしてましたが、あれだけ妖怪居て殆ど山火事を消す方に回って出番と言う出番もなくw

面白いのは面白いとは思うし作品のメッセージ性も伝わりはしましたが、オススメしますか?となれば話は変わってくるかな?とは思ってしまいます。
好きな人は好きになれそうな作品かな?と思います。

お婆ちゃんの昔話の語りは面白いしわかりやすかったと思います。
作風をガラリと変えてくるのもいいですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

あっ、冒頭の山道の作りもすごく良かったです。
私の母方の実家がド田舎なのですが、山道の再現が凄く良かったです。
後は、落ち葉や枯れ草の種類や葉の色や道の色もリアルで上手く再現してるなぁ〜って少し懐かしい気持ちになりました(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2025/03/08
♥ : 7

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夏休みの妖怪映画

妖怪ウォッチが下火になってきたはずが、まさかの妖怪映画バブルが到来しましたねえ。
震災後の岩手が舞台という事で、どんな闇の深い映画なんだろうと気構えていましたが、心配していたような事はなく、10歳未満でも安心して楽しめる物語になっていました。良かった。
だからそうだとは限らないのですが、緊迫感は薄めです。大人が見るにはやや退屈に感じる場面がありました。
じゃあ、面白く無いの?
いえ、そうではありません。流石のデイビッドと思えるだけの作画良さがありました。
(マヨイガのCGはもう一歩踏みこんで欲しかったですが)
作画で楽しめるオタクならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 6
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