着物で貧乏なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の着物で貧乏な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月23日の時点で一番の着物で貧乏なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.5 1 着物で貧乏なアニメランキング1位
紅-kurenai-(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (734)
4443人が棚に入れました
世の中は、嘘や矛盾でいっぱいだ。思春期の頃、誰も一度は通るこの言葉を今こそ見直したい。「紅」の魅力の一部はそんなところに秘められている。少年は高校生で揉め事処理屋。暗い生い立ち故に、愛想笑いで身を守り、普通に憧れている。が同時に、そんな自身と葛藤している。信じて埋め込んだ強さの象徴・・・それは本当の力なのか。少女は特異な大財閥の娘。運命を呪うことも、外の世界も知らない少女の瞳は実に真っ直ぐでそれを知らない。素直さ故に表出する彼女なりの正義・・・それは運命への反抗なのか。そして、少年と少女は出会った。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ラノベ原作と侮るべからず、是非ご家族で一緒に見ていただきたい作品です

ローゼンメイデンの松尾衡監督の作品では一番好きです


この作品の一番の特徴はアフレコではなくプレスコ(先取りした音声にあわせて作画をする手法)によって制作された貴重な一作だというところです
その特色を生かすため漫才みたいな軽快な掛け合いや口喧嘩などが多く、会話劇主体の作風となっています


パッと見は現代ラノベ原作に多く見られる会話劇なのですが、そこにこのプレスコという手法が上手いことマッチしていますね
兎にも角にも普段は『パク』というものに縛られていた声優さん達が、解き放たれたかのように伸び伸びとした演技を魅せてくれます


肝心のお話は幼い7歳のヒロイン、紫との触れ合いで成長していく思春期の少年達の心の模様を描いていきます
子育てをしていく親心にも似てますよね^^
そしてなにより箱入り娘として幽閉されてきた世間知らずな紫が、年齢に不相応な達観意識を止めて、さらに人として大切な道徳的なことを一つずつ学んで成長していく姿も心温まるポイントです


純粋な現代劇という舞台設定でこれほど魅了された作品も指で数える程度


笑いあり、涙あり、恋あり、バトルあり、ミュージカルあり?
ラノベ原作と侮るべからず、バトル描写への耐性を要しますが是非ご家族で一緒に見ていただきたい作品なんです、割とマジで
全然に無意味な暴力シーンとか無いんで
実際のところ私の家族からも非常に好評でしたよ


原作は未完でありますが、今作では物語をきっちりとした終わりへと向かわせる姿勢にスタッフの誠実さを感じました
「売れたら2期」とかじゃないんですよ
続きつくれんなら作ってみろ!っていうのがgoodでした


逆になぜかこのテレビシリーズをリセットしてしまい原作遵守で始まったOADの番外編は、
雰囲気だけ受け継いだ別作品と見るべきっすね

投稿 : 2024/12/21
♥ : 42

sobako777 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

魅力的なヒロインで後半まで惹きつけられ、結末に向け失望

ヒロインの少女キャラがとても魅力的で設定も面白いため、後半までは多少の無駄なエピソードや、若干の‘くだらないセリフ’も無視して先を見続けられる。なのに・・・結末に向け、ものすごい勢いで矛盾だらけのご都合主義な展開に突入してしまう。しかも、7歳のヒロインに、‘そりゃ、ねーだろ’と呆れるほどの、これまた都合のいい悟りきった長ゼリを吐かせ、うんざりするような駄作へと変化してしまう。せっかく面白くなりそうだったのに・・・見終わるとストレスいっぱいだった。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ミュージカル

やっと見ました、雰囲気ありますねぇ
原作ファンからあまり良い評判は聞きませんが
未読の私にとってかなり楽しめるアニメでした
大人が子供に優しくするのに理由なんてない、2話の真九郎の台詞が印象強いです
今の子は防犯護身という名の信用希薄に晒され、その形相は奥ノ院のそれと区別がつきませんよ
確かに犯罪の危険性はどこにでも転がってますから、注意に越したことはないのでしょうが
挨拶するだけで不審者扱いとなっては、傍観者を決め込んで世知辛い世の中を嘆く他ありません
とかそんなことはどうでもいいのです


なかなかペドペドしてますねぇ、フッw
しかしあくまで愛でるタイプので全然健全、作りも丁寧、設定も面白く、かなり見やすいアニメです
制作はブレインベース、絵もよく動き、あたかもその場にいるような独特の雰囲気があります
5話五月雨荘での湯豆腐パーティーとか、ものすごくおいしそうで楽しそうなんです、匂いが伝わってくるんですよ

そして別枠で語らなければいけないのは6話ミュージカル回、いやぁこれはすごかった、感嘆符しか出て来ませんでした
アニメオリジナル、笑えます、実に笑えます
キャラ崩壊も気にせず、その台詞回し、表情目線、含めた演出展開も全て、見事と言うしかない
声優さんもこの回は相当大変だったみたいで、クリスマスに集まって延々と練習した上で年明けの収録に臨んだそうな
確かに音痴設定を保ちながら、あるいはそれに合わせながら歌を成り立たせるのは、至難の業
本編のあのミュージカルとしての完成度の高さを見て、拍手を送らないではいられませんス
そして極め付けは田中宏紀さんの担当パート
特に紫が扉を勢いよく開けてからこっちは、もうなんて言ったらいいのか・・・
どぉおしてこんなに~↑どぉしてこんなにぃいい~↓
クネクネ~~動くぅのぉおお~~~~↑↑↑
真九郎の顔の動きとか、闇絵さんと弥生さんの踊り場とか、指に絡まった紫の髪の毛とか、コマ送りリピート余裕です

声を入れてからアニメーションをつけていくプレスコでやっててます
監督の得意技法ですね、声優さんのナチュラルな演技が引き出せてます
例えば3話の沢城さんの平謝りのシーンなんか、かなりリアルですw
あと悠木さんが初めてヒロイン役を演じた作品でもあります
他、加藤精三氏石森達幸氏といった超大物声優も出演してます
あと声優に関して、ラジオ第14回のは色々言われてますね
ん~まぁ私の場合は監督の愚痴なのかな・・・って印象受けますねぇ
松尾監督は、初監督作品のローゼンメイデンから一貫して使ってきてる訳ですし、実力を認めた上での発言ということも聞けば分かるのですが
まぁ敬語を使えない事に憤るのも分かりますが、公言したことで作品のイメージダウンに繋がったのでは元も子もない
その辺はもっと考えて発言して欲しかったかも

OPEDとも曲はいいのですが、映像は手抜き感が・・・
劇中BGMは素晴らしいです
それにしても、あの実写のCMは一体なんだったのでしょうか
アニメのDVDのコマーシャルだよーって・・・


良作です、もっと評価されていいはず
紅ちゃん(ry

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

62.8 2 着物で貧乏なアニメランキング2位
びんちょうタン(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (154)
712人が棚に入れました
山の中にある古い一軒家で暮らす少女・びんちょうタンのけなげに一生懸命過ごす物語を描いた、江草天人原作のコミックをTVアニメ化した作品。

声優・キャラクター
野中藍、野川さくら、門脇舞以、福圓美里、佐藤利奈、斎藤桃子、井上喜久子

. さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

隠れた名作発見!これは良いアニメでございます。

~謝辞~
”びんちょうタン”はアニコレ仲間のレビューを拝見して知ったアニメです。とても絵柄が気に入ったので、私の観たいアニメリストの作品を全て押しのけて、夜中なのに朝まで掛かって一気に視聴しました。でも、それは正解でした。まさかこんな素敵な作品に出会えるなんて・・・。作品を教えてくれてありがとう。そして作品を作ってくれた制作者のみなさんありがとう。忘れられない作品になりました。いつまでも余韻に浸っていたい。久しぶりに素敵な作品と出会えたこと、とても感謝をしています。だから、”ありがとう”の気持ちを込めて、本作品に☆5を送ります。

お話は1話が12分程度×12話の短い作品。山の中の美しい風景を中心に、可愛い可愛いびんちょうたんの暮らしぶりを描いています。何か大きな事件が起きる訳でも無く、ドラマチックな展開がある訳でもありません。びんちょうタンを中心としたほのぼのとした日常を淡々と綴ります。でもそれがすごく良い・・・。とっても癒されますし、心が温かくなるのです。

”びんちょうタン”は備長炭を擬人化した”びんちょうタン”が主人公。作品には、クヌギを擬人化した”くぬぎタン”、竹を擬人化した”ちくタン”、”ちくリン”、練炭を擬人化した”れんタン”等、個性的なキャラクタ達が沢山登場します。パッケージ絵を見ても解るとおり、とっても可愛いキャラクタ達。お目々が大きくて小さな体。まるでお人形さんみたいなキャラクタ達が、とても生き生きと動き回ります。

びんちょうタンは山の中の小さなお家で一人暮らし。昔はおばあちゃんと2人で住んでいたみたい。だけどおばあちゃんはどうして居なくなってしまったのかな?詳しい事情は作品では説明されません。お年は解らないけれど、どう見ても未だ小さい子供だよね。とっても優しくて、とってもがんばりやさん。そんな良い子が”びんちょうタン”。

びんちょうタンは一人暮らしでも泣き言一つ言いません。時々”ウバメガ”さんと言う人が郵便で送ってくれる”備長炭”を大事に使い、ご飯は山で山菜等をとっておかずにします。お米や僅かばかりのお金は街へ働きに出てお駄賃として貰います。ボロボロのお茶碗に毎日同じ服、穴の空いてしまった毛布が彼女の全て。贅沢なんてありません。そんな生活でも彼女は負けません。毎日を一生懸命生きて、そして生きる事を精一杯楽しんでいます。(謎の人である”ウバメガ”さんの正体は12話で明かされますのでお楽しみに!)

小さい女の子が山の中で一人暮らしをするなんて、とてもとても想像出来ません。きっと辛くて悲しい事や、寂しくて泣きたい事も有るのでしょうね。決して弱音を吐いたり泣いたりしない彼女。そんな彼女の姿を見ていると、何故だかこちらの方が泣けて来ます。泣かせる演出等は一切無いのだけれど、本当に自然に涙が溢れてきます。彼女が一生懸命働いている姿、傷だらけの小さな手、欲しい物をけなげに我慢する様子・・・。そう言う様子を観ているだけで、いつしか涙があふれ出し、そして止まらなくなってしまうのです。 まいったな・・・。私ってこんなに涙もろかったっけ?
 
でもでも基本は癒されるお話です。一生懸命で優しいびんちょうタンには自然に友達が出来ます。彼女の周りに集まる友達とのお話は楽しい事ばかり。それに登場する人達はみんな良い人。みんながみんな優しいから、周りで起こる出来事も、みんなみんな優しいエピソード。きっと心が癒されて、気持ちが少し温まります。 それにね、クスリと笑えるお話なんかもあったりして、私は心底作品を楽しむ事が出来ました。本当に素敵な作品です。

作中でびんちょうタンはお友達から文字を教わります。そして覚えた文字でお手紙を書きます。まだ覚えたてなので難しい言葉は書けません。ぜ~んぶひらがなで簡単な言葉だけ。でもでもすごく気持ちが伝わる素敵なお手紙でした。
よっし!私もびんちょうタンにお手紙書くね! 読んでくれると嬉しいな^^

びんちょうタンへ
かわいいえがおのびんちょうタン いつもわらっていてほしい ともだちいっぱいできるといいね
わたしもいっしょにいさせてね あなたといっしょにわらっていたい
こころやさしいびんちょうタン つらくてかなしいとき さびしくてなきたいとき どうかどうか 
がまんしないでくださいね わたしでよければとなりにいるね なんにもできないかもだけど
あなたのえがをがもどるまで わたしはとなりにいてあげる            
                                         あなたのふぁん ベルより

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

【究極】くぎゅう恐るべし・・・(爆)

■どんなアニメなの?
NHKの子供向け番組のようなほのぼのアニメなのですね♪
ナレーションのおねえタンが優しい声で語り始めるのですよ!
井上喜久子さんが声を担当してるのです♪
08小隊のアイナちゃんや、CLANNADの早苗さん、AIRの裏葉さん、マクロスFのグレイス
などの声を担当されている方ですね♪
 
そんな優しい声のナレーションで物語がはじまるのですが、そこに登場するキャラクターもまた可愛
いのですよ!
2頭身キャラで備長炭を萌え擬人化させたと言う主人公の「びんちょうタン」の何気ない日常を描い
ていくお話なのです♪
人里はなれた山奥の家で、小さい頃一緒に暮らしたうめばあちゃんの事を思い出しながら生活をする
姿には哀愁が漂う雰囲気をかもし出している場面もあるのです。
決して豊かとはいえないのですが、びんちょうタンは一人でも一生懸命働いて精一杯生きているので
すね!そんな健気で働き物でやさしいびんちょうタンの周りに自然と友達が出来てくる様子を温かく
見守っていくような物語となっています♪
 
 
■このアニメの楽しみ方♪
ストーリーは大したことは無いので、日常系が嫌いな人にはちょっときつい内容かなぁと思いますよ。
とにかく、やることなすこと可愛いですw
みればわかりますが、そっと手を差し伸べてあげたくなるような感情を抱きますよ♪
それとびんちょうタン以外のキャラクターもとっても優しい個性的なキャラが登場してきますので、
気に入ったキャラを堪能するのが正しい見方かもしれませんね!
私個人は「れんタン」が大好きです♪
初詣の書初めで「まみむめもくぎょ」って書くくらい木魚好きでちょっとクールビューティーな感じ
がとっても気に入りました(*^.^*)
可愛いキャラクターを眺めるも良し、のんびりした風景の何気ない日常をボーっと見るのも良しで、
癒されてみては如何でしょうか♪
気になったのが・・・プカシューの2部ってあるのでしょうかw
 
 
■究極の楽しみ方発見!?
びんちょうタンってPS2でゲーム化されている事を偶然知ったのですね!
そこでちょっとゲーム内容を調べていくうちに恐るべき動画を発見してしまったのです∑('◇'*)エェッ!?
そこで大暴れしているキャラクターの名前は・・・・「アベマキ」(クヌギたんの従姉妹)みたいですね
なんと声優さんが「釘宮さん」ですよ♪
そして・・・くぎゅうぅぅぅぅ~~といえば・・・ツンデレですよね・・・
なんと、びんちょうタンにツンデレ炸裂させているではないですか(゙ `-´)/ コラッ!!ー
しかも・・・かみ合ってないしwww
本当に衝撃でした!!!久しぶりに大爆笑いたしました♪
このゲーム・・・欲しいです♪
【注意】
釘宮さん演じる「アベマキ」と言うキャラクターはアニメ本編には一切登場してません!!
ゲームの中だけのキャラなのでプレミアムくぎゅううううううなのですよ♪
 
※その衝撃の映像を見てみたい方はこちらです
http://www.nicozon.net/watch/sm425851
 
2011.07.23・第一の手記
2011.07.24・■究極の楽しみ方発見!?に【注意】を追記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

びんちょうタンかわいいよびんちょうタン

私がこのアニメを知ったのは全くの偶然、ローゼンメイデン2期の後番組として流れた新番組予告を見てこの作品を知り、そのキャラクターの可愛らしさに一発で魅せられてしまいました。

◆びんちょうタンとはこんな子です・・・
「クラナドで伊吹風子役を演じた野中藍」が演じる主人公のびんちょうタンはとにかく可愛いのです!
あにこれユーザーの他の方のお言葉を借りると異物がビシバシ入ってきそうな大きな目、頭でっかち、着物姿で頭の上には備長炭を乗せています。
とても健気で一生懸命に生きようとする頑張り屋さんなのです。
でもこの子はとても可哀想な子でもあるのです。

◆この作品の概要は・・・
このアニメはとてもほのぼのできるアニメです。
キャラクターの可愛らしさに癒されます。
ストーリー性はあまりありませんが、まるで親が我が子を微笑ましく見ているようなそんな感じで鑑賞するアニメです。
個人的にはゆったりとした癒しアニメとして「ARIA」に次ぐ作品かもしれないと思っております。

◆可愛いだけではありません・・・
でもね、可愛い日常の裏側にはとても寂しい一面もあるのです。
びんちょうタンは山奥のオンボロ小屋に一人で住んでいます。
毎朝どんぐりを持って、こちらに振り向き「行ってきます」と言ってお仕事を探しに町に向かいます。
その「行ってきます」と言った相手は・・・・それは実際に見てもらいたい(確か第5話で判明)。

◆感動します・・・
大自然の山奥から町に出向いてお仕事を探し、健気にお仕事をこなします。
とても仲良しな友達もいます。
でも家に帰ると孤独。
でもこの子は負けません。
一生懸命に生きようとします。
そこにこのアニメの感動がありました。

◆ぜひ視聴を・・・
15分(本編が10分程度)×12話構成の作品なのでさっくと視聴できるので、興味のある方はぜひこのアニメを見て、優しい気持ちになって癒されてみて下さい。

◆大事な事忘れていましたので追記・・・
びんちょうタンのイメージソングに「ひとつ星」という曲があります。
このアニメの視聴と共にぜひ聞いてみてください!
とっても綺麗な優しい曲です!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

65.6 3 着物で貧乏なアニメランキング3位
墓場鬼太郎(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (179)
797人が棚に入れました
時は昭和30年代―。終戦から10年が経ち高度経済成長が急加速で進む中、富む者は富んだが、社会の底辺では泥まみれになりながらも日々を生き抜いている人々が溢れていた。
そんな社会に幽霊族最後の生き残りとして墓の中から生まれてきた鬼太郎。
地獄とは?この世とは?生きる幸福を考察し尽くした水木しげるの哲学に立ち戻り、元祖・鬼太郎が人間を笑い飛ばし、生きる喜びを謳いあげていく。

声優・キャラクター
野沢雅子、田の中勇、大塚周夫、大川透、鈴木れい子、郷里大輔、真山亜子、堀秀行、大友龍三郎、ピエール瀧、中川翔子

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

誰得?の老人を狙ったアニメ

みなさんがよくご存知の”鬼太郎”は「ゲゲゲの鬼太郎」だと思います。
仲間達と一緒に妖怪に関する問題を解決する怪奇ヒーロー鬼太郎。
こなきジジィ、砂かけババァ、一反もめん、ぬりかべ、猫むすめ、が仲間のヤツですね。

「墓場鬼太郎」はその原作、漫画ゲゲゲの鬼太郎の前身となる作品で、1960年台に雑誌ではなく”貸本”に掲載されていた漫画だそうです。 
もう半世紀も前の作品なんですね。
WikiPediaによると、さらにその原案となったのが1933年の紙芝居とのこと。
まぁ、漫画史ウンチクは置いといて・・・ともかく、本作はそういう古い漫画がもとであることを前提として御覧頂く必要があります。


少年誌向けに描かれていた「ゲゲゲ」と違い、「墓場」は読切り型の怪奇漫画。幽霊族の末裔、鬼太郎を取り巻く奇怪な出来事の話です。
人助けもしないし、仲間もいないし(オヤジとねずみ男はいます)、一反木綿に乗って空を飛んだり、ゲタ飛ばして妖怪とバトルを繰り広げたりもしません。
怪奇事件を俯瞰して、ケッケッケッと笑う不気味な子供。それが墓場鬼太郎です。
それをノイタミナらしく、独特のタッチで原作に忠実な雰囲気のままアニメ作品化している特殊作です。


最初に書いているとうり、元は半世紀も前の漫画。
それをそのままアニメにしているワケで、セリフの言い回しや話の流れが物凄く古臭い。内容も今となってはチープでお粗末。
それがこの作品の味だ、と言ってしまえば確かにそのとうりなんですが、こんな古い感性を工夫もなくただ見せつけられても困惑してしまいます。
正直、つまんない。
というより支離滅裂でワケわかんない。
漫画がまだ子供だけの娯楽であった時代の産物を、現代人にそのまま見せて、ウケると考えたわけではないでしょう。
となると、本作の視聴者ターゲットって明らかに50代以上。

「やあ、あの頃のマンガってこうだったよな。懐かしいー」

初老の世代に、こう言わせるのが目的。
そういう作品だと割り切って見ないと、若い人には視聴に耐えられないと思います。


でも、声優の起用にはちょっと感動しました。
鬼太郎:野沢雅子
目玉の父親:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫
初代ゲゲゲの鬼太郎のメンバーそのまま。
2008年になっても、このキャステイングを拝めるとは驚きでした。
・・・って、こういうトコに拘るあたりも、若者よりオッサンを狙っているのが明らかですよねw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰が政治しとるのか(10グラム増量)

自分に正直な鬼太郎が周囲の人間を不幸に巻き込みながらもたくましく生きていくお話。

有名なほうの綺麗な鬼太郎が子供向けとすればこちらは完全に大人向け。無論エロスがあるからという理由ではない。
あっても誰が得すると言うのか。

この作品は本当に×3是非見て頂きたい。まさに傑作、奇作、怪作、臭作なのだ。

まず作風だがとにかく全体的に暗く重い。
なによりこの鬼太郎というキャラ自体を受け付けない。嫌悪する人も相当いるんじゃないかと思う。
それほどこっちの鬼太郎の言動は割りと酷いものが多いように感じた。
笑いかたがまた感情を逆なでしてくれる。守りたいその笑顔ならぬ殴りたいその笑顔である。

ネタバレは避けたいんで詳しくは書かないが特に中盤辺りだったと思うがこの鬼太郎がとんでもない行動を取りやがる。
さすがの自分もあれにはドン引きしたのを覚えている。画面の前で一人で立腹していたのを思い出す。
純真な子供に見せたなら脳裏に焼きついて今後綺麗な鬼太郎ですら楽しめなくなるかもしれないから要注意。
だが、だからと言って悪だという感じではなく単純に自分に正直なだけなんだろう。

そして見所だが・・。
味のある絵柄。(賛否別れる)
微妙に各話が繋がってたりする非常に上手い構成。個性溢れる登場人物たち。全11話と手軽に見れる上にテンポも良好。
ざっと上げればこんなとこか。
この鬼太郎や絵柄に抵抗さえ無ければ止められない止まらないかっぱえびせん状態になるだろう。
なにより会話のやり取りが地味に面白い。センスを感じる。
元より万人に受けようなどとは微塵も思ってなさそうなその独特な作風がまた魅かれる。
退かぬ!媚びぬ!省みぬ!を体現して見せたようなその姿には一種の憧れまでは抱かない。

有名な鬼太郎がご存知鬼太郎ファミリー引き連れて人間に害なす妖怪を退治するヒーローものとすればこっちの鬼太郎は戦後日本を汚く腹黒くある意味では真っ直ぐに生き抜いて行く妙に人間臭い鬼太郎の物語。
当然鬼太郎ファミリーなどいるわけもなくいるのは鬼太郎の心の友ねずみ男くらいだ。後は目玉親父ね。
しかしこの鬼太郎が後にあの綺麗な鬼太郎になるとは・・人間いや幽霊族も変われば変わるもんだ。

万人受けは絶対しないだろうから名作と言っていいものかどうか迷うけど自分の中では名作。もっと知られるべき作品。
ちなみにこの鬼太郎。悲しいまでに弱いんで妖怪バトルものを期待したらダメよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 45

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

元祖鬼太郎。予想以上の面白さ

ゲゲゲの鬼太郎の元になったお話。
60年以上前の作品なので、原作未読。


……予想外のおもしろさでした。

正義のヒーローなゲゲゲの鬼太郎とは違い、人間とは異なった価値観をもつ「妖怪」な鬼太郎。
命の恩人? だからどうした? 用が済んだらさようなら。
金の話にはぴょんと飛びつく鬼太郎さん。

鬼太郎・目玉の親父・ねずみ男などが繰り広げるシュールな会話、救われないモブキャラたち。

基本は1話完結なので見やすいと思います。

OPでは、貸本漫画時代のカットが見られます。
一度原点に戻ってみてはいかがでしょうか。


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目玉の親父、もとい、鬼太郎の歴史


原点をたどると、1933年頃に紙芝居作者の伊藤正美という方が作った「ハカバ奇太郎」という作品に突き当たります。
カタカナだったという説もありますが、「鬼」ではないんですね。

その後1954年、水木しげるが、原作者の承諾を得て、紙芝居を貸本マンガという形で本にしたのが始まり。

「蛇人」という作品で設定が、「空手鬼太郎」という作品で、始めて目玉の親父が登場したとのことです。
実に20年以上にわたって鬼太郎には親父が居なかったわけですね…。
かわいそうな目玉。

それはさておき、

その設定を元にして、水木しげるが1960年頃に貸本マンガとして、あらためて書き起こしたのが「墓場鬼太郎」。

紆余曲折を経ながらも、1965年に「ゲゲゲの鬼太郎」として連載開始、1968年にアニメ化されました。

1965年~の連載作品、これが1期にあたります。

当時は「墓場」という言葉に問題があったのか、「ゲゲゲ」に改名。
ゲゲゲの語源は、水木しげるの「しげる」が「げげる」に聞こえたから、と言われています。
また、アニメ化された頃には内容も子供向けのヒーローものになっていたそうです。

つまり、シュールな主人公としての鬼太郎が活躍するこの「墓場鬼太郎」というアニメは、1960~1964年頃に描かれた「ゲゲゲの鬼太郎 零」とも呼べる存在なわけです。

声の出演も、時代を考えて「ゲゲゲの鬼太郎」の1期スタッフに合わされています。

1968年のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫

2008年のアニメ「墓場鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫


深夜アニメとしては異例の、平均視聴率5.0%をマークしているそうです。
アニメをほとんど見てこなかった私も、この作品はリアルタイムで視聴していました。

あにこれでも、もっと知られて欲しい作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 43
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