用心棒で時代劇なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の用心棒で時代劇な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の用心棒で時代劇なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.0 1 用心棒で時代劇なアニメランキング1位
サムライチャンプルー 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (614)
3605人が棚に入れました
安芸へやってきた三人組。『昔、世話になった』という道場へ向かったジンだったが、昔日の面影今いずこ。そこは剣術ではなく、タギングに夢中になっている恩師の息子達のたまり場になっていた。一方ムゲンは、字が読めないことをフウに指摘され、一念発起!? 文字を習い始めるのだが……。

声優・キャラクター
中井和哉、川澄綾子、佐藤銀平
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ひまわりはオランダが日本に持ち込んだ花

全26話のうち17話までを1期、
18話から26話を2期としている為
この2ndシーズンは18話からのお話。

音楽はHIPHOP中心。
監督は渡辺信一郎氏で、制作はスタジオマングローブ。
綿密に計算されたスタイリッシュなアクションが
テンポよく繰り広げられ、観ていてとても心地良い。

舞台は江戸末期で服装も和服ベースだけど、主人公たちは現代風な着こなし。
「ひまわりの匂いのする侍」を捜し求めている天涯孤独なフウと、
喧嘩早くてめっぽう強いが女には弱いらしいピアス男、ムゲン。
寡黙で冷静沈着、繊細そうな細身のメガネ侍、ジン。
この3人が、ひょんなことで知り合い、フウの人探し旅の用心棒として
旅をしてきて、ようやく壱岐へ辿り着いた。

相変わらず、見事なアクションは健在。
三人の時間を共にした分の絆も感じられ、
何かにつけ言い合いしていた初期が懐かしく感じられたりして。
こちらの2期は全体的にシリアスモードな展開が多かったように思う。

三人それぞれの秘密を打ち明ける焚き火のシーン以降、
24話から26話は映画を2本見たくらいの見応えがあった。
特にカメラワークが秀逸。
緊迫感漂う決闘シーンでの静と動。
水面に映る雲の流れや季節を過ぎてしまった一面のひまわり畑。
目を伏せたくなるような残酷さと、哀しみの中、
フウがようやく逢うことのできた「ひまわりの匂いのする侍」の正体とは・・

やがてすべてが片付いたあとの、メリハリの利いた真夏の空のような、
それぞれの選択が清々しい。いや、清々しすぎるでしょ。
{netabare}
あれだけ命を懸けて守ったフウに対しても、あっけなく、
良き相棒となるかもしれない仲間に、さらりと背を向ける。
まるで、さんざん遊んで満足した子どもが、「じゃあ、また明日な」
とでも言わんばかりの別れ方。
{/netabare}

でも、それがなんともカッコいい。カッコよすぎる。
ベタつくことなく、馴れ合うことなく、だけど確実に
出逢ったばかりの頃よりずっと信じ合えてる。
それがわかるから、納得できた。

なにげないセリフの中に、唸るような教えがあったり、
いろいろ感じ、気づかされ、想うことの多かった作品だった。
こんな素敵な作品に出逢えた事に、感謝です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50

ジョニー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

後半に入っても、面白さは健在!

ただ、刺客(サラ)の登場回後半の(作画ではなく)キャラデザが変わって前回からそのまま見るととても違和感を感じます。
それ以外は相変わらずの面々が笑いを交えつつも熱いバトルを見せてくれます。
最終回は、物語のメインのである、人探しが完結する話なので、3話構成になり、最強の刺客の登場、どんどん不利になっていく状況、人探しの結末、そしてその中で現れる、旅をする中で気付かぬ内に芽生えていた彼ら3人の絆
最終回に相応しい内容となっています。
ぜひ、1話から視聴してみてください。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

心に残る、珠玉のアニメでした(><);

ギャグを織り交ぜつつ、怒涛の結末へと向かう三人の旅。
。。くぅ、感動以外のナニモノも無いよ~;;
2004年度最高のアニメはエルフェンリートか岩窟王かと思ってましたが、このサムライチャンプルーかもしれません。。当たり年だったのかなぁ~?

自分的にスゲェと思ったのは、
1)13~14話「暗夜行路」。ラストがうおぉっ~!て感じ。
11話ではジンに惚れましたが、ココではムゲンに惚れます。
2)21~22話「悲歌慷慨」。ラストがうおぉっ~;て感じ。
母性愛がせつねぇ。。

もちろん、
3)最終話「生死流転」も素晴らしい締めくくりでした。
バラバラだった三人の気持ち、強く強く結びつきます。
安っぽい恋愛とか友情とかじゃなくて、家族に近い仲間として。。そういや、三人とも孤児なんですよね。

ずっと三人で旅を続けられたら良いのに。。
そう思うのはフゥちゃんのみならず、ムゲンとジンも一緒。
そして、最後までサムライチャンプルーを観た私達も、同じ気持ちを抱くんじゃないかなぁ~3

最後まで心に残る、珠玉のアニメでした(><);

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

67.6 2 用心棒で時代劇なアニメランキング2位
さらい屋五葉(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (379)
2001人が棚に入れました
『さらい屋 五葉』(さらいや ごよう)は、オノ・ナツメによる日本の漫画。『月刊IKKI』(小学館)において2006年より連載。

田舎から江戸に出てきた侍である秋津政之助は、ひょんなことから誘拐組織「五葉」の頭目である弥一の用心棒をしてしまう。弥一に剣の腕を見込まれ、自らの意向とは逆に五葉の一味にされてしまう政之助だったが…。


声優・キャラクター
浪川大輔、櫻井孝宏、緒乃冬華、高塚正也、内田夕夜、木下浩之、高梁碧、宝亀克寿

もちすい さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キャラが色っぽい

観る前は必殺仕事人みたいなものをイメージしていましたが、ものすごく落ち着いた雰囲気の人情劇でした。

会話の間、カット割りやアングルなど、かなり実写映像の手法で作られていて、これにアニメーションという媒体の利点である色彩の自由度がよく活かされているので、ものすごく雰囲気のある作品になってます。

ただ、特にこれといって話が盛り上がるわけでもなく、アニメーション的にも派手な動きが無いので、そういうものを求めている人には向かないです。

あと、雰囲気だけの作品ではないけれど、この雰囲気が大きな魅力であることには違いないので、これが合わないなら、あえて観る作品でもないです。

それにしてもOPとEDの曲は、あまりにも雰囲気と合ってなく、観ていると笑いがこみ上げてくるほど。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

color さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

風情たっぷりの時代劇

江戸の華やかさから離れひっそりした雰囲気がたまりません。

江戸に出てきて知り合いもいない弱気な侍・政之助(まさのすけ)。
剣の腕は立つけど人の視線が苦手だったり、空気の読めない発言で失笑を買ったりするダメ侍。
そんな彼が"かどわかし"を生業にする五葉(ごよう)の裏稼業に巻き込まれていきます。

五葉の頭目である弥一(やいち)と新参者の政之助を中心にした人間関係が物語の軸。
酸いも甘いも噛み分けた人間達がなぜ裏稼業に手を出してしまったのか。
じわじわ明かされる五葉の面々の過去がすごく魅力的で、
派手な斬り合いもない人間ドラマにグイグイ引き込まれました。

物語はテンポよく進みますが行間を読むような構成が素晴らしい。
江戸時代の潔さや身分違いの悲しさを考えてより深く楽しめる作品になっています。

独特なキャラデザも好みでした。
顔はカエルっぽいんですが逐一繊細に変わる表情が素晴らしく、
女性キャラはびっくりするくらい色気があり笑顔に隠れた憂いも見てとれるほどです。

マングローブの時代劇アニメは安心安定。
次回作も期待しています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

趣深い大人向け人情時代劇でござる

原作は漫画らしいが、実にマングローブ臭がするアニメでござるw
暗く落ち着いた雰囲気でしっとりと・・・・
荒んだ世の中だが・・・ちょっぴり人情を感じる

ストーリー展開はかなりスローテンポかつ地味で起伏に欠けるが
徐々に登場人物の人物像が見えてくる展開を、じっくり楽しむアニメです
人さらいを生業としてるので、微妙にサスペンスな展開も含みつつ進む

雰囲気を醸し出す演出とキャラクターの魅力が良いです
アクションシーンはほとんどなく、人情劇を重視しています
完全に大人向けのアニメですが、独特な人情時代劇ですね
好きな人は凄く好きだと思います

超弱気な侍である主人公が良い感じにアクセントになっている
ござるござる連発しやがるのが、妙に愛らしく感じるのでござる
正しく、ござる萌えアニメあろうw

万人受けを狙わないマングローブらしさが光る良作。
それがしのおすすめのアニメでござる

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

72.3 3 用心棒で時代劇なアニメランキング3位
無限の住人 IMMORTAL(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (139)
605人が棚に入れました
武士というものがまだ存在していた江戸の世——。百人斬りと呼ばれた【不死身】の男がいた。その男の名は「万次」。万次は、父母を殺され復讐を誓う少女「凜」と出会う。凜は万次に、復讐の旅の用心棒になってくれないかと言う。初めは断る万次だが、凜に亡くした妹の面影を見た。一人では危うい凜の姿に、仕方なく手を貸すことに決める。しかし凜の仇は、剣の道を極めんとする集団——逸刀流。それは、不死身の万次すら追いつめる凄絶な死闘の始まりを意味していた。

声優・キャラクター
津田健次郎、佐倉綾音、佐々木望、鈴木達央、花輪英司、咲野俊介、桑島法子、ふくまつ進紗、秋元羊介、小原雅人、中田譲治、林真里花、白熊寛嗣、奈良徹、小林親弘、関智一、真山亜子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

MUGE・ん…異能っぽい

原作未読 Netflixもの

なんですけどなんとなく

 なんかタイトル知ってる~

三池崇史監督でキムタクの実写版が遠くない過去にやってましたね。それでみたいです。マンガそのものは1993年から20年ほど連載し完結。これはきっとブックオフで見かけてますね。実物に触れるのはこのアニメが初です。


 限り無き世界の住まい人


のお話。八百比丘尼より不死を授かったおっさんを主役に据えた時代劇全24話。ちなみに終始物騒なアニメ作品ですよ。痛快さとはほど遠く『カムイ伝(白戸三平)』『どろろ(手塚治虫)』の世界観に寄せたような感じがします。自分は無条件で好きなタイプな作品なので抵抗はなくそのまま完走。おそらく第1話からして雰囲気はばんばん伝わってくることでしょう。

まあけっこう身も蓋もないのがいいんですよね。生命は限りなく重くそして軽い。

 {netabare}『この奥方は好きにしていい。ただし娘の方には構うな』

平気でこんなこと言っちゃってる世界だったりします。{/netabare}

エロ・グロ注意表現がテロップで流れますので推して知るべし。主役のおっさんを津田健次郎さんが演じられてるわけですが、朝ドラでツダケンを知って「あら、アニメもやられてるのね?」とうっかり迷い込んだ奥さまが卒倒するグロレベルではあると思います。
声優さんに触れておくともちろん名の知れた方もいるわけですが、そんなこと以上に、セリフの多い主要どころに無名な声優さんがけっこう配置されてるのが特筆すべき点でしょうか。“代表作無し:主役級無し”な声優さんがわんさかいます。それがいいです。人知れず生まれ人知れず死んでいく儚さをキャストから感じたのは私だけでしょうか。

そして理不尽な理由で生命を落とすなんてことはザラな物語です。それを具現する尸良(CV奈良徹)みたいなキャラもおりますが、その点でなによりウケたのはOP曲by清春ですかね。傍若無人なエピソードに事欠かないアーティストさん。その頃SNSがあったら日々炎上しまくってただろう方のお声を冒頭に聴けるのは幸せでした。あれ!?よくわかんないですか!?僕だけに響いてる感じでしょうか。 くすんだ色調のアニメの中で鮮やかにここだけ色づいてましたね。
なおEDはものすごく好きです。毎度変わるというのも良いのですが、作品世界を見事に表現してるといっていいでしょう。贔屓の引き倒しみたいになってきた(・_・;)


少しだけ具体的なところも。
ヒロインは浅野凜(CV佐倉綾音)。町道場の師範の娘だった彼女は目の前で父を惨殺され、母を凌辱された末に行方不明という憂き目にあう。犯人は勢力拡大中の一門“逸刀流(いっとうりゅう)”で面も割れてるところでヒロインが仇討ちを誓いスタート。道中「用心棒が必要じゃろうて」との婆(八百比丘尼)の助言から、万次(CV津田健次郎)と接触し助けを乞うみたいな導入です。そこに万次の不老不死という設定が絡んでくるわけです。
だいたいこういうのも暗黙の境界線みたいなのがあって、

【仇討ちもの】
 並:仕留めたぞ!ヒャッハー
 上:憎しみを超えたなにか
 下:{netabare}憎しみを超えたなにかに挑戦した似非ヒューマニズム{/netabare}

【不老不死もの】
 並:ゲットしてハッピー
 上:そう良いことばかりではない。むしろ…
 下: …

シンプルに夢見てウヒャウヒャする“並”は場合によっては清々しさが際立つ良作だったりします。そんな物事は単純じゃないのよってのを巧みに見せてくれると“上”。さらに「そうきたか!」と驚きのようなものがあると“特上”になるんだと思います。“下”は書くつもりありませんでしたが、“上”に挑戦したもののツメが甘くてうすら寒い作品の山が横たわってる現状を憂い一応書いときました。本作でもヒロインが正義感溢れる一本気気質だったので一歩間違ったらドン引きする展開が待ってたと思いますよ。でもまあそうはなりませんでした。ちなみに不老不死ものはあまりハズレを引いたことがない気がするので“下”相当は該当なしとしてます。

 ・死ねないことの苦しみ哀しみ
 ・寿命差で生じる死に別れの悲哀

あたりがお約束でしょうか。本作は“上”を狙って“上”を獲得した作品だったといえます。雰囲気や見た目もしっかりと世界観に合わせながら、変化していく仇討ちの意義を見つけようと凛が迷い悩み答えを出していく過程は納得感を得られます。不死である万次の諦観みたいなものには“もののあはれ”すら感じた私です。
難点は少しばかり雰囲気勝負だったところ。けっこうな登場人物数を回しきれたかも微妙なところ。おそらく詰め込んだ部分もあるのだろうと思われます。それでも破綻したとはならないのは、物語のエッセンスをきちんと抽出し省略せずに我々に提示してたからだと思います。しっかりと堪能しました。



※ネタバレ所感

■万次さんのここが良い

強くないところです。万次さんいつも殺されてるのに自信満々なんですよね。それが強がりだとわかってくると深みとコクが増してきます。

{netabare}どこだったかで「こんな(身体)になる前に100人斬ってんだぞ」と言ってたような。不死身の肉体なんて妖(あやかし)ないし化け物扱いです。だから無敵なんだよという目を向けられたのに反して出た万次の一言。人間の頃から強かったんだぞ!と叫んだわけです。
正しくは不死身ではなく死ぬこともある万次さんの肉体に本人はとうに嫌気がさしている。でもどうしようもない。自嘲気味ながら自分の体を呪う手前みたいなスタンスで己に向き合ってたかと思います。そんな諦観めいたある種の達観した境地までいったおっさんのように見えて実はそうでなくて「人間の頃の良かった自分」への憧憬めいた感覚が残っているところが面白い。{/netabare}

{netabare}剣術も最強ではない。おそらく“町(村)レベルで強い!”くらいなもんだったんでしょう。
手練れがわんさか登場する時代劇です。熟練の剣客同士の手に汗握る熱戦を主人公を主語にして展開されればわかりやすかったのかもしれません。
同時に流れるような達人の剣技を作画で魅せてくれれば拍手喝采だったでしょう。

だがそうではありません。最初私はそこが不満でした。気持ちよくない。
しかしながら、そこらへんにいる腕自慢のおっさんがひょんなことから不死を得てしまった悲哀を表わすにはベストな選択だったような気がします。最強剣士が不死になる設定なら不老不死の意義や意味なり目的がわりとはっきり見えやすいとなるはずのところをそうではなくしてるわけです。
死んだと油断させといて不意打ちするみたいなとこあるので、バトルとして見たら消化不良もいいとこですがこれはこれで良し。流麗な剣技は他の人に任せてるところあるのでそっちで満たしましょう。{/netabare}


■日本の風景

欧州を舞台にした作品だと100年前200年前と遡っても街の景色がそう変わらないことは多々あります。橋だったり教会だったり平気で築400年とかあって、この前観たルネサンス期を描いた作品では舞台のフィレンツェの観光名所ともなってる有名な橋がそのまま描かれてたりもしました。

 石造と木造の違い

日本とヨーロッパの違いです。日本は戦争で主要都市が焼け野原になったこともあり、文明開化や大正浪漫はたまた戦時を描いた作品での街の風景は今と異なり当時の建造物はほぼ残ってません。またそのことを特に違和感なく当たり前のことと受け止めてきました。

 切り取った時間軸で風景は変わる

{netabare}それが何話だったかの“白川郷”。江戸を抜けて金沢へ向かう道中ということで道程も合致する。作品で描かれた白川郷がそれこそ観光で訪れた景色そのまんまでいたく感動しました。なにせ時代劇において今現在見てる景色そのまんまという経験がなかったもので。歴史の縦の糸が繋がったかのような稀有な体験でした。{/netabare}


■いっとうりゅう

最終話でサラッと…

{netabare}時が流れてましたね。

「土佐で魚釣ってたらアメリカ船に連れてかれ」
「萩で牢に入れられ」
「京都で久々にいっとうりゅうの名を聞く」

ってそのまんま竜馬さんじゃないですか(笑) 投獄されたかは知らんけど萩行ってますしね。吉田松陰に会ったり新撰組連中と親交があったことを伺わせる最終回です。なんか歴史の影に万次あり!みたいな。これ個人的には微妙でした。歴史の本流にはかすりもしないところで徒花のように生きた人達の物語だと思ってたところがあったのでなんとなく腑に落ちなかったです。
※注)ジョン万次郎説もあるとのご指摘あり{/netabare}



万次と凛の仲の描き方もあれで良かった。
ごちゃごちゃ言わんでも目と目で通じ合うくらいの信頼関係はできてたんだと思います。実写版でキムタクを起用したのはそういうメタファーなんですよ(嘘)。



視聴時期:2020年4月~9月 リアタイ

-----

2020.09.16 初稿
2020.10.30 修正
2021.06.11 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 40
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

忘れ雪ほどろに

ライデンフィルム制作。

己の大義を掲げ全国に覇を轟かす、
影久率いる剣客集団逸刀流の精鋭たち。
彼らに両親を殺害された少女凜は、
不死の肉体を持つ万次に用心棒を依頼する。
復讐を誓う少女と男の旅路を描く時代活劇。

歴史の表には記されない壮絶な記録だ。
剣客たちの息吹までこちらに伝わる。
私の知る沙村広明はここにあって、
彼のサディスティックな画集は、
常軌の際で書かれたものに違いないだろう。

それぞれが悲しい宿命を背負い、
人の業と血脈に縛られ死闘に明け暮れる。
無念への慟哭が刃を研ぎ澄ませる。
華やかな江戸の文化の影で、
こういった怨恨の世界があったに違いない。

素晴らしいのは長期連載に関わらず、
剣客の力量が僅差であることだ。
ゆえに剣技を極めたもの同士の死闘に、
勝敗の行方が分からず緊迫感が生まれる。

{netabare}罪を償うと決めた万次の決心、
すべてを見届ける凜の胸中、
滅びゆく逸刀流と剣の高みを目指した影久、
そして槇絵と百琳、凶戴人、
そうだ、純粋なものから滅びていくのだ。
泣けてくるよ。{/netabare}

時代に取り残されたものたちの宴は、
ほんのわずかでも何かを変えたのだろうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 40
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

滅びゆくものたち

アニメーション制作:ライデンフィルム、
監督:浜崎博嗣、シリーズ構成:深見真
キャラクターデザイン:小木曽伸吾
音楽:石橋英子、原作:沙村広明

単行本が発売されて間もない頃から
20年ほど追いかけてきた。
初めて読んだときは、常識を覆す
大胆なストーリー、仇討ちと剣術に対する
哲学的思考、そして筆を用いたことによる
血なまぐささを感じさせるような
独特なタッチの絵柄に夢中になった。

『波よ聞いてくれ』を観た人なら分かると思うが、
沙村広明の作品は、キャラクターの魅力が秀でている。
主人公の万次はもちろん、天津影久や黒衣鯖人、
凶戴斗、乙橘槇絵、川上新夜、百琳など、
序盤に登場する面子と出会うだけでも気持ちが高ぶる。
カッコ良いし、奥深さを湛えているのだ。
それに加え、尸良や山田浅右衛門吉寛のような
狂気の人物が、読者を心の底から嫌な気持ちにさせる。
それも、また作者の特徴のひとつだ。

作品でいちばん惹かれたのは仇討ちに対して
主人公の浅野凜が何度もその正しさと
どうしようもない恨みの感情によって苦悩するところだった。
映画ファンだった私にとって、
仇討ちは西部劇やカンフーものの影響で常識的な思考。
ところが凜は、その正しさについてずっと自問自答する。
仇討ちを目指すのが万次ではなく、
女性である凛であるからこそ行き着いた
とてもよく分かるストーリー展開だった。
それが明確に表れているのが6幕の川上新夜の話。
敵討ちの連鎖を断ち切るために凜が苦悩するさまは
とても心に残り、普通にはない時代劇を感じさせてくれた。
この頃の物語の繊細さは、藤沢周平が思い浮かぶ。

凜が仇討ちをしようとする相手は逸刀流のメンバー。
彼らにも大義といえる理屈がある。
個人の想いと武術に対する志。
敵も人間であって、自らの信じる道を歩んでいるのだ。

型にこだわらず、本質にのみにこだわる。
それが逸刀流の美学。
武術の重要性が薄れつつある江戸時代において
真の力を追い求める者たちの究極の考え方。
それは人の命よりも重い。
「強さ」以外の理由で後継ぎになれなかった
父を見てきた影久の無念と恨みが滲み出てくる。

信じた道を突き進む天津影久は逸刀流を結成し、
江戸における道場破りを繰り返し、力を誇示していく。
しかし、それによって恨みが連鎖する。
所詮は烏合の衆である者たちゆえに起こる
下衆の行動と蹂躙によって、
被害を受けた者たちは怒りに燃える。
そのひとりが凜なのだが、
自分の追っている逸刀流の危機を目にするたび、
そして党主の天津影久という男を知っていくたび、
凜の心は揺れ動き、自分のやるべきことに
ためらいを感じるのだった。
また凜と話をすることで天津の心にも変化が生じる。

凜に手を貸すのが不死の運命を背負った万次。
旗本の不正を許せなかったことが原因で
100人斬りとして知られるようになった男は、
1000人の悪党を葬ることで罪滅ぼしを目指す。
その思考はとてもシンプルなものだった。

アニメのストーリー展開としては、
{netabare}1~12幕…凜の仇討ち、天津影久との2度目の出会いまで
13~19幕…万次捕縛&不死虐殺実験&救出まで
20~終幕…逸刀流vs. 吐鉤群の六鬼団と
分けることができる。{/netabare}

単行本のことを思い返して、改めてアニメを観た感想としては、
個人的には1~12幕が断然好きだ。
剣士としての矜持や生き様を感じさせてくれる。
しかし、それ以降はただの殺し合いになっていく。
好みの問題なので、そこが好きな人も多いと思うが、
私としては引き延ばしの感があった。

特にいちばんうんざりしたのが、
途中から作者が尸良に思い入れすぎて、
誰のための物語か、焦点がぶれてしまっていること。
また尸良の凄惨な過去がほとんど語られないため、
ただの殺人鬼が好き放題に暴れまわる
展開になっているのが少し残念。
これをやるのなら、尸良の過去をもっと
深く掘り下げ、しっかりと描かなければならない。
また、それは吐鉤群についても同様で、
幕臣である彼が剣士を排して、
平和を求めていたようには感じられない。
何を考えていたのかは、ほとんど見えてこない。

作画については崩れることもあり、
特に瞳阿の絵は安定していなかった印象。
この作品のなかではあまり重視されていなかった。
また最も重要と思われる斬り合いのシーンに
迫力がなかったのもマイナスポイント。
漫画のほうは、かなりこだわっていた部分なので、
そこも物足りなく思えた。
ただ、物語の構成は30巻分もある原作を
2クールでとても上手くまとめていた。
全体のバランス感覚が素晴らしかった。

ほとんどの侍が死滅した世界。
{netabare}万次だけは、江戸時代が終わっても生き永らえている。
滅びゆくものたちを間近で見ていた万次。{/netabare}
その目に映る世界は美しかっただろうか。
(2020年10月24日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

62.1 4 用心棒で時代劇なアニメランキング4位
無限の住人(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (95)
530人が棚に入れました
「剣道とは勝つことへの道」を標榜する剣客集団・逸刀流。彼らに両親を殺された少女・凛は仇討ちを遂げるため、不死の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼する。

声優・キャラクター
関智一、佐藤利奈、野島裕史、中井和哉、江原正士、小西克幸、浪川大輔、能登麻美子、豊口めぐみ、森川智之、三木眞一郎、坂本真綾、菅生隆之、関俊彦

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

『テクノライズ』に似てると思ったんだけど・・・・・

ストーリーは、不死身の力を手に入れた主人公が家族の仇討ちをする少女に力を貸す、というもの。

話は中途半端で終わっていて、オリジナル展開ですらない。復讐相手を一話or二話で一人ずつ倒していく。

中途半端な時点で物語の評価はできないけど、この作品の一番悪いところは作画。明るい時はいいんだけど、夜の戦闘シーンはものすごく見づらい。ただ元々作画が精巧な作品ではないから戦闘シーン自体も見どころと言う程ではない。個人的には『テクノライズ』に似ていたから誰か作画に関係者がいるのかと思ったけどそんなことなかった。


実写映画もやっていてキムタクが主役の万次を演じてるけど、「無限の住人」で検索したとき「大コケ」って出たからそんなに評判良くないのかな?


【追記】
アマプラでやったリメイクアニメを観るために、この作品も一話から観直したけど、観る必要無かったな(笑)
向こうの声優も豪華だけど槇絵に関してだけは能登さんが良かった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

そうなんだ。。新作が好きなら観てもいいかも

 
原作は未読。
新作『無限の住人 IMMORTAL』 は視聴済み。

だもんで・・
 ↑
 ちなみにこれって静岡なまりらしいですね・・
 自分は静岡出身じゃないですけど

どうしても比較して観てしまうのは必定・・
ってことで・・

OPがちょいエロw

■エピソード
一話目、万次の妹のエピソードは新作にはなかったですね。
新作で万次が「死んだ妹に似てるよお前」と言っていた背景が初めてわかって良かったです。
~{netabare}
ニ話からは新作と同じようなエピソードでした。
中身のエロさは新作の方がずっとすごいけどw
{/netabare}~

エピソードそのものは、原作が同じなので惹かれる部分はありますね。

■作画や演出
絵のインパクトは、まあ比べるべくもないかな。
演出は映像に頼らずとも心情描写ができていて悪くないような気がします。
まあ古い作品なのでそこは加味しないとですが。

■キャラ/キャスト
ヒロインの燐は声が良かった。
要所でのカットはやはりカワイイ。
これは視聴モチベとしては充分でした。
~{netabare}
万次:関智一
 はじめ細谷さんかと思った。
 関さんは・・
 エヴァンゲリオン(鈴原トウジ)
 フルメタル・パニック(相良宗介)
 Fate/stay night(ギルガメッシュ)
 Fate/Zero(アーチャー)
 PSYCHO-PASS サイコパス(狡噛慎也)
 鬼滅の刃(風柱:不死川実弥)
 呪術廻戦(パンダ)
 めちゃくちゃお世話になってましたw

浅野凜:佐藤利奈
 佐倉さんと声似てる・・
 新作であやねるが選ばれたのは必然かな。
 利奈さんは・・
 ネギま!?(ネギ)
 とある科学の超電磁砲(御坂美琴)
 アマガミSS(棚町薫)
 咲-Saki- 全国編(臼沢塞)
 シドニアの騎士(田寛ヌミ)
 すのはら荘の管理人さん(春原彩花)
 エガオノダイカ(レイラ・エトワール)
 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(リュカ)
 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(産屋敷あまね)
 ARIA The CREPUSCOLO(アテナ)

 え・・ARIAで川上さんを引き継いだ方だったんですね・・
 今こうして知ることになったのも必然かな。

乙橘槇絵:能登麻美子
 頭巾を取ると美しい・・
 能登さんのお色気シーンが貴重。
 ま、最近はゴールデンカムイなんかも
 やってますが、CLANNADやってた頃を
 知るものとしては・・ねw
 ちょいとおさらいしてみましょうかね・・
 CLANNAD(一ノ瀬ことみ)
 大正野球娘。(宗谷雪)
 花咲くいろは(輪島巴)
 地獄少女(閻魔あい)
 宝石の国(ユークレース)
 はたらく細胞(ナレーション)
 ゴールデンカムイ(インカㇻマッ)
 かくしごと(姫の母)
 君に届け(黒沼爽子)
 リゼロ(エルザ)
 うん。

百琳:豊口めぐみ
 今作ではキャラは無事なままでした ^^
 豊口さんは・・
 咲-Saki- 阿知賀編(渋谷尭深)
 転生したらスライムだった件(大賢者)
 エグゼロス(ギタイ蟲)
 魔女の旅々(ローズマリー)
 ふむ。

町:坂本真綾
 万次の妹?
 即死キャラにマーヤさんとは・・
 出演紹介はありすぎて断念w
{/netabare}~

てか、尺があるとはいえ、ソコで終わったら・・
消化不良でしょやw

たしかインタビュー映像で、原作者は再アニメ化の話があった時、前例があって迷ったとか言っていたような。まーこういう作り方、終わり方されたんじゃ分かる気もしますね。

新作、二期としてではなく作り直してくれてありがたいです。

でも自分は、これはこれでなかなか楽しめました。
新作を観たからこそかも知れませんが。

 原作:沙村広明(講談社「アフタヌーン」連載)
 監督:真下耕一
 キャラデザ:山下喜光
 制作:BeeTrain
 制作協力:Production I.G
 放送:2008年8月
   (新作は2019年10月)
 視聴:2020年11月 dアニメストア

実写版はなんか観る気がしないなぁ・・w
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

刮目せよ! 凶気の宴、ここに開幕!

この作品の原作は未読ですが、2019年の秋アニメで「無限の住人-IMMORTAL-」が放送されることを知り、是非先に視聴しておきたいと思い、この作品を手に取りました。
本当はもう少し早めに見終えたかったのですが、リアタイ作品の視聴に追われ今まで時間を要してしまいました。


「勝つ事こそ剣の道」と断ずる逸刀流統主・天津影久に両親を惨殺された
少女・凜は、身に血仙蟲を埋め込み不死身となった100人斬りの男・卍を
助っ人とし、仇討ちの旅に出る…!

1993年、アフタヌーン誌上に登場するや、その圧倒的な画力・大胆な演出、
斬新な殺陣…等々により「時代劇」というジャンルを一躍エンターテインメントの
主流へと蘇らせた[ネオ時代劇] 遂にアニメ化…!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

本作が放送されたのが2008年なので今から10年以上前になります。
確かに若干の古さは感じましたが、キャラデザなんかは今でも十分通用するほど綺麗だったと思います。

少し気になったのが放送期間です。
全13話であるにも関わらず、7月から12月までの2クール分を使って放送されていたんです。
これも大人の事情が関連しているのでしょうか。

それと起用されている声優さんは、今でもバリバリ活躍されているベテランの方々です。
主人公の卍が関智一さん、ヒロインの浅野凜がサトリナ、これに能登麻美子さんまで出てくるのですからテンションは上がりまくりです。

そして一番気になったのは何故全13話だったか、ということです。
それは、全13話で物語が完結していないからです。
アニメの放送期間が2008年の7月~12月で、漫画の連載が2012年の12月まで続いたようなので、アニメが連載に追い付いてしまったからでしょうか。
妙なアニオリエンドにしてしまうと作品のイメージを崩しかねないから、途中で終わらせたのかもしれません。
それなら何故続編が制作されなかったのでしょう。

親の仇打ちの旅…
それは仇討ちが決して楽な旅じゃないことを思い知る旅でもありました。
何度も心が折れそうになりました。
確かに凜は無天一流当統主の一人娘です。
ですが、統主の子供が必ず強いという訳ではありませんし、ましてや凜は非力女の子なんです。

そし相手は仮にも統主…力の差は歴然としています。
だから卍の力を借りたんです。
自分の使えるものは全て使って倒す相手が親の仇…
ようやくそう前を向くことができたというのに…
ここで終わってしまったら、ただの販促作品になってしまいます。

だから、10年もの時を経て今回アニメが制作されたのかもしれませんね。
「無限の住人-IMMORTAL-」は未だ視聴していないので、物語がどこからはじまるかが物凄く気になります。
本作の続きでも構いませんし、10年間に進化した技術を駆使して物語の初めからでも良いと思います。
でもせっかくなら個人的には後者であると嬉しいですけど。

そういえば、AパートとBパートのアイキャッチ画像がやたら現代風でした。
本作は時代劇であるにも関わらず、アイキャッチ画像には高層ビル群が描かれていましたから…
両者がどの様な関係があるのか…最後まで視聴しても分からなかったのが少し残念です。

オープニングテーマは、枕草子さんの「赤いウサギ」
エンディングテーマは、GRAPEVINEさんの「wants」

1クール全13話の物語でした。
思いのほか堪能できた作品でした。
そしていよいよ「無限の住人-IMMORTAL-」を視聴したいと思います。
今度は物語が完結するまで描かれることを期待しています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
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