てぶくろ さんの感想・評価
3.0
MAPPAが贈る高級な"なろう"
第6話視聴しました。
{netabare} 今回は作品の長所を活かした、作画でもっていった回でした。
やはり、作画の良さは正義だなと実感させられました。
ただ、作画の良さに隠れて気になるところはいくつかあります。
例えば、メメルンがナツ子を諭すパート。
メメルンはナツ子の戦い方を見ていると時々不安になるそうで、「がむしゃらで、命知らずで、何かを守ろうと必死で…」と語ります。
…ん?そ、そうか? 前話の冒頭三連戦とかでも普通に調子づいてるだけじゃなかったか?
それと「今度のヴォイドは共に力を合わせて戦わないと勝てませんよ」くらいのことで、ナツ子が現実世界の頃から引きずっている "出来る人間だから故のスタンドプレーの精神" はほぐされてしまうのか…。
この価値観はナツ子という人間の根っこの部分であり、それ故その変化の様子には期待が出来ると思っていたので、結構コロッといったのは意外でした。
いや、でも…自分の好きなキャラからこんな風に言われたなら、そりゃこうなるか。
このパート、最後も微笑ましくて大変結構なんですが、メメルンがナツ子を諭す際に 前々回を踏まえた上での自戒するセリフなどがなかったので、たいぶ "お前が言うな" な仕上がりになっているのは気になります。
「ナツコさんがいなければ、この街もわたくしたちもとっくに終わっていた」←いや、自分が終わらそうとしてたやん。
「戦い方を見ていると不安になる」←最近で一番不安を与えたんは自分の方やん。
みたいなノイズが入ってしまいます。
最初に、わたくしが言えた義理じゃありませんが…とか、あなたがあの時わたくしに… みたいな部分があればスッと入ってくるんですけどね。
続いて、戦闘シーン。
作戦を立てて挑みましたが、開始10秒で瓦解してしまったのは笑いました。
みんなで力を合わせて誰も失わないように と意気込んでいたのにも関わらず、力を合わせる間もなかったですね笑
これ…ヴォイドがQJとメメルンをたまたま丸呑みにして、何故か飲み込まず味を楽しんでいてくれたから良かったものの、普通に死んでるところでしたよね。
この世界ってそういうラッキーはある世界なんですね。
ナツ子は今回サポートに徹し階段を出しましたけど、なんでわざわざ階段?
上まで一気にいける昇降機なり、飛行できる乗り物とかで良かったんちゃうの?
落ちる2人を見てとっさに、だと理解してもその後別に階段の続きを描いたり、階段が壊されたときわざわざ階段として直す必要があんのか?
死角に入った2人を追う際に、たまたま駆けつけてくれた飛べないジャスティスさんに乗せてもらいましたけど……これってナツ子は元気なときのジャスティスさん描いて出現させる、とかは無理なんですかね?
一度、階段を描いたら階段しか駄目なのか?
能力を使うと寝てしまうっていうデメリットがあるのは示されていますが、能力使用時の制限についてはわからないので、なんでも出来そうなのに何故か変な遠回りをしているように思ってしまいます。
パロをしているときはその遠回りな行為自体が、「パロ」というネタになっていたから気にならなかったんですけどね。
あと…すっごいそもそもな話、最初から塔の頂上で待ち構えていたら良かったんじゃないのか?
相手の狙いは分かっているし、ご丁寧なことにソウルフューチャーを取り込む口が弱点らしいし…。
バオバブ様の結界+メメルンの3秒は持つらしい制御魔法、ついでにナツ子もヴォイドの動きを止めること 弱点を晒すことに専念してたら、余裕をもって勝てたような気がするけど…。
もし塔の根元で自分たちが突破されたら、を考えていなかったのなら尚更頂上で背水の陣を敷いていた方が良かったな笑
実際、孵化したばかりのヴォイドの想像以上の速さに2人死んでるところですし笑
そういえば、モブの兵士とか魔法使いとかいたはずですが彼らは全員辞めたんですかね?
それか、あれかバオバブ様が ないよりマシだろう と思って張った気休め程度の小手先の防御魔法とやらがルーク達の想像以上に堅牢だったんでしょうか。
完全体になったあのヴォイドの突撃を十数回耐えるって、持って3秒というメメルンの制御魔法よりよっぽどあてにしていいと思いますけどね。
間違いなく今回のMVPはバオバブ様ですね、バオバブ様が 「まぁいいか… 」で結界張ってくれてなかったら終わっていましたもんね笑
もし、バオバブ様が避難所から遠目に様子を見ていたら、心臓止まってんじゃないですかね。
これからは作戦を立てるときはバオバブ様も呼んだ方がいいと思います。
次回に期待です。
{/netabare}
第3話まで視聴しました。
{netabare} MAPPAのオリジナルと言えばまだ前作の"アレ"が記憶に新しいですが本作品はどうなるでしょうか。
今ところ"アレ"よりはマシな気はしていますが、それはファンタジーな世界観が故に誤魔化しが効いているだけなんじゃ… という気持ちが拭えません。
現状、私が気になっている点はというと…
ナツ子の行動原理がよくわからん です。
現実の社会人としてのナツ子、新進気鋭のアニメ監督としてのナツ子、「滅びゆく物語」のファンとしてのナツ子、どの目線 どの立ち位置で考え行動してるのかがいまいち判然としません。(生きて現実に帰りたいっていうのは行動っていうより反射だしなぁ)
例えば、第1話の祝賀会中にこの世界が「滅びゆく物語」だと気づいたところで早速ヴォイドの襲来を告げ改変をしようとしている点。
いや、まぁ…被害がでないよう警告するのは真っ当な行動だとは思うんですけど…自分の好きな作品を改変することへの葛藤とか躊躇みたいなのないんですね。
ユニオを助けに飛び出した時もそういう気持ちはなかったですし、第2話で目覚めてからも改変してしまったことの後悔や後ろめたさは感じていないようでした。
第2話でその辺りの心境を整理するのかと思っていたら、なんか腹ペコキャラを確立してしまいましたしね。
鬱々しい展開で、見るとメンタルがやられる 絶望すると言われている「滅びゆく物語」のことをナツ子は"大好き"とまで言っていたのになんだか釈然としないな、と思っていたのですが…
そうか…ナツ子は「滅びゆく物語」が好きなんじゃなくて「ルーク」が好きなだけなのか…。
そういえば第1話で「何回見ても訳分かんない、でもそこがいい」って言ってましたね。
別に鬱展開が好きなわけでも、作品に対して独自の解釈を持っているわけでもないようですしね。
(鬱々しい展開なのと訳が分からない展開というのはちょっと違うような気もするけど)
ファンとしてのナツ子はそれでいいとしても、でもじゃあやっぱりアニメ監督の広瀬ナツ子としては、それでいいのかって気持ちは残っちゃうな。
他人様が生み出した作品であり、しかもその本質を理解していないまま改変を繰り返している現状に、こだわりの強い新進気鋭の監督様は何も感じていないのか。
今後の展開でその辺りは掘り下げられるかもしれませんね、少なくとも今はアニメ監督というより美術部の女オタクって感じがしています。
今一度、私が気になっている点を整理して考えてみると…
制作側は広瀬ナツ子というキャラをどういう風に見せたいのかがわからん という方が正確かもしれません。
これからの展開に期待です。
{/netabare}
第4話視聴しました。
{netabare} 今話は、映画では明かされない登場人物の心理をその物語の世界に入ることで知り得る、という本作品のテーマが持つ面白味、醍醐味が出た回だと思います。
これまでの3話と違い主要キャラに焦点が当たっているのも大きいですが、何よりナツ子が今回の問題解決のために使用した能力はちゃんと自身のアニメーターとしての経験が活かされるかたちになっていたのが良かったです。
第1話と第2話の時のようなパロはあれはあれでいいとは思いますし、今回のもパロっちゃパロなんですが、
「初めて原画として参加した作品」とか「怒られてヘコんだけど、そんなに喜んでもらえるならやってよかった」などの情報がつくとやっぱり見え方は違ってきます。
ただパロを用いた盛り上げのパート ではなく、ちゃんとナツ子の精神的成長につながる意味のあるパートになっていると思います。
総じてこれまでの3話より好感触ですし、原作者の存在を匂わせる引きでこれからに期待が持てるようになってはいるんですが、その一方でやはり気になるのはナツ子の「滅びゆく物語」に対しての気持ちです。
主要人物が死ぬ大事な部分が謎展開となっていて、ナツ子自身も"マジで謎"と思っているような作品を何故好きだと思えるのか?
ナツ子がこの作品と出会ったのって子供の頃のようですし、なんだったらトラウマになっててもおかしくないのに…。
ナツ子のこの作品に対する好意の出どころがわからん。
そんな状態で、メメルン好きだったのに とか言ったり、 メメルンにナインソルジャーへの好意を確かめてたりするのはなんだかモヤっとしてしまいます。
後々出てくることなんでしょうけど、もっと序盤からその辺りへのフォローが欲しい。
あと、細かいところで言うと ナツ子がルークはメメルンを殺すかもと思ったシーン。
ルークがメメルンは裏切り者だとわかってから斬ったのならまだしも、映画のなかではルークはヴォイドだと思って斬っただけなので、何故ナツ子はそう思ったのかが謎です。
映画じゃ斬った後のルークの反応は描かれていてないんか?
ナツ子の「滅びゆく物語」についての気持ちは、引っ張るならその分だけ余計にドラスティックかつ説得力のある説明や心理展開を期待してしまいますがどうなるでしょうか。
次回に期待です。
{/netabare}
第5話視聴しました。
{netabare} 今回は、ヴォイド退治が好調なことをうけて調子をこき始めたナツ子が、現実世界と同じ「自分がやったほうが早い」ルートに入ってしまう という回でした。
絶対絶命のピンチで引きを作ったので、次回以降のナツ子の心境の変化、価値観の変化の到来が楽しみです。
今回の件に関して、スラム街の子供たちやジャスティスさんがどう関係してくるのかも気になります。
スラム街といえば、特に治安の悪いスラム街である絶望地区を「ここで暮らし始めたら絶望しかない」とだけのなんともフワッとした説明でまとめてしまったのは拍子抜けでした。
仮にも、見たら絶望する メンタルを病む と言われている作品のさらに闇の部分ですよね?
「滅びゆく物語」が絶望と評されているのは、その世界観も込みでの話だと思っていたのですが、ただ単にナインソルジャーの面々が死んでいくからってだけなんでしょうか?
それか、このスラム街やそこに住む子供たちっていう要素は特に大事じゃなくて、ナツ子がジャスティスさんと出会うためだけのものなのかもしれませんね。
ジャスティスさんについて
ジャスティスさんとの会話シーン、ここは前回同様キャラの真意を聞ける醍醐味な部分だと思います。
ですが、映画内で描写もなく突然な謎展開を見せたというメメルンと違って、ジャスティスさんに関しては割としっかり描写されてるみたいなんだから、別に汲み取れるところなんじゃないのか?
ナツ子は子供の頃から度々映画を見て、設定資料集も読み込んでいるのに、こんなにもキャラの心境がわかってないって、これはナツ子がアレなのか 「滅びゆく物語」がよっぽどなのか どっちなんでしょうね。
それとも、ジャスティスさんは声が 朴 璐美 さんだしどことなく中性的に描いているのはそういうことなのか?
だから人を好きになったことがないナツ子にはわからないとかそういう系か?
鳥監督が出てきて「修正しても無駄だよ」と意味深なことを言ってきましたが、当のナツ子は別にこの世界を修正してやろう とも思っていませんし、改変していることについても特に何かを感じているわけでもない という食い違いは今後活きてくるでしょうか。
第5話まで視聴して未だ目を引くのは作画面の「あ、これ〇〇のパロだ」の方ばかりで、ストーリーそのものに乗れないのはやはりナツ子の主人公造形にあると思います。
ナツ子のクリエイターとしての信念とは、ナインソルジャーの1人として行動する ご飯 以外の動機、「滅びゆく物語」に対する独自の解釈か、世間の評判が悪いこの作品が何故自分は好きなのかの理由 または それを知ろうとする姿勢、など欠けているものがちょっと多い。
ナツ子のことは嫌いではないけど、上記のものがないとナツ子の行動に対する興味が持てない。
もう早くも物語は折り返しになっていきますが、どうなるでしょうか 次回に期待です。
{/netabare}