2024年度の異端審問官おすすめアニメランキング 1

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月11日の時点で一番の2024年度の異端審問官おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.6 1 2024年度の異端審問官アニメランキング1位
チ。―地球の運動について―(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (178)
669人が棚に入れました
第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞ほか、数々の賞を席巻。 若き天才作家魚豊(うおと)が世に放つ、地動説を証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語 15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。 彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。 が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。 ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。 異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。 彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
ネタバレ

アニメアンチ2号 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【チ】の女神【サンタ☆ソフィア】に心臓を捧げよ!

●メビウスの倫理の輪で踊る演者たち

考えれば考えるほど矛盾すると言いますか、支離滅裂な要素が溢れ出てくる
ネタバレレビューを読む

●プロパガンダの目的

所謂「地動説」というものについてざっくり調べてみますとそもそもそれ自体がなかったと
言いましょうか、コペルニクスのところでようやくそれらしい仮説が出来上がりまして
しかし、当時は誰からもまともに相手にされないようなトンデモ理論であったわけです。

コペルニクスはカトリック教会の祭司であり、ガリレオは【イエズス会】の支持を
得て「地動説」に関する研究を行っていました。

ネタバレレビューを読む魔女の類であるのというのが真実です。
ということでピタゴラス教団の占星術師も地動説に似た宇宙論を信仰していたのであります。

疑問点のすべてが解けてみましたら、オカルト系トンデモ作品だったというオチのようです。


●「カレンデュラ、お前もか?」

最後の最後で死んだはずのネタバレレビューを読む恐らくはどちらでの解釈も成り立ち得る作りに敢えて仕上げたのだろうと
そのような印象を受けました。

ネタバレレビューを読む
~太陽と「カレンデュラ」の神話~

「昔、イタリアのシチリア島に住む少年クリムノンは太陽の神アポロンに恋をします。」
「昼間、彼の心は喜びであふれていますが、夜になり、太陽が姿を消すと寂しくて」
「たまらなくなりました。その様子を見ていた雲の神様はいたずら心を起こして、」
「8日間も太陽を隠してしまうのです。」

「アポロンと会えなくなった少年は嘆き悲しみ、恋い焦がれるあまり、ついに」
ネタバレレビューを読む

英雄は弁論により生まれませんし、良作も弁論だけでは作れません。

弁論術や机上の理論で辻褄合わせをしようとしたのが本作の最大の
失策だったのではないかというのが個人的見解であります。




●もしかして、やらかした?かもしれない可能性にアンチはメシウマ!?

ほんとちょっと数話前のお話で、命を懸けてネタバレレビューを読む

最後の最後でのまさかの駄作認定されるかもしれない最大の懸念要因は
あのネタバレレビューを読むという題目でございます。

タイトルを「チ」とかでなくて「パラレルワールド、マンセー!」
にすればよかったのかもしれませんよね?

途中まではかなり面白かったのですが、ピークアウトした最後の最期で
何を表現したかったのかさっぱり意味不明なまでのシュール展開に苦笑がこらえきれません。

●【大淫婦☆ソフィア様】が指す光へ

パン屋青年アルベルト(略して「ア【ベル】」)が神父様に
罪を告白するシーンが最終局面で描かれます。

この神父様は恐らく若かりし頃のネタバレレビューを読む
先生はいったい大人になるまでにどのような学びを得たのでありましょうか?



●「👹神様👹!!」見つけました👹!?

そもそも「地動説」とは何なのかについて詳しく言及する気配もないまま終わりに差し掛かり
正直やり辛いとこもあるために考えを整理する意味で材料を陳列してみようかと思います。

例えば古代ギリシアの偉大なる思想家プラトンは、その著作を見る分には大変知性が高く
ネタバレレビューを読むしばらくした後に思ったのが、プラトンの「洞窟の比喩」と「光」で真実を照らす存在
のことであります。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm2396057

👹「チ」の女神=ソフィア様👹はここ↑にいたのかもしれません。

「チ」の出所はわかりましたが、それとは一線を画すはず?の
「地動説」というとてもとても科学的な?仮説の出所はどこにあるのでしょうか?

永遠の謎であります。




●死兆星が輝いた

前回のチョンマゲ娘のネタバレレビューを読むの意義について明確に描けてない以上は減点せざるを得ない
というのが個人的な感想でございます。

ピークアウトした後の失速感が凄いですが、果たして
亡霊先生によるここからの巻き返しは可能なのでしょうか?


●「刻印」が示す宿命的邂逅

ノヴァク父さん無双と言うべき展開であります。

本作で一番存在感あるこのお父さんがすべてをネタバレレビューを読む

そうしますと落としどころがかなり難しいように思いますが
次回以降どう展開するのでありましょうか?


●畜生どものジョーカーゲーム

「地動説を研究していたことを認めますか?」
「その研究がネタバレレビューを読む

詰めが甘いのは「ゲームプレイヤー」でしょうか?

●友愛結社のロケットパンチ

シュミット隊長率いる秘密のギルド騎士団員はやはり
ネタバレレビューを読む
この流れだとやはり何かが噛み合ってないような気がします。


●父君の名は。

本作の伏線をきっちり回収してくるところなど含め物語展開は鮮やかであると言えます。

シュミット隊長に焦点が当たるような流れが続いていましたが、その背後には
ネタバレレビューを読む大してないことが
本作最大の弱みのように思えて仕方がありません。




ボンバーマンのネタバレレビューを読む君の回想は無いのでしょうか?

右だと思いましたが、やはりネタバレレビューを読むでした。
「ロスト・シンボル」も右です。
https://youtu.be/lCqHytVmUww

もちろんそこには意味がありますが、本作ではどうでしょうか?





●ダークサタンパワーメイクボム!

真打登場の組織長がやはりと言いますか、いえ少しばかりネタバレレビューを読む

「願い事」の星【金星】はオクジー君のネタバレレビューを読む

流れ星に願う人はネタバレレビューを読むという話は恐らく真実なのでしょう。


●ムーンプリズムパワーメイクアップ!

本作視聴者に対してセーラームーンネタをやるのは一見無謀なことのようにも思えますが
天体信仰、ではなく天体観測の肝はまさにネタバレレビューを読む天体を必死に観測する種族などこの世に存在した試しがありません。

古代ギリシア人にしても天体は神でありまして、ルネサンスや近代合理主義のルーツである
ギリシア・ローマの思想はネタバレレビューを読む以外に方法がないような流れ向かっているようです。

●オリオンを辿る真実

本作の物語について考えれば概ね評価に値する水準にあるように思います。

しかしながその一方で何とも言えない「偏り」みたいなものが開始早々から
横たわっているような妙な感じを覚えるのでありました。

最大の鬼門はあの異端審問官ネタバレレビューを読む




●「灯火」と「ミッションアンタッ【チ】ャブル」

【デウス・エクス・マキナ】とはギリシア悲劇などで使用された演出手法であり
「機械仕掛けの神」を意味する言葉であります。

これはある意味究極の「ネタバレ」になりますが【デウス・エクス・マキナ】が降臨すると
ネタバレレビューを読む

「蝋燭の炎」と「本」は伏線として使用されたと解釈できます。

3人はこの伏線により三位一体の使徒として出会う運命にあったと言えるのです。

ヨレンタさんのお父様は教会に ネタバレレビューを読むと所縁が深い海洋民族がどの種族なのか?
追求する必要があるということになります。



●「チ」の女神転生!?☆彡【デウス・エクス・マキナ】☆彡の動きについて

15話から16話そして17話への物語展開は鮮やかだと思います
しかしながら15話の最後の貧民たちのネタバレレビューを読むにそしてネタバレレビューを読む
みたいなのには流石に絶句しました。

フランシスコ・ザビエルの例のヘアスタイルですが、ある意味この作品のおかげで
あのヘアスタイルの意味に気が付くことができたのは感謝したいところでありますが、それでも
複数のネタバレレビューを読むような展開はあまりに強引過ぎてはないでしょうか・・・

結局のところネタバレレビューを読むあのヘアスタイルをこれでもかと
強引にねじ込んでくるのはやむを得ないということなのでしょう。

強引だが必然ということで意図は理解できるのでヘアスタイル分の減点はしないでおきます。

ヨレンタさんの手袋にネタバレレビューを読むに意味があったのではないかと推測いたします。

ヨレンタさんの人種ついての詳しいことは17話以降に明らかにしようと思います。

ヨレンタさんの服装が示すシンボルカラーはネタバレレビューを読む
お父様は「過ちを犯した」のであります。

それに対してヨレンタお嬢は「父の過ち」を糾弾するようなことを言ってしまったので
お父様はぶち切れたのであります。

ネタバレレビューを読む
【デウス・エクス・マキナ】が発動されるのだと予測されるのであります。

16話に登場する鎧の騎士団は教会絡みなので「十字軍」を連想しそうですが、
ネタバレレビューを読むの物語がリンクしまして詳しいこともいずれ明かされるのでしょう。

【チ】が示す【灯火の女神】を前提にしていますのでネタバレレビューを読む

●【チ】に足がついてない人たち

本作は「妙なヘアスタイル」が印象的なとある宗教教団と近代合理主義に毒された
狂信的地動説信奉者の信念を掛けた熾烈な闘争劇のような様相を呈しているところもあるようで、
従いまして視聴に当たっては教会や自然科学思想に関する予備知識があった方が
いいのではないかという意見も一理あると言えるかもしれません。

しかしながら個人的には現実世界の人類史の出来事と「本作の教会」の仕掛けた
闘争劇展開を比べた時には、妙なズレを感じずにはいられませんでした。

一番気がかりなのは「あのヘアスタイル」ですが、ネタバレレビューを読む
史上最凶で最狂の秘密結社が【イエズス会】というわけであります。

敵対勢力を潰すことが彼らの目的であり、正義でありますから
手段は問わないわけであります。

ネタバレレビューを読む

「教会権力 VS 近代合理主義」という対立軸を基点とした本作の物語展開というのが
根本的におかしいような気がします。

教義に関しても真理に関しても説得力がまるでない教会権力側に正義が無いのは見たままの通りですが
ネタバレレビューを読む

フラットアース理論信者も怪しいですが、本作を見ると地動説信者も胡散臭いと言いますか
根本的なところがズレているように見えてしまうのでございます。


●フラットアーサーの逆襲

数年前のことになりますが「you tube」にはフラットアース理論について解説する動画が
かなりの数出回っておりました。

ネタバレレビューを読む
「ばいばい、アース」という作品が暗示する「古のアース」=「地」のネタバレレビューを読む見事繋がるのではないかという疑惑について
追及しないわけにはいかなくなるのであります。


●大淫婦バビロンに連なる【獣】

ローマカトリック教会とはローマ帝国の宗教的権力機関でありまして、そもそも
ローマ帝国はローマ人固有の宗教思想が故に被征服民たるユダヤ教徒やキリスト教徒を迫害し
一方的に弾圧してきたわけであります。

ネタバレレビューを読む
終いには教会はまるで【怪獣】のように膨大な力を持つ権力組織となったわけであります。

ネタバレレビューを読むローマカトリック教会は
「不死身のモンスター」の如くしぶとく生き残ったのであります。

ネタバレレビューを読む
【フェニキア人】に乗っ取られたなどという妙な結末が待っていたようであります。

その辺について簡潔にまとめているのが↓この動画であります。

河添恵子【秘密結社?「イエズス会」とは?」】
https://youtu.be/i21c4NYS5Yg


【フェニキア人】とはどのような人種、「血」族でしょうか?
ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む

【占星術】と【数秘術】はセットで扱われるケースが多く、ピタゴラスの定理でお馴染みの
ピタゴラスも自身のオカルト教団で【フリーメイソン】と似たような
いかにも怪しい研究をやっていたようです。

ネタバレレビューを読む

フランス革命の際に発明された「ギロチン」という大量殺戮装置を考案したのも恐らくは
本件の工作員関係者の仕事ということなると思いますが、
魔女狩り-弾圧-ホロコーストという一連の独特で妙な嗜好性みたいなものは
「彼ら」特有の「血」が由来であるように思えてなりません。

「拷問、【卍】十字架刑【卍】、火刑」などこういう類のものを好んで行う行動原理や思想のことを
敢えて一言で表すならばそれは【グノーシス主義】ということになるでしょう。

アメリカ合衆国にあの【女神像】を贈呈したのはフランスでありますが
ネタバレレビューを読む

フランス革命の時に生まれた新たな宗教とは、【理性】の崇拝であります。

そして【グノーシス主義】とは【チ】=「知恵」の女神を崇め奉る宗教思想を表します。

ネタバレレビューを読む

これが「ばいばい、アース」の悲劇と言えるものなのかもしれません。

ネタバレレビューを読む

もしも自分が異端審問官だとしたら地動説を妄信する人に対し
地球儀を飾ることの意味について問い詰めたいというのが本音であります。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 3
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

知の怪獣たる人間の性を深く洞察した逸品

15世紀前半・中世ヨーロッパの“C教”が信仰される“P王国”にて、
天動説を説く教義に背くとされた地動説を巡り、
宇宙の真理であると地動説を追求する者、
信仰を守ろうと地動説を弾圧しようとする者など、
様々な人生が交錯する同名連載コミック(未読)のNHK総合・連続TVアニメ化作品(全25話)

【物語 5.0点】
信念を持って真理や信仰を追求する人間の可能性と狂気を活写している。

第一印象は、またぞろカトリックを悪者にする、よくある中世エンタメ作。

私も大概キリスト教嫌いなので、本作もまた、
腐敗と迷信に溺れる暗黒時代の“C教”の迫害を覆さんと、
真理の探究者が奮闘する展開を期待しましたし。
特に序盤は、ノヴァクのエグ過ぎる拷問にも負けずに、
地動説を貫き通そうとする人々に共感する視点で観ていました。

ところが、話が進むに連れ、本作は、科学的思考が宗教を見下す一方的な話ではなく、
地動説の信奉者も、神の信奉者も、自らの信念を貫き通す人間として尊崇し、
また畏怖する視点の物語だと、徐々に軌道修正。

私は無意識に、地動説を信じる自分たち現代人の方が、
天動説を盲信していた中世ヨーロッパ人より優れていると決め付けていました。
実際、C教会にて、自ら信念も持たず、組織に命令されるがまま、
地動説の迫害に加担する信徒たちは愚かです。
が、それは、現代社会にて、組織の論理のままに、
時に不祥事まで犯してしまう現代人も同様なのではないでしょうか。

特に転機となったのが、第9話のピャスト伯。
ネタバレレビューを読む
彼の信念と生き様を見ていて、
私は自らの信念のため、幸福と救済のために、世界を知ろうと真剣に探求しているだろうか?
そう考えると、中世人は皆、頑迷だと笑うことはできないのではないか。

因みに、地上から天動説視点で見ると軌道が惑う故に“惑星”と呼ぶという由来も、
私は恥ずかしながら本作をキッカケに初めて認識しました。


中世を舞台に現代人にも信念や真理への向き合い方を問うという視点に立てたことで、
本作を視聴する時間は、知的好奇心を持つ人間について哲学する有意義なひと時となりましたし。
ラスト3話の展開についても、解答が示されない故のまとまりの無さよりも衝撃の方が上回りました。

特に第二十二話「君らは歴史の登場人物じゃない」
ネタバレレビューを読む

良くも悪くも人の主観が世界の認識を変えてしまう事例が、
視聴者側にも当てはまることを思い知らせる大仕掛け。お見事でした。


この流れで、謎を残した最終回について、すなわち、
ネタバレレビューを読む
これも私は、現代より劣った中世ヨーロッパを信じたい現代人の偏見は虚構同然だと、
一石を投じる価値ある構成だったと感じました。

最終話のネタバレレビューを読むの告解室のやり取りも私は好感。
経典の内容は絶対だと盲信して信仰を押し付ける宗教家は愚かですが、
人にとってどの真理探求や信仰のあり方が救済となり得るのか。
ある程度悟って、各々の告白者に合った道を選択、提示できる宗教家の説法は、
科学至上主義と拝金主義に覆われていく後の近代社会でも有効。
終わってみれば宗教も意地を見せた作品でもありました。

正しい真理を追求する人間が素晴らしいのではなく、
人間は真理探求のあまり怪物と化すこともあると自戒できる者こそが歴史を作る。
己の信じる真実をぶつけ合ってSNSで分断を深め合っている現代人にも耳が痛い。
同時代への示唆にも富んだ一作。歴史として語り継ぎたくなる逸品です。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・マッドハウス

ノヴァクさんの拷問タイムなど、死傷者多数のグロテスクな描写にも果敢に挑んだNHKアニメ。

が、私にとってよりトラウマになったのが、オグジーの宇宙観。
C教において現世の地上とは穢れて不完全な世界の底辺であり、
人々は信仰によって来世の天国で神に救われねばならない。

生来、こうした宗教観を刷り込まれたオグジーの中では、
天動説に基いた夜空の星々は、天から穢れた大地を見下ろす目玉のようなおぞましい姿で認識されており、
オグジーは卓越した視力を持ちがながら、星空を直視することもままならない。

この現世の美しさや幸福からも目を背けさせる信仰の歪さを体現した
大量の目玉が降ってくる星空イメージの背景美術。
私は爪剥がしより痛いと恐怖しました。


その他、本作には例えばネタバレレビューを読むなど、信念をぶつけ合った議論の末、
人間が理屈をこねて練り上げた信念など軽く凌駕する景色があるという展開も多々あり。
世界にはまだまだ知らないことがある、神が不完全に作ったと説かれる現世も十分に美しい。
認識できるだけの背景美術は用意されていました。


【キャラ 4.5点】
地動説を継承していく複数の主人公視点。
このキャラ構成自体が、人の生涯を超えて残り続ける信念のしぶとさを表現する仕掛けとしても機能。

彼ら地動説信奉者たちを横断するように立ちはだかる異端審問の拷問官・ノヴァクというキャラ設定も、
信仰側の信念を体現する上で効果的かつ狂気でした。
ノヴァクさん、仕事では異端の口を裂きながら、家庭では娘を愛する子煩悩な父だったりする。
拷問を、帰宅を遅らせワークライフバランスを乱す残業くらいに軽く考えている。
私も仕事をする時、自らの職業は世の中に資する内容なのか、よくよく自戒したいと逆説的に痛感しました。

特に真理探求の意志や教養も持ってなかったオグジーみたいな存在まで、
地動説に巻き込まれて行く主人公群の一角に据えられるのも興味深いキャラ展開でした。
対照的に知識と野心を持った修道士・バデーニとのやり取り。
特に「文字を残すというのは重い行為だ。一定の資質と最低限の教養を要求される。
誰もが簡単に文字を扱えたら、ゴミのような情報で溢れかえってしまう。
そんな世の中、目も当てられん」
との一説、平生ゴミに溺れている私にとっても身につまされる説教でした。


その他、拝金主義を示唆する主人公視点・ドゥラカと、
極端な環境保護を示唆する異端解放戦線のシュミット隊長との議論など、
キャラたちも中世を越えて、現代社会にも通じる信念を持った曲者ぞろいでした。


【声優 4.5点】
淡々とネットリと拷問する異端審問官ノヴァク役の津田 健次郎さん。
真理に対してピュア過ぎる第一主人公・ラファウ役の坂本 真綾さん。
などキャリアを重ねてきた実力者が、連綿と続く地動説ストーリーを好表現。

その流れで、少女ヨレンタ役。この声は早見 沙織さんかな?と私は誤認していましたが、
仁見 紗綾さんという若手声優でした。失礼致しました。
元々ナレーション志望から、演技にも興味を持って、両方やれる声優業界に入って来たという仁見さん。
発声はキレイで、演技にもまだまだ伸び代がある。まだまだ端役が多い若手ですが、
オグジー役・小西 克幸さんいわく、スーパー新人らしいので、
今後、台頭して来たら、注目していきたいです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は牛尾 憲輔氏。
どんな世界観・舞台も得意の電子和音で彩ってしまう。
氏の個性は諸刃でもありますが、
現代的なテーマも問う本作の作風には合っていたと感じました。

OP主題歌はサカナクション「怪獣」
随分、久しぶりに聞くな?と思っていましたが、これが実に3年ぶりのシングル。
放送中ずっとフルバージョンがリリースされずにヤキモキしましたが、
先日じっくり練り上げた末に、作品を咀嚼した好タイアップ曲を完成させてくれました。
“この世界は好都合に未完成 だから知りたいんだ”というサビのフレーズが特に苦くて好きです。

ED主題歌はヨルシカ。
前期「アポリア」、後期「へび」共に、淡々とした曲調の中に詩的な歌詞を込める。
が、正直に白状すると、濃厚な本編で消耗しきった私は、
EDまで咀嚼、解釈する気力は残っておらず、
毎回ピアノサウンドで癒やされる時間になっていましたw
今後フルサイズで公開されているPVでも見直して噛み締めていきたいです。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 19
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「勉強が嫌い!?」 →学問の自由が保障されている現在に感謝すべきでしょ!!

【レビューNo.175】(初回登録:2025/3/23)
コミック原作で2024年作品。全25話。
放送前にネットをチェックしていたら、「原作は面白い」と前評判が高かった
ので期待してた作品ですね。
放送途中に図書館に原作があるのを知ったので、以降は既読状態で視聴してま
した。


(ストーリー)
15世紀前半の中世ヨーロッパの「P王国」では、「C教」という宗教が中心と
なっていた。
地動説はその教義に反く考え方であり、研究するだけでも拷問や火あぶりと
いった迫害対象となっていた。
主人公の少年ラファウは将来を嘱望されていたが、地動説に出会ってしまい、
その美しさに魅入られ、命を賭けて研究を続けることになる。
しかしある日、彼の元に「異端審問官」のノヴァクが現れて・・・
そして時を越えて「地動説に触れ真理を探究する者たち」の物語が紡がれて
いく。


(評 価)
・「地動説への苛烈な迫害」というフィクションを描いた作品
 ネタバレレビューを読む


・「勉強が嫌い!?」 →学問の自由が保障されている現在に感謝すべきでしょ!!
 ネタバレレビューを読む


・アニメーションとしても優れていた
 ネタバレレビューを読む


「人間が持つ押さえきれない知的探求心」
など、人によっていろいろなテーマを見出だせる懐の深い作品だったかなっと。
視聴前は
「地動説の話をどうやって面白くするねん!?」
と少し懐疑的にみてましたが、さすが前評判が高い作品でしたね。
原作のよさを制作陣がしっかり料理していたと思います。


OP『怪獣/サカナクション』
・サビの部分で宇宙の広がりを感じるピッタリな楽曲でしたね。
 しかし遂にサカナクションもアニソンに参戦ですか・・・


(追 記)
本作の後半で
ネタバレレビューを読む
という計画が持ち上がりますが、さながら2024年の選挙戦を暗示してたかの
ようでしたね。
従来のオールドメディアで覆い隠されていた不都合な真実がSNSにより白日
の元に晒されるという、大きく流れが変わる節目の時代を迎えたのだと。
そういう意味でもタイムリーな作品でしたね。
(で、我が国はSNSを規制するような方向に動いているとか・・・
 ホント救いようのない国ですね)

投稿 : 2025/04/05
♥ : 15
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