2020年度の発明おすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2020年度の発明成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月25日の時点で一番の2020年度の発明おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.8 1 2020年度の発明アニメランキング1位
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (365)
1554人が棚に入れました
本のためなら巫女になる!「三度の飯より本が好き」な女子大生・本須麗乃が兵士の娘・マインとして転生した世界には、本がなかった。平民は識字率が低く、羊皮紙で作る本は高価でお貴族様のもの。そこでマインは決意する。「本がなければ作ればいい!」試行錯誤の末、商人のベンノと出会い、商人見習いになるために植物の紙を完成させるが、マインの体は「身食いの熱」に蝕まれていた。貴族が魔力を持つこの世界で、時に魔力を宿して生まれる平民がいる。それが「身食い」。増え続ける魔力を吸い取る魔術具がなければ、生き長らえることはできない。そんな時、洗礼式で神殿の図書室を発見したマインは、巫女見習いになりたいと神殿長に直談判する。すったもんだの末、マインは魔力を奉納する青色巫女見習となることが決まった。しかし、本来、貴族に与えられる「青の衣」を平民上がりのマインが纏うことを快く思っていない者も多く、マインの行く手は前途多難。問題児ばかりの側仕え、神殿の階級社会……。麗乃時代とも下町時代とも異なる神殿の常識がマインの前に立ちはだかる。果たして、マインが心ゆくまで読書できる日は来るのか!? そして、マインは本を作ることができるのか!?

声優・キャラクター
井口裕香、速水奨、田村睦心、子安武人、中島愛、小山剛志、折笠富美子、日野聡、前野智昭、内田彩、中博史、三瓶由布子、狩野翔、都丸ちよ、鈴木みのり、安野希世乃
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

続きが読みたい病

原作既読

原作者の思惑通り
「続きが読みたい病」にかかっています(苦笑)

お話のざっくり概要
本好き…ってか本狂いって感じの幼女マインは
1期ですったもんだあって神殿に入る事に…
(詳しくは1期をみてね)
世界を本でいっぱいにするという大きな野心を
持つマインが神殿や孤児院の改革に乗り出す
だいたいそんな感じ

原作だと1期が1~3巻の兵士の娘編に相当
2期は4~7巻の神殿の巫女見習い編
なんだけど物語は累計6巻目のプロローグで終了
なので神殿の巫女見習いは後半分ぐらい
残ってる感じです。

■物語
アニメ2期は全体的に駆け足気味でした。
尺の都合で色々とカットされてますが
要所は抑えられているので話としてはまとまってて
ダイジェストで楽しめる感じです。

面白いと思った方は原作で補間すると良いかと~

■作画
たまに崩れる時はありますけど、
積極的に動かしているのが個人的には好感持てて
子供の表情を表現しようと挑戦しているのは
凄く良いです。なので加点してますw

あと、椎名優さんのカラー絵はとても綺麗なので
一見の価値ありますよ。
原作書籍を買う楽しみはほとんど
椎名優さんの新しい絵と四コマを見たいからですw

■声優
主要メンバーはハマリ役が多くて
どのキャラクターも魅力的に彩を添えてますね。

ってか、速水奨さんの歌声ww意外にたっかww
子供の頃の自分に「速水奨さんが歌を歌うよ」
と教えても絶対信じないと思うw
神(歌わせたスタッフ)に祈りを!!!

この後の原作キャラで勝手に声イメージ
ついちゃう人が既に何人かいて困ってます。
特に{netabare}ヒルシュール{/netabare}
ドラマCDでは田中敦子さんがやられてるらしい
けどまだ聞いてないので
なぜか勝手に朴璐美さんでイメージ固まってる
多分…だいたい{netabare}進撃{/netabare}のせいw

■音楽
BGMは作品に合ってますね。
フェシュピール?っぽい音のBGMも多いです。
OP/EDはどちらも名曲です!
普段はよりこっちが好きって簡単に出るんですが
これほんと両方良くて甲乙つけがたいんです。
うーん、くまった…

■キャラ
駆け足でエピソード削ってるので
原作よりもキャラの掘り下げが少し不足気味…
小説程には細かい描写が出来ないから
割り切って短時間で理解しやすいように
セリフを改変していますね。
原作を読むと印象変わるキャラもいるかも?です

あと、ルッツはやっぱりいい男ですねー
それにショタの涙は可愛い(*´Д`)ハァハァ

ここからはアニメ放送分までの原作の話
未読の方は、ネタバレ注意ですよ!
■アニメと原作の違いについて
{netabare}
◆ルッツエピソード
{netabare}
ディードおじさんはセリフ改ざんされまくって
あれじゃ全く別の印象になるなーとw
原作だと不器用ながらにも言葉を尽くしてて
和解する所とルッツの仕事ぶりを見て
見直す部分がしっくりくるんですが
やっぱ伝えるのに時間かかるからバッサリなのかな
{/netabare}

神殿もちょいちょいマイルドにカットされてます
一応、そっちはまぁ良いとして…

◆下町エピソード
{netabare}
ヨハン出さないのはどうなん??
グーテンベルクですよ!?歴史変えるんだよ!?
本好きという題材で印刷の主要キャラが
丸ごとカットなんてそんなぁー(´;ω;`)
ま、確かに話の主軸とは関係ないから
ルッツ+他雑多な職人が頑張って作ったにしても
差支えはないんだけど、グーテンベルクがぁぁw
個人的にはグーテンベルクと呼ばれて困っている
ヨハンのエピソード好きなんですw
実際に呼ばれるのはアニメのちょい後ぐらいから
だから3期orOVAで過去に会ってたって
エピソード付け足しでイケルかも?
{/netabare}

◆本須麗乃
{netabare}
んで、一番カットが納得いかなかったのは
本須麗乃の所ですね。
麗乃のはマインの考え方の根幹部分になるので
端折らないでやって欲しかったなぁと(´;ω;`)

ここをしっかり丁寧に描いているかどうかで
神殿の巫女見習いの後半エピソードが活きるし、
養女になってからのちょっとした、ふれあい等の
エピソードでの仕草・表情・セリフどれをとっても
中に詰まっている情報量が変わってきます。

原作だと
本だけがあれば良かった麗乃時代…
本のない世界に来て、一人では生きられない虚弱で
家族に支えられて愛されて生きている実感を得て…
本以外に大切なものに気づく

思い出さないようにしていた麗乃の記憶に触れ
当時は気づかなかった親の愛情
それをずっと注がれて育ってきた事を改めて感じ
「おいしいよ、お母さん」のセリフ
自分も親が亡くなっているのでここのセリフ
凄く分かるんですよね。できなかった親孝行や
言えなかった普段思ってた感謝の言葉ってあるんで
何気ない一言なんですけど重いなと感じてました

アニメで「行かないで」と改変されていたセリフは
原作は色々な言葉での後悔の詰まった「ごめんね」
原作の描写を経てのエーファへのセリフは
やっぱり重みが違うんですよね。
その後のマインの家族や身内認定した人への
過剰な想いの強さは麗乃の後悔の裏返しです。

今後の家族との繋がりを大事にする言動全ての
元となるエピソードなので端折って欲しくなかった
そこだけがとても残念です…
{/netabare}

あの部分を簡略版で済ませるって事は
これ以降の話はアニメ化する気が無いのかも?
まぁ原作長すぎるので全部アニメ化は難しいですが
もう少し先まではやって欲しかった(´;ω;`)
{/netabare}

3期欲しい…凄く欲しい。
この後のエピソード凄く好きなんでやって欲しい
原作累計7巻目の243Pはイラストだけで泣ける
凄い絵です。
あの部分をアニメでどう描くのか凄く楽しみです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ただの下剋上になってません?

原作未読 ※1期の内容はネタバレで隠してません


イマイチでした。1期が全14話あったのと比較して全12話とボリュームダウンしたのも影響してるのかもしれませんが…
7つの球を集めて龍に願い事を叶えてもらう話から始まっていつの間にか遠い星からやってきたサイヤ人と死闘を繰り広げちゃうみたいな“味変”展開が自分には合わなかったようです。

あらためて自分の1期レビューを読み返してなにをどう評価してたのか振り返るとこんな感じでした。

●ポジティブ
①転生前の人生を踏まえた上で転生先での行動に反映されている
②文明差でマウントを取らず主人公が現地化に努めている
③「無いものは作ればいい!」と作り出して受け入れられていく過程
④『身食い』:物語に緊張感をもたらす時限設定

●ネガティブ
⑤見た目は子供、頭脳は大人な某アニメも合わない私。幼女設定は尚更です。

わりと面白がってたと思います。ちなみにネガ項目は性分みたいなもんでどうしようもありません。当時、人生リセットでヒャッハー的な異世界転生ものにうんざりしてた時期だった中での光明。①②のようにこれまでの経験が地続きであるよねといった地に足の着いた作風は好感をもって楽しんでました。
元の世界と転生先となった世界とでの繋がりやギャップが随所で感じられたことでの面白さが良く表現されてました。それを受けてかつ消化した上での2期でもあるので元世界との繋がりやギャップといった要素は減少していきます。敢えて説明や描写する必要がないからです。マンネリ防止もあるでしょう。

 この繋がりとギャップ

ここに重きを置いて肩透かしを食らった、というのが実情だったのでしょう。④も1期のラストによって解決というか先送りになったわけで成分としては減少。なんとなーくですが、おもちゃを取り上げられた子供のような心境に陥ったわけであります。なお上述の各項目についての2期評価は以下↓

①転生前の人生を踏まえた上で転生先での行動に反映されている
 ⇒1期でやりきった感ありなのか2期は控えめ。
②文明差でマウントを取らず主人公が現地化に努めている
 ⇒貴族のお作法を知らないというのはあったが文明差に驚く場面はほぼなし。
  マインの現地化が済んだと言えよう。
③「無いものは作ればいい!」と作り出して受け入れられていく過程
 ⇒本作りも流れ作業に近くアニマルスピリットみたいなのを感じない
④『身食い』:物語に緊張感をもたらす時限設定
 ⇒先述したように先送りまたは一旦解決。
⑤見た目は子供、頭脳は大人な某アニメも合わない私。幼女設定は尚更です。
 ⇒これは相変わらずですね。



2期に絞って話を戻します。
そうは言っても味変した物語は極めて安定しています。神殿に巫女見習いとしてお仕えし主戦場が変わる2期。1期を彩った主要キャラはやや後方に下がり、新たなキャラ達が登場し物語に厚みを加えます。

 貴族扱いだが平民出のマインが貴族のお作法を吸収していく

2期にて初出したこの要素が色濃くなり多くの割合を占めていきました。普段なら“厚み”や“深み”が増したと捉えるところですがそうはいかなかった、という自分としても稀な経験をした2期でした。
あくまで想像なんですけど、本シリーズは23巻とか刊行されてるわけでしてアニメもトレースしているはずなんです。仮に3期や4期と続くならこのへんの2期がいい感じの伏線になって収斂されていきそうな期待感はありますね。
{netabare}例を挙げるとしたら、マインというかうらの(中の人)の転生前記憶をトレースしたことでマインが取り乱すシーンなんかそうです。単発で“良いエピソード”なんですが、2期では転生前と転生後の差分を表現するシーンが皆無で「とってつけた感」否めません。けれども…ってやつですね。{/netabare}

作りに雑味を感じないためこういった期待感が残るのです。いまさらですが1期を踏まえた上での2期。ここからの参戦は不毛ですので最初からお願いしますね。
その上で他の『期を分けて放送された名作群』よろしくあくまで自分の中で再評価されることもあるかもしれない作品として現時点では評価を保留しときます。

『本好きの下剋上』を謳いながら“本好き”要素が薄いと感じたのです。ドラゴンボール集めてないのにタイトル据え置きというのを気になりだしたら止まらなくなったという居心地の悪さに相通ずるもの。気にしなければどうでもいいことでしょう。

{netabare}※子供たちへの絵本贈呈といいながら、貰い手である子供たちへの配慮がね。日本の昔話では通用しない概念をどう改良したのか?であったり、そもそも読書の習慣が希薄な世界ですからそのまま本渡されても手に余るでしょうに。そこにケアをしようとする意識だったりがあれば印象は違ってましたね。{/netabare}

{netabare}※それに本好きマインさんがどこに帰着したいのかもよくわからじ。自身が本に囲まれたいなら、材料の調達から紙の大量生産や製本の効率化に取り組めばいいでしょう。本の普及なら先述の啓蒙活動に注力する必要もありましょう。そこがないんだよなぁ。本が読めないからふくれっ面する。書庫を荒らされてムキーッとなる。これだけでは浅いと感じるのです。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~6月 リアタイ

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2021.03.13 追記

たぶん続きは観ないかなぁ。

 1.気づきを得られるから好き
 2.囲まれるのが好き
 3.本好きと言ってる意識の高い私が好き

2をベースに1が顔をのぞかせてたのが1期。『本好き』の冠に嘘偽りない導入部分から1が奥へ引っ込み、3の匂いがちょいとしだした2期と言えるのかもしれない。



2020.07.06 初稿
2020.09.11 修正
2021.03.13 追記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

いよいよ、第二部「神殿の巫女見習い」!→ 第二部途中だけどキリの良い最終回でした! そして第3期へ!(やったね!)

ということで私は原作既読ですが、とりあえず放送開始前のレビューです。

第二部の PV 来てますね。
https://youtu.be/bD53ze25S_E

アニメ第一部を観ていれば外伝は観ていなくても大丈夫だと思います。
以下、まだ第一部を観ていない方には非推奨。





第一部の最後で、マインは神殿で魔力を提供する神事を司る「青色巫女」の見習いとして神殿入り(ただし神殿に住むのではなく自宅から通い)となりました。

マインの最終目標は「図書館の司書になって、本をたくさん読めるようになること」ということでしたが、その前段階として「安価な本を作る」というマイルストーンが設定されました。第一部ではさらにその前段階として植物紙の開発に成功していますね。

しかし、製本に必要な技術として印刷技術の開発が不可欠です。青色巫女見習いとなったことで寿命問題の解決に進展が見られ、また扱いも平民よりはやや貴族寄りの身分を確保したマインですが、果たしてマイン工房謹製の本は完成するのか、そして「神殿で魔力を提供する」といっているもののそもそも「魔力」とは何なのか…?

また登場キャラクター的には神殿関係者、特に魔力を持たず側仕えや下働きをする灰色神官・灰色巫女が増えてきます。

神殿でのマインの活躍や、如何に…(笑)?

2020.6.21追記:
第26章(第二部12話目: 最終話)まで視聴終了。
家には既にBD-BOXが届いております。

原作ではこの最終話のエピソードではまだ第二部は終わらずこの辺りで第二部の2/3を消化といった感じだと思いますが、第三部以降のさらなる「下剋上」展開をほのめかすセリフが出る第二部3巻目冒頭の場面を見せることで、上手くまとめていました。

アニメ第25章、第26章の終盤2話の辺りは以後の展開を考えても重要なエピソードで、ここをしっかり描いておくことで、仮に続編がアニメ化されるとしても破綻なく継続できるストーリーになっていたと思います。

ここまでのアニメ化自体はとても良かったと思います。

この作品の特徴の一つとして、主人公マインの身分が上がるのに伴ってこの世界に関する読者に与えられる情報が増えていく、という点があります。

ストーリーが進むにつれて「あそこはどうなっているの」的な疑問に回答が与えられていきますので、この後のストーリーもアニメ化されていくことを希望します。

2020.7.12追記:
アニメ公式twitterアカウントにて、第3期制作決定の報がありました。ひゃっふう!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49

71.5 2 2020年度の発明アニメランキング2位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (265)
869人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 42

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

明治末のキャノンボール

最後まで観た感想

明治末にアメリカで行われたキャノンボールでした。
まぁ 面白かったです。
最初はキャラ紹介もあってなかなかレースが始まらず、ヤキモキもしたんだけどね。^^;
いざ始まってみると、いろんなアクシデントがあってもライバルたちとの友情?などがあって、強力したりする場面があり、それはそれで素晴らしくて美しいかもだけど、なんだか なあなあな関係というか・・・
もうちょっと自分以外は敵というか、シビアにレースに挑んで欲しかったような気もしました。
レース終盤は、ギル・T・シガーの妨害により、レースそっちのけで「サウザンドスリー」退治に話が変わってしまい、なんだかなぁーで、これじゃない感が(苦笑)
これ
ドラマだったけ?って思ったよ。
でもまぁ、最後はちゃんとレース再開して決着もついたので、まぁ そこそこ満足できたかな?
でもやっぱり僕としては、もっとレースメインで抜きつ抜かれつのハラハラドキドキをメインに見てみたかったです。


どうでもいいつぶやき
天晴って車の免許 持ってたの?



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最初のレビュー


P.A.WORKSのオリジナルですかね?

時代設定は明治末らしいけど、これ 子供の頃観た映画「キャノンボール」まんまの内容です。
一応3部作まであるけど、1と2にはジャッキー・チェンも出演してます。
(1ではスバル レオーネ。2では三菱 スタリオンに乗ってました)
なついです。(誰か観てる人いるかなぁ?)

アメリカ大陸横断レースなので、必ずしも早い車が勝つ訳じゃなく、耐久力や運も必要なので面白いんですよね。
本作のキャラでは、無頓着で発明化みたいな天晴と、刀を携帯する士族の下級役人 小雨との凸凹コンビで、なんだかんだで良いコンビだと思います。
他のキャラは今後出てくるだろうけど、キャラは大事なので面白い奴 期待したいです。

しかし
コロナの影響で3話まででストップ。
残念ですわ。
どのくらいの期間延期するか分かりませんが、いきなり4話から始まっても細かなとこ忘れてる自信があるので、また1話から放送始めてくれると嬉しいんですが。。。

幾つかの作品が延期になってますけど、早くいつも通りに戻って欲しいですね。
てか、これを期に アニメは完全出来上がってから放送決定した方がいいんじゃないかと思いました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

冒険しない冒険

5話までの感想{netabare}
悪くはない、悪くはないのだけど「なかなかレース始まらないなぁ」、「全何話か知らないけど早くレース始めないと放送終わっちゃうぜ」って感じで4話までヤキモキしたのが本音かな?
とはいえレースでいちいち回想シーン入れられても困るのでここら辺の匙加減はなんともいえない、とりあえず5話でレース始まってよかったよかった。
ところでキャノンボールやチキチキを髣髴とさせるという指摘が多いが、個人的には小雨が“一休さん”の新衛門さんに感じて仕方ないw、どれも狙ってのことだろうけど。
ついでにチキチキは殆ど記憶に無いのだが、「より原始的な構造の方が壊れにくい・(マシントラブルなど起きたら)最後は乗り手の体力勝負」ってことを当時思ってか思ってなくてか岩石オープンが一番好きだった…と思う。
こっちはエンジニアに焦点を当てた作風のためあんな原始人を登場させるワケには行かなかったのは分かるが、世代ならケンケンのモノマネは誰でもやったハズで、こっちにはそれが居ないのは…どういうこっちゃー!!{/netabare}

7話までの感想{netabare}
マーチャン…ゲフンゲフン、小動物キター!
これで特徴的な笑い方をしてくれたらそれだけで色んなものが許せてしまう気分だけど、さすがにそこまであからさまじゃない?
でもってメインの話は──

天晴、お前人の心があったのか!

この先レースを通じてそこら辺を獲得してく展開になるのかね?
小雨もなにかトラウマを抱えてるらしくそっちの掘り下げも期待したいところだけど、敵討ちはとっくに済ませててその時の感触が恐かったりして?
いやだってアメリカで敵に遭遇って無さそうだし。
そのうち小雨「お前は人を殺したことがあるかい?」とか言い出さないかなー、どうかなー。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
あ、知ってる、これ小雨が天晴号のAIになる展開だ。
と冗談は程ほどに、そんなことは無いだろうけどもしそうなったら非難轟々になろうが私は絶賛するぞw

と、最新話の感想を先に書いてしまったけど、いやはやどうなんだろうね?
8話小雨がアッサリと刀を抜いて悪者やっつけて「え、それで終わり?」と肩透かしを食らったかと思えば、9話温泉回ではそれぞれキャラが立ってて面白かった。
天晴が考え事をしなから町を歩いて周囲がしっちゃかめっちゃかってのは昔ながらのキッズアニメ調で懐かしさすら覚えた。
次回以降への「引き」も、ルート変更でよりにもよって妨害を仕掛けてる鉄道会社のお膝元でレースを続行することになり、さーてどれだけ妨害をかわしながらレースをするんだろう?と期待を持たせといて…。
10話これかい!
レースしねぇなぁ…。
まぁ私はこの作品の方向性をよく理解してない(=期待してない)のでレースしなくても別にいいやと思うようになってるけど、車まで破壊して、いよいよもってレースする気はないと断言された気分。
つか人間が超人すぎひん?これなら人が車背負って走った方が早いんじゃないか?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
なんだろうね、奇抜なレーシングカーが続々登場する作品かと思ったら人間の方がトンデモだらけ。
で、そんなトンデモ人間出すのなら奥歯に加速装置仕込むなり生身で列車止めるなりすりゃいいのにそれは無しで煮え切らない、中途半端。
ギルを倒すのは天晴のビックリドッキリメカにするとか、最終回の最終コーナーも小雨が夏実ブレーキ(“俺たちは天使だ”“逮捕しちゃうぞ”ネタ)するなり3人で生身の足で壁走りすれば、それまでの「ん?」って部分も帳消しに出来ただろうに…。
何を見せたかったん?がブレブレというか、企画当初は面白いアイデアだったものが、会議を繰り返すうちに無難なモノになってしまったような、そんな感じ。
あーあれだ、「手に持った爆弾が爆発する」で例えると、バラバラに砕け散って肉片飛び散らせるのと黒焦げアフロでケホっと煙を吐くの、2パターンが同じ世界に混在してる感じ。

最終回まで見てから思い返してみて、そういったチグハグ感が顕著だったのは4話になるかな?
シャーレンが女性でもレースドライバーを務められることを証明するために本職のレーサーと勝負する回。
その中で対戦相手が意図的に接触して、シャーレンのドライブテクで大惨事になることを防ぎ、対戦相手が親方にブン殴られる展開があるのだけど…。
これで「ああ、この作品はちょっとでも接触したら大変なことになるリアル寄りな世界なのね」と誤解してしまう、実際はリアルそっちのけのトンデモ人間大集合なのに。
更に、じゃあそのシャーレンのドライブテクはのちに発揮されるシーンがあるのか?といえば、無い。
思い返せば思い返すほど4話要らない。

それと12話、荒野の7人だか7人の侍をやりたいんだか知らんし、胸ポケットにしまったコイン(コインじゃないけど)のお陰で銃弾防ぐネタって…今更?
だったら小雨がジルに撃たれた時、懐に入ってた小ホトトに当たって助かったでいいじゃん、アルマジロにでもしてさ。
更に松田優作ネタって…最近でも“バナナフィッシュ”でそれほど反応芳しくなかったと思うのだけど…。
なんか噂では監督は“チキチキマシーン~”を見てないとのことなのだが、見てないと知らないはイコールじゃないよね?
松田優作ネタ使う暇があるなら小ホトトにあの笑い方をさせろよと…昔の作品のパロやるんだったらさ。
同期放送の“デカダンス”の「アクシズ返し」はナツメにやらせることが無い・居る意味の無さを誤魔化す狙いだったと思うのだが、こっちは意図が分からない。
同じく同期放送の“ラピスリライツ”は毎回ひと言パロネタを入れるという縛りをやってたみたいなのだけど、それに比べるとこっちのパロ入れるタイミングの下手さが目立つ。
ちょっと前やった“グランベルム”の「スイカバー」は、もう作画班が一杯一杯で仕方なく…というのが実情らしく、こっちも同じ理由?と考えるにはちょっと無理がある。
どうにもこの煮え切らなさがもどかしい。
あ、シャーレンの戦闘シーンはバーチャ2か3辺りを意識した?
残念、そのネタは“ハイスコアガール”でもっと上手に料理してます。

その一方、ギルが鉄道会社を裏切った件は…これは私が富野作品の見過ぎなのかな。
「最初から裏切るつもりで、資金や物資をせしめられるだけせしめようと従ってるフリをしたんだろう」と解釈してそんなに変には思わなかった。
但しこれはあくまで個人的な勝手な解釈で、実際は作中でそんな描写は一切無いし唐突だという意見も分かる。
結局既存作品のイメージにおんぶに抱っこでやり過ごしたってことになっちゃうのかな?


先述の通り監督はチキチキ~は見てないそうで、だからといって作品から若さを感じない。
アイデアの尽きた老人が既存イメージに寄りかかって手癖で書いただけのような無難さというか退屈さというか。
で、冒頭に書いた「企画当初は面白いアイデアだったものが、会議を繰り返すうちに(老人の横槍のせいで)無難なモノになってしまったよう」という結論に行き着いた訳ですが…実際は知らんけどね。
守りに入った作りと言い換えてもいい。
もう少し思い切ったことしてもいいと思うんだけどなぁ…オリジナルじゃ難しいのかなぁ?{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
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