社会風刺でファンタジーなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの社会風刺でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月11日の時点で一番の社会風刺でファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.8 1 社会風刺でファンタジーなアニメランキング1位
人類は衰退しました(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2335)
11722人が棚に入れました
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。

声優・キャラクター
中原麻衣、石塚運昇

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

主人公のブラックな所が好き!

まずこの作品は衰退した世界が舞台の
主人公と妖精の話です

主人公がかわいい顔して
意外に腹黒でブラックなジョークを言うところなんて
すごい好きです

それにOPやEDもすごく良かったですし
作画もこの世界に合っていると思います

妖精やYなどの他のキャラもかわいくて
しかも面白かった

投稿 : 2024/11/09
♥ : 87

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

妖精さんが可愛くて可愛くて・・・・・

このお話、結局人類は衰退したではなくて、しそうでしたねw

一話一話が面白く、癒されるので楽しく見ていました!!

わたしちゃんのキャラが凄く良くて、たまに見せるブラックな部分も最高でした(*´ω`*)♪

妖精さんも可愛すぎて、たまらなかったヾ(*´∀`*)ノ!!!

ただ、各話の時系列が違っていたりして混乱するところもあったりしましたが面白ければ全て良しで見てました♪

終盤でわたしちゃんのブラックな性格が出る理由やらなんやらが全部分かってスッキリ?と見終われた作品でした♪

原作のストックができれば、2期やってほしいです(ノ´∀`*)!!!!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 80

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

妖精さん可愛い((*゜▽゜*))

新旧人類の存在する世界を描いた
ファンタジー作品。
全12話。
原作はラノベ。(未読)


哀れにも衰退の一途を辿る人類と
高度な文明を持つ新人類『妖精さん』
ブラックユーモアをふんだんに盛り込み
この異なる人類の姿を描いた物語です。
ちょっと変わったファンタジーと言ったところw

ブラックユーモアの他にもパロディが多く
笑いを誘うシュールさ。
固有名詞を不使用、ファンタジーを強調する色調の作画
人類を遥かに凌ぐ英知を持つ『妖精さん』の存在など
表現されている独特な世界観。
この2つの要素はオススメできるポイント♪

特に新人類=『妖精さん』という設定は
最近視聴した作品の中でも
ずば抜けた独創力と発想だったと思いますw

この作品の評価の分岐点となり得るのが
時系列のシャッフル。
個人的にはあまり気にならず楽しめましたが…
原作を読んでないと理解に苦しむ点は否めない
ところかと(´∀`;)

主人公「わたし」を演じるは中原麻衣。
この役を完璧にこなしていたように感じます。
ぴったりのハマり役、好演でしたね♪
音楽も作品の世界観に合っていて◎でした♬


ムダにハードルを上げずに視聴すれば
かなり楽しめる作品だと思います(*´∀`*)ノ

日々、新たなジャンル・要素が生み出されている
イメージが強いラノベの世界。
それでもアニメ化される作品は所謂「王道」作品が
多いような気がします。
この作品ように独創的な世界観を持つ良作の
アニメ化、映像化が増えてくれると
王道もより楽しめると思う今日この頃ですw
ん??
おい!誰だッ!!
「フン、にわかが偉そうに」って
鼻で笑ったヤツはッヾ(*`Д´*)/″





《キャスト》

わたし(CV.中原麻衣)
祖父(CV.石塚運昇)
助手さん(CV.福山潤)
Y(CV.沢城みゆき)




《主題歌》

OP
『リアルワールド』/nano.RIPE
ED
『ユメのなかノわたしのユメ』/伊藤真澄

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61

78.8 2 社会風刺でファンタジーなアニメランキング2位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (755)
3309人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

モーターサイクルダイアリーズ

時雨沢恵一原作、電撃文庫人気シリーズ。

物語は寓意に満ち溢れた童話短編集、
キノとモトラドのエルメスによる諸国放浪記。

原作の表紙にずっと惹かれていたのですが、
イメージとは違い凄惨な話が続きますね。
キノが銃を握りしめて眠るのが印象的でした。

ここには様々な都市国家が存在していて、
原始的なものから、近代的なものまで、
文化の成熟度まで違います。
様々な人と交流しながら、
街を散策し、人と世界を理解する、
キノを徹底して、傍観者にすることで、
視聴者を舞台に上げることに成功しています。

評価は上がったり下がったりなのですが、
作品を正しく理解するには、
ここで描かれていない、余白にこそ、
真実があるのでは、ないでしょうか。

最終話視聴追記。
最後は不思議な物語で締めましたが、
{netabare}人の身勝手さに皮肉と言った所でしょうか。
11話「大人の国」が良かったですね。
願わくば好きなことをして生きる、
キノの過去が描かれ興味深いものとなりました。{/netabare}
動き出したものだけに世界は開かれるのです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 71

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三日限りの掟

……は、違うアニメ(『戦闘メカ ザブングル』)ですけれども(笑)。

話ができるモトラドのエルメス(要は「喋るバイク」)に乗って旅をするキノのお話です。キノはいろいろな国を巡りますが、ひとつの国には三日間しか滞在しません。

それぞれの国に特徴があって、そこでのエピソードが寓話っぽい感じになっています。

電撃文庫刊のライトノベル『キノの旅』が原作のアニメです。TVアニメ化自体は2回目ですが、別に「前作が1期目で今作が2期目」とかいうわけではなくて、リメイクというか再アニメ化というか、そんな感じです。

事前にPVのチェックとかせずにぶっつけですが、とりあえず第1話『人を殺すことができる国』を観ました。

今回のキノ役は悠木碧さんですが、第1話を観た感じでは「少年っぽい」キノのイメージに合っていたと思います。というか、ああいう声の演技もできるんですね。

エルメスの声についても「前作のイメージとは違う」というだけで、原作の記述からすると特におかしなところはないように思います。今作が初見なら「そんなもの」と思うのではないでしょうか。

今回はエルメスなどはCGモデリングを使うことにしたようですが、まあわりとうまくハマっているのではないでしょうか。

キャラクターデザインも1巻目の頃の原作イラストからはかけ離れていますが、新たにアニメ化ということで最近の原作イラストに寄せたものと思われます。最近の原作イラストのイメージには近くて、それほど違和感はないですね。

基本的には1話完結方式で進むと思われます。今回アニメ化されるエピソードは「電撃オンライン」というサイトで既に発表されていますので、気になる方はそちらもどうぞ。ただし、掲載されているのは放送エピソード順ではないそうです。

予告によると、第2話は「コロシアム」ということで、シズが出ますね。1クールで話数も少ないですし、主要な登場人物は早めに出していく感じになるんでしょうか。

元々、各エピソードの独立性は高いので放送順序は原作順でなくても問題はない気がします。

ということで、たぶん観終わった時点でレビュー更新になると思います。評価もそのときに改めて。

2017.12.24追記:
最終話を視聴完了。「アニメ版あとがき」などの謎なチャレンジもありましたが、基本的には無難にまとまっていたと思います。

たぶん「原作のイメージをそこなわないアニメ化」という点で、成果を出しているのではないでしょうか。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

キノとエルメスがちょっと風変わりな国々を旅する話

原作未読。今作は最終話まで視聴。前作は未視聴。

少し風変わりな国を、かなり風変わりなバイクと旅する話。

中学生の頃、やたらとハマっていた「星新一」や「小松左京」を思い出した。
SF+ショートショート。ブラックユーモアが溢れる作品。

この作品の最大の面白さは、主人公が決して善人では無いところだと思う。
小柄で華奢{netabare}な少女{/netabare}なのに、やっていることは、決して、単なる善人では無い。
{netabare}殺人{/netabare}をはじめ、身を守るためなら何でもする。

最終話に至っては、『こんなシーンを放送してもいいのか?』を疑問を投げかけたくなるほど酷いことをする主人公。
動物愛護云々言うつもりはないけど、一気に後味の悪い作品になってしまった。

11話までなら、そこそこ高評価だったのに・・・。
少し残念な最終話でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57

67.2 3 社会風刺でファンタジーなアニメランキング3位
星のカービィ(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (147)
909人が棚に入れました
ある日ナイトメア要塞から魔獣「カービィ」が追放された。彼は魔獣として生まれながらも正義の心を持ち、ナイトメアの命令に従わなかったのだ。カービィはどこからか手に入れた宇宙船の中で眠りにつき、ナイトメアに対抗する力をつけることになった。しかしナイトメアの活動が急激に活発化したためにカービィは予定よりも200年早く目覚め、未熟なままで魔獣の送り込まれている国、プププランドへやってくることになってしまった。
カービィはプププランドに住むフームやブン達と友達になり、彼らの助けを得ながら星の戦士としての力を高め、ナイトメア打倒の日を目ざすことになった。


声優・キャラクター
大本眞基子、吉田小百合、小松里歌、緒方賢一、龍田直樹、長嶝高士、水谷優子、神崎ちろ、秋田まどか、千葉一伸、銀河万丈、私市淳、細井治、瀧本富士子

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

任天堂のゲームを原作とした名作アニメ

ご存知の方も多いと思うが
このアニメは任天堂のゲーム「星のカービィ」をベースに
作られたアニメである。

基本的な流れとしては
デデデ大王がカービィを倒すためにナイトメアから魔獣を
ダウンロードする。魔獣がカービィを求め町を襲撃するため
住民は大パニック。ピンチに陥るものの、敵の武器や味方の支援を元に
コピー能力をゲットし魔獣を退治するというもの。

だが、このアニメがすごいところは
王道的なストーリーの中に社会問題を取り入れていることである。

環境問題、教育問題、メディア問題、食糧問題、動物問題といったように
様々である。当然アニメに関する話も2回程作られている。

「アニメ新番組・星のデデデ」と「オタアニメ!星のフームたん」
である。この2つはカービィアニメの中でも相当カオスな回
のため視聴の際は覚悟を決めるべし。

それに加え、登場人物における名言も心に刺さるものがある。
「歴史はスタジオで作られる~♪」
「環境破壊は気持ちいいZOY」が有名だろうか。
他にも色々あるが多すぎるので2つにした。

CGやBGMもクオリティが高く、スタッフの作品愛がすごく伝わってくる。
「新春!カービィ・クイズショー」や
「ワープスターの危機!後編」はサービス精神旺盛である。

100話もあるため、人を選ぶ作品ではあるが
大人になったからこそ意味が深く理解できるアニメだと思う。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

前原由羽 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

カービィ学を考える

放映されて10年以上も経ったドラマやアニメに懐かしさを感じても、今に通じると思うことはあまりないだろうと思います。

だけど、人の性に関わる事項・社会問題というものは10年そこらではそれほど変わりません。カービィをみて、懐かしさよりも考えさせられるところに共感を覚えるのはそこなのでしょうか。

カービィが放送されたのは2001年から2003年、私が小学校に入学したころですね。あれから14年の今、様々な技術革新が進んだけれど、世間の倫理観がそれに追いついているのか疑問だし、そもそも問題点ですら改善しているか怪しいところです。初期の話だけでも情報操作や研究不正といった今現在もホットな話題が提示されています。

また、いろんな出来事に対する各キャラの捉え方も面白いですね。何でもお見通しのフームと、気づいたり気付かなかったりのブン、いつもカスタマーサービスに騙されているデデデ、悪いとわかっているのに(いながら?)権力には逆らえないエスカルゴン。視聴しているときは我々はフームの気分になってみても、いざ現実ではブンやエスカルゴン(はたまたデデデ!?)にしかなれないのでしょう。

カービィを見ていた当時の私でも全ての風刺内容には気づいてはいなかったけど、現代社会は様々な問題を抱えていて、カービィのように1つ1つ解決していかなきゃならないというテーマを感じていました。あれから10年以上経って社会に出る準備をしている身として、カービィの時代よりは社会問題が改善するように個人レベルで努力しなければならないと強く思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大人でも見られる子供向け作品

『星のカービィ』はオリジナルアニメ(ゲーム原作)、8クール(全100話)のパロディ・子供向けファンタジーアニメです。


このアニメは、毎回様々なテーマに基づいてストーリーが練られている。元々がゲームが原作の作品のため、基本はゲームに基づいた設定だがオリジナルな設定も多く、特に登場人物以外はオリジナル要素が強い。そして世界観も独特。

各話の主な物語構成は、①デデデ大王がカービィを倒す目的または悪巧みのために『魔獣』を"ナイトメア"という黒幕から購入し、②色々あってほぼ100%の確立でカービィ大ピンチ、③カービィがコピー能力を駆使し魔獣+デデデを倒す、④デデデ涙目、という流れだ。まさにポケモン等の王道アニメの典型パターン。
また、『格闘型バイクレース大会』や『自動車レース大会』のような、各話に一度は存在するカービィ側とデデデ側のいざこざとはまた異なる、前後編に渡った競争もなかなか白熱して面白い。特にそれら回で使われるBGMは『カービィのエアライド』や『スーパーデラックス』等のゲームBGMを引っ張ってアレンジした物があり、共に良いムードを作り上げている。この作品のBGMレベルは結構高い。
【地球温暖化や酸性雨などの環境問題・依存症・教育問題・メディアの影響力・・】のような当時の社会風刺ネタをテーマとした話では、ブラックユーモア的なギャグや戦いなどを加えて、時には面白おかしく時にはシリアスに、子供たちがイメージし易い形で取り入れられていた。


物語の流れについてだが、序盤は主要登場人物の紹介を背景とした、純な子供向けのストーリーの印象が強い。主人公のカービィ自体が「ぽよぉ?」や「ピギャ!?」のような擬態語しか喋らないので余計だ。しかし、カービィがプププランドに馴染んでいくまでに、村の人々から部外者として散々な扱いを受けたり、一方で様々な住人・動物達との出会いや皆強力して何かをやり遂げる…といったストーリーが展開され、それらはどれも子供向けながらに面白い。特にウイスピーウッズの回や花火大会の話は序盤のわりには神回だった。

序盤を過ぎると、序盤の様なカービィが町に馴染むまでの話は無くなり、プププランドにてデデデ達やフーム達(カービィの友人且つ保護者ポジション)、村の流れ者や人型魔獣、そして村民達などと共に何かをしたりされたりする話が多くなる。基本構成は上記の物と変わらず、基本的にコミカルな話が多いが、社会風刺ネタやシリアスな話の割合も増える。腹を抱えて笑えるギャグも豊富。

終盤に近づくにつれ、このアニメの黒幕が徐々に動き出しシリアスな展開が多くなる。そして、終盤(第96話~)はそれまでのコミカルな雰囲気をぶっ壊した『インディペンデイス・デイ』のような展開に。その後『宇宙戦艦ヤマト』に出て来そうな戦艦(ゲームにて元々存在)や用語も登場。『スターウォーズ』をリスペクトしたような戦闘も展開される。まるで、名作の寄せ集めの結晶体のようだが、ストーリー展開・設定・映像共々、大変良く出来ていた。戦闘シーンではCGをフルに活用した迫力や臨場感のあるものとなっており、殆んど登場しなかった『星の戦士達』も輝いていた。この戦闘シーンだけでも楽しめるだろう。


アニメ版『星のカービィ』は一度語り出せば止まらなくなるほど思い入れのある作品。100話という長編アニメのため、あまり他人に勧められる作品ではないが、子供でも大人でも楽しめる作品ではある。個人的には小学生にガンガン進めたい作品だ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

75.7 4 社会風刺でファンタジーなアニメランキング4位
キノの旅(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (639)
4020人が棚に入れました
『キノの旅』の世界には様々な「国」(実態は都市国家)が世界中に散在している。「国」はそれぞれまったく違った文化をもっており、技術的な格差もきわめて大きい。
しかし、各国とも言語は統一されている様子(ただし、1巻「平和な国」では隣国と「言語も違う」と書かれている)。
たいていは高い城壁に囲まれており、城壁内は各国の法律が機能して比較的秩序が保たれている。しかし、城壁の外は盗賊などにも遭遇することがある無法地帯である。

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

終わりなき旅

『キノの旅』の世界には様々な「国」(実態は都市国家)が世界中に散在している。以下略(引用)

つまりその国を旅してその国々での人間たちとの関わりを描いていくような物語ですね。

て言うか信じられます? これラノベ産なんですね。

本作で最も驚かされたのが実はそこです。は?ラノベ?最初我が目を疑いました。
だって自分が知ってるラノベものと全く違うし。
偏見も混ざってるけどラノベ産は萌え色がとにかく強いものばかりという認識だったので斬新でしたねキノの旅は。
萌えも薄けりゃサービスシーンも特にない。薄い本のネタになりそうなシチュはいくつかあったけど。
後に探したらホントにネタになってて苦笑。いやさすがいい仕事します。
NHKでやっててもなんら不思議のないこの素朴な絵柄に世界観。う~ん ラノベも中々奥深い。

んで、肝心の物語の内容なんですが・・正直面白かったです それもかなり。
先にも書いたけど絵柄と割りと静かで落ち着いた世界観なんで合う合わないは当然あるけど。

割りと最近の作品で言えば蟲師に非常に近い作品だと思います。
実際共通点も意外とありまぁす。

適当に挙げてみても基本1話完結型なとこ。旅先での人との関わりが主なこと。暗い話も多いこと。いい終わり方ばかりではないこと。見終わった後少し考えされられるとこもそう。そっくりです。
古いとこだと銀河鉄道999にも似てると言えば分かりますかね。

人間ドラマって言うんですか?こういうの。人の表も裏もよく描いてあって非常に面白い。
毎回毎回手変え品変えよく作りこまれた物語には脱帽です。
そういう物語に比較的クールというか落ち着いた主人公ははまり役だと思いますね。見てると自由を求めて旅したくなります。
これFF10のキマリの旅じゃなくて良かったです。キノは通す。エルメスも通す。キマリは通さない。
そこで旅が終わりを迎えてしまいます。1話完結型ならぬ1話終焉型です。

絵柄もまぁ・・・こんくらいで良かったんじゃないでしょうか。
敢えて強引に褒めるなら暖かい気持ちになる素朴な絵柄・・・。
まぁキノも元は可愛いんだから欲を言えばもうちょい可愛いデザインでも見たかったような気が。
いや全体的には好きな主人公でした。こういうキャラがたまに見せる冷たい眼差しとか身震いします。
と言うか美少女の冷たい視線とかご褒美です。

キノと言えば一緒に旅する相棒のエルメス。
最初、主人公見た時1人で会話するアレな人かと思ってたけどなんてことはない。バイクでしたね喋ってたの。
まぁいいんです。割りと最近まで週間YJで連載してた某サッカー漫画では唐突に飛行機と会話してパワーアップした主人公いましたから。
バイクが喋るくらいじゃ驚きません。よくある光景です。

このキャラなんですが、個人的にはちと弱かったのが悔やまれます。言うまでもなく戦闘力じゃなくキャラとしてね。
多分その喋り方がいまいち受け付けなかったのもあるとは思いますがたまにボケたりKY発言するだけのキャラって印象しか残らないのです。
これを見ると現在絶賛放映中の寄生獣のミギーがいかに人外の相棒として秀逸かがよく分かります。
これは後々寄生獣の感想で触れます。

エルメス君(バイク)は残念ながらミギーにはなれませんでした。勿体無いです。

纏めると是非1度は見て欲しい良作だと思います。見て下さい。
それぞれの話に味があって色んな余韻を残すのだけど特に印象に残るは最終話でしょうか。
おそらく一番の欝話をラストに持ってくるあたりさすが分かってらっしゃる。
ネタばれは出来ないけど個人的にはこの話の人達バカだと思うんです。言い方悪いけど。
選択肢なんか1個しかないのに。これから見る人はどんな風に感じるんでしょうか。

繰り返しますが暇があれば見て下さい。多少物足りなさもあるかもですが間違いなくいい作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「人は誰でも空を行く鳥を見るとさ、旅に出たくなるそうだ…。」

10年ぐらい前だったかな、原作が流行っていたのを覚えています。

当時の私は「ラノベなんて邪道!」と思っていたので、まったく関心がなく。

アニメ化もしてたのかーと知り、アニメを観るようになってからはずっと気になっていた作品でした。

アニメを観終わり、流行っていた当時、なぜ原作を読まなかったのか、とひどく後悔しました。

偏見は自分の人生を不毛にするなあと反省しました。

全13話です。


● ストーリー
モトラド(二輪車)のエルメスと旅をするキノ。

1人と1台が、いろいろな国を旅するお話。

「人の痛みが分かる国」「本の国」「平和な国」など、

ちょっと不思議な国々を短編小説のように訪れていきます。

キノたちの滞在期間は3日と決まっている。

その3日で見えてくる、その国の本質や人々。


淡々とした、物静かなストーリー。

だけどものすごく惹きつけられました。

ファンタジー要素が強いです。しかし、それ以上に伝わってくる人間性。メッセージ性。

寓話的な要素も非常に強いです。

☆寓話…比喩によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭す事を意図した物語。

↑私はこの作品で「寓話ってこういう作品を言うんだ。」とわかりました。笑


物静かで不思議な雰囲気が漂う中、

内容はなかなかむごくて無常です。

しかし、どこか現実の未来の世界を見ているような。

未来の世界、人間のエゴ、きれいごと、理想、闇、隠された本性…。

そんな本質が深くぐっさりと描かれています。

どんなにきれいな理想の世界を追い求めても、

結局世界は救われないんだなーと思ってしまう。

完璧な人間や完璧な世界なんて存在しない。そんなもの無理なんだ。

だからこそ世界は美しい。

救われない世界の、儚い美しさが心にしみました。


この作品を観始めたとき、心が現実に帰ってこれませんでした。心が旅に出てしまいます…。旅に出たくなります…。

このなんともいえない不思議で魅力的な世界が心をとらえて離しませんでした。

これでキノがイケメンだったら、間違いなく私は現実に戻ってこれませんでしたね。そんな自信があります(笑)


● 作画&声優
作画と声優さんは気になるところがあります。

好きになれない、もしくは、観るのをやめてしまう人もいるでしょう。

私も初めはちょっと抵抗がありました。

作画は我慢するとして、

声優さんは聞き続けていると、これはこれで味があるのかなーと思ったりもします。

エルメスの声と話し方だけは最後まで好きになれませんでしたが。笑


マイナスポイントがもったいないですが、

それを上回るストーリーだけで私は十分満足でしたよ。


● 音楽
【 OP「all the way」/下川みくに 】
この曲大好きです!たまりません。

旅する2人にはぴったりの、心地よい曲。

この曲を口ずさみながら原付乗ると旅に出ている気分になって最高に気持ちいい。笑

OPを観てすぐにこの作品が好きになりました^^

EDも旅の夕暮れを連想させる、いい感じの曲でした。


● まとめ
作画等にはくせのある作品ですが、

私は大好きになりました。

これは原作を読まないといけない。

旅物語が好きな人には間違いなくおすすめしたい作品です^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

星新一を彷彿とさせる

<2020/6/13 追記>
あれ?
評点間違えてました。
4.0→4.2に修正です

<2017/10/9初レビュー>
新作が今秋始まるということでCSで初視聴。
ようやく見終えました。

あてのない旅を続ける{netabare}少年の様な少女{/netabare}キノと喋るバイク、エルメスのお話。

1話完結というかショートショートの趣ですね。
旅先の国々にはそれぞれ独自の事情があります。
それは風習だったり、ルールだったり、歴史だったり、技術だったり。
それは現実の世界では当たり前すぎる常識なはずのものを一個だけひっくり返したり、ずらしたり、といったものです。
そうした国でキノとエルメスは何を観て何を感じるのか。
ある種、思考実験じみたお話です。
なんか、そう。
星新一のショートショートの様。

大変楽しめました。

キノが{netabare}女性だと分かってからも男の子{/netabare}にしか見えなかった絵柄も良かったですね。
他の登場人物の絵柄も茫洋としていて。
物語の不思議感を引き上げてたと思います。

ただ一つ難点が。
喋るバイク、この世界ではモトラドと呼ばれてますが、このモトラドの声が最後まで耳障りだった。
まるで棒読みでネタ振りしてる新八の様な声。
新八の中の人を貶めてるわけではありません。あの人は極めて有能な声優さんです。
ただ、全話通して、新八が棒読みでネタ振りしてたらイラつきませんか?
それだけは馴染みませんでした。

というわけで新作のレビューに続く。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

73.1 5 社会風刺でファンタジーなアニメランキング5位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.9 (40)
177人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

意外と新しい感覚? かな!

先ほど観終わりました。
原作は未読です。
先ずは、前半部分まで。

面白かったです。ワクワク。
少しも飽きませんでした。
必ず、後半も観ます。

あ、EDの後も観てくださいね。





あんまり面白いので、原作コミックに手を出しています。
なるほど、この絵を動かしたのか。
あ、アングルが少し違ってる。
間の取り方の計算が絶妙。
そんな発見がいくつもありました。

でも後半部分の購入は手控えます。
私的には、やはり映像から入りたい気持ちです。
ぜひ、前章(本作)をご覧になってみてください。
そして後章をご一緒に楽しみませんか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
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